説明

無線通信サービス継続システム及び無線通信サービス継続方法

【課題】基地局とセンター設備間の通信が不能である場合でも無線通信サービスを継続することができる無線通信サービス継続システム及び無線通信サービス継続方法を提供する。
【解決手段】第一の移動局2aと接続する第一の基地局1aと、第二の基地局1bと、第一の基地局1a及び第二の基地局1bと接続するセンター設備3とを備える無線通信サービス継続システムであって、第一の基地局1aは、第一の基地局1aが前記センター設備3との通信が不能となった場合、前記移動局との通信に用いるTDMAフレームの送受信タイミングをずらして一部のスロットを前記第二の基地局との無線通信に用い、前記スロットにより第一の移動局2aに係る通信データを第二の基地局1bと送受信し、第二の基地局1bは、通信データをサービス設備3と送受信することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局とセンター設備間の通信が不能である場合に無線通信サービスを継続するための無線通信サービス継続システム及び無線通信サービス継続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基地局が移動局に通信サービスを提供するためには、基地局とセンター設備との有線通信が可能でなければならず、有線断時においては、基地局がセンター設備への接続を行えず、無線通信サービスの継続が全くできなかった。そこで、従来は、センター設備と有線通信が可能な基地局に、該移動局をハンドオーバさせることにより無線通信サービスを継続していた(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−6170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、センター設備と有線通信が可能な基地局に移動局をハンドオーバさせることにより無線通信サービスを継続する方法は、移動局がハンドオーバ先の基地局と通信可能なエリアに存在していなければならず、無線通信サービスを十分に継続できているとはいえなかった。
【0005】
従って、上記のような問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、基地局とセンター設備間の通信が不能である場合でも無線通信サービスを継続することができる無線通信サービス継続システム及び無線通信サービス継続方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明に係る無線通信サービス継続システムは、
移動局と接続する第一の基地局と、第二の基地局と、前記第一の基地局及び前記第二の基地局と接続するセンター設備とを備える無線通信サービス継続システムであって、
前記第一の基地局は、該第一の基地局が前記センター設備との通信が不能となった場合、前記移動局との通信に用いるTDMAフレームの一部の送受信タイミングをずらしてスロットを前記第二の基地局との無線通信に用い、前記スロットにより前記移動局に係る通信データを前記第二の基地局と送受信し、
前記第二の基地局は、前記通信データを前記サービス設備と送受信することを特徴とする。
【0007】
また本発明に係る無線通信サービス継続システムは、
前記第一の基地局は複数の移動局と接続し、前記通信データは複数の移動局に係るデータであり、
前記第一の基地局は、前記スロットにより送受信する前記通信データを、前記スロット以外のスロットにおける変調方式よりも高次元の変調方式により変調することを特徴とする。
【0008】
また本発明に係る無線通信サービス継続システムは、
前記第一の基地局は、前記スロットにより送受信する前記通信データを、IPパケットデータにして第二の基地局に送信することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る無線通信サービス継続方法は、
移動局と接続する第一の基地局と、第二の基地局と、前記第一の基地局及び前記第二の基地局と接続するセンター設備とを備える無線通信サービスシステムにおける無線通信サービス継続方法であって、
前記第一の基地局は、該第一の基地局が前記センター設備との通信が不能となった場合、前記移動局との通信に用いるTDMAフレームの送受信タイミングをずらして一部のスロットを前記第二の基地局との無線通信に用い、前記スロットにより前記移動局に係る通信データを前記第二の基地局と送受信するステップと、
前記第二の基地局は、前記通信データを前記サービス設備と送受信するステップと、
を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る無線通信サービス継続方法は、
前記第一の基地局は複数の移動局と接続し、前記通信データは複数の移動局に係るデータであり、
前記第一の基地局は、前記スロットにより送受信する前記通信データを、前記スロット以外のスロットにおける変調方式よりも高次元の変調方式により変調することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る無線通信サービス継続方法は、
前記第一の基地局は、前記所定のスロットにより送受信する前記通信データを、IPパケットデータにして第二の基地局に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明における無線通信サービス継続システム及び無線通信サービス継続方法によれば、基地局とセンター設備間の通信が不能である場合でも無線通信サービスを継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る無線通信サービス継続システムの概要図である。
【図2】無線通信サービス継続システムにおける第一の基地局1aと第二の基地局1bのブロック図である。
【図3】TDMAフレーム構成を表す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る無線通信サービス継続システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
(実施の形態)
図1は本発明の一実施形態に係る無線通信サービス継続システムの概要図である。本発明の一実施形態に係る無線通信サービス継続システムは、第一の基地局1aと、第二の基地局1bと、第一の移動局2aと、第二の移動局2bと、センター設備3とを備える。第一の基地局1aと第一の移動局2aとは、TDMA方式により無線通信をする。また、第二の基地局1bと第二の移動局2bとは、TDMA方式により無線通信をする。一方、第一の基地局1a及び第二の基地局1bと、センター設備3とは、公衆網4を介して有線により接続されている。なお、第一の基地局1a及び第二の基地局1bと、センター設備3とは、公衆網4を介して無線により接続されていてもよい。
【0016】
図1は本発明の概略を図示している。本発明は、概略として、第一の基地局1aがセンター設備3に、有線の断線等により通信不能になった場合、第一の基地局1aと、第二の基地局1bとが無線通信をして第一の移動局2aに係る通信データを送受信する。そして第二の基地局1bと、センター設備3とが、第一の移動局2aに係る通信データを、公衆網4を介して、送受信することにより、無線通信サービスを継続する。すなわち、第二の基地局1bは、第一の移動局2aに係る通信データを中継することで、無線通信サービスを継続する。
【0017】
図2は、第一の基地局1a及び第二の基地局1bのブロック図である。第一の基地局1aは、無線処理部11aと、アンテナ12aと、有線処理部13aと、制御部14aとを備える。
【0018】
無線処理部11aは、TDMA方式による無線信号の処理を行い、第一の移動局2a及び第二の基地局1bと無線通信をする。具体的には、無線処理部11aは、第一の移動局2aに係る通信データを、第一の移動局2aと、アンテナ12aを介して送受信を行う。また、無線処理部11aは、第二の基地局1bに、アンテナ12aを介して接続要求を送信する。また、無線処理部11aは、TDMAフレームのスロットにより、第一の移動局2aに係る通信データを、第二の基地局1bと、アンテナ12aを介して送受信する。また無線処理部11aは、第一の移動局2aに係る通信データを、有線処理部13aと送受信する。
【0019】
無線処理部11aはさらに、レイヤ1機能部111aと、レイヤ2機能部112aと、レイヤ3機能部113aとを備える。
【0020】
レイヤ1機能部111aと、レイヤ2機能部112aと、レイヤ3機能部113aとは、通信データに係る各レイヤの処理を行う。レイヤ1機能部111aは、通信データのレイヤ1である物理層に係るレイヤ処理を行う。レイヤ2機能部112aは、通信データのレイヤ2であるデータリンク層に係るレイヤ処理を行う。レイヤ3機能部113aは、通信データのレイヤ3であるネットワーク層に係るレイヤ処理を行う。ここでレイヤ1は一番低いレイヤであり、レイヤ3は一番高いレイヤである。
【0021】
無線処理部11aは、アンテナ12aを介して送受信する通信データをレイヤ1からレイヤ3までレイヤ処理する。そして無線処理部11aは、レイヤ3の処理をして、IPパケットデータにした通信データを、有線処理部13aと授受する。
【0022】
有線処理部13aは、無線処理部11aと通信データを授受し、公衆網4を介してセンター設備3と該通信データの送受信を行う。
【0023】
制御部14aは、第一の基地局1aに係る各種制御を行う。具体的には、制御部14aは、第一の基地局1aがセンター設備3と有線処理部13aにより通信不能であるか否かを判定する。また制御部14aは、通信不能である場合、第一の基地局1aのTDMAフレームを1スロット分ずらす。また制御部14aは、所定のスロットを用いて、第一の移動局2aに係る通信データを、第二の基地局1bと送受信するように、無線処理部11aを制御する。すなわち制御部14aは、第一の移動局2aとの通信に用いるTDMAフレームの一部のスロットを第二の基地局2bとの無線通信に用いる。
【0024】
第二の基地局1bは、無線処理部11bと、アンテナ12bと、有線処理部13bと、制御部14bとを備える。
【0025】
無線処理部11bは、TDMA方式による無線信号の処理を行い、第二の移動局2b及び第一の基地局1aと無線通信をする。具体的には、無線処理部11bは、第二の移動局2bに係る通信データを、第二の移動局2bと、アンテナ12bを介して送受信を行う。また、無線処理部11bは、TDMAフレームのスロットにより、第一の移動局2aに係る通信データを、第一の基地局1aと、アンテナ12bを介して送受信する。また無線処理部11bは、第一の移動局2a及び第二の移動局2bに係る通信データを、有線処理部13bと送受信する。
【0026】
無線処理部11bはさらに、レイヤ1機能部111bと、レイヤ2機能部112bと、レイヤ3機能部113bとを備える。
【0027】
レイヤ1機能部111bと、レイヤ2機能部112bと、レイヤ3機能部113bとに係る機能は、夫々レイヤ1機能部111aと、レイヤ2機能部112aと、レイヤ3機能部113aと同一であるため説明は省略する。
【0028】
有線処理部13bは、無線処理部11bと通信データを授受し、公衆網4を介してセンター設備3と通信データの送受信を行う。制御部14bは、第二の基地局1bに係る各種制御を行う。
【0029】
図3は、第一の基地局1a及び第二の基地局1bにおける、通常時及び通信不能時のTDMAフレームの通常構成を表す概要図である。図3(a)は、第一の基地局1aと、第二の基地局1bとが、センター設備3と通信可能な状態、すなわち通常時のTDMAフレーム構成である。
【0030】
第一の基地局1aは、通常時は、送信用のスロットであるスロット51a〜54a、59a〜62aにより第一の移動局2aに係る通信データの送信を行う。また、第一の基地局1aは、受信用のスロットであるスロット55a〜58a、63a〜66aにより第一の移動局2aに係る通信データの送信を行う。
【0031】
同様に、第二の基地局1bは、通常時は、送信用のスロットであるスロット51b〜54b、59b〜62bにより第二の移動局2bに係る通信データの送信を行う。また、第二の基地局1bは、受信用のスロットであるスロット55b〜58b、63b〜66bにより第二の移動局2bに係る通信データの送信を行う。
【0032】
図3(a)に示すように、通常時は、第一の基地局1aと、第二の基地局1bとのTDMAフレームは同期している。つまり、図3(a)における、第一の基地局1aのスロット51a〜66aと、第二の基地局1bのスロット51b〜66bとの送信又は受信タイミングは、同一である。
【0033】
図3(b)は、第一の基地局1aがセンター設備3とが、有線断や有線処理部1aの故障等により通信不可能な状態、すなわち通信不能時におけるTDMAフレーム構成である。図3(b)に示すように、第一の基地局1aがセンター設備3と通信不能である場合、第一の基地局1aの制御部14aは、TDMAフレームを1スロット分ずらす。ここで、1スロット分ずらすとは、第二の基地局1bの対応するTDMAフレームと比較して1スロット分遅延させることを意味する。このようにすることで、第一の基地局1aのスロット51a〜スロット66aと、第二の基地局1bのスロット51b〜スロット66bとの送信又は受信タイミングが1スロット分ずれる。
【0034】
TDMAフレームが1スロット分ずれた場合、第一の基地局1aのスロット及び第二の基地局1bのスロット間で、一方が送信用のスロットであり、他方が受信用のスロットであるタイミングが存在することになる。具体的には、第一の基地局1aの受信用のスロット50aと、第二の基地局1bの送信用のスロット51bとが同一のタイミングになる。また、第一の基地局1aの送信用のスロット54aと、第二の基地局1bの受信用のスロット55bとが同一のタイミングになる。また、第一の基地局1aの受信用のスロット58aと、第二の基地局1bの送信用のスロット59bとが同一のタイミングになる。また、第一の基地局1aの送信用のスロット62aと、第二の基地局1bの受信用のスロット63bとが同一のタイミングになる。図3(b)では、当該タイミングに該当するスロットを網掛けにより表示している。
【0035】
本発明の一実施形態に係る無線通信サービス継続システムでは、第一の基地局1aと、第二の基地局1bとは、第一の基地局1aのスロット及び第二の基地局1bのスロット間で、一方が送信用のスロットであり、他方が受信用のスロットとなるタイミングで、無線通信を行う。すなわち、第一の基地局1aは、スロット50a、54a、58a、62aを用いて、第一の移動局2aに係る通信データを、第二の基地局1bと送受信する。一方第一の基地局1aは、スロット50a、54a、58a、62a以外のスロットでは、第一の移動局2aと、第一の移動局2aに係る通信データを送受信する。また、第二の基地局1bは、スロット51b、55b、59b、63bを用いて、第一の移動局2aに係る通信データを、第一の基地局1aと送受信する。一方、第一の基地局1aは、スロット51b、55b、59b、63b以外のスロットでは、第二の移動局2bと、第二の移動局2bに係る通信データを送受信する。
【0036】
次に、本発明の一実施形態に係る無線通信サービス継続システムについて、図4に示すフローチャートによりその動作を説明する。なお、第一の基地局1aの無線処理部11aは、第一の移動局2aに係る通信データを、第一の移動局2aとアンテナ12aを介して送受信しているものとする。
【0037】
はじめに第一の基地局1aの制御部14aは、第一の基地局1aがセンター設備3と有線処理部13aにより通信不能であるか否かを判定する(ステップS1)。通信不能でない場合、以下の動作はせず、すなわち通常動作を行う。
【0038】
ステップS1において通信不能である場合、制御部14aは、第一の基地局1aのTDMAフレームを1スロット分ずらす(ステップS2)。そして制御部14aは、図3(b)におけるスロット50a、54a、58a、62aを用いて、第一の移動局2aに係る通信データを、第二の基地局1bと送受信するように、無線処理部11aを制御する。
【0039】
続いて無線処理部11aは、第二の基地局1bに、アンテナ12aを介して接続要求を送信する(ステップS3)。第二の基地局1bの無線処理部11bは、アンテナ12bを介して接続要求を受信する(ステップS4)。
【0040】
続いて第一の基地局1aと、第二の基地局1bとは無線通信を行う(ステップS5)。具体的には、第一の基地局1aの無線処理部11aは、図3(b)におけるスロット50a、54a、58a、62aを用いて、第一の移動局2aに係る通信データを、アンテナ12aを介して送受信する。また、第二の基地局1bの無線処理部11bは、図3(b)におけるスロット51b、55b、59b、63bを用いて、第一の移動局2aに係る通信データを、アンテナ12aを介して送受信する。
【0041】
続いて第二の基地局1bと、センター設備3とは、公衆網4を介して有線通信を行う(ステップS6)。具体的には、第二の基地局1bの無線処理部11bは、第一の移動局2aに係る通信データを、有線処理部13bに渡し、又は受取る。この際、無線処理部11bのレイヤ1機能部111b、レイヤ2機能部112b、及びレイヤ3機能部113bは、第一の移動局2aに係る通信データに対し、各無線通信レイヤの処理をする。有線処理部13bは、第一の移動局2aに係る通信データを、公衆網4を介してセンター設備3と送受信をする。そして処理が終了する。
【0042】
このように本発明によれば、第一の基地局1a及びセンター設備3間の通信が不能である場合に、第一の基地局1aに係るTDMAフレームをずらすことにより第一の基地局1a及び第二の基地局1bが第一の移動局2aに係る通信データを送受信し、かつ第二の基地局1bが、センター設備3と当該通信データの送受信をするため、第一の基地局1a及びセンター設備3間の通信が不能である場合でも、無線通信サービスを継続することができる。
【0043】
なお、ステップS2において制御部14aは、第一の基地局1aのTDMAフレームを2スロット分以上ずらしてもよい。すなわち、制御部14aは、第一の基地局1aのTDMAフレームを少なくとも1スロットずらせばよい。例えば2スロット分ずらした場合には、第一の基地局1aのスロット及び第二の基地局1bのスロット間で、一方が送信用のスロットであり、他方が受信用のスロットであるタイミング場合が2倍になる。この場合、第一の基地局1aと、第二の基地局1b間において使用できるスロットが2倍になるため、第一の基地局1aと、第二の基地局1b間において、より大容量又は/及び高品質の無線通信をすることができる。
【0044】
なお、第一の基地局1aが接続する移動局が複数であってもよい。この場合、第一の基地局1aの制御部14aは、図3(b)におけるスロット50a、54a、58a、62aを用いて、該複数の移動局に係る通信データを第二の基地局1bと送受信するように、無線処理部11aを制御する。ここで、当該複数の移動局に係る通信データはデータ量が増えるため、第一の基地局1aと第二の基地局1b間の無線通信の変調方式を高次元にする。ここで高次元にするとは、一シンボル当たりのビット数が多い変調方式にすることを意味する。例えば変調方式PSKを、PSKより一シンボル当たりのビット数が多いQPSK、16QAMにすることが、変調方式を高次元にすることに相当する。なお、高次元の変調方式にしたとしても、当該通信は第一の基地局1aと第二の基地局1b間の通信であるため安定しており、悪影響は比較的小さい。
【0045】
変調方式を高次元にする場合、具体的には、制御部14aは、図3(b)におけるスロット50a、54a、58a、62aにより送受信する通信データを、スロット50a、54a、58a、62a以外のスロットにおける変調方式よりも高次元の変調方式で変調するように、無線処理部11aを制御する。例えば、スロット50a、54a、58a、62a以外のスロットにおける変調方式がPSKである場合、スロット50a、54a、58a、62aの変調方式をQPSK、16QAM、64QAM等にする。このように、変調方式を変更する場合、第一の基地局1aの無線処理部11aは、ステップS3における接続要求の際に、第二の基地局1bに、当該変調方式を通知する。続くステップS5の無線通信において、第二の基地局1bの制御部14bは、図3(b)におけるスロット51b、55b、59b、63bにおいて、受信した変調方式により変調するように、無線処理部11bを制御する。このようにして、第一の基地局1a及び第二の基地局1b間における無線通信の変調方式を高くすることにより、第一の基地局1aと、第二の基地局1b間において、より大容量の無線通信をすることができる。
【0046】
なお、第一の基地局1aの無線処理部11aは、第一の移動局2aに係る通信データについてレイヤ処理をして、第二の基地局1bと送受信をしてもよい。このようにすることで、第二の基地局1bにおいてレイヤ処理負荷を軽減でき、第二の基地局1bの処理負荷を低減することができる。
【0047】
具体的には例えば、第一の基地局1aがレイヤ処理をする場合、第一の基地局1aの無線処理部11aは、ステップS3における接続要求の際に、第二の基地局1bに、どのレイヤまで処理をするかを通知する。ここでは、レイヤ3まで処理をする場合を説明する。この場合、続くステップS5の無線通信において、第一の基地局1aのレイヤ1機能部111a、レイヤ2機能部112a、及びレイヤ3機能部113aは、第一の移動局2aに係る通信データについてレイヤ処理をする。無線処理部11aは当該レイヤ処理をしてIPパケットデータにした通信データを、第二の基地局1bに送信する。そして第二の基地局1bの無線処理部11bは、IPパケットデータにした通信データを受信し、該通信データをそのまま有線処理部13bに渡す。
【0048】
なお、IPパケットデータにより無線通信をした場合、通信データのデータ量が増加する。したがって、第一の基地局1aの無線処理部11aが、どのレイヤまで処理をするかは適宜調整をする。
【0049】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0050】
1a 第一の基地局
1b 第二の基地局
11a、11b 無線処理部
111a、111b レイヤ1機能部
112a、112b レイヤ2機能部
113a、113b レイヤ3機能部
12a、12b アンテナ
13a、13b 有線処理部
14a、14b 制御部
2a 第一の移動局
2b 第二の移動局
3 センター設備
4 公衆網
50a〜66a、51b〜66b スロット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局と接続する第一の基地局と、第二の基地局と、前記第一の基地局及び前記第二の基地局と接続するセンター設備とを備える無線通信サービス継続システムであって、
前記第一の基地局は、該第一の基地局が前記センター設備との通信が不能となった場合、前記移動局との通信に用いるTDMAフレームの送受信タイミングをずらして一部のスロットを前記第二の基地局との無線通信に用い、前記スロットにより前記移動局に係る通信データを前記第二の基地局と送受信し、
前記第二の基地局は、前記通信データを前記サービス設備と送受信することを特徴とする無線通信サービス継続システム。
【請求項2】
前記第一の基地局は複数の移動局と接続し、前記通信データは複数の移動局に係るデータであり、
前記第一の基地局は、前記スロットにより送受信する前記通信データを、前記スロット以外のスロットにおける変調方式よりも高次元の変調方式により変調することを特徴とする、請求項1に記載の無線通信サービス継続システム。
【請求項3】
前記第一の基地局は、前記スロットにより送受信する前記通信データを、IPパケットデータにして第二の基地局に送信することを特徴とする、請求項1又は2に記載の無線通信サービス継続システム。
【請求項4】
移動局と接続する第一の基地局と、第二の基地局と、前記第一の基地局及び前記第二の基地局と接続するセンター設備とを備える無線通信サービスシステムにおける無線通信サービス継続方法であって、
前記第一の基地局は、該第一の基地局が前記センター設備との通信が不能となった場合、前記移動局との通信に用いるTDMAフレームの送受信タイミングをずらして一部のスロットを前記第二の基地局との無線通信に用い、前記スロットにより前記移動局に係る通信データを前記第二の基地局と送受信するステップと、
前記第二の基地局は、前記通信データを前記サービス設備と送受信するステップと、
を含む無線通信サービス継続方法。
【請求項5】
前記第一の基地局は複数の移動局と接続し、前記通信データは複数の移動局に係るデータであり、
前記第一の基地局は、前記スロットにより送受信する前記通信データを、前記スロット以外のスロットにおける変調方式よりも高次元の変調方式により変調することを特徴とする、請求項4に記載の無線通信サービス継続方法。
【請求項6】
前記第一の基地局は、前記所定のスロットにより送受信する前記通信データを、IPパケットデータにして第二の基地局に送信することを特徴とする、請求項4又は5に記載の無線通信サービス継続方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−115587(P2013−115587A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259590(P2011−259590)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】