無線通信システム、無線基地局、移動局および無線通信方法
【課題】サービス品質の向上を図る。
【解決手段】無線基地局内の制御部は、移動局へ送信すべき呼出信号の優先度の判定を行う。ベースバンド部は、第1の優先度の第1の呼出信号を、移動局へ送信する。第1の優先度よりも低い第2の優先度の第2の呼出信号に対しては、キューに格納して送信処理を行う。また、キューの格納容量が超えて第2の呼出信号を廃棄した際は、第2の呼出信号を廃棄した旨を移動局へ通知する。移動局は、自局の呼出信号が廃棄された場合、呼出信号が廃棄された旨の通知を受信し、呼出信号が廃棄されたことを認識すると、無線基地局へ問い合せ応答を実行する。
【解決手段】無線基地局内の制御部は、移動局へ送信すべき呼出信号の優先度の判定を行う。ベースバンド部は、第1の優先度の第1の呼出信号を、移動局へ送信する。第1の優先度よりも低い第2の優先度の第2の呼出信号に対しては、キューに格納して送信処理を行う。また、キューの格納容量が超えて第2の呼出信号を廃棄した際は、第2の呼出信号を廃棄した旨を移動局へ通知する。移動局は、自局の呼出信号が廃棄された場合、呼出信号が廃棄された旨の通知を受信し、呼出信号が廃棄されたことを認識すると、無線基地局へ問い合せ応答を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信を行う無線通信システム、無線基地局、移動局および無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電話の通話着信や、メールがサーバに格納されたなどの情報を、相手側に通知して呼び出すことをページング(Paging)と呼び、その呼出信号はページング信号と呼ばれる。
ページング処理では、例えば、無線基地局は、待ち受け状態の移動局に対して、着信をページング信号で通知する。ページング信号を受信した移動局は、無線基地局にアクセスすることにより通信路を確立する。また、このページング信号の信号数にはページングチャネル容量や、無線基地局設備の処理能力などにより、上限値が存在する。
【0003】
従来技術として、ページングおよび他のメッセージを統合化して移動端末に送信する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2002−538744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のページング処理では、ページング信号数が上限値を超えた場合、ページング信号の優先度(サービス種別)にかかわらず、上限値を超えたページング信号は、無線基地局側で単純に廃棄されていた。
【0006】
そのため、ページング信号を受信できない移動局が存在し、その移動局においては、例えば、着信等を認識してデータ等を受信することができず、サービス品質の低下が生じてしまうという問題点があった。
【0007】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、サービス品質の向上を図った無線通信システムを提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、サービス品質の向上を図った無線基地局を提供することである。
【0008】
さらに、本発明の他の目的は、サービス品質の向上を図った移動局を提供することである。
さらにまた、本発明の他の目的は、サービス品質の向上を図った無線通信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、無線通信システムが提供される。無線通信システムは、呼出信号の応答処理を行う移動局側制御部を含む移動局と、前記移動局へ送信すべき前記呼出信号の優先度の判定を行う基地局側制御部と、第1の優先度の第1の呼出信号は、前記移動局へ送信し、前記第1の優先度より低い第2の優先度の第2の呼出信号に対しては、キューに格納して送信処理を行うベースバンド部と、を含む無線基地局とを備え、前記ベースバンド部は、前記キューの格納容量が超えて前記第2の呼出信号を廃棄した際は、前記第2の呼出信号を廃棄した旨を前記移動局へ通知し、前記移動局側制御部は、前記第2の呼出信号が廃棄されたことを認識すると、前記無線基地局へ問い合せ応答を実行する。
【発明の効果】
【0010】
サービス品質の向上を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】無線通信システムの構成例を示す図である。
【図2】無線基地局の構成例を示す図である。
【図3】移動局の構成例を示す図である。
【図4】制御部のハードウェア構成例を示す図である。
【図5】BB部のハードウェア構成例を示す図である。
【図6】ページング信号の廃棄処理を説明するための図である。
【図7】ページング信号の廃棄処理を説明するための図である。
【図8】報知情報のフォーマット構成例を示す図である。
【図9】報知情報を受信した移動局の動作フローを示す図である。
【図10】ページング信号の廃棄処理を示すシーケンス図である。
【図11】記憶内容を示す図である。
【図12】ページング応答の動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は無線通信システムの構成例を示す図である。無線通信システム1は、無線基地局10および移動局20を備える。無線基地局10は、制御部(基地局側制御部)1aおよびベースバンド部1bを備える。移動局20は、ベースバンド部2a−1および制御部(移動局側制御部)2a−2を含む。
【0013】
制御部1aは、移動局20へ送信すべき呼出信号の優先度の判定を行う。ベースバンド部1bは、第1の優先度の第1の呼出信号は、移動局20へ送信する。また、第1の優先度よりも低い第2の優先度の第2の呼出信号に対しては、キューに格納して送信処理を行う。
【0014】
また、ベースバンド部1bでは、キューの格納容量超えなどが生じて、第2の呼出信号を廃棄した際は、第2の呼出信号を廃棄した旨を移動局20へ通知する。
移動局20のベースバンド部2a−1は、無線基地局10側で、自局の呼出信号が廃棄された場合、呼出信号が廃棄された旨の通知を受信する。
【0015】
制御部2a−2は、呼出信号が廃棄されたことを認識した場合は、無線基地局10へ問い合せ応答を自動的に実行する。
以上説明したように、無線通信システム1では、無線基地局10は、呼出信号の優先度を判定し、優先度の高い呼出信号は移動局20へ送信する。また、優先度の低い呼出信号については、キューに格納して送信処理を行う。
【0016】
そして、優先度の低い呼出信号を廃棄した際は、廃棄した旨を移動局20へ通知し、移動局20では、呼出信号が廃棄されたことを認識すると、無線基地局10へ問い合せ応答を実行する構成とした。
【0017】
これにより、優先度の高い呼出信号は、移動局20へ常に送信されるので、優先度の高い呼出信号、例えば、電話着信などリアルタイム性の有る呼出信号は廃棄されることはない。また、優先度の低い呼出信号が廃棄された場合には、問い合せ応答を行うので、ページング信号の廃棄を知った移動局20(ユーザ)は、例えば、無線基地局10に接続することが可能になり、データ等の受信漏れを防止することができる。
【0018】
このように、優先度に応じた効率的なページング信号の通知およびページング信号が廃棄された際の問い合せを実行する構成としたので、従来のページング処理と比べて、電話着信の非接続やメール受信漏れ等を防ぐことができ、サービス品質を格段に向上させることが可能になる。
【0019】
ここで、ページング信号の廃棄を抑制する対策としては、位置登録エリアを狭めて、ページング信号の送信数を低減することが考えられる。しかし、この場合、位置登録要求が増加することになり、システム全体の処理能力を圧迫することとなる。これに対し、無線通信システム1では、システムの他処理能力を圧迫することがない。
【0020】
一方、近年では、携帯電話機によるメールでの連絡、メールマガジン等による会員情報の一斉送信およびネットワークサービスによるニュース等の配信など、ページングによる通知が増加している。
【0021】
このような状況に対して、無線通信システム1を適用することにより、優先度に応じた効率的なページング信号の通知およびページング信号が廃棄された際の問い合せを可能とするので、ページング信号数が増加してもすみやかに対処することができ、ページングサービスの低下を抑制することができる。
【0022】
次に無線通信システム1を携帯電話機の高速データ通信仕様の1つであるLTE(Long Term Evolution)に適用した場合について以降詳しく説明する。また、以降では呼出信号をページング信号と呼ぶ。
【0023】
図2は無線基地局の構成例を示す図である。無線基地局10は、制御部11、BB(Base Band)部12、HW(High Way)部13および無線IF(インタフェース)部14を備える。
【0024】
制御部11は、S1AP(S1 Application Part)処理部11a、ページング信号判定部11b、報知情報編集部11c、ページング応答処理部11dおよびメモリ11eを含む。BB部12は、ページング信号処理部12a、報知情報送信処理部12bおよびMAC(Media Access Control)部12cを含む。
【0025】
なお、制御部11は、図1の制御部1aの機能を有し、BB部12は、図1のベースバンド部1bの機能を有する。
HW部13は、IP(Internet Protocol)ネットワークを終端し、上位ノードであるMME(Mobility Management Entity:無線基地局を収容し、モビリティ制御機能などを提供するネットワーク側に位置する論理ノード)との通信インタフェース処理を行う。無線IF部14は、移動局20との間の無線通信インタフェース処理を行う。
【0026】
制御部11において、S1AP処理部11aは、MMEから送信されたS1APのメッセージを解析し、そのメッセージがページング信号であるか否かを認識する。なお、S1APとは、LTEにおける、ネットワーク(コアネットワーク)と無線基地局10との間で通信を行うための制御プロトコルの名称である。
【0027】
ページング信号判定部11bは、ページング信号の優先度の判定およびグループ判定を行う。判定処理後、判定結果を含めて、ページング信号をページング信号処理部12aへ送信する。
【0028】
報知情報編集部11cは、報知情報(BCCH:Broadcasting Control Channel)を編集する。具体的には、後述するフラグ情報を報知情報に設定する。なお、LTEで使用する報知情報は、例えば、移動局の位置登録要否の判断に用いられる位置番号、周辺セル情報または発信規制制御を行うための情報などを含み、周辺セル毎に一斉同報される。
【0029】
ページング応答処理部11dは、移動局20から送信されたページング応答信号を受信し、ページング信号の問い合せ応答に関連する処理を行う。メモリ11eは、廃棄されたページング信号の送信先の移動局の識別子等の情報を記憶する。
【0030】
BB部12において、ページング信号処理部12aは、制御部11から転送された優先度高のページング信号の送信処理を行う。また、優先度低のページング信号に関しては、内部に送信キューを有しており、制御部11から転送された優先度低のページング信号に対して、グループ単位での格納を行って、ページング信号の廃棄または送信処理を行う。
【0031】
報知情報送信処理部12bは、編集後の報知情報を移動局20へ送信するための送信処理を行う。MAC部12cは、MACレイヤのインタフェース処理を行う。
なお、制御部11は、S1AP処理部11a、ページング信号判定部11b、報知情報編集部11c、ページング応答処理部11dおよびメモリ11e以外の動作として、既存の通信制御も行う。
【0032】
図3は移動局の構成例を示す図である。移動局20は、制御部21、BB部22およびRF(Radio Frequency)部23を備える。制御部21は、フラグ判定部21a、ページング応答信号送信部21bおよびメモリ21cを含む。なお、制御部21は、図1の制御部2a−2の機能を有し、BB部22は、図1のベースバンド部2a−1の機能を有する。
【0033】
フラグ判定部21aは、無線基地局10から送信された報知情報に含まれるフラグ情報を認識し、自グループ宛のページング信号が無線基地局10側で廃棄されたか否かを判定する。
【0034】
ページング応答信号送信部21bは、自グループ宛のページング信号が廃棄されていると認識した場合は、問い合せ応答として、ページング応答信号を無線基地局10へ送信する。メモリ21cは自己の識別子等を格納する。
【0035】
なお、制御部21は、フラグ判定部21a、ページング応答信号送信部21bおよびメモリ21c以外の動作として、既存の通信制御も行う。
BB部22は、ディジタルベースバンド信号の変復調処理等を行う。RF部23は、ベースバンド帯域を無線周波帯域に変換するアップコンバートおよび無線周波帯域をベースバンド帯域に変換するダウンコンバートといった無線インタフェース処理を行う。
【0036】
次に無線基地局10および移動局20のハードウェア構成について説明する。図4は制御部のハードウェア構成例を示す図である。制御部100のハードウェア構成は、無線基地局10の制御部11、または移動局20の制御部21に対応可能である。制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、メモリ102およびIF部103を備えて、互いにバス接続する。
【0037】
無線基地局10の制御部11に適用した場合、CPU101は、S1AP処理部11a、ページング信号判定部11b、報知情報編集部11c、ページング応答処理部11dの各動作機能を実現する。メモリ102は、メモリ11eに該当する。IF部103は、HW部13およびBB部12とインタフェース処理を行う。
【0038】
移動局20の制御部21に適用した場合、CPU101は、フラグ判定部21aおよびページング応答信号送信部21bの各動作機能を実現する。メモリ102は、メモリ21cに該当する。
【0039】
図5はBB部のハードウェア構成例を示す図である。BB部110のハードウェア構成は、無線基地局10のBB部12、または移動局20のBB部22に対応する。BB部110は、CPU111、DSP(Digital Signal Processor)112、メモリ113およびIF部114を備えて、互いにバス接続する。
【0040】
無線基地局10のBB部12に適用した場合、DSP112は、ページング信号処理部12a、報知情報送信処理部12bおよびMAC部12cの各動作機能を実現する。IF部114は、制御部11および無線IF部14とのインタフェース処理を行う。
【0041】
次にページング信号の廃棄処理について説明する。図6、図7はページング信号の廃棄処理を説明するための図である。図6において、無線基地局10は、MME側から送信されたページング信号を受信すると、ページング信号判定部11bでは、受信したページング信号の優先度として、リアルタイム性の有るページング信号か、リアルタイム性の無いページング信号かを判断する。
【0042】
なお、リアルタイム性の有るページング信号は、第1の優先度のページング信号に対応し、リアルタイム性の無いページング信号は、第2の優先度のページング信号に対応する。また、リアルタイム性の有るページング信号とは、例えば、通話着信などであり、リアルタイム性の無いページング信号とは、例えば、メール通知やニュース配信などである。
【0043】
ページング信号処理部12aは、リアルタイム性の有るページング信号は、宛先の移動局20に対して該ページング信号を送信するための送信処理を行う。また、リアルタイム性の無いページング信号に関しては、グループ毎に設けられている送信キューに格納(キューイング)する。
【0044】
ここで、移動局20のグループ分けについて説明する。ページング信号処理部12aは、配下の移動局20に識別子を付与して、識別子毎にグループ分けする。例えば、TMSI(Temporary Mobile Subscriber Identity)を利用して、グループ分けを行うことができる。TMSIとは、コアネットワーク側でユーザ認証に用いる一時的なIDのことである。
【0045】
TMSIを用いてグループ分けする場合、例えば、TMSIの値のモジュロ256を算出し、TMSIの値を256で割った余りの値(256通り)で、256グループにグループ分けすることができる。
【0046】
一方、移動局20のグループ分けを行ってグループ数を決めると、各グループに対応した送信キュー(論理キュー)が設けられる。図6の場合は、グループG1〜G4の4グループに分けられており、グループG1〜G4毎に送信キューq1〜q4が設けられている。
【0047】
次にリアルタイム性の無いページング信号がグループG2宛としたときのページング信号の廃棄処理について説明する。
なお、送信キューq1〜q4の全体の格納容量を300とする。また、送信キューq1の現在格納しているページング信号数を75、送信キューq2の現在格納しているページング信号数を100とする。さらに、送信キューq3の現在格納しているページング信号数を50、送信キューq4の現在格納しているページング信号数を75とし、現時点で300格納されている状態であるとする。
【0048】
ページング信号処理部12aは、一定時間内にすでに廃棄ありのグループがあれば、該グループに属する移動局20へのページング信号を優先して廃棄する処理を行う。また、廃棄したグループがなければ、最後に送信キューに格納したグループのページング信号を廃棄する。
【0049】
この例では、ページング信号が送信キューq1〜q4に300溜まっている状態であり、前回の廃棄では、送信キューq3からページング信号が廃棄されていたとする。
このとき、新たにグループG2へのページング信号を受信したとする(宛先移動局の識別子からページング信号のグループは認識できる)。このページング信号を送信キューq2に格納しようとすると、送信キューq1〜q4の全体容量が超えて、溢れが生じることになる。したがって、前回廃棄した送信キューq3からページング信号を廃棄する。
【0050】
図7は、ページング信号廃棄後の送信キューq1〜q4の格納状態を示している。グループG3の送信キューq3からページング信号が1つ廃棄されたため、格納数は50から49になっている。また、グループG2の送信キューq2に、受信したグループG2宛のページング信号を格納したため、格納数は100から101になっている。
【0051】
以上説明したように、無線基地局10は、移動局20をグループ分けして、リアルタイム性の無い呼出信号をグループ毎に送信キューに格納し、呼出信号を廃棄した際は、どのグループの呼出信号を廃棄したかのグループ単位での廃棄有無を移動局20へ通知する。そして、移動局20は、自己が属するグループの呼出信号が廃棄されたことを認識すると、無線基地局10へ問い合せ応答を実行する構成とした。これにより、グループ単位に効率よく問い合せ応答を行うことができる。
【0052】
また、上記のように、リアルタイム性の無いページング信号を廃棄する場合、すでに廃棄ありのグループがあれば、同じグループからページング信号を廃棄することにより、廃棄グループの送信キューを1つにまとめることができ、処理を容易にすることができる。
【0053】
なお、上記では、送信キューは、グループ毎に設けたが、Paging Cause(ページング信号の優先度(サービス種別))毎に送信キューを設けてもよい。この場合、ページング信号の送信予測時刻を算出する。そして、送信予想時刻が規定値を超える場合には、優先度の低いPaging Causeの送信キューより、規定値を超える信号を廃棄する構成にしてもよい。
【0054】
次に移動局20への報知処理について説明する。無線基地局10は、上記のようにして、リアルタイム性の無いページング信号の廃棄を行った場合、廃棄した旨を移動局20へ通知する。この場合、どのグループのページング信号が廃棄されたかが認識できるフラグ情報を報知情報に設定して、配下の全移動局へ報知する。
【0055】
図8は報知情報のフォーマット構成例を示す図である。報知情報50は、MIB(Master Information Block)51およびSIB(System Information Block)52−1〜52−n、53を備える。LTEで用いられる報知情報は、無線基地局10から移動局20に対して周期的に所定情報が報知される。なお、SIB53は、新たに設けたSIBである。
【0056】
LTEでは、システム情報は、固定長リソースのMIBと、可変長リソースのSIBの2つに分けられて伝送される。MIB51には、例えば、下りリンクのセル帯域幅に関する情報やシステムフレーム数の情報などが設定される。また、SIB52−1〜52−nには、制御チャネルの構成情報や規制情報などが設定される。
【0057】
さらに、新たに設けたSIB53により、グループ毎にフラグ情報が設定される。フラグ情報の設定として、例えば、無線基地局10が、グループG3のページング信号の廃棄を行った場合には、グループG3フラグに例えば、“1”を立てる(廃棄が行われていないフラグは“0”とする)。
【0058】
次に報知情報を受信した移動局20の動作について説明する。図9は報知情報を受信した移動局の動作フローを示す図である。
〔S1〕移動局20は、報知情報を受信する。
【0059】
〔S2〕フラグ判定部21aは、受信した報知情報の中にフラグ情報が含まれているか否かを判断する。含まれていない場合は、ステップS5へ行き、含まれている場合はステップS3へ行く。
【0060】
〔S3〕フラグ判定部21aは、フラグ情報の中に自局が属するグループのフラグが立っている(ON)か否かを判断する。フラグが立っている場合はステップS4へ行き、立っていない場合は(OFFの場合は)ステップS5へ行く。
【0061】
〔S4〕ページング応答信号送信部21bは、ページング応答信号を無線基地局10へ送信してページング信号の問い合せを行う。
〔S5〕制御部21は、報知情報にもとづく所定の処理を行う。
【0062】
なお、上記では、無線基地局10から移動局20へ、報知情報を用いてページング信号の廃棄されたグループ番号を通知するとした。これに対し、報知情報の代わりに、TMSIなどの移動局20の識別子をグループ番号とした、ブロードキャスト用ページング信号で通知する構成にしてもよい。
【0063】
また、移動局20は、RRC(Radio Resource Control) CONNECTION REQUEST信号内のEstablish Cause(通信確立理由:どのような理由でRRCを確立したいかの内容が設定される)の1つのパラメータに、ページング応答である旨を記載して無線基地局10へ送信する。無線基地局10は、このCauseから、受信信号がページング応答信号であるか否かを判断する(図12で後述)。
【0064】
次にページング問い合せの空振り(ミスヒット)について説明する。上記のように、移動局20は、報知情報内のフラグ情報によって、自己が属するグループに何らかの着信が有ったことを認識すると、無線基地局10へページング応答信号を送信する。
【0065】
無線基地局10では、グループ単位にページング信号の有無を通知するため、ページング応答信号を送信した移動局20は、自局には着信がなく、ページング応答信号を送信しても空振りするケースがある。
【0066】
ただし、その場合には、無線基地局10内のページング応答処理部11dにて、移動局20が送信したページング応答が廃棄されるため、無線基地局10と移動局20とが接続することはない。
【0067】
また、移動局20からのページング問い合せが空振りとなるケースを極力減らすために、無線基地局10側で移動局20が属するグループ番号を変更してもよい。
無線基地局10内のページング信号処理部12aにおける、グループ番号決定処理は、通常は、例えば、位置登録時やアタッチ(attach:電源投入)時などにて、グループ番号を決定する(TMSIを割り振ることによるグループ番号の決定)。
【0068】
これに対し、移動局20との着信の接続時に、グループ番号を変更する処理(TMSIの割り振りの変更)を行うことができる。グループの変更は、例えば、着信数にてランク付けし、ランク毎にグループ化する。
【0069】
このように、着信数に応じてグループ化して、着信数の多いグループに対するページング信号の廃棄を増加させることにより、ページング応答のヒット率を上げて、ページング応答の空振り数を低減することができる。
【0070】
次にページング信号の廃棄処理についてシーケンス図を用いて説明する。図10はページング信号の廃棄処理を示すシーケンス図である。
〔S11〕MMEは、ページング信号を無線基地局10へ送信する。
【0071】
〔S12〕ページング信号判定部11bは、受信したページング信号がリアルタイム性の有るページング信号か、リアルタイム性の無いページング信号かを判断する。受信したページング信号が、リアルタイム性の有るページング信号の場合はステップS19へ行き、リアルタイム性の無いページング信号の場合はステップS13へ行く。
【0072】
〔S13〕ページング信号判定部11bは、ページング信号(リアルタイム性の無いページング信号)の宛先移動局の識別子などから、どのグループのページング信号であるかを認識する(グループ番号の判定)。
【0073】
〔S14〕ページング信号処理部12aは、送信キューの格納状態に対し、現在受信したページング信号を格納すると溢れるか否かを判断する。溢れる場合はステップS15へ行き、溢れない場合はステップS19へ行く。
【0074】
〔S15〕ページング信号処理部12aは、一定時間内にすでにページング信号を廃棄している送信キューがあれば、該送信キューにキューイングされているページング信号を、容量を超える分廃棄する。
【0075】
〔S16〕ページング信号処理部12aは、ページング信号のグループと同じグループの送信キューに、該ページング信号を格納する。
〔S17〕ページング信号処理部12aは、廃棄したページング信号の宛先移動局の識別子を記憶する(図11で後述する)。
【0076】
〔S18〕報知情報編集部11cは、廃棄したページング信号のグループと同じグループのフラグ情報のフラグを報知情報の所定フィールドに設定する。
〔S18a〕報知情報送信処理部12bは、フラグが設定されたフラグ情報を含む報知情報を移動局20へ報知する。
【0077】
〔S19〕ページング信号処理部12aは、宛先移動局へのページング信号の送信処理を行う。
〔S19a〕無線基地局10から移動局20へページング信号が送信される。
【0078】
次にページング信号の廃棄情報に関する記憶内容について説明する。図11は記憶内容を示す図である。無線基地局10内のメモリ11eの記憶領域の一部は、グループ毎のページング信号の廃棄有無欄および廃棄ユーザID(TMSI)欄が設けられている。なお、廃棄有りの場合は“1”、廃棄無しの場合は“0”が廃棄有無欄に設定される。
【0079】
図では、例えば、グループG1において、廃棄ユーザIDが“00000000”、“11111111”、“22222222”が廃棄有無“1”となっている。これにより、“00000000”、“11111111”、“22222222”それぞれのIDを持つ移動局に対するページング信号が廃棄されたことが示される。
【0080】
次にページング応答の動作についてシーケンス図を用いて説明する。図12はページング応答の動作を示すシーケンス図である。
〔S21〕移動局20内のページング応答信号送信部21bは、ページング応答信号を無線基地局10へ送信する。具体的には、Establish Causeをページング問い合せとして、RRC CONNECTION REQUEST信号を無線基地局10へ送信する
〔S22〕無線基地局10内のページング応答処理部11dは、図11で示したメモリ11eの記憶内容にもとづき、ページング信号を廃棄した移動局20の識別子を取り出す。
【0081】
〔S23〕ページング応答処理部11dは、ページング応答信号を送信してきた移動局20の識別子と、ステップS22で取り出した識別子とが一致するか否かを判断する。不一致の場合はステップS24へ行き、一致する場合はステップS25へ行く。
【0082】
〔S24〕ページング応答処理部11dは、受信したページング応答信号を廃棄し、拒絶信号(RRC Connection Reject信号)の返信処理を行う。
〔S25〕ページング応答処理部11dは、ページング信号を廃棄した移動局20からページング問い合せ応答があったと認識すると、移動局20とのRRC Connectionの接続処理を行う。
【0083】
〔S26〕RRC Connectionの確立後、移動局20内の制御部21は、MMEに向けてService Request信号(移動局20とMME間で認証を行う際に使用されるNAS(Non Access Stratum)メッセージ)を送信する。Service Request信号は、無線基地局10を介してMMEで受信されて、L3プロトコル(例えば、EMM(Evolved Mobility Management))処理が起動される。
【0084】
〔S27〕MMEは、Service Request信号を受信すると、無線基地局10を介して移動局20へ向けて、Security Mode Command信号(NASメッセージ)を送信する。
〔S28〕無線基地局10は、移動局20へ向けてSecurity Mode Command信号(RRCメッセージ)を送信する。
【0085】
〔S29〕移動局20は、Security Mode Command信号を受信すると、Security Mode Complete信号(RRCメッセージ)を返信する。Security Mode Complete信号は、無線基地局10を介してMMEで受信される。ここまでの手順で無線基地局10と移動局20との間で秘匿動作が実施される。
【0086】
〔S30〕秘匿動作が完了すると、MMEは、無線基地局10に対して、Initial Context Setup Request信号(S1APメッセージ)を送信し、無線基地局10と移動局20との間のRadio Bearer接続を行う。
【0087】
〔S31〕無線基地局10は、MMEへInitial Context Setup Complete信号を送信する。Radio Bearer接続の完了後、無線基地局10を介した、移動局20とMMEとの信号が疎通する。
【0088】
移動局20は、無線基地局10を介してMMEとの信号が疎通したので、MMEから、無線基地局10で廃棄されたページング信号の取得が可能となる。
なお、上記のNASメッセージは、S1AP上では、Uplink NAS Transfer、Downlink NAS Transferメッセージにて転送される。RRC上では、UL Information Transfer、DL Information Transferメッセージにて転送される。
【0089】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 無線通信システム
10 無線基地局
1a 制御部(基地局側制御部)
1b ベースバンド部
20 移動局
2a−1 ベースバンド部
2a−2 制御部(移動局側制御部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信を行う無線通信システム、無線基地局、移動局および無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電話の通話着信や、メールがサーバに格納されたなどの情報を、相手側に通知して呼び出すことをページング(Paging)と呼び、その呼出信号はページング信号と呼ばれる。
ページング処理では、例えば、無線基地局は、待ち受け状態の移動局に対して、着信をページング信号で通知する。ページング信号を受信した移動局は、無線基地局にアクセスすることにより通信路を確立する。また、このページング信号の信号数にはページングチャネル容量や、無線基地局設備の処理能力などにより、上限値が存在する。
【0003】
従来技術として、ページングおよび他のメッセージを統合化して移動端末に送信する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2002−538744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のページング処理では、ページング信号数が上限値を超えた場合、ページング信号の優先度(サービス種別)にかかわらず、上限値を超えたページング信号は、無線基地局側で単純に廃棄されていた。
【0006】
そのため、ページング信号を受信できない移動局が存在し、その移動局においては、例えば、着信等を認識してデータ等を受信することができず、サービス品質の低下が生じてしまうという問題点があった。
【0007】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、サービス品質の向上を図った無線通信システムを提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、サービス品質の向上を図った無線基地局を提供することである。
【0008】
さらに、本発明の他の目的は、サービス品質の向上を図った移動局を提供することである。
さらにまた、本発明の他の目的は、サービス品質の向上を図った無線通信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、無線通信システムが提供される。無線通信システムは、呼出信号の応答処理を行う移動局側制御部を含む移動局と、前記移動局へ送信すべき前記呼出信号の優先度の判定を行う基地局側制御部と、第1の優先度の第1の呼出信号は、前記移動局へ送信し、前記第1の優先度より低い第2の優先度の第2の呼出信号に対しては、キューに格納して送信処理を行うベースバンド部と、を含む無線基地局とを備え、前記ベースバンド部は、前記キューの格納容量が超えて前記第2の呼出信号を廃棄した際は、前記第2の呼出信号を廃棄した旨を前記移動局へ通知し、前記移動局側制御部は、前記第2の呼出信号が廃棄されたことを認識すると、前記無線基地局へ問い合せ応答を実行する。
【発明の効果】
【0010】
サービス品質の向上を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】無線通信システムの構成例を示す図である。
【図2】無線基地局の構成例を示す図である。
【図3】移動局の構成例を示す図である。
【図4】制御部のハードウェア構成例を示す図である。
【図5】BB部のハードウェア構成例を示す図である。
【図6】ページング信号の廃棄処理を説明するための図である。
【図7】ページング信号の廃棄処理を説明するための図である。
【図8】報知情報のフォーマット構成例を示す図である。
【図9】報知情報を受信した移動局の動作フローを示す図である。
【図10】ページング信号の廃棄処理を示すシーケンス図である。
【図11】記憶内容を示す図である。
【図12】ページング応答の動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は無線通信システムの構成例を示す図である。無線通信システム1は、無線基地局10および移動局20を備える。無線基地局10は、制御部(基地局側制御部)1aおよびベースバンド部1bを備える。移動局20は、ベースバンド部2a−1および制御部(移動局側制御部)2a−2を含む。
【0013】
制御部1aは、移動局20へ送信すべき呼出信号の優先度の判定を行う。ベースバンド部1bは、第1の優先度の第1の呼出信号は、移動局20へ送信する。また、第1の優先度よりも低い第2の優先度の第2の呼出信号に対しては、キューに格納して送信処理を行う。
【0014】
また、ベースバンド部1bでは、キューの格納容量超えなどが生じて、第2の呼出信号を廃棄した際は、第2の呼出信号を廃棄した旨を移動局20へ通知する。
移動局20のベースバンド部2a−1は、無線基地局10側で、自局の呼出信号が廃棄された場合、呼出信号が廃棄された旨の通知を受信する。
【0015】
制御部2a−2は、呼出信号が廃棄されたことを認識した場合は、無線基地局10へ問い合せ応答を自動的に実行する。
以上説明したように、無線通信システム1では、無線基地局10は、呼出信号の優先度を判定し、優先度の高い呼出信号は移動局20へ送信する。また、優先度の低い呼出信号については、キューに格納して送信処理を行う。
【0016】
そして、優先度の低い呼出信号を廃棄した際は、廃棄した旨を移動局20へ通知し、移動局20では、呼出信号が廃棄されたことを認識すると、無線基地局10へ問い合せ応答を実行する構成とした。
【0017】
これにより、優先度の高い呼出信号は、移動局20へ常に送信されるので、優先度の高い呼出信号、例えば、電話着信などリアルタイム性の有る呼出信号は廃棄されることはない。また、優先度の低い呼出信号が廃棄された場合には、問い合せ応答を行うので、ページング信号の廃棄を知った移動局20(ユーザ)は、例えば、無線基地局10に接続することが可能になり、データ等の受信漏れを防止することができる。
【0018】
このように、優先度に応じた効率的なページング信号の通知およびページング信号が廃棄された際の問い合せを実行する構成としたので、従来のページング処理と比べて、電話着信の非接続やメール受信漏れ等を防ぐことができ、サービス品質を格段に向上させることが可能になる。
【0019】
ここで、ページング信号の廃棄を抑制する対策としては、位置登録エリアを狭めて、ページング信号の送信数を低減することが考えられる。しかし、この場合、位置登録要求が増加することになり、システム全体の処理能力を圧迫することとなる。これに対し、無線通信システム1では、システムの他処理能力を圧迫することがない。
【0020】
一方、近年では、携帯電話機によるメールでの連絡、メールマガジン等による会員情報の一斉送信およびネットワークサービスによるニュース等の配信など、ページングによる通知が増加している。
【0021】
このような状況に対して、無線通信システム1を適用することにより、優先度に応じた効率的なページング信号の通知およびページング信号が廃棄された際の問い合せを可能とするので、ページング信号数が増加してもすみやかに対処することができ、ページングサービスの低下を抑制することができる。
【0022】
次に無線通信システム1を携帯電話機の高速データ通信仕様の1つであるLTE(Long Term Evolution)に適用した場合について以降詳しく説明する。また、以降では呼出信号をページング信号と呼ぶ。
【0023】
図2は無線基地局の構成例を示す図である。無線基地局10は、制御部11、BB(Base Band)部12、HW(High Way)部13および無線IF(インタフェース)部14を備える。
【0024】
制御部11は、S1AP(S1 Application Part)処理部11a、ページング信号判定部11b、報知情報編集部11c、ページング応答処理部11dおよびメモリ11eを含む。BB部12は、ページング信号処理部12a、報知情報送信処理部12bおよびMAC(Media Access Control)部12cを含む。
【0025】
なお、制御部11は、図1の制御部1aの機能を有し、BB部12は、図1のベースバンド部1bの機能を有する。
HW部13は、IP(Internet Protocol)ネットワークを終端し、上位ノードであるMME(Mobility Management Entity:無線基地局を収容し、モビリティ制御機能などを提供するネットワーク側に位置する論理ノード)との通信インタフェース処理を行う。無線IF部14は、移動局20との間の無線通信インタフェース処理を行う。
【0026】
制御部11において、S1AP処理部11aは、MMEから送信されたS1APのメッセージを解析し、そのメッセージがページング信号であるか否かを認識する。なお、S1APとは、LTEにおける、ネットワーク(コアネットワーク)と無線基地局10との間で通信を行うための制御プロトコルの名称である。
【0027】
ページング信号判定部11bは、ページング信号の優先度の判定およびグループ判定を行う。判定処理後、判定結果を含めて、ページング信号をページング信号処理部12aへ送信する。
【0028】
報知情報編集部11cは、報知情報(BCCH:Broadcasting Control Channel)を編集する。具体的には、後述するフラグ情報を報知情報に設定する。なお、LTEで使用する報知情報は、例えば、移動局の位置登録要否の判断に用いられる位置番号、周辺セル情報または発信規制制御を行うための情報などを含み、周辺セル毎に一斉同報される。
【0029】
ページング応答処理部11dは、移動局20から送信されたページング応答信号を受信し、ページング信号の問い合せ応答に関連する処理を行う。メモリ11eは、廃棄されたページング信号の送信先の移動局の識別子等の情報を記憶する。
【0030】
BB部12において、ページング信号処理部12aは、制御部11から転送された優先度高のページング信号の送信処理を行う。また、優先度低のページング信号に関しては、内部に送信キューを有しており、制御部11から転送された優先度低のページング信号に対して、グループ単位での格納を行って、ページング信号の廃棄または送信処理を行う。
【0031】
報知情報送信処理部12bは、編集後の報知情報を移動局20へ送信するための送信処理を行う。MAC部12cは、MACレイヤのインタフェース処理を行う。
なお、制御部11は、S1AP処理部11a、ページング信号判定部11b、報知情報編集部11c、ページング応答処理部11dおよびメモリ11e以外の動作として、既存の通信制御も行う。
【0032】
図3は移動局の構成例を示す図である。移動局20は、制御部21、BB部22およびRF(Radio Frequency)部23を備える。制御部21は、フラグ判定部21a、ページング応答信号送信部21bおよびメモリ21cを含む。なお、制御部21は、図1の制御部2a−2の機能を有し、BB部22は、図1のベースバンド部2a−1の機能を有する。
【0033】
フラグ判定部21aは、無線基地局10から送信された報知情報に含まれるフラグ情報を認識し、自グループ宛のページング信号が無線基地局10側で廃棄されたか否かを判定する。
【0034】
ページング応答信号送信部21bは、自グループ宛のページング信号が廃棄されていると認識した場合は、問い合せ応答として、ページング応答信号を無線基地局10へ送信する。メモリ21cは自己の識別子等を格納する。
【0035】
なお、制御部21は、フラグ判定部21a、ページング応答信号送信部21bおよびメモリ21c以外の動作として、既存の通信制御も行う。
BB部22は、ディジタルベースバンド信号の変復調処理等を行う。RF部23は、ベースバンド帯域を無線周波帯域に変換するアップコンバートおよび無線周波帯域をベースバンド帯域に変換するダウンコンバートといった無線インタフェース処理を行う。
【0036】
次に無線基地局10および移動局20のハードウェア構成について説明する。図4は制御部のハードウェア構成例を示す図である。制御部100のハードウェア構成は、無線基地局10の制御部11、または移動局20の制御部21に対応可能である。制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、メモリ102およびIF部103を備えて、互いにバス接続する。
【0037】
無線基地局10の制御部11に適用した場合、CPU101は、S1AP処理部11a、ページング信号判定部11b、報知情報編集部11c、ページング応答処理部11dの各動作機能を実現する。メモリ102は、メモリ11eに該当する。IF部103は、HW部13およびBB部12とインタフェース処理を行う。
【0038】
移動局20の制御部21に適用した場合、CPU101は、フラグ判定部21aおよびページング応答信号送信部21bの各動作機能を実現する。メモリ102は、メモリ21cに該当する。
【0039】
図5はBB部のハードウェア構成例を示す図である。BB部110のハードウェア構成は、無線基地局10のBB部12、または移動局20のBB部22に対応する。BB部110は、CPU111、DSP(Digital Signal Processor)112、メモリ113およびIF部114を備えて、互いにバス接続する。
【0040】
無線基地局10のBB部12に適用した場合、DSP112は、ページング信号処理部12a、報知情報送信処理部12bおよびMAC部12cの各動作機能を実現する。IF部114は、制御部11および無線IF部14とのインタフェース処理を行う。
【0041】
次にページング信号の廃棄処理について説明する。図6、図7はページング信号の廃棄処理を説明するための図である。図6において、無線基地局10は、MME側から送信されたページング信号を受信すると、ページング信号判定部11bでは、受信したページング信号の優先度として、リアルタイム性の有るページング信号か、リアルタイム性の無いページング信号かを判断する。
【0042】
なお、リアルタイム性の有るページング信号は、第1の優先度のページング信号に対応し、リアルタイム性の無いページング信号は、第2の優先度のページング信号に対応する。また、リアルタイム性の有るページング信号とは、例えば、通話着信などであり、リアルタイム性の無いページング信号とは、例えば、メール通知やニュース配信などである。
【0043】
ページング信号処理部12aは、リアルタイム性の有るページング信号は、宛先の移動局20に対して該ページング信号を送信するための送信処理を行う。また、リアルタイム性の無いページング信号に関しては、グループ毎に設けられている送信キューに格納(キューイング)する。
【0044】
ここで、移動局20のグループ分けについて説明する。ページング信号処理部12aは、配下の移動局20に識別子を付与して、識別子毎にグループ分けする。例えば、TMSI(Temporary Mobile Subscriber Identity)を利用して、グループ分けを行うことができる。TMSIとは、コアネットワーク側でユーザ認証に用いる一時的なIDのことである。
【0045】
TMSIを用いてグループ分けする場合、例えば、TMSIの値のモジュロ256を算出し、TMSIの値を256で割った余りの値(256通り)で、256グループにグループ分けすることができる。
【0046】
一方、移動局20のグループ分けを行ってグループ数を決めると、各グループに対応した送信キュー(論理キュー)が設けられる。図6の場合は、グループG1〜G4の4グループに分けられており、グループG1〜G4毎に送信キューq1〜q4が設けられている。
【0047】
次にリアルタイム性の無いページング信号がグループG2宛としたときのページング信号の廃棄処理について説明する。
なお、送信キューq1〜q4の全体の格納容量を300とする。また、送信キューq1の現在格納しているページング信号数を75、送信キューq2の現在格納しているページング信号数を100とする。さらに、送信キューq3の現在格納しているページング信号数を50、送信キューq4の現在格納しているページング信号数を75とし、現時点で300格納されている状態であるとする。
【0048】
ページング信号処理部12aは、一定時間内にすでに廃棄ありのグループがあれば、該グループに属する移動局20へのページング信号を優先して廃棄する処理を行う。また、廃棄したグループがなければ、最後に送信キューに格納したグループのページング信号を廃棄する。
【0049】
この例では、ページング信号が送信キューq1〜q4に300溜まっている状態であり、前回の廃棄では、送信キューq3からページング信号が廃棄されていたとする。
このとき、新たにグループG2へのページング信号を受信したとする(宛先移動局の識別子からページング信号のグループは認識できる)。このページング信号を送信キューq2に格納しようとすると、送信キューq1〜q4の全体容量が超えて、溢れが生じることになる。したがって、前回廃棄した送信キューq3からページング信号を廃棄する。
【0050】
図7は、ページング信号廃棄後の送信キューq1〜q4の格納状態を示している。グループG3の送信キューq3からページング信号が1つ廃棄されたため、格納数は50から49になっている。また、グループG2の送信キューq2に、受信したグループG2宛のページング信号を格納したため、格納数は100から101になっている。
【0051】
以上説明したように、無線基地局10は、移動局20をグループ分けして、リアルタイム性の無い呼出信号をグループ毎に送信キューに格納し、呼出信号を廃棄した際は、どのグループの呼出信号を廃棄したかのグループ単位での廃棄有無を移動局20へ通知する。そして、移動局20は、自己が属するグループの呼出信号が廃棄されたことを認識すると、無線基地局10へ問い合せ応答を実行する構成とした。これにより、グループ単位に効率よく問い合せ応答を行うことができる。
【0052】
また、上記のように、リアルタイム性の無いページング信号を廃棄する場合、すでに廃棄ありのグループがあれば、同じグループからページング信号を廃棄することにより、廃棄グループの送信キューを1つにまとめることができ、処理を容易にすることができる。
【0053】
なお、上記では、送信キューは、グループ毎に設けたが、Paging Cause(ページング信号の優先度(サービス種別))毎に送信キューを設けてもよい。この場合、ページング信号の送信予測時刻を算出する。そして、送信予想時刻が規定値を超える場合には、優先度の低いPaging Causeの送信キューより、規定値を超える信号を廃棄する構成にしてもよい。
【0054】
次に移動局20への報知処理について説明する。無線基地局10は、上記のようにして、リアルタイム性の無いページング信号の廃棄を行った場合、廃棄した旨を移動局20へ通知する。この場合、どのグループのページング信号が廃棄されたかが認識できるフラグ情報を報知情報に設定して、配下の全移動局へ報知する。
【0055】
図8は報知情報のフォーマット構成例を示す図である。報知情報50は、MIB(Master Information Block)51およびSIB(System Information Block)52−1〜52−n、53を備える。LTEで用いられる報知情報は、無線基地局10から移動局20に対して周期的に所定情報が報知される。なお、SIB53は、新たに設けたSIBである。
【0056】
LTEでは、システム情報は、固定長リソースのMIBと、可変長リソースのSIBの2つに分けられて伝送される。MIB51には、例えば、下りリンクのセル帯域幅に関する情報やシステムフレーム数の情報などが設定される。また、SIB52−1〜52−nには、制御チャネルの構成情報や規制情報などが設定される。
【0057】
さらに、新たに設けたSIB53により、グループ毎にフラグ情報が設定される。フラグ情報の設定として、例えば、無線基地局10が、グループG3のページング信号の廃棄を行った場合には、グループG3フラグに例えば、“1”を立てる(廃棄が行われていないフラグは“0”とする)。
【0058】
次に報知情報を受信した移動局20の動作について説明する。図9は報知情報を受信した移動局の動作フローを示す図である。
〔S1〕移動局20は、報知情報を受信する。
【0059】
〔S2〕フラグ判定部21aは、受信した報知情報の中にフラグ情報が含まれているか否かを判断する。含まれていない場合は、ステップS5へ行き、含まれている場合はステップS3へ行く。
【0060】
〔S3〕フラグ判定部21aは、フラグ情報の中に自局が属するグループのフラグが立っている(ON)か否かを判断する。フラグが立っている場合はステップS4へ行き、立っていない場合は(OFFの場合は)ステップS5へ行く。
【0061】
〔S4〕ページング応答信号送信部21bは、ページング応答信号を無線基地局10へ送信してページング信号の問い合せを行う。
〔S5〕制御部21は、報知情報にもとづく所定の処理を行う。
【0062】
なお、上記では、無線基地局10から移動局20へ、報知情報を用いてページング信号の廃棄されたグループ番号を通知するとした。これに対し、報知情報の代わりに、TMSIなどの移動局20の識別子をグループ番号とした、ブロードキャスト用ページング信号で通知する構成にしてもよい。
【0063】
また、移動局20は、RRC(Radio Resource Control) CONNECTION REQUEST信号内のEstablish Cause(通信確立理由:どのような理由でRRCを確立したいかの内容が設定される)の1つのパラメータに、ページング応答である旨を記載して無線基地局10へ送信する。無線基地局10は、このCauseから、受信信号がページング応答信号であるか否かを判断する(図12で後述)。
【0064】
次にページング問い合せの空振り(ミスヒット)について説明する。上記のように、移動局20は、報知情報内のフラグ情報によって、自己が属するグループに何らかの着信が有ったことを認識すると、無線基地局10へページング応答信号を送信する。
【0065】
無線基地局10では、グループ単位にページング信号の有無を通知するため、ページング応答信号を送信した移動局20は、自局には着信がなく、ページング応答信号を送信しても空振りするケースがある。
【0066】
ただし、その場合には、無線基地局10内のページング応答処理部11dにて、移動局20が送信したページング応答が廃棄されるため、無線基地局10と移動局20とが接続することはない。
【0067】
また、移動局20からのページング問い合せが空振りとなるケースを極力減らすために、無線基地局10側で移動局20が属するグループ番号を変更してもよい。
無線基地局10内のページング信号処理部12aにおける、グループ番号決定処理は、通常は、例えば、位置登録時やアタッチ(attach:電源投入)時などにて、グループ番号を決定する(TMSIを割り振ることによるグループ番号の決定)。
【0068】
これに対し、移動局20との着信の接続時に、グループ番号を変更する処理(TMSIの割り振りの変更)を行うことができる。グループの変更は、例えば、着信数にてランク付けし、ランク毎にグループ化する。
【0069】
このように、着信数に応じてグループ化して、着信数の多いグループに対するページング信号の廃棄を増加させることにより、ページング応答のヒット率を上げて、ページング応答の空振り数を低減することができる。
【0070】
次にページング信号の廃棄処理についてシーケンス図を用いて説明する。図10はページング信号の廃棄処理を示すシーケンス図である。
〔S11〕MMEは、ページング信号を無線基地局10へ送信する。
【0071】
〔S12〕ページング信号判定部11bは、受信したページング信号がリアルタイム性の有るページング信号か、リアルタイム性の無いページング信号かを判断する。受信したページング信号が、リアルタイム性の有るページング信号の場合はステップS19へ行き、リアルタイム性の無いページング信号の場合はステップS13へ行く。
【0072】
〔S13〕ページング信号判定部11bは、ページング信号(リアルタイム性の無いページング信号)の宛先移動局の識別子などから、どのグループのページング信号であるかを認識する(グループ番号の判定)。
【0073】
〔S14〕ページング信号処理部12aは、送信キューの格納状態に対し、現在受信したページング信号を格納すると溢れるか否かを判断する。溢れる場合はステップS15へ行き、溢れない場合はステップS19へ行く。
【0074】
〔S15〕ページング信号処理部12aは、一定時間内にすでにページング信号を廃棄している送信キューがあれば、該送信キューにキューイングされているページング信号を、容量を超える分廃棄する。
【0075】
〔S16〕ページング信号処理部12aは、ページング信号のグループと同じグループの送信キューに、該ページング信号を格納する。
〔S17〕ページング信号処理部12aは、廃棄したページング信号の宛先移動局の識別子を記憶する(図11で後述する)。
【0076】
〔S18〕報知情報編集部11cは、廃棄したページング信号のグループと同じグループのフラグ情報のフラグを報知情報の所定フィールドに設定する。
〔S18a〕報知情報送信処理部12bは、フラグが設定されたフラグ情報を含む報知情報を移動局20へ報知する。
【0077】
〔S19〕ページング信号処理部12aは、宛先移動局へのページング信号の送信処理を行う。
〔S19a〕無線基地局10から移動局20へページング信号が送信される。
【0078】
次にページング信号の廃棄情報に関する記憶内容について説明する。図11は記憶内容を示す図である。無線基地局10内のメモリ11eの記憶領域の一部は、グループ毎のページング信号の廃棄有無欄および廃棄ユーザID(TMSI)欄が設けられている。なお、廃棄有りの場合は“1”、廃棄無しの場合は“0”が廃棄有無欄に設定される。
【0079】
図では、例えば、グループG1において、廃棄ユーザIDが“00000000”、“11111111”、“22222222”が廃棄有無“1”となっている。これにより、“00000000”、“11111111”、“22222222”それぞれのIDを持つ移動局に対するページング信号が廃棄されたことが示される。
【0080】
次にページング応答の動作についてシーケンス図を用いて説明する。図12はページング応答の動作を示すシーケンス図である。
〔S21〕移動局20内のページング応答信号送信部21bは、ページング応答信号を無線基地局10へ送信する。具体的には、Establish Causeをページング問い合せとして、RRC CONNECTION REQUEST信号を無線基地局10へ送信する
〔S22〕無線基地局10内のページング応答処理部11dは、図11で示したメモリ11eの記憶内容にもとづき、ページング信号を廃棄した移動局20の識別子を取り出す。
【0081】
〔S23〕ページング応答処理部11dは、ページング応答信号を送信してきた移動局20の識別子と、ステップS22で取り出した識別子とが一致するか否かを判断する。不一致の場合はステップS24へ行き、一致する場合はステップS25へ行く。
【0082】
〔S24〕ページング応答処理部11dは、受信したページング応答信号を廃棄し、拒絶信号(RRC Connection Reject信号)の返信処理を行う。
〔S25〕ページング応答処理部11dは、ページング信号を廃棄した移動局20からページング問い合せ応答があったと認識すると、移動局20とのRRC Connectionの接続処理を行う。
【0083】
〔S26〕RRC Connectionの確立後、移動局20内の制御部21は、MMEに向けてService Request信号(移動局20とMME間で認証を行う際に使用されるNAS(Non Access Stratum)メッセージ)を送信する。Service Request信号は、無線基地局10を介してMMEで受信されて、L3プロトコル(例えば、EMM(Evolved Mobility Management))処理が起動される。
【0084】
〔S27〕MMEは、Service Request信号を受信すると、無線基地局10を介して移動局20へ向けて、Security Mode Command信号(NASメッセージ)を送信する。
〔S28〕無線基地局10は、移動局20へ向けてSecurity Mode Command信号(RRCメッセージ)を送信する。
【0085】
〔S29〕移動局20は、Security Mode Command信号を受信すると、Security Mode Complete信号(RRCメッセージ)を返信する。Security Mode Complete信号は、無線基地局10を介してMMEで受信される。ここまでの手順で無線基地局10と移動局20との間で秘匿動作が実施される。
【0086】
〔S30〕秘匿動作が完了すると、MMEは、無線基地局10に対して、Initial Context Setup Request信号(S1APメッセージ)を送信し、無線基地局10と移動局20との間のRadio Bearer接続を行う。
【0087】
〔S31〕無線基地局10は、MMEへInitial Context Setup Complete信号を送信する。Radio Bearer接続の完了後、無線基地局10を介した、移動局20とMMEとの信号が疎通する。
【0088】
移動局20は、無線基地局10を介してMMEとの信号が疎通したので、MMEから、無線基地局10で廃棄されたページング信号の取得が可能となる。
なお、上記のNASメッセージは、S1AP上では、Uplink NAS Transfer、Downlink NAS Transferメッセージにて転送される。RRC上では、UL Information Transfer、DL Information Transferメッセージにて転送される。
【0089】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 無線通信システム
10 無線基地局
1a 制御部(基地局側制御部)
1b ベースバンド部
20 移動局
2a−1 ベースバンド部
2a−2 制御部(移動局側制御部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼出信号の応答処理を行う移動局側制御部を含む移動局と、
前記移動局へ送信すべき前記呼出信号の優先度の判定を行う基地局側制御部と、第1の優先度の第1の呼出信号は、前記移動局へ送信し、前記第1の優先度より低い第2の優先度の第2の呼出信号に対しては、キューに格納して送信処理を行うベースバンド部と、を含む無線基地局と、
を備え、
前記ベースバンド部は、
前記キューの格納容量が超えて前記第2の呼出信号を廃棄した際は、前記第2の呼出信号を廃棄した旨を前記移動局へ通知し、
前記移動局側制御部は、
前記第2の呼出信号が廃棄されたことを認識すると、前記無線基地局へ問い合せ応答を実行する、
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記ベースバンド部は、
前記移動局をグループ分けして前記第2の呼出信号をグループ毎に前記キューに格納し、前記第2の呼出信号を廃棄した際は、どのグループの前記第2の呼出信号を廃棄したかのグループ単位での廃棄有無を前記移動局へ通知し、
前記移動局側制御部は、
自己が属するグループの前記第2の呼出信号が廃棄されたことを認識すると、前記無線基地局へ前記問い合せ応答を実行する、
ことを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記ベースバンド部は、前記第2の呼出信号を廃棄する場合、すでに廃棄ありのグループがあれば、同じ前記グループの前記第2の呼出信号を廃棄することを特徴とする請求項2記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記ベースバンド部は、前記移動局の着信数をランク付けして、ランク毎に前記グループ分けを行うことを特徴とする請求項2記載の無線通信システム。
【請求項5】
無線基地局において、
移動局へ送信すべき呼出信号の優先度の判定を行う制御部と、
第1の優先度の第1の呼出信号は、前記移動局へ送信し、前記第1の優先度より低い第2の優先度の第2の呼出信号に対しては、キューに格納して送信処理を行うベースバンド部と、
を備え、
前記ベースバンド部は、
前記キューの格納容量が超えて前記第2の呼出信号を廃棄した際は、前記第2の呼出信号を廃棄した旨を前記移動局へ通知する、
ことを特徴とする無線基地局。
【請求項6】
移動局において、
無線基地局側で、自局の呼出信号が廃棄された場合、前記呼出信号が廃棄された旨の通知を受信するベースバンド部と、
前記呼出信号が廃棄されたことを認識した場合は、前記無線基地局へ問い合せ応答を実行する制御部と、
を有することを特徴とする移動局。
【請求項7】
無線通信方法において、
無線基地局では、
移動局へ送信すべき呼出信号の優先度の判定を行い、
第1の優先度の第1の呼出信号は、前記移動局へ送信し、
前記第1の優先度より低い第2の優先度の第2の呼出信号に対しては、キューに格納して送信処理を行い、
前記キューの格納容量が超えて前記第2の呼出信号を廃棄した際は、前記第2の呼出信号を廃棄した旨を前記移動局へ通知し、
前記移動局では、
前記第2の呼出信号が廃棄されたことを認識すると、前記無線基地局へ問い合せ応答を実行する、
ことを特徴とする無線通信方法。
【請求項1】
呼出信号の応答処理を行う移動局側制御部を含む移動局と、
前記移動局へ送信すべき前記呼出信号の優先度の判定を行う基地局側制御部と、第1の優先度の第1の呼出信号は、前記移動局へ送信し、前記第1の優先度より低い第2の優先度の第2の呼出信号に対しては、キューに格納して送信処理を行うベースバンド部と、を含む無線基地局と、
を備え、
前記ベースバンド部は、
前記キューの格納容量が超えて前記第2の呼出信号を廃棄した際は、前記第2の呼出信号を廃棄した旨を前記移動局へ通知し、
前記移動局側制御部は、
前記第2の呼出信号が廃棄されたことを認識すると、前記無線基地局へ問い合せ応答を実行する、
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記ベースバンド部は、
前記移動局をグループ分けして前記第2の呼出信号をグループ毎に前記キューに格納し、前記第2の呼出信号を廃棄した際は、どのグループの前記第2の呼出信号を廃棄したかのグループ単位での廃棄有無を前記移動局へ通知し、
前記移動局側制御部は、
自己が属するグループの前記第2の呼出信号が廃棄されたことを認識すると、前記無線基地局へ前記問い合せ応答を実行する、
ことを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記ベースバンド部は、前記第2の呼出信号を廃棄する場合、すでに廃棄ありのグループがあれば、同じ前記グループの前記第2の呼出信号を廃棄することを特徴とする請求項2記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記ベースバンド部は、前記移動局の着信数をランク付けして、ランク毎に前記グループ分けを行うことを特徴とする請求項2記載の無線通信システム。
【請求項5】
無線基地局において、
移動局へ送信すべき呼出信号の優先度の判定を行う制御部と、
第1の優先度の第1の呼出信号は、前記移動局へ送信し、前記第1の優先度より低い第2の優先度の第2の呼出信号に対しては、キューに格納して送信処理を行うベースバンド部と、
を備え、
前記ベースバンド部は、
前記キューの格納容量が超えて前記第2の呼出信号を廃棄した際は、前記第2の呼出信号を廃棄した旨を前記移動局へ通知する、
ことを特徴とする無線基地局。
【請求項6】
移動局において、
無線基地局側で、自局の呼出信号が廃棄された場合、前記呼出信号が廃棄された旨の通知を受信するベースバンド部と、
前記呼出信号が廃棄されたことを認識した場合は、前記無線基地局へ問い合せ応答を実行する制御部と、
を有することを特徴とする移動局。
【請求項7】
無線通信方法において、
無線基地局では、
移動局へ送信すべき呼出信号の優先度の判定を行い、
第1の優先度の第1の呼出信号は、前記移動局へ送信し、
前記第1の優先度より低い第2の優先度の第2の呼出信号に対しては、キューに格納して送信処理を行い、
前記キューの格納容量が超えて前記第2の呼出信号を廃棄した際は、前記第2の呼出信号を廃棄した旨を前記移動局へ通知し、
前記移動局では、
前記第2の呼出信号が廃棄されたことを認識すると、前記無線基地局へ問い合せ応答を実行する、
ことを特徴とする無線通信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−70196(P2013−70196A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206694(P2011−206694)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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