説明

無線通信システム、無線通信端末、距離算出方法

【課題】無線通信端末が第1の基地局装置、及び、この第1の基地局装置よりも無線通信可能な距離が短い第2の基地局装置からの信号を受信可能であれば、各基地局装置の位置情報が未知であっても無線通信端末と第1の基地局装置との間の距離を算出できる無線通信システム、無線通信端末、距離算出方法を提供する。
【解決手段】無線通信端末300が第1の基地局装置100、及び、この第1の基地局装置100よりも無線通信可能な距離が短い第2の基地局装置200からの信号を受信したとき、無線通信端末300と第2の基地局装置200との間の距離をゼロとみなして、無線通信端末300と第1の基地局装置100との間の距離を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話サービス等の無線通信システム、無線通信端末、距離算出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、無線通信端末の位置情報の算出方法として、GPS(Global Positioning System)やCDMA(Code Division Multiple Access)通信システムを利用した位置情報の取得方法が知られている(例えば、特許文献1,非特許文献1)。
これら従来の方法では、時刻同期がなされている複数の送信機(GPS衛星やCDMA基地局装置)から、それぞれ異なるPN(Pseudo Noise)符号を用いてスペクトラム拡散を施した信号を送信し、この信号を同時に受信機(GPS受信機やCDMA端末)で受信する。受信機では、受信した信号とPN符号との相関演算を行い、相関値が極大となるタイミングから、当該PN符号に対応する特定の送信機が送信したタイミングを得る。また、受信機では、自身の時刻に基づき、この送信機から受信機までの擬似伝搬時間を得る。この擬似伝搬時間と、単位時間あたりの電波の伝搬距離から、受信機と送信機間の擬似距離が求められる。
この擬似距離の算出を、PN符合が異なる複数の送信機に対して同時に行い、複数の送信機までの擬似距離を得る。ここで求めた「受信機と各送信機との擬似距離」と、各送信機からの送信信号に重畳されて送信される「位置情報(座標)」を基に、受信機の位置情報を算出することが可能となる。
【0003】
以下、従来の位置情報の算出方法をより詳しく説明する。
図6は、従来の位置情報の算出方法における信号と時間との関係を示す図である。
図6において、Tは、送信機での基準時刻であり、T’は、受信機での基準時刻であり、T’は、受信機での受信時刻である。なお、送信機の時計と受信機の時計との間には、送信機に対する受信機の時刻誤差δのずれが生じているものとする。
【0004】
この場合、擬似距離rは、以下の式で表すことができる。
=ρ+cδ=ρ+s
ただし、
擬似距離r:送信機iに対する受信機の時刻誤差により生ずる距離誤差を含んだ距離、
真の距離ρ:送信機iと受信機の真の距離、
距離誤差s:時刻誤差により生ずる真の距離との誤差、
電波の速度c:単位時間当たりの電波の伝送距離とする。
【0005】
ここで、受信した信号から擬似距離rを求めることができる。
=c×(T’−T’)
【0006】
受信機の位置を(x,y,z)とし、送信機iの位置を(x,y,z)とするとき、擬似距離rは、次のように表すことができる。
【数1】

【0007】
ここで、送信機i=1〜4に対して、それぞれの距離は、次のように表すことができる。
【数2】

【0008】
従来は、未知数x,y,z,sに関して上記の4つの方程式を解くことにより、受信機の正しい位置及び正しい時刻を得ていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特表2002−507727号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】坂井 丈泰著 「GPS技術入門」 東京電機大学出版局 2003年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、従来の技術では、無線通信端末(上述の受信機に相当)と基地局装置(上述の送信機に相当)との距離を求めるためには、まず、無線通信端末及び基地局装置のそれぞれの位置情報を求めた後、距離を求める必要があった。このとき、無線通信端末の位置情報を得るためには、4つの基地局装置からの信号を受信することが必要で、さらに各基地局装置の位置情報が既知であることが必要であった。したがって、無線通信端末が置かれている位置の電波状況が良好でないと、無線通信端末と基地局装置との距離を求めることができないという問題があった。
【0012】
本発明の課題は、無線通信端末が第1の基地局装置、及び、この第1の基地局装置よりも無線通信可能な距離が短い第2の基地局装置からの信号を受信可能であれば、各基地局装置の位置情報が未知であっても無線通信端末と第1の基地局装置との間の距離を算出できる無線通信システム、無線通信端末、距離算出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0014】
(1)本発明は、第1の基地局装置(100)と、前記第1の基地局装置よりも無線通信可能な距離が短い第2の基地局装置(200)と、前記第1の基地局装置及び前記第2の基地局装置との無線通信が可能な無線通信端末(300)とを備えた無線通信システムであって、前記第1の基地局装置は、第1の基準信号を発生する第1の基準信号発生部(110)と、前記第1の基準信号発生部が発生する第1の基準信号に基づいた第1の基地局信号を送信する第1の基地局信号送信部(120)とを備え、前記第2の基地局装置は、前記第1の基準信号発生部が発生する前記第1の基準信号との間で時刻が同期している第2の基準信号を発生する第2の基準信号発生部(210)と、前記第2の基準信号発生部が発生する第2の基準信号に基づいた第2の基地局信号を送信する第2の基地局信号送信部(220)とを備え、前記無線通信端末は、前記第1の基地局信号及び前記第2の基地局信号を受信する基地局信号受信部(310)と、前記基地局信号受信部が受信した前記第1の基地局信号及び前記第2の基地局信号それぞれの基地局種別を判定する基地局種別判定部(320)と、前記基地局信号受信部が前記第1の基地局信号及び前記第2の基地局信号をそれぞれ受信した時刻を検出する受信時刻検出部(330)とを備え、前記第1の基地局装置及び前記第2の基地局装置及び前記無線通信端末の少なくともひとつは、前記基地局種別判定部が判定した前記第1の基地局信号及び前記第2の基地局信号それぞれの基地局種別及び前記受信時刻検出部が検出した前記第1の基地局信号を受信した時刻及び前記第2の基地局信号を受信した時刻に基づいて前記無線通信端末と前記第1の基地局装置との間の距離を算出する距離算出部(130,340)を備えることを特徴とする無線通信システムを提案している。
【0015】
この発明によれば、第1の基準信号発生部は、第1の基準信号を発生する。第1の基地局信号送信部は、第1の基準信号発生部が発生する第1の基準信号に基づいた第1の基地局信号を送信する。第2の基準信号発生部は、第1の基準信号発生部が発生する第1の基準信号との間で時刻が同期している第2の基準信号を発生する。第2の基地局信号送信部は、第2の基準信号発生部が発生する第2の基準信号に基づいた第2の基地局信号を送信する。基地局信号受信部は、第1の基地局信号及び第2の基地局信号を受信する。基地局種別判定部は、基地局信号受信部が受信した第1の基地局信号及び第2の基地局信号それぞれの基地局種別を判定する。受信時刻検出部は、基地局信号受信部が第1の基地局信号及び第2の基地局信号をそれぞれ受信した時刻を検出する。距離算出部は、基地局種別判定部が判定した第1の基地局信号及び第2の基地局信号それぞれの基地局種別及び受信時刻検出部が検出した第1の基地局信号を受信した時刻及び第2の基地局信号を受信した時刻に基づいて無線通信端末と第1の基地局装置との間の距離を算出する。したがって、各基地局装置の位置情報が未知であっても無線通信端末と第1の基地局装置との間の距離を算出できる。
【0016】
(2)本発明は、(1)の無線通信システムにおいて、前記距離算出部(130,340)は、前記無線通信端末(300)と前記第2の基地局装置(200)との間の距離をゼロとして前記無線通信端末と前記第1の基地局装置(100)との間の距離を算出することを特徴とする無線通信システムを提案している。
【0017】
この発明によれば、距離算出部は、無線通信端末と第2の基地局装置との間の距離をゼロとして無線通信端末と第1の基地局装置との間の距離を算出する。したがって、簡単な演算より、無線通信端末と第1の基地局装置との間の距離を算出できる。
【0018】
(3)本発明は、(1)又は(2)の無線通信システムにおいて、前記距離算出部(130,340)は、前記受信時刻検出部(330)が検出した前記第1の基地局信号を受信した時刻をTBS’、前記第2の基地局信号を受信した時刻をTAP’、電波の速度をcとしたとき、前記無線通信端末(300)と前記第1の基地局装置(100)との間の距離ρBSを、ρBS=c×(TBS’−TAP’)により求めることを特徴とする無線通信システムを提案している。
【0019】
この発明によれば、距離算出部は、受信時刻検出部が検出した第1の基地局信号を受信した時刻をTBS’、第2の基地局信号を受信した時刻をTAP’、電波の速度をcとしたとき、無線通信端末と第1の基地局装置との間の距離ρBSを、ρBS=c×(TBS’−TAP’)により求める。したがって、簡単な演算より、無線通信端末と第1の基地局装置との間の距離を算出できる。
【0020】
(4)本発明は、(1)から(3)までのいずれか1項に記載の無線通信システムにおいて、前記第2の基地局装置(200)と前記無線通信端末(300)との間で無線通信可能な距離は、前記受信時刻検出部(330)が前記第1の基地局信号及び前記第2の基地局信号から検出可能な最小単位となる時間に基づいて決まる前記距離算出部(130,340)が算出可能な最小単位の距離である距離測定精度よりも短いことを特徴とする無線通信システムを提案している。
【0021】
この発明によれば、第2の基地局装置と無線通信端末との間で無線通信可能な距離は、受信時刻検出部が第1の基地局信号及び第2の基地局信号から検出可能な最小単位となる時間に基づいて決まる距離算出部が算出可能な最小単位の距離である距離測定精度よりも短い。したがって、高い精度の距離算出を行える。
【0022】
(5)本発明は、(1)から(4)までのいずれか1項に記載の無線通信システムにおいて、前記距離算出部(130,340)が算出した前記無線通信端末(300)と前記第1の基地局装置(100)との間の距離に基づいて、前記無線通信端末及び前記第1の基地局装置の少なくとも一方の送信電力を制御する送信電力制御部(140,350)を備えることを特徴とする無線通信システムを提案している。
【0023】
この発明によれば、送信電力制御部は、距離算出部が算出した無線通信端末と第1の基地局装置との間の距離に基づいて、無線通信端末及び第1の基地局装置の少なくとも一方の送信電力を制御する。したがって、無線通信端末と第1の基地局装置との距離に対して必要かつ十分な電力となるように送信電力を制御できる。
【0024】
(6)本発明は、第1の基地局装置(100)と、前記第1の基地局装置よりも無線通信可能な距離が短い第2の基地局装置(200)との無線通信が可能な無線通信端末(300)であって、前記第1の基地局装置が送信した第1の基地局信号及び前記第2の基地局装置が送信した第2の基地局信号を受信する基地局信号受信部(310)と、前記基地局信号受信部が受信した前記第1の基地局信号及び前記第2の基地局信号それぞれの基地局種別を判定する基地局種別判定部(320)と、前記基地局信号受信部が前記第1の基地局信号及び前記第2の基地局信号をそれぞれ受信した時刻を検出する受信時刻検出部(330)と、前記基地局種別判定部が判定した前記第1の基地局信号及び前記第2の基地局信号それぞれの基地局種別及び前記受信時刻検出部が検出した前記第1の基地局信号を受信した時刻及び前記第2の基地局信号を受信した時刻に基づいて前記無線通信端末と前記第1の基地局装置との間の距離を算出する距離算出部(130,340)とを備えることを特徴とする無線通信端末を提案している。
【0025】
この発明によれば、基地局信号受信部は、第1の基地局装置が送信した第1の基地局信号及び第2の基地局装置が送信した第2の基地局信号を受信する。基地局種別判定部は、基地局信号受信部が受信した第1の基地局信号及び第2の基地局信号それぞれの基地局種別を判定する。受信時刻検出部は、基地局信号受信部が第1の基地局信号及び第2の基地局信号をそれぞれ受信した時刻を検出する。距離算出部は、基地局種別判定部が判定した第1の基地局信号及び第2の基地局信号それぞれの基地局種別及び受信時刻検出部が検出した第1の基地局信号を受信した時刻及び第2の基地局信号を受信した時刻に基づいて無線通信端末と第1の基地局装置との間の距離を算出する。したがって、各基地局装置の位置情報が未知であっても無線通信端末と第1の基地局装置との間の距離を算出できる。
【0026】
(7)本発明は、第1の基地局装置(100)と、前記第1の基地局装置よりも無線通信可能な距離が短い第2の基地局装置(200)と、前記第1の基地局装置及び前記第2の基地局装置との無線通信が可能な無線通信端末(300)とを備えた無線通信システムにおいて前記無線通信端末と前記第1の基地局装置との間の距離を算出する距離算出方法であって、前記第1の基地局装置が送信した第1の基地局信号及び前記第2の基地局装置が送信した第2の基地局信号を受信し、受信した前記第1の基地局信号及び前記第2の基地局信号それぞれの基地局種別を判定し、前記第1の基地局信号及び前記第2の基地局信号をそれぞれ受信した時刻を検出し、前記第1の基地局信号及び前記第2の基地局信号それぞれの基地局種別及び前記第1の基地局信号を受信した時刻及び前記第2の基地局信号を受信した時刻に基づいて前記無線通信端末と前記第1の基地局装置との間の距離を算出することを特徴とする距離算出方法を提案している。
【0027】
この発明によれば、無線通信端末と第1の基地局装置との間の距離を算出する距離算出方法は、第1の基地局装置が送信した第1の基地局信号及び第2の基地局装置が送信した第2の基地局信号を受信し、受信した第1の基地局信号及び第2の基地局信号それぞれの基地局種別を判定し、第1の基地局信号及び第2の基地局信号をそれぞれ受信した時刻を検出し、第1の基地局信号及び第2の基地局信号それぞれの基地局種別及び第1の基地局信号を受信した時刻及び第2の基地局信号を受信した時刻に基づいて無線通信端末と第1の基地局装置との間の距離を算出する。したがって、各基地局装置の位置情報が未知であっても無線通信端末と第1の基地局装置との間の距離を算出できる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、基地局装置及び無線通信端末の位置情報を知らなくとも、又は、算出する等して取得することなく、基地局装置と無線通信端末との間の距離を算出できる。
また、無線通信端末が少なくとも一台の小型基地局の信号を受信可能な領域にあって、かつ、距離の算出対象となる基地局装置ひとつからの信号が受信できれば、基地局装置と無線通信端末との間の距離を算出できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明による距離算出方法を用いた無線通信システムの第1実施形態を示す図である。
【図2】第1実施形態の無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態における信号と時間との関係を示す図である。
【図4】第2実施形態の無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【図5】第3実施形態の無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【図6】従来の位置情報の算出方法における信号と時間との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合わせを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0031】
(第1実施形態)
図1は、本発明による距離算出方法を用いた無線通信システムの第1実施形態を示す図である。
本実施形態の無線通信システムは、第1の基地局装置100と、第2の基地局装置200と、無線通信端末300とを備えたCDMA(Code Division Multiple Access)通信システムであり、携帯電話サービスに用いられる。
【0032】
第1の基地局装置100は、携帯電話サービスに加入している無線通信端末との間で無線通信を行う基地局装置である。第1の基地局装置100は、無線通信端末300との間で無線通信可能な距離が数kmに及ぶ、いわゆるマクロセルと呼ばれる大規模な基地局装置である。
【0033】
第2の基地局装置200は、携帯電話サービスに加入している無線通信端末との間で無線通信を行う基地局装置である点は、第1の基地局装置100と同じである。ただし、第2の基地局装置200は、第1の基地局装置100よりも無線通信可能な距離が短い。本実施形態の第2の基地局装置200は、無線通信端末と通信可能な最大距離が10m程度の、いわゆるフェムトセル基地局装置である。
【0034】
従来のマクロセル基地局装置が半径数百m〜十数kmの通話エリアを持つのに対して、近年、半径十m程度の通話エリアしか持たないフェムトセルと呼ばれる超小型基地局装置が開発されている。従来の大規模な基地局装置がマクロセル基地局装置と呼ばれるのに対して、ナノセル、ピコセルと呼ばれる小型基地局装置が従来から使われている。フェムトセルは、これら小型基地局装置よりもさらに通話エリアが狭く、マクロセル等からの電波が届きにくい個人の家屋内等での利用に適した基地局装置である。
【0035】
無線通信端末300は、第1の基地局装置100及び第2の基地局装置200との間で無線通信可能な携帯電話機である。
【0036】
図2は、第1実施形態の無線通信システムの構成を示すブロック図である。
第1の基地局装置100は、第1の基準信号発生部110と、第1の基地局信号送信部120とを備えている。
【0037】
第1の基準信号発生部110は、時刻情報を含む第1の基準信号を発生し、第1の基地局信号送信部120へ伝える。
第1の基地局信号送信部120は、第1の基準信号発生部110から取得した第1の基準信号に基づいて第1の基地局信号を生成する。また、第1の基地局信号送信部120は、この第1の基地局信号をチップレートが1.2288Mchip/secのPN(Pseudo Noise)符号を用いてスペクトラム拡散を施した信号として送信する。
なお、第1の基地局信号送信部120が送信する第1の基地局信号を含め、第1の基地局装置100及び第2の基地局装置200と無線通信端末300との間の通信は、公知の送受信部及びアンテナ設備等(不図示)を用いて電波による無線通信で行われる。
【0038】
第2の基地局装置200は、第2の基準信号発生部210と、第2の基地局信号送信部220とを備えている。
第2の基準信号発生部210は、時刻情報を含む第2の基準信号を発生し、第2の基地局信号送信部220へ伝える。ここで、第2の基準信号発生部210は、第2の基準信号が第1の基準信号に対して時刻が同期するように、第1の基準信号発生部110が有する時計部と時刻が同期した時計を備えている。
【0039】
第2の基地局信号送信部220は、第2の基準信号発生部210から取得した第2の基準信号に基づいて第2の基地局信号を生成する。また、第2の基地局信号送信部220は、この第2の基地局信号をチップレートが1.2288Mchip/secのPN符号を用いてスペクトラム拡散を施した信号として送信する。
【0040】
無線通信端末300は、基地局信号受信部310と、基地局種別判定部320と、受信時刻検出部330と、距離算出部340とを備えている。
基地局信号受信部310は、第1の基地局装置100からの第1の基地局信号及び第2の基地局装置200からの第2の基地局信号を受信する。基地局信号受信部310は、受信した第1の基地局信号及び第2の基地局信号を基地局種別判定部320及び受信時刻検出部330へ送る。
【0041】
基地局種別判定部320は、基地局信号受信部310が受信した第1の基地局信号及び第2の基地局信号それぞれの基地局種別を判定する。ここで、基地局種別とは、基地局信号を送信した基地局が無線通信可能な最大距離に応じて基地局を種別したものである。本実施形態では、マクロセル基地局装置であるかフェムトセル基地局装置であるかに種別されている。第1の基地局信号及び第2の基地局信号には、この基地局を識別するためのID情報が含まれており、基地局種別判定部320は、そのID情報や、この基地局が使用するPN符号などを参照することにより、第1の基地局信号及び第2の基地局信号それぞれの基地局種別を判定する。基地局種別判定部320は、判定した第1の基地局信号及び第2の基地局信号それぞれの基地局種別を距離算出部340へ送る。
【0042】
受信時刻検出部330は、基地局信号受信部310が第1の基地局信号及び第2の基地局信号をそれぞれ受信した時刻を検出する。受信時刻検出部330は、検出した第1の基地局信号の受信時刻及び第2の基地局信号の受信時刻を距離算出部340へ送る。
【0043】
距離算出部340は、基地局種別判定部320から取得した第1の基地局信号及び第2の基地局信号それぞれの基地局種別と、受信時刻検出部330から取得した第1の基地局信号の受信時刻及び第2の基地局信号の受信時刻に基づいて、無線通信端末300と前記第1の基地局装置100との間の距離を算出する。
【0044】
次に、距離算出部340が行う距離算出の方法について説明する。なお、以下の説明では、第1の基地局装置100に関する項目に「BS」の符号、第2の基地局装置200に関する項目に「AP」の符号、無線通信端末300に関する項目に「AT」の符号を適宜付して説明する。
図3は、第1実施形態における信号と時間との関係を示す図である。
距離の算出前において、第1の基地局装置100(BS)、第2の基地局装置200(AP)、無線通信端末300(AT)のいずれの位置も未知である。また、無線通信端末300(AT)は、第2の基地局装置200(AP)からの信号を受信可能な圏内にいる(RAP≧ρAP)ことが既知である。これは、無線通信端末300(AT)が第2の基地局装置200(AP)からの第2の基地局信号を受信することにより判断される。
【0045】
ここで、以下のように変数を定義する。
距離RAP:第2の基地局装置200(AP)の信号受信が可能な最大距離、
距離RBS:第1の基地局装置100(BS)の信号受信が可能な最大距離、
擬似距離r:基地局装置iに対する無線通信端末300(AT)の時刻誤差により生ずる距離誤差を含んだ距離、
真の距離ρ:基地局装置iと無線通信端末300(AT)の真の距離。
【0046】
第2の基地局装置200(AP)の信号が受信可能な無線通信端末300(AT)は、第1の基地局装置100(BS)及び第2の基地局装置200(AP)それぞれからの第1の基地局信号及び第2の基地局信号を受信し、その受信時刻をTAP’とTBS’の測定(受信時刻検出部330により検出)により得る。ここで、第2の基地局装置200(AP)及び第1の基地局装置100(BS)から無線通信端末300(AT)ATまでの各々の擬似距離rAPとrBSは、次のように表すことができる。
AP=c×(TAP’−T’)
BS=c×(TBS’−T’)
ここで、電波の速度c:単位時間当たりの電波の伝送距離である。
【0047】
また、この値は、無線通信端末300(AT)の時刻誤差を含むため、次のように表現できる。
AP=ρAP+cδ=ρAP+s
BS=ρBS+cδ=ρBS+s
ここで、各変数の定義は、以下の通りである。
時刻誤差δ:基地局装置iに対する無線通信端末300(AT)の時刻誤差、
距離誤差s:時刻誤差により生ずる真の距離との誤差、
真の距離ρ:基地局装置iと無線通信端末300(AT)の真の距離。
【0048】
ここから、これらの差分は次のように表現できる。
BS−rAP=(ρBS+s)−(ρAP+s)=ρBS−ρAP
このとき、第2の基地局装置200(AP)からの信号受信が可能な範囲は限られていることから、ρAP≒0とみなすことができ、ρAP=0と置換して距離算出を行うことが可能である。すなわち、第2の基地局装置200(AP)の通信可能な最大距離は、第1の基地局装置100(BS)の通信可能な最大距離と比べると非常に小さいので、無線通信端末300(AT)から第2の基地局装置200(AP)までの距離は、無線通信端末300(AT)から第1の基地局装置100(BS)までの距離と比べて十分小さいと想定可能である。
【0049】
なお、第2の基地局装置200の無線通信可能な距離が、第1の基地局装置の無線通信可能な距離よりも短いことから、ρAP=0と置換して距離算出を行うが、どの程度無線通信可能な距離が短いときにρAP=0置換してもよいのかは、算出した距離をどのような目的に用いるかによって適宜選択すればよい。すなわち、算出する距離にどの程度の精度を求めるかによって異なる。
ひとつの目安として、第2の基地局装置200(AP)と無線通信端末300(AT)との間で無線通信可能な距離は、無線通信システムの距離測定精度(距離の粒度)よりも短いことが望ましい。この距離測定精度とは、距離算出部340が算出可能な最小単位の距離である。そして、距離測定精度は、受信時刻検出部330が第1の基地局信号及び第2の基地局信号から検出可能な最小単位となる時間に基づいて決まる。本実施形態では、第1の基地局信号及び第2の基地局信号は、チップレートが1.2288Mchip/secのPN符号を用いてスペクトラム拡散を施した信号として送信されるので、この1チップの長さから、受信時刻検出部330により検出可能な最小単位となる時間が決まる。電波の速度c=299792458m/secとすると、本実施形態の無線通信システムの距離測定精度Δdは、以下のようになる。
Δd=(1/1.2288×10)×299792458m≒244m
これに対して、第2の基地局装置200(AP)の通信可能な最大距離は、10mであり、十分に小さくなっている。
【0050】
ρAP=0と置換することにより、無線通信端末300(AT)から第1の基地局装置100(BS)までの距離ρBSは、次のように求まる。
ρBS=(rBS−rAP)+ρAP≒rBS−rAP=c×(TBS’−T’)−c×(TAP’−T’)=c×(TBS’−TAP’)
【0051】
つまり、無線通信端末300(AT)が第2の基地局装置200(AP)の信号を受信できるとき、距離測定対象の第1の基地局装置100(BS)までの距離は、第1の基地局装置100(BS)と第2の基地局装置200(AP)のそれぞれからの信号の受信時間差を測定するだけで、求めることが可能となる。
【0052】
以上説明したように、第1実施形態によれば、無線通信端末300が第1の基地局装置100、及び、この第1の基地局装置よりも無線通信可能な距離が短い第2の基地局装置200からの信号を受信可能であれば、各基地局装置の位置情報が未知であっても無線通信端末300と第1の基地局装置100との間の距離を算出できる。
【0053】
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態の無線通信システムの構成を示すブロック図である。
第2実施形態は、無線通信端末300に送信電力制御部350を追加した他は、第1実施形態と同様である。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態の無線通信端末300は、第1実施形態と同様の基地局信号受信部310と、基地局種別判定部320と、受信時刻検出部330と、距離算出部340とに加えて、送信電力制御部350を備えている。
送信電力制御部350は、距離算出部340で求めた無線通信端末300と第1の基地局装置100との間の距離を取得し、この距離に基づいて無線通信端末300の送信電力の制御を行う。
【0054】
第2実施形態によれば、送信電力制御部350は、距離算出部340で求めた無線通信端末300と第1の基地局装置100との間の距離に基づいて無線通信端末300の送信電力の制御を行うので、無線通信端末300は、必要かつ十分な送信電力で送信を行える。
【0055】
(第3実施形態)
図5は、第3実施形態の無線通信システムの構成を示すブロック図である。
第3実施形態は、第2実施形態において無線通信端末300に設けられていた距離算出部340及び送信電力制御部350に相当する機能を有する距離算出部130及び送信電力制御部140を第1の基地局装置100に移設した形態である。第3実施形態のその他の部分については、第2実施形態と同様である。よって、前述した第2実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0056】
第3実施形態における無線通信端末300は、基地局信号受信部310と、基地局種別判定部320と、受信時刻検出部330とを備えている。
基地局種別判定部320は、判定した第1の基地局信号及び第2の基地局信号それぞれの基地局種別を距離算出部130へ送る。
受信時刻検出部330は、検出した第1の基地局信号の受信時刻及び第2の基地局信号の受信時刻を距離算出部130へ送る。
【0057】
第3実施形態における第1の基地局装置100は、第3実施形態と同様の第1の基準信号発生部110と、第1の基地局信号送信部120とに加えて、距離算出部130と、送信電力制御部140とを備えている。
【0058】
距離算出部130は、基地局種別判定部320から取得した第1の基地局信号及び第2の基地局信号それぞれの基地局種別と、受信時刻検出部330から取得した第1の基地局信号の受信時刻及び第2の基地局信号の受信時刻に基づいて、無線通信端末300と前記第1の基地局装置100との間の距離を算出する。
【0059】
送信電力制御部140は、距離算出部130で求めた無線通信端末300と第1の基地局装置100との間の距離を取得し、この距離に基づいて第1の基地局装置100の送信電力の制御を行う。
【0060】
第3実施形態によれば、送信電力制御部140は、距離算出部130で求めた無線通信端末300と第1の基地局装置100との間の距離に基づいて第1の基地局装置100の送信電力の制御を行うので、第1の基地局装置100は、必要かつ十分な送信電力で送信を行える。
【0061】
なお、無線通信端末300又は第1の基地局装置100の処理をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを無線通信端末300又は第1の基地局装置100に読み込ませ、実行することによって本発明の無線通信端末300、第1の基地局装置100、距離算出方法を実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0062】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0063】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0064】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0065】
(変形形態)
(1)第1実施形態及び第2実施形態においては、距離算出部340が無線通信端末300に設けられている形態を示し、第3実施形態においては、距離算出部130が第1の基地局装置100に設けられている形態を示した。しかし、これに限らず、例えば、距離算出部に相当する機能は、無線通信端末300及び第1の基地局装置100の双方に設けてもよい。また、距離算出部に相当する機能を、第2の基地局装置200に設けてもよいし、第1の基地局装置100及び第2の基地局装置200及び無線通信端末300とは独立した装置に設けてもよい。
【0066】
(2)第2実施形態及び第3実施形態において、送信電力制御部350又は送信電力制御部140は、自らが含まれている無線通信端末300又は第1の基地局装置100の送信電力をそれぞれ制御する形態を示した。しかし、これに限らず、例えば、無線通信端末300に設けられた送信電力制御部350が無線通信端末300の送信電力に加えて第1の基地局装置100の送信電力を制御してもよい。また、第1の基地局装置100に設けられた送信電力制御部140が第1の基地局装置100の送信電力に加えて無線通信端末300の送信電力を制御してもよい。
【0067】
(3)各実施形態において、距離算出部340,130は、第2の基地局装置200と無線通信端末300との間の距離をゼロとみなして第1の基地局装置100と無線通信端末300との間の距離を算出する例を示した。しかし、これに限らず、例えば、第2の基地局装置200と無線通信端末300との間の距離を、これらの間での無線通信可能な最大距離10mであるとみなしたり、無線通信可能な最大距離の半分の5mであるとみなしたりしてもよい。
なお、第1実施形態〜第3実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【符号の説明】
【0068】
100 第1の基地局装置
110 第1の基準信号発生部
120 第1の基地局信号送信部
130,340 距離算出部
140,350 送信電力制御部
200 第2の基地局装置
210 第2の基準信号発生部
220 第2の基地局信号送信部
300 無線通信端末
310 基地局信号受信部
320 基地局種別判定部
330 受信時刻検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基地局装置と、
前記第1の基地局装置よりも無線通信可能な距離が短い第2の基地局装置と、
前記第1の基地局装置及び前記第2の基地局装置との無線通信が可能な無線通信端末と、
を備えた無線通信システムであって、
前記第1の基地局装置は、
第1の基準信号を発生する第1の基準信号発生部と、
前記第1の基準信号発生部が発生する第1の基準信号に基づいた第1の基地局信号を送信する第1の基地局信号送信部とを備え、
前記第2の基地局装置は、
前記第1の基準信号発生部が発生する前記第1の基準信号との間で時刻が同期している第2の基準信号を発生する第2の基準信号発生部と、
前記第2の基準信号発生部が発生する第2の基準信号に基づいた第2の基地局信号を送信する第2の基地局信号送信部とを備え、
前記無線通信端末は、
前記第1の基地局信号及び前記第2の基地局信号を受信する基地局信号受信部と、
前記基地局信号受信部が受信した前記第1の基地局信号及び前記第2の基地局信号それぞれの基地局種別を判定する基地局種別判定部と、
前記基地局信号受信部が前記第1の基地局信号及び前記第2の基地局信号をそれぞれ受信した時刻を検出する受信時刻検出部とを備え、
前記第1の基地局装置及び前記第2の基地局装置及び前記無線通信端末の少なくともひとつは、前記基地局種別判定部が判定した前記第1の基地局信号及び前記第2の基地局信号それぞれの基地局種別及び前記受信時刻検出部が検出した前記第1の基地局信号を受信した時刻及び前記第2の基地局信号を受信した時刻に基づいて前記無線通信端末と前記第1の基地局装置との間の距離を算出する距離算出部を備えること、
を特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
前記距離算出部は、前記無線通信端末と前記第2の基地局装置との間の距離をゼロとして前記無線通信端末と前記第1の基地局装置との間の距離を算出すること、
を特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の無線通信システムにおいて、
前記距離算出部は、前記受信時刻検出部が検出した前記第1の基地局信号を受信した時刻をTBS’、前記第2の基地局信号を受信した時刻をTAP’、電波の速度をcとしたとき、前記無線通信端末と前記第1の基地局装置との間の距離ρBSを、
ρBS=c×(TBS’−TAP’)
により求めることを特徴とする無線通信システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の無線通信システムにおいて、
前記第2の基地局装置と前記無線通信端末との間で無線通信可能な距離は、前記受信時刻検出部が前記第1の基地局信号及び前記第2の基地局信号から検出可能な最小単位となる時間に基づいて決まる前記距離算出部が算出可能な最小単位の距離である距離測定精度よりも短いこと、
を特徴とする無線通信システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の無線通信システムにおいて、
前記距離算出部が算出した前記無線通信端末と前記第1の基地局装置との間の距離に基づいて、前記無線通信端末及び前記第1の基地局装置の少なくとも一方の送信電力を制御する送信電力制御部を備えること、
を特徴とする無線通信システム。
【請求項6】
第1の基地局装置と、前記第1の基地局装置よりも無線通信可能な距離が短い第2の基地局装置との無線通信が可能な無線通信端末であって、
前記第1の基地局装置が送信した第1の基地局信号及び前記第2の基地局装置が送信した第2の基地局信号を受信する基地局信号受信部と、
前記基地局信号受信部が受信した前記第1の基地局信号及び前記第2の基地局信号それぞれの基地局種別を判定する基地局種別判定部と、
前記基地局信号受信部が前記第1の基地局信号及び前記第2の基地局信号をそれぞれ受信した時刻を検出する受信時刻検出部と、
前記基地局種別判定部が判定した前記第1の基地局信号及び前記第2の基地局信号それぞれの基地局種別及び前記受信時刻検出部が検出した前記第1の基地局信号を受信した時刻及び前記第2の基地局信号を受信した時刻に基づいて前記無線通信端末と前記第1の基地局装置との間の距離を算出する距離算出部と、
を備えることを特徴とする無線通信端末。
【請求項7】
第1の基地局装置と、前記第1の基地局装置よりも無線通信可能な距離が短い第2の基地局装置と、前記第1の基地局装置及び前記第2の基地局装置との無線通信が可能な無線通信端末とを備えた無線通信システムにおいて前記無線通信端末と前記第1の基地局装置との間の距離を算出する距離算出方法であって、
前記第1の基地局装置が送信した第1の基地局信号及び前記第2の基地局装置が送信した第2の基地局信号を受信し、
受信した前記第1の基地局信号及び前記第2の基地局信号それぞれの基地局種別を判定し、
前記第1の基地局信号及び前記第2の基地局信号をそれぞれ受信した時刻を検出し、
前記第1の基地局信号及び前記第2の基地局信号それぞれの基地局種別及び前記第1の基地局信号を受信した時刻及び前記第2の基地局信号を受信した時刻に基づいて前記無線通信端末と前記第1の基地局装置との間の距離を算出すること、
を特徴とする距離算出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−216935(P2010−216935A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62890(P2009−62890)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)