説明

無線通信システム、移動局、基地局及び通信制御方法

【課題】基地局が設置される環境に関わらず、基地局間での信号の同期を容易に実現すること。
【解決手段】フェムト基地局10aが、RACHの系列番号の一部をeNB系列番号としてUE20に通知し、UE20が、eNB系列番号に対応するRACH−P信号をフェムト基地局10aに対して返信する。そして、eNB系列番号に対応するRACH−P信号を受信したフェムト基地局10aは、このRACH−P信号の受信タイミングに応じたタイミングで、第1のリファレンス信号をUE20に対して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム、移動局、基地局及び通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、セルの範囲の異なる基地局が混在するネットワークシステム(以下、「ヘテロジーニアスネットワーク」という)に関する技術の検討が進んでいる。このヘテロジーニアスネットワークにおいては、セル間の干渉を低減するために、基地局間で信号の同期を行なうことが望ましい。
【0003】
基地局間で信号の同期を行なう手法としては、GPS(Global Positioning System)を用いる同期手法、機器間の同期をとるための標準プロトコルであるIEEE1588を用いる同期手法、及び、ネットワークリスニングを用いる同期手法が知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】3GPP TS36.922 6.4.1.2 Synchronization requirement
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の手法では、以下に説明するような問題がある。例えば、GPSを用いる同期手法では、GPS衛星からの電波を受信し難い屋内等の環境に基地局が設置された場合には、GPSによる信号を用いて基地局間で信号の同期を行なうことが困難となる。
【0006】
また、IEEE1588やネットワークリスニングを用いる同期手法では、IEEE1588やネットワークリスニングを実行する通信機器を同期対象となる全ての基地局に対して機能実装する必要があり、基地局の製造、開発コストが増加する。
【0007】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、基地局が設置される環境に関わらず、基地局間での信号の同期を容易に実現することができる無線通信システム、移動局、基地局及び通信制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の開示する無線通信システムは、第1の基地局及び第2の基地局からそれぞれ所定のタイミングで送信され、各基地局との同期に用いられる第1及び第2のリファレンス信号を移動局が受信する。移動局は、第1受信部と、第1送信部とを備える。第1受信部は、前記第1の基地局から所定の識別情報を受信する。第1送信部は、前記第2の基地局から送信された前記第2のリファレンス信号の受信タイミングに応じたタイミングで、前記第1の基地局に対し前記所定の識別情報に対応する信号を送信する。第1の基地局は、第2受信部と、第2送信部とを備える。第2受信部は、前記移動局から送信された前記所定の識別情報に対応する信号を受信する。第2送信部は、前記所定の識別情報に対応する信号の受信タイミングに応じたタイミングで、前記移動局に対し前記第1のリファレンス信号を送信する。そして、前記移動局は、前記第2のリファレンス信号のタイミングに同期した前記第1のリファレンス信号を受信する。
【発明の効果】
【0009】
本願の開示する無線通信システムの一つの態様によれば、基地局が設置される環境に関わらず、基地局間での信号の同期を容易に実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本実施例に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
【図2】図2は、本実施例に係るeNBの構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、eNB系列番号送信指示部による処理の具体例を示す図である。
【図4】図4は、図2に示したeNBのハードウェア構成例を示す図である。
【図5】図5は、本実施例に係るUEの構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、下りリンク情報記憶部の一例を示す図である。
【図7】図7は、下りリンク情報記憶部の他の例を示す図である。
【図8】図8は、図5に示したUEのハードウェア構成例を示す図である。
【図9】図9は、フェムト基地局が基地局間の同期処理を行う前の本実施例に係る無線通信システムによる事前処理の流れを示すシーケンス図である。
【図10】図10は、本実施例に係る無線通信システムによる基地局間同期処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願の開示する無線通信システム、移動局、基地局及び通信制御方法を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0012】
図1は、本実施例に係る無線通信システムの構成例を示す図である。図1に示すように、本実施例に係る無線通信システムは、基地局(eNB: Evolved UTRAN NodeB)10a〜10nと、移動局(UE:User Equipment)20とを含む。
【0013】
eNB10a〜10nは、所定の広さを有する無線通信領域であるセル1〜3を収容し、自局が収容するセル内に位置するUE20に対して無線リンクを提供する通信装置である。eNB10a〜10nのうちフェムト基地局10aは、ここでは、例示的に、基地局10bよりもセルの範囲が狭い。また、フェムト基地局10a配下のセルと重複又は隣接する別の基地局10bを、マクロ基地局10bと表記することがあるものとする。また、以下では、eNB10a〜10nを特に区別しない場合には、eNB10と表記することがあるものとする。
【0014】
UE20は、移動可能な無線通信装置であり、例えば、携帯電話端末である。UE20は、自身が在圏するセルを収容しているeNB10を介して他のUE等と通信を行う。例えば、UE20がフェムト基地局10aによって収容されたセル1に在圏する場合には、UE20とフェムト基地局10aとの間に無線リンクが設定され、設定された無線リンクを通じて他のUE等と通信を行う。
【0015】
また、UE20は、フェムト基地局10a及びマクロ基地局10bからそれぞれ所定のタイミングで送信され、各基地局との下り同期に用いられるリファレンス信号を受信する。以下では、UE20とフェムト基地局10aとの下り同期に用いられるリファレンス信号を第1のリファレンス信号と呼び、UE20とマクロ基地局10bとの下り同期に用いられるリファレンス信号を第2のリファレンス信号と呼ぶ。
【0016】
ここで、本実施例の無線通信システムによる基地局間同期方法について説明する。まず、フェムト基地局10aは、UEとの共通の物理制御チャネルであるRACH(Random Access Channel)の系列番号のうち所定の系列番号を基地局間同期用の識別情報としてUE20へ送信する。
【0017】
そして、基地局間同期用の識別情報となる系列番号(以下「eNB系列番号」)を受信したUE20は、eNB系列番号を記憶部に格納する。
【0018】
そして、フェムト基地局10aは、上り同期に用いられるRACH Preamble(以下「RACH−P」と略す)信号の送信を要求するRACH−P送信要求信号にeNB系列番号を含めてUE20へ送信する。
【0019】
そして、UE20は、eNB系列番号を含んだRACH−P送信要求信号を受信する。そして、UE20は、マクロ基地局10bから送信された第2のリファレンス信号の受信タイミングに応じたタイミングで、eNB系列番号に対応するRACH−P信号をフェムト基地局10aに対して送信する。
【0020】
そして、eNB系列番号に対応するRACH−P信号を受信したフェムト基地局10aは、このRACH−P信号の受信タイミングに応じたタイミングで、第1のリファレンス信号をUE20に対して送信する。これにより、UE20は、マクロ基地局10bからの第2のリファレンス信号のタイミングに同期した第1のリファレンス信号をフェムト基地局10aから受信することができる。
【0021】
このように、本実施例の無線通信システムでは、フェムト基地局10aが、RACHの系列番号の一部をeNB系列番号としてUE20に通知し、UE20が、eNB系列番号に対応するRACH−P信号をフェムト基地局10aに対して返信する。そして、eNB系列番号に対応するRACH−P信号を受信したフェムト基地局10aは、このRACH−P信号の受信タイミングに応じたタイミングで、第1のリファレンス信号をUE20に対して送信する。このため、本実施例の無線通信システムは、GPS、IEEE1588及びネットワークリスニングを用いることなく基地局間の同期を実現することができる。つまり、本実施例の無線通信システムは、基地局が設置される環境に関わらず、基地局間での信号の同期を容易に実現することができる。
【0022】
次に、本実施例に係るeNBの構成について説明する。図2は、本実施例に係るeNB10の構成を示すブロック図である。図2に示すように、eNB10は、上位層プロトコル処理部11、下りリンク信号処理部12、下りリンクベースバンド処理部13、無線送信部14、デュプレクサ(DUX:DUpleXer)部15及びアンテナ16を有する。また、eNB10は、無線受信部17、上りリンクベースバンド処理部18、上りリンク信号処理部19及びスケジューラ部110を有する。
【0023】
上位層プロトコル処理部11は、上りリンク信号処理部19から入力される受信データに対してプロトコル終端等の各種処理を行う。また、上位層プロトコル処理部11は、UE20等の外部へデータを送信する場合には、送信データを生成し、生成した送信データを下りリンクベースバンド処理部13へ出力する。
【0024】
下りリンク信号処理部12は、上位層プロトコル処理部11から入力される送信データに対して、再送、秘匿及びレート制御等の下りレイヤ2処理を行う。下りリンクベースバンド処理部13は、下りリンク信号処理部12から入力される送信データに対して、チャネルコーディング、変調及び無線リソースマッピング等のベースバンド処理を行う。無線送信部14は、下りリンクベースバンド処理部13から入力される送信データに対して、D(Digital)/A(Analog)変換、無線周波数帯へのアップコンバージョン及び電力増幅等の無線処理を行う。
【0025】
デュプレクサ部15は、無線送信部14から入力される信号をアンテナ16を介してUE20へ送信する。また、デュプレクサ部15は、アンテナ16から受信した信号を無線受信部17へ出力する。アンテナ16は、UE20から送信される信号を受信するとともに、外部へ信号を送信するアンテナである。
【0026】
無線受信部17は、デュプレクサ部15から入力される信号に対して、A/D変換、ベースバンド周波数帯へのダウンコンバージョン及び電力増幅等の無線処理を行う。上りリンクベースバンド処理部18は、無線受信部17から入力される受信データに対して、復号、復調及び無線リソースデマッピング等のベースバンド処理を行う。上りリンク信号処理部19は、上りリンクベースバンド処理部18から入力される受信データに対して、再送要求信号生成、秘匿解除等の上りレイヤ2処理を行う。
【0027】
スケジューラ部110は、eNB10とUE20との上り同期や、eNB10間の同期を制御する。スケジューラ部110は、リファレンス信号送信指示部111、eNB系列番号記憶部112、eNB系列番号送信指示部113、RACH−P信号送信要求部114、RACH−P信号受信タイミング検出部115及び送信タイミング補正部116を有する。
【0028】
リファレンス信号送信指示部111は、所定のタイミングで、eNB10とUE20との下り同期に用いられるリファレンス信号を送信するよう下りリンクベースバンド処理部13に指示する。例えば、リファレンス信号送信指示部111は、eNB10がフェムト基地局10aである場合には、フェムト基地局10aとの同期に用いられる第1のリファレンス信号を送信するよう下りリンクベースバンド処理部13に指示する。また、リファレンス信号送信指示部111は、eNB10がマクロ基地局10bである場合には、マクロ基地局10bとの同期に用いられる第2のリファレンス信号を送信するよう下りリンクベースバンド処理部13に指示する。なお、リファレンス信号送信指示部111がリファレンス信号を送信する送信タイミングは、後述の送信タイミング補正部116により補正される。
【0029】
eNB系列番号記憶部112は、基地局間の同期用の識別情報であるeNB系列番号を記憶する。
【0030】
eNB系列番号送信指示部113は、基地局間同期用の識別情報となるeNB系列番号を送信するよう上位層プロトコル処理部11に指示する。ここで、eNB系列番号送信指示部113による処理を具体的に説明する。
【0031】
図3は、eNB系列番号送信指示部113による処理の具体例を示す図である。eNB系列番号送信指示部113は、eNB10とUE20との間の上り同期に用いられるRACH−P信号の系列番号うち一部の系列番号をeNB系列番号として確保し、確保したeNB系列番号をeNB系列番号記憶部112へ格納する。図3の例では、eNB系列番号送信指示部113は、RACH−P信号の64個の系列番号(#0〜#63)のうち2個の系列番号(#62及び#63)をeNB系列番号として確保し、確保したeNB系列番号をeNB系列番号記憶部112へ格納する。
【0032】
そして、eNB系列番号送信指示部113は、eNB10配下のセルに在圏するUE20に対して該セル固有のパラメータを報知する報知情報に対してeNB系列番号記憶部112に格納されたeNB系列番号を多重する。図3の例では、eNB系列番号送信指示部113は、報知情報に対して、eNB系列番号#62及び#63を多重する。そして、eNB系列番号送信指示部113は、eNB系列番号を含む報知情報をUE20に対して送信するよう上位層プロトコル処理部11に指示する。
【0033】
図2に戻り、RACH−P信号送信要求部114は、特定の系列番号に対応するRACH−P信号の送信をUE20に対して要求する信号であるSync req信号を送信するよう下りリンクベースバンド処理部13に指示する。RACH−P信号送信要求部114は、上り同期のタイミングが到来した場合に、RACH−P信号のうちeNB系列番号記憶部112に格納されたeNB系列番号以外の系列番号を含むSync req信号を送信するよう下りリンクベースバンド処理部13に指示する。一方、RACH−P信号送信要求部114は、基地局間の同期のタイミングが到来した場合に、RACH−P信号のうちeNB系列番号記憶部112に格納されたeNB系列番号を含むSync req信号を送信するよう下りリンクベースバンド処理部13に指示する。
【0034】
なお、基地局間の同期のタイミングとしては、周期的なタイミング、eNB10の電源ONのタイミング、及び、eNB10配下のセルにUE20が存在しない状態からUE20が存在する状態へ遷移するタイミング等が想定される。また、eNB10がフェムト基地局である場合には、基地局間の同期のタイミングは、eNB10がスリープモードから復旧するタイミングであってもよい。
【0035】
RACH−P信号受信タイミング検出部115は、Sync req信号に応じてUE20から送信されるRACH−P信号の受信タイミングを検出する。具体的には、RACH−P信号受信タイミング検出部115は、UE20から送信されるRACH−P信号を受信する。RACH−P信号受信タイミング検出部115は、第2受信部の一例である。そして、RACH−P信号受信タイミング検出部115は、受信したRACH−P信号と既知の信号パターンとの相関演算を実行することにより、RACH−P信号の受信タイミングを検出する。
【0036】
また、RACH−P信号受信タイミング検出部115は、検出したRACH−P信号の受信タイミングを、受信したRACH−P信号の系列番号とともに送信タイミング補正部116へ通知する。
【0037】
送信タイミング補正部116は、リファレンス信号送信指示部111によるリファレンス信号の送信タイミングを補正する。送信タイミング補正部116及びリファレンス信号送信指示部111は、第2送信部の一例である。具体的には、送信タイミング補正部116は、RACH−P信号受信タイミング検出部115からRACH−P信号の受信タイミングと、RACH−P信号の系列番号とを受け付ける。そして、送信タイミング補正部116は、RACH−P信号の系列番号がeNB系列番号記憶部112に格納されたeNB系列番号と一致するか否かを判定する。
【0038】
そして、送信タイミング補正部116は、RACH−P信号の系列番号がeNB系列番号記憶部112に格納されたeNB系列番号と一致する場合に、RACH−P信号の受信タイミングに基づいて、リファレンス信号の送信タイミングを補正する。例えば、送信タイミング補正部116は、RACH−P信号の受信タイミングと既知の信号パターンとの伝搬遅延分だけ時間的に早くリファレンス信号の送信を行うようリファレンス信号送信指示部111に要求して、リファレンス信号の送信タイミングを補正する。
【0039】
なお、送信タイミング補正部116は、RACH−P信号の系列番号がeNB系列番号記憶部112に格納されたeNB系列番号と一致しない場合には、RACH−P信号の受信タイミングを基にして上りリンクの送信タイミングの補正量を算出する。そして、送信タイミング補正部116は、算出した上りリンクの送信タイミングの補正量をRACH response信号に含めてUE20に対して返信する。RACH response信号を受信したUE20は、上りリンクの送信タイミングの補正量を用いて上りリンクのタイミングを補正する。
【0040】
なお、図2に示したeNB10は、物理的には、例えば図4に示すハードウェア構成によって実現される。図4は、図2に示したeNB10のハードウェア構成例を示す図である。図4に示すように、eNB10は、上位処理用プロセッサ101、ベースバンド処理用プロセッサ102、記憶装置103、ベースバンド処理回路104、無線処理回路105及びアンテナ106を有する。記憶装置103は、例えば、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等である。ベースバンド処理回路104及び無線処理回路105は、LSI(Large Scale Integration)等である。アンテナ106は、無線処理回路105に接続される。eNB10の上位層プロトコル処理部11は、例えば、上位処理用プロセッサ101によって実現される。また、下りリンク信号処理部12、上りリンク信号処理部19及びスケジューラ部110は、ベースバンド処理用プロセッサ102によって実現される。また、下りリンクベースバンド処理部13及び上りリンクベースバンド処理部18は、例えば、ベースバンド処理回路104によって実現される。また、無線送信部14、無線受信部17及びデュプレクサ部15は、無線処理回路105によって実現される。アンテナ16は、アンテナ106によって実現される。
【0041】
次に、本実施例に係るUEの構成について説明する。図5は、本実施例に係るUE20の構成を示すブロック図である。図5に示すように、UE20は、上位層プロトコル処理部21、上りリンク信号処理部22、上りリンクベースバンド処理部23、無線送信部24、デュプレクサ部25及びアンテナ26を有する。また、UE20は、無線受信部27、下りリンクベースバンド処理部28、下りリンク信号処理部29及びスケジューラ部210を有する。
【0042】
上位層プロトコル処理部21は、下りリンク信号処理部29から入力される受信データに対してプロトコル終端等の各種処理を行う。また、上位層プロトコル処理部21は、eNB10等の外部へデータを送信する場合には、送信データを生成し、生成した送信データを上りリンク信号処理部22へ出力する。
【0043】
上りリンク信号処理部22は、上位層プロトコル処理部21から入力される送信データに対して、再送、秘匿及びレート制御等の上りレイヤ2処理を行う。上りリンクベースバンド処理部23は、上りリンク信号処理部22から入力される送信データに対して、チャネルコーディング、変調及び無線リソースマッピング等のベースバンド処理を行う。無線送信部24は、上りリンクベースバンド処理部23から入力される送信データに対して、D/A変換、無線周波数帯へのアップコンバージョン及び電力増幅等の無線処理を行う。
【0044】
デュプレクサ部25は、無線送信部24から入力される信号をアンテナ26を介してeNB10へ送信する。また、デュプレクサ部25は、アンテナ26から受信した信号を無線受信部27へ出力する。アンテナ26は、eNB10から送信される信号を受信するとともに、外部へ信号を送信するアンテナである。
【0045】
無線受信部27は、デュプレクサ部25から入力される信号に対して、A/D変換、ベースバンド周波数帯へのダウンコンバージョン及び電力増幅等の無線処理を行う。下りリンクベースバンド処理部28は、無線受信部27から入力される受信データに対して、復号、復調及び無線リソースデマッピング等のベースバンド処理を行う。下りリンク信号処理部29は、下りリンクベースバンド処理部28から入力される受信データに対して、再送要求信号生成、秘匿解除等の下りレイヤ2処理を行う。
【0046】
スケジューラ部210は、eNB10とUE20との上り同期や、eNB10間の同期を制御する。スケジューラ部210は、受信電力測定部211、リファレンス信号受信タイミング検出部212及び下りリンク情報記憶部213を有する。また、スケジューラ部210は、eNB系列番号記憶部214、eNB系列番号受信部215、RACH−P信号送信タイミング決定部216及びRACH−P信号送信指示部217を有する。
【0047】
受信電力測定部211は、無線受信部27や下りリンクベースバンド処理部28等を通じて受信した、eNB10からのリファレンス信号の受信電力を測定する。受信電力測定部211は、測定したリファレンス信号の受信電力をeNB10ごとに下りリンク情報記憶部213に格納する。
【0048】
リファレンス信号受信タイミング検出部212は、無線受信部27や下りリンクベースバンド処理部28等を通じて受信したeNB10からのリファレンス信号の受信タイミングを検出する。具体的には、リファレンス信号受信タイミング検出部212は、受信したリファレンス信号と既知の信号パターンとの相関演算を実行することにより、リファレンス信号の受信タイミングを検出する。リファレンス信号受信タイミング検出部212は、検出したリファレンス信号の受信タイミングをeNB10ごとに下りリンク情報記憶部213に格納する。
【0049】
下りリンク情報記憶部213は、下りリンクに関する情報をeNB10ごとに記憶する。下りリンク情報記憶部213の一例を図6に示す。図6に示す下りリンク情報記憶部213は、下りリンクに関する情報として、物理Cell ID、受信電力及び受信タイミングといった項目を有する。
【0050】
物理Cell IDは、eNB10を識別するための情報であり、ここでは、eNB10によって収容されるセルの識別子を示す。受信電力は、eNB10からのリファレンス信号の受信電力を示す。受信タイミングは、eNB10からのリファレンス信号の受信タイミングを表し、フレーム番号、サブフレーム番号、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル番号及びサンプリング番号を含む。フレーム番号は、eNB10から送信される複数のフレームのうちリファレンス信号を含むフレームの番号を示す。サブフレーム番号は、1つのフレームに含まれる複数のサブフレームのうちリファレンス信号を含むサブフレームの番号を示す。OFDMシンボル番号は、1つのサブフレームに含まれる複数のOFMシンボルのうちリファレンス信号を含むOFDMシンボルの番号を示す。サンプリング番号は、1つのOFDEMシンボルに含まれる複数のサンプルのうちリファレンス信号を含むサンプルの番号を示す。
【0051】
例えば、受信電力測定部211は、物理Cell ID「11」で識別されるeNB10からのリファレンス信号の受信電力「X」を測定して、下りリンク情報記憶部213の対応する受信電力に格納する。また、リファレンス信号受信タイミング検出部212は、物理Cell ID「11」で識別されるeNB10からのリファレンス信号の受信タイミング「A」、「B」、「C」及び「D」を検出して、対応する受信タイミングに格納する。
【0052】
なお、図6では、下りリンク情報記憶部213が、各eNBからのリファレンス信号の受信タイミングを含む例を示したが、あるセルを収容するeNBと他のeNBとの相対差をリファレンス信号の受信タイミングとして含むこととしてもよい。下りリンク情報記憶部213の他の例を図7に示す。図7に示す下りリンク情報記憶部213は、下りリンクに関する情報として、物理Cell ID、受信電力及び受信タイミングといった項目を有する。なお、図7に示す物理Cell ID、受信電力は、図6と同様であるので、ここではその説明を省略する。また、図7の物理Cell ID「11」で識別されるeNB10は、UE20に対するサービングセルを収容するものとする。
【0053】
受信タイミングは、eNB10からのリファレンス信号の受信タイミングを表し、フレーム番号、サブフレーム番号、OFDMシンボル番号及びサンプリング番号を含む。フレーム番号は、リファレンス信号を含むフレームの番号と物理Cell ID「11」のeNB10に対応するフレームの番号との差分を示す。サブフレーム番号は、リファレンス信号を含むサブフレームの番号と物理Cell ID「11」のeNB10に対応するサブフレームの番号との差分を示す。OFDMシンボル番号は、リファレンス信号を含むOFDMシンボルの番号と物理Cell ID「11」のeNB10に対応するOFDMシンボルの番号との差分を示す。サンプリング番号は、OFDMシンボル番号は、リファレンス信号を含むサンプルの番号と物理Cell ID「11」のeNB10に対応するサンプルの番号との差分を示す。
【0054】
図5に戻り、eNB系列番号記憶部214は、基地局間の同期用の識別情報であるeNB系列番号を記憶する。
【0055】
eNB系列番号受信部215は、eNB10からeNB系列番号を受信してeNB系列番号記憶部214に格納する。eNB系列番号受信部215は、第1受信部の一例である。具体的には、eNB系列番号受信部215は、上位層プロトコル処理部21に入力されるeNB10からの受信データを監視して受信データから報知情報を検出する。そして、eNB系列番号受信部215は、検出した報知情報からeNB系列番号を分離することにより、eNB系列番号を受信してeNB系列番号記憶部214に格納する。
【0056】
RACH−P信号送信タイミング決定部216は、RACH−P信号の送信タイミングを決定する。具体的には、RACH−P信号送信タイミング決定部216は、eNB10から受信したSync req信号に含まれる系列番号がeNB系列番号記憶部214に記憶されたeNB系列番号と一致するか否かを判定する。
【0057】
そして、RACH−P信号送信タイミング決定部216は、Sync req信号に含まれる系列番号がeNB系列番号と一致する場合に、以下の処理を行う。すなわち、RACH−P信号送信タイミング決定部216は、下りリンク情報記憶部213を参照して、UE20が在圏するセルを収容するeNB10以外のeNB10のうち最も受信電力が大きいeNB10を探索する。そして、RACH−P信号送信タイミング決定部216は、最も受信電力が大きいeNB10のセルに対応するリファレンス信号の受信タイミングをRACH−P信号の送信タイミングとして決定する。
【0058】
一方、RACH−P信号送信タイミング決定部216は、Sync req信号に含まれる系列番号がeNB系列番号と一致しない場合、すなわち、Sync req信号に含まれる系列番号が上り同期用の系列番号である場合に、以下の処理を行う。すなわち、RACH−P信号送信タイミング決定部216は、下りリンク情報記憶部213を参照して、UE20が在圏するセルに対応するリファレンス信号の受信タイミングをRACH−P信号の送信タイミングとして決定する。
【0059】
また、RACH−P信号送信タイミング決定部216は、決定したRACH−P信号の送信タイミングと、Sync req信号に含まれた系列番号とをRACH−P信号送信指示部217へ通知する。
【0060】
RACH−P信号送信指示部217は、RACH−P信号送信タイミング決定部216からRACH−P信号の送信タイミングと、Sync req信号に含まれた系列番号とをRACH−P信号送信タイミング決定部216から受け付ける。そして、RACH−P信号送信指示部217は、受け付けた送信タイミングで、Sync req信号に含まれた系列番号に対応するRACH−P信号をeNB10に対して送信するよう上りリンクベースバンド処理部23に指示する。RACH−P信号送信タイミング決定部216及びRACH−P信号送信指示部217は、第1送信部の一例である。
【0061】
なお、図5に示したUE20は、物理的には、例えば図8に示すハードウェア構成によって実現される。図8は、図5に示したUE20のハードウェア構成例を示す図である。図8に示すように、UE20は、プロセッサ201、記憶装置202、ベースバンド処理回路203及び無線処理回路204及びアンテナ205を有する。記憶装置202は、例えば、SDRAM、ROM、フラッシュメモリ等である。アンテナ205は、無線処理回路204に接続される。UE20の上位層プロトコル処理部21、上りリンク信号処理部22、下りリンク信号処理部29及びスケジューラ部210は、例えば、プロセッサ201によって実現される。また、上りリンクベースバンド処理部23及び下りリンクベースバンド処理部28は、例えば、ベースバンド処理回路203によって実現される。また、無線送信部24、無線受信部27及びデュプレクサ部25は、無線処理回路204によって実現される。アンテナ26は、アンテナ205によって実現される。
【0062】
次に、図9及び図10を用いて、本実施例に係る無線通信システムによる処理の流れについて説明する。ここでは、図1に示したフェムト基地局10aが、マクロ基地局10bとの間で信号の同期を行う処理の流れについて説明する。
【0063】
図9は、フェムト基地局10aが基地局間の同期処理を行う前の本実施例に係る無線通信システムによる事前処理の流れを示すシーケンス図である。図9に示すように、フェムト基地局10aは、所定のタイミングで第1のリファレンス信号をUE20に対して送信する(ステップS101)。そして、第1のリファレンス信号を受信したUE20は、第1のリファレンス信号の受信タイミングを基にして下り同期を行う。
【0064】
続いて、フェムト基地局10aは、RACH−P信号の系列番号のうち一部の系列番号をeNB系列番号として確保し、確保したeNB系列番号をeNB系列番号記憶部112へ格納する。そして、フェムト基地局10aは、フェムト基地局10aのセルに在圏するUE20に対して該セル固有のパラメータを報知するための報知情報に対してeNB系列番号を多重する。そして、フェムト基地局10aは、eNB系列番号を含む報知情報をUE20に対して送信する(ステップS102)。
【0065】
続いて、報知情報を受信したUE20は、報知情報からeNB系列番号を分離することにより、eNB系列番号を受信し(ステップS103)、eNB系列番号記憶部214に格納する(ステップS104)。
【0066】
図10は、本実施例に係る無線通信システムによる基地局間同期処理の流れを示すシーケンス図である。ここでは、図9に示した処理の後に、フェムト基地局10aが、マクロ基地局10bとの間で信号の同期を行うまでの処理の流れについて説明する。
【0067】
図10に示すように、フェムト基地局10a及びマクロ基地局10bは、所定のタイミングで第1のリファレンス信号及び第2のリファレンス信号をUE20に対してそれぞれ送信する(ステップS201及びS202)。そして、第1のリファレンス信号及び第2のリファレンス信号を受信したUE20は、各リファレンス信号の受信電力を測定し、測定したリファレンス信号の受信電力をeNBごとに下りリンク情報記憶部213に格納する。そして、UE20は、各リファレンス信号の受信タイミングを検出し、検出したリファレンス信号の受信タイミングをeNBごとにリンク情報記憶部213に格納する。
【0068】
続いて、フェムト基地局10aは、上り同期のタイミングが到来した場合には、RACH−P信号のうちeNB系列番号記憶部112に格納されたeNB系列番号以外の系列番号を含むSync req信号をUE20に対して送信する。一方、フェムト基地局10aは、基地局間の同期のタイミングが到来した場合には、eNB系列番号記憶部112に格納されたeNB系列番号を含むSync req信号をUE20に対して送信する(ステップS203)。
【0069】
続いて、Sync req信号を受信したUE20は、Sync req信号に含まれる系列番号がeNB系列番号記憶部214に記憶されたeNB系列番号と一致するか否かを判定する(ステップS204)。UE20は、Sync req信号に含まれる系列番号がeNB系列番号と一致しない場合には(ステップS204否定)、以下の処理を行う。すなわち、UE20は、下りリンク情報記憶部213を参照して、フェムト基地局10aのセルに対応するリファレンス信号のタイミングをRACH−P信号の送信タイミングとして決定する(ステップS205)。その後、UE20は、処理をステップS208に進める。
【0070】
一方、UE20は、Sync req信号に含まれる系列番号がeNB系列番号と一致する場合には(ステップS204肯定)、以下の処理を行う。すなわち、UE20は、下りリンク情報記憶部213を参照して、フェムト基地局10a以外のeNB10のうち最も受信電力が大きいeNB10を探索する(ステップS206)。ここでは、最も受信電力が大きいeNB10は、マクロ基地局10bであるものとする。そして、UE20は、最も受信電力が大きいマクロ基地局10bのセルに対応するリファレンス信号の受信タイミングをRACH−P信号の送信タイミングとして決定する(ステップS207)。
【0071】
そして、UE20は、ステップS205又はS207により決定した送信タイミングで、Sync req信号に含まれた系列番号に対応するRACH−P信号をフェムト基地局10aに対して送信する(ステップS208)。
【0072】
続いて、フェムト基地局10aは、UE20から送信されたRACH−P信号を受信し(ステップS209)、受信したRACH−P信号の受信タイミングを検出する(ステップS210)。そして、フェムト基地局10aは、受信したRACH−P信号の系列番号がeNB系列番号記憶部112に格納されたeNB系列番号と一致するか否かを判定する(ステップS211)。
【0073】
そして、フェムト基地局10aは、受信したRACH−P信号の系列番号がeNB系列番号と一致しない場合には(ステップS211否定)、RACH−P信号の受信タイミングを基にして上りリンクの送信タイミングの補正量を算出する(ステップS212)。そして、フェムト基地局10aは、算出した上りリンクの送信タイミングの補正量をRACH response信号に含めてUE20に対して返信する(ステップS213)。そして、RACH response信号を受信したUE20は、上りリンクの送信タイミングを補正する(ステップS214)。
【0074】
一方、フェムト基地局10aは、受信したRACH−P信号の系列番号がeNB系列番号と一致する場合には(ステップS211肯定)、RACH−P信号の受信タイミングに基づいて第1のリファレンス信号の送信タイミングを補正する(ステップS215)。これにより、フェムト基地局10aから送信される第1のリファレンス信号の送信タイミングと、マクロ基地局10bから送信される第2のリファレンス信号の送信タイミングとが同期する(ステップS216及びS217)。
【0075】
上述してきたように、本実施例の無線通信システムでは、フェムト基地局10aが、RACHの系列番号の一部をeNB系列番号としてUE20に通知し、UE20が、eNB系列番号に対応するRACH−P信号をフェムト基地局10aに対して返信する。そして、RACH−P信号を受信したフェムト基地局10aは、このRACH−P信号の受信タイミングに応じたタイミングで、第1のリファレンス信号をUE20に対して送信する。このため、本実施例の無線通信システムは、GPS、IEEE1588及びネットワークリスニングを用いることなく基地局間の同期を実現することができる。つまり、本実施例の無線通信システムは、基地局が設置される環境に関わらず、基地局間での信号の同期を容易に実現することができる。
【0076】
また、本実施例の無線通信システムでは、UE20は、複数の他のeNBのうち最も受信電力が大きいeNB10bから送信されたリファレンス信号の受信タイミングに応じたタイミングで、eNB系列番号に対応するRACH−P信号をeNB10aに送信する。このため、本実施例の無線通信システムは、フェムト基地局10aとセル間干渉を引き起こす可能性の高いマクロ基地局10bに対して、フェムト基地局10aにおける信号の送信タイミングを同期させることができる。
【0077】
ところで、上記実施例では、UE20は、複数の他のeNB10bのうち最も受信電力が大きいeNBから送信されたリファレンス信号の受信タイミングに応じたタイミングで、eNB系列番号に対応するRACH−P信号をeNB10aに送信する例を示した。しかしながら、RACH−P信号を送信するタイミングはこれに限定されない。例えば、UE20は、複数の他のeNB10bのうち最も信号対雑音比が大きいeNBから送信されたリファレンス信号の受信タイミングに応じたタイミングで、eNB系列番号に対応するRACH−P信号をeNB10aに送信することもできる。
【符号の説明】
【0078】
10a フェムト基地局
10b マクロ基地局
11 上位層プロトコル処理部
12 下りリンク信号処理部
13 下りリンクベースバンド処理部
14 無線送信部
15 デュプレクサ部
16 アンテナ
17 無線受信部
18 上りリンクベースバンド処理部
19 上りリンク信号処理部
21 上位層プロトコル処理部
22 上りリンク信号処理部
23 上りリンクベースバンド処理部
24 無線送信部
25 デュプレクサ部
26 アンテナ
27 無線受信部
28 下りリンクベースバンド処理部
29 下りリンク信号処理部
101 上位処理用プロセッサ
102 ベースバンド処理用プロセッサ
103 記憶装置
104 ベースバンド処理回路
105 無線処理回路
106 アンテナ
110 スケジューラ部
111 リファレンス信号送信指示部
112 eNB系列番号記憶部
113 eNB系列番号送信指示部
114 RACH−P信号送信要求部
115 RACH−P信号受信タイミング検出部
116 送信タイミング補正部
201 プロセッサ
202 記憶装置
203 ベースバンド処理回路
204 無線処理回路
205 アンテナ
210 スケジューラ部
211 受信電力測定部
212 リファレンス信号受信タイミング検出部
213 下りリンク情報記憶部
214 eNB系列番号記憶部
215 eNB系列番号受信部
216 RACH−P信号送信タイミング決定部
217 RACH−P信号送信指示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基地局及び第2の基地局からそれぞれ所定のタイミングで送信され、各基地局との同期に用いられる第1及び第2のリファレンス信号を移動局が受信する無線通信システムにおいて、
前記移動局は、
前記第1の基地局から所定の識別情報を受信する第1受信部と、
前記第2の基地局から送信された前記第2のリファレンス信号の受信タイミングに応じたタイミングで、前記第1の基地局に対し前記所定の識別情報に対応する信号を送信する第1送信部と、を備え、
前記第1の基地局は、
前記移動局から送信された前記所定の識別情報に対応する信号を受信する第2受信部と、
前記所定の識別情報に対応する信号の受信タイミングに応じたタイミングで、前記移動局に対し前記第1のリファレンス信号を送信する第2送信部と、を備え、
前記移動局は、前記第2のリファレンス信号のタイミングに同期した前記第1のリファレンス信号を受信する
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記所定の識別情報に対応する信号は、ランダムアクセス信号であることを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記第1送信部は、複数の前記第2の基地局のうち、最も受信電力が大きい前記第2の基地局から送信された前記第2のリファレンス信号の受信タイミングに応じたタイミングで、前記第1の基地局に対し前記所定の識別情報に対応する信号を送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記第1送信部は、複数の前記第2の基地局のうち、最も信号対雑音比が大きい前記第2の基地局から送信された前記第2のリファレンス信号の受信タイミングに応じたタイミングで、前記第1の基地局に対し前記所定の識別情報に対応する信号を送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信システム。
【請求項5】
第1の基地局及び第2の基地局からそれぞれ所定のタイミングで送信され、基地局との同期に用いられる第1及び第2のリファレンス信号を受信する移動局において、
前記第1の基地局から所定の識別信号を受信する受信部と、
前記第2の基地局から送信された前記第2のリファレンス信号の受信タイミングに応じたタイミングで、前記第1の基地局に対し前記所定の識別情報に対応する信号を送信する送信部と、を備え、
前記所定の識別情報に対応する信号に基づいて前記第1の基地局から送信され、前記第2のリファレンス信号のタイミングに同期した前記第1のリファレンス信号を受信する
ことを特徴とする移動局。
【請求項6】
第1の基地局及び第2の基地局からそれぞれ所定のタイミングで送信され、各基地局との同期に用いられる第1及び第2のリファレンス信号を移動局が受信する無線通信システムの前記第1の基地局において、
前記移動局に対し所定の識別情報を送信する送信部と、
前記移動局において前記第2の基地局からの前記第2のリファレンス信号の受信タイミングに応じたタイミングで送信された、前記所定の識別情報に対応する信号を受信する受信部と、
前記信号の受信タイミングに応じたタイミングで前記移動局に対し前記第1のリファレンス信号が送信されるよう、前記リファレンス信号を送信する前記所定のタイミングを補正するプロセッサと、
を備えたことを特徴とする第1の基地局。
【請求項7】
第1の基地局及び第2の基地局からそれぞれ所定のタイミングで送信され、各基地局との同期に用いられる第1及び第2のリファレンス信号を移動局が受信する通信制御方法において、
前記移動局は、
前記第1の基地局から所定の識別情報を受信し、
前記第2の基地局から送信された前記第2のリファレンス信号の受信タイミングに応じたタイミングで、前記第1の基地局に対し前記所定の識別情報に対応する信号を送信し、
前記第1の基地局は、
前記移動局から送信された前記所定の識別情報に対応する信号を受信し、
前記所定の識別情報に対応する信号の受信タイミングに応じたタイミングで、前記移動局に対し前記第1のリファレンス信号を送信し、
前記移動局は、
前記第2のリファレンス信号のタイミングに同期した前記第1のリファレンス信号を受信する
こと含むことを特徴とする通信制御方法。
【請求項8】
第1の基地局及び第2の基地局からそれぞれ所定のタイミングで送信され、基地局との同期に用いられる第1及び第2のリファレンス信号を受信する移動局による通信制御方法であって、
前記第1の基地局から所定の識別信号を受信し、
前記第2の基地局から送信された前記第2のリファレンス信号の受信タイミングに応じたタイミングで、前記第1の基地局に対し前記所定の識別情報に対応する信号を送信し、
前記所定の識別情報に対応する信号に基づいて前記第1の基地局から送信され、前記第2のリファレンス信号のタイミングに同期した前記第1のリファレンス信号を受信する
ことを含むことを特徴とする通信制御方法。
【請求項9】
第1の基地局及び第2の基地局からそれぞれ所定のタイミングで送信され、各基地局との同期に用いられる第1及び第2のリファレンス信号を移動局が受信する無線通信システムの前記第1の基地局による通信制御方法であって、
前記移動局に対し所定の識別情報を送信し、
前記移動局において前記第2の基地局からの前記第2のリファレンス信号の受信タイミングに応じたタイミングで送信された、前記所定の識別情報に対応する信号を受信し、
前記信号の受信タイミングに応じたタイミングで前記移動局に対し前記第1のリファレンス信号が送信されるよう、前記リファレンス信号を送信する前記所定のタイミングを補正する
ことを含むことを特徴とする通信制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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