説明

無線通信システム、送信装置および受信装置

【課題】通信の秘匿性を向上させることができる無線通信システム、送信装置および受信装置を提供する。
【解決手段】送信装置は、データ信号を変調し出力する変調手段と、変調信号を第1の周波数領域の信号に変換する第1の時間−周波数変換手段と、第1の周波数領域の信号を、受信装置と共有する所定の周波数特性を用いて処理を行う第1の周波数処理手段と、第1の周波数処理手段の出力信号を第1の時間領域の信号に変換し出力する第1の周波数−時間変換手段を備える。受信装置は、受信した信号を第2の周波数領域の信号に変換する第2の時間−周波数変換手段と、第2の周波数領域の信号を、送信装置と共有する所定の周波数特性の逆特性の周波数特性を用いて処理を行う第2の周波数処理手段と、第2の周波数処理手段の出力信号を第2の時間領域の信号に変換し出力する第2の周波数−時間変換手段を備え、第2の時間領域の信号を復調しデータ信号を復元する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シングルキャリア伝送の無線通信における通信の秘匿性を向上させる無線通信システム、送信装置および受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信は電波の傍受が容易であり、通信の秘匿性を高めることが重要な課題になっている。この対処方法としては、情報を暗号化して伝送する方法がある。情報の暗号化としては、図12に示すようにスクランブラ/デスクランブラを用いることがよく知られている(非特許文献1)。
【0003】
図12において、送信装置50は、スクランブラ51、擬似ランダムパターン発生器52、変調手段53を備える。受信装置60は、復調手段61、デスクランブラ62、擬似ランダムパターン発生器63を備える。
【0004】
スクランブラ51は送信データを入力し、疑似ランダムパターン発生器52が発生した特定のスクランブルパターンによりスクランブルする。スクランブルされたデータは変調手段53で変調され、送信信号が生成される。受信装置の受信信号は復調手段61で復調され、デスクランブラ62に入力する。デスクランブラ62は、復調信号を疑似ランダムパターン発生器63が発生するスクランブルパターンによりデスクランブルし、受信データを出力する。ここで、送信装置の擬似ランダムパターン発生器52と、受信装置の擬似ランダムパターン発生器63において、共通のスクランブルパターンを用いることにより、受信装置では送信装置から送信された送信データを復元することができる。すなわち、従来の無線通信システムでは、疑似ランダムパターン発生器52,63が発生するスクランブルパターンを知っている者のみが、送信装置から送信された送信データを復元することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】宮憲一監修、衛星通信技術、電子通信学会、株式会社コロナ社、pp.226-227、1985年
【非特許文献2】阿部他、スペクトラム編集型帯域分散伝送における位相補償に関する一検討、2010年電子情報通信学会総合大会、B-3-11、p.324
【非特許文献3】小松他、シングルキャリア伝送用周波数領域等化器のLSI実装、2008年電子情報通信学会技術報告、ソフトウエア無線研究会、2008-SR43 、pp.37-42
【非特許文献4】ゴールドスミス著、小林訳、ワイヤレス通信工学、11章8節「適用等化器:トレーニングとトラッキング」、丸善株式会社、平成19年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の無線通信システムでは、不正に傍受を試みるものが、送信装置および受信装置で共通に用いるスクランブルパターンを取得すると、傍受したデータを元データに復元することができるので、十分な秘匿性が得られない問題があった。
【0007】
本発明は、周波数領域での信号処理により通信の秘匿性を向上させることができる無線通信システム、送信装置および受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、無線信号を送受信する送信装置および受信装置により構成される無線通信システムであって、送信装置は、データ信号を変調して変調信号を出力する変調手段と、変調信号を第1の周波数領域の信号に変換する第1の時間−周波数変換手段と、第1の周波数領域の信号に対して、受信装置と共有する所定の周波数特性を用いて演算処理を行う第1の周波数処理手段と、第1の周波数処理手段の出力信号を第1の時間領域の信号に変換して出力する第1の周波数−時間変換手段とを備え、第1の時間領域の信号を無線信号として送信する構成である。受信装置は、受信した無線信号を第2の周波数領域の信号に変換する第2の時間−周波数変換手段と、第2の周波数領域の信号に対して、送信装置と共有する所定の周波数特性の逆特性の周波数特性を用いて演算処理を行う第2の周波数処理手段と、第2の周波数処理手段の出力信号を第2の時間領域の信号に変換して出力する第2の周波数−時間変換手段とを備え、第2の時間領域の信号を復調して送信装置から送信されたデータ信号を復元する構成である。
【0009】
第1の発明の無線通信システムにおける第1の周波数処理手段は、第1の周波数領域の信号に対して、受信装置と共有する周波数ごとに異なる重み係数を乗算する構成であり、第2の周波数処理手段は、第2の周波数領域の信号に対して、送信装置と共有する重み係数の逆数を乗算する構成としてもよい。
【0010】
第2の発明の無線通信システムにおける第1の周波数処理手段は、第1の周波数領域の信号に対して、受信装置と共有する急峻な位相変化をもたらす通過位相特性によるフィルタリング処理を行う構成であり、第2の周波数処理手段は、第2の周波数領域の信号に対して、送信装置と共有する急峻な位相変化をもたらす通過位相特性と逆特性のフィルタリング処理を行う構成としてもよい。
【0011】
第2の発明は、無線信号を送受信する送信装置および受信装置により構成される無線通信システムの送信装置において、データ信号を変調して変調信号を出力する変調手段と、変調信号を第1の周波数領域の信号に変換する第1の時間−周波数変換手段と、第1の周波数領域の信号に対して、受信装置と共有する所定の周波数特性を用いて演算処理を行う第1の周波数処理手段と、第1の周波数処理手段の出力信号を第1の時間領域の信号に変換して出力する第1の周波数−時間変換手段とを備え、第1の時間領域の信号を無線信号として送信する構成である。
【0012】
第2の発明の送信装置における第1の周波数処理手段は、第1の周波数領域の信号に対して、受信装置と共有する周波数ごとに異なる重み係数を乗算する構成としてもよい。
【0013】
第2の発明の送信装置における第1の周波数処理手段は、第1の周波数領域の信号に対して、受信装置と共有する急峻な位相変化をもたらす通過位相特性によるフィルタリング処理を行う構成とてしもよい。
【0014】
第3の発明は、無線信号を送受信する送信装置および受信装置により構成される無線通信システムの受信装置において、受信した無線信号を第2の周波数領域の信号に変換する第2の時間−周波数変換手段と、第2の周波数領域の信号に対して、送信装置と共有する所定の周波数特性の逆特性の周波数特性を用いて演算処理を行う第2の周波数処理手段と、第2の周波数処理手段の出力信号を第2の時間領域の信号に変換して出力する第2の周波数−時間変換手段とを備え、第2の時間領域の信号を復調して送信装置から送信されたデータ信号を復元する構成である。
【0015】
第3の発明の受信装置における第2の周波数処理手段は、第2の周波数領域の信号に対して、送信装置と共有する重み係数の逆数を乗算する構成としてもよい。
【0016】
第3の発明の受信装置における第2の周波数処理手段は、第2の周波数領域の信号に対して、送信装置と共有する急峻な位相変化をもたらす通過位相特性と逆特性のフィルタリング処理を行う構成とてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の無線通信システムは、送信装置で変調信号を周波数領域に変換した信号に対して、送受信装置間で共有する所定の周波数特性を用い、周波数領域で位相変化が急峻になる重み付け処理/フィルタリング処理を行い、再度時間領域の信号に戻して送信し、受信装置で受信信号を周波数領域に変換した信号に対して、送受信装置間で共有する所定の周波数特性の逆特性の周波数特性を用いて重み付け処理/フィルタリング処理を行い、再度時間領域の信号に戻して復調する構成である。
【0018】
このように、送受信装置間で伝送される変調信号に対して、送受信装置間で共有する既知の周波数特性で処理することにより、既知の周波数特性を持たない一般の受信装置には周波数フェージングのある伝搬路のように見え、受信特性が劣化して信号を復調することができない。一方、既知の周波数特性をもつ正規の受信装置では、受信信号の周波数特性を補正して処理し、受信特性を元に戻すことによって高い確率で復調に成功することができる。すなわち、正規の受信装置のみが正常に受信でき、他の受信装置に対しては信号の復調に必要な所用C/Nを大幅に高め、あるいは復調を困難とし、スクランブラ単体で用いる場合よりも秘匿性を高めることができる。
【0019】
また、本発明の無線通信システムでは、変調信号の通過位相特性が変わるだけで、送信スペクトラムの状態に顕著な差がない。また、本発明の無線通信システムは、シングルキャリア伝送をベースとしたSC−FDMAや帯域分散伝送方式と組み合わせることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の無線通信システムの送信装置および受信装置の実施例1を示す図である。
【図2】本発明による重み係数(通過位相特性)の制御例を示す図である。
【図3】本発明による重み係数(通過位相特性)の付与例を示す図である。
【図4】2分割の重み係数が伝送信号に与える影響の評価結果を示す図である。
【図5】位相段差60度の重み係数が伝送信号に与える影響の評価結果を示す図である。
【図6】送信スペクトルにおける重み係数の影響を示す図である。
【図7】従来の受信装置の構成例を示す図である。
【図8】本発明の無線通信システムの送信装置および受信装置の実施例2を示す図である。
【図9】本発明の無線通信システムの送信装置および受信装置の実施例3を示す図である。
【図10】本発明の無線通信システムの送信装置および受信装置の実施例4を示す図である。
【図11】本発明の無線通信システムの送信装置および受信装置の実施例4の変形を示す図である。
【図12】従来の無線通信システムの送信装置および受信装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明の無線通信システムの送信装置および受信装置の実施例1を示す。
図1において、送信装置10は、変調手段11、フーリエ変換回路(DFT)12、乗算回路13、重み係数設定回路14、逆フーリエ変換回路(IDFT)15により構成される。
【0022】
変調手段11は、送信データを変調した変調信号xを出力する。フーリエ変換回路12は、変調信号xを周波数軸上の信号Xに変換して乗算回路13に入力する。乗算回路13は、フーリエ変換の各周波数ポイントN(Nは自然数) に対して、重み係数設定回路14から入力する重み係数wi (iは1〜N)を乗算して重み付けを行う。逆フーリエ変換回路15は、周波数軸上で重み付けされた信号X′を時間軸上の送信信号x′に変換して送信する。
【0023】
受信装置20は、フーリエ変換回路(DFT)21、乗算回路22、重み係数設定回路23、逆フーリエ変換回路(IDFT)24、復調手段25により構成される。
【0024】
フーリエ変換回路21は、受信信号x′を周波数軸上の信号X′に変換して乗算回路22に入力する。重み係数設定回路23には、送信装置10の重み係数設定回路14が設定する重み係数wi の逆数である重み係数wi-1 が設定される。乗算回路22は、フーリエ変換の各周波数ポイントNに対して、重み係数設定回路23から入力する重み係数wi-1を乗算して重み付けを行う。逆フーリエ変換回路24は、周波数軸上で重み付けされた信号Xを時間軸上の変調信号xに変換して復調手段25に入力し、復調手段25で受信データを復調する。
【0025】
ここで、送信装置10の送信信号x′は、周波数軸上で重み係数wi が乗算されているため、位相および振幅が歪んだ信号であり、不正な傍受者が復調しても誤りが発生する可能性が高くなる。受信装置20で正確に受信するためには、受信信号に対して送信装置10で付与した重み係数wi の逆数の重み係数wi-1 を乗算する必要がある。なお、受信装置20において、受信信号を送信装置10で付与した重み係数wi で除算する構成でもよい。
【0026】
本実施例の動作原理について図2を参照して説明する。
上記の説明では、フーリエ変換した周波数軸上の信号に対して重み付け演算を行う構成を示したが、同様の処理をフィルタの通過位相の周波数特性(通過位相特性)が急峻な位相変化をもつように制御する構成でも実現できる。この場合、送信側と受信側で逆特性の通過位相特性を有するフィルタを用いるか、通過位相特性が可変のフィルタに対して、送信側と受信側で逆特性の通過位相特性を設定する構成をとる。
【0027】
一般的な送信装置では、フィルタを用いて帯域外スプリアス等の不要信号成分を除去して送信する。フィルタの周波数特性は通過域において利得(損失)は一定であり、位相は図2(a) に示すように傾きはあるものの連続的である。本実施例は、変調信号を周波数軸上の信号に変換して重み付けを行い、再度時間領域の信号に戻すことで、無線装置における通過位相特性を図2(b) に示すように不連続または急峻な位相変化をもたせることができる。このような位相変化が急峻な通過位相特性をもつ信号を受信すると、非特許文献2に報告されるように周波数フェージングと同様にC/Nが劣化する。そのため、本実施例の受信装置20では、送信装置10で与えた重み係数(フィルタの通過位相特性)を打ち消すように信号処理を行って復調することで、C/Nの劣化を補償する。このとき、送信時に付与した通過位相特性によるC/N劣化分に比例して秘匿性が高まる。すなわち、重み係数wi-1 を有する受信装置と比較して、それを知らない第三者は受信信号の復調に失敗する確率が高くなるため、秘匿性が高まる。
【0028】
また、変調信号の位相特性に変化を持たせる代わりに、利得について変化を与えてもよい。また、変調手段11に入力する送信データは、従来の無線通信システムの技術であるスクランブル処理された信号であってもよい。
【0029】
ここで、付与する重み係数(フィルタの通過位相特性)が伝送信号に与える影響について、QPSK変調信号(ターボプロダクト符号使用)を用いて評価した結果を示す。評価システムでは、図3に示すようにデータ帯域をM等分(Mは2以上の自然数) し、データ帯域内に階段状の位相段差を有する通過位相特性を実現するため、変調信号をフーリエ変換した各周波数ポイントに、付与する位相段差θに応じてcosθ+jsinθを乗算した。復調側では、逆特性の重み付けを与えずに復調してビット誤り率(BER)を測定した。重み係数が伝送信号に与える影響の評価結果を図4および図5に示す。
【0030】
図4は、簡易な評価として位相段差を信号の中心周波数において1段付与したとき(2分割)に対するBERであり、付与する位相段差が大きいほどBER特性が劣化することが確認でき、 120度ではエラーフリーとならなかった。なお、さらなる位相段差を付与すると、変復調装置間の同期確立が不能となった。一方、図5は付与する位相段差数(帯域の分割数)に対するBERであり、位相段差は60度を与えた時の結果である。この結果、分割数が増えるほど、BER特性が劣化することが確認でき、16分割ではエラーフリーとならなかった。
【0031】
図6は、送信スペクトルにおける重み係数の影響を示す。図6(a) は位相段差数が0(重み係数wが1)、図6(b) は位相段差数が2、図6(c) は位相段差数が多数の場合を示す。ここに示すように、送信スペクトルの形状は、位相段差数(帯域の分割数)に応じてほとんど変化せず、比帯域の増加は僅か0.15%程度で測定誤差程度の範囲と言え、顕著な影響はないと言える。なお、ここでの評価では通過位相特性に階段状の変化を与える例を示したが、これによらず任意の形状の通過位相特性を与え、受信側でその逆特性を用いる構成でもよい。
【実施例2】
【0032】
ところで、送信信号に付与する通過位相特性は、周波数選択性フェージングと見ることも可能である。その場合、図7に示す従来の受信装置(非特許文献3)において、受信信号を周波数領域の信号に変換し、周波数領域等化回路において伝搬路推定回路で推定した伝搬路係数を用いて補償し、さらに時間領域の信号に変換して復調することができる。このような受信装置を用いることにより、送信側で付与した通過位相特性を推定して傍受が可能となる。そこで、このような受信装置において復調を不能にするための構成を実施例2として示す。
【0033】
図8は、本発明の無線通信システムの送信装置および受信装置の実施例2を示す。
図8において、実施例2の送信装置は、図1に示す実施例1の送信装置の重み係数設定回路14に代えて、重み係数wi を動的に可変設定する重み係数可変設定回路16を用いる。実施例2の受信装置は、図1に示す実施例1の受信装置の重み係数設定回路23に代えて、重み係数wi の逆数である重み係数wi-1 を動的に可変設定する重み係数可変設定回路26を用いる。重み係数可変設定回路16の重み係数wi および重み係数可変設定回路26の重み係数wi-1 は、送信装置と受信装置でタイミングを合せて変更する。
【0034】
図7に示す周波数領域等化回路の解の収束には、非特許文献4にあるように、一定の時間を要するとされている。そのため、重み係数の変更間隔を収束時間以下とすることで、重み係数wi を適切に同定することができなくなる。なお、変更前の重み係数と変更後の重み係数は、相関が小さいことが好ましい。また、本実施例は、所定の間隔で重み係数を更新する場合に限らず、連続的に変化させてもよい。
【実施例3】
【0035】
図9は、本発明の無線通信システムの送信装置の実施例3を示す。
図9において、実施例3の送信装置は、図1に示す実施例1の送信装置の変調手段11とフーリエ変換回路(DFT)12との間に雑音付加回路17を挿入し、変調信号に所定の雑音を付与してフーリエ変換回路12に入力する。以下の処理は、実施例1と同様である。これにより送信信号のC/Nを下げ、傍受者がアンテナ利得の向上等により受信性能を上げても所定のC/Nを得られなくする。受信装置は実施例1の構成で対応可能である。また、本実施例は、図8に示す実施例2に構成にも適用することができる。
【実施例4】
【0036】
本発明は、シングルキャリア伝送における秘匿性向上に効果があるため、シングルキャリア伝送を基本とするSC−FDMA(Single Carrier-Frequency Division Multiple Access)や、非特許文献2に記載される帯域分散伝送方式に適用することができる。
【0037】
図10,図11は、本発明の無線通信システムの送信装置および受信装置の実施例4を示す。図10の実施例はSC−FDMA方式に対応し、図11の実施例は帯域分散伝送方式に対応する構成である。送信装置では、変調信号を周波数領域に変換して重み付けを行った信号を周波数マッピング回路18あるいは帯域分割処理部19に入力し、さらに時間領域の信号に変換して送信する。受信装置では、受信信号を周波数領域に変換して周波数デマッピング回路27あるいは帯域合成処理部28に入力し、さらに逆特性の重み付けを行った信号を時間領域の信号に変換して復調する。
【符号の説明】
【0038】
10 送信装置
11 変調手段
12 フーリエ変換回路(DFT)
13 乗算回路
14 重み係数設定回路
15 逆フーリエ変換回路(IDFT)
16 重み係数可変設定回路
17 雑音付加回路
18 周波数マッピング回路
19 帯域分割処理部
20 受信装置
21 フーリエ変換回路(DFT)
22 乗算回路
23 重み係数設定回路
24 逆フーリエ変換回路(IDFT)
25 復調手段
26 重み係数可変設定回路
27 周波数デマッピング回路
28 帯域合成処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線信号を送受信する送信装置および受信装置により構成される無線通信システムであって、
前記送信装置は、
データ信号を変調して変調信号を出力する変調手段と、
前記変調信号を第1の周波数領域の信号に変換する第1の時間−周波数変換手段と、
前記第1の周波数領域の信号に対して、前記受信装置と共有する所定の周波数特性を用いて演算処理を行う第1の周波数処理手段と、
前記第1の周波数処理手段の出力信号を第1の時間領域の信号に変換して出力する第1の周波数−時間変換手段と
を備え、前記第1の時間領域の信号を無線信号として送信する構成であり、
前記受信装置は、
受信した前記無線信号を第2の周波数領域の信号に変換する第2の時間−周波数変換手段と、
前記第2の周波数領域の信号に対して、前記送信装置と共有する所定の周波数特性の逆特性の周波数特性を用いて演算処理を行う第2の周波数処理手段と、
前記第2の周波数処理手段の出力信号を第2の時間領域の信号に変換して出力する第2の周波数−時間変換手段と
を備え、第2の時間領域の信号を復調して前記送信装置から送信されたデータ信号を復元する構成である
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
前記第1の周波数処理手段は、前記第1の周波数領域の信号に対して、前記受信装置と共有する周波数ごとに異なる重み係数を乗算する構成であり、
前記第2の周波数処理手段は、前記第2の周波数領域の信号に対して、前記送信装置と共有する前記重み係数の逆数を乗算する構成である
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
前記第1の周波数処理手段は、前記第1の周波数領域の信号に対して、前記受信装置と共有する急峻な位相変化をもたらす通過位相特性によるフィルタリング処理を行う構成であり、
前記第2の周波数処理手段は、前記第2の周波数領域の信号に対して、前記送信装置と共有する前記急峻な位相変化をもたらす通過位相特性と逆特性のフィルタリング処理を行う構成である
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項4】
無線信号を送受信する送信装置および受信装置により構成される無線通信システムの送信装置において、
データ信号を変調して変調信号を出力する変調手段と、
前記変調信号を第1の周波数領域の信号に変換する第1の時間−周波数変換手段と、
前記第1の周波数領域の信号に対して、前記受信装置と共有する所定の周波数特性を用いて演算処理を行う第1の周波数処理手段と、
前記第1の周波数処理手段の出力信号を第1の時間領域の信号に変換して出力する第1の周波数−時間変換手段と
を備え、前記第1の時間領域の信号を無線信号として送信する構成である
ことを特徴とする送信装置。
【請求項5】
請求項4に記載の送信装置において、
前記第1の周波数処理手段は、前記第1の周波数領域の信号に対して、前記受信装置と共有する周波数ごとに異なる重み係数を乗算する構成である
ことを特徴とする送信装置。
【請求項6】
請求項1に記載の送信装置において、
前記第1の周波数処理手段は、前記第1の周波数領域の信号に対して、前記受信装置と共有する急峻な位相変化をもたらす通過位相特性によるフィルタリング処理を行う構成である
ことを特徴とする送信装置。
【請求項7】
無線信号を送受信する送信装置および受信装置により構成される無線通信システムの受信装置において、
受信した前記無線信号を第2の周波数領域の信号に変換する第2の時間−周波数変換手段と、
前記第2の周波数領域の信号に対して、前記送信装置と共有する所定の周波数特性の逆特性の周波数特性を用いて演算処理を行う第2の周波数処理手段と、
前記第2の周波数処理手段の出力信号を第2の時間領域の信号に変換して出力する第2の周波数−時間変換手段と
を備え、第2の時間領域の信号を復調して前記送信装置から送信されたデータ信号を復元する構成である
ことを特徴とする受信装置。
【請求項8】
請求項7に記載の受信装置において、
前記第2の周波数処理手段は、前記第2の周波数領域の信号に対して、前記送信装置と共有する重み係数の逆数を乗算する構成である
ことを特徴とする受信装置。
【請求項9】
請求項7に記載の受信装置において、
前記第2の周波数処理手段は、前記第2の周波数領域の信号に対して、前記送信装置と共有する急峻な位相変化をもたらす通過位相特性と逆特性のフィルタリング処理を行う構成である
ことを特徴とする受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図6】
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