説明

無線通信システムにおけるデータ通信方法

【課題】無線通信システムにおけるデータ通信方法を提供すること。
【解決手段】無線通信システムにおけるデータ通信方法が開示される。このデータ通信方法は、無線通信システムにおける端末でのデータ通信方法であって、ネットワークからダウンリンクチャネルリソース割当情報及び特定指示子を含むスケジューリング情報を受信する段階と、前記スケジューリング情報が第1端末識別子を含み、前記特定指示子が第1値を持つ場合、前記ダウンリンクチャネルリソース割当情報をパーシステントスケジューリング方式の設定情報として用いて、前記ネットワークから伝送されるダウンリンクデータを受信する段階と、前記スケジューリング情報が第1端末識別子を含み、前記特定指示子が第2値を持つ場合、前記ダウンリンクチャネルリソース割当情報を用いて、前記ネットワークから伝送される再伝送データを受信する段階と、を含む構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに係り、より詳細には、無線通信システムにおけるデータ通信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)やSC−FDMA(Single Carrier−Frequency Division Multiple Access)などのように多重搬送波方式を用いる無線通信システムにおいて、無線リソースは、連続した副搬送波(sub−carrier)の集合であり、2次元空間の時間−周波数領域(time−frequency region)によって定義される。一つの時間−周波数領域は、時間座標及び副搬送波座標によって区分される直方形で区分される。すなわち、一つの時間−周波数領域は、少なくとも一つの時間軸上におけるシンボルと、多数の周波数軸上における副搬送波によって区画される直方形に区分することができる。このような時間−周波数領域は、特定UEのアップリンクに割り当てられるか、または、ダウンリンクでは基地局により特定のユーザに伝送されることができる。2次元空間でこのような時間−周波数領域を定義するためには、時間領域においてOFDMシンボルの数、及び周波数領域において基準点からのオフセット(offset)だけ離れた位置から始まる連続した副搬送波の数が与えられなければならない。
【0003】
現在議論されているE−UMTS(Evolved Universal Mobile Telecommunications System)では、10msの無線フレーム(radio frame)を使用し、一つの無線フレームは10個のサブフレーム(subframe)で構成される。また、一つのサブフレームは、二つの連続するスロットで構成される。一つのスロット長は0.5msである。また、一つのサブフレームは、多数のOFDMシンボルで構成され、多数のOFDMシンボルのうち一部のシンボル(例えば、1番目のシンボル)は、L1/L2制御情報を伝送するために用いることができる。
【0004】
図1は、E−UMTSシステムで使用する物理チャネル構造の一例を示す図であり、一つのサブフレームは、L1/L2制御情報伝送領域(ハッチングした部分)とデータ伝送領域(ハッチングしていない部分)とから構成される。
【0005】
図2は、E−UMTSにおいてデータを伝送する一般的な方法を説明するための図である。E−UMTSでは、スループット(throughput)を向上させて円滑な通信を行う目的として、データ再伝送手法の一つであるハイブリッド自動再送要求(HARQ: Hybrid Auto Repeat reQuest)手法を用いる。
【0006】
図2を参照すると、基地局は、HARQ手法によりデータを端末に伝送するために、DL L1/L2制御チャネル、例えば、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)を通じてダウンリンクスケジューリング情報(Downlink Scheduling Information;以下、‘DLスケジューリング情報’という。)を伝送する。このDLスケジューリング情報は、端末識別子または端末のグループ識別子(UE IdまたはGroup Id)、ダウンリンクデータの伝送のために割り当てられた無線リソースの位置(Resource assignment)及び区間(Duration of assignment)情報、変調方式、ペイロード(payload)大きさ、MIMO関連情報のような伝送パラメータ(transmission parameters)、HARQプロセス情報、リダンダンシーバージョン(Redundancy Version)、及び新しいデータか否かを表す識別情報(New Data Indicator)などを含むことができる。
【0007】
上記過程で、PDCCHを通じて伝送されるDLスケジューリング情報が、どの端末のためのものなのかを知らせるために、端末識別子(または、グループ識別子)、例えば、RNTI(Radio Network Temporary Identifier)が伝送される。RNTIは、専用(Dedicated)RNTIと共用(Common)RNTIとに区別される。専用RNTIは、基地局に情報が登録されている端末へのデータ送受信に使われる。共用RNTIは、基地局に情報が登録されておらず、専用RNTIが割り当てられていない端末との通信を行う場合、または、システム情報のように複数の端末が共通に使用する情報の送受信に使われる。例えば、RACH(Random Access Channel)を通じたランダムアクセス過程で使われるRA−RNTIまたはT−C−RNTIが、共用RNTIに含まれる。この端末識別子またはグループ識別子は、PDCCHを通じて伝送されるDLスケジューリング情報にCRC(Cyclic Redundancy Check)マスキングされる形態で伝送されることができる。
【0008】
特定セルに位置している端末は、自身の持っているRNTI情報を用いてL1/L2制御チャネルを通じてPDCCHをモニタリングし、自身のRNTIでCRCデコーディングに成功すると、該当のPDCCHを通じてDLスケジューリング情報を受信する。この端末は、受信したDLスケジューリング情報により指示されるPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)を通じて自分に伝送されるダウンリンクデータを受信する。
【0009】
スケジューリング方式は、動的(dynamic)スケジューリング方式と、パーシステントまたはセミパーシステント(persistent or semi−persistent scheduling)スケジューリング方式とに区別することができる。動的スケジューリング方式は、特定端末のためにアップリンクまたはダウンリンクリソースを割り当てる必要がある度にDPCCHを通じて当該端末にスケジューリング情報を伝送する方式である。パーシステントスケジューリング方式とは、基地局が、例えば、無線ベアラ(radio bearer)設定時のような呼設定初期に、ダウンリンクまたはアップリンクスケジューリング情報を端末に静的に(statically)割り当てる方式のことをいう。この文書では、“パーシステントスケジューリング”が“セミパーシステントスケジューリング”と同じ意味を有するとする。
【0010】
パーシステントスケジューリング方式の場合、端末は、データを送信または受信する度に、DLスケジューリング情報またはULスケジューリング情報を基地局から受信するのではなく、当該基地局にあらかじめ割り当てられているスケジューリング情報を用いる。例えば、基地局が、無線ベアラ設定過程でRRC信号を介して“A”という無線リソースを通じて“B”という伝送形式で“C”という周期によってダウンリンクデータを受信する旨を特定端末にあらかじめ設定したとすれば、この端末は、“A”、“B”、“C”情報を用いて、基地局から伝送されるダウンリンクデータを受信することができる。同様に、端末が基地局にデータを送信する場合にも、あらかじめ割り当てられたアップリンクスケジューリング情報に従って、あらかじめ定められた無線リソースを用いてアップリンクデータを伝送することができる。このパーシステントスケジューリング方式は、音声通話のように規則的なトラフィックの特性を有するサービスによく適用されうるスケジューリング方式である。
【0011】
音声通話で使用されるAMRコーデック、すなわち、音声コーデックを通じて生成された音声データは、特別な特性を有する。すなわち、音声データは、音声区間(talk spurt)と黙音区間(silent period)の2つの区間に区別される。音声区間は、人が実際に話している間に生成される音声データ区間を意味し、黙音区間は、人が話していない間に生成される音声データ区間である。例えば、音声区間で音声データを含む音声パケットは、毎20msごとに生成され、黙音区間で音声データを含む黙音パケット(SID)は、毎160msごとに生成される。
【0012】
パーシステントスケジューリング方式を音声通話に用いる場合、基地局は、音声区間に合わせて無線リソースを設定することができる。すなわち、基地局は、毎20msごとに音声パケットが生成されるという特性に着目して、呼設定段階で、端末に20ms間隔で、アップリンクまたはダウンリンクデータを送受信するための無線リソースをあらかじめ設定し、端末は、20ms間隔であらかじめ設定された無線リソースを用いて、ダウンリンクデータを受信したりアップリンクデータを伝送する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記の通り、パーシステントスケジューリング方式を用いて音声通話のためのアップリンクまたはダウンリンクリソースをスケジューリングする時、黙音区間から音声区間に切り替わる場合、または、その逆の場合に、基地局が、あらかじめ割り当てられた無線リソース割当情報を迅速に変更して、切り替わった区間特性に合う無線リソースを再割当するような方案が要求される。黙音区間と音声区間との相互切替の他にも、音声通話時にAMRコーデックモード間の切替、PDCPエンティティでフルヘッダー(full header)パケット生成区間と圧縮ヘッダー(compressed header)パケット生成区間との切替などのようなイベント発生時に、パーシステントスケジューリング方式によってあらかじめ割り当てられた無線リソースでは、イベント発生後に生成されるデータを效率的に伝送または受信できないという問題点がある。
【0014】
無線通信システムにおいて一つの端末に対して動的スケジューリング方式及びパーシステントスケジューリング方式を同時に適用して通信を行うことができる。例えば、HARQ方式によってVoIPサービスによる音声通話をする場合、初期伝送パケットに対してはパーシステントスケジューリング方式が適用され、再伝送パケットに対しては動的スケジューリング方式が適用される。また、この端末が2つ以上のサービスを同時に利用する場合、一つのサービスに対してはパーシステントスケジューリング方式が適用され、他のサービスに対しては動的スケジューリング方式が適用されることができる。これらの場合において、端末にとっては、自身に伝送されるスケジューリング情報がどのようなスケジューリング方式によるものか、初期伝送パケットのためのものなのか或いは再伝送パケットのためのものなのか、またはどのサービスのためのものなのか等について明確に区別できる方式が要求される。また、パーシステントスケジューリング方式の場合、初期伝送パケットに対して持続して使用されるパーシステントスケジューリングのための設定情報なのか、或いは、再伝送パケットに対して一時的に使用されるスケジューリング情報なのかについての明確な区別が要求される。
【0015】
本発明は、上記の従来技術における問題点を解決するために案出されたもので、その目的は、無線通信システムにおいて無線リソースを効率的に使用できる無線通信システムにおけるデータ通信方法を提供することにある。
【0016】
本発明の他の目的は、端末が、パーシステントスケジューリングのためのスケジューリング情報と再伝送データパケットの送受信のためのスケジューリング情報とを明確に区別できる無線通信システムにおけるデータ通信方法を提供することにある。
【0017】
本発明のさらに他の目的は、パーシステントスケジューリング方式が適用される場合、非同期方式でHARQ伝送が行われるダウンリンクデータ伝送過程において、端末が初期伝送データパケットのHARQプロセス識別子を区別できる無線通信システムにおけるデータ通信方法を提供することにある。
【0018】
本発明が解決しようとする技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていない別の技術的課題は、以下の発明の詳細な説明から、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者には明確に理解される。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の一様相によるデータ通信方法は、無線通信システムにおける端末でのデータ通信方法において、第1端末識別子を含み、特定フィールドが特定値に設定された第1スケジューリング情報をネットワークから受信する段階と、前記第1スケジューリング情報を用いて、パーシステントスケジューリング方式によって前記ネットワークから伝送された第1データパケットを受信する段階と、を含んで構成されることができる。前記第1端末識別子を含み、前記特定フィールドが前記特定値以外の値に設定された第2スケジューリング情報を前記ネットワークから受信する場合、前記端末は、前記第2スケジューリング情報を用いて、前記ネットワークから伝送された第2データパケットを受信する。前記第2スケジューリング情報は、該当の伝送時間区間でのみ用いられる。
【0020】
本発明の他の様相によるデータ通信方法は、無線通信システムにおける端末でのデータ通信方法において、第1端末識別子を含み、特定フィールドが特定値に設定された第1スケジューリング情報をネットワークから受信する段階と、前記第1スケジューリング情報を用いて、パーシステントスケジューリング方式によって前記ネットワークに第1データパケットを伝送する段階と、を含んで構成されることができる。前記第1端末識別子を含み、前記特定フィールドが前記特定値以外の値に設定された第2スケジューリング情報を前記ネットワークから受信する場合、前記端末は、前記第2スケジューリング情報を用いて、前記ネットワークに第2データパケットを伝送する。前記第2スケジューリング情報は、該当の伝送時間区間でのみ用いられる。
【0021】
本発明のさらに他の様相によるデータ通信方法は、無線通信システムにおける端末でのデータ通信方法において、ネットワークからダウンリンクチャネルリソース割当情報及び特定指示子を含むスケジューリング情報を受信する段階と、前記スケジューリング情報が第1端末識別子を含み、前記特定指示子が第1値を持つ場合、前記スケジューリング情報をパーシステントスケジューリング方式の設定情報として用いて、前記ネットワークから伝送されるダウンリンクデータパケットを受信する段階と、前記スケジューリング情報が第1端末識別子を含み、前記特定指示子が第2値を持つ場合、前記スケジューリング情報を用いて、前記ネットワークから伝送される再伝送データパケットを受信する段階と、を含んで構成される。
【0022】
本発明のさらに他の様相によるデータ通信方法は、無線通信システムにおける端末でのデータ通信方法において、ネットワークからアップリンクチャネルリソース割当情報及び特定指示子を含むスケジューリング情報を受信する段階と、前記スケジューリング情報が第1端末識別子を含み、前記特定指示子が第1値を持つ場合、前記スケジューリング情報をパーシステントスケジューリング方式の設定情報として用いて、前記ネットワークにアップリンクデータを伝送する段階と、前記スケジューリング情報が第1端末識別子を含み、前記特定指示子が第2値を持つ場合、前記スケジューリング情報を用いて前記ネットワークから再伝送データを伝送する段階と、を含んで構成される。
【0023】
本発明のさらに他の様相によるデータ通信方法は、無線通信システムにおける端末でのデータ通信方法において、ネットワークからパーシステントスケジューリングのためのダウンリンクチャネルリソース設定情報を受信する段階と、前記ネットワークから前記ダウンリンクチャネルリソース設定情報を用いて少なくとも二つのダウンリンクデータパケットを受信する段階と、を含み、前記受信された各ダウンリンクデータパケットのHARQプロセス識別子を、前記ネットワークからあらかじめ割り当てられた少なくとも二つのHARQプロセス識別子(HARQ Process IDs)のうちの各HARQプロセス識別子に順次に設定することを特徴とする。
【0024】
本発明のさらに他の様相によるデータ通信方法は、無線通信システムにおけるネットワークでのデータ通信方法において、端末にパーシステントスケジューリング方式によるダウンリンクデータ受信のための少なくとも二つのHARQプロセス識別子を割り当てる段階と、前記端末にパーシステントスケジューリングの設定のためのスケジューリング情報を伝送する段階と、前記端末に前記スケジューリング情報によって少なくとも二つのダウンリンクデータパケットを伝送する段階と、を含み、前記端末で前記受信した各ダウンリンクデータパケットのHARQプロセス識別子は、前記ネットワークからあらかじめ割り当てられた少なくとも二つのHARQプロセス識別子のうちの各HARQプロセス識別子に順次に設定されることを特徴とする。
【0025】
本文書で“スケジューリング情報”とは、端末にダウンリンク及び/またはアップリンクチャネルリソースを割り当てるためにネットワークから端末に伝送される情報のことを意味する。このスケジューリング情報は、制御チャネルを通じて端末に伝送され、ダウンリンク及び/またはアップチャネルリソース割当情報及びHARQ関連情報を含むことができる。“スケジューリング情報”という用語は、“リソース割当情報”、“アップリンク/ダウンリンク割当情報”などのように本発明の属する技術分野において通常的に使用される用語に代替することもできる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、下記の効果が得られる。
【0027】
第一、無線通信システムにおいて無線リソースを効率的に使用することができる。
【0028】
第二、無線通信システムにおいてネットワークと端末間にパーシステントスケジューリング方式による通信がなされる時、端末がネットワークから受信するスケジューリング情報がパーシステントスケジューリングのための設定情報なのか、または、再伝送データパケットの送受信のためのスケジューリング情報なのかを明確に区別することができる。
【0029】
第三、無線通信システムにおいてネットワークと端末間にパーシステントスケジューリング方式による通信がなされる時、非同期方式でHARQ伝送がなされるダウンリンクデータ伝送過程で、端末が初期データパケットのHARQプロセス識別子を明確に区別することができる。
【0030】
本発明による効果は以上の効果に制限されず、言及されていない別の効果は、以下の発明の詳細な説明から、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者には明らかになる。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
無線通信システムにおける端末でのデータ通信方法であって、
ネットワークからダウンリンクチャネルリソース割当情報及び特定指示子を含むスケジューリング情報を受信する段階と、
上記スケジューリング情報が第1端末識別子を含み、上記特定指示子が第1値を持つ場合、上記スケジューリング情報をパーシステントスケジューリング方式の設定情報として用いて、上記ネットワークから伝送されるダウンリンクデータパケットを受信する段階と、
上記スケジューリング情報が第1端末識別子を含み、上記特定指示子が第2値を持つ場合、上記スケジューリング情報を用いて、上記ネットワークから伝送される再伝送データパケットを受信する段階と、
を含む、データ通信方法。
(項目2)
上記スケジューリング情報が第2端末識別子を含む場合、上記スケジューリング情報を動的スケジューリング方式によるチャネルリソース割当情報として用いることを特徴とする、項目1に記載のデータ通信方法。
(項目3)
上記スケジューリング情報が第1端末識別子を含み、上記特定指示子が第1値を持つ場合、上記スケジューリング情報は、少なくとも二つの伝送時間区間で用いられることを特徴とする、項目1に記載のデータ通信方法。
(項目4)
上記スケジューリング情報が第1端末識別子を含み、上記特定指示子が第2値を有するか、または、上記スケジューリング情報が第2端末識別子を含む場合、上記スケジューリング情報は、一つの伝送時間区間で用いられることを特徴とする、項目2に記載のデータ通信方法。
(項目5)
上記第1端末識別子は、SPS(Semi−Persistent Scheduling)−C−RNTIであることを特徴とする、項目1に記載のデータ通信方法。
(項目6)
上記特定指示子は、NDI(New Data Indicator)であることを特徴とする、項目1に記載のデータ通信方法。
(項目7)
上記第2端末識別子は、C−RNTIまたは臨時(temporary)C−RNTIであることを特徴とする、項目2に記載のデータ通信方法。
(項目8)
上記スケジューリング情報は、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)を通じて受信されることを特徴とする、項目1に記載のデータ通信方法。
(項目9)
上記ダウンリンクデータパケットは、初期伝送データパケットであることを特徴とする、項目1に記載のデータ通信方法。
(項目10)
上記再伝送データパケットは、パーシステントスケジューリング方式による初期伝送データパケットに対する再伝送パケットであることを特徴とする、項目9に記載のデータ通信方法。
(項目11)
無線通信システムにおける端末でのデータ通信方法であって、
ネットワークからアップリンクチャネルリソース割当情報及び特定指示子を含むスケジューリング情報を受信する段階と、
上記スケジューリング情報が第1端末識別子を含み、上記特定指示子が第1値を持つ場合、上記スケジューリング情報をパーシステントスケジューリング方式の設定情報として用いて、上記ネットワークにアップリンクデータを伝送する段階と、
上記スケジューリング情報が第1端末識別子を含み、上記特定指示子が第2値を持つ場合、上記スケジューリング情報を用いて、上記ネットワークに再伝送データを伝送する段階と、
を含む、データ通信方法。
(項目12)
上記第1スケジューリング情報が第2端末識別子を含む場合、上記スケジューリング情報を動的スケジューリング方式によるチャネルリソース割当情報として用いることを特徴とする、項目11に記載のデータ通信方法。
(項目13)
上記スケジューリング情報が第1端末識別子を含み、上記特定指示子が第1値を持つ場合、上記スケジューリング情報は、少なくとも二つの伝送時間区間で用いられることを特徴とする、項目11に記載のデータ通信方法。
(項目14)
上記スケジューリング情報が第1端末識別子を含み、上記特定指示子が第2値を有するか、または、上記スケジューリング情報が第2端末識別子を含む場合、上記スケジューリング情報は、一つの伝送時間区間で用いられることを特徴とする、項目11に記載のデータ通信方法。
(項目15)
上記第1端末識別子は、SPS−C−RNTIであることを特徴とする、項目11に記載のデータ通信方法。
(項目16)
上記特定指示子は、NDI(New Data Indicator)であることを特徴とする、項目11に記載のデータ通信方法。
(項目17)
上記第2端末識別子は、C−RNTIまたは臨時C−RNTIであることを特徴とする、項目12に記載のデータ通信方法。
(項目18)
上記スケジューリング情報は、PDCCHを通じて受信されることを特徴とする、項目11に記載のデータ通信方法。
(項目19)
上記アップリンクデータパケットは、初期伝送データパケットであることを特徴とする、項目11に記載のデータ通信方法。
(項目20)
上記再伝送データパケットは、パーシステントスケジューリング方式による初期伝送データパケットに対する再伝送パケットであることを特徴とする、項目19に記載のデータ通信方法。
(項目21)
無線通信システムにおける端末でのデータ通信方法であって、
ネットワークからパーシステントスケジューリングの設定のためのスケジューリング情報を受信する段階と、
上記ネットワークから上記スケジューリング情報を用いて少なくとも二つのダウンリンクデータパケットを受信する段階と、
を含み、
上記受信された各ダウンリンクデータパケットのHARQプロセス識別子を、上記ネットワークからあらかじめ割り当てられた少なくとも二つのHARQプロセス識別子(HARQ Process IDs)のうちの各HARQプロセス識別子に順次に設定することを特徴とする、データ通信方法。
(項目22)
上記受信された少なくとも二つのダウンリンクデータパケットは、初期伝送データパケットであることを特徴とする、項目21に記載のデータ通信方法。
(項目23)
上記スケジューリング情報は、上記端末を識別するSPS−C−RNTIと特定値に設定されたNDIとを含むことを特徴とする、項目21に記載のデータ通信方法。
(項目24)
上記スケジューリング情報は、ダウンリンクチャネルリソース割当情報及びHARQ関連情報を含むことを特徴とする、項目21に記載のデータ通信方法。
(項目25)
無線通信システムにおけるネットワークでのデータ通信方法であって、
端末にパーシステントスケジューリング方式によるダウンリンクデータ受信のための少なくとも二つのHARQプロセス識別子を割り当てる段階と、
上記端末にパーシステントスケジューリングの設定のためのスケジューリング情報を伝送する段階と、
上記端末に上記スケジューリング情報によって少なくとも二つのダウンリンクデータパケットを伝送する段階と、
を含み、
上記端末で上記受信した各ダウンリンクデータパケットのHARQプロセス識別子は、上記ネットワークからあらかじめ割り当てられた少なくとも二つのHARQプロセス識別子のうちの各HARQプロセス識別子に順次に設定されることを特徴とする、データ通信方法。
(項目26)
上記少なくとも二つのダウンリンクデータパケットは、初期伝送データパケットであることを特徴とする、項目25に記載のデータ通信方法。
(項目27)
上記スケジューリング情報は、上記端末を識別するSPS−C−RNTIと特定値に設定されたNDIとを含むことを特徴とする、項目25に記載のデータ通信方法。
(項目28)
上記スケジューリング情報は、ダウンリンクチャネルリソース割当情報及びHARQ関連情報を含むことを特徴とする、項目25に記載のデータ通信方法。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】E−UMTSシステムで用いる物理チャネル構造の一例を示す図である。
【図2】E−UMTSでデータを伝送する一般的な方法を説明するための図である。
【図3】E−UMTSのネットワーク構造を示す図である。
【図4】E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)の概略的な構成図である。
【図5A】端末(UE)とE−UTRAN間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)の構造を示すもので、図5Aが制御プレーンプロトコル構成図で、図5Bがユーザプレーンプロトコル構成図である。
【図5B】端末(UE)とE−UTRAN間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)の構造を示すもので、図5Aが制御プレーンプロトコル構成図で、図5Bがユーザプレーンプロトコル構成図である。
【図6】本発明の一実施例によるデータ伝送方法の手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の他の実施例によるデータ伝送方法の手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明のさらに他の実施例によるデータ伝送方法の手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明のさらに他の実施例によるデータ伝送方法の手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明のさらに他の実施例によるデータ伝送方法の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付の図面を参照して説明された本発明の実施例によって、本発明の構成、作用及び他の特徴が容易に理解される。以下に説明される実施例は、本発明の技術的特徴がE−UMTS(Evolved Universal Mobile Telecommunications System)に適用された例とする。
【0033】
図3は、E−UMTSのネットワーク構造を示す図である。E−UMTSシステムは、既存のWCDMA UMTSシステムから進化したシステムであり、現在3GPP(3rd Generation Partnership Project)で基礎的な標準化作業が進行されている。E−UMTSは、LTE(Long Term Evolution)システムと呼ばれることもできる。
【0034】
図3を参照すると、E−UTRANは、基地局(以下、‘eNode B’または‘eNB’と略す。)で構成され、eNB同士間はX2インターフェースを通じて連結される。eNBは無線インターフェースを通じて端末(User Equipment;以下、‘UE’と略す。)と連結され、S1インターフェースを通じてEPC(Evolved
Packet Core)に連結される。EPCは、MME(Mobility Management Entity)/SAE(System Architecture
Evolution)ゲートウェイを含む。
【0035】
端末とネットワーク間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)層は、通信システムで広く知られた開放型システム間相互接続(Open System Interconnection; OSI)基準モデルの下位の3層に基づいてL1(第1層)、L2(第2層)、L3(第3層)に区分することができる。このうち、第1層に属する物理層は、物理チャネル(Physical Channel)を用いた情報伝送サービス(Information Transfer
Service)を提供し、第3層に位置する無線リソース制御(Radio Resource Control;以下、‘RRC’と略す。)層は、端末とネットワーク間において無線リソースを制御する役割を果たす。このために、RRC層は、端末とネットワーク間にRRCメッセージを互いに交換するようにする。RRC層は、Node BとAGなどのネットワークノードに分散して位置することもでき、Node BまたはAGに独立して位置することもできる。
【0036】
図4は、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)の概略的な構成図である。図4で、ハッチング(hatching)した部分は、ユーザプレーン(user plane)の機能的エンティティを示し、ハッチングしていない部分は、制御プレーン(control plane)の機能的エンティティを示す。
【0037】
図5A及び図5Bは、端末(UE)とE−UTRAN間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)の構造を示す図で、図5Aが制御プレーンプロトコル構成図であり、図5Bがユーザプレーンプロトコル構成図である。図5A及び図5Bの無線インターフェースプロトコルは、水平的に、物理層(Physical Layer)、データリンク層(Data Link Layer)及びネットワーク層(Network Layer)からなり、垂直的には、データ情報伝送のためのユーザプレーン(User Plane)と制御信号(Signaling)伝達のための制御プレーン(Control Plane)とに区別される。図5A及び図5Bのプロトコル層は、通信システムで広く知られた開放型システム間相互接続(Open
System Interconnection;OSI)基準モデルの下位の3層に基づいてL1(第1層)、L2(第2層)、L3(第3層)に区別することができる。
【0038】
第1層である物理層は、物理チャネル(Physical Channel)を用いて上位層に情報伝送サービス(Information Transfer Service)を提供する。物理層は、上位にある媒体接続制御(Medium Access Control)層とは伝送チャネル(Transport Channel)を通じて連結されており、この伝送チャネルを通じて媒体接続制御層と物理層間のデータが移動する。そして、それぞれ異なる物理層の間、すなわち、送信側の物理層と受信側の物理層の間では物理チャネルを通じてデータが移動する。E−UMTSで、物理チャネルは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式で変調され、これにより、時間(time)及び周波数(frequency)を無線リソースとして用いる。
【0039】
第2層の媒体接続制御(Medium Access Control;以下、‘MAC’と略す)層は、論理チャネル(Logical Channel)を通じて上位層である無線リンク制御(Radio Link Control;以下、‘RLC’と略す)層にサービスを提供する。第2層のRLC層は、信頼性あるデータの伝送を支援する。第2層のPDCP層は、IPv4やIPv6のようなIPパケットを用いて相対的に帯域幅の小さい無線区間でデータを効率的に伝送するために、余分の制御情報を減らすヘッダー圧縮(Header Compression)機能を果たす。
【0040】
第3層の最下部に位置している無線リソース制御(Radio Resource Control;以下、‘RRC’と略す。)層は、制御プレーンにのみ定義され、無線ベアラ(Radio Bearer;以下、‘RB’と略す。)の設定(Configuration)、再設定(Re−configuration)及び解除(Release)について論理チャネル、伝送チャネル及び物理チャネルの制御を担当する。ここで、RBは、端末とUTRANとの間におけるデータ伝達のために第2層により提供されるサービスを意味する。
【0041】
ネットワークにおいて端末にデータを伝送する下り伝送チャネルには、システム情報を伝送するBCH(Broadcast Channel)、ページングメッセージを伝送するPCH(Paging Channel)、その他ユーザトラフィックや制御メッセージを伝送する下りSCH(Shared Channel)がある。下りマルチキャストまたは放送サービスのトラフィックまたは制御メッセージは、下りSCHを通じて伝送されることもでき、または、別の下りMCH(Multicast Channel)を通じて伝送されることもできる。一方、端末からネットワークへデータを伝送する上り伝送チャネルには、初期制御メッセージを伝送するRACH(Random Access
Channel)とその他ユーザトラフィックや制御メッセージを伝送する上りSCH(Shared Channel)がある。
【0042】
伝送チャネルの上位に設けられ、伝送チャネルにマッピングされる論理チャネル(Logical Channel)には、BCCH(Broadcast Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、MTCH(Multicast Traffic Channel)などがある。
【0043】
E−UMTSシステムではダウンリンクでOFDM方式を利用し、アップリンクではSC−FDMA(Single Carrier−Frequency Division
Multiple Access)方式を利用する。多重搬送波方式であるOFDMシステムは、搬送波の一部をグループ化した多数の副搬送波(subcarriers)単位でリソースを割り当てるシステムであり、接続方式にOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)を用いる。
【0044】
図6は、本発明の一実施例によるデータ伝送方法の手順を示すフローチャートである。図6の実施例は、端末(UE)が、パーシステントスケジューリング方式によって音声データ(VoIPパケット)を受信する途中に、動的スケジューリング方式によってSRBパケットを受信する例に関するものである。以下では、本発明の一実施例の理解に必要な限度内でのみ説明をし、その他ネットワークと端末間の通信のために必要な一般の手順については説明を省略する。
【0045】
図6を参照すると、基地局(eNB)は、端末に二つの端末識別子を割り当てる[S61]。これら二つの端末識別子の例には、C−RNTI及びSPS−C−RNTI(Semi−Persistent Scheduling)があるが、これに限定されず、他の端末識別子、例えば、臨時C−RNTIまたはRA−RNTIなども可能である。これら二つの端末識別子を、ランダムアクセス過程、呼設定過程または無線ベアラ(RB: Radio Bearer)設定過程などでネットワークにより当該端末に割り当てることができる。また、これら二つの端末識別子は同時に割り当てても良く、個別に割り当てても良い。
【0046】
基地局は、初期伝送VoIPパケット(V1)を、PDSCHを通じて当該端末に伝送する[S62]。この初期伝送VoIPパケット(V1)は、HARQ方式が適用される場合、再伝送パケットでない音声パケットを意味する。端末が初期伝送VoIPパケット(V1)を成功的に受信できなかった場合、すなわち、初期伝送VoIPパケットの復号に失敗した場合、端末は、否定受信確認信号(NACK)をPUCCH(Physical Uplink Control Channel)を通じて基地局に伝送する[S63]。この初期伝送VoIPパケット(V1)及びNACKの伝送及び受信には、パーシステントスケジューリング方式が適用される。すなわち、端末は、初期伝送VoIPパケット(V1)を受信したりNACK(またはACK)を送信する度にDLスケジューリング情報またはULスケジューリング情報を当該基地局から受け取らずに、当該基地局にあらかじめ割り当てられたスケジューリング情報を利用する。したがって、S62及びS63段階で、端末は、スケジューリング情報を受信する必要がない。
【0047】
上記の通り、端末が初期伝送VoIPパケット(V1)を受信したりNACK(またはACK)を送信する時には、パーシステントスケジューリング方式が適用されるが、基地局による再伝送VoIPパケットの伝送には動的スケジューリング方式が適用される。したがって、端末が基地局にNACKを伝送した後には、再伝送パケットを受信するためにスケジューリング情報をまず受信しなければならず、そのために端末はL1/L2制御チャネルのPDCCHをモニタリングする。
【0048】
図6で、基地局は、PDCCHを通じて第1スケジューリング情報を端末に伝送する[S64]。第1スケジューリング情報は、動的スケジューリング方式によって端末に上り及び下りチャネルリソースを割り当てるための情報で、DLスケジューリング情報及びULスケジューリング情報を含むことができる。第1スケジューリング情報は、基地局が端末にSRBパケットを伝送するためのスケジューリング情報であると仮定する。
【0049】
端末は、S63段階で、基地局から伝送されてきた初期伝送VoIPパケットに対してNACKを伝送した状態であるので、初期伝送VoIPパケット(V1)に対する再伝送VoIPパケットを受信するためにPDCCHをモニタリングする。ところが、PDCCHを通じて再伝送VoIPパケットを受信するためのスケジューリング情報が伝送されずに、S64段階のように、SRBパケットを伝送するための第1スケジューリング情報が伝送される場合、従来技術によれば、端末は、この第1スケジューリング情報を再伝送VoIPパケットの受信のためのスケジューリング情報と誤認することがある。この場合、端末は、第1スケジューリング情報を用いて受信される初期伝送SRBパケットを再伝送VoIPパケットと判断し、HARQ方式によって初期伝送VoIPパケットと結合してパケットの復元を試みることになり、結果として誤りを発生させる。
【0050】
このような誤りを防止するために、図6の実施例では、PDCCHを通じて伝送されるスケジューリング情報に、該当のスケジューリング情報が特定スケジューリング方式によって伝送される旨を指示するための指示情報を含めて伝送する。図6の実施例では、この指示情報として、S61段階で割り当てられた二つの端末識別子を用いる。すなわち、C−RNTIは、動的スケジューリング方式によってスケジューリング情報が伝送される旨を指示する情報として利用し、SPS−C−RNTIは、パーシステントスケジューリング方式によって伝送された初期伝送パケットに対する再伝送パケットを伝送するためのスケジューリング情報が伝送される旨を指示する情報として利用することができる。すなわち、図6で、SPS−C−RNTIは、該当のスケジューリング情報がパーシステントスケジューリング方式によって伝送された初期伝送VoIPパケットに対する再伝送VoIPパケットの伝送のためのスケジューリング情報である旨を指示するために使用される。C−RNTIまたはSPS−C−RNTIは、該当のスケジューリング情報に含まれて伝送されたり、スケジューリング情報にCRCマスキングされる形態で伝送されたりすることができる。
【0051】
図6で、S64段階で受信されたスケジューリング情報にC−RNTIが含まれている場合、端末は、このスケジューリング情報が動的スケジューリング方式によるスケジューリング情報であることを認識し、このスケジューリング情報を用いて、基地局から伝送される初期伝送SRBパケット(S1)を受信する[S65]。
【0052】
基地局は、初期伝送VoIPパケット(V1)に対する再伝送パケット(V2)を伝送するために、PDCCHを通じてSPS−C−RNTIの含まれた第2スケジューリング情報を端末に伝送する[S66]。端末は、SPS−C−RNTIの含まれた第2スケジューリング情報を受信すると、この第2スケジューリング情報を用いて、基地局から伝送される再伝送VoIPパケット(V2)を受信する[S67]。端末は、HARQ方式によって、受信した再伝送VoIPパケット(V2)と初期伝送VoIPパケット(V1)とを結合してVoIPパケットを復元する[S68]。VoIPパケットの復元に成功すると、端末は、基地局に受信肯定確認信号(ACK)を伝送する[S69]。このVoIPパケットは、基地局から端末に伝送しようとしたデータパケットを意味するもので、HARQ方式によって伝送するために、初期伝送VoIPパケット(V1)、再伝送VoIPパケット(V2)に分割して端末に伝送されたものである。
【0053】
図6の実施例で、第1及び第2スケジューリング情報は、この第1及び第2スケジューリング情報によって基地局から端末に伝送されるデータパケットが初期伝送パケットなのか或いは再伝送パケットなのかを識別できる識別情報をさらに含むことができる。この識別情報は、第1スケジューリング情報及び第2スケジューリング情報の特定フィールドを、既に設定された値に設定することによって、第1及び第2スケジューリング情報に含めることができる。例えば、第1及び第2スケジューリング情報に含まれるリダンダンシーバージョン(RV: Redundancy Version)フィールドに1、2、3などのような特定値を設定することによって、1番目の再伝送パケット、2番目の再伝送パケット、3番目の再伝送パケットであることを表示することができる。RVフィールドの他にも、第1及び第2スケジューリング情報に含まれる別のフィールド、例えば、HARQプロセスIDフィールド、フォーマット(format)フィールド、MCSフィールド、NDI(New data indicator)フィールド、TPCフィールド、“Cyclic shift for DMRS”フィールド、“TX antenna”フィールド、CQI要請フィールドなどの少なくとも一つのフィールドを特定値に設定することによって識別情報として用いることができる。
【0054】
図6の実施例で、スケジューリング情報に含まれた特定フィールド、例えば、HARQプロセスIDフィールドが、あらかじめ約束された特定値に設定された場合、このスケジューリング情報を受信した端末は、該スケジューリング情報がパーシステントスケジューリング方式のための設定情報であると見なす。したがって、この特定値に設定されたHARQプロセスIDフィールドが含まれたスケジューリング情報を受信した端末は、無線ベアラ(RB)または呼設定が解除されるか、或いは、別のスケジューリング情報に更新されるまでこのスケジューリング情報を用いてパーシステントスケジューリング方式によってデータを送信または受信する。
【0055】
この場合、特定値以外の値に設定されたHARQプロセスIDフィールドが含まれたスケジューリング情報を受信した端末は、このスケジューリング情報を該当の伝送時間区間(TTI: Transport Time Interval)でのみ使用したり、このスケジューリング情報と関連したHARQプロセッサで最大伝送制限回数(maximum number of transmission)に到達するまでのみ使用する。
【0056】
図7は、本発明の他の実施例によるデータ伝送方法の手順を示すフローチャートである。図7の実施例は、図6の実施例と同様に、端末(UE)がパーシステントスケジューリング方式によって音声データ(VoIPパケット)を受信する途中に、動的スケジューリング方式によってSRBパケットを受信する例に関するもので、動的スケジューリング方式によるHARQ手法とパーシステントスケジューリング方式によるHARQ手法を区別するための実施例である。以下では、本発明の実施例の理解に必要な限度でのみ説明をし、その他ネットワークと端末間の通信のために必要な一般的な手順についての説明は省略する。
【0057】
上記の通り、端末が初期伝送VoIPパケットを受信したり、初期伝送VoIPパケットに対するNACK(またはACK)を送信する時にはパーシステントスケジューリング方式が適用されるが、基地局による再伝送VoIPパケットの伝送には動的スケジューリング方式が適用される。したがって、端末が基地局に初期伝送VoIPパケットに対するNACKを伝送した後にこの基地局から再伝送VoIPパケットを受信するためには、PDCCHを通じてスケジューリング情報をまず受信しなければならない。
【0058】
端末が音声通話をする途中に動的スケジューリング方式によるパケット、例えば、SRBパケットを受信すると、再伝送VoIPパケットの送受信のために伝送されるスケジューリング情報とSRBパケットの受信のために伝送されるスケジューリング情報とを区別して受信する必要がある。このために、図7の実施例では、再伝送VoIPパケットの送受信のために伝送されるスケジューリング情報に含まれるHARQプロセスIDフィールドを、少なくとも一つの特定値に設定する。図7の実施例は、HARQプロセスIDフィールドが‘101’、‘110’、‘111’に設定された場合、該当のスケジューリング情報が再伝送VoIPパケットの送受信のために伝送されるスケジューリング情報である旨を表す例である。基地局と端末は、初期接続過程、呼設定過程またはRB設定過程などで、再伝送VoIPパケットの送受信のために伝送されるスケジューリング情報であることを表すためにHARQプロセスIDフィールドを上記の特定値にあらかじめ設定するように約束することができる。
【0059】
図7を参照すると、基地局(eNB)は端末(UE)に初期伝送VoIPパケット(V1)を伝送する[S71]。この初期伝送VoIPパケットは、再伝送パケットでない音声データパケットを意味する。端末が初期伝送VoIPパケットを成功的に受信できなかった場合、端末は基地局に否定受信確認信号(NACK)を伝送する[S72]。
【0060】
基地局は、初期伝送SRBパケット(S1)を伝送するために、PDCCHを通じて第1スケジューリング情報を端末に伝送する[S73]。端末は、受信された第1スケジューリング情報に含まれたHARQプロセスIDフィールドの設定値が、あらかじめ約束された特定値でない場合、この第1スケジューリング情報が初期伝送VoIPパケット(V1)に対する再伝送パケットのためのものでないことを認識する。第1スケジューリング情報のHARQプロセスIDフィールドが、あらかじめ約束された値ではなく、‘000’に設定されたので、端末は、第1スケジューリング情報を用いて基地局から伝送される初期伝送SRBパケット(S1)を受信する[S74]。この初期伝送SRBパケット(S1)を成功的に復号できなかった場合、端末は基地局にNACKを伝送する[S75]。
【0061】
基地局は、初期伝送VoIPパケット(V1)に対する第1再伝送VoIPパケット(V2)を端末に伝送するために、HARQプロセスIDフィールドがあらかじめ約束された特定値の一つである‘101’に設定された第2スケジューリング情報を、PDCCHを通じて端末に伝送する[S76]。端末は、受信した第2スケジューリング情報のHARQプロセスIDフィールドが、あらかじめ約束された特定値に設定されたことを確認した後、この第2スケジューリング情報が初期伝送VoIPパケット(V1)に対する再伝送パケットのためのスケジューリング情報であることを把握できる。
【0062】
基地局は、第2スケジューリング情報によって第1再伝送VoIPパケット(V2)を端末に伝送し、端末は、第2スケジューリング情報を用いて第1再伝送VoIPパケット(V2)を受信する[S77]。端末は、HARQ方式によって第1再伝送VoIPパケット(V2)と初期伝送VoIPパケット(V1)とを結合(combining)して復号する[S78]。端末がVoIPパケットを成功的に復元できなかった場合、端末は基地局にNACKを伝送する[S79]。
【0063】
基地局は、初期伝送SRBパケット(S1)に対する再伝送パケットを伝送するために、HARQプロセスIDが‘000’に設定された第3スケジューリング情報をPDCCHを通じて端末に伝送する[S80]。基地局は、第3スケジューリング情報によって再伝送SRBパケット(S2)を端末に伝送し、端末は、第3スケジューリング情報を用いて再伝送SRBパケット(S2)を受信する[S81]。端末は、受信した再伝送SRBパケット(S2)と初期伝送SRBパケット(S1)とを結合して復号し[S82]、復号に成功すると、基地局にACKを伝送する[S83]。
【0064】
基地局は、第1再伝送VoIPパケット(V2)に対する再伝送パケットを伝送するために、端末にHARQプロセスIDフィールドが‘110’に設定された第4スケジューリング情報を、PDCCHを通じて伝送する[S84]。端末は、受信した第4スケジューリング情報のHARQプロセスIDフィールドが、あらかじめ約束された特定値に設定されたことを確認した後、この第4スケジューリング情報が第1再伝送VoIPパケット(V2)に対する再伝送パケットのためのスケジューリング情報であることを把握できる。
【0065】
基地局は、第4スケジューリング情報によって、第1再伝送VoIPパケット(V2)に対する再伝送パケットである第2再伝送VoIPパケット(V3)を端末に伝送し、端末は、第4スケジューリング情報を用いて第2再伝送VoIPパケット(V3)を受信する[S85]。端末は、HARQ方式によって、第2再伝送VoIPパケット(V3)、第1再伝送VoIPパケット(V2)及び初期伝送VoIPパケット(V1)を結合して復号する[S86]。VoIPパケットを成功的に復元した場合、端末は基地局にACKを伝送する[S87]。
【0066】
図7の実施例のように、再伝送VoIPパケットの送受信のために伝送されるスケジューリング情報であることを表すために、HARQプロセスIDフィールドを多数の特定値に設定できるようにした場合、多数の特定値が順次にHARQプロセスIDフィールドに含まることもでき、任意に選択された特定値がHARQプロセスIDフィールドに含まれることもできる。再伝送VoIPパケットの送受信のために伝送されるスケジューリング情報であることを表すために、HARQプロセスIDフィールドではなく、スケジューリング情報の別のフィールドを特定値に設定することも可能である。
【0067】
図7の実施例は、スケジューリング情報に含まれるHARQプロセスIDフィールドを特定値に設定することによって、該スケジューリング情報がパーシステントスケジューリング方式により伝送された初期伝送VoIPパケットに対する再伝送パケットのためのスケジューリング情報であることを表した例である。
【0068】
他の実施例として、スケジューリング情報に含まれた特定フィールド、例えば、HARQプロセスIDフィールドがあらかじめ約束された特定値に設定された場合、このスケジューリング情報を受信した端末は、このスケジューリング情報がパーシステントスケジューリング方式のための設定情報であると見なす。したがって、この特定値に設定されたHARQプロセスIDフィールドが含まれたスケジューリング情報を受信した端末は、無線ベアラ(RB)または呼設定が解除されるか、または、他のスケジューリング情報に更新されるまで、当該スケジューリング情報を用いてパーシステントスケジューリング方式によってデータを送信したり受信する。
【0069】
この場合、上記特定値以外の値に設定されたHARQプロセスIDフィールドが含まれたスケジューリング情報を受信した端末は、このスケジューリング情報を該当の伝送時間区間(TTI: Transport Time Interval)でのみ使用したり、このスケジューリング情報と関連したHARQプロセッサで最大伝送制限回数(maximum number of transmission)に到達するまでのみ使用する。
【0070】
図8は、本発明のさらに他の実施例によるデータ通信方法の手順を示すフローチャー
トである。図8の実施例は、パーシステントスケジューリング方式によって端末が基地局にアップリンクデータ、例えば、音声通話のためのデータを送信する例に関するものである。以下では、本発明の実施例の理解に必要な限度でのみ説明をし、その他ネットワークと端末間の通信のために必要な一般的な手順についての説明は省略する。
【0071】
上記の通り、パーシステントスケジューリング方式によって初期伝送データパケットを伝送する場合にも、この初期伝送データパケットに対する再伝送パケットの伝送については動的スケジューリング方式が用いられる。また、パーシステントスケジューリングの設定のための第1スケジューリング情報及びパーシステントスケジューリング方式による初期伝送データパケットに対する再伝送パケットを伝送するための第2スケジューリング情報は、同一のSPS−C−RNTIを使用する。そのため、第1スケジューリング情報及び第2スケジューリング情報を区別するためにスケジューリング情報に含まれる特定フィールドや指示子を用いることができ、図8の実施例では、NDI(New Data Indicator)を用いる。ただし、この特定フィールドや指示子がNDIに制限されるわけではない。例えば、パーシステントスケジューリングの設定のためのスケジューリング情報を区別するために、このスケジューリング情報に含まれるRV(redundancy version)をあらかじめ指定された値に設定することも可能である。
【0072】
本文書で、“初期伝送データパケット”とは、HARQ伝送において各HARQプロセス別に初めて伝送されるパケットのことを意味する。また、“再伝送データパケット”は、初期伝送データパケットまたは別の再伝送データパケットに対して受信側からNACKを受信した場合に再伝送されるパケットのことを意味する。
【0073】
図8を参照すると、基地局(eNB)は、PDCCHを通じてパーシステントスケジューリングの設定(configuration)のための第1スケジューリング情報を端末(UE)に伝送する[S801]。この第1スケジューリング情報は、アップリンクチャネルリソース割当情報及びHARQ関連情報を含む。該第1スケジューリング情報は、端末に割り当てられたSPS−C−RNTIを用いてCRCマスキングされ、この第1スケジューリング情報に含まれるNDIは“0”に設定される。端末は、SPS−C−RNTIから、第1スケジューリング情報がパーシステントスケジューリングと関連した情報であることがわかり、“0”に設定されたNDIから、第1スケジューリング情報がパーシステントスケジューリングの設定情報であることがわかる。端末は、第1スケジューリング情報に含まれたアップリンクチャネルリソース割当情報及びHARQ関連情報を用いて周期的にアップリンクデータパケットを伝送する。端末は、第1スケジューリング情報を、無線ベアラ(RB)が解除されたり、別の設定情報に代替されるまで使用し続く。
【0074】
この第1スケジューリング情報を受信した端末は、アップリンクチャネルリソース割当情報を用いて基地局に第1初期伝送データパケットを伝送する[S802]。基地局が第1初期伝送データパケットの復号に失敗した場合、基地局は端末にNACKを伝送する[S803]。端末にNACKを伝送した後に基地局は、PDCCHを通じて端末に第2スケジューリング情報を伝送する[S804]。この第2スケジューリング情報は、再伝送パケットの伝送のためのアップリンクチャネルリソース割当情報及びHARQ関連情報を含む。また、第2スケジューリング情報は、SPS−C−RNTIを含み、第2スケジューリング情報が再伝送パケットの伝送と関連する旨を指示するためにNDIは“1”に設定される。
【0075】
端末は、第2スケジューリング情報に含まれたアップリンクチャネルリソース割当情報を用いて、基地局に第1初期伝送データパケットに対する再伝送パケットとして第1再伝送データパケットを伝送する[S805]。基地局は、この第1再伝送データパケットを第1初期伝送データパケットと結合して復号し、復号に成功した場合、端末にACKを伝送する[S806]。
【0076】
端末は、基地局に第2初期伝送データパケットを伝送する[S807]。この時、端末は、第1スケジューリング情報に含まれたアップリンクチャネルリソース割当情報に応じたアップリンクチャネルリソースを通じて第2初期伝送データパケットを伝送する。基地局が第2初期伝送データパケットの復号に失敗した場合、基地局は端末にNACKを伝送する[S808]。その後、基地局は、端末に割り当てられたSPS−C−RNTIを用いて、第3スケジューリング情報を端末に伝送する[S809]。第3スケジューリング情報は“1”に設定されたNDIを含み、端末は、このNDIから、第3スケジューリング情報が再伝送データパケットの伝送のための情報であることがわかる。端末は、第3スケジューリング情報に含まれたアップリンクチャネルリソース割当情報を用いて、基地局に第2初期伝送データパケットに対する再伝送パケットとして第2再伝送データパケットを伝送する[S810]。基地局は、第2再伝送データパケットを第2初期伝送データパケットと結合して復号し、復号に成功した場合、端末にACKを伝送する[S811]。
【0077】
基地局がパーシステントスケジューリングのための設定情報を変更する必要がある場合、基地局は、第4スケジューリング情報を端末に伝送する[S812]。第4スケジューリング情報は、端末に割り当てられたSPS−C−RNTIを含み、第4スケジューリング情報に含まれたNDIは“0”に設定される。端末は、“0”に設定されたNDIから、第4スケジューリング情報がパーシステントスケジューリングの設定のための情報であることが把握できる。以降、端末が基地局に初期伝送データパケットを伝送するために、第4スケジューリング情報に含まれたアップリンクチャネルリソース割当情報及びHARQ関連情報を利用する。
【0078】
図9は、本発明のさらに他の実施例によるデータ通信方法の手順を示すフローチャートである。図9の実施例は、パーシステントスケジューリング方式によって端末が基地局からダウンリンクデータ、例えば、音声通話のためのデータを受信する例に関するものである。以下では、本発明の実施例の理解に必要な限度でのみ説明をし、その他ネットワークと端末間の通信のために必要な一般的な手順についての説明は省略する。
【0079】
図8の実施例がアップリンクデータの伝送に関連するものであり、図9の実施例がダウンリンクデータの受信と関連するものである点以外は、図9の実施例の基本的な構造は、図8の実施例のそれと略同様である。ただし、図9の実施例では、多数のHARQプロセスIDのうち少なくとも一つが、パーシステントスケジューリングのためのものとして端末にあらかじめ割り当てられる。
【0080】
図9を参照すると、基地局(eNB)は、例えば、“0”〜“7”までの8個のHARQプロセスIDのうち、“0”及び“1”をパーシステントスケジューリングのためのHARQプロセスIDとして端末(UE)に割り当てる[S901]。これらのHARQプロセスIDは、呼設定や無線ベアラ設定過程で、RRCメッセージを通じて基地局から端末に割り当てられることができる。端末は、初期伝送データパケットのHARQプロセスIDを、基地局からあらかじめ割り当てられたHARQプロセスIDのうちの各HARQプロセスIDに順次に設定する。図9の実施例では、二つのHARQプロセスIDをパーシステントスケジューリングのために割り当てたが、場合によっては、一つのHARQプロセスIDまたは三つ以上のHARQプロセスIDをパーシステントスケジューリングのためにあらかじめ割り当てることも可能である。
【0081】
基地局は、PDCCHを通じてパーシステントスケジューリングの設定(configuration)のための第1スケジューリング情報を端末(UE)に伝送する[S902]。第1スケジューリング情報は、ダウンリンクチャネルリソース割当情報及びHARQ関連情報を含む。第1スケジューリング情報は、端末に割り当てられたSPS−C−RNTIを用いてCRCマスキングされ、第1スケジューリング情報に含まれるNDIは、“0”に設定される。端末は、SPS−C−RNTIから、この第1スケジューリング情報がパーシステントスケジューリングと関連する情報であることがわかり、“0”に設定されたNDIから、第1スケジューリング情報がパーシステントスケジューリングの設定情報であることがわかる。端末は、第1スケジューリング情報に含まれたダウンリンクチャネルリソース割当情報によって割り当てられたダウンリンクチャネルリソースを用いて、基地局からダウンリンクデータパケットを受信する。端末は、第1スケジューリング情報を、無線ベアラ(RB)が解除されたり、別の設定情報に代替されるまで持続して用いる。
【0082】
第1スケジューリング情報を受信した端末は、当該ダウンリンクチャネルリソース割当情報を用いて基地局から第1初期伝送データパケットを受信する[S903]。端末は、第1初期伝送データパケットのためのHARQプロセスIDが、S901段階であらかじめ割り当てられたHARQプロセスIDのうちの1番目のID、すなわち、“0”であると見なし、第1初期伝送データパケットを復号する。
【0083】
端末は、第1初期伝送データパケットの復号に失敗した場合、基地局にNACKを伝送する[S904]。基地局は、DPCCHを通じて端末に第2スケジューリング情報を伝送する[S905]。この第2スケジューリング情報は、再伝送パケットの受信のためのダウンリンクチャネルリソース割当情報及びHARQ関連情報を含む。HARQ関連情報に含まれるHARQプロセスIDは、“0”に設定される。端末は、“0”に設定されたHARQプロセスIDから、この第2スケジューリング情報を用いて受信されるデータパケットが第1初期伝送データパケットに対する再伝送パケットであることがわかる。また、第2スケジューリング情報は、SPS−C−RNTIを含み、この第2スケジューリング情報が再伝送パケットの受信と関連する旨を指示するためにNDIは“1”に設定される。
【0084】
端末は、第2スケジューリング情報に含まれたダウンリンクチャネルリソース割当情報及びHARQ関連情報を用いて、基地局から第1初期伝送データパケットに対する再伝送パケットとして第1再伝送データパケットを受信する[S906]。端末は、この第1再伝送データパケットを第1初期伝送データパケットと結合して復号し、復号に失敗した場合、基地局にNACKを伝送する[S907]。
【0085】
端末は、基地局から第2初期伝送データパケットを受信する[S908]。この時、端末は、第1スケジューリング情報に含まれたダウンリンクチャネルリソース割当情報及びHARQ関連情報を用いて第2初期伝送データパケットを受信する。端末は、第2初期伝送データパケットのためのHARQプロセスIDが、上記S901段階であらかじめ割り当てられたHARQプロセスIDのうちの2番目のID、すなわち、“1”であると見なして、第2初期伝送データパケットを復号する。
【0086】
この第2初期伝送データパケットの復号に失敗した場合、端末は基地局にNACKを伝送する[S909]。基地局は、端末に割り当てられたSPS−C−RNTIを用いて第3スケジューリング情報を端末に伝送する[S910]。第3スケジューリング情報は、“1”に設定されたNDIを含み、端末は、このNDIから、第3スケジューリング情報が再伝送データパケットの伝送のための情報であることがわかる。また、第3スケジューリング情報は“1”に設定されたHARQプロセスIDを含み、端末は、“1”に設定されたHARQプロセスIDから、第3スケジューリング情報を用いて受信されるデータパケットが第2初期伝送データパケットの再伝送パケットであることがわかる。
【0087】
端末は、第3スケジューリング情報に含まれたダウンリンクチャネルリソース割当情報及びHARQ関連情報を用いて、基地局から第2初期伝送データパケットに対する再伝送パケットとして第2再伝送データパケットを受信する[S911]。端末は、第2再伝送データパケットを第2初期伝送データパケットと結合して復号し、復号に成功した場合、端末にACKを伝送する[S912]。
【0088】
基地局は、端末に割り当てられたSPS−C−RNTIを用いて第4スケジューリング情報を端末に伝送する[S913]。第4スケジューリング情報は、“1”に設定されたNDIを含む。また、第4スケジューリング情報は、“0”に設定されたHARQプロセスIDを含み、端末は、“0”に設定されたHARQプロセスIDから、第4スケジューリング情報を用いて受信されるデータパケットが第1初期伝送データパケットの再伝送パケットであることがわかる。
【0089】
端末は、第4スケジューリング情報に含まれたダウンリンクチャネルリソース割当情報及びHARQ関連情報を用いて基地局から第1初期伝送データパケットに対する再伝送パケットとして第3再伝送データパケットを受信する[S914]。端末は、第3再伝送データパケットを第1初期伝送データパケット及び第1再伝送データパケットと結合して復号し、復号に成功した場合、端末にACKを伝送する[S915]。
【0090】
基地局がパーシステントスケジューリングのための設定情報を変更する必要がある場合、基地局は、第5スケジューリング情報を端末に伝送する[S916]。第5スケジューリング情報は、端末に割り当てられたSPS−C−RNTIを含み、第5スケジューリング情報に含まれたNDIは、“0”に設定される。端末は、“0”に設定されたNDIから、第5スケジューリング情報がパーシステントスケジューリングの設定のための情報であることが把握できる。以降、端末が基地局から初期伝送データパケットを受信するために、第5スケジューリング情報に含まれたダウンリンクチャネルリソース割当情報及びHARQ関連情報を用いる。
【0091】
図10は、本発明のさらに他の実施例によるデータ伝送方法の手順を示すフローチャートである。図10の実施例は、パーシステントスケジューリング方式によって基地局と端末が通信、例えば、音声通話のためのデータ送受信をする過程で、既に設定された所定イベントが発生した場合、当該イベント発生による後続措置が素早く取れるようにする例に関するものである。以下では、本発明の実施例の理解に必要な限度でのみ説明をし、その他ネットワークと端末間の通信のために必要な一般的な手順についての説明は省略する。
【0092】
図10を参照すると、基地局は、端末にパーシステントスケジューリング方式によってあらかじめ無線リソースを割り当てる[S1001]。この無線リソースの割当は、RB設定過程または音声呼設定過程などで、基地局が端末に音声通話のためのスケジューリング情報を伝送することによって行うことができる。端末は基地局とあらかじめ受信されたスケジューリング情報を用いて音声通話を行う[S1002]。
【0093】
パーシステントスケジューリング方式によって音声通話を行う途中に端末及び/または基地局に所定イベントが発生すると[S1003]、端末は所定過程を行う[S1004]。所定イベントは、パーシステントスケジューリング方式によって端末に既に割り当てられた無線リソースだけでは円滑な通信が行えない状況に関するものである。端末が行う所定過程は、端末がイベントの発生を基地局に知らせることによって無線リソースの再割当などのような措置が取れるようにすることに関連する。
【0094】
所定イベントの例としては、音声通話で用いられるコーデックモードの変更、音声通話時に音声通話と無関係なデータ、例えば、SRBパケット、RTCPまたはTCPデータの発生、圧縮ヘッダーパケットが発生する途中でフルヘッダーパケットが生成された場合、生成されたデータの量がパーシステントスケジューリング方式によってあらかじめ割り当てられた無線リソースを用いて伝送できるデータの量よりも多い場合、音声区間と黙音区間との相互切替が発生した場合などを挙げることができる。
【0095】
S1001段階で端末が行う所定過程の例としては、下記のようなものが挙げられる。
【0096】
その第一は、端末が既に設定されたチャネル、例えば、D−SRチャネルを通じて所定情報を伝送することによって、基地局に追加的な無線リソースの割当を要請したり新しい無線リソースの割当を要請したりすることである。
【0097】
第二は、既に設定されたチャネルがない場合、端末がランダムアクセスチャネル(RACH: Random Access Channel)を通じたランダムアクセス過程を行って基地局に所定情報を伝送することによって、追加的な無線リソースの割当を要請したり新しい無線リソースの割当を要請したりすることである。
【0098】
第三は、端末が基地局にバッファー状態報告(buffer status report)をすることである。すなわち、端末が自身のバッファーに蓄積されたデータの量に関する情報を基地局に伝送することによって、追加的な無線リソースの割当を要請したり新しい無線リソースの割当を要請したりすることである。
【0099】
以上説明してきた実施例は、本発明の構成要素及び特徴が所定形態に結合されたものである。各構成要素または特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素または特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施することもでき、一部構成要素及び/または特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更可能である。ある実施例の一部構成や特徴は、別の実施例に含まれることもでき、別の実施例の対応する構成または特徴に取って代わることもできる。特許請求の範囲において明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成する、または、出願後の補正により新しい請求項とすることができることは明らかである。
【0100】
本文書で、本発明の実施例は、端末と基地局間のデータ送受信関係を中心に説明された。本文書で基地局により行われるとした特定動作は、場合によっては、その上位ノード(upper node)により行なわれることもできる。すなわち、基地局を含む多数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局または基地局以外の別のネットワークノードにより行なわれうることは明らかである。‘基地局’は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(access point)などの用語に代替可能である。また、‘端末’は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile
Subscriber Station)などの用語に代替可能である。
【0101】
本発明による実施例は様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェアまたはそれらの結合などにより具現されることができる。ハードウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、一つまたはそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどにより具現されることができる。
【0102】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、以上で説明された機能または動作を行うモジュール、手順、関数などの形態で具現されることができる。ソフトウェアコードはメモリユニットに記憶され、プロセッサにより駆動されることができる。メモリユニットは、プロセッサの内部または外部に設けられ、既に公知の様々な手段によりプロセッサとデータを交換することができる。
【0103】
本発明は、本発明の特徴を逸脱しない範囲で別の特定の形態に具体化可能であるということは、当業者にとっては自明である。したがって、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制限的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的な解釈により決定すべきであり、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおけるユーザ機器(UE)のためのデータ通信方法であって、
前記方法は、
ユーザ機器において、第1のスケジューリング情報をネットワークから受信することであって、前記スケジューリング情報は、new data indicator(NDI)と割当情報とを含む、ことと、
前記第1のスケジューリング情報の値に関連するNDIが第1値である場合には、semi−persistent schedulingに従って、前記割当情報が初期割当情報であることを決定することと、
前記第1のスケジューリング情報に従って、初期伝送データパケットを受信することであって、前記初期伝送データパケットに関連するHARQプロセス識別子が、前記スケジューリング情報を受信する前に、前記ネットワークによって事前に割り当てられている、ことと、
第2のスケジューリング情報を前記ネットワークから受信することであって、前記第2のスケジューリング情報は、NDIと割当情報とを含む、ことと、
前記第2のスケジューリング情報に関連するNDIが第2値を有する場合には、次に受信されるデータパケットが再伝送データパケットであることを決定することと、
前記再伝送データパケットを受信することであって、前記第2のスケジューリング情報は、再伝送データパケットに関連するHARQプロセス識別子をさらに含む、ことと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記第2のスケジューリング情報が、ダウンリンクリソース割当情報とHARQ関連情報とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記受信された初期伝送データパケットに関連する前記HARQプロセス識別子は、2つ以上のHARQプロセス識別子が存在する場合に、2つ以上の対応するHARQプロセス識別子のうちの第1のHARQ識別子に順番に設定される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1および第2のスケジューリング情報は、第1のUEのために受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1および第2のスケジューリング情報は、Semi−Persistent Scheduling−C−RNTIを含み、第1のUE識別は、前記Semi−Persistent Scheduling−C−RNTIによって定義される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1および第2のスケジューリング情報が、第2のUE識別のために受信された場合、前記ネットワークからダウンリンクデータパケットを受信するために、動的スケジューリングに従うリソース割当情報として、前記スケジューリング情報を利用する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1および第2のスケジューリング情報は、Semi−Persistent Scheduling C−RNTIを含み、前記第2のUE識別は、前記C−RNTIによって定義される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
無線通信システムにおいて使用するユーザ機器(UE)であって、
前記ユーザ機器は、
第1のスケジューリング情報をネットワークから受信する手段であって、前記スケジューリング情報は、new data indicator(NDI)と割当情報とを含む、手段と、
前記第1のスケジューリング情報の値に関連するNDIが第1値である場合には、semi−persistent schedulingに従って、前記割当情報が初期割当情報であることを決定する手段と、
前記第1のスケジューリング情報に従って、初期伝送データパケットを受信する手段であって、前記初期伝送データパケットに関連するHARQプロセス識別子が、前記スケジューリング情報を受信する前に、前記ネットワークによって事前に割り当てられている、手段と、
第2のスケジューリング情報を前記ネットワークから受信する手段であって、前記第2のスケジューリング情報は、NDIと割当情報とを含む、手段と、
前記第2のスケジューリング情報に関連するNDIが第2値を有する場合には、次に受信されるデータパケットが再伝送データパケットであることを決定する手段と、
再伝送データパケットを受信する手段であって、前記第2のスケジューリング情報は、再伝送データパケットに関連するHARQプロセス識別子をさらに含む、手段と
を含む、UE。
【請求項9】
前記第2のスケジューリング情報が、ダウンリンクリソース割当情報とHARQ関連情報とを含む、請求項8に記載のユーザ機器。
【請求項10】
前記受信された初期伝送データパケットに関連する前記HARQプロセス識別子は、2つ以上のHARQプロセス識別子が存在する場合に、2つ以上の対応するHARQプロセス識別子のうちの第1のHARQ識別子に順番に設定される、請求項8に記載のユーザ機器。
【請求項11】
前記第1および第2のスケジューリング情報は、第1のUEのために受信される、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記第1および第2のスケジューリング情報は、Semi−Persistent Scheduling−C−RNTIを含み、第1のUE識別は、前記Semi−Persistent Scheduling−C−RNTIによって定義される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1および第2のスケジューリング情報が、第2のUE識別のために受信される場合、前記ネットワークからダウンリンクデータパケットを受信するために、動的スケジューリングに従うリソース割当情報として、前記スケジューリング情報を利用する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第1および第2のスケジューリング情報は、Semi−Persistent Scheduling−C−RNTIを含み、前記第2のUE識別は、前記C−RNTIによって定義される、請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−90348(P2012−90348A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−23906(P2012−23906)
【出願日】平成24年2月7日(2012.2.7)
【分割の表示】特願2010−544245(P2010−544245)の分割
【原出願日】平成21年3月20日(2009.3.20)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】