説明

無線通信システムにおける無線資源割り当て方法

【課題】本発明は、無線通信システムでの無線資源割り当て方法に関するものである。
【解決手段】無線通信システムにおけるユーザ装置でデータを受信する方法であって、第1のスケジューリング情報をネットワークから受信して第1のスケジューリング情報に基づいて初期パケットをネットワークから受信し、ユーザ装置が初期パケットの正常なデコーディングに失敗した場合、NACKをネットワークに送信し、第2のスケジューリング情報をネットワークから受信して第2のスケジューリング情報に基づいて再送信パケットをネットワークから受信し、再送信パケットを初期パケットと組み合わせて、初期パケットおよび再送信パケットに関連するパケットを復元し、第1のスケジューリング情報および第2のスケジューリング情報のそれぞれは、スケジューリング情報がC−RNTIまたはSPS−C−RNTIのいずれかを有するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関するもので、より詳細には、無線通信システムにおける無線資源割り当て方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
直交周波数分割多元接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access;OFDMA)やシングルキャリア周波数分割多元接続(Single Carrier-Frequency Division Multiple Access;SC―FDMA)などのように多重搬送波方式を使用する無線通信システムにおいて、無線資源は、連続する副搬送波の集合であって、2次元空間の時間−周波数領域によって定義される。一つの時間−周波数領域は、時間座標と副搬送波座標によって決定される長方形に区分される。すなわち、一つの時間−周波数領域は、時間軸上での少なくとも一つのシンボルと周波数軸上での多数の副搬送波によって区画される長方形に区分される。この時間−周波数領域は、特定の端末(User Equipment;UE)のアップリンクに割り当てられたり、ダウンリンクでは、特定の端末に基地局(eNode B)が時間−周波数領域を送信したりすることができる。2次元空間でこの時間−周波数領域を定義するためには、OFDMシンボルの数と、周波数領域で基準点からオフセットだけ離れた位置で開始される連続する副搬送波の数とが与えられなければならない。
【0003】
現在論議が進行中の発展型ユニバーサル移動電話システム(Evolved Universal Mobile Telecommunications System;E−UMTS)では、10msの無線フレームを使用し、一つの無線フレームは10個のサブフレームで構成される。また、一つのサブフレームは、二つの連続するスロットで構成される。一つのスロットの長さは0.5msである。また、一つのサブフレームは多数のOFDMシンボルで構成され、多数のOFDMシンボルのうち一部のシンボル(例えば、1番目のシンボル)はL1/L2制御情報を送信するために使用される。
【0004】
図1は、E−UMTSシステムで使用する物理チャネル構造の一例を示した図で、一つのサブフレームは、L1/L2制御情報送信領域(ハッチングした部分)とデータ送信領域(ハッチングしていない部分)で構成される。
【0005】
図2は、E−UMTSでデータを送信する一般的な方法を説明するための図である。E−UMTSでは、スループットを向上させて円滑な通信を行うために、データ再送信技法の一つであるハイブリッド自動再送要求(Hybrid Auto Repeat reQuest;HARQ)技法を使用する。
【0006】
図2を参照すれば、基地局は、HARQ技法によってデータを端末に送信するためにDL L1/L2制御チャネル、例えば、物理ダウンリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)を介してダウンリンクスケジューリング情報(Downlink Scheduling Information、以下、DLスケジューリング情報という)を送信する。前記DLスケジューリング情報には、端末識別子または各端末のグループ識別子(UE IdまたはGroup Id)、ダウンリンクデータの送信のために割り当てられた無線資源の位置および区間情報、変調方式、ペイロードの大きさ、MIMO関連情報などの送信パラメータ、HARQプロセス情報、冗長バージョンおよび新しいデータであるか否かを識別する情報などが含まれる。
【0007】
前記過程でPDCCHを介して送信されるDLスケジューリング情報がどの端末のためのものであるかを知らせるために、端末識別子(またはグループ識別子)、例えば、無線ネットワーク一時識別子(Radio Network Temporary Identifier;RNTI)が送信される。RNTIは、個別RNTIと共用RNTIに分類することができる。個別RNTIは、基地局に情報が登録されている端末とのデータの送受信に使用される。共用RNTIは、基地局に情報が登録されていないため個別RNTIの割り当てを受けていない各端末との通信を行う場合、またはシステム情報のように複数の端末が共通に使用する情報の送受信を行う場合に使用される。例えば、ランダムアクセスチャネル(Random Access Channel;RACH)を介したランダムアクセス過程で使用されるRA−RNTIまたはT−C−RNTIは、共用RNTIの例である。前記端末識別子またはグループ識別子は、PDCCHを介して送信されるDLスケジューリング情報中に巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check;CRC)マスクの形態で送信される。
【0008】
特定セルに存在する各端末は、自体が有しているRNTI情報を用いてL1/L2制御チャネルを介してPDCCHをモニタリングし、自体のRNTIでCRCデコーディングに成功すれば、該当PDCCHを介してDLスケジューリング情報を受信する。前記端末は、受信したDLスケジューリング情報によって指示される物理ダウンリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel;PDSCH)を介して自体に送信されるダウンリンクデータを受信する。
【0009】
スケジューリング方式は、動的スケジューリング方式とパーシステント(persistent)またはセミパーシステント(semi-persistent)スケジューリング方式に分類することができる。前記動的スケジューリング方式は、特定端末のためにアップリンクまたはダウンリンク資源を割り当てる必要があるごとにDPCCHを介して前記端末にスケジューリング情報を送信する方式である。前記パーシステントスケジューリング方式は、基地局で、例えば、無線ベアラを設定するときなどの初期呼設定の際に、ダウンリンクまたはアップリンクスケジューリング情報を端末に静的に割り当てる方式をいう。
【0010】
パーシステントスケジューリング方式の場合、端末は、データを送信または受信するときごとに基地局からDLスケジューリング情報またはULスケジューリング情報の割り当てを受けるのではなく、前記基地局に予め割り当てられたスケジューリング情報を用いる。例えば、基地局が無線ベアラ設定過程でRRC信号を通して"A"という無線資源を通して、"B"という送信形式で"C"という周期によってダウンリンクデータを受信するように特定端末に予め設定した場合、前記端末は、"A"、"B"、"C"情報を用いて基地局から送信されるダウンリンクデータを受信することができる。これと同様に、端末が基地局にデータを送信する場合も、予め割り当てられたアップリンクスケジューリング情報によって予め定められた無線資源を用いてアップリンクデータを送信することができる。前記パーシステントスケジューリング方式は、音声通話などのトラフィックの特性が規則的なサービスによく適用されるスケジューリング方式である。
【0011】
音声通話で使用されるAMRコーデック、すなわち、音声コーデックを通して生成された音声データは特別な特性を有する。すなわち、音声データは、有音区間と無音区間の二つの区間に分類される。有音区間は、人が実際に話す間に生成される音声データ区間を意味し、無音区間は、人が話さない間に生成される音声データ区間である。例えば、有音区間での音声データを含む音声パケットは20msごとに生成され、無音区間での音声データを含む黙音パケット(SID)は160msごとに生成される。
【0012】
パーシステントスケジューリング方式を音声通話に使用する場合、基地局は、有音区間に合わせて無線資源を設定する。すなわち、基地局は、20msごとに音声パケットが生成されるという特性を用いて、呼設定段階で端末に20ms間隔でアップリンクまたはダウンリンクデータを送受信するための無線資源を予め設定する。端末は、20ms間隔ごとに予め設定された無線資源を用いてダウンリンクデータを受信したり、アップリンクデータを送信したりする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
無線通信システムで、一つの端末に対して動的スケジューリング方式とパーシステントスケジューリング方式を同時に適用して通信を行うことができる。例えば、HARQ方式によってVoIPサービスによる音声通話を行う場合、初期送信パケットに対してはパーシステントスケジューリング方式が適用され、再送信パケットに対しては動的スケジューリング方式が適用される。また、前記端末が二つ以上のサービスを同時に用いる場合、一つのサービスに対してはパーシステントスケジューリング方式が適用され、他のサービスに対しては動的スケジューリング方式が適用される。この場合において、前記端末の立場では、自体に送信されるスケジューリング情報がどのスケジューリング方式にしたがったものであるか、初期送信パケットまたは再送信パケットのためのものであるか、またはどのサービスのためのものであるかを明確に識別できる方式が要求される。
【0014】
したがって、本発明の目的は、当分野の制約や欠点に起因する一つまたは複数の問題を実質的に防止する無線通信システムにおける無線資源割当方法を提供することにある。
【0015】
本発明の目的は、無線通信システムで無線資源を効率的に使用できる無線通信システムにおける無線資源割当方法を提供することにある。
【0016】
本発明の他の目的は、多数のスケジューリング方式によって無線資源を割り当てる無線通信システムで、端末が各スケジューリング方式によるスケジューリング情報を明確に識別できる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一態様において、無線通信システムのネットワークは、多数のスケジューリング方式によって端末に無線資源を割り当てるためのもので、第1のスケジューリング方式によって端末に無線資源を割り当てるために第1の端末識別子を含む第1のスケジューリング情報を前記端末に送信し、第2のスケジューリング方式によって前記端末に無線資源を割り当てるために第2の端末識別子を含む第2のスケジューリング情報を前記端末に送信する。
【0018】
本発明の他の態様において、端末は、ネットワークから受信されたスケジューリング情報に第1の端末識別子が含まれている場合、第1のスケジューリング方式によって割り当てられた無線資源を用いてアップリンクデータを送信したり、ダウンリンクデータを受信したりする。前記スケジューリング情報に第2の端末識別子が含まれている場合、前記端末は、第2のスケジューリング方式によって割り当てられた無線資源を用いてアップリンクデータを送信したり、ダウンリンクデータを受信したりする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、無線通信システムで無線資源を効率的に使用することができ、多数のスケジューリング方式によって無線資源を割り当てる無線通信システムで端末が各スケジューリング方式によるスケジューリング情報を明確に識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】E−UMTSシステムで使用する物理チャネル構造の一例を示した図である。
【図2】E−UMTSでデータを送信する一般的な方法を説明するための図である。
【図3】E−UMTSのネットワーク構造を示した図である。
【図4】E−UTRANの概略構成図である。
【図5A】端末(UE)とE−UTRANとの間の無線インターフェースプロトコル構造における制御プレーンのプロトコル構成図である。
【図5B】端末(UE)とE−UTRANとの間の無線インターフェースプロトコル構造におけるユーザプレーンのプロトコル構成図である。
【図6】本発明の一実施例に係るデータ送信方法の手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付の図面を参照して説明する本発明の各実施例によって、本発明の構成、作用および他の特徴を容易に理解することができる。以下で説明する各実施例は、本発明の技術的特徴がE−UMTSに適用された例である。
【0022】
図3は、E−UMTSのネットワーク構造を示した図である。E−UMTSシステムは、既存のWCDMA UMTSシステムから発展したシステムであって、現在第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project;3GPP)で基礎的な標準化作業が進行している。E−UMTSはロングタームエボリューション(Long Term Evolution;LTE)システムとも呼ばれる。
【0023】
図3を参照すれば、発展型無線アクセスネットワーク(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network;E−UTRAN)は、基地局(以下、eNode BまたはeNBと略称する)で構成され、各eNBはX2インターフェースを介して相互に接続される。eNBは、無線インターフェースを介して端末(User Equipment;以下、UEと略称する)に接続され、S1インターフェースを介して発展型パケットコア(Evolved Packet Core;EPC)に接続される。EPCは、モビリティ管理機能(Mobility Management Entity;MME)/システムアーキテクチャエボリューション(System Architecture Evolution;SAE)ゲートウェイを含む。
【0024】
端末とネットワークとの間の無線インターフェースプロトコルの各レイヤは、通信システムで広く知られた開放型システム間相互接続(Open System Interconnection;OSI)基準モデルの下位3個のレイヤに基づいてL1(レイヤ1)、L2(レイヤ2)およびL3(レイヤ3)に分類されるが、これらのうちレイヤ1(L1)に属する物理レイヤは、物理チャネルを用いた情報送信サービスを提供し、レイヤ3に位置する無線資源制御(Radio Resource Control;以下、RRCと略称する)レイヤは、端末とネットワークとの間の無線資源を制御する役割を行う。このために、RRCレイヤは、端末とネットワークとの間でRRCメッセージを互いに交換する。RRCレイヤは、Node BおよびAGなどのネットワークノードに分散して配置されたり、Node BまたはAGに独立して配置されたりする。
【0025】
図4は、E−UTRANの概略的な構成図である。図4において、網かけ部分は、ユーザプレーンの機能エンティティを示したもので、ハッチングしていない部分は、制御プレーンの機能エンティティを示したものである。
【0026】
図5Aおよび図5Bは、端末(UE)とE−UTRANとの間の無線インターフェースプロトコルの構造を示した図であって、図5Aは制御プレーンのプロトコル構成図で、図5Bはユーザプレーンのプロトコル構成図である。図5Aおよび図5Bの無線インターフェースプロトコルは、水平方向には物理レイヤ、データリンクレイヤおよびネットワークレイヤからなり、垂直方向には、データ情報送信のためのユーザプレーンと制御信号伝達のための制御プレーンからなる。図5Aおよび図5Bの各プロトコルレイヤは、通信システムで広く知られた開放型システム間相互接続(Open System Interconnection;OSI)基準モデルの下位3個のレイヤに基づいてL1(レイヤ1)、L2(レイヤ2)およびL3(レイヤ3)に分類される。
【0027】
レイヤ1である物理レイヤは、物理チャネルを用いて上位レイヤに情報送信サービスを提供する。物理レイヤは、上位にあるメディアアクセス制御(Medium Access Control;以下、MACと略称する)レイヤとはトランスポートチャネルを介して接続されており、このトランスポートチャネルを介してMACレイヤと物理レイヤとの間のデータが移動する。そして、互いに異なる物理レイヤ間、すなわち、送信側と受信側の物理レイヤ間には物理チャネルを介してデータが転送される。E−UMTSでは、前記物理チャネルは直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing;OFDM)方式で変調され、これによって時間と周波数を無線資源として使用する。
【0028】
レイヤ2であるMACレイヤは、論理チャネルを介して上位レイヤである無線リンク制御(Radio Link Control;以下、RLCと略称する。)レイヤにサービスを提供する。レイヤ2のRLCレイヤは、信頼性のあるデータ送信を支援する。レイヤ2のPDCPレイヤは、IPv4やIPv6などのIPパケットを用いて送信されるデータが相対的に帯域幅の小さい無線区間で効率的に送信されるように、不必要な制御情報を減少させるヘッダ圧縮機能を行う。
【0029】
レイヤ3の最下部に位置したRRCレイヤは、制御プレーンのみで定義され、無線ベアラ(Radio Bearer;以下、RBと略称する。)の設定、再設定および解放と関連して論理チャネル、トランスポートチャネルおよび物理チャネルの制御を担当する。このとき、RBは、端末とUTRANとの間のデータ転送のためにレイヤ2によって提供されるサービスを意味する。
【0030】
ネットワークから端末にデータを送信するダウンリンクトランスポートチャネルとしては、システム情報を送信するブロードキャストチャネル(Broadcast Channel;BCH)、ページングメッセージを送信するページングチャネル(Paging Channel;PCH)、その他にユーザトラフィックや制御メッセージを送信するダウンリンク共有チャネル(Shared Channel;SCH)がある。ダウンリンクマルチキャストまたは放送サービスのトラフィックまたは制御メッセージは、ダウンリンクSCHを介して送信されたり、別のダウンリンクマルチキャストチャネル(Multicast Channel;MCH)を介して送信されたりする。一方、端末からネットワークにデータを送信するアップリンクトランスポートチャネルとしては、初期制御メッセージを送信するRACHと、その他にユーザトラフィックや制御メッセージを送信するアップリンクSCHがある。
【0031】
トランスポートチャネルの上位にあり、トランスポートチャネルにマッピングされる論理チャネルとしては、ブロードキャストチャネル(Broadcast Channel;BCCH)、ページング制御チャネル(Paging Control Channel;PCCH)、共通制御チャネル(Common Control Channel;CCCH)、マルチキャスト制御チャネル(Multicast Control Channel;MCCH)およびマルチキャストトラフィックチャネル(Multicast Traffic Channel;MTCH)などがある。
【0032】
E−UMTSシステムでは、ダウンリンクでOFDM方式を使用し、アップリンクではSC−FDMA方式を使用する。多重搬送波方式であるOFDMシステムは、搬送波の一部をグループ化した多数の副搬送波単位で資源を割り当てるシステムであって、接続方式としてOFDMAを使用する。
【0033】
図6は、本発明の一実施例に係るデータ送信方法の手順を示したフローチャートである。図6の実施例は、端末(UE)がパーシステントスケジューリング方式によって音声データ(VoIPパケット)を受信する途中で動的スケジューリング方式によってSRBパケットを受信する例に関するものである。以下では、本発明の一実施例の理解のために必要な場合のみ説明し、その他のネットワークと端末との間の通信のために必要な一般的な手順に対する説明は省略する。
【0034】
図6を参照すれば、基地局(eNB)は、前記端末に二つの端末識別子を割り当てる[S61]。前記二つの端末識別子の例としてC−RNTIおよびSPS−C−RNTI(Semi-Persistent Scheduling RNTI)が挙げられるが、これに限定されることはなく、他の端末識別子、例えば、一時C−RNTIまたはRA−RNTIでもよい。前記二つの端末識別子は、ランダムアクセス過程、呼設定過程または無線ベアラ(Radio Bearer;RB)設定過程などでネットワークによって前記端末に割り当てられる。また、前記二つの端末識別子は、同時にまたは個別に割り当てられる。
【0035】
前記基地局は、音声データの送受信のための無線資源を割り当てるために第1のスケジューリング情報を前記端末に送信する[S62]。前記第1のスケジューリング情報は、アップリンクおよびダウンリンクスケジューリング情報を含むことができる。前記第1のスケジューリング情報は、前記スケジューリング情報がパーシステントスケジューリング方式によって割り当てられていることを示すためにSPS−C−RNTIを含む。SPS−C−RNTIは、前記第1のスケジューリング情報の少なくとも一部にCRCマスクの形態で含まれる。前記第1のスケジューリング情報は、動的スケジューリング方式によるスケジューリング情報とは異なるフォーマット(第1のフォーマット)を有するように設定される。前記端末は、第1のフォーマットによって前記第1のスケジューリング情報をデコーディングし、前記第1のスケジューリング情報にSPS−C−RNTIが含まれている場合、前記第1のスケジューリング情報がパーシステントスケジューリング方式によるスケジューリング情報であることを認識する。前記第1のスケジューリング情報は、前記端末に割り当てられる無線資源の位置、割り当て周期および割り当て間隔と関連した情報を含む。前記端末は、前記第1のスケジューリング情報によって割り当て間隔で割り当てられた周期で割り当てられた無線資源を使用してアップリンクデータを送信したり、ダウンリンクデータを受信したりする。
【0036】
前記基地局は、前記第1のスケジューリング情報によって初期送信VoIPパケット(V1)をPDSCHを介して前記端末に送信する[S63]。前記初期送信VoIPパケット(V1)は、HARQ方式が適用される場合、再送信パケットでない音声パケットを意味する。前記端末が前記初期送信VoIPパケット(V1)を正常に受信していない場合、すなわち、前記初期送信VoIPパケットの復号に失敗した場合、前記端末は、否定受信確認信号(NACK)を物理アップリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)を介して前記基地局に送信する[S64]。前記端末は、前記第1のスケジューリング情報を用いて前記初期送信VoIPパケット(V1)を受信したり、NACK(またはACK)を送信したりする。
【0037】
前記端末が前記初期送信VoIPパケット(V1)を受信したり、NACK(またはACK)を送信したりするときには静的スケジューリング方式が適用されるが、前記基地局による再送信VoIPパケットの送信には動的スケジューリング方式が適用される。したがって、前記端末が前記基地局にNACKを送信した後、再送信パケットを受信するために、まず、スケジューリング情報を受信しなければならない。このため、前記端末は、L1/L2制御チャネルのPDCCHをモニタリングする。
【0038】
図6で、前記基地局は、PDCCHを介して第2のスケジューリング情報を前記端末に送信する[S65]。前記第2のスケジューリング情報は、動的スケジューリング方式によって前記端末にアップリンクおよびダウンリンクチャネル資源を割り当てるための情報であって、DLスケジューリング情報およびULスケジューリング情報を含むことができる。前記第2のスケジューリング情報は、前記第2のスケジューリング情報が動的スケジューリング方式によって割り当てられていることを示すためにC−RNTIを含む。C−RNTIは、前記第2のスケジューリング情報の少なくとも一部にCRCマスクの形態で含まれる。前記第2のスケジューリング情報は、静的スケジューリング方式によるスケジューリング情報、すなわち、第1のスケジューリング情報とは異なるフォーマット(第2のフォーマット)を有するように設定される。前記端末は、第2のフォーマットによって前記第2のスケジューリング情報をデコーディングし、前記第2のスケジューリング情報にC−RNTIが含まれている場合、前記第2のスケジューリング情報が動的スケジューリング方式によるスケジューリング情報であることを認識する。前記第2のスケジューリング情報はHARQプロセス識別子を含む。
【0039】
前記基地局は、前記第2のスケジューリング情報によって初期送信SRBパケット(S1)を前記端末に送信する[S66]。前記初期送信SRBパケット(S1)は、HARQ方式が適用される場合、再送信パケットでないSRBパケットを意味する。前記端末が前記初期送信SRBパケット(S1)を正常に受信していない場合、すなわち、前記初期送信SRBパケットの復号に失敗した場合、前記端末は、否定受信確認信号(NACK)をPUCCHを介して前記基地局に送信する[S67]。前記端末は、前記第2のスケジューリング情報を用いて前記初期送信SRBパケット(S1)を受信したり、NACK(またはACK)を送信したりする。
【0040】
前記基地局は、前記初期送信VoIPパケット(V1)に対する再送信パケット(V2)を送信するために、PDCCHを介してSPS−C−RNTIが含まれた第3のスケジューリング情報を前記端末に送信する[S68]。前記端末が前記SPS−C−RNTIが含まれた前記第3のスケジューリング情報を受信すれば、前記第3のスケジューリング情報を用いて前記基地局から送信される再送信VoIPパケット(V2)を受信する[S69]。前記端末は、HARQ方式によって前記受信した再送信VoIPパケット(V2)と前記初期送信VoIPパケット(V1)とを結合し、VoIPパケットを復元する[S70]。前記VoIPパケットの復元に成功すれば、前記端末は、前記基地局に受信肯定確認信号(ACK)を送信する[S71]。前記VoIPパケットは、前記基地局から前記端末に送信しようとしたデータパケットを意味するもので、HARQ方式によって送信するために、前記VoIPパケットに基づいて前記初期送信VoIPパケット(V1)と前記再送信VoIPパケット(V2)とに分けられて前記端末に送信されたものである。
【0041】
前記第3のスケジューリング情報は、前記基地局が前記初期送信VoIPパケット(V1)を送信した時点と関連した情報を含むことができる。例えば、前記第3のスケジューリング情報は、前記初期送信VoIPパケット(V1)を送信した送信時間間隔(Transport Time Interval;TTI)を指示する情報を含むことができる。前記端末は、前記第3のスケジューリング情報に含まれた前記初期送信VoIPパケット(V1)を送信した時点と関連した情報によって、前記再送信VoIPパケット(V2)が前記初期送信VoIPパケットに対する再送信パケットであることを容易に認識することができる。
【0042】
前記基地局は、前記初期送信SRBパケット(S1)に対する再送信パケット(S2)を送信するために、PDCCHを介してC−RNTIが含まれた第4のスケジューリング情報を前記端末に送信する[S72]。前記端末が、前記C−RNTIが含まれた前記第4のスケジューリング情報を受信した場合、前記第4のスケジューリング情報を用いて前記基地局から送信される再送信SRBパケット(S2)を受信する[S73]。前記端末は、HARQ方式によって前記受信された再送信SRBパケット(S2)と前記初期送信SRBパケット(S1)とを結合し、SRBパケットを復元する[S74]。前記SRBパケットの復元に成功すれば、前記端末は、前記基地局に受信肯定確認信号(ACK)を送信する[S75]。前記SRBパケットは、前記基地局から前記端末に送信しようとしたデータパケットを意味するもので、HARQ方式によって送信するために、前記SRBパケットに基づいて前記初期送信SRBパケット(S1)と前記再送信SRBパケット(S2)とに分けられて前記端末に送信されたものである。前記第4のスケジューリング情報は、前記第2のスケジューリング情報に含まれたものと同一のHARQプロセス識別子を含む。
【0043】
図6の実施例で、前記第1〜第4のスケジューリング情報は、前記第1〜第4のスケジューリング情報によって前記基地局から前記端末に送信されるデータパケットが初期送信パケットであるか、または再送信パケットであるかを識別可能な識別情報をさらに含むことができる。前記識別情報は、前記第1〜第4のスケジューリング情報の特定フィールドを予め決定された値に設定する方式で前記第1〜第4のスケジューリング情報に含まれてもよい。例えば、前記第1〜第4のスケジューリング情報に含まれる冗長バージョン(Redundancy Version;RV)フィールドに1、2、3などの特定値を設定することによって、1番目の再送信パケット、2番目の再送信パケット、3番目の再送信パケットであることを示すことができる。RVフィールドのみならず、前記第1〜第4のスケジューリング情報に含まれる他のフィールド、例えば、HARQプロセスIDフィールド、フォーマットフィールド、MCSフィールド、新しいデータインジケータフィールド、TPCフィールド、DMRSのための循環シフトフィールド、TXアンテナフィールド、CQI要求フィールドなどの少なくとも一つ以上のフィールドを特定値に設定することによって前記識別情報として使用することができる。
【0044】
以上説明した各実施例は、本発明の構成要素と特徴が所定形態で結合されたものである。各構成要素または特徴は、別途の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮されなければならない。各構成要素または特徴は、他の構成要素や特徴と結合されない形態で実施される。また、一部の構成要素および/または特徴を結合し、本発明の実施例を構成することも可能である。本発明の各実施例で説明される各動作の順序は変更可能である。一つの実施例の一部の構成や特徴は他の実施例に含まれることが可能であり、他の実施例の対応する構成または特徴に取り替えられる。特許請求の範囲で明示的な引用関係のない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正によって新しい請求項として含ませたりすることが可能であることは自明である。
【0045】
本文書で、本発明の各実施例は、端末と基地局との間のデータ送受信関係を中心にして説明した。本文書で、基地局によって行われると説明された特定動作は、場合によってはその上位ノードによって行われる。すなわち、基地局を含む多数のネットワークノードからなるネットワークで端末との通信のために行われる多様な動作は、基地局または基地局以外の他のネットワークノードによって行われることは自明である。「基地局」は、固定局、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイントなどの用語に置き換えられる。また、「端末」は、ユーザ装置(User Equipment;UE)、移動局(Mobile Station;MS)、移動加入者局(Mobile Subscriber Station;MSS)などの用語に置き換えられる。
【0046】
本発明に係る実施例は、多様な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアまたはそれらの結合などによって具現される。ハードウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、一つまたはそれ以上の特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit;ASIC)、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor;DSP)、デジタル信号処理装置(Digital Signal Processing Device;DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device;PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array;FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現される。
【0047】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、以上説明した機能または動作を行うモジュール、手順、関数などの形態で具現される。ソフトウェアコードは、メモリユニットに格納されてプロセッサによって駆動される。前記メモリユニットは、前記プロセッサの内部または外部に位置し、既に公知となった多様な手段によって前記プロセッサとデータを取り交わすことができる。
【0048】
本発明は、本発明の特徴を逸脱しない範囲で他の特定の形態で具体化されることは当業者にとって自明である。したがって、上述した詳細な説明は、全ての面で制限的に解釈されてはならず、例示的なものとして考慮されなければならない。本発明の範囲は、添付した特許請求の範囲の合理的な解釈によって決定されなければならなく、本発明の等価的範囲内での全ての変更は本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、移動通信システム、携帯インターネットシステムなどの無線通信システムで利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおけるユーザ装置でデータを受信する方法であって、
第1のスケジューリング情報をネットワークから受信し、前記第1のスケジューリング情報に基づいて初期パケットを前記ネットワークから受信することと、
前記ユーザ装置が前記初期パケットの正常なデコーディングに失敗した場合、NACKを前記ネットワークに送信することと、
第2のスケジューリング情報を前記ネットワークから受信し、前記第2のスケジューリング情報に基づいて再送信パケットを前記ネットワークから受信することと、
前記再送信パケットを前記初期パケットと組み合わせることによって、前記初期パケットおよび前記再送信パケットに関連するパケットを復元することと、を有し、
前記第1のスケジューリング情報および前記第2のスケジューリング情報のそれぞれは、前記スケジューリング情報が動的スケジューリングモードに関連することを示すC−RNTI、または、前記スケジューリング情報がセミパーシステントスケジューリングモードに関連することを示すSPS−C−RNTIのいずれかを有する、方法。
【請求項2】
前記C−RNTIおよび前記SPS−C−RNTIは、前記スケジューリング情報を受信する前に前記ユーザ装置に割り当てられることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スケジューリング情報は、PDCCH上で受信されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のスケジューリング情報および前記第2のスケジューリング情報のそれぞれは、HARQプロセス識別子をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のスケジューリング情報および前記第2のスケジューリング情報のそれぞれは、対応するパケットが初期パケットであるかまたは再送信パケットであるかを示すインジケータをさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
無線通信システムにおいてデータを受信するユーザ装置であって、
第1のスケジューリング情報をネットワークから受信し、前記第1のスケジューリング情報に基づいて初期パケットを前記ネットワークから受信し、
前記ユーザ装置が前記初期パケットの正常なデコーディングに失敗した場合、NACKを前記ネットワークに送信し、
第2のスケジューリング情報を前記ネットワークから受信し、前記第2のスケジューリング情報に基づいて再送信パケットを前記ネットワークから受信し、
前記再送信パケットを前記初期パケットと組み合わせることによって、前記初期パケットおよび前記再送信パケットに関連するパケットを復元するよう構成され、
前記第1のスケジューリング情報および前記第2のスケジューリング情報のそれぞれは、前記スケジューリング情報が動的スケジューリングモードに関連することを示すC−RNTI、または、前記スケジューリング情報がセミパーシステントスケジューリングモードに関連することを示すSPS−C−RNTIのいずれかを有する、ユーザ装置。
【請求項7】
前記C−RNTIおよび前記SPS−C−RNTIは、前記スケジューリング情報を受信する前に前記ユーザ装置に割り当てられることを特徴とする、請求項6に記載のユーザ装置。
【請求項8】
前記スケジューリング情報は、PDCCH上で受信されることを特徴とする、請求項6に記載のユーザ装置。
【請求項9】
前記第1のスケジューリング情報および前記第2のスケジューリング情報のそれぞれは、HARQプロセス識別子をさらに有することを特徴とする、請求項6に記載のユーザ装置。
【請求項10】
前記第1のスケジューリング情報および前記第2のスケジューリング情報のそれぞれは、対応するパケットが初期パケットであるかまたは再送信パケットであるかを示すインジケータをさらに有することを特徴とする、請求項6に記載のユーザ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−213172(P2012−213172A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−113754(P2012−113754)
【出願日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【分割の表示】特願2010−515985(P2010−515985)の分割
【原出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】