説明

無線通信システムのモデル化

複数の通信接続を含む無線通信システムのモデル化に関する技法について、一般的に述べられる。例示的なシステム、装置、方法およびプロセスが、通信接続のうちの第1の通信接続の第1のパラメータ、および第1の対象となる動作特性を識別すること、第1のパラメータに基づいて通信接続のうちの第1の通信接続をアクティブ化すること、通信接続のうちの第1の通信接続がアクティブなとき、第1のパラメータおよび第1の対象となる動作特性に関連するデータを収集すること、モデルを確立するために、収集されたデータに統計技法を適用すること、およびモデルを検証することのうちの1つまたは複数を含んでよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般には、無線技術に関し、より詳細には、複数の通信接続を含む無線通信システムをモデル化することに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書に他に示されていない限り、この節で述べられた手法は、本出願の特許請求の範囲に先行する技術ではなく、またこの節に含めることにより従来技術と認められるものではない。
【0003】
通信業界では、チャネルは典型的には、情報を信号の形で送信機から受信機に伝えるために使用される媒体を指す。チャネルは、信号雑音比、雑音のタイプ、およびドップラ効果のレベルなどの特性で特徴付けることができる。チャネルの特性は、チャネル内で移動する信号の伝播に影響を及ぼし、したがって、チャネルを含む通信システムの通信品質に影響を及ぼすことがある。さらに、チャネルの品質は、性質によって左右され、達成可能なことの上限に関連する。チャネル内では、通信システムのいくつかのパラメータが決定された後、リンクがさらに確立されてよい。こうしたパラメータには、アンテナ電力、アンテナの向き、アンテナの高さ、パケット長、変調のタイプ、誤り訂正コードのタイプおよびパラメータ、ならびに同期符号が含まれ得る。通信システムを設計し配置する一手法は、通信システム内のリンクおよび/またはチャネルを特徴付けるモデルを策定し、次いで、モデルで捕捉された、識別された不所望のどんな特性をも補償するように送信機および受信機を設計することから開始してよい。これらのモデルは、トラフィック整形、ノード配置、電力最小化、テストおよびデバッグ、干渉検出、ならびに悪意のある攻撃検出を含めて、様々な目的に使用することができる。
【0004】
いくつかの通信システムは、複雑であるが、増加した帯域幅を収容するので、非常に望ましい。こうした通信システムには、マルチチャネル無線通信システム、たとえば多入力多出力(すなわち「MIMO:multiple−input and multiple−output」)システム、直交周波数分割多重化(すなわち「OFDM:orthogonal frequency division multiplexing」システム)、マルチトーン変調システム、広帯域符号分割多元接続(CDMA:wideband code division multiple access)システムが含まれ得る。多入力多出力(すなわち「MIMO」)システムでは、送信機と受信機の両方で複数のアンテナが使用され、したがって送信機と受信機の間の帯域幅は、動作周波数範囲および電力レベルを増加させずに、送信機および受信機上で使用されるアンテナの数に比例して増加され得る。MIMOシステムの特性により、MIMOシステムは、高速で、たとえば1ギガバイト/秒超で信号を転送するために使用することができる。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一実施形態は一般に、マルチチャネル無線通信システム内の通信接続をモデル化する方法に関する場合がある。この方法は、マルチチャネル無線通信システム内の通信接続のうちの第1の通信接続の第1のパラメータ、および第1の対象となる動作特性を識別することであって、第1のパラメータがマルチチャネル無線通信システムの構成に関連付けられ、第1の対象となる動作特性が第1のパラメータに関連付けられること、第1のパラメータに基づいて通信接続のうちの第1の通信接続をアクティブ化すること、アクティブなとき、指定された期間内に、通信接続のうちの第1の通信接続について第1のパラメータおよび第1の対象となる動作特性に関連するデータを収集すること、通信接続のうちの第2の通信接続を特徴付けるモデルを確立するために、収集されたデータに統計技法を適用すること、およびモデルを検証して、モデルから導出された第1の動作特性の予測値と、第1の動作特性の実際値との差が所定の値範囲内かどうか判定することを含む。
【0006】
本開示の別の実施形態は一般に、マルチチャネル無線通信システム内で通信接続を特徴付けるためのコンピューティングデバイスに関する場合がある。コンピューティングデバイスは、メモリと、メモリと接続するように構成された処理装置とを含む。処理装置は、通信接続のうちの選択された1つの通信接続がアクティブなとき、マルチチャネル無線通信システム内の通信接続のうちの選択された1つの通信接続に関連する限られたデータセットを収集し、限られたデータセットをメモリ内に格納し、第3の収集されたデータのセットの第1の所望の値をもたらす第1の収集されたデータのセットの第1の値と第2の収集されたデータのセットの第2の値の組合せを決定するために、格納された限られたデータセットに次元縮小技法を適用し、第1のモデルを確立するために組合せおよび第3の収集されたデータのセットに第1の統計技法を適用し、1つまたは複数のタイプの統計技法が適用されたかどうか判定するために第1の統計技法を検査するように構成される。
【0007】
本開示の別の実施形態は一般に、通信接続を有するマルチチャネル無線通信システムに関連する命令シーケンスを含むコンピュータ読取り可能媒体に関する場合がある。命令シーケンスは、コンピューティングデバイスによって実行されるとき、コンピューティングデバイスに、マルチチャネル無線通信システム内の通信接続の第1の通信接続内で収集すべきデータのタイプを識別させ、通信接続のうちの第1の通信接続がアクティブなときに第1の期間内にマルチチャネル無線通信システム内の通信接続のうちの第1の通信接続内で、第1の次元を有する第1のデータセット、および第2のデータセットを収集させ、第1のデータセットを、第1の次元より小さい第2の次元を有する第3のデータセットに変換させ、第2のデータセットおよび第3のデータセットに統計技法を適用して、マルチチャネル無線通信システムの通信接続のうちの第2の無線接続を特徴付けるモデルを確立させ、モデルを検証して、通信接続のうちの第2の接続を特徴付けるのにモデルが適しているかどうか判定させる。
【0008】
上記の概要は、例示的なものにすぎず、限定を意図するものでは決してない。上述された例示的な態様、実施形態および特徴に加えて、さらなる態様、実施形態および特徴が、図面および下記の詳細な説明への言及によって明らかになろう。
【0009】
本開示の上記他の特徴は、添付の図面と併せて考慮されると、下記の説明、および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになろう。これらの図面が本開示によるいくつか実施形態を示すものにすぎず、したがってその範囲を制限するものと見なすべきでないという理解の下、添付の図面を使用して、本開示についてさらに具体的にかつ詳細に述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】通信システム内の通信接続を特徴付けるモデルを策定するための方法またはプロセスのフローチャートである。
【図2】通信システム内の通信接続を特徴付けるように構成された、1つまたは複数の統計技法によって確立されたモデルを組み合わせるための方法またはプロセスのフローチャートである。
【図3】MIMOシステム内の通信接続の性能を解析するように構成されたコンピュータプログラムのソフトウェアモジュールを示すブロック図である。
【図4】MIMOシステム内の通信接続の性能を解析するためのコンピュータプログラム製品を示すブロック図である。
【図5】すべてが本開示の少なくとも一部の実施形態に従って構成された、通信システム内の通信接続を特徴付けるモデルを策定するように構成された例示的なコンピューティングシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
下記の詳細な説明では、その一部をなす添付の図面に言及する。図面では、類似の記号は典型的に、文脈に特段の指示がない限り、類似の構成要素を識別する。詳細な説明、図面および特許請求の範囲に述べられた例示的な実施形態は、限定するためのものではない。他の実施形態を使用してもよく、また本明細書に示された主題の精神または範囲から逸脱せずに、他の変更を行ってもよい。本明細書に一般的に述べられ、図に示された本開示の諸態様は、そのすべてが明示的に企図されており、本開示の一部をなしている様々な異なる構成で編成され、置換され、組み合わされ、設計されてもよいことが容易に理解されよう。
【0012】
本開示は、特に、通信システム内の通信接続の性能を解析し、それに応じて通信システムを開発することに関連する方法、装置、コンピュータプログラムおよびシステムに関する。本開示では、通信接続は、通信リンク(リンクとも呼ばれる)、通信チャネル(「チャネル」とも呼ばれる)、または通信リンクと通信チャネルの組合せに言及し得る。チャネルは広くは、情報を信号の形で送信機から受信機に伝えるために使用される媒体を指し、チャネルの品質は、性質によって左右され、達成可能なことの上限に関連する。チャネル内では、通信システムのいくつかのパラメータが決定された後、リンクがさらに確立されてよい。さらに、通信接続は、直接的であっても、間接的であってもよい。間接通信接続は広くは、送信元ノードからデータを受信するように構成された最終宛先ノードに送信元ノードを直接結合しないリンクおよび/またはチャネルを指す。もう一方で、直接通信接続は広くは、送信元ノードからのデータを受信するように構成された最終宛先ノードに送信元ノードを直接結合するリンクおよび/またはチャネルを指す。
【0013】
例示的な通信システムは、マルチチャネル無線通信システムなど、2つ以上のリンクおよび/またはチャネルを含んでよい。通信リンクの性能は、それだけに限らないが、受信レート、それぞれ異なる期間にわたる受信レートの分布、個々のリンクの受信レートの安定性、送信機と受信機のそれぞれ異なる対の間のリンクの受信レートの相関、単一および組み合わされた入力パラメータへの受信レートの依存性、信号対雑音比など、幅広い動作特性、および雑音レベル、雑音確率分布、意図された通信信号の送信を修正する雑音時間特性など、幅広い雑音特性によって特徴付けることができる。通信システムで考慮される一部の例示的な入力パラメータには、それだけに限らないが、アンテナ電力、アンテナの向き、アンテナの高さ、パケット長、変調のタイプ、誤り訂正コードのタイプおよびパラメータ、ならびに同期符号が含まれ得る。入力パラメータは、通信システムの性能に影響を及ぼすことがある。たとえば、アンテナ電力が高くなると、信号強度を向上させることができ、したがって信号対雑音比を減少させることができる。通信システムを設計するために、モデル化を使用して、入力パラメータと動作特性の関係を表しまたは予測することができる。具体的には、それぞれが独自の振舞いを有する複数のリンクおよび/またはチャネルを含む複雑な通信システムでは、限られた、収集されたデータに基づいてモデルを確立する際に統計技法を用いることができる。さらに、このモデルは、リンクおよび/またはチャネルの振舞いを予測し、かつ任意の技術的な実現可能技法に基づいて通信システム内の問題を識別するために実行することもできる。問題は、通信プロトコル、ハードウェアの誤動作、または通信システムの外部で生じた干渉から起きることがある。次いで、モデルを実行することによって生成された出力は、通信システムを再構成するために使用することができる。
【0014】
図1は、本開示の少なくとも一部の実施形態に従って、通信システム内で通信接続を特徴付けるモデルを開発するための方法またはプロセス100のフローチャートである。方法100は、ブロック101〜113として表された1つまたは複数の操作および/または機能を含んでよい。通信接続は、リンクおよび/またはチャネルを指し得る。
【0015】
簡潔に述べると、方法100の処理は、特に複雑な通信システムにおいて、処理すべきデータ量を減少させるために期間を指定することができるブロック101で開始されてよい。ブロック101の後に、1つまたは複数の入力パラメータに従ってリンクおよび/またはチャネルをアクティブ化することができるブロック103が続いてよい。処理は、ブロック103から、入力パラメータの値および識別された対象となる動作特性の値を収集することができるブロック105に続いてよい。ブロック105の後に、通信システムのモデルを確立するため、ブロック105で収集された値に統計技法を適用することができるブロック107が続いてよい。ブロック107から109に続き、モデル化すべきリンクおよび/またはチャネルを特徴付けるのにモデルが適しているかどうか判定するために、ブロック107で策定されたモデルを検証することができる。モデルが検証を通過する場合は、処理は、ブロック109から111に続いてよい。そうではなく、モデルが検証を通過できない場合は、処理は、ブロック109から107に続いてよい。次いで、検証されたモデルを実行して、出力を生成することができる。ブロック111で、通信システムは、検証されたモデルの出力に基づいて再構成されてよい。プロセス100のさらなる詳細について、下記に述べられる。
【0016】
リンクおよび/またはチャネルの性能が複数の入力パラメータによる影響を受けるので、また処理すべきデータ量をさらに減少させるために、ブロック101で、通信システムに関連する特定の入力パラメータおよび対象となる動作特性をさらに識別することができる。識別された入力パラメータは、それだけに限らないが、アンテナ電力、アンテナの向き、アンテナの高さ、パケット長、変調のタイプ、誤り訂正コードのタイプおよびパラメータ、ならびに同期符号が含まれ得る。対象となる動作特性には、それだけに限らないが、受信レート、それぞれ異なる期間にわたる受信レートの分布、個々のリンクの受信レートの安定性、送信機と受信機のそれぞれ異なる対の間のリンクの受信レートの相関、単一および組み合わされた入力パラメータへの受信レートの依存性、信号対雑音比、ならびに雑音レベル、雑音確率分布、意図された通信信号の送信を修正する雑音時間特性など、雑音特性を含んでよい。
【0017】
一部の例では、リンクおよび/またはチャネルは、期間が指定された後、ブロック103でアクティブ化することができ、様々な入力パラメータに従って入力パラメータおよび対象の動作特性が識別され、リンクおよび/またはチャネル内にデータが流れ始める。
【0018】
上記に述べられたように、アクティブ化されたリンクおよび/またはチャネルを監視することによって、ブロック105で、入力パラメータの値、および識別された対象となる動作特性の値を収集することができる。一部の実装形態では、通信システム内で2つ以上のリンクおよび/またはチャネルをアクティブ化することができ、対象となるデータは、アクティブ化されたリンクおよび/またはチャネルのそれぞれについて収集されてれよい。
【0019】
ブロック105で収集されたデータは、指定された期間内に通信システムの1つまたは複数のリンクおよび/またはチャネル内で収集されたデータに限定されるので、ブロック107は、通信システムのモデルを確立するために統計技法を適用するように構成されてよい。次いで、モデルは、1組の入力パラメータが与えられると、リンクおよび/またはチャネルの対象の動作特性を予測できるようになり得る。さらに、モデルは、リンクおよび/またはチャネルの入力パラメータが時間の経過と共にどのように変化し得るかに関する情報が与えられる場合、リンクおよび/またはチャネルに関連する対象となる動作特性をそれぞれ異なる期間で予測するように構成することもできる。
【0020】
統計技法には、それだけに限らないが、カーネル推定、ブースティング、形状回帰、平滑化、単調回帰およびコンベクシティ(convexity)のためのプロセスおよび方法が含まれ得る。技法は、厳密に増加し、または厳密に減少する傾向を示唆するのに使用される単調回帰であると仮定する。一部の実装形態では、例示的な単調回帰モデルは、1つまたは複数の入力パラメータおよび対象となる動作特性の直線関係について表すことができる。直線関係では、対象となる動作特性の値は、入力パラメータの値が測定された後に予測することができる。結果として生じるモデルは、パラメトリックであってもよいし、非パラメトリックであってもよい。パラメトリックモデルでは、データセット、およびデータセット間の相互作用は、モデルが策定される間、一貫性のある状態のままであってよい。適切な統計技法は、上記に挙げられた統計技法に限定されるべきでないことに留意されたい。任意の技術的に実現可能な統計技法が、様々な入力パラメータおよび対象となる動作特性に関連する様々な通信システムに適用されてよい。
【0021】
一部の例では、対象となる動作特性が、2つ以上の入力パラメータに関連付けられ、したがって、収集されたデータセットが、統計解析では多次元なものとなる。多次元データセットを低次元のデータセットに変えるために、主成分解析および独立成分解析など、いくつかの技法を採用することができる。たとえば、ブロック101で2つの入力パラメータおよび1つの対象となる動作特性が識別され、2つの入力パラメータの値が、単一の対象となる動作特性の値に影響を及ぼし得ると仮定する。ブロック105で収集されたデータに基づいて、特定の対象となる動作特性に望ましい値をもたらすことができる第1の入力パラメータの第1の値と第2の入力パラメータの第2の値の適切な組合わせを決定するために、次元縮小技法を使用することができる。一部の実装形態では、統計技法が、第1の入力パラメータの第1の値と第2の入力パラメータの第2の値の適切な組合わせ、および第1の入力パラメータおよび第2の入力パラメータに関連する対象となる動作特性に適用されてよい。
【0022】
上記に簡潔に述べられたように、ブロック107で策定されたモデルは、ブロック109でモデル化すべきリンクおよび/またはチャネルを特徴付けるのにモデルが適しているかどうか判定するために検証することができる。モデルを検証するためのいくつかの例示的な技法には、それだけに限らないが、テスト/サンプル技法、再置換技法、およびデータ再重み付けなど、制約操作技法が含まれる。たとえば、モデル内で使用された入力パラメータの値は、通信システムに適用されてよい。次いで、通信システムで測定された対象となる動作特性の実際値は、モデルによって予測された値と比較されてよい。実際値と予測値の差が所定の値範囲内にある場合、モデルは、検証されたと見なすことができる。所定の値範囲は、リンクおよび/またはチャネルがどれくらいの間、使用されるかによって変化することがある。リンクおよび/またはチャネルが非常に短い間使用される場合は、所定の値範囲は、約25パーセント以上の最大値を有してよい。(たとえばリンクおよび/またはチャネルを介してムービーを送るために)リンクおよび/またはチャネルが長い期間の間使用される場合、所定の値範囲は、約1パーセントから2パーセントの最大値を有してよい。
【0023】
統計モデルが検証される場合、ブロック111で、通信システムが再構成されてよい。検証されたモデルを実行し、また1つまたは複数の入力パラメータを変更することによって、検証されたモデルは、特定の出力を生成することができる。再構成は、検証されたモデルの出力に基づいてよい。再構成のいくつかの例には、それだけに限らないが、アンテナ電力の調整、アンテナの向きの調整、1つまたは複数のアンテナの高さの変更、一定量の長さを有するパケットを受け付けるように送信機および受信機を構成することが含まれ得る。
【0024】
図2は、1つまたは複数の統計技法によって確立されたモデルを組み合わせるための方法またはプロセス200のフローチャートであり、モデルが、本開示の少なくとも一部の実施形態に従って、通信システム内で通信チャネルを特徴付けるように構成される。一部の実装形態では、モデルのうちの第1のモデルおよび第2のモデルは、通信システム内の1つまたは複数のリンクおよび/またはチャネル内で収集されたデータセットにそれぞれ第1および第2の統計技法を適用することによって確立することができる。方法200は、ブロック201〜205として表される1つまたは複数の操作および/または機能を含んでよい。ブロック201で、データセットに適用すべき統計技法が、質的に検査されてよい。ブロック201の質的検査は一般に、データセットに複数のタイプの統計技法が適用されたかどうかの判定を指し得る。たとえば、量的検査は、平滑性、単調性およびコンベクシティを強調する統計技法が使用されるかどうか判定することができる。ブロック201で使用された統計技法のタイプの数が第1の閾値未満である場合は、新しいタイプの統計技法を適用することができ、ブロック201を繰り返してもよい。ブロック201内で使用された統計技法のタイプの数が第1の閾値以上である場合は、方法200は、ブロック203に進んでよい。ブロック203で、適用された統計技法を量的に検査してよい。ブロック203の量的検査は一般に、適用された統計技法の数が第2の閾値を超えるかどうかの判定を指し得る。量的検査が失敗する場合は、追加の統計技法を要求することができ、方法200は、ブロック201に戻ってよい。ブロック203の量的検査が通過する場合は、方法200は、ブロック205に進んでよい。ブロック205で、統計技法によって確立されたモデルは、それだけに限らないが、最尤推定と推測統計を含んでよい何らかの技法を使用して組み合わされてよい。
【0025】
図3は、本開示の少なくとも一部の実施形態による、MIMOシステム内の通信接続の性能を解析するように構成されたコンピュータプログラムのソフトウェアモジュールを示すブロック図である。コンピュータプログラムは、モジュール305〜311に示されたものなど、1つまたは複数の動作モジュール、機能ブロックまたは論理部分を含んでよい。モジュール305は、データ収集モジュールに対応してよい。モジュール307は、データ解析モジュールに対応してよい。モジュール309は、記憶機構313に格納された適切な統計モデルを選択する選択モジュールに対応してよい。モジュール311は、選択された統計モデルを検証する検証モジュールに対応してよい。一部の実装形態では、上述されたモジュールおよび選択された統計モデルのそれぞれのための命令は、メモリ303にロードされ、1つまたは複数のプロセッサ301によって実行されてよい。
【0026】
データ収集モジュール305は、リンクおよび/またはチャネルがアクティブ化されるとき、MIMOシステムのリンクおよび/またはチャネルの対象となる動作特性、および対応する入力パラメータを収集するように構成されてよい。リンクおよび/またはチャネルの入力パラメータ、およびに対象となる動作特性は、ソフトウェアモジュールおよびMIMOシステムを実行するコンピューティングデバイス間の接続を介して収集することができる。接続は、有線接続であってもよいし、無線接続であってもよい。一部の実装形態では、収集された入力パラメータおよび対象となる動作特性は、さらなる処理のために記憶機構313に格納されてよい。
【0027】
データ解析モジュール307は、記憶機構313に格納された入力パラメータ、および対象となる動作特性を取り出すように構成されてよい。次いで、取り出された入力パラメータおよび対象となる動作特性は、入力パラメータと対象となる動作特性の間の関係を識別するために、データ収集モジュール305によって収集された限られたデータセットに基づいて解析することができる。一部の実装形態では選択モジュール309は、記憶機構313から適切な統計技法を選択し、MIMOシステムのモデルを確立するために、識別された関係に統計技法を適用してよい。検証モジュール311は、選択モジュール309によって選択された統計技法を検証するように構成されてよい。
【0028】
図3は、ブロック305、307、309および311に分割される様々な機能、動作またはモジュールを示しているが、本開示は、それに制限されない。一部の例では、図3の様々なブロックは、本開示の精神から逸脱せずに、追加のブロックに分割され、かつ/または1つまたは複数の他のブロックへと組み合わされてよい。
【0029】
図4は、本開示の少なくとも一部の実施形態による、複数のリンクおよび/またはチャネルを有する通信システム内の通信接続を特徴付けるモデルを作成するためのコンピュータプログラム製品400を示すブロック図である。コンピュータプログラム製品400は、通信システム内のリンクおよび/またはチャネルの性能を解析する方法を実行するための実行可能命令402の1つまたは複数のセットを含んでよい。例示するためだけに、命令402は、上述され、図1に示された方法を反映している。命令402は、それだけに限らないが、図2に示された諸方法を含むこともできる。コンピュータプログラム製品400は、信号搬送媒体404、または別の類似の通信媒体406に送信されてよい。コンピュータプログラム製品400は、コンピュータ読取り可能媒体408または別の同様の類似の記録可能媒体410に記録されてよい。
【0030】
図5は、本開示による通信システム内の通信接続を特徴付けるモデルを策定するように構成された例示的なコンピューティングデバイス500を示すブロック図である。非常に基本的な構成501では、コンピューティングデバイス500は典型的に、1つまたは複数のプロセッサ510とシステムメモリ520とを含む。メモリバス530は、プロセッサ510とシステムメモリ520の間で通信するために使用されてよい。
【0031】
所望の構成に応じて、プロセッサ510は、マイクロプロセッサ(μP)、マイクロコントローラ(μC)、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、またはその任意の組合せを含めて、任意のタイプのものであってよい。プロセッサ510は、1次キャッシュ511および2次キャッシュ512など、もう1つのキャッシングレベルと、プロセッサコア513と、レジスタ514とを含んでよい。例示的なプロセッサコア513は、算術論理演算ユニット(ALU:arithmetic logic unit)、浮動小数点ユニット(FPU:floating point unit)、デジタル信号処理コア(DSPコア:digital signal processing core)、またはその任意の組合せを含んでよい。例示的なメモリコントローラ515は、プロセッサ510と共に使用することもでき、または一部の実装形態では、メモリコントローラ515は、プロセッサ510の内部部品であってよい。
【0032】
所望の構成に応じて、システムメモリ520は、それだけに限らないが、揮発性メモリ(RAMなど)、不揮発性メモリ(ROM、フラッシュメモリなど)、またはその任意の組合せを含めて、任意のタイプのものであってよい。システムメモリ520は、オペレーティングシステム521と、1つまたは複数のアプリケーション522と、プログラムデータ524とを含んでよい。アプリケーション522は、通信モデル化アルゴリズム523を含んでよく、この通信モデル化アルゴリズム523は、1つまたは複数の入力パラメータと、対象となる1つまたは複数の動作特性との関係を決定するためにデータを解析するように構成されてよい。プログラムデータ524は、下記にさらに述べられるように、通信モデル化データ525を含んでよく、この通信モデル化データ525は、1つまたは複数の入力パラメータ、対象となる1つまたは複数の動作特性に関連付けられてよい。一部の実施形態では、アプリケーション522は、1つまたは複数の入力パラメータと、対象となる1つまたは複数の動作特性との関係を決定できるように、オペレーティングシステム521上でプログラムデータ524で動作するように構成されてよい。この述べられた基本的な構成は、図5に、破線501内のそれらのコンポーネントによって示されている。
【0033】
コンピューティングデバイス500は、基本構成501と任意の必要なデバイスおよびインターフェースとの間の通信を円滑に進めるために追加の特徴または機能性、および追加のインターフェースを有してよい。たとえば、バス/インターフェースコントローラ540は、記憶インターフェースバス541を介して基本構成501と、1つまたは複数のデータ記憶装置550との通信を円滑に進めるために使用されてもよい。データ記憶装置550は、取外し可能記憶装置551、取外し不可能記憶装置552、またはその組合せであってよい。取外し可能記憶装置および取外し不可能記憶装置の例には、いくつか例を挙げると、フレキシブルディスクドライブおよびハードディスクドライブ(HDD:hard−disk drive)などの磁気ディスクデバイス、コンパクトディスク(CD:compact disk)ドライブやデジタル多用途ディスク(DVD:digital versatile disk)ドライブなどの光ディスクドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD:solid state drive)およびテープドライブなどが含まれ得る。例示的なコンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読取り可能命令、データ構造体、プログラムモジュールまたは他のデータなどの情報を格納するための任意の方法または技術で実装された揮発性と不揮発性、取外し可能と取外し不可能の両方の媒体を含んでよい。
【0034】
システムメモリ520、取外し可能記憶装置551、および取外し不可能記憶装置552はすべて、コンピュータ記憶媒体の例である。コンピュータ記憶媒体には、それだけに限らないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶装置、あるいは所望の情報を格納するために使用することができ、またコンピューティングデバイス500によってアクセスできる他の任意の媒体が含まれる。こうした任意のコンピュータ記憶媒体は、装置500の一部であってよい。
【0035】
コンピューティングデバイス500は、様々なインターフェースデバイス(たとえば出力インターフェース、周辺インターフェースおよび通信インターフェース)から基本構成501へのバス/インターフェースコントローラ540を介した通信を円滑に進めるためのインターフェースバス542を含むこともできる。例示的な出力デバイス560は、1つまたは複数のA/Vポート563を介して表示装置やスピーカなどの様々な外部デバイスに通信するように構成されてよいグラフィックス処理ユニット561と音声処理ユニット562とを含む。例示的な周辺インターフェース570は、1つまたは複数のI/Oポート573を介して入力デバイス(たとえばキーボード、マウス、ペン、音声入力デバイス、タッチ入力デバイスなど)などの外部デバイス、または他の周辺デバイス(たとえばプリンタ、スキャナなど)と通信するように構成されてよいシリアルインターフェースコントローラ571またはパラレルインターフェースコントローラ572を含む。例示的な通信デバイス580は、ネットワークコントローラ581を含み、このネットワークコントローラ581は、1つまたは複数の通信ポート582を介したネットワーク通信リンクおよび/またはチャネル上で1つまたは複数の他のコンピューティングデバイス590との通信を円滑に進めるように構成されてよい。
【0036】
ネットワーク通信リンクおよび/またはチャネルは、通信媒体の一例であり得る。通信媒体は典型的には、コンピュータ読取り可能命令、データ構造体、プログラムモジュール、または搬送波や他の移送機構などの変調されたデータ信号の形の他のデータによって具現化されてよく、また任意の情報送達媒体を含んでよい。「変調されたデータ信号」は、信号内の情報を符号化するなどのやり方でその特性の1つまたは複数が設定されまたは変更された信号であってよい。限定のためではなく、例を挙げると、通信媒体には、有線ネットワークや直接有線接続などの有線媒体、ならびに音響、無線周波数(RF:radio frequency)、マイクロ波、赤外線(IR:infrared)などの無線媒体、および他の無線媒体が含まれる。用語コンピュータ読取り可能媒体は、本明細書では、記憶媒体と通信媒体の両方を含んでよい。
【0037】
コンピューティングデバイス500は、携帯電話、携帯情報端末(PDA:personal data assistant)、パーソナルメディアプレーヤデバイス、無線ウェブ監視デバイス、パーソナルヘッドセットデバイス、特定用途向けデバイス、または上記機能のいずれかを含むハイブリッドデバイスなど、スモールフォームファクタ携帯型(または移動)電子デバイスの一部として実装されてよい。コンピューティングデバイス500は、ラップトップコンピュータ構成と非ラップトップコンピュータ構成の両方を含めてパーソナルコンピュータとして実装することもできる。
【0038】
システムの態様のハードウェア実装とソフトウェア実装の間の区別はほとんどなく、ハードウェアまたはソフトウェアを使用することは一般に(必ずしもではないが、特定の文脈においてハードウェアとソフトウェアの間の選択が非常に重要になり得るという点で)、コストと効率の兼ね合いを表す設計上の選択である。本明細書に述べられたプロセスおよび/またはシステム、および/または他の技術を達成するための様々な手段(たとえばハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェア)があり、その上、好ましい手段は、プロセスおよび/またはシステム、および/または他の技術が配置されるコンテキストによって変化する。たとえば、実装者は、速度および精度が最も重要であると決定する場合、ハードウェアおよび/またはファームウェア手段を主として選ぶことがあり、柔軟性が最も重要である場合、実装者は、ソフトウェア実装を主として選択してもよく、あるいは、さらに別法として、実装者は、ハードウェア、ソフトウェアおよび/またはファームウェアの何らかの組合せを選んでもよい。
【0039】
上記の詳細説明は、ブロック図、フローチャートおよび/または例を使用することによってデバイスおよび/またはプロセスの様々な実施形態について述べている。こうしたブロック図、フローチャート、および/または例が1つまたは複数の機能および/または操作を含む限りでは、こうしたブロック図、フローチャートまたは例の中の各機能および/または操作は、幅広いハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または事実上任意の組合せによって個々にかつ/または集合的に実施され得ることが当業者には理解されよう。一実施形態では、本明細書に述べられた主題のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、また他の集積された形式によって実装されてよい。しかし、本明細書に開示された諸実施形態の一部の態様は、1つまたは複数のコンピュータ上で実行される1つまたは複数のコンピュータプログラムとして(たとえば1つまたは複数のコンピュータシステム上で実行される1つまたは複数のプログラムとして)、1つまたは複数のプロセッサ上で実行される1つまたは複数のプログラムとして(たとえば1つまたは複数のマイクロプロセッサ上で実行される1つまたは複数のプログラムとして)、ファームウェアとして、あるいは事実上任意のその組合せとして、全体的または部分的に集積回路に同等に実装することができ、また回路を設計し、かつ/またはソフトウェアおよび/またはファームウェアのコードを作成することは、本開示に鑑みて当業者の技術の十分範囲内であることが当業者には認識されよう。さらに、本明細書に述べられた主題の機構は、プログラム製品として様々な形で配布することができ、また本明細書に述べられた主題の例示的な一実施形態は、この配布を実際に実施するために使用された特定のタイプの信号搬送媒体に関係なく適用されることが当業者には理解されよう。信号搬送媒体の例には、それだけに限らないが、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオティスク(DVD)、デジタルテープ、コンピュータメモリなどの記録可能なタイプの媒体、ならびにデジタルおよび/またはアナログ通信媒体(たとえば光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンクおよび/またはチャネル、無線通信リンクおよび/またはチャネルなど)などの伝送タイプの媒体が含まれる。
【0040】
本明細書に述べられたやり方でデバイスおよび/またはプロセスを記述し、その後、記述されたこうしたデバイスおよび/またはプロセスをデータ処理システムに組み込むために技術的実践法(engineering practice)を用いることは、当技術分野では一般的であることが当業者には認識されよう。すなわち、十分な量の実験により、本明細書に述べられたデバイスおよび/またはプロセスの少なくとも一部をデータ処理システムに組み込むことができる。典型的なデータ処理システムは一般に、システムユニット筐体、ビデオ表示デバイス、揮発性および不揮発性メモリなどのメモリ、マイクロプロセッサおよびデジタル信号プロセッサなどのプロセッサ、オペレーティングシステム、ドライバ、グラフィカルユーザインターフェースなどの計算エンティティ、アプリケーションプログラム、タッチパッドや画面などの1つまたは複数の対話デバイス、ならびに/あるいはフィードバックループおよび制御モータ(たとえば位置および/または速度を感知するためのフィードバック、コンポーネントおよび/または量を移動しかつ/または調整するための制御モータ)を含めた制御システムのうちの1つまたは複数を含むことが当業者には認識されよう。典型的なデータ処理システムは、データコンピューティング/通信、および/またはネットワークコンピューティング/通信システムで典型的に見られるものなど、任意の適切な市販コンポーネントを使用して実装することができる。
【0041】
本明細書に述べられた主題は、それぞれ異なる他のコンポーネント内に含まれた、またはそれに接続されたそれぞれ異なるコンポーネントを示すことがある。示されたこうしたアルゴリズムは、例示的なものにすぎず、実際、同じ機能性を達成する他の多くのアーキテクチャを実装できることを理解されたい。概念的には、同じ機能性を達成するどんなコンポーネント構成もが、所望の機能性が達成されるように有効に「関連付けられる」。したがって、本明細書では特定の機能性を達成するために組み合わされたどんな2つコンポーネントも、アーキテクチャまたは中間のコンポーネントに関係なく所望の機能性が達成されるように互いに「関連付けられる」と見なすことができる。同様に、そのように関連付けられたどんな2つのコンポーネントもまた、所望の機能性を達成するために互いに「動作可能に接続される」または「動作可能に結合される」と見なすこともでき、そのように関連付けることができるどんな2つのコンポーネントをも、所望の機能性を達成するために互いに「動作可能に結合可能である」と見なすこともできる。動作可能に結合可能であることの具体的な例には、それだけに限らないが、物理的に対にすることができ(mateable)かつ/または物理的に対話するコンポーネント、および/または無線で対話可能であり、かつ/または無線で対話するコンポーネント、および/または論理的に対話し、かつ/または論理的に対話可能なコンポーネントが含まれる。
【0042】
本明細書では実質上任意の複数のかつ/または単数の用語を使用することに関して、当業者は、コンテキストおよび/またはアプリケーションに適するように複数から単数に、かつ/または単数から複数に換えることができる。様々な単数/複数の置換について、明確にするために、本明細書において明示的に述べられ得る。
【0043】
一般に、本明細書で、特に添付の特許請求の範囲(たとえば特許請求の範囲の本文)で用いられた用語は一般に、「オープン」タームとして意図されている(たとえば、用語「含んでいる(including)」は、「〜を含むが、それに限定されない」と解釈すべきであり、用語「有している(having)」は、「〜を少なくとも有する」と解釈すべきであり、用語「含む(includes)」は、「〜を含むが、それに限定されない」と解釈すべきであるなど)ことが当業者には理解されよう。導入されたクレーム記載に特定の数が意図される場合、こうした意図はクレーム中に明示的に記載され、こうした記載がない場合は、こうした意図はないことが当業者にはさらに理解されよう。たとえば、理解を促すために、添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの」および「1つまたは複数の」という導入句を使用して、クレーム記載を導入することがある。しかし、こうした語句を使用するということは、同じクレームが導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」と、「1つの(aまたはan)」などの不定冠詞を含む場合でも、不定冠詞「1つの(aまたはan)」によるクレーム記載を導入することによって、こうした導入クレーム記載を含むいずれかの特定のクレームが、こうした記載を1つしか含まない発明に限定されるということを示唆すると解釈すべきでなく、(たとえば「1つの(aおよび/またはan)」は典型的には、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味するものと一般に解釈すべきであり)、定冠詞を用いてクレーム記載を導入する場合にも同じことが当てはまる。さらに、導入されたクレーム記載に特定の数が明示的に記載される場合でも、こうした記載は典型的に、少なくとも記載された数を意味するものと解釈すべきである(たとえば、他の修飾語のなしに「2つの記載」とだけ記載されているのは典型的に、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)ということが当業者には認識されよう。さらに、「A、BおよびCのうちの少なくとも1つなど」に類似の表現法が用いられる場合では、一般にこうした構成は、当業者がこの表現法を理解するであろう意味で意図されている(たとえば「A、BおよびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、それだけに限らないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとB共に、AとC共に、BとC共に、および/またはAとBとC共になど)を有するシステムを含む)。「A、BまたはCのうちの少なくとも1つなど」に類似の表現法が用いられる場合では、一般にこうした構成は、当業者がこの表現法を理解するであろう意味で意図されている(たとえば「A、BまたはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、それだけに限らないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとB共に、AとC共に、BとC共に、および/またはAとBとC共になどを有するシステムを含む)。事実上任意の離接語、および/または2つ以上の代替語を提示する語句は、説明においてであれ、特許請求の範囲中であれ、図面中であれ、用語のうちの1つ、用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を企図するものと理解すべきであることが当業者にはさらに理解されよう。たとえば、語句「A」または「B」は、「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含むものと理解されよう。
【0044】
様々な態様および実施形態が本明細書に開示されているが、他の態様および実施形態が当業者には明らかになろう。本明細書に開示された様々な態様および実施形態は、例示するためのものであり、限定するためのものでなはく、真の範囲および精神は、添付の特許請求の範囲に示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチチャネル無線通信システム内の通信接続をモデル化するための方法であって、
前記マルチチャネル無線通信システム内の前記通信接続のうちの第1の通信接続の第1のパラメータおよび第1の対象となる動作特性を識別することであって、前記第1のパラメータが前記マルチチャネル無線通信システムの構成に関連付けられ、前記第1の対象となる動作特性が前記第1のパラメータに関連付けられること、
前記第1のパラメータに基づいて前記通信接続のうちの前記第1の通信接続をアクティブ化すること、
アクティブなとき、指定された期間内に、前記通信接続のうちの前記第1の通信接続について前記第1のパラメータおよび前記第1の対象となる動作特性に関連するデータを収集すること、
前記通信接続のうちの第2の通信接続を特徴付けるモデルを確立するために、前記収集されたデータに統計技法を適用すること、
前記モデルを検証して、前記モデルから導出された前記第1の動作特性の予測値と、前記第1の動作特性の実際値との差が所定の値範囲内かどうか判定することを備える方法。
【請求項2】
前記通信接続のうちの前記第1の通信接続と前記通信接続のうちの前記第2の通信接続が同じである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
出力を生成するために前記モデルを実行すること、
前記モデルの前記出力に基づいて前記マルチチャネル無線通信システムを再構成すること
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
収集が、それぞれ異なる期間内で繰り返される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記統計技法が単調回帰解析を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記統計技法がデータ駆動型である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記マルチチャネル無線通信システム内の前記通信接続のうちの前記第1の通信接続の第2のパラメータおよび第2の対象となる動作特性を識別することであって、前記第2のパラメータが前記マルチチャネル無線通信システムの構成に関連付けられ、前記第1の対象となる動作特性および前記第2の対象となる動作特性が、前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータのうちの1つまたは両方に関連付けられること、
前記指定された期間内に、前記通信接続のうちの前記第1の通信接続の前記第2のパラメータおよび前記第2の対象となる動作特性に関連するデータを収集すること、
前記第1の対象となる動作特性の第1の所望の値および前記第2の対象となる動作特性の第2の所望の値をもたらす前記第1のパラメータの第1の値と前記第2の入力パラメータの第2の値の組合せを決定するために、次元縮小技法を適用すること
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
検証することが、テスト/サンプル技法、再置換技法または制約操作技法のうちの1つまたは複数を使用することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記通信接続がそれぞれ、通信リンク、通信チャネル、または前記通信リンクと前記通信チャネルの組合せに対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
マルチチャネル無線通信システム内の通信接続を特徴付けるためのコンピューティングデバイスであって、
メモリと、
前記メモリと接続するように構成された処理装置とを備え、前記処理装置が、
前記通信接続のうちの選択された1つの通信接続がアクティブなとき、前記マルチチャネル無線通信システム内の前記通信接続のうちの前記選択された1つの通信接続に関連する限られたデータセットを収集し、
前記限られたデータセットを前記メモリ内に格納し、
第3の収集されたデータのセットの第1の所望の値をもたらす第1の収集されたデータのセットの第1の値と第2の収集されたデータのセットの第2の値の組合せを決定するために、前記格納された限られたデータセットに次元縮小技法を適用し、
第1のモデルを確立するために、前記組合せおよび前記第3の収集されたデータのセットに第1の統計技法を適用し、
1つまたは複数のタイプの統計技法が適用されたかどうか判定するために前記第1の統計技法を検査するように構成される、コンピューティングデバイス。
【請求項11】
前記第1のデータセットおよび前記第2のデータセットが、アンテナ電力と、アンテナの向きと、アンテナの高さと、パケット長と、変調のタイプと、誤り訂正コードのタイプおよびパラメータと、または同期符号のうちの1つまたは複数を含む、請求項10に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項12】
前記第3のデータセットが、雑音特性、受信レート、それぞれ異なる期間にわたる受信レートの分布、個々の接続の受信レートの安定性、送信機と受信機のそれぞれ異なる対の間の接続の受信レートの相関、単一および組み合わされた入力パラメータへの受信レートの依存性のうちの1つまたは複数を含む、請求項10に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項13】
前記処理装置が、第2のモデルを確立するために前記組合せおよび前記第3の収集されたデータのセットに第2の統計技法を適用するようにさらに構成される、請求項10に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項14】
前記処理装置が、統計技法の数が閾値を超えるかどうか判定するために前記第1の統計技法および前記第2の統計技法を検査するようにさらに構成される、請求項13に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項15】
前記処理装置が、前記第1のモデルと前記第2のモデルを組み合わせるようにさらに構成される、請求項13に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項16】
前記通信接続がそれぞれ、通信リンク、通信チャネル、または前記通信リンクと前記通信チャネルの組合せに対応する、請求項10に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項17】
コンピューティングデバイスによって実行されるとき、前記コンピューティングデバイスに、
マルチチャネル無線通信システム内の通信接続の第1の通信接続内で収集すべきデータのタイプを識別させ、
前記通信接続のうちの前記第1の通信接続がアクティブなとき、第1の期間内に、前記マルチチャネル無線通信システム内の前記通信接続のうちの前記第1の通信接続内で、第1の次元を有する第1のデータセット、および第2のデータセットを収集させ、
前記第1のデータセットを、前記第1の次元より小さい第2の次元を有する第3のデータセットに変換させ、
前記第2のデータセットおよび前記第3のデータセットに統計技法を適用して、前記マルチチャネル無線通信システムの前記通信接続のうちの第2の無線接続を特徴付けるモデルを確立させ、
前記モデルを検証して、前記通信接続のうちの前記第2の接続を特徴付けるのに前記モデルが適しているかどうか判定させる、前記通信接続を有する前記マルチチャネル無線通信システムに関連する命令シーケンスを含むコンピュータ読取り可能媒体。
【請求項18】
前記コンピューティングデバイスによって実行されたとき、前記コンピューティングデバイスに、第2の期間内に前記マルチチャネル無線通信システム内の前記通信接続のうちの前記第1の通信接続内で第4のデータセットを収集させる命令シーケンスをさらに含む、請求項17に記載のコンピュータ読取り可能媒体。
【請求項19】
前記コンピューティングデバイスによって実行されたとき、前記コンピューティングデバイスに、前記第1の期間内に前記マルチチャネル無線通信システム内の前記通信接続のうちの前記第2の通信接続内で第4のデータセットを収集させる命令シーケンスをさらに含む、請求項17に記載のコンピュータ読取り可能媒体。
【請求項20】
前記コンピューティングデバイスによって実行されたとき、前記コンピューティングデバイスに、
出力を生成するために前記モデルを実行させ、
前記モデルの前記出力に基づいて前記マルチチャネル無線通信システムを再構成させる命令シーケンスをさらに含む、請求項17に記載のコンピュータ読取り可能媒体。
【請求項21】
前記コンピューティングデバイスによって実行されたとき、前記コンピューティングデバイスに、前記マルチチャネル無線通信システム内の前記通信接続のうちの前記第1の通信接続または前記通信接続のうちの前記第2の通信接続に付随する問題を識別させる命令シーケンスをさらに含む、請求項17に記載のコンピュータ読取り可能媒体。
【請求項22】
前記コンピューティングデバイスによって実行されたとき、前記コンピューティングデバイスに、1つまたは複数のタイプの統計技法が適用されたかどうか判定するために前記統計技法を検査させる命令シーケンスをさらに含む、請求項17に記載のコンピュータ読取り可能媒体。
【請求項23】
前記通信接続がそれぞれ、通信リンク、通信チャネル、または前記通信リンクと前記通信チャネルの組合せに対応する、請求項17に記載のコンピュータ読取り可能媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−530457(P2012−530457A)
【公表日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516112(P2012−516112)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/037345
【国際公開番号】WO2010/147767
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(509348786)エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー (117)
【Fターム(参考)】