説明

無線通信システム及びその制御方法、並びにプログラム

【課題】本発明は、複数の無線通信手段からユーザの使用環境に最適な無線通信手段を選択することが可能となり、ユーザの利便性を向上させることができる無線通信システムを提供する。
【解決手段】複数の無線通信手段のうちの近接無線通信手段により携帯電話300等と複合機200との間で無線通信を確立し、複合機200が備える複数の無線通信手段のうち、データ通信が可能な共通する無線通信手段の識別情報から識別情報テーブルを作成して記憶する。一方、携帯電話300等と協働して実行するジョブの起動を近接無線通信手段による携帯電話300等と複合機200との間の無線通信の確立に応じて行う。そして、ジョブの起動時に携帯電話300等の機器情報を取得して識別情報テーブルと比較し、比較結果に応じてデータ通信を行うための無線通信手段を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の無線通信手段を備える携帯端末装置と画像入出力装置との間でデータ通信を行う際に、当該複数の無線通信手段から最適なものを選択する無線通信システム及びその制御方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信により各種データ通信を行う電子機器において、従来、複数の異なる無線通信方式を一つの筐体内に搭載し、いずれかの無線通信方式によりデータ送信を行うものが開示されている(特許文献1参照)。ここでいう電子機器には、携帯電話機、PDA:Personal Digital Assistant、ノートパソコン等が含まれる。かかる従来の電子機器の中には、ユーザが無線通信方式を指定するのではなく、どのような基準で無線通信方式を指定するかの判断基準である優先順位が予め設定されている。この場合、ユーザがデータ送信時にその優先順位を指定し、指定した優先順位に従って無線通信方式を自動的に選択してデータ送信を行っている。優先順位しては、消費電力の低い方式、通信可能距離の短い方式、通信速度の速い方式、通信料金の安い方式などが挙げられる。
【特許文献1】特開2003−169375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来技術では、無線通信方式の優先順位が予め設定されているものの、無線通信を行う相手機がどの無線通信方式を備えているかが不明である。したがって優先順位の高い通信方式からデータ送信を行って正常にデータ送信を行うことができる通信方式を探す必要がある。また、上述した従来技術では、送信するデータのサイズによって優先する通信方式の優先順位を異ならせるようにしているが、データのサイズ以外の条件を加味して最適な通信方式を決定することはできない。よって、上述した従来技術では、最適な無線通信手段を選択することはできない。
【0004】
本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、複数の無線通信手段からユーザの使用環境に最適な無線通信手段を選択することが可能となり、ユーザの利便性を向上させることができる無線通信システムを提供することを目的とする。また、無線通信システムの制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1記載の無線通信システムは、複数の無線通信手段を備える携帯端末装置及び画像入出力装置間でデータ通信を行う無線通信システムにおいて、前記携帯端末装置は、前記複数の無線通信手段のうちの近接無線通信手段により前記画像入出力装置との間で無線通信を確立し、前記画像入出力装置が備える複数の無線通信手段のうち、データ通信が可能な共通する無線通信手段の識別情報から識別情報テーブルを作成して記憶する識別情報テーブル作成手段を備え、前記画像入出力装置は、前記携帯端末装置と協働して実行するジョブの起動を前記近接無線通信手段による前記携帯端末装置との間の無線通信の確立に応じて行う制御手段と、前記ジョブの起動時に前記携帯端末装置の機器情報を取得して前記識別情報テーブルと比較する比較手段と、前記比較結果に応じて前記データ通信を行うための無線通信手段を選択する選択手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
上記目的を達成するために、請求項7記載の無線通信システムの制御方法は、複数の無線通信手段を備える携帯端末装置及び画像入出力装置間でデータ通信を行う無線通信システムの制御方法において、前記複数の無線通信手段のうちの近接無線通信手段により前記携帯端末装置と前記画像入出力装置との間で無線通信を確立し、前記画像入出力装置が備える複数の無線通信手段のうち、データ通信が可能な共通する無線通信手段の識別情報から識別情報テーブルを作成して記憶する識別情報テーブル作成工程と、前記携帯端末装置と協働して実行するジョブの起動を前記近接無線通信手段による前記携帯端末装置と前記画像入出力装置との間の無線通信の確立に応じて行う制御工程と、前記ジョブの起動時に前記携帯端末装置又は前記画像入出力装置の機器情報を取得して前記識別情報テーブルと比較する比較工程と、前記比較結果に応じて前記データ通信を行うための無線通信手段を選択する選択工程とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の無線通信手段からユーザの使用条件に最適な無線通信手段を選択することが可能となり、ユーザの利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0009】
図1は、本発明の実施形態に係る無線通信システムの全体構成を示す図である。
【0010】
図1において、無線通信システムは、複合機200等の画像入出力装置と、携帯電話230,300、PDA(Personal Digital Assistant)500、ノートPC400等の携帯端末装置とで構成される。
【0011】
複合機200は、スキャン機能、プリント機能、FAX機能、ネットワーク通信機能に加えて無線通信機能等を有する。複合機200は、画像入力デバイスであるスキャナ2070、画像出力デバイスであるプリンタ2095、コントローラユニット2000、及びユーザインターフェースである操作部2012から構成される。
【0012】
スキャナ2070、プリンタ2095、及び操作部2012は、それぞれコントローラユニット2000に接続されている。コントローラユニット2000は、複数の無線通信機能(無線通信手段)を備え、携帯電話300等の無線通信機能(無線通信手段)を有する各種携帯端末装置との間で無線2015により接続可能になっている。
【0013】
本無線通信システムでは、複合機200を利用してさまざまなサービスを提供することができる。例えば、携帯電話300,230に記憶された画像やメール文書を無線を通じて複合機200に転送し、プリンタ2095で印刷(画像出力)する「携帯プリント」と呼ばれるサービスが提供できる。また、複合機200のスキャナ2070により画像読み込み(画像入力)を行い、得られた画像データを無線を通じてノートPC400等に転送して記憶させる「プッシュスキャン」と呼ばれるサービスが提供可能である。
【0014】
更に、複合機200のスキャナ2070により画像読み込みを行い、得られた電子化データをメール配信する、いわゆる「スキャン・トゥ・イーメール(Scan to E-mail)」と呼ばれるサービスの提供も可能である。このサービスでは、ユーザは、例えば、PDA500に登録されているアドレス帳より所望のE-mailアドレスを選択し、選択したアドレスを無線を通じて複合機200に送信して、「Scan to E-mail」の宛先として指定することが可能である。
【0015】
コントローラユニット2000は、サービスの内容、通信距離、及び携帯端末装置の電源などの使用条件に応じて、複数の無線通信手段の中から最適な無線通信手段を選択し、当該無線通信手段を用いて携帯端末装置とデータ通信を行う。例えば、複合機200に近い場所で携帯電話と軽いデータの通信を行う場合、通信範囲は狭いが、バッテリー駆動時に有利な低消費電力の無線通信手段が選択される。一方、AC電源を使用したノートPCから重いデータを遠隔通信する場合は、消費電力は大きくても通信範囲が広く高速な無線通信手段が選択される。
【0016】
図2は、図1のコントローラユニット2000の内部構成を示すブロック図である。
【0017】
コントローラユニット2000は、バス2071を介してスキャナ2070に接続され、またバス2096を介してプリンタ2095に接続される。また、コントローラユニット2000は、LAN2011や公衆回線(WAN)2051や無線2015を介して他の機器に接続して、画像情報やデバイス情報の入出力制御を行う。
【0018】
CPU2001はシステム全体を制御するコントローラである。RAM2002はCPU2001が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。ROM2003はブートROMであり、ROM2003にはシステムのブートプログラムが格納されている。HDD2004はハードディスクドライブであり、システムソフトウェアや画像データ、後述する通信部2013が有するすべての無線通信手段に関する情報(無線通信手段の仕様)を格納する。
【0019】
操作部I/F2006は、操作部(UI)2012との間のインターフェース部であり、操作部2012に表示すべき画像データを操作部2012に対して出力する。また、操作部2012から本システムのユーザが入力した情報を、CPU2001に伝える役割を行う。Network部2010は、LAN2011に接続され、情報の入出力を行う。MODEM2050は、公衆回線2051に接続され、情報の入出力を行う。
【0020】
通信部2013は、通信部2013に接続されるアンテナ部2014を介して無線2015に接続され、情報の入出力を行う。また、通信部2013は複数種類の無線通信を行うことが可能である。上記各デバイスがシステムバス2007上に配置される。
【0021】
ImageBusI/F2005は、システムバス2007と、画像データを高速で転送する画像バス2008とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス2008は、PCIバスまたはIEEE1394等で規定されるバスである。
【0022】
画像バス2008上に配置される各デバイスにおいて、ラスターイメージプロセッサ(RIP)2060は、PDLコードをビットマップイメージに展開する。デバイスI/F部2020は、スキャナ2070またはプリンタ2095をコントローラユニット2000に接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。スキャナ画像処理部2080は、入力画像データに対して補正、加工、または編集を行う。プリンタ画像処理部2090は、プリント出力画像データに対して、プリンタ2095に合った補正、解像度変換等を行う。画像回転部2030は、画像データの回転を行う。画像処理部2040は、画像データに対する、JPEG、JBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理や、PDF、TIFF、OCR、暗号化等のフォーマット変換処理を行う。
【0023】
図3は、図2の通信部2013の内部構成を示すブロック図である。
【0024】
図3において、インターフェース(I/F)変換回路2115は、システムバス2007と複数の無線通信手段(無線通信部)A2016,B2017,C2018,D2019との間に接続されている。I/F変換回路2115は、無線通信手段A2016〜D2019がUSB或いはSDIOなどの異なるインターフェース(I/F)を有する場合に、これらをシステムバス2007に適合するようにインターフェース(I/F)の変換処理を行っている。
【0025】
無線通信手段A2016〜D2019は、通信距離、通信速度、及び消費電力等が各々異なる。無線通信手段A2016〜D2019は、例えば、非接触ICカードによる近接通信、Bluetooth等のスペクトラム拡散通信、IrDA等の赤外線通信、無線LAN等の各種無線データ通信機能である。そして、アンテナ部2014を通じて無線2015による情報の入出力を行っている。図示では、無線通信手段A2016〜D2019は互いに異なる無線通信手段であるために異なるアンテナが接続されるが、便宜上アンテナ部2014で代表して記載している。
【0026】
図4は、複合機200の外部から見た構成を示す外観図である。
【0027】
スキャナ2070は、原稿を照明し、CCDラインセンサ(図示せず)を走査し、原稿からの反射光をラスターイメージデータとして電気信号に変換し、バス2071を介してコントローラユニット2000に送信する。原稿用紙が原稿フィーダ2072のトレイ2073にセットされ、ユーザが操作部2012から読み取り起動指示を行う。コントローラユニット2000内のCPU2001がバス2071を介してスキャナ2070に指示を与えると、原稿フィーダ2072は原稿用紙を1枚ずつフィードし、スキャナ2070は原稿画像の読み取り動作を行う。
【0028】
プリンタ2095は、バス2096を介してコントローラユニット2000から受信したラスターイメージデータを用紙上に画像として記録する。その記録方式としては、感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式など種々の方式が挙げられるが、いずれの方式であってもよい。
【0029】
プリント動作は、コントローラユニット2000内のCPU2001からのバス2096を介した指示によって開始される。プリンタ2095は、異なるサイズ或いは異なる方向の用紙を選択できるように、複数の給紙段を有し、格段に対応した用紙カセット2101,2102,2103を備える。また、排紙トレイ2111は、印字し終わった用紙を受ける部分である。なお、用紙カセット2101,2102,2103に収納される記録媒体は、印刷用紙に限らず、OHPシート等でもよい。
【0030】
図5は、操作部2012の外観構成を表す平面図である。
【0031】
操作部2012は、液晶画面210、リセットキー211、ガイドキー212、ユーザモードキー213、割り込みキー214、暗証キー215、テンキー216、クリアキー217、スタートキー218、ストップキー219、及び電源キー221を有している。
【0032】
液晶画面210は、設定内容や装置の動作状況を表示する画面であり、また、液晶画面210上に取り付けられたタッチパネル(不図示)のソフトキー等の押下により設定情報が入力可能である。
【0033】
リセットキー211は、設定内容を初期モードにリセットするキーである。ガイドキー212は、操作方法の説明が表示される画面を液晶画面210に表示させるためのキーである。ユーザモードキー213は、装置の各種設定を行うモードに入るためのキーである。
【0034】
割り込みキー214は、装置の動作を一旦停止させ、他のジョブ動作を実行させるためのキーである。暗証キー215は、暗証番号を入力しないと装置を使用することができない暗証モード時に、テンキー216を用いて暗証番号を押下した後にその暗証番号を入力するためのキーである。テンキー216は、コピー枚数を入力したり、各種設定の値を入力するキーである。
【0035】
クリアキー217は、入力した値をクリアするキーである。スタートキー218は、装置に対して画像形成動作を開始する指示を入力するキーである。ストップキー219は画像形成動作を停止させるキーである。電源キー221はソフトSWであり、本来、装置の電源をソフト的にオン/オフするキーであるが、この電源キー221を例えば、長押しすることにより主電源をオフすることができるようにするものである。
【0036】
図6は、携帯電話300の構成例を示すブロック図である。
【0037】
通信システム制御部301は、CPU及び専用回路から構成され、携帯電話300全体を制御する。ROM305には、通信システム制御部301の制御用プログラムや動作用の各種定数、変数、画像表示制御、及び無線通信手段の通信規約(プロファイル)のソフトウェア等が格納されている。
【0038】
RAM304は、通信システム制御部301の作業用メモリであるが、マイク312で入力された音声や複合機200から送信された画像データなどを格納する。また、RAM304は、所定時間の音声データや所定枚数の画像データを格納するのに十分な記憶容量を備えている。さらには、RAM304は、後述する識別情報テーブルや無線通信手段に関する情報、または通信回線番号等を記憶及び保存するために、電気的に不揮発な不揮発メモリ(Flash Memory)などで構成されてもよい。
【0039】
表示部302は、液晶表示器(LCD)等で構成され、通信システム制御部301でのプログラムの実行に応じて、RAM304に格納された画像データや操作部303からの操作指示情報で動作状況やメッセージなどを表示する。
【0040】
操作部303は、通信システム制御部301の各種動作指示を入力するための操作部であり、スイッチやダイヤル、タッチパネル、ポインティングデバイスなどの単一或いはこれらの組み合わせにより構成される。操作部303において、携帯電話300の電源のオン/オフ、通話の実行/停止、電話番号の入力/選択、通信モードの切替え、機能の選択等の操作を行うことができる。
【0041】
通信部306は、各種遠距離無線通信機能を有する。アンテナ307は、通信部306により携帯電話300を他の通信装置や通信基地と回線接続するアンテナである。通信部308は、ICカードによる近接通信、Bluetooth等のスペクトラム拡散通信、IrDA等の赤外線通信、無線LAN等の各種無線データ通信機能を有する。アンテナ309は、通信部308により携帯電話300を他の近距離データ通信装置と接続するアンテナである。
【0042】
マイク312は、入力した音声を電気信号に変換する。A/D変換部310は、マイク312のアナログ電気信号をデジタル信号に変換する。D/A変換部311は、デジタル信号をアナログ信号に変換する。スピーカ313はアナログ電気信号を音声信号に変換する。通信システム制御部301の制御に基づいて、RAM304から読み出されたデジタルデータがD/A変換部311に入力される。D/A変換部にて変換されたデジタルデータは、アナログデータ、即ち音声データとしてスピーカ313に出力される。
【0043】
電源部314は、DC−DCコンバータ等で構成され、バッテリー(不図示)などのDC電源入力からシステムの電源を生成する。
【0044】
図7は、ノートPCの構成例を示すブロック図である。
【0045】
図7において、CPU401は、ノートPC400全体を制御するマイクロプロセッサであり、ROM405に格納されている起動プログラム(BIOS)に従って、システム制御部402に指示をする。
【0046】
システム制御部402は、専用回路で構成され、CPU401の指示の基にノートPC400のすべての制御を司る制御部であり、記憶装置407とのデータの書き込みや読み出し、表示部406に表示データを送信したりする。また、キー操作部403からのキー指示データの読み込みや通信部408とのデータの送受信などの制御も行う。
【0047】
キー操作部403は、システム制御部402の各種動作指示を入力するための操作部であり、スイッチやダイヤル、タッチパネル、ポインティングデバイスなどの単一或いはこれらの組み合わせにより構成される。キー操作部403において、ノートPC(情報処理装置)400の電源のオン/オフ、通話の実行/停止、情報の入力/選択、通信モードの切替え、機能の選択等の操作を行うことができる。
【0048】
RAM404は、CPU401及びシステム制御部402の作業用メモリであるが、複合機200から送信された動作状態情報などを格納する。また、RAM404は、電気的に不揮発な不揮発メモリ(Flash Memory)などで構成されてもよい。ROM405には、システム制御部402の制御用プログラム、システムの起動用の制御プログラムやBluetoothやIrDA等のプロファイルのソフトウェア等や動作用の各種定数、変数等が格納されている。
【0049】
表示部406は、液晶表示器(LCD)などで構成され、システム制御部402でのプログラムの実行に応じて、RAM404に格納された画像データやキー操作部403からの操作指示情報で動作状況やメッセージなどを表示する。
【0050】
記憶装置407は、ハードディスク装置や半導体メモリやメモリカードなどで構成され、一時的にデータを記憶したり、アプリケーションソフトウエアを記憶しておくための記憶装置である。また、接続先プリンタの切替えを指示するなどの印刷制御プログラムの他、通信装置と送受信したデータを格納したりするためにも使用される。ROM405に格納されているシステム制御プログラムを格納することも可能である。
【0051】
通信部408は、ICカードによる近接通信、Bluetooth等のスペクトラム拡散通信、IrDAの赤外線通信、無線LAN等の各種無線データ通信機能を有する。アンテナ409は、通信部408によりノートPC400を他の近距離データ通信装置と接続するアンテナである。
【0052】
電源部410は、ノートPC400の各部が必要とするシステム電源を生成する回路で、AC電源入力からシステムの電源を生成する。通信部411は、インターネットなどへのデータ通信回線網600に接続するための通信部であり、電話回線網を使用する場合にはモデム装置が使用される。また、データ通信回線網に直接接続する場合は、一般的に10/100Base−Tと呼ばれるLANアダプタが使用される。最近では、ブロードバンドルータやADSLモデムなども使用されている。
【0053】
図8は、PDA500の構成例を示すブロック図である。
【0054】
PDAの基本構成は、図7にて説明したノートPCの基本構成と類似している。そして、CPU501の処理能力やメモリ容量の物理的な制限や電源の消費電力などの点で異なる以外は同等の機能を有する。PDAでは、操作部としてタッチパネルを使用し、ペンなどによる文字認識機能にて情報の入力をしたり、操作の指示をするのが一般的である。
【0055】
図8において、CPU501は、PDA500全体を制御するマイクロプロセッサであり、ROM505に格納されているプログラムに従って、システム制御部502に指示をする。
【0056】
システム制御部502は、専用回路で構成され、CPU501の指示の基にPDA500のすべての制御を司る制御部であり、記憶装置507とのデータの書き込みや読み出し、表示部506に表示データを送信したりする。また、タッチパネル操作部503からのキー指示データの読み込みや通信部508とのデータの送受信などの制御も行う。
【0057】
タッチパネル操作部503は、システム制御部502の各種動作指示を入力するための操作部であり、タッチパネルにより構成される。タッチパネル操作部503において、PDA500の電源のオン/オフ、通話の実行/停止、電話番号の入力/選択、通信モードの切替え、機能の選択等の操作を行うことができる。
【0058】
RAM504は、CPU501及びシステム制御部502の作業用メモリであるが、複合機200から送信された動作状態情報などを格納する。また、RAM504は、電気的に不揮発な不揮発メモリ(Flash Memory)などで構成されてもよい。ROM505には、システム制御部502の制御用プログラム、システムの起動用の制御プログラムやBluetoothやIrDA等のプロファイルのソフトウェア等や動作用の各種定数、変数等が格納されている。
【0059】
表示部506は、液晶表示器(LCD)などで構成され、システム制御部502でのプログラムの実行に応じて、RAM504に格納された画像データやタッチパネル操作部503からの操作指示情報で動作状況やメッセージなどを表示する。
【0060】
記憶装置507は、メモリカードタイプのマイクロハードディスク装置やメモリカードなどで構成され、一時的にデータを記憶したり、アプリケーションソフトウエアを記憶しておくための記憶装置である。また、接続先プリンタの切替えを指示するなどの印刷制御プログラムの他、通信装置と送受信したデータを格納したりするためにも使用される。ROM505に格納されているシステム制御プログラムを格納することも可能である。
【0061】
通信部508は、ICカードによる近接通信、Bluetooth等のスペクトラム拡散通信、IrDAの赤外線通信、無線LAN等の各種無線データ通信機能を有する。アンテナ509は、通信部508によりPDA500を他の近距離データ通信装置と接続するアンテナである。電源部510は、PDA500の各部が必要とするシステム電源を生成する回路で、バッテリー電源からシステムの電源を生成する。
【0062】
通信部511は、インターネットなどへのデータ通信回線網600に接続するための通信部であり、電話回線網を使用する場合にはモデムカード装置が使用される。また、データ通信回線網に直接接続する場合は、一般的に10/100Base−Tと呼ばれるLANカードアダプタが使用される。
【0063】
本無線通信システムにおいて提供される各種サービスを利用するには、ICカードによる近接通信やIrDA等の通信範囲が狭い近接無線通信手段を使用して識別情報を取得し、取得した識別情報に基づいて識別情報テーブルを作成することを前提としている。近接無線通信手段を使用するのは、画像入出力装置と携帯端末装置を容易に1対1に特定できるためである。識別情報は、無線通信手段固有の通信距離、通信速度、及び消費電力などで構成される。
【0064】
なお、図6〜図8において、携帯電話、ノートPC、PDAの構成例を示したが、これらは無線通信端末の一例である。無線通信端末は、無線通信機能を備えた端末であれば上記以外の装置であってもよい。例えば、ゲーム機、タブレットPC、デジタルカメラ、携帯音楽プレーヤーなども無線通信を行うことが可能であれば、それらは無線通信端末に含まれる。
【0065】
上記を踏まえて、複合機200と携帯電話300との間の識別情報取得処理について説明する。
【0066】
図9は、複合機200と携帯電話300との間の識別情報テーブルの作成処理の流れを示すフローチャートである。
【0067】
まず携帯電話300は、上記識別情報を取得して識別情報テーブルを作成するための識別情報テーブル作成モードの指示をユーザから操作部303を介して受け付ける(ステップS401)。次に、携帯電話300と複合機200との間で近接無線通信を確立する(ステップS402)。具体的には、携帯電話300を複合機200に接近させて、携帯電話300内の通信部308が有する近接無線通信手段と複合機200内の通信部2013が有する近接無線通信手段との間で近接無線通信を確立させる。例えば、ユーザが携帯電話300を、複合機200の通信部2013に含まれるICカードリーダにかざすことで携帯電話300と複合機200との間での近接無線通信を確立させることができる。
【0068】
近接無線通信が確立すると、携帯電話300は、通信部308が有するすべての無線通信手段に関する情報を通信システム制御部301の制御に基づいてROM305から読み出し、アンテナ309を介して複合機200に送信する(ステップS403)。ここで、無線通信に関する情報は、無線通信の種類を示す情報を含むものとする。
【0069】
次に、複合機200は、携帯電話300から無線通信手段に関する情報を受信すると(ステップS404)、通信部2013が有するすべての無線通信手段に関する情報をCPU2001がHDD2004から読み出す。そして、携帯電話300から受信した当該無線通信手段に関する情報と比較する(ステップS405)。
【0070】
そして、ステップS405で比較した結果、複合機200と携帯電話300とがそれぞれ有する複数の無線通信手段の中で、互いにデータ通信が可能な共通する無線通信手段を判別する(ステップS406)。この判別の結果、データ通信が可能な共通する無線通信手段がなかった場合は(ステップS406‐No)、本処理を終了する。このとき、近接無線通信手段以外に共通する無線通信手段が無かった旨のエラーメッセージを携帯電話に300に表示するようにしてもよい。この結果、近接無線通信手段が複合機200と携帯電話300と間の唯一の無線通信手段となる。
【0071】
一方、ステップS406の判別の結果、データ通信が可能な共通する無線通信手段があった場合は(ステップS406‐Yes)、共通する無線通信手段の識別情報を複合機200から携帯電話300に通知する(ステップS407)。つづいて、携帯電話300が識別情報を取得する(ステップS408)。そして、携帯電話300は、図10に示すような、無線通信手段ごとに識別情報をリスト化した機別情報テーブルを作成し、RAM304に記憶する(ステップS409)。
【0072】
なお、1台の携帯端末装置を用いて複数の画像入出力装置との間で通信を行う場合は、これら複数の画像入出力装置に同じ無線通信手段を備えているとは限らないため、携帯端末装置では各々異なる識別情報テーブルが作成される。また、既に識別情報テーブルを有する画像入出力装置の無線通信手段と通信を確立する場合、画像入出力装置を特定するためのアドレス情報など無線通信手段確立のための設定情報が必要となる。しかし、携帯端末装置が識別情報の取得時にこれらの設定情報も同時に取得して記憶することが可能である。
【0073】
なお、図9のフローチャートにおいて、複合機200がステップS405〜S407の処理を実行するようにしてもよい。その場合、携帯電話300はステップS403の処理を実行する代わりに複合機200の無線通信手段に関する情報を複合機200から取得すればよい。
【0074】
また、識別情報テーブルは、携帯電話300のみでなく、複合機200にも記憶しておくようにしてもよい。例えば、ステップS409で携帯電話300が作成した識別情報テーブルを携帯電話300から複合機200へ送信し、複合機200がそれをHDD2004に記憶する。
【0075】
また、図9のフローチャートにおいて、携帯電話300が行う処理を、他の種類の無線通信端末(例えばPDA500)に置き換えてもよい。
【0076】
図10は、識別情報テーブルの一例を示す図である。
【0077】
図示例の識別情報テーブルには、識別情報の取得時に使用した近接無線通信手段を含む無線通信手段A,B,C,Dが、複合機200と携帯電話300との間でデータ通信が可能な共通する無線通信手段として登録されている。そして、無線通信手段A〜Dごとに固有の通信距離、通信速度、消費電力などの識別情報が登録されている。なお、識別情報としては、図示のような抽象的なもので表されるだけでなく、具体的な単位(メートル、bps、ワット)を有する数値により定量的に表されてもよい。図9のフローチャートを実行することで、図10のような識別情報テーブルを自動的に作成することができる。
【0078】
図11は、複合機200と近接地にあるPDA500との間のジョブ実行時の動作処理を示すフローチャートである。本処理では、上述した「Scan to E-mail」機能実行時の動作処理の一例について説明する。
【0079】
まず、複合機200は、ユーザからジョブの選択及び設定を受け付ける(ステップS501)。ここでは、ユーザは、スキャナ2070に原稿をセットした後、操作部2012により「Scan to E-mail」機能を選択し、宛先指定を受け付ける宛先入力モードを選択する。また、ユーザは、複合機との近接無線が可能な距離にPDA500を置いておく。
【0080】
次に、PDA500と複合機200との間で近接無線通信を確立し、Scan to E-mailジョブを起動する(ステップS502)。ここでは、ユーザがPDA500に登録されているアドレス帳より送信先であるE-mailアドレスを表示選択し、PDA500を複合機200に近接させ、上述した近接無線通信を確立させる。この近接無線通信手段は無線通信手段の識別情報取得時に使用したもので、この通信が確立したことを「Scan to E-mail」機能のジョブを開始する起動条件となっている。
【0081】
近接無線通信が確立してジョブが起動すると、識別情報テーブルがあるか否かを判別する(ステップS503)。ここでは、PDA500内のRAM504に複合機200に対応する識別情報テーブルが記憶されているかが判別される。ステップS503の判別の結果、複合機200に対応する識別情報テーブルがある場合は(ステップS503‐Yes)、PDA500の機器情報を取得する(ステップS505)。機器情報は、携帯端末装置と画像入出力装置との間でデータ通信を介して実行されるジョブの操作設定情報、携帯端末装置の電力の供給方法やバッテリーの残量に関する電源情報で構成される。例えば、近接無線通信の確立によりジョブを起動したので無線通信手段の通信範囲が狭くてよいこと、「Scan to E-mail」のアドレス情報を送信するので転送データ量が小さいこと、PDAがバッテリー駆動であること等の使用条件を表す情報である。
【0082】
一方、ステップS503の判別の結果、複合機200に対応する識別情報テーブルがない場合は(ステップS503‐No)、上述した図9に示す識別情報テーブル作成処理を行った後(ステップS504)、ステップS505へ進む。
【0083】
次に、機器情報と識別情報テーブルとを比較し(ステップS506)、データ通信を行うために最適な無線通信手段を選択する(ステップS507)。ステップS507の詳細については後述するが、例えば、取得した機器情報と識別情報テーブルにより、通信距離が狭く、通信速度が低速で、消費電力が小さい無線通信手段Bが最適と判断された場合は、当該無線通信手段Bが選択される。
【0084】
次に、選択された無線通信手段による通信を確立して、選択されたジョブを実行する(ステップS508)。ここでは、PDA500から複合機200へアドレス情報(選択されたE-mailアドレス)が転送され、スキャナ2070が画像読み込み(画像入力)を行い、得られた電子化データがLAN2011を介してメール配信される。なお、図11のフローチャートにおいて、PDA500が行う処理を、他の種類の無線通信端末(例えば携帯電話300)に置き換えてもよい。
【0085】
図12は、複合機200と遠隔地にある携帯電話230との間のジョブ実行時の動作処理を示すフローチャートである。本処理では、上述した「携帯プリント」機能実行時の動作処理の一例について説明する。
【0086】
まず、携帯電話230は、ユーザからジョブの選択及び設定を受け付ける(ステップS601)。ここでは、ユーザが通信相手として複合機200を指定する。そして、携帯電話230内のRAM304から読み出し、表示部302にリスト状に表示された複数の画像から、ユーザが操作部303により所望の画像を選択し、印刷指示を行う。
【0087】
印刷指示が行われると、印刷処理のためのジョブを起動する(ステップS602)。すなわち、携帯電話230にて印刷指示が行われることが「携帯プリント」機能のジョブを開始する起動条件となっている。これは上述した近接無線通信手段とは異なり、携帯電話230と複合機200との距離が離れた場合の遠隔通信を想定し、遠隔無線通信手段を使用しているためである。
【0088】
遠隔無線通信が確立してジョブが起動すると、携帯電話230は複合機200の識別情報テーブルがあるか否かを判別する(ステップS603)。この判別の結果、図9の識別情報テーブル作成処理により複合機200の識別情報テーブルを既に作成し記憶している場合は(ステップS603‐Yes)、携帯電話230の機器情報を取得する(ステップS605)。機器情報は、携帯端末装置と画像入出力装置との間でデータ通信を介して実行されるジョブの操作設定情報、携帯端末装置の電力の供給方法やバッテリーの残量に関する電源情報で構成される。例えば、遠隔無線通信の確立によりジョブを起動したので無線通信手段の通信範囲が狭いと不都合を生じること、「携帯プリント」で画像を複数指定したので転送データ量が比較的大きいこと、携帯電話がバッテリー駆動であること等の使用条件を表す情報である。
【0089】
一方、ステップS603の判別の結果、複合機200の識別情報テーブルがない場合(ステップS603‐No)、図9の識別情報テーブル作成処理により識別情報テーブルが作成されていないので、遠隔通信ができない旨の警告を表示する(ステップS604)。警告を表示する際には、図9の識別情報テーブル作成処理を実行するように促してもよい。なお、ステップS601のジョブの選択及び設定において、識別情報テーブルを取得していない画像入出力装置を指定した時点で警告したり、或いは選択できないように制御してもよい。
【0090】
次に、取得した機器情報から得られる使用条件と識別情報テーブルとを比較することにより(ステップS606)、データ通信を行うために最適な無線通信手段を選択する(ステップS607)。ステップS607の処理の詳細については後に詳述するが、例えば、図10の識別情報テーブルにおいて、通信距離が中程度、通信速度が中速で、消費電力が中程度の無線通信手段Cが最適と判断される。
【0091】
次に、選択された無線通信手段による通信を確立し、画像を複合機200に転送し、プリンタ2095で印刷(画像出力)する(ステップS608)(ジョブの実行)。なお、図12のフローチャートにおいて、携帯電話230が行う処理を、他の種類の無線通信端末(例えばノートPC400)に置き換えてもよい。
【0092】
図13は、図11のフローチャートのステップS507の処理及び図12のフローチャートのステップS607の処理を実行するために用いられる判断テーブルの一例を示す図である。判断テーブル1300は、複合機200のHDD2004或いは携帯電話300のRAM304、ノートPCの記憶装置407、PDA500の記憶装置507に記憶されているものとする。
【0093】
図11のフローチャートのステップS507の処理及び図12のフローチャートのステップS607の処理(無線通信手段選択処理)では、以下のようにして無線通信手段を選択する。
【0094】
まず、ステップS505やステップS605で取得した機器情報と、判断テーブル1300の機器情報項目1310とを比較して、同じ内容を有する機器情報をもつレコードを特定する。そして、特定したレコードに対応する、使用する無線通信手段の条件1320を参照し、選択すべき無線通信手段の条件を特定する。本実施形態では、条件としては、通信距離、通信速度、消費電力の3つの項目を持つものとする。そして、特定された条件と、識別情報テーブル(図10)とを比較して、特定された条件に合致する通信手段を、ステップS507やステップS607で選択すべき通信手段とする。
【0095】
例えば、機器情報として、ジョブの種類が「scan to e-mail」、送信するデータが「アドレス」、送信する携帯電話300の電源がバッテリーで駆動している場合を考える。判断テーブル1300を参照すると、使用する無線通信手段の条件としては、通信距離が「近」または「狭」で、消費電力が「少」の条件が導き出される。この条件と識別情報テーブル(図10)とを比較すると、通信手段Aと通信手段Bが選択されることになる。
【0096】
上記実施の形態によれば、近接無線通信手段により携帯電話300等と複合機200との間で無線通信を確立し、複合機200が備える複数の無線通信手段のうち、データ通信が可能な共通する無線通信手段の識別情報から識別情報テーブルを作成して記憶する。一方、携帯電話300等と協働して実行するジョブの起動を近接無線通信手段による携帯電話300等と複合機200との間の無線通信の確立に応じて行う。そして、ジョブの起動時に携帯電話300等の機器情報を取得して識別情報テーブルと比較し、比較結果に応じてデータ通信を行うための無線通信手段を選択する。これにより、複数の無線通信手段を備える携帯端末装置及び画像入出力装置間でデータ通信を行う無線通信システムにおいて、複数の無線通信手段からユーザの使用条件に最適な無線通信手段を選択することが可能となり、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0097】
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによって達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0098】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、次のものを用いることができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等である。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0099】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0100】
更に、前述した実施形態の機能が以下の処理によって実現される場合も本発明に含まれる。即ち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合である。
【0101】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現する場合も含まれる。この場合、上記プログラムは、該プログラムを記憶した記憶媒体から直接、またはインターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続された不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることにより供給される。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の実施形態に係る無線通信システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1のコントローラユニット2000の内部構成を示すブロック図である。
【図3】図2の通信部2013の内部構成を示すブロック図である。
【図4】複合機200の外部から見た構成を示す外観図である。
【図5】操作部2012の外観構成を表す平面図である。
【図6】携帯電話300の構成例を示すブロック図である。
【図7】ノートPCの構成例を示すブロック図である。
【図8】PDA500の構成例を示すブロック図である。
【図9】複合機200と携帯電話300との間の識別情報テーブルの作成処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】識別情報テーブルの一例を示す図である。
【図11】複合機200と近接地にあるPDA500との間のジョブ実行時の動作処理を示すフローチャートである。
【図12】複合機200と遠隔地にある携帯電話230との間のジョブ実行時の動作処理を示すフローチャートである。
【図13】図11のステップS507の処理及び図12のステップS607の処理を実行するために用いられる判断テーブルの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0103】
200 複合機
230,300 携帯電話
306,411,511,2013 通信部
400 ノートPC
500 PDA
2000 コントローラユニット
2001 CPU
2012 操作部
2014 アンテナ
2016〜2019 無線通信手段A〜無線通信手段D
2115 I/F変換回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無線通信手段を備える携帯端末装置及び画像入出力装置間でデータ通信を行う無線通信システムにおいて、
前記携帯端末装置は、前記複数の無線通信手段のうちの近接無線通信手段により前記画像入出力装置との間で無線通信を確立し、前記画像入出力装置が備える複数の無線通信手段のうち、データ通信が可能な共通する無線通信手段の識別情報から識別情報テーブルを作成して記憶する識別情報テーブル作成手段を備え、
前記画像入出力装置は、前記携帯端末装置と協働して実行するジョブの起動を前記近接無線通信手段による前記携帯端末装置との間の無線通信の確立に応じて行う制御手段と、
前記ジョブの起動時に前記携帯端末装置の機器情報を取得して前記識別情報テーブルと比較する比較手段と、
前記比較結果に応じて前記データ通信を行うための無線通信手段を選択する選択手段とを備えることを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記携帯端末装置は、前記複数の無線通信手段に関する情報を前記画像入出力装置に送信する送信手段と、
前記画像入出力装置から前記データ通信が可能な共通する無線通信手段の識別情報を取得する取得手段とを更に備え、
前記画像入出力装置は、前記複数の無線通信手段のうちの近接無線通信手段により前記携帯端末装置との間で無線通信を確立する通信手段と、
前記携帯端末装置から前記複数の無線通信手段に関する情報を受信する受信手段と、
前記受信した複数の無線通信手段に関する情報に基づいて、前記データ通信が可能な共通する無線通信手段を判別する判別手段とを更に備えることを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記携帯端末装置は、前記画像入出力装置と協働して実行するジョブの起動を、前記複数の無線通信手段のうちの遠隔無線通信手段による前記画像入出力装置との間の無線通信の確立に応じて行う制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1又は2記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記無線通信手段の識別情報には、少なくとも無線通信手段の通信距離、通信速度、及び消費電力に関する情報が含まれることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記近接無線通信手段には、ICカードによる近接通信、スペクトラム拡散通信、赤外線通信、無線データ通信が含まれることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記機器情報には、前記携帯端末装置と前記画像入出力装置との間でデータ通信を介して協働して実行されるジョブの操作設定情報及び前記携帯端末装置の電力の供給方法を含む電源情報が含まれることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項7】
複数の無線通信手段を備える携帯端末装置及び画像入出力装置間でデータ通信を行う無線通信システムの制御方法において、
前記複数の無線通信手段のうちの近接無線通信手段により前記携帯端末装置と前記画像入出力装置との間で無線通信を確立し、前記画像入出力装置が備える複数の無線通信手段のうち、データ通信が可能な共通する無線通信手段の識別情報から識別情報テーブルを作成して記憶する識別情報テーブル作成工程と、
前記携帯端末装置と協働して実行するジョブの起動を前記近接無線通信手段による前記携帯端末装置と前記画像入出力装置との間の無線通信の確立に応じて行う制御工程と、
前記ジョブの起動時に前記携帯端末装置又は前記画像入出力装置の機器情報を取得して前記識別情報テーブルと比較する比較工程と、
前記比較結果に応じて前記データ通信を行うための無線通信手段を選択する選択工程とを備えることを特徴とする無線通信システムの制御方法。
【請求項8】
前記複数の無線通信手段に関する情報を前記携帯端末装置から前記画像入出力装置に送信する送信工程と、
前記画像入出力装置から前記データ通信が可能な共通する無線通信手段の識別情報を取得する取得工程と、
前記複数の無線通信手段のうちの近接無線通信手段により前記携帯端末装置と前記画像入出力装置との間で無線通信を確立する通信工程と、
前記携帯端末装置から前記複数の無線通信手段に関する情報を受信する受信工程と、
前記受信した複数の無線通信手段に関する情報に基づいて、前記データ通信が可能な共通する無線通信手段を判別する判別工程とを更に備えることを特徴とする請求項7記載の無線通信システムの制御方法。
【請求項9】
前記制御工程は、前記画像入出力装置と協働して実行するジョブの起動を、前記複数の無線通信手段のうちの遠隔無線通信手段による前記携帯端末装置と前記画像入出力装置との間の無線通信の確立に応じて行うことを特徴とする請求項7又は8記載の無線通信システムの制御方法。
【請求項10】
前記無線通信手段の識別情報には、少なくとも無線通信手段の通信距離、通信速度、及び消費電力に関する情報が含まれることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の無線通信システムの制御方法。
【請求項11】
前記近接無線通信手段には、ICカードによる近接通信、スペクトラム拡散通信、赤外線通信、無線データ通信が含まれることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の無線通信システムの制御方法。
【請求項12】
前記機器情報には、前記携帯端末装置と前記画像入出力装置との間でデータ通信を介して協働して実行されるジョブの操作設定情報及び前記携帯端末装置の電力の供給方法を含む電源情報が含まれることを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載の無線通信システムの制御方法。
【請求項13】
請求項7乃至12のいずれか1項に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータに読み取り可能なプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2009−49701(P2009−49701A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−213841(P2007−213841)
【出願日】平成19年8月20日(2007.8.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】