説明

無線通信システム及び無線通信システムにおけるネイバー情報の更新方法ならびに基地局

【課題】自動的にネイバー情報を更新する仕組みを持たない無線通信システムにおいても、自動的にネイバー情報を更新できるようにする。
【解決手段】第1の基地局から第2の基地局へ端末がハンドオーバする際に、第1、第2の基地局は、第1、第2の基地局同士で送受信されるメッセージに含まれるメッセージ送信元基地局の基地局識別子と、それぞれの基地局が有するネイバー情報に含まれる基地局の識別子を比較し、メッセージの送信元基地局の基地局識別子が、基地局が保持するネイバー情報に含まれていない場合には、メッセージの送信元基地局の基地局識別子をネイバー情報に追加し、追加した基地局の識別子を指定して、メッセージの送信元基地局に対しての基地局の情報の送信を要求するメッセージを送信することで送信元基地局の情報を取得し、ネイバー情報を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信技術に関し、特に無線通信システムでハンドオーバする際に用いられるネイバー情報の更新方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体無線通信システムでは、面として広がるサービスエリア内のいずれの場所においても、端末が良好な通信を行えるために、ハンドオーバという仕組みが組み込まれている。ハンドオーバは、通信可能な複数の基地局のうち最も良好な通信が期待できる基地局を端末が選択し、現在通信中の基地局から選択した基地局へ通信の引き継ぎを行う工程のことを指す。現在通信中の基地局をサービング基地局、通信の引き継ぎを行う基地局をターゲット基地局と呼ぶ。
【0003】
ハンドオーバには、大きく分けて、「コントロールドハンドオーバ」と、「アンコントロールドハンドオーバ」の2種が存在する。
【0004】
「コントロールドハンドオーバ」では、サービング基地局は、ターゲット基地局となる周囲の基地局の情報を、ネイバー情報(近接局の情報)として、サービスエリア内の端末に対して報知している。ネイバー情報には、近接局のプリアンブルのコード情報等が含まれている。プリアンブルのコード情報により、端末は、周囲の基地局が送信しているプリアンブルの検出が容易となる。端末は、ネイバー情報を元に、周囲に存在する基地局のプリアンブルを検出し、状況を事前に把握している。端末は、現在通信中のサービング基地局よりも良好な通信が期待できる基地局が見つかった際には、ハンドオーバを開始する。コントロールドハンドオーバでは、端末がハンドオーバの要求を出す相手は、サービング基地局である。端末からハンドオーバ要求を受信したサービング基地局は、バックホール回線を通じて、ターゲットとなる基地局と事前にその端末との通信に関する情報の引き継ぎを行う。この際に、ターゲット基地局は、端末がハンドオーバに必要な情報をサービング基地局に対して回答している。サービング基地局は、ネゴシエーションしたターゲット基地局から受け取った、端末がハンドオーバするために必要な情報を、端末に対して通知する。コントロールドハンドオーバでは、こうした事前のネゴシエーションにより、ハンドオーバに要する無線リソースの消費が小さく、ハンドオーバ時間を短縮することができる。
【0005】
一方、「アンコントロールドハンドオーバ」は、コントロールドハンドオーバに失敗するか、あるいはネイバー情報にない基地局にハンドオーバする際に発生する。端末はサービング基地局との“事前のネゴシエーション”を行わずに、ターゲット基地局に対して接続要求であるレンジングリクエスト(RNG_REQ)信号を出し、ハンドオーバを要求する。アンコントロールドハンドオーバでは、端末がこれまでサービング基地局と行ってきた通信に関する引き継ぎが、ハンドオーバ後の調整となるため、コントロールドハンドオーバに比べ、ハンドオーバ時間が長くなり、ハンドオーバに要する無線リソースの消費が大きくなってしまう。
【0006】
アンコントロールドハンドオーバは、コントロールドハンドオーバに失敗するか、あるいはネイバー情報にない基地局にハンドオーバする際に発生する。アンコントロールドハンドオーバの発生頻度を減らすためには、ネイバー情報が常に適切な内容であることが望ましい。しかし、新しい基地局が設置されるなど、無線通信システム内の基地局の設置状況は日々変わってしまう。また、新しいビルの建設などの外的要因によってもハンドオーバする基地局は変化する。そこで、基地局のネイバー情報を自動的に適切な内容に更新するための方法が必要であった。
【0007】
無線通信システムの標準化では、ネットワーク設計及び最適化プロセスを自動化するSON(セルフ・オーガナイジング・ネットワークス)という考え方が進んでいる。その中で、前述のネイバー情報を自動的に更新する仕組みが議論されている。
一例として、非特許文献1、LTE(ロングタームエボリューション)の22.3項では、端末が、基地局から受信したネイバー情報に含まれない新しい基地局を見つけた場合、端末は、その新しく見つけた基地局が報知する情報を受信し、受信した情報をサービング基地局に通知する仕組みが設けられている。この仕組みにより、サービング基地局は、ネイバー情報を自動的に更新し、最適なネイバー情報を構築することができる。
【0008】
しかし、WiMAXなどの一部の標準では、前述のLTEのような、端末がネイバー情報に存在しない新しい基地局を見つけた場合、端末は、その新しく見つけた基地局が報知する情報を受信し、受信した情報をサービング基地局に通知する仕組みが設けられていない。こうした標準では、サービング基地局側がターゲット基地局に対して、ターゲット基地局のBS_ID(基地局の識別子)を指定しないと、端末は周囲局の測定や、レポートを挙げない仕組みとなっている。このため、上述のような、端末からのアシストによる、ネイバー情報の自動更新の仕組みが存在しなかった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】3GPP TS36.300 V10.4.0, 22.3章
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述の様に、移動体無線通信では、ハンドオーバを適切に実施するために、ネイバー情報が適宜最適な内容に更新されることが望ましい。しかしながら、ネイバー情報の更新をオペレータが行うことは、基地局数が増加すると大変な手間となり現実的でない。他方、SONという考え方があるが、LTEに代表される標準では、端末がネイバー情報に存在しない新しい基地局を見つけた場合、端末は、その新しく見つけた基地局が報知する情報を受信し、受信した情報をサービング基地局に通知する仕組みがあるが、一部の標準では、そうした仕組みが具備されていない。そのため、端末が、ネイバー情報にない新しい基地局を見つけても、新しく見つけた基地局の情報をサービング基地局に通知する仕組みを持たない標準を採用した無線通信システムにおいても、自動的にネイバー情報を更新できるようにすることが求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、一例として、端末と無線回線により通信を行う複数の基地局と、それらの複数の基地局が接続されたゲートウェイ装置とを有する無線通信システムにおいて、第1の基地局から第2の基地局へ端末がハンドオーバする際に、第1、第2の基地局は、第1、第2の基地局同士で送受信されるメッセージに含まれるメッセージ送信元基地局の基地局識別子と、それぞれの基地局が有するネイバー情報に含まれる基地局の識別子を比較し、メッセージの送信元基地局の基地局識別子が、基地局が保持するネイバー情報に含まれていない場合には、メッセージの送信元基地局の基地局識別子をネイバー情報に追加し、追加した基地局の識別子を指定して、前記ゲートウェイ装置を経由してメッセージの送信元基地局に対しての基地局の情報の送信を要求するメッセージを送信することで送信元基地局の情報を取得し、ネイバー情報に追加してネイバー情報を更新するようにしたものである。
【0012】
また、基地局は、ネイバー情報にある基地局間のハンドオーバの回数をネイバー情報の基地局識別子に対応付けてネイバー情報に記憶するとともに、ネイバー情報にない基地局間のハンドオーバについても、第2のネイバー情報を作成してハンドオーバの回数を計数して第2のネイバー情報に基地局識別子に対応付けて記憶し、予め定めた重み付け係数を用いて予め定めた計算を行うことによりネイバー情報および第2のネイバー情報からネイバー情報として端末に報知すべき基地局を選択し、選択した基地局についての第3のネイバー情報を作成して、第3のネイバー情報を、サービスエリア内の端末へ報知するようにしたものである。
【0013】
より詳しくは、重み付け係数は、ハンドオーバ回数の多い基地局ほど選択される可能性が高くなるように設定し、第2のネイバー情報については、忘却平均を用いた計算を行って基地局の順位付けを行うようにしてもよい。
【0014】
また、別の構成としては、無線通信システム内に複数の基地局が接続された保守装置を有し、複数の基地局は、基地局の基地局識別子と、ハンドオーバ回数の計数結果を対応付けて保守装置に送信し、保守装置が、基地局予め定めた係数および計算方法に基づいて基地局無線通信システム内の各基地局のネイバー情報を作成し、各無線基地局に送信し、各無線基地局は、保守装置から受信したネイバー情報をメモリに記憶するとともに端末に報知するようにしたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、端末が、ネイバー情報にない新しい基地局を見つけても、新しく見つけた基地局の情報をサービング基地局に通知する仕組みを持たない標準を採用した無線通信システムにおいても、自動的にネイバー情報を更新できるようにすることができる。
よって、新設の基地局を立てた際などに、周囲の基地局からハンドオーバする可能性があれば、周囲の基地局がそれを検知し、それぞれの基地局のネイバー情報に新たに設置された基地局を自動的に加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】移動体無線通信システムの構成例を説明する図。
【図2】基地局が送信している信号の種類を説明する図である。
【図3】移動体線通信システムにおいて自動的にネイバー情報を更新する方法を説明する図である。
【図4】本発明の一実施例における基地局の構成を説明する図である。
【図5】本発明の一実施例におけるネイバー情報の更新動作を説明する図である。
【図6】本発明の一実施例において端末がアンコントロールハンドオーバによって新設の基地局にハンドオーバする状況を説明する図である。
【図7】本発明の一実施例において、サービング基地局とターゲット基地局の2つの基地局が情報のやり取りを行う状況を説明する図である。
【図8】アンコントロールドハンドオーバの接続シーケンスを説明する図である。
【図9】メッセージの送信経路を説明する図である。
【図10】本発明の一実施例における基地局間のメッセージの送受信について説明する図である。
【図11】ネイバー情報の一例を説明する図である。
【図12】本発明の一実施例におけるネイバー情報の作成方法を説明する図である。
【図13】本発明の一実施例における移動体無線通信システムの構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図1、図2、図3を用い、端末がネイバー情報にない新しい基地局を見つけた場合に、端末が新しく見つけた基地局の情報をサービング基地局に通知する仕組みを持つ標準を採用した無線通信システムにおけるネイバーリストの更新方法について説明する。
【0018】
図1は、移動体無線通信システムの構成例を示す図である。
【0019】
図1には、説明を簡単にするため、基地局は基地局101と基地局102の2つのみ示している。基地局101および102は、ゲートウェイ装置100と接続している。端末103は、基地局101と接続状態にあるため、基地局101の送信する信号(A:プリアンブル、B:報知情報、C:制御情報、D:データ)を受信している。また、隣接する基地局102が報知するA:プリアンブルも受信できる状態にある。
【0020】
次に、基地局が送信する信号について説明する。
図2は基地局が送信している信号の種類を説明する図である。
ここで、報知情報について説明する。図2に示すように、B:報知情報はさらに複数の情報に分けることができる。報知情報とは、基地局がサービスエリア内の複数の端末向けに一方的に送信している制御情報のことを指している。報知情報には、a:基地局情報、b:システム情報、c:リソース割当て情報、d:ネイバー情報が含まれる。
a:基地局情報は、基地局の識別子(=BS_ID)など、報知情報を送信している送信元の基地局の個別情報を示す。
b:システム情報は、オペレータの識別子など、システムの個別情報を示す。
c:リソース割当て情報は、その送信タイミングにおける無線リソースの使い方に関わる情報を指す。
d:ネイバー情報は、報知情報を送信している基地局に隣接する基地局の識別子や、それら隣接する基地局のプリアンブルの情報を含む。
端末103は、接続中の基地局が送信している報知情報に含まれるネイバー情報を受信することにより、接続中の基地局の周囲にある基地局の情報を入手する。周囲にある基地局の情報として、例えば周囲にある基地局のプリアンブルのコード番号等を得ることにより、プリアンブルの検出を加速し、周囲の基地局のサーチを短時間に完了させることができる仕組みとなっている。
【0021】
ネイバー情報に含まれない基地局が周囲にある場合には、端末はその基地局のプリアンブルのコード番号を知らないため、プリアンブルの検出に時間がかかり、、サーチを短時間に完了できないことが考えられる。そのため、ネイバー情報の更新は、正しく行われていることが望まれる。しかし、必要以上に多くの基地局がネイバー情報に登録されてしまうと、ネイバー情報の送信によるオーバヘッドが発生し、周波数リソースの無駄が発生する。端末側もそれだけ多くの基地局をサーチする必要があるため、電力消費が多くなるなどの弊害が発生する。そのため、新しい基地局を設置した場合に、周囲のどの基地局までネイバー情報にその新しい基地局を登録するべきか、適正な範囲を見極めてネイバー情報を設定する必要がある。
【0022】
図3は、自動的にネイバー情報を更新する方法を説明する図である。
LTEに代表されるシステムにおいては、新設の基地局が現れた場合の自動的にネイバー情報が更新される。
図において、端末103は基地局101と接続し、基地局101が送信している報知情報のネイバー情報を受信している。また、端末103は、稀なタイミングにおいて、周囲に存在する基地局のプリアンブルを観測している。この周囲に存在する基地局のプリアンブルの監視は、プリアンブルとして許容されている全種類のコードを全て観察することで可能となる。
【0023】
端末103が周囲に存在する基地局のプリアンブルのサーチを終え、検出できた基地局のプリアンブルと、基地局101から受信したネイバー情報とを比較した結果、ネイバー情報に含まれない新設の基地局102が見つかったと判定する。ここで、端末103が新設の基地局を見つけた場合、端末103は、その新設の基地局102のBS_IDを受信し、受信したBS_IDを現在接続中の基地局101に送信する。基地局101は、得られた情報から、現在のネイバー情報にない基地局が周囲にあることを検知することができる。基地局は、新しい基地局のBS_IDが分かっていれば、ネットワークに対して、そのBS_IDを宛先にして、新設の基地局の情報を要求することができる。新設の基地局は、ネットワークを介して自分宛の情報要求があれば、基地局情報を要求してきた基地局101のBS_ID宛てに、基地局の情報を返信する。これにより、端末103が接続していた基地局101は、新たな基地局102の情報を入手することができ、ネイバー情報にその新たな局の情報を加えることができる。
【実施例1】
【0024】
次に、本発明の実施例1を説明する。
図4は本発明の一実施例における基地局の構成を説明する図である。
基地局は、高周波信号を処理する無線周波数(RF:Radio Frequency)部、ベースバンド信号を処理するBB部、RF部とBB部を制御するコントロール(Cont)部と、メモリ(Memory)部から構成される。Memory部は、ネイバー情報を格納するデータベースを持つ。Cont部はネイバー情報を格納するデータベースを持つMemory部からデータを取得する構成である。
【0025】
図5は、本発明の一実施例におけるネイバー情報の更新動作を説明する図である。
図5には、 アンコントロールドハンドオーバ発生から、ネイバー情報を更新して端末へ報知情報として送信するまでの動作を示している。
ここで、端末が接続中の基地局を、サービング基地局(S-BS)、ハンドオーバ先の基地局をターゲット基地局(T-BS)で示している。本実施例においては、アンコントロールドハンドオーバが発生した場合に(S501)、端末がターゲット基地局にサービング基地局の基地局IDを含む接続要求を送信し、その接続要求を受信したターゲット基地局が、接続要求に含まれるサービング基地局のIDに基づいて、サービング基地局にターゲット基地局のIDを含むメッセージを送信し、サービング基地局がそのメッセージを受信する(S502)ことに着目し、このメッセージに含まれるターゲット基地局のIDを抽出(S502)してネイバー情報に追加するとともにメモリに保持しておく。そして、保持しておいたターゲット基地局のIDを利用してバックホール回線を経由してターゲット基地局にRADIO_CONFIG_UPDATE_REQを送信する(S503)。このRADIO_CONFIG_UPDATE_REQに対するターゲット基地局からの応答であるRADIO_CONFIG_UPDATE_RSPには、ターゲット基地局のネイバー情報を作成するのに必要な情報が含まれている(S504)。サービング基地局は、RADIO_CONFIG_UPDATE_RSPに含まれているターゲット基地局の報知情報に基いて、サービング基地局のネイバー情報に、今まで含まれていなかったターゲット基地局の情報を追加する(S505)。その後、更新したネイバー情報を報知情報として報知する(S506)。
【0026】
図5では、サービング基地局からみた、本実施例の処理フローを説明した。
図6、図7では、無線通信システムの構成図を用いて、本実施例の動作を説明する。
図6は、端末がアンコントロールハンドオーバによって新設の基地局にハンドオーバする状況を説明する図である。
図7は、サービング基地局とターゲット基地局が情報のやり取りを行う状況を説明する図である。
【0027】
図6および図7には、2つの基地局(101、102)と端末103、ゲートウェイ装置100を示している。端末103は基地局101と通信を行なっており、基地局101がサービング基地局である。図6では、サービング基地局101のネイバー情報に基地局102は登録されていない。基地局101および基地局102は、ゲートウェイ装置100と接続している。
【0028】
端末103はサービング基地局101と接続状態にあるため、サービング基地局101が送信する信号(A:プリアンブル、B:報知情報、C:制御情報、D:データ)を受信している。本実施例では隣接する基地局102はサービング基地局101のネイバー情報に登録されていない。そのため端末は、基地局102が報知するA:プリアンブルを、まだ受信できてない状態にある。このままの状態で端末103が基地局102のエリアへ移動した場合、端末は、サービング基地局の信号を受信できなくなり、一旦切断状態となる。
【0029】
次に端末103は、信号を受信することが可能な周囲の基地局をサーチして、ネットワークに接続しようとする。その際にターゲット基地局102を見つけ、ターゲット基地局102にアンコントロールドハンドオーバの手順を開始する。アンコントロールドハンドオーバが発生すると、端末103はターゲット基地局102に対して接続要求であるレンジングリクエスト(RNG_REQ)メッセージを出し、ハンドオーバを要求する。RNG_REQは端末が基地局に対して接続要求をする際に送信するメッセージである。ハンドオーバの際に送信されるRNG_REQメッセージには、サービング基地局101の情報が含まれる。ターゲット基地局102は、端末からのRNG_REQメッセージに含まれるアンコントロールドハンドオーバを示す情報により、端末103がサービング基地局101からハンドオーバしてきたことを知ることができる。本実施例では、ネイバー情報にない基地局にハンドオーバが行われると、ハンドオーバ完了後に、基地局間でメッセージのやり取り(200)をしてネイバー情報を更新する。以下、本実施例の動作を具体的に説明する。
【0030】
図8はアンコントロールドハンドオーバの接続シーケンスを示す図である。
端末(MS)は、サービング基地局101(S-BS)と通信状態にあり、データ801をやり取りしている。ターゲット基地局102(T-BS)はプリアンブルあるいはBS_IDなどの情報802を報知している。端末は移動により、サービング基地局101の信号を受信できなくなり、一旦切断状態となる。次に周囲の基地局をサーチして、接続に最適な基地局を探し、ネットワークに接続しようとする。その際にターゲット基地局102を見つけたとする。端末は、ターゲット基地局102に対して、RNG_REQメッセージ803を送信する。
【0031】
このRNG_REQメッセージには、サービング基地局のBS_IDが含まれている。ターゲット基地局102は、端末103からのRNG-REQメッセージ803を受信すると、RNG-REQメッセージ803に含まれていたサービング基地局のBS_IDに基づいてサービング基地局101に対してCONT_REQメッセージ804を送信する。この、ターゲット基地局がサービング基地局に送信するCONT_REQメッセージ804には、ターゲット基地局102のBS_IDが含まれている。CONT_REQは、端末に関する情報(Context)をサービング基地局101に要求する際に出されるメッセージである。本実施例では、CONT_REQメッセージ804にターゲット基地局のIDが含まれていることに着目する。
【0032】
本実施例のサービング基地局は、サービング基地局のネイバー情報にない基地局へのアンコントロールドハンドオーバが発生した場合、CONT_REQメッセージに含まれているターゲット基地局のBS_IDをメモリに保持しておくとともにネイバー情報に追加する。
【0033】
ターゲット基地局からのCONT_REQメッセージ804を受信したサービング基地局101は、ターゲット基地局102に対し、ハンドオーバする端末に関わる情報をCONT_RSPメッセージ806を使い応答する。ターゲット基地局101はCONT_RSPメッセージ806受信後、端末103とのセッションを確立するため、PATH_REG_REQメッセージ808のやり取りを行い、ハンドオーバが完了する。PATH_REG_REQは、ネットワーク側に回線を確保するためのメッセージである。
【0034】
図9を用いて、CONT_REQ及びCONT_RSPメッセージの実際の送信経路を説明する。
ターゲット基地局101がサービング基地局102へCONT_REQメッセージ(804、805)を送信する場合、及びサービング基地局101がターゲット基地局102へCONT_RSPメッセージ(806、807)を送信する場合、これらのメッセージは、ゲートウェイ装置(ASN-GW)100を経由して送信される。それぞれの基地局は、IPネットワークにつながっているが、互いのIPアドレスは知らない。そのため、ポイントツーポイントで互いに通信することはできない。基地局が知りうるるのは、互いの基地局のBS-IDのみである。そのため、基地局同士のメッセージの送受信は、相手のBS-IDを含めてゲートウェイ装置(ASN-GW)にメッセージを送信する。ASN-GW100を経由することで、ASN-GW100がBS-IDとIPアドレスの変換を行い、基地局のメッセージを中継する仕組みとなっている。
【0035】
本発明では、この、ターゲット基地局とサービング基地局間のメッセージのやりとりを、ゲートウェイ装置が中継する仕組みを利用することにより、IPアドレスを知らなくても、新設の基地局のBS_IDさえわかれば、サービング基地局が新設の基地局と通信を行うことができることに着目する。
【0036】
図10は、本発明の一実施例における基地局間のメッセージの送受信を説明する図である。
図10は、図8に示したアンコントロールドハンドオーバが完了後に実施されるシーケンスであるが、説明をわかりやすくするために、図8と同じように基地局101をサービング基地局、基地局102をターゲット基地局として示している。
【0037】
ハンドオーバが完了した後、サービング基地局101は、ネイバー情報に新しい基地局のBS_IDを追加した場合、保持しておいたBS_IDを参照して、追加した基地局に対してRADIO_CONFIG_UPDATE_REQメッセージ820を送信する。RADIO_CONFIG_UPDATE_REQメッセージ820は、ネイバー情報の作成に必要な報知情報を要求するメッセージである。RADIO_CONFIG_UPDATE_REQメッセージ820を受信したターゲット基地局101は、ターゲット基地局の報知情報をRADIO_CONFIG_UPDATE_RSPメッセージ821としてサービング基地局101に送信する。このRADIO_CONFIG_UPDATE_RSPは、ターゲット基地局を、サービング基地局のネイバー情報に追加するために必要なターゲット基地局の報知情報が含まれている。サービング基地局は、ターゲット基地局からターゲット基地局の報知情報を受信し、ネイバー情報に追加し、ネイバー情報を最適化することができる。
【0038】
サービング基地局は、ネイバー情報の更新が完了後、更新したd:ネイバー情報をサービスエリア内の端末に送信することができる。よって、サービスエリア内の端末は、このようにしてネイバー情報が更新された後は、基地局102へコントロールドハンドオーバを行うことができるようになる。
【0039】
図11は基地局が報知するネイバー情報の一例を説明する図である。
サービング基地局101は図10で説明したメッセージの送受信により、ターゲット基地局102とバックホール回線にて、ゲートウェイ装置(ASN-GW)経由で通信を行い、報知情報として送信する情報1101を入手する。基地局101は、得られた情報を元にネイバー情報を更新し、MOB_NBR-ADV_メッセージ1100としてサービスエリア内の端末に対してネイバー情報を報知する。
【0040】
本実施例では、サービング基地局101のネイバーリストにターゲット基地局102が登録されていない場合について説明した。ターゲット基地局102にサービング基地局101が登録されていないケースにおいても同様にターゲット基地局はネイバー情報を更新することができる。
【0041】
具体的には、ターゲット基地局102は、サービング基地局101のBS-IDを含むRNG-REQを受け取った時、そのBS-IDがターゲット基地局102のネイバー情報に含まれない場合、ターゲット基地局はネイバー情報に追加するとともにサービング基地局のBS_IDをメモリに保持する。ターゲット基地局は、図10で説明したRADIO_CONFIG_UPDATE_REQを保持しておいたサービング基地局のBS_IDを指定してゲートウェイ装置に送信する。RADIO_CONFIG_UPDATE_REQを受信したサービング基地局は、規定のシーケンスに従って、RADIO_CONFIG_UPDATE_RSPをターゲット基地局に送信する。ターゲット基地局は、RADIO_CONFIG_UPDATE_RSPに含まれるサービング基地局の報知情報に基いて、基地局101をターゲット基地局のネイバー情報に加えることができる。以上説明したようにすることで、サービング基地局がターゲット基地局のネイバー情報に含まれていない場合も、同様にターゲット基地局のネイバーを更新することができる。
【実施例2】
【0042】
図12は本発明の一実施例におけるネイバー情報の更新方法を説明する図である。
新設の基地局を設置した場合に、周囲のどの基地局まで新設の基地局をネイバーリストに登録するべきか、適正な範囲を見極める必要がある。
もしも、必要以上に多くのネイバー情報を送信すると、端末側もそれだけ多くの基地局をサーチする必要が生じ、電力消費が多くなるなどの弊害が発生する。また、基地局が送信できる周波数リソースにも無駄が発生する。
実施例1では、新設など新たな基地局をネイバー情報に加える方法を開示した。本実施例では、ネイバー情報に追加した複数の基地局から適切な閾値により、必要な基地局を選択し、適正な数のネイバー情報を作成するための方法を示す。
【0043】
図12に示すように、基地局は、アンコントロールドハンドオーバリスト1201と、コントロールドハンドオーバリスト1202を内部に持っている。図8のアンコントロールドハンドオーバが発生した場合において、サービング基地局101がターゲット基地局102に対しCONT_RSPメッセージ806を送信する際に、サービング基地局101内では、アンコントロールドハンドオーバリスト1201にターゲット基地局102のBS-IDを登録し、登録カウントをインクリメントする。また、コントロールドハンドオーバの場合、サービング基地局101は端末103からのハンドオーバ要求を受けた際にコントロールドハンドオーバリスト1202にターゲット基地局102のBS-IDを登録し、登録カウントをインクリメントする。サービング基地局101は、一定時刻毎に両リスト(1201、1202)を確認し、重みづけ加算によりネイバーリスト1200を更新する。ネイバーリスト1200の登録数に制限がある場合、基地局毎の登録カウントを重みづけ加算により評価し、ハンドオーバの頻度が高い基地局を優先付けしてネイバーリストに入れるようにする。望ましい実施例としては、重みづけにおいて、アンコントロールドハンドオーバリスト1201を優先するよう、アンコントロールドハンドオーバリスト1201に対して大きな重みを掛けるようにすることが望ましい。また、アンコントロールドハンドオーバリスト1201は日々変化するため、忘却平均などの時間を意識した計算を行うと効果的である。
【0044】
具体的な例を挙げれば、各リスト(1201、1202)に異なる重み係数を掛ける。アンコントロールドハンドオーバリスト1201には、0.5を掛け、コントロールドハンドオーバリスト1202には、1.0を掛ける。更にBS-ID毎に、2つのリストの値を加えた和を求める。和を求める際には、同一の基地局毎のカウンタ値にそれぞれの重みを掛けて加算する。そして、その計算結果をBS-ID毎に数値の大きい順に並び換える。数値の大きい順に上位からネイバーリスト1200の登録制限までネイバーリストに登録を行う。これにより、ネイバーリストに制限があっても、ハンドオーバ頻度の高い基地局、あるいはアンコントロールドハンドオーバによって選択される確率が高い基地局をネイバーリストに残すことができ、適切な基地局を選んだネイバーリスト1200を構成することができる。
【0045】
図13は、本発明の一実施例における移動体無線通信システムの構成を説明する図である。
図13は、保守装置104が2つの基地局(101、102)のネイバーリストを管理している場合の例である。図12では、コントロールドハンドオーバ及びアンコントロールドハンドオーバは基地局で管理及びハンドオーバ回数を計算し、ネイバーリスト1200を作成する場合について説明した。図13の移動体無線通信システムでは、基地局101及び基地局102はコントロールドハンドオーバした基地局のBS-IDと回数、及びアンコントロールドハンドオーバした基地局のBS-IDと回数を、定期的に統計情報として保守装置104へ報告する。データを受信した保守装置104は、前述の計算を行い、ネイバーリスト1200を作成して基地局(101、102)へ配信を行う。ネイバーリスト1200の配信を受けた基地局は、基地局の持つネイバーリストを配信されたリストに置き換え、即時に更新されたネイバーリスト1200で動作する。また、ネイバーリストの管理を基地局で実施している構成の場合、コントロールドハンドオーバ及びアンコントロールドハンドオーバからネイバーリスト1200を基地局にて作成し、結果を保守装置104に通知する構成も本特許の範疇である。
【符号の説明】
【0046】
100…ゲートウェイ装置
101、102…基地局装置
103…端末
104…保守装置
401…無線周波数部
402…ベースバンド部
403…コントロール部
404…データベース部
405…メモリ部
1200…ネイバーリスト
1201…アンコントロールドハンドオーバリスト
1202…コントロールドハンドオーバリスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末と無線回線により通信を行う複数の基地局と、それらの複数の基地局が接続されたゲートウェイ装置とを有する無線通信システムであって、
第1の基地局から第2の基地局へ端末がハンドオーバする際に、第1、第2の基地局は、前記第1、第2の基地局同士で送受信されるメッセージに含まれるメッセージ送信元基地局の基地局識別子と、それぞれの基地局が有するネイバー情報に含まれる基地局の識別子を比較し、
メッセージの送信元基地局の基地局識別子が、基地局が保持するネイバー情報に含まれていない場合には、メッセージの送信元基地局の基地局識別子をネイバー情報に追加し、
さらに、前記追加した基地局の識別子を指定して、前記ゲートウェイ装置を経由してメッセージの送信元基地局に対しての基地局の情報の送信を要求するメッセージを送信することで送信元基地局の情報を取得し、ネイバー情報に追加してネイバー情報の更新を行うことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の無線通信システムであって、基地局は、ネイバー情報にある基地局間のハンドオーバの回数をネイバー情報の基地局識別子に対応付けてネイバー情報に記憶するとともに、ネイバー情報にない基地局間のハンドオーバについて、第2のネイバー情報を作成してハンドオーバの回数を計数して第2のネイバー情報に基地局識別子に対応付けて記憶し、
予め定めた重み付け係数を用いて予め定めた計算を行うことにより前記ネイバー情報および第2のネイバー情報からネイバー情報として端末に報知すべき基地局を選択し、
前記選択した基地局についての第3のネイバー情報を作成して、該第3のネイバー情報を、サービスエリア内の端末へ報知することを特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
請求項2に記載の無線通信システムであって、前記重み付け係数は、ハンドオーバ回数の多い基地局ほど選択される可能性が高くなるように設定し、第2のネイバー情報については、忘却平均を用いた計算を行って基地局の順位付けを行うことを特徴とする無線通信システム。
【請求項4】
請求項3に記載の無線通信システムであって、前記複数の基地局が接続された保守装置を有し、
前記複数の基地局は、基地局の基地局識別子と、ハンドオーバ回数の計数結果を対応付けて保守装置に送信し、
保守装置が、予め定めた係数および計算方法に基づいて無線通信システム内の各基地局のネイバー情報を作成して各基地局に送信し、
各基地局は、保守装置から受信したネイバー情報をメモリに記憶するとともに端末に報知することを特徴とする無線通信システム。
【請求項5】
端末と無線回線により通信を行う複数の基地局と、それらの複数の基地局が接続されたゲートウェイ装置とを有する無線通信システムにおけるネイバー情報の更新方法であって、
第1の基地局から第2の基地局へ端末がハンドオーバする際に、第1、第2の基地局は、前記第1、第2の基地局同士で送受信されるメッセージに含まれるメッセージ送信元基地局の基地局識別子と、それぞれの基地局が有するネイバー情報に含まれる基地局の識別子を比較し、
メッセージの送信元基地局の基地局識別子が、基地局が保持するネイバー情報に含まれていない場合には、メッセージの送信元基地局の基地局識別子をネイバー情報に追加し、
さらに、前記追加した基地局の識別子を指定して、前記ゲートウェイ装置を経由してメッセージの送信元基地局に対しての基地局の情報の送信を要求するメッセージを送信することで送信元基地局の情報を取得し、ネイバー情報に追加してネイバー情報の更新を行うことを特徴とするネイバー情報の更新方法。
【請求項6】
請求項5に記載のネイバー情報の更新方法であって、
基地局は、ネイバー情報にある基地局間のハンドオーバの回数をネイバー情報の基地局識別子に対応付けてネイバー情報に記憶するとともに、ネイバー情報にない基地局間のハンドオーバについて、第2のネイバー情報を作成してハンドオーバの回数を計数して第2のネイバー情報に基地局識別子に対応付けて記憶し、
予め定めた重み付け係数を用いて予め定めた計算を行うことにより前記ネイバー情報および第2のネイバー情報からネイバー情報として端末に報知すべき基地局を選択し、
前記選択した基地局についての第3のネイバー情報を作成し、
作成した第3のネイバー情報を端末へ送信するネイバー情報とすることを特徴とするネイバー情報の更新方法。
【請求項7】
請求項6に記載のネイバー情報の更新方法であって、前記重み付け係数は、ハンドオーバ回数の多い基地局ほど選択される可能性が高くなるように設定し、第2のネイバー情報については、忘却平均を用いた計算を行って基地局の順位付けを行うことを特徴とするネイバー情報の更新方法。
【請求項8】
請求項7に記載のネイバー情報の更新方法であって
前記無線通信システムに、さらに前記複数の基地局が接続された保守装置を有し、
前記複数の基地局は、基地局の基地局識別子と、ハンドオーバ回数の計数結果を対応付けて保守装置に送信し、
保守装置が、予め定めた係数および計算方法に基づいて無線通信システム内の各基地局のネイバー情報を作成して各基地局に送信し、
各基地局は、保守装置から受信したネイバー情報にネイバー情報を更新することを特徴とするネイバー情報の更新方法。
【請求項9】
端末と無線回線により通信を行う基地局であって、
アンテナを介して端末と送受信する無線信号の処理を行う無線周波数部と、
無線周波数部と送受信するベースバンド信号の処理を行うベースバンド部と、基地局の電波が到達するサービスエリア内の端末に報知するネイバー情報が少なくとも記憶されたメモリと、基地局の各部を制御する制御部とを少なくとも有し、
前記制御部は、ハンドオーバの手続きにおいて他の基地局から受信したメッセージに含まれるメッセージ送信元基地局の基地局識別子と、前記メモリのネイバー情報に含まれる基地局の識別子を比較し、
メッセージの送信元基地局の基地局識別子が、メモリ内のネイバー情報に含まれていない場合には、メッセージの送信元基地局の基地局識別子をメモリ内のネイバー情報に追加し、
さらに、前記追加した基地局の識別子を指定して、メッセージの送信元基地局に対しての基地局の情報の送信を要求するメッセージを送信することで送信元基地局の情報を取得し、メモリ内のネイバー情報に追加してネイバー情報の更新を行うことを特徴とする基地局。
【請求項10】
請求項9に記載の基地局であって、
前記メモリ内のネイバー情報にある基地局間のハンドオーバについて、ハンドオーバ回数を計数して基地局識別子に対応付けて前記ネイバー情報に記憶するとともに、ネイバー情報にない基地局間のハンドオーバについて、第2のネイバー情報を作成してハンドオーバの回数を計数して第2のネイバー情報に基地局識別子に対応付けて記憶し、
予め定めた重み付け係数を用いて予め定めた計算を行うことにより前記ネイバー情報および第2のネイバー情報からネイバー情報として端末に報知すべき基地局を選択し、
前記選択した基地局についての第3のネイバー情報を作成して、該第3のネイバー情報を、サービスエリア内の端末へ報知することを特徴とする基地局。
【請求項11】
請求項10に記載の基地局であって、
前記重み付け係数は、ハンドオーバ回数の多い基地局ほど選択される可能性が高くなるように設定し、第2のネイバー情報については、忘却平均を用いた計算を行って基地局の順位付けを行うことを特徴とする基地局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−74565(P2013−74565A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213709(P2011−213709)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】