説明

無線通信システム

【課題】センシング端末の動作モードを消費電力の少ない動作モードに切り換えることができる。
【解決手段】無線第1インターフェース24は、センシング端末からバイタルデータを無線受信する。記憶部は、比較用バイタルデータを記憶する。比較部は、無線受信したバイタルデータと比較用バイタルデータとを比較する。制御部23は、比較部による比較結果に基づいて、バイタルデータを無線送信したセンシング端末に対して、バイタルデータの無線送信を停止させる指示を、無線第1インターフェース24が送信するよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療・ヘルスケア分野では、各種センサを備えた端末を用いて人体表面または体内から生体データを収集し、端末が収集した生体データを蓄積装置に転送して蓄積することで、蓄積装置が蓄積した生体データを健康管理や、病気の診断や、治療などに役立てようとする取り組みが盛んに進められている(例えば、特許文献1参照)。このような用途では、生体データを転送するために端末と蓄積装置との間を有線ケーブルでつなぐと行動の自由が制限されてしまうため、無線通信で生体データを転送するようにし、さらに、端末を電池で駆動させるようにし、端末を自由に持ち歩くことができるようにすることが望ましい。このようなニーズは、医療分野、特に植込み型医療機器(IMD、Implantable Medical Devices)ではより大きい。
【0003】
また、植込み型医療機器は、一般に電力を電池から得て動作する。従って、電池が消耗し電圧が低下した場合には電池交換が必要となる。植込み型医療機器の電池交換には手術が必要であり、患者への負担が大きく感染症等の副作用も発生するため、電池の消耗は極力避けたいとの要望がある。
【0004】
また、植込み型医療機器は、緊急事態が発生した場合、一般的にセンサが緊急情報を検出し、検出した緊急情報の緊急度に応じて緊急内容の伝達先や伝達方法を変更する。また、植込み型医療機器は、センサが緊急情報を検出した場合、その後、生体データを蓄積装置に転送し続けていた。また、間欠駆動で電力の消費を抑える無線検針システムが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−102362号公報
【特許文献2】特開2005−286655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来知られている植込み型医療機器は、緊急事態が解消された場合においても生体データを蓄積装置に転送し続けるなど、緊急事態が発生する前の動作に戻すことができないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、センシング端末の動作モードを消費電力の少ない動作モードに切り換えることができる無線通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、センシング端末からバイタルデータを無線受信する無線通信部と、比較用バイタルデータを記憶する記憶部と、前記無線受信したバイタルデータと前記比較用バイタルデータとを比較する比較部と、前記比較部による比較結果に基づいて、前記バイタルデータを無線送信した前記センシング端末に対して、前記バイタルデータの無線送信を停止させる指示を、前記無線通信部が送信するよう制御する制御部と、を有することを特徴とする無線通信システムである。
【0009】
また、本発明の無線通信システムにおいて、前記記憶部は、前記比較用バイタルデータとして心拍数データ又は血糖値データを記憶することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の無線通信システムにおいて、前記制御部は、前記無線受信したバイタルデータと前記比較用バイタルデータとを複数サイクル比較した結果に基づいて、前記指示を前記無線通信部が送信するよう制御することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の無線通信システムにおいて、前記センシング端末が有する複数のセンシングモードのうち2つのセンシングモードを比較したときに、相対的にセンシング間隔が長いモードを第1のモードと定義し、相対的にセンシング間隔が短いモードを第2のモードと定義するとき、前記指示は、前記センシング端末を前記第1のモードで動作させる指示を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、起動信号を受信する起動信号受信部を備え、前記制御部は、前記起動信号受信部が前記起動信号を受信した場合、前記無線通信部を起動させることを特徴とする無線通信システムである。
【0013】
また、本発明の無線通信システムにおいて、前記制御部は、前記無線通信部が前記指示を送信した後、当該無線通信部の動作を停止させることを特徴。
【0014】
また、本発明は、サーバと無線通信端末とを有する無線通信システムであって、前記サーバは、前記無線通信端末と通信を行う通信部と、比較用バイタルデータを記憶する記憶部と、前記無線通信端末から受信したバイタルデータと前記比較用バイタルデータとを比較する比較部と、前記比較部による比較結果を示す比較結果信号を前記無線通信端末に対して送信するように前記通信部を制御するサーバ制御部と、を有し、前記無線通信端末は、センシング端末から前記バイタルデータを無線受信する無線第1通信部と、前記センシング端末から受信した前記バイタルデータを前記サーバに送信する第2通信部と、前記サーバから受信した前記比較結果信号に基づいて、前記バイタルデータを無線送信した前記センシング端末に対して、前記バイタルデータの無線送信を停止させる指示を、前記無線第1通信部が送信するよう制御する制御部と、を有することを特徴とする無線通信システムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、無線通信部はセンシング端末からバイタルデータを無線受信する。また、記憶部は比較用バイタルデータを記憶する。また、比較部は、無線受信したバイタルデータと比較用バイタルデータとを比較する。また、制御部は、比較部による比較結果に基づいて、バイタルデータを無線送信したセンシング端末に対して、バイタルデータの無線送信を停止させる指示を、無線通信部が送信するよう制御する。この構成により、無線受信したバイタルデータと比較用バイタルデータとの比較結果に基づいて、バイタルデータの送信を停止させることができる。従って、センシング端末の動作モードを消費電力の少ない動作モードに切り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態における生体データ監視システムの構成を示した概略図である。
【図2】本実施形態における植込み型医療機器の構成を示したブロック図である。
【図3】本実施形態における無線通信端末の構成を示したブロック図である。
【図4】本実施形態におけるWebサーバの構成を示したブロック図である。
【図5】本実施形態における無線通信端末が概略判定処理を行い、Webサーバが詳細判定処理を行う際のデータの流れを示した概略図である。
【図6】本実施形態における植込み型医療機器と無線通信端末との動作手順を示したシーケンス図である。
【図7】本実施形態における植込み型医療機器の動作手順を示したフローチャートである。
【図8】本実施形態における無線通信端末の動作手順を示したフローチャートである。
【図9】本実施形態におけるWebサーバの動作手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について図を参照しながら説明する。図1は、本実施形態における生体データ監視システムの構成を示した概略図である。生体データ監視システム1は、植込み型医療機器10(センシング端末)と、無線通信端末20と、Webサーバ30とを備える。本実施形態では、植込み型医療機器10と無線通信端末20とは、1対1での無線通信を行う。また、無線通信端末20とWebサーバ30とは、1対1での無線通信を行う。なお、無線通信端末20とWebサーバ30との間の通信は、無線通信に限らず、有線による通信であってもよい。
【0018】
植込み型医療機器10は、人の体内に植込められ、各種センサを使って血圧、脈拍、心電、心拍、血中酸素濃度、体温、尿糖、血糖等の生体データ(バイタルデータ)や、植込み型医療機器10が備える各部の状態を示す機器状態データを取得する。本実施形態では、生体データと、機器状態データとを詳細データとする。
【0019】
また、植込み型医療機器10は、通常モード(第1のモード)と緊急モード(第2のモード)との2つのモードのうち、いずれかのモードで動作する。通常モードでは、植込み型医療機器10は、例えば1日に1回または12時間に1回ごとに詳細データを取得する。また、通常モードでは、植込み型医療機器10は、無線通信端末20に対して詳細データを送信しない。緊急モードでは、植込み型医療機器10は、例えば5秒ごとに詳細データを取得する。また、緊急モードでは、植込み型医療機器10は、無線通信端末20に対して詳細データを送信する。
【0020】
また、植込み型医療機器10は、取得した詳細データに基づいて、植込み型医療機器10の動作モードを通常モードから緊急モードに変更するか否かを判定する緊急度判定処理を行う。そして、植込み型医療機器10は、動作モードを通常モードから緊急モードに変更すると判定した場合、動作モードを緊急モードに変更し、緊急モードに対応した処理を行う。具体的には、植込み型医療機器10は、10秒毎に詳細データを取得する。また、植込み型医療機器10は、無線通信端末20の無線インターフェースを起動させるための信号であるRF Wake UP信号を無線通信端末20に対して送信し、その後、無線通信端末20に対して詳細データを送信する。
【0021】
また、植込み型医療機器10は、無線通信端末20から、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに変更する指示である測定モード変更信号を受信した場合、動作モードを緊急モードから通常モードに変更し、通常モードに対応した処理を行う。具体的には、植込み型医療機器10は、1分ごとに詳細データを取得する。また、植込み型医療機器10は、無線通信端末20への詳細データの送信を停止する。また、植込み型医療機器10は、無線通信端末20から、無線通信部の動作の停止を指示する信号であるPower Down信号を受信した場合、無線通信部の動作を停止する。
【0022】
無線通信端末20は、植込み型医療機器10から送信されたRF Wake UP信号を受信した場合、無線通信インターフェースを起動させ、詳細データを受信する準備を行う。また、無線通信端末20は、無線通信インターフェースを起動後、植込み型医療機器10から送信された詳細データを受信し、記憶部に記憶する。また、無線通信端末20は、植込み型医療機器10から受信した詳細データを、Webサーバ30に対して送信する。
【0023】
また、無線通信端末20は、Webサーバ30から、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに変更するか否かを判定した結果を示す概略判定信号を受信する。そして、無線通信端末20は、受信した概略判定信号が、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに変更する判定を示す場合、植込み型医療機器10に対して、緊急モードから通常モードへの変更を指示する信号であるデータ測定モード変更信号を送信する。また、無線通信端末20は、受信した概略判定信号が、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに変更する判定を示す場合、植込み型医療機器10に対して、植込み型医療機器10の無線通信部の動作の停止を指示する信号であるPower Down信号を送信する。
【0024】
Webサーバ30は、無線通信端末20から送信された詳細データと、予め記憶しているSDB情報データブロックとに基づいて、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに変更するか否かを判定する詳細判定処理を行う。詳細判定処理については後述する。そして、Webサーバ30は、判定処理結果を示す判定信号を無線通信端末20に対して送信する。
【0025】
なお、請求項に係る無線通信システムは、例えば、無線通信端末20およびWebサーバ30に対応する。
【0026】
次に、植込み型医療機器10の構成について説明する。図2は、本実施形態における植込み型医療機器10の構成を示したブロック図である。図示する例では、植込み型医療機器10は、センサ部11と、緊急度判定部12と、制御部13と、無線通信部14と、アンテナ15と、Power Down検出部16とを備える。
【0027】
センサ部11は、血圧、脈拍、心電、心拍、血中酸素濃度、体温、尿糖、血糖等をセンシングして生体データを取得し、緊急度判定部12に対して出力する。また、センサ部11は、植込み型医療機器10が備える各部の状態をセンシングして機器状態データを取得し、緊急度判定部12に対して出力する。なお、センサ部11は、植込み型医療機器10の動作モードに応じて、センシング間隔が異なる。具体的には、植込み型医療機器10の動作モードが通常モードである場合、センサ部11は、1分ごとに詳細データを取得する。また、植込み型医療機器10の動作モードが緊急モードである場合、10秒毎に詳細データを取得する。
【0028】
緊急度判定部12は、センサ部11から入力された詳細データに基づいて、イベント(生体データの異常や、機器状態データの異常)が発生した場合、イベントを検出する。また、緊急度判定部12は、イベントを検出した場合、植込み型医療機器10の動作モードを、通常モードから緊急モードに切り換えるか否かを判定する。例えば、緊急度判定部12は、検出したイベントが軽度の異常であれば緊急モードに切り換えないと判定し、検出したイベントが重度の異常であれば緊急モードに切り換えると判定する。また、緊急度判定部12は、植込み型医療機器10が緊急モードで動作している場合、センサ部11から入力された詳細データを、無線通信部14に対して出力する。
【0029】
制御部13は、動作モードに応じた動作を行うように、植込み型医療機器10が備える各部の制御を行う。具体的には、制御部13は、緊急度判定部12が動作モードを緊急モードに切り換えると判定した場合、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードに切り換え、無線通信部14を起動させる。その後、制御部13は、無線通信部14を制御し、RF Wake UP信号を無線通信端末20に対して送信する。また、制御部13は、無線通信端末20から測定モード変更信号を受信した場合、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに変更する。また、制御部13は、Power Down検出部16からPower Down信号を入力された場合、無線通信部14の動作を停止させる。
【0030】
無線通信部14は、植込み型医療機器10が緊急モードで動作している場合、アンテナ15を介して、緊急度判定部12から入力された詳細データを無線通信端末20に対して無線送信する。また、無線通信部14は、アンテナ15を介して、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに変更する指示である測定モード変更信号を無線通信端末20から受信する。Power Down検出部16は、無線通信端末20から送信されるPower Down信号を受信する。また、Power Down検出部16は、Power Down信号を受信した場合、受信したPower Down信号を制御部13に対して出力する。
【0031】
次に、無線通信端末20の構成について説明する。図3は、本実施形態における無線通信端末20の構成を示したブロック図である。図示する例では、無線通信端末20は、アンテナ21,29と、RF Wake UP検出部22(起動信号受信部)と、制御部23と、無線第1インターフェース24(無線通信部、無線第1通信部)と、記憶部25と、表示部26と、音出力部27と、無線第2インターフェース28(第2通信部)とを備える。
【0032】
RF Wake UP検出部22は、アンテナ21を介して、植込み型医療機器10から送信されるRF Wake UP信号(起動信号)を受信する。また、RF Wake UP検出部22は、RF Wake UP信号を受信した場合、受信したRF Wake UP信号を制御部23に対して出力する。
【0033】
制御部23は、無線通信端末20が備える各部の制御を行う。また、制御部23は、RF Wake UP検出部22からRF Wake UP信号を入力された場合、無線第1インターフェース24を起動させる。また、制御部23は、無線第1インターフェース24から入力された詳細データに基づいて、植込み型医療機器10が検出したイベントは軽度のイベントであるか重度のイベントであるかを判定する。また、制御部23は、無線第1インターフェース24から入力された詳細データを、無線第2インターフェース28を制御し、Webサーバ30に対して送信する。また、制御部23は、Webサーバ30から送信された詳細判定信号が、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに変更することを示す場合、無線第1インターフェース24を制御し、緊急モードから通常モードへの変更を指示する信号であるデータ測定モード変更信号を植込み型医療機器10に対して送信する。
【0034】
また、無線通信端末20は、Webサーバ30から送信された詳細判定信号が、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに変更することを示す場合、無線第1インターフェース24を制御し、植込み型医療機器10の無線通信部の動作の停止を指示する信号であるPower Down信号を植込み型医療機器10に対して送信する。
【0035】
また、制御部23は、詳細データに基づいた内容を表示部26に表示させ、詳細データに基づいた音を音出力部27に出力させる。例えば、制御部23は、取得した詳細データが緊急度の高いデータである場合、記憶部25に予め記録されている表示データ(例えば、助けてほしいことを示す警告情報や、緊急情報や、患者の状態や、患者の容態や、緊急連絡先(自宅の連絡先または病院の連絡先)など)や、詳細データに基づいた心電図などを表示部26に表示させ、記憶部25に予め記憶されている音データ(例えば、助けを求める音声信号や警報音など)を周期的に分割して音出力部27に出力させる。
【0036】
無線第1インターフェース24は、制御部23によって起動されると、アンテナ21を介して、植込み型医療機器10から送信された詳細データを受信し、受信した詳細データを制御部23に対して出力する。また、無線第1インターフェース24は、制御部23の制御に従って、データ測定モード変更信号およびPower Down信号を植込み型医療機器10に対して送信する。
【0037】
記憶部25は、植込み型医療機器10から送信された詳細データを記憶する。また、記憶部25は、表示データや音データを記憶する。表示部26は、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)などの表示装置であり、制御部23の制御に基づいて、詳細データに対応する内容を表示する。音出力部27は、スピーカーなどであり、制御部23の制御に基づいて、詳細データに対応する音を出力する。
【0038】
無線第2インターフェース28は、制御部23の制御に従って、植込み型医療機器10から送信された詳細データを、アンテナ29を介してWebサーバ30に対して送信する。また、無線第2インターフェース28は、アンテナ29を介して、Webサーバ30から送信された詳細判定信号を受信する。また、無線第2インターフェース28は、受信した詳細判定信号を制御部23に対して出力する。
【0039】
次に、Webサーバ30の構成について説明する。図4は、本実施形態におけるWebサーバ30の構成を示したブロック図である。図示する例では、Webサーバ30は、アンテナ31と、無線通信部32(通信部)と、記憶部33と、制御部34(比較部、サーバ制御部)とを備える。
【0040】
無線通信部32は、アンテナ31を介して、無線通信端末20から送信された詳細データを受信する。また、無線通信部32は、受信した詳細データを制御部34に対して出力する。また、無線通信部32は、制御部34の制御に従って、アンテナ31を介して、詳細判定信号を無線通信端末20に対して送信する。
【0041】
記憶部33は、SDB(サーバデータベース)情報データブロック(比較用バイタルデータ)を記憶する。SDB情報データブロックは、例えば、心拍数データまたは血糖値データなどであり、制御部34が詳細データの異常を検出するために用いる様々なデータである。制御部34は、記憶部33が記憶するSDB情報データブロックと、無線通信端末20から送信された詳細データとを用いて詳細データの異常を検出し、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに変更するか否かを判定する詳細判定処理を行う。そして、制御部34は、無線通信部32を制御し、詳細判定処理の結果を示す詳細判定信号を無線通信端末20に対して送信する。なお、記憶部33が記憶するSDB情報データブロックのデータ量は膨大であり、制御部34は、膨大なデータ量のSDB情報データブロックを用いて植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに変更するか否かを判定するため、制御部34は、より正確な判定を行うことができる。
【0042】
次に、概略判定処理と詳細判定処理について説明する。図5は、本実施形態における無線通信端末20が概略判定処理を行い、Webサーバ30が詳細判定処理を行う際のデータの流れを示した概略図である。なお、概略判定処理は、植込み型医療機器10が取得した詳細データのみを用いて、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに変更するか否かを判定する処理である。また、詳細判定処理は、植込み型医療機器10が取得した詳細データと、記憶部33が記憶しているSDB情報データブロックとを用いて、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに変更するか否かを判定する処理である。なお、緊急モードから通常モードに変更する条件としては、詳細データに異常なデータが含まれない場合(異常を検出しない場合)である。従って、詳細データの異常を検出した場合には緊急モードから通常モードに変更しないと判定し、詳細データの異常を検出しない場合には緊急モードから通常モードに変更すると判定する。
【0043】
以下、詳細データが心筋活動電位である場合を例として、無線通信端末20の制御部23が、概略判定処理の実行時に詳細データを解析し、異常を検出する方法について説明する。図示するように、植込み型医療機器10のセンサ部11は、アナログ信号として取得した心筋活動電位をAD変換し、デジタル信号の心筋活動電位を所定の時間分纏めた生体情報データブロックを生成する。そして、植込み型医療機器10の無線通信部14は、生体情報データブロックを無線通信端末20に対して送信する。無線通信端末20の無線第1インターフェース24は、植込み型医療機器10から送信された生体情報データブロックを受信し、制御部23に対して出力する。また、制御部23は、無線第1インターフェース24から入力された生体データブロックに基づいて、異常の検出を行う。
【0044】
異常の検出方法としては、例えば特開2009−247812号公報に示されているように、異常な心筋活動電位が発生したときに迅速な対応が可能なように、時間軸に関して隣り合う心筋活動電位の波形のズレが所定の範囲を超えて2サイクル以上連続して発生すると、異常を検出するという方法がある。なお、この方法は、入力された心筋活動電位を1サイクル毎に同一の基点に合わせるサイクル基点同一化アルゴリズムと、時間軸に関して連続する少なくとも2サイクル以上の心筋活動電位の波形を同時に重なり表示する重なり表示アルゴリズムを含んでいるので、波形の変化の把握が容易である。また、心筋活動電位の波長が所定の範囲を超えて変わった場合に、変化した後の心筋活動電位の波長が変化する前の心筋活動電位の波長と同じ波長になるように調整する、波長調整アルゴリズムを含んでいるので、波長の変化による心筋活動電位の波形のズレを異常な波形と見誤ることが無くなる。
【0045】
また、無線通信端末20の制御部23は、概略判定処理を行った際に、時間軸に関して隣り合う心筋活動電位の波形のズレが所定の範囲を超えて2サイクル以上連続して発生したときに警報を発するように音出力部27を制御することにより、体動などによるアーキテクト(通常2サイクル以上連続して同じような波形が発生することがない)の発生による誤警報を無くし、異常な波形が発生したときにのみ警報を発することができる。また、このように警報を発した場合、ユーザーは心筋活動電位の異常に対して迅速に対応することが可能であり、その異常がどの様な心血管機能の異常に起因するものかを素早く判断することができる。
【0046】
また、無線通信端末20の制御部23は、無線第2インターフェース28を制御し、植込み型医療機器10から送信された生体情報データブロックを、アンテナ29を介してWebサーバ30に対して送信する。
【0047】
Webサーバ30の制御部34は、記憶部33が記憶するSDB情報データブロックと、無線通信端末20から送信された生体情報データブロックとを比較して生体情報データブロックの異常を検出し、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに変更するか否かを判定する詳細判定処理を行う。そして、制御部34は、無線通信部32を制御し、判定処理結果を示す詳細判定信号を無線通信端末20に対して送信する。
【0048】
なお、Webサーバ30の制御部34が、詳細判定処理の実行時に詳細データを解析し、異常を検出する方法としては、例えば特開2008−119479号公報に示されている方法がある。具体的には、頻拍性不整脈現象を判別するために、心房および心室活動を監視し、監視された活動における頻拍性不整脈現象を確認し、あらかじめ設定された条件に従って、疑われる頻拍性不整脈現象を心室頻拍性不整脈と上心室頻拍性不整脈との間で判別するよう識別アルゴリズムを作動させ、心室頻拍性不整脈が存在する際に衝撃治療細動除去や除細動および心室反頻拍性不整脈ペーシング刺激の開始を心臓の所定時間の波形データから、詳細データの異常の判断を行う。
【0049】
次に、本実施形態における植込み型医療機器10と、無線通信端末20と、Webサーバ30との動作手順について説明する。図6は、本実施形態における植込み型医療機器10と、無線通信端末20と、Webサーバ30との動作手順を示したシーケンス図である。
【0050】
(ステップS101)植込み型医療機器10のセンサ部11は、詳細データ取得し、取得した詳細データを緊急度判定部12に対して出力する。緊急度判定部12は、センサ部11から入力された詳細データに基づいてイベントを検出する。
(ステップS102)緊急度判定部12は、イベントを検出した場合、植込み型医療機器10の動作モードを、通常モードから緊急モードに切り換えるか否かを判定する。そして、緊急度判定部12が、動作モードを緊急モードに切り換えると判定した場合、制御部13は、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードに切り換え、無線通信部14を起動させる。その後、制御部13は、無線通信部14を制御し、RF Wake UP信号を無線通信端末20に対して送信する。
【0051】
(ステップS103)無線通信端末20のRF Wake UP検出部22は、植込み型医療機器10から送信されたWake UP信号を、アンテナ21を介して受信し、受信したRF Wake UP信号を制御部23に対して出力する。制御部23は、RF Wake UP検出部22からRF Wake UP信号を入力された場合、無線第1インターフェース24を起動させる。
(ステップS104)無線通信端末20の制御部23は、無線第1インターフェース24を制御し、植込み型医療機器10に対してセンシング詳細データ要求信号を送信する。
【0052】
(ステップS105)植込み型医療機器10の無線通信部14は、無線通信端末20から送信されたセンシング詳細データ要求信号を受信する。
(ステップS106)植込み型医療機器10の制御部13は、無線通信部14がセンシング詳細データ要求信号を受信した場合、無線通信部14を制御し、無線通信端末20に対してセンサ部11が検出した詳細データを送信する。
【0053】
(ステップS107)無線通信端末20の無線第1インターフェース24は、植込み型医療機器10から送信された詳細データを受信する。また、無線通信端末20の制御部23は、無線第1インターフェース24が受信した詳細データに基づいて概略判定を行い、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに変更するか否かを判定する。また、無線通信端末20の制御部23は、概略判定の判定結果を表示部26に表示させる。
(ステップS108)無線通信端末20の制御部23は、無線第2インターフェース28を制御し、植込み型医療機器10から受信した詳細データをWebサーバ30に対して送信する。
【0054】
(ステップS109)Webサーバ30の無線通信部32は、無線通信端末20から送信された詳細データを受信する。また、Webサーバ30の制御部34は、無線通信部32が受信した詳細データと、記憶部33が記憶するSDB情報データブロックとを用いて詳細データの異常を検出し、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに変更するか否かを判定する詳細判定処理を行う。
(ステップS110)Webサーバ30の制御部34は、無線通信部32を制御し、詳細判定処理の結果を示す詳細判定信号を無線通信端末20に対して送信する。
【0055】
(ステップS111)無線通信端末20の無線第2インターフェース28は、Webサーバ30から送信された詳細判定信号を受信する。また、無線通信端末20の制御部23は、詳細判定信号に基づいて、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに変更するか否かを判定する。また、無線通信端末20の制御部23は、詳細判定信号が示す判定結果を表示部26に表示させる。
(ステップS112)無線通信端末20の制御部23は、無線第1インターフェース24を制御し、植込み型医療機器10に対してデータ測定モード確認要求メッセージを送信する。
【0056】
(ステップS113)植込み型医療機器10の無線通信部14は、無線通信端末20から送信されたデータ測定モード確認要求メッセージを受信する。
(ステップS114)植込み型医療機器10の制御部13は、無線通信部14を制御し、無線通信端末20に対して現在の動作モードを示すデータ測定モード信号を送信する。
【0057】
(ステップS115)無線通信端末20の無線第1インターフェース24は、植込み型医療機器10から送信されたデータ測定モード信号を受信する。
(ステップS116)無線通信端末20の制御部23は、ステップS115で受信したデータ測定モード信号で特定される動作モードが緊急モードであり、ステップS111の処理で受信した詳細判定信号が、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに変更することを示している場合、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードへの変更を指示する信号であるデータ測定モード変更信号を、植込み型医療機器10に対して送信する。
【0058】
(ステップS117)植込み型医療機器10の無線通信部14は、無線通信端末20から送信されたデータ測定モード変更信号を受信する。
(ステップS118)植込み型医療機器10の制御部13は、無線通信部14がデータ測定モード変更信号を受信した場合、動作モードを緊急モードから通常モードに変更し、通常モードに対応した処理を行う。また、制御部13は、無線通信部14を制御し、動作モードを通常モードに変更したことを示す信号である測定モード変更確認信号を、無線通信端末20に対して送信する。
【0059】
(ステップS119)無線通信端末20の無線第1インターフェース24は、植込み型医療機器10から送信された測定モード変更確認信号を受信する。
(ステップS120)無線通信端末20の制御部23は、植込み型医療機器10の動作モードは通常モードに変更されたため、無線第1インターフェース24を制御し、植込み型医療機器10に対してPower Down信号を送信する。
【0060】
(ステップS121)植込み型医療機器10のPower Down検出部16は、無線通信端末20から送信されたPower Down信号を受信し、受信したPower Down信号を制御部13に対して出力する。植込み型医療機器10の制御部13は、Power Down信号を入力された場合、無線通信部14の動作を停止させる。
【0061】
次に、植込み型医療機器10の動作手順について説明する。図7は、本実施形態における植込み型医療機器10の動作手順を示したフローチャートである。
【0062】
(ステップS201)センサ部11は、詳細データを取得し、取得した詳細データを緊急度判定部12に対して出力する。緊急度判定部12は、センサ部11から入力された詳細データに基づいてイベントを検出する。また、緊急度判定部12は、イベントを検出した場合、植込み型医療機器10の動作モードを、通常モードから緊急モードに切り換えるか否かを判定する。そして、緊急度判定部12が、動作モードを緊急モードに切り換えると判定した場合、制御部13は、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードに切り換え、無線通信部14を起動させる。その後、ステップS202の処理に進む。
(ステップS202)制御部13は、無線通信部14を制御し、RF Wake UP信号を無線通信端末20に対して送信する。その後、ステップS203の処理に進む。
【0063】
(ステップS203)制御部13は、無線通信部14がセンシング詳細データ要求信号を受信した場合、無線通信部14を制御し、無線通信端末20に対してセンサ部11が検出した詳細データを送信する。その後、ステップS204の処理に進む。
(ステップS204)制御部13は、無線通信部14がデータ測定モード確認要求メッセージを受信した場合、無線通信部14を制御し、無線通信端末20に対して現在のデータ測定モード状態を示すデータ測定モード信号を送信する。その後、ステップS205の処理に進む。
【0064】
(ステップS205)制御部13は、無線通信部14がデータ測定モード変更信号を受信した場合、動作モードを緊急モードから通常モードに変更し、通常モードに対応した処理を行う。また、制御部13は、無線通信部14を制御し、動作モードを通常モードに変更したことを示す信号である測定モード変更確認信号を、無線通信端末20に対して送信する。その後、ステップS206の処理に進む。
(ステップS206)制御部13は、Power Down検出部16がPower Down信号を受信した場合、無線通信部14の動作を停止させる。その後、処理を終了する。
【0065】
次に、無線通信端末20の動作手順について説明する。図8は、本実施形態における無線通信端末20の動作手順を示したフローチャートである。
【0066】
(ステップS301)制御部23は、RF Wake UP検出部22がRF Wake UP信号を受信した場合、無線第1インターフェース24を起動させる。その後、ステップS302の処理に進む。
(ステップS302)制御部23は、無線第1インターフェース24を制御し、植込み型医療機器10に対してセンシング詳細データ要求信号を送信する。その後、ステップS303の処理に進む。
【0067】
(ステップS303)制御部23は、無線第1インターフェース24が詳細データを受信した場合、詳細データに基づいて概略判定を行い、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに変更するか否かを判定する。また、制御部23は、概略判定の判定結果を表示部26に表示させる。その後、ステップS304の処理に進む。
(ステップS304)制御部23は、無線第2インターフェース28を制御し、植込み型医療機器10から受信した詳細データをWebサーバ30に対して送信する。その後、ステップS305の処理に進む。
【0068】
(ステップS305)制御部23は、無線第2インターフェース28が詳細判定信号を受信した場合、受信した詳細判定信号は、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに変更することを示しているか否かを判定する。また、制御部23は、詳細判定信号が示す判定結果を表示部26に表示させる。その後、ステップS306の処理に進む。
(ステップS306)制御部23は、無線第1インターフェース24を制御し、植込み型医療機器10に対してデータ測定モード確認要求メッセージを送信する。その後、ステップS307の処理に進む。
【0069】
(ステップS307)制御部23は、無線第1インターフェース24がデータ測定モード信号を受信した場合、受信したデータ測定モード信号で特定される動作モードが緊急モードであり、ステップS305の処理で受信した詳細判定信号が、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに変更することを示している場合、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードへの変更を指示する信号であるデータ測定モード変更信号を、植込み型医療機器10に対して送信する。その後、ステップS308の処理に進む。
【0070】
(ステップS308)制御部23は、無線第1インターフェース24が測定モード変更確認信号を受信した場合、無線第1インターフェース24を制御し、植込み型医療機器10に対してPower Down信号を送信する。その後、処理を終了する。
【0071】
次に、Webサーバ30の動作手順について説明する。図9は、本実施形態におけるWebサーバ30の動作手順を示したフローチャートである。
(ステップS401)制御部34は、無線通信部32が詳細データを受信した場合、受信した詳細データと、記憶部33が記憶するSDB情報データブロックとを用いて詳細データの異常を検出し、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに変更するか否かを判定する詳細判定処理を行う。その後、ステップS402の処理に進む。
【0072】
(ステップS402)制御部34は、無線通信部32を制御し、ステップS401の処理で判定した結果を示す詳細判定信号を無線通信端末20に対して送信する。その後、処理を終了する。
【0073】
上述したとおり、本実施形態によれば、Webサーバ30は、植込み型医療機器10が取得した詳細データの異常を検出するために用いるSDB情報データブロックを記憶している。そして、Webサーバ30は、記憶しているSDB情報データブロックと、無線通信端末20から送信された詳細データとを用いて詳細データの異常を検出し、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに変更するか否かを判定する詳細判定処理を行う。従って、Webサーバ30は、より正確に、植込み型医療機器10が取得した詳細データの異常を検出することができる。
【0074】
また、本実施形態によれば、植込み型医療機器10は、データの取得間隔が長い通常モードと、データの取得間隔が短い緊急モードとの2つのモードとのいずれかのモードで動作する。通常モードから緊急モードへの切り替えの判定は、植込み型医療機器10が行う。これにより、例えば、植込み型医療機器10が緊急度の高いイベントを検出した場合、植込み型医療機器10が通常モードから緊急モードへの切り替えの判定を行うため、無線通信端末20やWebサーバ30が通常モードから緊急モードへの切り替えの判定を行う場合と比較し、より迅速に緊急モードに切り換えることができる。
【0075】
また、本実施形態によれば、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードへ切り換える判定は、無線通信端末20またはWebサーバ30が行う。これにより、植込み型医療機器10は、緊急モードから通常モードへの切り替えの判定を行う必要が無いため、植込み型医療機器10が備える電池の消耗をより低減することができる。さらに、Webサーバ30は、詳細データの異常をより正確に検出することができるため、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに変更するか否かの判定も、より正確に行うことができる。
【0076】
また、本実施形態によれば、無線通信端末20は、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに切り換える場合、植込み型医療機器10に対してPower Down信号を送信する。また、植込み型医療機器10は、Power Down信号を受信した場合、無線通信部14の動作を停止させる。これにより、植込み型医療機器10は、詳細データを無線通信端末20に対して送信しない場合には、無線通信部14を停止させることができるため、植込み型医療機器10が備える電池の消耗をさらに低減させることができる。
【0077】
以上、この発明の一実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、上述した実施形態では植込み型医療機器10と無線端末装置20とは1対1との関係で無線通信を行っているがこれに限らない。例えば、植込み型医療機器10と無線端末装置20とは、多対多の関係で無線通信を行うようにしてもよい。また、無線通信端末20とWebサーバ30とは1対1との関係で無線通信を行っているがこれに限らない。例えば、無線通信端末20とWebサーバ30とは、多対多の関係で無線通信を行うようにしてもよい。また、無線通信端末20とWebサーバ30との間の通信は、有線を用いた通信としてもよい。
【0078】
また、上述した実施形態では、Webサーバ30が、植込み型医療機器10が取得した詳細データと記憶部33が記憶するSDB情報データブロックとを用いて詳細データの異常を検出し、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに変更するか否かを判定する詳細判定処理を行っているが、これに限らない。例えば、無線通信端末20が、Webサーバ30からSDB情報データブロックを受信し、植込み型医療機器10が取得した詳細データとWebサーバ30から受信したSDB情報データブロックとを用いて詳細データの異常を検出し、植込み型医療機器10の動作モードを緊急モードから通常モードに変更するか否かを判定する詳細判定処理を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1・・・生体データ監視システム、10・・・植込み型医療機器、11・・・センサ部、12・・・緊急度判定部、13,23,34・・・制御部、14,32・・・無線通信部、15,21,29,31・・・アンテナ、16・・・Power Down検出部、20・・・無線通信端末、22・・・RF Wake UP検出部、24・・・無線第1インターフェース、25,33・・・記憶部、26・・・表示部、27・・・音出力部、28・・・無線第2インターフェース、30・・・Webサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センシング端末からバイタルデータを無線受信する無線通信部と、
比較用バイタルデータを記憶する記憶部と、
前記無線受信したバイタルデータと前記比較用バイタルデータとを比較する比較部と、
前記比較部による比較結果に基づいて、前記バイタルデータを無線送信した前記センシング端末に対して、前記バイタルデータの無線送信を停止させる指示を、前記無線通信部が送信するよう制御する制御部と、
を有することを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記記憶部は、前記比較用バイタルデータとして心拍数データ又は血糖値データを記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記無線受信したバイタルデータと前記比較用バイタルデータとを複数サイクル比較した結果に基づいて、前記指示を前記無線通信部が送信するよう制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記センシング端末が有する複数のセンシングモードのうち2つのセンシングモードを比較したときに、相対的にセンシング間隔が長いモードを第1のモードと定義し、相対的にセンシング間隔が短いモードを第2のモードと定義するとき、前記指示は、前記センシング端末を前記第1のモードで動作させる指示を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項5】
起動信号を受信する起動信号受信部
を備え、
前記制御部は、前記起動信号受信部が前記起動信号を受信した場合、前記無線通信部を起動させる
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記無線通信部が前記指示を送信した後、当該無線通信部の動作を停止させる
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項7】
サーバと無線通信端末とを有する無線通信システムであって、
前記サーバは、
前記無線通信端末と通信を行う通信部と、
比較用バイタルデータを記憶する記憶部と、
前記無線通信端末から受信したバイタルデータと前記比較用バイタルデータとを比較する比較部と、
前記比較部による比較結果を示す比較結果信号を前記無線通信端末に対して送信するように前記通信部を制御するサーバ制御部と、
を有し、
前記無線通信端末は、
センシング端末から前記バイタルデータを無線受信する無線第1通信部と、
前記センシング端末から受信した前記バイタルデータを前記サーバに送信する第2通信部と、
前記サーバから受信した前記比較結果信号に基づいて、前記バイタルデータを無線送信した前記センシング端末に対して、前記バイタルデータの無線送信を停止させる指示を、前記無線第1通信部が送信するよう制御する制御部と、
を有する
ことを特徴とする無線通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−254121(P2012−254121A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127553(P2011−127553)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】