無線通信システム
【課題】集中制御局装置に接続された複数の基地局装置に割り当てられるチャネルを適切に切り替えること。
【解決手段】集中制御局装置は、複数のチャネル割り当てパターンの内の一つのチャネル割り当てパターンに切り替える切り替え時間を決定し、チャネル割り当てパターンの切り替え時間より一定時間以上早い時間に、複数の基地局装置に、チャネル割り当てパターンへの切り替えを通知し、複数の基地局装置のチャネルが正常に切り替わったことを確認する。基地局装置は、切り替え時間の前に通信相手端末へ一定時間チャネルの切り替えを通知し、切り替え時間に集中制御局装置に指定されたチャネル割り当てに変更し、通信相手となる端末が正常にチャネル切り替えに成功したことを確認し、集中制御局装置に通知する。
【解決手段】集中制御局装置は、複数のチャネル割り当てパターンの内の一つのチャネル割り当てパターンに切り替える切り替え時間を決定し、チャネル割り当てパターンの切り替え時間より一定時間以上早い時間に、複数の基地局装置に、チャネル割り当てパターンへの切り替えを通知し、複数の基地局装置のチャネルが正常に切り替わったことを確認する。基地局装置は、切り替え時間の前に通信相手端末へ一定時間チャネルの切り替えを通知し、切り替え時間に集中制御局装置に指定されたチャネル割り当てに変更し、通信相手となる端末が正常にチャネル切り替えに成功したことを確認し、集中制御局装置に通知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信におけるチャネルの切り替え技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、2.4GHz帯又は5GHz帯を用いた高速無線アクセスシステムとして、IEEE802.11g規格、IEEE802.11a規格などに基づいた基地局装置(AP:Access point)が広く普及している。これらの規格に基づいたシステムでは、マルチパスフェージング環境での特性を安定化させるための技術である直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式を用い、最大で54Mbpsの伝送速度を実現している。
【0003】
ただし、上述した伝送速度は物理レイヤ上での伝送速度であり、ユーザにとって有効なデータのスループットではない。実際には、MAC(Medium Access Control)レイヤでの伝送効率が50〜70%程度であるために、スループットは30Mbps程度が上限値となっている。
【0004】
一方、有線LANの通信速度もFTTH(Fiber to the home)の普及から、上昇の一途をたどっている。そのため、今後無線LANにおいても更なる伝送速度の高速化が求められることが想定される。無線区間のスループット増大のために、MIMOやマルチユーザMIMOなど様々な空間信号処理技術が検討されているが、他の方法として通信周波数帯域の拡大も行なわれている。IEEE802.11aでは、各チャネル20MHzの周波数帯域が用いられていたが、IEEE802.11nでは、40MHzの周波数帯域が用いられている。さらに、IEEE802.11acでは、オプションを含めると160MHzまで検討されている。このように、チャネルの帯域拡大が進んでいる。
【0005】
このように、チャネルの周波数帯域はIEEE802.11aから11acまでで、8倍に拡大している。しかし、無線LANに用いることのできる周波数帯域全体については、大きな拡張が認められていない。よって、無線端末の普及に伴い、周波数資源は十分でなくなりつつある。例えば、複数の基地局装置が同じ周波数帯域を用いる環境が増加している。このため、基地局装置が選択したチャネルによっては、通信セルが互いにオーバーラップする他の基地局装置からのパケット信号の影響によって、スループットが低下したり、システム全体のスループット効率が低下したりするという問題があった。更に、各基地局装置が選択しうるチャネルの帯域幅も多様化している。そのため、集中制御局(AC)を用いて基地局装置の周波数チャネルを管理する場合、どの周波数を用いるかだけでなく、どの周波数帯域を用いるかも集中制御局において判断する必要がある。
【0006】
複数の基地局装置を集中制御局に接続し、各基地局装置にチャネルを割り当てる方法については特許文献1に記載されている。特許文献1では、基地局装置におけるスループットなどの通信状態を入力情報として用い、システムスループットを最大化するようにチャネルを選択することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−74097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、通信状況は時間の経過により刻々と変化するものである。そのため、ある時刻において決定されたチャネル配置は、異なる時刻において必ずしも最適とは限らない。通信状況の変化に応じて、適切なチャネル配置を選択できるシステムが必要とされている。また、全ての基地局装置に最大のスループットを提供するチャネル割り当てを決定することは難しい。そのため、一部の基地局装置において、要求値よりもスループットが低くなってしまう場合もあった。
【0009】
上記事情に鑑み、本発明は、集中制御局に接続された複数の基地局装置に割り当てられるチャネルを適切に切り替える技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、複数の基地局装置と、前記複数の基地局装置に接続された集中制御局装置と、を備える無線通信システムであって、前記集中制御局装置は、複数のチャネル割り当てパターンを記憶するチャネル割り当てパターン記憶手段と、複数のチャネル割り当てパターンの内の一つのチャネル割り当てパターンに切り替える切り替え時間を決定するスケジュール手段と、当該チャネル割り当てパターンの切り替え時間より一定時間以上早い時間に、前記複数の基地局装置に、チャネル割り当てパターンへの切り替えを通知するチャネル割り当てパターン通知手段と、前記複数の基地局装置のチャネルが正常に切り替わったことを確認する基地局チャネル変更確認手段と、を備え、前記基地局装置は、切り替え時間の前に通信相手端末へ一定時間チャネルの切り替えを通知するチャネル切り替え通知手段と、切り替え時間に前記集中制御局装置に指定されたチャネル割り当てに変更するチャネル変更手段と、通信相手となる端末が正常にチャネル切り替えに成功したことを確認し、前記集中制御局装置に通知するチャネル変更正常終了通知手段と、を備える無線通信システムである。
【0011】
本発明の一態様は、上記の無線通信システムであって、前記集中制御局装置のスケジュール手段は、前記チャネル割り当てパターン記憶手段の複数のチャネル割り当てパターンを一定時間ごとに周期的に切り替える。
【0012】
本発明の一態様は、上記の無線通信システムであって、前記集中制御局装置は、複数の基地局装置から、各基地局装置が送信したデータのビット数、各基地局装置が受信したデータのビット数、各基地局装置の通信で生じたパケットの衝突頻度、各基地局装置にバッファされているデータのビット数、各基地局装置とその通信相手(端末装置)とが通信したスループット又はビット数、の情報を、収集し記憶する通信状況記憶手段と、前記記憶された通信状況から、チャネル割り当てパターンを算出し、記憶するチャネル割り当てパターン記憶手段と、をさらに備える。
【0013】
本発明の一態様は、上記の無線通信システムであって、前記集中制御局装置は、複数の基地局装置から、各基地局装置が送信したデータのビット数、各基地局装置が受信したデータのビット数、各基地局装置の通信で生じたパケットの衝突頻度、各基地局装置にバッファされているデータのビット数、各基地局装置とその通信相手(端末装置)とが通信したスループット又はビット数、の情報を、時間に対して収集し記憶する通信状況記憶手段と、前記記憶された通信状況から、チャネル割り当てパターンを算出し、記憶するチャネル割り当てパターン記憶手段と、前記記憶された時間に対する通信状況に応じて、各時間に最適なチャネル割り当てパターンを決定し、当該時間に当該チャネル割り当てパターンを用いるようにチャネル割り当てパターンと切り替え時間を決定するスケジュール手段と、をさらに備える。
【0014】
本発明の一態様は、上記の無線通信システムであって、前記基地局装置は、前記集中制御局装置から指定されたチャネル割り当てパターンに切り替えた後、各基地局装置が送信したデータのビット数、各基地局装置が受信したデータのビット数、各基地局装置の通信で生じたパケットの衝突頻度、各基地局装置にバッファされているデータのビット数、各基地局装置とその通信相手(端末装置)とが通信したスループット又はビット数、の情報を、当該チャネル割り当てパターンによる効果の評価指標として情報を収集するチャネル割り当てパターン評価手段と、当該チャネル割り当てパターン評価結果を前記集中制御局装置へ通知する評価結果通知手段と、をさらに備え、前記集中制御局装置は、評価結果に応じて、チャネル割り当てパターンを変更し、記憶するチャネル割り当てパターン更新手段、をさらに備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、集中制御局に接続された複数の基地局装置に割り当てられるチャネルを適切に切り替えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施形態の無線システムのシステム構成を表す図である。
【図2】無線システムにおいて用いられるチャネルを示す図である。
【図3】各チャネルにおける干渉の関係(チャネル条件)を表す図である。
【図4】各システムAPにおいて検出された他のシステムAP10を示す図である。
【図5】チャネル割り当てパターンの具体例を示す図である。
【図6】無線システムの動作の流れの第一例を示す図である。
【図7】無線システムの動作の流れの第二例を示す図である。
【図8】チャネル割り当てパターンのスケジュールの決定方法の具体例を示す図である。
【図9】システムAPの機能構成を表す概略ブロック図である。
【図10】集中制御局の機能構成を表す概略ブロック図である。
【図11】第1実施形態の無線システムの処理の流れのうち、第一例(図6)に相当する処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】第1実施形態の無線システムの処理の流れのうち、図8に示されるような統計値に基づいて処理を行う場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】第1実施形態の無線システムの処理の流れのうち、第二例(図7)に相当する処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】各システムAPへのチャネル割り当ての具体例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について説明する。なお、以下の説明では、基地局装置、集中制御局をそれぞれ“AP”、“AC”と記載することがある。
【0018】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態の無線システム1のシステム構成を表す図である。基地局装置10−1、10−2、10−3、10−4、10−5が集中制御局20に接続されている。集中制御局20に接続されていない基地局装置11(11−1、11−2、11−3、11−4、11−5、11−6)は6台存在する。以下の説明では、集中制御局20に接続された基地局装置10を「システムAP」と呼ぶ。また、集中制御局20に接続されていない基地局装置11を「干渉AP」と呼ぶ。無線システム1では、システムAPのスループットを向上させる。
【0019】
図2は、無線システム1において用いられるチャネルを示す図である。無線システム1におけるチャネル配置は、例えば図2に示されるように、IEEE802.11の5GHz帯で用いることができる帯域の一例を示したものである。なお、上述したチャネルは一例であり、無線システム1において用いられるチャネルは他の周波数であっても良い。
【0020】
集中制御局20は、各システムAP10に対し、20MHz、40MHz、80MHz、160MHzの帯域のA〜ηのチャネルの中から、通信に使用するチャネルを指定する。集中制御局20は、20MHzのチャネルP〜ηの中から、プライマリチャネルを選択する。例えば、チャネルAを用いて通信する場合は、集中制御局20はチャネルP〜Wの中の一つの20MHzチャネルをプライマリチャネルとし、その他のチャネルをセカンダリチャネルとする。
【0021】
図3は、各チャネルにおける干渉の関係(チャネル条件)を表す図である。具体的には、図3の表は、各システムAP10において検出された干渉について、その干渉の元となっている干渉APが用いているプライマリチャネル及びセカンダリチャネルを表している。二重円は、基本となる20MHzのチャネル(プライマリチャネル)を表す。一つの円は、基本となる20MHzのチャネルと同じ40MHzチャネル内に存在するセカンダリチャネルを表す。三角形は、同じ80MHzチャネル内に存在する他方の40MHzのセカンダリチャネルを表す。四角形は、同じ160MHzチャネル内に存在する他方の80MHzに対応するセカンダリチャネルを表す。
【0022】
例えば、システムAP10−1は、160MHzチャネルAにおいて、チャネルQをプライマリチャネルとする干渉APと、チャネルTをプライマリチャネルとする干渉APとを検出する。さらに、システムAP10−1は、80MHzチャネルEにおいて、チャネルXをプライマリチャネルとする干渉APを検出する。システムAP10−1〜10−5は、干渉APの使用チャネルを観測することによって、図3のように干渉APの使用チャネルを推定することができる。各システムAP10−1〜10−5は、推定結果を集中制御局20に伝えることができる。
【0023】
図4は、各システムAP10において検出された他のシステムAP10を示す図である。図4において、一つの円は、表の左側に示されているシステムAP10において、表の上側に示されている他のシステムAP10が検出されたことを示す。各システムAP10は、自装置が検出した他のシステムAP10を集中制御局20に伝える。例えば、システムAP10−1は、システムAP10−5以外のシステムAP10(10−2、10−3、10−4)を検出している。
【0024】
第1の実施形態の集中制御局20は、推定されたチャネル条件に応じて、各システムAP10へのチャネル割り当てパターンを複数決定する。チャネル割り当てパターンの決定方法は、システムスループットの最大化、最小スループットとなるシステムAPのスループット最大化、ランダム配置、など、様々な方法によって決定できる。しかし、いずれの方法を用いた場合でも、高いスループットが得られるシステムAP10と、低いスループットしか得られないAP10が存在し、スループットの公平性に問題が生じる。この問題を解決するため、集中制御局20は、上述したようにチャネル割り当てパターンを複数選択し、選択したチャネル割り当てパターンを切り替える。この切り替えによって、無線システム1ではスループットの公平性を高めることができる。
【0025】
図5は、チャネル割り当てパターンの具体例を示す図である。図5には、各システムAP10に指定されるチャネルが示されている。また、図5の括弧内に示される文字は、プライマリチャネルとなる20MHzチャネルを示す。このように、集中制御局20は、システムAP10に対するチャネル割り当てパターンを複数決定し、一定時間ごとに切り替える。この切り替えにより、スループットの公平性を高めることができる。
【0026】
図6は、無線システム1の動作の流れの第一例を示す図である。第一例では、チャネル切り替え毎に集中制御局20から各システムAP10への通知が行われる。図6では、システムAP10はN台(10−1〜10−N)存在する。まず、集中制御局20(AC)は、複数のチャネル割り当てパターンを決定する。この決定は、図6の時刻t0の前に行われる。その後、時刻t0になると、集中制御局20はチャネル変更通知Aを各システムAP10(AP10−1〜AP10−N)に送信する。
【0027】
各システムAP10−1〜10−Nは、通知を受けた後の時刻t1から、『チャネル変更通知Aによって指定されたチャネルに時刻t2から移行すること』を、自装置に接続されている各端末装置に対して通知する。時刻t2になると、各システムAP10−1〜10−Nは、端末装置との通信に用いるチャネルを、チャネル変更通知Aによって指定されたチャネルに変更する。
【0028】
各システムAP10−1〜10−Nは、通信相手の端末装置が正しくチャネル変更に対応したことを確認すると、集中制御局20にチャネルの変更が終了したことを通知する。また、チャネル変更が正常終了したことを確認するのに要する時間が、各システムAP10で変わるため、正確にチャネル変更完了通知が同時である必要はない。図6では、時刻t3にチャネル変更完了を通知するように記載されているが、チャネル変更が完了できないシステムAP10は、時刻t3よりも遅いタイミングでチャネル変更完了を通知する。
【0029】
集中制御局20は所定のタイミング(例えば図6の時刻t4)が到来すると、既に決定している複数のチャネル割り当てパターンの中から他のチャネル割り当てパターンを選択する。そして、集中制御局20は、新たに選択したチャネル割り当てパターンに基づいて、各システムAP10−1〜10−Nに対しチャネル変更通知Aを送信する。
【0030】
図7は、無線システム1の動作の流れの第二例を示す図である。第二例では、チャネル割り当てパターンとそのスケジュールとが、チャネル変更通知Bによって各システムAP10に通知される。そして、各システムAP10は、チャネル変更通知Bによって指定されたタイミングに従って、自装置のチャネル割り当てを変更する。以下、より詳細に説明する。
【0031】
図7の例では、時刻t0の時点で各システムAP10は、既に第1のチャネル割り当てパターンで通信を行っている。集中制御局20は、第1のチャネル割り当てパターンとは異なる第2のチャネル割り当てパターンと、そのスケジュールを決定する。この決定は、図7の時刻t0の前に行われる。例えば、集中制御局20は、時刻t2〜時刻t6までの間は第2のチャネル割り当てパターンを用い、t6以降は第1のチャネル割り当てパターンに戻るようなスケジュールを決定する。
【0032】
集中制御局20が送信するチャネル変更通知Bには、第2のチャネル割り当てパターンと、このチャネル割り当てを行う時間区間(t2〜t6)を示す情報が含まれる。各システムAP10は、時刻t2〜時刻t6の間で第2のチャネル割り当てパターンに基づいた通信を行うために、時刻t1に端末装置へのチャネル変更の通知を開始する。時刻t2になると、各システムAP10は、チャネルの変更を行う。正常にチャネル変更が行わると、各システムAP10は、チャネル変更完了通知を集中制御局20に送信する。図7の例では、時刻t3にチャネル変更完了通知が送信されている。その後、時刻t6から所定時間前のタイミング(時刻t5)に、各システムAP10は、各端末装置に対し、時刻t6から第1のチャネル割り当てパターンで通信を行う事を通知する。そして、各システムAP10は、時刻t6にチャネルを変更し、正常にチャネル変更が完了するとその旨を集中制御局20に通知する(時刻t7)。
【0033】
このように、第2例では、チャネル割り当てパターンとそのスケジュールとが各システムAP10に通知される。各システムAP10は、通知されたスケジュールに従って、当該タイミングに自律的にチャネルを変更する。
【0034】
図8は、チャネル割り当てパターンのスケジュールの決定方法の具体例を示す図である。図8は、システムAP10で通信を行っているスループットの指標を時間に対して示した表である。図8は、集中制御局20が各システムAP10について通信に関する情報を収集し、その統計値(平均、中央値、累積値など)を算出することによって得られる表である。図8に示される数値は、この統計値である。
【0035】
統計値の算出に用いられる情報(評価用情報)は、例えば、各システムAP10が送信したデータのビット数、各システムAP10が受信したデータのビット数、各システムAP10の通信で生じたパケットの衝突頻度、各システムAP10にバッファされているデータのビット数、各システムAP10とその通信相手(端末装置)とが通信したスループット又はビット数などである。また、統計値の算出には、数日間のデータが用いられても良いし、1週間の曜日毎のデータや各時刻のデータが用いられても良いし、年間で毎日のデータが用いられても良い。
【0036】
このように、時間に対し、各システムAP10が統計的にどのような通信を行っているかについて集中制御局20で把握することによって、適切なチャネル割り当てを時刻に応じて決定することができる。図8の例では、最右列に最もスループットの指標が高いシステムAP10が記載されている。図8から明らかなように、時刻毎に各システムAP10に要求されるスループットが異なっている。例えば、時刻毎に、最も高いスループットとなるシステムAP10に対して高いスループットが期待できるチャネル割り当てを適用することによって、無線システム1全体のシステムスループットを高めることが可能である。
【0037】
図8で、AP10−1、AP10−2が高いスループットを求めている場合には、チャネル割り当てパターン1を、AP10−3〜10−5が高いスループットを求めている場合には、チャネル割り当てパターン2を用いるようにスケジューリングしても良い。
【0038】
図9は、システムAP10の機能構成を表す概略ブロック図である。システムAP10は、第一通信部101、第二通信部102、制御部103を備える。第一通信部101は、集中制御局20によって指定されたチャネルで複数の通信端末と無線通信する。第二通信部102は、ネットワークの上位装置や集中制御局20と通信する。制御部103は、第一通信部101を介して端末装置から受信されたデータを、その宛先に応じて第二通信部102を介してネットワークの上位装置へ中継する。また、制御部103は、第二通信部102を介して上位装置から受信されたデータを、その宛先に応じて第一通信部101を介して端末装置へ中継する。また、制御部103は、第2通信部102を介して集中制御局20と通信し、チャネル割り当てパターンに関する制御を行う。また、制御部103は、指定されたチャネル割り当てで通信端末と無線通信するように、第一通信部101を制御する。また、制御部103は、チャネル変更端末通知、チャネル変更完了通知の送信を行う。
【0039】
図10は、集中制御局20の機能構成を表す概略ブロック図である。集中制御局20は、チャネル割り当てパターン生成部201、チャネル割り当てパターン記憶部202、制御部203、通信部204を備える。チャネル割り当てパターン生成部201は、複数のチャネル割り当てパターンを生成する。チャネル割り当てパターン記憶部202は、チャネル割り当てパターン生成部201によって生成された複数のチャネル割り当てパターンを記憶する。制御部203は、通信部204から得られる情報に基づいて通信状況を把握し、チャネル割り当てパターン記憶部202のチャネル割り当てパターンから適切なチャネル割り当てとタイミング(スケジュール)を決定する。制御部203は、決定したスケジュールに基づいて、通信部204を介してチャネル変更通知を各システムAP10に送信する。通信部204は、複数のシステムAP10と通信する。
【0040】
図11は、第1実施形態の無線システム1の処理の流れのうち、第一例(図6)に相当する処理の流れを示すフローチャートである。まず、集中制御局20にシステムAP10が接続されると、集中制御局20は各システムAP10から干渉関係情報を収集する(ステップS101)。干渉関係情報とは、例えば各システムAP10において干渉APから受信される信号の情報や、システムAP10間の通信セルのオーバーラップに関する情報などである。集中制御局20は、得られた干渉関係情報に基づき、複数のチャネル割り当てパターンを生成し記憶する(ステップS102)。次に、集中制御局20は、記憶されている複数のチャネル割り当てパターンのうち一つを選択し、チャネル割り当てパターンの変更通知を各システムAP10に送信する(ステップS103)。
【0041】
チャネル割り当てパターンの変更通知が受信されると、システムAP10−i(i=1,2,・・・,N)はチャネルの割り当て変更について、通信相手となる端末装置への通知を開始する(ステップS104−i)。システムAP10−iは、チャネル変更タイミングになるまで、チャネルの変更通知を続ける(ステップS105−i)。システムAP10−iは、チャネル変更タイミングになると、端末装置との無線通信に用いるチャネルを変更する(ステップS106−i)。システムAP10−iは、自装置が通信相手とする全ての端末装置との間でチャネル変更が正常に終了したか確認する(ステップS107−i)。チャネルの変更に失敗した端末装置が存在する場合、システムAP10−iは、チャネルの変更通知からやり直す。一方、全ての端末装置についてチャネルの変更が正常に終了した場合、システムAP10−iは、チャネル変更の終了を集中制御局20に通知する(ステップS108−i)。
【0042】
図12は、第1実施形態の無線システム1の処理の流れのうち、図8に示されるような統計値に基づいて処理を行う場合の処理の流れを示すフローチャートである。
集中制御局20は、干渉APのチャネル使用状況やシステムAP間の通信セルのオーバーラップ関係などの干渉情報の収集を行わず、複数のチャネル割り当てパターンを生成し記憶する(ステップS102)。集中制御局20は、複数のチャネル割り当てパターンのうち一つを選択し、チャネル割り当てパターンの変更通知を各システムAP10に送信する(ステップS103)。
【0043】
チャネル割り当てパターンの変更通知が受信されると、システムAP−iはチャネルの割り当て変更について、通信相手となる端末装置への通知を開始する(ステップS104−i)。システムAP10−iは、チャネル変更タイミングになるまで、チャネルの変更通知を続ける(ステップS105−i)。システムAP10−iは、チャネル変更タイミングになると、端末装置との無線通信に用いるチャネルを変更する(ステップS106−i)。システムAP10−iは、自装置が通信相手とする全ての端末装置との間でチャネル変更が正常に終了したか確認する(ステップS107−i)。チャネルの変更に失敗した端末装置が存在する場合、システムAP10−iは、チャネルの変更通知からやり直す。一方、全ての端末装置についてチャネルの変更が正常に終了した場合、システムAP10−iは、チャネル変更の終了を集中制御局20に通知する(ステップS108−i)。
【0044】
システムAP10−iは、評価用情報を集中制御局20に通知する(ステップS109−i)。集中制御局20は、各システムAP10から通知された評価用情報に基づいて、その統計値を算出し、チャネル割り当てパターン記憶部202に記憶されるチャネル割り当てパターンを更新する(ステップS102)。評価用情報としては以下のような情報を用いることができる。選択したチャネルにおける干渉APやシステムAPの送信信号の受信情報、パケット衝突率、アクセス権取得までの所要時間、選択したチャネルで信号が受信される無線端末の数、他APの通信占有率、最大スループット、等。
【0045】
図13は、第1実施形態の無線システム1の処理の流れのうち、第二例(図7)に相当する処理の流れを示すフローチャートである。まず、集中制御局20にシステムAP10が接続されると、集中制御局20は各システムAP10から干渉関係情報を収集する(ステップS101)。集中制御局20は、得られた干渉関係情報に基づき、複数のチャネル割り当てパターンを生成し記憶する(ステップS102)。次に、集中制御局20は、記憶されている複数のチャネル割り当てパターンから、無線システム1で用いるチャネル割り当てパターンを選択する。また、集中制御局20は、選択したチャネル割り当てパターンを無線システム1に適用するスケジュールを決定する。そして、集中制御局20は、選択したチャネル割り当てパターン及びスケジュールを、各システムAP10に通知する(ステップS103)。
【0046】
チャネル割り当てパターン及びスケジュールが通知されると、システムAP10−iは、スケジュールとして指定されたチャネル変更タイミングが近づくまで待機する。システムAP10−iは、チャネル変更タイミングまでの残り時間が閾値(T)以内になると、チャネルの割り当て変更について、通信相手となる端末装置への通知を開始する(ステップS104−i)。システムAP10−iは、チャネル変更タイミングになるまで、チャネルの変更通知を続ける(ステップS105−i)。システムAP10−iは、チャネル変更タイミングになると、端末装置との無線通信に用いるチャネルを変更する(ステップS106−i)。システムAP10−iは、自装置が通信相手とする全ての端末装置との間でチャネル変更が正常に終了したか確認する(ステップS107−i)。チャネルの変更に失敗した端末装置が存在する場合、システムAP10−iは、チャネルの変更通知からやり直す。一方、全ての端末装置についてチャネルの変更が正常に終了した場合、システムAP10−iは、チャネル変更の終了を集中制御局20に通知する(ステップS108−i)。システムAP10−iは、集中制御局20から通知されたチャネル変更のスケジュールが終了するまでは、通知されたスケジュールに従ってチャネルを変更する。
【0047】
このように構成された無線システム1では、複数のシステムAP10の周波数チャネルを制御する集中制御局20において、各システムAP10に割り当てられるチャネルを適切に切り替えることが可能となる。具体的には、各システムAP10に対するチャネル割り当ての公平性を高めることが可能となる。また、図8のような統計値を算出してチャネル割り当てパターンを更新することにより、無線環境の時間変化に対応したチャネル割り当てが可能となる。
【0048】
<変形例>
集中制御局20は、チャネル割り当てパターン生成部201を備えないように構成されても良い。この場合、チャネル割り当てパターン記憶部202は、予め複数のチャネル割り当てパターンを記憶している。
【0049】
チャネル割り当ての決定方法の例を以下に示す。最小スループットとなるAPのスループットを最大化するため、観測された干渉条件(干渉信号を送信するAP・端末数、干渉信号の時間占有率、干渉信号を送信するAP・端末の異なるプライマリチャネルの数、パケット衝突率)が多いものから、スループットの高くなるチャネルを一つずつ決定していくことができる。例えば、図3のように干渉APが検出された際に、観測されたチャネルの多いAP10−4から順に、チャネルを決定し、順次システムAPのチャネルが決定されることにより新たに生じるシステムAP間の干渉条件も考慮しつつ、使用するチャネルを決定していくことができる。または、逆に干渉条件が少ないものから決定しても良い。または、システムAP10から通知された要求スループットが大きいものから決定しても良い。または、予め定められたシステムAP10の優先順位が高いものから決定しても良い。または、特定のシステムAP10が高いスループットとなるように決定しても良い。または、システムAP10の配下の端末の数が多い順に決定しても良い。または、システムAP10の配下の端末の数が少ない順に決定しても良い。または、ランダムに選択しても良い。
【0050】
集中制御局20は、チャネル変更通知を送信する際に、変更前のチャネル割り当てと変更後のチャネル割り当てが同一であるか否かについて、システムAP10毎に判定しても良い。そして、集中制御局20は、チャネル割当が同一であるシステムAP10に対しては、チャネル変更通知を送信しないように構成されても良い。
【0051】
システムAP10は、チャネル変更通知を受信すると、変更前のチャネル割り当てと変更後のチャネル割り当てが同一であるか否かについて判定しても良い。システムAP10は、チャネル割当が同一である場合、チャネル変更端末通知、チャネル変更の実行、チャネル変更完了の通知のうち、いずれか一つ又は複数もしくは全部を行わないように構成されても良い。
【0052】
無線システム1は、以下のように動作しても良い。まず、集中制御局20は、複数のチャネル割り当てパターンをランダムに決定して記憶する。その後、集中制御局20は、図6や図7に示されるように各システムAP10と端末装置との間で無線通信を実行させる。その後、集中制御局20が各システムAP10へ送信したビット数、集中制御局20が各システムAP10から受信したビット数、各システムAP10の通信セル内の無線区間で通信されたビット数、スループット、各システムAP10がバッファとして蓄積しているビット数、などの情報を収集する。集中制御局20は、収集した情報に基づいて、各チャネル割り当てパターンの効果を評価する。集中制御局20は、効果が低いチャネル割り当てパターンを削除し、効果が高いチャネル割り当てパターンを用いて、さらに図6や図7に示されるように通信を行う。効果が高いチャネル割り当てパターンとは、例えば、システムAP10及びその端末装置間で通信しているビット数が多い、スループットが高い、パケットの衝突が起きにくい、バッファしているビット数が少ないなどの状態を生じさせるチャネル割り当てパターンである。
【0053】
図11及び図13において、ステップS101の処理は、定期的に繰り返し実行されても良いし、無線通信の環境が変化した場合にのみ行われても良い。無線通信の環境の変化とは、新たなシステムAP10の追加、新たな端末装置の追加、レーダーなどの他システムからの干渉の観測、集中制御局20からシステムAP10へ送信するデータビットの変化が閾値を超えた場合、システムAP10から集中制御局20が受信するデータビットの変化が閾値を超えた場合、各システムAPでバッファしているデータ量がある閾値を超えた場合、新たに優先APを設けることが入力された場合、などである。
【0054】
図11〜13のステップS103は、予め定められた時間間隔で、定期的に行われても良い。また、一日の決まった時間に行われても良いし、システムAP10から変更の要請があった場合に行われても良いし、無線通信の環境が変化した場合に行われても良い。
【0055】
[第2の実施形態]
第2の実施形態の無線システム1では、集中制御局20のチャネル割り当てパターン記憶部202は、特定のシステムAP10(優先システムAP)に高いスループットを実現するチャネル割り当てパターン(優先パターン)を記憶する。そして、優先システムAPのスループットを高めたい時間帯に優先パターンを適用することによって、優先システムAPや、優先システムAPを所有するユーザ等の要求に合わせたスループットを提供することを可能にする。
【0056】
図14は、各システムAP10へのチャネル割り当ての具体例を表す図である。図14では、上から順にシステムAP10−1〜10−5が優先システムAPとなった場合のチャネル割り当てパターンが示されている。各優先チャネル割り当てパターンは、ある優先APにおけるスループットを最大化するように決定されている。
【0057】
集中制御局20は、優先システムAPを選択する。集中制御局20は、ユーザやシステム管理者などによって指定されたシステムAP10を優先システムAPとして選択しても良いし、例えば所定期間内の通信におけるスループットやビット数が最も大きいシステムAP10を優先システムAPとして選択しても良い。そして、集中制御局20は、選択した優先システムAPに対応するチャネル割り当てパターン(優先パターン)を選択し、選択した優先パターンに基づいた無線通信を実現させる。
【0058】
図10〜12のブロック図を用いて、第2の実施形態の無線システム1の処理の流れについて説明する。
図11及び図13のフローチャートでは、優先システムAPと、そのシステムAPが優先される時間帯が指定されると(ステップS110)、集中制御局20は優先システムAPに高いスループットを実現するチャネル割り当てパターンを選択し、各システムAP10に通知する。そして、ステップS104〜ステップS109の処理により、優先パターンでの無線通信が行われる。
【0059】
また、優先される時間帯が終了するタイミングで、集中制御局20は、もとのチャネル割り当てパターンへの変更を各システムAP10に通知する(ステップS103)。その後、ステップS104〜ステップS109の処理により元のチャネル割り当てパターンでの無線通信が行われる。
【0060】
図12のフローチャートでは、優先システムAPと、そのシステムAPが優先される時間帯が指定されると(ステップS110)、集中制御局20は優先システムAPに高いスループットを実現するチャネル割り当てパターンと、その変更タイミングと、もとのチャネル割り当てパターンに戻すタイミングとを各システムAP10に通知する。その後、ステップS104〜ステップS109の処理により優先パターンでの無線通信が行われる。図12のフローチャートでは、用いた優先チャネル割り当ての効果を検証することで、S102において、優先チャネル割り当てを更新することもできる。
このように構成された第2の実施形態によれば、優先システムAPのスループットを必要に応じて一時的に高めることが可能となる。
【0061】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0062】
1…無線システム, 10…システムAP(基地局装置), 11…干渉AP, 20…集中制御局(集中制御局装置), 101…第一通信部, 102…第2通信部, 103…制御部, 201…チャネル割り当てパターン生成部, 202…チャネル割り当てパターン記憶部, 203…制御部, 204…通信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信におけるチャネルの切り替え技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、2.4GHz帯又は5GHz帯を用いた高速無線アクセスシステムとして、IEEE802.11g規格、IEEE802.11a規格などに基づいた基地局装置(AP:Access point)が広く普及している。これらの規格に基づいたシステムでは、マルチパスフェージング環境での特性を安定化させるための技術である直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式を用い、最大で54Mbpsの伝送速度を実現している。
【0003】
ただし、上述した伝送速度は物理レイヤ上での伝送速度であり、ユーザにとって有効なデータのスループットではない。実際には、MAC(Medium Access Control)レイヤでの伝送効率が50〜70%程度であるために、スループットは30Mbps程度が上限値となっている。
【0004】
一方、有線LANの通信速度もFTTH(Fiber to the home)の普及から、上昇の一途をたどっている。そのため、今後無線LANにおいても更なる伝送速度の高速化が求められることが想定される。無線区間のスループット増大のために、MIMOやマルチユーザMIMOなど様々な空間信号処理技術が検討されているが、他の方法として通信周波数帯域の拡大も行なわれている。IEEE802.11aでは、各チャネル20MHzの周波数帯域が用いられていたが、IEEE802.11nでは、40MHzの周波数帯域が用いられている。さらに、IEEE802.11acでは、オプションを含めると160MHzまで検討されている。このように、チャネルの帯域拡大が進んでいる。
【0005】
このように、チャネルの周波数帯域はIEEE802.11aから11acまでで、8倍に拡大している。しかし、無線LANに用いることのできる周波数帯域全体については、大きな拡張が認められていない。よって、無線端末の普及に伴い、周波数資源は十分でなくなりつつある。例えば、複数の基地局装置が同じ周波数帯域を用いる環境が増加している。このため、基地局装置が選択したチャネルによっては、通信セルが互いにオーバーラップする他の基地局装置からのパケット信号の影響によって、スループットが低下したり、システム全体のスループット効率が低下したりするという問題があった。更に、各基地局装置が選択しうるチャネルの帯域幅も多様化している。そのため、集中制御局(AC)を用いて基地局装置の周波数チャネルを管理する場合、どの周波数を用いるかだけでなく、どの周波数帯域を用いるかも集中制御局において判断する必要がある。
【0006】
複数の基地局装置を集中制御局に接続し、各基地局装置にチャネルを割り当てる方法については特許文献1に記載されている。特許文献1では、基地局装置におけるスループットなどの通信状態を入力情報として用い、システムスループットを最大化するようにチャネルを選択することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−74097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、通信状況は時間の経過により刻々と変化するものである。そのため、ある時刻において決定されたチャネル配置は、異なる時刻において必ずしも最適とは限らない。通信状況の変化に応じて、適切なチャネル配置を選択できるシステムが必要とされている。また、全ての基地局装置に最大のスループットを提供するチャネル割り当てを決定することは難しい。そのため、一部の基地局装置において、要求値よりもスループットが低くなってしまう場合もあった。
【0009】
上記事情に鑑み、本発明は、集中制御局に接続された複数の基地局装置に割り当てられるチャネルを適切に切り替える技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、複数の基地局装置と、前記複数の基地局装置に接続された集中制御局装置と、を備える無線通信システムであって、前記集中制御局装置は、複数のチャネル割り当てパターンを記憶するチャネル割り当てパターン記憶手段と、複数のチャネル割り当てパターンの内の一つのチャネル割り当てパターンに切り替える切り替え時間を決定するスケジュール手段と、当該チャネル割り当てパターンの切り替え時間より一定時間以上早い時間に、前記複数の基地局装置に、チャネル割り当てパターンへの切り替えを通知するチャネル割り当てパターン通知手段と、前記複数の基地局装置のチャネルが正常に切り替わったことを確認する基地局チャネル変更確認手段と、を備え、前記基地局装置は、切り替え時間の前に通信相手端末へ一定時間チャネルの切り替えを通知するチャネル切り替え通知手段と、切り替え時間に前記集中制御局装置に指定されたチャネル割り当てに変更するチャネル変更手段と、通信相手となる端末が正常にチャネル切り替えに成功したことを確認し、前記集中制御局装置に通知するチャネル変更正常終了通知手段と、を備える無線通信システムである。
【0011】
本発明の一態様は、上記の無線通信システムであって、前記集中制御局装置のスケジュール手段は、前記チャネル割り当てパターン記憶手段の複数のチャネル割り当てパターンを一定時間ごとに周期的に切り替える。
【0012】
本発明の一態様は、上記の無線通信システムであって、前記集中制御局装置は、複数の基地局装置から、各基地局装置が送信したデータのビット数、各基地局装置が受信したデータのビット数、各基地局装置の通信で生じたパケットの衝突頻度、各基地局装置にバッファされているデータのビット数、各基地局装置とその通信相手(端末装置)とが通信したスループット又はビット数、の情報を、収集し記憶する通信状況記憶手段と、前記記憶された通信状況から、チャネル割り当てパターンを算出し、記憶するチャネル割り当てパターン記憶手段と、をさらに備える。
【0013】
本発明の一態様は、上記の無線通信システムであって、前記集中制御局装置は、複数の基地局装置から、各基地局装置が送信したデータのビット数、各基地局装置が受信したデータのビット数、各基地局装置の通信で生じたパケットの衝突頻度、各基地局装置にバッファされているデータのビット数、各基地局装置とその通信相手(端末装置)とが通信したスループット又はビット数、の情報を、時間に対して収集し記憶する通信状況記憶手段と、前記記憶された通信状況から、チャネル割り当てパターンを算出し、記憶するチャネル割り当てパターン記憶手段と、前記記憶された時間に対する通信状況に応じて、各時間に最適なチャネル割り当てパターンを決定し、当該時間に当該チャネル割り当てパターンを用いるようにチャネル割り当てパターンと切り替え時間を決定するスケジュール手段と、をさらに備える。
【0014】
本発明の一態様は、上記の無線通信システムであって、前記基地局装置は、前記集中制御局装置から指定されたチャネル割り当てパターンに切り替えた後、各基地局装置が送信したデータのビット数、各基地局装置が受信したデータのビット数、各基地局装置の通信で生じたパケットの衝突頻度、各基地局装置にバッファされているデータのビット数、各基地局装置とその通信相手(端末装置)とが通信したスループット又はビット数、の情報を、当該チャネル割り当てパターンによる効果の評価指標として情報を収集するチャネル割り当てパターン評価手段と、当該チャネル割り当てパターン評価結果を前記集中制御局装置へ通知する評価結果通知手段と、をさらに備え、前記集中制御局装置は、評価結果に応じて、チャネル割り当てパターンを変更し、記憶するチャネル割り当てパターン更新手段、をさらに備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、集中制御局に接続された複数の基地局装置に割り当てられるチャネルを適切に切り替えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施形態の無線システムのシステム構成を表す図である。
【図2】無線システムにおいて用いられるチャネルを示す図である。
【図3】各チャネルにおける干渉の関係(チャネル条件)を表す図である。
【図4】各システムAPにおいて検出された他のシステムAP10を示す図である。
【図5】チャネル割り当てパターンの具体例を示す図である。
【図6】無線システムの動作の流れの第一例を示す図である。
【図7】無線システムの動作の流れの第二例を示す図である。
【図8】チャネル割り当てパターンのスケジュールの決定方法の具体例を示す図である。
【図9】システムAPの機能構成を表す概略ブロック図である。
【図10】集中制御局の機能構成を表す概略ブロック図である。
【図11】第1実施形態の無線システムの処理の流れのうち、第一例(図6)に相当する処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】第1実施形態の無線システムの処理の流れのうち、図8に示されるような統計値に基づいて処理を行う場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】第1実施形態の無線システムの処理の流れのうち、第二例(図7)に相当する処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】各システムAPへのチャネル割り当ての具体例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について説明する。なお、以下の説明では、基地局装置、集中制御局をそれぞれ“AP”、“AC”と記載することがある。
【0018】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態の無線システム1のシステム構成を表す図である。基地局装置10−1、10−2、10−3、10−4、10−5が集中制御局20に接続されている。集中制御局20に接続されていない基地局装置11(11−1、11−2、11−3、11−4、11−5、11−6)は6台存在する。以下の説明では、集中制御局20に接続された基地局装置10を「システムAP」と呼ぶ。また、集中制御局20に接続されていない基地局装置11を「干渉AP」と呼ぶ。無線システム1では、システムAPのスループットを向上させる。
【0019】
図2は、無線システム1において用いられるチャネルを示す図である。無線システム1におけるチャネル配置は、例えば図2に示されるように、IEEE802.11の5GHz帯で用いることができる帯域の一例を示したものである。なお、上述したチャネルは一例であり、無線システム1において用いられるチャネルは他の周波数であっても良い。
【0020】
集中制御局20は、各システムAP10に対し、20MHz、40MHz、80MHz、160MHzの帯域のA〜ηのチャネルの中から、通信に使用するチャネルを指定する。集中制御局20は、20MHzのチャネルP〜ηの中から、プライマリチャネルを選択する。例えば、チャネルAを用いて通信する場合は、集中制御局20はチャネルP〜Wの中の一つの20MHzチャネルをプライマリチャネルとし、その他のチャネルをセカンダリチャネルとする。
【0021】
図3は、各チャネルにおける干渉の関係(チャネル条件)を表す図である。具体的には、図3の表は、各システムAP10において検出された干渉について、その干渉の元となっている干渉APが用いているプライマリチャネル及びセカンダリチャネルを表している。二重円は、基本となる20MHzのチャネル(プライマリチャネル)を表す。一つの円は、基本となる20MHzのチャネルと同じ40MHzチャネル内に存在するセカンダリチャネルを表す。三角形は、同じ80MHzチャネル内に存在する他方の40MHzのセカンダリチャネルを表す。四角形は、同じ160MHzチャネル内に存在する他方の80MHzに対応するセカンダリチャネルを表す。
【0022】
例えば、システムAP10−1は、160MHzチャネルAにおいて、チャネルQをプライマリチャネルとする干渉APと、チャネルTをプライマリチャネルとする干渉APとを検出する。さらに、システムAP10−1は、80MHzチャネルEにおいて、チャネルXをプライマリチャネルとする干渉APを検出する。システムAP10−1〜10−5は、干渉APの使用チャネルを観測することによって、図3のように干渉APの使用チャネルを推定することができる。各システムAP10−1〜10−5は、推定結果を集中制御局20に伝えることができる。
【0023】
図4は、各システムAP10において検出された他のシステムAP10を示す図である。図4において、一つの円は、表の左側に示されているシステムAP10において、表の上側に示されている他のシステムAP10が検出されたことを示す。各システムAP10は、自装置が検出した他のシステムAP10を集中制御局20に伝える。例えば、システムAP10−1は、システムAP10−5以外のシステムAP10(10−2、10−3、10−4)を検出している。
【0024】
第1の実施形態の集中制御局20は、推定されたチャネル条件に応じて、各システムAP10へのチャネル割り当てパターンを複数決定する。チャネル割り当てパターンの決定方法は、システムスループットの最大化、最小スループットとなるシステムAPのスループット最大化、ランダム配置、など、様々な方法によって決定できる。しかし、いずれの方法を用いた場合でも、高いスループットが得られるシステムAP10と、低いスループットしか得られないAP10が存在し、スループットの公平性に問題が生じる。この問題を解決するため、集中制御局20は、上述したようにチャネル割り当てパターンを複数選択し、選択したチャネル割り当てパターンを切り替える。この切り替えによって、無線システム1ではスループットの公平性を高めることができる。
【0025】
図5は、チャネル割り当てパターンの具体例を示す図である。図5には、各システムAP10に指定されるチャネルが示されている。また、図5の括弧内に示される文字は、プライマリチャネルとなる20MHzチャネルを示す。このように、集中制御局20は、システムAP10に対するチャネル割り当てパターンを複数決定し、一定時間ごとに切り替える。この切り替えにより、スループットの公平性を高めることができる。
【0026】
図6は、無線システム1の動作の流れの第一例を示す図である。第一例では、チャネル切り替え毎に集中制御局20から各システムAP10への通知が行われる。図6では、システムAP10はN台(10−1〜10−N)存在する。まず、集中制御局20(AC)は、複数のチャネル割り当てパターンを決定する。この決定は、図6の時刻t0の前に行われる。その後、時刻t0になると、集中制御局20はチャネル変更通知Aを各システムAP10(AP10−1〜AP10−N)に送信する。
【0027】
各システムAP10−1〜10−Nは、通知を受けた後の時刻t1から、『チャネル変更通知Aによって指定されたチャネルに時刻t2から移行すること』を、自装置に接続されている各端末装置に対して通知する。時刻t2になると、各システムAP10−1〜10−Nは、端末装置との通信に用いるチャネルを、チャネル変更通知Aによって指定されたチャネルに変更する。
【0028】
各システムAP10−1〜10−Nは、通信相手の端末装置が正しくチャネル変更に対応したことを確認すると、集中制御局20にチャネルの変更が終了したことを通知する。また、チャネル変更が正常終了したことを確認するのに要する時間が、各システムAP10で変わるため、正確にチャネル変更完了通知が同時である必要はない。図6では、時刻t3にチャネル変更完了を通知するように記載されているが、チャネル変更が完了できないシステムAP10は、時刻t3よりも遅いタイミングでチャネル変更完了を通知する。
【0029】
集中制御局20は所定のタイミング(例えば図6の時刻t4)が到来すると、既に決定している複数のチャネル割り当てパターンの中から他のチャネル割り当てパターンを選択する。そして、集中制御局20は、新たに選択したチャネル割り当てパターンに基づいて、各システムAP10−1〜10−Nに対しチャネル変更通知Aを送信する。
【0030】
図7は、無線システム1の動作の流れの第二例を示す図である。第二例では、チャネル割り当てパターンとそのスケジュールとが、チャネル変更通知Bによって各システムAP10に通知される。そして、各システムAP10は、チャネル変更通知Bによって指定されたタイミングに従って、自装置のチャネル割り当てを変更する。以下、より詳細に説明する。
【0031】
図7の例では、時刻t0の時点で各システムAP10は、既に第1のチャネル割り当てパターンで通信を行っている。集中制御局20は、第1のチャネル割り当てパターンとは異なる第2のチャネル割り当てパターンと、そのスケジュールを決定する。この決定は、図7の時刻t0の前に行われる。例えば、集中制御局20は、時刻t2〜時刻t6までの間は第2のチャネル割り当てパターンを用い、t6以降は第1のチャネル割り当てパターンに戻るようなスケジュールを決定する。
【0032】
集中制御局20が送信するチャネル変更通知Bには、第2のチャネル割り当てパターンと、このチャネル割り当てを行う時間区間(t2〜t6)を示す情報が含まれる。各システムAP10は、時刻t2〜時刻t6の間で第2のチャネル割り当てパターンに基づいた通信を行うために、時刻t1に端末装置へのチャネル変更の通知を開始する。時刻t2になると、各システムAP10は、チャネルの変更を行う。正常にチャネル変更が行わると、各システムAP10は、チャネル変更完了通知を集中制御局20に送信する。図7の例では、時刻t3にチャネル変更完了通知が送信されている。その後、時刻t6から所定時間前のタイミング(時刻t5)に、各システムAP10は、各端末装置に対し、時刻t6から第1のチャネル割り当てパターンで通信を行う事を通知する。そして、各システムAP10は、時刻t6にチャネルを変更し、正常にチャネル変更が完了するとその旨を集中制御局20に通知する(時刻t7)。
【0033】
このように、第2例では、チャネル割り当てパターンとそのスケジュールとが各システムAP10に通知される。各システムAP10は、通知されたスケジュールに従って、当該タイミングに自律的にチャネルを変更する。
【0034】
図8は、チャネル割り当てパターンのスケジュールの決定方法の具体例を示す図である。図8は、システムAP10で通信を行っているスループットの指標を時間に対して示した表である。図8は、集中制御局20が各システムAP10について通信に関する情報を収集し、その統計値(平均、中央値、累積値など)を算出することによって得られる表である。図8に示される数値は、この統計値である。
【0035】
統計値の算出に用いられる情報(評価用情報)は、例えば、各システムAP10が送信したデータのビット数、各システムAP10が受信したデータのビット数、各システムAP10の通信で生じたパケットの衝突頻度、各システムAP10にバッファされているデータのビット数、各システムAP10とその通信相手(端末装置)とが通信したスループット又はビット数などである。また、統計値の算出には、数日間のデータが用いられても良いし、1週間の曜日毎のデータや各時刻のデータが用いられても良いし、年間で毎日のデータが用いられても良い。
【0036】
このように、時間に対し、各システムAP10が統計的にどのような通信を行っているかについて集中制御局20で把握することによって、適切なチャネル割り当てを時刻に応じて決定することができる。図8の例では、最右列に最もスループットの指標が高いシステムAP10が記載されている。図8から明らかなように、時刻毎に各システムAP10に要求されるスループットが異なっている。例えば、時刻毎に、最も高いスループットとなるシステムAP10に対して高いスループットが期待できるチャネル割り当てを適用することによって、無線システム1全体のシステムスループットを高めることが可能である。
【0037】
図8で、AP10−1、AP10−2が高いスループットを求めている場合には、チャネル割り当てパターン1を、AP10−3〜10−5が高いスループットを求めている場合には、チャネル割り当てパターン2を用いるようにスケジューリングしても良い。
【0038】
図9は、システムAP10の機能構成を表す概略ブロック図である。システムAP10は、第一通信部101、第二通信部102、制御部103を備える。第一通信部101は、集中制御局20によって指定されたチャネルで複数の通信端末と無線通信する。第二通信部102は、ネットワークの上位装置や集中制御局20と通信する。制御部103は、第一通信部101を介して端末装置から受信されたデータを、その宛先に応じて第二通信部102を介してネットワークの上位装置へ中継する。また、制御部103は、第二通信部102を介して上位装置から受信されたデータを、その宛先に応じて第一通信部101を介して端末装置へ中継する。また、制御部103は、第2通信部102を介して集中制御局20と通信し、チャネル割り当てパターンに関する制御を行う。また、制御部103は、指定されたチャネル割り当てで通信端末と無線通信するように、第一通信部101を制御する。また、制御部103は、チャネル変更端末通知、チャネル変更完了通知の送信を行う。
【0039】
図10は、集中制御局20の機能構成を表す概略ブロック図である。集中制御局20は、チャネル割り当てパターン生成部201、チャネル割り当てパターン記憶部202、制御部203、通信部204を備える。チャネル割り当てパターン生成部201は、複数のチャネル割り当てパターンを生成する。チャネル割り当てパターン記憶部202は、チャネル割り当てパターン生成部201によって生成された複数のチャネル割り当てパターンを記憶する。制御部203は、通信部204から得られる情報に基づいて通信状況を把握し、チャネル割り当てパターン記憶部202のチャネル割り当てパターンから適切なチャネル割り当てとタイミング(スケジュール)を決定する。制御部203は、決定したスケジュールに基づいて、通信部204を介してチャネル変更通知を各システムAP10に送信する。通信部204は、複数のシステムAP10と通信する。
【0040】
図11は、第1実施形態の無線システム1の処理の流れのうち、第一例(図6)に相当する処理の流れを示すフローチャートである。まず、集中制御局20にシステムAP10が接続されると、集中制御局20は各システムAP10から干渉関係情報を収集する(ステップS101)。干渉関係情報とは、例えば各システムAP10において干渉APから受信される信号の情報や、システムAP10間の通信セルのオーバーラップに関する情報などである。集中制御局20は、得られた干渉関係情報に基づき、複数のチャネル割り当てパターンを生成し記憶する(ステップS102)。次に、集中制御局20は、記憶されている複数のチャネル割り当てパターンのうち一つを選択し、チャネル割り当てパターンの変更通知を各システムAP10に送信する(ステップS103)。
【0041】
チャネル割り当てパターンの変更通知が受信されると、システムAP10−i(i=1,2,・・・,N)はチャネルの割り当て変更について、通信相手となる端末装置への通知を開始する(ステップS104−i)。システムAP10−iは、チャネル変更タイミングになるまで、チャネルの変更通知を続ける(ステップS105−i)。システムAP10−iは、チャネル変更タイミングになると、端末装置との無線通信に用いるチャネルを変更する(ステップS106−i)。システムAP10−iは、自装置が通信相手とする全ての端末装置との間でチャネル変更が正常に終了したか確認する(ステップS107−i)。チャネルの変更に失敗した端末装置が存在する場合、システムAP10−iは、チャネルの変更通知からやり直す。一方、全ての端末装置についてチャネルの変更が正常に終了した場合、システムAP10−iは、チャネル変更の終了を集中制御局20に通知する(ステップS108−i)。
【0042】
図12は、第1実施形態の無線システム1の処理の流れのうち、図8に示されるような統計値に基づいて処理を行う場合の処理の流れを示すフローチャートである。
集中制御局20は、干渉APのチャネル使用状況やシステムAP間の通信セルのオーバーラップ関係などの干渉情報の収集を行わず、複数のチャネル割り当てパターンを生成し記憶する(ステップS102)。集中制御局20は、複数のチャネル割り当てパターンのうち一つを選択し、チャネル割り当てパターンの変更通知を各システムAP10に送信する(ステップS103)。
【0043】
チャネル割り当てパターンの変更通知が受信されると、システムAP−iはチャネルの割り当て変更について、通信相手となる端末装置への通知を開始する(ステップS104−i)。システムAP10−iは、チャネル変更タイミングになるまで、チャネルの変更通知を続ける(ステップS105−i)。システムAP10−iは、チャネル変更タイミングになると、端末装置との無線通信に用いるチャネルを変更する(ステップS106−i)。システムAP10−iは、自装置が通信相手とする全ての端末装置との間でチャネル変更が正常に終了したか確認する(ステップS107−i)。チャネルの変更に失敗した端末装置が存在する場合、システムAP10−iは、チャネルの変更通知からやり直す。一方、全ての端末装置についてチャネルの変更が正常に終了した場合、システムAP10−iは、チャネル変更の終了を集中制御局20に通知する(ステップS108−i)。
【0044】
システムAP10−iは、評価用情報を集中制御局20に通知する(ステップS109−i)。集中制御局20は、各システムAP10から通知された評価用情報に基づいて、その統計値を算出し、チャネル割り当てパターン記憶部202に記憶されるチャネル割り当てパターンを更新する(ステップS102)。評価用情報としては以下のような情報を用いることができる。選択したチャネルにおける干渉APやシステムAPの送信信号の受信情報、パケット衝突率、アクセス権取得までの所要時間、選択したチャネルで信号が受信される無線端末の数、他APの通信占有率、最大スループット、等。
【0045】
図13は、第1実施形態の無線システム1の処理の流れのうち、第二例(図7)に相当する処理の流れを示すフローチャートである。まず、集中制御局20にシステムAP10が接続されると、集中制御局20は各システムAP10から干渉関係情報を収集する(ステップS101)。集中制御局20は、得られた干渉関係情報に基づき、複数のチャネル割り当てパターンを生成し記憶する(ステップS102)。次に、集中制御局20は、記憶されている複数のチャネル割り当てパターンから、無線システム1で用いるチャネル割り当てパターンを選択する。また、集中制御局20は、選択したチャネル割り当てパターンを無線システム1に適用するスケジュールを決定する。そして、集中制御局20は、選択したチャネル割り当てパターン及びスケジュールを、各システムAP10に通知する(ステップS103)。
【0046】
チャネル割り当てパターン及びスケジュールが通知されると、システムAP10−iは、スケジュールとして指定されたチャネル変更タイミングが近づくまで待機する。システムAP10−iは、チャネル変更タイミングまでの残り時間が閾値(T)以内になると、チャネルの割り当て変更について、通信相手となる端末装置への通知を開始する(ステップS104−i)。システムAP10−iは、チャネル変更タイミングになるまで、チャネルの変更通知を続ける(ステップS105−i)。システムAP10−iは、チャネル変更タイミングになると、端末装置との無線通信に用いるチャネルを変更する(ステップS106−i)。システムAP10−iは、自装置が通信相手とする全ての端末装置との間でチャネル変更が正常に終了したか確認する(ステップS107−i)。チャネルの変更に失敗した端末装置が存在する場合、システムAP10−iは、チャネルの変更通知からやり直す。一方、全ての端末装置についてチャネルの変更が正常に終了した場合、システムAP10−iは、チャネル変更の終了を集中制御局20に通知する(ステップS108−i)。システムAP10−iは、集中制御局20から通知されたチャネル変更のスケジュールが終了するまでは、通知されたスケジュールに従ってチャネルを変更する。
【0047】
このように構成された無線システム1では、複数のシステムAP10の周波数チャネルを制御する集中制御局20において、各システムAP10に割り当てられるチャネルを適切に切り替えることが可能となる。具体的には、各システムAP10に対するチャネル割り当ての公平性を高めることが可能となる。また、図8のような統計値を算出してチャネル割り当てパターンを更新することにより、無線環境の時間変化に対応したチャネル割り当てが可能となる。
【0048】
<変形例>
集中制御局20は、チャネル割り当てパターン生成部201を備えないように構成されても良い。この場合、チャネル割り当てパターン記憶部202は、予め複数のチャネル割り当てパターンを記憶している。
【0049】
チャネル割り当ての決定方法の例を以下に示す。最小スループットとなるAPのスループットを最大化するため、観測された干渉条件(干渉信号を送信するAP・端末数、干渉信号の時間占有率、干渉信号を送信するAP・端末の異なるプライマリチャネルの数、パケット衝突率)が多いものから、スループットの高くなるチャネルを一つずつ決定していくことができる。例えば、図3のように干渉APが検出された際に、観測されたチャネルの多いAP10−4から順に、チャネルを決定し、順次システムAPのチャネルが決定されることにより新たに生じるシステムAP間の干渉条件も考慮しつつ、使用するチャネルを決定していくことができる。または、逆に干渉条件が少ないものから決定しても良い。または、システムAP10から通知された要求スループットが大きいものから決定しても良い。または、予め定められたシステムAP10の優先順位が高いものから決定しても良い。または、特定のシステムAP10が高いスループットとなるように決定しても良い。または、システムAP10の配下の端末の数が多い順に決定しても良い。または、システムAP10の配下の端末の数が少ない順に決定しても良い。または、ランダムに選択しても良い。
【0050】
集中制御局20は、チャネル変更通知を送信する際に、変更前のチャネル割り当てと変更後のチャネル割り当てが同一であるか否かについて、システムAP10毎に判定しても良い。そして、集中制御局20は、チャネル割当が同一であるシステムAP10に対しては、チャネル変更通知を送信しないように構成されても良い。
【0051】
システムAP10は、チャネル変更通知を受信すると、変更前のチャネル割り当てと変更後のチャネル割り当てが同一であるか否かについて判定しても良い。システムAP10は、チャネル割当が同一である場合、チャネル変更端末通知、チャネル変更の実行、チャネル変更完了の通知のうち、いずれか一つ又は複数もしくは全部を行わないように構成されても良い。
【0052】
無線システム1は、以下のように動作しても良い。まず、集中制御局20は、複数のチャネル割り当てパターンをランダムに決定して記憶する。その後、集中制御局20は、図6や図7に示されるように各システムAP10と端末装置との間で無線通信を実行させる。その後、集中制御局20が各システムAP10へ送信したビット数、集中制御局20が各システムAP10から受信したビット数、各システムAP10の通信セル内の無線区間で通信されたビット数、スループット、各システムAP10がバッファとして蓄積しているビット数、などの情報を収集する。集中制御局20は、収集した情報に基づいて、各チャネル割り当てパターンの効果を評価する。集中制御局20は、効果が低いチャネル割り当てパターンを削除し、効果が高いチャネル割り当てパターンを用いて、さらに図6や図7に示されるように通信を行う。効果が高いチャネル割り当てパターンとは、例えば、システムAP10及びその端末装置間で通信しているビット数が多い、スループットが高い、パケットの衝突が起きにくい、バッファしているビット数が少ないなどの状態を生じさせるチャネル割り当てパターンである。
【0053】
図11及び図13において、ステップS101の処理は、定期的に繰り返し実行されても良いし、無線通信の環境が変化した場合にのみ行われても良い。無線通信の環境の変化とは、新たなシステムAP10の追加、新たな端末装置の追加、レーダーなどの他システムからの干渉の観測、集中制御局20からシステムAP10へ送信するデータビットの変化が閾値を超えた場合、システムAP10から集中制御局20が受信するデータビットの変化が閾値を超えた場合、各システムAPでバッファしているデータ量がある閾値を超えた場合、新たに優先APを設けることが入力された場合、などである。
【0054】
図11〜13のステップS103は、予め定められた時間間隔で、定期的に行われても良い。また、一日の決まった時間に行われても良いし、システムAP10から変更の要請があった場合に行われても良いし、無線通信の環境が変化した場合に行われても良い。
【0055】
[第2の実施形態]
第2の実施形態の無線システム1では、集中制御局20のチャネル割り当てパターン記憶部202は、特定のシステムAP10(優先システムAP)に高いスループットを実現するチャネル割り当てパターン(優先パターン)を記憶する。そして、優先システムAPのスループットを高めたい時間帯に優先パターンを適用することによって、優先システムAPや、優先システムAPを所有するユーザ等の要求に合わせたスループットを提供することを可能にする。
【0056】
図14は、各システムAP10へのチャネル割り当ての具体例を表す図である。図14では、上から順にシステムAP10−1〜10−5が優先システムAPとなった場合のチャネル割り当てパターンが示されている。各優先チャネル割り当てパターンは、ある優先APにおけるスループットを最大化するように決定されている。
【0057】
集中制御局20は、優先システムAPを選択する。集中制御局20は、ユーザやシステム管理者などによって指定されたシステムAP10を優先システムAPとして選択しても良いし、例えば所定期間内の通信におけるスループットやビット数が最も大きいシステムAP10を優先システムAPとして選択しても良い。そして、集中制御局20は、選択した優先システムAPに対応するチャネル割り当てパターン(優先パターン)を選択し、選択した優先パターンに基づいた無線通信を実現させる。
【0058】
図10〜12のブロック図を用いて、第2の実施形態の無線システム1の処理の流れについて説明する。
図11及び図13のフローチャートでは、優先システムAPと、そのシステムAPが優先される時間帯が指定されると(ステップS110)、集中制御局20は優先システムAPに高いスループットを実現するチャネル割り当てパターンを選択し、各システムAP10に通知する。そして、ステップS104〜ステップS109の処理により、優先パターンでの無線通信が行われる。
【0059】
また、優先される時間帯が終了するタイミングで、集中制御局20は、もとのチャネル割り当てパターンへの変更を各システムAP10に通知する(ステップS103)。その後、ステップS104〜ステップS109の処理により元のチャネル割り当てパターンでの無線通信が行われる。
【0060】
図12のフローチャートでは、優先システムAPと、そのシステムAPが優先される時間帯が指定されると(ステップS110)、集中制御局20は優先システムAPに高いスループットを実現するチャネル割り当てパターンと、その変更タイミングと、もとのチャネル割り当てパターンに戻すタイミングとを各システムAP10に通知する。その後、ステップS104〜ステップS109の処理により優先パターンでの無線通信が行われる。図12のフローチャートでは、用いた優先チャネル割り当ての効果を検証することで、S102において、優先チャネル割り当てを更新することもできる。
このように構成された第2の実施形態によれば、優先システムAPのスループットを必要に応じて一時的に高めることが可能となる。
【0061】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0062】
1…無線システム, 10…システムAP(基地局装置), 11…干渉AP, 20…集中制御局(集中制御局装置), 101…第一通信部, 102…第2通信部, 103…制御部, 201…チャネル割り当てパターン生成部, 202…チャネル割り当てパターン記憶部, 203…制御部, 204…通信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基地局装置と、前記複数の基地局装置に接続された集中制御局装置と、を備える無線通信システムであって、
前記集中制御局装置は、
複数のチャネル割り当てパターンを記憶するチャネル割り当てパターン記憶手段と、
複数のチャネル割り当てパターンの内の一つのチャネル割り当てパターンに切り替える切り替え時間を決定するスケジュール手段と、
当該チャネル割り当てパターンの切り替え時間より一定時間以上早い時間に、前記複数の基地局装置に、チャネル割り当てパターンへの切り替えを通知するチャネル割り当てパターン通知手段と、
前記複数の基地局装置のチャネルが正常に切り替わったことを確認する基地局チャネル変更確認手段と、を備え、
前記基地局装置は、
切り替え時間の前に通信相手端末へ一定時間チャネルの切り替えを通知するチャネル切り替え通知手段と、
切り替え時間に前記集中制御局装置に指定されたチャネル割り当てに変更するチャネル変更手段と、
通信相手となる端末が正常にチャネル切り替えに成功したことを確認し、前記集中制御局装置に通知するチャネル変更正常終了通知手段と、を備える無線通信システム。
【請求項2】
請求項1記載の無線通信システムであって、
前記集中制御局装置のスケジュール手段は、前記チャネル割り当てパターン記憶手段の複数のチャネル割り当てパターンを一定時間ごとに周期的に切り替える、
ことを特徴とする。
【請求項3】
請求項1記載の無線通信システムであって、
前記集中制御局装置は、
複数の基地局装置から、各基地局装置が送信したデータのビット数、各基地局装置が受信したデータのビット数、各基地局装置の通信で生じたパケットの衝突頻度、各基地局装置にバッファされているデータのビット数、各基地局装置とその通信相手(端末装置)とが通信したスループット又はビット数、の情報を、収集し記憶する通信状況記憶手段と、
前記記憶された通信状況から、チャネル割り当てパターンを算出し、記憶するチャネル割り当てパターン記憶手段と、
をさらに備える。
【請求項4】
請求項1記載の無線通信システムであって、
前記集中制御局装置は、
複数の基地局装置から、各基地局装置が送信したデータのビット数、各基地局装置が受信したデータのビット数、各基地局装置の通信で生じたパケットの衝突頻度、各基地局装置にバッファされているデータのビット数、各基地局装置とその通信相手(端末装置)とが通信したスループット又はビット数、の情報を、時間に対して収集し記憶する通信状況記憶手段と、
前記記憶された通信状況から、チャネル割り当てパターンを算出し、記憶するチャネル割り当てパターン記憶手段と、
前記記憶された時間に対する通信状況に応じて、各時間に最適なチャネル割り当てパターンを決定し、当該時間に当該チャネル割り当てパターンを用いるようにチャネル割り当てパターンと切り替え時間を決定するスケジュール手段と、
をさらに備える。
【請求項5】
請求項1記載の無線通信システムであって、
前記基地局装置は、
前記集中制御局装置から指定されたチャネル割り当てパターンに切り替えた後、各基地局装置が送信したデータのビット数、各基地局装置が受信したデータのビット数、各基地局装置の通信で生じたパケットの衝突頻度、各基地局装置にバッファされているデータのビット数、各基地局装置とその通信相手(端末装置)とが通信したスループット又はビット数、の情報を、当該チャネル割り当てパターンによる効果の評価指標として情報を収集するチャネル割り当てパターン評価手段と、
当該チャネル割り当てパターン評価結果を前記集中制御局装置へ通知する評価結果通知手段と、をさらに備え、
前記集中制御局装置は、評価結果に応じて、チャネル割り当てパターンを変更し、記憶するチャネル割り当てパターン更新手段、をさらに備える。
【請求項1】
複数の基地局装置と、前記複数の基地局装置に接続された集中制御局装置と、を備える無線通信システムであって、
前記集中制御局装置は、
複数のチャネル割り当てパターンを記憶するチャネル割り当てパターン記憶手段と、
複数のチャネル割り当てパターンの内の一つのチャネル割り当てパターンに切り替える切り替え時間を決定するスケジュール手段と、
当該チャネル割り当てパターンの切り替え時間より一定時間以上早い時間に、前記複数の基地局装置に、チャネル割り当てパターンへの切り替えを通知するチャネル割り当てパターン通知手段と、
前記複数の基地局装置のチャネルが正常に切り替わったことを確認する基地局チャネル変更確認手段と、を備え、
前記基地局装置は、
切り替え時間の前に通信相手端末へ一定時間チャネルの切り替えを通知するチャネル切り替え通知手段と、
切り替え時間に前記集中制御局装置に指定されたチャネル割り当てに変更するチャネル変更手段と、
通信相手となる端末が正常にチャネル切り替えに成功したことを確認し、前記集中制御局装置に通知するチャネル変更正常終了通知手段と、を備える無線通信システム。
【請求項2】
請求項1記載の無線通信システムであって、
前記集中制御局装置のスケジュール手段は、前記チャネル割り当てパターン記憶手段の複数のチャネル割り当てパターンを一定時間ごとに周期的に切り替える、
ことを特徴とする。
【請求項3】
請求項1記載の無線通信システムであって、
前記集中制御局装置は、
複数の基地局装置から、各基地局装置が送信したデータのビット数、各基地局装置が受信したデータのビット数、各基地局装置の通信で生じたパケットの衝突頻度、各基地局装置にバッファされているデータのビット数、各基地局装置とその通信相手(端末装置)とが通信したスループット又はビット数、の情報を、収集し記憶する通信状況記憶手段と、
前記記憶された通信状況から、チャネル割り当てパターンを算出し、記憶するチャネル割り当てパターン記憶手段と、
をさらに備える。
【請求項4】
請求項1記載の無線通信システムであって、
前記集中制御局装置は、
複数の基地局装置から、各基地局装置が送信したデータのビット数、各基地局装置が受信したデータのビット数、各基地局装置の通信で生じたパケットの衝突頻度、各基地局装置にバッファされているデータのビット数、各基地局装置とその通信相手(端末装置)とが通信したスループット又はビット数、の情報を、時間に対して収集し記憶する通信状況記憶手段と、
前記記憶された通信状況から、チャネル割り当てパターンを算出し、記憶するチャネル割り当てパターン記憶手段と、
前記記憶された時間に対する通信状況に応じて、各時間に最適なチャネル割り当てパターンを決定し、当該時間に当該チャネル割り当てパターンを用いるようにチャネル割り当てパターンと切り替え時間を決定するスケジュール手段と、
をさらに備える。
【請求項5】
請求項1記載の無線通信システムであって、
前記基地局装置は、
前記集中制御局装置から指定されたチャネル割り当てパターンに切り替えた後、各基地局装置が送信したデータのビット数、各基地局装置が受信したデータのビット数、各基地局装置の通信で生じたパケットの衝突頻度、各基地局装置にバッファされているデータのビット数、各基地局装置とその通信相手(端末装置)とが通信したスループット又はビット数、の情報を、当該チャネル割り当てパターンによる効果の評価指標として情報を収集するチャネル割り当てパターン評価手段と、
当該チャネル割り当てパターン評価結果を前記集中制御局装置へ通知する評価結果通知手段と、をさらに備え、
前記集中制御局装置は、評価結果に応じて、チャネル割り当てパターンを変更し、記憶するチャネル割り当てパターン更新手段、をさらに備える。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−93708(P2013−93708A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233985(P2011−233985)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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