説明

無線通信ネットワークにおける常時接続型データ・セッションを維持する方法及び装置

【課題】アクセス端末のための常時接続型データ・セッションを維持するためのメッセージは、非トラヒック・チャネルを用いて送信されうる。
【解決手段】アクセス・ネットワークは、第1のメッセージ(例えばルート更新要求メッセージ)を第1の非トラヒック・チャネル(例えば制御チャネル)でアクセス端末へ送信する。アクセス端末は、第2のメッセージ(例えばルート更新メッセージ)を第2の非トラヒック・チャネル(例えばアクセス・チャネル)でアクセス・ネットワークへ返信する。アクセス・ネットワークはその後、第2のメッセージに基づいて決定されうるアクセス端末のおおよその位置をカバーする小さなエリアにわたって、(例えば、エコー要求のための)第3のメッセージを第1の非トラヒック・チャネルで送信する。アクセス端末は、(例えばエコー応答のための)第4のメッセージを第2の非トラヒック・チャネルでアクセス・ネットワークへ返信する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、本願の譲受人に譲渡され、参照によって本願に明確に組み込まれた、2007年6月28日出願の“Method and Apparatus for Maintaining an Always-On Data Session in a Wireless Communication Network”と題された米国特許仮出願第60/946,913号に対する優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般に通信に関し、特に、無線通信ネットワークにおける常時接続型データ・セッションを維持するための技術に関する。
【背景技術】
【0003】
無線通信ネットワークは、例えば音声、ビデオ、パケット・データ、メッセージング、ブロードキャスト等のような様々なサービスを提供するために広く開発されている。これらの無線ネットワークは、利用可能なネットワーク・リソースを共有することによって、複数のユーザをサポートすることができる多元接続ネットワークであることができる。そのような多元接続ネットワークの例は、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交FDMA(OFDMA)ネットワーク、及び単一キャリアFDMA(SC−FDMA)ネットワークを含む。
【0004】
アクセス端末は、データ・サービスを取得するために無線ネットワークとのデータ・セッションを確立することができる。データ・セッションは、アクセス端末と無線ネットワークとの間のデータの交換を可能とする構成セットアップである。データ・セッションは、異なる無線ネットワークによって異なる方式で確立されることができ、構成情報及び/又は割り当てられたリソースに関連付けられうる。データ・サービスは、無線ネットワークによって提供される任意のサービスであることができ、データの交換を含む。データ・サービスのいくつかの例は、音声、ビデオ、汎用インターネット接続、マルチメディア・ストリーミング及びブロードキャスト・サービス、ショート・メッセージ・サービス(SMS)及びテキスト・メッセージング・サービス、地理的位置ベースのサービス等を含む。
【0005】
アクセス端末は、データ・セッション中、散発的にしかアクティブであることができないが、送受信するデータがある場合常に、無線ネットワークとデータを交換することができる。しかし、データ・セッションが常時接続され、それによって、データが利用可能な場合迅速に交換されうることが望まれる。また、可能な限り少ないネットワーク・リソースを用いて常時接続型データ・セッションを維持することも望まれうる。
【0006】
従って、当該技術では、無線通信ネットワークにおいて、アクセス端末のための常時接続型データ・セッションを効率的に維持する技術へのニーズがある。
【発明の概要】
【0007】
無線通信ネットワークにおいて、アクセス端末のための常時接続型データ・セッションを効率的に維持する技術が、本明細書で説明される。局面において、データ・セッションをキープアライブするメッセージが、非トラヒック・チャネルを用いて送信され、それによって、これらのメッセージを送信するためだけに、ラジオ接続をセットアップしトラヒック・チャネルを立ち上げる必要が回避されうる。1つの設計において、アクセス端末は、第1のメッセージを第1の非トラヒック・チャネル(例えば制御チャネル)でアクセス・ネットワークから受信し、第2のメッセージを第2の非トラヒック・チャネル(例えばアクセス・チャネル)でアクセス・ネットワークへ送信することができる。第1及び第2のメッセージは、アクセス端末のためのデータ・セッションをキープアライブするために、非トラヒック・チャネルを用いて交換されうる。cdma2000における高レート・パケット・データ(HRPD)の場合、データ・セッションは、ポイント・ツー・ポイント・プロトコル(PPP)セッションを備え、第1のメッセージはリンク制御プロトコル(LCP)エコー要求パケットを備え、第2のメッセージはLCPエコー応答パケットを備え、第1及び第2のメッセージは、データ・オーバ・シグナリング(DOS)プロトコルを用いて送信されうる。他のメッセージ及びチャネルも、他のラジオ接続のために用いられうる。
【0008】
別の局面において、アクセス端末へシグナリングを送信する前に、アクセス端末のおおよその位置が確かめられうる。これにより、シグナリングを送信するエリアが低減されるので、ラジオ・リソースを節約することができる。1つの設計において、アクセス端末は、第1のメッセージ(例えば、cdma2000におけるルート更新要求メッセージ)を第1の非トラヒック・チャネルでアクセス・ネットワークから受信し、第2のメッセージ(例えば、cdma2000におけるルート更新メッセージ)を第2の非トラヒック・チャネルでアクセス・ネットワークへ送信することができる。第1及び第2のメッセージは、アクセス端末のおおよその位置を決定するために交換されうる。アクセス端末はその後、第3のメッセージを第1の非トラヒック・チャネルでアクセス・ネットワークから受信することができる。第3のメッセージは、アクセス端末のおおよその位置をカバーするエリアにわたって送信される。一般に第3のメッセージは、アクセス端末のための任意の情報を搬送することができる。第3のメッセージが、アクセス端末のためのデータ・セッションをキープアライブするためのシグナリング(例えば、LCPエコー要求パケット)を含む場合、アクセス端末は、(例えば、LCPエコー応答パケットのための)第4のメッセージを第2の非トラヒック・チャネルでアクセス・ネットワークへ送信することができる。
【0009】
本開示の様々な局面及び特徴が、以下で更に詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、無線通信ネットワークを示す。
【図2】図2は、図1に示す様々なエンティティにおけるプロトコル・スタックの例を示す。
【図3】図3は、アクセス端末のためのデータ・セッションを維持するためのコール・フローを示す。
【図4】図4は、キープアライブ機能のために、非トラヒック・チャネルを用いてデータ・セッションを維持するコール・フローを示す。
【図5】図5は、キープアライブ機能のために、おおよその位置の発見及び非トラヒック・チャネルを用いてデータ・セッションを維持するコール・フローを示す。
【図6】図6は、アクセス端末のためのデータ・セッションをキープアライブするために、アクセス端末によって実行される処理を示す。
【図7】図7は、アクセス端末のためのデータ・セッションをキープアライブするために、アクセス・ネットワークによって実行される処理を示す。
【図8】図8は、おおよその位置の発見を用いてシグナリングを送信するために、アクセス端末によって実行される処理を示す。
【図9】図9は、おおよその位置の発見を用いてシグナリングを送信するために、アクセス・ネットワークによって実行される処理を示す。
【図10】図10は、アクセス端末及びネットワーク・エンティティのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で説明される技術は、例えばCDMAネットワーク、TDMAネットワーク、FDMAネットワーク、OFDMAネットワーク、及びSC−FDMAネットワークのような様々な無線通信ネットワークのために用いられうる。「ネットワーク」及び「システム」という用語はしばしば、置換可能に用いられる。CDMAネットワークは、例えばユニバーサル地上無線接続(UTRA)、cdma2000等のような無線技術を実施することができる。UTRAは、広帯域CDMA(W−CDMA)及び低チップ・レート(LCR)を含む。cdma2000は、IS−2000規格、IS−95規格、及びIS−856規格をカバーする。TDMAネットワークは、例えばグローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーション(GSM(登録商標))のような無線技術を実施することができる。OFDMAネットワークは、例えば次世代UTRA(E−UTRA)、IEEE 802.11、IEEE 802.16、IEEE 802.20、Flash−OFDM(登録商標)等のような無線技術を実施することができる。これら様々な無線技術及び規格は、当該技術において周知である。UTRA、E−UTRA、及びGSMは、「第3世代パートナシップ計画」(3GPP)と名付けられた組織からの文書において説明される。cdma2000は、「第3世代パートナシップ計画2」(3GPP2)と名付けられた組織からの文書において説明される。3GPP及び3GPP2の文書は、公的に入手可能である。
【0012】
明確化のために、本技術のある局面は、IS−856を実施する高レート・パケット・データ(HRPD)ネットワークに関して説明される。HRPDは、CDMA2000 1xEV−DO、1xEV−DO、1x−DO、DO、高データ・レート(HDR)等とも称される。
【0013】
図1は、HRPDネットワークであることができる無線通信ネットワーク100を示す。無線ネットワーク100は、(a)アクセス端末のためのラジオ通信をサポートするアクセス・ネットワーク120、及び(b)通信サービスをサポートするための様々な機能を実行するネットワーク・エンティティ、を含む。アクセス・ネットワークは、ラジオ・ネットワーク、ラジオ・アクセス・ネットワーク(RAN)等とも称されうる。アクセス・ネットワーク120は、任意の数の基地局122及び任意の数の基地局コントローラ/パケット制御機能(BSC/PCF)124を含むことができる。基地局は一般に、アクセス端末と通信する固定局であり、アクセス・ポイント、基地トランシーバ局(BTS)、ノードB、次世代ノードB(eノードB)等とも称されうる。各BSC/PCF124は、基地局のセットに接続し、自身の制御下の基地局の制御及び調整を提供し、それらの基地局のためのデータをルート指定する。
【0014】
パケット・データ提供ノード(PDSN)130は、アクセス・ネットワーク120と通信しているアクセス端末のためのデータ・サービスをサポートする。PDSN130は、アクセス端末のためのデータ・セッションの確立、維持、及び終了を引き受け、更に、動的インターネット・プロトコル(IP)アドレスをアクセス端末に割り当てることができる。PDSN130は、データ・サービスをサポートするために、他のネットワーク・エンティティと通信することができる。PDSN130は、インターネット、プライベート・データ・ネットワーク、公衆データ・ネットワーク等を備えうるデータ・ネットワーク140に接続することができる。PDSN130は、データ・ネットワーク140を介して様々なエンティティと通信することができる。
【0015】
コール・セッション制御機能(CSCF)132は、例えばボイスオーバーIP(VoIP)、マルチメディア、インスタント・メッセンジャー(IM)、IPを介したショート・メッセージ・サービス(SMS)、プッシュトーク(PTT)等のようなIPマルチメディア・サブシステム(IMS)をサポートするための様々な機能を実行する。これらのIMSサービスのうちのいくつかは、3GPP IMS及び3GPP2マルチメディア・ドメイン(MMD)において定義される。CSCF132は、アクセス端末からのIMSサービスに対する要求を処理し、IMSへの登録を実行し、セッション制御サービスを提供し、セッション状態情報を維持する等ができる。無線ネットワーク100及びアクセス・ネットワーク120は、図1に示されない他のネットワーク・エンティティを含むこともできる。
【0016】
アクセス端末110は、無線ネットワーク100によってサポートされる様々なサービスを取得するために、アクセス・ネットワーク120と通信することができる。アクセス端末110は、モバイル局、ユーザ機器、端末、ユーザ端末、加入者ユニット、局等とも称されうる。アクセス端末110は、セルラ電話、携帯情報端末(PDA)、無線デバイス、ハンドへルド・デバイス、無線モデム、ラップトップ・コンピュータ等であることができる。アクセス端末110は、与えられた任意の時間に、順方向リンク及び/又は逆方向リンクにおいて1つ又は複数の基地局と通信することができる。順方向リンク(すなわちダウンリンク)は、基地局からアクセス端末への通信リンクを称し、逆方向リンク(すなわちアップリンク)は、アクセス端末から基地局への通信リンクを称する。アクセス端末110は、アクセス・ネットワーク120及びPDSN130を介して、他の端末及び/又は他のエンティティ(例えばサーバ150)とデータを交換又は通信することができる。
【0017】
図2は、アクセス端末110とサーバ150との間の通信のための図1に示す様々なエンティティにおけるプロトコル・スタックの例を示す。各エンティティのプロトコル・スタックは、アプリケーション層、トランスポート層、ネットワーク層、リンク層、及び物理層を含むことができる。
【0018】
アクセス端末110は、ハイパテキスト転送プロトコル(HTTP)、ファイル転送プロトコル(FTP)、リアルタイム・トランスポート・プロトコル(RTP)、セッション開始プロトコル(SIP)、及び/又はアプリケーション層におけるその他のプロトコルを用いて、サーバ150と通信することができる。アプリケーション層データは、伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザ・データグラム・プロトコル(UDP)、及び/又はトランスポート層におけるその他のプロトコルを用いて送信されうる。これら様々なプロトコルは、当該技術において周知である。トランスポート層データは、アクセス・ネットワーク120、PDSN130、及び恐らくはその他のエンティティを介してアクセス端末110とサーバ150との間で交換されうるIPパケット内にカプセル化されうる。
【0019】
端末110とアクセス・ネットワーク120との間のリンク層は通常、アクセス・ネットワークによって用いられるラジオ技術に依存する。HRPDの場合、リンク層は、ラジオ・リンク・プロトコル(RLP)を介したポイント・ツー・ポイント・プロトコル(PPP)を用いて実現される。アクセス端末110は、PDSN130とのPPPセッションを維持し、RLPを介してアクセス・ネットワーク120とデータを交換することができる。データ・セッションは、HRPDにおけるPPPセッションを備えることができる。RLPは、HRPDのためのIS−856であるラジオ/エアリンク・インタフェースの上部で動作する。アクセス・ネットワーク120は、物理層の上部で動作する技術依存インタフェース(例えば、A10インタフェース及びA11インタフェース)を介してPDSN130と通信することができる。A10はデータ・インタフェースであり、A11は、PCF124とPDSN130との間のシグナリング・インタフェースである。PDSN130は、リンク層及び物理層を介してIP経由でサーバ150と通信することができる。
【0020】
アクセス端末110は、例えばVoIP、インスタント・メッセンジャー等のようなIMSアプリケーションをサポートすることができる。これらのIMSアプリケーションは、常時接続されることが期待されうる。アクセス端末110は、例えばパワーアップの際、無線ネットワーク100内のIMSに登録することができる。IMSへの登録により、無線ネットワーク100は、IMSサービスのためにアクセス端末110に到達し、任意の時間にアクセス端末110と迅速にデータを交換することができる。例えばアクセス端末110は、VoIPアプリケーション及び/又はインスタント・メッセンジャー・アプリケーションを求めてCSCF132に常時登録することができ、それによって無線ネットワーク100は、到来するVoIPコール及び/又はインスタント・メッセージのためにアクセス端末110にどのように到達するかを知る。
【0021】
図3は、無線ネットワーク100における常時接続型IMSを維持するためのコール・フロー300を示す。アクセス端末110は、アクセス端末110がパワーアップされると、例えばIMS登録のためのパケット・データ・コールを開始する要求を受信することができる(ステップ1)。アクセス端末110はその後、ラジオ・リンクをセットアップするため、例えば順方向リンク及び逆方向リンクのためのトラヒック・チャネルをセットアップするために、アクセス・ネットワーク120とのセッション・ネゴシエーションを実行することができる(ステップ2)。ステップ2において、アクセス端末110をアクセス・ネットワーク120へ認証するための端末認証も実行されうる。アクセス・ネットワーク120は、アクセス端末110のためのトラヒック・データを搬送するであろうA10の接続を確立するために、PDSN130と、A11のシグナリングを交換することができる(ステップ3)。
【0022】
アクセス端末110はその後、PPP確立のために、PDSN130とシグナリングを交換する(ステップ4)。PPP確立は、以下の3つのフェーズから構成される。
1.リンク確立フェーズ― リンク制御プロトコル(LCP)を用いて、アクセス端末110とPDSN130との間のデータリンク接続を確立、構成、及び試験する。
2.認証フェーズ― アクセス端末110のユーザを認証する。
3.ネットワーク層プロトコル・フェーズ― IP制御プロトコル(IPCP)を用いて、例えばIPバージョン4(IPv4)やIPバージョン6(IPv6)といったネットワーク層プロトコルを構成する。
PPP確立のためのこれら3つのフェーズは、“The Point-to-Point Protocol (PPP)”と題された公的に入手可能なコメント要求(Request for Comments)(RFC)1661において説明される。
【0023】
PPP確立の完了後、アクセス端末110は、PDSN130とのPPPセッションを有する。PPPセッションは、アクセス端末110又はPDSN130の何れかによって閉じられるまで、任意の持続期間、開かれうる。アクセス端末110はその後、IMS登録のためにCSCF132とシグナリングを交換することができる(ステップ5)。アクセス端末110はその後、IMSのためのPDSN130を介して、CSCF132とIPパケットを交換することができる。IMSへの登録後、アクセス端末110は、PPPセッションを常時オン状態に保ち、到達可能であるままにすることができ、データ・サービスにアクティブに従事することもしないこともできる。アクセス端末110のためのラジオ接続は、アクセス端末110における非アクティビティにより、切断されうる(ステップ6)。
【0024】
アクセス端末110とPDSN130との間の常時接続型PPPセッションを維持することは、いくつかの理由によって好ましい。第1に、PPPを再確立する必要がなく、データはより迅速にアクセス端末110へ又はアクセス端末110によって送信されうる。PPPを最初からセットアップすることは時間の浪費となりうる。第2に、PPP確立は、HRPDにおいてはアクセス端末110によってしか開始することができず、無線ネットワーク100は、アクセス端末110のための到来するデータがなければ、PPP確立を開始することができないであろう。従って、アクセス端末110のための常時接続型IMSは、常時接続型PPPセッションによってサポートされうる。例えば常時接続型PPPセッションによって、無線ネットワーク100は、到来するVoIPコールをセットアップするためにアクセス端末110へSIP INVITEメッセージを送ることが可能となるであろう。SIPは、例えばVoIPのようなIPベースのインタラクティブ・ユーザ・セッションを開始、変更、及び終了するためのシグナリング・プロトコルである。
【0025】
PPPセッションを常時接続することができても、アクセス端末110のためのデータ・セッションは、アクセス端末のためのトラヒック・チャネルにおけるアクティビティがない場合、例えば、順方向又は逆方向の何れかでのデータ転送がない場合、休止状態であると見なされうる。データ・セッションが休止状態である場合、ラジオ層でのラジオ接続(例えばトラヒック・チャネル)はラジオ・リソースを節約するために切断されうるが、PPP層及びそれより上の層は、上記の理由から切断されないことがある。アクセス端末110によって送信される又はアクセス端末110へ送信するデータがある場合常に、ラジオ接続は、PPPを再確立することなく迅速に立ち上げられうる。
【0026】
常時接続型PPPセッション中、PDSN130は、PPPセッションがアクセス端末において未だアライブであるかを判定するために、アクセス端末110を定期的に「ピング」(ping)することができる。任意の理由によって(例えば、アクセス端末がユーザによってパワーダウンされたことにより)アクセス端末110でPPPセッションがサイレントに終了していた場合、PPPセッションを閉じ、任意のダングリング・リソースを再生することがPDSN130にとって望ましい。
【0027】
図3は、上述したRFC1661において説明される、LCPエコー要求パケット及びLCPエコー応答パケットを用いた常時接続型PPPセッションのためのキープアライブ機能を示す。PDSN130は、アクセス端末110のためのLCPエコー要求パケットをアクセス・ネットワーク120へ送信することができる(ステップ7)。アクセス・ネットワーク120は、PDSN130からのLCPエコー要求パケットを受信し、アクセス端末110のためのラジオ接続を立ち上げることができる(ステップ8)。アクセス・ネットワーク120はその後、LCPエコー要求パケットを順方向トラヒック・チャネルでアクセス端末110へ送信することができる(ステップ9)。アクセス端末110は、LCPエコー要求パケットを受信し、LCPエコー応答パケットを逆方向トラヒック・チャネルでアクセス・ネットワーク120へ返信することができる(ステップ10)。アクセス・ネットワーク120は、LCPエコー応答パケットを受信し、それをPDSN130へ転送することができる(ステップ11)。LCPエコー応答パケットを受信すると、PDSN130は、PPPセッションがアクセス端末110で接続状態のままであることを認識することができる。
【0028】
LCPエコー要求パケット及びLCPエコー応答パケットは、常時接続型PPPセッション中、定期的に交換されうる。PDSN130は、適切な値に設定されうるタイマを保持することができる。PDSN130は、タイマが満了すると、LCPエコー要求パケット及びLCPエコー応答パケットの交換を開始することができる。
【0029】
キープアライブ機能は、PPPセッションがアクセス端末110で接続状態のままであることを確実にするために役立つことができる。しかし、ラジオ接続は、LCPエコー要求パケット及びLCPエコー応答パケットを交換するためだけに立ち上げられ、他に有用なデータがラジオ接続を介して交換されることはない。キープアライブ機能のためのLCPエコー要求パケット及びLCPエコー応答パケットを交換するためだけにラジオ接続を立ち上げることにより、ラジオ・リソースが浪費されうる。
【0030】
局面において、LCPエコー要求パケット及びLCPエコー応答パケットは、常に利用可能であることができる非トラヒック・チャネルを用いて送信されうる。これにより、これらのパケットを送信するためだけに、ラジオ接続をセットアップしトラヒック・チャネルを立ち上げる必要性が回避される。一般に、トラヒック・チャネルは、トラヒック/ユーザ・データを送信するために用いられ、非トラヒック・チャネルは、トラヒック・チャネルではない任意のチャネルであることができる。異なる非トラヒック・チャネルが、異なる無線ネットワークにおいて利用可能である。更に、異なる非トラヒック・チャネルが、順方向リンク及び逆方向リンクのために利用可能である。
【0031】
表1は、HRPDにおけるいくつかのトラヒック・チャネル及び非トラヒック・チャネルのリストである。アクセス端末110は、ラジオ接続が開かれている場合、順方向トラヒック・チャネル及び逆方向トラヒック・チャネルを割り当てられ、それらのトラヒック・チャネルを用いてデータを交換することができる。アクセス端末110は、ラジオ接続が閉じられている場合、トラヒック・チャネルを割り当てられず、制御チャネル及びアクセス・チャネルを用いてアクセス・ネットワーク120とデータを交換することができる。
【表1】

【0032】
制御チャネル及びアクセス・チャネルは、順方向リンク及び逆方向リンクでそれぞれ常時利用可能である低データ・レート・チャネルである。制御チャネル及びアクセス・チャネルは、データを送信するためにトラヒック・チャネルを立ち上げることを回避するために、低容量かつ小さなパケット・サイズのデータを送信するために用いられうる。データは、“cdma2000 High Rate Packet Data Air Interface Specification”と題された公的に入手可能である2006年6月の3GPP2 C.S0024−Aにおいて定義されたデータ・オーバ・シグナリング(DOS)に従って、制御チャネル及びアクセス・チャネルで送信されうる。
【0033】
制御チャネルは、順方向リンク上の全てのアクセス端末によって共有されうる。アクセス端末110は、制御チャネルにおいてシグナリング及び/又はデータを受信することができる特定のタイム・スロットを割り当てられうる。アクセス端末110は、アクセス端末へ送信された任意のシグナリング及び/又はデータを復元するために、割り当てられたタイム・スロット中、制御チャネルを処理することができる。
【0034】
アクセス・チャネルは、逆方向リンク上の全てのアクセス端末によって共有されうる。アクセス端末110は、送信するデータがある場合常に、アクセス・チャネルでアクセス・チャネル・カプセルを送信することができる。アクセス端末110は、C.S0024−Aにおいて定義されたアクセス手順に従って、アクセス・チャネル・カプセルを送信することができる。
【0035】
図4は、常時接続型PPPセッションのためのキープアライブ機能のために非トラヒック・チャネルを用いて常時接続型IMSを維持するコール・フロー400の構成を示す。アクセス端末110は、図3に関して上述したように、ステップ1乃至6において、PPPセッションを確立し、IMSに登録することができる。
【0036】
キープアライブ機能のために、PDSN130は、アクセス端末110のためのLCPエコー要求パケットをアクセス・ネットワーク120へ送信することができる(ステップ7)。アクセス・ネットワーク120は、LCPエコー要求パケットを受信し、ラジオ接続をセットアップすることなく、モバイル終点DOSを用いて制御チャネルでこのパケットをアクセス端末110へ送信することができる(ステップ8)。アクセス端末110は、LCPエコー要求パケットを受信し、モバイル始点DOSを用いてアクセス・チャネルでLCPエコー応答パケットをアクセス・ネットワーク120へ返信することができる(ステップ9)。アクセス・ネットワーク120は、LCPエコー応答パケットを受信し、それをPDSN130へ転送することができる(ステップ10)。図4に示すように、HRPDにおけるDOSを用いて、LCPエコー要求パケット及びLCPエコー応答パケットをそれぞれ制御チャネル及びアクセス・チャネルで送信することによって、ラジオ接続のセットアップは回避されうる。
【0037】
アクセス端末110は休止状態にあり、休止状態中、動き回ることができる。アクセス・ネットワーク120は、アクセス端末110の現在の位置を知らないことがある。アクセス・ネットワーク120は、アクセス端末110がLCPエコー要求パケットを受信することができることを確実にするために、LCPエコー要求パケットを含むDOSメッセージを広範囲にわたって送信することができる。しかし、広範囲にわたってDOSメッセージを送信することにより、多くのネットワーク・リソースが消費され、ネットワーク容量が低減されうる。
【0038】
別の局面において、LCPエコー要求パケットがキープアライブ機能のために送信される場合常に、アクセス端末110のおおよその位置が最初に確かめられうる。アクセス・ネットワーク120はその後、アクセス端末110のおおよその位置をカバーする小さな領域にわたってLCPエコー要求パケットを送信することができる。
【0039】
図5は、常時接続型PPPセッションのためのキープアライブ機能のためにおおよその位置の発見及び非トラヒック・チャネルを用いて常時接続型IMSを維持するコール・フロー500の構成を示す。アクセス端末110は、図3に関して上述したように、ステップ1乃至6において、PPPセッションを確立し、IMSに登録することができる。
【0040】
キープアライブ機能のために、PDSN130は、アクセス端末110のためのLCPエコー要求パケットをアクセス・ネットワーク120へ送信することができる(ステップ7)。アクセス・ネットワーク120は、LCPエコー要求パケットを受信する。更に、アクセス端末110のためのルート更新要求メッセージを広範囲にわたって制御チャネルで送信することによってアクセス端末110のおおよその位置を決定することができる(ステップ8)。ルート更新要求メッセージは、何のデータ・ペイロードも有さないので、LCPエコー要求パケットのためのペイロードを有するDOSメッセージよりも少ないラジオ・リソースしか消費しない。アクセス端末110は、ルート更新要求メッセージを受信し、ルート更新メッセージをアクセス・チャネルでアクセス・ネットワーク120へ返信することができる(ステップ9)。ルート更新メッセージは、アクセス端末110のためのアクティブ・セット及び候補セットにおけるセクタのためのパイロット情報を含むことができる。アクセス端末110のおおよその位置は、ルート更新メッセージ及び/又はこのメッセージ内のパイロット情報を受信するセクタに基づいて確かめられうる。
【0041】
アクセス・ネットワーク120はその後、ラジオ接続をセットアップすることなく、モバイル終点DOSを用いて、LCPエコー要求パケットを小さなエリアにわたって制御チャネルでアクセス端末110へ送信することができる(ステップ10)。アクセス端末110は、LCPエコー要求パケットを受信し、モバイル始点DOSを用いて、LCPエコー応答パケットをアクセス・チャネルでアクセス・ネットワーク120へ返信することができる(ステップ11)。アクセス・ネットワーク120は、LCPエコー応答パケットを受信し、それをPDSN130へ転送することができる(ステップ12)。
【0042】
図5に示すように、ラジオ接続セットアップは、(a)ルート更新要求メッセージ及びLCPエコー要求パケットを制御チャネルでアクセス端末110へ送信すること、及び(b)ルート更新メッセージ及びLCPエコー応答パケットをアクセス・チャネルでアクセス・ネットワーク120へ送信すること、によって回避されうる。2つのメッセージが順方向リンクで送信された場合でも、(a)ルート更新要求メッセージは、LCPエコー要求パケットを有するDOSメッセージよりも大幅に小さいので大幅に少ないラジオ・リソースを用いて送信されうるため、及び(b)DOSメッセージはより小さな領域にわたって送信されうるため、これらのメッセージは、より少ないラジオ・リソースを用いて送信されうる。
【0043】
アクセス・ネットワーク120は、ルート更新要求メッセージを送信するのではなく、アクセス端末をページすることによって、アクセス端末110のおおよその位置を決定しようと試みることもできる。このページは、通常行われるようにラジオ接続を立ち上げるのではなく、アクセス・チャネルを介してページに応答するようにアクセス端末110に指示することができる。
【0044】
図4及び図5に示すように、PDSN130は、LCPエコー要求パケットをアクセス・ネットワーク120へ送信することによって、キープアライブ機能を開始することができる。PDSN130は、ジェネリック・ルーティング・カプセル化(GRE)プロトコルを用いてアクセス・ネットワーク120内のPCF124とデータを交換することができる。リンク層/ネットワーク層データは、PDSN130とPCF124との間で交換されうるGREパケット内にカプセル化されることができる。GREパケットは、GREパケット内で搬送されたデータがDOSを用いて送信されうることを示すために、1に設定されうるSDI/DoSフィールドを含む。PDSN130は、LCPエコー要求パケットを搬送するGREパケットのためにこのフィールドを設定することができる。アクセス・ネットワーク120は、GREパケット内のこのフィールドを調べ、フィールドが設定されている場合、DOSを用いてLCPエコー要求パケットを送信することができる。PDSN130とアクセス・ネットワーク120との間のGRE及びデータの交換は、共に “Interoperability Specification (IOS) for High Rate Packet Data (HRPD) Radio Access Network Interfaces with Session Control in the Access Network”と題された、2006年10月付けの公的に入手可能である3GPP2 A.S0008−B及びA.S0009−Bにおいて説明される。
【0045】
明確化のために、常時接続型データ・セッションを維持する本技術は、特にHRPDに関して説明された。本技術は、例えば(一般にCDMA2000 1X、又は単に1Xと称される)IS−2000リリース0及びA、IS−95、W−CDMA、GSM等のような他のラジオ技術及び他の無線ネットワークのために用いることもできる。1Xは、ページング・チャネル(PCH)、順方向共通制御チャネル(F−CCCH)、逆方向アクセス・チャネル(R−ACH)、逆方向次世代アクセス・チャネル(R−EACH)等でのデータ・バースト・メッセージにおけるショート・データ・バーストの送信をサポートする。ショート・データ・バーストは、HRPDにおけるDOSメッセージと類似した方式で、少量のデータを送信するために用いられうる。
【0046】
図6は、アクセス端末のためのデータ・セッションをキープアライブするためにメッセージを交換する処理600の構成を示す。処理600は、アクセス端末によって実行されうる。第1のメッセージが、第1の非トラヒック・チャネル(例えば、制御チャネル又はその他何らかのチャネル)でアクセス・ネットワークから受信されうる(ブロック612)。第2のメッセージが、第2の非トラヒック・チャネル(例えば、アクセス・チャネル又はその他何らかのチャネル)でアクセス・ネットワークへ送信されうる(ブロック614)。第1及び第2のメッセージは、アクセス端末のためのデータ・セッションをキープアライブするために交換されうる。アクセス端末は、第1及び第2のメッセージをアクセス・ネットワークと交換するためにラジオ接続をセットアップしトラヒック・チャネルを接続することを回避することができる。
【0047】
データ・セッションは、PPPセッション及び/又はその他何らかのセッションを備えることができる。第1のメッセージは、LCPエコー要求パケット、又は、データ・セッションのためにアクセス端末をピングするためのその他何らかのパケットを備えることができる。第2のメッセージは、LCPエコー応答パケット、又は、ピングに応答するためのその他何らかのパケットを備えることができる。HRPDの場合、第1のメッセージは、モバイル終点DOSを用いてアクセス・ネットワークによって送信され、第2のメッセージは、モバイル始点DOSを用いてアクセス端末によって送信されうる。第1及び第2のメッセージは、他のラジオ技術のための他の方式で(例えば、ショート・データ・バーストを用いて)も送信されうる。
【0048】
図7は、アクセス端末のためのデータ・セッションをキープアライブするためにメッセージを交換する処理700の構成を示す。処理700は、アクセス・ネットワークによって実行されうる。パケットが、アクセス端末のためのデータ・セッションを維持する役割を負うネットワーク・エンティティ(例えば、PDSN)から受信されうる(ブロック712)。第1の非トラヒック・チャネルが、パケット内のフィールドに基づいて、用いるために選択されうる(ブロック714)。
【0049】
第1のメッセージが、第1の非トラヒック・チャネル(例えば、制御チャネル)でアクセス端末へ送信されうる(ブロック716)。第2のメッセージが、第2の非トラヒック・チャネル(例えば、アクセス・チャネル)でアクセス端末から受信されうる(ブロック718)。第1及び第2のメッセージは、アクセス端末のためのデータ・セッションをキープアライブするために交換されうる。第1のメッセージは、LCPエコー要求パケットを備えることができ、HRPDにおいて、モバイル終点DOSを用いてアクセス・ネットワークによって送信されうる。第2のメッセージは、LCPエコー応答パケットを備えることができ、HRPDにおいて、モバイル始点DOSを用いてアクセス端末によって送信されうる。
【0050】
図8は、アクセス端末によってシグナリングを受信する処理800の構成を示す。第1のメッセージが、第1の非トラヒック・チャネル(例えば、制御チャネル又はその他何らかのチャネル)でアクセス・ネットワークから受信されうる(ブロック812)。第2のメッセージが、第2の非トラヒック・チャネル(例えば、アクセス・チャネル又はその他何らかのチャネル)でアクセス・ネットワークへ送信されうる(ブロック814)。第1及び第2のメッセージは、アクセス端末のおおよその位置を決定するために交換されうる。第1のメッセージは、ルート更新要求メッセージ又はアクセス端末に問い合わせるためのその他何らかのメッセージを備えることができる。第2のメッセージは、ルート更新メッセージ又は問合せに応答するためのその他何らかのメッセージを備えることができる。第3のメッセージが、第1の非トラヒック・チャネルでアクセス・ネットワークから受信されることができ、第3のメッセージは、アクセス端末のおおよその位置をカバーするエリアにわたって送信される(ブロック816)。一般に、第3のメッセージは、アクセス端末のための任意の情報を搬送することができる。
【0051】
アクセス端末のためのデータ・セッションをキープアライブするためにシグナリングが交換される場合、第4のメッセージが、第2の非トラヒック・チャネルでアクセス・ネットワークへ送信されうる(ブロック818)。第3のメッセージは、LCPエコー要求パケット、又はアクセス端末をピングするためのその他何らかのメッセージを備えることができる。第4のメッセージは、LCPエコー応答パケット、又はピングへの応答を含むその他何らかのメッセージを備えることができる。これらのメッセージは、DOS、ショート・データ・バースト等を用いて送信されうる。アクセス端末は、アクセス・ネットワークとメッセージを交換するためにラジオ接続をセットアップしトラヒック・チャネルを接続することを回避することができる。
【0052】
図9は、アクセス端末へシグナリングを送信する処理900の構成を示す。処理900は、アクセス・ネットワークによって実行されうる。第1のメッセージが、第1の非トラヒック・チャネル(例えば、制御チャネル)でアクセス端末へ送信されうる(ブロック912)。第2のメッセージが、第2の非トラヒック・チャネル(例えば、アクセス・チャネル)でアクセス端末から受信されうる(ブロック914)。第1のメッセージは、ルート更新要求メッセージを備え、第2のメッセージは、ルート更新メッセージを備えることができる。アクセス端末のおおよその位置が、第2のメッセージに基づいて決定されうる(ブロック916)。
【0053】
第3のメッセージが、第1の非トラヒック・チャネルでアクセス端末へ送信されることができ、第3のメッセージは、アクセス端末のおおよその位置をカバーするエリアにわたって送信される(ブロック918)。第1のメッセージは、第1のエリアにわたって送信され、第2のメッセージは、第1のエリアよりも小さい第2のエリアにわたって送信されうる。第1のメッセージは、(a)アクセス端末のためのラジオ接続が切断されたこと、(b)第3のメッセージが第1の非トラヒック・チャネルで送信可能であること、の決定に応答して送信されうる。一般に、第3のメッセージは、アクセス端末のための任意の情報を搬送することができる。アクセス端末のためのデータ・セッションをキープアライブするためにシグナリングが交換される場合、第4のメッセージが、第2の非トラヒック・チャネルでアクセス端末から受信されうる(ブロック920)。
【0054】
図10は、図1に示すアクセス端末110、基地局122、BSC/PCF124、及びPDSN130の設計のブロック図を示す。逆方向リンクでは、アクセス端末110において、コントローラ/プロセッサ1010は、ラジオ技術(例えばHRPD)に従ってアクセス・ネットワーク120へ送信されるデータ及びシグナリングを処理(例えば、フォーマット、符号化、及び変調)し、出力チップを生成することができる。送信機(TMTR)1016は、出力チップを調整(例えば、アナログ変換、フィルタ、増幅、及び周波数アップコンバート)し、基地局122へ送信されうる逆方向リンク信号を生成することができる。基地局122において、アクセス端末110及びその他のアクセス端末からの逆方向リンク信号が、受信機(RCVR)1026によって受信され、サンプルを取得するために調整(例えば、フィルタ、増幅、周波数ダウンコンバート、及びデジタル化)されうる。コントローラ/プロセッサ1020は、アクセス端末110及びその他のアクセス端末によって送信されたデータ及びシグナリングを取得するために、サンプルを処理(例えば、復調及び復号)することができる。
【0055】
順方向リンクでは、基地局122において、アクセス端末へ送信されるデータ及びシグナリングは、プロセッサ1020によって処理され、アクセス端末へ送信されうる順方向リンク信号を生成するために送信機1026によって更に調整されうる。アクセス端末110において、基地局122からの順方向リンク信号は、受信機1016によって受信及び調整され、基地局122によってアクセス端末110へ送信されたデータ及びシグナリングを取得するために、プロセッサ1010によって更に処理されうる。
【0056】
コントローラ/プロセッサ1010及び1020はそれぞれ、アクセス端末110及び基地局122における動作を制御することができる。プロセッサ1010は、図6に示す処理600、図8に示す処理800、及び/又は、シグナリングを交換するためのその他の処理を実施することができる。メモリ1012及び1022はそれぞれ、アクセス端末110及び基地局122のためのプログラム・コード及びデータを格納することができる。通信(Comm)ユニット1024は、基地局122がBSC/PCF124と通信することを可能とすることができる。
【0057】
BSC/PCF124は、コントローラ/プロセッサ1030、メモリ1032、及び通信ユニット1034を含む。PDSN130は、コントローラ/プロセッサ1040、メモリ1042、及び通信ユニット1044を含む。各ネットワーク・エンティティにおいて、コントローラ/プロセッサは、そのネットワーク・エンティティのための適切な処理を実行することができ、メモリは、プログラム・コード及びデータを格納することができ、通信ユニットは、他のネットワーク・エンティティとの通信をサポートすることができる。基地局122のプロセッサ1020及び/又はBSC/PCF124のプロセッサ1030は、図7に示す処理700、図9に示す処理900、及び/又は、アクセス端末とシグナリングを交換するためのその他の処理を実行することができる。
【0058】
図10は、アクセス端末110及びその他のネットワーク・エンティティの簡略ブロック図を示す。一般に、アクセス端末110及びネットワーク・エンティティは、各々が、任意の数のプロセッサ、コントローラ、メモリ、通信ユニット、送信機、受信機等を含むことができる。
【0059】
本明細書で説明された技術は、様々な手段によって実現されうる。例えばこれらの技術は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組合せによって実現することができる。ハードウェアによる実現の場合、本技術を実行するために用いられる処理ユニットは、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するために設計されたその他の電子ユニット、コンピュータ、又はそれらの組合せにおいて実現されうる。
【0060】
ファームウェア及び/又はソフトウェアによる実現の場合、本技術は、本明細書で説明された機能を実行するモジュール(例えば、手順、関数等)を用いて実現されうる。ファームウェア及び/又はソフトウェアの命令は、メモリ(例えば、図10のメモリ1012、1022、1032、又は1042)内に格納され、プロセッサ(例えば、プロセッサ1010、1020、1030、又は1040)によって実行されうる。メモリは、プロセッサ内に、又はプロセッサに外付けで実装されうる。ファームウェア及び/又はソフトウェアの命令は、例えばランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダム・アクセス・メモリ(NVRAM)、プログラマブル読取専用メモリ(PROM)、電子的消去可能PROM(EEPROM)、FLASHメモリ、コンパクト・ディスク(CD)、磁気データ記憶デバイスあるいは光学データ記憶デバイス等のような、他の読取可能媒体内に格納されることもできる。
【0061】
本明細書で説明された技術を実現する装置は、独立型ユニット又はデバイスの一部であることができる。このデバイスは、(i)独立型集積回路(IC)、(ii)データ及び/又は命令を格納するためのメモリICを含むことができる1つ又は複数のICのセット、(iii)例えばモバイル局モデム(MSM)のようなASIC、(iv)他のデバイス内に組み込まれることができるモジュール、(v)セルラ電話、無線デバイス、ハンドセット、あるいはモバイル・ユニット、(vi)その他、であることができる。
【0062】
本開示における上記記載は、当業者をして、本開示の製造又は利用を可能とするために提供される。本開示への様々な変更が当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義された一般原理は、本開示の精神又は範囲から逸脱することなく他の変形例にも適用されうる。従って、本開示は、本明細書で説明された設計及び例に限定することは意図されておらず、本明細書に開示された原理及び新規特徴と整合が取れた最も広い範囲に一致するように意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信のための装置であって、
第1のメッセージを第1の非トラヒック・チャネルでアクセス・ネットワークから受信し、第2のメッセージを第2の非トラヒック・チャネルで前記アクセス・ネットワークへ送信するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに接続されたメモリとを備え、
前記第1のメッセージ及び前記第2のメッセージは、データ・セッションをキープアライブするために交換される装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1のメッセージ及び前記第2のメッセージを前記アクセス・ネットワークと交換するためにラジオ接続をセットアップしトラヒック・チャネルを立ち上げることを回避するように構成された請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1のメッセージを制御チャネルで前記アクセス・ネットワークから受信し、前記第2のメッセージをアクセス・チャネルで前記アクセス・ネットワークへ送信するように構成された請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記データ・セッションは、ポイント・ツー・ポイント・プロトコル(PPP)セッションを備える請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のメッセージは、データ・セッションのためのピングを備え、前記第2のメッセージは、前記ピングへの応答を備える請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のメッセージは、リンク制御プロトコル(LCP)エコー要求パケットを備え、前記第2のメッセージは、LCPエコー応答パケットを備える請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのプロセッサは、高レート・パケット・データ(HRPD)におけるモバイル始点データ・オーバ・シグナリング(DOS)を用いて前記アクセス・ネットワークによって送信された前記第1のメッセージを受信し、HRPDにおけるモバイル始点DOSを用いて前記第2のメッセージを送信するように構成された請求項1に記載の装置。
【請求項8】
第1のメッセージを第1の非トラヒック・チャネルでアクセス・ネットワークから受信することと、
第2のメッセージを第2の非トラヒック・チャネルで前記アクセス・ネットワークへ送信することとを備え、
前記第1のメッセージ及び前記第2のメッセージは、アクセス端末のためのデータ・セッションをキープアライブするために交換される方法。
【請求項9】
前記第1の非トラヒック・チャネルは、順方向リンクのための制御チャネルであり、前記第2の非トラヒック・チャネルは、逆方向リンクのための非トラヒック・チャネルである請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のメッセージは、前記データ・セッションのためのピングを備え、前記第2のメッセージは、前記ピングへの応答を備える請求項8に記載の方法。
【請求項11】
無線通信のための装置であって、
第1のメッセージを第1の非トラヒック・チャネルでアクセス・ネットワークから受信する手段と、
第2のメッセージを第2の非トラヒック・チャネルで前記アクセス・ネットワークへ送信する手段とを備え、
前記第1のメッセージ及び前記第2のメッセージは、アクセス端末のためのデータ・セッションをキープアライブするために交換される装置。
【請求項12】
前記第1の非トラヒック・チャネルは、順方向リンクのための制御チャネルであり、前記第2の非トラヒック・チャネルは、逆方向リンクのためのアクセス・チャネルである請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1のメッセージは、前記データ・セッションのためのピングを備え、前記第2のメッセージは、前記ピングへの応答を備える請求項11に記載の装置。
【請求項14】
第1のメッセージを第1の非トラヒック・チャネルでアクセス・ネットワークから受信し、
第2のメッセージを第2の非トラヒック・チャネルで前記アクセス・ネットワークへ送信するための命令群を格納するプロセッサ読取可能媒体であって、
前記第1のメッセージ及び前記第2のメッセージは、アクセス端末のためのデータ・セッションをキープアライブするために交換されるプロセッサ読取可能媒体。
【請求項15】
無線通信のための装置であって、
第1のメッセージを第1の非トラヒック・チャネルでアクセス端末へ送信し、第2のメッセージを第2の非トラヒック・チャネルで前記アクセス端末から受信するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに接続されたメモリとを備え、
前記第1のメッセージ及び前記第2のメッセージは、前記アクセス端末のためのデータ・セッションをキープアライブするために交換される装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1のメッセージを制御チャネルで前記アクセス端末へ送信し、前記第2のメッセージをアクセス・チャネルで前記アクセス端末から受信するように構成された請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1のメッセージは、リンク制御プロトコル(LCP)エコー要求パケットを備え、前記第2のメッセージは、LCPエコー応答パケットを備える請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つのプロセッサは、高レート・パケット・データ(HRPD)におけるモバイル終点データ・オーバ・シグナリング(DOS)を用いて前記第1のメッセージを送信し、HRPDにおけるモバイル始点DOSを用いて前記アクセス端末によって送信された前記第2のメッセージを受信するように構成された請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記データ・セッションを維持する役割を負うネットワーク・エンティティからの前記第1のメッセージのためのデータを搬送するパケットを受信し、前記パケット内のフィールドに基づいて前記第1のメッセージのための前記第1の非トラヒック・チャネルを選択するように構成された請求項15に記載の装置。
【請求項20】
無線通信のための装置であって、
第1のメッセージを第1の非トラヒック・チャネルでアクセス・ネットワークから受信し、第2のメッセージを第2の非トラヒック・チャネルで前記アクセス・ネットワークへ送信し、第3のメッセージを前記第1の非トラヒック・チャネルで前記アクセス・ネットワークから受信するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに接続されたメモリとを備え、
前記第1のメッセージ及び前記第2のメッセージは、アクセス端末のおおよその位置を決定するために交換され、前記第3のメッセージは、前記アクセス端末のおおよその位置をカバーするエリアにわたって送信される装置。
【請求項21】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1のメッセージ、前記第2のメッセージ、及び前記第3のメッセージを前記アクセス・ネットワークと交換するためにラジオ接続をセットアップしトラヒック・チャネルを立ち上げることを回避するように構成された請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記少なくとも1つのプロセッサは、第4のメッセージを前記第2の非トラヒック・チャネルで前記アクセス・ネットワークへ送信するように構成され、前記第3のメッセージ及び前記第4のメッセージは、前記アクセス端末のためのデータ・セッションをキープアライブするために交換される請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1のメッセージ及び前記第3のメッセージを制御チャネルで前記アクセス・ネットワークから受信し、前記第2のメッセージをアクセス・チャネルで前記アクセス・ネットワークへ送信するように構成された請求項20に記載の装置。
【請求項24】
前記第1のメッセージは、ルート更新要求メッセージを備え、前記第2のメッセージは、ルート更新メッセージを備える請求項20に記載の装置。
【請求項25】
第1のメッセージを第1の非トラヒック・チャネルでアクセス・ネットワークから受信することと、
第2のメッセージを第2の非トラヒック・チャネルで前記アクセス・ネットワークへ送信することであって、前記第1のメッセージ及び前記第2のメッセージは、アクセス端末のおおよその位置を決定するために交換される、ことと、
第3のメッセージを前記第1の非トラヒック・チャネルで前記アクセス・ネットワークから受信することであって、前記第3のメッセージは、前記アクセス端末のおおよその位置をカバーするエリアにわたって送信される、ことと
を備える方法。
【請求項26】
第4のメッセージを前記第2の非トラヒック・チャネルで前記アクセス・ネットワークへ送信することを更に備え、前記第3のメッセージ及び前記第4のメッセージは、前記アクセス端末のためのデータ・セッションをキープアライブするために交換される請求項25に記載の方法。
【請求項27】
無線通信のための装置であって、
第1のメッセージを第1の非トラヒック・チャネルでアクセス・ネットワークから受信する手段と、
第2のメッセージを第2の非トラヒック・チャネルで前記アクセス・ネットワークへ送信する手段であって、前記第1のメッセージ及び前記第2のメッセージは、アクセス端末のおおよその位置を決定するために交換される、手段と、
第3のメッセージを前記第1の非トラヒック・チャネルで前記アクセス・ネットワークから受信する手段であって、前記第3のメッセージは、前記アクセス端末のおおよその位置をカバーするエリアにわたって送信される、手段と
を備える装置。
【請求項28】
第4のメッセージを前記第2の非トラヒック・チャネルで前記アクセス・ネットワークへ送信する手段を更に備え、前記第3のメッセージ及び前記第4のメッセージは、前記アクセス端末のためのデータ・セッションをキープアライブするために交換される請求項27に記載の装置。
【請求項29】
第1のメッセージを第1の非トラヒック・チャネルでアクセス・ネットワークから受信し、
第2のメッセージを第2の非トラヒック・チャネルで前記アクセス・ネットワークへ送信し、
第3のメッセージを前記第1の非トラヒック・チャネルで前記アクセス・ネットワークから受信するための命令群を格納するプロセッサ読取可能媒体であって、
前記第1のメッセージ及び前記第2のメッセージは、アクセス端末のおおよその位置を決定するために交換され、
前記第3のメッセージは、前記アクセス端末のおおよその位置をカバーするエリアにわたって送信されるプロセッサ読取可能媒体。
【請求項30】
第4のメッセージを前記第2の非トラヒック・チャネルで前記アクセス・ネットワークへ送信するための命令群を更に格納し、前記第3のメッセージ及び前記第4のメッセージは、前記アクセス端末のためのデータ・セッションをキープアライブするために交換される請求項29に記載のプロセッサ読取可能媒体。
【請求項31】
無線通信のための装置であって、
第1のメッセージを第1の非トラヒック・チャネルでアクセス端末へ送信し、第2のメッセージを第2の非トラヒック・チャネルで前記アクセス端末から受信し、前記第2のメッセージに基づいて前記アクセス端末のおおよその位置を決定し、第3のメッセージを前記第1の非トラヒック・チャネルで前記アクセス端末へ送信するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに接続されたメモリとを備え、
前記第3のメッセージは、前記アクセス端末のおおよその位置をカバーするエリアにわたって送信される装置。
【請求項32】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1のメッセージを第1のエリアにわたって送信し、前記第3のメッセージを前記第1のエリアよりも小さい第2のエリアにわたって送信するように構成された請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記アクセス端末のためのラジオ接続が切断された場合、前記第1のメッセージを送信するように構成された請求項31に記載の装置。
【請求項34】
前記少なくとも1つのプロセッサは、第4のメッセージを前記第2の非トラヒック・チャネルで前記アクセス端末から受信するように構成され、前記第3のメッセージ及び前記第4のメッセージは、前記アクセス端末のためのデータ・セッションをキープアライブするために交換される請求項31に記載の装置。
【請求項35】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1のメッセージ及び前記第3のメッセージを制御チャネルで前記アクセス端末へ送信し、前記第2のメッセージをアクセス・チャネルで前記アクセス端末から受信するように構成された請求項31に記載の装置。
【請求項36】
前記第1のメッセージは、ルート更新要求メッセージを備え、前記第2のメッセージは、ルート更新メッセージを備える請求項31に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−59063(P2013−59063A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−232128(P2012−232128)
【出願日】平成24年10月19日(2012.10.19)
【分割の表示】特願2010−515020(P2010−515020)の分割
【原出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】