説明

無線通信制御システム、装置及びプログラム、並びに、基地局

【課題】高速無線通信において、事前にユーザ情報が書き込まれた無線通信装置が、通信契約の解約をした場合でも、接続処理を繰り返し行うことを回避する無線通信制御システム、装置及びプログラム、並びに、基地局を提供する。
【解決手段】本発明の無線通信制御システムは、無線通信網への接続処理を行う無線通信装置と、無線通信網を構成するものであって、無線通信装置による接続処理の失敗を検出すると、無線通信装置に対して切断信号を通知する基地局と、無線通信装置の状態を監視して動作制御するものであって、無線通信装置から接続処理の結果を受け取り、接続処理の結果が接続失敗であり、基地局から切断信号の通知を受けた場合に、無線通信装置に対して通信動作を停止させる無線通信制御手段とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信制御システム、装置及びプログラム、並びに、基地局に関し、例えば、WiMAX(登録商標、以下同様)等の無線通信を行う無線通信装置の通信動作を制御する無線通信制御システム、装置及びプログラム、並びに、基地局に適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、WiMAX等のようなワイヤレスブロードバンド通信技術が普及している。一般に、WiMAXにより無線通信を行うには、接続先の事業者との間の契約(プロバイダ契約)が必要である。
【0003】
例えば、人手による所定の新規申込みで契約を締結させる方法がある。この場合、通信事業者は、契約締結後に、WiMAX網との接続に必要なユーザ情報を書き込んだWiMAX通信機器をユーザに提供する。WiMAX通信機器は、ユーザ操作を受けて、その事前に書き込まれたユーザ情報を用いて接続処理を行い、通信を開始させる。
【0004】
また例えば、既にWiMAX通信機器を購入している場合には、オンラインにより契約を締結させる方法がある。購入時には、ユーザ情報がWiMAX通信機器に書き込まれていないので、オンラインで契約を行う場合には、例えばOMA(Open Mobile Alliance)で標準化されたOMA−DM(OMA−Device Management)を用いてWiMAX通信機器にユーザ情報を書き込む。
【0005】
OMA−DMは、無線経由で、OMA−DMサーバが、クライアントであるWiMAX通信機器の状態を遠隔管理する端末管理技術であり、オンライン契約の際に、ユーザ情報をWiMAX通信機器に書き込むことが行われる。特許文献1には、OMA−DMを用いて端末を管理する技術が記載されている。
【0006】
例えば、OMA−DMを用いたオンライン契約は、次のようにして行われる。まず、WiMAX通信機器は、サービスエリア内で基地局からの電波を受信し、所定の手順により基地局との間で接続処理を行う。このとき、WiMAX通信機器には、ユーザIDやパスワード等の無線通信に必要なユーザ情報が書き込まれていないが、プロバイダ契約を行うための初期接続サイトへの接続が許可される。
【0007】
初期接続されると、ユーザは、端末の表示画面に従って、例えばプロバイダの選択、IDやパスワードの入力、利用条件の選択などの申込み手続きを行い、登録サーバに登録されることで申込み手続きが完了する。また、登録サーバは、ユーザ情報を認証サーバ、OMA−DMサーバに与える。認証サーバでは、登録サーバからのユーザ情報を記憶し、そのユーザ情報を用いてユーザ認証を行う。
【0008】
OMA−DMサーバは、登録サーバからユーザ認証に必要なID及びパスワード等のユーザ情報を書き込むコマンドをWiMAX通信機器に与えて、WiMAX通信機器にID及びパスワードの書き込みを実行させる。これにより、次回の接続では、WiMAX通信機器が書き込まれたIDやパスワード等のユーザ情報を用いてユーザ認証を行い、無線接続を行うことができる。
【0009】
一方、契約を解約する場合、ユーザは所定の解約手続きを行う。登録サーバは認証サーバに対して当該ユーザのユーザ情報の削除を求める。これを受けて、認証サーバは、当該ユーザのユーザ情報の削除を行うこととしている。これにより、認証サーバにはユーザ情報が削除されているので、その後にユーザ認証要求を受けても、認証がNGとなるので、WiMAX通信ができなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010−061268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、ユーザが契約を解約しても、WiMAX通信機器にはユーザ情報が削除されずに書き込まれたままであるので、WiMAX通信の接続要求が繰り返しなされてしまうおそれがある。
【0012】
この場合、WiMAX通信機器は、基地局を介して認証サーバとの間で、接続処理を繰り返し行うことになるので、基地局や認証サーバの負荷を増やしてしまうことになる。
【0013】
そこで、契約を解約した場合でも、WiMAX通信機器等の無線通信装置の無線通信を停止し、基地局との通信を停止させることができる無線通信制御システム、装置及びプログラム、並びに、基地局が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
かかる課題を解決するために、第1の本発明の無線通信制御システムは、(1)無線通信網への接続処理を行う無線通信装置と、(2)無線通信網を構成するものであって、無線通信装置による接続処理の失敗を検出すると、無線通信装置に対して切断信号を通知する基地局と、(3)無線通信装置の状態を監視して動作制御するものであって、無線通信装置から接続処理の結果を受け取り、接続処理の結果が接続失敗であり、基地局から切断信号の通知を受けた場合に、無線通信装置に対して通信動作を停止させる無線通信制御手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
第2の本発明の無線通信制御装置は、無線通信網への接続処理を行う無線通信装置の動作を制御する無線通信制御装置において、(1)無線通信装置による接続処理の結果を無線通信装置から取得する接続結果取得手段と、(2)接続処理の結果が接続失敗であり、無線通信網を構成する基地局から切断信号の通知を受けた場合に、無線通信装置に対して通信動作を停止させる通信動作制御手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
第3の本発明の無線通信制御プログラムは、無線通信網への接続処理を行う無線通信装置の動作を制御する無線通信制御プログラムにおいて、コンピュータを、(1)無線通信装置による接続処理の結果を無線通信装置から取得する接続結果取得手段、(2)接続処理の結果が接続失敗であり、無線通信網を構成する基地局から切断信号の通知を受けた場合に、無線通信装置に対して通信動作を停止させる通信動作制御手段として機能させることを特徴とする。
【0017】
第4の本発明の基地局は、無線通信網を構成する基地局において、(1)無線通信装置から無線通信網への接続要求を受けると、その接続要求を無線通信網に中継する中継手段と、(2)無線通信網側から無線通信装置による接続処理の失敗を検出すると、無線通信装置に対して切断信号を通知する切断信号通知手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、契約を解約した場合に、無線通信装置の無線通信を停止し、基地局との通信を停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態のゲートウェイ装置の内部構成を示す内部構成図である。
【図2】実施形態のネットワークの全体構成を示す全体構成図である。
【図3】実施形態の基地局の内部構成を示す内部構成図である。
【図4】実施形態の無線通信機器制御部の機能構成を示すブロック図である。
【図5】実施形態の無線通信機器の内部構成を示す内部構成図である。
【図6】実施形態の無線通信機器による接続処理例を示す接続シーケンス図である。
【図7】同期・初期レンジングの処理例を示すシーケンス図である。
【図8】無線通信機器と認証サーバとの間の認証処理例を示すシーケンス図である。
【図9】DREG−CMDのメッセージの構成を説明する説明図である。
【図10】無線通信機器制御部における処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(A)主たる実施形態
以下では、本発明の無線通信制御システム、装置及びプログラム、並びに、基地局の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0021】
この実施形態では、IEEE802.16−2004、IEEE802.16e等の標準化技術に準拠したWiMAXに本発明を適用する場合を例示する。なお、高速無線通信方式であれば、WiMAXに限定されることなく、他の方式の高速無線通信方式に広く適用できる。
【0022】
(A−1)実施形態の構成
図2は、実施形態のネットワークの全体構成を示す全体構成図である。図2において、この実施形態のネットワーク10は、ゲートウェイ装置1、無線通信機器2、端末3、基地局21、登録サーバ23、認証サーバ24を少なくとも有して構成される。
【0023】
ゲートウェイ装置1は、WiMAX通信とLAN通信との間で相互接続を行う中継装置である。ゲートウェイ装置1は、例えばUSB(Universal Serial Bus)で無線通信機器2と接続し、また例えばLANポートや無線LANアンテナ等を介して1又は複数の端末3と接続する。そして、ゲートウェイ装置1は、それぞれの通信データのデータ変換を行い、端末3と無線通信機器2との間の中継処理を行う。
【0024】
このように、ゲートウェイ装置1を用いることで、ユーザは、端末3を扱いながらWiMAX通信を行うことができる。なお、ゲートウェイ装置1は、複数の端末3と接続することができる。また、ゲートウェイ装置1が接続可能なLAN通信としては、例えば、WiFi(登録商標)等の無線LAN、有線LANのいずれか又は双方と接続できるようにしてもよい。
【0025】
ゲートウェイ装置1は、例えばUSB等で接続している無線通信機器2の起動制御を行うものである。また、ゲートウェイ装置1は、無線通信機器2の状態を示す情報を受け取り、無線通信機器2の状態を監視するものである。さらに、ゲートウェイ装置1は、無線通信機器2の通信動作を無効にするファームウェアを記憶するものである。
【0026】
そして、ゲートウェイ装置1は、無線通信機器2から受け取ったWiMAX網への接続結果が、後述する所定の条件を満たす場合、無線通信機器2の通信動作を停止させ、通信動作を無効にするファームウェアを無線通信機器2に送信する。これにより、無線通信機器2において、通信動作を無効にするファームウェアに更新させることができるので、無線通信機器2の通信動作を停止させることができる。
【0027】
無線通信機器2は、WiMAX通信を行う通信機器である。無線通信機器2は、ネットワーク接続に必要なユーザ情報を記憶しており、そのユーザ情報を用いて、IEEE802.16−2004又はIEEE802.16eに規定される無線通信方式に従って、WiMAX網への接続処理を行う。
【0028】
無線通信機器2は、接続しているゲートウェイ装置1により起動制御を受け、ゲートウェイ装置1から起動要求を受けると、WiMAX網への接続処理を行う。また、無線通信機器2は、WiMAX網への接続結果を、接続しているゲートウェイ装置1に通知する。さらに、無線通信機器2は、ゲートウェイ装置1からファームウェアの更新要求を受け、更新すべきファームウェアを受け取ると、そのファームウェアの更新を行うものである。
【0029】
なお、無線通信機器2は、例えばUSB(Universal Serial Bus)でゲートウェイ装置1又は端末3と接続するようにしてもよい。この実施形態では、ゲートウェイ装置1に無線通信機器2が接続された場合を想定して説明する。
【0030】
端末3は、通信機能を有する通信端末である。端末3の通信方式は、特に限定されないが、例えば、WiFi(登録商標)等の無線LAN通信やケーブル接続によるTCP/IPの有線LAN通信のいずれか又は双方を適用するようにしてもよい。また、例えば、端末3は、通信機能を有する、パーソナルコンピュータ、PDA、ゲーム機、電子書籍端末、音楽プレイヤ等を広く適用できる。
【0031】
基地局21は、WiMAX通信に対応する基地局である。基地局21は、無線リソースの割り当て情報等を含むフレームを周期的に送出するものであり、スキャニングした無線通信機器2との間で、無線通信機器2が信号を送信するための領域を割り当て、時間と周波数の同期を確保するレンジングを行う。また、基地局21は、無線通信機器2との間の基本能力のネゴシエーションを行い、無線通信機器2と無線通信を行う。
【0032】
なお、レンジングには、「初期レンジング」、「ハンドオーバレンジング」、「周期レンジング」がある。「初期レンジング」は、ネットワークのエントリー時(端末登録時)に行うものであり、「ハンドオーバレンジング」は、ハンドオーバ先の基地局に登録するときに行うものであり、「周期レンジング」は、通常の動作中に周期的に行うものである。
【0033】
また、基地局21は、無線通信機器2と認証サーバ24との間で行う認証処理に関するデータを送受信(中継)するものである。基地局21は、認証サーバ24から認証通知に基づき、無線通信機器2による接続処理が失敗であるとき、切断信号に該当するDREG−CMDを無線通信機器2に通知するものである。
【0034】
ここで、DREG−CMDは、同期・初期レンジングや認証処理等のネットワーク接続処理の初期化プロセスのやり直しを要求するコマンドである。通常のネットワーク接続処理では、基地局が認証失敗通知のためにDREG−CMDを通知する処理は行わないが、この実施形態では、基地局21が、認証サーバ24からの認証結果がNGである場合に、DREG−CMDを無線通信機器2に通知して、ネットワーク接続の初期化プロセスのやり直しを求めるようにする。
【0035】
登録サーバ23は、WiMAX通信の契約ユーザのユーザ情報を管理するサーバである。例えば、登録サーバ23が管理するユーザ情報としては、ユーザの名前や住所等の基本情報、認証に必要なIDやパスワード、プロバイダ情報(プロバイダ名、利用条件等)などが該当する。
【0036】
登録サーバ23は、契約締結されると、認証サーバ24に当該ユーザのユーザ情報を与えて登録させる。これにより、その後の無線通信機器2からの接続要求に対して、ユーザ認証を成功させることができるので、当該ユーザによるWiMAX通信を許容することができる。一方、登録サーバ23は、契約が解約されると、認証サーバ24に対して、当該ユーザのユーザ情報の削除を求める。これにより、認証サーバ24は、当該ユーザのユーザ情報の削除をすることで、その後の無線通信機器2からの接続要求に対して、認証NGとすることができ、WiMAX通信を許可しないようにすることができる。
【0037】
認証サーバ24は、登録ユーザの認証処理を行うものである。認証サーバ24は、登録サーバ23から受け取ったユーザ情報を保持する。そして、認証サーバ24は、無線通信機器2から認証要求を受けると、その無線通信機器2から受け取ったユーザ情報と保持しているユーザ情報とを用いて、当該ユーザ認証が正当か否かを判断してユーザ認証を行う。なお、認証サーバ24が適用する認証方法は、種々の方法を広く適用することができ、例えば、PPP(Point To Point Protocol)を拡張したEAP(Extensible Authentication Protocol)手順を適用することができる。
【0038】
(A−1−2)基地局21の内部構成
図3は、基地局21の内部構成を示す内部構成図である。図3において、基地局21は、アンテナ51、第1通信部52、第2通信部53、制御部54を少なくとも有する。
【0039】
アンテナ51は、到来した電波を捕捉して電波信号を第1通信部52に与えたり、第1通信部52からの信号に基づく電波信号を送出したりするものである。アンテナ51は、無線通信機器2との間でWiMAX通信を実現するためのものであり、例えば、IEEE802.16−2004又はIEEE802.16eに規格されたアンテナを適用することができる。
【0040】
第1通信部52は、アンテナ51と接続し、無線通信機器2側との間の通信処理を行うものである。第1通信部52は、例えば、IEEE802.16−2004、IEEE802.16eに規格された技術を用いることができる。
【0041】
第2通信部53は、バックボーンであるWiMAX網と接続し、WiMAX網との間でデータの送受信を行うものである。
【0042】
制御部54は、基地局21の機能を司るものである。基地局21の制御部54の主な機能としては、ネットワーク初期化処理部541、中継処理部542、DREG−CMD通知部543を少なくとも有する。
【0043】
ネットワーク初期化処理部541は、無線通信機器2との間で情報(データ)をやり取りするコネクションを確立する処理を行うものである。ネットワーク初期化処理部541は、無線通信機器2との間で、同期・初期レンジング、無線通信機器2の基本能力ネゴシエーションなどを行うものである。
【0044】
中継処理部542は、無線通信機器2とWiMAX網との間で授受されるデータを中継する処理部である。
【0045】
DREG−CMD通知部543は、WiMAX網側から無線通信機器2による接続処理が失敗したことを検出した場合に、DREG−CMDを無線通信機器2に通知するものである。
【0046】
つまり、DREG−CMD通知部543は、認証サーバ24から、認証要求を行う無線通信機器2の認証結果を示す認証通知を受け取り、その認証通知が認証NGである場合に、DREG−CMDを作成し、第1通信部52を介して無線通信機器2にDREG−CMDを通知するものである。
【0047】
(A−1−3)ゲートウェイ装置の内部構成
次に、ゲートウェイ装置1の内部構成について図面を参照しながら説明する。図1は、ゲートウェイ装置1の内部構成を示す内部構成図である。
【0048】
図1において、ゲートウェイ装置1は、無線通信機器制御部11、データ制御部12、無線通信機器インタフェース部13、LANポート14、無線LAN通信部15を少なくとも有する。
【0049】
LANポート14は、端末3(端末3−1)との接続インタフェース部であり、LANケーブルのポート部である。
【0050】
無線LAN通信部15は、例えば、WiFi(登録商標)等の無線LAN通信を行うものである。無線LAN通信部15は、図示しない無線アンテナ部を有しており、端末3(端末3−2))との間で無線LAN通信を行う。
【0051】
無線通信機器インタフェース部13は、無線通信機器2との接続インタフェース部である。無線通信機器インタフェース部13は、無線通信機器と接続することができれば、様々な接続インタフェースを広く適用することができ、例えば、USB(Universal Serial Bus)やシリアル接続などを適用することができる。
【0052】
データ制御部12は、ゲートウェイ装置1のデータ制御を行うものである。データ制御部12は、無線通信機器インタフェース部13、LANポート14及び無線LAN通信部15と接続しており、それぞれの通信データの相互変換を行い、通信データを転送先に与える中継処理を行うものである。また、データ制御部12は、既存のゲートウェイ装置が搭載する機能を備え得るものであり、例えばルータ機能や通信データのセキュリティ機能等を搭載するようにしてもよい。
【0053】
無線通信機器制御部11は、無線通信機器インタフェース部13を介して接続している無線通信機器2の動作を制御するものである。
【0054】
図4は、無線通信機器制御部11の機能を示すブロック図である。図4において、無線通信機器制御部11は、起動停止要求部111、カウンタ管理部112、接続結果取得部113、接続結果判定部114、ファームウェア更新要求部115、ファームウェア送信部116を少なくとも有する。
【0055】
起動停止要求部111は、無線通信機器2に対して起動要求又は停止要求を与えるものである。起動要求のタイミングは、特に限定されるものではないが、例えば、ゲートウェイ装置1の電源ONのとき、端末3からの通信要求があったとき、通信断となったときなどがある。また、停止要求のタイミングとしては、端末3からの停止要求があったとき、後述する接続結果判定部114が無線通信機器2の契約解約状態を判断したときなどがある。
【0056】
カウンタ管理部112は、無線通信機器2が基地局21から受信したDREG−CMDの受信回数をカウントするDREG−CMD受信カウンタを管理するものである。カウンタ管理部112は、起動停止要求部111が無線通信機器2に起動要求を与えると、DREG−CMD受信カウンタを初期化する。また、カウンタ管理部112は、無線通信機器2が基地局21からDREG−CMDを受信するたびに、DREG−CMD受信カウンタをカウントするものである。これにより、基地局21から無線通信機器2に与えられたDREG−CMDの受信回数を管理することができる。
【0057】
接続結果取得部113は、無線通信機器インタフェース部13を介して、無線通信機器2から接続結果の情報を取得するものである。これにより、WiMAX網への接続処理を行う無線通信機器2の状態(すなわち接続結果)を認識することができる。
【0058】
接続結果判定部114は、接続結果取得部113から無線通信機器2の接続結果を受け取り、無線通信機器2の接続結果に基づいて、当該無線通信機器2によるWiMAX通信の契約が解約されているか否かを判定するものである。
【0059】
例えば、接続結果判定部114は、認証サーバ24から通知された無線通信機器2の認証通知が認証NGであり、かつ、基地局21からDREG−CMDを所定回数連続して受信した場合を、無線通信機器2の契約が解約されているものと判定する。
【0060】
ここで、認証サーバ24からの認証通知の判断については、接続結果判定部114が、接続結果取得部113を通じて、無線通信機器2が受信した認証通知に基づいて、認証OKか認証NGかを判断することができる。すなわち、接続結果判定部114は、認証NGであるときに、接続処理が失敗したと判定する。
【0061】
また、基地局21からのDREG−CMDの受信回数については、無線通信機器2が基地局21からDREG−CMDを受信すると、カウンタ管理部112がDREG−CMD受信カウンタのカウンタ値を1だけ増加させる。そして、接続結果判定部114は、DREG−CMD受信カウンタのカウンタ値が、事前に設定した閾値を超えたか否かにより判断することができる。
【0062】
このように、基地局21からのDREG−CMDの受信回数を複数回としたのは、WiMAX等の無線通信では伝搬環境の影響を強く受けることがあり、無線通信が失敗することも生じ得るからである。そこで、閾値の値は任意に設定又は変更することができ、またその値は3以上の値とすることが望ましい。
【0063】
なお、DREG−CMD受信カウンタは、基地局21からDREG−CMDを受信するたびに、カウンタ値を1だけ増加(インクリメント)させ、閾値との比較を行うとするが、他の例として、例えば、起動要求時に、DREG−CMD受信カウンタのカウンタ値を例えば「5」と設定し、DREG−CMDを受信するたびに、「4」、「3」、…のように1だけカウンタ値を減少させ、そのカウンタ値が「0」になったときに、無線通信機器2の契約解約を判断するようにしてもよい。
【0064】
ファームウェア更新要求部115は、接続結果判定部115により、無線通信機器2によるWiMAX通信の契約が解約されていると判定されると、無線通信機器2にファームウェアの更新を要求通知するものである。
【0065】
ファームウェア送信部116は、ファームウェア更新要求部115が無線通信機器2にファームウェアの更新通知を行うと、ファームウェア記憶部117に記憶されている無線通信の動作を停止させるファームウェアを読み出し、無線通信機器2に与えるものである。これにより、無線通信機器2に対して通信動作を停止させるファームウェアの更新をさせることができる。その結果、従来繰り返し行われていた無線通信機器2のWiMAX網への接続要求を停止させることができるので、基地局21や認証サーバ24の負担軽減を図ることができる。
【0066】
ファームウェア記憶部117は、少なくとも無線通信機器2の通信動作を無効にするファームウェアを予め記憶する記憶領域である。
【0067】
(A−1−4)無線通信機器の内部構成
次に、無線通信機器2の内部構成について図面を参照しながら説明する。図5は、無線通信機器2の内部構成を示す内部構成図である。
【0068】
図5において、無線通信機器2は、アンテナ41a、通信部41、接続インタフェース部42、制御部43を少なくとも有する。
【0069】
通信部41は、アンテナ41aと接続し、基地局21側との間の無線通信を行うものである。通信部41及びアンテナ41aは、例えば、IEEE802.16−2004、IEEE802.16eに規格された技術を用いることができる。
【0070】
接続インタフェース部42は、例えばゲートウェイ装置1又は端末3との間の接続インタフェース部であり、例えば、USBなどを適用することができる。
【0071】
制御部43は、無線通信機器2の機能を司るものである。制御部43は、ファームウェアやアプリケーションなどを記憶する記憶部44を有しており、WiMAX通信サービスを制御するものである。また、制御部43は、図5に示すように、この実施形態の主な機能として、接続結果送信部431、ファームウェア更新部432を有する。
【0072】
接続結果送信部431は、接続処理を行う無線通信機器2の状態をゲートウェイ装置1に与えるものである。接続結果送信部431がゲートウェイ装置1に与える情報としては、例えば、基地局21との間のレンジング結果、認証サーバ24による認証通知、基地局21から受信したDREG−CMDなどがある。これにより、無線通信機器2の状態をゲートウェイ装置1に通知することができる。
【0073】
ファームウェア更新部432は、ゲートウェイ装置1からファームウェアの更新通知を受け、更新用のファームウェアを受け取ると、記憶部44に記憶されるファームウェアを更新用のファームウェアに更新するものである。なお、ファームウェア更新部432は、ファームウェアの更新後に、再起動や各種設定等の所定処理を行うようにしてもよい。
【0074】
(A−2)実施形態の動作
次に、この実施形態の無線通信機器2の通信動作を停止させる処理について図面を参照しながら説明する。
【0075】
以下では、無線通信機器2を用いるユーザによりWiMAX通信の契約は解約されているものとする。契約は解約されているので、認証サーバ24は、当該ユーザのユーザ情報を削除している状態となっている。
【0076】
なお、契約解約の方法は、特に限定されるものではなく、例えば、人手による所定の解約手続きによる方法や、例えばOMA−DMを用いたオンラインでの解約手続きによる方法等でなされた場合にも適用することができる。
【0077】
(A−2−1)ネットワーク接続処理
図6は、この実施形態のネットワーク接続処理の動作を示すシーケンス図である。図6では、無線通信機器制御部11、無線通信機器2、基地局21、認証サーバ24の間の接続処理を示す。
【0078】
まず、無線通信機器2は、接続しているゲートウェイ装置1の無線通信機器制御部11から起動要求を受けると(ステップS201)、フレームを送出している基地局をスキャンして見つけ出し、その基地局21との間で同期・初期レンジングを行う(ステップS202)。
【0079】
図7は、同期・初期レンジングの処理例を示すシーケンス図である。同期・初期レンジングの手順は、既知の手順を適用することができる。図7に例示するシーケンスは、既知の手順の一例を示す。
【0080】
図7において、無線通信機器2は、基地局21から、下りリンクの無線リソース割り当て情報であるDL−MAP(Downlink Map)と、上りリンクの無線リソース割り当て情報であるUL−MAP(Uplink Map)を受信する(ステップS301)。
【0081】
無線通信機器2は、システムパラメータとしてUCD(Uplink Channel Descriptor:上りチャネル記述子)を受信する(ステップS302)。これにより、無線通信機器2は、レンジング割り当て領域情報とレンジングコード割り当て情報に基づいて、初期バックオフウィンドウ(例えば0〜15の範囲で2の自乗で表現される)内の初期レンジングのスロット(データを割り当てるための時間間隔)の1つを選択して任意に選択した初期レンジングコード(CDMAコード)を基地局21に送信する(ステップS303)。
【0082】
基地局21は無線通信機器2からの初期レンジングコードを受信すると、その応答としてRNG−RSP(Ranging Response:レンジング応答)を送信する(ステップS304)。このとき、無線通信機器2は、信号のシンボル同期を図るため、自身の送信電力と送信タイミングを、RNG−RSPに含まれる値に調整する。
【0083】
次に、基地局21はUL−MAPを送信し(ステップS305)、無線通信機器2は、基地局21から受信したUL−MAPの中に含まれているCDMA Allocation IEで割り当てられている上りのリソースを用いて、初期のRNG−REQ(Ranging Request)を基地局21に送信する(ステップS306)。
【0084】
基地局21は、初期RNG−REQに対する応答としてRNG−RSPを無線通信機器2に応答し、当該無線通信機器2に管理接続識別子を割り当てる(ステップS307)。
【0085】
無線通信機器2が初期レンジングプロセスを完了すると、割り当てられた管理接続識別子を用いて帯域を要求し、割り当てられたリソースを通じて無線通信機器2がサポートできる物理層に関するパラメータ(設定値)と認証関連能力の情報を含むSBC−REQ(SS Basic Capability Request)を基地局に送信する(ステップS308)。そして、基地局21は、無線通信機器2がサポート可能な能力の中で、実際に運用できるモードを決定してSBC−RSP(SBC Response)を無線通信機器2に送信する(ステップS309)。
【0086】
無線通信機器2は、上記のようにして基地局21との間で同期・初期レンジングを行い、決定されたパラメータを用いて基地局21と通信を行う。
【0087】
次に、無線通信機器2は、基地局21を介して、認証サーバ24との間で、サーバ認証を行い(ステップS203)、認証サーバ24によるユーザ認証がなされる(ステップS204)。
【0088】
図8は、無線通信機器2と認証サーバ24との間の認証処理例を示すシーケンス図である。認証処理は、既知の認証処理を適用することがでる。図8に例示する認証処理は、WiMAXに適用されるEAP手順を通じて認証する一例である。
【0089】
無線通信機器2は、認証サーバ24からPKM−RSP(EAP Request(ID要求))を受信する(ステップS401)。無線通信機器2は、PKM−REQ(EAP Response(ID通知))を認証サーバ24に送信する(ステップS402)。
【0090】
無線通信機器2は、認証サーバ24からPKM−RSP(EAP Request(TTLS開始))を受信する(ステップS403)。無線通信機器2は、PKM−REQ(EAP Response(TTLS Client hello))を認証サーバ24に送信する(ステップS404)。
【0091】
無線通信機器2は、認証サーバ24からPKM−RSP(EAP Request(RAUDISアクセスチャレンジ))を受信する(ステップS405)。無線通信機器2は、PKM−REQ(EAP Response(RAUDISアクセスリクエスト))を認証サーバ24に送信する(ステップS406)。
【0092】
無線通信機器2は、認証サーバ24からPKM−RSP(EAP Request(RAUDISアクセスチャレンジ))を受信する(ステップS407)。無線通信機器2は、PKM−REQ(EAP Response(ユーザID))を認証サーバ24に送信する(ステップS408)。
【0093】
認証サーバ24は、ステップS408で無線通信機器2が認証に必要なユーザ情報を受け取ると、そのユーザ情報を用いてユーザ認証を行う。しかし、無線通信機器2によるWiMAX通信の契約は解約されている。つまり、認証サーバ24に登録されていたユーザのユーザ情報は削除されている。そのため、認証サーバ24は、無線通信機器2からのユーザ情報を用いたユーザ認証は失敗する。認証サーバ24は、無線通信機器2に対して、認証NGであることを示す認証通知PKM−RSP(EAP Failure)を送信する(ステップS409、図6のステップS205)。
【0094】
基地局21は、認証サーバ24から無線通信機器2宛の認証通知を監視している。基地局21では、認証サーバ24からの認証通知が認証NGであることを認識すると、DREG−CMD通知部543がDREG−CMDを作成して、無線通信機器2にDREG−CMDを通知する(図8のステップS410、図6のステップS206)。
【0095】
ここで、DREG−CMD通知部543がDREG−CMDを送信するタイミングは、無線通信機器2が行うネットワーク接続処理のタイムアウト期間内とする。
【0096】
例えば、無線通信機器2は、無線通信機器制御部11から起動要求を受けてから、同期・初期レンジング、認証処理等のネットワーク接続の初期化プロセスを開始する。無線通信機器2が行うネットワーク接続処理には、タイムアウト期間が設けられており、接続処理は、そのタイムアウト期間内で行われる。タイムアウト期間に、同期・初期レンジング、認証処理等の接続処理が成功しない場合、ネットワーク接続処理は失敗とみなし、無線通信機器2は再度接続処理を行う。
【0097】
DREG−CMD通知部543は、無線通信機器2へのDREG−CMDの通知を、上記タイムアウト期間内となるタイミングで行う。これは、無線通信機器2から見れば、1回のネットワーク接続処理の工程の中で、基地局21からDREG−CMDの通知を受けることができる。そのため、後述するように、無線通信機器2の状態を監視する無線通信機器制御部11は、無線通信機器2が解約後の状態であることを迅速に判断することができる。
【0098】
例えば、図6の例の場合、ステップS201の無線通信機器制御部11による起動要求からのタイムアウト期間が1秒であるとする。このようなタイムアウト期間の場合、DREG−CMD通知部543は、認証サーバ24から認証通知を受けてから、次回の同期・初期レンジング処理が開始されるまでの間に、無線通信機器2にDREG−CMDを通知する。
【0099】
次に、DREG−CMD通知部543が作成するDREG−CMDのメッセージ構成を説明する。図9は、DREG−CMD通知部543が通知するDREG−CMDのメッセージの構成を説明する説明図である。
【0100】
DREG−CMDのメッセージは、MACマネージメントメッセージとして作成されるものであり、図9に示すように、一般MACヘッダ、ペイロード、CRC(Cyclic Redundancy Check)を有して構成される。
【0101】
一般MACヘッダには、無線通信機器2のMACアドレスが送信先MACアドレスとして、基地局21のMACアドレスが送信元MACアドレスとして記述される。
【0102】
ペイロードには、マネージメントメッセージタイプ、マネージメントメッセージペイロードとが含まれる。そして、マネージメントメッセージタイプには、DREG−CMDであることを示す「Type=29」が記述される。また、マネージメントメッセージペイロードに含まれるアクションコードには、初期化プロセスのやり直しを要求するアクションコード「0x00」が記述される。TLV(Type Lengh Value)は、拡張などの可変長の形式を示す。
【0103】
上記のように、無線通信機器2が、認証サーバ24から認証通知を受信したり、基地局21からDREG−CMDの通知を受けたりすると、無線通信機器2は、これらを接続結果として無線通信機器制御部11に通知する(ステップS207)。
【0104】
なお、無線通信機器2は、後述するように無線通信機器制御部11から停止要求があるまで、図6〜図8に例示した接続処理を繰り返し行う。
【0105】
(A−2−2)無線通信機器制御部11における処理
図10は、無線通信機器制御部11における処理の動作を示すフローチャートである。
【0106】
まず、無線通信機器制御部11では、起動停止要求部111が、無線通信機器2に対して起動要求を行う(ステップS101)。起動停止要求部111が起動要求を行うと、カウンタ管理部112は、DREG−CMD受信カウンタを初期化し(ステップS102)、DREG−CMD受信カウンタの閾値N(Nは正の整数)の設定を行う(ステップS103)。
【0107】
このとき、無線通信機器2は図6〜図8に例示したネットワーク接続処理を行い、無線通信機器制御部11は、無線通信機器2からネットワーク接続処理の接続結果の通知を待つ(ステップS104)。
【0108】
無線通信機器制御部11において、接続結果取得部113が、無線通信機器2からの接続結果を受信すると(ステップS104)、接続結果判定部114が、その接続結果を解析して無線通信機器2の状態を判断する。
【0109】
ここではWiMAX通信の解約後であるから、認証サーバ24から認証NGとする認証通知PMK−RSP(EAP Failure)が接続結果として無線通信機器制御部11に与えられる。つまり、接続結果判定部114は、無線通信機器2についての認証通知が認証NGであることを判定する(ステップS105)。
【0110】
さらに、接続結果判定部114は、基地局21からDREG−CMDを受信したか否かを判定する(ステップS106)。基地局21からDREG−CMDを受信した場合、カウンタ管理部112は、DREG−CMD受信カウンタのカウンタ値を1だけ増加させる(ステップS107)。
【0111】
そして、DREG−CMD受信カウンタのカウンタ値が閾値Nを越えるか否かを判定し、カウンタ値が閾値Nを越えていない場合、無線通信機器制御部11は、無線通信機器2に対して、ネットワーク接続処理の初期化プロセスを再度行うようにする。つまり、無線通信機器2は、図6〜図7に例示した接続処理を再度行い、無線通信機器制御部11は、ステップS104に戻り、無線通信機器2から接続結果の受信を待つ。
【0112】
一方、DREG−CMD受信カウンタのカウンタ値が閾値Nを越えた場合、接続結果判定部114は、無線通信機器2が解約後の状態であると判定する。
【0113】
この場合、まず、無線通信機器制御部11では、起動停止要求部111が無線通信機器2に対して動作停止を要求する(ステップS109)。これにより、無線通信機器2によるネットワーク接続処理を停止させることができる。
【0114】
次に、ファームウェア更新要求部115は、無線通信機器2に対して、ファームウェアの更新要求を通知する(ステップS110)。そして、無線通信機器2でのファームウェアの更新準備が整うと、ファームウェア送信部116は、ファームウェア記憶部117に記憶される、通信動作を無効にするファームウェアを無線通信機器2に送信する(ステップS111)。
【0115】
これにより、無線通信機器2では、ファームウェア更新部432が、受信した通信動作を無効にするファームウェアを更新する。このファームウェアの更新が終了すると、無線通信機器2は、WiMAX通信が不可能な状態となるので、基地局21への接続処理を行わなくなる。
【0116】
(A−3)実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、基地局は、無線通信機器についての認証結果が認証NGとする認証通知を受けると、DREG−CMDを上記無線通信機器に通知することができる。
【0117】
また、第1の実施形態によれば、無線通信機器制御部は、無線通信機器の接続結果として、接続NGであり、基地局からDREG−CMDを受信したことを契機に、WiMAX通信動作を無効にするファームウェアの更新をさせることができる。そのため、解約後であってもユーザ情報の削除がなされていない無線通信機器が、繰り返し行うWiMAX通信の接続処理を停止させることができる。その結果、従来のような基地局や認証サーバが負っていた負荷を回避することができる。
【0118】
(B)他の実施形態
(B−1)上述した実施形態は、契約解約後に、接続要求する無線通信機器に対して、ファームウェアの更新をさせる場合を一例として説明したが、これに限定されることなく、オンラインによるOMA−DMによる解約手続きにおいて、無線通信機器にファームウェアの更新をするようにしてもよい。
【0119】
例えば、OMA−DMを用いたオンラインによる解約手続きの場合も、無線通信機器はユーザ情報の削除がなされていないので、基地局や認証サーバとの間の接続処理を繰り返し行い得る。この場合も、上述した実施形態で説明した処理を適用することができ、基地局からのDREG−CMDの受信に基づき、無線通信機器にファームウェアの更新をさせることができる。
【0120】
(B−2)上述した実施形態では、ゲートウェイ装置に無線通信機器が接続できる場合を例示したが、無線通信機器が、PC等の端末に搭載されるようにしてもよい。このような場合には、無線通信機器制御部が、PC等の端末にソフトウェアとして搭載されるようにしてもよい。
【0121】
また、上述した実施形態では、USBなどで無線通信機器がゲートウェイ装置に接続可能な場合を例示したが、無線通信機器が、ゲートウェイ装置に内蔵される場合でもよい。
【0122】
(B−3)上述した無線通信機器制御部、基地局、無線通信機器等の機能は、いわゆるソフトウェア処理により実現されるものである。例えば、ゲートウェイ装置や端末等のハードウェアが備える記憶部に処理プログラムが記憶され、CPUが記憶部から処理プログラムを読み出して実行することにより実現される。
【符号の説明】
【0123】
10…ネットワーク、1…ゲートウェイ装置、
11…無線通信機器制御部、12…データ制御部、14…LANポート、
13…無線通信機器インタフェース部、15…無線LAN通信部、
2…無線通信機器、3(3−1、3−2)…端末、4…無線通信網、
21…基地局、
51…アンテナ、52…第1通信部、53…第2通信部、54…制御部、
23…登録サーバ、24…認証サーバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信網への接続処理を行う無線通信装置と、
上記無線通信網を構成するものであって、上記無線通信装置による上記接続処理の失敗を検出すると、上記無線通信装置に対して切断信号を通知する基地局と、
上記無線通信装置の状態を監視して動作制御するものであって、上記無線通信装置から接続処理の結果を受け取り、上記接続処理の結果が接続失敗であり、上記基地局から上記切断信号の通知を受けた場合に、上記無線通信装置に対して通信動作を停止させる無線通信制御手段と
を備えることを特徴とする無線通信制御システム。
【請求項2】
上記無線通信制御手段が、
上記無線通信装置の通信動作を無効にする通信動作無効機能を記憶する記憶部と、
上記無線通信装置の上記接続処理の結果が接続失敗であり、上記基地局から上記切断信号の通知を受けた場合に、上記通信動作無効機能を上記無線通信装置に与える通信動作制御部と
を有することを特徴とする請求項1に記載の無線通信制御システム。
【請求項3】
上記通信動作制御部は、上記基地局からの上記切断信号の受信回数が所定数を超えたときに、上記通信動作無効機能を上記無線通信装置に与えることを特徴とする請求項2に記載の無線通信制御システム。
【請求項4】
上記通信動作無効機能がファームウェアであり、
上記通信動作制御部が、通信動作を停止させる上記ファームウェアの更新を上記無線通信装置にさせるものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の無線通信制御システム。
【請求項5】
上記基地局は、上記無線通信装置による上記接続処理において、上記無線通信網上の認証サーバから認証失敗を示す認証通知を受けたときに、上記無線通信装置に上記切断信号を通知するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の無線通信制御システム。
【請求項6】
無線通信網への接続処理を行う無線通信装置の動作を制御する無線通信制御装置において、
上記無線通信装置による上記接続処理の結果を上記無線通信装置から取得する接続結果取得手段と、
上記接続処理の結果が接続失敗であり、上記無線通信網を構成する基地局から切断信号の通知を受けた場合に、上記無線通信装置に対して通信動作を停止させる通信動作制御手段と
を備えることを特徴とする無線通信制御装置。
【請求項7】
無線通信網への接続処理を行う無線通信装置の動作を制御する無線通信制御プログラムにおいて、
コンピュータを、
上記無線通信装置による上記接続処理の結果を上記無線通信装置から取得する接続結果取得手段、
上記接続処理の結果が接続失敗であり、上記無線通信網を構成する基地局から切断信号の通知を受けた場合に、上記無線通信装置に対して通信動作を停止させる通信動作制御手段
として機能させることを特徴とする無線通信制御プログラム。
【請求項8】
無線通信網を構成する基地局において、
無線通信装置から上記無線通信網への接続要求を受けると、その接続要求を上記無線通信網に中継する中継手段と、
上記無線通信網側から上記無線通信装置による上記接続処理の失敗を検出すると、上記無線通信装置に対して切断信号を通知する切断信号通知手段と
を備えることを特徴とする基地局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−15601(P2012−15601A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−147627(P2010−147627)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(308033722)株式会社OKIネットワークス (165)
【Fターム(参考)】