説明

無線通信方式および通信端末装置

【課題】XGPの無線通信システムにおいて、中継局が非再生方式および周波数変換方式の中継を行っても通信効率の低下を防止できる無線中継方式および通信端末を提供する。
【解決手段】基地局、中継局および通信端末を含むXGPの無線通信システムにおいて、移動局(通信端末)は、BCCH、PCHなどの下り方向通常制御チャネルを受信した周波数帯と、下り方向通常制御チャネルに含まれる周波数帯割り当て情報にて割り当てられる周波数帯とが異なる場合、周波数帯割り当て情報により指定された周波数帯に関わらず、前記下り方向通常制御チャネルを受信した周波数帯を使用し、周波数割り当て情報を実際に使用する周波数帯に読み替えて、リンクチャネル確立シーケンスを継続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信方式にOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)/TDD(Time Division Duplex)方式を採用するXGP(eXtended Global Platform)の無線通信システムに関し、特に、基地局と端末との間で信号の中継を行う中継送受信装置における中継方式に関するものである。
【背景技術】
【0002】
移動体通信においては、基地局からの電波が建物の壁などで減衰して十分な受信電界強度を得られず、移動局(端末)が安定した通信を行えない不感地帯(例えば屋内や地下)が生じ得る。この対策としては、例えば屋内の不感地帯を無くすために、屋外基地局の電波が届く窓際などに中継送受信装置(以下「中継局」)を置く方式がある。この方式は、中継局が、下り方向(基地局から移動局への方向)の電波と上り方向(移動局から基地局への方向)の電波とを受信し、それらを増幅して再送信するものである。
【0003】
特にXGPの無線通信システムでは、通信方式にOFDMA/TDDを採用しており(非特許文献1)、例えば基地局−中継局間あるいは中継局−移動局間の無線区間では、それぞれ下り方向と上り方向で同一周波数帯が使用されている。
【0004】
XGPの中継局が行う中継方式としては、再生方式と非再生方式とが考えられる。再生方式は、中継局が下り方向および上り方向の受信信号を一旦復調し、バッファなどを用いてリタイミングした後、再変調・再送信するものである(例えば特許文献1)。再生方式では、中継局内の基地局側と移動局側のそれぞれでPHY(physical layer)を終端するため、回路規模が大きくなり、同時に消費電力も大きくなるという問題がある。
【0005】
これを解決した方式が非再生方式である。非再生方式では、中継局が、下り方向および上り方向の受信信号のそれぞれを復調しないまま、リタイミングして再送信する。
【0006】
また、XGPの中継局が、移動局との通信に使用する周波数帯を割り当てる方式としては、基地局−中継局間周波数帯と同一の周波数帯を割り当てる周波数無変換方式と、それとは異なる周波数帯を割り当てる周波数変換方式とが考えられる。周波数変換方式の具体例としては、従来PHS(Personal Handyphone System)の中継局が、基地局側では公衆用周波数を使い、移動局側では自営用周波数を使う、といったものが挙げられる(特許文献2)。
【0007】
周波数無変換方式では、中継局内での干渉を防止するために、基地局側と移動局側とのアイソレーションを図る必要がある。XGPでは、中継局の下り方向と上り方向の双方ともアンテナ利得が最大4dBiと定められており(非特許文献2)、アンテナパターンの指向性が十分でない。そのため、アイソレーションを図るために中継局の回路構造が複雑化し、中継局の大型化、重量化、高コスト化を招く問題を伴う。よってXGPの特に屋内向けの中継局では、周波数変換方式が好ましいと言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−51374号公報
【特許文献2】特開平9−200113号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】ARIB STD-T95 Version 1.3
【非特許文献2】平成21年度 情報通信審議会 情報通信技術分科会 広帯域移動無線アクセスシステム委員会報告
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の説明から分かるように、XGPの通信システムでは、中継局が非再生方式および周波数変換方式を採用することにより、中継局の回路構造の小規模化、構造の簡素化、小型・軽量化が可能となる。しかし、例えば屋内用の通信システムでは中継局−移動局間で使用可能な周波数帯が予め固定されていることもあり、そのようなシステムで非再生方式および周波数変換方式を用いた中継を行うと、以下のような問題が生じる。
【0011】
例えば中継局または屋内基地局−移動局間の通信で使用可能な周波数帯f1と、屋外基地局−中継局または移動局間の通信で使用可能な周波数帯f2,f3とが固定された通信システムを仮定し、このシステムの中継局が、非再生方式および周波数変換方式による中継処理を行う場合を考える。
【0012】
この場合、移動局が中継局経由で屋外基地局に送るリンクチャネル確立要求は、周波数帯f1内のサブチャネルである通常制御チャネルが使われる。このリンクチャネル確立要求は、中継局によって中継される際、中継局−屋外基地局間で使用可能な周波数帯f2内のサブチャネルに変換される。このとき中継局は、非再生方式による中継を行うため、移動局から受けた信号(リンクチャネル確立要求)に対し、それが中継局を経由した信号であることを示す情報を付加できない。よってリンクチャネル確立要求を受信した屋外基地局は、それが中継局を経由したものか、移動局から直接受信したものかを判別できない。
【0013】
その結果、屋外基地局がリンクチャネル割り当てメッセージ内に入れる周波数帯割り当て情報は、屋外基地局−中継局または屋外基地局が直接通信する移動局間用のもの(周波数帯f2またはf3)となり、実際に中継局−移動局間で使用されるべき周波数帯f1とは異なるものになるという現象が生じる。
【0014】
この現象が生じると、移動局の動作として、屋外基地局から中継局経由で移動局が受信するリンクチャネル割り当てメッセージ内の周波数割り当て情報を不正なものと判断し、当該リンクチャネル割り当てメッセージを破棄するケースが考えられる。この場合、移動局が再度リンクチャネル確立要求を送信しても、上記現象が繰り返し発生するだけであり、リンクチャネルを確立することができない。あるいは、移動局の動作として、割り当てられた周波数帯にてリンクチャネルを確立しようとするケースも考えられる。しかし、この場合は、中継局が移動局から待ち受ける周波数帯と移動局が送信する周波数帯とが異なるため、リンクチャネルは確立しない。中継局が、周波数割り当てを移動局へ中継(再送信)する際、下り方向と上り方向の周波数帯が同一になるように周波数割り当ての情報を書き換えることができればこの問題を解決できるが、中継局は非再生方式なのでその書き換えは不可能である。
【0015】
また非特許文献1では、下り方向(基地局から移動局への方向)の通常制御チャネル信号のBCCH(Broadcast Control Channel)、PCH(Paging Channel)のメッセージ領域に周波数帯割り当て情報が定義されていない。このため、中継局と屋内基地局とが混在し、それらが下り方向に同一の周波数帯で通常制御チャネルを送信するようなエリアでは、移動局は、BCCH、PCHを受信しただけでは、それが中継局からのものか、屋内基地局からのものかを識別できない。例えばシステム上で移動局の接続先の優先順位が定められていたとしても、移動局は、必ずしも優先順位の高い装置にリンクチャネル確立要求を上げることができず、リンクチャネル割り当てを受信した後でなければ、リンクチャネル確立要求の送信先が妥当であったかを判断できない。送信先が妥当でなかった場合、移動局は、報知情報の別の発信元を検索し、再びリンクチャネル確立要求を送信することになり、通信効率が低下する。
【0016】
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、XGPを用いた無線通信システムにおいて、中継局が行う中継方式として非再生方式および周波数変換方式が採用されても通信効率の低下を防止できる無線中継方式および通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の局面に係る無線通信方式は、屋外基地局、中継局および通信端末を含み、通信方式にOFDMA/TDD方式を採用するXGPの無線通信方式であって、前記通信端末は、BCCH、PCHなどの下り方向通常制御チャネルを受信した周波数帯と、当該リンクチャネル確立要求の応答である周波数帯割り当て情報で割り当てられた周波数帯とが異なる場合、これを中継局経由であると判断し、前記周波数帯割り当て情報により指定された周波数帯に関わらず、前記下り方向通常制御チャネルを受信した周波数帯を使用してシーケンスを継続するものである。
【0018】
本発明の第2の局面に係る無線通信方式は、屋外基地局、中継局、屋内基地局および通信端末を含み、通信方式にOFDMA/TDD方式を採用するXGPの無線通信方式であって、前記屋外基地局は、下り方向通常制御チャネルと同一の周波数帯で、前記通信端末および中継局が同期をとるための情報を含む下り方向追加制御チャネルを送信し、前記中継局は、前記屋外基地局からの下り方向通常制御チャネルおよび下り方向追加制御チャネルを前記通信端末へと中継し、前記通信端末は、下り方向追加制御チャネルを検出する手段を有し、下り方向追加制御チャネルが検出された周波数帯に属する下り方向通常制御チャネルは前記中継局から発信されたものと判断し、下り方向追加制御チャネルが検出されない周波数帯に属する下り方向通常制御チャネルは前記屋内基地局から発信されたものと判断するものである。
【0019】
本発明の第3の局面に係る無線通信方式は、屋外基地局、中継局、屋内基地局および通信端末を含み、通信方式にOFDMA/TDD方式を採用するXGPの無線通信方式であって、屋外基地局または屋内基地局からの下り方向通常制御チャネル(BCCHまたはPCH)に、あらかじめ前記屋外基地局または屋内基地局が使用する周波数帯の情報を加えることにより、この周波数帯情報と、実際に通信端末が受信した下り方向通常制御チャネル(BCCHまたはPCH)の周波数帯とを比較することにより、下り方向通常制御チャネルの送信元を判別するものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明の第1の局面によれば、中継局が行う中継方式として非再生方式および周波数変換方式が採用されても、通信端末は、中継局経由で屋外基地局とリンクチャネルを確立することができ、通信端末が繰り返しリンクチャネル確立要求を送信することを回避できるため、通信効率の低下を防止できる。
【0021】
本発明の第2の局面によれば、通信端末は、リンクチャネル確立要求を上げる前(下り方向通常制御チャネル(BCCHまたはPCH)の受信段階)に、自身が検出した下り方向通常制御チャネルの発信元が中継局か屋内基地局か、あるいは屋外基地局かを判別することができる。よってリンクチャネル確立要求を、システムで要求された下り方向通常制御チャネルの発信元へ確実に上げることができるので、リンクチャネル確立要求が繰り返されることを防止でき、通信効率を高めることができる。
【0022】
本発明の第3の局面によれば、通信端末は、下り方向追加制御チャネルを検索・受信することなく、自身が検出した下り方向通常制御チャネルの発信元が中継局か、屋内基地局か、あるいは屋外基地局かを判別することができる。
【0023】
従って本発明によれば、XGPの中継局が行う中継方式として非再生方式および周波数変換方式を採用することが容易になり、中継局の回路構造の小規模化、構造の簡素化、小型・軽量化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態1に係る無線通信システムの概略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る移動局の概略構成図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る中継局の概略構成図である。
【図4】本発明の実施の形態1において中継局から移動局に送信される下り方向制御チャネルの送信タイミングの一例を示した図である。
【図5】本発明の実施の形態1において下り方向追加制御チャネルを付加した場合の、下り方向制御チャネルの送信タイミングの一例を示した図である。
【図6】本発明の実施の形態1における下り方向追加制御チャネルのPRU構造を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態1における下り方向追加制御チャネルのシンボル構造を簡易的に示した図である。
【図8】下り方向追加制御チャネルにおいて絶対スロット番号情報「1」を報知する場合のシンボルS3〜S6の構成を示す図である。
【図9】下り方向追加制御チャネルにおいて絶対スロット番号情報「2」を報知する場合のシンボルS3〜S6の構成を示す図である。
【図10】下り方向追加制御チャネルにおいて絶対スロット番号情報「3」を報知する場合のシンボルS3〜S6の構成を示す図である。
【図11】下り方向追加制御チャネルにおいて絶対スロット番号情報「4」を報知する場合のシンボルS3〜S6の構成を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態1に係る移動局の動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態2に係る無線通信システムの概略構成図である。
【図14】本発明の実施の形態2に係る無線通信システムが解決する課題を説明するための図である。
【図15】本発明の実施の形態2に係る移動局の動作を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態3に係る移動局の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係る無線通信システムの概略構成図である。当該システムは、XGP規格に則った通信を行うものであり、屋外基地局101と、中継局201と、移動局301とを備えている。
【0026】
図2は移動局301の主要構成を示す図である。移動局301は、アンテナ601、復調器602、振幅検波器604、信号解析器605、相関器606およびそれらの動作を制御する制御部603を備えている。アンテナ601は、屋外基地局101または中継局201との間で電波を送受信するためのものである。復調器602は、FFT(Fast Fourier Transform)により受信信号を復調する。振幅検波器604は、FFTにより得られる振幅情報に対し振幅検波を行うことにより、屋外基地局101から送信される下り方向追加制御チャネルを検索することが可能である。相関器606は、下り方向追加制御チャネルの信号と既知信号との相関演算を行う。信号解析器605は、下り方向追加制御チャネルおよび相関演算結果を解析し、フレーム同期のための情報を制御部603に提供する。
【0027】
ここで、下り方向追加制御チャネルは、当該下り方向追加制御チャネルが送信される絶対スロット番号情報を報知するシンボルを含んでいる。中継局201は、屋外基地局101から送信される下り方向追加制御チャネルから絶対スロット番号情報を取得することによって、屋外基地局101に対してフレーム同期することができる。
【0028】
図3は、中継局201の主要構成を示す図である。中継局201は、基地局側アンテナ501、基地局側切替器502、上り方向増幅器503、移動局側切替器504、移動局側アンテナ505、下り方向増幅器506、相関器507、振幅検波器508、信号解析器509、制御部510を備えている。
【0029】
基地局側アンテナ501は、屋外基地局101との間で電波を送受信するためのものであり、移動局側アンテナ505は、移動局301との間で電波を送受信するためのものである。上り方向増幅器503は、移動局301から屋外基地局101への方向(上り方向)に送信された電波を中継するものであり、移動局側アンテナ505で受信した信号を増幅して基地局側アンテナ501から再送信する。下り方向増幅器506は、屋外基地局101から移動局301への方向(下り方向)に送信された電波を中継するものであり、基地局側アンテナ501で受信した信号を増幅して移動局側アンテナ505から再送信する。上り方向増幅器503および下り方向増幅器506では、受信信号は復調されない状態で増幅され、リタイミングされて再送信される。つまりこの中継局201は、非再生方式による中継を行う。
【0030】
基地局側切替器502は、基地局側アンテナ501と上り方向増幅器503および下り方向増幅器506との接続を切り替えるものであり、移動局側切替器504は、移動局側アンテナ505と上り方向増幅器503および下り方向増幅器506との接続を切り替えるものである。基地局側切替器502および移動局側切替器504は制御部510により制御される。
【0031】
振幅検波器508は、屋外基地局から受信した制御チャネルを振幅検波し、下り方向追加制御チャネルを検索する。信号解析器509は、振幅検波器508が出力する検波出力をシンボル毎に解析して、絶対スロット番号情報を取得する。相関器507は、下り方向追加制御チャネルの信号と既知信号との相関演算を行う。制御部510は、振幅検波器508が出力した絶対スロット番号情報および相関演算結果に基づきTDDフレームを生成し、基地局側切替器502および移動局側切替器504を用いて下り方向の信号と上り方向の信号との切り替えを制御する。
【0032】
中継局201は、屋外基地局−中継局または移動局間の通信で使用可能な周波数帯f1を使用して屋外基地局101から受信した下り方向通常制御チャネルを、常時、屋外基地局または中継局−移動局間で使用可能な周波数帯f2の下り方向通常制御チャネルに変換して移動局301へと送信する。この送信タイミング(マルチフレームタイミングおよびTDMA(Time Division Multiple Access)スロット)は、屋外基地局101での送信タイミングと同じタイミングとなる。図4に、中継局201あるいは屋外基地局101における、下り方向通常制御チャネルの送信タイミングの例を示す。この例では、下り方向通常制御チャネルのうち、報知チャネル(BCCH)が、マルチフレームにおける2番目のTDMAフレーム内の第2スロットで送信されている。
【0033】
中継局201は、屋外基地局101から送信される下り方向追加制御チャネルから、以下のようにして絶対スロット番号情報を取得することにより、屋外基地局101に対してフレーム同期することができる。
【0034】
すなわち、屋外基地局101は、使用する下り方向通常制御チャネルとは別に、同一のマルチフレーム内の異なるタイミングで、下り方向追加制御チャネルを送信する。上の例のようにBCCHのマルチフレームにおける2番目のTDMAフレーム内の第2スロットで下り方向通常制御チャネルを送信する場合、例えば図5のように、それと同じマルチフレームのN番目のTDMAフレームの第1スロットで下り方向追加制御チャネルを送信する。この下り方向追加制御チャネルの送信タイミングは、システム内で固定してもよいし、屋外基地局101がキャリアセンスを行い、最適と判断したタイミングで送信してもよい。
【0035】
屋外基地局101が送信する下り方向追加制御チャネルは、中継局201に対しては、図6に示すPRU(Physical Resource Unit:1サブチャネル/TDMAスロットとした通信のための最小単位))構造の制御チャネル構造とする。このうちサブキャリアF1とF13は、DCキャリアまたはガードキャリアであり、振幅を0とする。その他のサブキャリアF2〜F12,F14〜F24にデータシンボルが載る。
【0036】
下り方向追加制御チャネルのシンボルS1,S2は、図7(a)に示す下り方向通常制御チャネルのトレーニングシンボルと同一構造を持ち、連続した2つのOFDMデータである第1および第2OFDMデータで構成される。ただし、下り方向追加制御チャネルのトレーニングシンボルのインデックス(トレーニングインデックス)は、下り方向通常制御チャネルのトレーニングインデックスと異なる値をとるようにする。一方、シンボルS3〜S19は、図7(b)に示す構造を持ち、シンボルS3〜S19のGI(Guard Interval)とOFDMデータは、シンボルS1,S2のGIの一部と、第1OFDMデータと同一のOFDMデータとで構成される。
【0037】
下り方向追加制御チャネルのシンボルS3〜S6は、下り方向追加制御チャネルを送信する絶対スロット番号情報を報知するためのシンボルとする。例えば、下り方向追加制御チャネルが第1スロットで送信する場合、図8のようにシンボルS3にデータシンボルを載せて、シンボルS4〜S6はデータシンボルを載せずに振幅を0とする。なお、図8ではサブキャリアF24のみ記載しているが、サブキャリアF2〜F12,F14〜F23にも同様にデータシンボルを載せる。
【0038】
また、下り方向追加制御チャネルが第2スロットで送信される場合は、図9のようにシンボルS4にデータシンボルを載せ、シンボルS3,S5,S6はデータシンボルを載せずに振幅を0とする。下り方向追加制御チャネルが第3スロットで送信される場合は、図10のようにシンボルS5にデータシンボルを載せ、シンボルS3,S4,S6はデータシンボルを載せずに振幅を0とする。下り方向追加制御チャネルが第4スロットで送信される場合は、図11のようにシンボルS6にデータシンボルを載せ、シンボルS3〜S5はデータシンボルを載せずに振幅を0とする。
【0039】
屋外基地局101が送信する下り方向追加制御チャネルのスロット内平均電力が下がっていると、他の屋外基地局(不図示)が下り方向通常チャネルあるいは下り方向追加制御チャネルの送信前にキャリアセンスを行って、屋外基地局101の下り方向追加制御チャネルの送信スロットが未使用スロットと判断する懸念がある。それを防止する目的で、屋外基地局101は、屋外基地局101は下り方向追加制御チャネルのシンボルS7〜S19にもデータシンボルを載せ、そのスロット内平均電力を上げる。
【0040】
中継局201は、屋外基地局101とのフレーム同期が完了した時点で、下り方向への、制御チャネルの非再生中継を開始する。
【0041】
図12は、本実施の形態に係る移動局301の動作を示すフローチャートである。以下、同図に基づき、移動局301の動作を説明する。
【0042】
移動局301は、まず下り方向通常制御チャネルを検索する(ST1)。そして検出された下り方向通常制御チャネルのうち最良の受信状態のものを選択し(ST2)、その下り方向通常制御チャネル(BCCH、PCH)に同期する。
【0043】
受信した下り方向通常制御チャネルの周波数帯が屋内用のものであるか否かを判別し(ST3)、屋内用のものであれば、この下り方向通常制御チャネルの送信元は、中継局か、あるいは屋内基地局であると判断する(ST5)。また、受信した下り方向通常制御チャネルの周波数帯が屋外用のものであれば、送信元を屋外基地局であると判断して、通常のリンクチャネル確立処理を継続する(ST4)。以下は屋内用周波数帯のものを受信した場合について説明する。
【0044】
その後、位置登録あるいは発呼、着呼などのイベントが発生すると(ST6)、移動局301は、同期した下り方向通常制御チャネルの発信元の屋外基地局101に対して、上り方向制御チャネルであるリンクチャネル確立要求(TCCH)を送信する(ST7)。その後、これに対する応答として屋外基地局101から送られてくる下り方向通常制御チャネル(SCCH)であるリンクチャネル割り当て、あるいは割り当て拒否を受信する(ST8)。
【0045】
移動局301が受信した下り方向通常制御チャネルがリンクチャネル割り当てである場合、移動局301は、これに含まれる周波数帯割り当て情報と、現在実際に同期している下り方向通常制御チャネルの周波数帯(実使用周波数帯)とを比較する(ST9)。これが不一致の場合(ST9において「Yes」)は、受信した下り方向通常制御チャネル(リンクチャネル割り当て)を、中継局201を経由したものと認識し(ST10)、周波数帯割り当て情報を実使用周波数帯に読み替える(ST11)。従ってその後は実使用周波数帯を使用して、位置登録、または発呼、着呼のシーケンスが継続される(ST12)。
【0046】
逆に、周波数帯割り当て情報と、下り方向通常制御チャネルの実使用周波数帯とが一致する場合(ST9において「No」)は、受信した下り方向通常制御チャネルを屋内基地局から直接受信したもの(中継局201を経由していないもの)と認識し(ST13)、周波数帯割り当て情報で指定された周波数帯を使用して、その後のシーケンスを継続する(ST14)。
【0047】
このように本実施の形態に係る移動局301は、受信したリンクチャネル割り当てに含まれる周波数帯割り当て情報と実使用周波数帯とが不一致であった場合でも、それが中継局201を経由したものと認識してこの不一致を許容し、周波数帯割り当て情報と実使用周波数帯に読み替える。これにより移動局301は、中継局201との間で上り方向と下り方向で同一周波数帯を使用するXGP規格に則った通信を行うことでき、通信効率の低下を防止できる。その結果、XGPの中継局201が行う中継方式として非再生方式および周波数変換方式を採用することが容易になり、中継局201の回路構造の小規模化、構造の簡素化、小型・軽量化が可能となる。
【0048】
<実施の形態2>
実施の形態1では、XGPのシステムにおいて、移動局301がリンクチャネル確立要求を送信した後のリンクチャネル割り当て時に、下り方向通常制御チャネル(リンクチャネル割り当て)の発信元が中継局201なのか屋外基地局101なのか識別することができる。
【0049】
一方、図13に示すように、移動局301が中継局201と屋内基地局401の両方からの下り方向通常制御チャネルを検出可能な環境下では、システム管理の理由により中継局201と屋内基地局401のどちらかを指定して優先的に同期させたい場合がある。例えば移動局が享受するスループットを優先する目的で、移動局301を屋内基地局401に同期させたい場合や、また例えばトラフィック調整の目的で、移動局301を中継局201に同期させたい場合が考えられる。
【0050】
図14は、実施の形態1の移動局301をそのような環境に適用した場合の動作を示すフローチャートである。同図において図12と同様の処理ステップには、同一の符号を付してある。
【0051】
実施の形態1の移動局301は、リンクチャネル確立要求を送信し(ST7)、下り方向通常制御チャネルであるリンクチャネル割り当てを受信(ST8)しなければ、現在実際に同期している下り方向通常制御チャネルの発信元を認識できない(ST10,ST13)。そのため、実際に同期している発信元がシステム指定のものか否かの判断(ST15a,ST15b)は、その後にしか行うことができない。よって発信元がシステム指定でない場合に他の発信元(中継局201または屋内基地局401)との同期をとるために、他の発信元へリンクチャネル確立要求を再送信して(ST7a,ST7b)リンクチャネル割り当てを受信する(ST8a,ST8b)のタイミングが遅くなるという問題が生じ得る。
【0052】
本実施の形態ではこの問題の対策として、移動局301が下り方向追加制御チャネルの有無を検出できるようにし、下り方向追加制御チャネルがどの周波数帯で検出されたかに応じて、移動局301が、現在受信している下り方向通常制御チャネルが屋内基地局401からのものか中継局201からのものかを識別できるようにする。中継局201は、振幅検波などにより屋外基地局101からの下り方向追加制御チャネルを検出することによって屋外基地局101との同期をとり、下り方向制御チャネル(下り方向通常制御チャネルおよび下り方向追加制御チャネル)を非再生方式によって移動局301へと再送信する。
【0053】
図15は、実施の形態2に係る移動局301の動作を示すフローチャートである。以下、同図に基づき移動局301の動作を説明する。
【0054】
移動局301は、複数の制御チャネルを復調・解析する機能を持ち、FFTにより得られる振幅情報に対し振幅検波を行うことにより、下り方向制御チャネル(下り方向通常制御チャネルおよび下り方向追加制御チャネル)を検索する(ST21,ST22)。
【0055】
受信した下り方向通常制御チャネルの周波数帯が屋内用のものであるか否かを判別し(ST23)、受信した下り方向通常制御チャネルの周波数帯が屋外用のものであれば、送信元を屋外基地局であると認識して(ST24)、通常のリンクチャネル確立処理(リンクチャネル確立要求送信(ST25)およびリンクチャネル割り当て(ST26)など)を継続する。一方、受信した下り方向通常制御チャネルの周波数帯が屋内用のものであれば、下り方向通常制御チャネルの送信元は、中継局か、あるいは屋内基地局であると判断する(ST27)。以下は屋内用周波数帯のものを受信した場合について説明する。
【0056】
このとき下り方向追加制御チャネルが検出されると(ST28)、それが中継局−移動局間用の周波数帯のものであるか確認する。検出された下り方向追加制御チャネルが中継局−移動局間用の周波数帯であれば、これと同じ周波数帯の同じ基地局IDを含む下り方向通常制御チャネルが中継局201を経由したものと判断できる(ST29)。
【0057】
このケースにおいて、システム要求により移動局301が中継局201に同期するよう求められている場合(ST30において「Yes」)、移動局301は、これを使ってリンクチャネル確立などのシーケンスを進める(ST31〜ST33)。
【0058】
反対に、システム要求により移動局301が屋内基地局401に同期するよう求められている場合(ST30において「No」)は、中継局−移動局間用の周波数帯にてその他の下り方向通常制御チャネルを検索する(ST34)。その検出に成功し(ST34において「Yes」)、且つ、それと同じ周波数帯に同じ基地局IDの下り方向追加制御チャネルが送信されていないことを確認できれば(ST28において「No」)、この下り方向通常制御チャネルの発信元は屋内基地局401であると認識し(ST36)、これを使ってリンクチャネル確立などのシーケンスを進める(ST38)。なお、他の下り方向通常制御チャネルを検出できなかったとしても(ST34において「No」)、システム要求により同期先の第二候補として中継局201が指定されていれば(ST35において「Yes」)、移動局301は、先に受信した下り方向通常制御チャネルを使ってリンクチャネル確立などのシーケンスを進める(ST31〜33)。
【0059】
一方、最初(ST22)に移動局301が検出した下り方向通常制御チャネルと同じ周波数帯に、基地局IDが同じ下り方向追加制御チャネルが検出されなかった場合(ST28において「No」)、その下り方向通常制御チャネルは、屋内基地局401からのものと判断できる(ST36)。
【0060】
このケースにおいて、システム要求により移動局301が屋内基地局401に同期するよう求められている場合(ST37において「Yes」)は、屋内基地局401からの下り方向通常制御チャネルに含まれる周波数帯割り当て情報に従った周波数帯を使用し、リンクチャネル確立などのシーケンスを進める(ST38)。
【0061】
反対に、システム要求により移動局301が中継局201に同期するよう求められている場合(ST37において「No」)は、中継局−移動局間用の周波数帯にてその他の下り方向通常制御チャネルを検索する。その検出に成功し(ST39において「Yes」)、且つ、それと同じ周波数帯に同じ基地局IDの下り方向追加制御チャネルが送信されていることを確認できれば(ST28において「Yes」)、この下り方向通常制御チャネルの発信元は中継局201であると認識し(ST29)、これを使ってリンクチャネル確立などのシーケンスを進める(ST31〜33)。なお、他の下り方向通常制御チャネルを検出できなかったとしても(ST39において「No」)、システム要求により同期先の第二候補として屋内基地局401が指定されていれば(ST40において「Yes」)、移動局301は、屋内基地局401からの下り方向通常制御チャネルに含まれる周波数帯割り当てに従った周波数帯を使用し、実使用周波数帯を使用してのリンクチャネル確立などのシーケンスを進める(ST38)。
【0062】
このように本実施の形態に係る移動局301は、リンクチャネル確立要求を上げる前(報知チャネルの受信段階)に、自身が検出した下り方向通常制御チャネルの発信元が中継局201か、屋内基地局401かを判別することができる。よってリンクチャネル確立要求を、システム要求された下り方向通常制御チャネルの発信元へ確実に上げることができるので、リンクチャネル確立要求が繰り返されることを防止でき、通信効率を高めることができる。
【0063】
<実施の形態3>
実施の形態1では、XGPのシステムにおいて、移動局301がリンクチャネル確立要求を送信した後のリンクチャネル割り当て時に、下り方向通常制御チャネル(リンクチャネル割り当て)の発信元が中継局201なのか屋外基地局101なのか識別することができる。
【0064】
また、実施の形態2では、XGPのシステムにおいて、移動局301は下り方向追加制御チャネルの有無によって、その後に検出する下り方向通常制御チャネルの発信元が中継局201なのか、屋外基地局101あるいは屋内基地局401なのかを識別することができる。また、発信元が中継局201でない場合は、下り方向通常制御チャネルの周波数帯によって、屋外基地局101なのか屋内基地局401なのかを識別することができる。
【0065】
実施の形態3では、下り方向通常制御チャネル(例えばBCCH、PCH)の制御情報の中に、屋外基地局101あるいは屋内基地局401が使用する周波数帯情報を加える。
【0066】
図16は、実施の形態3に係る移動局301の動作を示すフローチャートである。以下、同図に基づき移動局301の動作を説明する。
【0067】
移動局301は、まず下り方向通常制御チャネルを検索する(ST1)。そして検出された下り方向通常制御チャネルのうち最良の受信状態のものを選択し(ST2)、その下り方向通常制御チャネル(BCCHまたはPCH)に同期する。
【0068】
受信した下り方向通常制御チャネルの周波数帯が屋内用のものであるか否かを判別し(ST3)、屋外用であれば(ST3において「Yes」)、屋外基地局101からの下り方向通常制御チャネル(BCCHまたはPCH)であると判断し(ST4)、通常のリンクチャネル確立処理を行う(ST5、ST6)。
【0069】
また受信した下り方向通常制御チャネルの周波数が屋内用であれば(ST3において「No」)、屋内基地局401、または中継局201からの下り方向通常制御チャネル(BCCHまたはPCH)であると判断する。そして、受信した下り方向通常制御チャネル(BCCHまたはPCH)の周波数帯と、BCCH、PCHに含まれている屋外基地局101あるいは屋内基地局401が使用する周波数帯情報とを比較する(ST7)。
【0070】
両者が一致する場合は(ST7において「Yes」)、屋外基地局101または屋内基地局401からの下り方向通常制御チャネル(BCCHまたはPCH)と認識し(ST8)、これを使ってリンクチャネル確立などのシーケンスを進める(ST9〜ST10)。また両者が不一致の場合(ST7において「No」)は、中継局201を経由した下り方向通常制御チャネル(BCCHまたはPCH)であると認識し(ST11)、これを使ってリンクチャネル確立などのシーケンスを進める(ST12〜ST14)。
【0071】
このように本実施の形態に係る移動局301は、下り方向追加制御チャネルを受信する処理を行わずに、報知チャネルの受信段階において、自身が検出した下り方向通常制御チャネル(BCCHまたはPCH)の発信元が屋外基地国101か、中継局201か、あるいは屋内基地局401かを迅速に判別することができる。よって、移動局301の処理負荷を軽減し、通信効率を高めることができる。
【符号の説明】
【0072】
101 屋外基地局、201 中継局、301 移動局、401 屋内基地局、501 基地局側アンテナ、502 基地局側切替器、503 上り方向増幅器、504 移動局側切替器、505 移動局側アンテナ、506 下り方向増幅器、507 相関器、508 振幅検波器、509 信号解析器、510 制御部、601 アンテナ、602 復調器、603 制御部、604 振幅検波器、605 信号解析器、606 相関器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局、中継局および通信端末を含み、通信方式にOFDMA/TDD方式を採用するXGPの無線通信方式であって、
前記通信端末は、リンクチャネル確立要求を送信した周波数帯と、当該リンクチャネル確立要求の応答であるリンクチャネル割り当て内に含まれる周波数帯割り当て情報にて割り当てられる周波数帯とが異なる場合、前記周波数帯割り当て情報により指定された周波数帯に関わらず、前記リンクチャネル確立要求を送信した周波数帯を使用してシーケンスを継続する
ことを特徴とする無線通信方式。
【請求項2】
前記中継局が行う中継方式は、非再生方式、且つ、周波数変換方式である
請求項1記載の無線通信方式。
【請求項3】
通信方式にOFDMA/TDD方式を採用するXGPの通信端末装置であって、
リンクチャネル確立要求を送信した周波数帯と、当該リンクチャネル確立要求の応答であるリンクチャネル割り当て内に含まれる周波数帯割り当て情報にて割り当てられる周波数帯とが異なる場合、前記周波数帯割り当て情報により指定された周波数帯に関わらず、前記リンクチャネル確立要求を送信した周波数帯を使用してシーケンスを継続する
ことを特徴とする通信端末装置。
【請求項4】
屋外基地局、中継局、屋内基地局および通信端末を含み、通信方式にOFDMA/TDD方式を採用するXGPの無線通信方式であって、
前記屋外基地局は、下り方向通常制御チャネルと同一の周波数帯で、前記通信端末および中継局が同期をとるための情報を含む下り方向追加制御チャネルを送信し、
前記中継局は、前記屋外基地局からの下り方向通常制御チャネルおよび下り方向追加制御チャネルを前記通信端末へと中継し、
前記通信端末は、下り方向追加制御チャネルを検出する手段を有し、下り方向追加制御チャネルが検出された周波数帯に属する下り方向通常制御チャネルは前記中継局から発信されたものと判断し、下り方向追加制御チャネルが検出されない周波数帯に属する下り方向通常制御チャネルは前記屋内基地局から発信されたものと判断する
ことを特徴とする無線通信方式。
【請求項5】
前記通信端末は、前記中継局と前記屋内基地局のどちらに同期するかの優先度を設定可能であり、受信した下り方向通常制御チャネルの発信元が前記優先度の高いものか否かを判断して、その発信元と同期するか否かを決定する
請求項4記載の無線通信方式。
【請求項6】
前記中継局が行う中継方式は、非再生方式、且つ、周波数変換方式である
請求項4または請求項5記載の無線通信方式。
【請求項7】
通信方式にOFDMA/TDD方式を採用するXGPの通信端末装置であって、
同期をとるための情報を含む下り方向追加制御チャネルを検出する手段を有し、
下り方向追加制御チャネルが検出された周波数帯に属する下り方向通常制御チャネルは前記中継局から発信されたものと判断し、下り方向追加制御チャネルが検出されない周波数帯に属する下り方向通常制御チャネルは前記屋内基地局から発信されたものと判断する
ことを特徴とする通信端末装置。
【請求項8】
前記中継局と前記屋外基地局のどちらに同期するかの優先度を設定可能であり、受信した下り方向通常制御チャネルの発信元が前記優先度の高いものか否かを判断して、その発信元と同期するか否かを決定する
請求項7記載の通信端末装置。
【請求項9】
屋外基地局、中継局、屋内基地局および通信端末を含み、通信方式にOFDMA/TDD方式を採用するXGPの無線通信方式であって、
前記屋外基地局および前記屋内基地局は、下り方向通常制御チャネルの中にそれぞれが使用する周波数帯情報を入れて送信し、
前記中継局は、前記屋外基地局からの下り方向通常制御チャネルを前記通信端末へと中継し、
前記通信端末は、
下り方向通常制御チャネルを検出する手段を有し、下り方向通常制御チャネルを受信した周波数帯と、この中に含まれる周波数帯情報とを比較し、
受信した周波数帯と周波数帯情報とが一致する場合は、屋外基地局または屋内基地局からの下り方向通常制御チャネルであると判断し、
受信した周波数が屋外用であれば、屋外基地局からのものであると判断し、
受信した周波数が屋内用であれば、屋内基地局からのものであると判断し、
受信した周波数帯と周波数帯情報が不一致の場合は、中継局を経由した下り方向通常制御チャネルであると判断する
ことを特徴とする無線通信方式。
【請求項10】
前記通信端末は、前記中継局と前記屋内基地局のどちらに同期するかの優先度を設定可能であり、受信した下り方向通常制御チャネルの発信元が前記優先度の高いものか否かを判断して、その発信元と同期するか否かを決定する
請求項9記載の無線通信方式。
【請求項11】
前記中継局が行う中継方式は、非再生方式、且つ、周波数変換方式である
請求項9または請求項10記載の無線通信方式。
【請求項12】
通信方式にOFDMA/TDD方式を採用するXGPの通信端末装置であって、
下り方向通常制御チャネルを検出する手段を有し、
下り方向通常制御チャネルを受信した周波数帯と、この中に含まれる周波数帯情報とを比較し、
受信した周波数帯と周波数帯情報とが一致する場合は、屋外基地局または屋内基地局からの下り方向通常制御チャネルであると判断し、
受信した周波数が屋外用であれば、屋外基地局からのものであると判断し、
受信した周波数が屋内用であれば、屋内基地局からのものであると判断し、
受信した周波数帯と周波数帯情報が不一致の場合は、中継局を経由した下り方向通常制御チャネルであると判断する
ことを特徴とする通信端末装置。
【請求項13】
前記中継局と前記屋外基地局のどちらに同期するかの優先度を設定可能であり、受信した下り方向通常制御チャネルの発信元が前記優先度の高いものか否かを判断して、その発信元と同期するか否かを決定する
請求項12記載の通信端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−182021(P2011−182021A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−41633(P2010−41633)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(304058826)株式会社ウィルコム (56)
【Fターム(参考)】