説明

無線通信方法、無線通信システム、情報集約装置および情報収集装置

【課題】リレーNodeの消費電力を低減する無線通信方法を提供すること。
【解決手段】Node2,3,4とHub1とを有し、Node2,3がリレーNodeとして動作可能な無線通信システムにおいて、Hub1が、Node4との通信の切断を検出した場合に、Node2,3に対してNode4の探索を要求し、Node2,3がNode4を探索し、たとえばNode4を発見したNode3がHub1に対して発見通知を送信し、Hub1が報知情報送信用の帯域を割り当てる処理を行い、Node3が、報知情報送信用の帯域内でNode4に対して報知情報を送信し、その後、Node4からリレー開始を要求されHub1によりリレー用の帯域が割り当てられた場合に、当該帯域内でNode4とHub1との間の通信の中継処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リレー通信を実現するための無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IEEE 802.15に対応した近距離無線通信規格(Zigbee(登録商標),BAN(Body Area Network))には、リレー機能(マルチホップ機能、ツーホップ機能)が定められている。たとえば、BAN等の通信システムでは、センサ等から情報を収集する情報収集端末(Node)が電波状態劣化等により情報集約端末(Hub)に直接パケットを送信できなくなる場合がある。このような場合に、Hubに直接パケットを送信できないNodeは、上記リレー機能を利用して、中継装置として動作可能な他の情報収集端末(リレーNode)に対してパケットの転送を依頼し、リレーNode経由でHubとの通信を継続する。
【0003】
具体的には、Hubに直接パケットを送信できないNodeは、以下のように、Hubとの通信を継続する。前提として、リレーNodeは、Hubとのコネクションが確立されている間は、自身がリレー可能であることを示す報知情報を周期的にブロードキャストで送信している。この送信は、Hubに直接パケットを送信できないNodeが周辺に存在する、しないにかかわらず行われる。このような状態で、たとえば、特定のNodeがHubとの通信の切断を検出した場合、このNodeは、リレーNodeが報知する報知情報の受信を試みる。そして、報知情報を受信した場合に、上記特定のNodeは、この報知情報を送信したリレーNodeに対してパケットの転送を依頼し、リレーNode経由でHubとのコネクションを確立した上でHubとの通信を継続する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】IEEE 802.15.4
【非特許文献2】IEEE 802.15.6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の近距離無線通信において、リレーNodeは、Hubと他のNodeとの通信状態、および他のNodeの位置を把握していない。そのため、リレーNodeは、報知情報送信用の帯域が割り当てられると、リレーを希望するNodeの有無にかかわらず、Hubとのコネクションが確立している間は定期的に報知情報をブロードキャストで送信し続けることになる。また、リレーNodeは、報知情報を送信すると、リレーを希望するNodeからリレー開始要求を受信する可能性があるため、報知情報送信後は必ず受信待ち状態に遷移する。したがって、リレーを希望するNodeが周辺に存在しない場合には、リレーNodeは、報知情報の送信電力、および報知情報送信後のリレー開始要求の受信待ちによる待機電力を、無駄に消費することになる、という問題があった。
【0006】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、リレーNodeの消費電力の低減を実現可能な無線通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の開示する無線通信方法は、一つの態様において、情報を収集する複数の情報収集装置と、前記複数の情報収集装置と通信を行うことによって情報を集約する情報集約装置とを有する無線通信システムにおける無線通信方法であって、前記情報集約装置が、前記情報収集装置の1つである第1の装置との通信の切断を検出した場合に、中継装置としての機能を備えた他の情報収集装置に対して、前記第1の装置の通信帯域および識別子を含む探索要求を送信し、前記探索要求を受信した情報収集装置が、当該要求に含まれた前記第1の装置の通信帯域および識別子に基づいて前記第1の装置を探索し、前記探索の結果として前記第1の装置を検出した情報収集装置である第2の装置が、前記情報集約装置に対して発見通知を送信し、前記発見通知を受信した情報集約装置が、報知情報送信用の帯域を割り当てる処理を行い、前記第2の装置が、前記報知情報送信用の帯域内で、前記第1の装置に対して、リレー可能であることを示す報知情報を送信し、前記第2の装置が、前記報知情報の送信に対する応答として前記第1の装置からリレー開始を要求され、前記情報集約装置によりリレー用の帯域が割り当てられた場合に、当該リレー用の帯域内で前記第1の装置と前記情報集約装置との間の通信の中継処理を行う。
【発明の効果】
【0008】
本願の開示する無線通信方法の一つの態様によれば、リレーNodeとして動作する情報収集装置の消費電力を低減することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施例における無線通信システムの構成例を示す図である。
【図2】図2は、Hubのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】図3は、リレーNodeとして動作可能なNodeのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】図4は、IEEE 802.15.6のリレー機能を示す図である。
【図5】図5は、IEEE 802.15.6のリレー機能を示す図である。
【図6】図6は、Hubの機能ブロック構成の一例を示す図である。
【図7】図7は、リレーNodeとして動作可能なNodeの機能ブロック構成の一例を示す図である。
【図8】図8は、リレー機能実行前の通常動作時のシーケンス図である。
【図9】図9は、リレー機能における通信切断時の動作を示すシーケンス図である。
【図10】図10は、リレー機能におけるNode発見通知時の動作を示すシーケンス図である。
【図11】図11は、リレー機能におけるリレー開始要求時の動作を示すシーケンス図である。
【図12】図12は、Hub1の帯域管理テーブルの構成例を示す図である。
【図13】図13は、Node2の帯域管理テーブルの構成例を示す図である。
【図14】図14は、Node3の帯域管理テーブルの構成例を示す図である。
【図15】図15は、Node4の帯域管理テーブルの構成例を示す図である。
【図16】図16は、Hub1の帯域管理テーブルの構成例を示す図である。
【図17】図17は、Node3の帯域管理テーブルの構成例を示す図である。
【図18】図18は、Hub1の帯域管理テーブルの構成例を示す図である。
【図19】図19は、Node3の帯域管理テーブルの構成例を示す図である。
【図20】図20は、Node4の帯域管理テーブルの構成例を示す図である。
【図21−1】図21−1は、従来のリレーNodeの動作を示す図である。
【図21−2】図21−2は、実施例のリレーNodeの動作を示す図である。
【図22】図22は、リチウム電池の特性の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願の開示する無線通信方法、無線通信システム、情報集約装置および情報収集装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0011】
図1は、本実施例の無線通信システムの構成例、および本実施例の無線通信方法における動作の概要を示す図である。図1に示す無線通信システムは、一例として、情報集約装置であるHub1と、自身に取り付けられたセンサ(心拍計,血糖値計等)から得られる情報を収集する情報収集装置であるNode2,3,4とを有する。Hub1は、Node2,3,4との間で個別にコネクションを確立してそれぞれと個別に通信を行うことによって、Node2,3,4によって収集された情報を集約する。また、Node2,3は、Hub1に対し自身が収集した情報を通知する情報収集装置(Node)の動作を行うとともに、中継装置としての機能を備えたリレーNodeとしても動作可能である。なお、Node4は、Hub1に対し自身が収集した情報を通知する情報収集装置(Node)として動作し、中継装置としての機能は備えていないものとする。
【0012】
この状態において、Hub1が通信品質劣化等によりNode4との通信の切断を検出した場合、Hub1は、Node2,3に対してNode4の探索を要求する。探索の結果、たとえば、Node3がNode4を発見した場合、Hub1は、Node3をリレーNodeとして利用して、Node3経由でNode4との通信を継続する(図1参照)。なお、本実施例では、一例として、Node4が中継装置としての機能を備えていないこととしたが、これに限らず、Node2,3と同様に、中継装置としての機能を備えることとしてもよい。
【0013】
図2は、本実施例のHub1のハードウェア構成の一例を示す図である。図2において、本実施例のHub1は、CPU11とメモリ12とBusIF(バスインタフェース部)13とPHY(physical layer:物理層ハードウェア部)14とアンテナ部15とを有する。CPU11は、本実施例の無線通信方法における各種処理等を実行する。メモリ12は、ROM,RAM等を含み、本実施例の無線通信方法における各種処理を実現するためのプログラムや、後述する帯域管理テーブルや、処理の過程で得られたデータ等を記憶する。BusIF13は、CPU11,メモリ12,PHY14等の間で信号をやりとりするためのバスインタフェースである。PHY14は、物理層におけるネットワーク接続やデータ伝送に関する動作が規定され、アンテナ部15を介して相手装置との通信を実現する。なお、PHY14については、ソフトウェアで実装することも可能である。
【0014】
また、図3は、本実施例のNode2,3のハードウェア構成の一例を示す図である。図3において、本実施例のNode2,3は、CPU21とメモリ22とBusIF23とPHY(物理層ハードウェア部)24とSPI(Serial Peripheral Interface)25とアンテナ部26とを有する。CPU21は、本実施例の無線通信方法における各種処理等を実行する。メモリ22は、ROM,RAM等を含み、本実施例の無線通信方法における各種処理を実現するためのプログラムや、後述する帯域管理テーブルや、処理の過程で得られたデータ等を記憶する。BusIF23は、CPU21,メモリ22,PHY24,SPI25等の間で信号をやりとりするためのバスインタフェースである。PHY24は、物理層におけるネットワーク接続やデータ伝送に関する動作が規定され、アンテナ部26を介して相手装置との通信を実現する。SPI25は、各種センサ(心拍計,血糖値計等)とNode2,3を接続するインタフェースである。なお、PHY24については、ソフトウェアで実装することも可能である。
【0015】
本実施例では、図2に示すHub1と図3に示すNode2,3との間でリレー制御を行うことによって、図1に示すように、Hub1が、Node4との通信の切断を検出した場合であってもリレーNode経由でNode4との通信を継続する。
【0016】
ここで、本実施例の無線通信方法を説明する前に、従来技術の一例として、IEEE 802.15.6のリレー機能について説明する。図4および図5は、IEEE 802.15.6のリレー機能を示す図であり、詳細には、図4は、リレー機能実行前の通常動作時のシーケンス図であり、図5は、リレー機能実行時のシーケンス図である。図4および図5に示す無線通信システムは、一例として、情報集約装置であるHub1aと、リレーNodeとして動作可能な情報収集装置であるNode2a,3aと、リレーNodeとしての機能を持たない末端の情報収集装置であるNode4aとを有する。
【0017】
たとえば、Node2aは、電源が投入されると(S101)、Hub1aに対して接続要求を送信する(S102)。Hub1aは、自装置とNode2aとの間の通信用帯域の割り当て処理を行い(S103)、その帯域に関する情報である通信帯域情報と、Node毎に一意のIDであるNode2aのIDを含む機器情報とをNode2aに送信する(S104)。なお、通信帯域情報は、送信開始時間,通信期間,送信周期,通信種別等を含む帯域情報である。Node2aは、受信した機器情報を記憶し、さらに、受信した通信帯域情報を自装置の帯域管理テーブルに記憶する(S105)。そして、Node2aは、Hub1aに対して自装置の機器情報を含む報知情報帯域取得要求を送信する(S106)。Hub1aは、報知情報を送信する際の報知情報送信用帯域の割り当て処理を行い(S107)、その帯域に関する情報である報知情報帯域情報をNode2aに送信する(S108)。なお、報知情報帯域情報は、送信開始時間,通信期間,送信周期,通信種別等を含む帯域情報である。Node2aは、受信した報知情報帯域情報を自装置の帯域管理テーブルに追加する(S109)。
【0018】
同様に、Node3aについても、上記S101〜S109の処理を適宜実行する。これにより、Node2aおよびNode3aは、各自の帯域管理テーブルに記憶された報知情報帯域情報に基づいて周期的に報知情報を送信することが可能となる(S111)。また、Node2aおよびNode3aは、各自の帯域管理テーブルに記憶された通信帯域情報に基づいてHub1aとの通信が可能となる(S112)。この際、Node2aおよびNode3aは、自装置における送信開始時間にあわせてActive状態(通常モード)に移行し、通信期間の終了にあわせてSleep状態(低消費電力モード)に移行することによって、消費電力の低減を図る。
【0019】
また、Node4aは、上記S101〜S105の処理を適宜実行する。これにより、Node4aは、自装置の帯域管理テーブルに記憶された通信帯域情報に基づいてHub1aとの通信が可能となる(S113)。この際、Node4aは、自装置における送信開始時間にあわせてActive状態(通常モード)に移行し、通信期間の終了にあわせてSleep状態(低消費電力モード)に移行することによって、消費電力の低減を図る。
【0020】
その後、Hub1aおよび各Nodeが通常動作を行っている状態において、Node4aがHub1aとの通信の切断を検出した場合、Node4aでは、リレーNodeが周期的に送信する報知情報の探索を開始する(S201)。この際、Node4aは、自局に割り当てられた通信帯域以外の帯域で報知情報の探索を行う。そして、報知情報を検出した場合、Node4aは、報知情報送信元のリレーNodeに対してリレー開始要求を送信する(S202)。ここでは、Node4aは、報知情報送信元のNode3aに対して、自装置の機器情報を含むリレー開始要求を送信している。さらに、Node3aでは、Hub1aに対して、リレー開始要求元であるNode4aの機器情報およびリレー開始要求転送元である自装置の機器情報を含むリレー開始要求を送信する(S203)。
【0021】
リレー開始要求を受信したHub1aは、自装置とNode3aとの間の通信用帯域の割り当て処理と、Node3aとNode4aとの間の通信用帯域の割り当て処理を行う(S204)。そして、各通信用帯域に関するそれぞれの通信帯域情報を含むリレー開始指示をNode3aに送信する(S205)。Node3aは、受信したリレー開始指示に含まれたHub1aと自装置との間の通信帯域情報を自装置の帯域管理テーブルに追加する(S206)。また、Node3aは、受信したリレー開始指示に含まれた自装置とNode4aとの間の通信帯域情報を含むリレー開始指示をNode4aに送信する(S207)。Node4aは、受信したリレー開始指示に含まれたNode3aと自装置との間の通信帯域情報を自装置の帯域管理テーブルに追加する(S208)。以降、Hub1aとNode4aの間の通信は、Node3a経由で実行される(S209)。なお、図5において、Node2aおよびNode3aは、図4同様、自装置における送信開始時間にあわせてActive状態(通常モード)に移行し、通信期間の終了にあわせてSleep状態(低消費電力モード)に移行する。また、図5において、Node4aは、S113によるデータの送信開始時間から、Hub1aとの通信の切断を検出し、S209でリレー機能を利用したデータ通信が完了するまでの間、Active状態を保持する。その後、Node4aは、自装置における送信開始時間にあわせてActive状態(通常モード)に移行し、通信期間の終了にあわせてSleep状態(低消費電力モード)に移行する。
【0022】
つづいて、本実施例の無線通信方法を図面に従い詳細に説明する。図6は、本実施例のHub1の機能ブロック構成の一例を示す図である。図6において、本実施例のHub1は、CPU11により実現される各種機能ブロックを含み、機能ブロックとして、たとえば、コネクション制御部101と帯域制御部102とリレー制御部103とを有する。また、図7は、本実施例のNode2,3の機能ブロック構成の一例を示す図である。図7において、本実施例のNode2,3は、CPU21により実現される各種機能ブロックを含み、機能ブロックとして、たとえば、コネクション制御部201と帯域制御部202とリレー制御部203とNodeスキャン部204とを有する。
【0023】
図6のHub1において、コネクション制御部101は、Hub1と各Nodeとの間の接続制御を行う。帯域制御部102は、Hub1を中心とするネットワークの帯域を管理し、各Nodeに対して未使用の帯域を割り当てる制御を行う。リレー制御部103は、リレーNodeとの間で、リレー通信を実施するための制御を行う。
【0024】
また、図7のNode2,3において、コネクション制御部201は、自NodeとHub1との間の接続制御を行う。帯域制御部202は、Hub1から通知される帯域情報を管理する。リレー制御部203は、Hub1との間で、リレー通信を実施するための制御を行う。Nodeスキャン部204は、Hub1からNode探索要求を受けた場合に、この要求により通知された帯域で通信を行っているNodeを探索し、発見した場合に、このNodeの発見をHub1に通知する。
【0025】
ここで、本実施の無線通信方法を図8〜図11に示すシーケンス図に従って説明する。具体的には、図1に示す動作を、図6および図7に示す機能ブロック図を用いて詳細に説明する。なお、図8は、リレー機能実行前の通常動作時のシーケンス図である。図9は、リレー機能における通信切断時の動作を示すシーケンス図である。図10は、リレー機能におけるNode発見通知時の動作を示すシーケンス図である。図11は、リレー機能におけるリレー開始要求時の動作を示すシーケンス図である。
【0026】
図8において、たとえば、Node2に電源が投入されると(S1)、Node2のコネクション制御部201は、Hub1に対して接続要求を送信する(S2)。
【0027】
接続要求を受信したHub1では、コネクション制御部101が、帯域制御部102に対し、自装置とNode2との間の通信用帯域の割り当てを要求する。帯域制御部102は、未使用の帯域から、自装置とNode2との間の通信用帯域を割り当てる処理を行い(S3)、その帯域に関する情報である通信帯域情報を、Node名およびNode種別とともに自装置の帯域管理テーブルの帯域情報欄に記憶する(S3)。図12は、Hub1の帯域管理テーブルの構成例を示す図である。Hub1の帯域管理テーブルは、Node名(Node2,Node3,Node4等)とNode種別(リレー可またはリレー不可)と帯域情報が関連付けられた状態で管理される。帯域情報欄に記憶される通信帯域情報は、送信開始時間,通信期間,送信周期,割り当て種別(通常またはリレー),通信種別(Up-link,bi-link等)等を含む帯域情報である。また、コネクション制御部101は、帯域制御部102によって帯域管理テーブルに記憶された通信帯域情報と、Node毎に一意のIDであるNode2のIDを含む機器情報とをNode2に送信する(S4)。
【0028】
Node2では、コネクション制御部201が、Hub1から受信した機器情報を記憶し、さらに、帯域制御部202が、Hub1から受信した通信帯域情報を、接続先と関連付けて自装置の帯域管理テーブルの帯域情報欄に記憶する(S5)。図13は、Node2の帯域管理テーブルの構成例を示す図である。Node2の帯域管理テーブルは、接続先(Hub1等)と帯域情報が関連付けられた状態で管理される。Node2の帯域管理テーブルに記憶される通信帯域情報は、送信開始時間,通信期間,送信周期,通信種別(Up-link,bi-link等)等を含む帯域情報である。
【0029】
同様に、Node3,Node4についても、上記S1〜S5の処理を適宜実行する。図14は、Node3の帯域管理テーブルの構成例を示す図であり、図15は、Node4の帯域管理テーブルの構成例を示す図である。これにより、Node2〜4は、それぞれの帯域管理テーブルに記憶された通信帯域情報に基づいてHub1との通信が可能となる(S6)。この際、Node2〜4は、それぞれに割り当てられた期間である割り当て期間でActive状態(通常モード)となり、割り当て期間以外の時間帯でSleep状態(低消費電力モード)となることによって、消費電力の低減を図る。具体的には、自装置における送信開始時間にあわせてActive状態に移行し、通信期間の終了にあわせてSleep状態に移行し、以降は、送信周期ごとに、状態移行が繰り返し実行される。なお、Sleep状態(低消費電力モード)では、送信処理にかかわる処理部の動作を停止する。また、本実施例では、Node2,3は、通常動作時において、自身がリレー可能であることを示す報知情報の送信を行わないこととする。
【0030】
つぎに、Hub1および各Nodeが通常動作を行っている状態において、Hub1のコネクション制御部101が、図9に示すように、Node4への割り当て期間内にNode4によるUplink送信を確認できなかった場合を想定する。この時点で、コネクション制御部101は、Node4との通信が切断されたものと判断する(S7)。そして、コネクション制御部101は、Node4との通信の切断を検出したことをリレー制御部103に通知する。
【0031】
なお、Node4は、Hub1に対するUplink送信(S7)の後、Hub1からの応答が確認できなった時点で、Hub1との通信が切断されたものと判断する。また、Node4は、Hub1との通信の切断を検出後も、自装置への割り当て期間内でUplink送信を継続して実行する。また、Node4は、自装置への割り当て期間外の時間帯にはリレーNodeが送信する報知情報を探索する。以降、Node4は、リレー通信によりHub1と通信可能な状態となるまでの間、すなわち、後述するS27でリレー用の通信帯域情報が自装置の帯域管理テーブルに追加されるまでの間は、Active状態が維持されることになる。
【0032】
つぎに、Node4との通信断を通知されたリレー制御部103は、自装置の帯域管理テーブルから、Node種別が「リレー可」のNodeを抽出する(S8)。ここでは、Node2とNode3が該当する。また、リレー制御部103は、自装置の帯域管理テーブルから、Node4の通信帯域情報を抽出する(S9)。そして、リレー制御部103は、S8で抽出したNode2,Node3に対し、S9で抽出したNode4の通信帯域情報およびNode4の機器情報を含むNode探索要求を送信する(S10)。この際、Node2,Node3は、それぞれへの割り当て期間にあわせてActive状態となり、Hub1のリレー制御部103は、それぞれの割り当て期間内でNode探索要求を送信する。これにより、Hub1は、新たな通信帯域を割り当てることなく、Node探索要求を送信することができる。なお、Node探索要求送信後に、コネクション制御部101によってNode4によるUplink送信が確認された場合、リレー制御部103は、Node2,Node3に対してNode探索停止要求を送信する。
【0033】
Node探索要求を受信したNode2,Node3では、Nodeスキャン部204が、Node探索要求に含まれるNode4の通信帯域情報および機器情報を用いてNode4のUplink送信を検出する処理、を実行する(S11)。この際、Node2,Node3は、Node4への割り当て期間に合わせてActive状態となり、それぞれのNodeスキャン部204は、Node4への割り当て期間内でNode4のUplink送信を検出する処理を行う。Nodeスキャン部204は、Node4の通信帯域情報から得られる割り当て期間内でデータ送信を検出した場合、そのデータに含まれた機器情報がHub1から通知されたNode4の機器情報と一致するかどうかを確認する。そして、Nodeスキャン部204は、それぞれの機器情報が一致した場合に、そのデータ送信がNode4によるUplink送信であると判断し、周辺にNode4が存在するものと判断する。このように、Node探索要求にNode4の通信帯域情報が含められていることによって、Node2,Node3は、効率よくNode4を探索することが可能となる。一方、Node探索によりデータ送信が検出できない場合、Nodeスキャン部204は、Hub1からNode探索停止要求を受信するまで、Node4の通信帯域情報を利用したNode4の探索を継続する。
【0034】
Nodeスキャン部204によるNode探索の結果、Node4によるUplink送信が検出された場合(S12)、リレー制御部203は、Hub1に対し、Node4の機器情報を含むNode発見通知を送信する(S13)。この際、Node4のUplink送信を検出したNodeが、自装置への割り当て期間にあわせてActive状態となり、そのNodeのリレー制御部203が、自装置への割り当て期間内でNode発見通知を送信する。これにより、Node4のUplink送信を検出したNodeは、Hub1に新たな通信帯域の割り当てを要求することなく、Node発見通知を送信することができる。本実施例では、Node3のNodeスキャン部204が、Node4によるUplink送信を検出し、Node3のリレー制御部203が、Hub1に対しNode発見通知を送信している。
【0035】
つぎに、図10に示すように、Node3からNode発見通知を受信したHub1では、リレー制御部103が、Node探索要求を送信したNode2,Node3に対し、Node探索停止要求を送信する(S14)。この際、Node2,Node3は、それぞれへの割り当て期間にあわせてActive状態となり、Hub1のリレー制御部103は、それぞれの割り当て期間内でNode探索停止要求を送信する。
【0036】
Hub1からNode探索停止要求を受信したNode2,Node3では、Nodeスキャン部204が、Node探索を終了する(S15)。これにより、Node2,Node3は、無駄な電力消費を回避することができる。
【0037】
また、Hub1のリレー制御部103は、Node探索停止要求送信後に、帯域制御部102に対し、報知情報送信用の帯域割り当てを要求する。この要求を受けた帯域制御部102は、報知情報送信用の帯域を割り当てる処理を行う(S16)。この報知情報送信用の帯域は、Node4を発見したNode3が報知情報を送信するための帯域である。また、帯域制御部102は、報知情報送信用の帯域に関する情報である報知情報帯域情報を、自装置の帯域管理テーブルの帯域情報欄に追加する(S16)。図16は、Hub1の帯域管理テーブルの構成例を示す図である。Node3の欄には、送信開始時間,通信期間,送信周期,割り当て種別,通信種別等を含む報知情報帯域情報が追加されている。そして、帯域制御部102は、報知情報帯域情報をリレー制御部103に通知する。報知情報帯域情報を取得したリレー制御部103は、Node3に対し、取得した報知情報帯域情報とNode4のIDを含む機器情報とを含む報知情報送信要求を送信する(S17)。この際、Node3は、自装置への割り当て期間にあわせてActive状態となり、Hub1のリレー制御部103は、Node3への割り当て期間内で報知情報送信要求を送信する。
【0038】
報知情報送信要求を受信したNode3では、帯域制御部202が、この要求に含まれる報知情報帯域情報を、自装置の帯域管理テーブルの帯域情報欄に追加する(S18)。図17は、Node3の帯域管理テーブルの構成例を示す図である。ここでは、Hub1の欄として、送信開始時間,通信期間,送信周期,通信種別等を含む報知情報帯域情報が追加されている。また、Node3のリレー制御部203は、報知情報送信要求に含まれた機器情報に対応するNode4に対し、自身がリレー可能であることを示す報知情報をユニキャストで送信する(S19)。この際、Node3は、報知情報送信要求に含まれた報知情報帯域情報に基づく割り当て期間にあわせてActive状態となり、Node3のリレー制御部203は、この割り当て期間内でNode4に報知情報を送信する。なお、本実施例では、Node4を発見できていないNode2は、報知情報送信要求の受信処理および報知情報の送信処理を行わない。
【0039】
つぎに、自装置への割り当て期間外の時間帯における探索により報知情報を受信したNode4は(S19)、図11に示すように、Node3に対し、自装置の機器情報であるリレー開始要求元情報を含むリレー開始要求を送信する(S20)。そして、Node4からリレー開始要求を受信したNode3では、リレー制御部203が、Hub1に対し、Node4から受け取ったリレー開始要求元情報と自装置の機器情報であるリレー転送元情報とを含むリレー開始要求を送信する(S21)。なお、S20によるリレー開始要求受信、S21によるリレー開始要求送信については、S19で報知情報送信を行った割り当て期間内で実行されるものとする。
【0040】
Node3からリレー開始要求を受信したHub1では、リレー制御部103が、帯域制御部102に対し、Node3を経由したNode4との間の通信用帯域の割り当てを指示する。また同時に、リレー制御部103は、帯域制御部102に対し、自装置とNode4との間の通信用帯域の解放を指示する。帯域制御部102は、自装置とNode3との間の通信用帯域を割り当てる処理を行い(S22)、さらに、Node3とNode4との間の通信用帯域を割り当てる処理を行う(S22)。そして、帯域制御部102は、それらの帯域に関する情報であるそれぞれの通信帯域情報を、自装置の帯域管理テーブルの帯域情報欄に追加する(S22)。また同時に、帯域制御部102は、Hub1とNode4との間の通信用帯域を解放し、自装置の帯域管理テーブルから、解放した通信用帯域に関する通信帯域情報を削除する(S23)。図18は、Hub1の帯域管理テーブルの構成例を示す図である。ここでは、Node3とNode4の欄に、割り当て種別:「リレー」の通信帯域情報が追加され、Node4の欄に記憶されていた割り当て種別:「通常」の通信帯域情報が削除されている。その後、リレー制御部103は、帯域制御部102によって帯域管理テーブルに記憶された、自装置−Node3間のリレー用の通信帯域情報およびNode3−Node4間のリレー用の通信帯域情報を含むリレー開始指示をNode3に送信する(S24)。この際、Node3は、自装置への割り当て期間にあわせてActive状態となり、Hub1のリレー制御部103は、Node3への割り当て期間内でリレー開始指示を送信する。
【0041】
Hub1からリレー開始指示を受信したNode3では、帯域制御部202が、リレー開始指示に含まれる、Hub1−自装置間のリレー用の通信帯域情報および自装置−Node4間のリレー用の通信帯域情報を自装置の帯域管理テーブルに追加する(S25)。図19は、Node3の帯域管理テーブルの構成例を示す図である。ここでは、接続先「Hub1」と接続先「Node4」の欄に、通信種別が「Bilink」とされたリレー用の通信帯域情報が追加されている。その後、リレー制御部203は、自装置−Node4間のリレー用の通信帯域情報を含むリレー開始指示をNode4に送信する(S26)。なお、S25による帯域管理テーブル更新、S26によるリレー開始指示送信については、S24でリレー開始指示を受信した割り当て期間内で実行されるものとする。
【0042】
Node3からリレー開始指示を受信したNode4は、リレー開始指示に含まれる、Node3−自装置間のリレー用の通信帯域情報を自装置の帯域管理テーブルに追加する(S27)。図20は、Node4の帯域管理テーブルの構成例を示す図である。ここでは、接続先「Node3」の欄に、通信種別が「Bilink」とされたリレー用の通信帯域情報が追加されている。これにより、Node4は、自装置の帯域管理テーブルに基づいて、Node3をリレーNodeとした、Hub1とのリレー通信が可能となる(S28)。この際、Node3のリレー制御部203は、自装置の帯域管理テーブルに基づいて中継処理を行う(S28)。Node3とNode4は、それぞれに割り当てられた期間である割り当て期間でActive状態(通常モード)となり、割り当て期間以外の時間帯でSleep状態(低消費電力モード)となることによって、通常動作時同様、消費電力の低減を図る。なお、リレー通信時においても、Node2,Node3は、通常動作時同様、報知情報の送信を行わないこととする。
【0043】
上述してきたように、本実施例では、Hub1とNode4との通信断を契機として、リレーNodeとして動作可能なNode2とNode3が、通信が切断されたNode4を探索する。その後、Node4を発見した特定Nodeが、その旨をHub1に通知し、Node4に対してユニキャストで報知情報を送信することとした。そして、報知情報を受信したNode4が、上記特定Node経由でHub1にリレー通信の開始を要求し、Hub1が、自装置−特定Node間および特定Node−Node4間における通信用帯域を割り当て、リレー通信の開始を指示することとした。以降、Hub1とNode4との間では、上記特定Node経由でリレー通信が行われる。このように、本実施例においては、Hub1との通信が切断されたNode4を発見したリレーNodeのみが報知情報を送信し、Node4を発見できなかったリレーNodeは、報知情報を送信しないこととした。これにより、本実施例のリレーNodeは、報知情報の送信にかかる消費電力を、従来よりも低減することが可能となる。
【0044】
また、従来は、すべてのリレーNodeが報知情報を定期的に送信し、さらに、報知情報を送信する際には、報知情報の送信、および報知情報送信後のリレー開始要求の受信待ち、のための帯域を占有していた。これに対し、本実施例においては、Hub1との通信が切断されたNode4を発見したリレーNodeのみが報知情報を送信することとしたので、従来と比較して、報知情報を送信するために占有する帯域を大幅に削減することが可能となる。
【0045】
つづいて、本実施例の効果を、数値を用いて具体的に説明する。まず、下記の3つの条件(1)〜(3)を想定し、かつリレー通信を希望するNodeがいない場合における、従来と本実施例とのリレーNodeの消費電力を比較する。図21−1は、従来のリレーNodeの動作を示す図であり、図21−2は、本実施例のリレーNodeの動作を示す図である。ここでは、実線内がActive状態を表し、点線内がSleep状態を表す。なお、従来のリレーNodeとして、IEEE 802.15.6のリレー機能を採用するNodeを用いる。
(1)ビットレート=75.9kbps、報知情報(=T-Poll):送信周期=1秒、T-Poll用通信帯域(T-Poll送信(20byte)、およびリレー開始要求(80byte)受信待ち)
(2)基本消費電力(=Sleep状態)=10[μA]=0.01[mA]、送信中の消費電力(=Active状態)=40[mA]、受信中の消費電力(=Active状態)=30[mA]
(3)電池容量=220mAH(リチウム電池)
【0046】
従来のリレーNodeは、図21−1に示すように、リレーを希望するNodeの有無にかかわらず、定期的にT-Pollをブロードキャスト送信する。したがって、T-Poll送信周期を一単位として考えると、一単位内(1秒間)の放電量は、下記(1)式のように求めることができる。
T-Poll送信時間:(20*8)/75900[msec]
リレー開始要求受信待ち時間:(80*8)/75900[msec]
一単位内(1秒間)の放電量
=0.01*1000+((20*8)/75900)*40*α+((80*8)/75900)*30*β
=10+0.08*α+0.25*β
=11.3 …(1)
【0047】
なお、図22は、リチウム電池の特性の一例を示す図である。リチウム電池は、図22に示すように、出力負荷が高いほど電池容量に与える影響が大きいことが知られている。上記α、βは、リチウム電池の特性を考慮した調整値である。ここでは、一例として、α=β=4としている。
【0048】
一方、本実施例のリレーNodeにおいては、通信が切断されたNodeを発見したリレーNodeのみが、報知情報を送信する(図21−2参照)。したがって、リレーを希望するNodeがいない場合、一単位内(1秒間)の放電量は、下記(2)式のように求めることができる。
一単位内(1秒間)の放電量
=0.01*1000
=10 …(2)
【0049】
以上のことから、本実施例のリレーNodeは、従来のリレーNodeと比較して、上記条件において、一単位内(1秒間)の放電量、すなわち、消費電流を12%程度低減することが可能となる。
【0050】
つぎに、下記の2つの条件(1),(2)を想定した場合において、従来のリレーNodeと本実施例のリレーNodeが、1時間で、リレーを実施するためにHubに要求する通信帯域を比較する。なお、従来のリレーNodeとして、IEEE 802.15.6のリレー機能を採用するNodeを用いる。
(1)ビットレート=75.9kbps、報知情報(=T-Poll):送信周期=1秒、T-Poll用通信帯域(T-Poll送信(20byte)、およびリレー開始要求(80byte)受信待ち)
(2)Hubに4つのNodeが接続。4つのうち3つがリレーNode。1つはリレー不可のNode。通信開始から1時間後にリレー不可のNodeが通信品質劣化によりリレーされる。
【0051】
以上の条件において、従来のリレーNodeは、リレーを希望するNodeの有無にかかわらず、T-Pollをブロードキャスト送信する。したがって、従来は、3つのリレーNodeが、1時間で、リレーを実施するためにHubに要求する帯域の合計として、下記(3)式の帯域を要求することになる。
Hubに要求する帯域の合計
=(20+80)*8*(60*60)*3
=8640kbps …(3)
【0052】
一方、本実施例では、リレー機能を実現するために、Node探索要求(20byte),Node発見通知(20byte),Node探索停止要求(20byte),報知情報送信要求(20byte),報知情報(20+80byte)が送受される。したがって、リレーNodeがHubに要求する帯域の合計は、下記(4)式のように求めることができる。
Hubに要求する帯域の合計
=((20*3)+20+(20*3)+20+(20+80))*8
=2.08kbps …(4)
【0053】
以上のことから、本実施例のリレーNodeは、従来のリレーNodeと比較して、上記条件において、Hubに要求する帯域の合計を、99.98%程度削減することが可能となる。
【符号の説明】
【0054】
1 Hub
2,3,4 Node
11,21 CPU
12,22 メモリ
13,23 BusIF
14,24 PHY
15,26 アンテナ部
25 SPI
101,201 コネクション制御部
102,202 帯域制御部
103,203 リレー制御部
204 Nodeスキャン部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を収集する複数の情報収集装置と、前記複数の情報収集装置と通信を行うことによって情報を集約する情報集約装置とを有する無線通信システムにおける無線通信方法であって、
前記情報集約装置が、前記情報収集装置の1つである第1の装置との通信の切断を検出した場合に、中継装置としての機能を備えた他の情報収集装置に対して、前記第1の装置の通信帯域および識別子を含む探索要求を送信し、
前記探索要求を受信した情報収集装置が、当該要求に含まれた前記第1の装置の通信帯域および識別子に基づいて前記第1の装置を探索し、
前記探索の結果として前記第1の装置を検出した情報収集装置である第2の装置が、前記情報集約装置に対して発見通知を送信し、
前記発見通知を受信した情報集約装置が、報知情報送信用の帯域を割り当てる処理を行い、
前記第2の装置が、前記報知情報送信用の帯域内で、前記第1の装置に対して、リレー可能であることを示す報知情報を送信し、
前記第2の装置が、前記報知情報の送信に対する応答として前記第1の装置からリレー開始を要求され、前記情報集約装置によりリレー用の帯域が割り当てられた場合に、当該リレー用の帯域内で前記第1の装置と前記情報集約装置との間の通信の中継処理を行う、
ことを特徴とする無線通信方法。
【請求項2】
前記情報集約装置は、前記探索要求を送信する場合、前記中継装置としての機能を備えた各情報収集装置に割り当てた通信帯域内で個別に探索要求を送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信方法。
【請求項3】
前記探索要求を受信した情報収集装置は、前記第1の装置を探索する場合、前記第1の装置の通信帯域内でデータ送信を検出し、当該データに含まれた識別子が前記探索要求に含まれた識別子と一致するかどうかを確認し、一致した場合に当該データ送信が第1の装置による送信であると判断する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信方法。
【請求項4】
前記第2の装置は、自装置に割り当てられた通信帯域内で前記発見通知を送信する、
ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の無線通信方法。
【請求項5】
さらに、
前記情報集約装置は、前記発見通知を受信した場合に、前記探索要求を送信した各情報収集装置に対して、それぞれに割り当てた通信帯域内で探索停止要求を送信し、
自装置に割り当てられた通信帯域内で探索停止要求を受信した各情報収集装置が、前記第1の装置の探索を停止する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の無線通信方法。
【請求項6】
前記情報収集装置は、自装置に割り当てられた通信帯域の期間および前記探索を行っている期間、以外の期間については、自装置に割り当てられた通信帯域の期間および前記探索を行っている期間よりも低消費電力で動作する、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の無線通信方法。
【請求項7】
情報を収集する複数の情報収集装置と、前記複数の情報収集装置と通信を行うことによって情報を集約する情報集約装置とを有する無線通信システムにおいて、
前記情報集約装置が、
前記情報収集装置の1つである通信可能端末との通信の切断を検出した場合に、中継装置としての機能を備えた他の情報収集装置に対して、前記通信可能端末の通信帯域および識別子を含む探索要求を送信する第1のリレー制御部と、
前記探索要求に対する応答として、前記通信可能端末を検出した情報収集装置である発見端末から発見通知を受信した場合に、報知情報送信用の帯域を割り当てる処理を行う帯域制御部と、
を有し、
前記中継装置としての機能を備えた情報収集装置が、
受信した探索要求に含まれた前記通信可能端末の通信帯域および識別子に基づいて当該通信可能端末を探索する探索部と、
前記探索部により前記通信可能端末が検出された場合に前記情報集約装置に対して発見通知を送信し、さらに、前記発見通知を送信後に前記情報集約装置によって報知情報送信用の帯域が割り当てられた場合に、当該報知情報送信用の帯域内で、前記通信可能端末に対して、リレー可能であることを示す報知情報を送信し、その後、当該報知情報の送信に対する応答として前記通信可能端末からリレー開始を要求され、前記情報集約装置によりリレー用の帯域が割り当てられた場合に、当該リレー用の帯域内で前記通信可能端末と前記情報集約装置との間の通信の中継処理を行う第2のリレー制御部と、
を有する、
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項8】
情報を収集する複数の情報収集装置と、前記複数の情報収集装置と通信を行うことによって情報を集約する情報集約装置とを有する無線通信システムにおける、前記情報集約装置であって、
前記情報収集装置の1つである通信可能端末との通信の切断を検出した場合に、中継装置としての機能を備えた他の情報収集装置に対して、前記通信可能端末の通信帯域および識別子を含む探索要求を送信するリレー制御部と、
前記探索要求に対する応答として、前記通信可能端末を検出した情報収集装置から発見通知を受信した場合に、リレー可能であることを示す報知情報を送信するための帯域を割り当てる処理を行う帯域制御部と、
を有する、
ことを特徴とする情報集約装置。
【請求項9】
情報を収集する複数の情報収集装置と、前記複数の情報収集装置と通信を行うことによって情報を集約する情報集約装置とを有する無線通信システムにおける、中継装置としての機能を備えた情報収集装置であって、
前記情報集約装置が、前記情報収集装置の1つである通信可能端末との通信の切断を検出し、当該通信可能端末の通信帯域および識別子を含む探索要求を送信した場合において、受信した探索要求に含まれた前記通信可能端末の通信帯域および識別子に基づいて当該通信可能端末を探索する探索部と、
前記探索部により前記通信可能端末が検出された場合に前記情報集約装置に対して発見通知を送信し、さらに、前記発見通知を送信後に前記情報集約装置によって報知情報送信用の帯域が割り当てられた場合に、当該報知情報送信用の帯域内で、前記通信可能端末に対して、リレー可能であることを示す報知情報を送信し、その後、当該報知情報の送信に対する応答として前記通信可能端末からリレー開始を要求され、前記情報集約装置によりリレー用の帯域が割り当てられた場合に、当該リレー用の帯域内で前記通信可能端末と前記情報集約装置との間の通信の中継処理を行うリレー制御部と、
を有する、
ことを特徴とする情報収集装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21−1】
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【図21−2】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−81128(P2013−81128A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220967(P2011−220967)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】