説明

無線通信端末、その周辺機器及びその制御方法

【課題】無線通信端末が自身の進路を予測し、予測された移動先では実行できない動作がある場合、移動する前に予めその動作を自動的に実行する機能を備えた無線通信端末を提供する。
【解決手段】無線通信端末は、現在位置を測定して位置情報を出力する位置測定部を備え、所定の時間間隔で現在位置を測定する。位置情報は時系列の経路情報として経路情報記憶部に記憶する。進路予測部は現在位置と経路情報に基づき、今後の進路を予測する。そして、予測進路上では実行できない動作がある場合、その動作を予め実行するように、制御部に動作指示信号を出力する。制御部は、動作指示信号に基づき無線通信端末内のブロックを制御し、指示された動作を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置測定機能を備えた無線通信端末に関し、特に無線通信端末が自身の移動進路を予測し、予測された移動先に移動する前に自動的に所定の動作を行う機能を備えた無線通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術では、座標記憶手段に記憶されている電界強度に基づき使用者が通信圏外にいると判断された場合に電力供給を遮断する電話装置がある。この電話装置は位置検索手段を備えており、予め各位置における電界強度を取得し記憶している。これにより、その都度受信電界強度を測定することなく、位置検索によって電話装置の存在位置における電界強度を知ることができる。そして、その電界強度に基づき通信圏外にいると判断された場合、無線回路ブロックへの電源供給を遮断し、省電力の効果を得るというものである。(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、所定の通信条件を満たすまで電子メールの送信を保留する移動体通信機も記載されている(例えば、特許文献2参照。)。この移動体通信機は、電界強度、BER(Bit Error Rate)等が所定の通信条件を満たすとき、あるいは移動体通信機が所定のエリア内にあるときに電子メールの送信を行う。そして、所定の条件を満たさないときはそれが満たされるまで、電子メールの送信を保留する。これらにより、消費電力等が有利になるよう制御するというものである。
【0004】
【特許文献1】特開2002−246977号公報 (第1、2頁、図1)
【特許文献2】特開2001−069544号公報 (第1、2頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の各公知技術にはそれぞれ問題がある。
【0006】
特許文献1記載の技術では、電話装置が通信圏内から圏外に移動する直前に電子メールがメールサーバに蓄積されていた場合、その電子メールを受信せずに通信圏外に移動する可能性がある。通信圏外に移動したときは、電話装置が再び通信圏内に戻るまでその電子メールは受信されない。さらに、電話装置が圏内に戻ったとしても即座に受信動作を起こす保証はなく、メールの受信が遅延する可能性がある。
【0007】
電子メールの受信の遅延を防ぐために、ある短い時間間隔でメールサーバをチェックするという方法もある。しかし、この方法には、通信圏外にいた場合にはメールの受信ができないので、メールサーバのチェックのために無駄な電力を消費してしまうという問題がある。
【0008】
あるいは、圏外に移動したことを知ったとき、速やかに圏内に戻り受信するという方法でも電子メールの受信の遅延を防ぐことができる。しかし、この方法は使用者にとって非常に面倒な行動を要求するものであり、自由な行動を制限するという問題がある。
【0009】
また、電話装置が通信途中で通信圏内から圏外に移動した場合、通信が正常終了していなくても強制的に通信及び電源供給が遮断されてしまう。そのため、通信が遮断されるまでの送受信データと、その通信処理のために消費した電力が無駄となる問題がある。
【0010】
特許文献2記載の技術にも、移動通信機が送信中に通信圏外に移動した場合、送信動作が途中で遮断されるという問題がある。
【0011】
また、通信圏外へ移動する直前に送信用の電子メールを作成した場合は、即座にその電子メールを送信しなければならない。さもなければ、特許文献1記載の技術における受信動作と同様に、再び圏内に戻るまで、作成された電子メールの送信が遅延してしまうという問題が発生する。
【0012】
このように、従来の技術には、無線通信端末が通信圏内から圏外へ移動した場合、電子メールの送信及び受信が遅延するという欠点がある
また、通信の途中に無線通信端末が通信圏内から圏外に移動した場合、通信動作が中断されるため、途中までの送受信データや消費電力が無駄になるという欠点がある。
(発明の目的)
本発明は従来技術の上記のような技術的欠陥に鑑みて行われたもので、無線通信端末が自身の進路を予測し、予測された移動先では実行できない動作がある場合、移動する前に予めその動作を自動的に実行する機能を備えた無線通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の無線通信端末は、現在位置を測定し位置情報を出力する位置測定部を備え、位置情報に基づき所定の第1の動作を行うことを特徴とする。さらに、現在位置の所定の状態を表す状態情報を測定するための状態測定部を備え、状態情報に基づき所定の第1の動作を行ってもよい。
【0014】
また、本発明の無線通信端末は、現在位置を測定し位置情報を出力する位置測定部を備え、複数の位置情報の時系列を含む経路情報を記憶する経路情報記憶部を備え、経路情報を基に予測した予測進路に基づき所定の第1の動作を行うことを特徴とする。あるいは、無線通信端末の外部の所定の経路情報部に、複数の位置情報の時系列を含む経路情報を記憶させ、経路情報を基に予測した予測進路に基づき所定の第1の動作を行ってもよい。
【0015】
さらに、現在位置の所定の状態を表す状態情報を測定するための状態測定部を備え、現在位置及び状態情報を測定し、状態情報と位置情報を対応付けて経路情報記憶部に記憶させ、経路情報記憶部の記憶内容から予測進路上の各点の予測状態を求めてもよい。
【0016】
さらに、所定の情報を出力する出力部を備え、予測状態が所定の条件を満足しない条件外地点を予測進路が含むとき、条件外地点を含まない進路である推奨進路を出力部より出力してもよい。現在位置が条件外地点まで所定の距離以下であるとき、又は予測進路が条件外地点を含むとき、出力部によりアラーム情報を出力してもよい。
【0017】
また、本発明の無線通信端末は、所定の形状及び大きさを持った複数のエリアの内のいずれかに存在し、所定の時間間隔で現在位置及び状態情報を測定し、状態情報とエリアを対応付け地図情報として記憶する地図情報記憶部を備えることを特徴とする。あるいは、無線通信端末の外部の所定の経路情報サーバに、状態情報とエリアを対応付け地図情報として記憶させてもよい。
【0018】
状態情報は、所定の固定無線局からの電波の電界強度を含む情報であってもよい。そして、本発明の無線通信端末は、電波強度が所定の電界強度判定値より小さい地点である圏外地点に隣接した地点において、本発明の無線通信端末は所定の第1の動作を行ってもよい。あるいは、本発明の無線通信端末は、圏外地点において、所定の第2の動作を行ってもよい。
【0019】
所定の第1の動作は、電子メールの送受信であってもよい。あるいは、無線通信端末が備える所定の機能の停止又は無線通信端末の所定部分への電源供給の中断であってもよい。所定の第2の動作は、無線通信端末が備える所定の機能の停止又は無線通信端末の所定部分への電源供給の中断であってもよい。
【0020】
位置情報は、2次元の座標、又は無線通信端末が存在する所定の地域を所定の形状及び大きさに分割したエリアを特定するエリア座標であってもよい。
【0021】
本発明の固定送信機は、現在位置を測定し位置情報を出力する位置測定部を備え、所定の経路情報記憶部に複数の位置情報の時系列を含む経路情報を記憶させ、経路情報を基に予測した予測進路に基づき所定の動作を行う無線通信端末に、現在位置を測定するための情報を含む信号を送信することを特徴とする。
【0022】
本発明の経路情報サーバは、現在位置を測定し位置情報を出力する位置測定部を備え、所定の経路情報記憶部に複数の位置情報の時系列を含む経路情報を記憶させ、経路情報を基に予測した予測進路に基づき所定の動作を行う無線通信端末から経路情報を受信し、無線通信端末からの要求に従い経路情報を提供することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明の無線通信端末は、自身の現在位置を測定し、その位置情報に基づき所定の動作を行う。そのため、実行すべき動作を実行可能な地点において、実行できるという効果がある。
【0024】
あるいは、無線通信端末自らが過去に通過した経路の経路情報に基づき今後の進路を予測し、その予測進路に基づき所定の動作を行う。そのため、予測された移動先では実行できなくなる可能性がある動作を、実行可能な時点において、予め実行しておくことができる。
【0025】
以上のように、本発明の無線通信端末は、実行すべき動作を実行可能な地点において、確実に完了できるという効果がある。動作途中で実行が不可能な地域へ移動することにより動作が中断されるという無駄も生じない。また、実行が不可能な地域へ移動した場合には一旦実行が可能な地域に戻りその動作を行うという面倒な行動や、動作の実行が遅延するという問題も生じない。
【0026】
このように、本発明の無線通信端末は、無線通信端末が所定の地点に存在するときに確実に所定の動作を実行する。そのため、動作を確実に完了できるという顕著な効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1は本発明を実施するための最良の形態を示す無線通信端末のブロック図である。図2は経路情報の一例である。図3は経路とその経路を表す経路情報の一例である。図4は無線通信端末の第1の実施例のブロック図である。図5は電界強度情報を追加した経路情報の一例である。図6は通信圏外圏内の区分である圏内外区分情報を追加した経路情報の一例である。図7は第1の実施例の動作を示すフローチャートである。図8は第1の実施例の経路と経路情報の一例である。図9は無線通信端末の第2の実施例のブロック図である。図10は第2の実施例の経路の一例である。図11、図12は第2の実施例の経路情報の一例である。図13は第2の実施例の動作を示すフローチャートである。図14は第2の実施例の経路の一例である。図15、図16は無線通信端末の第3の実施例のブロック図である。図17は無線通信端末の第4の実施例のブロック図である。
【0028】
次に、本発明を実施するための最良の形態について、図1を参照して詳細に説明する。無線通信端末101は、無線部102、入出力部103、制御部104を備えている。制御部104は、無線部102を制御し、アンテナ部105を介して音声、情報等を含む送受信データ106を送受信する。入出力部103は音声、情報等の入出力データ107の入出力を行う。
【0029】
また、無線通信端末101は、位置測定部108、経路情報記憶部109を備えており、位置測定部108を用いて所定の時間間隔でその時点の無線通信端末101の現在位置を測定し、位置情報110を経路情報記憶部109に保存する。
【0030】
経路情報記憶部109の記憶内容は、無線通信端末101が移動した経路の各時点における位置情報110の時系列からなる情報である。以降、ある経路の位置情報の時系列を一まとめとして扱うときは経路情報と呼ぶこととする。
【0031】
経路情報の例を図2、図3を使用して説明する。
【0032】
位置情報110の表現方法は任意であり、緯度及び経度の組み合わせを用いてもよい。図2は、経路情報を各地点の座標で表した経路情報の例である。経路情報201、202、203は、3つの経路の経路情報である。それぞれの経路情報は、地点番号0の位置から順に移動したことを示しており、各地点の座標がその地点を通過した時刻順に記憶されている。(xn、ym)(n、mは整数)は緯度、経度の数値の組で表された座標である。
【0033】
位置情報を、点の座標ではなく、ある一定の大きさを持ったエリアの識別番号で表してもよい。図3は、エリアを特定する識別番号で表現した経路情報の例である。まず、無線通信端末101が移動する通信サービス地域301を所定の大きさ、形状のエリアに分割して各エリアを特定する座標を付加する。ここでは、エリアの座標はxy(x、yは、それぞれエリアの横方向、縦方向の位置を表す番号)のように、2つの整数の組で表している。この座標を位置情報として用いて、経路情報を表す。
【0034】
今、移動無線端末101が、通信サービス地域301中をA地点からB地点まで経路302に沿って移動したとする。このとき、移動無線端末101の位置情報は「11」、「12」、「22」と順に変化してゆき、「56」で終了する。従って、経路302の経路情報303は図3で示したような時系列のデータとなる。
【0035】
なお、図2、図3の両方の方法において、位置測定部108による位置測定の時間間隔は任意であり、時間間隔は一定であっても不定であってもよい。あるいは、位置測定自体は一定の時間間隔で行い、位置情報110が変化したときのみ、その位置情報110を経路情報記憶部109に記憶させるようにしても良い。
【0036】
図1において、進路予測部111は、経路情報記憶部109から経路情報112を入力し、無線通信端末101の今後の移動進路の予測を行う。そして、予測された進路に対応した動作指示情報113を出力する。
【0037】
次に、進路予測の方法について説明する。本発明の無線通信端末は、経路情報中の位置情報と無線通信端末の現在位置の位置情報を基に進路を予測する。
【0038】
具体的な進路予測の方法の例として、以前通った経路を予測進路とする方法がある。経路情報と現在位置との比較を時刻を変えて所定の回数だけ行い、連続して一致したとき、経路情報に対応する過去の経路を予測進路とする方法等である。すなわち、現在移動中の経路の経路情報と、経路情報記憶部109に保存されている過去の経路情報の一部が共通した場合、今回もそれと同じ経路を進むと予測する方法である。
【0039】
図2の経路情報の例を用いて進路予測の方法を具体的に説明する。現在の位置情報110が(x25、y25)であるとする。経路情報201、202、203の中から(x25、y25)を検索すると、経路情報202にこれが含まれていることを発見する。所定時間経過後、位置情報が(x27、y27)に変化したとすると、この位置情報も経路情報202に含まれていることがわかる。この検索を所定の回数だけ繰り返したとき、連続して位置情報が経路情報202に含まれ、さらに一致する位置情報の時間順も同じである場合、経路情報202と同じ経路を進んでいると推定する。上記のような検索を行った結果、複数の経路情報が予測進路と推定される場合は、所定の規則により一つを選択するか、あるいは複数の経路を選択してもよい。
【0040】
なお、位置情報には、測定精度、位置情報の分解能、位置情報の変化点付近での不安定性などの不確定要因がある。これらを考慮し、位置情報が完全に一致する場合のみでなく、ある許容範囲にあれば一致するとみなしてもよい。
【0041】
以上の進路予測方法は、図2のように位置情報を点の座標で表現した場合だけでなく、図3のようにエリアの座標で表現した場合も同様に用いることができる。
【0042】
また、以上の進路予測方法は、経路情報202が既に記憶されているときのみ適用できる。経路情報201、202、203のいずれにも現在位置の位置情報(上記の説明では(x25、y25)又は(x27、y27))が記憶されていない場合は、予測進路は推定できない。その場合は、引き続き位置情報110を経路情報記憶部109に記憶してゆく。
【0043】
進路予測の方法の例として、無線通信端末101の直前の位置情報と現在の位置情報110を元に、今後の進路を予測する方法もある。具体的には、経路情報中の位置情報と無線通信端末の現在位置より求めた無線通信端末の進行方向及び進行速度を基に予測進路を求める方法である。
【0044】
例えば、進路予測部111は、経路情報112に含まれる直前の位置情報と現在の位置情報110の差から速度、加速度を求め、無線通信端末101が今後移動する位置や方向を予測する。このとき、進行方向を含め同じ速度でそのまま直線的に進むものと推定し進路を予測してもよい。あるいは、進行方向を含む速度の変化(加速度)を求め、加速度が変化しないものとして今後の進行方向と速さを推定し進路を推定してもよい。この進路予測方法の場合は、経路情報201、202、203のような過去の経路情報ではなく、今通ってきた経路の経路情報のみあればよい。なぜなら、直前の何点かの位置情報を知ることができれば、現在の進行方向、直後の移動方向、及び速さを推定することができるからである。
【0045】
以上の各種の方法で求めた予測進路に基づき、進路予測部111は動作指示情報113を制御部104に出力する。動作指示信号113が出力される条件は、予測進路にある特定の地点が含まれており、無線通信端末101がその地点に移動する前に予めある動作を実行しておく、あるいはある状態に設定しておく必要があるときである。
【0046】
動作指示情報113の具体例としては、予測進路上のある地点で無線通信端末101の使用が禁止されている場合の指示がある。指示内容には、無線部102への電源供給の禁止、音声等の入出力の禁止、などがある。あるいは、無線通信端末101の使用者に予測進路以外の進路を取らせるために、予測進路を表示し注意を促す旨の表示を行ってもよい。あるいは、予測進路とは別の進路を推奨する旨の表示などでもよい。
【0047】
制御部104は、動作指示信号113に基づき、無線部制御信号114及び入出力部制御信号115の一方又は両方を出力し、無線部102、入出力部103を制御する。無線部制御信号114は、無線部への電源供給を禁止する信号である。入出力部制御信号115は、音声の入出力を禁止する信号、若しくは推奨する経路又は予測経路の表示を指示する信号である。
【0048】
以上の構成及び制御によって、無線通信端末101は進路の予測を行い、その予測結果に従い予め所定の動作を行う。そのため、ある地点で制限された動作を予め処理しておくことができ、効率的に装置の動作を完了させることができる。
【実施例1】
【0049】
上記の実施形態では、予測進路、すなわち今後通過すると予測される地点そのものを判断基準として動作指示情報113を出力し、無線通信端末101の動作を制御した。さらに、本発明は、予測進路上の各位置の状態に基づき、無線通信端末101の動作を制御することもできる。例えば、状態の具体例として電界強度を用いて、所定の制御を行うことができる。
【0050】
図4を用いて、予測進路上の各位置の電界強度(無線通信端末101が通信に使用している受信電波の強度)に依存して動作を制御する第1の実施例について説明する。
【0051】
本発明の第1の実施例の構成を図4に示す。無線部102は、アンテナ部105を介して送受信データ106を送受信するための変復調機能を備える。音声入出力部401は、通話を行うための音声の入出力及び音声メッセージの出力を行う。表示部402は、各種のデータの表示、並びにメッセージ、予測経路及び推奨経路の表示等を行う。マンマシンインターフェース部403は、使用者が無線通信端末101を操作するための情報の入力等を制御する。制御部104は、CPU、メモリ等、装置制御に必要な一般的な機能を含み、送受信信号106の送受信の制御、使用者の操作に対応した処理、情報の表示など、システム全体を制御する。
【0052】
GPS部108は、無線通信端末101の現在位置を測定するための通常のGPS(Global Positioning System)測位システムである。GPS部108は、GPSアンテナ部404を介して人工衛星からの電波を受信し、所定の演算により無線通信端末101の現在位置を求め、位置情報110を出力する。
【0053】
電界強度測定部405は、無線部102から受信信号406を入力し、その強度を測定し、電界強度情報407を出力する。この電界強度測定は、GPS部108による位置測定と同時に行う。電界強度情報407が所定の値以下である場合、その地点は無線通信端末101の通信可能範囲外(「通信可能範囲外」のことを、以降、「圏外」という。電界強度情報が所定の電界強度判定値より大きく「通信可能範囲内」であるときは、「圏内」という)の地域であると判断される。
【0054】
経路情報記憶部109は、位置情報110に対応させて、電界強度情報407を記憶する。図5に、位置情報110とともに電界強度情報407を記憶した経路情報の例を示す。座標で表現された位置情報110に対応付けて、その位置での電界強度情報407を示す数値en(nは整数)が、記憶されている。
【0055】
進路予測部111は、先に図2の経路情報を用いて行った方法と同じ方法で、経路を予測する。すなわち、GPS部108より現在位置の位置情報110を入力し、経路情報501、502、503の中で位置情報110を検索する。この検索を時刻を変えて複数回行う。そして、例えば、経路情報502中に現在位置の位置情報110と一致する位置情報が複数存在し、かつ順序も同じである場合、経路情報502に対応する経路を予測経路とする。
【0056】
今、予測経路上のある地点、例えば地点番号8の地点の電界強度e28が電界強度判定値以下であり、圏外であるとする。これは、無線通信端末101は通信が不可能な地点に移動する可能性があることを意味するので、無線通信端末101が圏内に存在するうちに必要な通信動作を行う。そのために、進路予測部111は、動作指示情報113を出力し、制御部104に所定の通信動作を行うよう指示を与える。
【0057】
通信動作の一例としては、電子メールの送受信がある。このとき、進路予測部111は、動作指示情報113を出力し、制御部104に電子メールの送受信を行うよう指示を与える。制御部104は動作指示情報113に従い、所定のプロトコルに則り、通常の電子メールの送受信動作を行う。
【0058】
なるべく、多くのメールの受信を完了するために、圏外になる直前の位置(経路情報502の場合には、地点番号7の地点)に差し掛かったときに、受信するようにしてもよい。その場合は、現在位置の位置情報110が、地点番号7の位置情報(x27、y27)に一致したときに、進路予測部111が動作指示情報113を出力すればよい。
【0059】
電子メールの送受信以外に、無線通信端末101が圏外に出る可能性があることを音声で知らせてもよい。その場合、進路予測部111は制御部104に動作指示情報113を出力し、音声入出力部制御信号408を出力させる。あるいは、表示部402に表示するために制御部104に動作指示情報113を出力し、表示部制御信号409を出力させてもよい。
【0060】
一旦、予測経路が求まると、電界強度の測定を行わず、位置測定を行うのみで、その地点の電界強度を予測することができる。電界強度の測定を省略することで、消費電力を削減することができる。あるいは、電界強度が諸条件により変化することを考慮し、予測経路内の電界強度情報を順次更新してよい。
【0061】
第1の実施例では、位置情報に対応付けて、電界強度情報そのものを記憶し、経路情報とした。電界強度情報そのものでなく、各地点の圏内外区分情報も併せて記憶してもよい。この場合、進路予測部111は、各地点の圏内外区分を判定するために、電界強度情報と電界強度判定値とを比較する必要がない。さらに、圏外地域に隣接していることを示す「隣接」の区分も併せて経路情報として記憶してもよい。
【0062】
図6に、圏外、圏内、及び隣接の区分を記憶した経路情報の例を示す。圏内外区分の欄の、「0」は圏内、「1」は隣接、「2」は圏外を意味する。隣接の区分は圏外に出る直前の地点であることを示すので、電子メールの受信のように、圏外に出る直前に処理するのが望ましい動作を行う場合に有効である。
(第1の実施例の動作)
本発明の第1の実施例の動作について、図7及び図8を用いて説明する。図7は第1の実施例の動作を示すフローチャート、図8は第1の実施例における経路とそれを表す経路情報の一例である。図8では、位置情報110は、点の座標ではなく、エリアの座標を用いている。
【0063】
まず、無線通信端末101はGPS部にて現在地の位置情報110を取得する(S701)。また、位置情報取得と同時に電界強度測定部405にて現在地の電界強度情報407を取得する(S702)。
【0064】
そして、無線通信端末101が通過してきた経路は過去に通過した経路と同じ経路かどうか、経路情報記憶部109の記憶内容を検索する(S703)。
【0065】
現在位置の位置情報110が経路情報記憶部109に存在せず、新規の地点であった場合、取得した位置情報、及び電界強度情報を経路情報記憶部109に格納する(S704)。格納する位置情報、電界強度情報が新規の経路の先頭の地点のものである場合には経路情報の登録を行う。このために、経路の先頭地点では、経路情報の記憶に先立ち、マンマシンインタフェース部403から、経路情報の記憶を開始することを経路情報記憶部109に設定しておいてもよい。なお、経路情報の登録とは、他の経路情報と区別できるように、経路番号を付加し、所定の記憶領域を確保することなどを意味する。既存の経路の新しい位置情報とそれに対応する電界強度情報の場合には、経路情報にそれらの情報を追加し順次更新していく。
【0066】
S703ステップにおいて、経路情報記憶部109に現在位置の位置情報110が登録されている場合、過去も同じ経路を通過したことがあると判断し、その経路を予測経路と認定する(S705)。同じ経路を通過したと判断するために経路情報中に発見されるべき位置情報の個数は、1個でも、複数個でもよい。図7の、第1の実施例のフローチャートでは、位置情報を1個発見するとその経路情報に対応する経路を予測経路としている。
【0067】
なお、S703の条件を満足する経路が複数あるときは、それらすべてについて予測経路と認定してもよい。その場合は、今後圏外を通過する可能性が低い場合も含め、より安全な予測を行っていることになる。あるいは、所定の基準を設け、1つの経路に特定してもよい。基準設定の例としては、位置情報の一致個数をカウントし、一致する個数の多い経路を予測経路とするという方法もある。
【0068】
そして次に、その予測経路に圏外地点が存在するか否かの検索を行う(S706)。圏外地点が存在しない場合、次の位置測定に備えるために、S701ステップに戻る。
【0069】
予測経路に圏外地点が存在する場合は、現在位置と予測経路上の圏外位置を比較し、圏外位置までの距離を予測する(S707)。そして、圏外になる直前の地点に移動してきた時点で、メールの送受信処理を行う(S708)。
【0070】
上記の動作を繰り返すことにより、本端末が移動した過去の経路情報と電界強度情報407を蓄積してゆく。そして、次に同一経路を通過した場合に、圏外に出る直前のエリアにて電子メールの送受信動作を行う。
【0071】
なお、図7のフローチャートでは、圏内外区分情報は記憶していないが、これを記憶し使用してもよい。
【0072】
次に、図8を用いて、進路予測の方法を具体的に詳しく説明する。まず、無線通信端末101は、A点から移動を開始し、P点を経由しB点に到達する経路802に沿って移動するものとする。C地点からP地点を経由してB地点にいたる経路は、過去に通過した経路803である。
【0073】
経路情報804は経路803に対応し、経路情報805は経路802に対応した経路情報である。経路情報804及び経路情報805には、位置情報とそれぞれの位置に対応した電界強度及び通信圏外、圏内、隣接の区分が記憶されている。本実施例では圏外の隣接エリアの区分も記憶されており、各経路が通過するエリアにおいて、圏外エリアの前後のエリアが隣接エリアである。
【0074】
図8では、便宜上、無線通信端末101の通信サービス地域を格子状のエリアに分割しており、エリアごとに位置情報及び電界強度情報を取得している。位置情報及び電界強度情報の取得は、エリアごとの取得に限定されるものではなく、随時行ってもよい。
【0075】
各経路が横切ったエリアの電界強度は、経路情報804及び経路情報805に記載の通りとする。電界強度の単位は任意である。本実施例では、電界強度判定値を10とし、電界強度が10より小さいときは圏外、10以上のときは圏内としたが、電界強度判定値は適切な値に設定すればよい。このとき、エリア806及びエリア807が圏外エリアとなり、エリア808、エリア809及びエリア810が隣接エリアとなる。圏外、圏内、隣接の区分は経路情報804及び経路情報805に記載の通りとなる。
【0076】
今、無線通信端末101が、A地点からP地点までの移動を開始したとする。当初は、経路802の経路情報805は存在しないため、各エリアごとに位置情報及び電界強度情報を取得していく。P地点を通過し、B地点に向かう間も、無線通信端末101は位置情報及び電界強度情報を測定し、経路情報805に情報を追加していく。ところが、P地点の位置情報が経路情報804の中にも存在するので、進路予測部111はP地点以降の経路は経路803と同じであると予測する。そして、進路予測部111は、経路情報804に基づき今後圏外になるエリア806と現在位置しているエリア811の位置関係を判断し、電子メールの送受信を行うエリアを選択する。
【0077】
このとき、現在のエリア811が圏内であり今後圏外に出る可能性があるとして、即座に電子メールの送受信を行ってもよい。経路情報804中の圏内外区分情報を確認し、圏外に隣接するエリア808を電子メールの送受信を行うエリアに選択してもよい。
【0078】
あるいは、圏外エリアまで距離があると判断し移動をそのまま続けエリアごとに経路情報804中の圏内圏外区分情報を確認し、エリア808で隣接するエリアであることを確認したとき、電子メールの送受信処理を行ってもよい。
【0079】
そして、無線通信端末101が圏外に出たときは通信動作は不可能となるので、無線部102への電源供給を遮断するなどして無駄な電力消費を抑えてもよい。
【0080】
さらに、実行が不可能な地域ではその動作を実行しないように制御し、無断な消費電力の発生を避けてもよい。例えば、電子メールの送受信の場合では、通信圏外に移る前に電子メールの送受信を完了すれば、再び通信圏内に戻るまで送受信が遅延するという問題は生じない。通信途中で通信圏外に移動することにより通信が中断し、途中までの送受信データ、電力消費が無駄になるという問題も生じない。また、圏外に出た場合には一旦圏内に戻り送受信する、という必要もない。さらに、圏外でメールをチェックすることによる無駄な消費電力の発生を避けることができる。
【0081】
第1の実施例の構成により、今後の移動先である動作が実行できない可能性があることを察知し、予めその動作を実行しておくことができる。そのため、必要な動作を、実行可能な地点に位置するときに、確実に実行することができる。また、その動作が実行できない地点に移動してしまうことによる実行の遅延も生じない。実行可能な地点に戻って改めてその動作を実行するというような煩雑な操作は不要となる。
【0082】
さらに、実行不可能な地点に位置するときは、その動作を実行しないようにすることができるので、無駄な消費電力の発生を避けることができる。
【実施例2】
【0083】
第1の実施例では、予測経路を求め、その予測経路上の電界強度に基づき、無線通信端末101は所定の動作を行った。さらに、本発明の無線通信端末は、エリアごとの電界強度を含んだ地図情報を作成し、経路の予測結果とその地図情報を用いて、より確実な電界強度の予測と予測結果に基づく動作を行うことができる。
【0084】
図9は本発明の無線通信端末101の第2の実施例を示すブロック図である。図4の第1の実施例と異なる点は、地図情報記憶部901が追加されている点である。地図情報記憶部901は、経路ごとに各通過エリアの電界情報を記憶するのではなく、全エリアの電界強度情報を地図情報として蓄積していく。
【0085】
地図情報の作成方法の一例を図10、図11、図12を用いて説明する。今、無線通信端末101の通信サービス地域801が図10のように区分されており、圏外エリア1001、1002が存在するものとする。隣接エリア1003、1004は、圏外エリア1001、1002を囲むエリアとなる。
【0086】
地図情報が全く存在しない初期状態において、無線通信端末101がA地点から経路802に沿ってB地点まで移動したとする。このとき、地図情報1101は、図11のように作成される。「X」で表示したエリアは、無線通信端末101がまた通過していないエリアで、電界強度の測定は行われておらず、圏内外区分が不明であることを示す。無線通信端末101が通信サービス地域801を移動するに従い、電界強度が測定されるエリアが増加し、圏内外区分情報が蓄積される。最終的には、図12のようにサービス地域801内の全エリアの圏内外区分情報が地図情報1201内に蓄積される。経路情報記憶部109は、上記のように地図情報1101を順次更新してゆき、最終的に地図情報1201を完成させる。
【0087】
なお、各エリアの圏内外区分情報は隣のエリアの区分に従い、変更される場合がある。あるエリアが「圏内」であったとしても、隣のエリアが「圏外」であることが後に判明すると、そのエリアは「隣接」に変更される。
【0088】
次に、地図情報1101又は1201の使用方法について説明する。予測経路は第1の実施例と同様の方法で求める。すなわち、通過した位置情報を経路情報として記憶しておき、現在の位置情報が過去の経路情報中の位置情報と一致するとき、その過去の経路を予測経路とする。そして、予測経路上のエリアの圏内外区分情報を地図情報中で検索し、その結果に基づき所定の動作を行う。圏内外区分が判明した後の、所定の動作を行うエリアの決定基準も第1の実施例と同じである。
【0089】
第2の実施例では、第1の実施例に比べ、予測経路上の圏内外区分の予測確度を向上させることができる。なぜなら、第1の実施例では、過去の各経路情報は単純な時系列の情報であり、互いに独立していた。そのため、ある経路が圏外エリアのすぐ隣のエリアを通過したとしても、そこが隣接エリアであると判断することはできない。
【0090】
しかし、第2の実施例では、各エリアの電界強度情報を2次元の情報に展開している。すなわち、あるエリアが圏外であることが判明すると、その周囲のエリアは隣接エリアとして区分される。これにより、予測経路が圏外エリアの近くを通過するときに圏外に出る可能性に注意を払うことができる。そのため、たとえ無線通信端末101が予測進路と異なる経路を取り、すぐ隣に存在していた圏外エリアに出てしまうような場合にも、圏外に出る前にそれに備えた動作を行うことができる。
(第2の実施例の動作)
また、第2の実施例では、圏外エリアを避けた経路を検索して、その経路を取るように無線通信端末101の使用者に指示することもできる。
【0091】
次に、第2の実施例について、図13のフローチャートを用いて説明する。まず、無線通信端末101は、位置情報の取得(S701)及び電界強度情報の取得(S702)を行い、過去の経路情報中で現在位置の位置情報を検索する(S703)。過去の経路情報中に現在位置の位置情報がない場合、経路情報の登録、又は経路情報の更新を行う(S1301)。電界強度情報は地図情報中に順次追加し更新する(S1302)。
【0092】
過去の経路情報中に現在位置の位置情報がある場合、予測経路であると推定する(S705)。予測経路の今後の位置情報を基に地図情報を検索し、予測経路上に圏外エリアが存在するか確認する。圏外地点が存在しない場合、次の位置測定に備えるために、S701ステップに戻る。なお、S703の条件を満足する経路が複数あるときは、第1の実施例と同様に、それらすべてについて予測経路と認定するか、あるいは所定の基準により1つの経路を特定すればよい。
【0093】
予測経路上に圏外地点が存在する場合、地図情報を基に圏外を通過しない経路を選択し、無線通信端末101の使用者に対してその経路を取るように指示する(S1303)。指示の方法には、音声入出力や表示等を用いればよい。あるいは、第1の実施例と同様に、電子メールの送受信など、所定の動作を即座に行ってもよい。
【0094】
次に、図14を用いて、第2の実施例の動作について詳しく説明する。第2の実施例での設定条件は第1の実施例と同様である。無線通信端末101はA地点から移動を開始し、P、Q点を通過してB地点に到達する経路802が現在の移動経路である。
【0095】
第2の実施例では、C地点からP地点を経由してB地点に至る経路情報が2通り存在しているものとする。すなわち、C→P→Q→Bという、圏外エリアを通過する経路803と、C→P→R→Bという、圏外エリアを通過しない経路1401が経路情報記憶部109に格納されている。
【0096】
ここで、無線通信端末101がA地点からP点までの移動を開始したとする。このときは、第1の実施例と同様に、新規ルートとして各エリアごとに位置情報及び電界強度情報を取得していく。P地点を通過し、B地点に移動する間にも位置情報及び電界情報は測定しているが、P地点以降は経路803及び経路1401の経路情報が存在しているため、進路予測部111は今進行中の経路は経路803又は経路1401であると判断する。次に、地図情報1201の圏外情報を検索し、経路1401のP地点以降のP→R→Bの経路に圏外エリアが存在しないことを確認する。そして、無線通信端末101の使用者に対して、P地点以降はP→R→Bの経路1401を取るように進路の指示を行う。指示の方法は、表示部402への経路表示、又は音声による案内などを用いることができる。
【0097】
地図情報1201は、エリアの区画と各エリアの圏内外区分情報のみを記憶している。さらに、地図情報1201に、一般の地図のような道路の構成の情報も記憶させておいてもよい。道路の構成の情報を併用することで、経路1401の経路情報がない場合であっても、過去に通過したことはないが圏外は通過しない経路を検索し指示することが可能となる。
【0098】
第2の実施例の構成により、2次元的に広がった、電界強度情報、圏内外区分情報を使用することができる。従って、予測進路とは異なる進路を取った場合でも、圏外エリアに入る前に隣接エリア内で、必要な動作を確実に実行することができる。また、圏外エリアを通過しない進路を検索し、それを提示することもできる。
【実施例3】
【0099】
第1の実施例及び第2の実施例では、経路情報記憶部107は無線通信端末101の内部に備えていたが、無線通信端末101の外部にあってもよい。
【0100】
第3の実施例及び第4の実施例では、経路情報記憶部107を無線通信端末101の外部に備えている。
【0101】
図15に、無線通信端末101を管轄する基地局1501が経路情報サーバ1502を備えた第3の実施例を示す。経路情報サーバ1502は、経路情報記憶部107と同様に、位置情報108を保存し、進路予測部109からの要求により記憶した経路情報を提供する役割を持っている。位置情報108は、制御部104を経由して無線部102から基地局1501に送信され、経路情報サーバ1502に記憶される。
【0102】
進路予測部109が進路を予測するときは、制御部104から経路情報サーバ1502に対して記憶した経路情報の提供を要求する。このとき、経路情報サーバ1502は記憶している経路情報を基地局1501を経由して送信し、制御部104はこれを受信し、経路情報112を進路予測部109に出力する。
【実施例4】
【0103】
図16は、基地局1501が接続されているネットワーク1601上に経路情報サーバ1502を備えた第4の実施例である。経路情報サーバ1502の位置は第3の実施例と異なるが、動作は同様である。すなわち、制御部104から基地局1501、ネットワーク1601経由で送られてくる経路情報を経路情報サーバ1502が記憶する。そして、制御部104からの要求に従い経路情報を制御部104へ送信する。
【0104】
ネットワークの種類は特に限定されるものではなく、専用のネットワークでもインターネットでもよい。ネットワーク1601は、基地局1501が直接接続されているネットワークであっても、さらにその先に接続されているネットワークであってもよい。
【0105】
なお、第3の実施例及び第4の実施例において、経路情報のみでなく、地図情報も、経路情報サーバ1502に記憶させてもよい。地図情報の使用方法は第2の実施例を同様である。
【0106】
第3の実施例及び第4の実施例の構成により、大きな通信サービスエリアに対応した多数の経路情報の記憶や位置情報の分解能が細かい精密な経路情報に対応することができる。あるいは、経路情報の記憶のみでなく、広範な地域の地図情報の記憶、細かなエリア区分への対応、道路構成の情報の記憶など、大量のデータの記憶にも対応することができる。
【0107】
また、各無線移動端末の地図情報が同じサーバに記憶されることを利用し、広いサービスエリアの電波強度を含む地図情報を効率的に収集することができる。なぜなら、地図情報はエリア毎の電波強度の情報であり、各無線移動端末に共通の情報なので、全無線移動端末からの情報を1つの地図情報として収集すればよいからである。一方の経路情報は経路予測に使用するものであり、各無線移動端末独自の情報である。
【実施例5】
【0108】
第1の実施例の無線移動端末は、位置測定の方法として、人工衛星からの電波を受信することにより位置を求める方法であるGPSを使用している。さらに、位置測定はその他の方法でも実現可能である。
【0109】
図17に、道路1701上に固定された位置情報発信機からの位置情報を受信することにより現在位置を直接知ることができる手段の例を示す。位置情報発信機1702、1703は、それぞれの存在位置を示す位置情報を乗せた電波である位置情報信号1704、1705を発信する。無線通信端末101は、位置情報信号1704を受信することによって、現在位置が位置情報発信機1702の近傍であることを知ることができる。
【0110】
なお、現在位置を容易に特定するために、位置情報信号1704、05の到達範囲を制限しておいてもよい。例えば、到達距離を位置情報発信機1702と位置情報発信機1703の間隔の1/2程度としておけば、位置情報信号1704、1705の一方のみ受信できるので、位置は容易に確定できる。もし、無線通信端末101が位置情報信号1704と位置情報信号1705の両方を受信した場合は、現在位置は位置情報発信機1702と位置情報発信機1703の中間地点とすればよい。あるいは、位置情報信号1702と位置情報信号1703の受信電界強度の比を基に位置を判断してもよい。
【0111】
位置情報発信機1702、1703には一般の近距離無線用装置が適用できるので、無線LAN、Bluetooth、Zigbee、RFタグなどを使用すればよい。
【0112】
第5の実施例の構成により、人工衛星からの電波が届かない地域であっても位置測定が可能となるので、より柔軟に無線通信端末101を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明を実施するための最良の形態を示すブロック図である。
【図2】本発明を実施するための最良の形態の、経路情報の一例である。
【図3】本発明を実施するための最良の形態の、経路と経路情報の一例である。
【図4】本発明の第1の実施例を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施例の、経路情報の一例である。
【図6】本発明の第1の実施例の、経路情報の一例である。
【図7】本発明の第1の実施例の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施例の、経路と経路情報の一例である。
【図9】本発明の第2の実施例を示すブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施例の、経路の一例である。
【図11】本発明の第2の実施例の、経路情報の一例である。
【図12】本発明の第2の実施例の、経路情報の一例である。
【図13】本発明の第2の実施例の動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施例の、経路の一例である。
【図15】本発明の第3の実施例を示すブロック図である。
【図16】本発明の第4の実施例を示すブロック図である。
【図17】本発明の第5の実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0114】
101 無線通信端末
102 無線部
103 入出力部
104 制御部
105 アンテナ部
108 位置測定部
109 経路情報記憶部
111 進路予測部
301 通信サービス地域
302 経路
401 音声入出力部
402 表示部
403 マンマシンインタフェース部
404 GPSアンテナ部
405 電界強度測定部
801 通信サービス地域
802、803 経路
806、807 圏外エリア
808、809、810 隣接エリア
811 エリア
901 地図情報記憶部
802、803 経路
1001、1002 圏外エリア
1003、1004 隣接エリア
1401 経路
1501 基地局
1502 経路情報サーバ
1601 ネットワーク
1701 道路
1702、1703 位置情報発信機
1704、1705 位置情報信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を測定し位置情報を出力する位置測定部を備えた無線通信端末において、前記位置情報に基づき所定の第1の動作を行うことを特徴とする無線通信端末。
【請求項2】
前記無線通信端末は、前記現在位置の所定の状態を表す状態情報を測定するための状態測定部を備え、前記状態情報に基づき前記所定の第1の動作を行うことを特徴とする請求項1記載の無線通信端末。
【請求項3】
現在位置を測定し位置情報を出力する位置測定部を備えた無線通信端末において、複数の前記位置情報の時系列を含む経路情報を記憶する経路情報記憶部を備え、前記経路情報を基に予測した予測進路に基づき所定の第1の動作を行うことを特徴とする無線通信端末。
【請求項4】
現在位置を測定し位置情報を出力する位置測定部を備えた無線通信端末において、前記無線通信端末の外部の所定の経路情報部に、複数の前記位置情報の時系列を含む経路情報を記憶させ、前記経路情報を基に予測した予測進路に基づき所定の第1の動作を行うことを特徴とする無線通信端末。
【請求項5】
前記無線通信端末は、前記現在位置の所定の状態を表す状態情報を測定するための状態測定部を備え、現在位置及び前記状態情報を測定し、前記状態情報と前記位置情報を対応付けて前記経路情報記憶部に記憶させ、前記経路情報記憶部の記憶内容から前記予測進路上の各点の予測状態を求めることを特徴とする請求項3又は4記載の無線通信端末。
【請求項6】
前記無線通信端末は、所定の情報を出力する出力部を備え、前記予測状態が所定の条件を満足しない条件外地点を前記予測進路が含むとき、前記条件外地点を含まない進路である推奨進路を前記出力部により出力することを特徴とする請求項5記載の無線通信端末。
【請求項7】
前記無線通信端末は、所定の情報を出力する出力部を備え、現在位置が前記条件外地点まで所定の距離以下であるとき、又は前記予測進路が前記条件外地点を含むとき、前記出力部によりアラーム情報を出力することを特徴とする請求項5又は6のいずれかに記載の無線通信端末。
【請求項8】
前記無線通信端末は、所定の形状及び大きさを持った複数のエリアの内のいずれかに存在し、所定の時間間隔で現在位置及び前記状態情報を測定し、前記状態情報と前記エリアを対応付け地図情報として記憶する地図情報記憶部を備えることを特徴とする請求項2、又は4乃至7のいずれかに記載の無線通信端末。
【請求項9】
前記無線通信端末は、所定の形状及び大きさを持った複数のエリアの内のいずれかに存在し、所定の時間間隔で現在位置及び前記状態情報を測定し、前記無線通信端末の外部の所定の経路情報サーバに、前記状態情報と前記エリアを対応付け地図情報として記憶させることを特徴とする請求項2、又は4乃至7のいずれかに記載の無線通信端末。
【請求項10】
前記状態情報は、所定の固定無線局からの電波の電界強度を含む情報であることを特徴とする請求項2、又は4乃至9のいずれかに記載の無線通信端末。
【請求項11】
前記電波強度が所定の電界強度判定値より小さい地点である圏外地点に隣接した地点において、前記所定の第1の動作を行うことを特徴とする請求項10記載の無線通信端末。
【請求項12】
前記圏外地点において、所定の第2の動作を行うことを特徴とする請求項10又は11のいずれかに記載の無線通信端末。
【請求項13】
前記無線通信端末は、電子メールの送受信を制御する電子メール制御部を備え、前記所定の第1の動作は、前記電子メール制御部による前記電子メールの送受信であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の無線通信端末。
【請求項14】
前記所定の第1の動作は、前記無線通信端末が備える所定の機能の停止又は前記無線通信端末の所定部分への電源供給の中断であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の無線通信端末。
【請求項15】
前記所定の第2の動作は、前記無線通信端末が備える所定の機能の停止又は前記無線通信端末の所定部分への電源供給の中断であることを特徴とする請求項12記載の無線通信端末。
【請求項16】
前記位置情報は、2次元の座標、又は前記無線通信端末が存在する所定の地域を所定の形状及び大きさに分割したエリアを特定するエリア座標であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の無線通信端末。
【請求項17】
現在位置を測定し位置情報を出力する位置測定部を備え、所定の経路情報記憶部に複数の前記位置情報の時系列を含む経路情報を記憶させ、前記経路情報を基に予測した予測進路に基づき所定の動作を行う無線通信端末に、前記現在位置を測定するための情報を含む信号を送信する固定送信機。
【請求項18】
現在位置を測定し位置情報を出力する位置測定部を備え、所定の経路情報記憶部に複数の前記位置情報の時系列を含む経路情報を記憶させ、前記経路情報を基に予測した予測進路に基づき所定の動作を行う無線通信端末から前記経路情報を受信し、前記無線通信端末からの要求に従い前記経路情報を提供することを特徴とする経路情報サーバ。
【請求項19】
無線通信端末の現在位置の位置情報を測定するステップと、前記位置情報に基づき所定の第1の動作を行うステップを備えることを特徴とする無線通信端末の制御方法。
【請求項20】
前記現在位置の所定の状態を表す状態情報を測定するステップと、前記状態情報に基づき前記所定の第1の動作を行うステップを備えることを特徴とする請求項19記載の無線通信端末の制御方法。
【請求項21】
無線通信端末の現在位置の位置情報を測定するステップと、複数の前記位置情報の時系列を含む経路情報を記憶するステップと、前記経路情報を基に予測した予測進路に基づき所定の第1の動作を行うステップを備えることを特徴とする無線通信端末の制御方法。
【請求項22】
現在位置及び前記状態情報を測定するステップと、前記状態情報と前記位置情報を対応付けて前記経路情報記憶部に記憶させるステップと、前記経路情報記憶部の記憶内容から前記予測進路上の各点の予測状態を求めるステップを備えることを特徴とする請求項21記載の無線通信端末の制御方法。
【請求項23】
前記予測状態が所定の条件を満足しない条件外地点を前記予測進路が含むとき、前記条件外地点を含まない進路である推奨進路を所定の出力部により出力するステップを備えることを特徴とする請求項22記載の無線通信端末の制御方法。
【請求項24】
現在位置が前記条件外地点まで所定の距離以下であるとき、又は前記予測進路が前記条件外地点を含むとき、所定の出力部によりアラーム情報を出力するステップを備えることを特徴とする請求項22又は23のいずれかに記載の無線通信端末の制御方法。
【請求項25】
前記無線通信端末は、所定の形状及び大きさを持った複数のエリアの内のいずれかに存在し、所定の時間間隔で現在位置及び前記状態情報を測定するステップと、前記状態情報と前記エリアを対応付け地図情報として記憶するステップを備えることを特徴とする請求項20、又は22乃至24のいずれかに記載の無線通信端末の制御方法。
【請求項26】
前記状態情報は、所定の固定無線局からの電波の電界強度を含む情報であることを特徴とする請求項20、又は22乃至25のいずれかに記載の無線通信端末の制御方法。
【請求項27】
前記電波強度が所定の電界強度判定値より小さい地点である圏外地点に隣接した地点において、前記所定の第1の動作を行うステップを備えることを特徴とする請求項26記載の無線通信端末の制御方法。
【請求項28】
前記圏外地点において、所定の第2の動作を行うステップを備えることを特徴とする請求項26又は27のいずれかに記載の無線通信端末の制御方法。
【請求項29】
前記所定の第1の動作は、前記電子メール制御部による前記電子メールの送受信であることを特徴とする請求項19乃至28のいずれかに記載の無線通信端末の制御方法。
【請求項30】
前記所定の第1の動作は、前記無線通信端末が備える所定の機能の停止又は前記無線通信端末の所定部分への電源供給の中断であることを特徴とする請求項19乃至29のいずれかに記載の無線通信端末の制御方法。
【請求項31】
前記所定の第2の動作は、前記無線通信端末が備える所定の機能の停止又は前記無線通信端末の所定部分への電源供給の中断であることを特徴とする請求項28記載の無線通信端末の制御方法。
【請求項32】
前記位置情報は、2次元の座標、又は前記無線通信端末が存在する所定の地域を所定の形状及び大きさに分割したエリアを特定するエリア座標であることを特徴とする請求項19乃至31のいずれかに記載の無線通信端末の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−128914(P2006−128914A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−312543(P2004−312543)
【出願日】平成16年10月27日(2004.10.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】