説明

無線通信端末、最大消費電流低減回路および方法並びに最大消費電流低減プログラム

【課題】適正な輝度でLEDを発光させながら通信でき、しかもLEDの消費電流が最大消費電流の増大をもたらさない無線通信端末の提供。
【解決手段】送信ON信号102が高電位の期間(送信期間)にはTr1がOFFとなるので、LED電流106は流れず、他方、受信ON信号103が高電位の期間(受信期間)には、Tr2がONとなり、LED電流106は抵抗R1及びR2の並列回路を通して流れる。信号102及び103が低電位であり、LEDON信号101信号が高電位のとき、Tr1がON、Tr2がOFFとなるので、LEDには直列に抵抗R1だけが挿入される。抵抗R1だけがLEDに直列に接続されるときにLEDに流れる電流がそのLEDの適正電流I1となるように、抵抗R1の値を設定し、R1=R2とすることにより、受信期間には適正電流I1の2倍の電流I2をLEDに流、LEDを通常の約2倍の輝度で発光させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波の送信および受信を高速に繰り返すことにより時分割で送受信を行う無線通信端末、この無線通信端末に備えられる最大消費電流低減回路および方法並びに最大消費電流低減プログラムに関し、特にUSB規格その他の電流容量が規定されている規格のインタフェースに接続され、該インタフェースを電源とする無線通信端末に適用されて好適である。
に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータのUSBコネクタに接続されるLANカード等の無線通信端末はそのUSBコネクタから電源の供給を受けている。このような無線通信端末では、送信と受信とが同時行われていると通信者に認識させる程度の短い周期で電波の送信および受信を高速に切り替える送受信時分割通信方式が採用されることが多い。例えば、XGP(eXtended Global Platform)による電波の送受信方式では、2.5msの送信、2.5msの受信を1周期(5ms)として送受を高速に繰り返し、送信と受信とが同時行われていると通信者に認識させている。ここで通信者とは、無線通信端末付きのパーソナルコンピュータを利用して、電話通信やデータ通信を行っている人である。
【0003】
これら無線通信端末には、電源の供給を受けているか否か、受信信号レベルが所定の閾値を超えているか否か等、無線通信端末に関する何らかの状況を表示するためにLED(発光ダイオード)が搭載されていることが多い。
【0004】
USBコネクタから供給を受けられる電流容量は、USBインタフェース規格により予め規定されている。他方、USBコネクタに接続される無線通信端末では、近年通信速度の高速化が一層進み、それに伴って所要電流が増大している。そこで、USBコネクタに接続される無線通信端末の最大消費電流をUSBインタフェース規格以内に抑制するための技術が求められている。
【0005】
特許文献1(特開2007−329557)の段落0052−0059、図3、図4、要約にはデジタルカメラの消費電流を抑制するために、無線通信による画像データの送信中は、LCDを照明するバックライトを消灯する表示装置付き情報端末が開示されている。また、この特許文献1の技術では、無線通信中にキャンセルボタンが押下されたときには、無線通信を中断して画像データの送信を一時停止し、LCD照明用バックライトを点灯して、LCDに送信経過状況を表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−329557(段落0052−0059、図3、図4、要約)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のLANカード等の無線通信端末では、通信者は、LEDの表示を視認することにより、電源の有無、受信電波強度が閾値を越えているか否かなど無線通信端末に関する状況を確認しながら、送受信時分割通信方式による通信を行う。従って、LANカード等の無線通信端末では、無線通信端末に関する状況の確認を放棄することなく、即ちLEDの点灯を確認しながら、通信ができ、しかも最大消費電流がUSBインタフェース規格を満たすことが求められる。
【0008】
上述の特許文献1に示された表示装置付き情報端末では、LCD用バックライトを消灯するか、または無線通信を中断して画像データの送信を一時停止し、LCD照明用バックライトを点灯して、LCDに送信経過状況を表示するかの何れかが選択されることにより、消費電流を抑制している。そこで、LANカード等の無線通信端末に特許文献1の技術を適用しても、LEDの点灯を確認しながら、通信ができ、しかもUSBインタフェース規格を満たすように最大消費電流を抑制することはできない。
【0009】
以上では無線通信端末の例として、LANカードを挙げたが、LANカードに限らず、高速パケット通信規格のHSPA(High Speed Packet Access)、無線通信規格のWi MAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、携帯電話の通信規格LTE(Long Term Evolution)といった各種の無線通信規格を採用した無線通信端末についても、LANカードと同様に、LEDの点灯を確認しながら、通信ができ、しかもUSBインタフェース規格を満たすように最大消費電流を抑制することはできる技術が求められている。また、USBインタフェース規格に限られず、電流容量が規定されているインタフェースに接続されるときは、無線通信端末におけるLEDの点灯を確認しながら、通信ができ、しかもそのインタフェースの規格を満たすように最大消費電流を抑制することはできる技術が求められている。
【0010】
(本発明の目的)
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、適正な輝度でLEDを発光させながら通信でき、しかもLEDの消費電流が最大消費電流の増大をもたらさない無線通信端末、最大消費電流低減回路および方法並びに最大消費電流低減プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述の課題を解決するため、本発明による無線通信端末、最大消費電流低減回路および方法並びに最大消費電流低減プログラムは、主に、次のような特徴的な構成を採用している。
【0012】
(1)本発明による無線通信端末は、
送信と受信とが同時行われていると通信者に認識させる程度の短い周期で電波の送信および受信を高速に切り替えることにより送受信時分割通信を行い、
前記送受信時分割通信期間には、電波送信時にLEDを消灯し、電波受信時に該LEDを点灯することにより、該LEDが連続的に点灯していると視認される程に短い周期で該LEDを点滅させ、
前記電波受信時に該LEDに流す電流を、該LEDを連続的に点灯するときに該LEDに流すべき電流よりも大きくすることにより、該LEDを連続的に点灯したときにおける該LEDと同程度の輝度を感じさせる
ことを特徴とする。
(2)本発明によるは、最大消費電流低減回路は、
送信と受信とが同時行われていると通信者に認識させる程度の短い周期で電波の送信および受信を高速に切り替えることにより送受信時分割通信を行う無線通信端末における最大消費電流を低減する回路であって、
前記送受信時分割通信期間には、電波送信時にLEDを消灯し、電波受信時に該LEDを点灯することにより、該LEDが連続的に点灯していると視認される程に短い周期で該LEDを点滅させ、
前記電波受信時に該LEDに流す電流を、該LEDを連続的に点灯するときに該LEDに流すべき電流よりも大きくすることにより、該LEDを連続的に点灯したときにおける該LEDと同程度の輝度を感じさせる
ことを特徴とする。
(3)本発明による最大消費電流低減方法は、
送信と受信とが同時行われていると通信者に認識させる程度の短い周期で電波の送信および受信を高速に切り替えることにより送受信時分割通信を行う無線通信端末における最大消費電流を低減する方法であって、
前記送受信時分割通信期間には、電波送信時にLEDを消灯し、電波受信時に該LEDを点灯することにより、該LEDが連続的に点灯していると視認される程に短い周期で該LEDを点滅させ、
前記電波受信時に該LEDに流す電流を、該LEDを連続的に点灯するときに該LEDに流すべき電流よりも大きくすることにより、該LEDを連続的に点灯したときにおける該LEDと同程度の輝度を感じさせる
ことを特徴とする。
(4)本発明による最大消費電流低減プログラムは、上記(3)に記載の最大消費電流低減方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の無線通信端末、最大消費電流低減回路および方法並びに最大消費電流低減プログラムによれば、適正な輝度でLEDを発光させながら通信でき、しかもLEDの消費電流が最大消費電流を押し上げることがない。
LEDの点灯を確認しながら、通信ができ、しかも最大消費電流を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る無線通信端末におけるLED点灯制御回路を示す回路図である。
【図2】図1の回路における各部の信号の例を示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明による無線通信端末、最大消費電流低減回路および方法の好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明による 無線通信端末、最大消費電流低減回路および方法について主に説明するが、かかる 方法をコンピュータにより実行可能な最大消費電流低減プログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは最大消費電流低減プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。
【0016】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明による無線通信端末は、送信と受信とが同時行われていると通信者に認識させる程度の短い周期で電波の送信および受信を高速に切り替えることにより送受信時分割通信を行い、送受信時分割通信期間には、電波送信時にLEDを消灯し、電波受信時に該LEDを点灯することにより、該LEDが連続的に点灯していると視認される程に短い周期で該LEDを点滅させ、電波受信時に該LEDに流す電流を、該LEDを連続的に点灯するときに該LEDに流すべき電流よりも大きくすることにより、該LEDを連続的に点灯したときにおける該LEDと同程度の輝度を感じさせる。
【0017】
より具体的には、本発明は、USB規格その他の電流容量が規定されている規格のインタフェースに接続され、該インタフェースを電源とする無線通信端末に適用されて好適である。本発明が適用される無線通信端末は、例えば、LANカード、HSPA、Wi MAX、LTE(Long Term Evolution)といった各種の無線通信規格を採用した無線通信端末である。
【0018】
図1は、パーソナルコンピュータのUSBコネクタに接続されたLANカードにおけるLED点灯制御回路を示す回路図であり、図2は図1の回路における各部の信号の例を示す波形図である。LANカードは、USBコネクタから電源の供給を受けている。USBコネクタについては、USBインタフェース規格が適用され、電流容量が制限されている。また、このLANカードが採用している電波の送受信方式は、XGP(eXtended Global Platform)であり、2.5ms(ミリ秒)の送信、2.5msの受信を1周期(5ms)として送受を高速に繰り返す。XGPでは、5msという短い周期で送信と受信とを交互に繰り返す送受信時分割通信を採用してので、電話通信やデータ通信をしている通信者には送信と受信とが同時行われていると認識される。
【0019】
このLANカードには、USBコネクタから電源の供給を受けているか否か、又は受信電波強度が閾値を越えているか否かを表示するためにLEDが搭載されている。LANカード付きのパーソナルコンピュータを利用して通信を行う者は、LEDの点灯を視認して、LANカードが通信可能な条件にあることを確認しながら通信を行う。
【0020】
LANカードにおいて最大電流が消費される時は、送受信時分割通信の際における送信期間の2.5msである。この送信期間には、例えば1ワット程度の電力が消費され、このときUSBコネクタの許容電流に近い電流が消費される。即ち、近年ではLANカードが高速に通信を行うので、LANカード内部におけるCPUや送受信部における電力消費がUSBインタフェース規格における許容電流に非常に近づいている。そこで、LANカードにおける電流消費を可能な限界値まで低減する要求が強いという事情がある。
【0021】
LEDにおける消費電力は通常数十mW(ミリワット)であり、このときの消費電流は、例えば20mA(ミリアンペア)であり、パワートランジスタを有し、大きな電流を消費する送信部に比べると小さい。それも拘わらず、LEDの消費電流を低減することは、LANカードの消費電流をUSBインタフェース規格における許容電流以下に抑えるという設計上の要求に合致する。
【0022】
LANカードの最大電流消費期間である2.5msの送信期間にLEDを消灯することにより、LANカードにおける最大消費電流は低減できる。しかしながら、受信期間2.5msだけに点灯し、次の送信期間2.5msに消灯すると、肉眼には受信期間2.5msにおける輝度の半分程度の輝度として感じられる。そこで、2.5msの受信期間だけに点灯し、2.5msの送信期間に消灯すると、電源の供給や受信電波が閾値を越えていることを確認するためにLEDを見ても、LEDを連続的に点灯させる場合に比べ、LEDの輝度が半分程度に低下して目に感じられ、通信者にはLEDが点灯しているのか、消灯しているのかの確認が難しくなる。
【0023】
LEDの輝度は、流す電流にほぼ比例する。例えば、20mAを適正電流とすると、その倍の40mAを流すと、LEDの輝度は約1.8倍となる。そこで、本実施の形態では、受信期間(2.5ms)には、連続して点灯させるときにLEDに流すべき適正な大きさの電流として求められる適正電流値の倍程度の大きい電流をLEDに流し、受信期間のLEDをその適正電流値のときの輝度の倍程度の高い輝度で発光させる。LEDの寿命はほぼ電流の二乗に反比例する。しかし、LEDの寿命は、例えばGaN LEDでは、適正電流を流したときの輝度半減寿命は約10万時間といわれているので、電流を2倍流したとしても輝度半減寿命2.5万時間であり、実用上支障はない。LEDの寿命は接合部の絶対温度の逆数に比例するので、温度の上昇により寿命が急激に短くなる恐れがあるが、点灯時間は総使用時間の50パーセントであるから、電流を適正電流の2倍流したとしてもLEDの温度が急激に上昇し、電流の増大による影響以上に、温度上昇により寿命の低下を招く恐れは少ない。
【0024】
再び、図1および図2を参照し、本実施の形態の構成および作動を詳しく説明する。図1において、N1は反転回路(ノット回路)、A1及びA2はアンド回路、Tr1及びTr2はMOSトランジスタ、R1及びR2は抵抗、PSはUSBコネクタから供給される電源である。本実施の形態では、R1及びR2の抵抗値は同じに選んである。
【0025】
LANカードでは、1つのアンテナを送信及び受信に共用するために、送受切替部(図示せず。)を備える。送受切替部は、2.5msの送信期間T1は、送信部から出力される高電力・高周波の送信信号をアンテナに導き、2.5msの受信期間T2にはアンテナで受信した微弱な受信信号を受信部に導く。このような送受切替部おける切替の制御は、集積回路(IC)でなる。送受信切替部を構成するICは、BBIC(ベーシックバンドIC)やRFIC(高周波IC)である。BBICやRFICにおいて、送信期間を表す送信ON信号102および受信期間を表す受信ON信号103が生成される。図2(2)送信ON信号102における送信期間T1に3本の線が描いてあるが、これらの線は3μS(マイクロ秒)の時間だけ、送信電波遮断される時間を表す。これら3μSの送信電波遮断時間により送信期間T1は4つのタイムスロットに分けられている。同様に、図2(3)の受信ON信号103も4つのタイムスロットに分けられている。また、LANカードは、電源PS供給の有無を検知する電源検知回路(図示せず。)を備える。電源検知回路は、電源PSが供給されているときに高電位になり、電源PSが供給されていないときに低電位になるレベル信号であるLEDON信号101を生成する。
【0026】
送信ON信号102は反転回路N1により反転され、アンド回路A1に入力される。アンド回路A1は、反転回路N1の出力とLEDON信号101信号とのアンド(AND)論理出力を信号104としてMOSトランジスタTr1のゲートに供給する。信号104が高電位のとき、MOSトランジスタTr1はONとなる。アンド回路A2は、受信ON信号103とLEDON信号101信号とのアンド(AND)論理出力を信号105として、MOSトランジスタTr2のゲートに入力する。信号105は、LEDON信号101信号が高電位のとき、受信ON信号103と同じである。MOSトランジスタTr2は、信号105が高電位のときONとなる。MOSトランジスタTr2がONとなるときに、抵抗R2は抵抗R1に並列に接続される。
【0027】
図1の回路において、LEDに流れる電流106は、図2(6)に示す如くであり、送信ON信号102が高電位(論理値"1")の期間T1(送信期間)にはLEDには電流は流れない。他方、受信ON信号103が高電位(論理値"1")の期間T2(受信期間)には、LEDの電流106は、抵抗R1及びR2の並列回路を通して流れる。抵抗R1だけがLEDに直列に接続されるときにLEDに流れる電流がそのLEDの適正電流I1となるように、抵抗R1の値を設定することにより、受信期間T2には適正電流I1の2倍の電流I2をLEDに流すことができる。そこで、本実施の形態では、受信期間T2には適正電流I1の2倍の電流I2をLEDに流すことにより、受信期間T2におけるLEDの輝度を、LEDに適正電流I1を流すときの約2倍に高めることができる。斯くの如くに、本実施の形態では、送信期間T1にはLEDに電流を流さず、LEDを消灯し、受信期間T2には適正電流I1の2倍の電流I2をLEDに流し、適正電流I1を流すときの約2倍の輝度でLEDを発光させるので、送受信期間の平均の輝度は、適正電流I1を連続的に流したときとほぼ同じ輝度となり、視覚が感じる輝度は、その平均輝度となる。
【0028】
送信ON信号102及び受信ON信号103の何れの信号も低電位で、しかもLEDON信号101信号が高電位のとき、即ち図2における時刻t0−t1の間及び時刻t5−t6の間では、信号104は高電位であり、MOSトランジスタTr1はONとなるとともに、他方、信号105は低電位であり、MOSトランジスタTr2がOFFとなるので、LEDには直列に抵抗R1だけが挿入され、LEDには適正電流I1が流れる。図2では、作図の都合上時刻t0−t1の間及び時刻t5−t6の間は短く描いてあるが、時刻t0−t1の間及び時刻t5−t6の間は、LEDON信号101信号により任意に選択できる。そこで、電源PSの供給があることを確認できている限りはLEDON信号101信号を高電位にするように前述の電源検知回路を設計することにより、図1のLANカードにより送受信が行われていないときには、LEDには適正電流I1が連続的に流れ、LANは連続的に通常の適正な輝度で点灯し続ける。
【0029】
図1及び図2を参照して説明した上記実施の形態では、送信期間にはLEDに電流を供給しないので、LANカードにおける最大電流消費期間である送信期間にはLEDは電流を消費しない。従って、LEDの発光はLANカードの最大消費電流を押し上げることにはならない。他方、この実施の形態のLANカードでは、受信期間には適正電流の2倍の電流をLEDに供給する。従って、受信期間は全送受信期間の半分であるが、受信期間における輝度を適正電流通電時の約2倍に高めてあるので、目に感じる平均輝度は適正電流を連続的にLEDに流したときとほぼ同じである。このように、本実施の形態のLANカードは、最大消費電流を押し上げることなく、しかも適正電流を流したときとほぼ同じ輝度でLEDを発光できる。
【0030】
本実施の形態の採用により、USBインタフェース規格の最大許容電流で送信をすることができ、しかも、電源PSの供給を表示するLED度を、該LEDを連続的に点灯した場合と同等の輝度で発光することができるので、許容される最大の電力の電波を送信し、一方、見やすい輝度でLEDを発光させることができるLANカードを得ることができる。このように、本実施の形態を採用すれば、適正な輝度でLEDを発光させながら通信でき、しかもLEDの消費電流が最大消費電流を押し上げることのないLANカードを提供できる。
【0031】
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることは、当業者には容易に理解できよう。
【0032】
例えば、無線通信端末がLANカードである実施の形態を挙げたが、本発明の無線通信端末は、LANカードに限られず、HSPA、Wi MAX、LTEといった各種の無線通信規格を採用したものであっても差し支えない。また、実施の形態では、無線通信端末がUSBインタフェース規格のコネクタに接続される例を挙げたが、USBインタフェース規格のコネクタに限らず、本発明の無線通信端末は他の規格のインタフェースにも適用できる。
【0033】
また、上記の実施の形態では、電源PSが供給されているか否かを表示するためにLEDが搭載されているLANカードについて説明したが、LEDの点灯/消灯で以ってどのような情報を表示するかは任意である。例えば、受信信号の強度が閾値に達しているか否かを表示する目的でLEDを搭載した無線通信端末にも本発明を適用できることは勿論である。
【符号の説明】
【0034】
A1,A2 AND回路
LED 発光ダイオード
N1 反転回路
PS 電源
R1,R2 抵抗
Tr1,Tr2 MOSトランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信と受信とが同時行われていると通信者に認識させる程度の短い周期で電波の送信および受信を高速に切り替えることにより送受信時分割通信を行い、
前記送受信時分割通信期間には、電波送信時にLEDを消灯し、電波受信時に該LEDを点灯することにより、該LEDが連続的に点灯していると視認される程に短い周期で該LEDを点滅させ、
前記電波受信時に該LEDに流す電流を、該LEDを連続的に点灯するときに該LEDに流すべき電流よりも大きくすることにより、該LEDを連続的に点灯したときにおける該LEDと同程度の輝度を感じさせる
ことを特徴とする無線通信端末。
【請求項2】
USB規格その他の電流容量が規定されている規格のインタフェースに接続され、該インタフェースを電源とすることを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項3】
前記LEDの点灯と消灯とを制御する点灯制御回路を有し、
前記点灯制御回路は、前記LEDに直列に接続されたスイッチ回路と、該スイッチ回路のONとOFFとを制御するスイッチON/OFF制御回路とでなり、
前記スイッチON/OFF制御回路は、前記送受信時分割通信期間における前記受信時を表す信号がある時だけに前記スイッチ回路をONにする
ことを特徴とする請求項1または2の何れか一方に記載の無線通信端末。
【請求項4】
前記スイッチ回路は第1のトランジスタでなり、
前記スイッチON/OFF制御回路は、前記送受信時分割通信期間における前記送信時を表す送信ON信号を反転することにより、前記受信時を表す信号を生成する反転回路と、該反転回路の出力により前記第1のトランジスタをONにする前記第1のトランジスタ制御回路とからなる
ことを特徴とする請求項3に記載の無線通信端末。
【請求項5】
前記LEDの輝度を制御する輝度制御回路を有し、
前記輝度制御回路は、前記LEDに流れる電流を第1及び第2の流路に分流する並列回路と、前記第2の流路のインピーダンスを制御するインピーダンス制御回路とを備えてなり、
前記インピーダンス制御回路は、前記第2の流路のインピーダンスを、前記送受信時分割通信期間における前記受信時には、該送受信時分割通信期間における前記送信時より減少させる
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の無線通信端末。
【請求項6】
前記第1の流路は第1の抵抗でなり、
前記第2の流路は第の2抵抗と第2のトランジスタとの直列回路でなり、
前記インピーダンス制御回路は、前記送受信時分割通信期間における前記受信時を表す信号がある時だけに前記第2のトランジスタを同通させる
ことを特徴とする請求項5に記載の無線通信端末。
【請求項7】
送信と受信とが同時行われていると通信者に認識させる程度の短い周期で電波の送信および受信を高速に切り替えることにより送受信時分割通信を行う無線通信端末における最大消費電流を低減する回路であって、
前記送受信時分割通信期間には、電波送信時にLEDを消灯し、電波受信時に該LEDを点灯することにより、該LEDが連続的に点灯していると視認される程に短い周期で該LEDを点滅させ、
前記電波受信時に該LEDに流す電流を、該LEDを連続的に点灯するときに該LEDに流すべき電流よりも大きくすることにより、該LEDを連続的に点灯したときにおける該LEDと同程度の輝度を感じさせる
ことを特徴とする最大消費電流低減回路。
【請求項8】
前記無線通信端末は、USB規格その他の電流容量が規定されている規格のインタフェースに接続され、該インタフェースを電源とすることを特徴とする請求項7に記載の最大消費電流低減回路。
【請求項9】
送信と受信とが同時行われていると通信者に認識させる程度の短い周期で電波の送信および受信を高速に切り替えることにより送受信時分割通信を行う無線通信端末における最大消費電流を低減する方法であって、
前記送受信時分割通信期間には、電波送信時にLEDを消灯し、電波受信時に該LEDを点灯することにより、該LEDが連続的に点灯していると視認される程に短い周期で該LEDを点滅させ、
前記電波受信時に該LEDに流す電流を、該LEDを連続的に点灯するときに該LEDに流すべき電流よりも大きくすることにより、該LEDを連続的に点灯したときにおける該LEDと同程度の輝度を感じさせる
ことを特徴とする最大消費電流低減方法。
【請求項10】
請求項9に記載の最大消費電流低減方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施することを特徴とする最大消費電流低減プログラム。

【図1】
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【図2】
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