説明

無線通信端末のナビゲーションシステムおよびそのナビゲーション方法

【課題】無線通信端末に随時更新される無線通信のサービス圏を表示してナビゲーションを行うことができるナビゲーションシステムを提供する。
【解決手段】無線通信端末1は、サービス圏外7に位置する場合に、GPSシステム50からの受信が可能なときには、所定時間毎に位置情報を受信して記憶する。そして、サービス圏内8に戻ったときに、無線通信端末1は、無線基地局装置2と上位装置3とを介して位置情報管理装置6に、前記記憶した位置情報を送出し、位置情報管理装置6は、サービス圏外情報として記憶する。無線通信端末1は、サービス圏に関するナビゲーションが必要になると、無線基地局装置2と上位装置3とを介して位置情報管理装置6から、ナビゲーションに必要な情報を受信して表示を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信端末のナビゲーションシステムに関し、特に、無線通信端末に無線通信のサービス圏を表示してナビゲーションを行うナビゲーションシステムおよびそのナビゲーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在無線通信として、携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)や無線LAN等の無線技術が利用されており、その無線通信端末としては、携帯電話機やPHS端末や各種無線技術による通信が利用可能なPDA(Personal Digital Assistant:個人向け携帯型情報通信機器)、PC(Personal Computer)等が利用されている。
【0003】
そして、無線通信の中では、近年携帯電話が普及してきており、携帯電話の無線基地局装置の設置が進められた結果、携帯電話機による通話が可能と想定される地域である通話エリア、すなわちサービスエリアが拡大し、人口カバー率が向上してきている。
【0004】
このように、無線通信端末として、現時点で既に広範な地域で利用可能である携帯電話ではあるが、その一方で、依然として電波状態が悪くて無線通信を行うことができないサービス圏外の地域が、例えば都市部から離れた山間部等に多く存在している。更に、実際に電波状態が良くて無線通信を行うことができるサービス圏内の地域が多くを占める都市部にあっても、サービスエリアの中にあるにも拘らず、高層ビルなどの影響で無線信号の遮断や反射や干渉が起こり、サービス圏外となる場所が多く存在している。
【0005】
そのため、無線通信端末の使用者にとっては、近辺の地域について、サービス圏に関する情報、すなわちサービス圏外やサービス圏内に関する情報を知ることが、無線通信端末を快適に使用するため非常に有用となる。そして、その一例として、例えば特許文献1には、移動可能な無線通信機を通話可能域外から通話可能域内へ誘導するナビゲーション装置が記載されている。
【0006】
また、特許文献2には、無線通信機と接続され情報センターとの通信が途切れるのを未然に防ぐことのできるナビゲーション装置が記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開2003−101462号公報(第1頁、図5)
【特許文献2】特開2000−227339号公報(第1頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来の無線通信機のナビゲーション装置では、無線通信機の通話可能な地域を示す情報を、CD−ROM等の記録媒体からの読み取り、或いは情報配信センターとの交信によって得ている。このため、CD−ROM等の記録媒体に記録された情報や情報配信センターから提供される情報が、ナビゲーションを実施する時点での状況を反映した情報でない場合には、ナビゲーション装置は、適切な経路を表示することができなくなるという問題が起こることになる。
【0009】
したがって、本発明の目的は、上記問題を解決し、無線通信端末において、随時更新されるサービス圏に関する情報を利用したナビゲーションを実施することができるナビゲーションシステムおよびそのナビゲーション方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のナビゲーションシステムは、無線通信端末と、無線通信端末と通信をする無線基地局装置と、無線基地局装置に接続された上位装置と、上位装置に接続された位置情報管理手段とを有し、位置情報管理手段が有する無線基地局装置によるサービス圏に関する情報を無線通信端末で受信して表示することのできるナビゲーションシステムであって、無線通信端末は、サービス圏外に位置するときに自己の位置情報を記憶する手段と、無線基地局装置のサービス圏内に戻ったときに位置情報管理手段に位置情報を送出する手段とを有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の無線通信端末は、自己の位置情報を受信する手段と、無線基地局装置のサービス圏外に位置するときに位置情報を記憶する手段と、無線基地局装置のサービス圏内に戻ったときに無線基地局装置を介し位置情報管理手段に対して位置情報を送出する手段とを有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の位置情報管理手段は、無線通信端末と、無線通信端末と通信をする無線基地局装置と、無線基地局装置に接続された上位装置と、上位装置に接続された位置情報管理手段とを有し、位置情報管理手段が有する無線基地局装置によるサービス圏に関する情報を無線通信端末で受信して表示することのできるナビゲーションシステムの位置情報管理手段であって、無線通信端末が、サービス圏外に位置するときに記憶し、無線基地局装置のサービス圏内に戻ったときに送出した無線通信端末の位置情報を受信する手段を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明のナビゲーション方法は、無線通信端末と、無線通信端末と通信をする無線基地局装置と、無線基地局装置に接続された上位装置と、上位装置に接続された位置情報管理手段とを有し、位置情報管理手段が有する無線基地局装置によるサービス圏に関する情報を無線通信端末で受信して表示することのできるナビゲーションシステムのナビゲーション方法であって、無線通信端末は、サービス圏外に位置するときに自己の位置情報を記憶し、無線基地局装置のサービス圏内に戻ったときに位置情報管理手段に位置情報を送出し、位置情報管理手段は、送出された位置情報を受信してサービス圏に関する情報を更新することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、無線通信端末は、随時更新されるサービス圏に関する情報を、サービス圏内で確認することができる。このため、無線通信端末の使用者は、随時更新されるサービス圏に関する情報を利用して、サービス圏外やサービス圏内の地域を知ることができるので、より正確なナビゲーションを受けることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照して説明する。
なお、以下の説明では、本発明の無線通信端末は、自身の位置(緯度・経度)に関する情報を得るために、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を用いている。しかし、位置に関する情報を得る手段は、GPSに限定されるものではなく、例えばPHSで使われているように、無線通信端末が、位置に関する情報の要求を無線基地局装置に対して送出し、その応答として無線基地局装置から位置に関する情報を受信するような手段を用いることもできるし、その他の手段を用いることもできる。
【0016】
図1は、本発明の無線通信システムの構成図である。複数の無線通信端末(図1には、複数の無線通信端末として、例えば3台の無線通信端末1を図示する。)と、無線基地局装置2と、上位装置3と、位置情報管理装置6と、GPS衛星5を含む複数のGPS衛星を有するGPS衛星システム50とから構成されている。上位装置3は、複数の無線基地局装置と接続され信号を送受することが可能であるが、図1では無線基地局装置2のみを図示する。位置情報管理装置6は、サービス圏に関する情報を蓄積する機能を有している。なお、サービス圏に関する情報とは、サービス圏を特定するのに必要な情報、例えば後述する、無線基地局装置(一つの場合も複数の場合もある。)の位置情報とそのサービスエリアや、推測サービス圏外地域情報や、サービス圏外位置情報や、サービス圏内位置情報などである。また、GPS衛星システムは、GPS機能を有する無線通信端末に対して、位置情報を知るために必要な信号を送出する。
【0017】
図1において、サービスエリア4は、無線基地局装置2からの無線信号を無線通信端末1が受信することが可能と想定された地域であり、ここでは、無線基地局装置2を中心としたセル半径R内の地域とする。そして、サービスエリア4内であるが高層ビルなどの影響で、無線信号の遮断、反射、干渉が起こり、無線基地局装置2からの無線信号を無線通信端末1が受信をすることができない状態となる地域、及びサービスエリア4の外の地域がサービス圏外7である。すなわち、サービス圏外7とは、無線基地局装置2からの無線信号を無線通信端末1が受信をすることができないと想定される地域である。そして、サービスエリア4内において、サービス圏外7以外の地域は、無線通信端末1が受信をすることができると想定され、その地域がサービス圏内8である。
【0018】
図2は、図1に示した本発明の無線通信端末である無線通信端末1の構成を示すブロック図である。無線通信端末1は、無線基地局装置2と通信を行うための無線通信用通信部11と、GPS衛星システム50からの信号を受信するためのGPS用通信部12と、文字や指示等の入力を行う入力部15と、地図データや目的地までの経路等の情報を表示する表示部16と、音声の入出力を行う音声入出力部17と、地図データや位置情報管理装置6から受信した情報や各種処理の演算結果などを保存するために使用される記憶部13と、以上の各部の制御やGPS衛星システム50や位置情報管理装置6から受信した位置情報に対する演算等を行う制御・演算部14とから構成されている。なお、記憶部13としては、半導体メモリやハードディスク等を利用し無線通信端末に組み込まれたものや、メモリカード等のように記憶媒体として無線通信端末から取り外しが出来るようなものがある。
【0019】
図3は、上位装置3に接続された位置情報管理装置6のブロック図である。上位装置3と通信するための通信部61と、メンテナンス等の際に入力を行う入力部63と、サービス圏に関する情報等を記憶しておく記憶部64と、メンテナンス等の処理を行った結果等を表示するための出力部65と、以上の各部を制御するとともに演算を行う制御・演算部62とから構成されている。
【0020】
次に、以上説明した本発明の無線通信システムの動作について、図1〜図3およびサービス圏内に位置する無線通信端末1の動作に関するフローチャートである図4、サービス圏外に位置する無線通信端末1の動作に関するフローチャートである図5を使って説明する。
【0021】
図1の無線通信端末1は、サービス圏内8において、無線基地局装置2との間で無線信号を送受し、相手の通信端末と、上位装置3を介して双方向の通信を行う機能を有している。すなわち、無線基地局装置2は、上位装置3を介して、他の無線基地局装置やネットワークに接続する相手の通信端末と通信を行う機能を有している。また、無線通信端末1は、無線通信のサービス圏を表示してナビゲーションを行う機能を有している。そのため、無線通信端末1は、内蔵或いは外付されたGPS機能を有し、そのGPSアンテナによってGPS衛星システム50からの信号を受信し、位置(緯度・経度)に関する情報を得るとともに、必要に応じて、上位装置3および無線基地局装置2を介して位置情報管理装置6から無線信号を受信して情報を得ることができる。
【0022】
そして、無線通信端末1は、以下のように、GPS衛星システム50からの情報と位置情報管理装置6からの情報を得て動作する。
【0023】
すなわち、図1、図2および図4によると、サービス圏内8に位置するとき、無線通信端末1は、制御・演算部14の制御により、例えば所定の時間毎に、位置情報をGPS衛星システム50からの信号を受信することが可能な場合にはその信号を受信する(ステップ100からステップ102)。
【0024】
そして、無線通信端末1は、受信したGPS衛星システム50からの電波から得た位置情報を、位置情報管理装置6に対して、サービス圏内位置情報として送出し(ステップ103)、位置情報管理装置6からサービス圏の位置情報を取得して、記憶部13に書き込み保持する(ステップ104)。ここで、サービス圏の表示情報とは、例えば、無線基地局装置の位置情報とそのサービスエリアや後述の推測サービス圏外地域情報などであり、サービス圏に関する情報のうち特に、ステップ103でサービス圏内位置情報を送出した無線通信端末1の近辺のサービス圏を表示するために必要な情報である。
【0025】
そして、サービス圏内に位置する間、以上の操作を繰り返す(ステップ105)。
【0026】
なお、図4のフローチャートによる方法では、GPS衛星システム50からの信号を受信することが可能な場合に、無線通信端末1は、所定の時間毎にサービス圏内位置情報を送出している。しかし、他の実現方法としては、無線通信端末1が、所定の時間毎に無線通信用通信部11にて送受信している無線信号の電界強度や伝搬遅延量をモニタし、その変化や所定の閾値との比較に応じて、サービス圏外7が近づいているか否かを判断し、サービス圏外7が近づいていると判断した場合、サービス圏内位置情報を送出するようにすることも出来る。この方法によると、図4のフローチャートによる方法に比べて、位置情報管理装置6との間の送受信の回数を減らすことが可能となる。
【0027】
次に、図1、図2および図5により、サービス圏外7に位置するときの動作について説明する。無線通信端末1は、制御・演算部14の制御により、例えば所定の時間毎に、位置情報をGPS衛星システム50からの信号を受信することが可能な場合には、GPS衛星システム50からの信号を受信して位置情報を記憶部13に書き込み保持する(ステップ110からステップ112)。以降、この位置情報をサービス圏外位置情報と呼ぶ。
【0028】
そして、無線通信端末1は、サービス圏内8へ移行した後、例えば所定の時間が経過すると、無線基地局装置2と上位装置3とを介して、サービス圏外位置情報を位置情報管理装置6へ送出する(ステップ113からステップ115)。
【0029】
また次に、図3を使って、上述の位置情報管理装置6の機能について説明する。
【0030】
すなわち、位置情報管理装置6は、複数の無線通信端末から、サービス圏内位置情報およびサービス圏外位置情報を受信して記憶部64に記憶することができる。そして、それらの情報をある程度の数だけ蓄積すると、位置情報管理装置6は、自身が有するアルゴリズムに従ってサービス圏外にあると推測される地域を特定し、サービス圏に関する位置情報の一つとして記憶する。なお、位置情報管理装置6が記憶するこの特定された地域を、以下の説明では、推測サービス圏外地域情報と呼ぶ。
【0031】
また、位置情報管理装置6は、無線基地局装置の位置情報として、近辺の一つ或いは複数の無線基地局装置の位置情報を記憶部64に保持するとともに、サービスエリアの情報として、例えば前述したようにセル半径を記憶部64に保持している。そして、これらの情報は、無線基地局装置の追加やセル半径の変更などがなされた場合には、無線通信サービス提供者によって更新される。
【0032】
ここで、上述のサービス圏外位置情報と推測サービス圏外地域情報との関係とについて図6により説明する。
【0033】
推測サービス圏外地域情報72とは、無線通信端末1より報告される点情報であるサービス圏外位置情報71から得られる情報であり、推測されるサービス圏外の面情報である。点情報を推測により面情報とする方法としては、例えば、点情報に含まれる複数の点の各々を中心とした所定の大きさの円を想定し、それらの円が占める或いは囲む範囲に応じて面情報を決定する方法が考えられる。この方法のように、点情報の位置や個数等に応じて面情報が得られるのであれば、他のどの様な方法で面情報を推測してもよい。位置情報管理装置6は、サービス圏外位置情報71のサンプル数がある程度確保されると、それらから計算された推測サービス圏外地域情報72を記憶部64に記憶する。そして、必要に応じて、推測サービス圏外地域情報72を無線通信端末1へ通知する。
【0034】
なお、推測サービス圏外地域情報72は、無線通信端末1よりサービス圏外位置情報71が報告されると、それも使用して計算し直され、面の範囲を広げる方向で更新される。また、図示していないが、推測サービス圏外地域情報72は、無線通信端末1よりサービス圏内位置情報が報告された場合には、それも使用して計算し直され、面の範囲を狭める方向で更新される。
【0035】
以上、本発明の無線通信システムの構成と、それぞれの機能について説明したが、次に、本発明の無線通信システムにおいて実施されるナビゲーションについて説明する。
【0036】
〔実施例1〕
図7は、本発明の実施例1のナビゲーションであり、一旦サービス圏外に出た無線通信端末がサービス圏内へ戻るための経路を示している。ここでは、2つの無線基地局2−1、2−2によるサービス圏が存在している。そして、無線基地局2−1によるセル半径がR1、そのサービスエリアが4−1、サービス圏内が8−1である。また、無線基地局2−2によるセル半径がR2、そのサービスエリアが4−2、サービス圏内が8−2である。
【0037】
ここで、ナビゲーションの対象となる無線通信端末は、無線通信端末1である。
まず、無線通信端末1は、サービス圏内8−1の中のA地点にあって、移動しているものとする。サービス圏内8−1の中にあって、無線通信端末1は、図4に示すように、GPS衛星5を含むGPS衛星システム50からの信号を受信することにより位置(緯度・経度)に関する情報を知り、その位置情報を無線基地局装置2−1および上位装置3を介して位置情報管理装置6へ報告する。そして、位置情報管理装置6の制御・演算部62は、A地点にある無線通信端末1の位置情報に従って、近辺の無線基地局装置、例えば所定の半径(ここでは、半径Xkmとする。)内にある無線基地局装置の位置情報やセル半径、および推測サービス圏外地域情報72(例えば、図7では、推測サービス圏外地域情報72−1)を記憶部64から読み出す。それら記憶部64から読み出された情報を、位置情報管理装置6は上位装置3および無線基地局装置2−1を介して無線通信端末1へ通知し、無線通信端末1は記憶部13に書き込む。
【0038】
ここで、位置情報管理装置6から通知される推測サービス圏外地域情報72は、前述のように無線通信端末1を含むサービス圏外位置情報やサービス圏内位置情報を送出できる無線通信端末によって随時変更されるものである。また、前述の半径Xkmは、例えば無線通信サービス提供者より任意に決定され、位置情報管理装置6に登録される。
【0039】
なお、この実施例において、無線通信端末1は、無線基地局装置2−1、2−2の位置情報、セル半径R1、R2、及び推測サービス圏外地域情報72−1を取得し、記憶部13に書き込むものとする。
【0040】
そして、次に、無線通信端末1は、A地点から移動して、サービス圏外7−1に入りB地点にあるものとする。(図7では、このB地点に無線通信端末1があるときを示している。そして、無線通信端末1は、このB地点からC地点に入るまで、位置情報に関し図5に示すように動作するものとする。)このとき、無線通信端末1は、サービス圏外7−1では無線基地局装置との通信が出来ないため、通信を開始するためには、再びサービス圏内に入ることが必要である。そのため、まず、無線通信端末1は、近辺のサービス圏内までの経路を表示するのに際して、GPS衛星システム50からの信号を受信して、位置(緯度・経度)に関する情報を得る。そして、無線通信端末1は、その位置に関する情報と記憶部13に書き込まれた情報(無線基地局装置2−1、2−2の位置情報、セル半径R1、R2、及び推測サービス圏外地域情報72−1)を使って近辺のサービス圏内地域を判断する。そして、次に、その判断の結果に応じて、無線通信端末1は、その近辺のサービス圏内地域までの経路(例えば最短経路。)を記憶部13内の地図データと照合して決定し、映像や音声などを使って表示する。なお、映像による表示においては、図7に示すように、必要に応じて、サービス圏外7−1地域や推測サービス圏外地域72−1を、地図の上に表示することができる。
【0041】
このように、本発明においては、無線通信端末1は、推測サービス圏外地域情報72−1を避けて、近辺のサービス圏内である近辺のサービス圏内地域であるC地点までの経路を表示してナビゲーションすることができる。
【0042】
本実施例1におけるナビゲーションでは、無線通信端末1が一旦サービス圏外7−1にでたあと、無線通信端末1がサービス圏内に戻るための経路を表示しているが、他の例として、次のようなナビゲーションも考えられる。つまり、無線通信端末1が、制御・演算部14での演算により、送受信している無線信号の電界強度や伝搬遅延量が所定の閾値を超えたことを検出して、サービス圏外7−1が近づいていると判断し、通話・通信中の無線通信端末の使用者に映像や音声などを使ってその旨を伝える表示をすることも出来る。このような表示をすることによって、通話・通信中の無線通信端末がサービス圏外に入ってしまい、その通話・通信が途切れてしまうことを未然に防ぐことも可能になる。
【0043】
〔実施例2〕
次に、図8は、本発明の実施例2のナビゲーションであり、目的地が分かっている場合に、無線通信端末がサービス圏外を避けることができるように経路を示している。ここでは、無線基地局装置は、無線基地局2−3、2−4の2つである。そして、無線基地局2−4によるセル半径がR3、そのサービスエリアが4−3、サービス圏内が8−3である。また、無線基地局2−4によるセル半径がR4、そのサービスエリアが4−4、サービス圏内が8−4である。
【0044】
ここでも実施例1と同様、ナビゲーションの対象となる無線通信端末は、無線通信端末1である。
【0045】
この実施例において無線通信端末1は、まず、サービス圏内8−3の中の出発地点(S地点)で、図4に示すように、GPS衛星システム50からの信号を受信して位置(緯度・経度)に関する情報を得た後に、位置情報管理装置6からサービス圏の表示情報を得る。
【0046】
そして、無線通信端末1は、記憶部13に記憶されている地図データに応じて目的地(D地点)の設定を行い、出発地点(S地点)より目的地(D地点)までの最短経路(経路RT1)を検索する。無線通信端末1は、経路RT1と位置情報管理装置6から受信した情報(例えば、推測サービス圏外地域情報72−2、無線基地局装置2−3、2−4の位置、セル半径R3、R4)とに応じ、経路RT1上に推測サービス圏外地域72−2もしくはサービス圏外7−2が存在するときには、そのエリアを回避するため図に示すように例えばM地点を通過するような経路RT2を決定する。
【0047】
すなわち、本発明においては、経路RT2に示すように、無線通信端末1は、推測サービス圏外地域72−2を回避するルートをとるとともに、セル半径R3、R4に応じて判定されるサービス圏外7−2を回避するようにナビゲーションを実施することができる。
【0048】
また、無線通信端末1は、このようにして得られた経路RT2を、映像や音声などを使って表示して、無線通信端末1の使用者に目的地までの経路を知らせることができる。なお、映像による表示においては、図8に示すように、必要に応じて、サービス圏外7−2地域や推測サービス圏外地域72−2を、地図の上に表示することができる。
【0049】
以上説明したように、本発明によれば、位置情報管理装置から通知される推測サービス圏外地域情報は、サービス圏内に位置する無線通信端末から送出される情報によって随時変更される。そのため、無線通信端末は、随時更新される推測サービス圏外地域情報を用いて、より正確なナビゲーションを実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の無線通信端末のサービス圏ナビゲーションシステムの構成図である。
【図2】本発明の無線通信端末の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の位置情報管理装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の無線通信端末がサービス圏内に位置するときの動作に関するフローチャートである。
【図5】本発明の無線通信端末がサービス圏外に位置するときの動作に関するフローチャートである。
【図6】本発明のサービス圏外位置情報と推測サービス圏外地域情報とを説明する図である。
【図7】本発明の実施例1のナビゲーションを説明する図である。
【図8】本発明の実施例2のナビゲーションを説明する図である。
【符号の説明】
【0051】
1 無線通信端末
2、2−1〜4 無線基地局装置
3 上位装置
4、4−1〜4 サービスエリア
5 GPS衛星
6 位置情報管理装置
7、7−1、7−2 サービス圏外
8、8−1、8−2 サービス圏内
9 無線送受信回路
11 無線通信用通信部
12 GPS用通信部
13 記憶部
14 制御・演算部
15 入力部
16 表示部
17 音声入出力部
61 通信部
62 制御・演算部
63 入力部
64 記憶部
65 出力部
71 サービス圏外位置情報
72、72−1、72−2 推測サービス圏外地域情報
R、R1〜R4 セル半径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信端末と、前記無線通信端末と通信をする無線基地局装置と、前記無線基地局装置に接続された上位装置と、前記上位装置に接続された位置情報管理手段とを有し、前記位置情報管理手段が有する前記無線基地局装置によるサービス圏に関する情報を前記無線通信端末で受信して表示することのできるナビゲーションシステムであって、
前記無線通信端末は、サービス圏外に位置するときに自己の位置情報を記憶する手段と、前記無線基地局装置のサービス圏内に戻ったときに前記位置情報管理手段に対して前記位置情報を送出する手段とを有することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記位置情報管理手段は、前記無線通信端末が送出した前記位置情報を受信する手段を有することを特徴とする請求項1記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記位置情報管理手段は、前記無線通信端末から受信した前記位置情報に応じて前記サービス圏に関する情報を更新する手段を有することを特徴とする請求項2記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記更新される情報は、点情報である前記位置情報から推測された面情報であることを特徴とする請求項3記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記無線通信端末は、前記サービス圏に関する情報を、前記無線基地局装置のサービス圏内に位置するとき、前記位置情報管理手段から定期的に受信する手段を有することを特徴とする請求項1乃至4記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記無線通信端末は、前記サービス圏に関する情報を、前記無線基地局装置のサービス圏内にあってサービス圏外が近づいてきたことを検出したとき、前記位置情報管理手段から受信する手段を有することを特徴とする請求項1乃至4記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記無線通信端末の前記表示は、サービス圏外に位置するとき、サービス圏内までの経路を含むことを特徴とする請求項1乃至6記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
前記無線通信端末の前記表示は、サービス圏内に位置するとき、サービス圏外を回避する経路を含むことを特徴とする請求項1乃至6記載のナビゲーションシステム。
【請求項9】
前記表示は、映像であることを特徴とする請求項1乃至8記載のナビゲーションシステム。
【請求項10】
前記表示は、音声であることを特徴とする請求項1乃至8記載のナビゲーションシステム。
【請求項11】
自己の位置情報を受信する手段と、無線基地局装置のサービス圏外に位置するときに前記位置情報を記憶する手段と、無線基地局装置のサービス圏内に戻ったときに無線基地局装置を介し位置情報管理手段に対して前記位置情報を送出する手段とを有することを特徴とする無線通信端末。
【請求項12】
サービス圏に関する情報を、前記サービス圏内に位置するとき、前記位置情報管理手段から定期的に受信する手段を有することを特徴とする請求項11記載の無線通信端末。
【請求項13】
サービス圏に関する情報を、前記サービス圏内にあってサービス圏外が近づいてきたことを検出したとき、前記位置情報管理手段から受信する手段を有することを特徴とする請求項11記載の無線通信端末。
【請求項14】
サービス圏外に位置するとき、サービス圏内までの経路を表示する手段を有することを特徴とする請求項11乃至13記載の無線通信端末。
【請求項15】
サービス圏内に位置するとき、サービス圏外を回避する経路を表示する手段を有することを特徴とする請求項11乃至13記載の無線通信端末。
【請求項16】
前記表示は、映像であることを特徴とする請求項14または15記載の無線通信端末。
【請求項17】
前記表示は、音声であることを特徴とする請求項14または15記載の無線通信端末。
【請求項18】
無線通信端末と、前記無線通信端末と通信をする無線基地局装置と、前記無線基地局装置に接続された上位装置と、前記上位装置に接続された位置情報管理手段とを有し、前記位置情報管理手段が有する前記無線基地局装置によるサービス圏に関する情報を前記無線通信端末で受信して表示することのできるナビゲーションシステムの位置情報管理手段であって、
前記無線通信端末が、サービス圏外に位置するときに記憶し、前記無線基地局装置のサービス圏内に戻ったときに送出した位置情報を受信する手段を有することを特徴とする位置情報管理手段。
【請求項19】
前記無線通信端末から受信した前記位置情報に応じて前記サービス圏に関する情報を更新する手段を有することを特徴とする請求項18記載の位置情報管理手段。
【請求項20】
前記更新される情報は、点情報である前記位置情報から推測された面情報であることを特徴とする請求項19記載の位置情報管理手段。
【請求項21】
無線通信端末と、前記無線通信端末と通信をする無線基地局装置と、前記無線基地局装置に接続された上位装置と、前記上位装置に接続された位置情報管理手段とを有し、前記位置情報管理手段が有する前記無線基地局装置によるサービス圏に関する情報を前記無線通信端末で受信して表示することのできるナビゲーションシステムのナビゲーション方法であって、
前記無線通信端末は、サービス圏外に位置するときに自己の位置情報を記憶し、前記無線基地局装置のサービス圏内に戻ったときに前記位置情報管理手段に対して前記位置情報を送出し、
前記位置情報管理手段は、前記送出された位置情報を受信して前記サービス圏に関する情報を更新することを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項22】
前記更新される情報は、点情報である前記位置情報から推測された面情報であることを特徴とする請求項21記載のナビゲーション方法。
【請求項23】
前記無線通信端末は、前記サービス圏に関する情報を、前記無線基地局装置のサービス圏内に位置するとき、前記位置情報管理手段から定期的に受信することを特徴とする請求項21または22記載のナビゲーション方法。
【請求項24】
前記無線通信端末は、前記サービス圏に関する情報を、前記無線基地局装置のサービス圏内にあってサービス圏外が近づいてきたことを検出したとき、前記位置情報管理手段から受信することを特徴とする請求項21または22記載のナビゲーション方法。
【請求項25】
前記無線通信端末の前記表示は、サービス圏外に位置するとき、サービス圏内までの経路を含むことを特徴とする請求項21乃至24記載のナビゲーション方法。
【請求項26】
前記無線通信端末の前記表示は、サービス圏内に位置するとき、サービス圏外を回避する経路を含むことを特徴とする請求項21乃至24記載のナビゲーション方法。
【請求項27】
前記表示は、映像であることを特徴とする請求項21乃至26記載のナビゲーション方法。
【請求項28】
前記表示は、音声であることを特徴とする請求項21乃至26記載のナビゲーション方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2007−89018(P2007−89018A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−277809(P2005−277809)
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】