無線通信端末
【課題】チャネル変更に必要な電力消費をより低減することができる。
【解決手段】チャネル情報出力部13は、アンテナ16を介して受信される信号が示す情報に含まれる通信チャネル情報を検出し、当該通信チャネル情報を出力する。無線通信部15は、第1の動作モードと、第1の動作モードより相対的に動作時の消費電力が高い第2の動作モードとを有し、第2の動作モードで動作するときに、チャネル情報出力部13が出力した通信チャネル情報が示す通信チャネルで、アンテナ16を介して外部の端末に通信データを送信する。
【解決手段】チャネル情報出力部13は、アンテナ16を介して受信される信号が示す情報に含まれる通信チャネル情報を検出し、当該通信チャネル情報を出力する。無線通信部15は、第1の動作モードと、第1の動作モードより相対的に動作時の消費電力が高い第2の動作モードとを有し、第2の動作モードで動作するときに、チャネル情報出力部13が出力した通信チャネル情報が示す通信チャネルで、アンテナ16を介して外部の端末に通信データを送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
医療・ヘルスケア分野では、各種センサを備えた端末を用いて人体表面または体内から生体データを収集し、端末が収集した生体データを蓄積装置に転送して蓄積することで、蓄積装置が蓄積した生体データを健康管理や、病気の診断や、治療などに役立てようとする取り組みが盛んに進められている。このような用途では、生体データを転送するために端末と蓄積装置との間を有線ケーブルでつなぐと行動の自由が制限されてしまうため、無線通信で生体データを転送するようにし、端末を自由に持ち歩くことができるようにすることが望ましい。このようなニーズは、医療分野、特に植込み型医療機器ではより大きい。
【0003】
しかし、このような無線通信システムでは、無線を用いてデータを転送するため、種々な干渉により通信エラーが発生することがあり、これを解決したいとの要望がある。このような要望に対して、複数のチャネルのうち各無線通信システムが互いに干渉しないようなチャネルを選択して使用する干渉回避技術の検討が進んでいる。例えば、蓄積装置が複数のチャネルを順次走査し、端末からの応答を探すことによってチャネルを変更する無線通信システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2010−521223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、蓄積装置が複数のチャネルを順次走査している間、端末は応答を返すために常に動作しつづける必要があり、チャネル変更の際に余分な電力を消費してしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、チャネル変更に必要な電力消費をより低減することができる無線通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、無線通信アンテナと、前記無線通信アンテナを介して受信される信号が示す情報に含まれる通信チャネル情報を検出し、当該通信チャネル情報を出力するチャネル情報出力部と、第1の動作モードと、前記第1の動作モードより相対的に動作時の消費電力が高い第2の動作モードとを有する無線通信モジュールであって、前記第2の動作モードで動作するときに、前記チャネル情報出力部が出力した前記通信チャネル情報が示す通信チャネルで、前記無線通信アンテナを介して外部の端末に通信データを送信する無線通信モジュールと、を有することを特徴とする無線通信端末である。
【0008】
また、本発明の無線通信端末において、前記チャネル情報出力部は、前記信号から情報を復調する復調部を有し、前記復調部で復調された情報から前記通信チャネル情報を検出することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の無線通信端末において、前記チャネル情報出力部は、前記通信チャネル情報を保持する保持部を更に有し、前記通信モジュールが前記第2の動作モードに移行して動作するときに前記通信チャネル情報を出力することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の無線通信端末において、前記チャネル情報出力部は、前記復調部が前記信号から前記情報を復調し、当該復調部で復調された前記情報から前記通信チャネル情報を検出した際に前記通信チャネル情報を出力することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記信号を整流する整流部を更に有し、前記復調部は、前記整流部で整流された電力で動作することを特徴とする無線通信端末である。
【0012】
また、本発明の無線通信端末において、前記チャネル情報出力部は、前記整流部で整流された電力値が所定の値以上になった場合、前記通信チャネル情報を出力することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記整流部で整流された電力を前記復調部に供給するか否かを切り替える第1電源開閉部を更に有することを特徴とする無線通信端末である。
【0014】
また、本発明の無線通信端末において、前記第1電源開閉部は、所定の間隔で前記復調部への電力供給の開始停止を実施することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の無線通信端末において、前記第1電源開閉部は、前記チャネル情報出力部が前記通信チャネル情報を検出した場合、前記復調部への電力供給を停止することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の無線通信端末において、前記無線通信モジュールは、前記整流部で整流された電力で動作することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記整流部で整流された電力を前記無線通信モジュールに供給するか否かを切り替える第2電源開閉部を更に有することを特徴とする無線通信端末である。
【0018】
また、本発明の無線通信端末において、前記第2電源開閉部は、前記チャネル情報出力部が前記通信チャネル情報を検出した場合、前記無線通信モジュールへの電力供給を開始することを特徴とする。
【0019】
また、本発明の無線通信端末において、前記第2電源開閉部は、前記無線通信モジュールによる通信が終了した場合、前記無線通信モジュールへの電力供給を停止することを特徴とする。
【0020】
また、本発明の無線通信端末において、前記無線通信端末は、体内に設置される端末であることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の無線通信端末において、前記無線通信端末は、体外に設置される端末であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、チャネル情報出力部は、無線通信アンテナを介して受信される信号が示す情報に含まれる通信チャネル情報を検出し、当該通信チャネル情報を出力する。また、無線通信モジュールは、第1の動作モードと、第1の動作モードより相対的に動作時の消費電力が高い第2の動作モードとを有し、第2の動作モードで動作するときに、チャネル情報出力部が出力した通信チャネル情報が示す通信チャネルで、無線通信アンテナを介して外部の端末に通信データを送信する。
【0023】
これにより、無線通信で用いるチャネルを変更した場合においてもチャネルを検索することなく無線通信を行うことが出来る。従って、チャネル変更の際に必要な電力消費をより低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態における生体データ監視システムの構成を示した概略図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における無線センシング端末の構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における無線センシング端末の構成を示したブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態におけるデータ収集端末の構成を示したブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態におけるチャネル情報出力部の構成を示したブロック図である。
【図6】本発明の第2の実施形態におけるチャネル情報出力部の構成を示したブロック図である。
【図7】本発明の第3の実施形態における無線センシング端末の構成を示したブロック図である。
【図8】本発明の第4の実施形態における無線センシング端末の構成を示したブロック図である。
【図9】本発明の第5の実施形態における無線センシング端末の構成を示したブロック図である。
【図10】本発明の第6の実施形態における無線センシング端末の構成を示したブロック図である。
【図11】本発明の第6の実施形態におけるデータ収集端末の構成を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図を参照しながら説明する。図1は、本実施形態における生体データ監視システムの構成を示した概略図である。生体データ監視システム1は、無線センシング端末10と、データ収集端末20とを備える。無線センシング端末10は、各種センサを使って人体表面または体内から血圧、脈拍、心電、心拍、血中酸素濃度、体温、尿糖、血糖等の生体データを取得する。また、無線センシング端末10は、各種センサを使って無線センシング端末10が備える各部の状態を示す機器状態データを取得する。また、無線センシング端末10は、取得した生体データ及び機器状態データをデータ収集端末20に無線伝送する。データ収集端末20は、無線センシング端末10から無線伝送される生体データ及び機器状態データを収集して保存する。なお、無線センシング端末10は体内に設置される。また、データ収集端末20は体外に設置される。
【0026】
なお、本実施形態では、無線センシング端末10とデータ収集端末20とが1対1で無線通信を行うものとして説明を行うが、1対N、M対1、M対Nのいずれの関係においても、本発明は適用可能である(NおよびMは自然数)。
【0027】
次に、無線センシング端末10の構成について説明する。図2は、本実施形態における無線センシング端末10の構成を示したブロック図である。図示する例では、無線センシング端末10は、センサ部11と、保持部12と、チャネル情報出力部13と、制御部14と、無線通信部15(無線通信モジュール)と、アンテナ16(無線通信アンテナ)とを備える。なお、無線センシング端末10は、図示せぬ電池を備えている。電池は、無線センシング端末10が備える各部に電力を供給している。なお、本発明の特徴を表す必須構成は、チャネル情報出力部13と、無線通信部15と、アンテナ16である。
【0028】
センサ部11は、人体表面または体内に設置され、血圧、脈拍、心電、心拍、血中酸素濃度、体温、尿糖、血糖等をセンシングして生体データを取得する。また、センサ部11は、無線センシング端末10が備える各部の状態をセンシングして機器状態データを取得する。以下、センサ部11が取得する生体データや機器状態データなどを収集データと記載する。また、センサ部11は、収集データを保持部12に対して出力する。
【0029】
保持部12は、センサ部11が出力した収集データを取得して保持し、保持した収集データを制御部14の制御に従って無線通信部15に対して出力する。チャネル情報出力部13は、データ収集端末20から送信される信号を、アンテナ16を介して受信し、受信した信号が示す情報(すなわち、信号を復調した通信パケットに記載された情報)に含まれる通信チャネル情報(図3に示す)を検出する。
【0030】
通信チャネル情報は、無線センシング端末10とデータ収集端末20との無線通信で用いるチャネルを特定する情報である。また、チャネル情報出力部13は、検出した通信チャネル情報を制御部14に対して出力する。チャネル情報出力部13の詳細な構成については後述する。
【0031】
制御部14は、チャネル情報出力部13から入力された通信チャネル情報で特定されるチャネルを用いて通信するよう、無線通信部15に対して通信チャネル情報を含む通信開始指示情報を出力する。また、制御部14は、保持部12を制御し、保持部12が保持している収集データを無線通信部15に対して出力させる。
【0032】
無線通信部15は休止モード(第1の動作モード)と送信モード(第2の動作モード)との2種類の動作モードで動作する。無線通信部15は、休止モードで動作する場合、制御部14から入力される通信開始指示情報の入力のみ受け付け、その他の処理は行わない。そのため、無線通信部15は、休止モードで動作している場合には消費電力を抑えることができる。また、無線通信部15は、休止モードで動作している場合に制御部14から通信開始指示情報が入力された場合、送信モードに移行し、送信モードで動作する。無線通信部15は、送信モードで動作する場合、アンテナ16を介して、保持部12から入力された収集データを、通信チャネル情報で特定されるチャネルを用いてデータ収集端末20に対して送信する。なお、無線通信部15は、送信モードで動作している場合は無線送信を行うため、休止モードよりも消費電力は大きい。
【0033】
次に、通信チャネル情報が含まれる通信パケットのフレーム構成について説明する。図3は、本実施形態における通信チャネル情報が含まれる通信パケットのフレーム構成を示した概略図である。図示する例では、通信チャネル情報が含まれる通信パケットは、プリアンブルと、IDと、通信チャネル情報とを含んでいる。プリアンブルは、フレーム送信の開始を示す情報である。IDは、無線センシング端末を一意に特定する情報である。通信チャネル情報は上述した通りである。
【0034】
次に、データ収集端末20の構成について説明する。図4は、本実施形態におけるデータ収集端末20の構成を示したブロック図である。図示する例では、データ収集端末20は、無線通信部21と、チャネル情報送信部22と、データ処理部23と、記憶部24と、表示部25と、アンテナ26とを備える。なお、データ収集端末20は、図示せぬ電池を備えている。電池は、データ収集端末20が備える各部に電力を供給している。
【0035】
無線通信部21は、無線センシング端末10と無線通信を行う際に用いるチャネルを選択し、選択したチャネルを特定する情報である通信チャネル情報をチャネル情報送信部22に対して出力する。無線センシング端末10と無線通信を行う際に用いるチャネルの選択方法としては、例えば、複数のチャネルのうち、測定した受信電力が最低となるチャネルを選択する。また、無線通信部21は、無線センシング端末10から収集データの受信を開始する場合、アンテナ26を介して、無線センシング端末10に対して、電磁波を用いてデータ要求信号を送信する。なお、無線センシング端末10に対してデータ要求信号を送信するタイミングは、ユーザからの指示や、所定のタイミングなど、どのようなタイミングとしてもよい。また、無線通信部21は、無線センシング端末10から電磁波を用いて送信された収集データを、アンテナ26を介して受信し、受信した収集データをデータ処理部23に対して出力する。
【0036】
チャネル情報送信部22は、無線センシング端末10との無線通信で用いているチャネルの変更が必要となった時に、無線通信部21から入力された通信チャネル情報を含む信号を無線センシング端末10に対してアンテナ26を介して出力する。データ処理部23は、無線通信部21から入力された収集データのデータ形式を記憶用のデータ形式に変換して記憶用データを生成し、生成した記憶用データを記憶部24に対して出力する。また、データ処理部23は、無線通信部21から入力された収集データを文字や画像などの表示データに変換し、変換した表示データを表示部25に対して出力する。記憶部24は、データ処理部23から入力された記憶用データを記憶する。表示部25は、データ処理部23から入力された表示データを表示する。この構成により、データ収集端末20は、無線センシング端末10から送信された収集データを表示部25に表示させることができ、記憶部24に記憶させることができる。
【0037】
次に、無線センシング端末10が備えるチャネル情報出力部13の構成について説明する。図5は、本実施形態におけるチャネル情報出力部13の構成を示したブロック図である。図示する例では、チャネル情報出力部13はチャネル情報復調部131を備える。チャネル情報復調部131は、アンテナ16を介して、データ収集端末20から送信された信号を受信する。そして、チャネル情報復調部131は、受信した信号を復調して通信チャネル情報を検出し、検出した通信チャネル情報を制御部14に対して出力する。
【0038】
次に、本実施形態における無線センシング端末10とデータ収集端末20との収集データの送受信手順について説明する。なお、無線センシング端末10のセンサ部11は、常に収集データを取得して保持部12に対して出力し、保持部12はセンサ部11から入力される収集データを保持している。
【0039】
データ収集端末20の無線通信部21は、無線センシング端末10と無線通信を行う際に用いるチャネルを選択し、選択したチャネルを特定する情報である通信チャネル情報をチャネル情報送信部22に対して出力する。チャネル情報送信部22は、無線通信部21から入力された通信チャネル情報を含む信号を無線センシング端末10に対してアンテナ26を介して出力する。
【0040】
無線センシング端末10のチャネル情報出力部13は、データ収集端末20から送信される信号を、アンテナ16を介して受信し、受信した信号を復調して通信チャネル情報を検出する。また、チャネル情報出力部13は、検出した通信チャネル情報を制御部14に対して出力する。制御部14は、チャネル情報出力部13から入力された通信チャネル情報で特定されるチャネルを用いて通信するよう、無線通信部15に対して通信チャネル情報を含む通信開始指示情報を出力する。また、制御部14は、保持部12を制御し、保持部12が保持している収集データを無線通信部15に対して出力させる。保持部12は、保持した収集データを無線通信部15に対して出力する。無線通信部15は、制御部14から通信開始指示情報が入力された場合、アンテナ16を介して、保持部12から入力された収集データを、電磁波を用いてデータ収集端末20に対して送信する。このとき、無線通信部15は、通信開始指示情報に含まれる通信チャネル情報で特定されるチャネルを用いて収集データをデータ収集端末20に対して送信する。
【0041】
データ収集端末20の無線通信部21は、無線センシング端末10から電磁波を用いて送信された収集データを、アンテナ26を介して受信し、受信した収集データをデータ処理部23に対して出力する。データ処理部23は、無線通信部21から入力された収集データのデータ形式を記憶用のデータ形式に変換して記憶用データを生成し、生成した記憶用データを記憶部24に対して出力する。また、データ処理部23は、無線通信部21から入力された収集データを文字や画像などの表示データに変換し、変換した表示データを表示部25に対して出力する。記憶部24は、データ処理部23から入力された記憶用データを記憶する。表示部25は、データ処理部23から入力された表示データを表示する。
【0042】
上述した通り、本実施形態によれば、データ収集端末20の無線通信部21は、無線センシング端末10との無線通信で用いるチャネルを決定する。また、チャネル情報送信部22は、無線通信部21が決定したチャネルを特定する通信チャネル情報を含む信号を無線センシング端末10に対して送信する。無線センシング端末10のチャネル情報出力部13は、データ収集端末20から受信した信号が示す情報(すなわち、信号を復調した通信パケットに記載された情報)に含まれる通信チャネル情報を検出し、この通信チャネル情報を出力する。無線通信部15は、チャネル情報出力部13が出力する通信チャネル情報で特定されるチャネルを用いて、収集データをデータ収集端末20に対してアンテナ16を介して送信する。
【0043】
この構成により、無線センシング端末10の無線通信部15は、チャネル情報出力部13が出力する通信チャネル情報に基づいてデータ収集端末20が無線通信で用いるチャネルを特定することができる。よって、無線センシング端末10の無線通信部15は、データ収集端末20が無線通信で用いるチャネルを変更した場合においても、チャネルを検索することなくデータ収集端末20と無線通信を行うことが出来る。従って、無線センシング端末10は、チャネル変更の際に必要な電力消費をより低減することができる。
【0044】
なお、チャネル情報送信部22が通信チャネル情報を含む信号の送信に用いるチャネルは、無線通信部21が用いるチャネル群のうちの1つのチャネルを用いても良いし、無線通信部21が用いるチャネル以外の別の周波数のチャネルを用いても良い。
【0045】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図を参照しながら説明する。本実施形態における生体監視システムは、第1の実施形態と同様に、無線センシング端末とデータ収集端末とを備える。本実施形態と第1の実施形態とで異なる点は、無線センシング端末が備えるチャネル情報出力部の構成である。なお、本実施形態における無線センシング端末が備える他の構成は、第1の実施形態における構成と同様である。また、本実施形態におけるデータ収集端末は、第1の実施形態におけるデータ収集端末20と同様の構成である。
【0046】
次に、無線センシング端末が備えるチャネル情報出力部の構成について説明する。図6は、本実施形態におけるチャネル情報出力部33の構成を示したブロック図である。図示する例では、チャネル情報出力部33は、チャネル情報復調部131と、チャネル情報保持部331とを備える。
【0047】
チャネル情報復調部131は、アンテナ16を介して、データ収集端末20から送信された信号を受信する。そして、チャネル情報復調部131は、受信した信号が示す情報(すなわち、信号を復調してた通信パケットに記載された情報)に含まれる通信チャネル情報を検出し、検出した通信チャネル情報をチャネル情報保持部331に対して出力する。チャネル情報保持部331は、不揮発メモリであり、チャネル情報復調部131から入力された通信チャネル情報を記憶する。チャネル情報保持部331は不揮発メモリであるため、通信チャネル情報を記憶後に電源供給を受けなくともチャネル情報を保持することができる。また、チャネル情報保持部331は、制御部14の制御に基づいて、記憶している通信チャネル情報を制御部14に対して出力する。
【0048】
上述したように、チャネル情報出力部33は、チャネル情報保持部331を備えているため、通信チャネル情報を記憶することができる。また、チャネル情報保持部331は不揮発メモリであるため、電源供給を受けなくても通信チャネル情報を保持することができる。よって、無線センシング端末は、スリープ後に起動した場合においてデータ収集端末20に収集データを送信する際においても、チャネル情報保持部331が記憶している通信チャネル情報を用いて通信に用いるチャネルを特定することができるため、より迅速に収集データをデータ収集端末20に対して送信することができる。
【0049】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について図を参照しながら説明する。本実施形態における生体監視システムは、第1の実施形態と同様に、無線センシング端末とデータ収集端末とを備える。データ収集端末の構成は、第1の実施形態におけるデータ収集端末20と同様の構成である。
【0050】
図7は、本実施形態における無線センシング端末60の構成を示したブロック図である。図示する例では、無線センシング端末60は、センサ部11と、保持部12と、チャネル情報出力部13と、制御部14と、無線通信部15と、アンテナ16と、整流部61とを備える。センサ部11と、保持部12と、チャネル情報出力部13と、制御部14と、無線通信部15と、アンテナ16とは、第1の実施形態における各部と同様である。なお、無線センシング端末60は、図示せぬ電池を備えている。電池は、無線センシング端末60が備える各部に電力を供給している。
【0051】
整流部61は、アンテナ16を介して、データ収集端末20から送信された電磁波(信号)を受信する。そして、整流部61は、受信した電磁波を整流して直流電圧に変換し、変換した直流電圧をチャネル情報出力部13に対して出力する。これにより、チャネル情報出力部13は、整流部61が出力する直流電圧を用いて動作することができる。
【0052】
上述した通り、無線センシング端末60は整流部61を備えており、チャネル情報出力部13は整流部61が生成した電力で動作して通信チャネル情報を検出する。従って、チャネル変更の際に必要な電力消費をより低減することができる。
【0053】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について図を参照しながら説明する。本実施形態における生体監視システムは、第1の実施形態と同様に、無線センシング端末とデータ収集端末とを備える。データ収集端末の構成は、第1の実施形態におけるデータ収集端末20と同様の構成である。
【0054】
図8は、本実施形態における無線センシング端末70の構成を示したブロック図である。図示する例では、無線センシング端末70は、センサ部11と、保持部12と、チャネル情報出力部13と、制御部14と、無線通信部15と、アンテナ16と、整流部61と、第1電源開閉部71とを備える。センサ部11と、保持部12と、チャネル情報出力部13と、制御部14と、無線通信部15と、アンテナ16とは、第1の実施形態における各部と同様である。なお、無線センシング端末70は、図示せぬ電池を備えている。電池は、無線センシング端末70が備える各部に電力を供給している。
【0055】
整流部61は、アンテナ16を介して、データ収集端末20から送信された電磁波(信号)を受信する。そして、整流部61は、受信した電磁波を整流して直流電圧に変換し、変換した直流電圧を第1電源開閉部71に対して出力する。第1電源開閉部71は、制御部14の制御に従って、整流部61から入力される直流電圧をチャネル情報出力部13に対して供給する。例えば、制御部14は、第1電源開閉部71に対して定期的に電源供給開始を指示し、整流部61が出力する電圧をチャネル情報出力部13に対して供給させる。そして、制御部14は、チャネル情報出力部13が通信チャネル情報を出力した後に、第1電源開閉部71に対して電源供給停止を指示し、整流部61が出力する電圧をチャネル情報出力部13に供給することを停止させる。なお、無線通信部15の動作モードに応じて、電源供給の開始周期を変えてもよい。
【0056】
上述した通り、無線センシング端末70は第1電源開閉部71を備えている。第1電源開閉部71は制御部14の制御に基づいて、整流部61が出力する直流電圧をチャネル情報出力部13に対して供給する。また、第1電源開閉部71は制御部14の制御に基づいて、整流部61が出力する電圧をチャネル情報出力部13に供給することを停止する。これにより、無線センシング端末70は、整流部61の電源変換効率が低い場合でも、整流部61が出力する電圧を用いてチャネル情報出力部13を動作させることができ、チャネル変更の処理を行うことができる。
【0057】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について図を参照しながら説明する。本実施形態における生体監視システムは、第1の実施形態と同様に、無線センシング端末とデータ収集端末とを備える。データ収集端末の構成は、第1の実施形態におけるデータ収集端末20と同様の構成である。
【0058】
図9は、本実施形態における無線センシング端末80の構成を示したブロック図である。図示する例では、無線センシング端末80は、センサ部11と、保持部12と、チャネル情報出力部13と、制御部14と、無線通信部15と、アンテナ16と、整流部61と、第1電源開閉部71と、第2電源開閉部81とを備える。センサ部11と、保持部12と、チャネル情報出力部13と、制御部14と、無線通信部15と、アンテナ16とは、第1の実施形態における各部と同様である。なお、無線センシング端末80は、図示せぬ電池を備えている。電池は、無線センシング端末80が備える各部に電力を供給している。
【0059】
整流部61は、アンテナ16を介して、データ収集端末20から送信された電磁波(信号)を受信する。そして、整流部61は、受信した電磁波を整流して直流電圧に変換し、変換した直流電圧を第1電源開閉部71と第2電源開閉部81とに対して出力する。第1電源開閉部71は、制御部14の制御に従って、整流部61から入力される直流電圧をチャネル情報出力部13に対して供給する。第2電源開閉部81は、制御部14の制御に従って、整流部61から入力される直流電圧を無線通信部15に対して供給する。例えば、制御部14は、チャネル情報出力部13から通信チャネル情報が入力された場合、第2電源開閉部81に対して電源供給開始を指示し、整流部61が出力する電圧を無線通信部15に対して供給させる。そして、制御部14は、無線通信部15による通信が終了した場合、第2電源開閉部81に対して電源供給停止を指示し、整流部61が出力する電圧を無線通信部15に供給することを停止させる。
【0060】
上述した通り、無線センシング端末80は第2電源開閉部81を備えている。第2電源開閉部81は制御部14の制御に基づいて、整流部61が出力する直流電圧を無線通信部15に対して供給する。また、第2電源開閉部81は制御部14の制御に基づいて、整流部61が出力する電圧を無線通信部15に供給することを停止する。これにより、無線通信部15は整流部61が生成した電力で動作して収集データを送信することができる。従って、無線センシング端末80が備える電池の消耗をより低減することができる。また、第1電源開閉部71と第2電源開閉部81とを連動して動作させることにより、チャネル変更処理と収集データの送信処理とを効率的に連携して行うことができる。
【0061】
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態について図を参照しながら説明する。本実施形態における生体監視システムは、第1の実施形態と同様に、無線センシング端末とデータ収集端末とを備える。なお、第1の実施形態〜第5の実施形態では、データ収集端末から無線センシング端末に対して通信チャネル情報を送信することで無線通信に用いるチャネルを特定していたが、本実施形態では、無線センシング端末からデータ収集端末に対して通信チャネル情報を送信することで無線通信に用いるチャネルを特定する。
【0062】
次に、無線センシング端末の構成について説明する。図10は、本実施形態における無線センシング端末90の構成を示したブロック図である。図示する例では、無線センシング端末90は、センサ部11と、保持部12と、アンテナ16と、無線通信部91と、チャネル情報送信部92とを備える。なお、無線センシング端末90は、図示せぬ電池を備えている。電池は、無線センシング端末90が備える各部に電力を供給している。
【0063】
センサ部11と、保持部12と、アンテナ16とは第1の実施形態における各部と同様である。無線通信部91は、データ収集端末100と無線通信を行う際に用いるチャネルを選択し、選択したチャネルを特定する情報である通信チャネル情報をチャネル情報送信部92に対して出力する。データ収集端末100と無線通信を行う際に用いるチャネルの選択方法としては、例えば、複数のチャネルのうち、他の無線と干渉しないチャネルを選択する。また、無線通信部91は、アンテナ16を介して、保持部12から入力された収集データを、電磁波を用いてデータ収集端末100に対して送信する。
【0064】
次に、データ収集端末100の構成について説明する。図11は、本実施形態におけるデータ収集端末100の構成を示したブロック図である。図示する例では、データ収集端末100は、データ処理部23と、記憶部24と、表示部25と、アンテナ26と、チャネル情報出力部101と、制御部102と、無線通信部103とを備える。なお、データ収集端末20は、図示せぬ電池を備えている。電池は、データ収集端末100が備える各部に電力を供給している。
【0065】
データ処理部23と、記憶部24と、表示部25と、アンテナ26とは第1の実施形態における各部と同様である。チャネル情報出力部101は、無線センシング端末90から送信される信号を、アンテナ26を介して受信し、受信した信号が示す情報(すなわち、信号を復調した通信パケットに記載された情報)に含まれる通信チャネル情報を検出する。通信チャネル情報は、無線センシング端末90とデータ収集端末100との無線通信で用いるチャネルを特定する情報である。また、チャネル情報出力部101は、検出した通信チャネル情報を制御部102に対して出力する。制御部102は、チャネル情報出力部101から入力された通信チャネル情報で特定されるチャネルを用いて通信するよう、無線通信部103に対して通信チャネル情報を含む通信開始指示情報を出力する。無線通信部103は、制御部102から通信開始指示情報が入力された場合、アンテナ16を介して、無線センシング端末90から送信される取得データの受信を開始する。
【0066】
上述した通り、本実施形態によれば、無線センシング端末90の無線通信部91は、データ収集端末100との無線通信で用いるチャネルを決定する。また、チャネル情報送信部92は、無線通信部91が決定したチャネルを特定する通信チャネル情報を含む信号をデータ収集端末100に対して送信する。データ収集端末100のチャネル情報出力部101は、無線センシング端末90から受信した信号が示す情報(すなわち、信号を復調した通信パケット)に含まれる通信チャネル情報を検出し、この通信チャネル情報を出力する。無線通信部103は、チャネル情報出力部101が出力する通信チャネル情報で特定されるチャネルを用いて、無線センシング端末90から送信される収集データを受信する。
【0067】
この構成により、データ収集端末100の無線通信部103は、チャネル情報出力部101が出力する通信チャネル情報に基づいて無線センシング端末90が無線通信で用いるチャネルを特定することができる。よって、データ収集端末100の無線通信部103は、無線センシング端末90が無線通信で用いるチャネルを変更した場合においても、チャネルを検索することなく無線センシング端末90と無線通信を行うことが出来る。従って、データ収集端末100は、チャネル変更の際に必要な電力消費をより低減することができる。
【0068】
なお、チャネル情報送信部92が通信チャネル情報を含む信号の送信に用いるチャネルは、無線通信部91が用いるチャネル群のうちの1つのチャネルを用いても良いし、無線通信部91が用いるチャネル以外の別の周波数のチャネルを用いても良い。
【0069】
以上、この発明の第1〜第6の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、第1〜第6の実施形態においては、無線センシング端末とデータ収集端末とが1対1で無線通信を行うものとして説明したが、1対N、M対1、M対Nのいずれの関係であっても本発明を適用することができる(NおよびMは自然数)。
【符号の説明】
【0070】
1・・・生体データ監視システム、10,60,70,80,90・・・無線センシング端末、11・・・センサ部、12・・・保持部、13,33,101・・・チャネル情報出力部、14,102・・・制御部、15,21,91,103・・・無線通信部、16,26・・・アンテナ、20,100・・・データ収集端末、22,92・・・チャネル情報送信部、23・・・データ処理部、24・・・記憶部、25・・・表示部、61・・・整流部、71・・・第1電源開閉部、81・・・第2電源開閉部、131・・・チャネル情報復調部、331・・・チャネル情報保持部、
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
医療・ヘルスケア分野では、各種センサを備えた端末を用いて人体表面または体内から生体データを収集し、端末が収集した生体データを蓄積装置に転送して蓄積することで、蓄積装置が蓄積した生体データを健康管理や、病気の診断や、治療などに役立てようとする取り組みが盛んに進められている。このような用途では、生体データを転送するために端末と蓄積装置との間を有線ケーブルでつなぐと行動の自由が制限されてしまうため、無線通信で生体データを転送するようにし、端末を自由に持ち歩くことができるようにすることが望ましい。このようなニーズは、医療分野、特に植込み型医療機器ではより大きい。
【0003】
しかし、このような無線通信システムでは、無線を用いてデータを転送するため、種々な干渉により通信エラーが発生することがあり、これを解決したいとの要望がある。このような要望に対して、複数のチャネルのうち各無線通信システムが互いに干渉しないようなチャネルを選択して使用する干渉回避技術の検討が進んでいる。例えば、蓄積装置が複数のチャネルを順次走査し、端末からの応答を探すことによってチャネルを変更する無線通信システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2010−521223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、蓄積装置が複数のチャネルを順次走査している間、端末は応答を返すために常に動作しつづける必要があり、チャネル変更の際に余分な電力を消費してしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、チャネル変更に必要な電力消費をより低減することができる無線通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、無線通信アンテナと、前記無線通信アンテナを介して受信される信号が示す情報に含まれる通信チャネル情報を検出し、当該通信チャネル情報を出力するチャネル情報出力部と、第1の動作モードと、前記第1の動作モードより相対的に動作時の消費電力が高い第2の動作モードとを有する無線通信モジュールであって、前記第2の動作モードで動作するときに、前記チャネル情報出力部が出力した前記通信チャネル情報が示す通信チャネルで、前記無線通信アンテナを介して外部の端末に通信データを送信する無線通信モジュールと、を有することを特徴とする無線通信端末である。
【0008】
また、本発明の無線通信端末において、前記チャネル情報出力部は、前記信号から情報を復調する復調部を有し、前記復調部で復調された情報から前記通信チャネル情報を検出することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の無線通信端末において、前記チャネル情報出力部は、前記通信チャネル情報を保持する保持部を更に有し、前記通信モジュールが前記第2の動作モードに移行して動作するときに前記通信チャネル情報を出力することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の無線通信端末において、前記チャネル情報出力部は、前記復調部が前記信号から前記情報を復調し、当該復調部で復調された前記情報から前記通信チャネル情報を検出した際に前記通信チャネル情報を出力することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記信号を整流する整流部を更に有し、前記復調部は、前記整流部で整流された電力で動作することを特徴とする無線通信端末である。
【0012】
また、本発明の無線通信端末において、前記チャネル情報出力部は、前記整流部で整流された電力値が所定の値以上になった場合、前記通信チャネル情報を出力することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記整流部で整流された電力を前記復調部に供給するか否かを切り替える第1電源開閉部を更に有することを特徴とする無線通信端末である。
【0014】
また、本発明の無線通信端末において、前記第1電源開閉部は、所定の間隔で前記復調部への電力供給の開始停止を実施することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の無線通信端末において、前記第1電源開閉部は、前記チャネル情報出力部が前記通信チャネル情報を検出した場合、前記復調部への電力供給を停止することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の無線通信端末において、前記無線通信モジュールは、前記整流部で整流された電力で動作することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記整流部で整流された電力を前記無線通信モジュールに供給するか否かを切り替える第2電源開閉部を更に有することを特徴とする無線通信端末である。
【0018】
また、本発明の無線通信端末において、前記第2電源開閉部は、前記チャネル情報出力部が前記通信チャネル情報を検出した場合、前記無線通信モジュールへの電力供給を開始することを特徴とする。
【0019】
また、本発明の無線通信端末において、前記第2電源開閉部は、前記無線通信モジュールによる通信が終了した場合、前記無線通信モジュールへの電力供給を停止することを特徴とする。
【0020】
また、本発明の無線通信端末において、前記無線通信端末は、体内に設置される端末であることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の無線通信端末において、前記無線通信端末は、体外に設置される端末であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、チャネル情報出力部は、無線通信アンテナを介して受信される信号が示す情報に含まれる通信チャネル情報を検出し、当該通信チャネル情報を出力する。また、無線通信モジュールは、第1の動作モードと、第1の動作モードより相対的に動作時の消費電力が高い第2の動作モードとを有し、第2の動作モードで動作するときに、チャネル情報出力部が出力した通信チャネル情報が示す通信チャネルで、無線通信アンテナを介して外部の端末に通信データを送信する。
【0023】
これにより、無線通信で用いるチャネルを変更した場合においてもチャネルを検索することなく無線通信を行うことが出来る。従って、チャネル変更の際に必要な電力消費をより低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態における生体データ監視システムの構成を示した概略図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における無線センシング端末の構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における無線センシング端末の構成を示したブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態におけるデータ収集端末の構成を示したブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態におけるチャネル情報出力部の構成を示したブロック図である。
【図6】本発明の第2の実施形態におけるチャネル情報出力部の構成を示したブロック図である。
【図7】本発明の第3の実施形態における無線センシング端末の構成を示したブロック図である。
【図8】本発明の第4の実施形態における無線センシング端末の構成を示したブロック図である。
【図9】本発明の第5の実施形態における無線センシング端末の構成を示したブロック図である。
【図10】本発明の第6の実施形態における無線センシング端末の構成を示したブロック図である。
【図11】本発明の第6の実施形態におけるデータ収集端末の構成を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図を参照しながら説明する。図1は、本実施形態における生体データ監視システムの構成を示した概略図である。生体データ監視システム1は、無線センシング端末10と、データ収集端末20とを備える。無線センシング端末10は、各種センサを使って人体表面または体内から血圧、脈拍、心電、心拍、血中酸素濃度、体温、尿糖、血糖等の生体データを取得する。また、無線センシング端末10は、各種センサを使って無線センシング端末10が備える各部の状態を示す機器状態データを取得する。また、無線センシング端末10は、取得した生体データ及び機器状態データをデータ収集端末20に無線伝送する。データ収集端末20は、無線センシング端末10から無線伝送される生体データ及び機器状態データを収集して保存する。なお、無線センシング端末10は体内に設置される。また、データ収集端末20は体外に設置される。
【0026】
なお、本実施形態では、無線センシング端末10とデータ収集端末20とが1対1で無線通信を行うものとして説明を行うが、1対N、M対1、M対Nのいずれの関係においても、本発明は適用可能である(NおよびMは自然数)。
【0027】
次に、無線センシング端末10の構成について説明する。図2は、本実施形態における無線センシング端末10の構成を示したブロック図である。図示する例では、無線センシング端末10は、センサ部11と、保持部12と、チャネル情報出力部13と、制御部14と、無線通信部15(無線通信モジュール)と、アンテナ16(無線通信アンテナ)とを備える。なお、無線センシング端末10は、図示せぬ電池を備えている。電池は、無線センシング端末10が備える各部に電力を供給している。なお、本発明の特徴を表す必須構成は、チャネル情報出力部13と、無線通信部15と、アンテナ16である。
【0028】
センサ部11は、人体表面または体内に設置され、血圧、脈拍、心電、心拍、血中酸素濃度、体温、尿糖、血糖等をセンシングして生体データを取得する。また、センサ部11は、無線センシング端末10が備える各部の状態をセンシングして機器状態データを取得する。以下、センサ部11が取得する生体データや機器状態データなどを収集データと記載する。また、センサ部11は、収集データを保持部12に対して出力する。
【0029】
保持部12は、センサ部11が出力した収集データを取得して保持し、保持した収集データを制御部14の制御に従って無線通信部15に対して出力する。チャネル情報出力部13は、データ収集端末20から送信される信号を、アンテナ16を介して受信し、受信した信号が示す情報(すなわち、信号を復調した通信パケットに記載された情報)に含まれる通信チャネル情報(図3に示す)を検出する。
【0030】
通信チャネル情報は、無線センシング端末10とデータ収集端末20との無線通信で用いるチャネルを特定する情報である。また、チャネル情報出力部13は、検出した通信チャネル情報を制御部14に対して出力する。チャネル情報出力部13の詳細な構成については後述する。
【0031】
制御部14は、チャネル情報出力部13から入力された通信チャネル情報で特定されるチャネルを用いて通信するよう、無線通信部15に対して通信チャネル情報を含む通信開始指示情報を出力する。また、制御部14は、保持部12を制御し、保持部12が保持している収集データを無線通信部15に対して出力させる。
【0032】
無線通信部15は休止モード(第1の動作モード)と送信モード(第2の動作モード)との2種類の動作モードで動作する。無線通信部15は、休止モードで動作する場合、制御部14から入力される通信開始指示情報の入力のみ受け付け、その他の処理は行わない。そのため、無線通信部15は、休止モードで動作している場合には消費電力を抑えることができる。また、無線通信部15は、休止モードで動作している場合に制御部14から通信開始指示情報が入力された場合、送信モードに移行し、送信モードで動作する。無線通信部15は、送信モードで動作する場合、アンテナ16を介して、保持部12から入力された収集データを、通信チャネル情報で特定されるチャネルを用いてデータ収集端末20に対して送信する。なお、無線通信部15は、送信モードで動作している場合は無線送信を行うため、休止モードよりも消費電力は大きい。
【0033】
次に、通信チャネル情報が含まれる通信パケットのフレーム構成について説明する。図3は、本実施形態における通信チャネル情報が含まれる通信パケットのフレーム構成を示した概略図である。図示する例では、通信チャネル情報が含まれる通信パケットは、プリアンブルと、IDと、通信チャネル情報とを含んでいる。プリアンブルは、フレーム送信の開始を示す情報である。IDは、無線センシング端末を一意に特定する情報である。通信チャネル情報は上述した通りである。
【0034】
次に、データ収集端末20の構成について説明する。図4は、本実施形態におけるデータ収集端末20の構成を示したブロック図である。図示する例では、データ収集端末20は、無線通信部21と、チャネル情報送信部22と、データ処理部23と、記憶部24と、表示部25と、アンテナ26とを備える。なお、データ収集端末20は、図示せぬ電池を備えている。電池は、データ収集端末20が備える各部に電力を供給している。
【0035】
無線通信部21は、無線センシング端末10と無線通信を行う際に用いるチャネルを選択し、選択したチャネルを特定する情報である通信チャネル情報をチャネル情報送信部22に対して出力する。無線センシング端末10と無線通信を行う際に用いるチャネルの選択方法としては、例えば、複数のチャネルのうち、測定した受信電力が最低となるチャネルを選択する。また、無線通信部21は、無線センシング端末10から収集データの受信を開始する場合、アンテナ26を介して、無線センシング端末10に対して、電磁波を用いてデータ要求信号を送信する。なお、無線センシング端末10に対してデータ要求信号を送信するタイミングは、ユーザからの指示や、所定のタイミングなど、どのようなタイミングとしてもよい。また、無線通信部21は、無線センシング端末10から電磁波を用いて送信された収集データを、アンテナ26を介して受信し、受信した収集データをデータ処理部23に対して出力する。
【0036】
チャネル情報送信部22は、無線センシング端末10との無線通信で用いているチャネルの変更が必要となった時に、無線通信部21から入力された通信チャネル情報を含む信号を無線センシング端末10に対してアンテナ26を介して出力する。データ処理部23は、無線通信部21から入力された収集データのデータ形式を記憶用のデータ形式に変換して記憶用データを生成し、生成した記憶用データを記憶部24に対して出力する。また、データ処理部23は、無線通信部21から入力された収集データを文字や画像などの表示データに変換し、変換した表示データを表示部25に対して出力する。記憶部24は、データ処理部23から入力された記憶用データを記憶する。表示部25は、データ処理部23から入力された表示データを表示する。この構成により、データ収集端末20は、無線センシング端末10から送信された収集データを表示部25に表示させることができ、記憶部24に記憶させることができる。
【0037】
次に、無線センシング端末10が備えるチャネル情報出力部13の構成について説明する。図5は、本実施形態におけるチャネル情報出力部13の構成を示したブロック図である。図示する例では、チャネル情報出力部13はチャネル情報復調部131を備える。チャネル情報復調部131は、アンテナ16を介して、データ収集端末20から送信された信号を受信する。そして、チャネル情報復調部131は、受信した信号を復調して通信チャネル情報を検出し、検出した通信チャネル情報を制御部14に対して出力する。
【0038】
次に、本実施形態における無線センシング端末10とデータ収集端末20との収集データの送受信手順について説明する。なお、無線センシング端末10のセンサ部11は、常に収集データを取得して保持部12に対して出力し、保持部12はセンサ部11から入力される収集データを保持している。
【0039】
データ収集端末20の無線通信部21は、無線センシング端末10と無線通信を行う際に用いるチャネルを選択し、選択したチャネルを特定する情報である通信チャネル情報をチャネル情報送信部22に対して出力する。チャネル情報送信部22は、無線通信部21から入力された通信チャネル情報を含む信号を無線センシング端末10に対してアンテナ26を介して出力する。
【0040】
無線センシング端末10のチャネル情報出力部13は、データ収集端末20から送信される信号を、アンテナ16を介して受信し、受信した信号を復調して通信チャネル情報を検出する。また、チャネル情報出力部13は、検出した通信チャネル情報を制御部14に対して出力する。制御部14は、チャネル情報出力部13から入力された通信チャネル情報で特定されるチャネルを用いて通信するよう、無線通信部15に対して通信チャネル情報を含む通信開始指示情報を出力する。また、制御部14は、保持部12を制御し、保持部12が保持している収集データを無線通信部15に対して出力させる。保持部12は、保持した収集データを無線通信部15に対して出力する。無線通信部15は、制御部14から通信開始指示情報が入力された場合、アンテナ16を介して、保持部12から入力された収集データを、電磁波を用いてデータ収集端末20に対して送信する。このとき、無線通信部15は、通信開始指示情報に含まれる通信チャネル情報で特定されるチャネルを用いて収集データをデータ収集端末20に対して送信する。
【0041】
データ収集端末20の無線通信部21は、無線センシング端末10から電磁波を用いて送信された収集データを、アンテナ26を介して受信し、受信した収集データをデータ処理部23に対して出力する。データ処理部23は、無線通信部21から入力された収集データのデータ形式を記憶用のデータ形式に変換して記憶用データを生成し、生成した記憶用データを記憶部24に対して出力する。また、データ処理部23は、無線通信部21から入力された収集データを文字や画像などの表示データに変換し、変換した表示データを表示部25に対して出力する。記憶部24は、データ処理部23から入力された記憶用データを記憶する。表示部25は、データ処理部23から入力された表示データを表示する。
【0042】
上述した通り、本実施形態によれば、データ収集端末20の無線通信部21は、無線センシング端末10との無線通信で用いるチャネルを決定する。また、チャネル情報送信部22は、無線通信部21が決定したチャネルを特定する通信チャネル情報を含む信号を無線センシング端末10に対して送信する。無線センシング端末10のチャネル情報出力部13は、データ収集端末20から受信した信号が示す情報(すなわち、信号を復調した通信パケットに記載された情報)に含まれる通信チャネル情報を検出し、この通信チャネル情報を出力する。無線通信部15は、チャネル情報出力部13が出力する通信チャネル情報で特定されるチャネルを用いて、収集データをデータ収集端末20に対してアンテナ16を介して送信する。
【0043】
この構成により、無線センシング端末10の無線通信部15は、チャネル情報出力部13が出力する通信チャネル情報に基づいてデータ収集端末20が無線通信で用いるチャネルを特定することができる。よって、無線センシング端末10の無線通信部15は、データ収集端末20が無線通信で用いるチャネルを変更した場合においても、チャネルを検索することなくデータ収集端末20と無線通信を行うことが出来る。従って、無線センシング端末10は、チャネル変更の際に必要な電力消費をより低減することができる。
【0044】
なお、チャネル情報送信部22が通信チャネル情報を含む信号の送信に用いるチャネルは、無線通信部21が用いるチャネル群のうちの1つのチャネルを用いても良いし、無線通信部21が用いるチャネル以外の別の周波数のチャネルを用いても良い。
【0045】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図を参照しながら説明する。本実施形態における生体監視システムは、第1の実施形態と同様に、無線センシング端末とデータ収集端末とを備える。本実施形態と第1の実施形態とで異なる点は、無線センシング端末が備えるチャネル情報出力部の構成である。なお、本実施形態における無線センシング端末が備える他の構成は、第1の実施形態における構成と同様である。また、本実施形態におけるデータ収集端末は、第1の実施形態におけるデータ収集端末20と同様の構成である。
【0046】
次に、無線センシング端末が備えるチャネル情報出力部の構成について説明する。図6は、本実施形態におけるチャネル情報出力部33の構成を示したブロック図である。図示する例では、チャネル情報出力部33は、チャネル情報復調部131と、チャネル情報保持部331とを備える。
【0047】
チャネル情報復調部131は、アンテナ16を介して、データ収集端末20から送信された信号を受信する。そして、チャネル情報復調部131は、受信した信号が示す情報(すなわち、信号を復調してた通信パケットに記載された情報)に含まれる通信チャネル情報を検出し、検出した通信チャネル情報をチャネル情報保持部331に対して出力する。チャネル情報保持部331は、不揮発メモリであり、チャネル情報復調部131から入力された通信チャネル情報を記憶する。チャネル情報保持部331は不揮発メモリであるため、通信チャネル情報を記憶後に電源供給を受けなくともチャネル情報を保持することができる。また、チャネル情報保持部331は、制御部14の制御に基づいて、記憶している通信チャネル情報を制御部14に対して出力する。
【0048】
上述したように、チャネル情報出力部33は、チャネル情報保持部331を備えているため、通信チャネル情報を記憶することができる。また、チャネル情報保持部331は不揮発メモリであるため、電源供給を受けなくても通信チャネル情報を保持することができる。よって、無線センシング端末は、スリープ後に起動した場合においてデータ収集端末20に収集データを送信する際においても、チャネル情報保持部331が記憶している通信チャネル情報を用いて通信に用いるチャネルを特定することができるため、より迅速に収集データをデータ収集端末20に対して送信することができる。
【0049】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について図を参照しながら説明する。本実施形態における生体監視システムは、第1の実施形態と同様に、無線センシング端末とデータ収集端末とを備える。データ収集端末の構成は、第1の実施形態におけるデータ収集端末20と同様の構成である。
【0050】
図7は、本実施形態における無線センシング端末60の構成を示したブロック図である。図示する例では、無線センシング端末60は、センサ部11と、保持部12と、チャネル情報出力部13と、制御部14と、無線通信部15と、アンテナ16と、整流部61とを備える。センサ部11と、保持部12と、チャネル情報出力部13と、制御部14と、無線通信部15と、アンテナ16とは、第1の実施形態における各部と同様である。なお、無線センシング端末60は、図示せぬ電池を備えている。電池は、無線センシング端末60が備える各部に電力を供給している。
【0051】
整流部61は、アンテナ16を介して、データ収集端末20から送信された電磁波(信号)を受信する。そして、整流部61は、受信した電磁波を整流して直流電圧に変換し、変換した直流電圧をチャネル情報出力部13に対して出力する。これにより、チャネル情報出力部13は、整流部61が出力する直流電圧を用いて動作することができる。
【0052】
上述した通り、無線センシング端末60は整流部61を備えており、チャネル情報出力部13は整流部61が生成した電力で動作して通信チャネル情報を検出する。従って、チャネル変更の際に必要な電力消費をより低減することができる。
【0053】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について図を参照しながら説明する。本実施形態における生体監視システムは、第1の実施形態と同様に、無線センシング端末とデータ収集端末とを備える。データ収集端末の構成は、第1の実施形態におけるデータ収集端末20と同様の構成である。
【0054】
図8は、本実施形態における無線センシング端末70の構成を示したブロック図である。図示する例では、無線センシング端末70は、センサ部11と、保持部12と、チャネル情報出力部13と、制御部14と、無線通信部15と、アンテナ16と、整流部61と、第1電源開閉部71とを備える。センサ部11と、保持部12と、チャネル情報出力部13と、制御部14と、無線通信部15と、アンテナ16とは、第1の実施形態における各部と同様である。なお、無線センシング端末70は、図示せぬ電池を備えている。電池は、無線センシング端末70が備える各部に電力を供給している。
【0055】
整流部61は、アンテナ16を介して、データ収集端末20から送信された電磁波(信号)を受信する。そして、整流部61は、受信した電磁波を整流して直流電圧に変換し、変換した直流電圧を第1電源開閉部71に対して出力する。第1電源開閉部71は、制御部14の制御に従って、整流部61から入力される直流電圧をチャネル情報出力部13に対して供給する。例えば、制御部14は、第1電源開閉部71に対して定期的に電源供給開始を指示し、整流部61が出力する電圧をチャネル情報出力部13に対して供給させる。そして、制御部14は、チャネル情報出力部13が通信チャネル情報を出力した後に、第1電源開閉部71に対して電源供給停止を指示し、整流部61が出力する電圧をチャネル情報出力部13に供給することを停止させる。なお、無線通信部15の動作モードに応じて、電源供給の開始周期を変えてもよい。
【0056】
上述した通り、無線センシング端末70は第1電源開閉部71を備えている。第1電源開閉部71は制御部14の制御に基づいて、整流部61が出力する直流電圧をチャネル情報出力部13に対して供給する。また、第1電源開閉部71は制御部14の制御に基づいて、整流部61が出力する電圧をチャネル情報出力部13に供給することを停止する。これにより、無線センシング端末70は、整流部61の電源変換効率が低い場合でも、整流部61が出力する電圧を用いてチャネル情報出力部13を動作させることができ、チャネル変更の処理を行うことができる。
【0057】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について図を参照しながら説明する。本実施形態における生体監視システムは、第1の実施形態と同様に、無線センシング端末とデータ収集端末とを備える。データ収集端末の構成は、第1の実施形態におけるデータ収集端末20と同様の構成である。
【0058】
図9は、本実施形態における無線センシング端末80の構成を示したブロック図である。図示する例では、無線センシング端末80は、センサ部11と、保持部12と、チャネル情報出力部13と、制御部14と、無線通信部15と、アンテナ16と、整流部61と、第1電源開閉部71と、第2電源開閉部81とを備える。センサ部11と、保持部12と、チャネル情報出力部13と、制御部14と、無線通信部15と、アンテナ16とは、第1の実施形態における各部と同様である。なお、無線センシング端末80は、図示せぬ電池を備えている。電池は、無線センシング端末80が備える各部に電力を供給している。
【0059】
整流部61は、アンテナ16を介して、データ収集端末20から送信された電磁波(信号)を受信する。そして、整流部61は、受信した電磁波を整流して直流電圧に変換し、変換した直流電圧を第1電源開閉部71と第2電源開閉部81とに対して出力する。第1電源開閉部71は、制御部14の制御に従って、整流部61から入力される直流電圧をチャネル情報出力部13に対して供給する。第2電源開閉部81は、制御部14の制御に従って、整流部61から入力される直流電圧を無線通信部15に対して供給する。例えば、制御部14は、チャネル情報出力部13から通信チャネル情報が入力された場合、第2電源開閉部81に対して電源供給開始を指示し、整流部61が出力する電圧を無線通信部15に対して供給させる。そして、制御部14は、無線通信部15による通信が終了した場合、第2電源開閉部81に対して電源供給停止を指示し、整流部61が出力する電圧を無線通信部15に供給することを停止させる。
【0060】
上述した通り、無線センシング端末80は第2電源開閉部81を備えている。第2電源開閉部81は制御部14の制御に基づいて、整流部61が出力する直流電圧を無線通信部15に対して供給する。また、第2電源開閉部81は制御部14の制御に基づいて、整流部61が出力する電圧を無線通信部15に供給することを停止する。これにより、無線通信部15は整流部61が生成した電力で動作して収集データを送信することができる。従って、無線センシング端末80が備える電池の消耗をより低減することができる。また、第1電源開閉部71と第2電源開閉部81とを連動して動作させることにより、チャネル変更処理と収集データの送信処理とを効率的に連携して行うことができる。
【0061】
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態について図を参照しながら説明する。本実施形態における生体監視システムは、第1の実施形態と同様に、無線センシング端末とデータ収集端末とを備える。なお、第1の実施形態〜第5の実施形態では、データ収集端末から無線センシング端末に対して通信チャネル情報を送信することで無線通信に用いるチャネルを特定していたが、本実施形態では、無線センシング端末からデータ収集端末に対して通信チャネル情報を送信することで無線通信に用いるチャネルを特定する。
【0062】
次に、無線センシング端末の構成について説明する。図10は、本実施形態における無線センシング端末90の構成を示したブロック図である。図示する例では、無線センシング端末90は、センサ部11と、保持部12と、アンテナ16と、無線通信部91と、チャネル情報送信部92とを備える。なお、無線センシング端末90は、図示せぬ電池を備えている。電池は、無線センシング端末90が備える各部に電力を供給している。
【0063】
センサ部11と、保持部12と、アンテナ16とは第1の実施形態における各部と同様である。無線通信部91は、データ収集端末100と無線通信を行う際に用いるチャネルを選択し、選択したチャネルを特定する情報である通信チャネル情報をチャネル情報送信部92に対して出力する。データ収集端末100と無線通信を行う際に用いるチャネルの選択方法としては、例えば、複数のチャネルのうち、他の無線と干渉しないチャネルを選択する。また、無線通信部91は、アンテナ16を介して、保持部12から入力された収集データを、電磁波を用いてデータ収集端末100に対して送信する。
【0064】
次に、データ収集端末100の構成について説明する。図11は、本実施形態におけるデータ収集端末100の構成を示したブロック図である。図示する例では、データ収集端末100は、データ処理部23と、記憶部24と、表示部25と、アンテナ26と、チャネル情報出力部101と、制御部102と、無線通信部103とを備える。なお、データ収集端末20は、図示せぬ電池を備えている。電池は、データ収集端末100が備える各部に電力を供給している。
【0065】
データ処理部23と、記憶部24と、表示部25と、アンテナ26とは第1の実施形態における各部と同様である。チャネル情報出力部101は、無線センシング端末90から送信される信号を、アンテナ26を介して受信し、受信した信号が示す情報(すなわち、信号を復調した通信パケットに記載された情報)に含まれる通信チャネル情報を検出する。通信チャネル情報は、無線センシング端末90とデータ収集端末100との無線通信で用いるチャネルを特定する情報である。また、チャネル情報出力部101は、検出した通信チャネル情報を制御部102に対して出力する。制御部102は、チャネル情報出力部101から入力された通信チャネル情報で特定されるチャネルを用いて通信するよう、無線通信部103に対して通信チャネル情報を含む通信開始指示情報を出力する。無線通信部103は、制御部102から通信開始指示情報が入力された場合、アンテナ16を介して、無線センシング端末90から送信される取得データの受信を開始する。
【0066】
上述した通り、本実施形態によれば、無線センシング端末90の無線通信部91は、データ収集端末100との無線通信で用いるチャネルを決定する。また、チャネル情報送信部92は、無線通信部91が決定したチャネルを特定する通信チャネル情報を含む信号をデータ収集端末100に対して送信する。データ収集端末100のチャネル情報出力部101は、無線センシング端末90から受信した信号が示す情報(すなわち、信号を復調した通信パケット)に含まれる通信チャネル情報を検出し、この通信チャネル情報を出力する。無線通信部103は、チャネル情報出力部101が出力する通信チャネル情報で特定されるチャネルを用いて、無線センシング端末90から送信される収集データを受信する。
【0067】
この構成により、データ収集端末100の無線通信部103は、チャネル情報出力部101が出力する通信チャネル情報に基づいて無線センシング端末90が無線通信で用いるチャネルを特定することができる。よって、データ収集端末100の無線通信部103は、無線センシング端末90が無線通信で用いるチャネルを変更した場合においても、チャネルを検索することなく無線センシング端末90と無線通信を行うことが出来る。従って、データ収集端末100は、チャネル変更の際に必要な電力消費をより低減することができる。
【0068】
なお、チャネル情報送信部92が通信チャネル情報を含む信号の送信に用いるチャネルは、無線通信部91が用いるチャネル群のうちの1つのチャネルを用いても良いし、無線通信部91が用いるチャネル以外の別の周波数のチャネルを用いても良い。
【0069】
以上、この発明の第1〜第6の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、第1〜第6の実施形態においては、無線センシング端末とデータ収集端末とが1対1で無線通信を行うものとして説明したが、1対N、M対1、M対Nのいずれの関係であっても本発明を適用することができる(NおよびMは自然数)。
【符号の説明】
【0070】
1・・・生体データ監視システム、10,60,70,80,90・・・無線センシング端末、11・・・センサ部、12・・・保持部、13,33,101・・・チャネル情報出力部、14,102・・・制御部、15,21,91,103・・・無線通信部、16,26・・・アンテナ、20,100・・・データ収集端末、22,92・・・チャネル情報送信部、23・・・データ処理部、24・・・記憶部、25・・・表示部、61・・・整流部、71・・・第1電源開閉部、81・・・第2電源開閉部、131・・・チャネル情報復調部、331・・・チャネル情報保持部、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信アンテナと、
前記無線通信アンテナを介して受信される信号が示す情報に含まれる通信チャネル情報を検出し、当該通信チャネル情報を出力するチャネル情報出力部と、
第1の動作モードと、前記第1の動作モードより相対的に動作時の消費電力が高い第2の動作モードとを有する無線通信モジュールであって、前記第2の動作モードで動作するときに、前記チャネル情報出力部が出力した前記通信チャネル情報が示す通信チャネルで、前記無線通信アンテナを介して外部の端末に通信データを送信する無線通信モジュールと、
を有することを特徴とする無線通信端末。
【請求項2】
前記チャネル情報出力部は、前記信号から前記情報を復調する復調部を有し、前記復調部で復調された前記情報から前記通信チャネル情報を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項3】
前記チャネル情報出力部は、前記通信チャネル情報を保持する保持部を更に有し、前記通信モジュールが前記第2の動作モードに移行して動作するときに前記通信チャネル情報を出力する
ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信端末。
【請求項4】
前記チャネル情報出力部は、前記復調部が前記信号から前記情報を復調し、当該復調部で復調された前記情報から前記通信チャネル情報を検出した際に前記通信チャネル情報を出力する
ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信端末。
【請求項5】
前記信号を整流する整流部を更に有し、
前記復調部は、前記整流部で整流された電力で動作する
ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信端末。
【請求項6】
前記チャネル情報出力部は、前記整流部で整流された電力値が所定の値以上になった場合、前記通信チャネル情報を出力する
ことを特徴とする請求項5に記載の無線通信端末。
【請求項7】
前記整流部で整流された電力を前記復調部に供給するか否かを切り替える第1電源開閉部を更に有する
ことを特徴とする請求項5に記載の無線通信端末。
【請求項8】
前記第1電源開閉部は、所定の間隔で前記復調部への電力供給の開始停止を実施する
ことを特徴とする請求項7に記載の無線通信端末。
【請求項9】
前記第1電源開閉部は、前記チャネル情報出力部が前記通信チャネル情報を検出した場合、前記復調部への電力供給を停止する
ことを特徴とする請求項7に記載の無線通信端末。
【請求項10】
前記無線通信モジュールは、前記整流部で整流された電力で動作する
ことを特徴とする請求項5に記載の無線通信端末。
【請求項11】
前記整流部で整流された電力を前記無線通信モジュールに供給するか否かを切り替える第2電源開閉部を更に有する
ことを特徴とする請求項10に記載の無線通信端末。
【請求項12】
前記第2電源開閉部は、前記チャネル情報出力部が前記通信チャネル情報を検出した場合、前記無線通信モジュールへの電力供給を開始する
ことを特徴とする請求項11に記載の無線通信端末。
【請求項13】
前記第2電源開閉部は、前記無線通信モジュールによる通信が終了した場合、前記無線通信モジュールへの電力供給を停止する
ことを特徴とする請求項12に記載の無線通信端末。
【請求項14】
前記無線通信端末は、体内に設置される端末である
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項15】
前記無線通信端末は、体外に設置される端末である
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項1】
無線通信アンテナと、
前記無線通信アンテナを介して受信される信号が示す情報に含まれる通信チャネル情報を検出し、当該通信チャネル情報を出力するチャネル情報出力部と、
第1の動作モードと、前記第1の動作モードより相対的に動作時の消費電力が高い第2の動作モードとを有する無線通信モジュールであって、前記第2の動作モードで動作するときに、前記チャネル情報出力部が出力した前記通信チャネル情報が示す通信チャネルで、前記無線通信アンテナを介して外部の端末に通信データを送信する無線通信モジュールと、
を有することを特徴とする無線通信端末。
【請求項2】
前記チャネル情報出力部は、前記信号から前記情報を復調する復調部を有し、前記復調部で復調された前記情報から前記通信チャネル情報を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項3】
前記チャネル情報出力部は、前記通信チャネル情報を保持する保持部を更に有し、前記通信モジュールが前記第2の動作モードに移行して動作するときに前記通信チャネル情報を出力する
ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信端末。
【請求項4】
前記チャネル情報出力部は、前記復調部が前記信号から前記情報を復調し、当該復調部で復調された前記情報から前記通信チャネル情報を検出した際に前記通信チャネル情報を出力する
ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信端末。
【請求項5】
前記信号を整流する整流部を更に有し、
前記復調部は、前記整流部で整流された電力で動作する
ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信端末。
【請求項6】
前記チャネル情報出力部は、前記整流部で整流された電力値が所定の値以上になった場合、前記通信チャネル情報を出力する
ことを特徴とする請求項5に記載の無線通信端末。
【請求項7】
前記整流部で整流された電力を前記復調部に供給するか否かを切り替える第1電源開閉部を更に有する
ことを特徴とする請求項5に記載の無線通信端末。
【請求項8】
前記第1電源開閉部は、所定の間隔で前記復調部への電力供給の開始停止を実施する
ことを特徴とする請求項7に記載の無線通信端末。
【請求項9】
前記第1電源開閉部は、前記チャネル情報出力部が前記通信チャネル情報を検出した場合、前記復調部への電力供給を停止する
ことを特徴とする請求項7に記載の無線通信端末。
【請求項10】
前記無線通信モジュールは、前記整流部で整流された電力で動作する
ことを特徴とする請求項5に記載の無線通信端末。
【請求項11】
前記整流部で整流された電力を前記無線通信モジュールに供給するか否かを切り替える第2電源開閉部を更に有する
ことを特徴とする請求項10に記載の無線通信端末。
【請求項12】
前記第2電源開閉部は、前記チャネル情報出力部が前記通信チャネル情報を検出した場合、前記無線通信モジュールへの電力供給を開始する
ことを特徴とする請求項11に記載の無線通信端末。
【請求項13】
前記第2電源開閉部は、前記無線通信モジュールによる通信が終了した場合、前記無線通信モジュールへの電力供給を停止する
ことを特徴とする請求項12に記載の無線通信端末。
【請求項14】
前記無線通信端末は、体内に設置される端末である
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項15】
前記無線通信端末は、体外に設置される端末である
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−98898(P2013−98898A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242135(P2011−242135)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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