無線通信装置、無線通信方法、及び無線通信システム
【課題】無線通信装置同士を接続する際にユーザに掛かる手間を低減することが可能な、新規かつ改良された無線通信装置、無線通信方法、及び無線通信システムを提供する。
【解決手段】無線通信装置20は、無線通信装置30と無線通信が可能な通信部21と、通信部21が無線通信装置30に近接するかを判定する判定部22と、通信部21が無線通信装置30に近接すると判定された場合に、通信部21と無線通信装置30との接続手続きを行う制御部25と、を備える。
【解決手段】無線通信装置20は、無線通信装置30と無線通信が可能な通信部21と、通信部21が無線通信装置30に近接するかを判定する判定部22と、通信部21が無線通信装置30に近接すると判定された場合に、通信部21と無線通信装置30との接続手続きを行う制御部25と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信装置、無線通信方法、及び無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
IEEE802.11の規格で広く知られる無線LANにおいては、子機として機能する無線通信装置(例えばステーション)が親機として機能する無線通信装置(例えばアクセスポイント)に対して接続する意思を示し、次いで、子機のユーザが親機のセキュリティ設定に合わせた接続設定を行うことで、子機が親機に接続される。
【0003】
一方、親機のユーザ及び子機のユーザがそれぞれWPSプッシュボタンを押すことによっても、親機と子機との間のセキュリティ設定及び接続が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−283590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、従来の無線LANには、親機のセキュリティ設定に合わせた接続設定や、WPSプッシュボタンを押すといったユーザによる煩雑な操作がないと無線通信装置同士が接続されないという問題があった。
【0006】
そこで、本開示では、無線通信装置同士を接続する際にユーザに掛かる手間を低減することが可能な、新規かつ改良された無線通信装置、無線通信方法、及び無線通信システムを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、他の無線通信装置と無線通信が可能な通信部と、通信部が他の無線通信装置に近接するかを判定する判定部と、通信部が他の無線通信装置に近接すると判定された場合に、通信部と他の無線通信装置との接続手続きを行う制御部と、を備える、無線通信装置が提供される。
【0008】
ここで、判定部は、通信部が他の無線通信装置から受信した無線信号の受信強度である受信強度が所定値以上である場合に、通信部が他の無線通信装置に近接すると判定してもよい。
【0009】
また、判定部は、通信部が複数の他の無線通信装置から無線信号を受信し、かつ、受信強度が所定値以上となる無線信号が複数存在する場合には、受信強度が最も大きい無線信号を送信した他の無線通信装置に通信部が近接すると判定してもよい。なお、この受信強度は、無線信号の瞬時値であってもよく、通信部が所定時間内に受信した受信強度を平均した値であっても良く、受信強度に重み付けを行った値であってもよい。これらの値は、送信元(他の無線通信装置)毎に算出される。このような判定と、上述した判定、即ち、受信強度が所定値以上である場合に、通信部が他の無線通信装置に近接すると判定する処理とを組み合わせてもよい。
【0010】
また、他の無線通信装置は、通信部に近接することを接続許可条件とした接続手続きが可能である場合には、その旨を示す近接による接続手続き可能情報を含めた無線信号を送信し、判定部は、無線信号に近接による接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、制御部は、通信部が他の無線通信装置に近接すると判定され、かつ、無線信号に近接による接続手続き可能情報が含まれると判定された場合に、通信部と他の無線通信装置との接続手続きを行うようにしてもよい。
【0011】
また、前記無線通信装置は、前記接続手続きの開始、前記接続手続きの終了、前記接続手続きの状態変化、または前記接続手続きの結果を通知する通知部を備えてもよい。
【0012】
また、他の無線通信装置は、親機に接続された一または複数の子機のうち、いずれかの子機を構成し、通信部は、親機から子機の一覧情報を取得し、判定部は、通信部が取得した一覧情報に基づいて、他の無線通信装置を発見し、通信部が当該発見された他の無線通信装置に近接するかを判定するようにしてもよい。
【0013】
また、本開示によれば、他の無線通信装置と無線通信が可能な通信部が他の無線通信装置に近接するかを判定するステップと、通信部が他の無線通信装置に近接すると判定された場合に、通信部と他の無線通信装置との接続手続きを行うステップと、を含む、無線通信方法が提供される。
【0014】
また、本開示によれば、無線通信が可能な第1の無線通信装置及び第2の無線通信装置を備える無線通信システムであって、第1の無線通信装置は、第2の無線通信装置と無線通信が可能な通信部と、通信部が第2の無線通信装置に近接するかを判定する判定部と、通信部が第2の無線通信装置に近接すると判定された場合に、通信部と第2の無線通信装置との接続手続きを行う制御部と、を備える、無線通信システムが提供される。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本開示によれば、無線通信装置のユーザは、他の無線通信装置に自己の無線通信装置を近接させるだけで、接続手続きをこれらの無線通信装置に行わせることができる。したがって、無線通信装置は、無線通信装置同士を接続する際にユーザに掛かる手間を従来よりも低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本開示の第1の実施形態に係る無線通信システムを示すブロック図である。
【図2A】無線通信システムが行う処理の概要を示すフローチャートである。
【図2B】無線通信システムが行う処理の概要を示すフローチャートである。
【図3】同実施形態に係る無線通信装置のブロック図である。
【図4】同実施形態に係る無線通信装置のブロック図である。
【図5】無線信号のデータ構造を示す説明図である。
【図6】無線信号のデータ構造を示す説明図である。
【図7】無線通信システムによる処理の手順を示すシーケンス図である。
【図8】本開示の第2の実施形態に係る無線通信システムを示すブロック図である。
【図9】無線通信システムによる処理の手順を示すシーケンス図である。
【図10】無線通信システムによる処理の手順を示すシーケンス図である。
【図11】無線通信システムによる処理の手順を示すシーケンス図である。
【図12】本開示の第3の実施形態に係る無線通信装置を示すブロック図である。
【図13】無線通信システムによる処理の手順を示すシーケンス図である。
【図14】無線通信システムによる処理の手順を示すシーケンス図である。
【図15】無線通信システムによる処理の手順を示すシーケンス図である。
【図16】通知部により状態に関する通知を行うタイミングを示した説明図である。
【図17】通知部により状態に関する通知を行うタイミングを示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施の形態(グループに属していない無線通信装置同士が接続する例)
2.第2の実施の形態(グループに属していない無線通信装置が、グループ内の無線通信装置(親機)に接続する例)
3.第3の実施の形態(グループに属していない無線通信装置が、グループ内の無線通信装置(子機)に接続する例)
4.補足
【0019】
<1.第1の実施形態>
[無線通信システムの構成]
まず、図1に基づいて、無線通信システム10−1の構成を説明する。無線通信システム10−1は、無線通信装置20、30を備える。無線通信装置20は概略的には以下の処理を行う。なお、無線通信装置30も同様の処理を行う。
【0020】
即ち、無線通信装置20は、自己を一意に特定するための識別情報を含み、宛先不特定の第1の無線信号を自己の周辺に送信する。これにより、無線通信装置20は、自己の存在を他の無線通信装置である無線通信装置30に通知する。このような第1の無線信号としては、例えば、IEEE802.11で定義され、宛先不特定のプローブリクエスト(Probe−request)信号や、ビーコン信号が考えられる。なお、プローブリクエスト信号には、応答を希望する旨の応答要求情報が含まれる。
【0021】
無線通信装置20は、自己の周辺に存在する無線通信装置30から送信された第1の無線信号を受信した場合には、この第1の無線信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置30を特定する。これにより、無線通信装置20は、無線通信装置30を発見する。
【0022】
無線通信装置20は、第1の無線信号に基づいて無線通信装置30を発見し、かつ、第1の無線信号に応答要求情報が含まれる場合には、識別情報と、無線通信装置30を一意に特定するための宛先情報と、応答の意思を示す応答情報とを含むプローブレスポンス信号を第2の無線信号として無線通信装置30に送信する。なお、プローブレスポンス信号は、IEEE802.11で定義されている。
【0023】
また、無線通信装置20は、第1の無線信号に応答要求情報が含まれない場合、即ち、第1の無線信号がビーコン信号のような通知目的の信号であった場合は、自己の存在を無線通信装置30へ通知するため、自己を一意に特定するための識別情報と、応答を希望する旨の応答要求情報と、無線通信装置30を一意に特定するための宛先情報とを含むプローブリクエスト信号を第2の無線信号として無線通信装置30に送信する。このような第2の無線信号を受信した無線通信装置30は、その信号に対する返信(例えばプローブレスポンス信号の送信)を行うことで、無線通信装置20は、無線通信装置30が応答可能であることを知ることができる。
【0024】
無線通信装置20は、無線通信装置30から第2の無線信号を受信した場合には、第2の無線信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置30を特定する。したがって、無線通信装置20は、第2の無線信号に基づいて、無線通信装置30を発見することもできる。同様に、無線通信装置30は、無線通信装置20から送信された第2の無線信号によって、無線通信装置20を発見することができる。
【0025】
無線通信装置20は、無線通信装置30を発見した場合には、識別情報と、無線通信装置30を示す宛先情報と、応答要求情報と、自己が無線通信装置30に近接することを接続許可条件とした接続手続きが可能であることを示す近接による接続手続き可能情報とを含む第3の無線信号を、無線通信装置30に送信する。このような第3の無線信号としては、例えばワイファイダイレクト(Wi−Fi Direct)で定義されたサービスディスカバリクエリ(Service Discovery Query)信号が考えられる。
【0026】
無線通信装置20は、無線通信装置30から第3の無線信号を受信した場合には、受信した第3の無線信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定する。無線通信装置20は、自己が近接することが無線通信接続手続き開始トリガとする接続方法が可能であるという情報、即ち接続手続き可能情報を含んだ第4の無線信号を無線通信装置30に対して返信する。このような第4の無線信号としては、例えばワイファイダイレクトで定義されたサービスディスカバリレスポンス(Service Discovery Response)信号が考えられる。その後、無線通信装置20は、受信した第1の無線信号、第2の無線信号、または第3の無線信号の受信強度を利用し、自己が無線通信装置30に近接すると判定し、かつ、第3の無線信号に接続手続き可能情報が含まれていると判定した場合には、無線通信装置30との接続手続きを行う。
【0027】
一方、無線通信装置20は、無線通信装置30から第4の無線信号を受信した場合には、第4の無線信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定する。無線通信装置20は、受信した第1の無線信号、第2の無線信号、または第4の無線信号の受信強度を利用し、自己が無線通信装置30に近接すると判定し、かつ、第4の無線信号に接続手続き可能情報が含まれていると判定した場合には、無線通信装置30との接続手続きを行う。
【0028】
[無線通信システム10−1による処理の概要]
次に、図2Aに基づいて、無線通信システム10−1による処理の概要を説明する。ステップS1において、無線通信装置20は、第1の無線信号を周辺に送信することで、自己の存在を無線通信装置30に通知する。無線通信装置30は、第1の無線信号を受信し、第1の無線信号に基づいて、無線通信装置20を発見する。無線通信装置20を発見した無線通信装置30は、第2の無線信号を無線通信装置20に送信する。無線通信装置20は、第2の無線信号を受信し、第2の無線信号に基づいて、無線通信装置30を発見する。または、無線通信装置20は、無線通信装置30が送信している第1の無線信号を受信することで、無線通信装置30を発見する。
【0029】
ステップS2において、無線通信装置20は、第3の無線信号を無線通信装置30に送信する。無線通信装置30は、第3の無線信号を受信し、第4の無線信号を無線通信装置20に送信する。
【0030】
無線通信装置20は、第4の無線信号を受信し、この第4の無線信号、ステップS1にて受信した第1の無線信号、または第2の無線信号の受信信号の受信強度を利用して、無線通信装置30が自己に近接するかを判定する。具体的には、無線通信装置20は、受信強度が所定値以上であれば、自己が無線通信装置30に近接すると判定し、受信強度が所定値未満であれば、自己が無線通信装置30に近接しないと判定する。ここで、所定値は、例えば、無線通信装置20が無線通信装置30から数cm(例えば、1〜5cm)離れた時に無線通信装置30から受信した無線信号の受信強度となる。
【0031】
無線通信装置20は、自己が無線通信装置30に近接すると判定した場合には、ステップS3に進み、自己が無線通信装置30に近接しないと判定した場合には、ステップS1にもどる。
【0032】
ステップS3において、無線通信装置20は、ステップS2で受信した第4の無線信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、第4の無線信号に接続手続き可能情報が含まれると判定した場合には、ステップS4に進み、第4の無線信号に接続手続き可能情報が含まれないと判定した場合には、ステップS1にもどる。一方、無線通信装置30も、第3の無線信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定する。
【0033】
ステップS4において、無線通信装置20は、無線通信装置30との接続手続きを行う。この接続手続き自体は従来と同様であり、例えば、従来の無線通信装置の各々でWPSプッシュボタンが押されたときに行われる処理である。なお、図2Bに示されるように、無線通信装置20、30は、先にステップS3の処理、即ち受信した無線信号に接続手続き可能情報が含まれるかの判定を行い、次にステップS2の処理、即ち近接判定を行ってもよい。
【0034】
[無線通信装置20、30の構成]
次に、図3に基づいて、無線通信装置20の詳細な構成を説明する。無線通信装置20は、CPU、ROM、RAM、通信装置、ディスプレイ等の各種ハードウエア構成を備え、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込んで実行することで、各種の処理を行う。具体的には、無線通信装置20は、通信部21と、判定部22と、記憶部23と、通知部24と、制御部25とを備える。
【0035】
通信部21は、無線通信装置30と無線通信、即ち無線信号の送受信が可能となっており、制御部25から与えられた無線信号を外部に送信し、無線通信装置30から送信された第1〜第4の無線信号を受信する。通信部21は、第1の無線信号を受信した場合には、第1の無線信号を判定部22に出力する。通信部21は、第2〜第4の無線信号を受信した場合には、受信した無線信号内の宛先情報が自己を指定していることを確認した上で、無線信号を判定部22に出力する。通信部21は、受信した無線信号が自己宛または、不特定多数宛てでない場合には、その無線信号を破棄する。
【0036】
判定部22は、無線通信装置20の周辺に存在する無線通信装置30を発見する。具体的には、判定部22は、通信部21から第1または第2の無線信号が与えられた場合に、第1または第2の無線信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置30を特定する。これにより、判定部22は、無線通信装置30を発見する。判定部22は、第1または第2の無線信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置30を一意に特定するための宛先情報を生成する。判定部22は、第1の無線信号に基づいて無線通信装置30を発見した場合には、宛先情報を含む第1の発見情報を制御部25に出力する。ここで、第1の無線信号に応答要求情報が含まれる場合、第1の発見情報には、当該応答要求情報が含まれる。一方、判定部22は、第2の無線信号に基づいて無線通信装置30を発見した場合には、宛先情報と、第2の無線信号に含まれる応答情報または応答要求情報とを含む第2の発見情報を制御部25に出力する。また、判定部22は、受信した受信信号の送信元ごとの受信強度を記憶部23に記憶する。なお、無線通信装置20は、送信元が近接に存在するかどうかを判定する判定器を別途有し、判定部22は、この判定器に受信強度を入力してもよい。もしくは、その両方でもよい。
【0037】
また、判定部22は、通信部21から第3または第4の無線信号が与えられた場合に、これらの無線信号を制御部25に出力する。また、判定部22は、通信部21、即ち無線通信装置20が無線通信装置30に近接するかを判定する。具体的には、判定部22は、受信信号の受信強度が所定値以上である場合には、無線通信装置20が無線通信装置30に近接すると判定し、所定値未満である場合には、無線通信装置20が無線通信装置30に近接しないと判定する。なお、後述する無線通信装置20および無線通信装置30等の処理では、主に第3または第4の無線信号の受信強度が測定されるが、受信強度が測定される無線信号は、第1〜第4の無線信号のいずれであってもよい。より具体的には、受信強度が測定される無線信号は、ビーコン、プローブリクエスト、プローブレスポンス、アクションフレーム、またはこれら受信可能なフレームの組合せであってもよい。また、受信強度は、無線信号の受信時の瞬時値でも良く、同じ送信元から所定時間内に受信した無線信号の受信強度を平均(例えば算術平均)した値、または、受信信号を重み付けしたフィルタに通して算出した値等のように、誤検出しないための処理を行った値であってもよい。これらの処理は、判定部22が行っても良く、別途設けられた判定器が行ってもよい。
【0038】
判定部22は、無線通信装置20が無線通信装置30に近接すると判定した場合には、さらに、第3の無線信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、第3の無線信号に接続手続き可能情報が含まれると判定した場合には、無線通信装置30を示す宛先情報と、第3の無線信号に含まれる応答要求情報及び接続手続き可能情報とを含む第1の接続開始指示情報を制御部25に出力する。一方、判定部22は、第3の無線信号に接続手続き可能情報が含まれないと判定した場合、または、無線通信装置20が無線通信装置30に近接しないと判定した場合には、接続手続きが不可能であることを示す接続手続き不可情報を制御部25に出力する。
【0039】
同様に、判定部22は、無線通信装置20が無線通信装置30に近接すると判定した場合には、さらに、第4の無線信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、第4の無線信号に接続手続き可能情報が含まれると判定した場合には、無線通信装置30を示す宛先情報と、第4の無線信号に含まれる応答情報及び接続手続き可能情報とを含む第2の接続開始指示情報を制御部25に出力する。一方、判定部22は、第4の無線信号に接続手続き可能情報が含まれないと判定した場合、または、無線通信装置20が無線通信装置30に近接しないと判定した場合には、接続手続きが不可能であることを示す接続手続き不可情報を制御部25に出力する。
【0040】
判定部22は、第3の無線信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、次いで、無線通信装置20が無線通信装置30に近接すると判定した場合には、無線通信装置30を示す宛先情報と、第3の無線信号に含まれる応答要求情報及び接続手続き可能情報とを含む第1の接続開始指示情報を制御部25に出力してもよい。一方、判定部22は、第3の無線信号に接続手続き可能情報が含まれないと判定した場合、または、無線通信装置20が無線通信装置30に近接しないと判定した場合には、接続手続きが不可能であることを示す接続手続き不可情報を制御部25に出力してもよい。
【0041】
同様に、判定部22は、第4の無線信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、次いで、無線通信装置20が無線通信装置30に近接すると判定した場合には、無線通信装置30を示す宛先情報と、第4の無線信号に含まれる応答情報及び接続手続き可能情報とを含む第1の接続開始指示情報を制御部25に出力してもよい。一方、判定部22は、第4の無線信号に接続手続き可能情報が含まれないと判定した場合、または、無線通信装置20が無線通信装置30に近接しないと判定した場合には、接続手続きが不可能であることを示す接続手続き不可情報を制御部25に出力してもよい。
【0042】
記憶部23は、第1〜第4の無線信号を生成するために必要な各種情報(例えば、判定部22が生成した宛先情報、等)、通知部24に表示される情報、接続手続きに必要な各種情報(例えば、セキュリティ設定に関する情報等)及び各種のプログラム等を記憶する。通知部24は、制御部25による制御により、各種の情報を表示、光による通知、震えによる通知、音による通知、などを行う。
【0043】
制御部25は、無線通信装置20内の各構成要素を制御する他、以下の処理を行う。即ち、制御部25は、判定部22から第1または第2の発見情報が与えられるまで、第1の無線信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、第1の無線信号を周辺に送信する。
【0044】
制御部25は、判定部22から第1の発見情報が与えられた場合には、第1の発見情報に応答要求情報が含まれるかを判定する。制御部25は、第1の発見情報に応答要求情報が含まれる場合、第2の無線信号としてプローブレスポンス信号を生成する。一方、制御部25は、第1の発見情報に応答要求情報が含まれない場合(即ち、第1の無線信号がビーコン信号となる場合)、第2の無線信号としてプローブリクエスト信号を生成する。そして、制御部25は、生成された第2の無線信号を通信部21に出力する。通信部21は、第2の無線信号を無線通信装置30に送信する。
【0045】
一方、制御部25は、第2の発見情報が与えられた場合には、第2の発見情報に応答情報及び応答要求情報のどちらが含まれるかを判定する。制御部25は、第2の発見情報に応答要求情報が含まれる場合には、プローブレスポンス信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、プローブレスポンス信号を送信する。一方、制御部25は、第2の発見情報に応答情報が含まれる場合には、判定部22から第3の無線信号が与えられるまで、第3の無線信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、第3の無線信号を無線通信装置30に送信する。
【0046】
制御部25は、判定部22から第3の無線信号を受信した場合には、第4の無線信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、第4の無線信号を無線通信装置30に送信する。その後、制御部25は、接続手続きを開始する。
【0047】
制御部25は、判定部22から第1または第2の接続開始指示情報が与えられた場合には、接続手続きを開始する。
【0048】
制御部25は、判定部22から接続手続き不可情報が与えられた場合には、第1の無線信号を生成し、通信部21に出力する処理に戻る。
【0049】
図4は、無線通信装置30の構成を示す。無線通信装置30は、CPU、ROM、RAM、通信装置、ディスプレイ等の各種ハードウエア構成を備え、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込んで実行することで、各種の処理を行う。具体的には、無線通信装置30は、通信部31と、判定部32と、記憶部33と、通知部34と、制御部35とを備える。これらの機能は、無線通信装置20と同様である。
【0050】
[第3の無線信号及び第4の無線信号のデータ構造]
次に、図5及び図6に基づいて、第3の無線信号及び第4の無線信号として使用されるサービスディスカバリ信号のデータ構造を説明する。図5、図6に示すように、本実施の形態では、サービスディスカバリ信号として、パブリックアクションフレーム(Public Action Frame)が使用される。パブリックアクションフレームは、アクションフレームの一種であり、無線通信装置同士の接続前に送信可能なマネジメントフレーム(Management Frame)としてIEEE802.11kで定義拡張されたフレームである。
【0051】
具体的には、本実施の形態では、第3の無線信号として、GASイニシャルリクエストアクションフレーム(Generic Advertisement Services Initial Request Action Frame)を含むサービスディスカバリクエリ信号が使用される。また、第4の無線信号として、GASイニシャルレスポンスアクションフレーム(GAS Initial Response Action Frame)を含むサービスディスカバリレスポンス信号が使用される。これらの信号は、例えば、ワイファイダイレクト(Wi−Fi Direct)で使用される。
【0052】
GASイニシャルリクエストアクションフレームは、他の無線通信装置に無線通信を要求するために送信されるフレームとして定義されている。また、GASイニシャルレスポンスアクションフレームは、他の無線通信装置からの無線通信の要求に対して応答するために送信されるフレームとして定義されている。
【0053】
なお、第3〜第4の無線信号のサイズが大きく、フラグメンテーションが行われる場合、GASカムバックリクエストフレーム(GAS Comeback Request Frame)や、GASカムバックレスポンスフレーム(GAS Comeback Response Frame)も使用されるが、ここでは図示を省略する。
【0054】
サービスディスカバリクエリ信号は、MACヘッダ(MAC header)フレーム、GASイニシャルリクエストアクションフレーム、及びFCSフレームで構成される。ここで、GASイニシャルリクエストアクションフレームは、カテゴリフレーム701、アクションフレーム702、ダイアログトークンフレーム703、アドバタイズメントプロトコルインフォメーションエレメントフレーム704、クエリリクエストレングスフレーム705、ANQPクエリリクエストフィールドフレーム706を含む。
【0055】
カテゴリ(Category)フレーム701には、IEEE802.11で定義されたマネジメントフレーム(Management Frame)のカテゴリとして、パブリックアクションフレームを指定する情報が格納される。すなわち、カテゴリフレーム701は、サービスディスカバリクエリ信号がパブリックアクションフレームであることを示す。
【0056】
アクション(Action)フレーム702には、パブリックアクションフレームのアクションタイプとして、GASイニシャルリクエストアクションフレームを指定する情報が格納される。すなわち、アクションフレーム702は、サービスディスカバリクエリ信号がGASイニシャルリクエストアクションフレームであることを示す。
【0057】
ダイアログトークン(Dialog Token)フレーム703には、サービスディスカバリクエリ信号を一意に特定するための情報が格納される。識別情報、宛先情報、及び応答要求情報は、例えばこのダイアログトークンフレーム703に格納される。
【0058】
アドバタイズメントプロトコルインフォメーションエレメント(Advertisement Protocol Information Element)フレーム704には、ANQP(Access Network Query Protocol)を示す情報が格納される。
【0059】
クエリリクエストレングス(Query Request Length)フレーム705には、ANQPクエリリクエストフィールドフレーム706の長さを示す情報が格納される。
【0060】
ANQPクエリリクエストフィールド(ANQP Query Request Field)フレーム706には、サービスディスカバリクエリ信号が要求するサービスプロトコルタイプ(Service Protocol Type)を示す情報が格納される。詳細には、ANQPクエリリクエストフィールドフレーム706は、インフォメーションID(Info ID)フレーム、レングスフレーム、OIフレーム、及びANQPクエリリクエストベンダスペシフィックコンテンツ(ANQP Query Request Vendor Specific Content)フレーム707で構成される。サービスディスカバリクエリ信号が要求するサービスプロトコルタイプを示す情報は、ANQPクエリリクエストベンダスペシフィックコンテンツフレーム707に格納される。接続手続き可能情報は、例えばこのANQPクエリリクエストベンダスペシフィックコンテンツフレーム707に格納される。
【0061】
サービスディスカバリレスポンス信号は、MACヘッダ(MAC header)フレーム、GASイニシャルレスポンスアクションフレーム、及びFCSフレームで構成される。ここで、GASイニシャルレスポンスアクションフレームは、カテゴリフレーム801、アクションフレーム802、ダイアログトークンフレーム803、ステータスコードフレーム804、GASカムバックディレイフレーム805、アドバタイズメントプロトコルインフォメーションエレメントフレーム806、クエリレスポンスレングスフレーム807、ANQPクエリレスポンスフィールドフレーム808を含む。
【0062】
カテゴリフレーム801には、カテゴリフレーム701と同様の情報が格納される。アクションフレーム802には、パブリックアクションフレームのアクションタイプとして、GASイニシャルレスポンスアクションフレームを指定する情報が格納される。すなわち、アクションフレーム802は、サービスディスカバリレスポンス信号がGASイニシャルレスポンスアクションフレームであることを示す。
【0063】
ダイアログトークン(Dialog Token)フレーム803には、サービスディスカバリレスポンス信号を一意に特定するための情報が格納される。識別情報、宛先情報、及び応答情報は、例えばこのダイアログトークンフレーム803に格納される。
【0064】
ステータスコード(Status Code)フレーム804には、IEEE801.11uで定義されたステータスを示す情報が格納される。
【0065】
GASカムバックディレイ(GAS Comeback Delay)フレーム805には、サービスディスカバリレスポンス信号のディレイタイム(Delay Time)を示す情報が格納される。
【0066】
アドバタイズメントプロトコルインフォメーションエレメントフレーム806には、アドバタイズメントプロトコルインフォメーションエレメントフレーム704と同様の情報が格納される。
【0067】
クエリレスポンスレングス(Query Response Length)フレーム807には、ANQPクエリレスポンスフィールドフレーム808の長さを示す情報が格納される。
【0068】
ANQPクエリレスポンスフィールド(ANQP Query Response Field)フレーム808には、サービスディスカバリレスポンス信号が要求するサービスプロトコルタイプを示す情報が格納される。詳細には、ANQPクエリレスポンスフィールドフレーム808は、インフォメーションIDフレーム、レングスフレーム、OIフレーム、及びANQPクエリレスポンスベンダスペシフィックコンテンツ(ANQP Query Response Vendor Specific Content)フレーム809で構成される。サービスディスカバリレスポンス信号が要求するサービスプロトコルタイプを示す情報は、ANQPクエリレスポンスベンダスペシフィックコンテンツフレーム809に格納される。接続手続き可能情報は、例えばこのANQPクエリレスポンスベンダスペシフィックコンテンツフレーム809に格納される。
【0069】
[無線通信システム10−1による処理の例]
次に、図7に基づいて、無線通信システム10−1による処理の例を説明する。
【0070】
無線通信装置20と無線通信装置30とは、まず、ステップS10またはステップS20の処理を行うことで、お互いを発見する。まず、ステップS10について説明する。ステップS10は、ステップS11〜ステップS14で構成される。ステップS11において、無線通信装置20の制御部25は、第1の無線信号としてプローブリクエスト信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、プローブリクエスト信号を無線通信装置20の周辺に送信する。これにより、無線通信装置20は、自己の存在を無線通信装置20の周辺に存在する無線通信装置30に通知する。
【0071】
ステップS12において、無線通信装置30の通信部31は、プローブリクエスト信号を受信し、判定部32に出力する。
【0072】
次いで、判定部32は、通信部31から与えられたプローブリクエスト信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置20を特定する。これにより、判定部32は、無線通信装置20を発見する。判定部32は、プローブリクエスト信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置20を一意に特定するための宛先情報を生成し、宛先情報と、プローブリクエスト信号に含まれる応答要求情報とを含む第1の発見情報を制御部35に出力する。また、判定部32は、受信したプローブリクエスト信号の受信強度を測定することができる。
【0073】
ステップS13において、制御部35は、第2の無線信号としてプローブレスポンス信号を生成し、通信部31に出力する。通信部31は、プローブレスポンス信号を無線通信装置20に送信する。一方、制御部35は、第1の発見情報に含まれる宛先情報に基づいて、自己の周辺に無線通信装置20が存在することを示す例えば、情報(例えば、「無線通信装置20を発見しました」という文字情報や、周辺機器リストにのせるなど)を通知部34に表示する。
【0074】
ステップS14において、無線通信装置20の通信部21は、プローブレスポンス信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置20を示すので、通信部21は、プローブレスポンス信号を判定部22に出力する。
【0075】
次いで、判定部22は、通信部21から与えられたプローブレスポンス信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置20の周辺に存在する無線通信装置30として、無線通信装置30を特定する。これにより、判定部22は、無線通信装置30を発見する。判定部22は、プローブレスポンス信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置30を一意に特定するための宛先情報を生成し、宛先情報と、プローブレスポンス信号に含まれる応答情報とを含む第2の発見情報を制御部25に出力する。制御部25は、第2の発見情報に含まれる宛先情報に基づいて、自己の周辺に無線通信装置30が存在することを示す情報(例えば、「無線通信装置30を発見しました」という文字情報)を通知部24に表示する。その後、無線通信装置20、30は、ステップS30またはステップS40の処理に移行する。
【0076】
次に、ステップS20について説明する。ステップS20は、ステップS21〜ステップS24で構成される。ステップS20は、無線通信装置30側からプローブリクエスト信号が送信される点で、ステップS10と異なる。
【0077】
まず、ステップS21において、無線通信装置30の制御部35は、第1の無線信号としてプローブリクエスト信号を生成し、通信部31に出力する。通信部31は、プローブリクエスト信号を無線通信装置30の周辺に送信する。これにより、無線通信装置30は、自己の存在を無線通信装置30の周辺に存在する無線通信装置20に通知する。
【0078】
ステップS22において、無線通信装置20の通信部21は、プローブリクエスト信号を受信し、判定部22に出力する。
【0079】
次いで、判定部22は、通信部21から与えられたプローブリクエスト信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置30を特定する。これにより、判定部22は、無線通信装置30を発見する。判定部22は、プローブリクエスト信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置30を一意に特定するための宛先情報を生成し、宛先情報と、プローブリクエスト信号に含まれる応答要求情報とを含む第1の発見情報を制御部25に出力する。
【0080】
ステップS23において、制御部25は、第2の無線信号としてプローブレスポンス信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、プローブレスポンス信号を無線通信装置30に送信する。一方、制御部25は、第1の発見情報に含まれる宛先情報に基づいて、自己の周辺に無線通信装置30が存在することを示す情報(例えば、「無線通信装置30を発見しました」という文字情報)を通知部24に表示する。
【0081】
ステップS24において、無線通信装置30の通信部31は、プローブレスポンス信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置30を示すので、通信部31は、プローブレスポンス信号を判定部32に出力する。
【0082】
次いで、判定部32は、通信部31から与えられたプローブレスポンス信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置20を特定する。これにより、判定部32は、無線通信装置20を発見する。判定部32は、プローブレスポンス信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置20を一意に特定するための宛先情報を生成し、宛先情報と、プローブレスポンス信号に含まれる応答情報とを含む第2の発見情報を制御部35に出力する。制御部35は、第2の発見情報に含まれる宛先情報に基づいて、自己の周辺に無線通信装置20が存在することを示す情報(例えば、「無線通信装置20を発見しました」という文字情報)を通知部34に表示する。その後、無線通信装置20、30は、ステップS30またはステップS40の処理に移行する。
【0083】
無線通信装置20と無線通信装置30とは、ステップS30またはステップS40の処理を行うことで、お互いに近接することを判定し、かつ、無線信号に接続手続き可能情報が含まれていると判定する。まず、ステップS30について説明する。ステップS30は、ステップS31〜ステップS34で構成される。まず、ステップS31において、制御部25は、第3の無線信号としてサービスディスカバリクエリ信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、サービスディスカバリクエリ信号を無線通信装置30に送信する。
【0084】
ステップS32において、無線通信装置30の通信部31は、サービスディスカバリクエリ信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置30を示すので、通信部31は、サービスディスカバリクエリ信号を判定部32に出力する。
【0085】
判定部32は、サービスディスカバリクエリ信号の受信強度を測定し、測定された受信強度が所定値以上である場合には、無線通信装置30が無線通信装置20に近接すると判定し、測定された受信強度が所定値未満である場合には、無線通信装置30が無線通信装置20に近接しないと判定する。
【0086】
判定部32は、無線通信装置30が無線通信装置20に近接すると判定した場合には、さらに、サービスディスカバリクエリ信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、サービスディスカバリクエリ信号に接続手続き可能情報が含まれると判定した場合には、無線通信装置20を示す宛先情報と、サービスディスカバリクエリ信号に含まれる応答要求情報及び接続手続き可能情報とを含む第1の接続開始指示情報を制御部25に出力する。一方、判定部32は、サービスディスカバリクエリ信号に接続手続き可能情報が含まれない場合、または、無線通信装置30が無線通信装置20に近接しないと判定した場合には、接続手続きが不可能であることを示す接続手続き不可情報を制御部35に出力する。なお、本実施の形態では、サービスディスカバリクエリ信号には接続手続き可能情報が含まれるので、判定部32は、無線通信装置20、30が互いに近接する(互いの距離が数cm以下である)場合には、第1の接続開始指示情報を出力する。
【0087】
ステップS33において、制御部35は、第4の無線信号としてサービスディスカバリレスポンス信号を生成し、通信部31に出力する。通信部31は、サービスディスカバリレスポンス信号を無線通信装置20に送信する。その後、制御部35は、第1の接続開始指示情報に基づいて、接続相手を無線通信装置20に決定する旨の情報(例えば、「接続相手を無線通信装置20に決定します」という文字情報)を通知部34に出力する。これにより、無線通信装置30のユーザは、接続相手を確認することができる。
【0088】
なお、制御部35は、判定部32から接続手続き不可情報が与えられた場合には、その旨の情報(例えば、「接続に失敗しました」、「近接による接続をすることができません。」、または「近接していません。」という文字情報)を通知部34に表示し、ステップS10またはステップS20にもどる。
【0089】
一方、ステップS34において、無線通信装置20の通信部21は、サービスディスカバリレスポンス信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置20を示すので、通信部21は、サービスディスカバリレスポンス信号を判定部22に出力する。
【0090】
判定部22は、サービスディスカバリレスポンス信号の受信強度を測定し、測定された受信強度が所定値以上である場合には、無線通信装置20が無線通信装置30に近接すると判定し、測定された受信強度が所定値未満である場合には、無線通信装置20が無線通信装置30に近接しないと判定する。
【0091】
判定部22は、無線通信装置20が無線通信装置30に近接すると判定した場合には、さらに、サービスディスカバリレスポンス信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、サービスディスカバリレスポンス信号に接続手続き可能情報が含まれると判定した場合には、宛先情報と、サービスディスカバリレスポンス信号に含まれる応答情報及び接続手続き可能情報とを含む第2の接続開始指示情報を制御部25に出力する。一方、判定部22は、サービスディスカバリレスポンス信号に接続手続き可能情報が含まれないと判定した場合、または、無線通信装置20が無線通信装置30に近接しないと判定した場合には、接続手続きが不可能であることを示す接続手続き不可情報を制御部25に出力する。なお、本実施の形態では、サービスディスカバリレスポンス信号には接続手続き可能情報が含まれるので、判定部22は、無線通信装置20、30が互いに近接する(互いの距離が数cm以下である)場合には、第2の接続開始指示情報を出力する。
【0092】
制御部25は、判定部22から第2の接続開始指示情報が与えられた場合には、当該第2の接続開始指示情報に基づいて、接続相手を無線通信装置30に決定する旨の情報(例えば、「接続相手を無線通信装置30に決定します」という文字情報)を通知部24に出力する。これにより、無線通信装置20のユーザは、接続相手を確認することができる。
【0093】
一方、制御部25は、判定部22から接続手続き不可情報が与えられた場合には、その旨の情報(例えば、「接続に失敗しました」、「近接による接続をすることができません。」とか、「近接していません。」という文字情報)を通知部24に表示し、ステップS10またはステップS20にもどる。
【0094】
次に、ステップS40について説明する。ステップS40は、ステップS41〜ステップS44で構成される。ステップS40は、無線通信装置30側からサービスディスカバリクエリ信号が送信される点で、ステップS30と異なる。
【0095】
まず、ステップS41において、制御部35は、第3の無線信号としてサービスディスカバリクエリ信号を生成し、通信部31に出力する。通信部31は、サービスディスカバリクエリ信号を無線通信装置20に送信する。
【0096】
ステップS42において、無線通信装置20の通信部21は、サービスディスカバリクエリ信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置20を示すので、通信部21は、サービスディスカバリクエリ信号を判定部22に出力する。
【0097】
判定部22は、サービスディスカバリクエリ信号の受信強度を測定し、測定された受信強度が所定値以上である場合には、無線通信装置20が無線通信装置30に近接すると判定し、測定された受信強度が所定値未満である場合には、無線通信装置20が無線通信装置30に近接しないと判定する。
【0098】
判定部22は、無線通信装置20が無線通信装置30に近接すると判定した場合には、さらに、サービスディスカバリクエリ信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、サービスディスカバリクエリ信号に接続手続き可能情報が含まれると判定した場合には、第1の接続開始指示情報を制御部25に出力する。一方、判定部22は、サービスディスカバリクエリ信号に接続手続き可能情報が含まれないと判定した場合、または、無線通信装置30が無線通信装置20に近接しないと判定した場合には、接続手続きが不可能であることを示す接続手続き不可情報を制御部25に出力する。なお、本実施の形態では、サービスディスカバリクエリ信号には接続手続き可能情報が含まれるので、判定部22は、無線通信装置20、30が互いに近接する場合には、第1の接続開始指示情報を出力する。
【0099】
ステップS43において、制御部25は、第4の無線信号としてサービスディスカバリレスポンス信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、サービスディスカバリレスポンス信号を無線通信装置30に送信する。その後、制御部25は、第1の接続開始指示情報に基づいて、接続相手を無線通信装置30に決定する旨の情報を通知部24に出力する。これにより、無線通信装置20のユーザは、接続相手を確認することができる。
【0100】
なお、制御部25は、判定部22から接続手続き不可情報が与えられた場合には、その旨の情報を通知部24に表示し、ステップS10またはステップS20にもどる。
【0101】
一方、ステップS44において、無線通信装置30の通信部31は、サービスディスカバリレスポンス信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置30を示すので、通信部31は、サービスディスカバリレスポンス信号を判定部32に出力する。
【0102】
判定部32は、サービスディスカバリレスポンス信号の受信強度を測定し、測定された受信強度が所定値以上である場合には、無線通信装置30が無線通信装置20に近接すると判定し、測定された受信強度が所定値未満である場合には、無線通信装置30が無線通信装置20に近接しないと判定する。
【0103】
判定部32は、無線通信装置30が無線通信装置20に近接すると判定した場合には、さらに、サービスディスカバリレスポンス信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、サービスディスカバリレスポンス信号に接続手続き可能情報が含まれると判定した場合には、第2の接続開始指示情報を制御部25に出力する。一方、判定部32は、サービスディスカバリレスポンス信号に接続手続き可能情報が含まれないと判定した場合、または、無線通信装置30が無線通信装置20に近接しないと判定した場合には、接続手続きが不可能であることを示す接続手続き不可情報を制御部35に出力する。なお、本実施の形態では、サービスディスカバリレスポンス信号には接続手続き可能情報が含まれるので、判定部32は、無線通信装置20、30が互いに近接する(互いの距離が数cm以下である)場合には、第2の接続開始指示情報を出力する。
【0104】
制御部35は、判定部32から第2の接続開始指示情報が与えられた場合には、当該第2の接続開始指示情報に基づいて、接続相手を無線通信装置20に決定する旨の情報を通知部24に出力する。これにより、無線通信装置30のユーザは、接続相手を確認することができる。
【0105】
一方、制御部35は、判定部32から接続手続き不可情報が与えられた場合には、その旨の情報を通知部24に表示し、ステップS10またはステップS20にもどる。
【0106】
次いで、無線通信装置20、30は、ステップS50、S60において、お互いを接続手続きの相手と決定し、ステップS70〜ステップS110に進む。これらの処理によって、無線通信路が確立される。まず、ステップS70において、無線通信装置20の制御部25は、識別情報と、無線通信装置30を示す宛先情報と、親子関係をどのようにするかを交渉したい旨の交渉要求情報とを含むGOネゴシエーションリクエスト(GO Negotiation Request)信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、GOネゴシエーションリクエスト信号を無線通信装置30に送信する。
【0107】
ステップS80において、無線通信装置30の通信部31は、GOネゴシエーションリクエスト信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置30を示すので、GOネゴシエーションリクエスト信号を制御部35に出力する。制御部35は、GOネゴシエーションリクエスト信号が与えられた際に、自己を親機とするか子機とするかの希望を決定し、識別情報と、無線通信装置20を示す宛先情報と、自己が希望する役割を示す役割希望情報とを含むGOネゴシエーションレスポンス(GO Negotiation Response)信号を生成し、通信部31に出力する。通信部31は、GOネゴシエーションレスポンス信号を無線通信装置20に送信する。
【0108】
ステップS90において、無線通信装置20の通信部21は、GOネゴシエーションレスポンス信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置20を示すので、GOネゴシエーションレスポンス信号を制御部25に出力する。
【0109】
制御部25は、GOネゴシエーションレスポンス信号に含まれる役割希望情報に基づいて、無線通信装置30の希望を受諾するかを決定する。制御部25は、識別情報と、宛先情報と、自己の役割を示す役割情報とを含むGOネゴシエーションコンファーム(GO Negotiation Confirm)信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、GOネゴシエーションコンファーム信号を無線通信装置30に送信する。制御部25は、無線通信装置30との接続手続きを開始する旨の情報(例えば、「無線通信装置30とのネゴシエーションが正しく終了しました。」や、「無線通信装置30との接続手続きを開始します」という文字情報)を通知部24に表示する。
【0110】
なお、制御部25は、無線通信装置30の希望を受諾しないと決定した場合には、ステップS70にもどる。
【0111】
無線通信装置30の通信部31は、GOネゴシエーションコンファーム信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置30を示すので、GOネゴシエーションコンファーム信号を制御部35に出力する。制御部35は、GOネゴシエーションコンファーム信号に基づいて、自己の希望が受諾されたことを確認する。ついで、制御部35は、無線通信装置20との接続手続きを開始する旨の情報(例えば、「無線通信装置20との接続手続きを開始します」という文字情報)を通知部34に表示する。
【0112】
したがって、無線通信装置20、30は、接続手続きを開始する前に、その旨をユーザに通知するので、ユーザは、接続手続きが開始されたことを確認する事ができる。
【0113】
ついで、ステップS100において、無線通信装置20、30は、接続手続きを行い、ステップS110において、無線通信路を確立する。ステップS100、ステップS110の処理は、従来と同様であり、例えば図16に示すように、従来の無線通信装置の各々でWPSプッシュボタンが押されたときに行われる、WPS exchange、認証手続き、4way−handshakeなどの処理である。通知部24、34は、このような接続手続き中の状態変化を通知してもよい。例えば、無線通信装置20の通知部24は、図16に示したS900〜S905の少なくとも一ステップにおいて状態変化を通知してもよい。同様に、無線通信装置30の通知部34は、図16に示したS800〜S805の少なくとも一ステップにおいて状態変化を通知してもよい。すなわち、通知部24および通知部34は、接続手続きが開始されたか否か、認証されたか否か、セキュリティが設定されたか否か、無線が確立されデータ伝送が可能となったか否か、などを通知してもよい。また、接続手続きが図17のように行われる場合、無線通信装置20の通知部24は、S900、S904およびS905の各々において、接続開始、接続手続き中、手続き完了または不可を通知してもよい。同様に、無線通信装置30の通知部34は、S800、S804およびS805の各々において、接続開始、接続手続き中、手続き完了または不可を通知してもよい。なお、無線通信装置20、30は、それぞれ、通知部24、34に「正常に接続されました」というような文字情報を表示させてもよいが、通知は文字情報の表示以外の態様(例えば、音や振動など)で行われてもよい。
【0114】
以上により、第1の実施の形態によれば、無線通信装置20は、無線通信装置30に近接するかを判定し、無線通信装置30に近接すると判定した場合に、無線通信装置30との接続手続きを行う。
【0115】
したがって、無線通信装置20のユーザは、無線通信装置30に無線通信装置20を近接させるだけで、接続手続きを無線通信装置20に行わせることができるので、無線通信装置20は、無線通信装置同士を接続する際にユーザに掛かる手間を従来よりも低減することができる。
【0116】
さらに、無線通信装置20は、無線通信装置30から受信した第3または第4の無線信号の受信強度が所定値以上である場合に、無線通信装置30に近接すると判定するので、無線通信装置30に近接するかの判定を容易に行うことができる。
【0117】
さらに、無線通信装置20は、無線通信装置30に近接すると判定し、かつ、無線通信装置30から送信された第3または第4の無線信号に接続手続き可能情報が含まれると判定した場合に、無線通信装置30との接続手続きを行うので、より確実に接続手続きを行うことができる。
【0118】
また、無線通信装置20は、接続手続きを開始する前に、その旨をユーザに通知するので、ユーザは、接続手続きが開始されたことを確認する事ができる。無線通信装置20は、無線通信装置30との通信圏内であれば、接続手続きを行うことができるので、無線通信装置20のユーザは、接続手続きの開始を確認した後、無線通信装置30との通信圏内で無線通信装置20を無線通信装置30から離すことができる。なお、従来は、接続手続きが開始されたことをユーザに通知していなかったので、ユーザは、どのタイミングで接続手続きが開始されたのかを知ることができず、結果として、接続手続きが終了するまで無線通信装置どうしを近接させておく必要があった。したがって、無線通信装置20は、無線通信装置同士を接続する際にユーザに掛かる手間を従来よりも低減することができる。
【0119】
[変形例]
次に、第1の実施の形態の変形例を説明する。この変形例は、無線通信装置20の周辺に無線通信装置30が複数存在する場合を想定したものである。この変形例では、判定部22は、上述したステップS34において、以下の処理を行う。
【0120】
判定部22は、通信部21から与えられた複数の送信元の受信信号について、送信元ごとに受信強度を測定(算出)する。判定部22は、受信強度が所定値以上となる送信元が複数存在している場合は、これらの送信元のうち、最も近接していると判断できる送信元(即ち受信強度の最も大きな送信元)を近接接続先として判断し、選択してもよい。
【0121】
近接の判断方法として、受信強度を複数にランク分けしてもよい。例えば、とても遠い、近距離、超近距離。とランク分けし、とても遠いと判断できる場合はその送信元端末は接続先候補リストから外してもよい。
また、図2Bと同様に、先に近接接続機能を持ち合わせているかどうかでフィルタしたのちに、それらの機器の中から、近傍かどうかを判断してもよい。
【0122】
したがって、無線通信装置20のユーザは、無線通信装置20を、複数の無線通信装置30のうち自己が接続を希望する無線通信装置30に最も近づけるだけで、当該無線通信装置30への接続手続きを開始させることができるので、無線通信装置20は、無線通信装置同士を接続する際にユーザに掛かる手間を従来よりも低減することができる。
【0123】
<2.第2の実施の形態>
[無線通信システムの構成]
まず、図8に基づいて、無線通信システム10−2の構成を説明する。無線通信システム10−2は、無線通信装置20〜50を備える。無線通信装置40、50の構成は、無線通信装置20、30と同様である。無線通信装置30は、無線通信装置40、50とグループGを形成しており、このグループGの親機として機能している。第2の実施の形態では、いずれのグループにも属していない無線通信装置20が無線通信装置30に接続する処理を行う。
[無線通信システム10−2による処理の例]
【0124】
次に、図9に基づいて、無線通信システム10−2による処理の例を説明する。無線通信装置20と無線通信装置30とは、まず、上述したステップS10の処理を行うことで、お互いを発見する。
【0125】
次に、無線通信装置20と無線通信装置30とは、上述したステップS30またはステップS40の処理を行うことで、お互いが近接することを判定し、かつ、接続可能であることを判定する。
【0126】
次に、ステップS180において、無線通信装置20は、無線通信装置30を接続対象と決定する。ついで、ステップS190において、無線通信装置20は、識別情報と、無線通信装置30を示す宛先情報と、接続手続きの開始する旨の接続開始希望情報とを含む接続開始トリガ信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、接続開始トリガ信号を無線通信装置30に出力する。無線通信装置30の通信部31は、接続開始トリガ信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置30を示すので、接続開始トリガ信号を制御部35に出力する。制御部35は、接続開始トリガ信号に基づいて、無線通信装置20が接続開始を希望することを認識する。その後、無線通信装置20、30は、上述したステップS100、ステップS110の処理を行うことで、接続を行う。第2の実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0127】
[第1の変形例]
次に、図10に基づいて、第2の実施の形態の第1の変形例を説明する。図10に示すように、第1の変形例は、無線通信装置20と無線通信装置30とがお互いを発見する処理が上述した処理と異なる。
【0128】
すなわち、ステップS220において、無線通信装置30の制御部35は、第1の無線信号としてビーコン信号を生成し、通信部31に出力する。通信部31は、ビーコン信号を無線通信装置30の周辺に送信する。これにより、無線通信装置30は、自己の存在を無線通信装置30の周辺に存在する無線通信装置20に通知する。
【0129】
ステップS230において、無線通信装置20の通信部21は、ビーコン信号を受信し、判定部22に出力する。
【0130】
次いで、判定部22は、通信部21から与えられたビーコン信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置30を特定する。これにより、判定部22は、無線通信装置30を発見する。判定部22は、ビーコン信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置30を一意に特定するための宛先情報を生成し、宛先情報を含む第1の発見情報を制御部25に出力する。
【0131】
無線通信装置20は、その後、ステップS231において、プローブリクエスト信号を無線通信装置30に送信し、これに応じて、無線通信装置30は、ステップS12の処理を行なう。無線通信装置30は、ステップS232において、プローブレスポンス信号を無線通信装置20に送信する。その後、無線通信装置20、30は、上述したステップS30、S40、S180、S190、S100、S110の処理を行うことで、接続を行う。第1の変形例によっても、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0132】
[第2の変形例]
次に、図11に基づいて、第2の実施の形態の第2の変形例を説明する。第2の変形例は、図11に示すように、無線通信装置30側から接続開始トリガ信号を送信する点が上述した処理と異なる。即ち、無線通信装置20、30は、まず、上述したステップS10、S30、S40の処理を行う。次いで、ステップS260において、無線通信装置30は、無線通信装置20を接続対象と決定する。ついで、ステップS270において、無線通信装置30は、識別情報と、無線通信装置20を示す宛先情報と、接続手続きの開始する旨の接続開始希望情報とを含む接続開始トリガ信号を生成し、通信部31に出力する。通信部31は、接続開始トリガ信号を無線通信装置20に出力する。無線通信装置20の通信部21は、接続開始トリガ信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置20を示すので、接続開始トリガ信号を制御部25に出力する。制御部25は、接続開始トリガ信号に基づいて、無線通信装置30が接続開始を希望することを認識する。その後、無線通信装置20、30は、上述したステップS100、ステップS110の処理を行うことで、接続を行う。第2の変形例によっても、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0133】
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態を説明する。第3の実施の形態は、図8に示す無線通信システム10−2において、無線通信装置20がグループG内の子機である無線通信装置40に接続するものである。
【0134】
無線通信装置40は、図12に示すように、通信部41と、判定部42と、記憶部43と、通知部44と、制御部45とを備える。これらの構成の機能は、無線通信装置20と同様である。
【0135】
[情報処理システム10−2による処理の手順]
次に、図13に基づいて、第3の実施の形態の無線通信システム10−2による処理の例を説明する。
【0136】
ステップS280において、無線通信装置20の制御部25は、第1の無線信号としてプローブリクエスト信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、プローブリクエスト信号を無線通信装置20の周辺に送信する。これにより、無線通信装置20は、自己の存在を無線通信装置20の周辺に存在する無線通信装置30に通知する。
【0137】
ステップS290において、無線通信装置30の通信部31は、プローブリクエスト信号を受信し、判定部32に出力する。
【0138】
次いで、判定部32は、通信部31から与えられたプローブリクエスト信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置20を特定する。これにより、判定部32は、無線通信装置20を発見する。判定部32は、プローブリクエスト信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置20を一意に特定するための宛先情報を生成し、宛先情報と、プローブリクエスト信号に含まれる応答要求情報とを含む第1の発見情報を制御部35に出力する。
【0139】
ステップS300において、制御部35は、第2の無線信号としてプローブレスポンス信号を生成し、通信部31に出力する。ここで、制御部35は、プローブレスポンス信号に、子機(ここでは、無線通信装置40、50)の一覧を示す一覧情報を含ませる。一覧情報は、例えば、無線通信装置40、50を示す宛先情報を組み合わせたものである。これらの宛先情報は、無線通信装置30が無線通信装置40、50と接続する過程において生成されたものである。通信部31は、プローブレスポンス信号を無線通信装置20に送信する。一方、制御部35は、第1の発見情報に含まれる宛先情報に基づいて、自己の周辺に無線通信装置20が存在することを示す情報(例えば、「無線通信装置20を発見しました」という文字情報)を通知部34に表示する。
【0140】
ステップS300において、無線通信装置20の通信部21は、プローブレスポンス信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置20を示すので、通信部21は、プローブレスポンス信号を判定部22に出力する。
【0141】
次いで、判定部22は、通信部21から与えられたプローブレスポンス信号に含まれる識別情報及び一覧情報に基づいて、無線通信装置30〜50を特定する。これにより、判定部22は、無線通信装置30〜50を発見する。判定部22は、無線通信装置30〜50を一意に特定するための宛先情報を生成し、宛先情報と、応答情報とを含む第2の発見情報を制御部25に出力する。制御部25は、第2の発見情報に基づいて、自己の周辺に無線通信装置30〜50が存在することを示す情報(例えば、「無線通信装置30〜50を発見しました」という文字情報)を通知部24に表示する。
【0142】
ステップS320において、制御部25は、子機である無線通信装置40に接続を試みるために、無線通信装置40を示す宛先情報を含んだサービスディスカバリクエリ信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、サービスディスカバリクエリ信号を無線通信装置40に送信する。
【0143】
ステップS330において、無線通信装置40の通信部41は、サービスディスカバリクエリ信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置40を示すので、通信部41は、サービスディスカバリクエリ信号を判定部42に出力する。
【0144】
判定部42は、サービスディスカバリクエリ信号の受信強度を測定し、測定された受信強度が所定値以上である場合には、無線通信装置40が無線通信装置20に近接すると判定し、測定された受信強度が所定値未満である場合には、無線通信装置40が無線通信装置20に近接しないと判定する。
【0145】
判定部42は、無線通信装置40が無線通信装置20に近接すると判定した場合には、さらに、サービスディスカバリクエリ信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、サービスディスカバリクエリ信号に接続手続き可能情報が含まれると判定した場合には、無線通信装置20を示す宛先情報と、サービスディスカバリクエリ信号に含まれる応答要求情報及び接続手続き可能情報とを含む第1の接続開始指示情報を制御部45に出力する。一方、判定部42は、サービスディスカバリクエリ信号に接続手続き可能情報が含まれないと判定した場合、または、無線通信装置40が無線通信装置20に近接しないと判定した場合には、接続手続きが不可能であることを示す接続手続き不可情報を制御部45に出力する。なお、第3の実施の形態では、サービスディスカバリクエリ信号には接続手続き可能情報が含まれるので、判定部42は、無線通信装置40、20が互いに近接する(互いの距離が数cm以下である)場合には、第1の接続開始指示情報を出力する。
【0146】
制御部45は、判定部42から第1の接続開始指示情報が与えられた場合には、当該第1の接続開始指示情報に基づいて、接続相手を無線通信装置20に決定する旨の情報を通知部44に出力する。これにより、無線通信装置40のユーザは、接続相手を確認することができる。
【0147】
一方、制御部45は、判定部42から接続手続き不可情報が与えられた場合には、その旨の情報を通知部24に表示し、ステップS330の処理を繰り返す。
【0148】
次いで、ステップS340において、制御部45は、無線通信装置20を接続対象として決定する。
【0149】
ステップS350において、無線通信装置40は、識別情報と、無線通信装置20を示す宛先情報と、接続手続きを開始する(すなわち、無線通信装置20をグループGの一員とする)旨の接続開始希望情報とを含む接続開始トリガ信号を生成し、通信部41に出力する。通信部41は、接続開始トリガ信号を無線通信装置20に出力する。無線通信装置20の通信部21は、接続開始トリガ信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置20を示すので、接続開始トリガ信号を制御部25に出力する。制御部25は、接続開始トリガ信号に基づいて、無線通信装置40が接続開始を希望することを認識する。その後、無線通信装置20、40は、ステップS360、S370において、上述したステップS100、ステップS110と同様の処理を行うことで、接続を行う。
【0150】
以上により、第3の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の効果の他、以下の効果が得られる。即ち、無線通信装置30は、プローブレスポンス信号に、子機の一覧を示す一覧情報を含めるので、無線通信装置20は、一覧情報に基づいて、グループGを構成する無線通信装置を把握する事ができる。この結果、無線通信装置20は、グループGを構成する任意の無線通信装置に対して、接続を試みることができる。上述した説明では、無線通信装置20は、無線通信装置40に対して接続を試みているが、無線通信装置50に接続を試みてもよい。
【0151】
[第1の変形例]
次に、図14に基づいて、第3の実施の形態の第1の変形例を説明する。ステップS380において、無線通信装置30の制御部35は、第1の無線信号としてビーコン信号を生成し、通信部31に出力する。ここで、この変形例では、ビーコン信号に上述した一覧情報が含まれる。通信部31は、ビーコン信号を無線通信装置30の周辺に送信する。これにより、無線通信装置30は、自己の存在を無線通信装置30の周辺に存在する無線通信装置20に通知する。
【0152】
ステップS390において、無線通信装置20の通信部21は、ビーコン信号を受信し、判定部22に出力する。
【0153】
次いで、判定部22は、通信部21から与えられたビーコン信号に含まれる識別情報及び一覧情報に基づいて、無線通信装置30〜50を特定する。これにより、判定部22は、無線通信装置30〜50を発見する。次いで、判定部22は、無線通信装置30を〜50一意に特定するための宛先情報を生成し、宛先情報を含む第1の発見情報を制御部25に出力する。
【0154】
ステップS400において、制御部25は、プローブリクエスト信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、プローブリクエスト信号を無線通信装置20の周辺に送信する。これにより、無線通信装置20は、自己の存在を無線通信装置20の周辺に存在する無線通信装置30〜50に通知する。ステップS410において、無線通信装置30は、プローブリクエスト信号を受信し、プローブリクエスト信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置20を発見する。
【0155】
その後、無線通信装置20、40は、上述したステップS320〜ステップS370の処理を行う。この第1の変形例によっても、上述した第3の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0156】
[第2の変形例]
次に、図15に基づいて、第3の実施の形態の第2の変形例を説明する。第2の変形例は、無線通信装置20が親機である無線通信装置30を経由して無線通信装置40に接続するものである。
【0157】
まず、無線通信装置20〜40は、上述したステップS280〜ステップS350の処理を行う。
【0158】
次に、ステップS410において、無線通信装置20は、無線通信装置40の親機である無線通信装置30に対して、無線通信装置20がグループGへ参加するための接続手続きを行う。これによって、ステップS420において、無線通信装置20と無線通信装置40との無線通信路が無線通信装置30経由で確立される。なお、ステップS410の処理としては、従来公知の処理が任意に適用される。
【0159】
[第3の変形例]
次に、第3の実施の形態の第3の変形例を説明する。この変形例では、上述したステップS330〜ステップS350の処理を無線通信装置20側で行うものである。即ち、無線通信装置40は、ステップS320においてサービスディスカバリクエリ信号を受信した場合には、これに応じたサービスディスカバリレスポンス信号を無線通信装置20に送信する。
【0160】
次いで、無線通信装置20の通信部20は、サービスディスカバリレスポンス信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置20を示すので、通信部21は、サービスディスカバリレスポンス信号を判定部22に出力する。
【0161】
判定部22は、サービスディスカバリレスポンス信号の受信強度を測定し、測定された受信強度が所定値以上である場合には、無線通信装置20が無線通信装置40に近接すると判定し、測定された受信強度が所定値未満である場合には、無線通信装置20が無線通信装置40に近接しないと判定する。
【0162】
判定部22は、無線通信装置20が無線通信装置40に近接すると判定した場合には、さらに、サービスディスカバリレスポンス信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、サービスディスカバリレスポンス信号に接続手続き可能情報が含まれると判定した場合には、無線通信装置40を示す宛先情報と、サービスディスカバリレスポンス信号に含まれる応答情報及び接続手続き可能情報とを含む第2の接続開始指示情報を制御部25に出力する。一方、判定部22は、サービスディスカバリレスポンス信号に接続手続き可能情報が含まれないと判定した場合、または、無線通信装置20が無線通信装置40に近接しないと判定した場合には、接続手続きが不可能であることを示す接続手続き不可情報を制御部25に出力する。
【0163】
制御部25は、判定部22から第2の接続開始指示情報が与えられた場合には、当該第2の接続開始指示情報に基づいて、接続相手を無線通信装置40に決定する旨の情報を通知部24に出力する。これにより、無線通信装置20のユーザは、接続相手を確認することができる。
【0164】
一方、制御部25は、判定部22から接続手続き不可情報が与えられた場合には、その旨の情報を通知部24に表示する。
【0165】
次いで、制御部25は、無線通信装置40を接続対象として決定する。ついで、無線通信装置20は、識別情報と、無線通信装置40を示す宛先情報と、接続手続きを開始する旨の接続開始希望情報とを含む接続開始トリガ信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、接続開始トリガ信号を無線通信装置40に送信する。無線通信装置40の通信部41は、接続開始トリガ信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置40を示すので、接続開始トリガ信号を制御部45に出力する。制御部45は、接続開始トリガ信号に基づいて、無線通信装置20が接続開始を希望することを認識する。その後、無線通信装置20、40は、上述したステップS360、S370の処理を行うことで、接続を行う。第3の変形例によっても、上述した実施の形態の効果がえられる。また、無線通信装置20側で、近接及び接続の可否を判定することができる。
【0166】
<4.補足>
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0167】
例えば、情報を用いてユーザに各種の通知を行うこととしたが、他の形態、例えば光、音、音声、振動等を用いてユーザに各種の通知を行ってもよい。無線通信装置20は、これらの形態で通知を行う場合、光り方、音や音声のテンポ、振動の仕方を変化させることで、各種の通知を行う。
【0168】
また、無線通信装置20、30は、無線通信装置20と無線通信装置30とが近接したかの判定を、無線信号の受信強度を用いて行うが、他の評価値、例えば無線信号の受信強度をフィルタリングすることで得られる評価値を用いて行っても良い。
【0169】
[近接検知方法の変形例]
また、無線通信装置20は、加速度センサ、ジャイロセンサ、人感センサ、超音波センサ、輝度センサ、近接センサ、温度センサ、イメージセンサ、および地磁気センサなどのセンサと、測定された受信強度との組み合わせにより近接を判定してもよい。以下、組合せの一例を説明する。なお、下記の例は、無線通信装置30にも単独または同時に適用可能である。
【0170】
(例1:加速度センサと受信強度の組合せ)
無線通信装置20は、加速度センサにより無線通信装置20が振られたことが検知され、かつ、無線通信装置30からの受信強度が所定値以上である場合に、無線通信装置30が近接していると判定してもよい。
【0171】
(例2:ジャイロセンサと受信強度の組合せ)
無線通信装置20は、ジャイロセンサにより検知される方向の変化により、事前に設定されたユーザ動作が行われたことが認識され、かつ、無線通信装置30からの受信強度が所定値以上である場合に、無線通信装置30が近接していると判定してもよい。
【0172】
(例3:輝度センサと受信強度の組合せ)
無線通信装置20は、輝度センサにより所定の輝度以上の明るさが検知され、かつ、無線通信装置30からの受信強度が所定値以上である場合に、無線通信装置30が近接していると判定してもよい。かかる構成により、無線通信装置30が無線通信装置20の近傍に存在し、かつ、無線通信装置30が例えばLEDを発光させている場合に近接判定を得ることができる。なお、無線通信装置20は、輝度センサにより検知された輝度の変化率が閾値を上回り、かつ、無線通信装置30からの受信強度が所定値以上である場合に、無線通信装置30が近接していると判定してもよい。
【0173】
(例4:イメージセンサと受信強度の組合せ)
無線通信装置20は、イメージセンサにより得られる画像から検知される無線通信装置30との距離が閾値以下であり、かつ、無線通信装置30からの受信強度が所定値以上である場合に、無線通信装置30が近接していると判定してもよい。
【0174】
(例5:温度センサと受信強度の組合せ)
無線通信装置20は、温度センサにより検知される温度が閾値を上回り、かつ、無線通信装置30からの受信強度が所定値以上である場合に、無線通信装置30が近接していると判定してもよい。無線通信装置20がユーザにより握られると、ユーザの体温で無線通信装置20の温度が上昇すると考えられるので、上記構成により、ユーザが無線通信装置20を握って無線通信装置30に近づけた場合に近接判定を得ることができる。
【0175】
(例6:地磁気センサと受信強度の組合せ)
無線通信装置20および無線通信装置30は、地磁気センサにより自身の向きを検知すると共に、地磁気センサによる検知結果を交換し、互いが向かい合わせになっていると認識され、かつ、無線通信装置30からの受信強度が所定値以上である場合に、無線通信装置30が近接していると判定してもよい。
【0176】
(例7:複数のセンサと受信強度の組合せ)
上記では、1のセンサによる検知結果と受信強度との組み合わせにより近接を判定する例を説明したが、無線通信装置20は、加速度センサ、ジャイロセンサ、および輝度センサのように、3つ以上のセンサによる検知結果と受信強度との組み合わせにより近接を判定してもよい。
【0177】
(例8:その他)
また、無線通信装置20、30は、それぞれGPS信号を受信することで自己の位置を確認し、当該位置情報に係る無線信号を送信しあうことで、互いが近接しているかを判定してもよい。また、無線通信装置20は、振動センサを備え、無線通信装置30からのサービスディスカバリクエリ信号の受信と、振動センサによる振動の検知があった場合に、無線通信装置20が無線通信装置30に近接したと判定してもよい。この場合、無線通信装置20は、無線通信装置30に接触したときに、無線通信装置30に近接したと判定することになる。また、無線通信装置20、30は、アクセスポイントからの距離情報を当該アクセスポイントからそれぞれ取得し、取得した距離情報に係る無線信号を互いに送信しあうことで、互いが近接するかを判定してもよい。また、接触を検知するセンサにより、接触を検知することを近接と判断してもよい。
【0178】
[閾値設定に関する変形例]
また、無線通信装置20は、通信相手に応じて近接判定のために異なる閾値を所定値として用いてもよい。例えば、初めて近接判定に基づき接続手続きを行う通信相手との閾値は、近接判定に基づき接続認証済みであり互いの認証時のプロファイルなどを保持している通信相手との閾値より厳しくしてもよい。かかる構成により、接続認証済みの通信相手との近接判定の許容範囲を、初めて接続手続きを行う通信相手との近接判定の許容範囲より広げることが可能である。
【0179】
[内部状態のユーザへの通知方法]
また、無線通信装置20は、近接判定や接続手続きに関する内部状態を、LEDの発光によりユーザに通知してもよい。また、無線通信装置20は、LEDの発光に加え、振動、文字、音、におい、または画像などを用いる他の方法により内部状態をユーザに通知してもよい。
【0180】
例えば、無線通信装置20は、接続手続きが開始してから接続手続きが完了するまではLEDを点滅させ、接続完了した場合にはLEDを点灯させ、接続手続きが失敗した場合にはLEDを赤色で点滅させてもよい。また、無線通信装置20は、接続手続きが開始してから接続手続きが完了するまではLEDを点滅させ、接続完了した場合には接続完了した旨を示す画面を表示し、接続手続きが失敗した場合には未接続である旨を示す画面を表示してもよい。または、無線通信装置20はそれらを組み合わせて用いてもよい。
【0181】
なお、無線通信装置20は、通信相手の接続が初めてであるか否かに応じ、LEDの発光、振動、文字、音、におい、または画像などを区別して用いて内部状態をユーザに通知してもよい。
【0182】
また、各実施の形態及び実施例を任意に組み合わせてもよい。上記の各実施形態は、様々な無線通信技術、例えばワイファイダイレクトや、トランスファージェット等に適用される。
【0183】
また、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
他の無線通信装置と無線通信が可能な通信部と、
前記通信部が前記他の無線通信装置に近接するかを判定する判定部と、
前記通信部が前記他の無線通信装置に近接すると判定された場合に、前記通信部と前記他の無線通信装置との接続手続きを行う制御部と、を備える、無線通信装置。
(2)
前記判定部は、前記通信部が前記他の無線通信装置から受信した無線信号の受信強度が所定値以上である場合に、前記通信部が前記他の無線通信装置に近接すると判定する、前記(1)記載の無線通信装置。
(3)
前記判定部は、前記通信部が複数の前記他の無線通信装置から無線信号を受信し、かつ、前記受信強度が前記所定値以上となる無線信号が複数存在する場合には、前記受信強度が最も大きい無線信号を送信した前記他の無線通信装置に前記通信部が近接すると判定する、前記(2)記載の無線通信装置。
(4)
前記他の無線通信装置は、前記通信部に近接することを接続許可条件とした接続手続きが可能である場合には、その旨を示す近接による接続手続き可能情報を含めた無線信号を送信し、
前記判定部は、前記無線信号に前記近接による接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、
前記制御部は、前記通信部が前記他の無線通信装置に近接すると判定され、かつ、前記無線信号に前記近接による接続手続き可能情報が含まれると判定された場合に、前記通信部と前記他の無線通信装置との接続手続きを行う、前記(1)記載の無線通信装置。
(5)
前記接続手続きの開始、前記接続手続きの終了、前記接続手続きの状態変化、または前記接続手続きの結果を通知する通知部を備える、前記(1)記載の無線通信装置。
(6)
前記他の無線通信装置は、親機に接続された一または複数の子機のうち、いずれかの子機を構成し、
前記通信部は、前記親機から前記子機の一覧情報を取得し、
前記判定部は、前記通信部が取得した前記一覧情報に基づいて、前記他の無線通信装置を発見し、前記通信部が当該発見された前記他の無線通信装置に近接するかを判定する、前記(1)記載の無線通信装置。
(7)
前記判定部は、前記他の無線通信装置と以前に接続したことがあるか否かに応じて異なる閾値を前記所定値として用いて近接判定を行う、前記(2)に記載の無線通信装置。
(8)
前記判定部は、前記通信部が前記他の無線通信装置から受信した無線信号の受信強度が所定値以上であり、かつ、前記無線通信装置に設けられたセンサにより所定の検知結果が得られた場合に前記通信部が前記他の無線通信装置に近接すると判定する、前記(2)に記載の無線通信装置。
(9)
他の無線通信装置と無線通信が可能な通信部が前記他の無線通信装置に近接するかを判定するステップと、
前記通信部が前記他の無線通信装置に近接すると判定された場合に、前記通信部と前記他の無線通信装置との接続手続きを行うステップと、を含む、無線通信方法。
(10)
無線通信が可能な第1の無線通信装置及び第2の無線通信装置を備える無線通信システムであって、
前記第1の無線通信装置は、
前記第2の無線通信装置と無線通信が可能な通信部と、
前記通信部が前記第2の無線通信装置に近接するかを判定する判定部と、
前記通信部が前記第2の無線通信装置に近接すると判定された場合に、前記通信部と前記第2の無線通信装置との接続手続きを行う制御部と、を備える、無線通信システム。
【符号の説明】
【0184】
10−1、10−2 無線通信システム
20〜50 無線通信装置
21、31、41 通信部
22、32、42 判定部
23、33、43 記憶部
24、34、44 通知部
25、35、45 制御部
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信装置、無線通信方法、及び無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
IEEE802.11の規格で広く知られる無線LANにおいては、子機として機能する無線通信装置(例えばステーション)が親機として機能する無線通信装置(例えばアクセスポイント)に対して接続する意思を示し、次いで、子機のユーザが親機のセキュリティ設定に合わせた接続設定を行うことで、子機が親機に接続される。
【0003】
一方、親機のユーザ及び子機のユーザがそれぞれWPSプッシュボタンを押すことによっても、親機と子機との間のセキュリティ設定及び接続が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−283590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、従来の無線LANには、親機のセキュリティ設定に合わせた接続設定や、WPSプッシュボタンを押すといったユーザによる煩雑な操作がないと無線通信装置同士が接続されないという問題があった。
【0006】
そこで、本開示では、無線通信装置同士を接続する際にユーザに掛かる手間を低減することが可能な、新規かつ改良された無線通信装置、無線通信方法、及び無線通信システムを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、他の無線通信装置と無線通信が可能な通信部と、通信部が他の無線通信装置に近接するかを判定する判定部と、通信部が他の無線通信装置に近接すると判定された場合に、通信部と他の無線通信装置との接続手続きを行う制御部と、を備える、無線通信装置が提供される。
【0008】
ここで、判定部は、通信部が他の無線通信装置から受信した無線信号の受信強度である受信強度が所定値以上である場合に、通信部が他の無線通信装置に近接すると判定してもよい。
【0009】
また、判定部は、通信部が複数の他の無線通信装置から無線信号を受信し、かつ、受信強度が所定値以上となる無線信号が複数存在する場合には、受信強度が最も大きい無線信号を送信した他の無線通信装置に通信部が近接すると判定してもよい。なお、この受信強度は、無線信号の瞬時値であってもよく、通信部が所定時間内に受信した受信強度を平均した値であっても良く、受信強度に重み付けを行った値であってもよい。これらの値は、送信元(他の無線通信装置)毎に算出される。このような判定と、上述した判定、即ち、受信強度が所定値以上である場合に、通信部が他の無線通信装置に近接すると判定する処理とを組み合わせてもよい。
【0010】
また、他の無線通信装置は、通信部に近接することを接続許可条件とした接続手続きが可能である場合には、その旨を示す近接による接続手続き可能情報を含めた無線信号を送信し、判定部は、無線信号に近接による接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、制御部は、通信部が他の無線通信装置に近接すると判定され、かつ、無線信号に近接による接続手続き可能情報が含まれると判定された場合に、通信部と他の無線通信装置との接続手続きを行うようにしてもよい。
【0011】
また、前記無線通信装置は、前記接続手続きの開始、前記接続手続きの終了、前記接続手続きの状態変化、または前記接続手続きの結果を通知する通知部を備えてもよい。
【0012】
また、他の無線通信装置は、親機に接続された一または複数の子機のうち、いずれかの子機を構成し、通信部は、親機から子機の一覧情報を取得し、判定部は、通信部が取得した一覧情報に基づいて、他の無線通信装置を発見し、通信部が当該発見された他の無線通信装置に近接するかを判定するようにしてもよい。
【0013】
また、本開示によれば、他の無線通信装置と無線通信が可能な通信部が他の無線通信装置に近接するかを判定するステップと、通信部が他の無線通信装置に近接すると判定された場合に、通信部と他の無線通信装置との接続手続きを行うステップと、を含む、無線通信方法が提供される。
【0014】
また、本開示によれば、無線通信が可能な第1の無線通信装置及び第2の無線通信装置を備える無線通信システムであって、第1の無線通信装置は、第2の無線通信装置と無線通信が可能な通信部と、通信部が第2の無線通信装置に近接するかを判定する判定部と、通信部が第2の無線通信装置に近接すると判定された場合に、通信部と第2の無線通信装置との接続手続きを行う制御部と、を備える、無線通信システムが提供される。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本開示によれば、無線通信装置のユーザは、他の無線通信装置に自己の無線通信装置を近接させるだけで、接続手続きをこれらの無線通信装置に行わせることができる。したがって、無線通信装置は、無線通信装置同士を接続する際にユーザに掛かる手間を従来よりも低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本開示の第1の実施形態に係る無線通信システムを示すブロック図である。
【図2A】無線通信システムが行う処理の概要を示すフローチャートである。
【図2B】無線通信システムが行う処理の概要を示すフローチャートである。
【図3】同実施形態に係る無線通信装置のブロック図である。
【図4】同実施形態に係る無線通信装置のブロック図である。
【図5】無線信号のデータ構造を示す説明図である。
【図6】無線信号のデータ構造を示す説明図である。
【図7】無線通信システムによる処理の手順を示すシーケンス図である。
【図8】本開示の第2の実施形態に係る無線通信システムを示すブロック図である。
【図9】無線通信システムによる処理の手順を示すシーケンス図である。
【図10】無線通信システムによる処理の手順を示すシーケンス図である。
【図11】無線通信システムによる処理の手順を示すシーケンス図である。
【図12】本開示の第3の実施形態に係る無線通信装置を示すブロック図である。
【図13】無線通信システムによる処理の手順を示すシーケンス図である。
【図14】無線通信システムによる処理の手順を示すシーケンス図である。
【図15】無線通信システムによる処理の手順を示すシーケンス図である。
【図16】通知部により状態に関する通知を行うタイミングを示した説明図である。
【図17】通知部により状態に関する通知を行うタイミングを示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施の形態(グループに属していない無線通信装置同士が接続する例)
2.第2の実施の形態(グループに属していない無線通信装置が、グループ内の無線通信装置(親機)に接続する例)
3.第3の実施の形態(グループに属していない無線通信装置が、グループ内の無線通信装置(子機)に接続する例)
4.補足
【0019】
<1.第1の実施形態>
[無線通信システムの構成]
まず、図1に基づいて、無線通信システム10−1の構成を説明する。無線通信システム10−1は、無線通信装置20、30を備える。無線通信装置20は概略的には以下の処理を行う。なお、無線通信装置30も同様の処理を行う。
【0020】
即ち、無線通信装置20は、自己を一意に特定するための識別情報を含み、宛先不特定の第1の無線信号を自己の周辺に送信する。これにより、無線通信装置20は、自己の存在を他の無線通信装置である無線通信装置30に通知する。このような第1の無線信号としては、例えば、IEEE802.11で定義され、宛先不特定のプローブリクエスト(Probe−request)信号や、ビーコン信号が考えられる。なお、プローブリクエスト信号には、応答を希望する旨の応答要求情報が含まれる。
【0021】
無線通信装置20は、自己の周辺に存在する無線通信装置30から送信された第1の無線信号を受信した場合には、この第1の無線信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置30を特定する。これにより、無線通信装置20は、無線通信装置30を発見する。
【0022】
無線通信装置20は、第1の無線信号に基づいて無線通信装置30を発見し、かつ、第1の無線信号に応答要求情報が含まれる場合には、識別情報と、無線通信装置30を一意に特定するための宛先情報と、応答の意思を示す応答情報とを含むプローブレスポンス信号を第2の無線信号として無線通信装置30に送信する。なお、プローブレスポンス信号は、IEEE802.11で定義されている。
【0023】
また、無線通信装置20は、第1の無線信号に応答要求情報が含まれない場合、即ち、第1の無線信号がビーコン信号のような通知目的の信号であった場合は、自己の存在を無線通信装置30へ通知するため、自己を一意に特定するための識別情報と、応答を希望する旨の応答要求情報と、無線通信装置30を一意に特定するための宛先情報とを含むプローブリクエスト信号を第2の無線信号として無線通信装置30に送信する。このような第2の無線信号を受信した無線通信装置30は、その信号に対する返信(例えばプローブレスポンス信号の送信)を行うことで、無線通信装置20は、無線通信装置30が応答可能であることを知ることができる。
【0024】
無線通信装置20は、無線通信装置30から第2の無線信号を受信した場合には、第2の無線信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置30を特定する。したがって、無線通信装置20は、第2の無線信号に基づいて、無線通信装置30を発見することもできる。同様に、無線通信装置30は、無線通信装置20から送信された第2の無線信号によって、無線通信装置20を発見することができる。
【0025】
無線通信装置20は、無線通信装置30を発見した場合には、識別情報と、無線通信装置30を示す宛先情報と、応答要求情報と、自己が無線通信装置30に近接することを接続許可条件とした接続手続きが可能であることを示す近接による接続手続き可能情報とを含む第3の無線信号を、無線通信装置30に送信する。このような第3の無線信号としては、例えばワイファイダイレクト(Wi−Fi Direct)で定義されたサービスディスカバリクエリ(Service Discovery Query)信号が考えられる。
【0026】
無線通信装置20は、無線通信装置30から第3の無線信号を受信した場合には、受信した第3の無線信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定する。無線通信装置20は、自己が近接することが無線通信接続手続き開始トリガとする接続方法が可能であるという情報、即ち接続手続き可能情報を含んだ第4の無線信号を無線通信装置30に対して返信する。このような第4の無線信号としては、例えばワイファイダイレクトで定義されたサービスディスカバリレスポンス(Service Discovery Response)信号が考えられる。その後、無線通信装置20は、受信した第1の無線信号、第2の無線信号、または第3の無線信号の受信強度を利用し、自己が無線通信装置30に近接すると判定し、かつ、第3の無線信号に接続手続き可能情報が含まれていると判定した場合には、無線通信装置30との接続手続きを行う。
【0027】
一方、無線通信装置20は、無線通信装置30から第4の無線信号を受信した場合には、第4の無線信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定する。無線通信装置20は、受信した第1の無線信号、第2の無線信号、または第4の無線信号の受信強度を利用し、自己が無線通信装置30に近接すると判定し、かつ、第4の無線信号に接続手続き可能情報が含まれていると判定した場合には、無線通信装置30との接続手続きを行う。
【0028】
[無線通信システム10−1による処理の概要]
次に、図2Aに基づいて、無線通信システム10−1による処理の概要を説明する。ステップS1において、無線通信装置20は、第1の無線信号を周辺に送信することで、自己の存在を無線通信装置30に通知する。無線通信装置30は、第1の無線信号を受信し、第1の無線信号に基づいて、無線通信装置20を発見する。無線通信装置20を発見した無線通信装置30は、第2の無線信号を無線通信装置20に送信する。無線通信装置20は、第2の無線信号を受信し、第2の無線信号に基づいて、無線通信装置30を発見する。または、無線通信装置20は、無線通信装置30が送信している第1の無線信号を受信することで、無線通信装置30を発見する。
【0029】
ステップS2において、無線通信装置20は、第3の無線信号を無線通信装置30に送信する。無線通信装置30は、第3の無線信号を受信し、第4の無線信号を無線通信装置20に送信する。
【0030】
無線通信装置20は、第4の無線信号を受信し、この第4の無線信号、ステップS1にて受信した第1の無線信号、または第2の無線信号の受信信号の受信強度を利用して、無線通信装置30が自己に近接するかを判定する。具体的には、無線通信装置20は、受信強度が所定値以上であれば、自己が無線通信装置30に近接すると判定し、受信強度が所定値未満であれば、自己が無線通信装置30に近接しないと判定する。ここで、所定値は、例えば、無線通信装置20が無線通信装置30から数cm(例えば、1〜5cm)離れた時に無線通信装置30から受信した無線信号の受信強度となる。
【0031】
無線通信装置20は、自己が無線通信装置30に近接すると判定した場合には、ステップS3に進み、自己が無線通信装置30に近接しないと判定した場合には、ステップS1にもどる。
【0032】
ステップS3において、無線通信装置20は、ステップS2で受信した第4の無線信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、第4の無線信号に接続手続き可能情報が含まれると判定した場合には、ステップS4に進み、第4の無線信号に接続手続き可能情報が含まれないと判定した場合には、ステップS1にもどる。一方、無線通信装置30も、第3の無線信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定する。
【0033】
ステップS4において、無線通信装置20は、無線通信装置30との接続手続きを行う。この接続手続き自体は従来と同様であり、例えば、従来の無線通信装置の各々でWPSプッシュボタンが押されたときに行われる処理である。なお、図2Bに示されるように、無線通信装置20、30は、先にステップS3の処理、即ち受信した無線信号に接続手続き可能情報が含まれるかの判定を行い、次にステップS2の処理、即ち近接判定を行ってもよい。
【0034】
[無線通信装置20、30の構成]
次に、図3に基づいて、無線通信装置20の詳細な構成を説明する。無線通信装置20は、CPU、ROM、RAM、通信装置、ディスプレイ等の各種ハードウエア構成を備え、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込んで実行することで、各種の処理を行う。具体的には、無線通信装置20は、通信部21と、判定部22と、記憶部23と、通知部24と、制御部25とを備える。
【0035】
通信部21は、無線通信装置30と無線通信、即ち無線信号の送受信が可能となっており、制御部25から与えられた無線信号を外部に送信し、無線通信装置30から送信された第1〜第4の無線信号を受信する。通信部21は、第1の無線信号を受信した場合には、第1の無線信号を判定部22に出力する。通信部21は、第2〜第4の無線信号を受信した場合には、受信した無線信号内の宛先情報が自己を指定していることを確認した上で、無線信号を判定部22に出力する。通信部21は、受信した無線信号が自己宛または、不特定多数宛てでない場合には、その無線信号を破棄する。
【0036】
判定部22は、無線通信装置20の周辺に存在する無線通信装置30を発見する。具体的には、判定部22は、通信部21から第1または第2の無線信号が与えられた場合に、第1または第2の無線信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置30を特定する。これにより、判定部22は、無線通信装置30を発見する。判定部22は、第1または第2の無線信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置30を一意に特定するための宛先情報を生成する。判定部22は、第1の無線信号に基づいて無線通信装置30を発見した場合には、宛先情報を含む第1の発見情報を制御部25に出力する。ここで、第1の無線信号に応答要求情報が含まれる場合、第1の発見情報には、当該応答要求情報が含まれる。一方、判定部22は、第2の無線信号に基づいて無線通信装置30を発見した場合には、宛先情報と、第2の無線信号に含まれる応答情報または応答要求情報とを含む第2の発見情報を制御部25に出力する。また、判定部22は、受信した受信信号の送信元ごとの受信強度を記憶部23に記憶する。なお、無線通信装置20は、送信元が近接に存在するかどうかを判定する判定器を別途有し、判定部22は、この判定器に受信強度を入力してもよい。もしくは、その両方でもよい。
【0037】
また、判定部22は、通信部21から第3または第4の無線信号が与えられた場合に、これらの無線信号を制御部25に出力する。また、判定部22は、通信部21、即ち無線通信装置20が無線通信装置30に近接するかを判定する。具体的には、判定部22は、受信信号の受信強度が所定値以上である場合には、無線通信装置20が無線通信装置30に近接すると判定し、所定値未満である場合には、無線通信装置20が無線通信装置30に近接しないと判定する。なお、後述する無線通信装置20および無線通信装置30等の処理では、主に第3または第4の無線信号の受信強度が測定されるが、受信強度が測定される無線信号は、第1〜第4の無線信号のいずれであってもよい。より具体的には、受信強度が測定される無線信号は、ビーコン、プローブリクエスト、プローブレスポンス、アクションフレーム、またはこれら受信可能なフレームの組合せであってもよい。また、受信強度は、無線信号の受信時の瞬時値でも良く、同じ送信元から所定時間内に受信した無線信号の受信強度を平均(例えば算術平均)した値、または、受信信号を重み付けしたフィルタに通して算出した値等のように、誤検出しないための処理を行った値であってもよい。これらの処理は、判定部22が行っても良く、別途設けられた判定器が行ってもよい。
【0038】
判定部22は、無線通信装置20が無線通信装置30に近接すると判定した場合には、さらに、第3の無線信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、第3の無線信号に接続手続き可能情報が含まれると判定した場合には、無線通信装置30を示す宛先情報と、第3の無線信号に含まれる応答要求情報及び接続手続き可能情報とを含む第1の接続開始指示情報を制御部25に出力する。一方、判定部22は、第3の無線信号に接続手続き可能情報が含まれないと判定した場合、または、無線通信装置20が無線通信装置30に近接しないと判定した場合には、接続手続きが不可能であることを示す接続手続き不可情報を制御部25に出力する。
【0039】
同様に、判定部22は、無線通信装置20が無線通信装置30に近接すると判定した場合には、さらに、第4の無線信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、第4の無線信号に接続手続き可能情報が含まれると判定した場合には、無線通信装置30を示す宛先情報と、第4の無線信号に含まれる応答情報及び接続手続き可能情報とを含む第2の接続開始指示情報を制御部25に出力する。一方、判定部22は、第4の無線信号に接続手続き可能情報が含まれないと判定した場合、または、無線通信装置20が無線通信装置30に近接しないと判定した場合には、接続手続きが不可能であることを示す接続手続き不可情報を制御部25に出力する。
【0040】
判定部22は、第3の無線信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、次いで、無線通信装置20が無線通信装置30に近接すると判定した場合には、無線通信装置30を示す宛先情報と、第3の無線信号に含まれる応答要求情報及び接続手続き可能情報とを含む第1の接続開始指示情報を制御部25に出力してもよい。一方、判定部22は、第3の無線信号に接続手続き可能情報が含まれないと判定した場合、または、無線通信装置20が無線通信装置30に近接しないと判定した場合には、接続手続きが不可能であることを示す接続手続き不可情報を制御部25に出力してもよい。
【0041】
同様に、判定部22は、第4の無線信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、次いで、無線通信装置20が無線通信装置30に近接すると判定した場合には、無線通信装置30を示す宛先情報と、第4の無線信号に含まれる応答情報及び接続手続き可能情報とを含む第1の接続開始指示情報を制御部25に出力してもよい。一方、判定部22は、第4の無線信号に接続手続き可能情報が含まれないと判定した場合、または、無線通信装置20が無線通信装置30に近接しないと判定した場合には、接続手続きが不可能であることを示す接続手続き不可情報を制御部25に出力してもよい。
【0042】
記憶部23は、第1〜第4の無線信号を生成するために必要な各種情報(例えば、判定部22が生成した宛先情報、等)、通知部24に表示される情報、接続手続きに必要な各種情報(例えば、セキュリティ設定に関する情報等)及び各種のプログラム等を記憶する。通知部24は、制御部25による制御により、各種の情報を表示、光による通知、震えによる通知、音による通知、などを行う。
【0043】
制御部25は、無線通信装置20内の各構成要素を制御する他、以下の処理を行う。即ち、制御部25は、判定部22から第1または第2の発見情報が与えられるまで、第1の無線信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、第1の無線信号を周辺に送信する。
【0044】
制御部25は、判定部22から第1の発見情報が与えられた場合には、第1の発見情報に応答要求情報が含まれるかを判定する。制御部25は、第1の発見情報に応答要求情報が含まれる場合、第2の無線信号としてプローブレスポンス信号を生成する。一方、制御部25は、第1の発見情報に応答要求情報が含まれない場合(即ち、第1の無線信号がビーコン信号となる場合)、第2の無線信号としてプローブリクエスト信号を生成する。そして、制御部25は、生成された第2の無線信号を通信部21に出力する。通信部21は、第2の無線信号を無線通信装置30に送信する。
【0045】
一方、制御部25は、第2の発見情報が与えられた場合には、第2の発見情報に応答情報及び応答要求情報のどちらが含まれるかを判定する。制御部25は、第2の発見情報に応答要求情報が含まれる場合には、プローブレスポンス信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、プローブレスポンス信号を送信する。一方、制御部25は、第2の発見情報に応答情報が含まれる場合には、判定部22から第3の無線信号が与えられるまで、第3の無線信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、第3の無線信号を無線通信装置30に送信する。
【0046】
制御部25は、判定部22から第3の無線信号を受信した場合には、第4の無線信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、第4の無線信号を無線通信装置30に送信する。その後、制御部25は、接続手続きを開始する。
【0047】
制御部25は、判定部22から第1または第2の接続開始指示情報が与えられた場合には、接続手続きを開始する。
【0048】
制御部25は、判定部22から接続手続き不可情報が与えられた場合には、第1の無線信号を生成し、通信部21に出力する処理に戻る。
【0049】
図4は、無線通信装置30の構成を示す。無線通信装置30は、CPU、ROM、RAM、通信装置、ディスプレイ等の各種ハードウエア構成を備え、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込んで実行することで、各種の処理を行う。具体的には、無線通信装置30は、通信部31と、判定部32と、記憶部33と、通知部34と、制御部35とを備える。これらの機能は、無線通信装置20と同様である。
【0050】
[第3の無線信号及び第4の無線信号のデータ構造]
次に、図5及び図6に基づいて、第3の無線信号及び第4の無線信号として使用されるサービスディスカバリ信号のデータ構造を説明する。図5、図6に示すように、本実施の形態では、サービスディスカバリ信号として、パブリックアクションフレーム(Public Action Frame)が使用される。パブリックアクションフレームは、アクションフレームの一種であり、無線通信装置同士の接続前に送信可能なマネジメントフレーム(Management Frame)としてIEEE802.11kで定義拡張されたフレームである。
【0051】
具体的には、本実施の形態では、第3の無線信号として、GASイニシャルリクエストアクションフレーム(Generic Advertisement Services Initial Request Action Frame)を含むサービスディスカバリクエリ信号が使用される。また、第4の無線信号として、GASイニシャルレスポンスアクションフレーム(GAS Initial Response Action Frame)を含むサービスディスカバリレスポンス信号が使用される。これらの信号は、例えば、ワイファイダイレクト(Wi−Fi Direct)で使用される。
【0052】
GASイニシャルリクエストアクションフレームは、他の無線通信装置に無線通信を要求するために送信されるフレームとして定義されている。また、GASイニシャルレスポンスアクションフレームは、他の無線通信装置からの無線通信の要求に対して応答するために送信されるフレームとして定義されている。
【0053】
なお、第3〜第4の無線信号のサイズが大きく、フラグメンテーションが行われる場合、GASカムバックリクエストフレーム(GAS Comeback Request Frame)や、GASカムバックレスポンスフレーム(GAS Comeback Response Frame)も使用されるが、ここでは図示を省略する。
【0054】
サービスディスカバリクエリ信号は、MACヘッダ(MAC header)フレーム、GASイニシャルリクエストアクションフレーム、及びFCSフレームで構成される。ここで、GASイニシャルリクエストアクションフレームは、カテゴリフレーム701、アクションフレーム702、ダイアログトークンフレーム703、アドバタイズメントプロトコルインフォメーションエレメントフレーム704、クエリリクエストレングスフレーム705、ANQPクエリリクエストフィールドフレーム706を含む。
【0055】
カテゴリ(Category)フレーム701には、IEEE802.11で定義されたマネジメントフレーム(Management Frame)のカテゴリとして、パブリックアクションフレームを指定する情報が格納される。すなわち、カテゴリフレーム701は、サービスディスカバリクエリ信号がパブリックアクションフレームであることを示す。
【0056】
アクション(Action)フレーム702には、パブリックアクションフレームのアクションタイプとして、GASイニシャルリクエストアクションフレームを指定する情報が格納される。すなわち、アクションフレーム702は、サービスディスカバリクエリ信号がGASイニシャルリクエストアクションフレームであることを示す。
【0057】
ダイアログトークン(Dialog Token)フレーム703には、サービスディスカバリクエリ信号を一意に特定するための情報が格納される。識別情報、宛先情報、及び応答要求情報は、例えばこのダイアログトークンフレーム703に格納される。
【0058】
アドバタイズメントプロトコルインフォメーションエレメント(Advertisement Protocol Information Element)フレーム704には、ANQP(Access Network Query Protocol)を示す情報が格納される。
【0059】
クエリリクエストレングス(Query Request Length)フレーム705には、ANQPクエリリクエストフィールドフレーム706の長さを示す情報が格納される。
【0060】
ANQPクエリリクエストフィールド(ANQP Query Request Field)フレーム706には、サービスディスカバリクエリ信号が要求するサービスプロトコルタイプ(Service Protocol Type)を示す情報が格納される。詳細には、ANQPクエリリクエストフィールドフレーム706は、インフォメーションID(Info ID)フレーム、レングスフレーム、OIフレーム、及びANQPクエリリクエストベンダスペシフィックコンテンツ(ANQP Query Request Vendor Specific Content)フレーム707で構成される。サービスディスカバリクエリ信号が要求するサービスプロトコルタイプを示す情報は、ANQPクエリリクエストベンダスペシフィックコンテンツフレーム707に格納される。接続手続き可能情報は、例えばこのANQPクエリリクエストベンダスペシフィックコンテンツフレーム707に格納される。
【0061】
サービスディスカバリレスポンス信号は、MACヘッダ(MAC header)フレーム、GASイニシャルレスポンスアクションフレーム、及びFCSフレームで構成される。ここで、GASイニシャルレスポンスアクションフレームは、カテゴリフレーム801、アクションフレーム802、ダイアログトークンフレーム803、ステータスコードフレーム804、GASカムバックディレイフレーム805、アドバタイズメントプロトコルインフォメーションエレメントフレーム806、クエリレスポンスレングスフレーム807、ANQPクエリレスポンスフィールドフレーム808を含む。
【0062】
カテゴリフレーム801には、カテゴリフレーム701と同様の情報が格納される。アクションフレーム802には、パブリックアクションフレームのアクションタイプとして、GASイニシャルレスポンスアクションフレームを指定する情報が格納される。すなわち、アクションフレーム802は、サービスディスカバリレスポンス信号がGASイニシャルレスポンスアクションフレームであることを示す。
【0063】
ダイアログトークン(Dialog Token)フレーム803には、サービスディスカバリレスポンス信号を一意に特定するための情報が格納される。識別情報、宛先情報、及び応答情報は、例えばこのダイアログトークンフレーム803に格納される。
【0064】
ステータスコード(Status Code)フレーム804には、IEEE801.11uで定義されたステータスを示す情報が格納される。
【0065】
GASカムバックディレイ(GAS Comeback Delay)フレーム805には、サービスディスカバリレスポンス信号のディレイタイム(Delay Time)を示す情報が格納される。
【0066】
アドバタイズメントプロトコルインフォメーションエレメントフレーム806には、アドバタイズメントプロトコルインフォメーションエレメントフレーム704と同様の情報が格納される。
【0067】
クエリレスポンスレングス(Query Response Length)フレーム807には、ANQPクエリレスポンスフィールドフレーム808の長さを示す情報が格納される。
【0068】
ANQPクエリレスポンスフィールド(ANQP Query Response Field)フレーム808には、サービスディスカバリレスポンス信号が要求するサービスプロトコルタイプを示す情報が格納される。詳細には、ANQPクエリレスポンスフィールドフレーム808は、インフォメーションIDフレーム、レングスフレーム、OIフレーム、及びANQPクエリレスポンスベンダスペシフィックコンテンツ(ANQP Query Response Vendor Specific Content)フレーム809で構成される。サービスディスカバリレスポンス信号が要求するサービスプロトコルタイプを示す情報は、ANQPクエリレスポンスベンダスペシフィックコンテンツフレーム809に格納される。接続手続き可能情報は、例えばこのANQPクエリレスポンスベンダスペシフィックコンテンツフレーム809に格納される。
【0069】
[無線通信システム10−1による処理の例]
次に、図7に基づいて、無線通信システム10−1による処理の例を説明する。
【0070】
無線通信装置20と無線通信装置30とは、まず、ステップS10またはステップS20の処理を行うことで、お互いを発見する。まず、ステップS10について説明する。ステップS10は、ステップS11〜ステップS14で構成される。ステップS11において、無線通信装置20の制御部25は、第1の無線信号としてプローブリクエスト信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、プローブリクエスト信号を無線通信装置20の周辺に送信する。これにより、無線通信装置20は、自己の存在を無線通信装置20の周辺に存在する無線通信装置30に通知する。
【0071】
ステップS12において、無線通信装置30の通信部31は、プローブリクエスト信号を受信し、判定部32に出力する。
【0072】
次いで、判定部32は、通信部31から与えられたプローブリクエスト信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置20を特定する。これにより、判定部32は、無線通信装置20を発見する。判定部32は、プローブリクエスト信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置20を一意に特定するための宛先情報を生成し、宛先情報と、プローブリクエスト信号に含まれる応答要求情報とを含む第1の発見情報を制御部35に出力する。また、判定部32は、受信したプローブリクエスト信号の受信強度を測定することができる。
【0073】
ステップS13において、制御部35は、第2の無線信号としてプローブレスポンス信号を生成し、通信部31に出力する。通信部31は、プローブレスポンス信号を無線通信装置20に送信する。一方、制御部35は、第1の発見情報に含まれる宛先情報に基づいて、自己の周辺に無線通信装置20が存在することを示す例えば、情報(例えば、「無線通信装置20を発見しました」という文字情報や、周辺機器リストにのせるなど)を通知部34に表示する。
【0074】
ステップS14において、無線通信装置20の通信部21は、プローブレスポンス信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置20を示すので、通信部21は、プローブレスポンス信号を判定部22に出力する。
【0075】
次いで、判定部22は、通信部21から与えられたプローブレスポンス信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置20の周辺に存在する無線通信装置30として、無線通信装置30を特定する。これにより、判定部22は、無線通信装置30を発見する。判定部22は、プローブレスポンス信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置30を一意に特定するための宛先情報を生成し、宛先情報と、プローブレスポンス信号に含まれる応答情報とを含む第2の発見情報を制御部25に出力する。制御部25は、第2の発見情報に含まれる宛先情報に基づいて、自己の周辺に無線通信装置30が存在することを示す情報(例えば、「無線通信装置30を発見しました」という文字情報)を通知部24に表示する。その後、無線通信装置20、30は、ステップS30またはステップS40の処理に移行する。
【0076】
次に、ステップS20について説明する。ステップS20は、ステップS21〜ステップS24で構成される。ステップS20は、無線通信装置30側からプローブリクエスト信号が送信される点で、ステップS10と異なる。
【0077】
まず、ステップS21において、無線通信装置30の制御部35は、第1の無線信号としてプローブリクエスト信号を生成し、通信部31に出力する。通信部31は、プローブリクエスト信号を無線通信装置30の周辺に送信する。これにより、無線通信装置30は、自己の存在を無線通信装置30の周辺に存在する無線通信装置20に通知する。
【0078】
ステップS22において、無線通信装置20の通信部21は、プローブリクエスト信号を受信し、判定部22に出力する。
【0079】
次いで、判定部22は、通信部21から与えられたプローブリクエスト信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置30を特定する。これにより、判定部22は、無線通信装置30を発見する。判定部22は、プローブリクエスト信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置30を一意に特定するための宛先情報を生成し、宛先情報と、プローブリクエスト信号に含まれる応答要求情報とを含む第1の発見情報を制御部25に出力する。
【0080】
ステップS23において、制御部25は、第2の無線信号としてプローブレスポンス信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、プローブレスポンス信号を無線通信装置30に送信する。一方、制御部25は、第1の発見情報に含まれる宛先情報に基づいて、自己の周辺に無線通信装置30が存在することを示す情報(例えば、「無線通信装置30を発見しました」という文字情報)を通知部24に表示する。
【0081】
ステップS24において、無線通信装置30の通信部31は、プローブレスポンス信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置30を示すので、通信部31は、プローブレスポンス信号を判定部32に出力する。
【0082】
次いで、判定部32は、通信部31から与えられたプローブレスポンス信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置20を特定する。これにより、判定部32は、無線通信装置20を発見する。判定部32は、プローブレスポンス信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置20を一意に特定するための宛先情報を生成し、宛先情報と、プローブレスポンス信号に含まれる応答情報とを含む第2の発見情報を制御部35に出力する。制御部35は、第2の発見情報に含まれる宛先情報に基づいて、自己の周辺に無線通信装置20が存在することを示す情報(例えば、「無線通信装置20を発見しました」という文字情報)を通知部34に表示する。その後、無線通信装置20、30は、ステップS30またはステップS40の処理に移行する。
【0083】
無線通信装置20と無線通信装置30とは、ステップS30またはステップS40の処理を行うことで、お互いに近接することを判定し、かつ、無線信号に接続手続き可能情報が含まれていると判定する。まず、ステップS30について説明する。ステップS30は、ステップS31〜ステップS34で構成される。まず、ステップS31において、制御部25は、第3の無線信号としてサービスディスカバリクエリ信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、サービスディスカバリクエリ信号を無線通信装置30に送信する。
【0084】
ステップS32において、無線通信装置30の通信部31は、サービスディスカバリクエリ信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置30を示すので、通信部31は、サービスディスカバリクエリ信号を判定部32に出力する。
【0085】
判定部32は、サービスディスカバリクエリ信号の受信強度を測定し、測定された受信強度が所定値以上である場合には、無線通信装置30が無線通信装置20に近接すると判定し、測定された受信強度が所定値未満である場合には、無線通信装置30が無線通信装置20に近接しないと判定する。
【0086】
判定部32は、無線通信装置30が無線通信装置20に近接すると判定した場合には、さらに、サービスディスカバリクエリ信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、サービスディスカバリクエリ信号に接続手続き可能情報が含まれると判定した場合には、無線通信装置20を示す宛先情報と、サービスディスカバリクエリ信号に含まれる応答要求情報及び接続手続き可能情報とを含む第1の接続開始指示情報を制御部25に出力する。一方、判定部32は、サービスディスカバリクエリ信号に接続手続き可能情報が含まれない場合、または、無線通信装置30が無線通信装置20に近接しないと判定した場合には、接続手続きが不可能であることを示す接続手続き不可情報を制御部35に出力する。なお、本実施の形態では、サービスディスカバリクエリ信号には接続手続き可能情報が含まれるので、判定部32は、無線通信装置20、30が互いに近接する(互いの距離が数cm以下である)場合には、第1の接続開始指示情報を出力する。
【0087】
ステップS33において、制御部35は、第4の無線信号としてサービスディスカバリレスポンス信号を生成し、通信部31に出力する。通信部31は、サービスディスカバリレスポンス信号を無線通信装置20に送信する。その後、制御部35は、第1の接続開始指示情報に基づいて、接続相手を無線通信装置20に決定する旨の情報(例えば、「接続相手を無線通信装置20に決定します」という文字情報)を通知部34に出力する。これにより、無線通信装置30のユーザは、接続相手を確認することができる。
【0088】
なお、制御部35は、判定部32から接続手続き不可情報が与えられた場合には、その旨の情報(例えば、「接続に失敗しました」、「近接による接続をすることができません。」、または「近接していません。」という文字情報)を通知部34に表示し、ステップS10またはステップS20にもどる。
【0089】
一方、ステップS34において、無線通信装置20の通信部21は、サービスディスカバリレスポンス信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置20を示すので、通信部21は、サービスディスカバリレスポンス信号を判定部22に出力する。
【0090】
判定部22は、サービスディスカバリレスポンス信号の受信強度を測定し、測定された受信強度が所定値以上である場合には、無線通信装置20が無線通信装置30に近接すると判定し、測定された受信強度が所定値未満である場合には、無線通信装置20が無線通信装置30に近接しないと判定する。
【0091】
判定部22は、無線通信装置20が無線通信装置30に近接すると判定した場合には、さらに、サービスディスカバリレスポンス信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、サービスディスカバリレスポンス信号に接続手続き可能情報が含まれると判定した場合には、宛先情報と、サービスディスカバリレスポンス信号に含まれる応答情報及び接続手続き可能情報とを含む第2の接続開始指示情報を制御部25に出力する。一方、判定部22は、サービスディスカバリレスポンス信号に接続手続き可能情報が含まれないと判定した場合、または、無線通信装置20が無線通信装置30に近接しないと判定した場合には、接続手続きが不可能であることを示す接続手続き不可情報を制御部25に出力する。なお、本実施の形態では、サービスディスカバリレスポンス信号には接続手続き可能情報が含まれるので、判定部22は、無線通信装置20、30が互いに近接する(互いの距離が数cm以下である)場合には、第2の接続開始指示情報を出力する。
【0092】
制御部25は、判定部22から第2の接続開始指示情報が与えられた場合には、当該第2の接続開始指示情報に基づいて、接続相手を無線通信装置30に決定する旨の情報(例えば、「接続相手を無線通信装置30に決定します」という文字情報)を通知部24に出力する。これにより、無線通信装置20のユーザは、接続相手を確認することができる。
【0093】
一方、制御部25は、判定部22から接続手続き不可情報が与えられた場合には、その旨の情報(例えば、「接続に失敗しました」、「近接による接続をすることができません。」とか、「近接していません。」という文字情報)を通知部24に表示し、ステップS10またはステップS20にもどる。
【0094】
次に、ステップS40について説明する。ステップS40は、ステップS41〜ステップS44で構成される。ステップS40は、無線通信装置30側からサービスディスカバリクエリ信号が送信される点で、ステップS30と異なる。
【0095】
まず、ステップS41において、制御部35は、第3の無線信号としてサービスディスカバリクエリ信号を生成し、通信部31に出力する。通信部31は、サービスディスカバリクエリ信号を無線通信装置20に送信する。
【0096】
ステップS42において、無線通信装置20の通信部21は、サービスディスカバリクエリ信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置20を示すので、通信部21は、サービスディスカバリクエリ信号を判定部22に出力する。
【0097】
判定部22は、サービスディスカバリクエリ信号の受信強度を測定し、測定された受信強度が所定値以上である場合には、無線通信装置20が無線通信装置30に近接すると判定し、測定された受信強度が所定値未満である場合には、無線通信装置20が無線通信装置30に近接しないと判定する。
【0098】
判定部22は、無線通信装置20が無線通信装置30に近接すると判定した場合には、さらに、サービスディスカバリクエリ信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、サービスディスカバリクエリ信号に接続手続き可能情報が含まれると判定した場合には、第1の接続開始指示情報を制御部25に出力する。一方、判定部22は、サービスディスカバリクエリ信号に接続手続き可能情報が含まれないと判定した場合、または、無線通信装置30が無線通信装置20に近接しないと判定した場合には、接続手続きが不可能であることを示す接続手続き不可情報を制御部25に出力する。なお、本実施の形態では、サービスディスカバリクエリ信号には接続手続き可能情報が含まれるので、判定部22は、無線通信装置20、30が互いに近接する場合には、第1の接続開始指示情報を出力する。
【0099】
ステップS43において、制御部25は、第4の無線信号としてサービスディスカバリレスポンス信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、サービスディスカバリレスポンス信号を無線通信装置30に送信する。その後、制御部25は、第1の接続開始指示情報に基づいて、接続相手を無線通信装置30に決定する旨の情報を通知部24に出力する。これにより、無線通信装置20のユーザは、接続相手を確認することができる。
【0100】
なお、制御部25は、判定部22から接続手続き不可情報が与えられた場合には、その旨の情報を通知部24に表示し、ステップS10またはステップS20にもどる。
【0101】
一方、ステップS44において、無線通信装置30の通信部31は、サービスディスカバリレスポンス信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置30を示すので、通信部31は、サービスディスカバリレスポンス信号を判定部32に出力する。
【0102】
判定部32は、サービスディスカバリレスポンス信号の受信強度を測定し、測定された受信強度が所定値以上である場合には、無線通信装置30が無線通信装置20に近接すると判定し、測定された受信強度が所定値未満である場合には、無線通信装置30が無線通信装置20に近接しないと判定する。
【0103】
判定部32は、無線通信装置30が無線通信装置20に近接すると判定した場合には、さらに、サービスディスカバリレスポンス信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、サービスディスカバリレスポンス信号に接続手続き可能情報が含まれると判定した場合には、第2の接続開始指示情報を制御部25に出力する。一方、判定部32は、サービスディスカバリレスポンス信号に接続手続き可能情報が含まれないと判定した場合、または、無線通信装置30が無線通信装置20に近接しないと判定した場合には、接続手続きが不可能であることを示す接続手続き不可情報を制御部35に出力する。なお、本実施の形態では、サービスディスカバリレスポンス信号には接続手続き可能情報が含まれるので、判定部32は、無線通信装置20、30が互いに近接する(互いの距離が数cm以下である)場合には、第2の接続開始指示情報を出力する。
【0104】
制御部35は、判定部32から第2の接続開始指示情報が与えられた場合には、当該第2の接続開始指示情報に基づいて、接続相手を無線通信装置20に決定する旨の情報を通知部24に出力する。これにより、無線通信装置30のユーザは、接続相手を確認することができる。
【0105】
一方、制御部35は、判定部32から接続手続き不可情報が与えられた場合には、その旨の情報を通知部24に表示し、ステップS10またはステップS20にもどる。
【0106】
次いで、無線通信装置20、30は、ステップS50、S60において、お互いを接続手続きの相手と決定し、ステップS70〜ステップS110に進む。これらの処理によって、無線通信路が確立される。まず、ステップS70において、無線通信装置20の制御部25は、識別情報と、無線通信装置30を示す宛先情報と、親子関係をどのようにするかを交渉したい旨の交渉要求情報とを含むGOネゴシエーションリクエスト(GO Negotiation Request)信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、GOネゴシエーションリクエスト信号を無線通信装置30に送信する。
【0107】
ステップS80において、無線通信装置30の通信部31は、GOネゴシエーションリクエスト信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置30を示すので、GOネゴシエーションリクエスト信号を制御部35に出力する。制御部35は、GOネゴシエーションリクエスト信号が与えられた際に、自己を親機とするか子機とするかの希望を決定し、識別情報と、無線通信装置20を示す宛先情報と、自己が希望する役割を示す役割希望情報とを含むGOネゴシエーションレスポンス(GO Negotiation Response)信号を生成し、通信部31に出力する。通信部31は、GOネゴシエーションレスポンス信号を無線通信装置20に送信する。
【0108】
ステップS90において、無線通信装置20の通信部21は、GOネゴシエーションレスポンス信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置20を示すので、GOネゴシエーションレスポンス信号を制御部25に出力する。
【0109】
制御部25は、GOネゴシエーションレスポンス信号に含まれる役割希望情報に基づいて、無線通信装置30の希望を受諾するかを決定する。制御部25は、識別情報と、宛先情報と、自己の役割を示す役割情報とを含むGOネゴシエーションコンファーム(GO Negotiation Confirm)信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、GOネゴシエーションコンファーム信号を無線通信装置30に送信する。制御部25は、無線通信装置30との接続手続きを開始する旨の情報(例えば、「無線通信装置30とのネゴシエーションが正しく終了しました。」や、「無線通信装置30との接続手続きを開始します」という文字情報)を通知部24に表示する。
【0110】
なお、制御部25は、無線通信装置30の希望を受諾しないと決定した場合には、ステップS70にもどる。
【0111】
無線通信装置30の通信部31は、GOネゴシエーションコンファーム信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置30を示すので、GOネゴシエーションコンファーム信号を制御部35に出力する。制御部35は、GOネゴシエーションコンファーム信号に基づいて、自己の希望が受諾されたことを確認する。ついで、制御部35は、無線通信装置20との接続手続きを開始する旨の情報(例えば、「無線通信装置20との接続手続きを開始します」という文字情報)を通知部34に表示する。
【0112】
したがって、無線通信装置20、30は、接続手続きを開始する前に、その旨をユーザに通知するので、ユーザは、接続手続きが開始されたことを確認する事ができる。
【0113】
ついで、ステップS100において、無線通信装置20、30は、接続手続きを行い、ステップS110において、無線通信路を確立する。ステップS100、ステップS110の処理は、従来と同様であり、例えば図16に示すように、従来の無線通信装置の各々でWPSプッシュボタンが押されたときに行われる、WPS exchange、認証手続き、4way−handshakeなどの処理である。通知部24、34は、このような接続手続き中の状態変化を通知してもよい。例えば、無線通信装置20の通知部24は、図16に示したS900〜S905の少なくとも一ステップにおいて状態変化を通知してもよい。同様に、無線通信装置30の通知部34は、図16に示したS800〜S805の少なくとも一ステップにおいて状態変化を通知してもよい。すなわち、通知部24および通知部34は、接続手続きが開始されたか否か、認証されたか否か、セキュリティが設定されたか否か、無線が確立されデータ伝送が可能となったか否か、などを通知してもよい。また、接続手続きが図17のように行われる場合、無線通信装置20の通知部24は、S900、S904およびS905の各々において、接続開始、接続手続き中、手続き完了または不可を通知してもよい。同様に、無線通信装置30の通知部34は、S800、S804およびS805の各々において、接続開始、接続手続き中、手続き完了または不可を通知してもよい。なお、無線通信装置20、30は、それぞれ、通知部24、34に「正常に接続されました」というような文字情報を表示させてもよいが、通知は文字情報の表示以外の態様(例えば、音や振動など)で行われてもよい。
【0114】
以上により、第1の実施の形態によれば、無線通信装置20は、無線通信装置30に近接するかを判定し、無線通信装置30に近接すると判定した場合に、無線通信装置30との接続手続きを行う。
【0115】
したがって、無線通信装置20のユーザは、無線通信装置30に無線通信装置20を近接させるだけで、接続手続きを無線通信装置20に行わせることができるので、無線通信装置20は、無線通信装置同士を接続する際にユーザに掛かる手間を従来よりも低減することができる。
【0116】
さらに、無線通信装置20は、無線通信装置30から受信した第3または第4の無線信号の受信強度が所定値以上である場合に、無線通信装置30に近接すると判定するので、無線通信装置30に近接するかの判定を容易に行うことができる。
【0117】
さらに、無線通信装置20は、無線通信装置30に近接すると判定し、かつ、無線通信装置30から送信された第3または第4の無線信号に接続手続き可能情報が含まれると判定した場合に、無線通信装置30との接続手続きを行うので、より確実に接続手続きを行うことができる。
【0118】
また、無線通信装置20は、接続手続きを開始する前に、その旨をユーザに通知するので、ユーザは、接続手続きが開始されたことを確認する事ができる。無線通信装置20は、無線通信装置30との通信圏内であれば、接続手続きを行うことができるので、無線通信装置20のユーザは、接続手続きの開始を確認した後、無線通信装置30との通信圏内で無線通信装置20を無線通信装置30から離すことができる。なお、従来は、接続手続きが開始されたことをユーザに通知していなかったので、ユーザは、どのタイミングで接続手続きが開始されたのかを知ることができず、結果として、接続手続きが終了するまで無線通信装置どうしを近接させておく必要があった。したがって、無線通信装置20は、無線通信装置同士を接続する際にユーザに掛かる手間を従来よりも低減することができる。
【0119】
[変形例]
次に、第1の実施の形態の変形例を説明する。この変形例は、無線通信装置20の周辺に無線通信装置30が複数存在する場合を想定したものである。この変形例では、判定部22は、上述したステップS34において、以下の処理を行う。
【0120】
判定部22は、通信部21から与えられた複数の送信元の受信信号について、送信元ごとに受信強度を測定(算出)する。判定部22は、受信強度が所定値以上となる送信元が複数存在している場合は、これらの送信元のうち、最も近接していると判断できる送信元(即ち受信強度の最も大きな送信元)を近接接続先として判断し、選択してもよい。
【0121】
近接の判断方法として、受信強度を複数にランク分けしてもよい。例えば、とても遠い、近距離、超近距離。とランク分けし、とても遠いと判断できる場合はその送信元端末は接続先候補リストから外してもよい。
また、図2Bと同様に、先に近接接続機能を持ち合わせているかどうかでフィルタしたのちに、それらの機器の中から、近傍かどうかを判断してもよい。
【0122】
したがって、無線通信装置20のユーザは、無線通信装置20を、複数の無線通信装置30のうち自己が接続を希望する無線通信装置30に最も近づけるだけで、当該無線通信装置30への接続手続きを開始させることができるので、無線通信装置20は、無線通信装置同士を接続する際にユーザに掛かる手間を従来よりも低減することができる。
【0123】
<2.第2の実施の形態>
[無線通信システムの構成]
まず、図8に基づいて、無線通信システム10−2の構成を説明する。無線通信システム10−2は、無線通信装置20〜50を備える。無線通信装置40、50の構成は、無線通信装置20、30と同様である。無線通信装置30は、無線通信装置40、50とグループGを形成しており、このグループGの親機として機能している。第2の実施の形態では、いずれのグループにも属していない無線通信装置20が無線通信装置30に接続する処理を行う。
[無線通信システム10−2による処理の例]
【0124】
次に、図9に基づいて、無線通信システム10−2による処理の例を説明する。無線通信装置20と無線通信装置30とは、まず、上述したステップS10の処理を行うことで、お互いを発見する。
【0125】
次に、無線通信装置20と無線通信装置30とは、上述したステップS30またはステップS40の処理を行うことで、お互いが近接することを判定し、かつ、接続可能であることを判定する。
【0126】
次に、ステップS180において、無線通信装置20は、無線通信装置30を接続対象と決定する。ついで、ステップS190において、無線通信装置20は、識別情報と、無線通信装置30を示す宛先情報と、接続手続きの開始する旨の接続開始希望情報とを含む接続開始トリガ信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、接続開始トリガ信号を無線通信装置30に出力する。無線通信装置30の通信部31は、接続開始トリガ信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置30を示すので、接続開始トリガ信号を制御部35に出力する。制御部35は、接続開始トリガ信号に基づいて、無線通信装置20が接続開始を希望することを認識する。その後、無線通信装置20、30は、上述したステップS100、ステップS110の処理を行うことで、接続を行う。第2の実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0127】
[第1の変形例]
次に、図10に基づいて、第2の実施の形態の第1の変形例を説明する。図10に示すように、第1の変形例は、無線通信装置20と無線通信装置30とがお互いを発見する処理が上述した処理と異なる。
【0128】
すなわち、ステップS220において、無線通信装置30の制御部35は、第1の無線信号としてビーコン信号を生成し、通信部31に出力する。通信部31は、ビーコン信号を無線通信装置30の周辺に送信する。これにより、無線通信装置30は、自己の存在を無線通信装置30の周辺に存在する無線通信装置20に通知する。
【0129】
ステップS230において、無線通信装置20の通信部21は、ビーコン信号を受信し、判定部22に出力する。
【0130】
次いで、判定部22は、通信部21から与えられたビーコン信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置30を特定する。これにより、判定部22は、無線通信装置30を発見する。判定部22は、ビーコン信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置30を一意に特定するための宛先情報を生成し、宛先情報を含む第1の発見情報を制御部25に出力する。
【0131】
無線通信装置20は、その後、ステップS231において、プローブリクエスト信号を無線通信装置30に送信し、これに応じて、無線通信装置30は、ステップS12の処理を行なう。無線通信装置30は、ステップS232において、プローブレスポンス信号を無線通信装置20に送信する。その後、無線通信装置20、30は、上述したステップS30、S40、S180、S190、S100、S110の処理を行うことで、接続を行う。第1の変形例によっても、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0132】
[第2の変形例]
次に、図11に基づいて、第2の実施の形態の第2の変形例を説明する。第2の変形例は、図11に示すように、無線通信装置30側から接続開始トリガ信号を送信する点が上述した処理と異なる。即ち、無線通信装置20、30は、まず、上述したステップS10、S30、S40の処理を行う。次いで、ステップS260において、無線通信装置30は、無線通信装置20を接続対象と決定する。ついで、ステップS270において、無線通信装置30は、識別情報と、無線通信装置20を示す宛先情報と、接続手続きの開始する旨の接続開始希望情報とを含む接続開始トリガ信号を生成し、通信部31に出力する。通信部31は、接続開始トリガ信号を無線通信装置20に出力する。無線通信装置20の通信部21は、接続開始トリガ信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置20を示すので、接続開始トリガ信号を制御部25に出力する。制御部25は、接続開始トリガ信号に基づいて、無線通信装置30が接続開始を希望することを認識する。その後、無線通信装置20、30は、上述したステップS100、ステップS110の処理を行うことで、接続を行う。第2の変形例によっても、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0133】
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態を説明する。第3の実施の形態は、図8に示す無線通信システム10−2において、無線通信装置20がグループG内の子機である無線通信装置40に接続するものである。
【0134】
無線通信装置40は、図12に示すように、通信部41と、判定部42と、記憶部43と、通知部44と、制御部45とを備える。これらの構成の機能は、無線通信装置20と同様である。
【0135】
[情報処理システム10−2による処理の手順]
次に、図13に基づいて、第3の実施の形態の無線通信システム10−2による処理の例を説明する。
【0136】
ステップS280において、無線通信装置20の制御部25は、第1の無線信号としてプローブリクエスト信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、プローブリクエスト信号を無線通信装置20の周辺に送信する。これにより、無線通信装置20は、自己の存在を無線通信装置20の周辺に存在する無線通信装置30に通知する。
【0137】
ステップS290において、無線通信装置30の通信部31は、プローブリクエスト信号を受信し、判定部32に出力する。
【0138】
次いで、判定部32は、通信部31から与えられたプローブリクエスト信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置20を特定する。これにより、判定部32は、無線通信装置20を発見する。判定部32は、プローブリクエスト信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置20を一意に特定するための宛先情報を生成し、宛先情報と、プローブリクエスト信号に含まれる応答要求情報とを含む第1の発見情報を制御部35に出力する。
【0139】
ステップS300において、制御部35は、第2の無線信号としてプローブレスポンス信号を生成し、通信部31に出力する。ここで、制御部35は、プローブレスポンス信号に、子機(ここでは、無線通信装置40、50)の一覧を示す一覧情報を含ませる。一覧情報は、例えば、無線通信装置40、50を示す宛先情報を組み合わせたものである。これらの宛先情報は、無線通信装置30が無線通信装置40、50と接続する過程において生成されたものである。通信部31は、プローブレスポンス信号を無線通信装置20に送信する。一方、制御部35は、第1の発見情報に含まれる宛先情報に基づいて、自己の周辺に無線通信装置20が存在することを示す情報(例えば、「無線通信装置20を発見しました」という文字情報)を通知部34に表示する。
【0140】
ステップS300において、無線通信装置20の通信部21は、プローブレスポンス信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置20を示すので、通信部21は、プローブレスポンス信号を判定部22に出力する。
【0141】
次いで、判定部22は、通信部21から与えられたプローブレスポンス信号に含まれる識別情報及び一覧情報に基づいて、無線通信装置30〜50を特定する。これにより、判定部22は、無線通信装置30〜50を発見する。判定部22は、無線通信装置30〜50を一意に特定するための宛先情報を生成し、宛先情報と、応答情報とを含む第2の発見情報を制御部25に出力する。制御部25は、第2の発見情報に基づいて、自己の周辺に無線通信装置30〜50が存在することを示す情報(例えば、「無線通信装置30〜50を発見しました」という文字情報)を通知部24に表示する。
【0142】
ステップS320において、制御部25は、子機である無線通信装置40に接続を試みるために、無線通信装置40を示す宛先情報を含んだサービスディスカバリクエリ信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、サービスディスカバリクエリ信号を無線通信装置40に送信する。
【0143】
ステップS330において、無線通信装置40の通信部41は、サービスディスカバリクエリ信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置40を示すので、通信部41は、サービスディスカバリクエリ信号を判定部42に出力する。
【0144】
判定部42は、サービスディスカバリクエリ信号の受信強度を測定し、測定された受信強度が所定値以上である場合には、無線通信装置40が無線通信装置20に近接すると判定し、測定された受信強度が所定値未満である場合には、無線通信装置40が無線通信装置20に近接しないと判定する。
【0145】
判定部42は、無線通信装置40が無線通信装置20に近接すると判定した場合には、さらに、サービスディスカバリクエリ信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、サービスディスカバリクエリ信号に接続手続き可能情報が含まれると判定した場合には、無線通信装置20を示す宛先情報と、サービスディスカバリクエリ信号に含まれる応答要求情報及び接続手続き可能情報とを含む第1の接続開始指示情報を制御部45に出力する。一方、判定部42は、サービスディスカバリクエリ信号に接続手続き可能情報が含まれないと判定した場合、または、無線通信装置40が無線通信装置20に近接しないと判定した場合には、接続手続きが不可能であることを示す接続手続き不可情報を制御部45に出力する。なお、第3の実施の形態では、サービスディスカバリクエリ信号には接続手続き可能情報が含まれるので、判定部42は、無線通信装置40、20が互いに近接する(互いの距離が数cm以下である)場合には、第1の接続開始指示情報を出力する。
【0146】
制御部45は、判定部42から第1の接続開始指示情報が与えられた場合には、当該第1の接続開始指示情報に基づいて、接続相手を無線通信装置20に決定する旨の情報を通知部44に出力する。これにより、無線通信装置40のユーザは、接続相手を確認することができる。
【0147】
一方、制御部45は、判定部42から接続手続き不可情報が与えられた場合には、その旨の情報を通知部24に表示し、ステップS330の処理を繰り返す。
【0148】
次いで、ステップS340において、制御部45は、無線通信装置20を接続対象として決定する。
【0149】
ステップS350において、無線通信装置40は、識別情報と、無線通信装置20を示す宛先情報と、接続手続きを開始する(すなわち、無線通信装置20をグループGの一員とする)旨の接続開始希望情報とを含む接続開始トリガ信号を生成し、通信部41に出力する。通信部41は、接続開始トリガ信号を無線通信装置20に出力する。無線通信装置20の通信部21は、接続開始トリガ信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置20を示すので、接続開始トリガ信号を制御部25に出力する。制御部25は、接続開始トリガ信号に基づいて、無線通信装置40が接続開始を希望することを認識する。その後、無線通信装置20、40は、ステップS360、S370において、上述したステップS100、ステップS110と同様の処理を行うことで、接続を行う。
【0150】
以上により、第3の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の効果の他、以下の効果が得られる。即ち、無線通信装置30は、プローブレスポンス信号に、子機の一覧を示す一覧情報を含めるので、無線通信装置20は、一覧情報に基づいて、グループGを構成する無線通信装置を把握する事ができる。この結果、無線通信装置20は、グループGを構成する任意の無線通信装置に対して、接続を試みることができる。上述した説明では、無線通信装置20は、無線通信装置40に対して接続を試みているが、無線通信装置50に接続を試みてもよい。
【0151】
[第1の変形例]
次に、図14に基づいて、第3の実施の形態の第1の変形例を説明する。ステップS380において、無線通信装置30の制御部35は、第1の無線信号としてビーコン信号を生成し、通信部31に出力する。ここで、この変形例では、ビーコン信号に上述した一覧情報が含まれる。通信部31は、ビーコン信号を無線通信装置30の周辺に送信する。これにより、無線通信装置30は、自己の存在を無線通信装置30の周辺に存在する無線通信装置20に通知する。
【0152】
ステップS390において、無線通信装置20の通信部21は、ビーコン信号を受信し、判定部22に出力する。
【0153】
次いで、判定部22は、通信部21から与えられたビーコン信号に含まれる識別情報及び一覧情報に基づいて、無線通信装置30〜50を特定する。これにより、判定部22は、無線通信装置30〜50を発見する。次いで、判定部22は、無線通信装置30を〜50一意に特定するための宛先情報を生成し、宛先情報を含む第1の発見情報を制御部25に出力する。
【0154】
ステップS400において、制御部25は、プローブリクエスト信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、プローブリクエスト信号を無線通信装置20の周辺に送信する。これにより、無線通信装置20は、自己の存在を無線通信装置20の周辺に存在する無線通信装置30〜50に通知する。ステップS410において、無線通信装置30は、プローブリクエスト信号を受信し、プローブリクエスト信号に含まれる識別情報に基づいて、無線通信装置20を発見する。
【0155】
その後、無線通信装置20、40は、上述したステップS320〜ステップS370の処理を行う。この第1の変形例によっても、上述した第3の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0156】
[第2の変形例]
次に、図15に基づいて、第3の実施の形態の第2の変形例を説明する。第2の変形例は、無線通信装置20が親機である無線通信装置30を経由して無線通信装置40に接続するものである。
【0157】
まず、無線通信装置20〜40は、上述したステップS280〜ステップS350の処理を行う。
【0158】
次に、ステップS410において、無線通信装置20は、無線通信装置40の親機である無線通信装置30に対して、無線通信装置20がグループGへ参加するための接続手続きを行う。これによって、ステップS420において、無線通信装置20と無線通信装置40との無線通信路が無線通信装置30経由で確立される。なお、ステップS410の処理としては、従来公知の処理が任意に適用される。
【0159】
[第3の変形例]
次に、第3の実施の形態の第3の変形例を説明する。この変形例では、上述したステップS330〜ステップS350の処理を無線通信装置20側で行うものである。即ち、無線通信装置40は、ステップS320においてサービスディスカバリクエリ信号を受信した場合には、これに応じたサービスディスカバリレスポンス信号を無線通信装置20に送信する。
【0160】
次いで、無線通信装置20の通信部20は、サービスディスカバリレスポンス信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置20を示すので、通信部21は、サービスディスカバリレスポンス信号を判定部22に出力する。
【0161】
判定部22は、サービスディスカバリレスポンス信号の受信強度を測定し、測定された受信強度が所定値以上である場合には、無線通信装置20が無線通信装置40に近接すると判定し、測定された受信強度が所定値未満である場合には、無線通信装置20が無線通信装置40に近接しないと判定する。
【0162】
判定部22は、無線通信装置20が無線通信装置40に近接すると判定した場合には、さらに、サービスディスカバリレスポンス信号に接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、サービスディスカバリレスポンス信号に接続手続き可能情報が含まれると判定した場合には、無線通信装置40を示す宛先情報と、サービスディスカバリレスポンス信号に含まれる応答情報及び接続手続き可能情報とを含む第2の接続開始指示情報を制御部25に出力する。一方、判定部22は、サービスディスカバリレスポンス信号に接続手続き可能情報が含まれないと判定した場合、または、無線通信装置20が無線通信装置40に近接しないと判定した場合には、接続手続きが不可能であることを示す接続手続き不可情報を制御部25に出力する。
【0163】
制御部25は、判定部22から第2の接続開始指示情報が与えられた場合には、当該第2の接続開始指示情報に基づいて、接続相手を無線通信装置40に決定する旨の情報を通知部24に出力する。これにより、無線通信装置20のユーザは、接続相手を確認することができる。
【0164】
一方、制御部25は、判定部22から接続手続き不可情報が与えられた場合には、その旨の情報を通知部24に表示する。
【0165】
次いで、制御部25は、無線通信装置40を接続対象として決定する。ついで、無線通信装置20は、識別情報と、無線通信装置40を示す宛先情報と、接続手続きを開始する旨の接続開始希望情報とを含む接続開始トリガ信号を生成し、通信部21に出力する。通信部21は、接続開始トリガ信号を無線通信装置40に送信する。無線通信装置40の通信部41は、接続開始トリガ信号を受信し、宛先情報を確認する。この結果、宛先情報が無線通信装置40を示すので、接続開始トリガ信号を制御部45に出力する。制御部45は、接続開始トリガ信号に基づいて、無線通信装置20が接続開始を希望することを認識する。その後、無線通信装置20、40は、上述したステップS360、S370の処理を行うことで、接続を行う。第3の変形例によっても、上述した実施の形態の効果がえられる。また、無線通信装置20側で、近接及び接続の可否を判定することができる。
【0166】
<4.補足>
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0167】
例えば、情報を用いてユーザに各種の通知を行うこととしたが、他の形態、例えば光、音、音声、振動等を用いてユーザに各種の通知を行ってもよい。無線通信装置20は、これらの形態で通知を行う場合、光り方、音や音声のテンポ、振動の仕方を変化させることで、各種の通知を行う。
【0168】
また、無線通信装置20、30は、無線通信装置20と無線通信装置30とが近接したかの判定を、無線信号の受信強度を用いて行うが、他の評価値、例えば無線信号の受信強度をフィルタリングすることで得られる評価値を用いて行っても良い。
【0169】
[近接検知方法の変形例]
また、無線通信装置20は、加速度センサ、ジャイロセンサ、人感センサ、超音波センサ、輝度センサ、近接センサ、温度センサ、イメージセンサ、および地磁気センサなどのセンサと、測定された受信強度との組み合わせにより近接を判定してもよい。以下、組合せの一例を説明する。なお、下記の例は、無線通信装置30にも単独または同時に適用可能である。
【0170】
(例1:加速度センサと受信強度の組合せ)
無線通信装置20は、加速度センサにより無線通信装置20が振られたことが検知され、かつ、無線通信装置30からの受信強度が所定値以上である場合に、無線通信装置30が近接していると判定してもよい。
【0171】
(例2:ジャイロセンサと受信強度の組合せ)
無線通信装置20は、ジャイロセンサにより検知される方向の変化により、事前に設定されたユーザ動作が行われたことが認識され、かつ、無線通信装置30からの受信強度が所定値以上である場合に、無線通信装置30が近接していると判定してもよい。
【0172】
(例3:輝度センサと受信強度の組合せ)
無線通信装置20は、輝度センサにより所定の輝度以上の明るさが検知され、かつ、無線通信装置30からの受信強度が所定値以上である場合に、無線通信装置30が近接していると判定してもよい。かかる構成により、無線通信装置30が無線通信装置20の近傍に存在し、かつ、無線通信装置30が例えばLEDを発光させている場合に近接判定を得ることができる。なお、無線通信装置20は、輝度センサにより検知された輝度の変化率が閾値を上回り、かつ、無線通信装置30からの受信強度が所定値以上である場合に、無線通信装置30が近接していると判定してもよい。
【0173】
(例4:イメージセンサと受信強度の組合せ)
無線通信装置20は、イメージセンサにより得られる画像から検知される無線通信装置30との距離が閾値以下であり、かつ、無線通信装置30からの受信強度が所定値以上である場合に、無線通信装置30が近接していると判定してもよい。
【0174】
(例5:温度センサと受信強度の組合せ)
無線通信装置20は、温度センサにより検知される温度が閾値を上回り、かつ、無線通信装置30からの受信強度が所定値以上である場合に、無線通信装置30が近接していると判定してもよい。無線通信装置20がユーザにより握られると、ユーザの体温で無線通信装置20の温度が上昇すると考えられるので、上記構成により、ユーザが無線通信装置20を握って無線通信装置30に近づけた場合に近接判定を得ることができる。
【0175】
(例6:地磁気センサと受信強度の組合せ)
無線通信装置20および無線通信装置30は、地磁気センサにより自身の向きを検知すると共に、地磁気センサによる検知結果を交換し、互いが向かい合わせになっていると認識され、かつ、無線通信装置30からの受信強度が所定値以上である場合に、無線通信装置30が近接していると判定してもよい。
【0176】
(例7:複数のセンサと受信強度の組合せ)
上記では、1のセンサによる検知結果と受信強度との組み合わせにより近接を判定する例を説明したが、無線通信装置20は、加速度センサ、ジャイロセンサ、および輝度センサのように、3つ以上のセンサによる検知結果と受信強度との組み合わせにより近接を判定してもよい。
【0177】
(例8:その他)
また、無線通信装置20、30は、それぞれGPS信号を受信することで自己の位置を確認し、当該位置情報に係る無線信号を送信しあうことで、互いが近接しているかを判定してもよい。また、無線通信装置20は、振動センサを備え、無線通信装置30からのサービスディスカバリクエリ信号の受信と、振動センサによる振動の検知があった場合に、無線通信装置20が無線通信装置30に近接したと判定してもよい。この場合、無線通信装置20は、無線通信装置30に接触したときに、無線通信装置30に近接したと判定することになる。また、無線通信装置20、30は、アクセスポイントからの距離情報を当該アクセスポイントからそれぞれ取得し、取得した距離情報に係る無線信号を互いに送信しあうことで、互いが近接するかを判定してもよい。また、接触を検知するセンサにより、接触を検知することを近接と判断してもよい。
【0178】
[閾値設定に関する変形例]
また、無線通信装置20は、通信相手に応じて近接判定のために異なる閾値を所定値として用いてもよい。例えば、初めて近接判定に基づき接続手続きを行う通信相手との閾値は、近接判定に基づき接続認証済みであり互いの認証時のプロファイルなどを保持している通信相手との閾値より厳しくしてもよい。かかる構成により、接続認証済みの通信相手との近接判定の許容範囲を、初めて接続手続きを行う通信相手との近接判定の許容範囲より広げることが可能である。
【0179】
[内部状態のユーザへの通知方法]
また、無線通信装置20は、近接判定や接続手続きに関する内部状態を、LEDの発光によりユーザに通知してもよい。また、無線通信装置20は、LEDの発光に加え、振動、文字、音、におい、または画像などを用いる他の方法により内部状態をユーザに通知してもよい。
【0180】
例えば、無線通信装置20は、接続手続きが開始してから接続手続きが完了するまではLEDを点滅させ、接続完了した場合にはLEDを点灯させ、接続手続きが失敗した場合にはLEDを赤色で点滅させてもよい。また、無線通信装置20は、接続手続きが開始してから接続手続きが完了するまではLEDを点滅させ、接続完了した場合には接続完了した旨を示す画面を表示し、接続手続きが失敗した場合には未接続である旨を示す画面を表示してもよい。または、無線通信装置20はそれらを組み合わせて用いてもよい。
【0181】
なお、無線通信装置20は、通信相手の接続が初めてであるか否かに応じ、LEDの発光、振動、文字、音、におい、または画像などを区別して用いて内部状態をユーザに通知してもよい。
【0182】
また、各実施の形態及び実施例を任意に組み合わせてもよい。上記の各実施形態は、様々な無線通信技術、例えばワイファイダイレクトや、トランスファージェット等に適用される。
【0183】
また、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
他の無線通信装置と無線通信が可能な通信部と、
前記通信部が前記他の無線通信装置に近接するかを判定する判定部と、
前記通信部が前記他の無線通信装置に近接すると判定された場合に、前記通信部と前記他の無線通信装置との接続手続きを行う制御部と、を備える、無線通信装置。
(2)
前記判定部は、前記通信部が前記他の無線通信装置から受信した無線信号の受信強度が所定値以上である場合に、前記通信部が前記他の無線通信装置に近接すると判定する、前記(1)記載の無線通信装置。
(3)
前記判定部は、前記通信部が複数の前記他の無線通信装置から無線信号を受信し、かつ、前記受信強度が前記所定値以上となる無線信号が複数存在する場合には、前記受信強度が最も大きい無線信号を送信した前記他の無線通信装置に前記通信部が近接すると判定する、前記(2)記載の無線通信装置。
(4)
前記他の無線通信装置は、前記通信部に近接することを接続許可条件とした接続手続きが可能である場合には、その旨を示す近接による接続手続き可能情報を含めた無線信号を送信し、
前記判定部は、前記無線信号に前記近接による接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、
前記制御部は、前記通信部が前記他の無線通信装置に近接すると判定され、かつ、前記無線信号に前記近接による接続手続き可能情報が含まれると判定された場合に、前記通信部と前記他の無線通信装置との接続手続きを行う、前記(1)記載の無線通信装置。
(5)
前記接続手続きの開始、前記接続手続きの終了、前記接続手続きの状態変化、または前記接続手続きの結果を通知する通知部を備える、前記(1)記載の無線通信装置。
(6)
前記他の無線通信装置は、親機に接続された一または複数の子機のうち、いずれかの子機を構成し、
前記通信部は、前記親機から前記子機の一覧情報を取得し、
前記判定部は、前記通信部が取得した前記一覧情報に基づいて、前記他の無線通信装置を発見し、前記通信部が当該発見された前記他の無線通信装置に近接するかを判定する、前記(1)記載の無線通信装置。
(7)
前記判定部は、前記他の無線通信装置と以前に接続したことがあるか否かに応じて異なる閾値を前記所定値として用いて近接判定を行う、前記(2)に記載の無線通信装置。
(8)
前記判定部は、前記通信部が前記他の無線通信装置から受信した無線信号の受信強度が所定値以上であり、かつ、前記無線通信装置に設けられたセンサにより所定の検知結果が得られた場合に前記通信部が前記他の無線通信装置に近接すると判定する、前記(2)に記載の無線通信装置。
(9)
他の無線通信装置と無線通信が可能な通信部が前記他の無線通信装置に近接するかを判定するステップと、
前記通信部が前記他の無線通信装置に近接すると判定された場合に、前記通信部と前記他の無線通信装置との接続手続きを行うステップと、を含む、無線通信方法。
(10)
無線通信が可能な第1の無線通信装置及び第2の無線通信装置を備える無線通信システムであって、
前記第1の無線通信装置は、
前記第2の無線通信装置と無線通信が可能な通信部と、
前記通信部が前記第2の無線通信装置に近接するかを判定する判定部と、
前記通信部が前記第2の無線通信装置に近接すると判定された場合に、前記通信部と前記第2の無線通信装置との接続手続きを行う制御部と、を備える、無線通信システム。
【符号の説明】
【0184】
10−1、10−2 無線通信システム
20〜50 無線通信装置
21、31、41 通信部
22、32、42 判定部
23、33、43 記憶部
24、34、44 通知部
25、35、45 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の無線通信装置と無線通信が可能な通信部と、
前記通信部が前記他の無線通信装置に近接するかを判定する判定部と、
前記通信部が前記他の無線通信装置に近接すると判定された場合に、前記通信部と前記他の無線通信装置との接続手続きを行う制御部と、を備える、無線通信装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記通信部が前記他の無線通信装置から受信した無線信号の受信強度が所定値以上である場合に、前記通信部が前記他の無線通信装置に近接すると判定する、請求項1記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記通信部が複数の前記他の無線通信装置から無線信号を受信し、かつ、前記受信強度が前記所定値以上となる無線信号が複数存在する場合には、前記受信強度が最も大きい無線信号を送信した前記他の無線通信装置に前記通信部が近接すると判定する、請求項2記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記他の無線通信装置は、前記通信部に近接することを接続許可条件とした接続手続きが可能である場合には、その旨を示す近接による接続手続き可能情報を含めた無線信号を送信し、
前記判定部は、前記無線信号に前記近接による接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、
前記制御部は、前記通信部が前記他の無線通信装置に近接すると判定され、かつ、前記無線信号に前記近接による接続手続き可能情報が含まれると判定された場合に、前記通信部と前記他の無線通信装置との接続手続きを行う、請求項1記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記接続手続きの開始、前記接続手続きの終了、前記接続手続きの状態変化、または前記接続手続きの結果を通知する通知部を備える、請求項1記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記他の無線通信装置は、親機に接続された一または複数の子機のうち、いずれかの子機を構成し、
前記通信部は、前記親機から前記子機の一覧情報を取得し、
前記判定部は、前記通信部が取得した前記一覧情報に基づいて、前記他の無線通信装置を発見し、前記通信部が当該発見された前記他の無線通信装置に近接するかを判定する、請求項1記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記判定部は、前記他の無線通信装置と以前に接続したことがあるか否かに応じて異なる閾値を前記所定値として用いて近接判定を行う、請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項8】
前記判定部は、前記通信部が前記他の無線通信装置から受信した無線信号の受信強度が所定値以上であり、かつ、前記無線通信装置に設けられたセンサにより所定の検知結果が得られた場合に前記通信部が前記他の無線通信装置に近接すると判定する、請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項9】
他の無線通信装置と無線通信が可能な通信部が前記他の無線通信装置に近接するかを判定するステップと、
前記通信部が前記他の無線通信装置に近接すると判定された場合に、前記通信部と前記他の無線通信装置との接続手続きを行うステップと、を含む、無線通信方法。
【請求項10】
無線通信が可能な第1の無線通信装置及び第2の無線通信装置を備える無線通信システムであって、
前記第1の無線通信装置は、
前記第2の無線通信装置と無線通信が可能な通信部と、
前記通信部が前記第2の無線通信装置に近接するかを判定する判定部と、
前記通信部が前記第2の無線通信装置に近接すると判定された場合に、前記通信部と前記第2の無線通信装置との接続手続きを行う制御部と、を備える、無線通信システム。
【請求項1】
他の無線通信装置と無線通信が可能な通信部と、
前記通信部が前記他の無線通信装置に近接するかを判定する判定部と、
前記通信部が前記他の無線通信装置に近接すると判定された場合に、前記通信部と前記他の無線通信装置との接続手続きを行う制御部と、を備える、無線通信装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記通信部が前記他の無線通信装置から受信した無線信号の受信強度が所定値以上である場合に、前記通信部が前記他の無線通信装置に近接すると判定する、請求項1記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記通信部が複数の前記他の無線通信装置から無線信号を受信し、かつ、前記受信強度が前記所定値以上となる無線信号が複数存在する場合には、前記受信強度が最も大きい無線信号を送信した前記他の無線通信装置に前記通信部が近接すると判定する、請求項2記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記他の無線通信装置は、前記通信部に近接することを接続許可条件とした接続手続きが可能である場合には、その旨を示す近接による接続手続き可能情報を含めた無線信号を送信し、
前記判定部は、前記無線信号に前記近接による接続手続き可能情報が含まれるかを判定し、
前記制御部は、前記通信部が前記他の無線通信装置に近接すると判定され、かつ、前記無線信号に前記近接による接続手続き可能情報が含まれると判定された場合に、前記通信部と前記他の無線通信装置との接続手続きを行う、請求項1記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記接続手続きの開始、前記接続手続きの終了、前記接続手続きの状態変化、または前記接続手続きの結果を通知する通知部を備える、請求項1記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記他の無線通信装置は、親機に接続された一または複数の子機のうち、いずれかの子機を構成し、
前記通信部は、前記親機から前記子機の一覧情報を取得し、
前記判定部は、前記通信部が取得した前記一覧情報に基づいて、前記他の無線通信装置を発見し、前記通信部が当該発見された前記他の無線通信装置に近接するかを判定する、請求項1記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記判定部は、前記他の無線通信装置と以前に接続したことがあるか否かに応じて異なる閾値を前記所定値として用いて近接判定を行う、請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項8】
前記判定部は、前記通信部が前記他の無線通信装置から受信した無線信号の受信強度が所定値以上であり、かつ、前記無線通信装置に設けられたセンサにより所定の検知結果が得られた場合に前記通信部が前記他の無線通信装置に近接すると判定する、請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項9】
他の無線通信装置と無線通信が可能な通信部が前記他の無線通信装置に近接するかを判定するステップと、
前記通信部が前記他の無線通信装置に近接すると判定された場合に、前記通信部と前記他の無線通信装置との接続手続きを行うステップと、を含む、無線通信方法。
【請求項10】
無線通信が可能な第1の無線通信装置及び第2の無線通信装置を備える無線通信システムであって、
前記第1の無線通信装置は、
前記第2の無線通信装置と無線通信が可能な通信部と、
前記通信部が前記第2の無線通信装置に近接するかを判定する判定部と、
前記通信部が前記第2の無線通信装置に近接すると判定された場合に、前記通信部と前記第2の無線通信装置との接続手続きを行う制御部と、を備える、無線通信システム。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−199905(P2012−199905A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−12265(P2012−12265)
【出願日】平成24年1月24日(2012.1.24)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年1月24日(2012.1.24)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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