説明

無線通信装置、無線通信端末、無線通信システム及び無線通信方法

【課題】ハンドオーバ先として望ましくないセルへのハンドオーバを防止可能な無線通信装置を提供すること。
【解決手段】特定の端末のみにアクセスを許可するアクセス制限セルを提供可能な無線通信装置は、ハンドオーバ先のセルとして受け入れないセルの報知情報に含めるアクセス制限の識別情報として、当該無線通信装置で使用されていない偽識別情報又は空情報を設定した報知情報を作成する報知情報作成部と、他の無線通信装置から送られたハンドオーバ要求メッセージに偽識別情報又は空情報が含まれていれば、ハンドオーバ要求メッセージに基づくハンドオーバの要求を拒否するハンドオーバ管理部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置が無線通信端末を無線通信装置の意図しないセルへハンドオーバさせることを防ぐ無線通信装置、無線通信端末、無線通信システム及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
標準化団体3GPP(The 3rd Generation Partnership Project)は、LTE(Long Term Evolution)方式と互換性のある次世代の通信規格として、LTE−Advanced(Long Term Evolution Advanced:LTE−A)の標準化を進めている。LTEでは、ネットワーク(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network:E-UTRAN)の無線通信装置(以下「NE(Network Entity)」ともいう)は、1つ以上の通信セルを提供する。
【0003】
無線通信装置は、無線通信基地局(E-UTRAN NodeB:eNB)や張り出し基地局(Remote Radio Head:RRH)、中継装置(Relay Node(RN)又はリピータ)、ホーム基地局(Home eNoede B:HeNB)等といった、無線通信端末(User Equipment:UE)のアクセスポイントとなる装置である。無線通信端末は、無線通信装置が提供する1つ以上の通信セルのうちの1つの通信セルに属する。なお、無線通信端末は、複数の周波数を使用する場合、1つの周波数において1つの通信セルに属する。以下、通信セルを単に「セル」といい、無線通信端末を単に「端末」という。
【0004】
図20は、HeNBが設置される状況の一例を示す図である。図20に示した例では、無線通信装置NE1のエリア内に、複数のHeNB(HeNB1, HeNB2)が設置される。HeNBは、S1インタフェースを介してMME(Mobility Management Entity)と接続する。端末(UE)がHeNBにハンドオーバを行う場合、移動元無線通信装置(Source NE:SNE)は、S1インタフェースを介してHeNBにハンドオーバ要求メッセージを送信する。但し、同じCSG-ID(Closed Subscriber Group Identity)を持つHeNB間でのハンドオーバなど、MMEを介さずにハンドオーバできる場合は、X2インタフェースを介したハンドオーバもサポートされる。S1インタフェースは、無線通信装置とMMEの間を結ぶインタフェースである。X2インタフェースは、無線通信装置間を結ぶインタフェースである。
【0005】
HeNBは、オープンセル、CSG(Closed Subscriber Group)セル又はハイブリッドセルを提供する。オープンセルは、全端末がアクセス可能なセルである。CSGセルは、アクセスできる端末を制限したセルである。このため、端末は、メンバとして登録されているCSGセルにしか接続できない。すなわち、端末は、緊急時を除き、受信品質の良いCSGセルを検出しても、メンバでなければCSGセルに接続できない。端末は、CSGセルの報知情報に含まれるCSG指示(CSG Indication)により、セルがCSGセルかどうかを判断する。端末は、CSG指示が真(TRUE)にセットされる場合、CSGセルと判断する。また、端末はCSGセルの報知情報に含まれるCSG識別子(CSG Identity)により、アクセス可能かどうかを判断する。端末は、ネットワークから通知されるホワイトリスト(アクセス可能なCSGセルのCSG識別子のリストとPLMN(Public Land Mobile Network)識別子のリストを組み合わせた情報)と、検出したCSGセルの報知情報に含まれるCSG識別子を照合する。端末は、当該検出したCSGセルのCSG識別子がホワイトリストに含まれている場合、そのCSGセルのメンバであると判断する。ハイブリッドセルは、オープンセルとCSGセルの両方の要素を持つセルである。ハイブリッドセルは、報知情報において、CSG指示が偽(FALSE)にセットされつつも、CSG識別子が含まれるセルである。
【0006】
全てのセルは、物理セル識別子(Physical Cell Identity:PCI)と呼ばれるセル識別情報を持つ。図20に示すように、端末が現在接続している無線通信装置が提供するセル付近に、同じPCIを持つHeNB基地局が管理するセルが複数存在する場合がある。ここで、HeNB基地局が管理するセルがCSGセルの場合を例にあげて説明する。端末がCSGセルのPCIを含めた測定結果報告(Measurement Report)を無線通信装置に送る場合、この無線通信装置は、CSGセルを一意に判断することができない場合がある。この場合、無線通信装置は、端末に当該セルの報知情報を受信させ、CGIの報告及びCSGセルのメンバかどうかの報告をさせること(reportCGI)を目的とした測定設定(Measurement Configuation)を通知する。この測定設定は、端末にCGIを報告させるセルのPCI、及び、目的がreportCGIであるという情報を含む。端末は、reportCGIを目的とした測定設定を受信すると、PCIで指示されたセルの報知情報であるSIB1(System Information Block Type1)を受信する。端末は、SIB1に含まれるグローバルにユニークなセル識別子であるセルグローバル識別子(Cell Global Identity:CGI)を検出する。また、端末は、SIB1に含まれるCSG識別子と、自身が保持するホワイトリストから、CSGセルのメンバであるかを判断する。端末は、当該セルのCGI、及び、CSGセルのメンバであるかの情報を含む測定結果報告(Measurement Report)を無線通信装置に送信する。無線通信装置は、それらの情報に基づいて、ハンドオーバ先の特定とハンドオーバの決定を判断する。
【0007】
さらに、端末は、CSGセルに接続した際にセルの過去情報(Finger Print)を生成する。端末は、過去情報に基づいて、アクセス可能なCSGセルに近づいたことを検出すると、接続中の無線通信装置に、「Proximity Indication」により通知する。無線通信装置は、「Proximity Indication」により通知された周波数が測定用の設定情報に含まれていない場合は、その周波数の測定設定メッセージを端末に送信する。これにより、端末は、アクセス可能なCSGセルを素早く検知して測定することが可能となる。
【0008】
図21は、無線通信装置SNE1に接続中の端末UE1がHeNB基地局THeNB1にハンドオーバする手順の一例を示すタイミングチャートである。HeNB基地局THeNB1は、CSGセルAを管理している。端末UE1は、過去情報に基づいてCSGセルAに近づいたと判定すると、「Proximity Indication」によりセルAの周波数を無線通信装置SNE1に通知する。無線通信装置SNE1は、セルAの周波数の測定設定(Measurement Configuration)を端末UE1に送信する。端末UE1は、セルAを検知し、セルAの受信品質が測定結果報告(Measurement Report)を送るための条件を満たすと、セルAのPCIと受信品質などを含む測定結果報告(Measurement Report)を無線通信装置SNE1に送信する。無線通信装置SNE1は、測定結果報告に含まれるPCIからセルを特定できない場合、当該PCIのセルAに対するreportCGIを端末UE1に指示する。端末UE1は、reportCGIを指示されたセルAのCGI報告及び、「メンバ(member)」の状態を含む測定結果報告を無線通信装置SNE1に送信する。無線通信装置SNE1は、その情報に基づいて、CSGセルAへのハンドオーバを決定する。無線通信装置SNE1は、セルAのCGIを用いてハンドオーバ要求(Handover Request)メッセージをハンドオーバ先のHeNB基地局(Target HeNB1:THeNB1)に送信する。HeNB基地局THeNB1は、セルAへのハンドオーバ承認(admission)を行う。HeNB基地局THeNB1は、端末UE1に対するハンドオーバコマンドを含むハンドオーバ応答(Handover Response)メッセージを無線通信装置SNE1に送信する。無線通信装置SNE1は、セルAへのハンドオーバを指示するハンドオーバコマンドを端末UE1に送信する。端末UE1は、セルAへのハンドオーバを開始する。また、CSGセルとそれ以外のセルを区別するために、CSGセルのPCIとそれ以外のセルのPCIを区別するPCI区切り(PCI Range)がある。無線通信装置SNE1は、端末からの測定結果報告において「non-member」が通知された場合、PCI区切りにより、ハンドオーバ先のセルがCSGセルであると判断すると、ハンドオーバをさせないと判定する。
【0009】
なお、上記手順は一例である。例えば「Proximity Indication」がない場合でも、無線通信装置からHeNB基地局へのハンドオーバは行われる。また、例えば、端末は、ハイブリッドセルに関しても同様の動作を行う。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】3GPP TS36.300 v10.4.0, “Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(E-UTRAN); Overall description”
【非特許文献2】3GPP TS36.331 v10.2.0, “Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) Radio Resource Control (RRC)”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
図22は、無線通信装置SNE1、HeNB基地局THeNB1及び端末UE1の配置の一例を示す図である。図23は、無線通信装置SNE1が管理する各周波数のセルとHeNB基地局THeNB1が管理する各周波数のセルの一例を示す図である。図23に示すように、無線通信装置SNE1は、周波数f1のCellA(CGI=100)と、周波数f2のCellB(CGI=101)と、周波数f3のCellC(CGI=102)を管理している。HeNB基地局THeNB1は、周波数f1のCell1(CGI=10)と、周波数f2のCell2(CGI=10)を管理している。S1インタフェースをMMEとeNB(無線通信装置SNE1)の間で確立する場合、eNB識別子を用いてS1インタフェースのセットアップが行われる。eNBが管理するセルはCGIが異なるため、各セルを見分けることができる。一方、S1インタフェースをMMEとHeNB(HeNB基地局THeNB1)の間で確立する場合、HeNB識別子を用いてS1インタフェースのセットアップが行われる。HeNB識別子とCGIは同じ値であるため、HeNBが複数のセルを管理する場合、それらのセルは同じCGIを持つことになり、各セルを見分けることができない。
【0012】
図24は、端末が無線通信装置SNE1からHeNB基地局THeNB1にハンドオーバを行うタイミングチャートの一例を示す図である。図24に示す例では、端末UE1は、無線通信装置SNE1のいずれかのセルに接続している。無線通信装置SNE1は、端末UE1に周波数f2の測定設定(Measurement Configuration)を設定する。端末UE1は、Cell2の測定値が測定結果報告を送る条件を満たすと、Cell2の受信品質を含む測定結果報告(Measurement Report)を無線通信装置SNE1に送信する。ここで、無線通信装置SNE1は、Cell2がどのセルかを判別できない場合、Cell2に対するreportCGIを指示する測定設定(Measurement Configuration)を端末UE1に設定する。端末UE1は、Cell2のreportCGIを指示されると、Cell2のSIB1を受信する。端末UE1は、SIB1に含まれるセルのグローバル識別子(Cell Global ID:CGI)を受信する。また、端末UE1は、SIB1によりCSGセルであることを通知されると、SIB1に含まれるCSG識別子と自身の保持するホワイトリストを比較して、自身がCSGセルのメンバであるかを判定する。端末UE1は、Cell2のCGIとCSGのメンバ情報を含めた測定結果報告(Measurement Report)を作成し、無線通信装置SNE1へ送信する。無線通信装置SNE1は、端末UE1から受信した測定結果報告(Measurement Report)に基づいてCell2へのハンドオーバを決定すると、Cell2のCGIを用いてHeNB基地局THeNB1にハンドオーバ要求メッセージ(Handover Request)を送信する。
【0013】
ここで、Cell2のCGIとCell1のCGIは同一であるため、HeNB基地局THeNB1は、上記ハンドオーバ要求メッセージにおけるCGIからCell1へのハンドオーバ要求メッセージであると誤判断することがある。この場合、HeNB基地局THeNB1は、Cell1へのハンドオーバを承認し、Cell1へのハンドオーバコマンドを含むハンドオーバ応答を無線通信装置SNE1に送信する。無線通信装置SNE1は、端末UE1にCell1へのハンドオーバコマンドを送信する。端末UE1は、Cell1へのハンドオーバコマンドを受信すると、Cell1へのハンドオーバを開始する。
【0014】
このように、無線通信装置SNE1は、端末UE1におけるCell1の受信品質がわからない状況において、端末UE1をCell1へハンドオーバさせてしまうことがある。このとき、端末UE1が周波数において最も受信品質の良いセルに接続するとは限らなくなるため、端末UE1の受信品質が悪くなる可能性がある。また、端末UE1が送信する電力が他の端末の送信するデータに対して干渉電力となる可能性が高くなる。したがって、無線通信装置SNE1が端末UE1の受信品質を把握したセルに当該端末UE1をハンドオーバさせる方法が必要である。
【0015】
本発明の目的は、ハンドオーバ先として望ましくないセルへのハンドオーバを防止可能な無線通信装置、無線通信端末、無線通信システム及び無線通信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、特定の端末のみにアクセスを許可するアクセス制限セルを提供可能な無線通信装置であって、ハンドオーバ先のセルとして受け入れないセルの報知情報に含めるアクセス制限の識別情報として、当該無線通信装置で使用されていない偽識別情報又は空情報を設定した前記報知情報を作成する報知情報作成部と、前記報知情報を端末に送信する送信部と、を備えた無線通信装置を提供する。
【0017】
本発明は、無線通信装置と無線通信する無線通信端末であって、通信していない近接する無線通信装置からの報知情報を参照して、当該報知情報が示すセルへのアクセスが禁止されているかを判定するアクセス禁止判定部と、前記アクセス禁止判定部による判定結果が所定セルへのアクセス禁止を示すとき、前記アクセス禁止判定部による判定結果を含む、前記所定セルに係る測定結果報告を作成する測定結果報告作成部と、当該無線通信端末が接続中の無線通信装置に前記測定結果報告を送信する送信部と、を備えた無線通信端末を提供する。
【0018】
本発明は、無線通信装置と無線通信する無線通信端末であって、通信していない近接する無線通信装置からの報知情報を参照して、当該報知情報が示すセルへのアクセスが禁止されているかを判定するアクセス禁止判定部と、前記アクセス禁止判定部による判定結果が所定セルへのアクセス禁止を示すとき、当該無線通信端末が前記所定セルにアクセスが許可された端末ではないことを示すパラメータを含む、前記所定セルに係る測定結果報告を作成する測定結果報告作成部と、当該無線通信端末が接続中の無線通信装置に前記測定結果報告を送信する送信部と、を備えた無線通信端末を提供する。
【0019】
本発明は、無線通信端末が複数のセルを用いて無線通信装置と通信可能な無線通信システムであって、前記無線通信端末は、接続中の無線通信装置から送信された測定設定によって指示された周波数において検知したセルが測定結果報告を送信する条件を満たすと、当該セルの受信品質と、前記測定設定で指示された別の周波数における最も受信品質の良いセルの受信品質とを含む測定結果報告作成する測定結果報告作成部と、前記測定結果報告作成部が作成した測定結果報告を前記接続中の無線通信装置に送信する送信部と、を備え、前記接続中の無線通信装置は、前記無線通信端末への指示として、測定結果報告の送信を判定する周波数における測定設定に、前記測定結果報告を送る際に受信品質が最も良いセルの受信品質を含める別の周波数の指示を含めた測定設定を作成して、前記無線通信端末に送信する無線通信システムを提供する。
【0020】
本発明は、無線通信端末がプライマリセル及びセカンダリセルを含む複数のセルを用いて無線通信装置と通信可能な無線通信システムであって、前記無線通信端末は、複数のセルを用いた通信を第1の無線通信装置と行った際の各セルに係る過去情報を作成して管理する情報管理部と、接続中の第2の無線通信装置から得られた情報と前記情報管理部が管理する過去情報から、前記無線通信端末が前記第1の無線通信装置に近づいたかを判定する近接判定部と、前記情報管理部が管理する過去情報を参照して、前記第1の無線通信装置と通信を行った際の複数のセルに関するセル情報を作成するセル情報作成部と、前記セル情報作成部が作成したセル情報及び前記第2の無線通信装置からの指示に基づく測定結果報告を、前記第2の無線通信装置にそれぞれ送信する送信部と、を備え、前記第2の無線通信装置は、前記無線通信端末への指示として、前記無線通信端末から送信された前記セル情報に含まれるプライマリセルの周波数での受信品質に加えて、前記セル情報に含まれるセカンダリセルの周波数での受信品質が最も良いセルの受信品質を含む測定結果を送信するよう指示する測定設定を作成して、前記無線通信端末に送信する無線通信システムを提供する。
【0021】
本発明は、プライマリセル及びセカンダリセルを含む複数のセルを用いて無線通信装置と通信可能な無線通信端末であって、複数のセルを用いた通信を第1の無線通信装置と行った際の各セルに係る過去情報を作成して管理する過去情報管理部と、接続中の第2の無線通信装置から得られた情報と前記過去情報管理部が管理する過去情報から、当該無線通信端末が前記第1の無線通信装置に近づいたかを判定する近接判定部と、前記過去情報管理部が管理する過去情報を参照して、前記第1の無線通信装置と前記複数のセルを用いて通信を行った際の、前記複数のセルに関するセル情報を作成するセル情報作成部と、前記セル情報作成部が作成したセル情報を前記第2の無線通信装置に送信する送信部と、前記セル情報に含まれるプライマリセルの周波数での受信品質に加えて、前記セル情報に含まれるセカンダリセルの周波数での受信品質が最も良いセルの受信品質を含む測定結果報告を送信するよう指示する測定設定を作成して当該無線通信端末に送信する前記第2の無線通信装置から前記測定設定を受信すると、前記測定設定に応じた測定結果報告を作成する測定結果報告作成部と、を備えた無線通信端末を提供する。
【0022】
本発明は、プライマリセル及びセカンダリセルを含む複数のセルを用いた通信が可能な無線通信端末と無線通信する無線通信装置であって、前記無線通信端末が複数のセルを用いた通信を行ったことのある他の無線通信装置に近接したとき、前記無線通信端末が作成して当該無線通信装置に送信する、前記複数のセルに関するセル情報に含まれるプライマリセルの周波数での受信品質に加えて、前記セル情報に含まれるセカンダリセルの周波数での受信品質が最も良いセルの受信品質を含む測定結果報告を送信するよう指示する測定設定を作成して、前記無線通信端末に送信する無線通信装置を提供する。
【0023】
本発明は、プライマリセル及びセカンダリセルを含む複数のセルを用いて無線通信装置と通信可能な無線通信端末であって、複数のセルを用いた通信を第1の無線通信装置と行った際の各セルに係る過去情報を作成して管理する過去情報管理部と、接続中の第2の無線通信装置から得られた情報と前記過去情報管理部が管理する過去情報から、当該無線通信端末が前記第1の無線通信装置に近づいたかを判定する近接判定部と、前記過去情報管理部が管理する過去情報を参照して、前記第1の無線通信装置と前記複数のセルを用いて通信を行った際の、前記複数のセルに含まれるプライマリセルに関するセル情報を作成するセル情報作成部と、前記セル情報作成部が作成したセル情報及び前記第2の無線通信装置から指示された前記プライマリセルの周波数での測定結果報告を、前記第2の無線通信装置にそれぞれ送信する送信部と、を備えた無線通信端末を提供する。
【0024】
本発明は、特定の端末のみにアクセスを許可するアクセス制限セルを提供可能な無線通信装置が行う無線通信方法であって、ハンドオーバ先のセルとして受け入れないセルの報知情報に含めるアクセス制限の識別情報として、当該無線通信装置で使用されていない偽識別情報又は空情報を設定した前記報知情報を作成し、前記報知情報を端末に送信する無線通信方法を提供する。
【0025】
本発明は、無線通信装置と無線通信する無線通信端末が行う無線通信方法であって、通信していない近接する無線通信装置からの報知情報を参照して、当該報知情報が示すセルへのアクセスが禁止されているかを判定し、判定結果が所定セルへのアクセス禁止を示すとき、前記判定結果を含む、前記所定セルに係る測定結果報告を作成し、前記無線通信端末が接続中の無線通信装置に前記測定結果報告を送信する無線通信方法を提供する。
【0026】
本発明は、無線通信装置と無線通信する無線通信端末が行う無線通信方法であって、通信していない近接する無線通信装置からの報知情報を参照して、当該報知情報が示すセルへのアクセスが禁止されているかを判定し、判定結果が所定セルへのアクセス禁止を示すとき、前記無線通信端末が前記所定セルにアクセスが許可された端末ではないことを示すパラメータを含む、前記所定セルに係る測定結果報告を作成し、前記無線通信端末が接続中の無線通信装置に前記測定結果報告を送信する無線通信方法を提供する。
【0027】
本発明は、プライマリセル及びセカンダリセルを含む複数のセルを用いて無線通信装置と通信可能な無線通信端末が行う無線通信方法であって、複数のセルを用いた通信を第1の無線通信装置と行った際の各セルに係る過去情報を作成して管理し、接続中の第2の無線通信装置から得られた情報と前記過去情報から、前記無線通信端末が前記第1の無線通信装置に近づいたかを判定し、前記過去情報を参照して、前記第1の無線通信装置と前記複数のセルを用いて通信を行った際の、前記複数のセルに関するセル情報を作成して、前記第2の無線通信装置に送信し、前記第2の無線通信装置から送信された、前記セル情報が示すプライマリセルの周波数での受信品質に加えて、前記セル情報に含まれるセカンダリセルの周波数での受信品質が最も良いセルの受信品質を含む測定結果報告を送信するよう指示する測定設定を受信し、前記測定設定で指示された前記プライマリセルの周波数での受信品質と、セカンダリセルの周波数の最も良い受信品質と、を含む測定結果報告を、前記第2の無線通信装置に送信する無線通信方法を提供する。
【0028】
本発明は、プライマリセル及びセカンダリセルを含む複数のセルを用いた通信が可能な無線通信端末と無線通信する無線通信装置が行う無線通信方法であって、前記無線通信端末が複数のセルを用いた通信を行ったことのある他の無線通信装置に近接したとき、前記無線通信端末が作成して前記無線通信装置に送信する、前記複数のセルに関するセル情報に含まれるプライマリセルの周波数での受信品質に加えて、前記セル情報に含まれるセカンダリセルの周波数での受信品質が最も良いセルの受信品質を含む測定結果報告を送信するよう指示する測定設定を作成して、前記無線通信端末に送信する無線通信方法を提供する。
【0029】
本発明は、プライマリセル及びセカンダリセルを含む複数のセルを用いて無線通信装置と通信可能な無線通信端末が行う無線通信方法であって、複数のセルを用いた通信を第1の無線通信装置と行った際の各セルに係る過去情報を作成して管理し、接続中の第2の無線通信装置から得られた情報と前記過去情報から、前記無線通信端末が前記第1の無線通信装置に近づいたかを判定し、前記過去情報を参照して、前記第1の無線通信装置と前記複数のセルを用いて通信を行った際の、前記複数のセルに含まれるプライマリセルに関するセル情報を作成して、前記第2の無線通信装置に送信し、前記第2の無線通信装置から送信された、前記セル情報が示すプライマリセルの周波数での測定結果報告を送信するよう指示する測定設定を受信し、前記測定設定で指示された前記プライマリセルの周波数での測定結果報告を、前記第2の無線通信装置に送信する無線通信方法を提供する。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る無線通信装置、無線通信端末、無線通信システム及び無線通信方法によれば、ハンドオーバ先として望ましくないセルへのハンドオーバを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】第1の実施形態の無線通信システムにおいて、端末UE1が「Proximity Indication」を送信する際のタイミングチャートの一例を示す図
【図2】第1の実施形態の無線通信システムを構成する端末UE1のブロック図
【図3】第1の実施形態の無線通信システムを構成する無線通信装置SNE1のブロック図
【図4】第2の実施形態の無線通信システムにおいて、端末UE1が測定結果報告を送信する際のタイミングチャートの一例を示す図
【図5】第2の実施形態の無線通信システムを構成する端末UE1のブロック図
【図6】第2の実施形態における端末UE1の動作の一例を示すフローチャート
【図7】第2の実施形態の無線通信システムを構成する無線通信装置SNE1のブロック図
【図8】第2の実施形態の無線通信システムを構成するHeNB基地局THeNB1のブロック図
【図9】第2の実施形態の無線通信システムにおいて、端末UE1が測定結果報告を送信する際のタイミングチャートの他の例を示す図
【図10】第3の実施形態の無線通信システムにおいて、端末UE1が測定結果報告を送信する際のタイミングチャートの一例を示す図
【図11】第3の実施形態の無線通信システムを構成する端末UE1のブロック図
【図12】第3の実施形態の無線通信システムを構成する無線通信装置SNE1のブロック図
【図13】第3の実施形態の無線通信システムを構成するHeNB基地局THeNB1のブロック図
【図14】第3の実施形態におけるHeNB基地局THeNB1の動作の一例を示すフローチャート
【図15】第4の無線通信システムにおいて、端末UE1が測定結果報告を送信する際のタイミングチャートの一例を示す図
【図16】第4の実施形態の無線通信システムを構成する端末UE1のブロック図
【図17】第4の実施形態における端末UE1の動作の一例を示すフローチャート
【図18】第4の実施形態の無線通信システムを構成する無線通信装置SNE1のブロック図
【図19】第4の実施形態の無線通信システムを構成するHeNB基地局THeNB1のブロック図
【図20】HeNBが設置される状況の一例を示す図
【図21】無線通信装置SNE1に接続中の端末UE1がHeNB基地局THeNB1にハンドオーバする手順の一例を示すタイミングチャート
【図22】無線通信装置SNE1、HeNB基地局THeNB1及び端末UE1の配置の一例を示す図
【図23】無線通信装置SNE1が管理する各周波数のセルとHeNB基地局THeNB1が管理する各周波数のセルの一例を示す図
【図24】端末が無線通信装置SNE1からHeNB基地局THeNB1にハンドオーバを行うタイミングチャートの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明に係る無線通信システムの実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下説明する実施形態の無線通信システムは、少なくとも1つの無線通信端末と、無線通信ネットワークを介して無線通信端末と通信可能な複数の無線通信装置とを備える。以下の説明では、無線通信端末を単に「端末」という。端末は、例えば携帯電話機である。また、以下の説明において、無線通信装置とは、無線通信基地局(E-UTRAN NodeB:eNB)、無線通信基地局から離れた位置に設置される張り出し基地局(Remote Radio Head:RRH)、無線通信基地局等と無線により接続される中継装置(リレーノード又はリピータ)、HeNB基地局、フェムト基地局及びピコ基地局等を総称した、端末が無線により通信可能な装置である。なお、張り出し基地局(RRH)は、無線通信基地局(eNB)の無線部(Radio Frequency部:RF部)と同様の機能を有し、光ファイバケーブル等の有線ケーブルで無線通信基地局(eNB)に接続されている。
【0033】
無線通信システムは、3GPP(The 3rd Generation Partnership Project)で規格化されているLTE又はLTE−Aの移動通信技術を利用する。但し、無線通信システムが利用する移動通信技術は、上記規格に限られず、無線LAN(Wireless Local Area Network)、IEEE802.16、IEEE802.16e若しくはIEEE802.16m等のWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、3GPP2、SAE(System Architecture Evolution)、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)、又は第四世代移動通信規格であっても良い。
【0034】
各無線通信装置は、少なくとも1つの通信セルを構成する。通信セルは、地理的エリアに対して割り当てられた識別子又は当該地理的エリアで用いられる周波数の相違に基づいて、端末がユニークに識別できる無線ネットワークオブジェクトをいう。
【0035】
以下の説明では、通信セルを単に「セル」という。1つの無線通信装置によって、1つ以上のキャリア周波数の各々につき、1つ以上のセルが構成される。なお、上記構成は基本概念であり、無線通信装置が他の無線通信装置と協調して1つのセルを構成しても良い。また、端末は、無線通信装置が構成する少なくとも1つのセルを利用して通信する。
【0036】
以下、第1〜第4の実施形態の無線通信システムについて順に説明する。
【0037】
(第1の実施形態)
図1〜図3を参照して、第1の実施形態の無線通信システムについて説明する。第1の実施形態の無線通信システムは、無線通信端末(端末)及び無線通信装置から構成される。端末は、ダウンリンクで無線通信装置からセル毎に送信された参照信号を受信して、定められた計算式に基づいて導出される測定結果を無線通信装置に報告する。無線通信装置は、各端末に対して無線リソース(例えば、周波数領域又は時間領域での周波数帯域)の割り当て及び管理を行い、端末のための無線アクセスネットワークのアクセスポイントの役割を有する。また、無線通信装置は、端末からの測定結果報告に基づいて他のセルへのハンドオーバが必要と判断した際にハンドオーバ処理を行う機能を有する。
【0038】
図1は、第1の実施形態の無線通信システムにおいて、端末UE1が「Proximity Indication」を送信する際のタイミングチャートの一例を示す図である。図1に示すように、端末UE1は、HeNB基地局が管理するPCell(Primary Cell)とSCell(Secondary Cell)を使用してキャリアアグリゲーションを行った際に、過去情報(Finger Print)を作成する。なお、端末UE1は、HeNB基地局が提供するセルがCSGセル又はハイブリッドセルの場合にのみ過去情報を作成してもよい。端末UE1は、過去情報に基づいて、以前接続したセルに近づいたかどうかを判定する。なお、以前接続したセルとは、端末UE1が接続することを許可されたセルである。端末UE1は、以前接続したセルに近づいたと判定すると、接続しているセル(Serving Cell、以下「自セル」という)を提供する無線通信装置(Source Network Entity:SNE1)に、PCellの情報から「Proximity Indication」を作成し、無線通信装置SNE1に送信する。無線通信装置SNE1は、端末UE1から「Proximity Indication」を受信し、この「Proximity Indication」に含まれる周波数を端末UE1に測定させるための測定設定(Measurement Configuration)を作成する。次に、無線通信装置SNE1は、作成した測定設定(Measurement Configuration)を端末UE1に送信する。端末UE1は、測定設定(Measurement Configuration)に基づき測定を行う。
【0039】
このように、端末UE1は、PCellの情報から作成された「Proximity Indication」を無線通信装置SNE1に送信するため、SCellに対する測定設定(Measurement Configuration)を無線通信装置SNE1から受信しない。その結果、端末UE1は、SCellに対する測定結果報告(Measurement Report)を無線通信装置SNE1に送信しない。したがって、無線通信装置SNE1がSCellの受信品質を含む測定結果報告を元にハンドオーバを決定し、意図せずPCellへのハンドオーバを端末UE1に指示してしまうことを防ぐことができる。
【0040】
[第1の実施形態の端末UE1の構成]
図2は、第1の実施形態の無線通信システムを構成する端末UE1のブロック図である。図2に示すように、第1の実施形態の端末UE1は、受信部101と、制御部103と、送信部105とを備える。制御部103は、過去情報管理部111と、Proximity検知部113と、Proximity Indication作成部115と、ホワイトリスト管理部117と、CSGメンバ判定部119と、測定管理部121と、測定結果報告作成部123とを有する。なお、Proximity Indication作成部115は、PCell選択部125を含む。
【0041】
受信部101は、制御部103からの指示に応じて、端末UE1が接続しているセルのダウンリンクを介して、報知情報又は個別制御情報等の制御情報を受信する。受信部101は、受信した報知情報及び個別制御情報等を制御部103へ出力する。また、受信部101は、制御部103の測定管理部121からの指示に応じて、参照信号(例えば、セル参照信号(Cell Reference Signal:CRS))の受信又は受信信号強度(Received Signal Strength Indication:RSSI)の測定等を行う。受信部101は、受信した参照信号又はRSSI等の測定結果を制御部103の測定管理部121に出力する。
【0042】
制御部103は、受信部101に報知情報又は個別制御情報等の受信を指示する。制御部103には、受信部101が受信した報知情報又は個別制御情報等の制御情報が入力される。制御部103は、個別制御情報に測定設定が含まれる場合、測定管理部121に測定設定を出力する。また、測定設定にreportCGIが指示されている場合、制御部103は、測定設定で指示される対象となるセルの報知情報の1つであるSIB1の受信を受信部101に指示する。制御部103は、reportCGIの指示に対応したSIB1が入力され、SIB1にCSG識別子が含まれると、CSG識別子をCSGメンバ判定部119に出力する。なお、制御部103は、ホワイトリスト管理部117からPLMN識別子を出力するよう指示されると、SIB1に含まれるPLMN識別子を出力する。なお、PLMN識別子は、オペレータを判別するための識別子である。制御部103は、CSGメンバ判定部119から入力されたCSG識別子と、「メンバ(member)」の状態と、SIB1に含まれているCGIと、PCI(Physical Cell Identity)とを測定結果報告作成部123に出力する。なお、「メンバ(member)」の状態とは、端末UE1がCSGのメンバである(member)か、メンバではない(non-member)かの判断結果である。また、制御部103は、SIB1にCSG識別子が含まれない場合、SIB1に含まれているCGIと、PCIとを測定結果報告作成部123に出力する。
【0043】
制御部103は、SIB1にCSG識別子が含まれている場合、すなわち、CSGセル又はハイブリッドセルに接続したときに、過去情報(Finger Print)を作成するよう過去情報管理部111に指示する。制御部103は、個別制御情報(RRC Connection Reconfiguration)において、「Proximity Indication」を送信するか否かを示すパラメータ「proximityIndicationEUTRA」が「Enable」に設定されている場合、「Proximity Indication」を送るべきか判断するようにProximity検知部113に通知する。制御部103は、個別制御情報を受信するとその応答メッセージを作成し、送信部105へ出力する。
【0044】
以下、制御部103が有する各構成要素について説明する。
【0045】
過去情報管理部111は、制御部103から過去情報(Finger Print)を作成するよう指示されると、接続しているセルから過去情報(Finger Print)を作成する。過去情報管理部111は、例えば、接続しているセル、隣接するセルの情報、及び、周波数情報などを一緒に管理する。さらに、過去情報管理部111は、接続しているセルがPCell(Primary Cell)であるか、キャリアアグリゲーションのSCell(Secondary Cell)であるかを区別して保持する。なお、単独で接続しているセルはPCellとして管理する。過去情報管理部111は、Proximity検知部113からの通知に応じて、保持している情報をProximity検知部113に出力する。過去情報管理部111は、PCell選択部125からセルがPCellかSCellかをたずねられると、PCellかSCellかを通知する。
【0046】
Proximity検知部113は、制御部103から「Proximity Indication」を送るか判断するように通知されると、過去情報管理部111に管理している情報を出力するように通知する。Proximity検知部113は、過去情報管理部111から入力された過去情報や、例えば、周囲のセルの状況などから、CSGセル又はハイブリッドセルに近づいたかどうかを検知する。Proximity検知部113は、過去情報に記載されたCSGセル又はハイブリッドセルに近づいたと検知すると、検知したCSGセル又はハイブリッドセルに対応する「Proximity Indication」を作成するようProximity Indication作成部115に指示する。
【0047】
Proximity Indication作成部115は、Proximity検知部113から指示されたCSGセル又はハイブリッドセルの情報を、Proximity Indication作成部115のPCell選択部125に出力する。Proximity Indication作成部115は、PCell選択部125から出力された周波数に基づいて「Proximity Indication」を作成し、送信部105へ出力する。Proximity Indication作成部115は、PCell選択部125から周波数の入力がない場合は、「Proximity Indication」を作成しない。
【0048】
Proximity Indication作成部115のPCell選択部125は、入力されたセルがPCellであったかどうかを過去情報管理部111に確認する。PCell選択部125は、入力されたセルがPCellであると過去情報管理部111から入力された場合、当該セルの周波数をProximity Indication作成部115に出力する。PCell選択部125は、入力されたセルがPCellではなかった場合、Proximity Indication作成部115に周波数を出力しない。このようにすることで、PCell以外のセルに対する測定設定を無線通信装置に要求しないですむため、無線通信装置が意図しないセル(PCell)へのハンドオーバを防ぐことができる。
【0049】
ホワイトリスト管理部117は、制御部103から入力されたホワイトリストを管理する。ホワイトリスト管理部117は、CSGメンバ判定部119からの指示に応じてホワイトリストを出力する。
【0050】
CSGメンバ判定部119は、制御部103からCSG識別子が入力されると、ホワイトリスト管理部117にホワイトリストを出力するよう指示する。CSGメンバ判定部119は、ホワイトリスト管理部117から入力されたホワイトリストに制御部103から入力されたCSG識別子が含まれるかを照合する。なお、CSGメンバ判定部119は、必要である場合、制御部103にPLMN識別子の出力を指示し、ホワイトリストと入力されたCSG識別子の照合に使用する。CSGメンバ判定部119は、制御部103から入力されたCSG識別子がホワイトリストに合致すると判定した場合、CSG識別子とメンバである(member)ことを制御部103に出力する。CSGメンバ判定部119は、制御部103から入力されたCSG識別子がホワイトリストに合致しないと判定した場合、CSG識別子とメンバではない(non-member)ことを制御部103に出力する。
【0051】
測定管理部121は、測定設定に基づき、セルの受信品質の測定を受信部101に出力する。測定管理部121は、受信部101から入力されたセルの受信品質に基づいて、測定結果報告を送ると判断する。測定管理部121は、測定結果報告を送ると判断すると、受信部101から入力されたセルの受信品質を測定結果報告作成部123に出力する。また、測定管理部121は、受信部101から入力されたセルの受信品質を管理する。
【0052】
測定結果報告作成部123は、測定管理部121から測定結果報告を作成するように指示されると、入力されたセルの受信品質から測定結果報告を作成する。また、測定結果報告作成部123は、制御部103から入力された情報に基づいて測定結果報告を作成する。すなわち、測定結果報告作成部123は、制御部103から、PCI、CGI、CSG識別子及びメンバである(member)かメンバではない(non-member)かの判定結果が入力されると、それらの情報も含めて測定結果報告を作成する。測定結果報告作成部123は、測定結果報告を送信部105に出力する。
【0053】
送信部105は、制御部103、制御部103のProximity Indication作成部115、制御部103の測定結果報告作成部123から入力された情報を、接続しているセルに送信する。
【0054】
[第1の実施形態の無線通信装置SNE1の構成]
図3は、第1の実施形態の無線通信システムを構成する無線通信装置SNE1のブロック図である。図3に示すように、第1の実施形態の無線通信装置SNE1は、無線受信部151と、無線送信部153と、制御部155とを備える。制御部155は、測定設定管理部161と、ハンドオーバ管理部163とを有する。
【0055】
無線受信部151は、端末UE1から送信された個別制御情報に対する応答メッセージ、測定結果報告(Measurement Report)、「Proximity Indication」などを受信して、制御部155に出力する。
【0056】
制御部155は、無線受信部151が受信した測定結果報告(Measurement Report)をハンドオーバ管理部163に出力する。制御部155は、無線受信部151が受信した「Proximity Indication」を測定設定管理部161に出力する。制御部155は、報知情報を作成し、無線送信部153に出力する。また、制御部155は、ハンドオーバ管理部163からの指示、測定設定管理部161から入力される情報などから個別制御情報を作成し、無線送信部153に出力する。
【0057】
ハンドオーバ管理部163は、測定結果報告に基づいてハンドオーバ先のセルを決定する。ハンドオーバ管理部163は、CSGセル又はハイブリッドセルへのハンドオーバをサポートする場合、端末に「Proximity Indication」を送信させるために、パラメータ「proximityIndicationEUTRA」を「Enable」に設定した個別制御情報の作成を制御部155に指示する。
【0058】
測定設定管理部161は、「Proximity Indication」に含まれる周波数の測定設定を作成し、制御部155に出力する。
【0059】
無線送信部153は、個別制御情報、報知情報を端末UE1に送信する。
【0060】
以上説明したように、本実施形態によれば、端末UE1は、PCellの情報から作成した「Proximity Indication」を送信するため、「Proximity Indication」により、無線通信装置SNE1からSCellに対する測定設定(Measurement Configuration)を受信しない。その結果、端末UE1は、SCellに対する測定結果報告を無線通信装置SNE1に送信しない。したがって、無線通信装置SNE1がSCellの受信品質を含む測定結果報告を元にハンドオーバを決定し、意図せずPCellへのハンドオーバを端末UE1に指示してしまうことを防ぐことができる。
【0061】
なお、本実施形態では、端末UE1がPCellの情報から「Proximity Indication」を作成すると説明したが、端末UE1は、過去情報を作成する際にPCellのみを考慮するようにしてもよい。すなわち、端末UE1は、無線通信装置SNE1とは異なるHeNBが管理するPCellとSCellを使用してキャリアアグリゲーションを行った際に、PCellに対してのみ過去情報(Finger Print)を作成する。端末UE1は、過去情報から、以前接続したセルに近づいたと判定する。端末UE1は、自セルを提供する無線通信装置SNE1に、過去情報から作成した「Proximity Indication」を送信する。無線通信装置SNE1は、端末UE1から「Proximity Indication」を受信し、「Proximity Indication」に含まれる周波数を端末UE1に測定させるための測定設定(Measurement Configuration)を作成する。次に、無線通信装置SNE1は、この測定設定(Measurement Configuration)を端末UE1に送信する。端末UE1は、測定設定(Measurement Configuration)に基づき測定を行う。このようにすることで、端末UE1は、過去情報から作成した「Proximity Indication」により、無線通信装置SNE1からSCellに対する測定設定(Measurement Configuration)を受信しない。その結果、端末UE1は、SCellに対する測定結果報告を無線通信装置SNE1に送信しない。したがって、無線通信装置SNE1がSCellの受信品質を含む測定結果報告を元にハンドオーバを決定し、意図せずPCellへのハンドオーバ端末UE1に指示してしまうことを防ぐことができる。
【0062】
(第2の実施形態)
図4〜図9を参照して、第2の実施形態の無線通信システムについて説明する。第2の実施形態の無線通信システムは、無線通信端末(端末)及び無線通信装置から構成される。端末は、ダウンリンクで無線通信装置からセル毎に送信された参照信号を受信して、定められた計算式に基づいて導出される測定結果を無線通信装置に報告する。無線通信装置は、各端末に対して無線リソース(例えば、周波数領域又は時間領域での周波数帯域)の割り当て及び管理を行い、端末のための無線アクセスネットワークのアクセスポイントの役割を有する。また、無線通信装置は、端末からの測定結果報告に基づいて他のセルへのハンドオーバが必要と判断した際にハンドオーバ処理を行う機能を有する。
【0063】
無線通信装置の1つであるHeNB基地局が複数のセルを管理する場合、セル間で同じCGIが用いられる。このような場合、1つのセルは通常通り運用し、それ以外のセルを「Cell barred(アクセス禁止)」として運用する。そして、HeNB基地局は、通常通り運用するセルのみで端末と接続するか、通常通り運用するセルをPCellとし、それ以外のセルをSCellとしてキャリアアグリゲーションを運用する。図22及び図23に示した例であれば、HeNB基地局(THeNB1)は、周波数f1のCell1(CGI=10)と周波数f2のCell2(CGI=10)を管理する。この場合、周波数f1のCell1は、キャリアアグリゲーションのPCell又は単一の接続するセルとして利用される。一方、周波数f2のCell2は、キャリアアグリゲーションのSCellとして利用されるか、アクセス禁止(barred)として運用される。
【0064】
図4は、第2の実施形態の無線通信システムにおいて、端末UE1が測定結果報告を送信する際のタイミングチャートの一例を示す図である。図4に示すように、端末UE1は、無線通信装置SNE1から周波数f2の測定設定(Measurement Configuration)を受信する。端末UE1は、Cell2を検知し、Cell2の受信品質が測定結果報告を送る条件を満たすと、Cell2の受信品質を含む測定結果報告(Measurement Report)を無線通信装置SNE1に送信する。無線通信装置SNE1は、Cell2を特定できない場合、Cell2のreportCGIを指示する測定設定(Measurement Configuration)を端末UE1に送信する。このとき、HeNB基地局THeNB1は、Cell2の報知情報の1つであるSIB1のパラメータ「Cell barred」の値を「barred(アクセス禁止)」として報知する。端末UE1は、無線通信装置SNE1から、Cell2のreportCGIを指示されると、HeNB基地局THeNB1が管理しているCell2のSIB1を受信する。端末UE1は、SIB1に含まれるCGIを取得する。また、端末UE1は、SIB1に含まれるパラメータ「Cell barred」の値が「アクセス禁止(barred)」であるかを確認する。端末UE1は、Cell2のCGI及びCell2がアクセス禁止(barred)であるかの確認結果を含む測定結果報告を無線通信装置SNE1に送信する。なお、測定結果報告には、CSG識別子と「メンバ(member)」の状態が含まれても良い。無線通信装置SNE1は、測定結果報告に含まれるCell2のSIB1に含まれるパラメータ「Cell barred」の値の確認結果がアクセス禁止(barred)である場合、Cell2へはハンドオーバさせないと判断する。
【0065】
このように、reportCGIに対する測定結果報告において、端末UE1がアクセス禁止(barred)の確認結果を無線通信装置SNE1に通知することで、無線通信装置SNE1が端末UE1を意図しないセルへハンドオーバさせることを防ぐことができる。また、無線通信装置SNE1がハンドオーバをさせないことを判定することができるため、ハンドオーバ要求メッセージとハンドオーバを拒否するハンドオーバ応答メッセージの送受信を省略することができ、ネットワークの負荷、及び、無線通信装置SNE1とHeNB基地局THeNB1における処理負荷を軽減することができる。
【0066】
[第2の実施形態の端末UE1の構成]
図5は、第2の実施形態の無線通信システムを構成する端末UE1のブロック図である。図5に示すように、第2の実施形態の端末UE1は、受信部201と、制御部203と、送信部205とを備える。制御部203は、測定管理部211と、測定結果報告作成部213と、ホワイトリスト管理部215と、CSGメンバ判定部217と、アクセス禁止判定部219とを有する。
【0067】
受信部201は、制御部203からの指示に応じて、端末UE1が接続しているセルのダウンリンクを介して、報知情報又は個別制御情報等の制御情報を受信する。受信部201は、受信した報知情報及び個別制御情報等を制御部203へ出力する。また、受信部201は、制御部203の測定管理部211からの指示に応じて、参照信号(例えば、セル参照信号(Cell Reference Signal:CRS))の受信又は受信信号強度(Received Signal Strength Indication:RSSI)の測定等を行う。受信部201は、受信した参照信号又はRSSI等の測定結果を制御部203の測定管理部211に出力する。
【0068】
制御部203は、受信部201に報知情報又は個別制御情報等の受信を指示する。制御部203には、受信部201が受信した報知情報又は個別制御情報等の制御情報が入力される。制御部203は、個別制御情報に含まれるホワイトリストをホワイトリスト管理部215に出力する。制御部203は、個別制御情報に測定設定が含まれる場合、測定管理部211に測定設定を出力する。また、測定設定にreportCGIが指示されている場合、制御部203は、測定設定で指示される対象となるセルの報知情報の1つであるSIB1の受信を受信部201に指示する。制御部203は、reportCGIの指示に対応したSIB1が入力されると、CSG識別子がSIB1に含まれる場合、当該CSG識別子をCSGメンバ判定部217に出力する。なお、制御部203は、ホワイトリスト管理部215からPLMN識別子を出力するよう指示されると、SIB1に含まれるPLMN識別子を出力する。なお、PLMN識別子は、オペレータを判別するための識別子である。制御部203は、SIB1に含まれるパラメータ「Cell barred」の値をアクセス禁止判定部219に出力する。制御部203は、アクセス禁止判定部219から入力された「Cell barred」の値が「barred」であるかどうかの判定結果と、SIB1に含まれているCGIと、PCI(Physical Cell Identity)とを測定結果報告作成部213に出力する。なお、制御部203は、CSGメンバ判定部217からCSG識別子と「メンバ(member)」の状態とが入力される場合、それらの値も一緒に測定結果報告作成部213に出力する。
【0069】
以下、制御部203が有する各構成要素について説明する。
【0070】
ホワイトリスト管理部215は、制御部203から入力されたホワイトリストを管理する。ホワイトリスト管理部215は、CSGメンバ判定部217からの指示に応じてホワイトリストを出力する。
【0071】
CSGメンバ判定部217は、制御部203からCSG識別子が入力されると、ホワイトリスト管理部215にホワイトリストを出力するよう指示する。CSGメンバ判定部217は、ホワイトリスト管理部215から入力されたホワイトリストに制御部203から入力されたCSG識別子が合致するかを照合する。なお、CSGメンバ判定部217は、必要である場合、制御部203にPLMN識別子の出力を指示し、ホワイトリストと入力されたCSG識別子の照合に使用する。CSGメンバ判定部217は、制御部203から入力されたCSG識別子がホワイトリストに合致すると判定した場合、CSG識別子とメンバである(member)ことを制御部203に出力する。CSGメンバ判定部217は、制御部203から入力されたCSG識別子がホワイトリストに合致しないと判定した場合、CSG識別子とメンバではない(non-member)ことを制御部203に出力する。
【0072】
アクセス禁止判定部219は、制御部203から入力されたパラメータ「Cell barred」の値が「barred」である場合、制御部203にアクセス禁止(barred)であると出力する。アクセス禁止判定部219は、制御部203から入力されたパラメータ「Cell barred」の値が「not barred」である場合、制御部203にアクセス可能(not barred)であると出力する。
【0073】
測定管理部211は、測定設定に基づき、セルの受信品質の測定を受信部201に出力する。測定管理部211は、受信部201から入力されたセルの受信品質に基づいて、測定結果報告を送ると判断する。測定管理部211は、測定結果報告を送ると判断すると、受信部201から入力されたセルの受信品質を測定結果報告作成部213に出力する。また、測定管理部211は、受信部201から入力されたセルの受信品質を管理する。
【0074】
測定結果報告作成部213は、測定管理部211から測定結果報告を作成するように指示されると、入力されたセルの受信品質から測定結果報告を作成する。また、測定結果報告作成部213は、制御部203からPCI、CGI及びアクセス禁止(barred)の確認結果が入力されると、それらの情報から測定結果報告を作成する。なお、測定結果報告作成部213は、制御部203からCSG識別子と「member」の状態を示す情報が一緒に入力される場合、それらの値も含めて測定結果報告を作成する。測定結果報告作成部213は、測定結果報告を送信部205に出力する。
【0075】
送信部205は、制御部203、制御部203の測定結果報告作成部213から入力された情報を、接続しているセルに送信する。
【0076】
[第2の実施形態の端末UE1の動作フローチャート]
図6は、第2の実施形態における端末UE1の動作の一例を示すフローチャートである。端末UE1は、無線通信装置SNE1から測定設定(Measurement Configuration)を受信する(ステップS201)。次に、端末UE1は、測定設定の指示に応じて、セルの受信品質の測定を行う(ステップS202)。次に、端末UE1は、測定したセルの受信品質が測定結果報告を報告する条件を満たすか否かを判断し(ステップS203)、条件を満たせばステップS204に進む。ステップS204では、端末UE1は、測定結果報告を報告する条件を満たしたセルの受信品質から測定結果報告を作成し、無線通信装置SNE1に送信する。次に、端末UE1は、無線通信装置SNE1から特定のセルのreportCGIを指示する測定設定を受信する(ステップS205)。なお、特定のセルは、物理セル識別子(PCI)により指示される。
【0077】
次に、端末UE1は、reportCGIを指示されたセルのSIB1を受信する(ステップS206)。次に、端末UE1は、受信したSIB1に含まれるパラメータ「Cell barred」の値がアクセス禁止(barred)を示しているかどうかを確認する(ステップS207)。受信したSIB1に含まれるパラメータ「Cell barred」の値がアクセス禁止(barred)を示している場合はステップS208に進み、アクセス可能(not barred)を示している場合はステップS209に進む。
【0078】
ステップS208では、端末UE1は、reportCGIを指示されたセルのPCIと、SIB1に含まれるCGIと、当該セルがアクセス禁止(barred)であることを含む測定結果報告を作成する。一方、ステップS209では、端末UE1は、reportCGIを指示されたセルのPCIと、SIB1に含まれるCGIと、当該セルがアクセス可能(not barred)であることを含む測定結果報告を作成する。なお、測定結果報告に含まれるアクセス禁止(barred)であるかアクセス可能(not barred)であるかを示す情報は1ビットで指示してもよい。ステップS208又はステップS209の後、端末UE1は、測定結果報告を無線通信装置SNE1に送信する(ステップS210)。
【0079】
なお、端末UE1は、reportCGIを指示されて受信するSIB1にCSG識別子が含まれる場合、CSG識別子とホワイトリストを照合して、測定結果報告にはCSG識別子と「メンバ(member)」の状態を含めても良い。
【0080】
[第2の実施形態の無線通信装置SNE1の構成]
図7は、第2の実施形態の無線通信システムを構成する無線通信装置SNE1のブロック図である。図7に示すように、第2の実施形態の無線通信装置SNE1は、無線受信部251と、ネットワーク用受信部253と、ネットワーク用送信部255と、無線送信部257と、制御部259とを備える。制御部259は、測定設定管理部261と、ハンドオーバ管理部263とを有する。なお、ハンドオーバ管理部263は、アクセス禁止判定部265を含む。
【0081】
無線受信部251は、端末UE1から送信された個別制御情報に対する応答メッセージ、測定結果報告(Measurement Report)などを受信して、制御部259に出力する。
【0082】
ネットワーク用受信部253は、ハンドオーバ応答(Handover Response)メッセージを受信して、制御部259に出力する。
【0083】
ネットワーク用送信部255は、ハンドオーバ要求(Handover Request)メッセージを送信する。
【0084】
制御部259は、無線受信部251が受信した測定結果報告(Measurement Report)をハンドオーバ管理部263に出力する。制御部259は、報知情報を作成し、無線送信部257に出力する。また、制御部259は、ハンドオーバ管理部263からの指示、測定設定管理部261から入力される情報などから個別制御情報を作成し、無線送信部257に出力する。
【0085】
ハンドオーバ管理部263は、測定結果報告からセルを特定できない場合、当該セルのCGIを報告させるための測定設定を作成するよう測定設定管理部261に指示する。ハンドオーバ管理部263は、測定結果報告からセルを特定できる場合、当該セルにハンドオーバさせるかを判断する。ハンドオーバ管理部263は、そのセルにハンドオーバさせると決定すると、当該セルに対するCSG識別子、メンバ(member)情報が測定結果報告に含まれる場合には、それらの情報を含むハンドオーバ要求メッセージを作成し、当該セルを管理するHeNB基地局THeNB1にハンドオーバ要求メッセージを送信するようネットワーク用送信部255に出力する。このとき、ハンドオーバ管理部263は、測定結果報告に含まれるパラメータ「Cell barred」の値をアクセス禁止判定部265に出力する。ハンドオーバ管理部263は、アクセス禁止判定部265から当該セルに対してアクセス禁止(barred)であるという情報が入力されると、当該セルへのハンドオーバを行わないと判断する。また、ハンドオーバ管理部263は、端末UE1からの測定結果報告で「non-member」が通知された場合、PCI区切り(PCI Range)により、ハンドオーバ先のセルがCSGセルで判断すると、ハンドオーバを行わないと判断する。
【0086】
また、ハンドオーバ管理部263は、ハンドオーバ応答メッセージにハンドオーバを承認するという指示が含まれている場合、ハンドオーバ応答メッセージに含まれるハンドオーバコマンドを、端末UE1に送信するため、制御部259に出力する。一方、ハンドオーバ応答メッセージにハンドオーバを承認しないという指示が含まれている場合、ハンドオーバ管理部263は、接続中のセル以外へのハンドオーバに切り替えるか、当該セルへの接続を維持させる。
【0087】
アクセス禁止判定部265は、ハンドオーバ管理部263から入力されたパラメータ「Cell barred」の値がアクセス禁止(barred)を示している場合、当該セルに対してアクセス禁止(barred)であるという情報をハンドオーバ管理部263に出力する。
【0088】
測定設定管理部261は、測定設定を作成し、制御部259に出力する。また、測定設定管理部261は、ハンドオーバ管理部263からの指示に応じて測定設定を作成し、制御部259に出力する。
【0089】
無線送信部257は、個別制御情報、報知情報を端末UE1に送信する。
【0090】
[第2の実施形態のHeNB基地局THeNB1の構成]
図8は、第2の実施形態の無線通信システムを構成するHeNB基地局THeNB1のブロック図である。図8に示すように、第2の実施形態のHeNB基地局THeNB1は、無線受信部281と、ネットワーク用受信部283と、ネットワーク用送信部285と、無線送信部287と、制御部289とを備える。制御部289は、報知情報管理部291と、ハンドオーバ管理部293とを有する。
【0091】
無線受信部281は、端末UE1から送信された個別制御情報に対する応答メッセージ、測定結果報告(Measurement Report)などを受信して、制御部289に出力する。
【0092】
ネットワーク用受信部283は、ハンドオーバ要求(Handover Request)メッセージを受信して、制御部289に出力する。
【0093】
ネットワーク用送信部285は、ハンドオーバ応答(Handover Response)メッセージを送信する。
【0094】
制御部289は、ネットワーク用受信部283から入力されたハンドオーバ要求メッセージをハンドオーバ管理部293に出力する。制御部289は、セルをアクセス禁止(barred)として運用する場合又はキャリアアグリゲーションのSCellとしてのみ使用する場合、報知情報管理部291に当該セルをアクセス禁止として運用することを通知する。
【0095】
報知情報管理部291は、セルをアクセス禁止として運用することを制御部289から入力されると、報知情報の1つであるSIB1のパラメータ「Cell barred」の値をアクセス禁止(barred)とした報知情報を作成する。報知情報管理部291は、作成した報知情報を無線送信部287に出力する。
【0096】
ハンドオーバ管理部293は、制御部289から入力されたハンドオーバ要求メッセージの内容を確認し、当該メッセージ中にCSG識別子とメンバ(member)情報が含まれている場合、その情報に基づいて、ハンドオーバを受け入れるかを判定する。ハンドオーバ管理部293は、CSGセルとして運用している場合、自身が管理するCSGに属さないCSG識別子が含まれていればハンドオーバを受け入れない。また、ハンドオーバ管理部293は、CSGセルとして運用している場合、「メンバではない(non-member)」ことが指示されれば、ハンドオーバを受け入れない。ハンドオーバ管理部293は、ハンドオーバを受け入れない(承認しない)と判定した場合、ハンドオーバを承認しないことを含むハンドオーバ応答メッセージを作成し、ネットワーク用送信部285に出力する。一方、ハンドオーバ管理部293は、ハンドオーバを承認すると判定した場合、端末UE1宛のハンドオーバコマンドを含むハンドオーバ応答メッセージを作成し、ネットワーク用送信部285に出力する。なお、ハンドオーバ管理部293は、自身の無線リソースの状況も考慮してハンドオーバを受け入れるかを判定する。
【0097】
無線送信部287は、個別制御情報、報知情報を端末UE1に送信する。
【0098】
以上説明したように、本実施形態によれば、reportCGIに対する測定結果報告において、端末UE1がアクセス禁止(barred)の確認結果を無線通信装置SNE1に通知することで、無線通信装置SNE1が端末UE1を意図しないセルへハンドオーバさせることを防ぐことができる。
【0099】
なお、本実施形態では、測定結果報告にパラメータ「Cell barred」を設けて、セルへのアクセス禁止(barred)を通知すると説明したが、別の方法でアクセス禁止(barred)を通知してもよい。例えば、reportCGIに対する測定結果報告において、CSGセルのメンバであるかの判定結果を通知するパラメータを利用して、図9に示すように、CSGセルのメンバであるかどうかにかかわらず、セルがアクセス禁止(barred)の場合はメンバではない(non-member)と通知する。
【0100】
図9は、第2の実施形態の無線通信システムにおいて、端末UE1が測定結果報告を送信する際のタイミングチャートの他の例を示す図である。端末UE1は、無線通信装置SNE1から周波数f2の測定設定(Measurement Configuration)を受信する。端末UE1は、Cell2を検知し、Cell2の受信品質が測定結果報告を送る条件を満たすと、Cell2の受信品質を含む測定結果報告(Measurement Report)を無線通信装置SNE1に送信する。無線通信装置SNE1は、Cell2を特定できない場合、Cell2のreportCGIを指示する測定設定(Measurement Configuration)を端末UE1に送信する。このとき、HeNB基地局THeNB1は、Cell2の報知情報の1つであるSIB1のパラメータ「Cell barred」の値をアクセス禁止(barred)として報知する。端末UE1は、無線通信装置SNE1から、Cell2のreportCGIを指示されると、HeNB基地局THeNB1が管理しているCell2のSIB1を受信する。端末UE1は、SIB1に含まれるCGIを取得する。また、端末UE1は、SIB1に含まれるパラメータ「Cell barred」の値が「アクセス禁止(barred)」であるかを確認する。端末UE1は、Cell2がアクセス禁止(barred)であると確認すると、Cell2のCGI及び端末UE1がCSGセルのメンバではない(non-member)ことを含む測定結果報告を無線通信装置SNE1に送信する。無線通信装置SNE1は、測定結果報告に「CSGセルがメンバではない(non-member)」ことが含まれ、セルがPCI区切りによりCSGであると判断する場合、Cell2へはハンドオーバさせないと判断する。なお、無線通信装置SNE1は、CSG識別子とメンバではない(non-member)ことを含むハンドオーバ要求メッセージをHeNB基地局THeNB1に送信することで、途中で経由するネットワークノード、例えばMMEやHeNB GWがハンドオーバさせないと判断しても、HeNB基地局THeNB1がハンドオーバさせないと判断してもよい。こうすれば、従来のメッセージ構成を変えることなく、無線通信装置SNE1が端末UE1を意図しないセルへハンドオーバさせることを防ぐことができる。また、HeNB基地局THeNB1が、無線通信装置SNE1がCell2をCSGセルであると判断できるように、Cell2のPCIをPCI区切りによりCSGセルであると判断できる値に設定してもよい。このようにすることで、無線通信装置SNE1においてハンドオーバを行わないと判断することができるため、ネットワークにおいて送受信されるシグナリング量を削減できるとともに、無線通信装置SNE1及びHeNB基地局THeNB1の処理負荷を軽減することができる。
【0101】
(第3の実施形態)
図10〜図14を参照して、第3の実施形態の無線通信システムについて説明する。第3の実施形態の無線通信システムが第2の実施形態の無線通信システムと異なる点は、HeNB基地局THeNB1がSIB1に含めるCSG識別子を、偽CSG識別子とすることである。この点以外は第2の実施形態と同様であり、第2実施形態と同一又は同等部分については説明を簡略化又は省略する。
【0102】
図10は、第3の実施形態の無線通信システムにおいて、端末UE1が測定結果報告を送信する際のタイミングチャートの一例を示す図である。端末UE1は、無線通信装置SNE1から周波数f2の測定設定(Measurement Configuration)を受信する。端末UE1は、Cell2を検知し、Cell2の受信品質が測定結果報告を送る条件を満たすと、Cell2の受信品質を含む測定結果報告(Measurement Report)を無線通信装置SNE1に送信する。無線通信装置SNE1は、Cell2を特定できない場合、Cell2のreportCGIを指示する測定設定(Measurement Configuration)を端末UE1に送信する。このとき、HeNB基地局THeNB1は、Cell2の報知情報の1つであるSIB1に含めるCSG識別子を、実際のCSG識別子とは異なり、当該HeNB基地局THeNB1で使用されていない「偽CSG識別子(dummy CSG ID)」に設定する。端末UE1は、無線通信装置SNE1から、Cell2のreportCGIを指示されると、HeNB基地局THeNB1が管理しているCell2のSIB1を受信する。端末UE1は、SIB1に含まれるCGIを取得する。また、端末UE1は、SIB1に含まれるCSG識別子と自身が保持するホワイトリストを照合し、CSGセルのメンバである(member)かどうかを判定する。端末UE1は、Cell2のCGI、SIB1に含まれるCSG識別子(dummy CSG ID)、及び自身がCSGセルのメンバである(member)かどうかの判定結果を含む測定結果報告を無線通信装置SNE1に送信する。なお、SIB1に含まれるCSG識別子は偽CSG識別子(dummy CSG ID)であるため、端末UE1は、ホワイトリストとの照合の結果、自身がCSGセルのメンバではない(non-member)との判定結果を得る。無線通信装置SNE1は、測定結果報告に含まれるCell2のCGIと、CSG識別子と、メンバではない(non-member)ことを含むハンドオーバ要求メッセージをHeNB基地局THeNB1に送信する。HeNB基地局THeNB1は、ハンドオーバ要求メッセージに含まれるパラメータ「CSG識別子」の値が偽CSG識別子(dummy CSG ID)であるため、ハンドオーバを拒否する。HeNB基地局THeNB1は、ハンドオーバ拒否を示す応答メッセージを無線通信装置SNE1に送信する。
【0103】
なお、HeNB基地局THeNB1は、セル毎に、偽CSG識別子の値を変えることにより、ハンドオーバ要求メッセージに含まれるCSG識別子の値(偽CSG識別子)によって、どのセルかを判定してもよい。この場合、HeNB基地局THeNB1は、どのセルに対するハンドオーバ要求かを判断することができるため、当該セルへのハンドオーバを受け入れるかどうかを判断する。HeNB基地局THeNB1は、Cell2へのハンドオーバを受け入れる場合、当該セルへのハンドオーバコマンドを含むハンドオーバ応答メッセージを無線通信装置SNE1に送信する。
【0104】
なお、ネットワークが、偽CSG識別子の値を管理し、全端末のホワイトリストに含まれない値を「偽CSG識別子(dummy CSG ID)」に設定してもよい。このようにすることで、無線通信装置SNE1が測定結果報告に偽CSG識別子が含まれている場合、当該セルへのハンドオーバを行わないと判定することができる。なお、ここで全端末とは、PLMN内の全ての端末と解釈してもよい。また、全端末とは、HeNB基地局THeNB1を管理するPLMN内の全ての端末と解釈してもよい。
【0105】
なお、無線通信装置SNE1から送信されるハンドオーバ要求メッセージを経由するネットワークノード、例えばMMEやHeNB GWが偽CSG識別子又はメンバではない(non-member)といったことに基づいて、ハンドオーバさせないと判断してもよい。ハンドオーバ要求に含まれるCSG識別子が偽CSG識別子であるため、HeNB基地局THeNB1は、Cell1以外のセルに対するハンドオーバ要求であると判断することができる。したがって、無線通信装置SNE1が端末UE1を意図しないセルへハンドオーバさせることを防ぐことができる。
【0106】
なお、HeNB基地局THeNB1は、SIB1に含めるCSG指示を真(true)にセットし、SIB1にCSG識別子を何も含めないようにしてもよい。このようにしても、上記と同様に、無線通信装置SNE1が端末UE1を意図しないセルへハンドオーバさせることを防ぐことができる。
【0107】
なお、無線通信装置SNE1は、端末UE1からの測定結果報告に含まれるCSGセルのメンバである(member)かの判定結果が「メンバではない(non-member)」の場合、Cell2へハンドオーバさせないと判断してもよい。このように、reportCGIに対する測定結果報告において、CSGセルのメンバではない(non-member)ことを通知することで、無線通信装置SNE1が端末UE1を意図しないセルへハンドオーバさせることを防ぐことができる。
【0108】
[第3の実施形態の端末UE1の構成]
図11は、第3の実施形態の無線通信システムを構成する端末UE1のブロック図である。図11に示すように第3の実施形態の端末UE1は、受信部301と、制御部303と、送信部305とを備える。制御部303は、測定管理部311と、測定結果報告作成部313と、ホワイトリスト管理部315と、CSGメンバ判定部317とを有する。
【0109】
受信部301は、制御部303からの指示に応じて、端末UE1が接続しているセルのダウンリンクを介して、報知情報又は個別制御情報等の制御情報を受信する。受信部301は、受信した報知情報及び個別制御情報等を制御部303へ出力する。また、受信部301は、制御部303の測定管理部311からの指示に応じて、参照信号(例えば、セル参照信号(Cell Reference Signal:CRS))の受信又は受信信号強度(Received Signal Strength Indication:RSSI)の測定等を行う。受信部301は、受信した参照信号又はRSSI等の測定結果を制御部303の測定管理部311に出力する。
【0110】
制御部303は、受信部301に報知情報又は個別制御情報等の受信を指示する。制御部303には、受信部301が受信した報知情報又は個別制御情報等の制御情報が入力される。制御部303は、個別制御情報に含まれるホワイトリストをホワイトリスト管理部315に出力する。制御部303は、個別制御情報に測定設定が含まれる場合、測定管理部311に測定設定を出力する。また、測定設定にreportCGIが指示されている場合、制御部303は、測定設定で指示される対象となるセルの報知情報の1つであるSIB1の受信を受信部301に指示する。制御部303は、reportCGIの指示に対応したSIB1が入力されると、CSG識別子がSIB1に含まれる場合、当該CSG識別子をCSGメンバ判定部317に出力する。なお、制御部303は、ホワイトリスト管理部315からPLMN識別子を出力するよう指示されると、SIB1に含まれるPLMN識別子を出力する。なお、PLMN識別子は、オペレータを判別するための識別子である。制御部303は、CSGメンバ判定部307から入力されたCSG識別子と、「member」の状態(すなわち、メンバである(member)かメンバではない(non-member)かの判定結果)と、SIB1に含まれているCGIと、PCI(Physical Cell Identity)とを測定結果報告作成部313に出力する。
【0111】
以下、制御部303が有する各構成要素について説明する。
【0112】
ホワイトリスト管理部315は、制御部303から入力されたホワイトリストを管理する。ホワイトリスト管理部315は、CSGメンバ判定部317からの指示に応じてホワイトリストを出力する。
【0113】
CSGメンバ判定部317は、制御部303からCSG識別子が入力されると、ホワイトリスト管理部315にホワイトリストを出力するよう指示する。CSGメンバ判定部317は、ホワイトリスト管理部315から入力されたホワイトリストに制御部303から入力されたCSG識別子が含まれるかを照合する。なお、CSGメンバ判定部317は、必要である場合、制御部303にPLMN識別子の出力を指示し、ホワイトリストと入力されたCSG識別子の照合に使用する。CSGメンバ判定部317は、制御部303から入力されたCSG識別子がホワイトリストに合致すると判定した場合、CSG識別子とメンバである(member)ことを制御部303に出力する。CSGメンバ判定部317は、制御部303から入力されたCSG識別子がホワイトリストに合致しないと判定した場合、CSG識別子とメンバではない(non-member)ことを制御部303に出力する。
【0114】
測定管理部311は、測定設定に基づき、セルの受信品質の測定を受信部301に出力する。測定管理部311は、受信部301から入力されたセルの受信品質に基づいて、測定結果報告を送ると判断する。測定管理部311は、測定結果報告を送ると判断すると、受信部301から入力されたセルの受信品質を測定結果報告作成部313に出力する。また、測定管理部311は、受信部301から入力されたセルの受信品質を管理する。
【0115】
測定結果報告作成部313は、測定管理部311から測定結果報告を作成するように指示されると、入力されたセルの受信品質から測定結果報告を作成する。また、測定結果報告作成部313は、制御部303からPCI、CGI、CSG識別子及びメンバである(member)か否かの判定結果が入力されると、それらの情報から測定結果報告を作成する。測定結果報告作成部313は、測定結果報告を送信部305に出力する。
【0116】
送信部305は、制御部303、制御部303の測定結果報告作成部313から入力された情報を、接続しているセルに送信する。
【0117】
[第3の実施形態の無線通信装置SNE1の構成]
図12は、第3の実施形態の無線通信システムを構成する無線通信装置SNE1のブロック図である。図12に示すように、第3の実施形態の無線通信装置SNE1は、無線受信部351と、ネットワーク用受信部353と、ネットワーク用送信部355と、無線送信部357と、制御部359とを備える。制御部359は、測定設定管理部361と、ハンドオーバ管理部363とを有する。
【0118】
無線受信部351は、端末UE1から送信された個別制御情報に対する応答メッセージ、測定結果報告(Measurement Report)などを受信して、制御部359に出力する。
【0119】
ネットワーク用受信部353は、ハンドオーバ応答(Handover Response)メッセージを受信して、制御部359に出力する。
【0120】
ネットワーク用送信部355は、ハンドオーバ要求(Handover Request)メッセージを送信する。
【0121】
制御部359は、無線受信部351が受信した測定結果報告(Measurement Report)をハンドオーバ管理部363に出力する。制御部359は、報知情報を作成し、無線送信部357に出力する。また、制御部359は、ハンドオーバ管理部363からの指示、測定設定管理部361から入力される情報などから個別制御情報を作成し、無線送信部357に出力する。制御部359は、ハンドオーバ応答メッセージを受信するとハンドオーバ管理部363に出力する。
【0122】
ハンドオーバ管理部363は、測定結果報告からセルを特定できない場合、当該セルのCGIを報告させるための測定設定を作成するよう測定設定管理部361に指示する。ハンドオーバ管理部363は、測定結果報告からセルを特定できる場合、当該セルにハンドオーバさせるかを判断する。ハンドオーバ管理部363は、そのセルにハンドオーバさせると決定すると、当該セルに対するCSG識別子、メンバ(member)情報が測定結果報告に含まれる場合には、それらの情報を含むハンドオーバ要求メッセージを作成し、当該セルを管理するHeNB基地局THeNB1に送信するようネットワーク用送信部355に出力する。また、ハンドオーバ管理部は、端末からの測定結果報告で「non-member」が通知された場合、PCI区切り(PCI Range)により、ハンドオーバ先のセルがCSGセルで判断すると、ハンドオーバを行わないと判断する。
【0123】
また、ハンドオーバ管理部363は、ハンドオーバ応答メッセージにハンドオーバを承認するという指示が含まれている場合、ハンドオーバ応答メッセージに含まれるハンドオーバコマンドを、端末UE1に送信するため、制御部359に出力する。一方、ハンドオーバ応答メッセージにハンドオーバを承認しないという指示が含まれている場合、ハンドオーバ管理部363は、接続中のセル以外へのハンドオーバに切り替えるか、当該セルへの接続を維持させる。
【0124】
測定設定管理部361は、測定設定を作成し、制御部359に出力する。また、測定設定管理部361は、ハンドオーバ管理部363からの指示に応じて測定設定を作成し、制御部359に出力する。
【0125】
無線送信部357は、個別制御情報、報知情報を端末UE1に送信する。
【0126】
[第3の実施形態のHeNB基地局THeNB1の構成]
図13は、第3の実施形態の無線通信システムを構成するHeNB基地局THeNB1のブロック図である。図13に示すように、第3の実施形態のHeNB基地局THeNB1は、無線受信部381と、ネットワーク用受信部383と、ネットワーク用送信部385と、無線送信部387と、制御部389とを備える。制御部389は、報知情報管理部391と、ハンドオーバ管理部393とを有する。なお、ハンドオーバ管理部393は、CSG識別子判定部395を含む。
【0127】
無線受信部381は、端末UE1から送信された個別制御情報に対する応答メッセージ、測定結果報告(Measurement Report)などを受信して、制御部389に出力する。
【0128】
ネットワーク用受信部383は、ハンドオーバ要求(Handover Request)メッセージを受信して、制御部389に出力する。
【0129】
ネットワーク用送信部385は、ハンドオーバ応答(Handover Response)メッセージを送信する。
【0130】
制御部389は、ネットワーク用受信部383から入力されたハンドオーバ要求メッセージをハンドオーバ管理部393に出力する。制御部389は、どのセルからハンドオーバしたかを知る必要がある場合、1つのセル以外のセルに対しては、当該セルが属していないCSGのCSG識別子(偽CSG識別子)を含めるよう報知情報管理部391に通知する。
【0131】
報知情報管理部391は、制御部389から偽CSG識別子を含めるよう指示されると、報知情報の1つであるSIB1のパラメータ「CSG識別子」に「偽CSG識別子(dummy CSG ID)」を設定した報知情報を作成する。報知情報管理部391は、作成した報知情報を無線送信部387に出力する。なお、報知情報管理部391は、セル毎に異なる偽CSG識別子をパラメータ「CSG識別子」に設定しても良い。
【0132】
ハンドオーバ管理部393は、制御部389から入力されたハンドオーバ要求メッセージの内容を確認し、当該メッセージ中にCSG識別子とメンバ(member)情報が含まれている場合、CSG識別子をCSG識別子判定部395に出力する。ハンドオーバ管理部393は、当該CSG識別子がCSG識別子判定部395によって偽CSG識別子であると判定されると、ハンドオーバを拒否する。また、ハンドオーバ管理部393は、CSGセルとして運用している場合、ハンドオーバ要求メッセージで「メンバではない(non-member)」ことが指示されれば、ハンドオーバを受け入れない。また、ハンドオーバ管理部393は、ハンドオーバを承認すると判定した場合、端末UE1宛のハンドオーバコマンドを含むハンドオーバ応答メッセージを作成し、ネットワーク用送信部385に出力する。一方、ハンドオーバ管理部393は、ハンドオーバを承認しないと判定した場合、ハンドオーバを承認しないことを含むハンドオーバ応答メッセージを作成し、ネットワーク用送信部385に出力する。なお、ハンドオーバ管理部393は、偽CSG識別子により、どのセルへのハンドオーバかを見分け、端末UE1を受け入れられると判断する場合、当該セルへのハンドオーバを受け入れても良い。なお、ハンドオーバ管理部393は、自身の無線リソースの状況も考慮してハンドオーバを受け入れるかを判定する。
【0133】
CSG識別子判定部395は、ハンドオーバ管理部393から入力されたCSG識別子が偽CSG識別子であるかを照合する。CSG識別子判定部395は、パラメータ「CSG識別子」の値が偽CSG識別子であると判定すると、ハンドオーバ管理部393に偽CSG識別子であると出力する。
【0134】
無線送信部387は、個別制御情報、報知情報を端末UE1に送信する。
【0135】
[第3の実施形態のHeNB基地局THeNB1の動作フローチャート]
図14は、第3の実施形態におけるHeNB基地局THeNB1の動作の一例を示すフローチャートである。HeNB基地局THeNB1は、アクセス禁止として運用するセル(SCellとして運用するセル)において、パラメータ「CSG識別子」の値を偽CSG識別子(dummy CSG ID)に設定したSIB1を報知する(ステップS301)。次に、HeNB基地局THeNB1は、無線通信装置SNE1からハンドオーバ要求メッセージを受信する(ステップS302)。
【0136】
次に、HeNB基地局THeNB1は、ハンドオーバ要求メッセージに含まれるパラメータ「CSG識別子」の値が偽CSG識別子(dummy CSG ID)であるかどうかを判定し(ステップS303)、偽CSG識別子でなければステップS304に進み、偽CSG識別子であればステップS307に進む。ステップS304では、HeNB基地局THeNB1は、ハンドオーバを受け入れるかどうかを判定し、受け入れる場合はステップS305に進み、受け入れない場合はステップS307に進む。
【0137】
ステップS305では、HeNB基地局THeNB1は、ハンドオーバを受け入れると判断したセルにハンドオーバさせるためのハンドオーバコマンドを含むハンドオーバ応答メッセージを作成する。また、ステップS307では、HeNB基地局THeNB1は、ハンドオーバを受け入れないことを示したハンドオーバ応答メッセージを作成。ステップS305又はステップS307を行った後、HeNB基地局THeNB1は、ハンドオーバ応答メッセージを無線通信装置SNE1へ送信する(ステップS306)。
【0138】
なお、HeNB基地局THeNB1は、偽CSG識別子により、どのセルへのハンドオーバかを見分けられ、また、その端末UE1を受け入れられると判断する場合、当該セルへのハンドオーバを受け入れても良い。
【0139】
以上説明したように、本実施形態によれば、HeNB基地局THeNB1から端末UE1に送信されるSIB1が含むパラメータ「CSG識別子」に、当該HeNB基地局THeNB1で使用されていない偽CSG識別子(dummy CSG ID)が設定されることにより、無線通信装置SNE1からのハンドオーバ要求があっても、HeNB基地局THeNB1はハンドオーバを承認しないと判定する。したがって、無線通信装置SNE1が端末UE1を意図しないセルへハンドオーバさせることを防ぐことができる。
【0140】
なお、本実施形態において、HeNB基地局THeNB1は、ハンドオーバを受け入れないセルの報知情報において、偽CSG識別子を報知する方法を示したが、偽CSG識別子を報知する代わりに、偽CGIを報知するようにしてもよい。偽CGIは、S1インタフェースを確立する際に使用されるHeNB識別子とは異なる値である。HeNB基地局THeNB1は、ハンドオーバを受け入れないセルを無線通信装置SNE1が端末UE1からの測定結果報告により特定できる情報を無線通信装置SNE1に通知する。その情報は、無線通信装置SNE1が端末UE1からの測定結果報告により、ハンドオーバを受け入れないセルであるかを判定できる情報であればなんでもよい。例えば、偽CGIとPCIのペアでもよいし、偽CGIと周波数のペアでもよい。また、偽CGIは、HeNB基地局THeNB1が決定しても良いし、ネットワークが決定し、HeNB基地局THeNB1に通知してもよい。HeNB基地局THeNB1は、ハンドオーバを受け入れないセルにおいて偽CGIを報知する。端末UE1は、ハンドオーバを受け入れないセルの偽CGIを含む測定結果報告を無線通信装置SNE1に送信する。無線通信装置SNE1は、受信した測定結果報告から偽CGIであることを判定すると、当該セルへのハンドオーバを行わない。無線通信装置SNE1は、偽CGIからHeNB基地局THeNB1が受け入れる別のセルを判定することができる場合、当該別のセルへのハンドオーバを行っても良い。このようにすることで、無線通信装置SNE1が、HeNB基地局THeNB1がハンドオーバを受け入れないセルに対するハンドオーバ要求メッセージを送ることを防ぐことができる。また、HeNB基地局THeNB1は、ハンドオーバを受け入れないセルの報知情報のパラメータ「Cell barred」をアクセス禁止(barred)に設定してもよい。このようにすることで、アイドルの端末がアクセス禁止として運用するセルに接続することを避けることができる。この方法は、HeNB基地局THeNB1がオープンセルで運用している場合にも使用することができる。
【0141】
(第4の実施形態)
図15〜図18を参照して、第4の実施形態の無線通信システムについて説明する。第4の実施形態の無線通信システムは、無線通信端末(端末)及び無線通信装置から構成される。端末は、ダウンリンクで無線通信装置からセル毎に送信された参照信号を受信して、定められた計算式に基づいて導出される測定結果を無線通信装置に報告する。無線通信装置は、各端末に対して無線リソース(例えば、周波数領域又は時間領域での周波数帯域)の割り当て及び管理を行い、端末のための無線アクセスネットワークのアクセスポイントの役割を有する。また、無線通信装置は、端末からの測定結果報告に基づいて他のセルへのハンドオーバが必要と判断した際にハンドオーバ処理を行う機能を有する。
【0142】
図15は、第4の無線通信システムにおいて、端末UE1が測定結果報告を送信する際のタイミングチャートの一例を示す図である。図15に示すように、端末UE1は、HeNB基地局THeNB1が管理する周波数f1のCell1をPCellとして使用し、周波数f2のCell2をSCellとして使用してキャリアアグリゲーションを行った際に、過去情報(Finger Print)を作成する。なお、端末UE1は、HeNB基地局THeNB1が提供するセルがCSGセル又はハイブリッドセルの場合にのみ過去情報を作成してもよい。端末UE1は、接続している無線通信装置SNE1が個別制御信号(例えば「RRC Connection Reconfiguration」)によって「Proximity Indication」をサポートしている(例えば「RRC Connection Reconfiguration」の中に含まれるパラメータ「ProximityIndicationEUTRA」を真(TRUE)にセットしている)場合、過去情報に基づいて、以前接続したセルに近づいたかどうかを判定する。なお、以前接続したセルとは、端末UE1が接続することを許可されたセルである。端末UE1は、以前接続したセルに近づいたと判定すると、過去情報を参照して、周波数f1がPCellに使用されていた周波数であるという情報及び周波数f2がSCellに使用されていた周波数であるという情報を含む「Proximity Indication」を作成し、無線通信装置SNE1に送信する。
【0143】
無線通信装置SNE1は、端末UE1から「Proximity Indication」を受信し、この「Proximity Indication」に含まれる周波数を端末UE1に測定させるための測定設定(Measurement Configuration)を作成する。このとき、無線通信装置SNE1は、PCellの周波数f1に対する測定設定を作成する一方で、この測定設定により端末UE1がPCellの周波数f1で測定結果報告を作成する際に、周波数f2における受信品質が最も良いセル(ベストセル)の受信品質を測定結果報告に含めるという指示を測定設定に含める。次に、無線通信装置SNE1は、作成した測定設定(Measurement Configuration)を端末UE1に送信する。
【0144】
端末UE1は、測定設定(Measurement Configuration)に基づき測定を行う。端末UE1は、Cell1を検知し、Cell1の受信品質が測定結果報告を送る条件を満たすと、Cell1の受信品質と周波数f2のベストセルの受信品質とを含む測定結果報告を無線通信装置SNE1に送信する。なお、図15に示した例では、周波数f2のベストセルがCell2である。無線通信装置SNE1は、ハンドオーバ要求メッセージ(Handover Request)の中に測定結果報告を含めてHeNB基地局THeNB1に送信する。周波数f2のベストセルがCell2である場合、HeNB基地局THeNB1は、Cell1をPCell、Cell2をSCellとしたキャリアアグリゲーションの設定を含むハンドオーバ応答メッセージ(Handover Response)を無線通信装置SNE1に送信する。無線通信装置SNE1は、ハンドオーバ応答メッセージに含まれるハンドオーバコマンドを端末UE1に送信する。
【0145】
このように、ハンドオーバ要求メッセージに含まれる測定結果報告(Measurement Report)の情報により、HeNB基地局THeNB1はハンドオーバ要求メッセージに含まれるCGIが示すセルを正しく判定することができるため、無線通信装置SNE1は、正しいセルへのハンドオーバを端末UE1に指示することができる。また、端末UE1は、SCellの候補としてのセルの情報も同時に取得できるため、ハンドオーバ後にキャリアアグリゲーションをすぐに始めることができる。
【0146】
[第4の実施形態の端末UE1の構成]
図16は、第4の実施形態の無線通信システムを構成する端末UE1のブロック図である。図16に示すように、第4の実施形態の端末UE1は、受信部401と、制御部403と、送信部405とを備える。制御部403は、過去情報管理部411と、Proximity検知部413と、Proximity Indication作成部415と、ホワイトリスト管理部417と、CSGメンバ判定部419と、測定管理部421と、測定結果報告作成部423とを有する。なお、Proximity Indication作成部415は、PCell/SCell判定部425を含む。
【0147】
受信部401は、制御部403からの指示に応じて、端末UE1が接続しているセルのダウンリンクを介して、報知情報又は個別制御情報等の制御情報を受信する。受信部401は、受信した報知情報及び個別制御情報等を制御部403へ出力する。また、受信部401は、制御部403の測定管理部421からの指示に応じて、参照信号(例えば、セル参照信号(Cell Reference Signal:CRS))の受信又は受信信号強度(Received Signal Strength Indication:RSSI)の測定等を行う。受信部401は、受信した参照信号又はRSSI等の測定結果を制御部403の測定管理部421に出力する。
【0148】
制御部403は、受信部401に報知情報又は個別制御情報等の受信を指示する。制御部403には、受信部401が受信した報知情報又は個別制御情報等の制御情報が入力される。制御部403は、個別制御情報に測定設定が含まれる場合、測定管理部421に測定設定を出力する。また、測定設定にreportCGIが指示されている場合、制御部403は、測定設定で指示される対象となるセルの報知情報の1つであるSIB1の受信を受信部401に指示する。制御部403は、reportCGIの指示に対応したSIB1が入力され、SIB1にCSG識別子が含まれると、CSG識別子をCSGメンバ判定部419に出力する。なお、制御部403は、ホワイトリスト管理部417からPLMN識別子を出力するよう指示されると、SIB1に含まれるPLMN識別子を出力する。なお、PLMN識別子は、オペレータを判別するための識別子である。制御部403は、SIB1に含まれているCGIと、PCI(Physical Cell Identity)とを測定結果報告作成部423に出力する。なお、制御部403は、CSGメンバ判定部419からCSG識別子とメンバの状態(すなわち、メンバである(member)かメンバではない(non-member)かの判定結果)とが入力されると、それらの情報を一緒に測定結果報告作成部423に出力する。
【0149】
制御部403は、SIB1にCSG識別子が含まれている場合、すなわち、CSGセルまたはハイブリッドセルに接続したときに、過去情報(Finger Print)を作成するよう過去情報管理部411に指示する。制御部403は、個別制御情報(RRC Connection Reconfiguration)において、「Proximity Indication」を送信するか否かを示すパラメータ「proximityIndicationEUTRA」が「Enable」に設定されている場合、「Proximity Indication」を送るべきか判断するようにProximity検知部413に通知する。制御部403は、個別制御情報を受信するとその応答メッセージを作成し、送信部405へ出力する。
【0150】
以下、制御部403が有する各構成要素について説明する。
【0151】
過去情報管理部411は、制御部403から過去情報(Finger Print)を作成するよう指示されると、接続しているセルから過去情報(Finger Print)を作成する。過去情報管理部411は、例えば、接続しているセル、隣接するセルの情報、及び、周波数情報などを一緒に管理する。さらに、過去情報管理部411は、接続しているセルがPCell(Primary Cell)であるか、キャリアアグリゲーションのSCell(Secondary Cell)であるかを区別して保持する。なお、単独で接続しているセルはPCellとして管理する。過去情報管理部411は、Proximity検知部413からの通知に応じて、保持している情報をProximity検知部413に出力する。過去情報管理部411は、PCell/SCell判定部425からセルがPCellかSCellかをたずねられると、PCellかSCellかを通知する。
【0152】
Proximity検知部413は、制御部403から「Proximity Indication」を送るか判断するように通知されると、過去情報管理部411に管理している情報を出力するように通知する。Proximity検知部413は、過去情報管理部411から入力された過去情報や、例えば、周囲のセルの状況などから、CSGセル又はハイブリッドセルに近づいたかどうかを検知する。Proximity検知部413は、過去情報に記載されたCSGセル又はハイブリッドセルに近づいたと検知すると、検知したCSGセル又はハイブリッドセルに対応する「Proximity Indication」を作成するようProximity Indication作成部415に指示する。
【0153】
Proximity Indication作成部415は、Proximity検知部413から指示されたCSGセル又はハイブリッドセルの情報を、Proximity Indication作成部415のPCell/SCell判定部425に出力する。Proximity Indication作成部415は、PCell/SCell判定部425からPCellであることが出力されると、当該周波数がPCellの周波数であるという情報と、当該PCellに対応するSCellの周波数の情報を含む「Proximity Indication」を作成し、送信部405へ出力する。Proximity Indication作成部415は、PCell/SCell判定部425からSCellであることが出力されると、当該周波数がSCellの周波数であるという情報と、当該SCellに対応するPCellの周波数の情報を含む「Proximity Indication」を作成し、送信部405へ出力する。
【0154】
Proximity Indication作成部415のPCell/SCell判定部425は、入力されたセルがPCellかSCellかを過去情報管理部411に確認する。PCell/SCell判定部425は、入力されたセルがPCellであると過去情報管理部411から入力されると、当該セルがPCellであったことをProximity Indication作成部415に出力する。また、PCell/SCell判定部425は、入力されたセルがSCellであると過去情報管理部411から入力されると、当該セルがSCellであったことをProximity Indication作成部415に出力する。このようにすることで、端末UE1は、PCellかSCellかを無線通信装置SNE1に通知することができるため、無線通信装置SNE1が効率的な測定設定を行うことができる。
【0155】
ホワイトリスト管理部417は、制御部403から入力されたホワイトリストを管理する。ホワイトリスト管理部417は、CSGメンバ判定部419からの指示に応じてホワイトリストを出力する。
【0156】
CSGメンバ判定部419は、制御部403からCSG識別子が入力されると、ホワイトリスト管理部417にホワイトリストを出力するよう指示する。CSGメンバ判定部419は、ホワイトリスト管理部417から入力されたホワイトリストに制御部103から入力されたCSG識別子が含まれるかを照合する。なお、CSGメンバ判定部419は、必要である場合、制御部403にPLMN識別子の出力を指示し、ホワイトリストと入力されたCSG識別子の照合に使用する。CSGメンバ判定部419は、制御部403から入力されたCSG識別子がホワイトリストに合致すると判定した場合、CSG識別子とメンバである(member)ことを制御部403に出力する。CSGメンバ判定部419は、制御部403から入力されたCSG識別子がホワイトリストに合致しないと判定した場合、CSG識別子とメンバではない(non-member)ことを制御部403に出力する。
【0157】
測定管理部421は、測定設定に基づき、セルの受信品質の測定を受信部401に出力する。測定管理部421は、受信部401から入力されたセルの受信品質に基づいて、測定結果報告を送ると判断する。測定管理部421は、測定結果報告を送ると判断すると、受信部401から入力されたセルの受信品質を測定結果報告作成部423に出力する。また、測定管理部421は、受信部401から入力されたセルの受信品質を管理する。さらに、測定管理部421は、測定設定によって、他周波数のベストセルの情報も含む測定結果報告を作成するよう指示されると、報告条件を満たしたセルに加え、指示された周波数におけるベストセルも含めた測定結果報告を作成する。なお、他周波数のベストセルも含めるように指示する方法は、例えば、報告設定(reportConfig)において周波数を指示する方法でもよい。この際、1つの周波数のみを指示してもよいし、複数の周波数を指示してもよい。また、現在端末が使用していない周波数でもよい。この場合、端末には当該周波数における測定設定を渡すようにしてもよい。
【0158】
測定結果報告作成部423は、測定管理部421から測定結果報告を作成するように指示されると、入力されたセルの受信品質から測定結果報告を作成する。また、測定結果報告作成部423は、制御部403からCGI及びPCIが入力されると、それらの情報から測定結果報告を作成する。なお、測定結果報告作成部423は、制御部403からCSG識別子と「メンバ(member)」の状態が入力される場合、それらの情報を一緒に含めた測定結果報告を作成する。測定結果報告作成部423は、測定結果報告を送信部405に出力する。
【0159】
送信部405は、制御部403、制御部403のProximity Indication作成部415、制御部403の測定結果報告作成部423から入力された情報を、接続しているセルに送信する。
【0160】
[第4の実施形態の端末UE1の動作フローチャート]
図17は、第4の実施形態における端末UE1の動作の一例を示すフローチャートである。端末UE1は、HeNB基地局THeNB1においてキャリアアグリゲーションを行った際に、PCellとSCellの各々において、過去情報(Finger Print)を作成する(ステップS401)。次に、端末UE1は、無線通信装置SNE1から、「Proximity Indication」をサポートしていることを含むSIB1を受信する(ステップS402)。次に、端末UE1は、過去情報からCSGセルの近くにいることを検知する(ステップS403)次に、端末UE1は、CSGセルと通信を行った際のPCellの周波数及びSCellの周波数の各情報を含む「Proximity Indication」を作成し、無線通信装置SNE1に送信する(ステップS404)。
【0161】
次に、端末UE1は、無線通信装置SNE1から、PCellの周波数に対する測定設定を受信する(ステップS405)。なお、当該測定設定は、PCellの周波数でセルが報告条件を満たしたときに、PCellの周波数以外の指示した周波数におけるベストセルを一緒に送信するよう指示している。当該ベストセルがSCellの候補である。端末UE1は、PCellの周波数におけるセルを検知し、当該セルの受信品質が報告条件を満たすと、測定設定で指示された周波数のベストセルの受信品質と一緒に測定結果報告を作成し、無線通信装置SNE1に送信する(ステップS406)。なお、上記測定設定は、特定のCSGセルを発見したときにだけ、指示した周波数のベストセルを通知させるようにしても良い。
【0162】
[第4の実施形態の無線通信装置SNE1の構成]
図18は、第4の実施形態の無線通信システムを構成する無線通信装置SNE1のブロック図である。図18に示すように、第4の実施形態の無線通信装置SNE1は、無線受信部451と、ネットワーク用受信部453と、ネットワーク用送信部455と、無線送信部457と、制御部459とを備える。制御部459は、測定設定管理部461と、ハンドオーバ管理部463とを有する。
【0163】
無線受信部451は、端末UE1から送信された個別制御情報に対する応答メッセージ、測定結果報告(Measurement Report)、「Proximity Indication」などを受信して、制御部459に出力する。
【0164】
ネットワーク用受信部453は、ハンドオーバ応答(Handover Response)メッセージを受信して、制御部459に出力する。
【0165】
ネットワーク用送信部455は、ハンドオーバ要求(Handover Request)メッセージを送信する。
【0166】
制御部459は、無線受信部451が受信した測定結果報告(Measurement Report)をハンドオーバ管理部463に出力する。制御部459は、無線受信部451が受信した「Proximity Indication」を測定設定管理部461に出力する。制御部459は、報知情報を作成し、無線送信部457に出力する。また、制御部459は、ハンドオーバ管理部463からの指示、測定設定管理部461から入力される情報などから個別制御情報を作成し、無線送信部457に出力する。
【0167】
ハンドオーバ管理部463は、CSGセル又はハイブリッドセルへのハンドオーバをサポートする場合、端末に「Proximity Indication」を送信させるために、パラメータ「proximityIndicationEUTRA」を「Enable」にセットした個別制御情報の作成を制御部459に指示する。ハンドオーバ管理部463は、Cell1へのハンドオーバを決定すると、測定結果報告を含むハンドオーバ要求メッセージを作成する。ハンドオーバ管理部463は、当該セルを管理するHeNB基地局THeNB1に作成したハンドオーバ要求メッセージを送信するようネットワーク用送信部455に出力する。ハンドオーバ管理部463は、ハンドオーバ応答メッセージに当該セルへのハンドオーバを承認するという指示が含まれている場合、ハンドオーバ応答メッセージに含まれるハンドオーバコマンドを、端末UE1に送信するため、制御部459に出力する。一方、ハンドオーバ応答メッセージにハンドオーバを承認しないという指示が含まれている場合、ハンドオーバ管理部463は、当該セル以外へのハンドオーバに切り替えるか、当該セルへの接続を維持させる。
【0168】
測定設定管理部461は、「Proximity Indication」に含まれるPCellの周波数の測定設定を作成する。「Proximity Indication」にSCellの周波数が含まれる場合、測定設定管理部461は、PCellの周波数における測定設定によって測定結果報告を送信することの指示に加えて、「Proximity Indication」に含まれていたSCellの周波数における受信品質が最も良いセル(ベストセル)の受信品質を含めた測定結果報告を送信することを指示する測定設定を作成してもよい。測定設定管理部461は、作成した測定設定を制御部459に出力する。なお、測定設定管理部461は、PCellの測定結果報告が送信される場合にのみ、「Proximity Indication」に含まれていたSCellの周波数におけるベストセルの受信品質を含めた測定結果報告を送信することを指示する測定設定を作成してもよい。なお、測定設定管理部461は、「Proximity Indication」に含まれていたSCellの周波数以外の周波数におけるベストセルの受信品質を含めた測定結果報告を送信することを指示する測定設定を作成してもよい。
【0169】
無線送信部457は、個別制御情報、報知情報を端末UE1に送信する。
【0170】
[第4の実施形態のHeNB基地局THeNB1の構成]
図19は、第4の実施形態の無線通信システムを構成するHeNB基地局THeNB1のブロック図である。図19に示すように、第4の実施形態のHeNB基地局THeNB1は、無線受信部481と、ネットワーク用受信部483と、ネットワーク用送信部485と、無線送信部487と、制御部489とを備える。制御部489は、報知情報管理部491と、ハンドオーバ管理部493とを有する。
【0171】
無線受信部481は、端末UE1から送信された個別制御情報に対する応答メッセージ、測定結果報告(Measurement Report)などを受信して、制御部489に出力する。
【0172】
ネットワーク用受信部483は、ハンドオーバ要求(Handover Request)メッセージを受信して、制御部489に出力する。
【0173】
ネットワーク用送信部485は、ハンドオーバ応答(Handover Response)メッセージを送信する。
【0174】
制御部489は、ネットワーク用受信部483から入力されたハンドオーバ要求メッセージをハンドオーバ管理部493に出力する。制御部489は、報知情報管理部491に報知情報を作成するよう指示する。
【0175】
報知情報管理部491は、制御部489からの指示に応じて報知情報を作成する。報知情報管理部491は、作成した報知情報を無線送信部487に出力する。
【0176】
ハンドオーバ管理部493は、制御部489から入力されたハンドオーバ要求メッセージに含まれる測定結果報告から、ハンドオーバ先のセルを特定する。ハンドオーバ管理部493は、当該セルへのハンドオーバを承認すると判定すると、端末UE1宛の当該セルへのハンドオーバコマンドを含むハンドオーバ応答メッセージを作成し、ネットワーク用送信部485に出力する。また、ハンドオーバ管理部493は、測定結果報告からキャリアアグリゲーションを提供できると判定すると、端末UE1宛のキャリアアグリゲーション情報を含むハンドオーバコマンドを含むハンドオーバ応答メッセージを作成し、ネットワーク用送信部485に出力する。ハンドオーバ管理部493は、CSGセルとして運用している場合、ハンドオーバ要求メッセージでメンバではない(non-member)ことが指示されているとハンドオーバを受け入れない。なお、ハンドオーバ管理部493は、自身の無線リソースの状況も考慮してハンドオーバを受け入れるかを判定する。
【0177】
無線送信部487は、個別制御情報、報知情報を端末UE1に送信する。
【0178】
以上説明したように、本実施形態によれば、端末UE1が無線通信装置SNE1に送信する「Proximity Indication」には、周波数f1がPCellに使用されている周波数であるという情報と周波数f2がSCellに使用されている周波数であるという情報とが含まれ、無線通信装置SNE1が端末UE1に送信する測定設定(Measurement Configuration)には、PCellの周波数f1での測定結果報告を作成するとの指示内容に加えて、周波数f2におけるベストセルの受信品質を測定結果報告に含めるとの指示も含まれる。このため、HeNB基地局THeNB1は、端末UE1からの測定結果報告(Measurement Report)を含むハンドオーバ要求メッセージに基づいて、ハンドオーバ先のセルを正しく判定でき、無線通信装置SNE1は、正しいセルへのハンドオーバを端末UE1に指示することができる。また、端末UE1は、SCellの候補としてのセルの情報も同時に取得できるため、ハンドオーバ後にキャリアアグリゲーションをすぐに始めることができる。
【0179】
なお、上記各実施形態を組み合わせて使用してもよい。例えば、第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせて使用してもよいし、第1の実施形態と第3の実施形態とを組み合わせて使用してもよい。
【0180】
なお、第2の実施形態、第3の実施形態及び第4の実施形態では、HeNB基地局THeNB1が通常通り運用するセルをPCellとし、それ以外のセルをSCellとして運用する方法を説明したが、本発明はそれ以外の運用方法にも適用することができる。例えば、HeNB基地局THeNB1が自局内で複数のセルを管理する場合、S1インタフェース上では一つのセルと見せるが、複数のセルとして管理してもよい。例えば、HeNB基地局THeNB1は、通常通り運用していないセルに接続する端末を、通常通り運用するセルに接続しているようにS1インタフェース上では見せかける。このようにすることで、HeNB基地局THeNB1が管理するセルと接続している端末に対しては、PCellとなるセルを通常通り運用していないセルにしてもよい。これは、HeNB基地局THeNB1に接続している端末からの測定結果報告を元に、意図してPCellとするセルを切り替えることができるためである。さらに、HeNB基地局THeNB1は、端末が接続している無線通信装置から送信されるハンドオーバ要求メッセージにより、ハンドオーバ要求メッセージが示しているセルを正しく認識することができる場合、通常通り運用していないセルを単独又はPCellで端末に設定することができる。
【0181】
また、第4の実施形態では、「Proximity Indication」により無線通信装置SNE1が測定設定を作成する場合を説明したが、「Proximity Indication」がなくとも上記のような測定設定を作成しても良い。すなわち、無線通信装置SNE1は、特定の周波数において測定結果報告が送信される場合、別の特定の周波数におけるベストセルの測定結果を含めることを指示する測定設定を作成してもよい。このようにすることで、特定の周波数しか管理していない基地局において、ハンドオーバ後にすぐキャリアアグリゲーションを提供できる移動制御を行うことができる。
【0182】
なお、上記各実施形態では、ハンドオーバ先の基地局をHeNB基地局THeNB1として説明したが、本発明はHeNB基地局に限定されない。すなわち、無線通信装置の識別子がCGIと同一となる無線通信装置に対して適用することができる。
なお、上記各実施形態における、アクセス禁止として運用するセル、SCellとして運用するセル、ハンドオーバを受け入れないセル、及び、ハンドオーバ先のセルとして受け入れられないセルとは、無線通信装置が複数のセルを運用する際に、S1インタフェースにより特定できないセルと解釈してもよい。
【0183】
上記各実施形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はハードウェアとの連携においてソフトウェアで実現することも可能である。
【0184】
また、上記各実施形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されても良いし、一部又は全てを含むように1チップ化されても良い。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0185】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現しても良い。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用しても良い。
【0186】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行っても良い。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0187】
なお、上記実施形態ではアンテナとして説明したが、アンテナポートでも同様に適用できる。アンテナポート(Antenna port)とは、1本又は複数の物理アンテナから構成される論理的なアンテナを指す。すなわち、アンテナポートは必ずしも1本の物理アンテナを指すとは限らず、複数のアンテナから構成されるアレイアンテナ等を指すことがある。例えばLTE(Long Term Evolution)においては、アンテナポートが何本の物理アンテナから構成されるかは規定されず、基地局が異なる参照新号(Reference signal)を送信できる最小単位として規定されている。また、アンテナポートは、プリコーディング・ベクトル(Precoding vector)の重み付けを乗算する最小単位として規定されることもある。
【産業上の利用可能性】
【0188】
本発明に係る無線通信装置は、無線通信装置の意図しないセルへハンドオーバさせることを防ぐ無線通信装置等として有用である。
【符号の説明】
【0189】
101 受信部
103 制御部
105 送信部
111 過去情報管理部
113 Proximity検知部
115 Proximity Indication作成部
117 ホワイトリスト管理部
119 CSGメンバ判定部
121 測定管理部
123 測定結果報告作成部
125 PCell選択部
151 無線受信部
153 無線送信部
155 制御部
161 測定設定管理部
163 ハンドオーバ管理部
201 受信部
203 制御部
205 送信部
211 測定管理部
213 測定結果報告作成部
215 ホワイトリスト管理部
217 CSGメンバ判定部
219 アクセス禁止判定部
251 無線受信部
253 ネットワーク用受信部
255 ネットワーク用送信部
257 無線送信部
259 制御部
261 測定設定管理部
263 ハンドオーバ管理部
265 アクセス禁止判定部
281 無線受信部
283 ネットワーク用受信部
285 ネットワーク用送信部
287 無線送信部
289 制御部
291 報知情報管理部
293 ハンドオーバ管理部
301 受信部
303 制御部
305 送信部
311 測定管理部
313 測定結果報告作成部
315 ホワイトリスト管理部
317 CSGメンバ判定部
351 無線受信部
353 ネットワーク用受信部
355 ネットワーク用送信部
357 無線送信部
359 制御部
361 測定設定管理部
363 ハンドオーバ管理部
381 無線受信部
383 ネットワーク用受信部
385 ネットワーク用送信部
387 無線送信部
389 制御部
391 報知情報管理部
393 ハンドオーバ管理部
395 CSG識別子判定部
401 受信部
403 制御部
405 送信部
411 過去情報管理部
413 Proximity検知部
415 Proximity Indication作成部
417 ホワイトリスト管理部
419 CSGメンバ判定部
421 測定管理部
423 測定結果報告作成部
425 PCell/SCell判定部
451 無線受信部
453 ネットワーク用受信部
455 ネットワーク用送信部
457 無線送信部
459 制御部
461 測定設定管理部
463 ハンドオーバ管理部
481 無線受信部
483 ネットワーク用受信部
485 ネットワーク用送信部
487 無線送信部
489 制御部
491 報知情報管理部
493 ハンドオーバ管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の端末のみにアクセスを許可するアクセス制限セルを提供可能な無線通信装置であって、
ハンドオーバ先のセルとして受け入れないセルの報知情報に含めるアクセス制限の識別情報として、当該無線通信装置で使用されていない偽識別情報又は空情報を設定した前記報知情報を作成する報知情報作成部と、
前記報知情報を端末に送信する送信部と、
を備えた無線通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の無線通信装置であって、
当該無線通信装置で使用されていない偽識別情報又は空情報が、前記端末において使用されていない偽識別情報である無線通信装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の無線通信装置であって、
他の無線通信装置から送られたハンドオーバ要求メッセージに前記偽識別情報又は前記空情報が含まれていれば、前記ハンドオーバ要求メッセージに基づくハンドオーバの要求を拒否するハンドオーバ管理部を備えた前記無線通信装置。
【請求項4】
無線通信装置と無線通信する無線通信端末であって、
通信していない近接する無線通信装置からの報知情報を参照して、当該報知情報が示すセルへのアクセスが禁止されているかを判定するアクセス禁止判定部と、
前記アクセス禁止判定部による判定結果が所定セルへのアクセス禁止を示すとき、前記アクセス禁止判定部による判定結果を含む、前記所定セルに係る測定結果報告を作成する測定結果報告作成部と、
当該無線通信端末が接続中の無線通信装置に前記測定結果報告を送信する送信部と、
を備えた無線通信端末。
【請求項5】
無線通信装置と無線通信する無線通信端末であって、
通信していない近接する無線通信装置からの報知情報を参照して、当該報知情報が示すセルへのアクセスが禁止されているかを判定するアクセス禁止判定部と、
前記アクセス禁止判定部による判定結果が所定セルへのアクセス禁止を示すとき、当該無線通信端末が前記所定セルにアクセスが許可された端末ではないことを示すパラメータを含む、前記所定セルに係る測定結果報告を作成する測定結果報告作成部と、
当該無線通信端末が接続中の無線通信装置に前記測定結果報告を送信する送信部と、
を備えた無線通信端末。
【請求項6】
無線通信端末が複数のセルを用いて無線通信装置と通信可能な無線通信システムであって、
前記無線通信端末は、
接続中の無線通信装置から送信された測定設定によって指示された周波数において検知したセルが測定結果報告を送信する条件を満たすと、当該セルの受信品質と、前記測定設定で指示された別の周波数における最も受信品質の良いセルの受信品質とを含む測定結果報告作成する測定結果報告作成部と、
前記測定結果報告作成部が作成した測定結果報告を前記接続中の無線通信装置に送信する送信部と、を備え、
前記接続中の無線通信装置は、
前記無線通信端末への指示として、測定結果報告の送信を判定する周波数における測定設定に、前記測定結果報告を送る際に受信品質が最も良いセルの受信品質を含める別の周波数の指示を含めた測定設定を作成して、前記無線通信端末に送信する無線通信システム。
【請求項7】
無線通信端末がプライマリセル及びセカンダリセルを含む複数のセルを用いて無線通信装置と通信可能な無線通信システムであって、
前記無線通信端末は、
複数のセルを用いた通信を第1の無線通信装置と行った際の各セルに係る過去情報を作成して管理する情報管理部と、
接続中の第2の無線通信装置から得られた情報と前記情報管理部が管理する過去情報から、前記無線通信端末が前記第1の無線通信装置に近づいたかを判定する近接判定部と、
前記情報管理部が管理する過去情報を参照して、前記第1の無線通信装置と通信を行った際の複数のセルに関するセル情報を作成するセル情報作成部と、
前記セル情報作成部が作成したセル情報及び前記第2の無線通信装置からの指示に基づく測定結果報告を、前記第2の無線通信装置にそれぞれ送信する送信部と、を備え、
前記第2の無線通信装置は、
前記無線通信端末への指示として、前記無線通信端末から送信された前記セル情報に含まれるプライマリセルの周波数での受信品質に加えて、前記セル情報に含まれるセカンダリセルの周波数での受信品質が最も良いセルの受信品質を含む測定結果を送信するよう指示する測定設定を作成して、前記無線通信端末に送信する無線通信システム。
【請求項8】
請求項7に記載の無線通信システムであって、
前記無線通信端末は、前記第2の無線通信装置から前記測定設定を受信すると、前記プライマリセルの周波数での受信品質と、前記セカンダリセルの周波数での受信品質が最も良いセルの受信品質と、を含む測定結果報告を作成する測定結果報告作成部を備えた無線通信システム。
【請求項9】
プライマリセル及びセカンダリセルを含む複数のセルを用いて無線通信装置と通信可能な無線通信端末であって、
複数のセルを用いた通信を第1の無線通信装置と行った際の各セルに係る過去情報を作成して管理する過去情報管理部と、
接続中の第2の無線通信装置から得られた情報と前記過去情報管理部が管理する過去情報から、当該無線通信端末が前記第1の無線通信装置に近づいたかを判定する近接判定部と、
前記過去情報管理部が管理する過去情報を参照して、前記第1の無線通信装置と前記複数のセルを用いて通信を行った際の、前記複数のセルに関するセル情報を作成するセル情報作成部と、
前記セル情報作成部が作成したセル情報を前記第2の無線通信装置に送信する送信部と、
前記セル情報に含まれるプライマリセルの周波数での受信品質に加えて、前記セル情報に含まれるセカンダリセルの周波数での受信品質が最も良いセルの受信品質を含む測定結果報告を送信するよう指示する測定設定を作成して当該無線通信端末に送信する前記第2の無線通信装置から前記測定設定を受信すると、前記測定設定に応じた測定結果報告を作成する測定結果報告作成部と、
を備えた無線通信端末。
【請求項10】
プライマリセル及びセカンダリセルを含む複数のセルを用いた通信が可能な無線通信端末と無線通信する無線通信装置であって、
前記無線通信端末が複数のセルを用いた通信を行ったことのある他の無線通信装置に近接したとき、前記無線通信端末が作成して当該無線通信装置に送信する、前記複数のセルに関するセル情報に含まれるプライマリセルの周波数での受信品質に加えて、前記セル情報に含まれるセカンダリセルの周波数での受信品質が最も良いセルの受信品質を含む測定結果報告を送信するよう指示する測定設定を作成して、前記無線通信端末に送信する無線通信端末。
【請求項11】
プライマリセル及びセカンダリセルを含む複数のセルを用いて無線通信装置と通信可能な無線通信端末であって、
複数のセルを用いた通信を第1の無線通信装置と行った際の各セルに係る過去情報を作成して管理する過去情報管理部と、
接続中の第2の無線通信装置から得られた情報と前記過去情報管理部が管理する過去情報から、当該無線通信端末が前記第1の無線通信装置に近づいたかを判定する近接判定部と、
前記過去情報管理部が管理する過去情報を参照して、前記第1の無線通信装置と前記複数のセルを用いて通信を行った際の、前記複数のセルに含まれるプライマリセルに関するセル情報を作成するセル情報作成部と、
前記セル情報作成部が作成したセル情報及び前記第2の無線通信装置から指示された前記プライマリセルの周波数での測定結果報告を、前記第2の無線通信装置にそれぞれ送信する送信部と、
を備えた無線通信端末。
【請求項12】
特定の端末のみにアクセスを許可するアクセス制限セルを提供可能な無線通信装置が行う無線通信方法であって、
ハンドオーバ先のセルとして受け入れないセルの報知情報に含めるアクセス制限の識別情報として、当該無線通信装置で使用されていない偽識別情報又は空情報を設定した前記報知情報を作成し、
前記報知情報を端末に送信する無線通信方法。
【請求項13】
請求項12に記載の無線通信方法であって、
他の無線通信装置から送られたハンドオーバ要求メッセージに前記偽識別情報又は前記空情報が含まれていれば、前記ハンドオーバ要求メッセージに基づくハンドオーバの要求を拒否する無線通信方法。
【請求項14】
無線通信装置と無線通信する無線通信端末が行う無線通信方法であって、
通信していない近接する無線通信装置からの報知情報を参照して、当該報知情報が示すセルへのアクセスが禁止されているかを判定し、
判定結果が所定セルへのアクセス禁止を示すとき、前記判定結果を含む、前記所定セルに係る測定結果報告を作成し、
前記無線通信端末が接続中の無線通信装置に前記測定結果報告を送信する無線通信方法。
【請求項15】
無線通信装置と無線通信する無線通信端末が行う無線通信方法であって、
通信していない近接する無線通信装置からの報知情報を参照して、当該報知情報が示すセルへのアクセスが禁止されているかを判定し、
判定結果が所定セルへのアクセス禁止を示すとき、前記無線通信端末が前記所定セルにアクセスが許可された端末ではないことを示すパラメータを含む、前記所定セルに係る測定結果報告を作成し、
前記無線通信端末が接続中の無線通信装置に前記測定結果報告を送信する無線通信方法。
【請求項16】
プライマリセル及びセカンダリセルを含む複数のセルを用いて無線通信装置と通信可能な無線通信端末が行う無線通信方法であって、
複数のセルを用いた通信を第1の無線通信装置と行った際の各セルに係る過去情報を作成して管理し、
接続中の第2の無線通信装置から得られた情報と前記過去情報から、前記無線通信端末が前記第1の無線通信装置に近づいたかを判定し、
前記過去情報を参照して、前記第1の無線通信装置と前記複数のセルを用いて通信を行った際の、前記複数のセルに関するセル情報を作成して、前記第2の無線通信装置に送信し、
前記第2の無線通信装置から送信された、前記セル情報が示すプライマリセルの周波数での受信品質に加えて、前記セル情報に含まれるセカンダリセルの周波数での受信品質が最も良いセルの受信品質を含む測定結果報告を送信するよう指示する測定設定を受信し、
前記測定設定で指示された前記プライマリセルの周波数での受信品質と、セカンダリセルの周波数の最も良い受信品質と、を含む測定結果報告を、前記第2の無線通信装置に送信する無線通信方法。
【請求項17】
プライマリセル及びセカンダリセルを含む複数のセルを用いた通信が可能な無線通信端末と無線通信する無線通信装置が行う無線通信方法であって、
前記無線通信端末が複数のセルを用いた通信を行ったことのある他の無線通信装置に近接したとき、前記無線通信端末が作成して前記無線通信装置に送信する、前記複数のセルに関するセル情報に含まれるプライマリセルの周波数での受信品質に加えて、前記セル情報に含まれるセカンダリセルの周波数での受信品質が最も良いセルの受信品質を含む測定結果報告を送信するよう指示する測定設定を作成して、前記無線通信端末に送信する無線通信方法。
【請求項18】
プライマリセル及びセカンダリセルを含む複数のセルを用いて無線通信装置と通信可能な無線通信端末が行う無線通信方法であって、
複数のセルを用いた通信を第1の無線通信装置と行った際の各セルに係る過去情報を作成して管理し、
接続中の第2の無線通信装置から得られた情報と前記過去情報から、前記無線通信端末が前記第1の無線通信装置に近づいたかを判定し、
前記過去情報を参照して、前記第1の無線通信装置と前記複数のセルを用いて通信を行った際の、前記複数のセルに含まれるプライマリセルに関するセル情報を作成して、前記第2の無線通信装置に送信し、
前記第2の無線通信装置から送信された、前記セル情報が示すプライマリセルの周波数での測定結果報告を送信するよう指示する測定設定を受信し、
前記測定設定で指示された前記プライマリセルの周波数での測定結果報告を、前記第2の無線通信装置に送信する無線通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−78061(P2013−78061A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217956(P2011−217956)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】