説明

無線通信装置および無線通信方法

【課題】有線ネットワークを使用してAVデータの記録や再生中に無線ネットワーク機能が自動起動して、AVデータの記録や再生が途中で途切れることのない無線通信装置および無線通信方法を提供する。
【解決手段】所定のアプリケーションを実行するソフトウェアと、起動中のアプリケーション情報と、ネットワークの接続形態を変更する接続形態変更アプリケーションと、所定のアプリケーションごとに接続形態変更アプリケーションの自動起動の可否を示す自動起動情報とを記憶部108に記憶しておき、有線ネットワークを使用中に、無線通信カードが挿入されると、自動起動制御部111は記憶部108から自動起動情報および起動中のアプリケーション情報を読み出して、接続形態変更アプリケーションを起動させるか否かを判定し、その判定結果に基づいて制御部103は接続形態変更アプリケーションを起動して無線ネットワークに接続を切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信媒体が接続されたことを検出して自動的に無線接続機能を起動する無線通信装置および無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワーク機能を備えたデジタルテレビ、DVDレコーダ、デジタルカメラななどの家庭内の機器が増加している。このネットワーク機能を使えば、家庭内の他の機器とAVデータの通信、他の機器の動作状態の監視、各種制御などのほかに、外部のインターネットにも接続することが可能となる。
【0003】
家庭内の機器間のネットワーク接続形態としては、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、通常のイーサネット(登録商標)などがあるが、これらはネットワーク接続のためにケーブルの配線が必要である。
【0004】
また、最近では、802.11a/b/g/nなどの無線LAN(Local Area Network)規格に準拠した無線ネットワークが急速に普及しつつある。家庭内においても、配線のわずらわしさがなく、設置場所を自由に変更できるという特徴により、無線ネットワーク機能を搭載した機器が今後ますます増加することが予想される。しかしながら、一般家庭のユーザーにとって無線ネットワーク接続の設定は煩雑であり、無線ネットワーク接続設定の簡素化が強く望まれている。
【0005】
例えば、電子メールを送受信するための無線通信端末が装着された場合に、無線通信端末の装着を検出し、自動的に電子メール用のプログラムを起動させ、電子メールの送受信を開始させる通信装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−164121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に示す方法では、通信装置に無線ネットワークのみが接続されている場合には問題ないが、無線ネットワークに加えて外部装置と通信するための他の有線ネットワークが接続されている場合には問題が発生する場合がある。
【0008】
例えば、通信装置と録画再生装置などの外部装置とが有線ネットワークで接続され、有線ネットワーク経由で通信装置と外部装置との間でAVデータの記録や再生が行われている場合、無線ネットワーク機能が自動起動されて有線ネットワークの接続が切断されると、AVデータの記録や再生が途中で止まってしまうという問題があった。
【0009】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、有線ネットワークを使用してAVデータの記録や再生中に無線ネットワーク機能が自動起動した場合でも、AVデータの記録や再生が途中で途切れることのない無線通信装置および無線通信方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る無線通信装置は、有線ネットワークと無線ネットワークの少なくとも2つのネットワークを切り替えて使用する無線通信装置であって、有線ネットワークを経由して外部装置と信号を入出力する外部入出力部と、無線ネットワークと接続する機能を有する通信媒体を挿入するとともに、通信媒体が挿入されたことを示す挿入検出信号を出力する通信媒体挿入部と、所定のアプリケーションを実行するソフトウェアと、起動中のアプリケーション情報と、ネットワークの接続形態を変更する接続形態変更アプリケーションと、所定のアプリケーションごとに接続形態変更アプリケーションの自動起動の可否を示す自動起動情報と、を記憶する記憶部と、通信媒体挿入部より挿入検出信号が入力された場合に、自動起動情報および起動中のアプリケーション情報に基づいて、接続形態変更アプリケーションの起動要求または起動不可要求を出力する自動起動制御部と、有線ネットワークを使用中において、自動起動制御部より接続形態変更アプリケーションの起動要求を取得した場合は接続形態変更アプリケーションを起動させ、自動起動制御部より接続形態変更アプリケーションの起動不可要求を取得した場合は接続形態変更アプリケーションを起動させない制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
このような構成により、有線ネットワークを使用したアプリケーションが起動中に、無線通信カードなどが挿入された場合でも、無線ネットワークへの接続変更が可能か否かを判断した後に、無線ネットワークへ接続変更が行われる。したがって、有線ネットワークを使用するアプリケーションが中断されて問題となることがない。
【0012】
また本発明の請求項2に係る無線通信装置では、請求項1に係る無線通信装置において、制御部は、自動起動制御部から起動不可要求を取得した場合には、ネットワークの接続形態を変更する許可を求める確認画面を表示することを特徴とする。
【0013】
このような構成により、有線ネットワークを使用するアプリケーションが中断されて問題となる場合には、ユーザーはその旨を示す確認画面を見ながら無線ネットワークへ接続変更するか否かを決定することができる。
【0014】
また本発明の請求項3に係る無線通信装置では、請求項1または請求項2に係る無線通信装置において、外部装置が録画再生装置であり、起動中のアプリケーションが有線ネットワーク経由でAV信号を録画または再生するアプリケーションである場合には、自動起動制御部は制御部に起動不可要求を出力することを特徴とする。
【0015】
このような構成により、有線ネットワーク経由のAV信号の録画または再生中に、無線通信カードが挿入された場合でも、録画や再生が途中で途切れることがない。
【0016】
本発明の請求項4に係る無線通信方法は、有線ネットワークと無線ネットワークの少なくとも2つのネットワークに接続され、所定のアプリケーションを実行するソフトウェアと、ネットワークの接続形態を変更する接続形態変更アプリケーションを備えた無線通信装置の無線通信方法であって、無線ネットワークと接続する機能を有する通信媒体が無線通信装置に挿入されたことを示す挿入検出信号を取得するステップと、所定のアプリケーションごとに接続形態変更アプリケーションの自動起動の可否を示す自動起動情報と、起動中のアプリケーション情報と、を取得するステップと、自動起動情報および起動中のアプリケーション情報に基づいて、接続形態変更アプリケーションの起動要求または起動不可要求を出力するステップと、有線ネットワークを使用中において、接続形態変更アプリケーションの起動要求を取得した場合は接続形態変更アプリケーションを起動させ、接続形態変更アプリケーションの起動不可要求を取得した場合は接続形態変更アプリケーションを起動させないステップと、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、有線ネットワークを使用してAVデータの記録や再生中に無線ネットワーク機能が自動起動して、AVデータの記録や再生が途中で途切れることのない無線通信装置および無線通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の概念を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1における無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1における無線通信カードの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1における無線通信装置の自動起動情報の例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1における無線通信装置の起動制御処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態1における無線通信装置の自動起動不可時の表示画面例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態1における無線通信装置の自動起動可能時のアプリケーション起動状態の表示画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態における無線通信装置について、図面を参照しながら説明する。ここでは、本発明の無線通信装置の一例として、デジタルテレビを例に説明する。
【0020】
(実施の形態1)
図1は本発明の概念を説明するための図である。図1において無線通信装置としてのデジタルテレビ100は外部装置としての録画再生装置300と有線ネットワーク400で接続されている。デジタルテレビ100と録画再生装置300とは、この有線ネットワーク400を介して、例えばDLNAガイドラインに対応したプロトコルで通信を行う。ユーザーはリモコン(図示せず)などを操作してデジタルテレビ100で受信した番組のAVデータを有線ネットワーク400を介して録画再生装置300に録画することができる。また、録画再生装置300に記録してある番組のAVデータを再生して有線ネットワーク400を介してデジタルテレビ100で視聴することができる。
【0021】
デジタルテレビ100は、有線ネットワーク400の他に無線ネットワーク500と接続することも可能である。そのために、デジタルテレビ100は通信媒体としての無線通信カード(以下、「無線LANアダプター」ともいう)200を挿入できる通信媒体挿入部110を備えている。無線通信カード200は家庭内の他の場所に設置してある無線LANアクセスポイント(図示せず。以下、単に「アクセスポイント」ともいう)を介して外部のインターネットに接続することができる。無線通信カード200は例えば、USB(Universal Serial Bus)インタフェースを備えている。この無線通信カード200を通信媒体挿入部110に挿入すると無線接続アプリケーションが自動的に起動され、無線ネットワーク500に接続される。デジタルテレビ100は有線ネットワーク400か無線ネットワーク500かのいずれか一方のネットワークに接続される構成になっており、2つのネットワーク間の接続切り替えはデジタルテレビ100に保存されている接続形態変更アプリケーションによって行われる。
【0022】
次に、本実施の形態におけるデジタルテレビ100の構成および動作について説明する。図2は本発明の実施の形態におけるデジタルテレビ100の構成を示すブロック図である。デジタルテレビ100は、受信部101と、分離部102と、制御部103と、デコード部104と、音声出力部105と、映像出力部106と、OSD(On Screen Display)制御部107と、記憶部108と、外部入出力部109と、通信媒体挿入部110と、自動起動制御部111と、入力部112と、スピーカ113と、表示部114とを備えている。
【0023】
受信部101はアンテナ(図示せず)からデジタル放送波を入力し、増幅、復調等の処理を行った後、トランスポートストリームとして分離部102に出力する。
【0024】
分離部102は受信部101から入力されたトランスポートストリームをAVデータ(MPEG2圧縮データ)と電子番組情報などを含む付属情報に分離し、AVデータをデコード部104へ出力し、付属情報を制御部103へ出力する。また、制御部103から入力されたAVデータをデコード部104へ出力する。
【0025】
制御部103は分離部102から入力された付属情報を記憶部108に記憶させる。ユーザーのリモコン(図示せず)操作などにより、入力部112から選局要求が入力された場合は受信部101を制御し、入力部112から付属情報表示要求が入力された場合は所定の付属情報を記憶部108から取得し、OSD制御部107へOSD表示要求として出力する。また、外部入出力部109を介して有線ネットワーク400から受信したAVデータ、または通信媒体挿入部110に挿入された無線通信カード200を介して無線ネットワーク500から受信したAVデータを分離部102へ出力する。有線ネットワーク400へ送信するAVデータを記憶部108または受信部101から取得し、外部入出力部109へ出力する。同様に、無線ネットワーク500へ送信するAVデータを無線通信カード200へ出力する。更に、入力部112からの要求または外部入出力部109から入力された制御信号、無線通信カード200から入力された制御信号、またはデジタルテレビ100の内部状態に応じて記憶部108に記憶された所定のアプリケーションを起動させる。自動起動制御部111からの接続形態変更アプリケーション起動要求または入力部112からの接続形態変更アプリケーション起動要求を取得すると、記憶部108に記憶された接続形態変更アプリケーションを起動させる。更に、起動中のアプリケーション情報を記憶部108に記憶させる。
【0026】
デコード部104は分離部102から入力されたMPEG2で圧縮されたAVデータを元の映像信号および音声信号に復号し、復号化された映像信号を映像出力部106へ出力し、復号化された音声信号を音声出力部105へ出力する。
【0027】
音声出力部105はデコード部104から入力された復号化された音声信号に音量調整、音質調整等の各種音声処理を行った後、増幅して、音声信号としてスピーカ113へ出力する。ここで、スピーカ113はデジタルテレビ100に内蔵してもよいし、別体であってもよい。
【0028】
映像出力部106はデコード部104から入力された復号化された映像信号に輝度調整、色調整等の各種映像処理を行った後、所定の表示フォーマットに変換して、映像信号として表示部114へ出力する。また、OSD制御部107から入力されたOSD信号を映像信号に合成して表示部114に出力する。
【0029】
OSD制御部107は制御部103からのOSD表示要求に基づいてOSD信号を生成し、映像出力部106へ出力する。ここで、OSD信号には電子番組表などが含まれる。
【0030】
記憶部108は接続形態変更アプリケーションをはじめ各種アプリケーションを実行するソフトウェア、自動起動情報、起動中のアプリケーション情報を記憶する。また、制御部103から入力された付属情報やAVデータを記憶する。更に、アクセスポイントに接続するためのアクセスポイント情報を保持する。ここで言うアクセスポイント情報とは、アクセスポイントを識別するためのSSID(Service Set ID)の情報、アクセスポイントに接続する際に必要となる認証方式、暗号化方式、暗号化キーの情報を少なくとも含む。
【0031】
外部入出力部109はDLNA、HDMI等の有線ネットワーク400を介して、録画再生装置300と通信する。録画再生装置300から入力された制御信号、AVデータを制御部103へ出力し、制御部103から入力された制御信号、AVデータを録画再生装置300へ出力する。外部装置としては、録画再生装置300のほかに冷蔵庫やエアコンなどの家庭内の家電機器でもよい。この場合には、有線ネットワーク400を介して各家電機器から家電機器の状態をモニタするモニタリング情報を受信したり、家電機器に電源制御情報や各種設定情報などを送信したりする。
【0032】
通信媒体挿入部110は無線通信カード200が挿入された場合に、無線通信カード200が挿入されたことを示す挿入検出信号を自動起動制御部111へ出力する。また、無線通信カード200から受信したAVデータを制御部103へ出力し、制御部103から入力されたAVデータを無線通信カード200を介してアクセスポイント(図示せず)へ出力する。更に、無線通信カード200からの制御信号を制御部103へ出力したり、制御部103からの制御信号を無線通信カード200へ出力する。
【0033】
自動起動制御部111は通信媒体挿入部110から挿入検出信号が入力された場合に、記憶部108に記憶された自動起動情報及び起動中のアプリケーション情報に基づいて、接続形態変更アプリケーションの起動の可否を判定する。判定結果に応じて、制御部103に対して接続形態変更アプリケーション起動要求または起動不可要求を出力する。
【0034】
入力部112はリモコン等の入力装置(図示せず)を介して入力されたリモコン信号を受信し、制御部103へ出力する。
【0035】
スピーカ113は音声出力部105から音声出力信号を受け取って、音声を出力する。
【0036】
表示部114はプラズマディスプレイパネルや液晶パネルで構成されており、映像出力部106からの映像出力信号を表示する。
【0037】
次に無線通信カード200の構成および動作について説明する。図3は本発明の実施の形態1における無線通信カード200の構成を示すブロック図である。無線通信カード200は、送受信部201と、制御部202とを備えている。
【0038】
送受信部201はIEEE802.11a/b/g/n等の無線ネットワーク500を介して、無線通信用に変調された無線通信フォーマットデータを受信し、受信した無線通信用に変調された無線通信フォーマットデータを制御部202へ出力する。また、制御部202から入力された無線通信フォーマットデータをアクセスポイントなどの所定の装置(図示せず)へ無線送信する。
【0039】
制御部202は送受信部201から入力された無線通信フォーマットデータを解析し、AVデータまたは制御信号を取得して、デジタルテレビ100の制御部103へ出力する。また、デジタルテレビ100の制御部103から入力されたAVデータまたは制御信号を、デジタルテレビ100の記憶部108に保持されたアクセスポイント情報を利用して無線通信フォーマットデータに変換し、送受信部201へ出力する。
【0040】
図4は本発明の実施の形態1における無線通信装置の自動起動情報の例を示す図であり、起動するアプリケーションと自動起動の可否の対応テーブルを示している。デジタルテレビ100の記憶部108に記憶されているアプリケーションとしては、DLNA再生アプリケーション、ネットワーク録画アプリケーション、家電機器モニタリングアプリケーションなどがある。ここで、DLNA再生アプリケーション、ネットワーク録画アプリケーションの起動中は、有線ネットワーク400にはリアルタイム性や接続を連続的に保持することを要求されるAVデータが流れている。この状態でネットワークが無線ネットワーク500に切り替えられるとAVデータが途切れてしまい、再生や録画が中断されることになる。一方、家電機器モニタリングアプリケーションの起動中は有線ネットワーク400にはモニタリング情報や制御信号が断続的に流れており、これらの信号はリアルタイム性や接続を連続的に保持することを要求されない。従って、たとえ、家電機器モニタリングアプリケーションの起動中に無線ネットワーク500に切り替わって通信が途切れたとしても、再び有線ネットワーク400に切り替えられたときに通信を再開すれば問題ない。
【0041】
例えば、デジタルテレビ100と録画再生装置300がDLNAで接続され、デジタルテレビ100が録画再生装置300に記録されたAVデータを再生する場合、デジタルテレビ100の制御部103は記憶部108に記憶されたDLNA再生アプリケーションを起動して、AVデータを再生する。この状況において、無線通信カード200をデジタルテレビ100の通信媒体挿入部110に挿入した場合、自動起動制御部111は、起動中のアプリケーション情報(DLNA再生アプリケーション)、自動起動情報(自動起動不可)に基づいて、接続形態変更アプリケーションの起動を「不可」と判定する。
【0042】
また例えば、デジタルテレビ100と冷蔵庫(外部装置)がIP(Internet Protocol)ネットワークで接続され、デジタルテレビ100が冷蔵庫の動作情報をモニタリングする場合、デジタルテレビ100の制御部103は記憶部108に記憶された家庭機器モニタリングアプリケーションを起動する。この状況において、無線通信カード200をデジタルテレビ100の通信媒体挿入部110に挿入した場合、自動起動制御部111は、起動中のアプリケーション情報(家庭機器モニタリングアプリケーション)、自動起動情報(自動起動可)に基づいて、接続形態変更アプリケーションの起動を「可能」と判定する。
【0043】
図5は本発明の実施の形態1における無線通信装置の自動起動制御部111の起動制御処理を示すフローチャートである。まず、自動起動制御部111は通信媒体挿入部110から無線通信カード200が挿入されたことを示す挿入検出信号を受信するまで待機する(ステップS501)。自動起動制御部111が挿入検出信号を受信した場合には(ステップS501で「YES」の場合)、記憶部108から制御部103を介して自動起動情報および起動中のアプリケーション情報を取得する(ステップS502)。次に、ステップS502で取得した起動中のアプリケーション情報から図4の対応テーブルを参照して、無線ネットワーク500へ接続変更する接続形態変更アプリケーションが自動起動可能か否かを判定する(ステップS503)。自動起動可能な場合(ステップ503で「YES」の場合)、自動起動制御部111は接続形態変更アプリケーション起動要求を制御部103へ出力して動作を終了する。一方、自動起動が不可の場合(ステップ503で「NO」の場合)、自動起動制御部111は自動起動不可要求を制御部103へ出力して終了する。
【0044】
次に、無線通信カード200がデジタルテレビ100に挿入された場合の、表示部114に表示される表示画面の例を示す。図6は本発明の実施の形態1における自動起動不可時の表示画面例である。例えば、DLNA再生アプリケーションが起動中に無線通信カード200が挿入されると、図6に示すようにネットワークの接続設定の変更の許可を求める表示画面が表示部114に表示される。ユーザーがリモコン等の入力装置(図示せず)で「はい」を選択すると、図7のような表示画面に切り替わり、無線LANアクセスポイントとの接続を開始する。一方、図6において「いいえ」を選択すると、設定変更をすることなく、現在のアプリケーション動作を継続する。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態の無線通信装置によれば、有線ネットワーク400を使用してAVデータの記録や再生を行うアプリケーションが起動中に、無線通信カード200が挿入された場合でも、無線ネットワーク500へ接続設定が変更されて、起動中のアプリケーションが中断し、AVデータの記録や再生が途中で途切れることがない。また、ネットワークの設定変更の許可を求める確認画面が表示されるので、ユーザーは有線ネットワーク400の使用を継続するか、無線ネットワーク500への接続設定を変更するかを選択することが可能となる。
【0046】
なお、上記実施の形態では、有線ネットワーク400の接続先は録画再生装置300を例に挙げて説明しているが、動画等のコンテンツを提供するサーバーやデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラであってもよいし、家庭内の機器(冷蔵庫、エアコン等)であってもよい。
【0047】
また、上記実施の形態では、接続先の外部装置を1つとして説明しているが、複数の外部装置と接続されていてもよい。この場合、起動中のアプリケーションが複数存在する場合が考えられるが、1つでも自動起動不可な起動中アプリケーションが存在する場合は、起動不可と判定してユーザー確認画面を出すようにしてもよい。
【0048】
また、上記実施の形態では、デジタルテレビ100の記憶部108にアクセスポイントへの接続情報を保持しているとしたが、初めて無線通信カード200が挿入されるような場合には、アクセスポイントの接続情報を設定する画面を表示してもよい。ユーザーはこの画面を用いてアクセスポイントとの設定を行うことができる。
【0049】
また、上記実施の形態では、無線通信カード200を挿入したときに有線ネットワーク400で使用されているアプリケーションによって、ネットワーク接続の設定変更が可能か否かの判定を行ったが、逆に有線ネットワーク400が接続されたときに、無線ネットワーク500で使用されているアプリケーションによって上記判定を行ってもよい。例えば、無線ネットワーク500を使用して外部のインターネット経由でコンテンツ配信サーバーから配信されるコンテンツをストリーミングで視聴しているような場合に、有線ネットワーク400が接続されたときにはネットワーク接続の設定変更を禁止するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、複数のネットワークを切り替えて使用する無線通信装置に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0051】
100 デジタルテレビ(無線通信装置)
101 受信部
102 分離部
103 制御部
104 デコード部
105 音声出力部
106 映像出力部
107 OSD制御部
108 記憶部
109 外部入出力部
110 通信媒体挿入部
111 自動起動制御部
112 入力部
113 スピーカ
114 表示部
200 無線通信カード(通信媒体)
201 送受信部
202 制御部
300 録画再生装置(外部装置)
400 有線ネットワーク
500 無線ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有線ネットワークと無線ネットワークの少なくとも2つのネットワークを切り替えて使用する無線通信装置であって、
前記有線ネットワークを経由して外部装置と信号を入出力する外部入出力部と、
前記無線ネットワークと接続する機能を有する通信媒体を挿入するとともに、前記通信媒体が挿入されたことを示す挿入検出信号を出力する通信媒体挿入部と、
所定のアプリケーションを実行するソフトウェアと、起動中のアプリケーション情報と、前記ネットワークの接続形態を変更する接続形態変更アプリケーションと、前記所定のアプリケーションごとに前記接続形態変更アプリケーションの自動起動の可否を示す自動起動情報と、を記憶する記憶部と、
前記通信媒体挿入部より前記挿入検出信号が入力された場合に、前記自動起動情報および前記起動中のアプリケーション情報に基づいて、前記接続形態変更アプリケーションの起動要求または起動不可要求を出力する自動起動制御部と、
前記有線ネットワークを使用中において、前記自動起動制御部より前記接続形態変更アプリケーションの起動要求を取得した場合は前記接続形態変更アプリケーションを起動させ、前記自動起動制御部より前記接続形態変更アプリケーションの起動不可要求を取得した場合は前記接続形態変更アプリケーションを起動させない制御部と、
を備えたことを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記自動起動制御部から前記起動不可要求を取得した場合には、前記ネットワークの接続形態を変更する許可を求める確認画面を表示することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記外部装置が録画再生装置であり、前記起動中のアプリケーションが前記有線ネットワーク経由でAV信号を録画または再生するアプリケーションである場合には、前記自動起動制御部は前記制御部に前記起動不可要求を出力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
有線ネットワークと無線ネットワークの少なくとも2つのネットワークに接続され、所定のアプリケーションを実行するソフトウェアと、前記ネットワークの接続形態を変更する接続形態変更アプリケーションを備えた無線通信装置の無線通信方法であって、
前記無線ネットワークと接続する機能を有する通信媒体が前記無線通信装置に挿入されたことを示す挿入検出信号を取得するステップと、
前記所定のアプリケーションごとに前記接続形態変更アプリケーションの自動起動の可否を示す自動起動情報と、起動中のアプリケーション情報と、を取得するステップと、
前記自動起動情報および前記起動中のアプリケーション情報に基づいて、前記接続形態変更アプリケーションの起動要求または起動不可要求を出力するステップと、
前記有線ネットワークを使用中において、前記接続形態変更アプリケーションの起動要求を取得した場合は前記接続形態変更アプリケーションを起動させ、前記接続形態変更アプリケーションの起動不可要求を取得した場合は前記接続形態変更アプリケーションを起動させないステップと、
を備えたことを特徴とする無線通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−77860(P2013−77860A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−22965(P2010−22965)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】