説明

無線選択呼出受信機

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は無線選択呼出受信機に関し、特に自動エリア切り換え機能を有する無線選択呼出受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の無線選択呼出受信機では、自動エリア切り換えを行う場合、順次受信周波数を切り換えて最初に同期信号を受信できた周波数に設定する第1の方法や、順次受信周波数を切り換えて受信電界を検出し、電界強度が一定値以上で同期信号が受信できた周波数に設定する等の第2の方法が採用されている。また、特開平3−27631号公報には受信してディジタル化した信号と正規のタイミング波形を比較し、信号の正規の変化点数をカウントすることで電界の一番強い周波数を判定し、設定する第3の方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の無線選択呼出受信機のうち、特に、前記第1の方法を採用するものでは、エリア切り換えが電界強度の弱い受信周波数で設定される場合があり、従って、自動エリア切り換えを頻繁に繰り返すことによって、電池寿命に影響を与えたり、エリア切り換え中に呼び抜けが発生する可能性があるなどの課題があった。これは、通常、受信機の自動エリア切り換えを行う場所が呼出エリアが重複した地域であり、複数の受信可能な周波数信号が存在することによる。また、上述した従来の無線選択呼出受信機において、前記第2の方法を採用するものでは、通常、受信機が自動エリア切り換えを行う場所が、呼出エリアの外れにあり、電界強度の弱い周波数信号しか存在しないため、電界検出が難しく、また、前記第3の方法では電界を検出するための回路を別途追加する必要があり、受信機の小型化への障害になるという課題があった。
【0004】この発明は前記のような課題を解決するものであり、自動エリア切り換えの際に、複数ある受信周波数の中から電界強度の強い周波数を特定できる無線選択呼出受信機を提供することを目的とする。また、この発明はアンテナおよび無線部が本来備えている利得制御機能を利用することで、前記電界強度の強い周波数の設定動作を特別の回路の設置なしに容易に実現できるローコストな無線選択呼出受信機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的達成のために、請求項1の発明にかかる無線選択呼出受信機は、アンテナから得られる複数の無線周波数の信号の中から一つの無線周波数の信号を受信して復調する無線部と、前記復調した信号中の同期信号の受信有無に応じて、前記アンテナまたは無線部の受信周波数を変更させるチャンネル制御部と、登録されたチャンネルで同期信号受信後、同期信号を正確に受信できたチャンネルを数え、前記同期信号を正確に受信したチャンネルの数が複数ある場合に、前記アンテナまたは無線部の利得を下げて受信感度を落とす利得制御部とを設けて、制御部に、前記チャンネル制御部および利得制御部を制御させることにより電界強度の強い受信周波数を特定するようにしたものである。
【0006】また、請求項2の発明にかかる無線選択呼出受信機は、前記制御部に、前記同期信号を正確に受信できたチャンネル数が0の場合には、受信周波数を元の受信周波数に設定し、1の場合には現在の受信周波数に設定させ、2以上の場合には前記利得制御部に利得を下げさせて受信感度を落させ、再度受信周波数を順次切り換え、前記同期信号を正確に受信できたチャンネル数を確認させるようにしたものである。
【0007】また、請求項3の発明にかかる無線選択呼出受信機は、前記制御部に、前記同期信号を正確に受信できたチャンネル数が0の場合には、受信周波数を元の受信周波数に設定させ、1の場合には現在の受信周波数に設定させ、2以上の場合には予め設定された周波数重要度に応じて、一番重要度の高い受信周波数に設定させるようにしたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を図について説明する。図1はこの発明の無線選択呼出受信機を示すブロック図であり、同図において、101はアンテナ、102はアンテナ101で得られた無線周波信号を受信して、増幅および復調する無線部、103は復調した信号を非ゼロ復帰(NRZ)信号等へ波形整形する波形整形部、104は前記復調した信号中の同期信号により同期をとって、タイミング信号を呼出番号照合部105に供給する同期部、106は呼出信号記憶部、107は同期信号受信の有無等を判断して、チャンネル制御部108を駆動することにより前記アンテナ101や無線部102の受信周波数(チャンネル)を変更させる制御部、109はこの制御部107の制御下で前記アンテナ101および無線部102の一方または両方の利得を制御する利得制御部である。また、110は呼出報知用の報知ドライバ、111はスピーカ等を有する報知部である。
【0009】かかる構成になる無線選択呼出受信機では、アンテナ101が無線周波信号を効率的に無線部102に供給する。このため、無線部102は受信したこの無線周波信号を増幅した後復調し、波形整形部103に供給し、この波形整形部103で前記復調信号を波形整形して同期部104,呼出番号照合部105に供給する。このうち同期部104は前記復調信号中の同期信号により同期をとったタイミング信号を呼出番号照合部105に供給し、また、同期信号受信の有無を制御部107に通知する。このため、前記呼出番号照合部105は同期部104から受けたタイミング信号により前記復調信号中の呼出番号を確認し、これを呼出番号記憶部106内に予め格納してある呼出番号と照合し、呼出の有無を制御部107に通知する。制御部107は前記の同期信号受信および呼出有りの通知を受けると、報知ドライバ110を通して報知部111を駆動し、スピーカ等で可聴音を発生させ、受信機携帯者に呼出があったことを知らせる。
【0010】ここで受信機が自動エリア切り換えの動作に入っている場合には、制御部107は同期信号の有無等を記憶し、チャンネル制御部108を駆動してアンテナ101や無線部102の受信周波数を変更して、再度同期信号の受信有無を確認し、記憶する。そして、受信機登録の全チャンネルで同期信号受信後、同期信号を正確に受信できたチャンネルの数を数え、複数の場合は利得制御部109を駆動してアンテナ101,無線部102の一方、あるいは両方の利得を下げて受信機の受信感度を落とし、再度同期信号の受信有無を確認する。これにより、複数ある電界強度の違う受信可能周波数信号のうち電界強度の弱い周波数信号は受信不能となり、残った電界強度の強い周波数信号を特定できることとなる。
【0011】次に、自動エリア切り換えの時の動作を図2R>2および図3を参照して説明する。ここで、図2は複数周波数で呼出サービスを行う無線選択呼出受信機の呼出エリアを示し、図3は自動エリアの切り換え動作を示すフローチャートである。図2において、受信機がa点からb点に移動した場合の自動エリア切り換え動作について説明する。なお、受信機への周波数登録は、重要度(どのエリアにいる割合が高いか)を判断するため、予めf1,f2,f3の順に重要度を高く登録しておく。そこで、まず、受信機は受信周波数がf1,f2,f3の順(登録順)で同期信号の受信を行い(ステップS1,S2,S3)、同期信号を正確に受信できた周波数の数を数える(ステップS4,S5)。この結果、正確に受信できた周波数の数が0の場合は、自動エリア切り換え動作前の周波数(この場合はf1)に設定し、切り換え動作を終わる(ステップS6)。また、正確に受信できた周波数の数が1の場合は、その同期信号を受信できた周波数(b点ではf2,f3の両方に可能性がある)に設定し、切り換え動作を終わる(ステップS7)。さらに、正確に受信できた周波数の数が2(f2とf3)の場合は、アンテナ101および無線部102の利得を下げて受信感度を落とし(ステップS8)、受信周波数がf2,f3の順に同期信号の受信を行い(ステップS9,S10)、再び同期信号を正確に受信できた周波数の数を数える(ステップS11,S12)。その結果、その数が0の場合は、重要度の高い周波数を設定し(ステップS13)、切り換え動作を終わる。また、その数が1の場合は、その同期信号を受信できた周波数(f2かf3)に設定し、切り換え動作を終わる(ステップS14)。そして、前記数が2の場合は、重要度の高い周波数を設定し、切り換え動作を終わる(ステップS15)。ここで、前記利得を下げる動作では、受信感度を落とすことが目的であるので、アンテナ101および無線部102のいずれか一方の利得制御をするようにしてもよい。
【0012】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によればアンテナから得られる複数の無線周波数の信号の中から一つの無線周波数の信号を受信して復調する無線部と、前記復調した信号中の同期信号の受信有無に応じて、前記アンテナまたは無線部の受信周波数を変更させるチャンネル制御部と、前記同期信号を正確に受信したチャンネルの数が複数ある場合に、前記アンテナまたは無線部の利得を下げて受信感度を落す利得制御部とを設けて、制御部に、前記チャンネル制御部および利得制御部を制御させることにより電界強度の強い受信周波数を特定するように構成したので、電界強度の低い周波数を受信不能にしながら残った電界強度の強い周波数を特定できるほか、無線選択呼出受信機に本来付けられているアンテナや無線部の利得調整機能を利用することによって、前記電界強度の強い周波数の特定を、特別の回路を設置することなしに簡単かつローコストに実現できるいう効果が得られる。
【0013】また、請求項2の発明によれば前記制御部に、前記同期信号を正確に受信できたチャンネル数が0の場合には、受信周波数を元の受信周波数に設定し、1の場合には現在の受信周波数に設定させ、2以上の場合には前記利得制御部に利得を下げさせて受信感度を落させ、再度受信周波数を順次切り換え、前記同期信号を正確に受信できたチャンネル数を確認させるように構成したので、同期信号が正確に受信できたチャンネルの数に応じて最適の電界強度の周波数を設定できるという効果が得られる。
【0014】また、請求項3の発明によれば前記制御部に、前記同期信号を正確に受信できたチャンネル数が0の場合には、受信周波数を元の受信周波数に設定させ、1の場合には現在の受信周波数に設定させ、2以上の場合には予め設定された周波数重要度に応じて、一番重要度の高い受信周波数に設定させるように構成したので、同期信号が正確に受信できたチャンネル数に応じて、重要度の高い順番に最適の電界強度の周波数を設定できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態による無線選択呼出受信機を示すブロック図である。
【図2】この発明において複数の周波数で呼出サービスを行う無線選択呼出受信機の呼出エリアを示す説明図である。
【図3】この発明による自動エリア切り換え動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
101 アンテナ
102 無線部
107 制御部
108 チャンネル制御部
109 利得制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも2以上の呼出エリア毎に異なった無線周波数で呼び出しを受ける無線選択呼出受信機において、前記無線周波数の信号を受信するアンテナと、該アンテナから得られる複数の無線周波数の信号の中から一つの無線周波数の信号を受信して復調する無線部と、前記復調した信号中の同期信号の受信有無に応じて、前記アンテナまたは無線部の受信周波数を変更させるチャンネル制御部と、登録されたチャンネルで同期信号受信後、同期信号を正確に受信できたチャンネルを数え、前記同期信号を正確に受信したチャンネルの数が複数ある場合に、前記アンテナまたは無線部の利得を下げて受信感度を落とす利得制御部と、前記チャンネル制御部および利得制御部を制御することにより電界強度の強い受信周波数を特定する制御部とを備えた無線選択呼出受信機。
【請求項2】 前記制御部が、前記同期信号を正確に受信できたチャンネル数が0の場合には、受信周波数を元の受信周波数に設定し、1の場合には現在の受信周波数に設定し、2以上の場合には前記利得制御部に利得を下げさせて受信感度を落とし、再度受信周波数を順次切り換え、前記同期信号を正確に受信できたチャンネル数を確認することを特徴とする請求項1に記載の無線選択呼出受信機。
【請求項3】 前記制御部が、前記同期信号を正確に受信できたチャンネル数が0の場合には、受信周波数を元の受信周波数に設定し、1の場合には現在の受信周波数に設定し、2以上の場合には予め設定された周波数重要度に応じて、一番重要度の高い受信周波数に設定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の無線選択呼出受信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【特許番号】第2957483号
【登録日】平成11年(1999)7月23日
【発行日】平成11年(1999)10月4日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−205016
【出願日】平成8年(1996)8月2日
【公開番号】特開平10−51819
【公開日】平成10年(1998)2月20日
【審査請求日】平成8年(1996)8月2日
【出願人】(000197366)静岡日本電気株式会社 (1,236)
【参考文献】
【文献】特開 昭53−51902(JP,A)
【文献】特開 平7−288858(JP,A)
【文献】特開 平7−23447(JP,A)