説明

無線電力送信装置、無線電力受信装置、無線電力伝送方法、及び無線電力受信方法

【課題】本発明は、無線電力送信装置と無線電力受信装置との間の電力伝送状況によって能動的な電力伝送が可能な無線電力伝送技術を提供するためのものである。
【解決手段】本発明の一実施形態に従う無線電力送信装置が無線電力受信装置に電力を伝送する無線電力伝送方法は、上記無線電力受信装置の識別のための連結信号を伝送するステップ、上記無線電力受信装置から上記連結信号に対する応答信号を受信して上記無線電力受信装置を識別するステップ、上記識別された無線電力受信装置と電力伝送条件を折衷するステップ、及び上記折衷された電力伝送条件によって上記識別された無線電力受信装置に電力を伝送するステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線電力送信装置、無線電力受信装置、無線電力伝送方法、及び無線電力受信方法に関するものであって、無線電力送信装置と無線電力受信装置との間の電力伝送状況によって能動的な電力伝送が可能な無線電力伝送技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
無線で電気エネルギーを所望の機器に伝達する無線電力伝送技術(wireless power transmissionまたはwireless energy transfer)は既に1800年代に電磁気誘導原理を用いた電気モーターや変圧器が使われ始めて、その後にはラジオ波やレーザーのような電磁波を放射して電気エネルギーを伝送する方法も試みられた。私達がよく使用する電動歯ブラシや一部の無線カミソリも実際は電磁気誘導原理により充電される。現在まで無線方式によるエネルギー伝達方式は、磁気誘導、共振及び短波長無線周波数を用いた遠距離送信技術などがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、既存には送信側と受信側との間の無線電力伝送時、送信側と受信側との電力伝送環境を能動的に把握することはできなかった。したがって、より効率的で、かつ能動的な電力伝送のためには、送信側と受信側との相互間の状態情報を共有する両方向通信が必要である。
【0004】
本発明の目的は、無線電力送信装置と無線電力受信装置との間の電力伝送状態に対する情報を送受信して、能動的で、かつ効率的に電力伝送を遂行することができる無線電力送信装置、無線電力受信装置、無線電力伝送方法、及び無線電力受信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に従う無線電力送信装置が無線電力受信装置に電力を伝送する無線電力伝送方法は、上記無線電力受信装置の識別のための連結信号を伝送するステップ、無線電力受信装置から上記連結信号に対する応答信号を受信して上記無線電力受信装置を識別するステップ、識別された無線電力受信装置と電力伝送条件を折衷するステップ、及び上記折衷された電力伝送条件によって上記識別された無線電力受信装置に電力を伝送するステップを含む。
【0006】
無線電力受信装置が無線電力送信装置から電力を受信する無線電力受信方法は、上記無線電力受信装置を識別するための連結信号を受信するステップ、上記連結信号に対する応答信号を上記無線電力送信装置に伝送するステップ、上記無線電力送信装置と電力伝送条件を折衷するステップ、及び上記折衷された電力伝送条件によって上記無線電力送信装置から電力を受信するステップを含む。
【0007】
無線電力受信装置に電力を伝送する無線電力送信装置は、上記無線電力受信装置の識別のための連結信号を伝送する送信部、上記連結信号に対する応答信号を受信して上記無線電力受信装置を識別する識別部、及び上記識別された無線電力受信装置と電力伝送条件を折衷する折衷部を含み、上記無線電力送信装置は上記折衷された電力伝送条件によって上記識別された無線電力受信装置に電力を伝送することを特徴とする。
【0008】
無線電力送信装置から無線で電力を受信する無線電力受信装置は、上記無線電力受信装置を識別するための連結信号を受信する受信部、上記連結信号に対する応答信号を上記無線電力送信装置に伝送する応答信号伝送部、及び上記無線電力送信装置と電力伝送条件を折衷する折衷部を含み、上記無線電力受信装置は、上記折衷された電力伝送条件によって上記無線電力送信装置から電力を受信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、無線電力送信装置と無線電力受信装置との間の状態情報を用いて、能動的で、かつ効率的な電力伝送が遂行できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に従う無線電力伝送システムを示す。
【図2】本発明の一実施形態に従う送信誘導コイルの等価回路図である。
【図3】本発明の一実施形態に従う電力ソースと送信部の等価回路である。
【図4】本発明の一実施形態に従う受信共振コイル、受信誘導コイル、平滑回路、及び負荷の等価回路を示す。
【図5】本発明の更に他の実施形態に従う無線電力送信装置及び無線電力受信装置のブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態に従う無線電力伝送方法の流れ図である。
【図7】本発明の更に他の実施形態に従う無線電力伝送方法を説明するためのラダーダイヤグラムである。
【図8】本発明の一実施形態に従う無線電力伝送のための状態遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1は本発明の一実施形態に従う無線電力伝送システムを説明するための図である。
【0012】
図1を参考すると、無線電力伝送システムは、給電装置100、無線電力送信装置200、無線電力受信装置300、及び負荷400を含む。
【0013】
一実施形態において、給電装置100は無線電力送信装置200に含まれる。
【0014】
無線電力送信装置200は、送信誘導コイル210及び送信共振コイル220を含む。
【0015】
無線電力受信装置300は、受信共振コイル310、受信誘導コイル320、及び整流部330を含む。
【0016】
給電装置100の両端は送信誘導コイル210の両端と連結される。
【0017】
送信共振コイル220は、送信誘導コイル210と一定の距離を置いて配置される。
【0018】
受信共振コイル310は、受信誘導コイル320と一定の距離を置いて配置される。
【0019】
受信誘導コイル320の両端は整流部330の両端と連結され、負荷400は整流部330の両端に連結される。一実施形態において、負荷400は無線電力受信装置300に含まれる。
【0020】
給電装置100で生成された電力は無線電力送信装置200に伝えられ、無線電力送信装置200に伝えられた電力は共振現象により無線電力送信装置200と共振をなす、即ち、共振周波数値が同一な無線電力受信装置300に伝えられる。
【0021】
以下、より具体的に電力伝送過程を説明する。
【0022】
給電装置100は、所定周波数を有する交流電力を生成して無線電力送信装置200に伝達する。
【0023】
送信誘導コイル210と送信共振コイル220とは誘導結合されている。即ち、送信誘導コイル210は給電装置100から供給された電力により交流電流が流れれば、電磁気誘導により物理的に離隔している送信共振コイル220にも交流電流が誘導される。
【0024】
その後、送信共振コイル220に伝えられた電力は共振により無線電力送信装置200と共振回路をなす無線電力受信装置300に伝えられる。
【0025】
インピーダンスがマッチングされた2つのLC回路の間は共振により電力が伝送できる。このような共振による電力伝送は電磁気誘導による電力伝送より遠い距離まで、より高い効率で電力伝達を可能にする。
【0026】
受信共振コイル310は、送信共振コイル220から共振により電力を受信する。受信された電力により受信共振コイル310には交流電流が流れる。受信共振コイル310に伝えられた電力は電磁気誘導により受信共振コイル310と誘導結合された受信誘導コイル320に伝えられる。受信誘導コイル320に伝えられた電力は整流部330を通じて整流されて負荷400に伝えられる。
【0027】
無線電力送信装置200の送信共振コイル220は磁場を通じて無線電力受信装置300の受信共振コイル310に電力を伝送することができる。具体的に、送信共振コイル220と受信共振コイル310とは共振周波数で動作するように共振結合されている。
【0028】
送信共振コイル220と受信共振コイル310との共振結合により、無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との間の電力伝送効率は格段に向上できる。
【0029】
無線電力伝送における品質指数(Quality Factor)と結合係数(Coupling Coefficient)は重要な意味を有する。即ち、電力伝送効率は品質指数及び結合係数が大きい値を有するほど向上できる。
【0030】
品質指数(Quality Factor)は、無線電力送信装置200または無線電力受信装置300の付近に蓄積できるエネルギーの指標を意味する。
【0031】
品質指数(Quality Factor)は、動作周波数(w)、コイルの形状、寸法、素材などによって変わることができる。品質指数は、数式でQ=w*L/Rのように表現できる。Lはコイルのインダクタンスであり、Rはコイル自体で発生する電力損失量に該当する抵抗を意味する。
【0032】
品質指数(Quality Factor)は0から無限帯の値を有することができ、品質指数が大きいほど無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との間の電力伝送効率が向上できる。
【0033】
結合係数(Coupling Coefficient)は送信側コイルと受信側コイルとの間の磁気的結合の程度を意味するものであって、0から1の範囲を有する。
【0034】
結合係数(Coupling Coefficient)は、送信側コイルと受信側コイルとの相対的な位置や距離などによって変わることができる。
【0035】
図2は、本発明の一実施形態に従う送信誘導コイル210の等価回路図である。
【0036】
図2に示すように、送信誘導コイル210はインダクタL1とキャパシタC1とからなり、これらにより適切なインダクタンスとキャパシタンス値を有する回路を構成するようになる。
【0037】
送信誘導コイル210は、インダクタL1の両端がキャパシタC1の両端に連結された等価回路で構成される。即ち、送信誘導コイル210はインダクタL1とキャパシタC1が並列に連結された等価回路で構成される。
【0038】
キャパシタC1は可変キャパシタであることがあり、キャパシタC1のキャパシタンスが調節されることによってインピーダンスマッチングが遂行できる。送信共振コイル220、受信共振コイル310、及び受信誘導コイル320の等価回路も図2に図示されたものと同一でありうる。
【0039】
図3は、本発明の一実施形態に従う給電装置100と無線電力送信装置200の等価回路図である。
【0040】
図3に示すように、送信誘導コイル210と送信共振コイル220は、各々所定のインダクタンス値とキャパシタンス値を有するインダクタL1、L2とキャパシタC1、C2とからなる。
【0041】
図4は、本発明の一実施形態に従う無線電力受信装置300の等価回路図である。
【0042】
図4に示すように、受信共振コイル310と受信誘導コイル320は、各々所定のインダクタンス値とキャパシタンス値を有するインダクタL3、L4とキャパシタC3、C4とからなる。
【0043】
整流部330は、受信誘導コイル320から伝達された交流電力を直流電力に変換して、変換された直流電力を負荷400に伝達することができる。
【0044】
具体的に、整流部330は整流器と平滑回路とを含む。一実施形態において、整流器はシリコン整流器が使われることができ、図4に示すように、ダイオードD1により等価化できる。
【0045】
整流器は、受信誘導コイル320から伝達された交流電力を直流電力に変換することができる。
【0046】
平滑回路は、整流器で変換された直流電力に含まれた交流成分を除去して滑らかな直流電力を出力することができる。一実施形態において、平滑回路は図4に示すように、整流キャパシタC5が使われることができるが、これに限定されるものではない。
【0047】
負荷400は、直流電力を必要とする任意の充電池または装置でありうる。例えば、負荷400はバッテリーを意味する。
【0048】
無線電力受信装置300は、携帯電話、ノートブック、マウスなど、電力を必要とする電子機器に装着できる。
【0049】
無線電力送信装置200は、無線電力受信装置300とインバンド(In band)またはアウトオブバンド(out of band)通信を用いて情報を交換することができる。
【0050】
インバンド(In band)通信は、無線電力伝送に使われる信号を用いて無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との間の情報を交換する通信を意味する。無線電力受信装置300はスイッチをさらに含むことができ、上記スイッチのスイッチング動作を通じて無線電力送信装置200から送信される電力を受信したり、受信しないことがある。これによって、無線電力送信装置200は無線電力送信装置200で消耗される電力量を検出して無線電力受信装置300に含まれたスイッチのオンまたはオフシーン号を認識することができる。
【0051】
具体的に、無線電力受信装置300は抵抗とスイッチを用いて抵抗で吸収する電力量を変化させて無線電力送信装置200で消耗される電力を変更させることができる。無線電力送信装置200は、上記消耗される電力の変化を感知して無線電力受信装置300の状態情報を獲得することができる。スイッチと抵抗とは直列に連結できる。一実施形態において、無線電力受信装置300の状態情報は、無線電力受信装置300の現在充電量、充電量の推移に対する情報を含む。
【0052】
より具体的に説明すると、スイッチが開放されれば、抵抗が吸収する電力は0となり、無線電力送信装置200で消耗される電力も減少する。
【0053】
スイッチが短絡されれば、抵抗が吸収する電力は0より大きくなり、無線電力送信装置200で消耗される電力は増加する。無線電力受信装置で、このような動作を繰り返すと、無線電力送信装置200は無線電力送信装置200で消耗される電力を検出して無線電力受信装置300とディジタル通信を遂行することができる。
【0054】
無線電力送信装置200は上記のような動作によって無線電力受信装置300の状態情報を受信し、それに適した電力を送信することができる。
【0055】
これとは反対に、無線電力送信装置200側に抵抗とスイッチを備えて無線電力送信装置200の状態情報を無線電力受信装置300に伝送することも可能である。
【0056】
一実施形態において、無線電力送信装置200の状態情報は、無線電力送信装置200が伝送することができる最大供給電力量、無線電力送信装置200が電力を提供している無線電力受信装置300の個数、及び無線電力送信装置200の可用電力量に対する情報を含む。
【0057】
次に、アウトオブバンド通信について説明する。
【0058】
アウトオブバンド通信は、共振周波数帯域でない別途の周波数帯域を用いて電力伝送に必要な情報を交換する通信をいう。無線電力送信装置200と無線電力受信装置300とはアウトオブバンド通信モジュールを装着して電力伝送に必要とする情報を交換することができる。上記アウトオブバンド通信モジュールは給電装置に装着されることもできる。一実施形態において、アウトオブバンド通信モジュールは、ブルートゥース、ジグビー、無線LAN、NFC(Near Field Communication)のような近距離通信方式を使用することができるが、これに限定されるものではない。
【0059】
次に、図5乃至図8を参照して、本発明の更に他の実施形態に従う無線電力送信装置、無線電力受信装置、無線電力伝送方法、無線電力受信方法、情報伝送方法、及び情報受信方法を図1乃至図4の内容に結び付けて説明する。
【0060】
図5は、本発明の更に他の実施形態に従う無線電力送信装置及び無線電力受信装置のブロック図である。
【0061】
無線電力送信装置200は、送信部230、識別部240、折衷部250、及び制御部260を含む。また、図1に図示した送信誘導コイル210及び送信共振コイル220をさらに含む。
【0062】
無線電力受信装置300は、受信部350、応答信号伝送部360、折衷部370、及び制御部380を含む。また、図1に図示した受信共振コイル310、受信誘導コイル320、整流回路330、及び負荷400をさらに含む。
【0063】
送信部230は受信部350に連結信号を伝送する。一実施形態において、連結信号は無線電力受信装置300を検出し、識別するための電力信号を意味する。送信部230は無線電力受信装置300を検出するために周期的に連結信号を伝送することができる。
【0064】
識別部240は連結信号に対する応答信号を受信して無線電力受信装置300を識別する。識別部240が連結信号に対する応答信号を受信できない場合、該当無線電力受信装置300に連結信号の送信を中断する。一実施形態において、識別部240が応答信号を受信できない場合とは、電力伝送が可能な物体でない他の物体、例えば、キー、小銭などの物体に連結信号を伝送して応答信号を受信できない場合でありうる。
【0065】
折衷部250は、上記連結信号に対する応答信号を受信する場合、電力伝送条件を識別された無線電力受信装置300と折衷することができる。一実施形態において、電力伝送条件とは、無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との間の電力伝送または電力中断のために相互間に備えるべき要素を意味する。上記電力伝送条件が相互間に合うか否かによって電力伝送がなされることも、なされないこともある。
【0066】
制御部260は、折衷された電力伝送条件によって識別された無線電力受信装置に電力を伝送するようにする。
【0067】
折衷部250は、識別された無線電力受信装置300に無線電力送信装置200の状態情報を伝送して識別された無線電力受信装置300が上記無線電力送信装置200の状態情報に基づいて特定の状態情報を決めるようにし、識別された無線電力受信装置300から決まった特定の状態情報を受信する。
【0068】
一実施形態に、無線電力送信装置200の状態情報は無線電力送信装置200が供給することができる最大電力量に対する情報、無線電力送信装置200が提供している無線電力受信装置300の個数に対する情報、及び無線電力送信装置200に対する識別情報を含む。
【0069】
一実施形態に、無線電力受信装置300の状態情報は、無線電力受信装置300の現在充電量または充電量の推移に対する情報を含む。
【0070】
折衷部250は、識別された無線電力受信装置300の状態情報を受信して識別された無線電力受信装置300の状態情報に基づいて特定の状態情報を決定し、制御部260は特定の状態情報に対応する電力を識別された無線電力受信装置300に伝送するようにする。
【0071】
一実施形態に、折衷部250は識別された無線電力受信装置300に可用電力量を伝送して識別された無線電力受信装置300が可用電力量の範囲内で要求電力量を決めるようにする。その後、無線電力受信装置300が要求電力量を決定すれば、折衷部250は要求電力量を受信する。制御部260は要求電力量に該当する電力を無線電力受信装置300に伝送する。
【0072】
上記のような過程を通じて無線電力送信装置200及び無線電力受信装置300の電力伝送状態を把握して能動的な電力伝送が遂行できる。
【0073】
無線電力受信装置300は、受信部350、応答信号伝送部360、折衷部370、及び制御部380を含む。また、図1に図示した受信共振コイル310、受信誘導コイル320、整流回路330、及び負荷400をさらに含む。
【0074】
受信部350は、無線電力送信装置200から連結信号を受信することができる。
【0075】
応答信号伝送部360は受信された連結信号に対する応答信号を上記無線電力送信装置に伝送することができる。
【0076】
折衷部370は無線電力送信装置200と電力伝送条件を折衷することができ、無線電力受信装置300は折衷された結果によって無線電力送信装置200から電力を受信することができる。
【0077】
一実施形態に、折衷部370は無線電力送信装置200の状態情報を受信して無線電力送信装置200の状態情報に基づいて特定の状態情報を決定し、上記無線電力送信装置200に上記決まった特定の状態情報を無線電力送信装置200に送信することができ、無線電力受信装置300は特定の状態情報に対応する電力を上記無線電力送信装置200から受信することができる。
【0078】
上記のような過程を通じて無線電力送信装置200及び無線電力受信装置300の電力伝送状態を把握して能動的な電力伝送が遂行できる。
【0079】
図6は、本発明の一実施形態に従う無線電力伝送方法の流れ図である。
【0080】
本発明の無線電力伝送方法は共振を用いた無線電力伝送を例として説明するが、電磁気誘導による無線電力伝送にも適用可能である。
【0081】
一実施形態に、本発明の両方向通信は無線電力送信装置200及び無線電力受信装置300に電流量を変化させるための構成、例えば、可変抵抗とスイッチによるインバンド通信またはアウトオブバンド通信を通じて具現可能である。インバンド通信及びアウトオブバンド通信に対する説明は図1で説明したものと同一である。
【0082】
図6を参照すると、無線電力送信装置200は無線電力受信装置300に連結信号を伝送する(S101)。一実施形態において、連結信号は無線電力受信装置300を検出し、識別するための電力信号を意味する。無線電力送信装置200は無線電力受信装置300を検出するために周期的に連結信号を伝送することができる。
【0083】
無線電力受信装置300は連結信号を受信し、無線電力送信装置200に応答信号を伝送する(S103)。その後、無線電力送信装置200は上記連結信号に対する応答信号を受信して無線電力受信装置300を識別する。
【0084】
仮に、無線電力送信装置200が連結信号に対する応答信号を受信できない場合、該当無線電力受信装置300に連結信号の送信を中断する。一実施形態において、無線電力送信装置200が応答信号を受信できない場合とは、電力伝送が可能な物体でない他の物体、例えば、キー、小銭などの物体に連結信号を伝送して応答信号を受信できない場合でありうる。
【0085】
無線電力送信装置200が無線電力受信装置300を識別した場合、識別された無線電力受信装置300に電力伝送条件を折衷する(S105)。
【0086】
仮に、無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との間の折衷が成功すれば(S107)、無線電力送信装置200は折衷された電力伝送条件によって識別された無線電力受信装置300に電力を伝送する(S109)。
【0087】
識別された無線電力受信装置300に電力を伝送するか否かを決める折衷ステップ(S105)は、上記識別された無線電力受信装置300に上記無線電力送信装置200の状態情報を伝送して上記識別された無線電力受信装置300が上記無線電力送信装置200の状態情報に基づいて特定の状態情報を決めるようにするステップと、上記識別された無線電力受信装置300から上記特定の状態情報を受信するステップとを含む。
【0088】
一実施形態において、ステップS105乃至ステップS109は、次の過程を含む。無線電力送信装置200は、識別された無線電力受信装置300に可用電力量を伝送して上記識別された無線電力受信装置300が上記可用電力量の範囲内で要求電力量を決めるようにする。その後、識別された無線電力受信装置300が要求電力量を決定すれば、無線電力送信装置200は上記要求電力量を受信する。その後、無線電力送信装置200は要求電力量に該当する電力を識別された無線電力受信装置300に伝送する。
【0089】
一実施形態において、ステップS105乃至ステップS109は、次の過程を含む。ここで、無線電力送信装置200は複数の無線電力受信装置300に無線で電力を伝送していることを例に挙げて説明する。
【0090】
無線電力送信装置200は、識別された無線電力受信装置300に複数の無線電力受信装置300に電力を提供する優先順位に対する情報を伝送し、識別された無線電力受信装置300が優先順位に対する情報内で決まった優先順位を受け入れるか否かを決めるようにする。その後、識別された無線電力受信装置300が定まった優先順位を受け入れれば、無線電力送信装置200は定まった優先順位によって電力を伝送する。
【0091】
一実施形態において、ステップS105乃至ステップS109は、次の過程を含む。ここでは、複数の無線電力送信装置200が存在する場合を例に挙げて説明する。各無線電力送信装置200は、識別された無線電力受信装置300に各無線電力送信装置200の識別情報を伝送し、識別された無線電力受信装置300が複数の無線電力送信装置200のうちのいずれか1つを決めるようにする。その後、識別された無線電力受信装置300が特定の無線電力送信装置200を選択すれば、選択された無線電力送信装置200は無線電力受信装置300から選択要請信号を受信して識別された無線電力受信装置300に電力を伝送する。
【0092】
一実施形態において、折衷ステップは無線電力送信装置200が無線電力受信装置300の状態情報を要請し、上記要請に対応する上記無線電力受信装置300の状態情報を無線電力送信装置200に伝送することを意味する。反対に、折衷ステップは無線電力受信装置300が無線電力送信装置200の状態情報を要請し、上記要請に対応する上記無線電力送信装置200の状態情報を無線電力受信装置300に伝送することを意味する。
【0093】
一実施形態において、折衷ステップは、無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との間に互いに持っている状態情報を用いて電力を伝送するか否かを決めることを意味する。
【0094】
一実施形態において、無線電力送信装置200の状態情報は、1つの無線電力送信装置200が電力を提供している無線電力受信装置300の個数に対する情報を意味する。
【0095】
一実施形態において、無線電力送信装置200の状態情報は、無線電力受信装置300毎に各固有識別番号が与えられた場合、特定の無線電力送信装置200が電力を提供する無線電力受信装置300の固有識別番号に対する情報を意味する。
【0096】
一実施形態において、無線電力送信装置200の状態情報は、無線電力受信装置300に提供している電力量に対する情報を意味する。
【0097】
一実施形態において、無線電力送信装置200の状態情報は、複数の無線電力受信装置300に電力を提供するに当たって、各無線電力受信装置300に電力を提供する優先順位に対する情報を意味する。
【0098】
一実施形態において、無線電力送信装置200の状態情報は、複数の無線電力受信装置300に電力を提供するに当たって、各無線電力受信装置300に提供している差等的な電力提供割合に対する情報を意味する。例えば、特定の無線電力送信装置200が3個の無線電力受信装置300に電力を提供している場合、50%、30%、20%の差等的な割合で3個の無線電力受信装置300に電力を提供している場合を意味する。
【0099】
一実施形態において、無線電力受信装置300の状態情報は、無線電力受信装置300の現在充電量または充電量の推移に対する情報でありうる。
【0100】
一実施形態において、無線電力受信装置300の状態情報は、無線電力受信装置300がどの無線電力送信装置200から電力を受信していているかに対する情報を意味する。即ち、電力の提供を受ける無線電力送信装置に対する識別情報を意味する。
【0101】
仮に、無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との間の折衷が成功すれば(S107)、無線電力送信装置200は折衷された電力伝送条件によって識別された無線電力受信装置300に電力を伝送する(S109)。
【0102】
仮に、電力伝送過程で、無線電力送信装置200の状態が変更されれば(S111)、折衷ステップ(S105)で戻ったり、電力伝送を中断する。
【0103】
一実施形態において、無線電力送信装置200の状態が変更される場合は、無線電力送信装置200が供給することができる電力量の変更に対する情報を意味する。この場合、外部の要因により無線電力送信装置200が提供することができる電力量が減少すれば、無線電力送信装置200は電力の提供を中断し、折衷ステップ(S105)に入って無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との間の電力伝送量を調整する折衷を遂行する。その後、調整された電力伝送量によって折衷が成功されれば電力伝送がなされて、そうでない場合にはまた折衷ステップS105に入る。仮に、無線電力送信装置200に給電が切れたり、無線電力受信装置300の充電が完了した場合には電力伝送を終了する。
【0104】
一実施形態において、無線電力送信装置200の状態が変更される場合は、無線電力送信装置200が電力を提供している無線電力受信装置300の個数が変更されることに対する情報を意味する。
【0105】
仮に、電力伝送過程で、無線電力受信装置300の状態が変更されれば(S113)、折衷ステップ(S105)に戻ったり、電力伝送を中断する。
【0106】
一実施形態において、無線電力受信装置300の状態が変更される場合は、現在無線電力送信装置200が伝送している無線電力受信装置300の以外の新たな無線電力受信装置300が検出される場合を意味する。
【0107】
図7は、本発明の更に他の実施形態に従う無線電力伝送方法を説明するためのラダーダイヤグラムである。
【0108】
図7を参照すると、まず無線電力送信装置200は、各無線電力送信装置201、202、203に状態情報を要請する(S201)。図7には3個の無線電力送信装置201、202、203のみ図示されているが、これに限定されるものではない。各無線電力送信装置201、202、203は、図5で説明した無線電力送信装置200の構成を全て含む。ここで、状態情報は、無線電力送信装置が伝送することができる最大供給電力量、無線電力送信装置が電力を提供している無線電力受信装置300の個数、及び無線電力送信装置の可用電力量を含むが、これに限定されるものではない。
【0109】
一実施形態において、無線電力送信装置200と他の無線電力送信装置201、202、203は、インバンドまたはアウトオブバンド通信を通じて情報を送受信することができる。
【0110】
無線電力送信装置200は、状態情報要請に対応して無線電力送信装置201、202、203からそれぞれの状態情報を受信する(S203)。
【0111】
無線電力送信装置200は、受信した各無線電力送信装置201、202、203の状態情報に基づいて状態リストを生成する(S205)。一実施形態において、状態リストは各無線電力送信装置201、202、203の状態情報を収集して生成されたリストでありうる。上記状態リストは、<表1>を通じてより詳細に説明する。
【0112】
【表1】

【0113】
<表1>は無線電力送信装置200が3個の無線電力送信装置(A、B、C)から受信した状態情報に基づいて生成した状態リストの例を表す。また、図示してはいないが、無線電力送信装置200は自身の状態情報を含んで状態リストを生成することもできる。
【0114】
<表1>で、無線電力送信装置(A)の最大供給電力量は100Wであり、4個の無線電力受信装置300に電力を供給している。また、無線電力送信装置(A)は20Wの可用電力量が残っていることを意味する。ここで、可用電力量は無線電力送信装置200が現在提供している多数の無線電力受信装置300の以外の他の無線電力受信装置300に提供することができる電力量を意味する。また、無線電力送信装置(A)が提供している4個の無線電力受信装置300の各要求電力量は一定の電力量に限定されるものではなく、各々異なることがある。
【0115】
各無線電力送信装置200の可用電力量は、各無線電力送信装置201、202、203毎に異なることがある。
【0116】
無線電力送信装置(B)の最大供給電力量は200Wであり、5個の無線電力受信装置300に電力を供給している。また、無線電力送信装置(B)の可用電力量は15Wである。また、無線電力送信装置(B)が提供している5個の無線電力受信装置300の各要求電力量は一定の電力量に限定されるものではなく、異なることがある。
【0117】
無線電力送信装置(C)の最大供給電力量は300Wであり、6個の無線電力受信装置300に電力を供給している。また、無線電力送信装置(C)の可用電力量は30Wである。無線電力送信装置(C)が提供している6個の無線電力受信装置300の各要求電力量は一定の電力量に限定されるものではなく、異なることがある。
【0118】
その後、無線電力送信装置200は無線電力受信装置300から上記状態リストの伝送要請を受信する(S207)。一実施形態において、無線電力送信装置200と無線電力受信装置300とはインバンド通信またはアウトオブバンド通信を用いて情報を送受信することができる。
【0119】
無線電力送信装置200は、上記状態リストの伝送要請に応答して無線電力受信装置300に状態リストを伝送する(S209)。
【0120】
その後、無線電力受信装置300は上記受信した状態リストに基づいて電力受信のために複数の無線電力送信装置201、202、203のうち、1つ以上の無線電力送信装置を選択する(S211)。即ち、無線電力受信装置300は各無線電力送信装置の状態情報である最大供給電力量、各無線電力送信装置が電力を提供している無線電力受信装置の個数、及び各無線電力送信装置の可用電力量を考慮して1つ以上の無線電力送信装置を選択することができる。
【0121】
一実施形態において、無線電力受信装置300は3個の無線電力送信装置201、202、203のうち、可用電力量の最も多い無線電力送信装置203を選択することができる。即ち、これは、無線電力受信装置300が25wの電力量を必要として25wの電力量を提供してくれることができる場合でありうる。しかしながら、これに限定されるものではなく、無線電力受信装置300は2つの無線電力送信装置201、203を選択することもできる。
【0122】
一実施形態において、無線電力受信装置300は3個の無線電力送信装置201、202、203のうち、電力を提供している無線電力受信装置の個数が最も少ない無線電力送信装置(A)を選択することもできる。
【0123】
即ち、このように、無線電力受信装置300は状態リストに基づいて電力伝送に適合した無線電力送信装置を選択することができる。
【0124】
その後、無線電力受信装置300は1つ以上の無線電力送信装置の選択に対する選択情報を無線電力送信装置200に伝送する(S213)。ここで、選択情報は、無線電力受信装置300が複数の無線電力送信装置201、202、203のうち、どれを選択したかに対する情報を含む。具体的に、複数の無線電力送信装置201、202、203の各々が識別記号(A、B、C)を含む場合、選択情報は上記識別記号に対する情報を含む。
【0125】
無線電力送信装置200は、上記受信した選択情報に基づいて選択された無線電力送信装置201に電力伝送要請を伝送する(S215)。図7では無線電力送信装置201に電力伝送要請を伝送することとなっているが、これに限定されるものではない。
【0126】
選択された無線電力送信装置201は、無線電力受信装置300に電力を伝送する(S217)。一実施形態において、選択された無線電力送信装置201は電磁気誘導または共振を用いて無線電力受信装置300に無線で電力を伝送することができる。
【0127】
このように、本発明の実施形態に従って無線電力送信装置200と無線電力受信装置300とは両方向通信を通じて相互間の情報を共有して電力状況に合う能動的な電力伝送を遂行することができる。これによって、相互間の電力伝送が効率的になされることができる。
【0128】
図8は、本発明の一実施形態に従う無線電力伝送のための状態遷移図である。
【0129】
以下、図1乃至図7の内容に結び付けて本発明の一実施形態に従う無線電力伝送のための状態遷移図を説明する。
【0130】
−第1ステップ(選択モード)
まず、無線電力送信装置200と無線電力受信装置300とを含んだ無線電力伝送システムは第1モードM1にある。一実施形態において、第1モードM1は選択モードでありうる。上記第1モードで、無線電力送信装置200は一般的に物体の除去及び配置に対するインターフェース領域を管理することができる。
【0131】
無線電力送信装置200は1つ以上の物体を発見すれば、上記1つ以上の物体の位置を探すための試みを遂行しなければならない。さらに、無線電力送信装置200は電力を受信することができる無線電力受信装置300とその他の外部の物体(例えば、キー、小銭などの物体)を区別するための試みを行うことができる。
【0132】
また、無線電力送信装置200は電力伝送のための無線電力受信装置300を選択する試みを遂行しなければならない。このような目的を達成するために、無線電力送信装置200が初期に充分な情報を持っていなければ、無線電力送信装置200は後述する連結モード及びそれに連続して識別と設定モードとを繰り返して進行し、関連された情報を収集した後、選択ステップに遷移することができる。
【0133】
−第2ステップ(連結モード)
一実施形態において、第2モードM2は連結モードでありうる。一実施形態において、第2モードM2は無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との間の通信を遂行するために基本的な準備ができた状態でありうる。
【0134】
第1モードM1で、無線電力伝送システムは無線電力送信装置200が無線電力受信装置300を発見した場合、無線電力受信装置300に電力を伝送するための第2モードM2に遷移する。即ち、無線電力受信装置300の存在が認識された場合、無線電力伝送システムは第2モードに遷移して、無線電力受信装置300に連結信号を伝送することができる。上記連結信号は無線電力受信装置300の状態情報を受信するために無線電力送信装置200が無線電力受信装置300に伝送する接続信号でありうる。
【0135】
仮に、無線電力送信装置200が無線電力受信装置300から連結信号に対する応答信号を受信できない場合、連結信号の送信を中断し、第1モードM1に遷移する。仮に、無線電力送信装置200が無線電力受信装置300から負荷(または、バッテリー)400が十分に充電されているという応答信号を受信した場合、無線電力送信装置200は電力伝送を終了する。
【0136】
第2モードM2で、無線電力送信装置200が無線電力受信装置300から電力伝送を要請する応答信号を受信した場合、無線電力送信装置200は追加的な連結信号を新たな無線電力受信装置300に送信することができる。追加的な連結信号は新たな無線電力受信装置300を検出するための信号を意味する。
【0137】
無線電力送信装置200の追加的な連結信号に対応した応答信号がない場合、新たな無線電力受信装置300を検出する動作を止める。
【0138】
−第3モード(識別及び設定)
第2モードM2で、無線電力送信装置200が無線電力受信装置300に連結信号に対する応答信号を受信した場合、無線電力受信装置300の識別情報及び状態情報を収集する第3モードM3に遷移する。一実施形態において、第3モードM3は識別及び設定モードでありうる。ここで、無線電力受信装置300の識別情報は無線電力受信装置300の種類、機種、モデルなどの情報を意味するが、これに限定されるものではない。無線電力受信装置300の状態情報は、負荷(または、バッテリー)400に提供することができる最大電力量(または、最大充電量)、負荷(または、バッテリー)400に残っている現在電力量などを意味するが、これに限定されるものではない。無線電力送信装置200は、無線電力受信装置300と電力伝送条件を生成するために、無線電力受信装置300の識別情報及び状態情報を用いる。電力伝送条件という、無線電力送信装置200から無線電力受信装置300への電力伝送を特性化するための条件の集合を意味する。
【0139】
第3モードM3で、電力伝送条件に制約が発生すれば、第1モードM1に遷移する。一実施形態において、電力伝送条件に対する制約は電力伝送条件が成立しない場合を意味する。一実施形態において、電力伝送条件に対する制約は予想できなかったデータパケットが無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との間に伝送されることを意味する。一実施形態において、電力伝送条件に対する制約は、時間超過のような状況を意味する。時間超過は電力を受信する無線電力受信装置300が除去された後、一定時間が経った後、電力伝送を中断する場合を含む。
【0140】
第3モードM3で、電力伝送条件に制約が発生することによって第1モードM1に遷移された状態で、無線電力送信装置200は無線電力受信装置300と関連した状態情報を無線電力受信装置300に伝送し、また第3モードM3に遷移することができる。一実施形態において、無線電力送信装置200の状態情報は、1つの無線電力送信装置200が電力を提供している無線電力受信装置300の個数に対する情報を意味する。
【0141】
一実施形態において、無線電力送信装置200の状態情報は、無線電力受信装置300毎に各固有識別番号が与えられた場合、特定の無線電力送信装置200が電力を提供する無線電力受信装置300の固有識別番号に対する情報を意味する。
【0142】
一実施形態において、無線電力送信装置200の状態情報は、無線電力受信装置300に提供している電力量に対する情報を意味する。
【0143】
一実施形態において、無線電力送信装置200の状態情報は、無線電力受信装置300に電力を提供するに当たって、各無線電力受信装置300に電力を提供する優先順位に対する情報を意味する。
【0144】
一実施形態において、無線電力送信装置200の状態情報は、無線電力受信装置300に電力を提供するに当たって、各無線電力受信装置300に提供している差等的な電力提供割合に対する情報を意味する。例えば、特定の無線電力送信装置200が3個の無線電力送信装置300に電力を提供している場合、50%、30%、20%の割合で差等的に無線電力受信装置300に電力を提供しているという情報をいう。
【0145】
第3モードM3で、無線電力受信装置300の個数が特定個数を超過する場合、また第1モードM1に遷移することができる。即ち、特定の無線電力送信装置200が5個の無線電力受信装置300に電力を提供する場合、新たな無線電力受信装置300が検出されれば、新しく検出された無線電力受信装置300に電力を伝送できないように第1モードM1に遷移する。
【0146】
−第4モード(電力伝送)
第3モードM3で、電力伝送条件が成立した場合、無線電力伝送システムは第4モードM4に遷移することができる。一実施形態において、第4モードM4は無線電力送信装置200が無線電力受信装置に電力を伝送している状態を意味する。一実施形態において、第4モードM4は無線電力送信装置200が無線電力受信装置300から受信した情報に対応してコイルに流れる電流を調節しながら無線電力受信装置300に電力を伝送するステップでありうる。
【0147】
第4モードM4で、電力伝送条件のうちのいずれか1つの条件が成立しない場合、無線電力送信装置200は無線電力受信装置300への電力伝送を中断させ、第1モードM1に遷移する。一実施形態において、電力伝送条件に対する制約は電力伝送条件が成立しない場合を意味する。一実施形態において、電力伝送条件に対する制約は予想できなかったデータパケットが無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との間に伝送されることを意味する。一実施形態において、電力伝送条件に対する制約は時間超過のような状況を意味する。時間超過は電力を受信する無線電力受信装置300が除去された後、一定時間が経った後、電力伝送を中断する場合を含む。
【0148】
第4モードM4で、無線電力送信装置200が無線電力受信装置300から無線電力受信装置300の負荷(または、バッテリー)400が十分に充電されているという応答信号を受信した場合、無線電力送信装置300は電力伝送を終了し、第1モードM1に遷移する。
【0149】
第4モードM4で、無線電力受信装置300の状態が変更された場合、第3モードM3に遷移することができる。
【0150】
一実施形態において、無線電力受信装置300の状態が変更された場合とは、無線電力送信装置200が無線電力受信装置300に電力を伝送している過程で新たな無線電力受信装置300が検出された場合を意味する。この場合、無線電力伝送システムは第4モードM4から第3モードM3に遷移する。その後、無線電力送信装置200は無線電力受信装置300の識別情報及び状態情報を収集するための作業を遂行し、無線電力伝送条件が成立した場合、また第4モードM4に遷移する。仮に、無線電力伝送条件に制約が発生した場合、第1モードM1に遷移する。
【0151】
一実施形態において、無線電力受信装置300の状態が変更された場合とは、無線電力送信装置200が電力を提供することができる無線電力受信装置300の個数を超過して新たな少なくとも1つ以上の無線電力受信装置300が検出された場合を意味する。この場合、無線電力伝送システムは第4モードM4から第3モードM3に遷移する。その後、無線電力送信装置200は無線電力受信装置300の識別情報及び状態情報を収集するための作業を遂行し、無線電力送信装置200が提供することができる範囲の個数を超過した無線電力受信装置300においては第1モードM1に遷移する。
【0152】
−第5モード(電力伝送及び両方向通信)
第4モードM4で、無線電力伝送システムは無線電力送信装置200と無線電力受信装置300とは相互間の情報を共有するために第5モードM5に遷移することができる。
【0153】
一実施形態において、第5モードM5は電力伝送及び両方向通信ステップでありうる。一実施形態において、第5モードM5は無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との間の電力伝送を遂行しながら各自の変更される状態に対する情報を共有するモードでありうる。
【0154】
一実施形態において、変更される状態に対する情報は、無線電力送信装置200の個数が変更されたり、無線電力送信装置200が供給することができる電力量が変更される状態などの情報を意味する。
【0155】
一実施形態において、無線電力送信装置200の変更される状態情報は、1つの無線電力送信装置200が電力を提供している無線電力受信装置300の個数の変更に対する情報を意味する。
【0156】
一実施形態において、無線電力送信装置200の変更される状態情報は、無線電力受信装置300毎に各固有識別番号が与えられた場合、特定の無線電力送信装置200が電力を提供する無線電力受信装置300の固有識別番号に対する情報の変更を意味する。
【0157】
一実施形態において、無線電力送信装置200の変更される状態情報は、今後無線電力受信装置300に提供することができる電力量に対する情報を意味する。
【0158】
一実施形態において、無線電力送信装置200の変更される状態情報は、無線電力受信装置300に電力を提供するに当たって、各無線電力受信装置300に電力を提供する優先順位に対する情報を意味する。
【0159】
一実施形態において、無線電力送信装置200の変更される状態情報は、無線電力受信装置300に電力を提供するに当たって、各無線電力受信装置300に提供している差等的な電力提供割合に対する情報を意味する。例えば、特定の無線電力送信装置200が3個の無線電力送信装置300に電力を提供している場合、50%、30%、20%の割合で差等的に無線電力受信装置300に電力を提供している状況で各無線電力受信装置300の充電量によって割合を30%、50%、20%に変更することに対する情報を意味する。
【0160】
第5モードM5で、電力伝送条件に制約が発生すれば、第1モードM1に遷移する。一実施形態において、電力伝送条件に対する制約は電力伝送条件が不成立する場合を意味する。一実施形態において、電力伝送条件に対する制約は予想できなかったパケットが無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との間に伝送されることを意味する。一実施形態において、電力伝送条件に対する制約は時間超過のような状況を意味する。時間超過は電力を受信する無線電力受信装置300が除去された後、一定時間が経った後、電力伝送を中断する場合を含む。
【0161】
第5モードM5で、電力伝送条件に制約が発生して第1モードM1に遷移された場合、無線電力送信装置200は無線電力受信装置300と関連した状態情報を無線電力受信装置300に伝送し、また第5モードM5に遷移することができる。
【0162】
第5モードM5で、無線電力送信装置200が無線電力受信装置300から無線電力受信装置300の負荷(または、バッテリー)400が十分に充電されているという応答信号を受信した場合、無線電力送信装置300は電力伝送を終了し、第1モードM1に遷移する。
【0163】
第5モードM5で、無線電力受信装置300の状態が変更された場合、第4モードM4に遷移することができる。
【0164】
一実施形態において、無線電力受信装置300の状態が変更された場合とは、無線電力送信装置200が無線電力受信装置300に電力を伝送し、両方向通信を遂行している過程で新たな無線電力受信装置300が検出された場合を意味する。
【0165】
この場合、無線電力伝送システムは第5モードM5から第4モードM4に遷移し、その後、無線電力送信装置200は新たな無線電力受信装置300の識別情報及び状態情報を収集するための作業を遂行し、無線電力伝送条件が成立した場合、また第5モードM5に遷移する。仮に、無線電力伝送条件に制約が発生した場合、第1モードM1に遷移する。
【0166】
本実施形態では共振を用いた無線電力伝送を例に挙げて説明したが、本発明の両方向通信を用いた無線電力伝送方法、無線電力受信方法、及び電力制御方法は、電磁気誘導、RF方式などを用いた他の無線電力伝送にも適用可能である。
【0167】
以上、本発明の好ましい実施形態に対して図示及び説明したが、本発明は前述した特定の実施形態に限定されるものではなく、請求範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく当該発明が属する技術分野で通常の知識を有する者により多様な変形実施が可能であることは勿論であり、このような変形実施は本発明の技術的思想や展望から個別的に理解されてはならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線電力送信装置が無線電力受信装置に電力を伝送する無線電力伝送方法であって、
前記無線電力受信装置の識別のための連結信号を伝送するステップと、
前記無線電力受信装置から前記連結信号に対する応答信号を受信して前記無線電力受信装置を識別するステップと、
前記識別された無線電力受信装置と電力伝送条件を折衷するステップと、
前記折衷された電力伝送条件によって前記識別された無線電力受信装置に電力を伝送するステップと、
を含むことを特徴とする、無線電力伝送方法。
【請求項2】
前記折衷するステップは、
前記識別された無線電力受信装置に前記無線電力送信装置の状態情報を伝送して前記識別された無線電力受信装置が前記無線電力送信装置の状態情報に基づいて特定の状態情報を決めるようにするステップと、
前記識別された無線電力受信装置から決まった特定の状態情報を受信するステップと、を含み、
前記識別された無線電力受信装置に電力を伝送するステップは、
前記特定の状態情報に対応する電力を前記識別された無線電力受信装置に伝送するステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の無線電力伝送方法。
【請求項3】
前記特定の状態情報を決めるようにするステップは、
前記識別された無線電力受信装置に可用電力量を伝送して前記識別された無線電力受信装置が前記可用電力量範囲内で要求電力量を決めるようにするステップを含み、
前記決まった特定の状態情報を受信するステップは、
前記識別された無線電力受信装置から前記要求電力量を受信するステップを含み、
前記識別された無線電力受信装置に電力を伝送するステップは、
前記要求電力量に該当する電力を前記識別された無線電力受信装置に伝送するステップを含むことを特徴とする、請求項2に記載の無線電力伝送方法。
【請求項4】
前記特定の状態情報を決めるようにするステップは、
前記識別された無線電力受信装置に前記識別された無線電力受信装置と他の複数の無線電力受信装置に電力を提供する優先順位に対する情報を伝送して前記識別された無線電力受信装置が前記優先順位に対する情報内で定まった順位を受け入れるか否かを決めるようにするステップを含み、
前記決まった特定の状態情報を受信するステップは、
前記識別された無線電力受信装置から前記定まった順位を受け入れる信号を受信するステップを含み、
前記識別された無線電力受信装置に電力を伝送するステップは、
前記決まった順位によって電力を前記識別された無線電力受信装置に伝送するステップを含むことを特徴とする、請求項2に記載の無線電力伝送方法。
【請求項5】
前記折衷するステップは、
前記識別された無線電力受信装置に複数の無線電力送信装置の状態リストを伝送して前記識別された無線電力受信装置が前記複数の無線電力送信装置のうちの1つ以上を選択するようにするステップと、
前記識別された無線電力受信装置から前記選択に対応する選択情報を受信するステップと、を含み、
前記識別された無線電力受信装置に電力を伝送するステップは、
前記選択された1つ以上の無線電力送信装置は、前記識別された無線電力受信装置に電力を伝送するステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の無線電力伝送方法。
【請求項6】
前記状態リストは、
前記複数の無線電力送信装置の状態情報を含み、
前記状態情報は、
各無線電力送信装置が供給することができる最大供給電力量に対する情報、各無線電力送信装置が提供している無線電力受信装置の個数に対する情報、各無線電力送信装置に対する識別情報、及び各無線電力送信装置の可用電力量に対する情報のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項5に記載の無線電力伝送方法。
【請求項7】
前記折衷するステップは、
前記識別された無線電力受信装置の要求電力量を受信し、前記要求電力量が前記無線電力送信装置の可用電力量の範囲内にあることと判断した場合、前記識別された無線電力受信装置の要求電力量だけ電力を伝送するように決めるステップを含み、
前記識別された無線電力受信装置に電力を伝送するステップは、
前記要求電力量に該当する電力を前記識別された無線電力受信装置に伝送するステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の無線電力伝送方法。
【請求項8】
前記無線電力送信装置が前記応答信号を受信できなかった場合、他の無線電力受信装置に前記連結信号を伝送するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の無線電力伝送方法。
【請求項9】
前記無線電力送信装置の状態が変更される場合、前記折衷するステップに戻るステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の無線電力伝送方法。
【請求項10】
前記無線電力送信装置の状態が変更される場合は、
前記無線電力送信装置が供給することができる最大供給電力量の変更または前記無線電力送信装置が提供している無線電力受信装置の個数が変更される場合を含むことを特徴とする、請求項9に記載の無線電力伝送方法。
【請求項11】
無線電力受信装置が無線電力送信装置から電力を受信する無線電力受信方法であって、
前記無線電力受信装置を識別するための連結信号を受信するステップと、
前記連結信号に対する応答信号を前記無線電力送信装置に伝送するステップと、
前記無線電力送信装置と電力伝送条件を折衷するステップと、
前記折衷された電力伝送条件によって前記無線電力送信装置から電力を受信するステップと、
を含むことを特徴とする、無線電力受信方法。
【請求項12】
前記折衷するステップは、
前記無線電力送信装置の状態情報を受信して前記無線電力送信装置の状態情報内で特定の状態情報を決めるステップと、
前記無線電力送信装置に決まった特定の状態情報を送信するステップと、を含み、
前記無線電力送信装置から電力を受信するステップは、
前記決まった特定の状態情報に対応する電力を前記無線電力送信装置から受信するステップを含むことを特徴とする、請求項11に記載の無線電力受信方法。
【請求項13】
前記折衷するステップは、
前記識別された無線電力受信装置に複数の無線電力送信装置の状態リストを受信して前記複数の無線電力送信装置のうちの1つ以上を選択するステップと、
前記無線電力送信装置に前記選択した無線電力送信装置に対する選択情報を伝送するステップと、を含み、
前記無線電力送信装置から電力を受信するステップは、
前記選択された1つ以上の無線電力送信装置から電力を受信するステップを含むことを特徴とする、請求項11に記載の無線電力受信方法。
【請求項14】
無線電力受信装置に電力を伝送する無線電力送信装置であって、
前記無線電力受信装置の識別のための連結信号を伝送する送信部と、
前記連結信号に対する応答信号を受信して前記無線電力受信装置を識別する識別部と、
前記識別された無線電力受信装置と電力伝送条件を折衷する折衷部と、を含み、
前記無線電力送信装置は、
前記折衷された電力伝送条件によって前記識別された無線電力受信装置に電力を伝送することを特徴とする、無線電力送信装置。
【請求項15】
前記折衷部は、
前記識別された無線電力受信装置に前記無線電力送信装置の状態情報を伝送して前記識別された無線電力受信装置が前記無線電力送信装置の状態情報に基づいて特定の状態情報を決めるようにし、前記識別された無線電力受信装置から決まった特定の状態情報を受信し、
前記無線電力送信装置は、前記特定の状態情報に対応する電力を前記識別された無線電力受信装置に伝送することを特徴とする、請求項14に記載の無線電力送信装置。
【請求項16】
前記折衷部は、
前記識別された無線電力受信装置の状態情報を受信して前記識別された無線電力受信装置の状態情報に基づいて特定の状態情報を決定し、
前記無線電力送信装置は、
前記特定の状態情報に対応する電力を前記識別された無線電力受信装置に伝送することを特徴とする、請求項14に記載の無線電力送信装置。
【請求項17】
前記識別された無線電力受信装置の状態情報は、
前記識別された無線電力受信装置の現在充電量または充電量の推移に対する情報を含むことを特徴とする、請求項16に記載の無線電力送信装置。
【請求項18】
前記折衷部は、
前記識別された無線電力受信装置とインバンドまたはアウトオブバンド通信を用いて折衷することを特徴とする、請求項14に記載の無線電力送信装置。
【請求項19】
前記無線電力送信装置は、
電磁気誘導または共振を用いて前記識別された無線電力受信装置に電力を伝送することを特徴とする、請求項14に記載の無線電力送信装置。
【請求項20】
無線電力送信装置から無線で電力を受信する無線電力受信装置であって、
前記無線電力受信装置を識別するための連結信号を受信する受信部と、
前記連結信号に対する応答信号を前記無線電力送信装置に伝送する応答信号伝送部と、
前記無線電力送信装置と電力伝送条件を折衷する折衷部と、を含み、
前記無線電力受信装置は、
前記折衷された電力伝送条件によって前記無線電力送信装置から電力を受信することを特徴とする、無線電力受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−106515(P2013−106515A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−245483(P2012−245483)
【出願日】平成24年11月7日(2012.11.7)
【出願人】(510039426)エルジー イノテック カンパニー リミテッド (279)