無線ICタグ、該無線ICタグを用いたコンクリート構造物品質管理システム
【課題】コンクリート構造物の温度、水素イオン指数、歪みを監視する無線ICタグを提供すること。
【解決手段】コンクリート構造物11に取り付けまたは埋設される無線ICタグ1であって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリ、温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6を基板上2に実装し、温度センサー2で計測した構造物の温度データ、Phセンサー5で計測した構造物の水素イオン指数データ、歪みセンサー6で計測した構造物の歪みデータの少なくともいずれかのデータを前記強誘電体メモリに記憶する。
【解決手段】コンクリート構造物11に取り付けまたは埋設される無線ICタグ1であって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリ、温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6を基板上2に実装し、温度センサー2で計測した構造物の温度データ、Phセンサー5で計測した構造物の水素イオン指数データ、歪みセンサー6で計測した構造物の歪みデータの少なくともいずれかのデータを前記強誘電体メモリに記憶する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ICタグ、該無線ICタグを用いたコンクリート構造物の品質管理システムに関するものであり、特に、コンクリート構造物に関する種々値のセンサリング機能を備えてなり大容量の記憶をすることができる無線ICタグと該無線ICタグを用いたシステムである。
【背景技術】
【0002】
近年、ICタグ用のメモリ素子として強誘電体を利用したFeRAMを用いた不揮発性記憶装置が開発されている。この不揮発性記憶装置は、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と、無線通信するためのアンテナ部と、これらを制御する制御部とからなる(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に示された不揮発性記憶装置は、従来ICタグに用いられていたEEPROM等と比較し、書換回数、書き込み電圧の低さ、電源が不要であること、使用寿命の長さ、セルサイズが小型である等、様々な面で利点がある。そして現在、一個のICタグは、約8Kbyteの記憶容量を有し、それ自身が記憶装置として機能するとともに、演算装置としてのCPUとして機能するようになっている。
【0004】
RFIDタグとも呼ばれるこの電磁誘導方式によるパッシヴ型の無線ICタグは、コイルアンテナに印加する電波により、アンテナ周囲に発生する磁界を伝送媒体とし、アンテナに誘起される誘導起電力により外部と通信を行うものである。
【0005】
一方、セメント、骨材、水を混練し、これを打設するコンクリートやモルタルからなるコンクリート構造物において、温度、水素イオン指数、歪みの有無はその構造物の安全性を保持するためには極めて重要な指針となる。
【0006】
すなわち、コンクリート構造物は、コンクリート脱型後の製品の取り扱いによる損傷の防止するため、または、打設時にセメント製品が所望される強度を保持していることの確認するため、さらには温度ひび割れの抑制のために温度管理をする必要がある。したがって、コンクリート構造物における温度の経時変化の監視が必要となる。
【0007】
また、コンクリート構造物を構成するセメント製品はPh12〜13の強アルカリ性であり、この強アルカリ性により、鉄筋コンクリート中の鉄筋の表面には不動態皮膜と呼ばれる厚さ約3nmの緻密な酸化皮膜(γ―Fe203・nH20)が作られ、酸化から保護されている。しかしこの強アルカリ性のコンクリートの中性化が進み鉄筋周辺の水素イオン指数がPh11.5を下回ると、不動態皮膜が破壊され、鉄筋は腐食し始める。したがって、コンクリート構造物における水素イオン指数の経時変化の監視が必要となる。
【0008】
さらには、コンクリート構造物は、上述した理由によるコンクリート構造物の劣化、あるいは、地震等外的な要因による構造物の変形により構造物が倒壊する危険を未然に回避する必要がある。そこで、コンクリート構造物に生じる歪みの経時変化の監視が必要となる。
【0009】
コンクリート構造物の品質を管理するシステムは、従来からいくつか案出されており、打設コンクリート中に温度センサーを備えた埋込型RFIDモジュール(特許文献2)、また、建物の壁体内に設けられる耐震センサー(特許文献3)等が案出されている。しかしながら、これらの構造物管理システムは、ある特定の値を測定するセンサーのみを搭載したものである。
【0010】
しかしながら、打設時により安全なコンクリート構造物を建てるため、また、耐震性や劣化による構造物の倒壊などの危険を早い段階で察知して品質管理してコンクリート構造物の安全性を高めるためには、コンクリート構造物の温度、水素イオン指数、歪みという複数の要因からコンクリート構造物を総合的に監視する必要があり、これらのデータの計測を、コンクリート構造物からコンクリートサンプルを採取することなく容易かつ確実に行いたいという要請が生じた。
【特許文献1】特開2007−241576号公報
【特許文献2】特開2006−71575号公報
【特許文献3】特開2007−16486号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記課題を達成するため、本発明の無線ICタグは、書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された温度センサーを有し、前記温度センサーで計測した前記構造物の温度データを前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする。
【0012】
また、書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続されたPhセンサーを有し、前記Phセンサーで計測した前記構造物の水素イオン指数データを前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする。
【0013】
また、書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設されるに埋設する無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された歪みセンサーを有し、前記歪みセンサーで計測した構造物の歪みデータを前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする。
【0014】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続されてなる、温度センサー、Phセンサー、歪みセンサーのうち少なくとも二種類以上のセンサーを有し、前記温度センサーで計測した前記構造物の温度データ、前記Phセンサーで計測した前記構造物の水素イオン指数データ、前記歪みセンサーで計測した前記構造物の歪みデータの少なくともいずれかのデータを前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする。
【0015】
また、無線ICタグは、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、UHF帯域の電波を受信するUHF帯通信アンテナチップとを連結させて基板上に実装し、UHF帯を超える長い周波数帯の通信を前記強誘電体メモリのアンテナ部で行いデータを前記強誘電体メモリに記憶させるとともに、UHF帯の通信を前記UHF帯通信用アンテナチップで行い、前記データを前記強誘電体メモリに記憶させることを特徴とする。
【0016】
また、無線ICタグは、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリを実装した基板を絶縁材料で覆ってなることを特徴とする。
【0017】
また、温度センサーは、測温抵抗体、熱電対、サーミスタのいずれかとし、前記温度センサーが検出した電気信号を前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする。
【0018】
また、Phセンサーは、コンクリート構造物の測定部位をセンサーに配設されるフィルム上に接触させることで、測定部位での反応性、酸・アルカリの付着量、測定部位内部から放出される酸・アルカリ量などを検出する半導体イメージングセンサー、または、ガラス電極と比較電極を有してなり該電極間の電位差を検出するガラス電極センサーとし、前記Phセンサーが検出した電気信号を前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする。
【0019】
また、歪みセンサーはコンクリート構造物の少なくとも二点の相対位置の変化量を検出する変位センサーとし、前記歪みセンサーが検出した電気信号を前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする。
【0020】
また、無線ICタグが有するセンサーは、基板上に実装したことを特徴とする。
【0021】
無線ICタグは、充電装置から非接触で充電される電池と電気的に接続されてなることを特徴とする。
【0022】
電池は、充電装置からの所定の周波数帯の電波により非接触で充電される電池であることを特徴とする。
【0023】
電池は、基板上に実装されてなることを特徴とする。
【0024】
電池に充電する充電装置は、書き込み・読み取り装置に備えられてなることを特徴とする。
【0025】
無線ICタグが有するセンサーは、充電装置から非接触で充電される電池から電源供給されて駆動することを特徴とする。
【0026】
無線ICタグは、振動、熱または電波により自己発電する発電機構と電気的に接続されてなることを特徴とする。
【0027】
発電機構は、基板上に実装されてなることを特徴とする。
【0028】
無線ICタグが有するセンサーは、振動、熱または電波により自己発電する発電機構から電源供給されて駆動することを特徴とする。
【0029】
本発明の無線ICタグを用いたコンクリート構造物品質管理システムは、書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは打設時に埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された温度センサーを有し、前記強誘電体メモリに搭載されてなる制御部が温度センサーを制御する手段と、前記温度センサーが、前記コンクリート構造物の温度を計測する手段と、計測した前記構造物の温度データを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することを特徴とする。
【0030】
また、書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは打設時に埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続されたPhセンサーを有し、前記強誘電体メモリに搭載されてなる制御部がPhセンサーを制御する手段と、前記Phセンサーが、前記コンクリート構造物の水素イオン指数を計測する手段と、計測した前記構造物の水素イオン指数データを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することを特徴とする。
【0031】
また、書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは打設時に埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された歪みセンサーを有し、前記強誘電体メモリに搭載されてなる制御部が歪みセンサーを制御する手段と、前記歪みセンサーが、前記コンクリート構造物の歪みを計測する手段と、計測した前記構造物の歪みデータを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することを特徴とする。
【0032】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは打設時に埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された温度センサー、Phセンサー、歪みセンサーのうち少なくとも二種類以上のセンサーを有し、前記強誘電体メモリに搭載されてなる制御部が各センサーを制御する手段と、各センサーが前記コンクリート構造物のデータを計測する手段と、計測した前記コンクリート構造物のデータを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することを特徴とする。
【0033】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された温度センサー、Phセンサー、歪みセンサーの少なくともいずれかのセンサーを有し、前記センサーのいずれかが変化量を検出すると検出したデータを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することを特徴とする。
【0034】
無線ICタグは、充電装置から非接触で充電される電池と電気的に接続されてなり、無線ICタグが有するセンサーは、前記電池から電源供給されて駆動することを特徴とする。
【0035】
無線ICタグは、振動、熱または電波により自己発電する発電機構と電気的に接続されてなり、無線ICタグが有するセンサーは、前記発電機構から電源供給されて駆動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0036】
上記構成によれば、本発明の無線ICタグは、書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された温度センサーを有し、前記温度センサーで計測した前記構造物の温度データを前記強誘電体メモリに記憶することにより、無線でデータ通信可能な温度センサー付きの無線ICタグを使用しているので、コンクリート内部の温度測定と温度データの取り出しが容易であるとともに、この無線ICタグの大容量メモリに一定期間ごとに測定した温度データを記憶させておくことができるので、実際に使用したコンクリート毎に、現場担当者、打設後の管理者が温度、積算温度を利用したコンクリートの強度推定を容易かつ迅速に行うことができ、コンクリート構造物の安全性の向上に資する。
【0037】
また、書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続されたPhセンサーを有し、前記Phセンサーで計測した前記構造物の水素イオン指数データを前記強誘電体メモリに記憶することにより、無線でデータ通信可能なPhセンサー付きの無線ICタグを使用しているので、コンクリート内部の水素イオン指数測定と水素イオン指数データの取り出しが容易であるとともに、この無線ICタグの大容量メモリに一定期間ごとに測定した水素イオン指数データを記憶させておくことができ、実際に使用したコンクリート毎にコンクリートの水素イオン指数を測定することができるので、現場担当者、打設後の管理者が水素イオン指数データを利用したコンクリートの中性化の推定を容易かつ迅速に行うことができ、コンクリート構造物の安全性の向上に資する。
【0038】
また、書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設されるに埋設する無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された歪みセンサーを有し、前記歪みセンサーで計測した構造物の歪みデータを前記強誘電体メモリに記憶することにより、無線でデータ通信可能な歪みセンサー付きの無線ICタグを使用しているので、コンクリート構造物の歪みの測定と歪みデータの取り出しが容易であるとともに、この無線ICタグの大容量メモリに一定期間ごとに測定した水素イオン指数データを記憶させておくことができ、実際に使用したコンクリート毎にコンクリートの歪みを測定することができるので、現場担当者、打設後の管理者が歪みデータ利用してコンクリート構造物の劣化や、地震等外的要因によるコンクリート構造物の亀裂等の発見を容易かつ迅速に行うことができ、コンクリート構造物の安全性の向上に資する
【0039】
また、書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続されてなる、温度センサー、Phセンサー、歪みセンサーのうち少なくとも二種類以上のセンサーを有し、前記温度センサーで計測した前記構造物の温度データ、前記Phセンサーで計測した前記構造物の水素イオン指数データ、前記歪みセンサーで計測した前記構造物の歪みデータの少なくともいずれかのデータを前記強誘電体メモリに記憶することにより、コンクリート構造物の温度、水素イオン指数、歪みを一つの媒体で測定し記憶することができる複合センサーを備えた無線ICタグを提供することができるので、上記効果に加えて一つの無線ICタグで、コンクリート構造物の測定を総合的に行うことができ、現場担当者、打設後の管理者も一つの書き込み・読み取り装置で複数のデータを取得可能であり、コンクリート構造物の品質管理を容易かつ迅速に行うことができる。
【0040】
また、無線ICタグは、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、UHF帯域の電波を受信するUHF帯通信アンテナチップとを連結させて基板上に実装し、UHF帯を超える長い周波数帯の通信を前記強誘電体メモリのアンテナ部で行いデータを前記強誘電体メモリに記憶させるとともに、UHF帯の通信を前記UHF帯通信用アンテナチップで行い、前記データを前記強誘電体メモリに記憶させることにより、LF帯等従来の無線ICタグが用いていた周波数帯の他、広い通信範囲を有するUHF帯の通信を行うことができ、規模の大きなコンクリート構造物においても書き込み・読み取り装置を用いて容易かつ迅速にデータの読み取りと書き込みを行うことができる。
【0041】
また、無線ICタグは、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリを実装した基板を絶縁材料で覆ってなることにより、無線ICタグをコンクリート構造物に埋設しても、無線ICタグに損傷を生じることなく、長期間に亘って無線ICタグを用いることができる。
【0042】
また、温度センサーは、測温抵抗体、熱電対、サーミスタのいずれかとし、前記温度センサーが検出した電気信号を前記強誘電体メモリに記憶することにより、正確に温度測定可能であって、無線ICタグと連結または同一基板上に設けることができる小型の温度センサーを構成することができ、比較的小型のセンサリング用の無線ICタグを提供することができる。
【0043】
また、Phセンサーは、コンクリート構造物の測定部位をセンサーに配設されるフィルム上に接触させることで、測定部位での反応性、酸・アルカリの付着量、測定部位内部から放出される酸・アルカリ量などを検出する半導体イメージングセンサー、または、ガラス電極と比較電極を有してなり該電極間の電位差を検出するガラス電極センサーとし、前記Phセンサーが検出した電気信号を前記強誘電体メモリに記憶することにより、正確に水素イオン指数を測定可能であって、無線ICタグと連結または同一基板上に設けることができる小型のPhセンサーを構成することができ、比較的小型のセンサリング用の無線ICタグを提供することができる。
【0044】
また、歪みセンサーはコンクリート構造物の少なくとも二点の相対位置の変化量を検出する変位センサーとし、前記歪みセンサーが検出した電気信号を前記強誘電体メモリに記憶することにより、正確にコンクリート構造物の歪みを検出でき、無線ICタグと連結または同一基板上に設けることができる小型の歪みセンサーを構成することができ、比較的小型のセンサリング装置を提供することができる。
【0045】
また、無線ICタグが有するセンサーは基板上に実装したことにより、小型かつ薄型の一のセンサー装置で、コンクリート構造物の品質管理をすることができる。
【0046】
また、無線ICタグは、充電装置から非接触で充電される電池と電気的に接続されてなることにより、コンクリート構造物に無線ICタグを埋設する場合や生コンクリート等のセメント製品に無線ICタグを混入する場合のように無線ICタグに対して有線により電気供給できない場所に無線ICタグが位置する場合であっても、外部から無線により充電をすることができる。よって、無線充電式の無線ICタグを提供することができる。
【0047】
電池は、充電装置からの所定の周波数帯の電波により非接触で充電される電池であることにより、無線通信装置やその他発信機器からの電波で充電することができ、例えば電磁誘導を利用した充電等に比べて発熱等のおそれがなく安全に非接触の充電をすることができる。
【0048】
電池は、基板上に実装されてなることにより、モジュール化された充電のできる小型のセンサー付き無線ICタグを提供することができる。
【0049】
電池に充電する充電装置は、書き込み・読み取り装置に備えられてなることにより、無線ICタグへのデータ書き込みまたはデータ読み取りを利用して無線ICタグに対して充電することができる。
【0050】
無線ICタグが有するセンサーは、充電装置から非接触で充電される電池から電源供給されて駆動することにより、コンクリート構造物中に位置する温度センサー、Phセンサー、歪みセンサーに容易に給電することができ、外部電源に接続しなくともこれ等センサーを駆動させることができる。
【0051】
無線ICタグは、振動、熱または電波により自己発電する発電機構と電気的に接続されてなることにより、コンクリート構造物に無線ICタグを埋設する場合や生コンクリート等のセメント製品に無線ICタグを混入する場合のように無線ICタグに対して有線により電気供給できない場所に無線ICタグが位置する場合であっても、無線ICタグは、振動、熱、電波等の要因により自己発電し、必要に応じて発電した電力を蓄電することができる。よって、自己発電式の無線ICタグを提供することができる。
【0052】
発電機構は、基板上に実装されてなることにより、モジュール化された発電のできる小型のセンサー付き無線ICタグを提供することができる。
【0053】
無線ICタグが有するセンサーは、振動、熱または電波により自己発電する発電機構から電源供給されて駆動することにより、コンクリート構造物中に位置する温度センサー、Phセンサー、歪みセンサーに容易に給電することができ、外部電源に接続しなくともこれ等センサーを駆動させることができる。
【0054】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは打設時に埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された温度センサーを有し、前記強誘電体メモリに搭載されてなる制御部が温度センサーを制御する手段と、前記温度センサーが、前記コンクリート構造物の温度を計測する手段と、計測した前記構造物の温度データを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することにより、無線でデータ通信可能な温度センサー付きの無線ICタグを使用しているので、コンクリート内部の温度測定と温度データの取り出しが容易であるとともに、この無線ICタグの大容量メモリに一定期間ごとに測定した温度データを記憶させておくことができるので、実際に使用したコンクリート毎に、現場担当者、打設後の管理者が温度、積算温度を利用したコンクリートの強度推定を容易かつ迅速に行うことができ、コンクリート構造物の安全性の向上に資するコンクリート構造物の管理システムを提供することができる。
【0055】
また、書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは打設時に埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続されたPhセンサーを有し、前記強誘電体メモリに搭載されてなる制御部がPhセンサーを制御する手段と、前記Phセンサーが、前記コンクリート構造物の水素イオン指数を計測する手段と、計測した前記構造物の水素イオン指数データを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することにより、無線でデータ通信可能なPhセンサー付きの無線ICタグを使用しているので、コンクリート内部の水素イオン指数測定と水素イオン指数データの取り出しが容易であるとともに、この無線ICタグの大容量メモリに一定期間ごとに測定した水素イオン指数データを記憶させておくことができ、実際に使用したコンクリート毎にコンクリートの水素イオン指数を測定することができるので、現場担当者、打設後の管理者が水素イオン指数データを利用したコンクリートの中性化の推定を容易かつ迅速に行うことができ、コンクリート構造物の安全性の向上に資するコンクリート構造物管理システムを提供することができる。
【0056】
また、書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは打設時に埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された歪みセンサーを有し、前記強誘電体メモリに搭載されてなる制御部が歪みセンサーを制御する手段と、前記歪みセンサーが、前記コンクリート構造物の歪みを計測する手段と、計測した前記構造物の歪みデータを前記強誘電体メモリに記憶することにより、無線でデータ通信可能な歪みセンサー付きの無線ICタグを使用しているので、コンクリート構造物の歪みの測定と歪みデータの取り出しが容易であるとともに、この無線ICタグの大容量メモリに一定期間ごとに測定した歪みデータを記憶させておくことができ、実際に使用したコンクリート毎にコンクリートの歪みを測定することができるので、現場担当者、打設後の管理者が歪みデータ利用してコンクリート構造物の劣化や、地震等外的要因によるコンクリート構造物の亀裂等の発見を容易かつ迅速に行うことができ、コンクリート構造物の安全性の向上に資するコンクリート構造物管理システムを提供することができる。
【0057】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは打設時に埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された温度センサー、Phセンサー、歪みセンサーのうち少なくとも二種類以上のセンサーを有し、前記強誘電体メモリに搭載されてなる制御部が各センサーを制御する手段と、各センサーが前記コンクリート構造物のデータを計測する手段と、計測した前記コンクリート構造物のデータを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することにより、コンクリート構造物の温度、水素イオン指数、歪み等いくつかの要素を一つの媒体で測定し記憶することができるので、上記効果に加えてコンクリート構造物の測定を総合的に行うことができ、現場担当者、打設後の管理者も一つの書き込み・読み取り装置で複数のデータを取得可能であり、コンクリート構造物の品質管理を総合的であって容易かつ迅速に行うことができる、コンクリート構造物管理システムを提供することができる。
【0058】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された温度センサー、Phセンサー、歪みセンサーの少なくともいずれかのセンサーを有し、前記センサーのいずれかが変化量を検出すると検出したデータを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することにより、常時または比較的短い時間間隔でセンサリングをし、データに変化があったときにデータを記憶させることができ、メモリ容量に対する記憶するデータ容量が少なくて済むため、長期間運用できるコンクリート構造物品質管理システムを提供することができる。
【0059】
無線ICタグは、充電装置から非接触で充電される電池と電気的に接続されてなり、無線ICタグが有するセンサーは、前記電池から電源供給されて駆動することにより、各センサーには有線により接続される外部電源によらずとも電力が供給される。
【0060】
無線ICタグは、振動、熱または電波により自己発電する発電機構と電気的に接続されてなり、無線ICタグが有するセンサーは、前記発電機構から電源供給されて駆動することにより、各センサーには有線により接続される外部電源によらずとも電力が供給される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0061】
図1は、本発明の第一の実施の形態の無線ICタグの模式的斜視図、図2は、図1に示す無線ICタグに用いる温度センサーの模式的斜視図、図3は、図1に示す無線ICタグに用いるPhセンサーの模式的斜視図である。図4は、本発明の第二の実施の形態の無線ICタグの模式的斜視図、図5は、図4に示す無線ICタグを絶縁材料で被覆した状態の断面図、図6は、本発明の無線ICタグを用いた管理システムの例を示す模式図、図7は、本発明の無線ICタグをコンクリート構造物に埋設した状態を示す斜視図である。また、図8は、本発明の第三の実施の形態の無線ICタグの模式的斜視図、図9は、図8に示す無線ICタグを用いた管理システムの例を示す模式図、図10は、本発明の第四の実施の形態の無線ICタグの模式的斜視図、図11は、本発明の第五の実施の形態を示す模式的斜視図、図12は、本発明の第六の実施の形態を示す模式的斜視図である。
【0062】
本発明第一の実施の形態を示す本発明の無線ICタグ1は、RFIDタグとも呼ばれるデータの書き込みおよび読み取りができる記憶装置であって、図1に示すように、ICタグ用のメモリ素子として強誘電体を利用した強誘電体メモリと呼ばれるFeRAMチップ3が金属板、セラミック板等からなる基板2上に実装されるとともに、このFeRAMチップ3と各種センサーが連結されており、コンクリート構造物品質管理システムに用いるための無線ICタグである。無線ICタグ1は、図7に示すように、コンクリート構造物11に埋設または取り付けられてコンクリート構造物11の各種データを計測し、該計測データを記憶するとともに、図6に示すように書き込み・読み取り装置としてのリーダーライター9との間でデータを書き込み、読み取りを無線により行うように構成されている。
【0063】
無線ICタグ1のFeRAMチップ3を構成するFeRAMのタイプは、どのようなものであってもよく、キャパシター型、トランジスタ型いずれのタイプであってもよい。尚、製品等の管理システムに用いやすいのは、電源を搭載せず外部からのデータアクセス用の電波を整流して電源とするパッシヴ型のFeRAMである。このFeRAMチップ3には、強誘電体を利用した不揮発性メモリであるFeRAMと、駆動用に電池を内蔵する代わりに外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と、無線交信するためのフィルム状のアンテナ部と、FeRAMチップ3と後述するセンサーを制御する制御部が搭載されている。
【0064】
このFeRAMチップ3を構成するFeRAMは、従来の無線ICタグに用いられていたEEPROMと比較すると、その書き換え回数が、EEPROMが10の5乗回程度であるのに対し、FeRAMは10の13乗回以上と優れた性能を備えている。また、書き込み電圧は従来のEEPROMが12Vであるのに対して、FeRAMはDC1.1V〜3Vと極めて低い電圧で書き込みを行うことができ、無線ICタグ内部に電池を内蔵することなく、外部からの電波に共振して発電する電源部を備えたパッシブタイプでも十分足りるとともに、従来のICタグに用いられていたEEPROMと比較して5000倍もの書き込み速度を有している。データの保存期間が10年以上と長い。さらに、書き換えのアクセスにあっても、従来のEEPROMやフラッシュメモリーではほとんどがブロック単位の書き込みであったのに対し、FeRAMはワード単位でランダムに書き込みを行えるという利点がある。
【0065】
制御部は、一旦書き込まれた情報が改ざんされることがないように、追記はできるものの、上書きをできない設定とすることも可能で、データの書き込み・読み取りは暗号化したプロトコルを用いて行うことがよい。よって、約8KBのメモリ容量中に、各種データを、図4に示すその都度、書き込み・読み取り装置としてのリーダーライター9と間の無線通信により、書き込み・読み取りができる。また、FeRAMチップ3が無線交信可能な周波数帯域は、自由に設定することができLF帯からUHF帯まで用いることができるが、アンテナ部は、地表波による安定した通信が可能で、指向性が弱く、水や埃、金属の影響を比較的受けにくく、信頼性の高いデータ通信のできるLF帯の通信に設定することが適している。尚、VHF帯、HF帯、MF帯の周波数帯通信用に設定してもよい。
【0066】
尚、無線ICタグ1のFeRAMチップ3には、リーダーライター9で読み取り可能な管理フラグを、あらかじめ、または、書き込み時に記憶させ、リーダーライター9で情報の書き込み・読み取りを行う際にこの管理フラグを読み取ることにより、所定の管理システムを構成する無線ICタグ1であることが識別可能になっている。尚、必要に応じて、無線ICタグ1には、アンチコリジョン機能を搭載し、複数の無線ICタグ1が近傍に位置していても混信して通信できないという事態がないようにできる。
【0067】
無線ICタグ1は、FeRAMチップ3と配線21で連結されてなる温度センサー4が配設されて、温度センサーの検知部がコンクリート構造物11に当接してコンクリート構造物11の温度を計測できるようになっている。
【0068】
この温度センサー4は、例えば、測温抵抗体、熱電対、サーミスタのいずれかの温度センサーであって、基板2上に実装できる程度に小型であることがのぞましい。
【0069】
測温抵抗体は、金属の電気抵抗率が温度に比例して変わることを利用した温度センサーである。熱電対は、熱電能の互いに異なるプラチナ、レニウム、タングステン、銀、金等二種類の金属を接合し、この2つの接合点を異なる温度にすると、一定の方向に電流が流れ、熱起電力が生じるゼーベック効果を利用した温度センサーであり、常温付近で使用されることが多いが、高温領域や低温領域でも用いることができ、耐熱性や耐酸性・耐アルカリ性などを有することよりコンクリートに埋設するセンサーとして優れており、箔熱電対を用いれば基板2上に実装することも可能である。サーミスタは、温度変化により電気抵抗が大きく変化する抵抗体を用抵抗の変化を利用した温度センサーであり、−50℃から350℃程度まで用いることができ、コンクリートに埋設するセンサーとして優れている。
【0070】
図2にサーミスタによる温度センサー4の例を示す。面実装タイプのチップ型のサーミスタ41は、内部電極42と接するように基板2上に配設され、その周囲をメッキ層43、44が、上部を保護膜45が覆ってなる構成であり、温度の増加に伴って抵抗が増加するか、または、温度の増加に伴って抵抗が減少する原理を用いて温度を測定する。
【0071】
この温度センサー4は、FeRAMチップ3の制御部からの測定信号出力により所定の時間間隔で、またはリーダーライター9の読み取り時に、あるいは常時コンクリート構造物11のコンクリート温度を計測し、電気信号として出力される温度データをFeRAMチップ3のメモリに記憶するようになっている。
【0072】
尚、図1においては、温度センサー4を基板2上に実装しているが、必ずしも基板2上に実装する必要はなく、FeRAMチップ3と通電可能な状態に配線されていればよい。また、図7に示すように、温度センサー4の電源は、外部電源12を用いてもよい。また、温度センサーの種類は上述したものに限られるものではない。
【0073】
また、無線ICタグ1には、FeRAMチップ3と配線22で連結されてなるPhセンサー5が配設されて、Phセンサーの検知部がコンクリート構造物11に当接してコンクリート構造物11の水素イオン指数を計測できるようになっている。
【0074】
このPhセンサー5は、例えば、イメージングセンサー上に薄いゲルフィルムを形成し、コンクリート構造物の測定部位表面をゲルフィルム上に接触させることで、表面での反応性、アルカリの付着量、測定部位内部から放出される酸・アルカリ量などを検出する半導体を用いたイメージングセンサー、または、ガラス電極と比較電極を有してなり該電極間の電位差を検出するガラス電極センサーであって、繰り返し水素イオン指数を測定できるとともに、基板2上に実装できる程度に小型であることがのぞましい。
【0075】
図3にシート型複合ガラス電極を用いたPhセンサー5の例を示す。面実装タイプのシート型複合ガラス電極センサーの検出部は、Ph応答性のガラス電極51と比較電極52および液絡部53を有し、ガラス電極と比較電極間の電位差を検出して水素イオン指数を測定する。尚、コンクリート構造物の硬化後に使用する場合には、半導体を用いたイメージングセンサーが適している。
【0076】
このPhセンサー5は、FeRAMチップ3の制御部の測定信号出力によりに所定の時間間隔で、またはリーダーライター9の読み取り時に、あるいは常時コンクリート構造物11のコンクリートの水素イオン指数を計測し、電気信号として出力される水素イオン指数データをFeRAMチップ3のメモリに記憶するようになっている。
【0077】
尚、図1においては、Phセンサー5を基板2上に実装しているが、必ずしも基板2上に実装する必要はなく、FeRAMチップ3と通電可能な状態に配線されていればよい。また、図7に示すように、Phセンサー5の電源は、外部電源12を用いてもよい。また、Phセンサーの種類は上述したものに限られるものではない。
【0078】
無線ICタグ1は、FeRAMチップ3と配線23で連結されてなる歪みセンサー6が配設されて、歪みセンサーの検知部がコンクリート構造物11の歪みを計測できるようになっている。
【0079】
この歪みセンサーはコンクリート構造物の少なくとも二点の相対位置の変化量を検出する変位センサーとし、基板2上に実装できる程度に小型であることがのぞましい。
【0080】
変位センサーは、コンクリート構造物の少なくとも二点の位置の歪み、変位等の変化量を検出するべく、コンクリート構造物の少なくともXY方向の二点を繋いで配設されるブリッジ回路を用いた歪みゲージ、電磁的手法を用いた歪みセンサー、体積歪み計等がのぞましい。またいくつかの無線ICタグの歪みセンサーの位置の変動を総合的に検知して、コンクリート構造物全体の歪みを計測するようにしてもよい。
【0081】
この歪みセンサーは、FeRAMチップ3の制御部からの測定信号出力により所定の時間間隔で、またはリーダーライター9の読み取り時、あるいは常時コンクリート構造物11の歪みの変化量を計測し、電気信号として出力される歪みデータをFeRAMチップ3のメモリに記憶するようになっている。
【0082】
尚、図1においては、歪みセンサー5を基板2上に実装しているが、必ずしも基板2上に実装する必要はなく、FeRAMチップ3と通電可能な状態に配線されていればよい。また、図7に示すように、歪みセンサー5の電源は、外部電源12を用いてもよい。また、歪みセンサーの種類は上述したものに限られるものではない。
【0083】
また、本実施の形態においては、温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6を一つのFeRAMチップ3に連結させて、一の基板2上に実装し、コンクリート構造物11の温度、水素イオン指数、歪みを一の無線ICタグ1で測定し記憶可能としたが、無線ICタグに設けるセンサーはいずれか一つのセンサーであってもよいし、二つのセンサーであってもよい。
【0084】
本発明の第二の実施の形態を示す本発明の無線ICタグ7は、RFIDタグとも呼ばれるデータの書き込みおよび読み取りができる記憶装置であって、図4に示すように、ICタグ用のメモリ素子として強誘電体を利用した強誘電体メモリと呼ばれるFeRAMチップ3が金属板、セラミック板等からなる基板2上に実装されるとともに、移動体の管理や、広いエリアでの管理を行う場合のために、リーダーライター9を用いたデータの読み取り、書き込みの通信距離が数メートルと広い通信エリアを有するUHF帯の通信をするUHF帯通信アンテナチップ8が搭載されているハイブリット型の無線ICタグ7である。
【0085】
そして、このハイブリット型の無線ICタグ7は、FeRAMチップ3と電気的に接続された各種センサーからなるコンクリート構造物品質管理システムに用いるための無線ICタグである。無線ICタグ7は、コンクリート構造物に埋設されてコンクリート構造物の各種データを計測し、該計測データを記憶するとともに、リーダーライター9との間でのデータを書き込み、読み取りを無線により行うようになっている。
【0086】
この無線ICタグ7において、FeRAMチップ3とUHF帯通信アンテナチップ8の制御は、FeRAMチップ3に搭載された制御部が行う。リーダーライターの通信周波数帯に応じて、FeRAMチップ3のアンテナ部または、UHF帯通信アンテナチップ8で通信を行うとともに、伝達されたデータを制御部が制御し、FeRAMチップ3の大容量メモリに記録する。
【0087】
例えば、リーダーライターからLF帯の周波数の電波が出力されたときには、FeRAMチップ3のアンテナ部がこの電波を受信し、制御部は、送られたデータをFeRAMチップ3のメモリ部に記憶するように制御する。一方、リーダーライター9からUHF帯の周波数の電波が出力されたときには、UHF帯通信アンテナチップ8がこの電波を受信し、UHF帯通信アンテナチップ8が電波を受信すると、送られたデータをFeRAMチップ3のメモリ部に記憶するように制御し、データは、UHF帯通信アンテナチップ4を介してFeRAMチップ3のメモリ部に記憶される。
【0088】
尚、無線ICタグ7のFeRAMチップ3には、リーダーライター9で読み取り可能な管理フラグを、あらかじめ、または、書き込み時に記憶させ、リーダーライター9で情報の書き込み・読み取りを行う際にこの管理フラグを読み取ることにより、所定の管理システムを構成する無線ICタグ1であることが識別可能になっている。尚、必要に応じて、無線ICタグ1には、アンチコリジョン機能を搭載し、複数の無線ICタグ7が近傍に位置していても混信して通信できないという事態がないようにできる。
【0089】
温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6は、それぞれ配線24、配線25、配線26によりFeRAMチップ2と連結されている。各センサーの構成は、第一の実施の形態と同様であるので省略する。
【0090】
尚、図4においては、各センサーを基板2上に実装しているが、必ずしも基板2上に実装する必要はなく、FeRAMチップ3と通電可能な状態に配線されていればよい。また、図7に示すように、各センサーの電源は、外部電源12を用いてもよい。また、センサーの種類は上述したものに限られるものではない。
【0091】
また、本実施の形態においては、温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6を一つのFeRAMチップ3に連結させて、コンクリート構造物11の温度、水素イオン指数、歪みを一の無線ICタグ7で測定し記憶可能としたが、無線ICタグ7に設けるセンサーはいずれか一つのセンサーであってもよいし、二つのセンサーであってもよい。
【0092】
また、図5に示すように、埋設した無線ICタグは、チップを保護すべく、各センサーが温度、水素イオン指数、歪みを検知可能な状態を保持しながら、無線ICタグを絶縁材料で被覆することがのぞましい。
【0093】
次に本発明の第三の実施の形態として、充電装置から非接触で充電される電池が電気的に接続された状態の無線ICタグ13について説明する。図8に示す如くこの無線ICタグ13は、第一の実施の形態の無線ICタグ1に、無線通信にて充電が可能な電池14を配設したものであり充電機構を備えてなる無線ICタグである。そして、例えば、図9に示す如く充電装置を搭載したまたは充電装置を兼ねたリーダーライター9からの通信により充電される。他の構成については第一の実施の形態の無線ICタグ1と同様である。
【0094】
無線ICタグ13は、ICタグ用のメモリ素子として強誘電体を利用したFeRAMを搭載したFeRAMチップ3と、温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6が実装されている。特定の周波数帯域の電波を受信する無線通信機構を備えた二次電池である電池14は基板2上に配設され、温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6と電気的に接続されている。充電装置に設けられた無線通信機構と無線ICタグ13側に設けられた無線通信機構との間で近距離無線技術を用いて通信し無線ICタグ側の電池14に充電される。この蓄積された電力を無線ICタグ15や温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6を駆動させる電源として用いるようになっている
【0095】
例えば、図9に示す如く、コンクリート構造物等に埋設された無線ICタグ13は、充電装置を備えたリーダーライター9が無線通信をするときに電池14に充電されるようになっていて、各センサーはこの電池14から電力供給されて駆動し、コンクリート構造物の各種データを計測するようになっている。
【0096】
尚、充電の方式は、上述の近距離無線技術の他、充電装置と電池とにコイルを配設し、充電装置側のコイルに電流を流すとこれと対になる電池側のコイルに電流が流れこれを蓄電する電磁誘導を利用した方式によるものであってもよい。また、充電装置はリーダーライター9に搭載することなく、別途充電装置を用意してもよい。また、電池14は基板2上に配設しなくてもよく、無線ICタグと電気的に接続するようにしてもよい。
【0097】
尚、無線ICタグ13は、温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6を備えているが、無線ICタグが有するセンサーはいずれか一つのセンサーであってもいいし、二つのセンサーであってもよく、FeRAMチップ3に電気的に接続されたセンサーと電池14とを接続すればよい。
【0098】
また、本発明の第四の実施の形態は、本発明の第二の実施の形態を示す本発明の無線ICタグ7に上述した無線通信にて充電が可能な電池14を配設したものであり充電機構を備えてなる無線ICタグである。この無線ICタグ15は、FeRAMチップ3、UHF帯通信アンテナチップ8、温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6を備えてなるハイブリット型の無線ICタグ7に、電池14を配設し、この電池14と温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6とが電気的に接続されている無線ICタグである。
【0099】
次に本発明の第五の実施の形態として、発電機構が電気的に接続された状態の無線ICタグ16について説明する。図11に示す如くこの無線ICタグ16は、第一の実施の形態の無線ICタグ1に自己発電する発電機構17を配設したものであり、発電機構17を備えてなる無線ICタグである。他の構成については第一の実施の形態の無線ICタグ1と同様である。
【0100】
無線ICタグは、ICタグ用のメモリ素子として強誘電体を利用したFeRAMを搭載したFeRAMチップ3が実装されている。発電機構17は基板上に配設され温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6と電気的に接続されている。この発電機構17は、振動により発電する振動発電素子であり、人間の動作や、装置の駆動による振動、建物や橋梁の車両通過等による振動により比較的微弱な電気を発電する。そしてこの発電機構により発電された電力をそのまま用いてもよいし発電機構に配設された二次電池に蓄電してもよい。この発電機構17により発電された電力を無線ICタグ16や温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6を駆動させる電源として用いるようになっている
【0101】
例えば、無線ICタグ16を携帯した人間が動作したときや、コンクリート構造物や橋梁、または製品に埋設、貼付等の手法により取り付けられた無線ICタグ16が車両等の通過や運搬中の揺れにより振動したときに発電機構17はこれらの振動をエネルギーとして発電するようになっている。
【0102】
尚、発電機構17は、上述の発電機構は振動発電素子に限られるものではなく熱電素子として、外部からの熱により発電する機構であってもよいし、RF波等外部からの電波により発電する無線通信による発電機構であってもよく、一般にハーベスタ技術と呼ばれる種々の外部エネルギーを用いる機構とすることができる。尚、発電機構17は基板2上に配設せずに無線ICタグの近傍に配設して各センサーと電気的に接続するようにしてもよい。
【0103】
また、本発明の第六の実施の形態は、本発明の第二の実施の形態を示す本発明の無線ICタグ7に上述した発電機構17を配設したものであり発電機構を備えてなる無線ICタグである。この無線ICタグ18は、FeRAMチップ3、UHF帯通信アンテナチップ8、温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6を備えてなるハイブリット型の無線ICタグ7に、発電機構17を配設し、この発電機構17と温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6とが電気的に接続されている無線ICタグである。
【0104】
無線ICタグ1を用いたコンクリート構造物11の品質管理システムについて説明する。図7に示すように、無線ICタグ1は、セメント、骨材、水を打設して形成されるコンクリートまたはモルタルを型枠内に打設してなるコンクリート構造物11の建設時にコンクリート中に埋設されて使用される。また必要に応じて打設後にコンクリート構造物11の壁面に取り付けて使用されることもある。このとき各センサーへの駆動電力は外部電源12からとってもよい。
【0105】
そしてコンクリート構造物11が硬化する前のコンクリート構造物11の温度、水素イオン指数、歪み、および、硬化後のコンクリート構造物11の温度、水素イオン指数、歪みを、あらかじめFeRAMチップ3の制御部の制御により定時的にまたはリーダーライター9との通信時に測定する。
【0106】
測定時になるとFeRAMチップ3の制御部3は、FeRAMチップ3に連結する温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6を制御し、各センサーはこの制御に基づいて、コンクリート構造物11のコンクリート温度、コンクリート構造物11の水素イオン指数、コンクリート構造物11の歪みを計測し、制御部は計測したデータをFeRAMチップ3のメモリに記憶する。
【0107】
また、反対に、常時計測を行う状態に設定された温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6が変化を検出したときに、FeRAMチップ3の制御部3は作動し、各センサーが検出したコンクリート構造物11のコンクリート温度、コンクリート構造物11の水素イオン指数、コンクリート構造物11の歪みのデータをFeRAMチップ3のメモリに記憶するようにしてもよい。
【0108】
図6に示すように、リーダーライター9は、無線ICタグ1との間でデータ通信可能な装置であり、各種データ等を無線ICタグとの間で無線通信により、読み取り、書き込みするようになっており、工事関係者、建物管理者等のコンクリート構造物11の管理者は、このリーダーライター9を、無線ICタグ1の埋設または取り付けられている個所に向けて通信を行い、無線ICタグに記憶された上述の各データを読み出すようになっている。リーダーライター9で読み取ったデータは、コンピュータ10に格納して管理するようにしてもよい。
【0109】
また、リーダーライター9から書き込みデータが出力されると、無線ICタグ1を構成するFeRAMチップ3のアンテナ部が該データを受信し、このデータはFeRAMチップ3のメモリに記憶される。
【0110】
また、コンクリート構造物11埋設前の無線ICタグ1に、セメント、砂利等の骨材、水等を混練するセメント製品の製造工程において、セメント製品の自動測定装置がセメント製品の水/セメント比、セメント混和剤、温度等の製品特性値を測定した製品特性値および製造年月日等からなる製造情報を書き込んでおいてもよい。
【0111】
このようなコンクリート品質管理システムを構成することで、コンクリート打設時からコンクリート構造物完成後に亘って、現場の施工業者、施工依頼主、利用者、各種業界団体は、リーダーライター9を用いて、無線ICタグ1と通信をするだけで、コンクリート構造物の温度、水素イオン指数、歪みを随時知ることができ、コンクリート構造物の劣化、地震等外的要因による倒壊の危険性等を推定することができ、ひいては建築物の安全性を高めることができるのである。尚、本実施例では、温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6全てを備えたシステムについて説明したが、いずれか一つのセンサー、または二つのセンサーをFeRAMチップ3に連結させ、当該一つのセンサーまたは二つのセンサーを制御するシステムにしてもよい。
【0112】
また、上述したシステムに用いる無線ICタグは、本発明の第一の実施の形態の無線ICタグの他、無線ICタグ自体が充電機構または発電機構を備えてなる本発明の第二の実施の形態の無線ICタグ乃至第五の実施の形態の無線ICタグであってもよい。この場合には、外部電源12を設ける必要がなく、各センサーを駆動させる電源を無線ICタグに配設することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の第一の実施の形態の無線ICタグの模式的斜視図。
【図2】図1に示す無線ICタグに用いる温度センサーの模式的斜視図。
【図3】図1に示す無線ICタグに用いるPhセンサーの模式的斜視図。
【図4】本発明の第二の実施の形態の無線ICタグの模式的斜視図。
【図5】図4に示す無線ICタグを絶縁材料で被覆した状態の断面図。
【図6】本発明の無線ICタグを用いた管理システムの例を示す模式図。
【図7】本発明の無線ICタグをコンクリート構造物に埋設した状態を示す斜視図。
【図8】本発明の第三の実施の形態の無線ICタグの模式的斜視図。
【図9】図8に示す無線ICタグを用いた管理システムの例を示す模式図。
【図10】本発明の第四の実施の形態の無線ICタグの模式的斜視図。
【図11】本発明の第五の実施の形態を示す模式的斜視図。
【図12】本発明の第六の実施の形態を示す模式的斜視図。
【符号の説明】
【0114】
1 無線ICタグ
2 基板
21配線
22配線
23配線
24配線
25配線
26配線
3 FeRAMチップ
4 温度センサー
41サーミスタ
42内部電極
43メッキ層
44メッキ層
45保護膜
5 Phセンサー
51ガラス電極
52比較電極
53液絡孔
6 歪みセンサー
7 無線ICタグ
71絶縁材料
8 UHF帯通信アンテナチップ
9 リーダーライター
10 コンピュータ
11 コンクリート構造物
12 外部電源
13 無線ICタグ
14 電池
15 無線ICタグ
16 無線ICタグ
17 発電機構
18 無線ICタグ
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ICタグ、該無線ICタグを用いたコンクリート構造物の品質管理システムに関するものであり、特に、コンクリート構造物に関する種々値のセンサリング機能を備えてなり大容量の記憶をすることができる無線ICタグと該無線ICタグを用いたシステムである。
【背景技術】
【0002】
近年、ICタグ用のメモリ素子として強誘電体を利用したFeRAMを用いた不揮発性記憶装置が開発されている。この不揮発性記憶装置は、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と、無線通信するためのアンテナ部と、これらを制御する制御部とからなる(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に示された不揮発性記憶装置は、従来ICタグに用いられていたEEPROM等と比較し、書換回数、書き込み電圧の低さ、電源が不要であること、使用寿命の長さ、セルサイズが小型である等、様々な面で利点がある。そして現在、一個のICタグは、約8Kbyteの記憶容量を有し、それ自身が記憶装置として機能するとともに、演算装置としてのCPUとして機能するようになっている。
【0004】
RFIDタグとも呼ばれるこの電磁誘導方式によるパッシヴ型の無線ICタグは、コイルアンテナに印加する電波により、アンテナ周囲に発生する磁界を伝送媒体とし、アンテナに誘起される誘導起電力により外部と通信を行うものである。
【0005】
一方、セメント、骨材、水を混練し、これを打設するコンクリートやモルタルからなるコンクリート構造物において、温度、水素イオン指数、歪みの有無はその構造物の安全性を保持するためには極めて重要な指針となる。
【0006】
すなわち、コンクリート構造物は、コンクリート脱型後の製品の取り扱いによる損傷の防止するため、または、打設時にセメント製品が所望される強度を保持していることの確認するため、さらには温度ひび割れの抑制のために温度管理をする必要がある。したがって、コンクリート構造物における温度の経時変化の監視が必要となる。
【0007】
また、コンクリート構造物を構成するセメント製品はPh12〜13の強アルカリ性であり、この強アルカリ性により、鉄筋コンクリート中の鉄筋の表面には不動態皮膜と呼ばれる厚さ約3nmの緻密な酸化皮膜(γ―Fe203・nH20)が作られ、酸化から保護されている。しかしこの強アルカリ性のコンクリートの中性化が進み鉄筋周辺の水素イオン指数がPh11.5を下回ると、不動態皮膜が破壊され、鉄筋は腐食し始める。したがって、コンクリート構造物における水素イオン指数の経時変化の監視が必要となる。
【0008】
さらには、コンクリート構造物は、上述した理由によるコンクリート構造物の劣化、あるいは、地震等外的な要因による構造物の変形により構造物が倒壊する危険を未然に回避する必要がある。そこで、コンクリート構造物に生じる歪みの経時変化の監視が必要となる。
【0009】
コンクリート構造物の品質を管理するシステムは、従来からいくつか案出されており、打設コンクリート中に温度センサーを備えた埋込型RFIDモジュール(特許文献2)、また、建物の壁体内に設けられる耐震センサー(特許文献3)等が案出されている。しかしながら、これらの構造物管理システムは、ある特定の値を測定するセンサーのみを搭載したものである。
【0010】
しかしながら、打設時により安全なコンクリート構造物を建てるため、また、耐震性や劣化による構造物の倒壊などの危険を早い段階で察知して品質管理してコンクリート構造物の安全性を高めるためには、コンクリート構造物の温度、水素イオン指数、歪みという複数の要因からコンクリート構造物を総合的に監視する必要があり、これらのデータの計測を、コンクリート構造物からコンクリートサンプルを採取することなく容易かつ確実に行いたいという要請が生じた。
【特許文献1】特開2007−241576号公報
【特許文献2】特開2006−71575号公報
【特許文献3】特開2007−16486号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記課題を達成するため、本発明の無線ICタグは、書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された温度センサーを有し、前記温度センサーで計測した前記構造物の温度データを前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする。
【0012】
また、書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続されたPhセンサーを有し、前記Phセンサーで計測した前記構造物の水素イオン指数データを前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする。
【0013】
また、書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設されるに埋設する無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された歪みセンサーを有し、前記歪みセンサーで計測した構造物の歪みデータを前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする。
【0014】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続されてなる、温度センサー、Phセンサー、歪みセンサーのうち少なくとも二種類以上のセンサーを有し、前記温度センサーで計測した前記構造物の温度データ、前記Phセンサーで計測した前記構造物の水素イオン指数データ、前記歪みセンサーで計測した前記構造物の歪みデータの少なくともいずれかのデータを前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする。
【0015】
また、無線ICタグは、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、UHF帯域の電波を受信するUHF帯通信アンテナチップとを連結させて基板上に実装し、UHF帯を超える長い周波数帯の通信を前記強誘電体メモリのアンテナ部で行いデータを前記強誘電体メモリに記憶させるとともに、UHF帯の通信を前記UHF帯通信用アンテナチップで行い、前記データを前記強誘電体メモリに記憶させることを特徴とする。
【0016】
また、無線ICタグは、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリを実装した基板を絶縁材料で覆ってなることを特徴とする。
【0017】
また、温度センサーは、測温抵抗体、熱電対、サーミスタのいずれかとし、前記温度センサーが検出した電気信号を前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする。
【0018】
また、Phセンサーは、コンクリート構造物の測定部位をセンサーに配設されるフィルム上に接触させることで、測定部位での反応性、酸・アルカリの付着量、測定部位内部から放出される酸・アルカリ量などを検出する半導体イメージングセンサー、または、ガラス電極と比較電極を有してなり該電極間の電位差を検出するガラス電極センサーとし、前記Phセンサーが検出した電気信号を前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする。
【0019】
また、歪みセンサーはコンクリート構造物の少なくとも二点の相対位置の変化量を検出する変位センサーとし、前記歪みセンサーが検出した電気信号を前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする。
【0020】
また、無線ICタグが有するセンサーは、基板上に実装したことを特徴とする。
【0021】
無線ICタグは、充電装置から非接触で充電される電池と電気的に接続されてなることを特徴とする。
【0022】
電池は、充電装置からの所定の周波数帯の電波により非接触で充電される電池であることを特徴とする。
【0023】
電池は、基板上に実装されてなることを特徴とする。
【0024】
電池に充電する充電装置は、書き込み・読み取り装置に備えられてなることを特徴とする。
【0025】
無線ICタグが有するセンサーは、充電装置から非接触で充電される電池から電源供給されて駆動することを特徴とする。
【0026】
無線ICタグは、振動、熱または電波により自己発電する発電機構と電気的に接続されてなることを特徴とする。
【0027】
発電機構は、基板上に実装されてなることを特徴とする。
【0028】
無線ICタグが有するセンサーは、振動、熱または電波により自己発電する発電機構から電源供給されて駆動することを特徴とする。
【0029】
本発明の無線ICタグを用いたコンクリート構造物品質管理システムは、書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは打設時に埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された温度センサーを有し、前記強誘電体メモリに搭載されてなる制御部が温度センサーを制御する手段と、前記温度センサーが、前記コンクリート構造物の温度を計測する手段と、計測した前記構造物の温度データを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することを特徴とする。
【0030】
また、書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは打設時に埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続されたPhセンサーを有し、前記強誘電体メモリに搭載されてなる制御部がPhセンサーを制御する手段と、前記Phセンサーが、前記コンクリート構造物の水素イオン指数を計測する手段と、計測した前記構造物の水素イオン指数データを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することを特徴とする。
【0031】
また、書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは打設時に埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された歪みセンサーを有し、前記強誘電体メモリに搭載されてなる制御部が歪みセンサーを制御する手段と、前記歪みセンサーが、前記コンクリート構造物の歪みを計測する手段と、計測した前記構造物の歪みデータを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することを特徴とする。
【0032】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは打設時に埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された温度センサー、Phセンサー、歪みセンサーのうち少なくとも二種類以上のセンサーを有し、前記強誘電体メモリに搭載されてなる制御部が各センサーを制御する手段と、各センサーが前記コンクリート構造物のデータを計測する手段と、計測した前記コンクリート構造物のデータを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することを特徴とする。
【0033】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された温度センサー、Phセンサー、歪みセンサーの少なくともいずれかのセンサーを有し、前記センサーのいずれかが変化量を検出すると検出したデータを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することを特徴とする。
【0034】
無線ICタグは、充電装置から非接触で充電される電池と電気的に接続されてなり、無線ICタグが有するセンサーは、前記電池から電源供給されて駆動することを特徴とする。
【0035】
無線ICタグは、振動、熱または電波により自己発電する発電機構と電気的に接続されてなり、無線ICタグが有するセンサーは、前記発電機構から電源供給されて駆動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0036】
上記構成によれば、本発明の無線ICタグは、書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された温度センサーを有し、前記温度センサーで計測した前記構造物の温度データを前記強誘電体メモリに記憶することにより、無線でデータ通信可能な温度センサー付きの無線ICタグを使用しているので、コンクリート内部の温度測定と温度データの取り出しが容易であるとともに、この無線ICタグの大容量メモリに一定期間ごとに測定した温度データを記憶させておくことができるので、実際に使用したコンクリート毎に、現場担当者、打設後の管理者が温度、積算温度を利用したコンクリートの強度推定を容易かつ迅速に行うことができ、コンクリート構造物の安全性の向上に資する。
【0037】
また、書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続されたPhセンサーを有し、前記Phセンサーで計測した前記構造物の水素イオン指数データを前記強誘電体メモリに記憶することにより、無線でデータ通信可能なPhセンサー付きの無線ICタグを使用しているので、コンクリート内部の水素イオン指数測定と水素イオン指数データの取り出しが容易であるとともに、この無線ICタグの大容量メモリに一定期間ごとに測定した水素イオン指数データを記憶させておくことができ、実際に使用したコンクリート毎にコンクリートの水素イオン指数を測定することができるので、現場担当者、打設後の管理者が水素イオン指数データを利用したコンクリートの中性化の推定を容易かつ迅速に行うことができ、コンクリート構造物の安全性の向上に資する。
【0038】
また、書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設されるに埋設する無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された歪みセンサーを有し、前記歪みセンサーで計測した構造物の歪みデータを前記強誘電体メモリに記憶することにより、無線でデータ通信可能な歪みセンサー付きの無線ICタグを使用しているので、コンクリート構造物の歪みの測定と歪みデータの取り出しが容易であるとともに、この無線ICタグの大容量メモリに一定期間ごとに測定した水素イオン指数データを記憶させておくことができ、実際に使用したコンクリート毎にコンクリートの歪みを測定することができるので、現場担当者、打設後の管理者が歪みデータ利用してコンクリート構造物の劣化や、地震等外的要因によるコンクリート構造物の亀裂等の発見を容易かつ迅速に行うことができ、コンクリート構造物の安全性の向上に資する
【0039】
また、書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続されてなる、温度センサー、Phセンサー、歪みセンサーのうち少なくとも二種類以上のセンサーを有し、前記温度センサーで計測した前記構造物の温度データ、前記Phセンサーで計測した前記構造物の水素イオン指数データ、前記歪みセンサーで計測した前記構造物の歪みデータの少なくともいずれかのデータを前記強誘電体メモリに記憶することにより、コンクリート構造物の温度、水素イオン指数、歪みを一つの媒体で測定し記憶することができる複合センサーを備えた無線ICタグを提供することができるので、上記効果に加えて一つの無線ICタグで、コンクリート構造物の測定を総合的に行うことができ、現場担当者、打設後の管理者も一つの書き込み・読み取り装置で複数のデータを取得可能であり、コンクリート構造物の品質管理を容易かつ迅速に行うことができる。
【0040】
また、無線ICタグは、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、UHF帯域の電波を受信するUHF帯通信アンテナチップとを連結させて基板上に実装し、UHF帯を超える長い周波数帯の通信を前記強誘電体メモリのアンテナ部で行いデータを前記強誘電体メモリに記憶させるとともに、UHF帯の通信を前記UHF帯通信用アンテナチップで行い、前記データを前記強誘電体メモリに記憶させることにより、LF帯等従来の無線ICタグが用いていた周波数帯の他、広い通信範囲を有するUHF帯の通信を行うことができ、規模の大きなコンクリート構造物においても書き込み・読み取り装置を用いて容易かつ迅速にデータの読み取りと書き込みを行うことができる。
【0041】
また、無線ICタグは、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリを実装した基板を絶縁材料で覆ってなることにより、無線ICタグをコンクリート構造物に埋設しても、無線ICタグに損傷を生じることなく、長期間に亘って無線ICタグを用いることができる。
【0042】
また、温度センサーは、測温抵抗体、熱電対、サーミスタのいずれかとし、前記温度センサーが検出した電気信号を前記強誘電体メモリに記憶することにより、正確に温度測定可能であって、無線ICタグと連結または同一基板上に設けることができる小型の温度センサーを構成することができ、比較的小型のセンサリング用の無線ICタグを提供することができる。
【0043】
また、Phセンサーは、コンクリート構造物の測定部位をセンサーに配設されるフィルム上に接触させることで、測定部位での反応性、酸・アルカリの付着量、測定部位内部から放出される酸・アルカリ量などを検出する半導体イメージングセンサー、または、ガラス電極と比較電極を有してなり該電極間の電位差を検出するガラス電極センサーとし、前記Phセンサーが検出した電気信号を前記強誘電体メモリに記憶することにより、正確に水素イオン指数を測定可能であって、無線ICタグと連結または同一基板上に設けることができる小型のPhセンサーを構成することができ、比較的小型のセンサリング用の無線ICタグを提供することができる。
【0044】
また、歪みセンサーはコンクリート構造物の少なくとも二点の相対位置の変化量を検出する変位センサーとし、前記歪みセンサーが検出した電気信号を前記強誘電体メモリに記憶することにより、正確にコンクリート構造物の歪みを検出でき、無線ICタグと連結または同一基板上に設けることができる小型の歪みセンサーを構成することができ、比較的小型のセンサリング装置を提供することができる。
【0045】
また、無線ICタグが有するセンサーは基板上に実装したことにより、小型かつ薄型の一のセンサー装置で、コンクリート構造物の品質管理をすることができる。
【0046】
また、無線ICタグは、充電装置から非接触で充電される電池と電気的に接続されてなることにより、コンクリート構造物に無線ICタグを埋設する場合や生コンクリート等のセメント製品に無線ICタグを混入する場合のように無線ICタグに対して有線により電気供給できない場所に無線ICタグが位置する場合であっても、外部から無線により充電をすることができる。よって、無線充電式の無線ICタグを提供することができる。
【0047】
電池は、充電装置からの所定の周波数帯の電波により非接触で充電される電池であることにより、無線通信装置やその他発信機器からの電波で充電することができ、例えば電磁誘導を利用した充電等に比べて発熱等のおそれがなく安全に非接触の充電をすることができる。
【0048】
電池は、基板上に実装されてなることにより、モジュール化された充電のできる小型のセンサー付き無線ICタグを提供することができる。
【0049】
電池に充電する充電装置は、書き込み・読み取り装置に備えられてなることにより、無線ICタグへのデータ書き込みまたはデータ読み取りを利用して無線ICタグに対して充電することができる。
【0050】
無線ICタグが有するセンサーは、充電装置から非接触で充電される電池から電源供給されて駆動することにより、コンクリート構造物中に位置する温度センサー、Phセンサー、歪みセンサーに容易に給電することができ、外部電源に接続しなくともこれ等センサーを駆動させることができる。
【0051】
無線ICタグは、振動、熱または電波により自己発電する発電機構と電気的に接続されてなることにより、コンクリート構造物に無線ICタグを埋設する場合や生コンクリート等のセメント製品に無線ICタグを混入する場合のように無線ICタグに対して有線により電気供給できない場所に無線ICタグが位置する場合であっても、無線ICタグは、振動、熱、電波等の要因により自己発電し、必要に応じて発電した電力を蓄電することができる。よって、自己発電式の無線ICタグを提供することができる。
【0052】
発電機構は、基板上に実装されてなることにより、モジュール化された発電のできる小型のセンサー付き無線ICタグを提供することができる。
【0053】
無線ICタグが有するセンサーは、振動、熱または電波により自己発電する発電機構から電源供給されて駆動することにより、コンクリート構造物中に位置する温度センサー、Phセンサー、歪みセンサーに容易に給電することができ、外部電源に接続しなくともこれ等センサーを駆動させることができる。
【0054】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは打設時に埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された温度センサーを有し、前記強誘電体メモリに搭載されてなる制御部が温度センサーを制御する手段と、前記温度センサーが、前記コンクリート構造物の温度を計測する手段と、計測した前記構造物の温度データを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することにより、無線でデータ通信可能な温度センサー付きの無線ICタグを使用しているので、コンクリート内部の温度測定と温度データの取り出しが容易であるとともに、この無線ICタグの大容量メモリに一定期間ごとに測定した温度データを記憶させておくことができるので、実際に使用したコンクリート毎に、現場担当者、打設後の管理者が温度、積算温度を利用したコンクリートの強度推定を容易かつ迅速に行うことができ、コンクリート構造物の安全性の向上に資するコンクリート構造物の管理システムを提供することができる。
【0055】
また、書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは打設時に埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続されたPhセンサーを有し、前記強誘電体メモリに搭載されてなる制御部がPhセンサーを制御する手段と、前記Phセンサーが、前記コンクリート構造物の水素イオン指数を計測する手段と、計測した前記構造物の水素イオン指数データを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することにより、無線でデータ通信可能なPhセンサー付きの無線ICタグを使用しているので、コンクリート内部の水素イオン指数測定と水素イオン指数データの取り出しが容易であるとともに、この無線ICタグの大容量メモリに一定期間ごとに測定した水素イオン指数データを記憶させておくことができ、実際に使用したコンクリート毎にコンクリートの水素イオン指数を測定することができるので、現場担当者、打設後の管理者が水素イオン指数データを利用したコンクリートの中性化の推定を容易かつ迅速に行うことができ、コンクリート構造物の安全性の向上に資するコンクリート構造物管理システムを提供することができる。
【0056】
また、書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは打設時に埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された歪みセンサーを有し、前記強誘電体メモリに搭載されてなる制御部が歪みセンサーを制御する手段と、前記歪みセンサーが、前記コンクリート構造物の歪みを計測する手段と、計測した前記構造物の歪みデータを前記強誘電体メモリに記憶することにより、無線でデータ通信可能な歪みセンサー付きの無線ICタグを使用しているので、コンクリート構造物の歪みの測定と歪みデータの取り出しが容易であるとともに、この無線ICタグの大容量メモリに一定期間ごとに測定した歪みデータを記憶させておくことができ、実際に使用したコンクリート毎にコンクリートの歪みを測定することができるので、現場担当者、打設後の管理者が歪みデータ利用してコンクリート構造物の劣化や、地震等外的要因によるコンクリート構造物の亀裂等の発見を容易かつ迅速に行うことができ、コンクリート構造物の安全性の向上に資するコンクリート構造物管理システムを提供することができる。
【0057】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは打設時に埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された温度センサー、Phセンサー、歪みセンサーのうち少なくとも二種類以上のセンサーを有し、前記強誘電体メモリに搭載されてなる制御部が各センサーを制御する手段と、各センサーが前記コンクリート構造物のデータを計測する手段と、計測した前記コンクリート構造物のデータを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することにより、コンクリート構造物の温度、水素イオン指数、歪み等いくつかの要素を一つの媒体で測定し記憶することができるので、上記効果に加えてコンクリート構造物の測定を総合的に行うことができ、現場担当者、打設後の管理者も一つの書き込み・読み取り装置で複数のデータを取得可能であり、コンクリート構造物の品質管理を総合的であって容易かつ迅速に行うことができる、コンクリート構造物管理システムを提供することができる。
【0058】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された温度センサー、Phセンサー、歪みセンサーの少なくともいずれかのセンサーを有し、前記センサーのいずれかが変化量を検出すると検出したデータを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することにより、常時または比較的短い時間間隔でセンサリングをし、データに変化があったときにデータを記憶させることができ、メモリ容量に対する記憶するデータ容量が少なくて済むため、長期間運用できるコンクリート構造物品質管理システムを提供することができる。
【0059】
無線ICタグは、充電装置から非接触で充電される電池と電気的に接続されてなり、無線ICタグが有するセンサーは、前記電池から電源供給されて駆動することにより、各センサーには有線により接続される外部電源によらずとも電力が供給される。
【0060】
無線ICタグは、振動、熱または電波により自己発電する発電機構と電気的に接続されてなり、無線ICタグが有するセンサーは、前記発電機構から電源供給されて駆動することにより、各センサーには有線により接続される外部電源によらずとも電力が供給される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0061】
図1は、本発明の第一の実施の形態の無線ICタグの模式的斜視図、図2は、図1に示す無線ICタグに用いる温度センサーの模式的斜視図、図3は、図1に示す無線ICタグに用いるPhセンサーの模式的斜視図である。図4は、本発明の第二の実施の形態の無線ICタグの模式的斜視図、図5は、図4に示す無線ICタグを絶縁材料で被覆した状態の断面図、図6は、本発明の無線ICタグを用いた管理システムの例を示す模式図、図7は、本発明の無線ICタグをコンクリート構造物に埋設した状態を示す斜視図である。また、図8は、本発明の第三の実施の形態の無線ICタグの模式的斜視図、図9は、図8に示す無線ICタグを用いた管理システムの例を示す模式図、図10は、本発明の第四の実施の形態の無線ICタグの模式的斜視図、図11は、本発明の第五の実施の形態を示す模式的斜視図、図12は、本発明の第六の実施の形態を示す模式的斜視図である。
【0062】
本発明第一の実施の形態を示す本発明の無線ICタグ1は、RFIDタグとも呼ばれるデータの書き込みおよび読み取りができる記憶装置であって、図1に示すように、ICタグ用のメモリ素子として強誘電体を利用した強誘電体メモリと呼ばれるFeRAMチップ3が金属板、セラミック板等からなる基板2上に実装されるとともに、このFeRAMチップ3と各種センサーが連結されており、コンクリート構造物品質管理システムに用いるための無線ICタグである。無線ICタグ1は、図7に示すように、コンクリート構造物11に埋設または取り付けられてコンクリート構造物11の各種データを計測し、該計測データを記憶するとともに、図6に示すように書き込み・読み取り装置としてのリーダーライター9との間でデータを書き込み、読み取りを無線により行うように構成されている。
【0063】
無線ICタグ1のFeRAMチップ3を構成するFeRAMのタイプは、どのようなものであってもよく、キャパシター型、トランジスタ型いずれのタイプであってもよい。尚、製品等の管理システムに用いやすいのは、電源を搭載せず外部からのデータアクセス用の電波を整流して電源とするパッシヴ型のFeRAMである。このFeRAMチップ3には、強誘電体を利用した不揮発性メモリであるFeRAMと、駆動用に電池を内蔵する代わりに外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と、無線交信するためのフィルム状のアンテナ部と、FeRAMチップ3と後述するセンサーを制御する制御部が搭載されている。
【0064】
このFeRAMチップ3を構成するFeRAMは、従来の無線ICタグに用いられていたEEPROMと比較すると、その書き換え回数が、EEPROMが10の5乗回程度であるのに対し、FeRAMは10の13乗回以上と優れた性能を備えている。また、書き込み電圧は従来のEEPROMが12Vであるのに対して、FeRAMはDC1.1V〜3Vと極めて低い電圧で書き込みを行うことができ、無線ICタグ内部に電池を内蔵することなく、外部からの電波に共振して発電する電源部を備えたパッシブタイプでも十分足りるとともに、従来のICタグに用いられていたEEPROMと比較して5000倍もの書き込み速度を有している。データの保存期間が10年以上と長い。さらに、書き換えのアクセスにあっても、従来のEEPROMやフラッシュメモリーではほとんどがブロック単位の書き込みであったのに対し、FeRAMはワード単位でランダムに書き込みを行えるという利点がある。
【0065】
制御部は、一旦書き込まれた情報が改ざんされることがないように、追記はできるものの、上書きをできない設定とすることも可能で、データの書き込み・読み取りは暗号化したプロトコルを用いて行うことがよい。よって、約8KBのメモリ容量中に、各種データを、図4に示すその都度、書き込み・読み取り装置としてのリーダーライター9と間の無線通信により、書き込み・読み取りができる。また、FeRAMチップ3が無線交信可能な周波数帯域は、自由に設定することができLF帯からUHF帯まで用いることができるが、アンテナ部は、地表波による安定した通信が可能で、指向性が弱く、水や埃、金属の影響を比較的受けにくく、信頼性の高いデータ通信のできるLF帯の通信に設定することが適している。尚、VHF帯、HF帯、MF帯の周波数帯通信用に設定してもよい。
【0066】
尚、無線ICタグ1のFeRAMチップ3には、リーダーライター9で読み取り可能な管理フラグを、あらかじめ、または、書き込み時に記憶させ、リーダーライター9で情報の書き込み・読み取りを行う際にこの管理フラグを読み取ることにより、所定の管理システムを構成する無線ICタグ1であることが識別可能になっている。尚、必要に応じて、無線ICタグ1には、アンチコリジョン機能を搭載し、複数の無線ICタグ1が近傍に位置していても混信して通信できないという事態がないようにできる。
【0067】
無線ICタグ1は、FeRAMチップ3と配線21で連結されてなる温度センサー4が配設されて、温度センサーの検知部がコンクリート構造物11に当接してコンクリート構造物11の温度を計測できるようになっている。
【0068】
この温度センサー4は、例えば、測温抵抗体、熱電対、サーミスタのいずれかの温度センサーであって、基板2上に実装できる程度に小型であることがのぞましい。
【0069】
測温抵抗体は、金属の電気抵抗率が温度に比例して変わることを利用した温度センサーである。熱電対は、熱電能の互いに異なるプラチナ、レニウム、タングステン、銀、金等二種類の金属を接合し、この2つの接合点を異なる温度にすると、一定の方向に電流が流れ、熱起電力が生じるゼーベック効果を利用した温度センサーであり、常温付近で使用されることが多いが、高温領域や低温領域でも用いることができ、耐熱性や耐酸性・耐アルカリ性などを有することよりコンクリートに埋設するセンサーとして優れており、箔熱電対を用いれば基板2上に実装することも可能である。サーミスタは、温度変化により電気抵抗が大きく変化する抵抗体を用抵抗の変化を利用した温度センサーであり、−50℃から350℃程度まで用いることができ、コンクリートに埋設するセンサーとして優れている。
【0070】
図2にサーミスタによる温度センサー4の例を示す。面実装タイプのチップ型のサーミスタ41は、内部電極42と接するように基板2上に配設され、その周囲をメッキ層43、44が、上部を保護膜45が覆ってなる構成であり、温度の増加に伴って抵抗が増加するか、または、温度の増加に伴って抵抗が減少する原理を用いて温度を測定する。
【0071】
この温度センサー4は、FeRAMチップ3の制御部からの測定信号出力により所定の時間間隔で、またはリーダーライター9の読み取り時に、あるいは常時コンクリート構造物11のコンクリート温度を計測し、電気信号として出力される温度データをFeRAMチップ3のメモリに記憶するようになっている。
【0072】
尚、図1においては、温度センサー4を基板2上に実装しているが、必ずしも基板2上に実装する必要はなく、FeRAMチップ3と通電可能な状態に配線されていればよい。また、図7に示すように、温度センサー4の電源は、外部電源12を用いてもよい。また、温度センサーの種類は上述したものに限られるものではない。
【0073】
また、無線ICタグ1には、FeRAMチップ3と配線22で連結されてなるPhセンサー5が配設されて、Phセンサーの検知部がコンクリート構造物11に当接してコンクリート構造物11の水素イオン指数を計測できるようになっている。
【0074】
このPhセンサー5は、例えば、イメージングセンサー上に薄いゲルフィルムを形成し、コンクリート構造物の測定部位表面をゲルフィルム上に接触させることで、表面での反応性、アルカリの付着量、測定部位内部から放出される酸・アルカリ量などを検出する半導体を用いたイメージングセンサー、または、ガラス電極と比較電極を有してなり該電極間の電位差を検出するガラス電極センサーであって、繰り返し水素イオン指数を測定できるとともに、基板2上に実装できる程度に小型であることがのぞましい。
【0075】
図3にシート型複合ガラス電極を用いたPhセンサー5の例を示す。面実装タイプのシート型複合ガラス電極センサーの検出部は、Ph応答性のガラス電極51と比較電極52および液絡部53を有し、ガラス電極と比較電極間の電位差を検出して水素イオン指数を測定する。尚、コンクリート構造物の硬化後に使用する場合には、半導体を用いたイメージングセンサーが適している。
【0076】
このPhセンサー5は、FeRAMチップ3の制御部の測定信号出力によりに所定の時間間隔で、またはリーダーライター9の読み取り時に、あるいは常時コンクリート構造物11のコンクリートの水素イオン指数を計測し、電気信号として出力される水素イオン指数データをFeRAMチップ3のメモリに記憶するようになっている。
【0077】
尚、図1においては、Phセンサー5を基板2上に実装しているが、必ずしも基板2上に実装する必要はなく、FeRAMチップ3と通電可能な状態に配線されていればよい。また、図7に示すように、Phセンサー5の電源は、外部電源12を用いてもよい。また、Phセンサーの種類は上述したものに限られるものではない。
【0078】
無線ICタグ1は、FeRAMチップ3と配線23で連結されてなる歪みセンサー6が配設されて、歪みセンサーの検知部がコンクリート構造物11の歪みを計測できるようになっている。
【0079】
この歪みセンサーはコンクリート構造物の少なくとも二点の相対位置の変化量を検出する変位センサーとし、基板2上に実装できる程度に小型であることがのぞましい。
【0080】
変位センサーは、コンクリート構造物の少なくとも二点の位置の歪み、変位等の変化量を検出するべく、コンクリート構造物の少なくともXY方向の二点を繋いで配設されるブリッジ回路を用いた歪みゲージ、電磁的手法を用いた歪みセンサー、体積歪み計等がのぞましい。またいくつかの無線ICタグの歪みセンサーの位置の変動を総合的に検知して、コンクリート構造物全体の歪みを計測するようにしてもよい。
【0081】
この歪みセンサーは、FeRAMチップ3の制御部からの測定信号出力により所定の時間間隔で、またはリーダーライター9の読み取り時、あるいは常時コンクリート構造物11の歪みの変化量を計測し、電気信号として出力される歪みデータをFeRAMチップ3のメモリに記憶するようになっている。
【0082】
尚、図1においては、歪みセンサー5を基板2上に実装しているが、必ずしも基板2上に実装する必要はなく、FeRAMチップ3と通電可能な状態に配線されていればよい。また、図7に示すように、歪みセンサー5の電源は、外部電源12を用いてもよい。また、歪みセンサーの種類は上述したものに限られるものではない。
【0083】
また、本実施の形態においては、温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6を一つのFeRAMチップ3に連結させて、一の基板2上に実装し、コンクリート構造物11の温度、水素イオン指数、歪みを一の無線ICタグ1で測定し記憶可能としたが、無線ICタグに設けるセンサーはいずれか一つのセンサーであってもよいし、二つのセンサーであってもよい。
【0084】
本発明の第二の実施の形態を示す本発明の無線ICタグ7は、RFIDタグとも呼ばれるデータの書き込みおよび読み取りができる記憶装置であって、図4に示すように、ICタグ用のメモリ素子として強誘電体を利用した強誘電体メモリと呼ばれるFeRAMチップ3が金属板、セラミック板等からなる基板2上に実装されるとともに、移動体の管理や、広いエリアでの管理を行う場合のために、リーダーライター9を用いたデータの読み取り、書き込みの通信距離が数メートルと広い通信エリアを有するUHF帯の通信をするUHF帯通信アンテナチップ8が搭載されているハイブリット型の無線ICタグ7である。
【0085】
そして、このハイブリット型の無線ICタグ7は、FeRAMチップ3と電気的に接続された各種センサーからなるコンクリート構造物品質管理システムに用いるための無線ICタグである。無線ICタグ7は、コンクリート構造物に埋設されてコンクリート構造物の各種データを計測し、該計測データを記憶するとともに、リーダーライター9との間でのデータを書き込み、読み取りを無線により行うようになっている。
【0086】
この無線ICタグ7において、FeRAMチップ3とUHF帯通信アンテナチップ8の制御は、FeRAMチップ3に搭載された制御部が行う。リーダーライターの通信周波数帯に応じて、FeRAMチップ3のアンテナ部または、UHF帯通信アンテナチップ8で通信を行うとともに、伝達されたデータを制御部が制御し、FeRAMチップ3の大容量メモリに記録する。
【0087】
例えば、リーダーライターからLF帯の周波数の電波が出力されたときには、FeRAMチップ3のアンテナ部がこの電波を受信し、制御部は、送られたデータをFeRAMチップ3のメモリ部に記憶するように制御する。一方、リーダーライター9からUHF帯の周波数の電波が出力されたときには、UHF帯通信アンテナチップ8がこの電波を受信し、UHF帯通信アンテナチップ8が電波を受信すると、送られたデータをFeRAMチップ3のメモリ部に記憶するように制御し、データは、UHF帯通信アンテナチップ4を介してFeRAMチップ3のメモリ部に記憶される。
【0088】
尚、無線ICタグ7のFeRAMチップ3には、リーダーライター9で読み取り可能な管理フラグを、あらかじめ、または、書き込み時に記憶させ、リーダーライター9で情報の書き込み・読み取りを行う際にこの管理フラグを読み取ることにより、所定の管理システムを構成する無線ICタグ1であることが識別可能になっている。尚、必要に応じて、無線ICタグ1には、アンチコリジョン機能を搭載し、複数の無線ICタグ7が近傍に位置していても混信して通信できないという事態がないようにできる。
【0089】
温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6は、それぞれ配線24、配線25、配線26によりFeRAMチップ2と連結されている。各センサーの構成は、第一の実施の形態と同様であるので省略する。
【0090】
尚、図4においては、各センサーを基板2上に実装しているが、必ずしも基板2上に実装する必要はなく、FeRAMチップ3と通電可能な状態に配線されていればよい。また、図7に示すように、各センサーの電源は、外部電源12を用いてもよい。また、センサーの種類は上述したものに限られるものではない。
【0091】
また、本実施の形態においては、温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6を一つのFeRAMチップ3に連結させて、コンクリート構造物11の温度、水素イオン指数、歪みを一の無線ICタグ7で測定し記憶可能としたが、無線ICタグ7に設けるセンサーはいずれか一つのセンサーであってもよいし、二つのセンサーであってもよい。
【0092】
また、図5に示すように、埋設した無線ICタグは、チップを保護すべく、各センサーが温度、水素イオン指数、歪みを検知可能な状態を保持しながら、無線ICタグを絶縁材料で被覆することがのぞましい。
【0093】
次に本発明の第三の実施の形態として、充電装置から非接触で充電される電池が電気的に接続された状態の無線ICタグ13について説明する。図8に示す如くこの無線ICタグ13は、第一の実施の形態の無線ICタグ1に、無線通信にて充電が可能な電池14を配設したものであり充電機構を備えてなる無線ICタグである。そして、例えば、図9に示す如く充電装置を搭載したまたは充電装置を兼ねたリーダーライター9からの通信により充電される。他の構成については第一の実施の形態の無線ICタグ1と同様である。
【0094】
無線ICタグ13は、ICタグ用のメモリ素子として強誘電体を利用したFeRAMを搭載したFeRAMチップ3と、温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6が実装されている。特定の周波数帯域の電波を受信する無線通信機構を備えた二次電池である電池14は基板2上に配設され、温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6と電気的に接続されている。充電装置に設けられた無線通信機構と無線ICタグ13側に設けられた無線通信機構との間で近距離無線技術を用いて通信し無線ICタグ側の電池14に充電される。この蓄積された電力を無線ICタグ15や温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6を駆動させる電源として用いるようになっている
【0095】
例えば、図9に示す如く、コンクリート構造物等に埋設された無線ICタグ13は、充電装置を備えたリーダーライター9が無線通信をするときに電池14に充電されるようになっていて、各センサーはこの電池14から電力供給されて駆動し、コンクリート構造物の各種データを計測するようになっている。
【0096】
尚、充電の方式は、上述の近距離無線技術の他、充電装置と電池とにコイルを配設し、充電装置側のコイルに電流を流すとこれと対になる電池側のコイルに電流が流れこれを蓄電する電磁誘導を利用した方式によるものであってもよい。また、充電装置はリーダーライター9に搭載することなく、別途充電装置を用意してもよい。また、電池14は基板2上に配設しなくてもよく、無線ICタグと電気的に接続するようにしてもよい。
【0097】
尚、無線ICタグ13は、温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6を備えているが、無線ICタグが有するセンサーはいずれか一つのセンサーであってもいいし、二つのセンサーであってもよく、FeRAMチップ3に電気的に接続されたセンサーと電池14とを接続すればよい。
【0098】
また、本発明の第四の実施の形態は、本発明の第二の実施の形態を示す本発明の無線ICタグ7に上述した無線通信にて充電が可能な電池14を配設したものであり充電機構を備えてなる無線ICタグである。この無線ICタグ15は、FeRAMチップ3、UHF帯通信アンテナチップ8、温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6を備えてなるハイブリット型の無線ICタグ7に、電池14を配設し、この電池14と温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6とが電気的に接続されている無線ICタグである。
【0099】
次に本発明の第五の実施の形態として、発電機構が電気的に接続された状態の無線ICタグ16について説明する。図11に示す如くこの無線ICタグ16は、第一の実施の形態の無線ICタグ1に自己発電する発電機構17を配設したものであり、発電機構17を備えてなる無線ICタグである。他の構成については第一の実施の形態の無線ICタグ1と同様である。
【0100】
無線ICタグは、ICタグ用のメモリ素子として強誘電体を利用したFeRAMを搭載したFeRAMチップ3が実装されている。発電機構17は基板上に配設され温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6と電気的に接続されている。この発電機構17は、振動により発電する振動発電素子であり、人間の動作や、装置の駆動による振動、建物や橋梁の車両通過等による振動により比較的微弱な電気を発電する。そしてこの発電機構により発電された電力をそのまま用いてもよいし発電機構に配設された二次電池に蓄電してもよい。この発電機構17により発電された電力を無線ICタグ16や温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6を駆動させる電源として用いるようになっている
【0101】
例えば、無線ICタグ16を携帯した人間が動作したときや、コンクリート構造物や橋梁、または製品に埋設、貼付等の手法により取り付けられた無線ICタグ16が車両等の通過や運搬中の揺れにより振動したときに発電機構17はこれらの振動をエネルギーとして発電するようになっている。
【0102】
尚、発電機構17は、上述の発電機構は振動発電素子に限られるものではなく熱電素子として、外部からの熱により発電する機構であってもよいし、RF波等外部からの電波により発電する無線通信による発電機構であってもよく、一般にハーベスタ技術と呼ばれる種々の外部エネルギーを用いる機構とすることができる。尚、発電機構17は基板2上に配設せずに無線ICタグの近傍に配設して各センサーと電気的に接続するようにしてもよい。
【0103】
また、本発明の第六の実施の形態は、本発明の第二の実施の形態を示す本発明の無線ICタグ7に上述した発電機構17を配設したものであり発電機構を備えてなる無線ICタグである。この無線ICタグ18は、FeRAMチップ3、UHF帯通信アンテナチップ8、温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6を備えてなるハイブリット型の無線ICタグ7に、発電機構17を配設し、この発電機構17と温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6とが電気的に接続されている無線ICタグである。
【0104】
無線ICタグ1を用いたコンクリート構造物11の品質管理システムについて説明する。図7に示すように、無線ICタグ1は、セメント、骨材、水を打設して形成されるコンクリートまたはモルタルを型枠内に打設してなるコンクリート構造物11の建設時にコンクリート中に埋設されて使用される。また必要に応じて打設後にコンクリート構造物11の壁面に取り付けて使用されることもある。このとき各センサーへの駆動電力は外部電源12からとってもよい。
【0105】
そしてコンクリート構造物11が硬化する前のコンクリート構造物11の温度、水素イオン指数、歪み、および、硬化後のコンクリート構造物11の温度、水素イオン指数、歪みを、あらかじめFeRAMチップ3の制御部の制御により定時的にまたはリーダーライター9との通信時に測定する。
【0106】
測定時になるとFeRAMチップ3の制御部3は、FeRAMチップ3に連結する温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6を制御し、各センサーはこの制御に基づいて、コンクリート構造物11のコンクリート温度、コンクリート構造物11の水素イオン指数、コンクリート構造物11の歪みを計測し、制御部は計測したデータをFeRAMチップ3のメモリに記憶する。
【0107】
また、反対に、常時計測を行う状態に設定された温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6が変化を検出したときに、FeRAMチップ3の制御部3は作動し、各センサーが検出したコンクリート構造物11のコンクリート温度、コンクリート構造物11の水素イオン指数、コンクリート構造物11の歪みのデータをFeRAMチップ3のメモリに記憶するようにしてもよい。
【0108】
図6に示すように、リーダーライター9は、無線ICタグ1との間でデータ通信可能な装置であり、各種データ等を無線ICタグとの間で無線通信により、読み取り、書き込みするようになっており、工事関係者、建物管理者等のコンクリート構造物11の管理者は、このリーダーライター9を、無線ICタグ1の埋設または取り付けられている個所に向けて通信を行い、無線ICタグに記憶された上述の各データを読み出すようになっている。リーダーライター9で読み取ったデータは、コンピュータ10に格納して管理するようにしてもよい。
【0109】
また、リーダーライター9から書き込みデータが出力されると、無線ICタグ1を構成するFeRAMチップ3のアンテナ部が該データを受信し、このデータはFeRAMチップ3のメモリに記憶される。
【0110】
また、コンクリート構造物11埋設前の無線ICタグ1に、セメント、砂利等の骨材、水等を混練するセメント製品の製造工程において、セメント製品の自動測定装置がセメント製品の水/セメント比、セメント混和剤、温度等の製品特性値を測定した製品特性値および製造年月日等からなる製造情報を書き込んでおいてもよい。
【0111】
このようなコンクリート品質管理システムを構成することで、コンクリート打設時からコンクリート構造物完成後に亘って、現場の施工業者、施工依頼主、利用者、各種業界団体は、リーダーライター9を用いて、無線ICタグ1と通信をするだけで、コンクリート構造物の温度、水素イオン指数、歪みを随時知ることができ、コンクリート構造物の劣化、地震等外的要因による倒壊の危険性等を推定することができ、ひいては建築物の安全性を高めることができるのである。尚、本実施例では、温度センサー4、Phセンサー5、歪みセンサー6全てを備えたシステムについて説明したが、いずれか一つのセンサー、または二つのセンサーをFeRAMチップ3に連結させ、当該一つのセンサーまたは二つのセンサーを制御するシステムにしてもよい。
【0112】
また、上述したシステムに用いる無線ICタグは、本発明の第一の実施の形態の無線ICタグの他、無線ICタグ自体が充電機構または発電機構を備えてなる本発明の第二の実施の形態の無線ICタグ乃至第五の実施の形態の無線ICタグであってもよい。この場合には、外部電源12を設ける必要がなく、各センサーを駆動させる電源を無線ICタグに配設することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の第一の実施の形態の無線ICタグの模式的斜視図。
【図2】図1に示す無線ICタグに用いる温度センサーの模式的斜視図。
【図3】図1に示す無線ICタグに用いるPhセンサーの模式的斜視図。
【図4】本発明の第二の実施の形態の無線ICタグの模式的斜視図。
【図5】図4に示す無線ICタグを絶縁材料で被覆した状態の断面図。
【図6】本発明の無線ICタグを用いた管理システムの例を示す模式図。
【図7】本発明の無線ICタグをコンクリート構造物に埋設した状態を示す斜視図。
【図8】本発明の第三の実施の形態の無線ICタグの模式的斜視図。
【図9】図8に示す無線ICタグを用いた管理システムの例を示す模式図。
【図10】本発明の第四の実施の形態の無線ICタグの模式的斜視図。
【図11】本発明の第五の実施の形態を示す模式的斜視図。
【図12】本発明の第六の実施の形態を示す模式的斜視図。
【符号の説明】
【0114】
1 無線ICタグ
2 基板
21配線
22配線
23配線
24配線
25配線
26配線
3 FeRAMチップ
4 温度センサー
41サーミスタ
42内部電極
43メッキ層
44メッキ層
45保護膜
5 Phセンサー
51ガラス電極
52比較電極
53液絡孔
6 歪みセンサー
7 無線ICタグ
71絶縁材料
8 UHF帯通信アンテナチップ
9 リーダーライター
10 コンピュータ
11 コンクリート構造物
12 外部電源
13 無線ICタグ
14 電池
15 無線ICタグ
16 無線ICタグ
17 発電機構
18 無線ICタグ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された温度センサーを有し、前記温度センサーで計測した前記構造物の温度データを前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする無線ICタグ。
【請求項2】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続されたPhセンサーを有し、前記Phセンサーで計測した前記構造物の水素イオン指数データを前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする無線ICタグ。
【請求項3】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設されるに埋設する無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された歪みセンサーを有し、前記歪みセンサーで計測した構造物の歪みデータを前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする無線ICタグ。
【請求項4】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続されてなる、温度センサー、Phセンサー、歪みセンサーのうち少なくとも二種類以上のセンサーを有し、前記温度センサーで計測した前記構造物の温度データ、前記Phセンサーで計測した前記構造物の水素イオン指数データ、前記歪みセンサーで計測した前記構造物の歪みデータの少なくともいずれかのデータを前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする無線ICタグ。
【請求項5】
無線ICタグは、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、UHF帯域の電波を受信するUHF帯通信アンテナチップとを連結させて基板上に実装し、UHF帯を超える長い周波数帯の通信を前記強誘電体メモリのアンテナ部で行いデータを前記強誘電体メモリに記憶させるとともに、UHF帯の通信を前記UHF帯通信用アンテナチップで行い、前記データを前記強誘電体メモリに記憶させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の無線ICタグ。
【請求項6】
無線ICタグは、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリを実装した基板を絶縁材料で覆ってなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の無線ICタグ。
【請求項7】
温度センサーは、測温抵抗体、熱電対、サーミスタのいずれかとし、前記温度センサーが検出した電気信号を前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする請求項1または請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の無線ICタグ。
【請求項8】
Phセンサーは、コンクリート構造物の測定部位をセンサーに配設されるフィルム上に接触させることで、測定部位での反応性、酸・アルカリの付着量、測定部位内部から放出される酸・アルカリ量などを検出する半導体イメージングセンサー、または、ガラス電極と比較電極を有してなり該電極間の電位差を検出するガラス電極センサーとし、前記Phセンサーが検出した電気信号を前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする請求項2または請求項4乃至請求項7のいずれかに記載の無線ICタグ。
【請求項9】
歪みセンサーはコンクリート構造物の少なくとも二点の相対位置の変化量を検出する変位センサーとし、前記歪みセンサーが検出した電気信号を前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする請求項3または請求項4乃至請求項8のいずれかに記載の無線ICタグ。
【請求項10】
無線ICタグが有するセンサーは、基板上に実装されることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の無線ICタグ。
【請求項11】
無線ICタグは、充電装置から非接触で充電される電池と電気的に接続されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の無線ICタグ。
【請求項12】
電池は、充電装置からの所定の周波数帯の電波により非接触で充電される電池であることを特徴とする請求項11に記載の無線ICタグ。
【請求項13】
電池は、基板上に実装されてなることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の無線ICタグ。
【請求項14】
電池に充電する充電装置は、書き込み・読み取り装置に備えられてなることを特徴とする請求項11乃至請求項13のいずれかに記載の無線ICタグ。
【請求項15】
無線ICタグが有するセンサーは、充電装置から非接触で充電される電池から電源供給されて駆動することを特徴とする請求項11乃至請求項14のいずれかに記載の無線ICタグ。
【請求項16】
無線ICタグは、振動、熱または電波により自己発電する発電機構と電気的に接続されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項請求項15のいずれかに記載の無線ICタグ。
【請求項17】
発電機構は、基板上に実装されてなることを特徴とする請求項16に記載の無線ICタグ。
【請求項18】
無線ICタグが有するセンサーは、振動、熱または電波により自己発電する発電機構から電源供給されて駆動することを特徴とする請求項16または請求項17に記載の無線ICタグ。
【請求項19】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは打設時に埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された温度センサーを有し、前記強誘電体メモリに搭載されてなる制御部が温度センサーを制御する手段と、前記温度センサーが、前記コンクリート構造物の温度を計測する手段と、計測した前記構造物の温度データを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することを特徴とする無線ICタグを用いたコンクリート構造物品質管理システム。
【請求項20】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは打設時に埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続されたPhセンサーを有し、前記強誘電体メモリに搭載されてなる制御部がPhセンサーを制御する手段と、前記Phセンサーが、前記コンクリート構造物の水素イオン指数を計測する手段と、計測した前記構造物の水素イオン指数データを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することを特徴とする無線ICタグを用いたコンクリート構造物品質管理システム。
【請求項21】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは打設時に埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された歪みセンサーを有し、前記強誘電体メモリに搭載されてなる制御部が歪みセンサーを制御する手段と、前記歪みセンサーが、前記コンクリート構造物の歪みを計測する手段と、計測した前記構造物の歪みデータを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することを特徴とする無線ICタグを用いたコンクリート構造物品質管理システム。
【請求項22】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは打設時に埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された温度センサー、Phセンサー、歪みセンサーのうち少なくとも二種類以上のセンサーを有し、前記強誘電体メモリに搭載されてなる制御部が各センサーを制御する手段と、各センサーが前記コンクリート構造物のデータを計測する手段と、計測した前記コンクリート構造物のデータを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することを特徴とする請求項19乃至請求項21のいずれかに記載の無線ICタグを用いたコンクリート構造物品質管理システム。
【請求項23】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された温度センサー、Phセンサー、歪みセンサーの少なくともいずれかのセンサーを有し、前記センサーのいずれかが変化量を検出すると検出したデータを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することを特徴とする無線ICタグを用いたコンクリート構造物品質管理システム。
【請求項24】
無線ICタグは、充電装置から非接触で充電される電池と電気的に接続されてなり、無線ICタグが有するセンサーは、前記電池から電源供給されて駆動することを特徴とする請求項19乃至請求項23のいずれかに記載の無線ICタグを用いたコンクリート構造物品質管理システム。
【請求項25】
無線ICタグは、振動、熱または電波により自己発電する発電機構と電気的に接続されてなり、無線ICタグが有するセンサーは、前記発電機構から電源供給されて駆動することを特徴とする請求項19乃至請求項24のいずれかに記載の無線ICタグを用いたコンクリート構造物品質管理システム。
【請求項1】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された温度センサーを有し、前記温度センサーで計測した前記構造物の温度データを前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする無線ICタグ。
【請求項2】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続されたPhセンサーを有し、前記Phセンサーで計測した前記構造物の水素イオン指数データを前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする無線ICタグ。
【請求項3】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設されるに埋設する無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された歪みセンサーを有し、前記歪みセンサーで計測した構造物の歪みデータを前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする無線ICタグ。
【請求項4】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続されてなる、温度センサー、Phセンサー、歪みセンサーのうち少なくとも二種類以上のセンサーを有し、前記温度センサーで計測した前記構造物の温度データ、前記Phセンサーで計測した前記構造物の水素イオン指数データ、前記歪みセンサーで計測した前記構造物の歪みデータの少なくともいずれかのデータを前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする無線ICタグ。
【請求項5】
無線ICタグは、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、UHF帯域の電波を受信するUHF帯通信アンテナチップとを連結させて基板上に実装し、UHF帯を超える長い周波数帯の通信を前記強誘電体メモリのアンテナ部で行いデータを前記強誘電体メモリに記憶させるとともに、UHF帯の通信を前記UHF帯通信用アンテナチップで行い、前記データを前記強誘電体メモリに記憶させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の無線ICタグ。
【請求項6】
無線ICタグは、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリを実装した基板を絶縁材料で覆ってなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の無線ICタグ。
【請求項7】
温度センサーは、測温抵抗体、熱電対、サーミスタのいずれかとし、前記温度センサーが検出した電気信号を前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする請求項1または請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の無線ICタグ。
【請求項8】
Phセンサーは、コンクリート構造物の測定部位をセンサーに配設されるフィルム上に接触させることで、測定部位での反応性、酸・アルカリの付着量、測定部位内部から放出される酸・アルカリ量などを検出する半導体イメージングセンサー、または、ガラス電極と比較電極を有してなり該電極間の電位差を検出するガラス電極センサーとし、前記Phセンサーが検出した電気信号を前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする請求項2または請求項4乃至請求項7のいずれかに記載の無線ICタグ。
【請求項9】
歪みセンサーはコンクリート構造物の少なくとも二点の相対位置の変化量を検出する変位センサーとし、前記歪みセンサーが検出した電気信号を前記強誘電体メモリに記憶することを特徴とする請求項3または請求項4乃至請求項8のいずれかに記載の無線ICタグ。
【請求項10】
無線ICタグが有するセンサーは、基板上に実装されることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の無線ICタグ。
【請求項11】
無線ICタグは、充電装置から非接触で充電される電池と電気的に接続されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の無線ICタグ。
【請求項12】
電池は、充電装置からの所定の周波数帯の電波により非接触で充電される電池であることを特徴とする請求項11に記載の無線ICタグ。
【請求項13】
電池は、基板上に実装されてなることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の無線ICタグ。
【請求項14】
電池に充電する充電装置は、書き込み・読み取り装置に備えられてなることを特徴とする請求項11乃至請求項13のいずれかに記載の無線ICタグ。
【請求項15】
無線ICタグが有するセンサーは、充電装置から非接触で充電される電池から電源供給されて駆動することを特徴とする請求項11乃至請求項14のいずれかに記載の無線ICタグ。
【請求項16】
無線ICタグは、振動、熱または電波により自己発電する発電機構と電気的に接続されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項請求項15のいずれかに記載の無線ICタグ。
【請求項17】
発電機構は、基板上に実装されてなることを特徴とする請求項16に記載の無線ICタグ。
【請求項18】
無線ICタグが有するセンサーは、振動、熱または電波により自己発電する発電機構から電源供給されて駆動することを特徴とする請求項16または請求項17に記載の無線ICタグ。
【請求項19】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは打設時に埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された温度センサーを有し、前記強誘電体メモリに搭載されてなる制御部が温度センサーを制御する手段と、前記温度センサーが、前記コンクリート構造物の温度を計測する手段と、計測した前記構造物の温度データを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することを特徴とする無線ICタグを用いたコンクリート構造物品質管理システム。
【請求項20】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは打設時に埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続されたPhセンサーを有し、前記強誘電体メモリに搭載されてなる制御部がPhセンサーを制御する手段と、前記Phセンサーが、前記コンクリート構造物の水素イオン指数を計測する手段と、計測した前記構造物の水素イオン指数データを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することを特徴とする無線ICタグを用いたコンクリート構造物品質管理システム。
【請求項21】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは打設時に埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された歪みセンサーを有し、前記強誘電体メモリに搭載されてなる制御部が歪みセンサーを制御する手段と、前記歪みセンサーが、前記コンクリート構造物の歪みを計測する手段と、計測した前記構造物の歪みデータを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することを特徴とする無線ICタグを用いたコンクリート構造物品質管理システム。
【請求項22】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは打設時に埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された温度センサー、Phセンサー、歪みセンサーのうち少なくとも二種類以上のセンサーを有し、前記強誘電体メモリに搭載されてなる制御部が各センサーを制御する手段と、各センサーが前記コンクリート構造物のデータを計測する手段と、計測した前記コンクリート構造物のデータを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することを特徴とする請求項19乃至請求項21のいずれかに記載の無線ICタグを用いたコンクリート構造物品質管理システム。
【請求項23】
書き込み・読み取り装置との間で無線通信によりデータの書き込み・読み取りが可能なコンクリート構造物に取り付けまたは埋設される無線ICタグであって、外部からの電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線交信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリに電気的に接続された温度センサー、Phセンサー、歪みセンサーの少なくともいずれかのセンサーを有し、前記センサーのいずれかが変化量を検出すると検出したデータを前記強誘電体メモリに記憶する手段を有することを特徴とする無線ICタグを用いたコンクリート構造物品質管理システム。
【請求項24】
無線ICタグは、充電装置から非接触で充電される電池と電気的に接続されてなり、無線ICタグが有するセンサーは、前記電池から電源供給されて駆動することを特徴とする請求項19乃至請求項23のいずれかに記載の無線ICタグを用いたコンクリート構造物品質管理システム。
【請求項25】
無線ICタグは、振動、熱または電波により自己発電する発電機構と電気的に接続されてなり、無線ICタグが有するセンサーは、前記発電機構から電源供給されて駆動することを特徴とする請求項19乃至請求項24のいずれかに記載の無線ICタグを用いたコンクリート構造物品質管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−22982(P2011−22982A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−187642(P2009−187642)
【出願日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(501415394)三智商事株式会社 (11)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(501415394)三智商事株式会社 (11)
【Fターム(参考)】
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