説明

無線ICタグのデータ処理・投入装置

【課題】 無線ICタグをデータ書込み/読出し装置へ一定の方向に整列して給送することができ、これによって情報の書込みエラーや読出しエラーをなくし、無線ICタグ投入対象物の混練槽から離れた自由な位置に設置することも可能で、投入口での詰まりを起すことなく確実に無線ICタグを投入対象物に投入できる無線ICタグのデータ処理・投入装置を提供する。
【解決手段】 この無線ICタグのデータ処理・投入装置10は、無線ICタグを振動作用で同じ向きに整列させる振動整列装置15と、整列状態で送られてきた無線ICタグを複数の通路に振り分ける振分け装置16と、振り分けられた無線ICタグ1に対して無線通信でデータの書き込みおよび(または)読み出しを行う無線通信装置17と、データの書き込みおよび(または)読み出しがなされた無線ICタグを空気圧で無線ICタグ投入対象物に投入させる無線ICタグ投入装置20とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ICタグのデータ処理・投入装置に関し、液体状、粘性体状または半固体状の混練物質、特に、生コンクリートに投入されるICタグに対し、投入に先立って品質管理に必要な各種のデータを無線通信により書き込み、あるいは書き込まれたデータを読み出した後、投入対象物に無線ICタグを投入する無線ICタグの処理・投入装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばコンクリート構造物においては、耐震強度の調査や工事等の履歴の検証の観点から各種の製品情報を書き込んだ無線ICタグを前記コンクリート構造物に取り付け、この無線ICタグを用いた管理システムによりコンクリートの品質や工事履歴等を管理することが知られている。また、コンクリート構造物に限らず、樹脂成形品等の日常製品においても、トレーサビリティの観点から無線ICタグを用いた品質管理を行うことが要望されている。
【0003】
生コンクリートや熱可塑性樹脂等のように、製造工程で液体状、粘性体状または半固体状の性状をもつ製品については、予め無線ICタグに対して各種のデータを書き込むとともに、データ書き込み済みの無線ICタグを硬化前の製品に投入して製品内部に封入してしまえば、硬化した製品内の無線ICタグと無線通信によりデータの書き込みや読み出しを行うことができ、製品ごとの製品管理に役立つ。また、製品内部に無線ICタグを封入することにより、後から無線ICタグを埋設、貼付する必要がないという利点がある。
【0004】
また、コンクリートミキサー車内において無線ICタグを生コンクリートに投入し、コンクリート打設時に無線ICタグに生コンクリートの製造情報を書き込み、これによって製造時の各種情報が付加されたコンクリート構造物とする品質管理方法が提案されている(特許文献1)。また、生コンクリートの製造工程で投入した無線ICタグを用いてコンクリートの品質管理を行う品質管理システムおよび無線ICタグ内蔵の生コンクリートも開示されている(特許文献2)。
【0005】
これらのシステムは、硬化前の生コンクリートに無線ICタグを混練しておき、この無線ICタグに対して生コンクリートの情報や、打設時の情報、あるいは打設後のコンクリート構造物に関する情報を書き込み、必要に応じてデータを読み取ることにより、コンクリート構造物の製品管理を行うシステムである。しかし、これらの品質管理システムにおいて、無線ICタグに対するデータ書き込み手段あるいは無線ICタグの投入装置の構成は必ずしも明確ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−145385号公報
【特許文献2】特開2008−63900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来の無線ICタグの混入によるコンクリート構造物の品質管理においては、投入工程での無線ICタグに確実かつ正確に所要のデータを書き込む必要があり、また、無線ICタグの投入装置内で、特に投入装置の投入口近くで粉塵の発生による無線ICタグの詰まり事故を起さないようにしなければならない。しかし、従来のこの種の無線ICタグ投入装置では、ホッパから供給される無線ICタグを単にデータ書込み/読出し装置へ送出するという構成のため、無線ICタグのデータ書込み面の方向性が一定とならず、書込みエラーが発生していた。
【0008】
また、従来のこの種の装置では、投入装置から自然落下で無線ICタグを投入対象物へ落し込む構造のため、投入対象物となるセメントの粉塵が舞い上がって投入口の詰まりを起したり、投入対象物を収容した混練槽の真上に投入装置を位置させるか、あるいは落下送出用のパイプを使用する場合でも混練槽の極近位置に投入装置を設置しなければならない等の問題があった。
【0009】
本発明は、無線ICタグをデータ書込み/読出し装置へ一定の方向に整列して給送することができ、これによって情報の書込みエラーや読出しエラーをなくし、また、無線ICタグ投入対象物の混練槽から離れた自由な位置に設置することも可能で、投入口での詰まりを起すことなく確実に投入できる無線ICタグのデータ処理・投入装置を提供することを目的とする。
【0010】
本発明はまた、装置稼働に際しての電源の入、切を遠隔位置から、かつ指定された権限をもつ者にのみ行えるようにし、さらに投入状況を現場以外の場所からでも判明できる無線ICタグのデータ処理・投入装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る無線ICタグのデータ処理・投入装置は、無線ICタグを振動作用で同じ向きに整列させる振動整列装置と、整列状態で送られてきた無線ICタグを複数の通路に振り分ける振分け装置と、振り分けられた無線ICタグに対して無線通信でデータの書き込みおよび(または)読み出しを行う無線通信装置と、データの書き込みおよび(または)読み出しがなされた無線ICタグを空気圧で無線ICタグ投入対象物に投入させる無線ICタグ投入装置とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明の1つの形態によれば、前記無線ICタグ投入対象物は、混練槽に収納されてなる液体状、粘性体状または半固体状の物質であることを特徴とする。
【0013】
本発明の他の形態によれば、前記無線ICタグ投入対象物は、混練槽に収納されてなるセメント、水、骨材を混練してなる生コンクリートであることを特徴とする。
【0014】
本発明の他の形態によれば、前記振動整列装置は、無線ICタグを収容する凹状円盤と、前記円盤の外周に形成された円形送出路と、前記円盤および前記円形送出路を振動させる加振駆動部材とを有し、前記円形送出路は、一端に前記円盤に連通するICタグ取込み口と、他端にICタグ落下シュートに連通する排出口とを有することを特徴とする。
【0015】
本発明の他の形態によれば、前記振動整列装置の排出口と前記振分け装置との間が前記ICタグ落下シュートで連結され、前記シュートには該シュートを落下してくる無線ICタグを一時停止させるストッパと、前記無線ICタグの一時停止を検知するセンサとが設けられ、前記センサの検知信号で前記ストッパを解除して無線ICタグを1個づつ前記振分け装置へ送出することを特徴とする。
【0016】
本発明の他の形態によれば、前記ICタグ落下シュートに該シュートを通過する無線ICタグの個数を計数する計量手段が設けられることを特徴とする。
【0017】
本発明の他の形態によれば、前記振分け装置は、前記ICタグ落下シュートと整合可能な少なくとも1つの通路をもつ第1のスライダと、前記第1のスライダの通路と整合可能な複数の通路をもつ第2のスライダと、前記第1、第2のスライダを摺動させるシリンダ装置とを有し、前記第1、第2のスライダの相対摺動により、両スライダのいずれか1つの通路どうしが連通し、他の通路が遮蔽されることを特徴とする。
【0018】
本発明の他の形態によれば、前記振分け装置の下側に配置された複数のICタグ通路をもつ通路ブロックと、前記通路ブロックの下側に配置され、かつ前記ICタグ通路を開閉する通路開閉装置とを有し、前記無線通信装置は、前記通路ブロックの各通路ごとに該通路ブロックに対峙して設けられ、前記通路開閉装置によって前記通路ブロックの通路内に停止した無線ICタグに対してデータの書き込み、または読み出しがなされることを特徴とする。
【0019】
本発明の他の形態によれば、前記通路開閉装置の下側に設けられ、かつ無線ICタグのNG品を検出するNG品検出部の信号によって動作するNG品排出装置を有することを特徴とする。
【0020】
本発明の他の形態によれば、前記NG品排出装置は、NG品落込み孔と正常品送出通路とを備えたスライド可能なNG品排出部材と、前記NG品検出部の信号によって動作する前記NG品排出部材のスライド駆動部とを有することを特徴とする。
【0021】
本発明の他の形態によれば、前記無線ICタグ投入装置は、前記NG品排出部材の正常品送出通路と連通するICタグ受取り通路の下側に配置され、かつICタグ受止め凹部を備えたスライド可能な切出し部材と、前記ICタグ受取り通路の位置より側方に離隔して配置された加圧空気送排出部とを有し、前記切出し部材は、前記ICタグ受止め凹部が前記ICタグ受取り通路の位置と前記加圧空気送排出部の位置との間を往復するようにスライド駆動され、前記受止め凹部内の無線ICタグが前記加圧空気送排出部の位置で加圧空気で放出されることを特徴とする。
【0022】
本発明の他の形態によれば、前記加圧空気送排出部に前記無線ICタグを放出するホースが連結されることを特徴とする。
【0023】
本発明の他の形態によれば、遠隔操作可能な装置作動電源を有し、装置作動状況がインターネットシステムを介して監視可能であることを特徴とする。
【0024】
本発明の他の形態によれば、前記装置作動電源は、タッチパネル盤IDの入力によって遠隔操作されることを特徴とする。
【0025】
本発明の他の形態によれば、前記無線通信装置は、データベースと有線または無線により電気的に接続され、かつ前記無線ICタグのアンテナ部に対して、所定の周波数帯の無線電波を出力して無線通信し、前記データベースに蓄積されている製品情報データを書き込む非接触型の無線通信装置であることを特徴とする。
【0026】
本発明の他の形態によれば、前記無線通信装置は、前記無線通信装置からの無線電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線通信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリを基板上に実装し、前記データを前記強誘電体メモリに記憶させる無線ICタグに対して、前記無線ICタグの通信周波数帯の無線電波を出力する無線通信装置であることを特徴とする。
【0027】
本発明の他の形態によれば、前記無線ICタグは、軸線に対称な転動自在の俵形の形状を成し、前記俵形の端面に対峙する方向からデータの書き込み、または読み出しがなされることを特徴とする。
【0028】
また、前記振動整列装置は、無線ICタグを収納してなるカートリッジを着脱自在に取り付ける無線ICタグ開口部を有してなることを特徴とする
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る無線ICタグのデータ処理・投入装置は、無線ICタグを振動作用で同じ向きに整列させる振動整列装置と、整列状態で送られてきた無線ICタグを複数の通路に振り分ける振分け装置と、振り分けられた無線ICタグに対して無線通信でデータの書き込みおよび(または)読み出しを行う無線通信装置と、データの書き込みおよび(または)読み出しがなされた無線ICタグを空気圧で無線ICタグ投入対象物に投入させる無線ICタグ投入装置とを有しているので、無線ICタグの整列手段によって書込み/読出し位置での前記ICタグの方向性が一定となり、情報の書込みエラーが減少する。また、従来のように投入口から自然落下で投入するのでないため、装置の設置場所を自由に選定でき、投入対象物からの粉塵の発生もなく、投入口先端の詰まりも激減する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施例に係る無線ICタグのデータ処理・投入装置の全体構成を概略的に示した斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係る無線ICタグのデータ処理・投入装置における振動整列装置の上面図である。
【図3】本発明の実施例に係る無線ICタグのデータ処理・投入装置の正面図である。
【図4】図3の要部をより詳細に示した同様の正面図である。
【図5】本発明の実施例に係るICタグ落下シュートの上面図である。
【図6】本発明の実施例に係るICタグ落下シュートの正面図である。
【図7】本発明の実施例に係る振分け装置の正面図である。
【図8】振分け装置と通路ブロックの位置関係を示す正面図である。
【図9】本発明の実施例に係る通路ブロックの詳細な正面図である。
【図10】図9の矢視Fからみた通路ブロックおよび無線通信装置の上面図である。
【図11】図9のA−A線断面図である。
【図12】本発明の実施例に係る無線通信装置と通路開閉装置との関係を示す上面図である。
【図13】本発明の実施例に係るNG品排出装置の側面断面図である。
【図14】図13の矢視G−Gからみた平面図である。
【図15】本発明の実施例に係る無線ICタグ投入装置の上面断面図であって、図13のB−B線に沿う断面を拡大して示した図である。
【図16】本発明の実施例に係る投入装置の正面図であり、図3のD部分を拡大して示した図である。
【図17】本発明の実施例に係る投入装置の図16と同様の拡大正面図である。
【図18】本発明の実施例に適用される無線ICタグの一例を示す側面図である。
【図19】本発明の実施例に適用されるカートリッジの一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態では生コンクリートに無線ICタグを投入する場合を例示したが、投入対象物としてはこのような生コンクリートに限るものではなく、液体状、粘性体状あるいは半固体状のもの、例えば溶融状態の熱可塑性樹脂材、硬化前の石膏材などにも適用される。
【0032】
まず、本発明の実施例に適用される無線ICタグを説明する。図18に示すように、本実施例の無線ICタグ1は、平坦ないし若干凸状となった両端面2と円筒形の周部21とを有する俵形の外形形状を成し、両端面2の中心を通る軸線(回転軸線)Cに対して対称形を有している。周部には複数の凸条22が略等間隔に形成され、これによって投入対象物の生コンクリートとの密着性、親和性が得られる。この無線ICタグ1の俵形の外殻は熱可塑性樹脂材の被覆体で構成され、内部の中心に無線ICタグのチップが収容されている。
【0033】
無線ICタグ1を構成する無線ICタグチップはRFIDタグと称されるデータ書込み/読出しの可能な記憶装置であって、例えばICタグ用メモリ素子として強誘電体を利用した強誘電体メモリであるFeRAMチップが金属板、セラミック板等から成る基板上に実装されている。
【0034】
無線ICタグのFeRAMチップを構成するFeRAMのタイプは、どのようなものでもよく、例えばキャパシタ型、トランジスタ型いずれのタイプであってもよい。なお、製品等の管理システムに用いやすいのは、電源を搭載せず外部からのデータアクセス用の電波を整流して電源とするパッシブ型のFeRAMである。このFeRAMチップには、強誘電体を利用した不揮発性メモリであるFeRAMと、駆動用に電池を内蔵せずに外部からの電波を受信して共振し、電流を発生する電源部と、無線交信するためのフィルム状のアンテナ部が搭載されている。
【0035】
本実施例に係る俵形の無線ICタグ1は、後述する投入装置内の通路をスムーズに、かつ方向性を確保した状態で、周部で転動しながら通過することができる。なお、データの書き込み、読み出しは俵形の端面2に対して行われる。
【0036】
図1は本実施例に係る無線ICタグのデータ処理・投入装置の全体構成を概略的に示した斜視図である。その概略構成を図1を参照して説明すれば、この実施例では、ICタグ投入対象物の生コンクリートの混練槽11の天板12に無線ICタグのデータ処理・投入装置10が脚柱13を介して設置されている。前記データ処理・投入装置10の上部に無線ICタグを収容するホッパ14が設けられ、また、装置筐体内にはホッパ14から供給される無線ICタグを受け入れて振動させつつ送出する振動整列装置15が設けられている。振動整列装置15の下方には振分け装置16が設けられ、この振分け装置16の下方に無線ICタグに対してデータを書き込みあるいは読み出しする無線通信装置17およびデータの書き込み、読み出しのために無線ICタグを一時停止させる停止装置18が設けられている。なお、この実施例で実際には振分け装置16の下方に3つの通路を有する通路ブロック29が設けられ、このブロック29の通路末端に停止装置18が配置され、通路ブロック29の側方に無線通信装置17を構成する3体のデータ書込み/読出し装置が配置された構成となっているが、これについては更に後述する。
【0037】
停止装置18に続いて、その下方に書込みエラーが発生した無線ICタグのNG品の排出装置19、および正常ICタグを混練槽11の生コンクリートに投入する投入装置20が設けられている。投入装置20の投入口には無線ICタグ送出用のエアホース21が連結されており、空気圧でホース21を介して無線ICタグが混練槽11の天板12の開口22から槽内の生コンクリートに投入され、混練槽11内で生コンクリートと混練される。23は振動整列装置15から振分け装置16へ無線ICタグを送る落下シュートである。
【0038】
図2は図1に示す振動整列装置15の上面図である。図1、図2を参照すれば、振動整列装置15は底が皿状に窪んだ凹状円盤24と、この凹状円盤24を囲む円形送出路25と、凹状円盤24の下側に配置された加振駆動装置26(図3)とを有している。ホッパ14内の無線ICタグはシュート27を介して振動整列装置15の凹状円盤24に供給され、振動作用によって無線ICタグは、図2の破線矢印28で示す如く、凹状円盤24から円形送出路25へ向って無線ICタグの端面どうしを連接した整列状態で徐々に送り出され、円形送出路25の排出口25aからICタグ落下シュート23を介して振分け装置16へ送出される。なお、無線ICタグは落下シュート23内を該ICタグの周部で転動しながら落下していく。
【0039】
図4〜図6を参照すれば、ICタグ落下シュート23には一対の交互に突出、退避動作するストッパ部材31,32を有するストッパ機構30と、このストッパ機構30の位置で落下シュート23に対峙し、かつ無線ICタグ1の一時停止を検知してストッパ機構30の動作を制御する一時停止検知センサ33が設けられている。また、ICタグ落下シュート23にはストッパ機構30より上流側位置に無線ICタグ1の通過を検知して該ICタグの通過個数を計数する計量センサ34が設けられている。
【0040】
無線ICタグ1はこの計量センサ34にて通過個数がカウントされた後、退避位置にある上側ストッパ部材31を通過し、突出(前進)状態の下側のストッパ部材32に接当して停止すると(図6の状態)、これを検知した一時停止検知センサ33の信号により下側のストッパ部材32が落下シュート23から退避してICタグ1を送り出すとともに、上側ストッパ部材31がシュート23に向って前進して落下シュート23を閉塞し、後続のICタグを停止させ、次いで下側ストッパ部材32が前進するとともに上側ストッパ部材31が退避し、無線ICタグ1は下側ストッパ部材32によって一時的に停止され、一時停止検知センサ33の信号が出力される。このようにして落下シュート23を連続して落下してくる無線ICタグ1は1個づつ下段の振分け装置16へと送られる。
【0041】
図4および図7、図8を参照してこの振分け装置について説明する。
振分け装置16は、上下に重ねられて互いに対して相対摺動する上側の第1のスライダ35と、下側の第2のスライダ36と、これらのスライダ35,36をそれぞれスライド動作させるための各スライダに連結された第1、第2のシリンダ装置37,38とを有している。第1のスライダ35は真直な第1の通路39と、傾斜した第2の通路40とがともに貫通して形成されている。第1のシリンダ装置37による第1のスライダ35の移動により、第1の通路39と第2の通路40のいずれかがICタグ落下シュート23の下端と整合するようになっている。
【0042】
第2のスライダ36は2つの真直な第1、第2の通路41,42と、1つの傾斜した第3の通路43とが貫通して形成されている。第2のスライダ36を駆動する第2のシリンダ装置38により、第2のスライダ36が移動すると、その移動位置により、第1〜第3の3つの通路41,42,43のいずれかが第1のスライダ35の2つの通路39,40のいずれか1つと整合するとともに、該第2のスライダの通路41〜43の下端が後述の無線通信装置17に隣接した通路ブロック29内の3つの通路45,46,47の1つと整合する。なお、図4、図8の状態は、第1のスライダ35の真直な通路39が落下シュート23および第2のスライダ36の傾斜通路43と連通し、第2のスライダ36の傾斜通路43が通路ブロック29の第3の通路47と連通したときの状態である。
【0043】
図7(a)〜(c)を参照して実施例の振分け装置16による無線ICタグの振分け動作について説明する。この実施例では落下シュート23から1個づつ落下してきた無線ICタグは通路ブロック29の3つの通路に振り分けられる。まず、図7(a)の如く、第1のスライダ35の第1のシリンダ装置37と第2のスライダ36の第2のシリンダ装置38がともに0位置にある状態で第1のスライダ35の真直な通路39が落下シュート23と整合するとともに、該通路39が仕切り壁49の一方の孔50を介して第2のシリンダ36の傾斜通路43と整合する。両スライダ35,36の他の通路、即ち第1のスライダ35の傾斜通路40および第2のスライダ36の2つの真直な通路41,42は仕切り壁49によって閉塞されている。落下シュート23から落下してきた無線ICタグは両スライダ35,36の連通した通路39,43を通って下方の通路ブロック29の第3の通路47へ送られる。
【0044】
次に、図7(b)に示すように、第1のシリンダ装置37が0位置の状態を維持したまま、第2のシリンダ装置38が駆動されてそのシリンダロッドがストロークSだけ伸長し、第2のスライダ36が変位する。これによって第1のスライダ35の真直通路39は仕切り壁49の前記一方の孔50を介して第2のスライダ36の真直な通路41(第2のスライダの傾斜通路43に隣接した通路)と整合し、第2のスライダ36の他の2つの通路42,43は第1のスライダ35の通路39,40に対して閉塞される。このとき、第1のスライダ35の通路39と連通した第2のスライダ36の真直な通路41は通路ブロック29の中央の通路、即ち第2の通路46と連通しているので、落下シュート23からの無線ICタグ1はこれらの連通した通路39,41を経て通路ブロック29の中央通路(第2の通路)46へと送られる。なお、第2のスライダ36がストロークSだけ移動したとき、該スライダ36の先端は振分け装置16のストッパ52と接当して該スライダの位置決めがなされる。
【0045】
次に、図7(c)において、第2のスライダ36がストロークSだけ伸長した状態を維持したまま、第1のシリンダ装置37が駆動されてそのシリンダロッドがSだけ伸長し、第1スライダ35はその先端が振分け装置16のストッパ53と接当する。このとき、第1のスライダ35の傾斜通路40は落下シュート23の下端と整合するとともに、仕切り壁49の他方の孔51を介して第2のスライダ36の真直な通路42(即ちシリンダ装置側に寄った位置の真直通路42)と整合する。そして、この整合した第2のスライダ36の通路42が通路ブロック29の第1の通路45(図8)と連通し、落下シュート23からの無線ICタグ1はこれらの連通した通路40,42を経て下方の通路ブロック29の第1の通路45へ送られる。その後は、再び第1、第2のスライダ35,36がともにストロークSだけシリンダ装置側へ移動し、最初の図7(a)の状態へ戻り、以下順次この動作を繰り返えすことにより、落下シュート23から所定間隔で連続的に送られてくる無線ICタグ1は通路ブロック29の3つの通路45,46,47へ順次1個づつ送られる。
【0046】
図9において、3つの分離した通路45〜47を有する通路ブロック29の下側には通路開閉装置55が設けられている。通路開閉装置55は、通路ブロック29の3つの通路45〜47の開閉を行うものであり、該ブロック29の3つの通路45〜47と整合し得る3つの貫通した開口59,60,61を備えた横長の開閉部材56と、開閉部材56の一端に連結されるシリンダ装置57と、開閉部材56の他端と接当して該部材56の位置決めをするストッパ部材58(図4)とを有している。開閉部材56のシリンダ装置57の駆動により、開閉部材56は長手方向に往復動作し、開閉部材56の3つの開口59,60,61が通路ブロック29の3つの通路45〜47と整合したときは、通路ブロック29の通路45〜47が開通して無線ICタグ1は下段のICタグ投入装置あるいはNG品排出装置へと送られる。また、通路開閉装置55の開閉部材56の移動でその3つの開口59,60,61が通路ブロック29の3つの通路45〜47と非連通状態になると、通路ブロック29の3つの通路45〜47は該開閉部材56で閉塞され、無線ICタグ1は前記ブロック29の通路内に、一時停止状態として、留められる。
【0047】
図10は図9の矢視Fからみた通路ブロック29および無線通信装置17の上面図、図11は図9のA−A線断面図である。また、図12は無線通信装置17と通路開閉装置55との関係を示す上面図である。これらの図を参照すれば、通路ブロック29の背後側には、無線通信装置17のデータ書込み/読出し装置62,63,64が3体互いに離隔して設けられている。3体のデータ書込み/読出し装置62〜64は、通路開閉装置55に隣接して、通路ブロック29の下部近くの該ブロック29の3つの通路45,46,47に対応した位置に設けられ、開閉部材56によって通路ブロック29の3通路45〜47が閉塞されたとき、データ書込み/読出し装置62〜64によって前記ブロック29内に留められた無線ICタグ1に対してデータの書き込み、あるいはデータの読み出しが無線通信手段でなされる。この場合、無線ICタグは図11に明示されるように、その端面が前記データ書込み/読出し装置に対峙するように通路内を転動して停止し、データはこの無線ICタグの端面を通して書き込まれる。本発明の俵状の無線ICタグはその端面が通路の内壁に対峙した状態を維持しつつ、タグ周面で転動するので、前記データ書込み/読出し装置に対してタグの端面が常時向き合うこととなり、データの書き込みや読み出しが確実になされ、書込みエラーの発生は著しく減少する。データの書き込み、読み出しが終った後、通路ブロック29の通路45〜47が開かれ、無線ICタグ1は下段の投入装置あるいはNG品排出装置のNG品排出部へ送られる。
【0048】
図13はNG品排出装置70の側面断面図、図14はNG品排出装置70の平面図であり、図13の矢視G−Gからみたものである。NG品排出装置70は、通路ブロック29から後述の投入装置へとつながるICタグ通路に対してその背後側に、かつ通路ブロック29の3つの通路45〜47に対応して3体配置されている。NG品排出装置70は、全体装置の前後方向に、より具体的には後述のICタグ投入ホースの伸長方向に平行な方向に、前記ICタグ通路を横切って前後進するNG品排出部材72と、NG品排出部材72の一端に連結されたNG品排出シリンダ装置73と、NG品排出部材72の下側に配置されたNG品排出シュート74およびNG品収容部75とを有している。
【0049】
NG品排出部材72は通路ブロック29の各通路45〜47と整合可能な正常品送出通路76と、この送出通路76に隣接したNG品落込み孔77とを有している。この実施例では、NG品落込み孔77は正常品送出通路76に対してNG品排出シリンダ装置73側へ寄った位置に形成されており、比較的広い開口を有し、かつその片側孔壁はNG品が滑り落ちるように傾斜壁77aとなっている。
【0050】
無線ICタグのデータ書込み不良等による無線ICタグのNG品がNG品検知センサにより検知されると、そのセンサ信号によりNG品排出シリンダ装置73が駆動され、各NG品排出部材72がスライドして該部材72のNG品落込み孔77が通路ブロック29の通路45〜47の下側にくる。これによってNG品は通路ブロック29の前記通路からNG品落込み孔77に落下し、該孔77の傾斜壁77aを転動して下方のNG品排出シュート74からNG品収容部75に収容される。NG品検知センサによる検知信号が出されないときは、NG品排出シリンダ装置73によってNG品排出部材72は元の正常時の位置に復帰し(図13の状態)、該部材72の正常品送出通路76は通路ブロック29の通路45〜47および無線ICタグ投入装置80の受取り通路81と連通状態になる。
【0051】
図15は無線ICタグ投入装置80の上面断面図であり、図13のB−B線に沿う断面を拡大して示したものである。また、図16および図17はともに前記投入装置80の正面図であり、図3のD部分を拡大して示したものである。なお、図16は投入装置80のICタグ受止め凹部に無線ICタグが受け止められた状態、図17はこの無線ICタグがエアホースの位置に移動したときの状態を示している。無線ICタグ投入装置80は、通路ブロック29の3通路に対応した3つのICタグ受取り通路81を有し、その下側に各受取り通路81に対応した3個のICタグ受止め凹部82,83、84をもつ横長の切出し部材85がスライド可能に設けられている。
【0052】
切出し部材85の片端には、該切出し部材85を往復スライドさせる切出しシリンダ装置86が連結されている。また、切出し部材85のICタグ受止め凹部82〜84が各ICタグ受取り通路81と整合した位置にある状態で、この受止め凹部82〜84内に入った無線ICタグ1を検出するセンサ、この実施例では受止め凹部82〜84をまたぐ光電式センサ(発光素子と受光素子)87が設けられている。また、切出し部材85のICタグ受止め凹部82〜84の位置で、かつ該凹部の背後側に、それぞれの該凹部に連通する空気噴出溝(ノズル)88が切出し部材85に形成されている。
【0053】
ICタグ受取り位置にある切出し部材85の各ICタグ受止め凹部82〜84に対して該部材85の長手方向に所定の間隔Tを有して、切出し部材85を挟むように加圧空気の噴出口89および排出口90が設けられている。加圧空気噴出口89にはエアポンプ(図示省略)につながる送気管91が接続され、加圧空気排出口90にはエアホース21が接続されている。なお、加圧空気噴出口89は、この位置にスライどうした切出し部材85の空気噴出溝(ノズル)88と連通するようになっている。
【0054】
切出し部材85の位置が、該部材のICタグ受止め凹部82〜84とICタグ受取り通路81との整合した状態に位置しているとき、振分け装置および通路ブロック29から落下してきた無線ICタグ1はICタグ受取り通路81を経て切出し部材85のICタグ受止め凹部82〜84に一旦収容され、光電式センサ87によって検出されると、その検出センサ信号によって切出しシリンダ装置86が作動して切出し部材85がストロークTだけスライドし、これによって各ICタグ受止め凹部82〜84は該凹部内の無線ICタグ1とともに加圧空気の噴出口89に対峙した位置にくる。図17はこのときの状態である。
【0055】
この状態でICタグ受止め凹部82〜84内の無線ICタグ1は、加圧空気噴出口89から空気噴出溝(ノズル)88を介して吹き出される加圧空気によって加圧空気排出口90およびエアホース21へ送り出される。エアホース21は図1に示すように本実施例の無線ICタグのデータ処理・投入装置10から伸長して混練槽11の天板12に形成された開口22に挿入されており、無線ICタグ1は該槽11内の生コンクリートに投入される。なお、ICタグ受止め凹部82〜84内の無線ICタグ1が吹き出された後は、再び切出しシリンダ装置86によって切出し部材85がICタグ受取り通路81の下側の元の位置に戻される。切出し部材85は以上の動作を繰り返えすように反復スライド動作する。
【0056】
エアホース21からは無線ICタグ1とともに加圧空気が吹き出されるので、従来の自重による自然落下での投入と異なり、無線ICタグの投入や混練に伴なってセメント等の粉塵が発生しても、粉塵が投入口に吸い込まれて詰まりを起すことがない。また、図示の実施例では混練槽11上に本実施例の無線ICタグのデータ処理・投入装置10を設置しているが、本発明のデータ処理・投入装置は必ずしも混練槽の上に設ける必要はなく、混練槽11から離れた適切な場所、例えば数メートル離れた位置あるいは管理建屋内などに設置し、ここからエアホース21を長く伸ばして混練槽へ導くことも可能である。投入装置から投入対象物まで数m離れていても十分にICタグを送出することができる。
【0057】
このように本発明では、エアホースを用いた加圧空気によるICタグ投入構造とすることにより、投入口でのタグ詰まりの激減、および設置場所の自由な選定が可能となる。さらに、本発明に係る無線ICタグのデータ処理・投入装置の設置位置は混練槽と同じ高さ位置である必要はなく、場合によっては地面上に直接設置することもでき、これによって安全性が確保されるとともに、保守点検も容易となる。なお、上述の実施例ではICタグの投入通路およびエアホースを3本としたが、本発明ではこの形態に限定されるものでなく、例えば混練槽の大きさに応じて任意の本数としてもよいことは勿論である。なお、加圧空気の圧力は通常の場合、数気圧である。
【0058】
本発明では、無線ICタグのデータ処理・投入装置の電源の入、切は遠隔操作で行えるようにしている。さらに、場合によってはインターネット経由で、前記データ処理・投入装置の電源の操作が可能としているので、稼働現場以外の場所でも前記データ処理・投入装置の稼働状況が判定でき、トラブルが発生した場合にも、適切かつ迅速な対応が可能となる。
【0059】
また、従来のこの種の装置では、電源の投入を始め、各種の装置操作を任意の作業者や操作員が自由に行うことができるという構造であったが、本発明においては、データの書き込み、読み出しを始めとしてこれらの作業を例えばタッチパネル盤でのID入力によって行えるようにしているので、操作員およびその操作権限を限定でき、装置運用の信頼性を高めることができる。また従来は、例えば投入するICタグの形状が変更したような場合、装置全体を全面的に改修する必要があったが、本発明では無線ICタグの形状に変更が発生した場合にも、或る部品を変更するなど部分的な改修で対応することができるという効果ももたらされる。
【0060】
また、図19に示すように、ホッパ14へ投入する無線ICタグ1は、あらかじめカートリッジ101に入れた状態で供給することができる。無線ICタグ入りのカートリッジ101をホッパ14の開口部へ取り付けることにより無線ICタグ1は、ホッパ14内に投入される。無線ICタグのデータ処理・投入装置のホッパ14の投入口は、カートリッジ101が着脱自在に取り付けられるように形成されている。
【0061】
カートリッジ101は、円筒状の筐体102内にあらかじめデータ書き込み前の無線ICタグ1が複数入れられている。カートリッジ101の底部には、ホッパ14の投入口に嵌合する開口部103が形成されており、この開口部103から無線ICタグ1はホッパ14へと落下投入される。また、カートリッジ101の底部は、開口部103へ向かって傾斜しており、開口部103へ無線ICタグ1を案内するレール部104が形成されている。尚、カートリッジ101の形状は一例であって上述したものに限られるものではない。
【0062】
ホッパ14内の無線ICタグ1が不足したときには、このカートリッジ101を交換することにより、容易に無線ICタグ1を供給することができる。またカートリッジ101に無線ICタグ1を入れた後、封入すれば、他の無線ICタグの投入を防ぐことができ、偽造した無線ICタグ等の投入を防止することができ、正しいデータを書き込んだ無線ICタグ1を用いてコンクリート品質管理システムを運用することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 無線ICタグ
2 無線ICタグ両端面
21 無線ICタグ周部
22 凸条
10 無線ICタグのデータ処理・投入装置
11 混練槽
14 ホッパ
15 振動整列装置
16 振分け装置
17 無線通信装置
18 停止装置
19,70 NG品排出装置
20,80 無線ICタグ投入装置
21 エアホース
23 落下シュート
24 凹状円盤
25 円形送出路
27 シュート
29 通路ブロック
30 ストッパ機構
31,32 ストッパ部材
33 一時停止検知センサ
34 計量センサ
35,36 スライダ
37,38 振分け装置のシリンダ装置
39 第1の通路
40 第2の通路
41 第1の通路
42 第2の通路
43 第3の通路
45 第1の通路
46 第2の通路
47 第3の通路
49 仕切り壁
50,51 仕切り壁の孔
52,53 ストッパ
55 通路開閉装置
56 開閉部材
57 通路開閉装置のシリンダ装置
58 ストッパ部材
59,60,61 開口
62〜64 データ書込み/読出し装置
72 NG品排出部材
73 NG品排出部材のシリンダ装置
76 正常品送出通路
77 NG品落込み孔
81 ICタグ受取り通路
82〜84 受止め凹部
85 切出し部材
86 切出しシリンダ装置
88 空気噴出溝(ノズル)
89 加圧空気の噴出口
90 加圧空気の排出口
91 送気管
101 カートリッジ
102 筐体
103 開口部
104 レール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ICタグを振動作用で同じ向きに整列させる振動整列装置と、整列状態で送られてきた無線ICタグを複数の通路に振り分ける振分け装置と、振り分けられた無線ICタグに対して無線通信でデータの書き込みおよび/または読み出しを行う無線通信装置と、データの書き込みおよび/または読み出しがなされた無線ICタグを空気圧で無線ICタグ投入対象物に投入させる無線ICタグ投入装置とを有することを特徴とする無線ICタグのデータ処理・投入装置。
【請求項2】
前記無線ICタグ投入対象物は、混練槽に収納されてなる液体状、粘性体状または半固体状の物質であることを特徴とする請求項1に記載の無線ICタグのデータ処理・投入装置。
【請求項3】
前記無線ICタグ投入対象物は、混練槽に収納されてなるセメント、水、骨材を混練してなる生コンクリートであることを特徴とする請求項1に記載の無線ICタグのデータ処理・投入装置。
【請求項4】
前記振動整列装置は、無線ICタグを収容する凹状円盤と、前記円盤の外周に形成された円形送出路と、前記円盤および前記円形送出路を振動させる加振駆動部材とを有し、前記円形送出路は、一端に前記円盤に連通するICタグ取込み口と、他端にICタグ落下シュートに連通する排出口とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の無線ICタグのデータ処理・投入装置。
【請求項5】
前記振動整列装置の排出口と前記振分け装置との間が前記ICタグ落下シュートで連結され、前記シュートには該シュートを落下してくる無線ICタグを一時停止させるストッパと、前記無線ICタグの一時停止を検知するセンサとが設けられ、前記センサの検知信号で前記ストッパを解除して無線ICタグを1個づつ前記振分け装置へ送出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の無線ICタグのデータ処理・投入装置。
【請求項6】
前記ICタグ落下シュートに該シュートを通過する無線ICタグの個数を計数する計量手段が設けられることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の無線ICタグのデータ処理・投入装置。
【請求項7】
前記振分け装置は、前記ICタグ落下シュートと整合可能な少なくとも1つの通路をもつ第1のスライダと、前記第1のスライダの通路と整合可能な複数の通路をもつ第2のスライダと、前記第1、第2のスライダを摺動させるシリンダ装置とを有し、前記第1、第2のスライダの相対摺動により、両スライダのいずれか1つの通路どうしが連通し、他の通路が遮蔽されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の無線ICタグのデータ処理・投入装置。
【請求項8】
前記振分け装置の下側に配置された複数のICタグ通路をもつ通路ブロックと、前記通路ブロックの下側に配置され、かつ前記ICタグ通路を開閉する通路開閉装置とを有し、
前記無線通信装置は、前記通路ブロックの各通路ごとに該通路ブロックに対峙して設けられ、前記通路開閉装置によって前記通路ブロックの通路内に停止した無線ICタグに対してデータの書き込み、または読み出しがなされることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の無線ICタグのデータ処理・投入装置。
【請求項9】
前記通路開閉装置の下側に設けられ、かつ無線ICタグのNG品を検出するNG品検出部の信号によって動作するNG品排出装置を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の無線ICタグのデータ処理・投入装置。
【請求項10】
前記NG品排出装置は、NG品落込み孔と正常品送出通路とを備えたスライド可能なNG品排出部材と、前記NG品検出部の信号によって動作する前記NG品排出部材のスライド駆動部とを有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の無線ICタグのデータ処理・投入装置。
【請求項11】
前記無線ICタグ投入装置は、前記NG品排出部材の正常品送出通路と連通するICタグ受取り通路の下側に配置され、かつICタグ受止め凹部を備えたスライド可能な切出し部材と、前記ICタグ受取り通路の位置より側方に離隔して配置された加圧空気送排出部とを有し、前記切出し部材は、前記ICタグ受止め凹部が前記ICタグ受取り通路の位置と前記加圧空気送排出部の位置との間を往復するようにスライド駆動され、前記受止め凹部内の無線ICタグが前記加圧空気送排出部の位置で加圧空気で放出されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の無線ICタグのデータ処理・投入装置。
【請求項12】
前記加圧空気送排出部に前記無線ICタグを放出するホースが連結されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の無線ICタグのデータ処理・投入装置。
【請求項13】
遠隔操作可能な装置作動電源を有し、装置作動状況がインターネットシステムを介して監視可能であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の無線ICタグのデータ処理・投入装置。
【請求項14】
前記装置作動電源は、タッチパネル盤IDの入力によって遠隔操作されることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の無線ICタグのデータ処理・投入装置。
【請求項15】
前記無線通信装置は、データベースと有線または無線により電気的に接続され、かつ前記無線ICタグのアンテナ部に対して、所定の周波数帯の無線電波を出力して無線通信し、前記データベースに蓄積されている製品情報データを書き込む非接触型の無線通信装置であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の無線ICタグのデータ処理・投入装置。
【請求項16】
前記無線通信装置は、前記無線通信装置からの無線電波を受信しこれと共振して電流を発生する電源部と所定の周波数帯域で無線通信するためのアンテナ部を有する強誘電体を利用した強誘電体メモリを基板上に実装し、前記データを前記強誘電体メモリに記憶させる無線ICタグに対して、前記無線ICタグの通信周波数帯の無線電波を出力する無線通信装置であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の無線ICタグのデータ処理・投入装置。
【請求項17】
前記無線ICタグは、軸線に対称な転動自在の俵形の形状を成し、前記俵形の端面に対峙する方向からデータの書き込み、または読み出しがなされることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の無線ICタグのデータ処理・投入装置。
【請求項18】
前記振動整列装置は、無線ICタグを収納してなるカートリッジを着脱自在に取り付ける開口部を有してなることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の無線ICタグのデータ処理・投入装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−258030(P2011−258030A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−132489(P2010−132489)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【特許番号】特許第4812889号(P4812889)
【特許公報発行日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(501415394)三智商事株式会社 (11)
【Fターム(参考)】