説明

無線ICタグ付き雷管または点火具

【課題】無線電波或いは電磁波による電子的な製品管理が可能な無線ICタグを組み込んだ雷管または点火具を提供する。
【解決手段】樹脂製材料或いはゴム製材料からなる塞栓と、前記塞栓を通して、外部から供給される点火エネルギーを伝搬するエネルギー伝搬路と、前記点火エネルギーによって着火され、爆発に至る火薬組成物と、前記火薬組成物を収容する金属製管体と、からなる雷管部とを有し、前記塞栓と前記雷管部とが結合されてなる雷管において、前記塞栓内部に無線ICタグが組み込まれていることを特徴とする無線ICタグ付き雷管または点火具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
爆薬の起爆を行うための雷管、あるいは破砕剤の点火を行うための点火具であって、電波を受発信できる無線ICタグを内蔵する雷管または点火具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品の物流を管理するためのタグ(荷札)として、バーコードや無線ICタグが応用されるに至り、これらを応用するためのソフトウエアと合わせて在庫管理や製造履歴或いは販売履歴等の物流管理が電子的に行われることが可能になった。特に無線ICタグに至っては、非接触で電子情報の書き込み、読み出しが可能であり、様々な用途開発がなされるようになった。また、最近では大きさ(縦、横、厚さ)が1mmに満たない極めて小型の無線ICタグが開発されており、その用途は益々拡がりつつある。
一方、爆薬の起爆を行うための雷管、あるいは破砕剤の点火を行うための点火具は、起爆或いは点火時間毎、また外部から供給される点火エネルギーを伝搬するエネルギー伝搬路(例えば、脚線や導火管等)の長さ毎に品種が分かれるため、管理するべき品種が極めて多岐に亘り、管理が容易ではないが、前記雷管や点火具の物流管理において無線ICタグを応用した技術は知られていない。
【0003】
雷管あるいは点火装置は、生産現場(工場)は勿論、消費現場においても1本単位で帳簿管理する必要があり、作業者の負担も大きい。
また、前記雷管や点火具において、前記点火エネルギーとして電気エネルギーを利用する電気雷管及び電気点火具についての無線電波或いは電磁波に対する安全性については、非特許文献1によって一定の評価がなされている。非特許文献1によれば、電波或いは電磁波信号源の出力インピーダンスが50Ωの場合において、出力電力が0.8W以上の携帯電話などの場合は危険性が高く、出力電力が10mW以下の特定小電力無線機などでは発火の危険性は低いと推定されている。
【非特許文献1】黒木、小坂、加藤「高周波エネルギーに対する電気雷管の発火特性」Science and Technology of EnergeticMaterials Vol.64, No.1, 2003 (329)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、無線電波或いは電磁波による電子的な製品管理が可能な無線ICタグを組み込んだ雷管または点火具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは前記課題を解決するため鋭意検討した結果、無線電波或いは電磁波による電子的な製品管理が可能な無線ICタグを組み込んだ雷管あるいは点火具を提供できることを見出した。
すなわち、本発明は下記の通りである。
(1)樹脂製材料或いはゴム製材料からなる塞栓と、前記塞栓を通して、外部から供給される点火エネルギーを伝搬するエネルギー伝搬路と、前記点火エネルギーによって着火され、爆発に至る火薬組成物と、前記火薬組成物を収容する金属製管体と、からなる雷管部とを有し、前記塞栓と前記雷管部とが結合されてなる雷管において、前記塞栓内部に無線ICタグが組み込まれていることを特徴とする無線ICタグ付き雷管または点火具。
(2)前記エネルギー伝搬路が、金属製導体からなる脚線であることを特徴とする(1)記載の無線ICタグ付き雷管または点火具。
(3)前記無線ICタグの受発信アンテナが、前記脚線であることを特徴とする(2)記載の無線ICタグ付き雷管または点火具。
(4)前記無線ICタグの受発信アンテナが、前記金属製管体であることを特徴とする(1)記載の無線ICタグ付き雷管または点火具。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、無線ICタグを製品包装材料ではなく、雷管あるいは点火具本体に組み込むため製品個々の管理を可能にできる。
例えば、ソフトウエア上の効果として、在庫管理や製造履歴或いは販売履歴等の物流管理を電子的に行うことができる。また、生産現場(工場)における製造品種の切り替え管理などに応用できる他、消費現場においてもパーソナルコンピュータ等を併用することによって消費数量の管理等が簡便となるため、作業者の労力が軽減される。更には、特定範囲においては、非接触で雷管及び点火具の存在を検知することが可能であるから、システム構築の方法によれば雷管あるいは点火具を悪用されることを防止する効果も期待できる。
【0007】
また、本発明によれば、ハードウエア上の効果として、元々雷管あるいは点火具が有する脚線や金属管体を無線ICタグの受発信アンテナとして応用することが可能となるため、特殊なアンテナが不要となり、アンテナの損傷等に配慮する必要がない。更には無線ICタグを組み込む際に、前記受発信アンテナと前記塞栓材料或いは空気層を介して電磁的に結合されるように組み込むことが可能であるから製造も容易である。更には、表面に貼り付けたりするのではなく塞栓内部に組み込むため、剥がれ落ち防止や防水のための手段を容易なものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明について以下具体的に説明する。
本発明の無線ICタグ付き雷管あるいは点火具は、樹脂製材料或いはゴム製材料からなる塞栓と、前記塞栓を通して、外部から供給される点火エネルギーを伝搬するエネルギー伝搬路と、前記点火エネルギーによって着火され、爆発に至る火薬組成物と、前記火薬組成物を収容する金属製管体とからなる雷管部とを有し、前記塞栓と前記雷管部とが結合されてなる雷管において、前記塞栓内部に無線ICタグが組み込まれる。
前記エネルギー伝搬路は、金属製導体からなる脚線から構成されても良い。また、前記無線ICタグの受発信アンテナは、前記脚線或いは前記金属製管体からなることが好ましい。
【0009】
更には、前記無線ICタグが、前記受発信アンテナと前記塞栓材料或いは空気層を介して電磁的に結合されるように組み込まれるよう構成することが好ましい。
また、本発明において、前記エネルギー伝搬路が金属製導体からなる一対の脚線からなり、電気エネルギーの供給を受けることによって起爆或いは点火する電気雷管及び電気点火具においては、電波或いは電磁波信号源の出力インピーダンスが50Ωの場合において、該信号源の出力電力は、好ましくは0.8W未満であり、より好ましくは10mW以下である。但し、信号源の出力電力は前記の通り信号源の出力インピーダンスと電気雷管あるいは電気点火具の発火感度により決定されるものであるから、数値的に限定されるものではなく、無線通信のシステム構成上において任意に選択可能である。
以下、本発明の特に好ましい実施形態について、具体的に説明する。
【0010】
[実施形態1]
図1は、一般的な電気雷管の模式図である。
電気雷管は樹脂製塞栓1と延時装置12及び起爆薬13、添装薬14が装填された金属製管体3とを有し、該塞栓1と管体3とは締め付け部31、32、33によって機械的にかしめられて結合される。金属製管体3の材質は、銅又はアルミニウム、又はこれらを主とする合金が好ましい。
また、該塞栓1を通してエネルギー伝搬路である脚線2が雷管内部へ導かれる。前記脚線2は、外気と触れる部分には樹脂被覆されている。また、前記脚線2の先端には電橋4が接続され、該電橋4の周囲には点火薬11が配置される。点火薬11は樹脂製カップ5に計量され、該カップ5と前記塞栓1とが機械的に結合されるように構成されても良い。
【0011】
電気雷管は、電気発破器(図示せず)より電気エネルギーの供給を受け、該電気エネルギーは脚線2を通して電橋4を加熱する。前記点火薬11は電橋4の周囲に配置され、電橋4の発熱によって着火される。前記点火薬11が点火されると火炎及び熱を放射し、延時薬12を点火する。延時薬12は、原料となる組成及び量、装填長さによって設計される燃焼時間で燃焼し、起爆薬13を点火する。起爆薬13が点火されると瞬時の内に添装薬14を起爆するに至る。
尚、導火管付雷管と呼称される種類の雷管においては、図1に示された前記エネルギー伝搬路である脚線2の代わりに中空状のチューブ内壁に火薬類が塗布された構造の導火管が用いられる。前記導火管付雷管の場合は該導火管先端が前記塞栓1を貫通する構造であり、外部より伝播される火炎や熱衝撃エネルギーが直接雷管内部に伝播されるので、電橋4、カップ5、点火薬11は不要である。
【0012】
図2は、図1に基づく本発明の無線ICタグが組み込まれた雷管或いは点火具の塞栓部を拡大した実施形態1の模式図である。
点火具は、金属管体3に装填される火薬の種類が異なるだけで、その他の構造は前述の電気雷管の構造と同様である。また、図2の塞栓1は、図1の塞栓1の構成に等しい。
本発明の第1の実施形態を示す無線ICタグ付き雷管は、塞栓1に組み込み部6を形成し、該組み込み部6内に無線ICタグ7を組み込んで構成される。また、前記組み込み部6は、無線ICタグ7を組み込んだ後、樹脂接着剤等で封止しても良い。前記組み込み部は脚線2と接しても良いし、脚線2と塞栓1を形成する材料を介して接しても良い。また、無線ICタグ7を塞栓1成型時に組み込み、組み込み部6の形成を省略しても良い。前記の如く無線ICタグ7と脚線2とを近接して配置することで、無線ICタグ7にとって脚線2はモノポールアンテナとして作用する。無線ICタグ7と脚線2との近接距離は、無線ICタグの受発信効率に従い、任意に決定される。
【0013】
また、本発明の実施形態の図面においては無線ICタグ7のサイズが模式的に大きく表現されているが、0.4mm角程度で構成できる。例えば株式会社日立製作所より市販されているミューチップ等を応用すれば、長さ0.4mm、幅0.4mm、厚さ0.06mmで構成することができる。また、塞栓1に組み込む方向も任意に選択できる。
尚、前記Vノッチ21は、脚線の樹脂被覆から突出した部分である芯線22をVの字状に折り曲げ、該Vの字の頂点内側に僅かな切れ目を入れて構成される。該Vノッチ21を形成することにより、脚線2と管体3との間に過大な引張応力が作用した場合に切断され、脚線先端に取り付けられた電橋4と点火薬11との摩擦を防止することができる。
【0014】
[実施形態2]
図3は、図1に基づく本発明の無線ICタグが組み込まれた雷管或いは点火具の塞栓部を拡大した実施形態2の模式図である。
図2に示す実施形態1と図3に示す実施形態2とは無線ICタグ7を組み込む位置、即ち組み込み部6の塞栓1上の形成位置が異なり、その他の構成は実施形態1と同様である。前記組み込み部6は、製造における金属管体3の塞栓1への締め付けによる無線ICタグ7の損傷を防ぐために、図1の締め付け部31、32、33から外れた位置に形成されることが好ましく、更に好ましくは、締め付け部32と33との間に形成される。
実施形態2の発明によれば、無線ICタグ7と金属管体3とを近接して配置することで、無線ICタグ7にとって金属管体3がモノポールアンテナとして作用する。また、脚線2との位置関係の構成によっては、脚線2によるアンテナ効果も合わせて得られる。無線ICタグ7と金属管体3との近接距離は、無線ICタグの受発信効率に従い、任意に決定される。
実施形態2においては、金属管体3と塞栓1とが図1に準ずる締め付け部(図2には図示せず)によって機械的にかしめられて結合されるので耐水性を含む耐環境性能が高く、空隙部、即ち空気層を有したまま無線ICタグ7と金属管体3とを近接される。或いは、無線ICタグ7を封止材(図示せず)によって封止し、該封止材を介して無線ICタグ7と金属管体3とを近接さても良い。
【0015】
[実施形態3]
図4は、図1に基づく本発明の無線ICタグが組み込まれた雷管或いは点火具の塞栓部を拡大した実施形態3の模式図である。
実施形態3は、エネルギー伝搬路2が導火管で構成される。導火管2は中空状のチューブ内壁に火薬類が塗布されてなり、外部より伝播される火炎や熱衝撃エネルギーが直接雷管内部に伝播する。
無線ICタグ7を組み込む位置、即ち組み込み部6の塞栓1上の形成位置は、製造における金属管体3の塞栓1への締め付けによる無線ICタグ7の損傷を防ぐために、図1の締め付け部31、32、33から外れた位置に形成されることが好ましく、更に好ましくは、締め付け部32と33との間に形成される。
実施形態3の発明によれば、無線ICタグ7と金属管体3とを近接して配置することで、無線ICタグ7にとって金属管体3がモノポールアンテナとして作用する。無線ICタグ7と金属管体3との近接距離は、無線ICタグの受発信効率に従い、任意に決定される。
実施形態3においては、金属管体3と塞栓1とが図1に準ずる締め付け部(図3には図示せず)によって機械的にかしめられて結合されるので耐水性を含む耐環境性能が高く、空隙部、即ち空気層を有したまま無線ICタグ7と金属管体3とを近接させる。或いは、無線ICタグ7を封止材(図示せず)によって封止し、該封止材を介して無線ICタグ7と金属管体3とを近接させても良い。
【実施例】
【0016】
本発明を実施例に基づいて説明する。
[実施例1]
実施例1では、雷管用金属製管体3(この場合銅管体を使用)をネットワークアナライザ(HEWLETT PACKARD 8720D/測定範囲:50MHz〜20GHz)に直結して電波を発信し、このときのSパラメータのS11を測定した。具体的には、全長65mmの雷管用金属製管体3を前記ネットワークアナライザに所定のコネクタを用いて直結して2.45GHzの電気信号を出力したところ、S11の値が(−)10dBを示した。前記Sパラメータは反射係数であり、S11は出力側を特性インピーダンスZ0で終端したときの入力側反射係数を示し、レベルが低いほど送信効率が高いことを示す。
得られたS11の値から、アンテナより送信器へ反射する割合αは下記(A)式及び(B)式で求められる。
S11=10Log A2 ・・・ (A)
α=A2×100 (%) ・・・ (B)
送信器であるネットワークアナライザよりアンテナである雷管用金属製管体3に対して2.45GHzの電気信号が出力された場合、S11の値が(−)10dBであるから、(A)及び(B)式によれば出力した信号の約10%が反射されたのみで、残り90%は電波としてアンテナである雷管用金属製管体3より発信されたことが分り、雷管用金属製管体3がアンテナとして作用することを確認した。
【0017】
[実施例2]
実施例2では、使用前の状態である収束された状態の雷管用脚線2(この場合、脚線の長さは3mであり、芯線の材質は銅脚線を使用)を実施例1と同様にネットワークアナライザに直結して2.45GHzの電気信号を出力し、このときのSパラメータのS11を測定した。その結果、S11の値が約(−)7dBを示したので、約80%が電波として発信されたことが分り、雷管用脚線2が収束状態でアンテナとして作用することを確認した。
【0018】
[実施例3]
実施例3では、使用時を想定して実施例2の脚線の収束を解き、伸ばした状態の雷管用脚線2を実施例1と同様にネットワークアナライザに直結して2.45GHzの電気信号を出力し、このときのSパラメータのS11を測定した。その結果、S11の値が約(−)8dBを示したので、約85%が電波として発信されたことが分り、雷管用脚線2が使用状態でアンテナとして作用することを確認した。
また、前記アンテナ効率の参考として、無線機に用いられる専用アンテナの効率を測定した。
具体的には、専用周波数780MHzにチューニングしたアマチュア無線用アンテナを前記ネットワークアナライザに直結して780MHzの電気信号を出力し、このときのSパラメータのS11を測定した。その結果、S11の値が約(−)10dBを示したので、約90%が電波として発信されたことが分った(参考例)。
表1に実施例1乃至3及び参考例の電波発信効率をまとめた。
表1によれば、雷管の管体及び脚線をアンテナとして利用した場合と専用アンテナとの差異は殆どなく、前記の通り雷管の管体及び脚線がアンテナとして十分機能し得ることが分った。
【0019】
[実施例4]
図5を用いて本発明の無線ICタグ付き雷管の応用例を示す。
本実施例は、使用せずに切羽から返納された電気雷管100を確認する場合の例示である。
現場の火薬取扱担当者は、例えば電話等によって事務所に電気雷管の返納があった旨を連絡する。連絡を受けた事務所の担当者は、管理用パーソナルコンピュータ114を用いてホスト中継装置113を介して中継装置112に返納された電気雷管100を確認するための制御信号を送付する。中継装置112は、ホスト中継装置113より信号を受けると火薬運搬箱101に取り付けられたICタグ用送受信器111に指令信号を送付し、複数の電気雷管100に組み込まれたICタグ7に対して電子データの読み取り信号を送付する。信号を受けた複数のICタグ7は各々書き込まれている電子データ信号をICタグ用送受信器111に送信し、該信号を受領したICタグ用送受信器111は前記中継装置112及びホスト中継装置113を介して管理用パーソナルコンピュータ114に前記電子データを送信する。切羽に搬入された電気雷管のデータ、例えば使用する電気雷管の段数、使用本数、ロット番号等は予め同様の手段によって前記管理用パーソナルコンピュータ114に記憶されており、前記返納された電気雷管100のデータと合わせて発破作業において使用された電気雷管100のデータを知ることができ、消費帳簿を編集することができる。前記の手順の通りリアルタイムで電気雷管の消費状況を把握することができるので、例えば切羽の岩盤状態を推定することが容易になり、発破設計の参考とすることができる。また、次回の電気雷管発注数量等の管理も容易なものとなる。
実施例4では、本発明の実施形態1乃至3の無線ICタグ付き雷管を用いて行い、電子データの読み出しが可能であることを確認した。
尚、ホスト中継装置113と中継装置112との間を結ぶ電波の相互の送受信出力は10mW以下で行い、ICタグ用送受信器111とICタグとの間を結ぶ電波の相互の送受信出力も同様に10mW以下で行った。特にホスト中継装置113と中継装置112との距離や地形が複雑な場合は間に別の中継装置を設置してもよい。
【0020】
[実施例5]
同様に図5を用いて本発明の無線ICタグ付き雷管の第2の応用例を示す。
実施例5では、返納された電気雷管100に対して使用実績を登録することを試み、これを実現した。具体的には、管理用パーソナルコンピュータ114からホスト中継装置113及び中継装置112を介してICタグ用送受信器111よりICタグ7に対して電気雷管100を使用した発破の日時に関するデータを書き込み、該書き込み結果を前記実施例4と同様な経路により確認した。
実施例4では、本発明の実施形態1乃至3の無線ICタグ付き雷管を用いて行い、電子データの書き込みが可能であることを確認した。前記実施例4と実施例5の実用例によれば、電気雷管100の使用履歴を管理することが可能である。
【0021】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は雷管の生産管理、製品管理等の分野で好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】従来の一般的な電気雷管の断面模式図。
【図2】実施形態1を示す、雷管或いは点火具の塞栓部を拡大した断面模式図。
【図3】実施形態2を示す、雷管或いは点火具の塞栓部を拡大した断面模式図。
【図4】実施形態3を示す、雷管或いは点火具の塞栓部を拡大した断面模式図。
【図5】本発明雷管の応用例を示す模式図。
【符号の説明】
【0024】
1.樹脂製塞栓
2.脚線
3.金属製管体
4.電橋
5.樹脂製カップ
6.組み込み部
7.無線ICタグ
11.点火薬
12.延時装置
13.起爆薬
14.添装薬
21.Vノッチ
22.芯線
100.電気雷管
101.火薬運搬箱
111.ICタグ用送受信器
112.中継装置
113.ホスト中継装置
114.管理用パーソナルコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製材料或いはゴム製材料からなる塞栓と、前記塞栓を通して、外部から供給される点火エネルギーを伝搬するエネルギー伝搬路と、前記点火エネルギーによって着火され、爆発に至る火薬組成物と、前記火薬組成物を収容する金属製管体と、からなる雷管部とを有し、前記塞栓と前記雷管部とが結合されてなる雷管において、前記塞栓内部に無線ICタグが組み込まれていることを特徴とする無線ICタグ付き雷管または点火具。
【請求項2】
前記エネルギー伝搬路が、金属製導体からなる脚線であることを特徴とする請求項1記載の無線ICタグ付き雷管または点火具。
【請求項3】
前記無線ICタグの受発信アンテナが、前記脚線であることを特徴とする請求項2記載の無線ICタグ付き雷管または点火具。
【請求項4】
前記無線ICタグの受発信アンテナが、前記金属製管体であることを特徴とする請求項1記載の無線ICタグ付き雷管または点火具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−125650(P2006−125650A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−310409(P2004−310409)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】