説明

無線LANシステム及びそのパケット配信方法、並びに無線LANアクセスポイント

【課題】電波干渉による影響を確実に除去し、パケット伝送効率を向上させることが可能な無線LANシステムを提供する。
【解決手段】無線LANアクセスポイントのマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配信する配信順番を決定する。そして、マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを受信した時にそのマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを一時保管し、配信順番に則って最先の無線LANアクセスポイントから順に保管したマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下のPOS端末に配信する。また、マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットの配信順番は、無線LANアクセスポイント1台毎又は干渉しない無線LANアクセスポイントの組み合わせ毎に決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線LANシステム及びそのパケット配信方法、並びに無線LANアクセスポイントに関し、特に、スーパーマーケット等の店舗に好適に使用可能な無線LANシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、POSシステム等では、例えば、店舗にある全てのPOS端末上の売価データ等のデータベースを同時に更新させるために、マルチキャストやブロードキャストといった同報通信が用いられる。ところが、無線LANを用いたPOSシステムにおいてマルチキャストやブロードキャストを用いると、無線LANアクセスポイントから同時に電波を送出するため、電波干渉が発生してしまい、データベースの更新に時間を費やしたり、更新に失敗することさえある。
【0003】
この無線LANを用いたPOSシステムの課題を図1を用いて説明する。図1は店舗等に配置された無線LANシステムの概要を示す。図1に示すように無線LANシステムにおいて、アクセスポイント121、122、123には、それぞれ配下のPOSレジスタ(POS端末)が接続されている。アクセスポイント121にはPOS端末131が接続され、アクセスポイント122にはPOS端末132が接続され、アクセスポイント123にはPOS端末133、134が接続されている。
【0004】
各POS端末上のデータベースを更新させるために、店舗サーバ11からマルチキャストで全POS端末にデータベースのデータを配信すると、全てのアクセスポイントが同時に電波を送出する。この時、アクセスポイントが同じチャンネルを使用していると、通信に電波干渉によるパケットロスが発生し、上述のようにデータベース配信に時間を費やしたり、配信失敗をしてしまい、POS端末上のデータベース更新に時間が掛かる、或いは更新を失敗することがある。
【0005】
一方、従来の無線LANを用いたシステムとしては、例えば、特許文献1乃至6に記載されたものがある。
【0006】
特許文献1には、無線ルータにマルチキャスト通信方式で受信した情報データをユニキャスト通信方式に基づいて無線端末に向けて送信する第1通信手段を設け、無線端末には無線ルータからユニキャスト通信方式で受信した情報データをマルチキャスト通信方式に基づいてユーザ機器に向けて供給する第2通信手段を設けたデータ通信システムが記載されている。特許文献1では、特に、マルチキャスト通信によるデータ配信サービスを無線LAN上で行った場合にパケットロスを低減させることを目的とするものである。
【0007】
特許文献2には、複数の無線基地局相互の間で同期をとり、同時に同じOFDMシンボルを送信しても干渉とならない特性を活かしてOFDMによる無線パケットとしてのブロードキャストパケットを同時に複数の移動端末局に配信することが記載されている。また、パケット識別部ではブロードキャストパケットであるかどうかを判別し、干渉検出部では干渉しているかを検出する。ブロードキャストパケットが干渉していると判断した場合には、同期信号受信部の情報に基づいて干渉源と同期したOFDMシンボルを同期タイミングで送出する。
【0008】
特許文献3には、マルチキャスト情報送信手段により管理手段の管理内容に基づいて回線3aを介して受信したマルチキャスト情報と対応したグループに所属する子局装置2a、2bが通信可能領域Rに存在する場合にのみそのマルチキャスト情報を無線送信することが記載されている。特許文献3では、グループに属する子局装置に対してグループのマルチキャスト情報を送信する親局装置で無駄な無線通信を削除するというものである。
【0009】
特許文献4には、親機が各子機側端末で保有するマルチキャストフレームの種類を示すマルチキャストリストを取得し、そのマルチキャストリストと配下の子機とを対応付けるマルチキャストリストテーブルを作成して、そのテーブルに登録された種類のフレームのみを子機側に転送することが記載されている。即ち、特許文献4では、不要なマルチキャストフレームの転送を抑えて、無線区間のトラフィックを低減するというものである。
【0010】
特許文献5には、マルチキャスト制御モジュールにより、各アクセスポイントより配下にあるPOSレジスタのリストとチャンネル情報を取得し、その後、マルチキャスト制御モジュールは、前記情報より異なるチャンネルのアクセスポイントからなるマルチキャストグループを生成し、各マルチキャスト実行時に他のマルチキャストグループに属するアクセスポイントを制御して電波送出を抑制することが記載されている。
【0011】
特許文献6には、新規にAP(アクセスポイント)を設置する場合、エリア内の子局からの情報信号を受信してチャンネルを解析し、使用可能チャンネル選択部にてエリア内で使われていないチャンネルを二つ選択し、通信チャンネル及び同報信号のチャンネルを設定することが記載されている。特許文献6では新規に設置するAPのチャンネルが隣接のAPのチャンネルとで干渉問題が生じないようにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2006−333309号公報
【特許文献2】特開2000−069033号公報
【特許文献3】特開2000−324120号公報
【特許文献4】特開2001−057560号公報
【特許文献5】特開2009−055268号公報
【特許文献6】特開2002−217917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述のようにマルチキャストやブロードキャストは、LANとしては同報配信で通信時間を短縮できる反面、無線LANとしては同時に電波を送出する通信であるため、電波干渉による通信品質の低下を起こすことがあり、かえって通信に時間を費やしたり、配信失敗を招くことがある。また、多数のアクセスポイントがあるシステムでは、アクセスポイントのチャンネル配置による電波干渉抑制にも限界があり、配信失敗等の課題を解決することは難しい。
【0014】
一方、特許文献1は、サーバより配信されたマルチキャストをアクセスポイントでユニキャストに変換するが、アクセスポイントが同時に電波を送出している期間が重なる確率が減るため、電波干渉を避けることが出来る。しかし、クライアントが多台数に及ぶ場合には、ユニキャストではクライアントの台数分の通信を行うこととなり、結果として配信に時間がかかってしまう。
【0015】
また、特許文献2は、各アクセスポイントで同期を採り、同じOFDMシンボルの電波を送出することで、電波干渉を抑えるということであるが、OFDMという変調方式に限定されてしまう。
【0016】
更に、特許文献3の方法は、アクセスポイントの通信圏内にクライアントがいないときはマルチキャストを送信しない手法であり、特許文献4の方法は、アクセスポイントが予めクライアントが必要とするマルチキャストの種類を記憶し、不要なマルチキャストをクライアントに流さない手法である。しかしながら、特許文献3、4の方法では、各アクセスポイントの通信圏内にPOS端末が存在し、これらのPOS端末に共通して必要なマルチキャストを流すときには、マルチキャストが抑制されずに電波干渉抑制効果が得られない。
【0017】
特許文献5は、各マルチキャストグループ内ではそれぞれのアクセスポイントは異なるチャンネルを使用する方法であり、電波干渉の影響を軽減することは可能であるが、本発明とは電波干渉を抑制する方法が異なる。
【0018】
特許文献6は、新規APの設置時に自動的に使用チャンネルを決定する手法であるが、アクセスポイントの設置台数が多い場合には、全てのチャンネルが既存のアクセスポイントで埋められてしまい、選択できるチャンネルが選択できずに電波干渉を避けることができないことがある。
【0019】
このように特許文献1〜6の方法では、電波配信に時間がかかる、OFDMという特定の変調方式に使用が限られる、電波干渉抑制の効果を期待できない等の課題があり、やはり電波干渉による通信品質の低下、或いは配信失敗等の課題を解決することは難しかった。
【0020】
本発明の目的は、電波干渉による影響を確実に除去し、パケット伝送効率を向上させることが可能な無線LANシステム及びそのパケット配信方法、並びに無線LANアクセスポイントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明に係る無線LANシステムは、複数の無線LANアクセスポイントを有し、前記複数の無線LANアクセスポイントからそれぞれ配下の端末にマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配信する無線LANシステムであって、前記無線LANアクセスポイントの前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配信する配信順番を決定する手段と、前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを受信した時にそのマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを一時保管し、前記配信順番に則って最先の無線LANアクセスポイントから順に前記保管したマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下の端末に配信する手段と、を備えたことを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係るパケット配信方法は、複数の無線LANアクセスポイントを有し、前記複数の無線LANアクセスポイントからそれぞれ配下の端末にマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配信する無線LANシステムのパケット配信方法であって、配信順番決定手段が、前記無線LANアクセスポイントの前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配信する配信順番を決定するステップと、パケット配信手段が、前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを受信した時にそのマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを一時保管し、前記配信順番に則って最先の無線LANアクセスポイントから順に前記保管したマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下の端末に配信するステップと、を含むことを特徴とする。
【0023】
また、本発明に係る無線LANアクセスポイントは、マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下の端末に配信する配信順番を生成する手段と、他のアクセスポイントから配信順番を取得し、前記生成した配信順番と前記他のアクセスポイントから取得した配信順番とが同一順番にならないように自己のアクセスポイントの配信順番を決定する手段と、前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを受信した時にそのマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを一時保管し、前記決定した配信順番が来た時に前記保管したマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下の端末に配信する手段と、を備えたことを特徴とする。
【0024】
また、本発明に係るプログラムは、複数の無線LANアクセスポイントを有し、前記複数の無線LANアクセスポイントからそれぞれ配下の端末にマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配信する無線LANシステムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、前記無線LANアクセスポイントの前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配信する配信順番を決定する手段と、前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを受信した時にそのマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを一時保管し、前記配信順番に則って最先の無線LANアクセスポイントから順に前記保管したマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下の端末に配信する手段と、して機能させることを特徴とする。
【0025】
また、本発明に係るプログラムは、無線LANアクセスポイントとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下の端末に配信する配信順番を生成する手段と、他のアクセスポイントから配信順番を取得し、前記生成した配信順番と前記他のアクセスポイントから取得した配信順番とが同一順番にならないように自己のアクセスポイントの配信順番を決定する手段と、前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを受信した時にそのマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを一時保管し、前記決定した配信順番が来た時に前記保管したマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下の端末に配信する手段と、前記保管したマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを前記配下の端末に配信完了した時に前記他のアクセスポイントにパケット配信完了通知を送信する手段と、して機能させることを特徴する。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、無線LANアクセスポイント間の電波干渉を確実に除去することができる。そのため、通信時間の増加や配信失敗がなくなり、伝送効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る無線LANシステムの概要を示す図である。
【図2】本発明に係る無線LANアクセスポイントの一実施形態を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る無線LANシステムのパケット配信順番を決定する手順を説明するフローチャートである。
【図4】本発明に係る無線LANシステムのパケット配信手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
(第1の実施形態)
図1は本発明に係る無線LANシステムの概略構成を示すブロック図である。まず、図1に示すように店舗サーバ11は、例えば、スーパーマーケット等の店舗に配置されたサーバである。この店舗サーバ11には、複数の無線LANアクセスポイント121〜123が接続され、それぞれの無線LANアクセスポイント121〜123に配下のPOSレジスタ(POS端末)が接続されている。以下の説明では、「無線LANアクセスポイント」を「アクセスポイント」と略すこともある。
【0030】
図1の例では、無線LANアクセスポイント121にPOSレジスタ131が接続され、無線LANアクセスポイント122にPOSレジスタ132が接続され、無線LANアクセスポイント123にPOSレジスタ133、134が接続されている。無線LANアクセスポイントの数や無線LANアクセスポイント配下のPOSレジスタの数は図1の限りではない。以下の実施形態では、図1に示す無線LANシステムは、例えば、スーパーマーケッやコンビニエンスストア等の店舗に配置され、店舗における無線LANシステムの例を説明する。
【0031】
図2は図1に示す無線LANシステムに用いる無線LANアクセスポイント121〜123の一例を示すブロック図である。本実施形態では、後述するように各無線LANアクセスポイントは、自己のアクセスポイントの配信順番(配信番号)を生成する機能、無線LANシステムの全てのアクセスポイントの配信順番を取得・保管する機能を有し、一時的にバッファしたマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配信順番に従って配信する。
【0032】
また、各無線LANアクセスポイントは、自身の配信順番を生成すると共に無線LANシステム内の全ての無線LANアクセスポイントとそれぞれの配信順番を共有し、マルチキャストパケットやブロードキャストパケットを受信すると、一時的にバッファリングを行った後、配信順番の最先のアクセスポイントから順番にパケット配信を行う。パケット配信の順序は、配信順番の小さいアクセスポイントからでも良いが、配信順番の大きいアクセスポイントからでも良い。配信順番に則ってパケットを配信する場合には、配信順番の小さいものから配信するか、或いは大きいものから配信するかは予め決めておけば良い。
【0033】
なお、通常、無線LANアクセスポイントは、IAPP(Internet Access Point Protocol)/IEEE802.11fと呼ばれるアクセスポイント間通信のプロトコルをサポートしており、各無線LANアクセスポイントは同じセグメント内(自身が属するシステム内)の無線LANアクセスポイントを容易に知ることができる。
【0034】
また、例えば、スタンドアローン型の無線LANアクセスポイントは配下のクライアント(端末)の接続状態を保存しており、各アクセスポイントはアクセスポイント毎に配下の端末が何台接続されているかやどの端末が接続されているかを知ることができる。また、店舗サーバ11にこの情報を送信することで店舗サーバ11側でも各アクセスポイントの端末の接続情報を知ることができる。
【0035】
一方、コントローラ型の無線LANアクセスポイントはネットワーク中央にあるコントローラ(店舗サーバ11)でどのアクセスポイントにどのクライアント(端末)が接続されているかを保存している。そのため、店舗サーバ11からこの接続情報を各アクセスポイントに送信することで、各アクセスポイントはアクセスポイント毎に配下の端末が何台接続されているかやどの端末が接続されているかを知ることができる。従って、店舗サーバ11や各無線LANアクセスポイントでアクセスポイント毎の端末の接続情報を知ることができる。なお、通常、アクセスポイントが属するシステムとは、ネットワークでいうところの同じセグメントで構成されたネットワーク、具体的には、例えば、スーパーマーケット等の店舗内のアクセスポイント、サーバ、POS端末等を有するシステムをいう。
【0036】
次に、本実施形態の具体的な構成及び動作について説明する。まず、図2に示す無線LANアクセスポイントの構成を説明する。アクセスポイント121〜123は、それぞれパケットフィルタリング機能を有するブリッジ部21、アクセスポイントの配信順番を生成する乱数生成部23、無線LANシステム内の全てのアクセスポイントの配信順番を保管するアクセスポイント配信順番保管DB(データベース)24、受信した店舗サーバ11からの配信パケットを一時保管する配信パケット一時保管バッファ25、パケットの配信制御を行うパケット配信制御部22等を備えている。また、有線LANインタフェース31は店舗サーバ11とのインタフェース、無線LANインタフェース32はPOS端末とのインタフェースである。
【0037】
図3はアクセスポイントのパケット配信順番の決定手順を説明するフローチャートである。図2と図3を用いて無線LANシステムにおけるアクセスポイントのパケット配信順番の決定方法を説明する。以下、例えば、図1に示す複数のアクセスポイント121〜123のうちアクセスポイント121の動作を説明するが、他のアクセスポイントの動作も同様である。
【0038】
アクセスポイント121は、例えば、起動後に乱数生成部23を用いて配信順番を生成し、これをIAPP(アクセスポイント間プロトコル)を用いて他のアクセスポイント122、123へ通知し、他のアクセスポイント122、123からもそれぞれの配信順番を取得する(S301)。他のアクセスポイント122、123も同様に配信順番を生成する。アクセスポイントの最初の配信番号の決定は、乱数に限ることはなく、例えば、アクセスポイントのMACアドレスを配信順番として利用しても良いし、その他のどのような方法を用いても構わない。
【0039】
配信順番を決定すると、アクセスポイント121は自己の配信順番と他のアクセスポイント122、123から取得した他の配信順番をアクセスポイント配信順番データベース24に保管する(S302)。次いで、自己のアクセスポイントの配信順番と他のアクセスポイント122、123から取得したアクセスポイントの配信順番とを比較し(S303)、自己の配信順番と同じ配信順番が他のアクセスポイントから取得した配信順番に存在しなければ(S303がいいえ)、自己のアクセスポイント121の配信順番の決定処理を終了する。
【0040】
一方、自己のアクセスポイントの配信順番と同じ配信順番が他のアクセスポイントから取得した配信順番に存在する場合には(S303がはい)、再度、乱数生成部23を用いて配信順番を生成し、他のアクセスポイントへ通知する(S304)。そして、再度、S302からの処理を行い、生成した配信順番をアクセスポイント配信順番保管データベース24に保管し、S303にて生成したアクセスポイントの配信順番と他のアクセスポイント122、123から取得したアクセスポイントの配信順番とを比較する。このようにして乱数生成、保管、通知、比較を繰り返し行うことで、最終的に自己のアクセスポイントの配信順番が他のアクセスポイントの配信番号と同一とならないようにパケット配信順番の決定を行う。
【0041】
図4はアクセスポイントのパケット配信手順を説明するフローチャートである。図2と図4を用いてアクセスポイントのマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットの配信手順について説明する。アクセスポイント121はブリッジ部21のフィルタリング機能を用いて店舗サーバ11から配信対象のパケットが送信されたかを監視する(S401)。即ち、店舗サーバ11から配信対象のマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットが送信されたかを監視する。
【0042】
店舗サーバ11から配信制御対象のマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットが送信された場合には(S401がはい)、一時的にそのパケットを配信パケット一時保管バッファ25に保管する(S402)。次いで、アクセスポイント121はIAPPを用いて他のアクセスポイントの配信完了状況を監視し(S403)、他のアクセスポイントからの配信完了通知に基づいて自己のアクセスポイント121の配信順番かを判定する(S404)。
【0043】
即ち、自己のアクセスポイントの配信順番より小さい全てのアクセスポイントの配信が完了するのを待ち(この場合は配信順番が小さいアクセスポイントからパケット配信を行うものとする)、自己のアクセスポイント121の配信順番が来たら(S404がはい)、配信パケット一時保管バッファ25に保管したマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下のPOS端末131に配信する処理を開始する(S405)。パケット配信が完了すると、IAPPを用いて他のアクセスポイント122、123に配信完了を通知して(S406)、配信処理を終了する。他のアクセスポイント122、123も同様にパケット配信処理を行う。
【0044】
なお、各アクセスポイントは、パケット配信を開始してから一定時間が経過すると、配下の全てのPOS端末へのパケット配信が完了していなくても、他のアクセスポイントに配信完了を通知する。
【0045】
また、店舗サーバ11から各アクセスポイントにマルチキャスト/ブロードキャストのパケットが配信された後は、マルチキャスト/ブロードキャストが終了するまでアクセスポイント間だけの送受信が行われる。その際、全てのアクセスポイントで配下の全てのPOS端末にパケット配信が完了するまで、全てのアクセスポイントへのその後のパケット配信を行わないようにする。或いは、各アクセスポイントで配下の全てのPOS端末にパケット配信が完了するまで、各アクセスポイントへのその後のパケット配信を行わないようにする。
【0046】
本実施形態では、マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配信する無線LANアクセスポイントの配信順番を決定し、その配信順番に則って最先の無線LANアクセスポイントから順にマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配信するため、無線LANアクセスポイント間の電波干渉の影響を確実に除去することができる。そのため、通信時間の増加や配信失敗がなくなり、伝送効率を向上させることが可能となる。
【0047】
また、配信順番に則って各無線LANアクセスポイントから順に配下のPOS端末にパケットを配信するため、無線LANシステム内のアクセスポイントの数によらず、多数の無線LANアクセスポイントを有する無線LANシステムにも好適に使用することが可能となる。更に、変調方式に拠らないため、IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11n等の様々な方式の無線LANシステムに適用することができる。
【0048】
なお、以上の実施形態では、無線LANアクセスポイント間でパケット配信順番を決定し、自己のアクセスポイントのパケット配信が完了したことを他のアクセスポイントに通知しているが、本発明はこの限りではない。例えば、店舗サーバ11がシステム内のアクセスポイントの配信順番を決定し、配信順番に則って最先のアクセスポイントから順にパケットを配下のPOS端末に配信しても良い。
【0049】
その際、各アクセスポイントはパケット配信が完了したことを店舗サーバ11に通知し、店舗サーバ11はそのパケット配信完了通知に基づいて次の順番のアクセスポイントにパケット配信を指示する。このようにして各アクセスポイントは店舗サーバ11の制御により配信順番に則って最先のアクセスポイントからパケットを順に配下のPOS端末に配信する。店舗サーバ11は各アクセスポイントの配信順番が重ならないように各アクセスポイントの配信順番を決定する。
【0050】
ここで、通常、図1の無線LANシステムでは、マルチキャスト/ブロードキャストのパケットは、店舗サーバ11→アクセスポイント→POS端末の順序で配信される。その際、パケット配信完了時にはユニキャストでPOS端末からアクセスポイントを経由して店舗サーバ11に配信完了通知を送信する。配信完了通知はPOS端末1台毎に送信され、店舗サーバ或いはアクセスポイントで全てのPOS端末から配信完了通知が送信されたかを監視する。
【0051】
(第2の実施形態)
無線LANアクセスポイントのパケット配信順番は、第1の実施形態に示すようにアクセスポイント1台毎に決定しなくても良く、例えば、電波干渉しないアクセスポイントの組み合わせ毎に決定しても良い。
【0052】
以下、この方法の具体例を説明するが、電波干渉の発生しないアクセスポイントの組み合わせを決定する方法として、例えば、(1)アクセスポイントのチャンネルによって組み合わせを決定する方法と、(2)アクセスポイント間の距離によって組み合わせを決定する方法を説明する。
【0053】
(1)アクセスポイントのチャンネルによって電波干渉の発生しないアクセスポイントの組み合わせを決定する方法について説明する。
【0054】
IEEE802.11b/g方式の無線LANの場合、
(a)1,6,11chのアクセスポイントを抽出してグループ1とする。
(b)2,7,12chのアクセスポイントを抽出してグループ2とする。
(c)3,8,13chのアクセスポイントを抽出してグループ3とする。
(d)4,9,(14)chのアクセスポイントを抽出してグループ4とする。
(e)5,10chのアクセスポイントを抽出してグループ5とする。
(f)次に、グループ1〜5のパケット配信順番を決め、その配信順番に則って最先の無線LANアクセスポイントのグループから順に一時保管したマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下のPOS端末に配信する。
【0055】
但し、1〜13chはEEE802.11b/g方式の無線LANの場合のみであり、14chはIEEE802.11bの場合のみにある。電波干渉の発生しないアクセスポイントの組み合わせは、例えば、店舗サーバ11にて決定し、店舗サーバ11は各アクセスポイントがどのグループに属するかを通知する。さらに、店舗サーバ11は、グループ毎にグループの代表となるひとつのアクセスポイントを決定し、これを各アクセスポイントに通知する。これは、以下の方法の場合でも同様である。
【0056】
IEEE802.11a方式の無線LANの場合、
(a)36,40,44,48,52,56,60,64chの各チャンネルから1つずつアクセスポイントを抽出してグループ1とする。
(b)残ったアクセスポイントの各チャンネルから1つずつアクセスポイントを抽出してグループ2とする。これをアクセスポイントがなくなるまで続けてアクセスポイントのグループ分けを行う。
(c)次に、このようにしてグループ分けされたグループ1〜Nの配信順番を決め、同様にその配信順番に則って最先の無線LANアクセスポイントのグループから順に一時保管したマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下のPOS端末に配信する。
【0057】
(2)次に、アクセスポイント間の距離によって電波干渉の発生しないアクセスポイントの組み合わせを決定する方法について説明する。例えば、10台のアクセスポイントが(1 2 3 4 5 6 7 8 9 10)のように等間隔で直列に配置されている場合の組み合わせを決定する場合、
アクセスポイント1,4,7,10は干渉しない距離にあり、アクセスポイント2,5,8は干渉しない距離にあり、アクセスポイント3,6,9は干渉しない距離にあるとする。その際、
(a)1,4,7,10をグループ1とする。
(b)2,5,8をグループ2とする。
(c)3,6,9をグループ3とする。
(d)次に、このようにしてグループ分けされたグループ1〜3のアクセスポイントの配信順番を決め、同様にその配信順番に則って最先の無線LANアクセスポイントのグループから順に一時保管したマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下のPOS端末に配信する。
【0058】
また、例えば、以下のように10台のアクセスポイントが、2台を1グループとして並列に配置され(1,2が1グループ、3,4が1グループ、…)、各グループが等間隔で直列に配置されている場合、
1 3 5 7 9
2 4 6 8 10
(1,2)と(7,8)は干渉しない距離にあり、(3,4)と(9,10)は干渉しない距離にあるとする。その際、
(a)(1,2)から1つ、(7,8)から1つを抽出してグループ1とする。
(b)(1,2)から残りの1つ、(7,8)から残りの1つを抽出してグループ2とする。
(c)(3,4)から1つ、(9,10)から1つを抽出してグループ3とする。
(d)(3,4)から残りの1つ、(9,10)から残りの1つを抽出してグループ4とする。
(e)次に、残りのアクセスポイント5、6と、グループ1〜4のアクセスポイント配信順番を決め、同様にその配信順番に則って最先の無線LANアクセスポイントのグループから順に一時保管したマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下のPOS端末に配信する。
【0059】
なお、本実施形態では、電波干渉しないアクセスポイント毎に配信順番を決定しているが、アクセスポイント間で配信順番を決定する場合は、各グループの代表のアクセスポイント間で決定し、各グループの代表のアクセスポイントはグループのアクセスポイントにこれを通知する。また、他のアクセスポイントの配信状況の監視は、各アクセスポイントで行ってもよいし、各グループの代表のアクセスポイントで行って、グループの代表のアクセスポイントから、自分の配信順番になったことをグループ内のアクセスポイントに通知してもよい。また、配信終了後の他のアクセスポイントへの配信終了の通知についても、各アクセスポイントで行ってもよいし、各アクセスポイントからグループの代表のアクセスポイントへ通知し、グループの代表のアクセスポイントから他のグループの代表のアクセスポイントへ通知するようにしてもよい。その他の構成や動作は第1の実施形態と同様である。
【0060】
このように電波干渉の発生しないアクセスポイントの組み合わせ毎にパケット配信を行う場合には、1台のアクセスポイント毎にパケット配信を行う場合に比べてPOS端末のデータベースの更新処理等を高速化することができる。また、電波干渉の発生しないアクセスポイントの組み合わせは、以上の例に限ることなく、様々な方法があることは言うまでもない。
【0061】
なお、以上の実施形態の無線LANシステムや無線LANアクセスポイントは、ハードウェアによっても実現できるが、コンピュータをその無線LANシステムや無線LANアクセスポイントとして機能させるためのプログラムをコンピュータがコンピュータ読み取り可能な記録媒体から読み込んで実行することによっても実現できる。また、以上の実施形態のパケット配信方法は、ハードウェアによっても実現できるが、コンピュータにその方法を実行させるためのプログラムをコンピュータがコンピュータ読み取り可能な記録媒体から読み込んで実行することによっても実現できる。
【0062】
また、上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限らない。
【0063】
(付記1)複数の無線LANアクセスポイントを有し、前記複数の無線LANアクセスポイントからそれぞれ配下の端末にマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配信する無線LANシステムであって、
前記無線LANアクセスポイントの前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配信する配信順番を決定する手段と、
前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを受信した時にそのマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを一時保管し、前記配信順番に則って最先の無線LANアクセスポイントから順に前記保管したマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下の端末に配信する手段と、
を備えたことを特徴とする無線LANシステム。
【0064】
(付記2)前記無線LANアクセスポイントの前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットの配信順番は、前記無線LANアクセスポイント1台毎に決定することを特徴とする付記1に記載の無線LANシステム。
【0065】
(付記3)前記無線LANアクセスポイントの前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットの配信順番は、電波干渉しない無線LANアクセスポイントの組み合わせ毎に決定することを特徴とする付記1に記載の無線LANシステム。
【0066】
(付記4)前記電波干渉しない無線LANアクセスポイントの組み合わせは、前記無線LANアクセスポイント間の距離又は前記無線LANアクセスポイントのチャンネルによって決定することを特徴とする付記3に記載の無線LANシステム。
【0067】
(付記5)マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下の端末に配信する配信順番を生成する手段と、
他のアクセスポイントから配信順番を取得し、前記生成した配信順番と前記他のアクセスポイントから取得した配信順番とが同一順番にならないように自己のアクセスポイントの配信順番を決定する手段と、
前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを受信した時にそのマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを一時保管し、前記決定した配信順番が来た時に前記保管したマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下の端末に配信する手段と、
前記保管したマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを前記配下の端末に配信完了した後に前記他のアクセスポイントにパケット配信完了通知を送信する手段と、
を備えたことを特徴とする無線LANアクセスポイント。
【0068】
(付記6)複数の無線LANアクセスポイントを有し、前記複数の無線LANアクセスポイントからそれぞれ配下の端末にマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配信する無線LANシステムのパケット配信方法であって、
配信順番決定手段が、前記無線LANアクセスポイントの前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配信する配信順番を決定するステップと、
パケット配信手段が、前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを受信した時にそのマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを一時保管し、前記配信順番に則って最先の無線LANアクセスポイントから順に前記保管したマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下の端末に配信するステップと、
を含むことを特徴とするパケット配信方法。
【0069】
(付記7)前記無線LANアクセスポイントの前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットの配信順番は、前記無線LANアクセスポイント1台毎に決定することを特徴とする付記6に記載のパケット配信方法。
【0070】
(付記8)前記無線LANアクセスポイントの前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットの配信順番は、電波干渉しない無線LANアクセスポイントの組み合わせ毎に決定することを特徴とする付記6に記載のパケット配信方法。
【0071】
(付記9)前記電波干渉しない無線LANアクセスポイントの組み合わせは、前記無線LANアクセスポイント間の距離又は前記無線LANアクセスポイントのチャンネルによって決定することを特徴とする付記8に記載のパケット配信方法。
【0072】
(付記10)複数の無線LANアクセスポイントを有し、前記複数の無線LANアクセスポイントからそれぞれ配下の端末にマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配信する無線LANシステムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記無線LANアクセスポイントの前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配信する配信順番を決定する手段と、
前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを受信した時にそのマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを一時保管し、前記配信順番に則って最先の無線LANアクセスポイントから順に前記保管したマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下の端末に配信する手段と、
して機能させるためのプログラム。
【0073】
(付記11)前記無線LANアクセスポイントの前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットの配信順番は、前記無線LANアクセスポイント1台毎に決定することを特徴とする付記10に記載のプログラム。
【0074】
(付記12)前記無線LANアクセスポイントの前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットの配信順番は、電波干渉しない無線LANアクセスポイントの組み合わせ毎に決定することを特徴とする付記10に記載のプログラム。
【0075】
(付記13)前記電波干渉しない無線LANアクセスポイントの組み合わせは、前記無線LANアクセスポイント間の距離又は前記無線LANアクセスポイントのチャンネルによって決定することを特徴とする付記12に記載のプログラム。
【0076】
(付記14)無線LANアクセスポイントとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下の端末に配信する配信順番を生成する手段と、
他のアクセスポイントから配信順番を取得し、前記生成した配信順番と前記他のアクセスポイントから取得した配信順番とが同一順番にならないように自己のアクセスポイントの配信順番を決定する手段と、
前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを受信した時にそのマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを一時保管し、前記決定した配信順番が来た時に前記保管したマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下の端末に配信する手段と、
前記保管したマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを前記配下の端末に配信完了した時に前記他のアクセスポイントにパケット配信完了通知を送信する手段と、
して機能させるためのプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、例えば、大規模な無線LANシステムのPOS端末におけるデータベース更新等に好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0078】
21 ブリッジ部
22 パケット配信制御部
23 乱数生成部
24 アクセスポイント配信順番保管DB(データベース)
25 配信パケット一時保管バッファ
31 有線LANインタフェース
32 無線LANインタフェース
11 店舗サーバ
121〜123 無線LANアクセスポイント
131〜134 POSレジスタ(POS端末)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無線LANアクセスポイントを有し、前記複数の無線LANアクセスポイントからそれぞれ配下の端末にマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配信する無線LANシステムであって、
前記無線LANアクセスポイントの前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配信する配信順番を決定する手段と、
前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを受信した時にそのマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを一時保管し、前記配信順番に則って最先の無線LANアクセスポイントから順に前記保管したマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下の端末に配信する手段と、
を備えたことを特徴とする無線LANシステム。
【請求項2】
前記無線LANアクセスポイントの前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットの配信順番は、前記無線LANアクセスポイント1台毎に決定することを特徴とする請求項1に記載の無線LANシステム。
【請求項3】
前記無線LANアクセスポイントの前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットの配信順番は、電波干渉しない無線LANアクセスポイントの組み合わせ毎に決定することを特徴とする請求項1に記載の無線LANシステム。
【請求項4】
前記電波干渉しない無線LANアクセスポイントの組み合わせは、前記無線LANアクセスポイント間の距離又は前記無線LANアクセスポイントのチャンネルによって決定することを特徴とする請求項3に記載の無線LANシステム。
【請求項5】
マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下の端末に配信する配信順番を生成する手段と、
他のアクセスポイントから配信順番を取得し、前記生成した配信順番と前記他のアクセスポイントから取得した配信順番とが同一順番にならないように自己のアクセスポイントの配信順番を決定する手段と、
前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを受信した時にそのマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを一時保管し、前記決定した配信順番が来た時に前記保管したマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下の端末に配信する手段と、
前記保管したマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを前記配下の端末に配信完了した時に前記他のアクセスポイントにパケット配信完了通知を送信する手段と、
を備えたことを特徴とする無線LANアクセスポイント。
【請求項6】
複数の無線LANアクセスポイントを有し、前記複数の無線LANアクセスポイントからそれぞれ配下の端末にマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配信する無線LANシステムのパケット配信方法であって、
配信順番決定手段が、前記無線LANアクセスポイントの前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配信する配信順番を決定するステップと、
パケット配信手段が、前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを受信した時にそのマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを一時保管し、前記配信順番に則って最先の無線LANアクセスポイントから順に前記保管したマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下の端末に配信するステップと、
を含むことを特徴とするパケット配信方法。
【請求項7】
複数の無線LANアクセスポイントを有し、前記複数の無線LANアクセスポイントからそれぞれ配下の端末にマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配信する無線LANシステムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記無線LANアクセスポイントの前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配信する配信順番を決定する手段と、
前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを受信した時にそのマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを一時保管し、前記配信順番に則って最先の無線LANアクセスポイントから順に前記保管したマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下の端末に配信する手段と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項8】
無線LANアクセスポイントとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下の端末に配信する配信順番を生成する手段と、
他のアクセスポイントから配信順番を取得し、前記生成した配信順番と前記他のアクセスポイントから取得した配信順番とが同一順番にならないように自己のアクセスポイントの配信順番を決定する手段と、
前記マルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを受信した時にそのマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを一時保管し、前記決定した配信順番が来た時に前記保管したマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを配下の端末に配信する手段と、
前記保管したマルチキャストパケットもしくはブロードキャストパケットを前記配下の端末に配信完了した時に前記他のアクセスポイントにパケット配信完了通知を送信する手段と、
して機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−161009(P2012−161009A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20628(P2011−20628)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】