説明

無線LAN監視システム、無線LAN監視装置、無線LAN監視方法、および無線LAN監視プログラム

【課題】無線LANの通信帯域を有効に利用して、電波干渉による通信スループットの低下や通信切断を回避する無線LAN監視システムを提供する。
【解決手段】無線LAN監視サーバ1は、各無線LANシステムに割り当てられた設定に応じた無線LANリソースデータを記憶する。監視用センサ21は、無線LANシステム41を構成する機器が送信したデータを受信して、各機器に設定されている内容を示す無線LAN情報データを無線LAN監視サーバ1に送信する。無線LAN監視サーバ1は、受信した無線LAN情報データと、記憶している無線LANリソースデータとが合致しない場合に、無線LANリソースデータを含む通知情報を監視用センサ21に送信する。監視用センサ21は、受信した通知情報を各機器に送信する。各機器は、受信した通知情報にもとづいて設定を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の領域内に設けられた複数の無線LANシステムのそれぞれにおける機器を監視する無線LAN監視システム、無線LAN監視装置、無線LAN監視方法、および無線LAN監視プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線LAN(Local Area Network)の利用が増加している。展示会においても、通信機能を有する装置を含むシステムの展示や通信機能を有する装置のデモンストレーションに無線LANが利用されたりすると予想される。
【0003】
なお、特許文献1および特許文献2には、有線LANを介して、無線LANのアクセスポイントの設定を変更する装置が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−148589号公報(段落0019〜0048、図1)
【特許文献2】特開2005−94164号公報(段落0006〜0008、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
展示会においてデモンストレーションに無線LANが利用される場合に、無線LANシステムにおける通信可能な機器が各出展者によって個別に持ち込まれることがある。例えば、出展者は、アクセスポイントや無線LAN通信可能な端末装置を展示会場に持ち込んで設置する。そして、出展者が会場に持ち込んだ各端末装置間で無線LAN伝送路を介して通信を行わせることによって、出展者は端末装置等や端末機器等を含むシステムの性能などを見せるためのデモンストレーションを行う。無線LANは、規格によって最大周波数チャンネル数が定められているが、従来の展示会場などでは、無線LAN接続可能な機器が各出展者によって個別に持ち込まれ、無線LANシステムが各出展者によって個別に構築される場合に、無線LANの運用制御は行われていない。そのため、同一の展示会場で同時に複数のユーザ(出展者)が勝手に無線LANシステムを使用した場合に、電波干渉が発生し、通信スループットが低下したり、通信が切断されたりすることがある。
【0006】
通信スループットが低下したり、通信が切断されたりすると、デモンストレーション中の装置が誤動作したり停止したりしてデモンストレーションは失敗する。また、装置が誤動作した場合に、事故が発生する恐れがある。
【0007】
なお、特許文献1に記載されている装置は、アドホック接続されている通信端末、すなわちピアトゥーピア接続可能な端末装置の設定を変更することができない。
【0008】
また、特許文献2に記載されている装置は、アクセスポイントのSSID(Service Set Identifier)や、WEP(Wired Equivalent Privacy)キーの設定を変更するが、アクセスポイントだけがこれらの設定を変更した場合に、アクセスポイントの設定と無線LAN端末の設定とが合致しなくなり、通信できなくなってしまう。
【0009】
また、特許文献1に記載されている装置および特許文献2に記載されている装置は、有線LANに接続されていない無線LAN端末の設定を変更することができない。
【0010】
そこで、本発明は、無線伝送路を介して各機器の設定の変更を行うことができ、無線LANの通信帯域を有効に利用して、電波干渉による通信スループットの低下や通信切断を回避する無線LAN監視システム、無線LAN監視装置、無線LAN監視方法、および無線LAN監視プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による無線LAN監視システムは、所定の領域内に設けられた複数の無線LANシステムのそれぞれにおける機器を監視する無線LAN監視システムであって、機器に割り当てられた接続条件に応じた設定データを記憶する記憶手段、機器に設定されている内容と記憶手段に記憶されている設定データとが合致するか否かを判断する判断手段、および判断手段が合致しないと判断した場合に、設定データを含む設定情報を送信する設定情報送信手段を含む管理装置と、機器が無線LAN伝送路に送信したデータと管理装置が送信した設定情報とを受信するデータ受信手段、およびデータ受信手段が機器から受信したデータにもとづく情報であって機器に設定されている内容を示す無線LAN情報を管理装置に送信し、データ受信手段が管理装置から受信した設定情報を無線LAN伝送路を介して機器に送信する情報送信手段を含む監視装置とを備え、管理装置における判断手段は、監視装置の情報送信手段が送信した無線LAN情報が示す内容と、記憶手段に記憶されている設定データとが合致するか否かを判断することを特徴とする。
【0012】
監視装置におけるデータ受信手段は、無線LAN伝送路を介して機器が送信したデータを受信し、監視装置における情報送信手段は、データ受信手段が管理装置から受信した設定情報を無線LAN伝送路を介して機器に送信してもよい。
【0013】
本発明による無線LAN監視装置は、所定の領域内に設けられた複数の無線LANシステムのそれぞれにおける機器を監視する無線LAN監視装置であって、機器に割り当てられた設定に応じた設定データを記憶する記憶手段を備えたサーバから送信された設定データを含む設定情報、および機器が無線LAN伝送路に送信したデータを受信するデータ受信手段と、データ受信手段が機器から受信したデータにもとづく情報であって、機器に設定されている内容を示す無線LAN情報をサーバに送信し、データ受信手段がサーバから受信した設定情報を無線LAN伝送路を介して機器に送信する情報送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
データ受信手段は、無線LAN伝送路を介して機器が送信したデータを受信し、情報送信手段は、データ受信手段がサーバから受信した設定情報を無線LAN伝送路を介して機器に送信してもよい。
【0015】
本発明による無線LAN監視方法は、所定の領域内に設けられた複数の無線LANシステムのそれぞれにおける機器を監視する無線LAN監視方法であって、それぞれの無線LANシステムにおける機器に接続条件を割り当て、割り当てた接続条件を設定データとして記憶し、機器が無線LAN伝送路に送信したデータを受信し、受信したデータにもとづいて、用いられている接続条件を判定し、判定した接続条件と記憶されている設定データが示す接続条件とを比較し、判定した接続条件と記憶されている設定データが示す接続条件とが合致しないと判断した場合に、記憶されている設定データが示す接続条件を示すデータを機器に送信することを特徴とする。
【0016】
本発明による無線LAN監視プログラムは、所定の領域内に設けられた複数の無線LANシステムのそれぞれにおける無線LAN監視システム内のコンピュータに搭載される無線LAN監視プログラムであって、コンピュータに、それぞれの無線LANシステムにおける機器に接続条件を割り当てる処理と、割り当てた接続条件を設定データとして記憶する処理と、機器が無線LAN伝送路に送信したデータにもとづいて判定された接続条件を入力する処理と、入力した接続条件と記憶されている設定データが示す接続条件とを比較する処理と、判定した接続条件と記憶されている設定データが示す接続条件とが合致しないと判断した場合に、記憶されている設定データが示す接続条件を示すデータを機器に宛てて送信するための処理とを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、機器に設定されている内容と記憶手段が記憶している設定データの内容とが合致しない場合に、当該設定データを含む情報を無線伝送路を介して機器に送信するので、機器に、割り当てられた設定に応じた無線LAN通信を行わせることができる。そのため、機器間の無線LAN通信において、電波干渉による通信スループットの低下や、通信切断を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明による無線LAN監視システムの実施の形態の一構成例を示す説明図である。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態の無線LAN監視システムは、管理者6によって管理される無線LAN監視サーバ(管理装置)1と、ローカルネットワーク3に接続された監視用センサ(監視装置)21〜23とを含む。
【0020】
また、図1に示すように、監視用センサ21は、利用者51が利用する無線LANシステム41を監視し、監視用センサ22は、利用者52が利用する無線LANシステム42を監視し、監視用センサ23は、利用者53が利用する無線LANシステム42を監視する。
【0021】
各無線LANシステムは、例えば、所定の領域の一例である展示会場における各展示ブースに設置され、各監視用センサは、例えば、各展示ブースに設置されている無線LANシステムを監視し、無線LAN監視サーバ1は、例えば、各無線LANシステムにおける無線LAN通信の利用を管理する。
【0022】
図2は、無線LANシステム41の構成例を示すブロック図である。図1および図2に示すように、無線LANシステム41において、無線LAN通信を行う機器は、受信端末210および無線LANアクセスポイント101である。そして、図1に示すように、受信端末210と無線LANアクセスポイント101とは無線LAN接続されている。受信端末210および無線LANアクセスポイント101は、無線LAN接続設定の変更要求および変更後の設定内容を示す信号を受信すると、受信した信号が示す設定内容を変更する機能(例えば、プログラムで実現される。)を有している。
【0023】
なお、図1に示すように、無線LANシステム42は、受信端末220と無線LANアクセスポイント102とを含み、受信端末220と無線LANアクセスポイント102とは無線LAN接続されている。また、無線LANシステム43は、受信端末230と無線LANアクセスポイント103とを含み、受信端末230と無線LANアクセスポイント103とは無線LAN接続されている。
【0024】
また、図1に示す例では、各受信端末は、各無線LANアクセスポイントにそれぞれ無線LAN接続されているが、すなわち、無線伝送路を介して通信可能になっているが、受信端末は、無線LANアクセスポイントを介さずに無線通信を行うようにアドホック接続されていてもよい。
【0025】
図3は、無線LAN監視サーバ1の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、無線LAN監視サーバ1は、各監視用センサから送信された無線LAN情報データを受信する無線LAN監視情報受信部30と、無線LAN監視情報受信部30が受信した無線LAN情報データを蓄積する無線LAN受信情報データベース40と、各無線LANシステムに割り当てられたリソース(各無線LANシステムに割り当てられた動作条件)に応じたデータである無線LANリソースデータが登録される無線LANリソースデータベース(記憶手段)50とを含む。
【0026】
なお、無線LANリソースデータベース50に登録される無線LANリソースデータとは、例えば、各無線LANシステムに割り当てる周波数チャンネルや、利用時間、SSID、MACアドレス(Media Access Control Address)などの通信帯域リソース等を示すデータ(情報)である。つまり、無線LANリソースデータとは、各無線LANシステムに割り当てられた動作条件を満たすために各機器に設定される内容に応じたデータである。
【0027】
図4は、監視用センサ21の構成例を示すブロック図である。監視用センサ21は、無線LANシステム41を構成する機器(無線LANアクセスポイント101および受信端末210)が送信したデータを受信し、無線LAN監視サーバ1が送信した情報を受信する無線データ受信部(データ受信手段)60と、無線LANシステム41を構成する機器、および無線LAN監視サーバ1に情報を送信する無線データ送信部(情報送信手段)70とを含む。
【0028】
なお、無線データ受信部60は、一般的な無線LANアクセスポイントが有するデータ受信機能と同様な機能を有し、無線データ送信部70は、一般的な無線LANアクセスポイントが有するデータ送信機能と同様な機能を有する。
【0029】
また、無線データ受信部60は、監視対象の無線LANシステムである無線LANシステム41の受信端末210および無線LANアクセスポイント101が送信したデータを受信し、受信したデータにもとづいて無線LANシステム41の通信状況を示す無線LAN情報データを生成する。なお、無線LAN情報データは、例えば、使用されている周波数チャンネルや、利用時間、SSID、MACアドレスなどの通信状況を示すデータ(情報)である。
【0030】
無線データ送信部70は、無線データ受信部60が生成した無線LAN情報データをローカルネットワーク3を介して無線LAN監視サーバ1に送信する。
【0031】
また、無線データ受信部60は、ローカルネットワーク3を介して無線LAN監視サーバ1から無線LANシステム41の受信端末210および無線LANアクセスポイント101への指示を示す通知情報を受信する。無線データ送信部70は、無線データ受信部60が受信した通知情報を無線LANシステム41の受信端末210および無線LANアクセスポイント101に送信する。
【0032】
なお、監視用センサ21は、受信端末210および無線LANアクセスポイント101と無線LAN通信を行ってデータを送受信することができる位置に設置されているとする。また、監視用センサ22は、受信端末220および無線LANアクセスポイント102と無線LAN通信を行ってデータを送受信することができる位置に設置されているとする。監視用センサ23は、受信端末230および無線LANアクセスポイント103と無線LAN通信を行ってデータを送受信することができる位置に設置されているとする。
【0033】
監視用センサ22および監視用センサ23は、監視用センサ21と同様な構成であるので、説明を省略する。
【0034】
図5は、無線LANアクセスポイント101の構成例を示すブロック図である。図5に示すように、無線LANアクセスポイント101は、監視用センサ21から通知情報を受信する通知情報受信部80と、通知情報受信部80が受信した通知情報にもとづいて、無線LAN接続の設定を変更する無線設定自動変更部90を含む。
【0035】
なお、無線アクセスポイント102、および無線アクセスポイント103は、無線LANアクセスポイント101と同様な構成要素を含む。
【0036】
また、受信端末210は、監視用センサ21から通知情報を受信する通知情報受信部81と、通知情報受信部81が受信した通知情報にもとづいて、無線LAN接続の設定を変更する無線設定自動変更部91とを含む。
【0037】
なお、受信端末220、および受信端末230は、受信端末210に含まれる構成要素と同様な構成要素を含む。
【0038】
次に、本発明による無線LAN監視システムの実施の形態の動作について、図面を参照して説明する。図6は、無線LAN監視システムの実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
【0039】
管理者6によって、各無線LANシステム毎に割り当てられた周波数チャンネルや、利用時間、SSID、MACアドレスなどの通信帯域リソース等の接続条件を示す無線LANリソースデータが作成され(ステップS1)、無線LAN監視サーバ1の無線LANリソースデータベース50に登録される(ステップS2)。なお、無線LAN監視サーバ1は、初期設定処理として、監視用センサに、各無線LANシステム毎に割り当てられた接続条件を示すデータを、各無線LANシステムにおける機器に送信させるようにしてもよいが、この時点で送信しないようにしてもよい。監視用センサに、各無線LANシステム毎に割り当てられた接続条件を示すデータを、各無線LANシステムにおける機器に送信させる処理は、それぞれの無線LANシステムにおける機器に接続条件を割り当てる処理に相当する。また、この時点で接続条件を示すデータ送信しない場合には、システムが稼働した後の初期の段階でステップS3,S4,S5の処理が実行されて初期設定処理がなされることになる。
【0040】
各監視用センサの無線データ受信部は、各無線LANシステムの各アクセスポイントおよび各受信端末が送信したデータを受信して無線LAN情報データを生成する。各監視用センサの無線データ送信部は、無線データ受信部が生成した無線LAN情報データをローカルネットワーク3を介して無線LAN監視サーバ1に送信する(ステップS3)。無線LAN監視サーバ1の無線LAN監視情報受信部30は、各監視用センサから送信された無線LAN情報データをローカルネットワーク3を介して常に受信する。無線LAN監視サーバ1の無線LAN受信情報データベース40には、無線LAN監視情報受信部30が受信した無線LAN情報データが蓄積される。
【0041】
無線LAN監視サーバ1の判断手段である制御部(図示せず)は、無線LAN監視情報受信部30がローカルネットワーク3を介して受信した無線LAN情報データと、無線LANリソースデータベース50に登録されている無線LANリソースデータとを比較して、一致(合致)しているか否かを判断する(ステップS4)。
【0042】
無線LAN監視サーバ1の制御部が、無線LAN監視情報受信部30が受信した無線LAN情報データと、無線LANリソースデータベース50に登録されている無線LANリソースデータとが合致していないと判断した場合に(ステップS4の不一致)、設定情報送信手段(図示せず)が、当該無線LAN情報データを送信した監視用センサに、無線LANリソースデータベース50に登録されている無線LANリソースデータを含み、無線LANの設定の変更を通知する通知情報をローカルネットワーク3を介して送信する(ステップS5)。
【0043】
監視用センサにおいて、無線データ受信部が通知情報を受信した場合に、無線データ送信部は、監視している無線LANシステムの無線LANアクセスポイントおよび受信端末に、通知情報を送信する(ステップS6)。なお、無線LAN監視サーバ1の制御部が、監視用センサに通知情報を送信する処理は、記憶されている設定データが示す接続条件を示すデータを機器に宛てて送信するための処理に相当する。
【0044】
無線LANアクセスポイントまたは受信端末において、通知情報受信部が通知情報を受信した場合に、無線設定自動変更部が通知情報にもとづいて無線LAN接続の設定を変更する。
【0045】
図7は、無線LAN監視システムの動作を具体的に説明する説明図である。図7に示すように、無線LAN監視サーバ1の無線LANリソースデータベース50には、各無線LANシステムの運用を監視する管理者6によって、各利用者が利用する無線LANシステムに割り当てられた周波数チャンネルや、利用時間、SSID、MACアドレスなどの通信帯域リソース等に応じたデータである無線LANリソースデータが登録される。
【0046】
なお、無線LANリソースデータが更新される場合に、無線LAN監視サーバ1の無線LANリソースデータベース50には、管理者6によって、更新後の無線LANリソースデータが登録される。
【0047】
また、無線LAN監視サーバ1の無線LAN受信情報データベース40には、無線LAN監視情報受信部30が、監視用センサ(図7に示す例では、監視用センサ21および監視用センサ22)から受信した無線LAN情報データが蓄積される。
【0048】
無線LAN監視サーバ1は、無線LAN監視情報受信部30が受信した無線LAN情報データと、無線LANリソースデータベース50に登録されている無線LANリソースデータとを比較して、合致しない場合に、その旨を管理者6に通知する。そして、無線LAN監視サーバ1は、当該無線LAN情報データを送信した監視用センサに、無線LANリソースデータベース50に登録されている無線LANリソースデータを含み、無線LANの設定の変更を通知する通知情報をローカルネットワーク3を介して送信する。
【0049】
通知情報を受信した監視用センサ(図7に示す例では監視用センサ22)は、通知情報を無線LANシステム42に送信して、無線LAN接続の設定を変更させる。具体的には、例えば、利用されている周波数チャンネルが異なる場合に、周波数チャンネルを変更させるために、周波数チャンネルの変更要求および変更後の周波数チャンネルを示す信号(通知情報)を無線で送信する。利用許可時間外に利用されている場合には、無線LANシステムの各機器の処理を停止させるために、無線LAN通信機能の停止を要求することを示す信号を無線で送信する。
【0050】
図8は、無線LAN監視サーバ1が通知情報を無線LANアクセスポイントおよび受信端末に送信する動作を説明する説明図である。
【0051】
無線LAN監視サーバ1は、無線LAN監視情報受信部30が監視用センサ21から受信した無線LAN情報データと、無線LANリソースデータベース50に登録されている無線LANリソースデータとが合致しない場合に、その旨を管理者6に通知し(図8におけるA1)、監視用センサ21に、ローカルネットワーク3を介して通知情報を送信する(図8におけるA2)。
【0052】
監視用センサ21の無線データ送信部70は、通知情報を無線LANアクセスポイント101および受信端末210に送信(配信)する(図8におけるB)。
【0053】
無線LANアクセスポイント101において、通知情報受信部80が通知情報を受信した場合に、無線設定自動変更部90は、通知情報受信部80が受信した通知情報にもとづいて、無線LAN接続の設定を変更する。
【0054】
受信端末210において、通知情報受信部81が通知情報を受信した場合に、無線設定自動変更部91は、通知情報受信部81が受信した通知情報にもとづいて、無線LAN接続の設定を変更する。
【0055】
なお、無線LAN監視サーバ1は、無線LAN監視情報受信部30が監視用センサ21から受信した無線LAN情報データと、無線LANリソースデータベース50に登録されている無線LANリソースデータとを常に比較し、無線LAN情報データと、無線LANリソースデータとが合致しないと判断する度に通知情報を監視用センサ21に送信する。
【0056】
本実施の形態によれば、無線LANの実際の利用状況が、登録された無線LANリソースデータと異なっている場合に、無線LAN監視サーバ1からの通知により無線LANシステムの設定が変更されるので、電波干渉による通信スループットの低下や通信切断を回避することができる。
【0057】
また、本実施の形態によれば、無線LANリソースデータベース50に登録されている無線LANリソースデータにもとづいて無線LANが利用されるので、無線LANが安定して稼働する環境を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、複数の無線LANシステムを管理するシステムに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明による無線LAN監視システムの実施の形態の一構成例を示す説明図である。
【図2】無線LANシステムの構成例を示すブロック図である。
【図3】無線LAN監視サーバの構成例を示すブロック図である。
【図4】監視用センサの構成例を示すブロック図である。
【図5】無線LANアクセスポイントの構成例を示すブロック図である。
【図6】無線LAN監視システムの実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
【図7】無線LAN監視システムの動作を具体的に説明する説明図である。
【図8】無線LAN監視サーバが通知情報を無線LANアクセスポイントおよび受信端末に送信する動作を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0060】
1 無線LAN監視サーバ
3 ローカルネットワーク
6 管理者
21、22、23 監視用センサ
30 無線LAN監視情報受信部
40 無線LAN受信情報データベース
41、42、43 無線LANシステム
50 無線LANリソースデータベース
51、52、53 利用者
60 無線データ受信部
70 無線データ送信部
80、81 通知情報受信部
90、91 無線設定自動変更部
101、102、103 無線LANアクセスポイント
210、220、230 受信端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の領域内に設けられた複数の無線LANシステムのそれぞれにおける機器を監視する無線LAN監視システムにおいて、
前記機器に割り当てられた接続条件に応じた設定データを記憶する記憶手段、前記機器に設定されている内容と前記記憶手段に記憶されている設定データとが合致するか否かを判断する判断手段、および前記判断手段が合致しないと判断した場合に、前記設定データを含む設定情報を送信する設定情報送信手段を含む管理装置と、
前記機器が無線LAN伝送路に送信したデータと前記管理装置が送信した設定情報とを受信するデータ受信手段、および前記データ受信手段が前記機器から受信したデータにもとづく情報であって前記機器に設定されている内容を示す無線LAN情報を前記管理装置に送信し、前記データ受信手段が前記管理装置から受信した設定情報を無線LAN伝送路を介して前記機器に送信する情報送信手段を含む監視装置とを備え、
前記管理装置における判断手段は、前記監視装置の情報送信手段が送信した無線LAN情報が示す内容と、前記記憶手段に記憶されている設定データとが合致するか否かを判断する
ことを特徴とする無線LAN監視システム。
【請求項2】
監視装置におけるデータ受信手段は、無線LAN伝送路を介して前記機器が送信したデータを受信し、
前記監視装置における情報送信手段は、前記データ受信手段が管理装置から受信した設定情報を無線LAN伝送路を介して前記機器に送信する
請求項1記載の無線LAN監視システム。
【請求項3】
所定の領域内に設けられた複数の無線LANシステムのそれぞれにおける機器を監視する無線LAN監視装置において、
前記機器に割り当てられた設定に応じた設定データを記憶する記憶手段を備えたサーバから送信された前記設定データを含む設定情報、および前記機器が無線LAN伝送路に送信したデータを受信するデータ受信手段と、
前記データ受信手段が前記機器から受信したデータにもとづく情報であって、前記機器に設定されている内容を示す無線LAN情報を前記サーバに送信し、前記データ受信手段が前記サーバから受信した設定情報を無線LAN伝送路を介して前記機器に送信する情報送信手段とを備えた
ことを特徴とする無線LAN監視装置。
【請求項4】
データ受信手段は、無線LAN伝送路を介して前記機器が送信したデータを受信し、
情報送信手段は、前記データ受信手段がサーバから受信した設定情報を無線LAN伝送路を介して前記機器に送信する
請求項3記載の無線LAN監視装置。
【請求項5】
所定の領域内に設けられた複数の無線LANシステムのそれぞれにおける機器を監視する無線LAN監視方法において、
それぞれの無線LANシステムにおける機器に接続条件を割り当て、
割り当てた接続条件を設定データとして記憶し、
前記機器が無線LAN伝送路に送信したデータを受信し、受信したデータにもとづいて、用いられている接続条件を判定し、
判定した接続条件と記憶されている設定データが示す接続条件とを比較し、
判定した接続条件と記憶されている設定データが示す接続条件とが合致しないと判断した場合に、記憶されている設定データが示す接続条件を示すデータを前記機器に送信する
ことを特徴とする無線LAN監視方法。
【請求項6】
所定の領域内に設けられた複数の無線LANシステムのそれぞれにおける無線LAN監視システム内のコンピュータに搭載される無線LAN監視プログラムであって、
コンピュータに、
それぞれの無線LANシステムにおける機器に接続条件を割り当てる処理と、
割り当てた接続条件を設定データとして記憶する処理と、
機器が無線LAN伝送路に送信したデータにもとづいて判定された接続条件を入力する処理と、
入力した接続条件と記憶されている設定データが示す接続条件とを比較する処理と、
判定した接続条件と記憶されている設定データが示す接続条件とが合致しないと判断した場合に、記憶されている設定データが示す接続条件を示すデータを機器に宛てて送信するための処理とを実行させる
ための無線LAN監視プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−131286(P2008−131286A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−313308(P2006−313308)
【出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】