説明

無線LAN移動局、無線LANシステム、ハンドオーバ制御方法およびコンピュータプログラム

【課題】ハンドオーバ閾値を自動的に調整し、利用状況に適したハンドオーバ閾値に設定する。
【解決手段】信号雑音比又は電波強度を測定する測定部と、測定した信号雑音比又は電波強度の値と、ハンドオーバの実行基準となるハンドオーバ閾値とを比較し、信号雑音比又は電波強度の値がハンドオーバ閾値以下の場合にアクセスポイントの検索を行い、前記ハンドオーバ閾値より大きい信号雑音比又は電波強度の値を有するアクセスポイントにハンドオーバを行うハンドオーバ実行手段と、ハンド実行手段によりハンドオーバを行ったときに、ハンドオーバの前後の信号雑音比または電波強度の差を求め、その差が一定レベルよりも大きい場合にハンドオーバ閾値を上げるハンドオーバ閾値制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線LAN移動局、無線LANシステム、ハンドオーバ制御方法およびコンピュータプログラムに係り、特に測定した信号雑音比又は電波強度の値と、ハンドオーバの実行基準となるハンドオーバ閾値とを比較し、信号雑音比又は電波強度の値がハンドオーバ閾値以下の場合にアクセスポイントの検索を行ってハンドオーバを行う無線LAN移動局、無線LANシステム、ハンドオーバ制御方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線LANの通信パラメータは、使用する環境のサイトサーベイを行い、その結果に基づいて設定される。アクセスポイントが複数ある広い場所で通信を安定させるには、場所により電波環境が異なり、使用する場所により、適切な値を設定する。装置の入れ替え、装置を使用する環境のレイアウト変更があると、都度装置の設定を確認することが求められる。
【0003】
ハンドオーバ閾値は、通信する環境をサイトサーベイしてSNR(Signal−to−Noise Ratio,信号雑音比)または電波強度を測定して、環境に適した値を予め装置に設定しておく。
【0004】
通信中に装置はSNRまたは電波強度を検出して、検出した値が、ハンドオーバ閾値よりも下回る場合は、周辺のアクセスポイントの検索処理を開始する。検索した結果、SNRまたは電波強度が強いアクセスポイントを見つけた場合は、アクセスポイントを切り替える。アクセスポイントが見つからない場合は、再度検索処理を実行する。
【0005】
ハンドオーバ閾値の設定に関する技術は、以下の特許文献1〜特許文献6に記載されている。
【0006】
特許文献1には、無線LAN電波の受信電力を予め定めた閾値TH1、TH2と比較し、現在通話している通信機能から他の通信機能に移行する必要があると判断したときに、公衆回線による通信と無線LANによる通信との切替えを問い合わせ、ユーザから切替えの承認があったときに現在通信中の通信機能から他の通信機能に切替えるハンドオーバ方式が記載されている。これらの閾値は予め定められた値である。
【0007】
特許文献2には、アクセスポイントは他のアクセスポイントから受信した信号強度を検知し、予め定義された尺度を用いて、少なくとも1つの検知された信号の受信信号強度に基づいてキャリア検出閾値を確立し、その後ディファー閾値及びハンドオーバ閾値を確立し、それらの通信パラメータをネットワーク・ステーションに同報することの記載がある。特許文献2では、アクセスポイントがハンドオーバ閾値を含めた通信パラメータを確立して、装置側に通知する。装置側は通知された値に基づいて動作を行っている。
【0008】
特許文献3には、接続しているアクセスポイントのビーコンクオリティーが閾値以下となった場合にその時点で最も通信環境の良い隣接アクセスポイントに対して直ちに加入動作を行うことにより、極めて短時間にハンドオーバを行うことができる高速ハンドオーバ方法が記載されている。ここでは閾値の調整は行われていない。
【0009】
特許文献4には、複数のアクセスポイントを設けた無線LANで、移動する端末が加入しているアクセスポイントから他のアクセスポイントの高速ハンドオーバを行い得る無線LANの高速ハンドオーバ方法、アクセスポイント及び移動端末の記載がある。特許文献4に記載されているのは、ステーション間で状態を共有して最適なアクセスポイントにハンドオーバする方法である。
【0010】
特許文献5には、異なるタイプの無線ネットワークの間での改善された垂直ハンドオフのシステムおよび方法の記載がある。
【0011】
特許文献6には、単位時間当たりのハンドオーバの実行回数を計測し、その計測したハンドオーバの実行回数に応じて、ハンドオーバの実行基準となる閾値を変更することの記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2007-143038号公報
【特許文献2】特開2004-007504号公報
【特許文献3】特開2002-026931号公報
【特許文献4】特開2001-094572号公報
【特許文献5】特表2006-519570号公報
【特許文献6】特開2007-251654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
複数のアクセスポイントが設置されている広い環境では、場所により電波環境が異なるため、使用する環境に合わせてハンドオーバ閾値を設定し、装置の入れ替え、環境のレイアウト変更があると、その都度変更することが求められる。設定値が適切でない場合、例えば、ハンドオーバ閾値が高い場合、周辺アクセスポイントの検索が頻繁に実行されるため、通信に時間がかかり、通信品質が劣化することになる。また、ハンドオーバ閾値が低いと、近くにSNRまたは電波強度が強いアクセスポイントがあってもハンドオーバ閾値よりも上回る場合はアクセスポイントの切り替えが実行されないため、安定した通信環境を保つことができなくなる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る無線LAN移動局は、信号雑音比又は電波強度を測定する手段と、
測定した信号雑音比又は電波強度の値と、ハンドオーバの実行基準となるハンドオーバ閾値とを比較し、前記信号雑音比又は電波強度の値が前記ハンドオーバ閾値以下の場合にアクセスポイントの検索を行い、前記ハンドオーバ閾値より大きい信号雑音比又は電波強度の値を有するアクセスポイントにハンドオーバを行うハンドオーバ実行手段と、
前記ハンド実行手段によりハンドオーバを行ったときに、該ハンドオーバの前後の信号雑音比または電波強度の差を求め、その差が一定レベルよりも大きい場合に前記ハンドオーバ閾値を上げるハンドオーバ閾値制御手段と、
を有することを特徴とする。
【0015】
本発明に係るハンドオーバ制御方法は、信号雑音比又は電波強度を測定し、測定した信号雑音比又は電波強度の値と、ハンドオーバの実行基準となるハンドオーバ閾値とを比較し、前記信号雑音比又は電波強度の値が前記ハンドオーバ閾値以下の場合にアクセスポイントの検索を行い、前記ハンドオーバ閾値より大きい信号雑音比又は電波強度の値を有するアクセスポイントにハンドオーバを行うハンドオーバ制御方法において、
ハンドオーバを行ったときに、該ハンドオーバの前後の信号雑音比または電波強度の差を求め、その差が一定レベルよりも大きい場合に前記ハンドオーバ閾値を上げることを特徴とする。
【0016】
本発明に係るコンピュータプログラムは、無線LAN移動局として機能させるコンピュータに、
測定した信号雑音比又は電波強度の値と、ハンドオーバの実行基準となるハンドオーバ閾値とを比較する手順と、
前記信号雑音比又は電波強度の値が前記ハンドオーバ閾値以下の場合にアクセスポイントの検索を行い、前記ハンドオーバ閾値より大きい信号雑音比又は電波強度の値を有するアクセスポイントにハンドオーバを行う手順と、
該ハンドオーバの前後の信号雑音比または電波強度の差を求め、その差が一定レベルよりも大きい場合に前記ハンドオーバ閾値を上げる手順と、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、ハンドオーバ閾値を自動的に調整し、利用状況に適したハンドオーバ閾値に設定することができる。即ち、ハンドオーバを頻繁に行う環境では、通信できる範囲を広げて、ハンドオーバの回数を少なくして、通信を安定させる。また、ハンドオーバポイントのSNRまたは電波強度の差を検出して、ハンドオーバ閾値を上げることにより、ハンドオーバしやすくして、通信を安定させることができる。そして、本発明によれば、ハンドオーバ閾値を自動で調整、設定することにより、ハンドオーバするポイントでの通信に時間を要したり、途切れやすいといった通信状態が不安定になる問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る無線LAN移動局の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】ハンドオーバの動作を説明する説明図である。
【図3】ハンドオーバ閾値を下げる場合を説明する図である。
【図4】ハンドオーバ閾値を下げる方法を説明する図である。
【図5】ハンドオーバ閾値を上げる場合を説明する図である。
【図6】ハンドオーバ閾値を上げる方法を説明する図である。
【図7】ハンドオーバ閾値の設定フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る典型的な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明に係る無線LAN移動局の一実施形態の構成を示すブロック図である。かかる構成は、特許文献6(特開2007-251654号公報)の図5に開示された無線LAN移動局の構成と、制御部の機能、及び検索カウンタがアクセスポイントの検索回数をカウントする点で異なる。
【0021】
図1に示すように、無線LAN移動局502は、アンテナ501、アンテナ501を介して無線LAN基地局(アクセスポイントとなる)と情報の送受信を行う通信部503、通信部503が受信した信号の受信電波強度を測定する電波強度測定部504を有する。また、無線LAN移動局502は、一定時間内に実行されたアクセスポイントの検索の回数をカウントする検索カウンタ505、ハンドオーバの実行基準となるハンドオーバ閾値、電波強度の値、通信部503を介して送受信される情報等を記憶する記憶部507、記憶部507に記憶するハンドオーバ値等の各種設定値を入力したり、無線LAN移動局における各種制御を実行するためのコマンド情報を入力する操作部508、無線LAN移動局502の各部を制御し、図7に示す動作を実行する制御部506を有する。制御部506は、ハンドオーバ実行手段、ハンドオーバ閾値制御手段として動作する。ハンドオーバ実行手段は、測定した信号雑音比又は電波強度の値と、ハンドオーバの実行基準となるハンドオーバ閾値とを比較し、信号雑音比又は電波強度の値がハンドオーバ閾値以下の場合にアクセスポイントの検索を行い、ハンドオーバ閾値より大きい信号雑音比又は電波強度の値を有するアクセスポイントにハンドオーバを行う。また、ハンドオーバ閾値制御手段は、ハンド実行手段によりハンドオーバを行ったときに、ハンドオーバの前後の信号雑音比または電波強度の差を求め、その差が一定レベルよりも大きい場合にハンドオーバ閾値を上げる。
【0022】
本実施形態では、電波強度測定部504で電波強度を測定しているが、SNR(Signal−to−Noise Ratio,信号雑音比)を測定し、制御部506でハンドオーバの実行基準となるハンドオーバ閾値とを比較し、SNRの値がハンドオーバ閾値以下の場合にアクセスポイントの検索を行い、ハンドオーバ閾値より大きいSNRの値を有するアクセスポイントにハンドオーバを行うようにしてもよい。
【0023】
まず、ハンドオーバの動作について、図2を参照して説明する。
101は、無線LANの無線LAN基地局となるワイヤレスアクセスポイント(WAP)を示す。102は、ワイヤレスアクセスポイント101の電波範囲を示す。103は、無線LAN移動局に設定されている、ハンドオーバ閾値の範囲を示す。ハンドオーバ閾値の範囲103の内側において、電波強度はハンドオーバ閾値よりも上である。ハンドオーバ閾値の範囲103の外側において、電波強度はハンドオーバ閾値よりも下である。
【0024】
無線LAN移動局は、ハンドオーバ閾値の範囲103の外側に移動すると、周辺のアクセスポイントの検索を開始する。そして、ハンドオーバ閾値より大きい電波強度の値を有するアクセスポイントにハンドオーバを行う。
【0025】
図3を参照して、ハンドオーバ閾値の設定が高い場合について説明する。環境A(201)は、ハンドオーバ閾値Aの設定が高く設定されていると通信できる範囲が狭いために、ハンドオーバ閾値よりも下回るエリア202で、周辺アクセスポイントの検索が頻繁に行われ、通信品質が劣化する。ハンドオーバ閾値を下げてハンドオーバ閾値Bにすることにより、環境B(203)に示すように通信できる範囲が広がり、通信品質劣化を防ぐことができる。
【0026】
図4、図7を参照して、ハンドオーバ閾値を自動的に下げる方法について説明する。予め定められた検索監視時間内に、予め定められたアクセスポイントの検索回数が実行された時に、ハンドオーバ閾値を自動的に下げる動作について説明する。
【0027】
ハンドオーバ閾値設定が開始されると(ステップS11)、まず制御部506は、記憶部507からハンドオーバ閾値を読込み(ステップS12)、検索監視時間を監視するために、検索開始時刻(監視時刻1)を読込み(ステップS13)、検索回数の検索カウンタ505をクリアする(ステップS14)。
【0028】
そして、制御部506は、電波強度を取得し(ステップS15)、取得した電波強度が設定されているハンドオーバ閾値以下の場合は(ステップS16)、周辺アクセスポイントの検索を行い、電波強度の大きいアクセスポイントを検索する(ステップS17)。周辺アクセスポイントの検索は、1chから順に14chを切換える。電波強度の大きいアクセスポイントが見つからなければ、ハンドオーバが実行されず(ステップS18のNO)、検索カウンタ505のカウント数をカウントアップする(ステップS19)。検索カウンタ505のカウント数はアクセスポイントの検索回数を示し、このカウンタ数が予め定められたアクセスポイントの検索回数の閾値以上となった場合は(ステップS20)、監視時刻2を読み込む(ステップS21)。監視時刻2と監視時刻1との差、すなわち、予め定められたアクセスポイントの検索回数の検索に要する時間が、予め定められた検索監視時間内であれば(ステップS22)、ハンドオーバ閾値を下げる(ステップS23)。
【0029】
ステップS16からステップS23について、具体例に基づいて説明する。具体例として、アクセスポイントの検索時間に3秒かかるとする。検索監視時間を10秒、検索回数を2回、ハンドオーバ閾値が電波強度−75dBmに設定されていたとする。ハンドオーバ閾値よりも下回るエリアに移動したときに、アクセスポイントの検索を行うが(ステップS16、S17)、周辺にアクセスポイントが見つからない場合はハンドオーバが実行されず(ステップS18)、検索カウンタのカウント数を”1”とする(ステップS19)。この場合、検索回数は2回に達していないので、2回目の検索を開始する(ステップS17)。2回目もアクセスポイントが見つからず、ハンドオーバが実行されない場合は(ステップS18のYES)、検索カウンタのカウント数をカウントアップし、”2”とする(ステップS19)。この場合、検索回数は2回に達したので(ステップS20のYES)、監視時刻2を読み込む(ステップS21)。監視時刻2と監視時刻1との差、すなわち、1回目と2回目の所要時間が6秒で検索監視時間よりも下回るため(ステップS22のYES)、ハンドオーバ閾値を自動的に所定の値(例えば5dBm)だけ下げて、−80dBmとする(ステップS23)。そして、検索回数の検索カウンタをクリアし(ステップS14)、エリア202で電波強度を取得し(ステップS15)、取得した電波強度が設定されているハンドオーバ閾値−80dBmよりも高ければ、アクセスポイントの検索を中止して(ステップS16のNO)、通信状態に復帰する。
【0030】
図5を参照して、ハンドオーバ閾値の設定が低い場合について説明する。環境C(401)は、ハンドオーバ閾値Cの設定値が低いと、異なるアクセスポイントの近くに移動してもハンドオーバ閾値を上回るためハンドオーバされずに、安定した電波環境で通信を行うことができない。閾値を上げてハンドオーバ閾値Dにすることにより、ハンドオーバしやすくして安定した電波範囲内で安定して通信を行うことができる。
【0031】
図6、図7を参照して、ハンドオーバ閾値を自動的に上げる方法について説明する。WAP1の電波範囲からWAP2の電波範囲に移動した場合、ハンドオーバポイントでWAP1からWAP2に切り替えたとする(ステップS18のYES)。ハンドオーバ閾値を下げていない場合には電波強度を取得する(ステップS25)。取得したWAP2(ハンドオーバ後のアクセスポイント)での電波強度と、WAP1(ハンドオーバ前のアクセスポイント)での電波強度とを比較する(ステップS26)。このときに、WAP1とWAP2の電波強度の差が、予め定めた値よりも大きければハンドオーバ閾値を上げ(ステップS27,S28)、ハンドオーバ閾値設定動作を完了する(ステップS29)。具体例として、電波強度の差を10dBm、ハンドオーバ閾値を−80dBmとする。ハンドオーバポイントでWAP1の電波強度が−81dBm、WAP2の電波強度が−70dBmとすると、電波強度差10dBmを上回るため、ハンドオーバ閾値を自動的に所定の値(例えば5dBm)だけ上げて、−75dBmとする。これにより、ハンドオーバを開始する範囲が狭くなり、電波の強いアクセスポイントにハンドオーバしやすくなる。
【0032】
なお、ハンドオーバ閾値に上限値と下限値を設け、上限値と下限値を超えない範囲で上記の処理を行うようにしてもよい。
【0033】
また図7のフローチャートでは、検索カウンタは一定時間内に実行されたアクセスポイントの検索の回数をカウントしているが、実際に行われたハンドオーバの回数をカウントしてもよい。この場合は、特許文献6に開示された技術と同様に、実際に行われたハンドオーバの回数が一定回数を超えたときに、ハンドオーバ閾値を下げることになる。また、図7のフローチャートではハンドオーバが実行された場合には、検索カウンタがカウントアップされないことになるが、実際にハンドオーバが実行されたか否かに係らず、アクセスポイントの検索が行われた場合にカウントアップするようにしてもよい。
【0034】
なお、本実施形態の無線LAN移動局はハードウェアで構成されるが、図1に示す構成部の全部又は一部をコンピュータを用いてソフトウェアで実現することもできる。例えば、コンピュータをCPU、ROMやハードディスク等の記憶手段、アンテナ501、通信部503、記憶部507、操作部508で構成し、制御部506、電波強度測定部504、検索カウンタ505の動作をプログラムで記述し、このプログラムをROMやハードディスク等の記憶手段に記憶し、演算に必要な情報(ハンドオーバの実行基準となるハンドオーバ閾値,電波強度の値,通信部503を介して送受信される情報等)をRAM等のメモリからなる記憶部507に記憶し、CPUで当該プログラムを動作させることで、本実施形態の無線LAN基地局の機能をプログラムで実現することができる。
【0035】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下の構成には限られない。
【0036】
(付記1)
信号雑音比又は電波強度を測定する手段と、
測定した信号雑音比又は電波強度の値と、ハンドオーバの実行基準となるハンドオーバ閾値とを比較し、前記信号雑音比又は電波強度の値が前記ハンドオーバ閾値以下の場合にアクセスポイントの検索を行い、前記ハンドオーバ閾値より大きい信号雑音比又は電波強度の値を有するアクセスポイントにハンドオーバを行うハンドオーバ実行手段と、
前記ハンド実行手段によりハンドオーバを行ったときに、該ハンドオーバの前後の信号雑音比または電波強度の差を求め、その差が一定レベルよりも大きい場合に前記ハンドオーバ閾値を上げるハンドオーバ閾値制御手段と、
を有する無線LAN移動局。
【0037】
(付記2)
一定時間内に実行された前記アクセスポイントの検索の回数をカウントするカウンタを有し、前記ハンドオーバ閾値制御手段は前記アクセスポイントの検索の回数が一定回数を超えたときに、前記ハンドオーバ閾値を下げることを特徴とする付記1に記載の無線LAN移動局。
【0038】
(付記3)
前記ハンドオーバ閾値の上限が設定されている付記1記載の無線LAN移動局。
【0039】
(付記4)
前記ハンドオーバ閾値の下限が設定されている付記2記載の無線LAN移動局。
【0040】
(付記5)
付記1から4のいずれか1に記載の無線LAN移動局と、前記無線LAN移動局と無線通信を行う複数の無線LAN基地局とを備えた無線LANシステム。
【0041】
(付記6)
信号雑音比又は電波強度を測定し、測定した信号雑音比又は電波強度の値と、ハンドオーバの実行基準となるハンドオーバ閾値とを比較し、前記信号雑音比又は電波強度の値が前記ハンドオーバ閾値以下の場合にアクセスポイントの検索を行い、前記ハンドオーバ閾値より大きい信号雑音比又は電波強度の値を有するアクセスポイントにハンドオーバを行うハンドオーバ制御方法において、
ハンドオーバを行ったときに、該ハンドオーバの前後の信号雑音比または電波強度の差を求め、その差が一定レベルよりも大きい場合に前記ハンドオーバ閾値を上げることを特徴とするハンドオーバ制御方法。
【0042】
(付記7)
一定時間内に実行された前記アクセスポイントの検索の回数をカウントし、前記アクセスポイントの検索の回数が一定回数を超えたときに、前記ハンドオーバ閾値を下げることを特徴とする付記6に記載のハンドオーバ制御方法。
【0043】
(付記8)
前記ハンドオーバ閾値の上限が設定されている付記6記載のハンドオーバ制御方法。
【0044】
(付記9)
前記ハンドオーバ閾値の下限が設定されている付記7記載のハンドオーバ制御方法。
【0045】
(付記10)
無線LAN移動局として機能させるコンピュータに、
測定した信号雑音比又は電波強度の値と、ハンドオーバの実行基準となるハンドオーバ閾値とを比較する手順と、
前記信号雑音比又は電波強度の値が前記ハンドオーバ閾値以下の場合にアクセスポイントの検索を行い、前記ハンドオーバ閾値より大きい信号雑音比又は電波強度の値を有するアクセスポイントにハンドオーバを行う手順と、
該ハンドオーバの前後の信号雑音比または電波強度の差を求め、その差が一定レベルよりも大きい場合に前記ハンドオーバ閾値を上げる手順と、
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、携帯電話機、PDA (Personal Digital Assistance)、パーソナルコンピュータ等の無線通信機能を備えた情報機器、この情報機器を有する無線通信システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0047】
501 アンテナ
502 無線LAN基地局
503 通信部
504 電波強度測定部
505 検索カウンタ
506 制御部
507 記憶部
508 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号雑音比又は電波強度を測定する手段と、
測定した信号雑音比又は電波強度の値と、ハンドオーバの実行基準となるハンドオーバ閾値とを比較し、前記信号雑音比又は電波強度の値が前記ハンドオーバ閾値以下の場合にアクセスポイントの検索を行い、前記ハンドオーバ閾値より大きい信号雑音比又は電波強度の値を有するアクセスポイントにハンドオーバを行うハンドオーバ実行手段と、
前記ハンド実行手段によりハンドオーバを行ったときに、該ハンドオーバの前後の信号雑音比または電波強度の差を求め、その差が一定レベルよりも大きい場合に前記ハンドオーバ閾値を上げるハンドオーバ閾値制御手段と、
を有する無線LAN移動局。
【請求項2】
一定時間内に実行された前記アクセスポイントの検索の回数をカウントするカウンタを有し、前記ハンドオーバ閾値制御手段は前記アクセスポイントの検索の回数が一定回数を超えたときに、前記ハンドオーバ閾値を下げることを特徴とする請求項1に記載の無線LAN移動局。
【請求項3】
前記ハンドオーバ閾値の上限が設定されている請求項1記載の無線LAN移動局。
【請求項4】
前記ハンドオーバ閾値の下限が設定されている請求項2記載の無線LAN移動局。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の無線LAN移動局と、前記無線LAN移動局と無線通信を行う複数の無線LAN基地局とを備えた無線LANシステム。
【請求項6】
信号雑音比又は電波強度を測定し、測定した信号雑音比又は電波強度の値と、ハンドオーバの実行基準となるハンドオーバ閾値とを比較し、前記信号雑音比又は電波強度の値が前記ハンドオーバ閾値以下の場合にアクセスポイントの検索を行い、前記ハンドオーバ閾値より大きい信号雑音比又は電波強度の値を有するアクセスポイントにハンドオーバを行うハンドオーバ制御方法において、
ハンドオーバを行ったときに、該ハンドオーバの前後の信号雑音比または電波強度の差を求め、その差が一定レベルよりも大きい場合に前記ハンドオーバ閾値を上げることを特徴とするハンドオーバ制御方法。
【請求項7】
一定時間内に実行された前記アクセスポイントの検索の回数をカウントし、前記アクセスポイントの検索の回数が一定回数を超えたときに、前記ハンドオーバ閾値を下げることを特徴とする請求項6に記載のハンドオーバ制御方法。
【請求項8】
前記ハンドオーバ閾値の上限が設定されている請求項6記載のハンドオーバ制御方法。
【請求項9】
前記ハンドオーバ閾値の下限が設定されている請求項7記載のハンドオーバ制御方法。
【請求項10】
無線LAN移動局として機能させるコンピュータに、
測定した信号雑音比又は電波強度の値と、ハンドオーバの実行基準となるハンドオーバ閾値とを比較する手順と、
前記信号雑音比又は電波強度の値が前記ハンドオーバ閾値以下の場合にアクセスポイントの検索を行い、前記ハンドオーバ閾値より大きい信号雑音比又は電波強度の値を有するアクセスポイントにハンドオーバを行う手順と、
該ハンドオーバの前後の信号雑音比または電波強度の差を求め、その差が一定レベルよりも大きい場合に前記ハンドオーバ閾値を上げる手順と、
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−165046(P2012−165046A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−21641(P2011−21641)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】