説明

無血清馴化したゲノム改変細胞

医薬開発上有用な抗体組成物などの糖蛋白質組成物を生産することが可能な宿主細胞の開発が求められている。本発明は、無血清培地に馴化した、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素のゲノム遺伝子がノックアウトされた細胞および該細胞を用いた糖蛋白質組成物の製造方法を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
無血清培地に馴化した、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素のゲノム遺伝子がノックアウトされた細胞。
【請求項2】
無血清培地に馴化した、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素のゲノム上の対立遺伝子のすべてがノックアウトされた、請求項1に記載の細胞。
【請求項3】
無血清培地に馴化した、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素のゲノム遺伝子の開始コドンを含むエクソン領域の部分が欠失した、請求項1または2に記載の細胞。
【請求項4】
N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素が、α−1,6−フコシルトランスフェラーゼである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項5】
α−1,6−フコシルトランスフェラーゼが、以下の(a)または(b)から選ばれるDNAがコードする蛋白質である、請求項4に記載の細胞。
(a)配列番号1で表される塩基配列からなるDNA;
(b)配列番号1で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつα−1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質をコードするDNA。
【請求項6】
α−1,6−フコシルトランスフェラーゼが、以下の(a)、(b)及び(c)からなる群から選ばれる蛋白質である、請求項4に記載の細胞。
(a)配列番号5で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質;
(b)配列番号5で表されるアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつα−1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質;
(c)配列番号5で表されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつα−1,6−フコシルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質。
【請求項7】
N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位とフコースの1位がα結合した糖鎖構造を認識するレクチンに耐性である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項8】
耐性が、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位とフコースの1位がα結合した糖鎖構造を認識するレクチンを含む培地で培養した場合に、ゲノム遺伝子がノックアウトされる以前の細胞よりも高い生存率を示すことを特徴とする耐性である、請求項7に記載の細胞。
【請求項9】
無血清培地が無蛋白培地である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項10】
糖蛋白質をコードする遺伝子を含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の細胞。
【請求項11】
糖蛋白質が、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位とフコースの1位がα結合した糖鎖構造を有さない糖蛋白質である請求項10に記載の細胞。
【請求項12】
糖蛋白質が、抗体である請求項10または11に記載の細胞。
【請求項13】
抗体のクラスがIgGである、請求項12に記載の細胞。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の細胞を用いることを特徴とする、糖蛋白質組成物を製造する方法。
【請求項15】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の細胞を培地に培養し、培養物中に糖蛋白質組成物を生成蓄積させ、該培養物から糖蛋白質組成物を採取し、精製する工程を含む、糖蛋白質組成物を製造する方法。
【請求項16】
糖蛋白質組成物を製造する方法が、バッチ培養、フェドバッチ培養またはパーフュージョン培養である、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
培養中に、栄養因子および生理活性物質から選ばれる少なくとも一種を培地に添加する、請求項14〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
栄養因子がグルコース、アミノ酸およびビタミンから選ばれる少なくとも一種である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
生理活性物質が、インスリン、インスリン様増殖因子、トランスフェリンおよびアルブミンから選ばれる少なくとも一種である、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
糖蛋白質組成物が、抗体組成物である請求項14〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
細胞密度を1×10〜1×10細胞/mlとなるように馴化培地へ接種することを特徴とする、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素のゲノム遺伝子がノックアウトされた細胞の無血清培地への馴化方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法で細胞を無血清培地に馴化させた後、クローン化することを特徴とする、N−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素のゲノム遺伝子がノックアウトされた細胞株を取得する方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法で得られる、無血清培地に馴化したN−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素のゲノム遺伝子がノックアウトされた細胞。
【請求項24】
請求項22に記載の方法で得られる、無血清培地に馴化したN−グリコシド結合複合型糖鎖還元末端のN−アセチルグルコサミンの6位にフコースの1位がα結合する糖鎖修飾に関与する酵素のゲノム遺伝子がノックアウトされたクローン細胞株。
【請求項25】
無血清培地が無蛋白培地である、請求項21または22に記載の方法。
【請求項26】
無血清培地が無蛋白培地である、請求項23に記載の細胞。
【請求項27】
無血清培地が無蛋白培地である、請求項24に記載のクローン細胞株。

【国際公開番号】WO2005/035740
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【発行日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514667(P2005−514667)
【国際出願番号】PCT/JP2004/015315
【国際出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【出願人】(000001029)協和醗酵工業株式会社 (276)
【Fターム(参考)】