説明

無電解めっき装置

【課題】複数の被めっき物をめっきしつつ、被めっき物に対するめっき液の温度及び所定成分の濃度のばらつきを低減でき、且つ廃液量の削減を図ることが可能な無電解めっき装置を提供すること。
【解決手段】制御装置31は、第1〜第5のめっき槽2,3,4,5,6のうち補給対象となる1つのめっき槽に対応する分析用バルブを開状態に設定するとともに分析用ポンプを駆動し、1つのめっき槽内のニッケルめっき液33を分析部41に供給し、分析部41の分析結果に基づいて1つのめっき槽内のニッケルめっき液33中の所定成分の濃度を所定の濃度にするために加える補給液の供給量を算出し、算出した供給量の補給液を1つのめっき槽に供給する分析補給処理を実行する。制御装置31は、予め定められた補給順序に従って補給対象となるめっき槽を順次変更して分析補給処理を繰り返して実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無電解めっき装置に関する。
【背景技術】
【0002】
めっき槽に収容されためっき液中の所用成分の濃度を自動分析し、その分析結果に基づいてめっき液中の所用成分の濃度が所定濃度以下であることを検知した場合、その濃度を所定濃度に戻すため、補給剤を必要量補給するめっき装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭61−199069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記従来のめっき装置では、1つのめっき槽に複数の被めっき物を入れることにより複数の被めっき物のめっきを同時に行うことができる。しかしながら、1つのめっき槽で複数の被めっき物のめっきを行う場合、個々の被めっき物に対してめっき槽が大きくなってしまう。このため、めっき槽内でめっき液の温度が大きくばらついて、被めっき物の部分毎に成膜速度(めっき速度)や膜厚の差異が生じてしまう可能性がある。
【0005】
また、めっき槽が大きいと使用するめっき液の液量が多くなるので、めっき槽内でめっき液の所用成分の濃度が大きくばらつく可能性がある。このような場合、めっき槽内のめっき液中の所定成分の濃度を精度良く分析することができず、分析結果に基づいて補給剤を補給してもめっき液中の所用成分の濃度が所定の濃度に戻らない可能性が生じる。さらに、使用するめっき液の液量が多い分だけ廃液量が多くなってしまう。
【0006】
そこで、本発明は、複数の被めっき物をめっきしつつ、被めっき物に対するめっき液の温度及び所定成分の濃度のばらつきを低減でき、且つ廃液量の削減を図ることが可能な無電解めっき装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、本発明に係る無電解めっき装置は、複数のめっき槽と、分析手段と、補給液貯留槽と、分析用主管路と、複数の分析用分岐管路と、補給用主管路と、複数の補給用分岐管路と、複数の第1のバルブと、複数の第2のバルブと、第1のポンプと、第2のポンプと、制御手段とを備える。
【0008】
複数のめっき槽は、めっき液を各々が貯留する。分析手段は、めっき液に含まれる所定成分の濃度を分析する。補給液貯留槽は、所定成分を高濃度で含む補給液を貯留する。分析用主管路は、分析手段に接続される。複数の分析用分岐管路は、分析用主管路から分岐して各々のめっき槽に連通する。補給用主管路は、補給液貯留槽に接続される。複数の補給用分岐管路は、補給用主管路から分岐して各々のめっき槽に連通する。複数の第1のバルブは、各々のめっき槽に対応して各々の分析用分岐管路に設けられ、分析用分岐管路をそれぞれ開閉する。複数の第2のバルブは、各々のめっき槽に対応して各々の補給用分岐管路に設けられ、補給用分岐管路をそれぞれ開閉する。第1のポンプは、分析用主管路に設けられている。第2のポンプは、補給用主管路に設けられている。
【0009】
制御手段は、複数のめっき槽のうち補給対象となる1つのめっき槽に対応する第1のバルブを開状態に設定するとともに第1のポンプを駆動し、1つのめっき槽内のめっき液を分析手段に供給し、第1のバルブを閉状態に設定し第1のポンプの駆動を停止するとともに分析手段の分析結果に基づいて1つのめっき槽内のめっき液中の所定成分の濃度を所定の濃度にするために加える補給液の供給量を算出し、1つのめっき槽に対応する第2のバルブを開状態に設定するとともに第2のポンプを駆動して算出した供給量の補給液を1つのめっき槽に供給し、第2のバルブを閉状態に設定するとともに第2のポンプの駆動を停止する分析補給サイクルを実行する。制御手段は、予め定められた補給順序に従って補給対象となるめっき槽を順次変更して分析補給サイクルを繰り返して実行する。
【0010】
上記構成では、複数のめっき槽の各槽内のめっき液に被めっき物をそれぞれ浸すことにより、各めっき槽毎に被めっき物のめっき処理が行われる。各めっき槽でのめっき処理では、めっき液中の所定成分によって被めっき物の表面に被膜が形成され、各めっき槽内のめっき液中の所定成分の濃度がそれぞれ減少する。そして、このめっき処理の最中又はこのめっき処理が終了して次のめっき処理を開始するまでの間に、制御手段が、予め定められた補給順序に従って補給対象となるめっき槽を順次変更して分析補給サイクルを繰り返して実行する。
【0011】
補給対象となる1つのめっき槽に対する分析補給サイクルが開始されると、この補給対象のめっき槽に対応する第1のバルブのみが開状態に設定され、分析手段と補給対象のめっき槽とが分析用分岐管路及び分析用主管路を介して連通する。係る状態で、第1のポンプが駆動され、補給対象のめっき槽内のめっき液が分析用分岐管路に流入し、分岐用主管路を通って分析手段に供給される。このとき、他の第1のバルブは全て閉状態に設定されたままなので、他のめっき槽内のめっき液が分析手段に流れ込むことがない。補給対象のめっき槽内のめっき液が分析手段に供給されると、分析手段では、供給されためっき液の所定成分の濃度が分析される。
【0012】
補給対象のめっき槽内のめっき液中の所定成分の濃度が所定の濃度よりも低い場合、制御手段が、分析結果に基づいて補給対象のめっき槽内のめっき液中の所定成分の濃度を所定の濃度にするために加える補給液の供給量を算出する。一方、補給対象のめっき槽内のめっき液中の所定成分の濃度が所定の濃度以上の場合、制御手段は補給液の供給量の算出を行わず、補給対象のめっき槽に対して補給液を供給しない。すなわち、補給液貯留槽内に貯留された補給液の所定成分の濃度は、所定の濃度よりも高く設定されている。
【0013】
補給液の供給量が算出されると、補給対象のめっき槽に対応する第2のバルブのみが開状態に設定されて、補給液貯留槽と補給対象のめっき槽とが補給用主管路及び補給用分岐管路を介して連通する。係る状態で、第2のポンプが駆動され、上記算出された供給量の補給液が補給液貯留槽から補給用主管路に流入し、補給用分岐管路を通って補給対象のめっき槽内へ供給される。このとき、他の第2のバルブは全て閉状態のままなので、補給液貯留槽からの補給液が他のめっき槽に流れ込むことがない。
【0014】
補給液が補給対象のめっき槽へ供給されると、めっき液中の所定成分の濃度が増加して、補給対象のめっき槽内のめっき液中の所定成分の濃度が所定の濃度に近い濃度となる。
【0015】
従って、補給対象となるめっき槽を順次変更して分析補給サイクルを繰り返して実行することにより、複数のめっき槽内のめっき液中の所定成分の濃度を目標となる所定の濃度に管理しながら、複数の被めっき物にめっき処理を行うことができる。
【0016】
また、複数のめっき槽の全てでめっき処理を実行しない場合には、作業者(操作者)は、めっき処理を実行しないめっき槽を除いて、めっき処理を実行するめっき槽についてのみ補給順序を設定すればよい。
【0017】
また、めっき槽や被めっき物の大きさがそれぞれ異なる等の理由によりめっき槽毎に所定成分の濃度の減少速度に差異が生じる場合には、作業者は、所定成分の濃度の減少速度が高い順に補給順序を設定したり、所定成分の濃度の減少速度が高いめっき槽に対する分析補給サイクルの頻度を、減少速度の低いめっき槽よりも高くなるように設定したりすればよい。
【0018】
さらに、複数の被めっき物を複数のめっき槽に分けてセットできるので、1つのめっき槽に複数の被めっき物をまとめてセットする場合に比べて、個々のめっき槽の大きさを小さくすることができる。これにより、各めっき槽内でめっき液の温度のばらつきが生じ難くなり、各めっき槽内のめっき液の温度が安定するので、各めっき槽内で、被めっき物の部分毎に成膜速度(めっき速度)や膜厚の差異が生じ難くなる。
【0019】
また、上記各めっき槽の大きさを小さくすることにより、各めっき槽内で使用するめっき液の液量を低減することができる。このため、各めっき槽内のめっき液中の所定成分の濃度にばらつきが生じ難くなり、各めっき槽内のめっき液中の所定成分の濃度が安定する。これにより、めっき液中の所定成分の濃度を精度良く分析することができ、分析結果に基づいて補給液を補給した場合において、めっき液中の所定成分の濃度が所定の濃度に極めて近い濃度となる。
【0020】
また、各めっき槽内で使用するめっき液の液量を低減することによって、めっき液の廃液量の削減を図ることができる。
【0021】
さらに、複数のめっき槽に対して、分析手段、補給液貯留槽、第1のポンプ及び第2のポンプをそれぞれ1つ設ければよいので、例えば各めっき槽毎に分析手段、補給液貯留槽、第1のポンプ及び第2のポンプを設ける場合に比べて、装置全体の低コスト化を図ることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、複数の被めっき物をめっきしつつ、被めっき物に対するめっき液の温度及び所定成分の濃度のばらつきを低減でき、且つ廃液量の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態に係るめっき装置を模式的に示す全体図である。
【図2】本実施形態に係るめっき装置のブロック図である。
【図3】分析補給処理を示すフローチャートである。
【図4】分析用液給送処理を示すフローチャートである。
【図5】補給処理を示すフローチャートである。
【図6】ターン数表示処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は本実施形態に係るめっき装置を模式的に示す全体図、図2は本実施形態に係るめっき装置のブロック図、図3は分析補給処理を示すフローチャートである。図4は分析用液給送処理を示すフローチャート、図5は補給処理を示すフローチャート、図6はターン数表示処理を示すフローチャートである。
【0025】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るめっき装置1は、第1のめっき槽2と、第2のめっき槽3と、第3のめっき槽4と、第4のめっき槽5と、第5のめっき槽6と、分析補給装置7と、分析用主配管(分析用主管路)8と、第1の分析用分岐配管(分析用分岐管路)9と、第2の分析用分岐配管(分析用分岐管路)10と、第3の分析用分岐配管(分析用分岐管路)11と、第4の分析用分岐配管(分析用分岐管路)12と、第5の分析用分岐配管(分析用分岐管路)13と、補給用主配管(補給用主管路)14と、第1の補給用分岐配管(補給用分岐管路)15と、第2の補給用分岐配管(補給用分岐管路)16と、第3の補給用分岐配管(補給用分岐管路)17と、第4の補給用分岐配管(補給用分岐管路)18と、第5の補給用分岐配管(補給用分岐管路)19と、第1の分析用バルブ(第1のバルブ)20と、第2の分析用バルブ(第1のバルブ)21と、第3の分析用バルブ(第1のバルブ)22と、第4の分析用バルブ(第1のバルブ)23と、第5の分析用バルブ(第1のバルブ)24と、第1の補給用バルブ(第2のバルブ)25と、第2の補給用バルブ(第2のバルブ)26と、第3の補給用バルブ(第2のバルブ)27と、第4の補給用バルブ(第2のバルブ)28と、第5の補給用バルブ(第2のバルブ)29と、分析用ポンプ(第2のポンプ)30と、制御装置(制御手段)31等を備えている。
【0026】
第1〜第5のめっき槽2,3,4,5,6は、有底円筒形状の容器であって略同一の大きさに設定されている。この第1〜第5のめっき槽2,3,4,5,6には、複数(例えば5つ)の被めっき物32が個別にセットされる。また、第1〜第5のめっき槽2,3,4,5,6は、略同一量のニッケルめっき液33をそれぞれが貯留している。この第1〜第5のめっき槽2,3,4,5,6に貯留されたニッケルめっき液33は、所定成分(ニッケル、アルカリ(例えば水酸化ナトリウム)及び還元剤(例えば次亜リン酸塩)等)を含んでおり、ニッケルめっき液33中の所定成分の濃度は、被めっき物32のめっきに適した所定の濃度に設定されている。また、第1〜第5のめっき槽2,3,4,5,6には、第1〜第5の攪拌部34,35,36,37,38がそれぞれ設けられている。第1〜第5の攪拌部34,35,36,37,38は、第1〜第5の攪拌用配管34a,35a,36a,37a,38aと第1〜第5の攪拌用ポンプ34b,35b,36b,37b,38bとをそれぞれ有している。なお、第2〜第5の攪拌部35,36,37,38は、第1の攪拌部34と略同一の構成であるため、第1の攪拌部34の構成について説明し、第2〜第5の攪拌部35,36,37,38の構成についてはその説明を省略する。
【0027】
第1の攪拌用配管34aは、第1のめっき槽2の外側面に沿って上下に延びて第1のめっき槽2の上部と下部とを連通している。第1の攪拌用ポンプ34bは、第1の攪拌用配管34aにそれぞれ設けられている。第1の攪拌用ポンプ34bは、第1の攪拌用配管34aを介して第1のめっき槽2内の下部のニッケルめっき液33を第1のめっき槽2内の上部へ汲み上げ、第1のめっき槽2内のニッケルめっき液33を攪拌する。
【0028】
このように構成された第1〜第5の攪拌用ポンプ34b,35b,36b,37b,38bは、後述する制御装置31からのめっき開始信号を受信することにより作動し、制御装置31からめっき終了信号を受信するまで、第1〜第5のめっき槽2,3,4,5,6内のニッケルめっき液33をそれぞれ攪拌する。
【0029】
分析補給装置7は、補給液貯留槽39と補給用ポンプ(第2のポンプ)40と分析部(分析手段)41等を有している。
【0030】
補給液貯留槽39には、所定成分を含む補給液が貯留されている。この補給液貯留槽39に貯留された補給液の所定成分の濃度は、第1〜第5のめっき槽2,3,4,5,6に貯留されたニッケルめっき液33の所定成分のめっき開始時の濃度よりも高く設定されている。
【0031】
補給用ポンプ40は、補給用主配管14に設けられている。補給用ポンプ40は、後述する制御装置31からの駆動開始信号に基づいて、補給液貯留槽39内の補給液を第1〜第5のめっき槽2,3,4,5,6側に給送する。
【0032】
分析部41は、分析用主配管8から供給されたニッケルめっき液33を一時的に貯留してニッケルめっき液33の所定成分の濃度を分析する。また、分析部41は、ニッケルめっき液33の所定成分の濃度の分析が終了したときに、貯留したニッケルめっき液33を廃棄するとともに、後述する制御装置31に分析結果を送信する。
【0033】
分析用主配管8は、一端部が分析部41に接続されている。第1〜第5の分析用分岐配管9,10,11,12,13は、各一端部が分析用主配管8の他端部に連通している。また、第1の分析用分岐配管9の他端部は第1のめっき槽2に連通し、第2の分析用分岐配管10の他端部は第2のめっき槽3に連通し、第3の分析用分岐配管11の他端部は第3のめっき槽4に連通し、第4の分析用分岐配管12の他端部は第4のめっき槽5に連通し、第5の分析用分岐配管13の他端部は第5のめっき槽6に連通している。
【0034】
補給用主配管14は、一端部が補給液貯留槽39に接続されている。第1〜第5の補給用分岐配管15,16,17,18,19は、各一端が補給用主配管14の他端部に接続されている。また、第1の補給用分岐配管15の他端部は第1のめっき槽2に連通し、第2の補給用分岐配管16の他端部は第2のめっき槽3に連通し、第3の補給用分岐配管17の他端部は第3のめっき槽4に連通し、第4の補給用分岐配管18の他端部は第4のめっき槽5に連通し、第5の補給用分岐配管19は第5のめっき槽6に連通している。
【0035】
第1の分析用バルブ20は、第1の分析用分岐配管9に設けられている。第1の分析用バルブ20は、後述する制御装置31からの制御信号に基づいて第1の分析用分岐配管9を開閉制御する。同様に、第2の分析用バルブ21は第2の分析用分岐配管10に設けられて、第2の分析用分岐配管10を開閉制御し、第3の分析用バルブ22は第3の分析用分岐配管11に設けられて、第3の分析用分岐配管11を開閉制御する。第4の分析用バルブ23は第4の分析用分岐配管12に設けられて、第4の分析用分岐配管12を開閉制御し、第5の分析用バルブ24は第5の分析用分岐配管13に設けられて、第5の分析用分岐配管13を開閉制御する。なお、第1〜第5の分析用バルブ20,21,22,23,24は、めっき開始時において全て閉状態に設定されている。
【0036】
第1の補給用バルブ25は、第1の補給用分岐配管15に設けられている。第1の補給用バルブ25は、後述する制御装置31からの制御信号に基づいて第1の補給用分岐配管15を開閉制御する。同様に、第2の補給用バルブ26は第2の補給用分岐配管16に設けられて、第2の補給用分岐配管16を開閉制御し、第3の分析用バルブ27は第3の補給用分岐配管17に設けられて、第3の補給用分岐配管17を開閉制御する。第4の補給用バルブ28は第4の補給用分岐配管18に設けられて、第4の補給用分岐配管18を開閉制御し、第5の補給用バルブ29は第5の補給用分岐配管19に設けられて、第5の補給用分岐配管19を開閉制御する。なお、第1〜第5の補給用バルブ25,26,27,28,29は、めっき開始時において全て閉状態に設定されている。
【0037】
分析用ポンプ30は、分析用主配管8に設けられている。分析用ポンプ30は、後述する制御装置31からの駆動開始信号に基づいて、第1〜第5のめっき槽2,3,4,5,6側から分析部41側にニッケルめっき液33を給送する。
【0038】
制御装置31は、記憶部43と表示部44と入力部45と制御部46とタイマ47等を有している。制御装置31には、分析部41からの分析結果が入力する。
【0039】
記憶部43には、めっき開始時における第1〜第5のめっき槽2,3,4,5,6のそれぞれのニッケルめっき液33の液量情報及び所定成分の濃度情報と、補給液の所定成分の濃度(以下、補給液情報と称する)等が予め記憶されている。また、記憶部43には、制御部46からの補給順序情報と、最新のニッケルめっき液33の液量と、分析部41からの分析結果とを順次記憶する記憶領域がそれぞれ設けられている。表示部44は、表示画面を有し、後述する制御部46からの制御信号に基づいて、第1〜第5のめっき槽2,3,4,5,6のそれぞれのニッケルめっき液33に関する情報を表示する。入力部45は、作業者からめっき処理に使用するめっき槽の設定と使用するめっき槽の補給順序との指示入力を受ける。
【0040】
制御部46は、第1〜第5の攪拌部34,35,36,37,38に対してそれぞれ駆動開始信号及び駆動停止信号を出力する。また、制御部46は、分析用ポンプ30に対して駆動開始信号及び駆動停止信号を出力するとともに、補給用ポンプ40に対して駆動開始信号及び駆動停止信号を出力し、第1〜第5の分析用バルブ20,21,22,23,24のうち補給対象となるめっき槽に対応した1つの分析用バルブに対して開信号及び閉信号を出力するとともに、第1〜第5の補給用バルブ25,26,27,28,29のうち補給対象となるめっき槽に対応した1つの補給用バルブに対して開信号及び閉信号を出力する。
【0041】
また、制御部46は、入力部45からの指示入力に応じて、第1〜第5のめっき槽2,3,4,5,6の中からめっき処理に使用するめっき槽と、このめっき処理に使用するめっき槽の補給順序とを設定し、これらの補給順序情報を記憶部に出力する。
【0042】
制御部46は、第1〜第5の分析用バルブ20,21,22,23,24のうち補給対象となるめっき槽に対応した1つの分析用バルブを開制御するとともに、分析用ポンプ30を所定時間だけ駆動制御して補給対象のめっき槽内のニッケルめっき液33を所定量だけ分析部41へ供給する。制御部46は、分析部41へニッケルめっき液33を供給すると、補給対象のめっき槽の最新のニッケルめっき液33の液量を記憶部43から読み出して、この読み出した最新のニッケルめっき液33の液量から分析部41への供給量を減算して、最新のニッケルめっき液の液量33を更新する。
【0043】
また、制御部46は、記憶部43に記憶された最新のニッケルめっき液33の液量と補給液情報とを読み出し、この最新のニッケルめっき液33の液量と補給液情報と分析部41からの分析結果とに基づいて、補給対象となるめっき槽内のニッケルめっき液33中の所定成分の濃度を所定の濃度にするために必要な補給液の供給量を算出する。また、制御部46は、補給液の供給量を算出すると、第1〜第5の補給用バルブ25,26,27,28,29のうち補給対象となるめっき槽に対応した補給用バルブを開制御するとともに補給用ポンプを所定時間だけ駆動制御して、補給液貯留槽39内の補給液を、算出した供給量だけ補給対象のめっき槽に供給する。また、制御部46は、最新のニッケルめっき液33の液量を記憶部43から読み出して、この読み出した最新のニッケルめっき液33の液量に供給した補給液の供給量を加算して、最新のニッケルめっき液33の液量を更新する。
【0044】
また、制御部46は、補給対象のめっき槽に補給液を供給すると、補給液の供給量に基づいて、補給対象のめっき槽内のニッケルめっき液33の所定成分(例えばニッケル)の消費量を算出し、積算して記憶部43に記憶する。また、補給対象のめっき槽の現在の液量情報及び所定成分の濃度情報と、このめっき槽内での現在の所定成分の消費量の積算値を記憶部43から読み出し、この読み出した情報に基づいてターン数を算出し、算出したターン数を、表示部44に表示する。このターン数とは、作業者が、ニッケルめっき液33の使用状態(ニッケルめっき液33の寿命)を確認するための値であり、各めっき槽内において、所定成分の消費量がめっき開始時点での所定成分の量と同じ値となったときに1ターンとなる。一般に、無電解めっきでは、めっきを行うことにより所定成分中の還元剤が酸化して酸化物としてめっき槽内に蓄積し、この酸化物の蓄積量が多くなると、めっきの品質等に悪影響を与えてしまうため、めっき槽内のニッケルめっき液33のターン数が所定のターン数(例えば5ターン)となったときに、めっき槽内のニッケルめっき液33を新しいニッケルめっき液に交換することが好ましい。
【0045】
タイマ47は、制御部46が分析用ポンプ30を駆動させたときに時間の積算を開始する。また、このタイマ47による時間の積算は、制御部46が補給用ポンプ40に対して駆動停止信号を出力したときにリセットされる。
【0046】
次に、作業者が行う操作について説明する。なお、以下では、略同一形状の5つの被めっき物32のめっき処理を行う場合について説明する。
【0047】
作業者は、入力部45を操作して、めっき処理に使用するめっき槽として第1〜第5のめっき槽2,3,4,5,6を設定するとともに、1番目に第1のめっき槽2、2番目に第2のめっき槽3、3番目に第3のめっき槽4、4番目に第4のめっき槽5、最後に第5のめっき槽6として補給順序を設定する。使用するめっき槽及びこのめっき槽の補給順序の設定が終了した作業者は、めっき処理を行う5つの被めっき物32を第1〜第5のめっき槽2,3,4,5,6に個別にセットして、各被めっき物32の各被めっき部位32aを第1〜第5のめっき槽2,3,4,5,6内のニッケルめっき液33に浸すとともに、特に図示していないめっき開始スイッチをONにする。これにより、5つの被めっき物32のめっき処理が開始されるとともに、制御装置31が、上記設定した補給順序に従って補給対象となるめっき槽を順次変更して分析補給処理を繰り返して実行する。
【0048】
次に、制御装置31が実行する分析補給処理を図3に基づいて説明する。なお、分析補給処理は、めっき開始スイッチがONにされることにより開始され、制御装置31は、めっき開始スイッチがOFFにされるまで分析補給処理を繰り返して実行する。
【0049】
本処理を開始すると、補給順序情報を記憶部43から読み出し(ステップS1)、めっき処理に使用する第1〜第5のめっき槽2,3,4,5,6に対応するの第1〜第5の攪拌用ポンプ34,35,36,37,38に対して駆動開始信号を出力し(ステップS2)、分析用液給送処理を実行する(ステップS3)。
【0050】
図4に示すように、分析用液給送処理では、補給順序が1番目となっている第1のめっき槽2に対応する第1の分析用バルブ20に開信号を出力するとともに(ステップS31)、分析用ポンプ30に駆動開始信号を出力して分析用ポンプ30を所定時間駆動させ(ステップS32)、タイマ47を作動させる(ステップS33)。これにより、第1のめっき槽2と分析部41とが、第1の分析用分岐配管9と分析用主配管8とを介して連通し、第1のめっき槽2内のニッケルめっき液33が分析部41に供給される。そして、分析用ポンプ30に駆動停止信号を出力し(ステップS34)、第1の分析用バルブ20に閉信号を出力し(ステップS35)、分析液給送処理を終了する。これにより、第1のめっき槽2内のニッケルめっき液33が所定の量だけ分析部41に供給され、分析部41においてニッケルめっき液33の所定成分の濃度が分析される。
【0051】
次に、分析部41から分析結果を受信すると、補給処理を実行する(ステップS4)。
【0052】
図5に示すように、補給処理では、受信した分析結果を記憶部43から読み出し(ステップS41)、第1のめっき槽2内のニッケルめっき液33中の所定成分の濃度が所定の濃度未満であるか否かを判定する(ステップS42)。第1のめっき槽2内のニッケルめっき液33中の所定成分の濃度が所定の濃度未満であると判定すると(ステップS42:Yes)、記憶部43に記憶された最新のニッケルめっき液33の液量と補給液情報とを読み出し、分析部41からの分析結果と読み出した最新のニッケルめっき液33の液量と補給液情報とに基づいて、第1のめっき槽2内のニッケルめっき液33中の所定成分の濃度を所定の濃度にするために必要な補給液の供給量を算出する(ステップS43)。補給液の供給量を算出すると、第1のめっき槽2に対応する第1の補給用バルブ25に開信号を出力し(ステップS44)、補給用ポンプ40に駆動開始信号を出力して補給ポンプ40を所定時間だけ駆動させる(ステップS45)。そして、補給用ポンプ40に駆動停止信号を出力し(ステップS46)、第1の補給用バルブ25に閉信号を出力する(ステップS47)。これにより、補給液貯留槽39内の補給液が、算出した供給量だけ第1のめっき槽2に供給される。第1のめっき槽2に補給液を供給すると、最新のニッケルめっき液33の液量を記憶部43から読み出し、この読み出した最新のニッケルめっき液33の液量に供給した補給液の供給量を加算して最新のニッケルめっき液33の液量を更新し(ステップS48)、第1の補給処理を終了する。
【0053】
第1の補給処理が終了すると、第1のターン数表示処理を実行する(ステップS5)。
【0054】
図6に示すように、第1のターン数表示処理では、補給液の供給量に基づいて、第1のめっき槽2内のニッケルめっき液33の所定成分の消費量を算出し(ステップS51)、積算して記憶部43に記憶する。そして、現在の所定成分の消費量の積算値と、第1のめっき槽2の現在の液量情報及び所定成分の濃度情報とを記憶部43から読み出して、ターン数を算出し(ステップS52)、算出したターン数を表示部44の表示画面に表示し(ステップS53)、第1のターン数表示処理を終了する。
【0055】
第1のターン数表示処理が終了すると、タイマ47の積算時間が所定時間(例えば5分)を経過したか否かを判定し(ステップS6)、タイマ47の積算時間が所定時間を経過したと判定した場合には(ステップS6:Yes)、現在補給対象となっているめっき槽の補給順序が最後であるか否かを判定する(ステップS7)。第1のめっき槽2は補給順序が1番目であるため、最後のめっき槽ではないと判定され(ステップS7:No)、ステップS10へ進む。
【0056】
ステップS10では、めっき開始スイッチからのOFF信号が入力したか否かを判定し(ステップS10)、めっき開始スイッチからのOFF信号が入力していないと判定した場合には(ステップS10:No)、補給順序を1つ繰り上げて補給対象を次順(2番目)の第2のめっき槽3に変更し(ステップS11)、ステップS2へ戻る。これにより、補給順序が2番目の第2のめっき槽3に対して、上記分析液給送処理、補給処理及びターン数表示処理が実行される。そして、補給順序が2番目以後の第3のめっき槽4、第4のめっき槽5及び第5のめっき槽6に対しても上記分析液給送処理、補給処理及びターン数表示処理が同様に実行される。
【0057】
第5のめっき槽に対して上記分析液給送処理、補給処理及びターン数表示処理が実行され、ステップS6においてタイマ47の積算時間が所定時間を経過したと判定されると(ステップS6:Yes)、ステップ7において、現在補給対象となっているめっき槽の補給順序が最後であると判定され(ステップS7:Yes)、ステップS8へ進む。ステップS8では、めっき開始スイッチからのOFF信号が入力したか否かを判定し(ステップS8)、めっき開始スイッチからのOFF信号が入力していないと判定した場合には(ステップS8:No)、補給対象のめっき槽を1番目の第1のめっき槽2に変更して(ステップS9)、ステップS2へ戻る。
【0058】
なお、ステップS10においてめっき開始スイッチからのOFF信号が入力したと判定した場合(ステップS10:Yes)及びステップS8においてめっき開始スイッチからのOFF信号が入力したと判定した場合には(ステップS8:Yes)、めっき処理を終了するため本処理を終了する。
【0059】
また、ステップS42において、補給対象のめっき槽内のニッケルめっき液33中の所定成分の濃度が所定の濃度未満ではないと判定した場合には(ステップS42:No)、ステップS43からステップS48の処理を実行せずに、補給処理を終了する。
【0060】
本実施形態によれば、第1〜第5のめっき槽2,3,4,5,6の各槽内のニッケルめっき液33に被めっき物32をそれぞれ浸すことにより、各めっき槽2,3,4,5,6毎に被めっき物32のめっき処理が行われる。各めっき槽2,3,4,5,6でのめっき処理では、ニッケルめっき液33中の所定成分によって被めっき物32の表面に被膜が形成され、各めっき槽2,3,4,5,6内のニッケルめっき液33中の所定成分の濃度がそれぞれ減少する。そして、このめっき処理の最中又はこのめっき処理が終了して次のめっき処理を開始するまでの間に、制御装置31が、予め定められた補給順序に従って補給対象となるめっき槽を順次変更して分析補給処理を繰り返して実行する。
【0061】
補給対象となる1つのめっき槽に対する分析補給処理が開始されると、この補給対象のめっき槽に対応する分析用バルブのみが開状態に設定され、分析部41と補給対象のめっき槽とが分析用分岐配管及び分析用主配管8を介して連通する。係る状態で、分析用ポンプ30が駆動され、補給対象のめっき槽内のニッケルめっき液33が分析用分岐配管に流入し、分岐用主配管8を通って分析部41に供給される。このとき、他の分析用バルブは全て閉状態に設定されたままなので、他のめっき槽内のニッケルめっき液33が分析部41に流れ込むことがない。補給対象のめっき槽内のめっき液が分析部41に供給されると、分析部41では、供給されたニッケルめっき液33の所定成分の濃度が分析される。
【0062】
補給対象のめっき槽内のニッケルめっき液33中の所定成分の濃度が所定の濃度よりも低い場合、制御装置31が、分析結果に基づいて補給対象のめっき槽内のニッケルめっき液33中の所定成分の濃度を所定の濃度にするために加える補給液の供給量を算出する。一方、補給対象のめっき槽内のニッケルめっき液33中の所定成分の濃度が所定の濃度以上の場合、制御装置31は補給液の供給量の算出を行わず、補給対象のめっき槽に対して補給液を供給しない。すなわち、補給液貯留槽39内に貯留された補給液の所定成分の濃度は、所定の濃度よりも高く設定されている。
【0063】
補給液の供給量が算出されると、補給対象のめっき槽に対応する補給用バルブのみが開状態に設定されて、補給液貯留槽39と補給対象のめっき槽とが補給用主配管14及び補給用分岐配管を介して連通する。係る状態で、補給用ポンプ40が駆動され、上記算出された供給量の補給液が補給液貯留槽39から補給用主配管14に流入し、補給用分岐配管を通って補給対象のめっき槽内へ供給される。このとき、他の補給用バルブは全て閉状態のままなので、補給液貯留槽39からの補給液が他のめっき槽に流れ込むことがない。
【0064】
補給液が補給対象のめっき槽へ供給されると、ニッケルめっき液33中の所定成分の濃度が増加して、補給対象のめっき槽内のニッケルめっき液33中の所定成分の濃度が所定の濃度に近い濃度となる。
【0065】
従って、補給対象となるめっき槽を順次変更して分析補給処理を繰り返して実行することにより、第1〜第5のめっき槽2,3,4,5,6内のニッケルめっき液33中の所定成分の濃度を目標となる所定の濃度に管理しながら、第1〜第5の被めっき物32にめっき処理を行うことができる。
【0066】
また、第1〜第5のめっき槽2,3,4,5,6の全てでめっき処理を実行しない場合には、作業者は、めっき処理を実行しないめっき槽を除いてめっき処理を実行するめっき槽についてのみ補給順序を設定すればよい。
【0067】
また、めっき槽や被めっき物の大きさがそれぞれ異なる等の理由によりめっき槽毎に所定成分の濃度の減少速度に差異が生じる場合には、作業者は、所定成分の濃度の減少速度が高い順に補給順序を設定したり、所定成分の濃度の減少速度が高いめっき槽に対する分析補給処理の頻度を、減少速度の低いめっき槽よりも高くなるように設定したりすればよい。
【0068】
さらに、第1〜第5の被めっき物32を第1〜第5のめっき槽2,3,4,5,6に分けてセットできるので、1つのめっき槽に第1〜第5の被めっき物32をまとめてセットする場合に比べて、個々のめっき槽の大きさを小さくすることができる。これにより、各めっき槽2,3,4,5,6内でニッケルめっき液33の温度のばらつきが生じ難くなり、各めっき槽2,3,4,5,6内のニッケルめっき液33の温度が安定するので、各めっき槽2,3,4,5,6内で、被めっき物32の部分毎に成膜速度(めっき速度)や膜厚の差異が生じ難くなる。
【0069】
また、上記各めっき槽の大きさを小さくすることにより、各めっき槽2,3,4,5,6内で使用するニッケルめっき液33の液量を低減することができる。このため、各めっき槽2,3,4,5,6内のニッケルめっき液33中の所定成分の濃度にばらつきが生じ難くなり、各めっき槽2,3,4,5,6内のニッケルめっき液33中の所定成分の濃度が安定する。これにより、ニッケルめっき液33中の所定成分の濃度を精度良く分析することができ、分析結果に基づいて補給液を補給した場合において、ニッケルめっき液33中の所定成分の濃度が所定の濃度に極めて近い濃度となる。
【0070】
また、各めっき槽2,3,4,5,6内で使用するニッケルめっき液33の液量を低減することによって、ニッケルめっき液33の廃液量の削減を図ることができる。
【0071】
さらに、第1〜第5のめっき槽2,3,4,5,6に対して、分析補給装置7及び分析用ポンプ30をそれぞれ1つ設ければよいので、例えば各めっき槽2,3,4,5,6毎に分析補給装置7及び分析用ポンプ30を設ける場合に比べて、めっき装置1全体の低コスト化を図ることができる。
【0072】
なお、本実施形態では、複数のめっき槽が略同一の大きさに設定されている場合を説明したが、各めっき槽毎に異なる大きさに設定されていてもよい。
【0073】
また、第1〜第5のめっき槽2,3,4,5,6の全てでめっき処理を行う場合を説明したが、例えば、第1〜第3のめっき槽2,3,4のみを使用してめっき処理を行ってもよい。
【0074】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、めっき液に含まれる所定成分の濃度を分析する分析手段を備えためっき装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0076】
2 第1のめっき槽
3 第2のめっき槽
4 第3のめっき槽
5 第4のめっき槽
6 第5のめっき槽
8 分析用主配管(分析用主管路)
9 第1の分析用分岐配管(分析用分岐管路)
10 第2の分析用分岐配管(分析用分岐管路)
11 第3の分析用分岐配管(分析用分岐管路)
12 第4の分析用分岐配管(分析用分岐管路)
13 第5の分析用分岐配管(分析用分岐管路)
14 補給用主配管(補給用主管路)
15 第1の補給用分岐配管(補給用分岐管路)
16 第2の補給用分岐配管(補給用分岐管路)
17 第3の補給用分岐配管(補給用分岐管路)
18 第4の補給用分岐配管(補給用分岐管路)
19 第5の補給用分岐配管(補給用分岐管路)
20 第1の分析用バルブ(第1のバルブ)
21 第2の分析用バルブ(第1のバルブ)
22 第3の分析用バルブ(第1のバルブ)
23 第4の分析用バルブ(第1のバルブ)
24 第5の分析用バルブ(第1のバルブ)
25 第1の補給用バルブ(第2のバルブ)
26 第2の補給用バルブ(第2のバルブ)
27 第3の補給用バルブ(第2のバルブ)
28 第4の補給用バルブ(第2のバルブ)
29 第5の補給用バルブ(第2のバルブ)
30 分析用ポンプ(第1のポンプ)
31 制御装置(制御手段)
39 補給液貯留槽
40 補給用ポンプ(第2のポンプ)
41 分析部(分析手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
めっき液を各々が貯留する複数のめっき槽と、
めっき液に含まれる所定成分の濃度を分析する分析手段と、
前記所定成分を高濃度で含む補給液を貯留する補給液貯留槽と、
前記分析手段に接続される分析用主管路と、
前記分析用主管路から分岐して前記各々のめっき槽に連通する複数の分析用分岐管路と、
前記補給液貯留槽に接続される補給用主管路と、
前記補給用主管路から分岐して前記各々のめっき槽に連通する複数の補給用分岐管路と、
前記各々のめっき槽に対応して前記各々の分析用分岐管路に設けられ、該分析用分岐管路をそれぞれ開閉する複数の第1のバルブと、
前記各々のめっき槽に対応して前記各々の補給用分岐管路に設けられ、該補給用分岐管路をそれぞれ開閉する複数の第2のバルブと、
前記分析用主管路に設けられた第1のポンプと、
前記補給用主管路に設けられた第2のポンプと、
前記複数のめっき槽のうち補給対象となる1つのめっき槽に対応する第1のバルブを開状態に設定するとともに前記第1のポンプを駆動し、前記1つのめっき槽内のめっき液を前記分析手段に供給し、前記第1のバルブを閉状態に設定し前記第1のポンプの駆動を停止するとともに前記分析手段の分析結果に基づいて前記1つのめっき槽内のめっき液中の前記所定成分の濃度を所定の濃度にするために加える前記補給液の供給量を算出し、前記1つのめっき槽に対応する第2のバルブを開状態に設定するとともに前記第2のポンプを駆動して前記算出した供給量の前記補給液を前記1つのめっき槽に供給し、前記第2のバルブを閉状態に設定するとともに前記第2のポンプの駆動を停止する分析補給サイクルを実行する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、予め定められた補給順序に従って前記補給対象となるめっき槽を順次変更して前記分析補給サイクルを繰り返して実行する
ことを特徴とする無電解めっき装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−38177(P2011−38177A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−189014(P2009−189014)
【出願日】平成21年8月18日(2009.8.18)
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】