説明

無黄変軟質ポリウレタンフォーム

【課題】反応性に優れ、湿潤時に膨潤することのない、紫外線や窒素ガスに起因する黄変が抑制された軟質ポリウレタンフォームを提供すること。
【解決手段】ポリオキシアルキレンポリオールであって、ポリオキシアルキレンポリオールを100重量%とした場合のオキシエチレン単位の含有量が21重量%以下であるポリオール(A)と、ポリオキシアルキレンポリオールであって、ポリオキシアルキレンポリオールを100重量%とした場合のオキシエチレン単位の含有量が30重量%以上であるポリオール(B)とを含んでなるポリオール成分を用いて無黄変軟質ポリウレタンフォームを成形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無黄変軟質ポリウレタンフォームに関する。詳細には、紫外線や窒素酸化物や熱の作用に起因する黄変がほとんどなく、かつ機械的物性や発泡安定性に優れ、湿潤時における膨潤の少ない無黄変軟質ポリウレタンフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
軟質ポリウレタンフォームは軽量であって、且つ優れたゴム状弾性を有し、触感や保温性にも優れるため、広く使用されている。ブラジャーパット、肩パット等の衣料製品、紙おむつ、ナプキン等のサニタリー製品、パフ材等の化粧用製品等の美感や清潔感が要求されるものについては、上記特性に加えて紫外線等による変色のない軟質ポリウレタンフォームが求められている。
【0003】
従来、軟質ポリウレタンフォームは、ポリオールとポリイソシアネートとを、発泡剤、整泡剤、触媒等の存在下に反応させることによって製造されてきた。ポリイソシアネートとして、トルエンジイソシアネート(以下、「TDI」ともいう)のような芳香族系ポリイソシアネートは、反応をコントロールしやすく、発泡安定性やクッション性に優れる軟質ポリウレタンフォームが得られやすいばかりでなく、安価であるため一般的に用いられている。しかしながら、TDIのような芳香族系ポリイソシアネートを用いて得られる軟質ポリウレタンフォームは、紫外線等の影響を受け、時間の経過とともに黄色に変色してしまう問題があった。
【0004】
このような紫外線による変色を防止する手段として、芳香族系ポリイソシアネートに代えて脂肪族又は脂環式ポリイソシアネートを使用した紫外線等による色調変化を受け難い軟質ポリウレタンフォームが提案されている。
【0005】
しかしながら、脂肪族又は脂環式ポリイソシアネートは、芳香族系ポリイソシアネートに比べて反応性が低いため重合に時間がかかり生産性に劣る。また、十分な発泡が得られなかったり、全体的に均一な反応が達成されなかったりして性状が均一な製品を得られず、さらに圧縮残留歪みも極めて大きい等の発泡安定性の問題を抱えている。
【0006】
脂肪族又は脂環式ポリイソシアネートの反応性を補うためには、オキシエチレン単位の含有率の大きいポリオール成分の使用が有効である。しかしながら、反応性については改善されるものの、得られる軟質ポリウレタンフォームは湿潤時に膨潤や劣化等の他の問題が起きることがある。例えば、上記ポリオール成分を使用した軟質ポリウレタンフォームを衣料用に用いた場合、洗濯を繰り返すことにより強度が低下し、軟質ポリウレタンフォームが徐々に破れてしまう等の問題がある。また、洗濯の繰り返しにより軟質ポリウレタンフォームが膨潤し、乾燥後も膨潤が回復せず、しわが残る等の問題もある。
【0007】
特許文献1には、オキシエチレン単位の含有量が18%以下のポリオール成分を用いて膨潤率の小さい紫外線変色性のないポリウレタンフォームが開示されているが、反応性や発泡安定性に優れず、実生産にはそぐわない。
【0008】
また、上述の反応性の問題を解決する他の方策として、例えば特許文献2のようにN−C=N結合を含む触媒およびカルボン酸の金属塩、イソシアネート成分として、IPDIに対して脂肪族/又は脂環族ポリイソシアネートの三量体を混合したものを使用する方法(例えば特許文献2を参照)が開示されている。しかしながら、重合と泡化反応のバランスが確保し難く、極端に反応が遅く若しくは速くなってしてしまい、生産性に欠けたりフォームとして必要な機械的物性に劣ったりする問題があった。
【特許文献1】特開平9−71627号公報
【特許文献2】特開昭50−64389号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はこれらの欠点に鑑み、反応性に優れ、湿潤時に膨潤することのない、紫外線や窒素ガスに起因する黄変が抑制された軟質ポリウレタンフォームを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するために種々検討を重ねた結果、ポリオール成分として特定の2種類のポリオールを用いることにより、反応性に優れかつ湿潤時に膨潤することが少ない、紫外線や窒素ガスに起因する黄変が抑制された軟質ポリウレタンフォームが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)少なくともポリオール成分、脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート成分、整泡剤、触媒、発泡剤とを含むポリウレタンフォーム原料を発泡させてなる無黄変軟質ポリウレタンフォームであって、ポリオール成分は、ポリオキシアルキレンポリオールであって、ポリオキシアルキレンポリオールを100重量%とした場合のオキシエチレン単位の含有量が21重量%以下であるポリオール(A)と、ポリオキシアルキレンポリオールであって、ポリオキシアルキレンポリオールを100重量%とした場合のオキシエチレン単位の含有量が30重量%以上であるポリオール(B)とを含んでなることを特徴とする無黄変軟質ポリウレタンフォーム。
(2)上記ポリオール成分の含有比率(重量%)が、ポリオール(A)/ポリオール(B)=95〜70/5〜30であることを特徴とする(1)に記載の無黄変軟質ポリウレタンフォーム。
【発明の効果】
【0012】
本発明の無黄変軟質ポリウレタンフォームによれば、紫外線や窒素ガスに起因するフォームの黄変を抑制することができ、TDIのような汎用のポリイソシアネートを用いて成形する場合と同様にフォームとして必要な機械的物性(圧縮残留歪み性等)を有し、性状が均一な軟質ポリウレタンフォームを生産性良く得ることができる。さらに、得られたフォームは湿潤時に膨潤することが少ないため衣料用としての使用に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下本発明を詳細に説明する。本発明に係る無黄変軟質ポリウレタンフォームは、ポリオール成分、脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート成分、整泡剤、触媒、発泡剤およびその他添加剤とを用いて発泡、硬化させて得られる。以下まず無黄変軟質ポリウレタンフォームを製造する際に用いられる各成分について説明する。
【0014】
〔ポリオール成分〕
本発明において使用されるポリオール成分は、ポリオキシアルキレンポリオールであって、ポリオキシアルキレンポリオールを100重量%とした場合にオキシエチレン単位の含有量が21重量%以下であるポリオール(A)と、ポリオキシアルキレンポリオールであって、ポリオキシアルキレンポリオールを100重量%とした場合にオキシエチレン単位の含有量が30重量%以上であるポリオール(B)とを含んでなる。なお、ポリオキシアルキレンポリオールは、通常、オキシプロピレン単位とオキシエチレン単位とからなるものである。本願で言うオキシエチレン単位は、分子鎖中および分子鎖末端の存在しても差し支えない。
【0015】
上記ポリオール(A)は、ポリオキシアルキレンポリオールを100重量%とした場合にオキシエチレン単位の含有量が21重量%以下であるポリオールであり、特に水酸基価が20〜60、分子量が3000〜7000であるものが好ましく用いられる。ポリオール(A)はオキシエチレン単位の含有量が小さいため、得られるポリウレタンフォームは、湿潤時においても膨潤しにくく寸法安定性に優れる。
【0016】
上記ポリオール(B)は、ポリオキシアルキレンポリオールを100重量%とした場合にオキシエチレン単位の含有量が30重量%以上であるポリオールであり、特に水酸基価が50〜120、分子量が1000〜3000であるものが好ましく用いられる。ポリオール(B)はオキシエチレン単位の含有量が大きいため、反応性に優れ、後述する反応性に乏しい脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート成分を用いても、性状の安定したポリウレタンフォームを得ることができる。
【0017】
本願発明において、ポリオール(A)とポリオール(B)とを併用して用いることにより、ポリウレタンフォーム形成時の反応性に優れ、湿潤時においても膨潤しにくい寸法安定性に優れたポリウレタンフォームが得られる。ポリオール(A)とポリオール(B)の含有比率(重量%)は、ポリオール(A)/ポリオール(B)=95〜70/5〜30であることが好ましく、さらに好ましくは、ポリオール(A)/ポリオール(B)=90〜80/10〜20である。
【0018】
なお、ポリオール成分としては、反応性や湿潤時の寸法安定性を損なわない範囲で、上記ポリオール(A)およびポリオール(B)に加え、他のポリオールを用いることも可能である。
【0019】
また、上記ポリオール(A)およびポリオール(B)とを含有してなるポリオール成分全量に対して、オキシエチレン単位の含有量は13〜25%であることが好ましい。
本発明の反応性と湿潤時の寸法安定性に優れたポリウレタンフォームは、ポリオール(A)とポリオール(B)をブレンドして用いることにより、はじめて得られるものである。例えば、ポリオール成分全量に対してオキシエチレン単位の含有量が13〜25%であったとしても、一種のポリオキシアルキレンポリオールのみを用いてポリオール成分を構成する場合には本発明の効果は得られない。
【0020】
〔脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート成分〕
本発明の無黄変軟質ポリウレタンフォームに用いられる脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート成分としては、IPDI及び/又はIPDIの三量体及び/又は三量体の重合体の混合物と(以下、「IPDI類」ともいう)、HDIの三量体及び/又は三量体の重合体の混合物(以下、「HDI類」ともいう)とを用いることが好ましい。
【0021】
IPDIは、脂環族ジイソシアネートに属し、2個のNCO基を有している。なお、本発明においては、IPDIの三量体や三量体の重合体の混合物を用いてもよい。
【0022】
HDIは、脂肪族ポリイソシアネートに属するヘキサメチレンジイソシアネートであり、本発明においては、HDIの三量体及び/又は三量体の重合体の混合物が好ましく用いられる。
【0023】
ここで、ジイソシアネートの三量体としては、ジイソシアネートの単量体がイソシアネート基の反応を介して環状のイソシアヌレート環を形成しているものをいう。また、三量体の重合体とは、ポリイソシアネートの三量体からなるイソシアヌレート環の環外に存在するイソシアネート基同士の反応により重合したものをいう。
【0024】
IPDI及び/又はIPDIの三量体及び/又は三量体の重合体と、HDIの三量体及び/又はその誘導体の混合比は、重量換算で80:20〜20:80であることが好ましく、さらに好ましくは80:20〜60:40である。ポリイソシアネート成分中、IPDI類が80重量%を超えると、得られる軟質ポリウレタンフォームの圧縮残留歪みが悪化する傾向にある。また、ポリイソシアネート成分中、IPDI類が20重量%よりも少ないと、得られる軟質ポリウレタンフォームの引張強度、引張伸度が低下する傾向にある。
【0025】
〔整泡剤〕
整泡剤は一般に軟質ポリウレタンフォームの製造に用いられるものが使用され得るが、分子末端に活性水素基を有する反応性のシリコーン系界面活性剤が好ましい。分子末端に活性水素基を有する反応性のシリコーン系界面活性剤としては、分子末端が水酸基、アミノ基等のシリコーン系界面活性剤が挙げられる。具体的には、東レ・ダウコーニング株式会社製のSZ−1327、SZ−1333、SZ−1718、SZ−1710、SF−2937F、SF−2945F、SH−193や、信越化学株式会社製のF−114、F−341、F−345、F−305モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のL−626等が挙げられる。上記分子末端に活性水素基を有する反応性のシリコーン系界面活性剤を使用することにより、ポリイソシアネート成分として、IPDI類、HDI類を使用しても、性状が均一で機械的物性に優れる軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。その理由は定かではないが、分子末端に活性水素基を持つシリコーンはポリオール成分との相溶性に優れ、さらに反応性であるためウレタン樹脂の重合に関与しかつ軟質ポリウレタンフォーム中に取り込まれるからであると考えられる。
【0026】
〔触媒〕
本発明の無黄変軟質ポリウレタンフォームには、軟質ポリウレタンフォームの製造に通常使用されている触媒が使用できるが、特にアミン系触媒とジアザビシクロアルカン系触媒と三量化触媒とを併用すると、反応性が高く、機械的物性を備えたフォームが得られやすいため好ましい。
アミン系触媒としては、一般に軟質ポリウレタンフォームの製造に用いられるものが使用され得るが、分子末端に活性水素基を有する反応性のアミン系触媒が好ましい。分子末端に活性水素基を有する反応性のアミン系触媒は、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、N,N-ジメチルアミノエトキシエトキシエタノール、N,N-ジメチルアミノヘキサノール、N,N-ジメチルアミノエトキシエタノール、トリメチルヒドロキシエチルビスアミノエチルエーテル、N,N,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン等が挙げられる。このような分子末端に活性水素基を有するアミン系触媒は、ポリウレタンフォームの重合において、樹脂化に関与し樹脂骨格に取り込まれるため、得られる軟質ポリウレタンフォームには遊離のアミン系触媒量が極めて少なく、臭気を抑制することができる。
ジアザビシクロアルカン系触媒としては、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン‐7、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等が挙げられる。
三量化触媒としては、カルボン酸、炭酸、フェノール、安息香酸等のアルカリ金属塩の使用が好ましい。
その他、錫触媒等を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0027】
〔発泡剤〕
本発明の無黄変軟質ポリウレタンフォームに用いる発泡剤としては、水のみを発泡剤として用いるのが環境的に好ましいが、必要に応じてメチレンクロライド等の低沸点の有機化合物や、空気、二酸化炭素等の気体も使用することができる。
【0028】
本発明の無黄変軟質ポリウレタンフォームには、本発明の特徴である難黄変性を一層向上させるために、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等を添加することが好ましい。酸化防止剤としては、フェノール系、リン系、硫黄系、ラクトン系等が、光安定剤としてはヒンダートアミン系、ベンゾエート系等が、紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等が挙げられる。
【0029】
本発明の無黄変軟質ポリウレタンフォームには、その他添加剤として、必要に応じて従来公知の難燃剤、顔料等を使用できる。
【0030】
本発明の無黄変軟質ポリウレタンフォームの製造方法は、従来の軟質ポリウレタンフォームの製造方法に基づいて行なうことができ、例えば、プレポリマー法、ワンショット法等を適用できる。
【実施例】
【0031】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0032】
<実施例1〜8、比較例1〜2>
表1に記載の配合処方のポリオール成分、触媒、整泡剤、発泡剤、安定剤を攪拌混合し、そこに表1に記載の配合処方のポリイソシアネート成分を加え、混ぜ合わせて発泡させることにより軟質ポリウレタンフォームを得た。
【0033】
各実施例および比較例の配合処方の反応性および得られた軟質ポリウレタンフォームについて、以下の測定・評価を行なった。
【0034】
<反応性>
ライズタイムで評価した。
〇・・・100sec未満
△・・・100〜120sec
×・・・120secを超える
【0035】
<黄変度(ΔYI)>
評価サンプルとして、縦50mm×横50mm×厚み10mmのサンプルを作成し、色彩色差計(ミノルタカメラ社製「CR−200B」)を用い、JIS K7373:2006に準じて、サンプル表面の初期YI値を測定する。
a.NOXガス変色性
サンプルを、JIS L 0855に準じて、NOXガス濃度650ppmの容器内に入れ、1.5時間暴露する。暴露した後のサンプルの表面を、初期と同様にYI値を測定し、初期YI値との差を、ΔYI値として求める。すなわち、ΔYI値は、色の変化具合を数字化したものであり、値が小さい方が、色の変化(黄変)が少ないことを示す。
b.紫外線変色性
フェードメーター(スガ試験機社製「紫外線フェードメーター U48HB」)にサンプルを設置した後に、ブラックパネル温度63℃(雨なし)、湿度50%RH以下にて、100時間UV照射を行う。照射した後のサンプルの表面を、初期YI値の測定と同様にしてYI値を測定し、初期YI値との差を、ΔYI値として求める。
【0036】
<膨潤率>
評価サンプルとして、縦50mm×横50mm×厚み10mmのサンプルを作成し、そのサイズを正確に測定した。サンプルを洗濯用洗剤(P&G社製、アリエール)0.5%水溶液に浸し、24時間(25℃)静置後の湿潤状態のサンプルサイズを測定し、以下の式に従い、膨潤率を求めた。
膨潤率(%)={(湿潤時のサイズ−元のサイズ)/元のサイズ}×100
【0037】
<フォーム性状>
目視にて判断した。
〇:通気度があり、セルが細かく均一
×:通気度が低くフォームが収縮する
【0038】
【表1】

【0039】
表中:
ポリオール1:ポリオキシアルキレンポリオール(EO比率:15%、分子量:5000、水酸基価:34)三井化学ポリウレタン社製 EP−330N
ポリオール2:ポリオキシアルキレンポリオール(EO比率:20%、分子量:5000、水酸基価:34)三洋化成工業社製 KC−745
ポリオール3:ポリオキシアルキレンポリオール(EO比率:50%、分子量:2600)三洋化成工業社製、GEP−2800
ポリオール4:ポリオキシアルキレンポリオール(EO比率:50%、分子量:3000、水酸基価:38)第一工業製薬社製、ハイフレックス604
ポリオール5:ポリオキシアルキレンポリオール(EO比率:80%、分子量:3400、水酸基価:50)三洋化成工業社製、FA−103
脂肪族ポリイソシアネート:Evonik Industries AG社製 VESTANAT IPDI
脂肪族ポリイソシアネート:日本ポリウレタン工業社製 コロネートHX
整泡剤:シリコーン系界面活性剤 信越化学社製 F−114
触媒1:反応性アミン系触媒 エアプロダクツ社製 DabcoNE500
触媒2:ジアザビシクロアルカン系触媒 サンアプロ社製 U−CAT1102
触媒3:三量化触媒 日本化学産業社製 プキャット15G
触媒4:錫触媒 日東化成社製 DBTDL
安定剤1:城北化学工業社製 JPP−13R
安定剤2:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 Tinuvin571
なお、表中の数値は重量部である。
【0040】
表1からわかるように実施例1〜8はいずれも反応性に優れ、得られたフォームはほとんど黄変がなく湿潤時においても膨潤しなかった。
比較例1〜3は、反応性と湿潤時の寸法安定性の両方が良好であるフォームを得ることができなかった。なお、比較例1および3は実施例とEO含有比率が同等であるが、ポリオール(A)またはポリオール(B)を単独で用いたために良好なフォームが得られなかったものと考えられる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともポリオール成分、脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート成分、整泡剤、触媒、発泡剤とを含むポリウレタンフォーム原料を発泡させてなる無黄変軟質ポリウレタンフォームであって、
ポリオール成分は、ポリオキシアルキレンポリオールであって、ポリオキシアルキレンポリオールを100重量%とした場合のオキシエチレン単位の含有量が21重量%以下であるポリオール(A)と、ポリオキシアルキレンポリオールであって、ポリオキシアルキレンポリオールを100重量%とした場合のオキシエチレン単位の含有量が30重量%以上であるポリオール(B)とを含んでなることを特徴とする無黄変軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項2】
上記ポリオール成分の含有比率(重量%)が、ポリオール(A)/ポリオール(B)=95〜70/5〜30であることを特徴とする請求項1に記載の無黄変軟質ポリウレタンフォーム。


【公開番号】特開2010−150438(P2010−150438A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−331654(P2008−331654)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000000077)アキレス株式会社 (402)
【Fターム(参考)】