焼結機排ガスの処理装置
【課題】焼結機から発生した排ガス中の焼結ダストを、触媒としてそのまま利用し、長期にわたって安定に、しかも作業性よく、排ガス中の窒素酸化物を除去可能な焼結機排ガスの処理装置を提供する。
【解決手段】焼結機11から吸引される排ガスを電気集塵機12を介して大気放散するための排ガス路13に設けられた焼結機排ガスの処理装置10であって、電気集塵機12の上流側の排ガスにアンモニアを噴霧する噴霧手段17を設けるので、長期にわたって安定に、しかも作業性よく、排ガス中の窒素酸化物を除去できる。
【解決手段】焼結機11から吸引される排ガスを電気集塵機12を介して大気放散するための排ガス路13に設けられた焼結機排ガスの処理装置10であって、電気集塵機12の上流側の排ガスにアンモニアを噴霧する噴霧手段17を設けるので、長期にわたって安定に、しかも作業性よく、排ガス中の窒素酸化物を除去できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼結機の排ガス路に設ける排ガスの処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製鉄所では、焼結機を使用して鉄鉱石を焼結している。
この鉄鉱石の焼結時に発生する排ガス中には、焼結ダストと窒素酸化物(NOx)が含まれているため、排ガス路に集塵機及び脱硝装置(例えば、活性炭を使用)を設けて、大気放散する前に焼結ダスト及び窒素酸化物を除去している。
一方、排ガス中から窒素酸化物を除去する触媒として、含水酸化鉄含有鉄鉱石を原料とし、これを加熱処理することにより、原料の鉄鉱石中の含水酸化鉄をα−ヘマタイトに変態させたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭52−30796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の触媒を、焼結機から発生する排ガスの脱硝に利用する場合には、未だ解決すべき以下のような問題があった。
触媒は、その触媒機能を高めるため、予め加熱等の前処理を行う必要があり、処理コストがかかって不経済であると共に、手間を要するため作業性が悪い。
また、触媒は、窒素酸化物の脱硝能力が失われる前に交換する必要があるため、例えば、触媒のハンドリング設備や、触媒を排ガス中に保持する専用の容器を設ける必要があり、設備費やランニングコストの増大を招くと共に、作業性も悪い。更に、触媒を利用するに際しては、成型や粒度選別を行う必要があり、手間を要するため作業性が悪い。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、焼結機から発生した排ガス中の焼結ダストを、触媒としてそのまま利用し、長期にわたって安定に、しかも作業性よく、排ガス中の窒素酸化物を除去可能な焼結機排ガスの処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するためになされた本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)焼結機から吸引される排ガスを電気集塵機を介して大気放散するための排ガス路に設けられた焼結機排ガスの処理装置であって、
前記電気集塵機の上流側の排ガスにアンモニアを噴霧する噴霧手段を設けたことを特徴とする焼結機排ガスの処理装置。
【0007】
(2)前記電気集塵機の上流側に、排ガスを昇温するための昇温手段を設けたことを特徴とする(1)記載の焼結機排ガスの処理装置。
(3)前記排ガス路の前記電気集塵機の上流側位置で、かつ、前記噴霧手段より下流側位置に、複数の集塵電極、該集塵電極間に設けた放電電極、及び前記各集塵電極を槌打する槌打機を備える脱硝用電気集塵機を設けたことを特徴とする(1)記載の焼結機排ガスの処理装置。
【0008】
(4)前記排ガス路はバイパス路を有し、前記脱硝用電気集塵機を前記バイパス路に設け、前記噴霧手段を前記バイパス路の前記脱硝用電気集塵機より上流側位置に設けたことを特徴とする(3)記載の焼結機排ガスの処理装置。
(5)前記排ガス路は、前記焼結機の排鉱部側から排ガスの一部を吸引する流路を有し、前記脱硝用電気集塵機を前記流路に設け、前記噴霧手段を前記流路の前記脱硝用電気集塵機より上流側位置に設けたことを特徴とする(3)記載の焼結機排ガスの処理装置。
【0009】
(6)前記脱硝用電気集塵機の上流側に、排ガスを昇温するための昇温手段を設けたことを特徴とする(3)〜(5)記載の焼結機排ガスの処理装置。
(7)前記脱硝用電気集塵機の前記集塵電極は開口を有する多孔板で構成されていることを特徴とする(3)〜(6)記載の焼結機排ガスの処理装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る焼結機排ガスの処理装置は、排ガス路に設けられた電気集塵機の上流側の排ガスに、アンモニアを噴霧する噴霧手段が設けられているので、焼結機から吸引される排ガス中の焼結ダストの集塵能力を備える電気集塵機で、集塵された焼結ダストをそのまま脱硝のための触媒として利用できる。この焼結ダストは鉄鉱石の焼結時に熱負荷(熱処理)を受け、必然的に触媒活性が付与されるので、触媒として、従来必要であった加熱前処理が不要となる。更に、電気集塵機内に発生するイオン風により、排ガスの流れが乱れ、排ガス中の窒素酸化物と焼結ダストとの接触機会(接触頻度)が向上して、脱硝効率が向上する。
従って、本発明の焼結機排ガスの処理装置を使用することで、長期にわたって安定に、しかも作業性よく、排ガス中の窒素酸化物を除去できる。
【0011】
この電気集塵機の上流側に、排ガスを昇温するための昇温手段を設けた場合、例えば、回収される排ガスの温度が低くても、焼結ダストを含む排ガスの温度を、焼結ダストの脱硝能力の向上が図れる温度まで、容易に上昇できる。
【0012】
また、電気集塵機とアンモニアの噴霧手段との間に脱硝用電気集塵機を設けた場合、この脱硝用電気集塵機が複数の集塵電極を有しているので、排ガス中の微粉の焼結ダストをそのまま各集塵電極に捕集できる。これにより、焼結ダストの比表面積を、成型品よりも大きくできるので、脱硝能力の向上が図れる。
この脱硝用電気集塵機は、各集塵電極を槌打する槌打機を備えているので、使用の経過に伴って触媒能力が低下した焼結ダストを、各集塵電極から容易に落下させることができる。これにより、焼結ダストを排ガス路から取出すことなく交換できるので、作業性が良好になる。
従って、排ガス路の電気集塵機の上流側位置に脱硝用電気集塵機を設けることで、焼結ダストの集塵効率及び脱硝効率が向上する。
【0013】
また、排ガス路がバイパス路を有し、このバイパス路に噴霧手段と脱硝用電気集塵機を設けた場合、処理する排ガス量を少なくできるので、脱硝用電気集塵機を小型化できる。
そして、排ガス路が、焼結機の排鉱部側から排ガスの一部を吸引する流路を有し、この流路に噴霧手段と脱硝用電気集塵機を設けた場合、焼結機の給鉱部側から排ガスを吸引する場合と比較して、回収される排ガスの温度を向上できる。これにより、焼結ダストの脱硝能力の更なる向上が図れる。
【0014】
また、脱硝用電気集塵機の上流側に、排ガスを昇温するための昇温手段を設けた場合、例えば、回収される排ガスの温度が低くても、焼結ダストを含む排ガスの温度を、焼結ダストの脱硝能力の向上が図れる温度まで、容易に上昇できる。
更に、脱硝用電気集塵機の集塵電極を、開口を有する多孔板で構成する場合、この脱硝用電気集塵機内を流れる排ガスの流れを更に大きく乱すことができる。これにより、各集塵電極に集塵された焼結ダストと排ガスとの接触効率が高められ、脱硝能力の更なる向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る焼結機排ガスの処理装置の説明図である。
【図2】同焼結機排ガスの処理装置の脱硝用電気集塵機の説明図である。
【図3】(A)〜(D)はそれぞれ脱硝用電気集塵機に使用する集塵電極の説明図である。
【図4】(A)〜(E)はそれぞれ脱硝用電気集塵機に使用する放電電極の説明図である。
【図5】(A)は脱硝用電気集塵機の集塵電極を排ガスの流れに沿って配置した場合の脱硝用電気集塵機内部の排ガスの流れを模式的に示した説明図、(B)は(A)の部分拡大図である。
【図6】脱硝用電気集塵機の集塵電極を排ガスの流れに対して直交する方向に配置した場合の脱硝用電気集塵機内部の排ガスの流れを模式的に示した説明図である。
【図7】荷電時の脱硝用電気集塵機内の状況を模式的に示した説明図である。
【図8】焼結機の給鉱部側から排鉱部側へかけての排ガス温度分布を示す説明図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る焼結機排ガスの処理装置の説明図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る焼結機排ガスの処理装置の説明図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態に係る焼結機排ガスの処理装置の説明図である。
【図12】排ガス温度が焼結ダストの脱硝率に及ぼす影響を示す説明図である。
【図13】電気集塵機の荷電の有無が脱硝率に及ぼす影響を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1に示すように、本発明の好ましい第1の実施の形態に係る焼結機排ガスの処理装置10は、焼結機11から吸引される排ガスを電気集塵機12を介して大気放散するための排ガス路13に設けられた装置であり、焼結機11から発生した排ガス中の焼結ダストを、排ガス路13から排出することなくそのまま利用して、排ガス中の窒素酸化物(NOx)を除去する装置である。以下、詳しく説明する。
【0017】
焼結機11には、焼結機11から発生した排ガスを下方へ吸引した後に下流側へ流す、メインブロワー(排風機)14を備えた排ガス路13が接続されている。この排ガス路13を流れる排ガスは、排ガス中の窒素酸化物と焼結ダストを除去した後、煙突15により、大気へ放散される。また、排ガス路13には、メインブロワー14の上流側位置に電気集塵機12が設けられ、この電気集塵機12により、電気集塵機12に供給される排ガス中の全ての焼結ダストを集塵している。
この排ガス路13に設けられた焼結機排ガスの処理装置10は、電気集塵機12の上流側位置に設けられた脱硝用電気集塵機16と、その上流側の排ガスにアンモニア(NH3)を噴霧する噴霧手段17とを有している。
【0018】
脱硝用電気集塵機16は、図2に示すように、排ガス路13に接続されたケーシング18と、このケーシング18内に配置され、排ガス中の焼結ダストを集塵する複数の集塵電極19、及びこの隣り合う集塵電極19間に位置し、外部の高電圧発生装置20に接続された複数の放電電極21とを有している。なお、電気集塵機12は、従来公知の構成であるが、脱硝用電気集塵機16と同様の構成にすることが好ましい。
ケーシング18は、上流側端部が、下流側へ向けて拡幅する逆テーパ状となって、下流側端部が、下流側へ向けて縮幅するテーパ状となった中膨らみ形状である。
これにより、排ガス路13からケーシング18内に流れ込んだ排ガスの流速を低下でき、所定の滞留時間(反応時間)を確保できる。
【0019】
また、ケーシング18内には、複数の集塵電極19が、排ガスの流れる方向に対して直交する方向(ここでは、上下方向)に、しかも予め設定した間隔(例えば、10〜40cm程度)を有して、支持部材19aを介して平行に取付けられ、集塵電極19と集塵電極19の間に集塵電極19に対向して、複数の放電電極21からなる放電電極群が取付けられている。なお、放電電極群は、予め設定した間隔(例えば、10〜40cm程度)で各放電電極21が平行に配置され、この各放電電極21は、絶縁碍子22を介してケーシング18に取付けられている。この各放電電極21は、絶縁碍子22内に形成された貫通孔22aを介して、ケーシング18内に挿入され、貫通孔22aと放電電極21との隙間が、シール材22bにより封止されている。また、高電圧発生装置20には、全ての放電電極21が接続されているわけではなく、一部の放電電極21は、高電圧発生装置20に接続された放電電極21と、ケーシング18内で接続されている。
このように、複数の集塵電極19は、ケーシング18に排ガスの流れる方向に対して直交する方向に取付けることが好ましいが、排ガスの流れる方向に沿って(左右方向に)取付けても、また排ガスの流れる方向に傾斜させて取付けてもよい。
【0020】
この集塵電極19は、図2、図3(A)に示すように、金属製の平板に多数の開口23が形成されたパンチングプレート(多孔板の一例)で構成されている。この開口率は、平板の面積の50〜80%程度が好ましい。
なお、集塵電極19は、パンチングプレートに限定されるものではなく、平坦な形状であれば、例えば、図3(B)に示す金網24、又は図3(C)、(D)に示す金属製のパイプ25や棒26を一列に並べたもの(以上、開口を有する多孔板に含まれる)、更には、金属製の平板でもよい。
【0021】
また、放電電極21は、図2、図4(A)に示すように、パイプ27に多数の突起28を取付けた形状のものである。
なお、放電電極は、上記した形状に限定されるものではなく、放電し易い鋭利な形状であれば、例えば、図4(B)に示すように、断面角形の棒の角部を尖らせた星形状の放電電極29や、図4(C)、(D)に示す鋸刃状の放電電極30、31、図4(E)に示す極細(径が0.3〜2mm程度)のワイヤー32でもよい。
【0022】
ここで、脱硝用電気集塵機を作動させた場合のケーシング18内の状況について説明する。
図5(A)、(B)に示すように、集塵電極19を排ガスの流れに沿って配置した場合、全体的に排ガスは、図5(A)の左側から右側へ向けて流れるが、詳細にみると、イオン風(放電電極21から集塵電極19への排ガスの流れ:図中の湾曲した矢印)で旋回や攪拌がなされながら流れる。具体的には、集塵電極19に引き寄せられた排ガスは、そのままイオン風に押されて隣の開口23(ガス通路)に出て行き、今度は、逆向きのイオン風に押され、再度集塵電極19に引き寄せられ、元の開口23に戻る。
上記した状況を繰り返しながら、排ガスは、ケーシング18の左側から右側へと、全体として流れてゆく。
【0023】
また、図6に示すように、集塵電極19と排ガスの流れとを直交させた場合(図2に示す脱硝用電気集塵機16を平断面視した状態。なお、図2に示す最上流側位置の集塵電極19は省略されている。)、基本的には、上記と同じ考え方で、排ガスは、集塵電極19を行ったり来たりしながら、ケーシング18の左側から右側へと、全体として流れてゆく。
以上の状況下では、放電電極21を荷電した場合、図7に示すように、排ガスも焼結ダストも帯電する。このとき、排ガスは集塵電極19に引き寄せられ、これがイオン風となり、一方、焼結ダストは、上記したイオン風と電界(クーロン力)で、集塵電極19に運ばれ捕集される。
【0024】
上記した脱硝用電気集塵機内のガス撹拌性を利用することで、イオン化した排ガスと帯電した焼結ダストの反応が促進されると共に、イオン化した排ガスと帯電した焼結ダストが引き合うため、更に反応が促進される。詳細には、イオン化した排ガスが、焼結ダスト表層の層流層をブレイクスルーする効果があり、これにより、イオン化した排ガスが、アース面の焼結ダスト(Fe2O3)と接触し易くなる。
また、集塵電極で集塵された焼結ダストの集塵電極への付着は、焼結ダストの粒子相互がソフト的(ふんわり)に接触した状態であり、排ガスとの接触面積が非常に大きいことからも、脱硝能力が高い。なお、焼結ダストの粒径は、100μm以下である。
【0025】
図2に示すように、各集塵電極19の下部には、その集塵電極19を槌打する槌打機33が、各々取付けられている。
槌打機33は、例えば、バイブレータやハンマで構成され、これにより集塵電極19に衝撃を付与し、その表面に付着した焼結ダストを、ケーシング18の下部に払い落とすものであり、予め設定した時間間隔で自動的に動作する。なお、ケーシング18の下部には、下方へ向けて縮幅するテーパ状の複数の貯留部34が設けられ、その下端部には、落下した焼結ダストの排出口35が取付けられている。
従って、各槌打機33により、集塵電極19の表面から払い落とされた焼結ダストは、ケーシング18の貯留部34を介して、排出口35から外部へ排出される。
【0026】
また、図1に示すように、焼結機11と脱硝用電気集塵機16との間には、噴霧手段17が設けられている。
噴霧手段17は、排ガス路13内に、アンモニア(ガス又は液体)の噴出部が配置されたものである。なお、噴出部は、排ガスとアンモニアとの接触効率を高めるため、霧状に噴霧可能なノズルで構成されているが、これに限定されるものではない。
これにより、アンモニアを含有した排ガスは、脱硝用電気集塵機16内で焼結ダストに接触し、この排ガス中の窒素酸化物が、焼結ダスト(特に、酸化鉄(Fe2O3)成分)を触媒として、窒素と水に分解する作用を起こさせ、脱硝が行われる。
【0027】
そして、図1に示すように、焼結機11と噴霧手段17との間(脱硝用電気集塵機16の上流側)には、排ガス路13を流れる排ガスを加熱して、排ガスを昇温(追い焚き)するための昇温手段36が設けられている。これにより、排ガス中の焼結ダストの温度を、脱硝能力が顕著となる温度まで上昇させることができる。
焼結機11から吸引される排ガスの温度は、図8に示すように、焼結原料を焼結機11へ供給する給鉱部側の温度が、焼き固めた焼結鉱を排出する排鉱部側の温度よりも低い。このため、図1に示すように、給鉱部側と排鉱部側から吸引された排ガスが、一緒に脱硝用電気集塵機16へ流れた場合、焼結ダストの温度が、脱硝能力を発揮できる程度まで、十分に高くならない場合がある。そこで、この場合は、昇温手段36により排ガスを昇温して、焼結ダストの温度を上昇させる。なお、昇温手段には、例えばバーナ等を使用できる。
【0028】
続いて、本発明の第1の実施の形態に係る焼結機排ガスの処理装置10を使用して、焼結機11から吸引される排ガス中の窒素酸化物を除去する方法について説明する。
焼結機11の操業に伴い、メインブロワー14を起動して、焼結機11で発生する排ガスを煙突15側へ吸引する。このとき、脱硝用電気集塵機16の高電圧発生装置20を作動させ、脱硝用電気集塵機16の各集塵電極19に排ガス中の焼結ダストを集塵すると共に、噴霧手段17を作動させ、排ガス中にアンモニアを噴霧する。
なお、大気放散される前に排ガス中の全ての焼結ダストは、電気集塵機12で回収される。
【0029】
また、脱硝用電気集塵機16内に流れ込む排ガスの温度(焼結ダストの温度と同等)が、例えば、150〜450℃程度になるように、昇温手段36により排ガスを昇温させる。
これにより、各集塵電極19に集塵された焼結ダストに、脱硝能力が付与されるため、排ガス中の窒素酸化物を除去できる。なお、脱硝用電気集塵機16内の排ガスの滞留時間(集塵時間)は、通常2〜5秒程度で十分である。
そして、焼結ダストの脱硝能力が低下する前に、槌打機33を作動させて、各集塵電極19に付着した焼結ダストを落下させ、排出口35から排出する。なお、各槌打機33の動作時期は、同時でもよいが、ずらすことが好ましい。これにより、新たな焼結ダストが各集塵電極19に捕集され、常に、集塵電極19のいずれか1又は2以上に付着した焼結ダストが、脱硝機能を発揮できる。
【0030】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る焼結機排ガスの処理装置40について説明するが、前記した焼結機排ガスの処理装置10と同一部材に同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
図9に示すように、焼結機11とメインブロワー14との間の排ガス路41(排ガス路13と同様の機能を有する)には、その上流側から下流側へかけて、昇温手段36、噴霧手段17、及び電気集塵機42が、順次設けられている。この電気集塵機42は、既設の電気集塵機の構成を、脱硝用電気集塵機16と同様の構成とし、電気集塵機12と同様に排ガス中の全ての焼結ダストを集塵する機能を有するのみならず、更に脱硝用電気集塵機16と同様に脱硝を行う機能も有している。
以上のように、焼結機排ガスの処理装置40は、脱硝機能を備えた電気集塵機42、噴霧手段17、及び昇温手段36を有しているので、新たな電気集塵機の設置を行うことなく、経済的に、しかも焼結ダストを外部へ排出することなく、排ガス中の脱硝を実施できる。
【0031】
続いて、本発明の第3の実施の形態に係る焼結機排ガスの処理装置50について説明するが、前記した焼結機排ガスの処理装置10と同一部材に同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
図10に示すように、排ガス路51は、主排ガス路52(排ガス路13と同様の機能を有する)と、主排ガス路52から排ガスの一部(例えば、10〜50%程度)を吸引するブロワー53を備えたバイパス路54を有し、このバイパス路54の上流側から下流側へかけて、昇温手段36、噴霧手段17、及び脱硝用電気集塵機16を順次設けている。なお、バイパス路54は、電気集塵機12の上流側位置に設けられている。
これにより、既存の排ガス路に、脱硝用電気集塵機16、噴霧手段17、及び昇温手段36を直接取付ける必要がなくなるので、例えば、これらの取付けに伴う焼結機11の操業停止期間を短縮でき、焼結鉱の生産効率の低下を抑制できる。
【0032】
本発明の第4の実施の形態に係る焼結機排ガスの処理装置60について説明するが、前記した焼結機排ガスの処理装置50と同一部材に同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
図11に示すように、排ガス路61は、主排ガス路62と、主排ガス路62から排ガスの一部(例えば、10〜50%程度)を吸引するブロワー63を備えた流路64を有し、この流路64の上流側から下流側へかけて、噴霧手段17と脱硝用電気集塵機16を順次設けている。
焼結機11の排鉱部側(例えば、排鉱部側端部から焼結機11の全長の30%までの範囲)に流路64の吸引口(上流側端部)を設けることで、脱硝用電気集塵機16へ流入する排ガスの温度を高めることができる。これは、前記したように、焼結機11の排鉱部側の排ガスの温度が、給鉱部側の排ガスの温度よりも高いことによる(図8参照)。
【0033】
これにより、脱硝用電気集塵機16に集塵される焼結ダストの温度は、脱硝能力を十分に発揮できる温度を有しているので、昇温手段を設けなくてもよいが、脱硝能力を更に高めるため、昇温手段を脱硝用電気集塵機16の上流側の流路64に設けてもよい。
また、流路64の排出口(下流側端部)は、再度、主排ガス路62に接続されている(ここでは、焼結機11の全長の50%位置よりも下流側の位置)。これにより、流路64を流れることで脱硝がなされた排ガスを、再度、主排ガス路62へ戻すことができるため、全排ガス中に含まれる総窒素酸化物量の低減が図れる。
【0034】
なお、脱硝用電気集塵機16で回収されなかった残部の焼結ダストは、電気集塵機12で回収される。
以上のように、焼結機排ガスの処理装置60の脱硝用電気集塵機16及び噴霧手段17を、焼結機11の排鉱部側から排ガスの一部を吸引する流路64に設けることで、排ガスの昇温のための熱エネルギーコストの低減が図れ、経済的に排ガス中の脱硝を実施できる。
また、排ガス中には、硫黄(S)があることから、アンモニアを噴霧するとヒューム状の硫安となるが、このヒューム状の硫安を集塵して除去可能となるため、更に好ましい。
【実施例】
【0035】
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
まず、焼結機から発生した排ガス中の焼結ダストを回収し、排ガスの温度が焼結ダストの脱硝率に及ぼす影響を、図12を参照しながら説明図する。なお、図12は、横軸に排ガス温度(焼結ダストの温度と同等)をとり、縦軸に脱硝率をとっている。
また、焼結ダストには、3mm×3〜8mmのペレット状としたものを使用し、これを、NH3/NOのモル比を1.5(NO:300ppm、NH3:450ppm)、SO2を500ppm(ただし、200〜250℃では0ppm)に調整した空気中に曝して、脱硝能力を調査した。なお、使用した焼結ダストの化学成分を、表1に示す(なお、表1中の合計が100質量%にならないのは四捨五入による)。
【0036】
【表1】
【0037】
図12から、排ガス温度の上昇に伴い、脱硝率が上昇することを確認できた。特に、排ガス温度を300〜400℃程度の範囲内にした場合には、脱硝率を80%以上にでき、焼結機から発生した焼結ダストが、十分な脱硝能力を備えていることを確認できた。
なお、この傾向は、焼結ダストの形状(例えば、粒径等)や化学成分によって多少の変動はあるが、略同等の傾向を示す。
【0038】
次に、電気集塵機の荷電の有無が、脱硝効率に及ぼす影響を、図13を参照しながら説明する。なお、図13は、横軸に排ガス温度(焼結ダストの温度と同等)をとり、縦軸に脱硝率をとっており、電気集塵機の放電電極を荷電した場合を実線で、荷電しなかった場合を点線で、それぞれ示している。
ここで、排ガス量を100Nm3/時間、排ガス中のNOxを170ppm、排ガスへのNH3添加量を200ppm、排ガス中の焼結ダストの含有量を0.5g/Nm3、荷電電圧を2kV、電流を5mA、荷電時間を2秒とした。
【0039】
図13から、荷電を行うことで、焼結ダストと排ガスが帯電して、両者が引き合って凝集し、脱硝効率を向上できることを確認できた。特に、排ガス温度が低い場合は、荷電により脱硝効率が向上できることを確認できた。
以上のことから、焼結機から発生した排ガス中の焼結ダストを、排ガス路から排出することなくそのまま利用し、長期にわたって安定に、しかも作業性よく、排ガス中の窒素酸化物を除去できることを確認できた。
【0040】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の焼結機排ガスの処理装置を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
また、前記実施の形態においては、排ガス中の脱硝を、焼結機排ガスの処理装置のみを用いて実施した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、メインブロワーと煙突との間に、従来公知の活性炭を使用した脱硝装置を設置し、これを併用してもよい。
【符号の説明】
【0041】
10:焼結機排ガスの処理装置、11:焼結機、12:電気集塵機、13:排ガス路、14:メインブロワー、15:煙突、16:脱硝用電気集塵機、17:噴霧手段、18:ケーシング、19:集塵電極、19a:支持部材、20:高電圧発生装置、21:放電電極、22:絶縁碍子、22a:貫通孔、22b:シール材、23:開口、24:金網、25:パイプ、26:棒、27:パイプ、28:突起、29〜31:放電電極、32:ワイヤー、33:槌打機、34:貯留部、35:排出口、36:昇温手段、40:焼結機排ガスの処理装置、41:排ガス路、42:電気集塵機、50:焼結機排ガスの処理装置、51:排ガス路、52:主排ガス路、53:ブロワー、54:バイパス路、60:焼結機排ガスの処理装置、61:排ガス路、62:主排ガス路、63:ブロワー、64:流路
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼結機の排ガス路に設ける排ガスの処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製鉄所では、焼結機を使用して鉄鉱石を焼結している。
この鉄鉱石の焼結時に発生する排ガス中には、焼結ダストと窒素酸化物(NOx)が含まれているため、排ガス路に集塵機及び脱硝装置(例えば、活性炭を使用)を設けて、大気放散する前に焼結ダスト及び窒素酸化物を除去している。
一方、排ガス中から窒素酸化物を除去する触媒として、含水酸化鉄含有鉄鉱石を原料とし、これを加熱処理することにより、原料の鉄鉱石中の含水酸化鉄をα−ヘマタイトに変態させたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭52−30796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の触媒を、焼結機から発生する排ガスの脱硝に利用する場合には、未だ解決すべき以下のような問題があった。
触媒は、その触媒機能を高めるため、予め加熱等の前処理を行う必要があり、処理コストがかかって不経済であると共に、手間を要するため作業性が悪い。
また、触媒は、窒素酸化物の脱硝能力が失われる前に交換する必要があるため、例えば、触媒のハンドリング設備や、触媒を排ガス中に保持する専用の容器を設ける必要があり、設備費やランニングコストの増大を招くと共に、作業性も悪い。更に、触媒を利用するに際しては、成型や粒度選別を行う必要があり、手間を要するため作業性が悪い。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、焼結機から発生した排ガス中の焼結ダストを、触媒としてそのまま利用し、長期にわたって安定に、しかも作業性よく、排ガス中の窒素酸化物を除去可能な焼結機排ガスの処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するためになされた本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)焼結機から吸引される排ガスを電気集塵機を介して大気放散するための排ガス路に設けられた焼結機排ガスの処理装置であって、
前記電気集塵機の上流側の排ガスにアンモニアを噴霧する噴霧手段を設けたことを特徴とする焼結機排ガスの処理装置。
【0007】
(2)前記電気集塵機の上流側に、排ガスを昇温するための昇温手段を設けたことを特徴とする(1)記載の焼結機排ガスの処理装置。
(3)前記排ガス路の前記電気集塵機の上流側位置で、かつ、前記噴霧手段より下流側位置に、複数の集塵電極、該集塵電極間に設けた放電電極、及び前記各集塵電極を槌打する槌打機を備える脱硝用電気集塵機を設けたことを特徴とする(1)記載の焼結機排ガスの処理装置。
【0008】
(4)前記排ガス路はバイパス路を有し、前記脱硝用電気集塵機を前記バイパス路に設け、前記噴霧手段を前記バイパス路の前記脱硝用電気集塵機より上流側位置に設けたことを特徴とする(3)記載の焼結機排ガスの処理装置。
(5)前記排ガス路は、前記焼結機の排鉱部側から排ガスの一部を吸引する流路を有し、前記脱硝用電気集塵機を前記流路に設け、前記噴霧手段を前記流路の前記脱硝用電気集塵機より上流側位置に設けたことを特徴とする(3)記載の焼結機排ガスの処理装置。
【0009】
(6)前記脱硝用電気集塵機の上流側に、排ガスを昇温するための昇温手段を設けたことを特徴とする(3)〜(5)記載の焼結機排ガスの処理装置。
(7)前記脱硝用電気集塵機の前記集塵電極は開口を有する多孔板で構成されていることを特徴とする(3)〜(6)記載の焼結機排ガスの処理装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る焼結機排ガスの処理装置は、排ガス路に設けられた電気集塵機の上流側の排ガスに、アンモニアを噴霧する噴霧手段が設けられているので、焼結機から吸引される排ガス中の焼結ダストの集塵能力を備える電気集塵機で、集塵された焼結ダストをそのまま脱硝のための触媒として利用できる。この焼結ダストは鉄鉱石の焼結時に熱負荷(熱処理)を受け、必然的に触媒活性が付与されるので、触媒として、従来必要であった加熱前処理が不要となる。更に、電気集塵機内に発生するイオン風により、排ガスの流れが乱れ、排ガス中の窒素酸化物と焼結ダストとの接触機会(接触頻度)が向上して、脱硝効率が向上する。
従って、本発明の焼結機排ガスの処理装置を使用することで、長期にわたって安定に、しかも作業性よく、排ガス中の窒素酸化物を除去できる。
【0011】
この電気集塵機の上流側に、排ガスを昇温するための昇温手段を設けた場合、例えば、回収される排ガスの温度が低くても、焼結ダストを含む排ガスの温度を、焼結ダストの脱硝能力の向上が図れる温度まで、容易に上昇できる。
【0012】
また、電気集塵機とアンモニアの噴霧手段との間に脱硝用電気集塵機を設けた場合、この脱硝用電気集塵機が複数の集塵電極を有しているので、排ガス中の微粉の焼結ダストをそのまま各集塵電極に捕集できる。これにより、焼結ダストの比表面積を、成型品よりも大きくできるので、脱硝能力の向上が図れる。
この脱硝用電気集塵機は、各集塵電極を槌打する槌打機を備えているので、使用の経過に伴って触媒能力が低下した焼結ダストを、各集塵電極から容易に落下させることができる。これにより、焼結ダストを排ガス路から取出すことなく交換できるので、作業性が良好になる。
従って、排ガス路の電気集塵機の上流側位置に脱硝用電気集塵機を設けることで、焼結ダストの集塵効率及び脱硝効率が向上する。
【0013】
また、排ガス路がバイパス路を有し、このバイパス路に噴霧手段と脱硝用電気集塵機を設けた場合、処理する排ガス量を少なくできるので、脱硝用電気集塵機を小型化できる。
そして、排ガス路が、焼結機の排鉱部側から排ガスの一部を吸引する流路を有し、この流路に噴霧手段と脱硝用電気集塵機を設けた場合、焼結機の給鉱部側から排ガスを吸引する場合と比較して、回収される排ガスの温度を向上できる。これにより、焼結ダストの脱硝能力の更なる向上が図れる。
【0014】
また、脱硝用電気集塵機の上流側に、排ガスを昇温するための昇温手段を設けた場合、例えば、回収される排ガスの温度が低くても、焼結ダストを含む排ガスの温度を、焼結ダストの脱硝能力の向上が図れる温度まで、容易に上昇できる。
更に、脱硝用電気集塵機の集塵電極を、開口を有する多孔板で構成する場合、この脱硝用電気集塵機内を流れる排ガスの流れを更に大きく乱すことができる。これにより、各集塵電極に集塵された焼結ダストと排ガスとの接触効率が高められ、脱硝能力の更なる向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る焼結機排ガスの処理装置の説明図である。
【図2】同焼結機排ガスの処理装置の脱硝用電気集塵機の説明図である。
【図3】(A)〜(D)はそれぞれ脱硝用電気集塵機に使用する集塵電極の説明図である。
【図4】(A)〜(E)はそれぞれ脱硝用電気集塵機に使用する放電電極の説明図である。
【図5】(A)は脱硝用電気集塵機の集塵電極を排ガスの流れに沿って配置した場合の脱硝用電気集塵機内部の排ガスの流れを模式的に示した説明図、(B)は(A)の部分拡大図である。
【図6】脱硝用電気集塵機の集塵電極を排ガスの流れに対して直交する方向に配置した場合の脱硝用電気集塵機内部の排ガスの流れを模式的に示した説明図である。
【図7】荷電時の脱硝用電気集塵機内の状況を模式的に示した説明図である。
【図8】焼結機の給鉱部側から排鉱部側へかけての排ガス温度分布を示す説明図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る焼結機排ガスの処理装置の説明図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る焼結機排ガスの処理装置の説明図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態に係る焼結機排ガスの処理装置の説明図である。
【図12】排ガス温度が焼結ダストの脱硝率に及ぼす影響を示す説明図である。
【図13】電気集塵機の荷電の有無が脱硝率に及ぼす影響を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1に示すように、本発明の好ましい第1の実施の形態に係る焼結機排ガスの処理装置10は、焼結機11から吸引される排ガスを電気集塵機12を介して大気放散するための排ガス路13に設けられた装置であり、焼結機11から発生した排ガス中の焼結ダストを、排ガス路13から排出することなくそのまま利用して、排ガス中の窒素酸化物(NOx)を除去する装置である。以下、詳しく説明する。
【0017】
焼結機11には、焼結機11から発生した排ガスを下方へ吸引した後に下流側へ流す、メインブロワー(排風機)14を備えた排ガス路13が接続されている。この排ガス路13を流れる排ガスは、排ガス中の窒素酸化物と焼結ダストを除去した後、煙突15により、大気へ放散される。また、排ガス路13には、メインブロワー14の上流側位置に電気集塵機12が設けられ、この電気集塵機12により、電気集塵機12に供給される排ガス中の全ての焼結ダストを集塵している。
この排ガス路13に設けられた焼結機排ガスの処理装置10は、電気集塵機12の上流側位置に設けられた脱硝用電気集塵機16と、その上流側の排ガスにアンモニア(NH3)を噴霧する噴霧手段17とを有している。
【0018】
脱硝用電気集塵機16は、図2に示すように、排ガス路13に接続されたケーシング18と、このケーシング18内に配置され、排ガス中の焼結ダストを集塵する複数の集塵電極19、及びこの隣り合う集塵電極19間に位置し、外部の高電圧発生装置20に接続された複数の放電電極21とを有している。なお、電気集塵機12は、従来公知の構成であるが、脱硝用電気集塵機16と同様の構成にすることが好ましい。
ケーシング18は、上流側端部が、下流側へ向けて拡幅する逆テーパ状となって、下流側端部が、下流側へ向けて縮幅するテーパ状となった中膨らみ形状である。
これにより、排ガス路13からケーシング18内に流れ込んだ排ガスの流速を低下でき、所定の滞留時間(反応時間)を確保できる。
【0019】
また、ケーシング18内には、複数の集塵電極19が、排ガスの流れる方向に対して直交する方向(ここでは、上下方向)に、しかも予め設定した間隔(例えば、10〜40cm程度)を有して、支持部材19aを介して平行に取付けられ、集塵電極19と集塵電極19の間に集塵電極19に対向して、複数の放電電極21からなる放電電極群が取付けられている。なお、放電電極群は、予め設定した間隔(例えば、10〜40cm程度)で各放電電極21が平行に配置され、この各放電電極21は、絶縁碍子22を介してケーシング18に取付けられている。この各放電電極21は、絶縁碍子22内に形成された貫通孔22aを介して、ケーシング18内に挿入され、貫通孔22aと放電電極21との隙間が、シール材22bにより封止されている。また、高電圧発生装置20には、全ての放電電極21が接続されているわけではなく、一部の放電電極21は、高電圧発生装置20に接続された放電電極21と、ケーシング18内で接続されている。
このように、複数の集塵電極19は、ケーシング18に排ガスの流れる方向に対して直交する方向に取付けることが好ましいが、排ガスの流れる方向に沿って(左右方向に)取付けても、また排ガスの流れる方向に傾斜させて取付けてもよい。
【0020】
この集塵電極19は、図2、図3(A)に示すように、金属製の平板に多数の開口23が形成されたパンチングプレート(多孔板の一例)で構成されている。この開口率は、平板の面積の50〜80%程度が好ましい。
なお、集塵電極19は、パンチングプレートに限定されるものではなく、平坦な形状であれば、例えば、図3(B)に示す金網24、又は図3(C)、(D)に示す金属製のパイプ25や棒26を一列に並べたもの(以上、開口を有する多孔板に含まれる)、更には、金属製の平板でもよい。
【0021】
また、放電電極21は、図2、図4(A)に示すように、パイプ27に多数の突起28を取付けた形状のものである。
なお、放電電極は、上記した形状に限定されるものではなく、放電し易い鋭利な形状であれば、例えば、図4(B)に示すように、断面角形の棒の角部を尖らせた星形状の放電電極29や、図4(C)、(D)に示す鋸刃状の放電電極30、31、図4(E)に示す極細(径が0.3〜2mm程度)のワイヤー32でもよい。
【0022】
ここで、脱硝用電気集塵機を作動させた場合のケーシング18内の状況について説明する。
図5(A)、(B)に示すように、集塵電極19を排ガスの流れに沿って配置した場合、全体的に排ガスは、図5(A)の左側から右側へ向けて流れるが、詳細にみると、イオン風(放電電極21から集塵電極19への排ガスの流れ:図中の湾曲した矢印)で旋回や攪拌がなされながら流れる。具体的には、集塵電極19に引き寄せられた排ガスは、そのままイオン風に押されて隣の開口23(ガス通路)に出て行き、今度は、逆向きのイオン風に押され、再度集塵電極19に引き寄せられ、元の開口23に戻る。
上記した状況を繰り返しながら、排ガスは、ケーシング18の左側から右側へと、全体として流れてゆく。
【0023】
また、図6に示すように、集塵電極19と排ガスの流れとを直交させた場合(図2に示す脱硝用電気集塵機16を平断面視した状態。なお、図2に示す最上流側位置の集塵電極19は省略されている。)、基本的には、上記と同じ考え方で、排ガスは、集塵電極19を行ったり来たりしながら、ケーシング18の左側から右側へと、全体として流れてゆく。
以上の状況下では、放電電極21を荷電した場合、図7に示すように、排ガスも焼結ダストも帯電する。このとき、排ガスは集塵電極19に引き寄せられ、これがイオン風となり、一方、焼結ダストは、上記したイオン風と電界(クーロン力)で、集塵電極19に運ばれ捕集される。
【0024】
上記した脱硝用電気集塵機内のガス撹拌性を利用することで、イオン化した排ガスと帯電した焼結ダストの反応が促進されると共に、イオン化した排ガスと帯電した焼結ダストが引き合うため、更に反応が促進される。詳細には、イオン化した排ガスが、焼結ダスト表層の層流層をブレイクスルーする効果があり、これにより、イオン化した排ガスが、アース面の焼結ダスト(Fe2O3)と接触し易くなる。
また、集塵電極で集塵された焼結ダストの集塵電極への付着は、焼結ダストの粒子相互がソフト的(ふんわり)に接触した状態であり、排ガスとの接触面積が非常に大きいことからも、脱硝能力が高い。なお、焼結ダストの粒径は、100μm以下である。
【0025】
図2に示すように、各集塵電極19の下部には、その集塵電極19を槌打する槌打機33が、各々取付けられている。
槌打機33は、例えば、バイブレータやハンマで構成され、これにより集塵電極19に衝撃を付与し、その表面に付着した焼結ダストを、ケーシング18の下部に払い落とすものであり、予め設定した時間間隔で自動的に動作する。なお、ケーシング18の下部には、下方へ向けて縮幅するテーパ状の複数の貯留部34が設けられ、その下端部には、落下した焼結ダストの排出口35が取付けられている。
従って、各槌打機33により、集塵電極19の表面から払い落とされた焼結ダストは、ケーシング18の貯留部34を介して、排出口35から外部へ排出される。
【0026】
また、図1に示すように、焼結機11と脱硝用電気集塵機16との間には、噴霧手段17が設けられている。
噴霧手段17は、排ガス路13内に、アンモニア(ガス又は液体)の噴出部が配置されたものである。なお、噴出部は、排ガスとアンモニアとの接触効率を高めるため、霧状に噴霧可能なノズルで構成されているが、これに限定されるものではない。
これにより、アンモニアを含有した排ガスは、脱硝用電気集塵機16内で焼結ダストに接触し、この排ガス中の窒素酸化物が、焼結ダスト(特に、酸化鉄(Fe2O3)成分)を触媒として、窒素と水に分解する作用を起こさせ、脱硝が行われる。
【0027】
そして、図1に示すように、焼結機11と噴霧手段17との間(脱硝用電気集塵機16の上流側)には、排ガス路13を流れる排ガスを加熱して、排ガスを昇温(追い焚き)するための昇温手段36が設けられている。これにより、排ガス中の焼結ダストの温度を、脱硝能力が顕著となる温度まで上昇させることができる。
焼結機11から吸引される排ガスの温度は、図8に示すように、焼結原料を焼結機11へ供給する給鉱部側の温度が、焼き固めた焼結鉱を排出する排鉱部側の温度よりも低い。このため、図1に示すように、給鉱部側と排鉱部側から吸引された排ガスが、一緒に脱硝用電気集塵機16へ流れた場合、焼結ダストの温度が、脱硝能力を発揮できる程度まで、十分に高くならない場合がある。そこで、この場合は、昇温手段36により排ガスを昇温して、焼結ダストの温度を上昇させる。なお、昇温手段には、例えばバーナ等を使用できる。
【0028】
続いて、本発明の第1の実施の形態に係る焼結機排ガスの処理装置10を使用して、焼結機11から吸引される排ガス中の窒素酸化物を除去する方法について説明する。
焼結機11の操業に伴い、メインブロワー14を起動して、焼結機11で発生する排ガスを煙突15側へ吸引する。このとき、脱硝用電気集塵機16の高電圧発生装置20を作動させ、脱硝用電気集塵機16の各集塵電極19に排ガス中の焼結ダストを集塵すると共に、噴霧手段17を作動させ、排ガス中にアンモニアを噴霧する。
なお、大気放散される前に排ガス中の全ての焼結ダストは、電気集塵機12で回収される。
【0029】
また、脱硝用電気集塵機16内に流れ込む排ガスの温度(焼結ダストの温度と同等)が、例えば、150〜450℃程度になるように、昇温手段36により排ガスを昇温させる。
これにより、各集塵電極19に集塵された焼結ダストに、脱硝能力が付与されるため、排ガス中の窒素酸化物を除去できる。なお、脱硝用電気集塵機16内の排ガスの滞留時間(集塵時間)は、通常2〜5秒程度で十分である。
そして、焼結ダストの脱硝能力が低下する前に、槌打機33を作動させて、各集塵電極19に付着した焼結ダストを落下させ、排出口35から排出する。なお、各槌打機33の動作時期は、同時でもよいが、ずらすことが好ましい。これにより、新たな焼結ダストが各集塵電極19に捕集され、常に、集塵電極19のいずれか1又は2以上に付着した焼結ダストが、脱硝機能を発揮できる。
【0030】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る焼結機排ガスの処理装置40について説明するが、前記した焼結機排ガスの処理装置10と同一部材に同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
図9に示すように、焼結機11とメインブロワー14との間の排ガス路41(排ガス路13と同様の機能を有する)には、その上流側から下流側へかけて、昇温手段36、噴霧手段17、及び電気集塵機42が、順次設けられている。この電気集塵機42は、既設の電気集塵機の構成を、脱硝用電気集塵機16と同様の構成とし、電気集塵機12と同様に排ガス中の全ての焼結ダストを集塵する機能を有するのみならず、更に脱硝用電気集塵機16と同様に脱硝を行う機能も有している。
以上のように、焼結機排ガスの処理装置40は、脱硝機能を備えた電気集塵機42、噴霧手段17、及び昇温手段36を有しているので、新たな電気集塵機の設置を行うことなく、経済的に、しかも焼結ダストを外部へ排出することなく、排ガス中の脱硝を実施できる。
【0031】
続いて、本発明の第3の実施の形態に係る焼結機排ガスの処理装置50について説明するが、前記した焼結機排ガスの処理装置10と同一部材に同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
図10に示すように、排ガス路51は、主排ガス路52(排ガス路13と同様の機能を有する)と、主排ガス路52から排ガスの一部(例えば、10〜50%程度)を吸引するブロワー53を備えたバイパス路54を有し、このバイパス路54の上流側から下流側へかけて、昇温手段36、噴霧手段17、及び脱硝用電気集塵機16を順次設けている。なお、バイパス路54は、電気集塵機12の上流側位置に設けられている。
これにより、既存の排ガス路に、脱硝用電気集塵機16、噴霧手段17、及び昇温手段36を直接取付ける必要がなくなるので、例えば、これらの取付けに伴う焼結機11の操業停止期間を短縮でき、焼結鉱の生産効率の低下を抑制できる。
【0032】
本発明の第4の実施の形態に係る焼結機排ガスの処理装置60について説明するが、前記した焼結機排ガスの処理装置50と同一部材に同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
図11に示すように、排ガス路61は、主排ガス路62と、主排ガス路62から排ガスの一部(例えば、10〜50%程度)を吸引するブロワー63を備えた流路64を有し、この流路64の上流側から下流側へかけて、噴霧手段17と脱硝用電気集塵機16を順次設けている。
焼結機11の排鉱部側(例えば、排鉱部側端部から焼結機11の全長の30%までの範囲)に流路64の吸引口(上流側端部)を設けることで、脱硝用電気集塵機16へ流入する排ガスの温度を高めることができる。これは、前記したように、焼結機11の排鉱部側の排ガスの温度が、給鉱部側の排ガスの温度よりも高いことによる(図8参照)。
【0033】
これにより、脱硝用電気集塵機16に集塵される焼結ダストの温度は、脱硝能力を十分に発揮できる温度を有しているので、昇温手段を設けなくてもよいが、脱硝能力を更に高めるため、昇温手段を脱硝用電気集塵機16の上流側の流路64に設けてもよい。
また、流路64の排出口(下流側端部)は、再度、主排ガス路62に接続されている(ここでは、焼結機11の全長の50%位置よりも下流側の位置)。これにより、流路64を流れることで脱硝がなされた排ガスを、再度、主排ガス路62へ戻すことができるため、全排ガス中に含まれる総窒素酸化物量の低減が図れる。
【0034】
なお、脱硝用電気集塵機16で回収されなかった残部の焼結ダストは、電気集塵機12で回収される。
以上のように、焼結機排ガスの処理装置60の脱硝用電気集塵機16及び噴霧手段17を、焼結機11の排鉱部側から排ガスの一部を吸引する流路64に設けることで、排ガスの昇温のための熱エネルギーコストの低減が図れ、経済的に排ガス中の脱硝を実施できる。
また、排ガス中には、硫黄(S)があることから、アンモニアを噴霧するとヒューム状の硫安となるが、このヒューム状の硫安を集塵して除去可能となるため、更に好ましい。
【実施例】
【0035】
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
まず、焼結機から発生した排ガス中の焼結ダストを回収し、排ガスの温度が焼結ダストの脱硝率に及ぼす影響を、図12を参照しながら説明図する。なお、図12は、横軸に排ガス温度(焼結ダストの温度と同等)をとり、縦軸に脱硝率をとっている。
また、焼結ダストには、3mm×3〜8mmのペレット状としたものを使用し、これを、NH3/NOのモル比を1.5(NO:300ppm、NH3:450ppm)、SO2を500ppm(ただし、200〜250℃では0ppm)に調整した空気中に曝して、脱硝能力を調査した。なお、使用した焼結ダストの化学成分を、表1に示す(なお、表1中の合計が100質量%にならないのは四捨五入による)。
【0036】
【表1】
【0037】
図12から、排ガス温度の上昇に伴い、脱硝率が上昇することを確認できた。特に、排ガス温度を300〜400℃程度の範囲内にした場合には、脱硝率を80%以上にでき、焼結機から発生した焼結ダストが、十分な脱硝能力を備えていることを確認できた。
なお、この傾向は、焼結ダストの形状(例えば、粒径等)や化学成分によって多少の変動はあるが、略同等の傾向を示す。
【0038】
次に、電気集塵機の荷電の有無が、脱硝効率に及ぼす影響を、図13を参照しながら説明する。なお、図13は、横軸に排ガス温度(焼結ダストの温度と同等)をとり、縦軸に脱硝率をとっており、電気集塵機の放電電極を荷電した場合を実線で、荷電しなかった場合を点線で、それぞれ示している。
ここで、排ガス量を100Nm3/時間、排ガス中のNOxを170ppm、排ガスへのNH3添加量を200ppm、排ガス中の焼結ダストの含有量を0.5g/Nm3、荷電電圧を2kV、電流を5mA、荷電時間を2秒とした。
【0039】
図13から、荷電を行うことで、焼結ダストと排ガスが帯電して、両者が引き合って凝集し、脱硝効率を向上できることを確認できた。特に、排ガス温度が低い場合は、荷電により脱硝効率が向上できることを確認できた。
以上のことから、焼結機から発生した排ガス中の焼結ダストを、排ガス路から排出することなくそのまま利用し、長期にわたって安定に、しかも作業性よく、排ガス中の窒素酸化物を除去できることを確認できた。
【0040】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の焼結機排ガスの処理装置を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
また、前記実施の形態においては、排ガス中の脱硝を、焼結機排ガスの処理装置のみを用いて実施した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、メインブロワーと煙突との間に、従来公知の活性炭を使用した脱硝装置を設置し、これを併用してもよい。
【符号の説明】
【0041】
10:焼結機排ガスの処理装置、11:焼結機、12:電気集塵機、13:排ガス路、14:メインブロワー、15:煙突、16:脱硝用電気集塵機、17:噴霧手段、18:ケーシング、19:集塵電極、19a:支持部材、20:高電圧発生装置、21:放電電極、22:絶縁碍子、22a:貫通孔、22b:シール材、23:開口、24:金網、25:パイプ、26:棒、27:パイプ、28:突起、29〜31:放電電極、32:ワイヤー、33:槌打機、34:貯留部、35:排出口、36:昇温手段、40:焼結機排ガスの処理装置、41:排ガス路、42:電気集塵機、50:焼結機排ガスの処理装置、51:排ガス路、52:主排ガス路、53:ブロワー、54:バイパス路、60:焼結機排ガスの処理装置、61:排ガス路、62:主排ガス路、63:ブロワー、64:流路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼結機から吸引される排ガスを電気集塵機を介して大気放散するための排ガス路に設けられた焼結機排ガスの処理装置であって、
前記電気集塵機の上流側の排ガスにアンモニアを噴霧する噴霧手段を設けたことを特徴とする焼結機排ガスの処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の焼結機排ガスの処理装置において、前記電気集塵機の上流側に、排ガスを昇温するための昇温手段を設けたことを特徴とする焼結機排ガスの処理装置。
【請求項3】
請求項1記載の焼結機排ガスの処理装置において、前記排ガス路の前記電気集塵機の上流側位置で、かつ、前記噴霧手段より下流側位置に、複数の集塵電極、該集塵電極間に設けた放電電極、及び前記各集塵電極を槌打する槌打機を備える脱硝用電気集塵機を設けたことを特徴とする焼結機排ガスの処理装置。
【請求項4】
請求項3記載の焼結機排ガスの処理装置において、前記排ガス路はバイパス路を有し、前記脱硝用電気集塵機を前記バイパス路に設け、前記噴霧手段を前記バイパス路の前記脱硝用電気集塵機より上流側位置に設けたことを特徴とする焼結機排ガスの処理装置。
【請求項5】
請求項3記載の焼結機排ガスの処理装置において、前記排ガス路は、前記焼結機の排鉱部側から排ガスの一部を吸引する流路を有し、前記脱硝用電気集塵機を前記流路に設け、前記噴霧手段を前記流路の前記脱硝用電気集塵機より上流側位置に設けたことを特徴とする焼結機排ガスの処理装置。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれか1項に記載の焼結機排ガスの処理装置において、前記脱硝用電気集塵機の上流側に、排ガスを昇温するための昇温手段を設けたことを特徴とする焼結機排ガスの処理装置。
【請求項7】
請求項3〜6のいずれか1項に記載の焼結機排ガスの処理装置において、前記脱硝用電気集塵機の前記集塵電極は開口を有する多孔板で構成されていることを特徴とする焼結機排ガスの処理装置。
【請求項1】
焼結機から吸引される排ガスを電気集塵機を介して大気放散するための排ガス路に設けられた焼結機排ガスの処理装置であって、
前記電気集塵機の上流側の排ガスにアンモニアを噴霧する噴霧手段を設けたことを特徴とする焼結機排ガスの処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の焼結機排ガスの処理装置において、前記電気集塵機の上流側に、排ガスを昇温するための昇温手段を設けたことを特徴とする焼結機排ガスの処理装置。
【請求項3】
請求項1記載の焼結機排ガスの処理装置において、前記排ガス路の前記電気集塵機の上流側位置で、かつ、前記噴霧手段より下流側位置に、複数の集塵電極、該集塵電極間に設けた放電電極、及び前記各集塵電極を槌打する槌打機を備える脱硝用電気集塵機を設けたことを特徴とする焼結機排ガスの処理装置。
【請求項4】
請求項3記載の焼結機排ガスの処理装置において、前記排ガス路はバイパス路を有し、前記脱硝用電気集塵機を前記バイパス路に設け、前記噴霧手段を前記バイパス路の前記脱硝用電気集塵機より上流側位置に設けたことを特徴とする焼結機排ガスの処理装置。
【請求項5】
請求項3記載の焼結機排ガスの処理装置において、前記排ガス路は、前記焼結機の排鉱部側から排ガスの一部を吸引する流路を有し、前記脱硝用電気集塵機を前記流路に設け、前記噴霧手段を前記流路の前記脱硝用電気集塵機より上流側位置に設けたことを特徴とする焼結機排ガスの処理装置。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれか1項に記載の焼結機排ガスの処理装置において、前記脱硝用電気集塵機の上流側に、排ガスを昇温するための昇温手段を設けたことを特徴とする焼結機排ガスの処理装置。
【請求項7】
請求項3〜6のいずれか1項に記載の焼結機排ガスの処理装置において、前記脱硝用電気集塵機の前記集塵電極は開口を有する多孔板で構成されていることを特徴とする焼結機排ガスの処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−161329(P2011−161329A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24463(P2010−24463)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【出願人】(306022513)新日鉄エンジニアリング株式会社 (897)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【出願人】(306022513)新日鉄エンジニアリング株式会社 (897)
【Fターム(参考)】
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