焼結繊維フィルタ
【課題】作動中、高い粒子の捕捉効率及び/又は低圧力降下を実現することができると共に、半導体の加工のような用途にて有用な焼結した繊維フィルタの提供。
【解決手段】フィルタを形成すべき使用される個別の繊維、例えば金属繊維の少なくとも一部分の形状体は、低い充填密度及び高い多孔性のフィルタ媒質を許容する、三元的アスペクトを有している。特定のフィルタ600は、高密度のテーパー付き端部606を有する円筒状又は管状の形状体を有しており、加圧成形法を使用してかかるフィルタは製造される。
【解決手段】フィルタを形成すべき使用される個別の繊維、例えば金属繊維の少なくとも一部分の形状体は、低い充填密度及び高い多孔性のフィルタ媒質を許容する、三元的アスペクトを有している。特定のフィルタ600は、高密度のテーパー付き端部606を有する円筒状又は管状の形状体を有しており、加圧成形法を使用してかかるフィルタは製造される。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001] 本出願は、その内容を参照して引用し本明細書に含める、2007年10月24日付けで出願した米国仮特許出願第60/982,328号による優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
[0002] 本発明は、焼結金属フィルタに関し、また、該フィルタを製造する方法並びにフィルタにおける高いろ過効率及び(又は)低い圧力降下を要求する用途を含む用途にて該フィルタを使用して流体をろ過する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 例えば、金属粉末又は金属繊維にて出来た、多孔性金属フィルタは、多様な用途にて広く使用されている。例えば、半導体製造過程及びその他の工業的過程にて、高感度の製品を製造するため極めて清浄な環境が必要とされることが多い。例えば、エレクトロニクス業において、半導体の製造過程への微粒子物質の混入量を少なくし、これにより電子製品の汚染を減少するため、かかる微粒子物質を流体からろ過すべくインラインフィルタが使用されることが多い。流体は、気体及び(又は)液体を含むであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7,045,219号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0004] エレクトロニクス業における幾つかの用途は、定格流量にて最透過性の粒子寸法で測定したとき、99.9999999%という高効率の除去率、すなわち9対数減少値(9LRV)を実現することのできるインラインフィルタを使用する。9LRV定格値を評価する試験方法は、環境科学協会(Institute of Environmental Sciences)の第37回年次技術会議の報告書の834−840頁(1991)におけるルーボウ(Rubow)、K.L.及びデービス(Davis)、C.B.による、「高純度気体ろ過のための多孔性金属フィルタ媒質の粒子透過特性(Particle Penetration Characteristics of Porous Metal Filter Media For High Purity Gas Filtration)」、環境科学協会の第43回年次技術会議の報告書(1997)におけるルーボウ、K.L.、D.S.プラウス(Prause)及びM.R.アイゼンマン(Eisenmann)による「超高純度気体システム用の低圧力降下の焼結金属フィルタ(A Low Pressure Drop Sintered Metal Filter for Ultra−High Purity Gas Systems)」、半導体装置及び材料の国際(SEMI)試験方法SEMI F38−0699の「使用現所における気体フィルタの効率の品質認定の試験方法(Test Method for Efficiency Qualification of Point−of−Use Gas Filters)」に記載されており、これらは全て参照して引用し本明細書に含めるものとする。
【0006】
[0005] エレクトロニクス業にとって重要であろう別の特徴は、インラインフィルタの圧力降下である。圧力降下は、フィルタを通る流体の流量及び液体の圧力レベルと共に変化するが、この業界にて一般に低圧力降下であることが好まれる。その理由は、液体源の蒸発により生成された気体のような一部のプロセス流体は、気体システムを加圧する能力に限界があり、このため、圧力降下の大きいフィルタは、プロセス流体の流量を望ましくないように減少させる(絞る)可能性があるからである。更に、典型的な高純度の流体供給システムにて、構成要素の各々がシステムにおける全体的な圧力降下の因子となる。流体フィルタは、典型的に、全体的なシステムの圧力降下の最も顕著な因子となる。構成要素の各々又は任意の構成要素における圧力降下を小さくすることは、システムにおける全体的な圧力降下を減少させることになる。このことは、システムの供給圧力の必要量を少なくすることにより、有益な稼動経済性を可能にする点にてシステムのオペレータにとって望ましいことである。例えば、圧縮気体円筒体により供給された流体を有するシステムにおいて、システムにおける圧力降下を小さくすることによりウェハの加工のため、より大きい気体の容積にアクセスすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0006] 本明細書には、焼結繊維フィルタが記載されている。特定の実施の形態において、該フィルタは、作動中、粒子を高効率に除去し且つ(又は)圧力降下を小さくし、また、半導体の加工のような用途にて有用である。フィルタを構成する個別の繊維(例えば、金属繊維)の少なくとも一部分の形状は、三次元的アスペクトを有し、このことは、低い充填密度及び高多孔性のろ過媒質を許容する。かかる低密度/高多孔性は、該媒質から形成されたフィルタにおける圧力降下を小さくすることを促進する。フィルタの成形中、圧縮程度を変化させ且つ(又は)繊維の量を変化させることは、ろ過の定格値、すなわち得られるフィルタの粒の捕集効率及び圧力差を制御することを許容する。特定の実施の形態において、フィルタは、円筒状又は管状の形状をしており、場合によっては、例えば、金属エンドキャップ及び(又は)フィルタ組立体への溶接を許容する高密度のテーパー付き端部を有している。例えば、加圧成形法を使用する、かかるフィルタを製造する方法もここに開示されている。
【0008】
[0007] 1つの特徴は、焼結繊維の金属媒質を含むフィルタエレメントを提供する。フィルタエレメントは、円筒状本体を有している。幾つかの場合、円筒状本体は、エレメントの中央部分からエレメントの一端部分に向けて減少する外径を有し、また、繊維媒質は、エレメントの中央部分からエレメントの一端部分に向けて増大する密度を有している。少なくとも幾つかの実施の形態において、エレメントの中央部分における媒質の密度は、約15%以下である。特定の実施の形態において、エレメントは、フィルタの出口における窒素の流量及び雰囲気状態にて最透過性の粒子寸法で測定したとき、幾つかの実施の形態において、33SLM(リットル毎分)/平方インチの流束、また、場合によっては、37SLM/平方インチの流束、また、場合によっては、37.9SLM/平方インチの流束にて少なくとも5対数減少値(LRV、log reduction value)のろ過効率(粒子除去率)を提供する。幾つかの実施の形態において、フィルタエレメントは、6SLM/平方インチの流束又は7SLM/平方インチの流束又は7.6SLM/平方インチの流束又は106SLM/平方インチの流束にて少なくとも9LRVのろ過効率を有している。幾つかの実施の形態において、フィルタエレメントは、金属製ハウジング内に保持されている。その他の実施の形態において、フィルタエレメントは、金属製ハウジング内に保持されず、各端部にて金具に固定されている。かかる金具の非限定的な例は、フランジ、管及び取り付け部を含む。特定の実施の形態において、エレメントの中央部分における媒質の密度は、約12%以下、例えば、約6%以下である。本明細書にて全体として「フィルタエレメント」と称する開示されたエレメントは、ろ過以外の他の用途にて使用することもできる。例えば、かかるエレメントは、流れディフューザ、スパージャー、減衰器、ウィック、デミスタ、消音器、ストレイトナ又はその他の関連したエレメントとして使用することができる。
【0009】
[0008] 幾つかの実施の形態において、円筒状本体は、フィルタの中心にて、約2.54mmから約50.8mm(約0.1インチから約2.0インチ)、例えば、約10.2mmから約20.3mm(約0.4インチから約0.8インチ)の範囲の内径を有している。幾つかの実施の形態において、円筒状本体は、フィルタエレメントの中心にて、約2.54mmから約38.1mm(約0.1インチから約1.5インチ)の範囲の肉厚を有している。特定の実施の形態において、フィルタエレメントは、エレメントの中心にて約5.08mmから約7.62mm(約0.2インチから約0.3インチ)の厚さ、及びエレメントの端部にて約2.54mm(0.1インチ)の厚さを有している。幾つかの実施の形態において、フィルタエレメントの長さは、約12.7mmから約381mm(約0.5インチから約15インチ)、例えば、約25.4mmから約127mm(約1インチから約5インチ)、又は約50.8mmから約76.2mm(約2インチから約3インチ)である。
【0010】
[0009] 幾つかの実施の形態において、フィルタエレメントは、流体をろ過するため使用される。ろ過すべき流体がフィルタエレメントと接触する。特定の実施の形態において、流体は気体である。特定の実施の形態において、フィルタは、窒素の流れ及び雰囲気出口状態にて6.8から42SLM/平方インチの流束で約13.79kPa(約2psi)から約68.95kPa(約10psi)の範囲の圧力降下を提供する。幾つかの実施の形態において、フィルタエレメントは、0.8から42SLM/平方インチの流束にて約0.69kPa(約0.1psi)から約34.47kPa(約5psi)の範囲の圧力降下を提供する。その他の実施の形態において、フィルタエレメントは、15から106SLM/平方インチの流束にて約34.47kPa(約5psi)から約172.37kPa(約25psi)の範囲の圧力降下を提供する。更にその他の実施の形態において、フィルタエレメントは、1.6から8SLM/平方インチの流束にて約0.69kPa(約0.1psi)から約3.447kPa(約0.5psi)の範囲の圧力降下を提供する。特定の実施の形態において、フィルタエレメントは、7から37SLM/平方インチの流束にて約1から約75.85kPa−1(約11psid−1)の範囲の単位圧力降下当たりの効率(LRV)を提供し、又は別の実施の形態において、単位圧力降下当たりのLRVは、106SLM/平方インチ以内の流束にて約2.758kPa−1(0.4psid−1)のように小さくすることができる。
【0011】
[0010] 別の特徴は、焼結金属繊維フィルタエレメントを製造する方法を提供する。該方法は、円筒状キャビティを有し、また、該円筒状キャビティの一端の端部蓋と、円筒状キャビティの他端の充填キャップとを有する鋳型を提供する工程を含む。充填キャップは、除去して開放した端部を提供することができ、また、コアロッドは端部蓋にて可動に封止され且つキャビティ内にて同軸状に延びている。鋳型は、開放した端部が上方に配設された状態にて垂直に向き決めされ、また、金属繊維及び液体は、コアロッドの回りにて実質的に半径方向および周方向に均一に開放した端部を通ってキャビティ内に導入される。鋳型内にて圧力差が形成され、液体を鋳型から追い出す。圧力が鋳型に、これによりキャビティ内の金属繊維に付加され、このため、金属繊維は、凝集して実質的に管状の構造体を形成する。該実質的に管状の形状体は、鋳型から除去され且つ焼結して多孔性の管状の焼結金属フィルタエレメントが得られる。幾つかの実施の形態において、鋳型は振動させる。その他の実施の形態において、真空圧により圧力差が形成される。幾つかの実施の形態において、充填キャップに圧力を付加することにより圧力差が形成される。幾つかの実施の形態において、例えば、フィルタエレメントの端部にローラ研磨器ツールを当てがいつつ、フィルタエレメントを回転させることにより多孔性の管状の焼結金属フィルタエレメントの端部は高密度化される。別の特徴において、流体をろ過する方法が提供され、この場合、流体は焼結繊維媒質から成るフィルタエレメントにてろ過され、フィルタエレメントは、中央部分から一端部分に向けて減少する外径を有する円筒状本体を備え、繊維媒質の密度は中央部分から一端部分まで増大し、中央部分における媒質の密度は約15%以下であり、フィルタエレメントは、窒素の流れ及びフィルタ出口における雰囲気状態下にて最透過性の粒子寸法のとき37.9SLM/平方インチの流束で少なくとも5LRVのろ過効率を提供する。
【0012】
[0011] 幾つかの実施の形態において、鋳型の端部蓋は除去可能である。特定の実施の形態において、真空圧供給管は、鋳型に装着され、また、金属繊維及び液体をキャビティに導入する間、開放している。幾つかの実施の形態において、管状の構造体は焼結前に乾燥させる。特定の実施の形態において、多孔性の管状の焼結金属フィルタエレメントの一端は端部キャップ及び(又は)フィルタハウジングに溶接される。
【0013】
[0012] 次の図面は、単に図示するためにのみ提供され、限定的であることを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】特定の実施の形態にて使用される、焼結後の金属繊維媒質を2000倍の倍 率にて示す顕微鏡写真である。
【図2】特定の実施の形態にて使用される、焼結後の金属繊維媒質を5000倍の倍 率にて示す顕微鏡写真を写真である。
【図3】ろ過した微粒子物質の負荷を受けた、焼結され且つろ過のために使用した後 の、特定の実施の形態による金属繊維媒質を3500倍の倍率にて示す顕微鏡写真で ある。
【図4】ろ過した微粒子物質の負荷を受けた、焼結され且つろ過のために使用した後 の、特定の実施の形態による金属繊維媒質を7500倍の倍率にて示す顕微鏡写真で ある。
【図5A】特定の実施の形態に従ったフィルタを製造するときに使用される形成装置を示す。
【図5B】特定の実施の形態に従ったフィルタを製造するときに使用される形成装置を示す。
【図6】特定の実施の形態に従ったフィルタ組立体の側面図であって、中央部分よりもフィルタエレメントの端部にて小さい外径を有するよう端部が高密度化されており、フィルタエレメントの右端部は、端部キャップに溶接され、フィルタエレメントの右端部はハウジング出口に溶接されている。
【図7】特定の実施の形態に従ったフィルタの側面図である。
【図8A】特定の実施の形態に従ったフィルタの頂面図である。
【図8B】本発明に従ったフィルタエレメントの長手方向断面図である。
【図9A】特定の実施の形態に従ったフィルタの頂面図である。
【図9B】本発明に従ったフィルタエレメントの長手方向断面図である。
【図10】特定の実施の形態に従ったフィルタにおける圧力差対異なる圧力にてフィ ルタを通る流量のグラフ図である。
【図11】特定の実施の形態に従ったフィルタにおける最透過性の粒子寸法の除去効 率対流量のグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0024] 少なくとも幾つかの実施の形態において、例えば、半導体加工にて流体をろ過するため、作動中、高効率及び(又は)小さい圧力降下を実現する焼結繊維フィルタが提供される。特定の実施の形態において、該フィルタは、円筒状又は管状の形状を有している。
【0016】
[0025] 本明細書にて説明したフィルタエレメントは、金属、金属酸化物又はセラミック材料にて出来ている。少なくとも幾つかの実施の形態において、フィルタエレメントは、金属繊維媒質にて出来ており、媒質を形成する個別の金属繊維の少なくとも一部分は、低充填密度及び高多孔性のろ過媒質を許容する幾分かの三元性を備える形状をしている。例えば、注入したとき、繊維は、約2−3%という低い充填密度を有することができる。金属繊維の形状に関して本明細書にて使用した「三次元的形態」又は「三元性」という語は、理論上の真直ぐな繊維と比較して繊維の主軸線のランダムな方向への変化を意味し、例えば、湾曲し、曲がり、折れ曲り、絡みあったもの、コルクねじ、緩い曲線部、Z−形状、90゜の曲がり又は弁髪状の形状となるものを意味する。幾分かの三元性を有する形状を持つ繊維が付設され又は注入されたとき、これらの繊維は、相互係止する傾向となり、その結果、個別の繊維の間にてかなりの量の開放した空間を有する羽毛状のテキスチャを有する媒質となる。特定の実施の形態において、個別の金属繊維の少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約75%又は少なくとも約90%は、三元的形態の形状をしている。多少の三元性の形状の媒質中の繊維の比率は、例えば、顕微鏡にて繊維の数を検査することにより測定する。
【0017】
[0026] 幾つかの実施の形態において、繊維は、湾曲した繊維及び絡まった繊維を含む短い金属繊維である。かかる繊維は、商業的に入手可能である(例えば、ベルギーのN.V.ベカルト(Bekaert)S.A.から)。かかる繊維の一例及びそれらの製造方法は、その内容を参考として引用し本明細書に含めた、米国特許第7,045,219号明細書(ロスフェルド(Losfeld)及びその他の者)に記載されている。簡単な概要として、米国特許第7,045,219号明細書には、例えば、1から150μmの範囲の等価直径を有する「絡まった」繊維及び「湾曲した」繊維を含む1組みの短い金属繊維が開示されている。絡まった繊維は、繊維の5から35%を占め、また、湾曲した繊維の平均長さの少なくとも5倍の平均長さを有している。湾曲した繊維は、10から2000μmの範囲の平均長さを有し、また、湾曲した繊維の一部分は、少なくとも90゜の角度にわたって変化する主軸線を有することができる。1組みの繊維の長さ/直径の比は、5以上とすることができる。絡まった繊維は、それ自体にて又は互いに絡み合い、また、その絡まった繊維の各々の主軸線は、しばしば且つ予見不能に変化する。繊維の幾つかは、弁髪のように見えるカオスな形状を有し又は爪に類似した形状にて存在する。注型したとき、繊維は、10から40%の範囲の見掛け密度を有することができる。短い金属繊維は、粉砕機械を使用して、カーディング工程中に金属繊維を個別化し、繊維を裁断し又は絡ませ且つふるいにかけることにより得ることができる。
【0018】
[0027] それらの形状の結果として、本発明の色々な実施の形態に従って採用した繊維は、低い充填密度を有する傾向となる。このため、所定の量の繊維の場合、その容積のかなりの部分は空又は雰囲気空間となる、すなわち高い多孔性となる傾向にある。この低い充填密度/高い多孔性は、流体がフィルタを通って流れるとき、かかる繊維にて出来たフィルタの圧力降下が小さいことを許容する。繊維の低い充填密度は、焼結された後、特定の実施の形態にて使用した繊維を大きい倍率にて示す図1及び図2に見ることができる。図1は、2000倍の倍率にて繊維を示し、また、図2は、5000倍の倍率にて繊維を示す。図3及び図4は、焼結し且つろ過のため使用した後、ろ過した微粒子物質が装填された、特定の実施の形態による金属繊維媒質を示す。図3は、3500倍の倍率にて示し、また、図4は、7500倍の倍率にて示す。
【0019】
[0028] 幾つかの実施の形態の繊維を形成するのに有用な材料は、316Lステンレススチールを含むステンレススチール、ニッケル、タリウム、チタン、アルミニウム、タングステン、銅、金属酸化物、セラミック材料及びハステロイ(Hastelloys)、青銅、Cu−合金及びFe−Cr−Al合金のような合金の1つ以上を含むが、これらにのみ限定されるものではない。
【0020】
[0029] 色々な実施の形態に従って使用される繊維の一例としての寸法は、約1μmから約150μm、例えば、約1μmから約75μm、約1μmから約50μm、約1μmから約35μm、又は、約1μmから約10μmの繊維の等価直径を含み、また、約10μmから約2000μm、例えば、約10μmから約1000μm、約10μmから約200μm、又は約10μmから約100μmの繊維長さを含む。繊維の「等価的」直径とは、その主軸線に対して垂直に切った繊維と同一の断面積を有する円の直径を意味する。繊維長さとは、繊維が真直ぐにされたとき、繊維の主軸線にて何ら変化しない、その主軸線に沿った距離を意味する。
【0021】
[0030] 特定の実施の形態において、かかる繊維からフィルタ又はフィルタ媒質を製造する方法が開示されている。かかる方法の非限定的な例は、繊維金属媒質を例えば、円筒状又は管状のフィルタのような、所望の形状体に成形する工程を含む。少なくとも幾つかの場合、この成形は、加圧成形法によって行われる。成形は、例えば、静水圧プレス成形のようなその他のプレス成形法によって行うこともできる。特定の実施の形態において、繊維材料を計り分けし且つ液体と混合させて混合体を形成し、この混合体は、形成装置を使用して成形される。繊維材料と混合させることのできる液体の非限定的な例は、水、水系溶液、アルコール、アルコール系溶液、グリセリン及びそれらの混合体を含む。幾つかの実施の形態において、混合体はバインダを含まない。これと代替的に、繊維は、例えば空気分級によりドライ成形することができる。所望の密度を実現するための色々な圧密化方法は周知である。
【0022】
[0031] 本明細書にて説明したフィルタエレメントを形成する適当な形成装置の非限定的な例は、加圧成形法用の円筒状組立体を含む。図5A及び図5Bに示したかかる1つの組立体において、形成装置500は、形成管501、2つの端部キャップ502、503、1つの高多孔性の座金504、2つの低多孔性の座金505、及び2つの押し管506を含む。例えば、形成管501は、例えば、中空のコアを有するステンレススチールのような金属製の円筒体である。図示した実施の形態において、形成管501の下端付近には、例えば、Oリングのような、ガスケット508が装着された管の外表面の切欠き507がある。図示した実施の形態において、非限定的な例として、形成管501は、長さ279mm(11インチ)、外径約40.6mm(1.6インチ)及び内径約30.5mm(1.2インチ)である。形成ツールの寸法は、異なる寸法及び密度の繊維管を製造することができるように調節される。
【0023】
[0032] 形成管501は、各端部に対して1つずつ例えば、プラスチックで出来た、2つの端部キャップ502、503と合わさる。特定の実施の形態において、形成管501の下端と合わせることのできる下端キャップ502は、真空圧供給管を装着することのできる弁509を有している。少なくとも幾つかのかかる実施の形態において、上端キャップ503は、コアロッド511が貫通して延びることのできる、キャップの中間を貫通するロッド穴510と、繊維及び液体の混合体が流れることのできるロッド穴510の回りの追加的な流れ穴512と、流れ穴512を通って流れる前に、繊維及び液体の混合体を注型することのできるリザーバ頂部513とを有する充填キャップである。双方の端部キャップ502、503は、形成管501の上方に嵌まる設計とされている。従って、双方の端部キャップ502、503は、形成管501の外径と実質的に等しい直径を有する中空の内側切欠き部分を有している。
【0024】
[0033] 例えば、ステンレススチールにて出来たコアロッド511が形成管501内にて使用される。特定の実施の形態において、コアロッド511は、直径が小さく(例えば、図示した実施の形態にて、約12.7mm(0.5インチ)の直径)、また、形成管501の内部よりも僅かに長く、従って、形成管501の下端が下端キャップ502と合わさったとき、形成管501は、コアロッド511の回りに配置され且つ下端キャップ502内に挿入され、また、充填キャップ503は、形成管501の上端に装着され、コアロッド511の上端は充填キャップ503のロッド穴510の頂部と実質的に面一となる。
【0025】
[0034] 小さい多孔性座金505は、コアロッド511の直径に実質的に等しい内径と、形成管501の内径に実質的に等しい外径とを有している。大きい多孔性座金504は、また、コアロッド511の直径に実質的に等しい内径を有するが、形成管501の外径に実質的に等しい外径を有している。2つの押し管506は、形成管501の内径よりも小さい外径と、コアロッド511の直径よりも大きい内径とを有している。幾つかの実施の形態において、押し管506はステンレススチールである。非限定的な例として、図示した実施の形態において、押し管506は、各々、長さ178mm(7インチ)である。成形装置の寸法は、異なる寸法及び密度の繊維管を製造することができるように調節される。
【0026】
[0035] 形成装置500を組み立てるため、下端キャップ502を表面に配置し大きい多孔性座金504を端部キャップ502内に配置する。次に、形成管501の下端を下端キャップ502内に配置し、ガスケット508が端部キャップ502に対するシールを形成するようにする。形成管501を下端キャップ502内に押し込み、形成管の底部が下端キャップ502内にて大きい座金504上に着くようにする。次に、コアロッド511を形成管501及び大きい座金504を通して配置し、コアロッド511の底部が下端キャップ502に着くようにする。次に、小さい座金505をコアロッド511上に配置し、且つ形成管501内に挿入する。小さい座金505は、コアロッド511に沿った全経路を摺動し、大きい座金504の頂部にて休止するようにする。次に、充填キャップ503をコアロッド511上に且つ形成管501の上端に配置する。充填キャップ503は、形成管501の上端にきちっと嵌まり、繊維及び液体の混合体が充填キャップ503内に注型されたときの漏出を防止する。
【0027】
[0036] 本明細書にて説明した、フィルタを製造する方法の1つの非限定的な例において、組み立てた形成装置500は、例えば、No.200超ヘビィーデューティ振動機(No.200 Extra−Heavy Duty Vibrator)(ニューヨーク州、サヤセットのバッファローデンタルマニュファクチュアリング(Buffalo Dental Manufacturing)Co.)のような振動テーブル上に配置する。次に、真空圧供給管を下端キャップ502上にて弁509に装着し、少なくとも幾つかの場合、真空圧を最初に、低い真空設定圧にする。次に、振動テーブルを作動させる。繊維及び液体の混合体を十分に混合させ、少量を充填キャップ503内に注型し、その後、真空圧供給管を完全に開く。繊維及び液体の混合体は、典型的に、充填キャップ503内に注型されたとき、連結的に混合し、コアロッド511の回りの空間内に且つ形成管501の内壁に流れる。繊維及び液体の混合体の全部が充填キャップ503を通して形成管501内に注型された後、追加の液体を充填キャップ503内に注型し、充填端部503を通って形成管501内に流れなかった残りの繊維材料を完全に除去する。幾つかの代替的な実施の形態において、振動テーブルは採用されない。幾つかの代替的な実施の形態において、真空圧を採用する代わりに、加圧した気体を鋳型の充填端部キャップに付加することにより液体を鋳型から除去するため圧力差が形成される。
【0028】
[0037] 液位が形成管501内まで低下したとき、充填キャップ503を形成管501から除去する。次に、第二の小さい多孔性座金505をコアロッド511上に且つ形成管501内に配置する。次に、第一の押し管506を形成管501の内部にてコアロッド511の回りに且つ第二の小さい座金505の頂部に配置する。第一の押し管506の重力が第二の小さい座金505を管内に下方にゆっくりと押す。第一の押し管506が形成管501に沿って下方に動くのを停止したとき、振動テーブルの作動を停止させ、真空圧の供給を遮断する。真空圧を放出し、次に、真空圧供給管を下端キャップ502上の弁509から除去する。
【0029】
[0038] 次に、形成管501を横に配置し、下端キャップ502及び大きい座金504を形成管501から除去する。第二の押し管506を形成管501の下端を通して形成管501内に挿入し、該第二の押し管が小さい座金505に隣接するようにする。次に、第二の管を例えば、約76.2mm(3インチ)だけ形成管501内に挿入する。次に、形成管501と、コアロッド511と、2つの押し管506とを含む形成装置500を取り上げ、下端を下にして任意の硬い面の上に立たせる。頂部押し管506に下方への圧力を加えて、形成装置500を更に圧縮する。非限定的な例として、図示した実施の形態において、形成装置を圧縮して、形成管501から延びる双方の押し管506を含む装置500の全長が約432mm(17インチ)となり、長さ約81.3mm(3.2インチ)の未加工の繊維管となるようにする。成形装置の寸法は、異なる寸法及び密座の繊維管を製造することができるように調節される。
【0030】
[0039] 次に、テーブル上にて下端が上方で、上端が下方となる状態にて形成装置500を、テーブル上に立たせる。このとき、形成管501の頂部にある押し管506を除去し、形成管501を下方に押し、該形成管の底部がテーブルの頂部に着くようにする。次に、除去した押し管506をこのとき形成管501の底部にある押し管506の下方に置き、押し管506が隣接するようにする。これらが隣接したとき、コアロッド511が安定的に保持されている間、形成管501を下方にテーブルまで押す。このことは、形成した繊維管を形成管501から押し出すことになる。次に、2つの小さい座金505をコアロッド511から除去し、形成した繊維管もコアロッド511から除去する。
【0031】
[0040] 次に、形成した繊維管を乾燥させ且つ焼結してフィルタエレメントを形成する。特定の実施の形態において、形成した繊維管は2つの固定したリングの間にて焼結トレー上に配置する。固定したリングは、形成した繊維管が乾燥するとき膨張するのを防止する。形成した繊維管は、約70℃から約200℃、例えば、約75℃の温度にて加熱炉内で約2時間から約12時間、例えば、約3.5時間、乾燥させる。次に、乾燥した形成後の繊維管を例えば、コンベアベルト上で、窒素又は水素にて約982.22℃(1800°F)から約1148.9℃(2100°F)、例えば、約1037.9℃(1900°F)にて約30から120分、例えば、約60分、加熱炉、例えば、真空加熱炉内にて又は雰囲気状態にて焼結する。
【0032】
[0041] 冷却後、焼結した繊維管はろ過可能である。しかし、特定の実施の形態において、焼結した繊維管は、フィルタハウジング又はその他の金具内に溶接する。かかる幾つかの実施の形態において、繊維管の端部は高密度化して、溶接を容易にすることができ、かかる溶接は、充填密度が低い繊維管の場合に困難であろう。特定の実施の形態において、外径が端部付近にて徐々に減少するような管の両端の形状とすることにより、そのろ過特性を保持しつつ、焼結した繊維管の端部を高密度化する。非限定的な例として、幾つかの実施の形態において、このことは、焼結したフィルタ管を旋盤にて旋回させ且つその旋回する焼結したフィルタ管が外部ホイールと接触するようにすることにより、焼結したフィルタ管の端部を徐々に圧縮することによって実現される。高密度化は、例えば、約1.5から約3.5、また、幾つかの場合には、約2.5倍だけ管の端部を圧縮する。例えば、幾つかの実施の形態において、焼結したフィルタ管は、高密度化される前、その全長に沿って、約6.35mmから約7.62mm(約0.25インチから約0.30インチ)の肉厚を有している。かかる幾つかの実施の形態において、高密度化された後、焼結したフィルタ管は、その端部にて約1.52mmから約2.54mm(約0.06インチから約0.10インチ)の範囲の肉厚を有している。幾つかの代替的な実施の形態において、管は高密度化せず、例えば、全体にわたってほぼ均一な密度及び肉厚を有するようにする。
【0033】
[0042] 図5A、図5Bに関して説明したようなもののような加圧成形法は、予期せずに有利な効果をもたらすことが分かった。しかし、静水圧プレス成形、又はアイソプレス成形のような、繊維金属を加圧成形するするその他の典型的な方法とすることも考えられる。静水圧プレス成形は、例えば繊維混合体を圧力容器内に配置し、繊維混合体がこの圧力容器内にて半径方向内方に圧密化されるようにして行うこともできる。
【0034】
[0043] 本明細書にて説明した幾つかの実施の形態におけるように、例えば、円筒体の軸線に沿って加圧するような加圧成形法によって適当な繊維管が製造できることは予想できなかった。その理由は、加圧成形法は、従来、加圧した円筒体の長さにわたって密度勾配を生じさせる不均一な力の分配状態を伴い、このため密度はその長さに沿って軸方向中心に向けて減少するからである。しかし、例えば、図5A、図5Bに関して示し且つ説明したように、本明細書にて説明した加圧成形法は、フィルタの性能を実質的に妨げないレベルまでこの勾配を減少させることが分かった。理論により拘束されるものではないが、繊維及び液体の混合体が鋳型内に注型されたとき、円筒体の繊維部分の長さにわたって密度勾配が形成され、加圧成形法はこの勾配を減少させる傾向となると考えられる。この勾配の減少は、一部分、液体の存在は繊維の管状要素の全体にわたって圧密力(従って、圧力)をより均一に分配するのを助け、また、成形壁に対する繊維の抗力を減少させる潤滑性を助けるために生じる。しかし、繊維の乾燥加圧法とすることも考えられる。加圧成形法は、フィルタ管に対して実質的に均一な内径及び外径を提供する点にて有益である。当該技術の当業者により理解されるように、フィルタ管の肉厚及び長さ、振動レベル、繊維及び液体の混合体の充填量及び均質性、及び圧密量のようなパラメータを制御することにより、密度の勾配を特定の程度まで制御することができる。
【0035】
[0044] 特定の実施の形態において、高密度化されたとき、焼結した繊維管は、高密度化した端部にて溶接される。例えば、管の一端には金属端部キャップが溶接され、この端部キャップは、管の該端部を通って流体が流れるのを防止し、また、管の他端には、流体が通って流れることのできるハウジング出口が溶接されている。図6は、特定の実施の形態による高密度化し且つ焼結したフィルタ管600を示し、このフィルタ管には、右側に端部キャップ602が溶接され、左側にハウジング装着部604が溶接されている。典型的に、溶接を容易にするようにフィルタエレメントの端部を高密度化することは、焼結した繊維管に亀裂を生じさせ又は構造体にその他の損傷を生じさせる可能性がある。しかし、例えば、図6に示したように、少なくとも幾つかの実施の形態において、これらの問題点は、焼結したフィルタ管608の中央部分から管606の端部分まで密度が徐々に増大するように、高密度化に勾配を付けることにより軽減される。管600は、中央部分608から端部606までテーパーを付け又は湾曲させて、この密度勾配を反映する。フィルタ管の端部に向けて徐々に増大する密度勾配を形成することは、密度又は高密度化過程における急激な変化に起因するであろう繊維構造体における欠陥を防止するのを助けることになる。例えば、本明細書にて説明したように、焼結したフィルタエレメントの高密度化の過程中、ローラ研磨器ツールにて研磨仕上げすることにより密度勾配は形成される。
【0036】
[0045] 図7は、図6に示したもののようなフィルタの回りにて構成されたフィルタハウジング700の非限定的な例を示し、完成したインラインの多孔性金属フィルタを形成する。ハウジング700は、典型的に、例えば、316Lステンレススチールのようなステンレススチールの如き金属である。特定の実施の形態において、かかるハウジングは、本明細書にて説明したようにフィルタ管と組み合わせて、例えば、幾つかの実施の形態にて、約450℃以内の高い温度の裕度を提供する。色々な実施の形態において、現場にて使用される標準型のフィルタハウジングを含む代替的なハウジングが採用される。
【0037】
[0046] 図8A−Bは、フィルタハウジング700内に保持された、端部キャップ602と、フィルタハウジングの装着部604とを有する、特定の実施の形態によるフィルタ管600を示す。ハウジングの装着部604は、フィルタ管600をハウジング700に装着するのに適した部分の非限定的な例を提供する。アダプタ604は、フィルタエレメント600の端部を固定する内部のリング部分802と、作動中、流体の供給源にインライン装着するためのねじ部分804とを含む。
【0038】
[0047] 図8Bを参照すると、フィルタは、流体の流れ中にインライにて配置される。流体は、作動中、一方の端からフィルタハウジング中に且つハウジングを通って流れることができる。例えば、幾つかの場合、流体は、図面の右側からハウジング700の右側の開口部701を通って流れる。流体は、フィルタ部材600の右側にて端部キャップ602を透過することができず、このため流体は、端部キャップ602の回りにて且つフィルタエレメント600の回りにて流れる。流れの圧力は、流体をフィルタエレメント600を通して強制的に供給し、このため極めて大きい比率にて流体中の微粒子物質をろ過する。流体は、フィルタエレメント600を透過し、フィルタエレメント600によりろ過され、フィルタハウジング600及びハウジング700から、図面の左側部の開口部702を通って流れる。
【0039】
[0048] 図9A−Bは、特定の実施の形態による円筒状のフィルタエレメント600を示す。幾つかの場合、フィルタ600の内径は、約2.54mmから約50.8mm(約0.1インチから約2インチ)の範囲、例えば、約7.62mmから約25.4mm(約0.3インチから約1インチ)、約10.2mmから約20.3mm(約0.4インチから約0.8インチ)、又は約15.2mm(0.6インチ)とする。幾つかの場合、フィルタエレメント600の中央部分の肉厚は、約2.54mmから約38.1mm(約0.1インチから約1.5インチ)の範囲、例えば、約6.35mmから約25.4mm(約0.25インチから約1インチ)の範囲又は約12.7mm(0.5インチ)とする。図9A、Bに示したように、特定の実施の形態において、外径は、フィルタエレメント600の中央部分608からフィルタエレメント600の一端部分606に向けてテーパーが付けられ、フィルタエレメント600の端部606の高密度化を反映する。例えば、特定の実施の形態において、円筒体は、ろ過エレメントの中央部分にて約5.08mmから約7.62mm(約0.2インチから約0.3インチ)厚さと、ろ過エレメントの端部にて約2.54mm(0.1インチ)の厚さとを有している。幾つかの場合、円筒状フィルタ600の長さは、約12.7mmから約381mm(約0.5インチから約15インチ)の範囲、約25.4mmから約101.6mm(約1インチから約4インチ)の範囲、又は約50.8mmから約76.2mm(約2インチから約3インチ)の範囲、例えば、約71.1mm(2.8インチ)である。
【0040】
[0049] 採用される繊維の三元的形状体又は曲率のため、本明細書に記載したフィルタエレメントは、少なくとも幾つかの実施の形態にて低い密度/高多孔性を示す。少なくとも幾つかの場合、焼結した繊維フィルタエレメントの密度は、約2%から約30%の範囲、例えば、約5%から約18%、約5%から約13%、約4%から約8%の範囲又は約10%から約14%の範囲とする。幾つかの場合、フィルタの密度は、約6%、約12%又は約17%から約18%とする。密度は、例えば、フィルタの製造にて採用した繊維の圧密化の程度及び(又は)繊維量に基づいて調節することができる。より高密度は、繊維の圧密度を大きくし且つ(又は)より多量の繊維を使用することで実現される。幾つかの場合、より高い捕集効率を促進するためより高密度が採用される。幾つかの場合、フィ
ルタにおける小さい圧力降下を促進するようにより低密度が採用される。
【0041】
[0050] 一部分、低密度に起因して、少なくとも幾つかの実施の形態において、本明細書にて説明したフィルタは、作動中、小さい圧力降下を提供する。非限定的な例において、ろ過される気体の圧力が6894.76kPa(1000psi)を越えるであろう高圧の圧縮気体供給管にて、本明細書にて説明した幾つかのフィルタは、約13.79kPa(約2psi)から約68.95kPa(約10psi)の範囲の圧力降下を提供する。低圧の環境内にて使用するため、幾つかの実施の形態によるフィルタは、約0.69kPa(約0.1psi)から約34.47kPa(約5psi)の範囲、例えば、約1.38kPa(約0.2psi)から約6.89kPa(約1psi)の範囲の圧力降下を提供する。
【0042】
[0051] 図10は、各種の圧力にてフィルタにおける圧力差対フィルタを通る流量を示すグラフ図である。図10の圧力降下データは、以下に説明する実施例1及び2に従って形成されたフィルタに対する4組みのデータを示す。全ての場合、流体は、高圧の超高純度窒素である。気体の流量は、フィルタ及び背圧制御弁(使用されるとき)の下流に配置された重量流量計にて測定した。1組みのデータに対して、フィルタの出口の圧力は、雰囲気状態にあり(名目的に1大気圧及び21.11℃(70°F))、また、フィルタにおける関係した流量及び圧力差が得られるよう上流圧力は上昇させた。その他の3組みの場合、入口圧力は約206.9、413.7又は620.6kPa(30、60、又は90psig)の何れかにて一定に保ち、また、フィルタにおける圧力降下を監視する一方、フィルタの下流に配置された弁を使用してフィルタの出口における気体の流量及び背圧の双方を制御した。
【0043】
[0052] 少なくとも幾つかの実施の形態におけるフィルタは、高い捕集効率を提供する。幾つかの実施の形態において、最透過性の粒子寸法にて測定した99.9999999%以上の効率、すなわち9対数減少値(9LRV)が提供される。その他の実施の形態において、例えば、極めて高い効率が要求されない場合、又は特に圧力降下が小さいことが望まれる場合、5LRV以上のような低い効率が採用される。図11は、実施例1及び2にて説明したように形成されたフィルタにおけるフィルタ効率とフィルタを通る流量との関係を最透過性の粒子寸法にて測定したときの値を示すグラフ図である。ミネソタ州、ミネアポリスのミネソタ大学、機械工学部のph.D.Thesis(1981)におけるルーボウ、K.L.による「膜フィルタのサブミクロンエローゾルろ過特性(Submicron Aerosol Filtration Characteristics of Membrane Filters)」に記載された、ルーボウらにより開発された繊維状媒質に対する粒子の収集理論を用いて理論曲線が得られた。
【0044】
[0053] 幾つかの実施の形態のフィルタの低い充填密度は、単位粒子捕集レベル当たり、より小さい圧力降下を許容する。別言すれば、幾つかの実施の形態のフィルタは、単位圧力降下当たり高レベルの微粒子の捕集率を許容する。この比較は、任意の特定の粒子寸法にて行うことができるが、最透過性の粒子寸法にて測定した粒子の捕集効率を使用すれば、捕集が最も困難な粒子寸法、すなわち、最低の捕集効率すなわち最低のLRVを有する粒子寸法を表わすことができる。別段の表示がない限り、本明細書にて明示した全てのLRV値は、最透過性の粒子寸法にて測定したものである。更に、所定の流量におけるLRV対圧力降下の比は、例えば、図10に示した4つの異なる圧力降下曲線について示したように、任意のシステム圧力にて計算することもできる。一貫性をもたせるため、この比は、フィルタの出口における圧力が雰囲気状態(名目的に1大気圧及び21.11℃(70゜F))の場合について計算したものであり、気体は、超高純度の窒素であり、上流の圧力は、図10に示したように、フィルタにて関係した流量及び圧力差が得られるよう上昇させた。この比は、また、フィルタの単位有効表面積当たりの流量である気体の流束(速度)にも依存する。円筒体の場合、有効面積は、肉厚の中間点の直径(端部を高密度化する前に管について計算した)に基づいて計算する。実施例1、2に従って作成したフィルタの場合、有効直径は19.05mm(0.75インチ)であり、形成される有効面積は42.581平方センチメートル(6.6平方インチ)である。50、75、及び250SLMの流量のとき、形成される流束は7.6、11.4及び37.9SLM平方インチである。これらの3つの流束におけるLRV対圧力降下の比は、それぞれ約69.64、39.30及び6.895kPa(10.1、5.7及び1.0psid−1)である。
【0045】
[0054] 次の手順を使用して粒子の保持試験を行った。フィルタの各々は、ポリ分散NaCl粒子にてその最大の定格流量で試験した。粒子の平均寸法は、最透過性の粒子寸法付近にある0.07μmとした。試験フィルタは、雰囲気温度にて圧縮し、ろ過した超高純度窒素ガスでパージした。粒子のバックグラウンドカウント値は、試験の粒子試験部分を開始する前、零に保った。試験フィルタの上流及び下流の粒子濃度は、2つの凝結粒子カウンタ(CPC)にて同時に測定した。粒子の保持値は、対数減少値(LRV)として表記されている。LRVは、フィルタの上流の粒子濃度とフィルタの下流の粒子濃度との比である。高LRV値を評価するための試験方法は、環境科学協会の第43回年次技術会議の報告書、834−840頁(1991)におけるルーボウ、その他の者による「超高純粋気体システム用の低圧力降下の焼結金属フィルタ」及び環境科学協会の第43回年次技術会議の報告書(1997)におけるルーボウ、K.L.、D.S.プラウス及びM.R.アイゼンマンによる「超高純度気体システム用の低圧力降下の焼結金属フィルタ」に記載されており、これらの内容は参考として引用し本明細書に含めてある。
【0046】
[0055] 例えば、実施例1及び2に従って作成した円筒状フィルタは、50SLM以下の流量にて9LRV以上の効率及び250SLM以下の流量にて5LRV以上の効率のとき、最透過性の粒子寸法における除去定格値が得られるように測定した。
【0047】
[0056] 幾つかの代替的な実施の形態において、上述したものと同様の過程を使用して星型又はひだ付き形状体のような異なる形状を有するフィルタを製造する。これらの形状体は、外部造作部の外形に相応し、円筒状及び(又は)これらの何らかの組み合わせである内部造作部を有することができる。これらの異なる形状体は、形成される形状体に相応するダイ又は鋳型を使用することにより形成される。幾つかの実施の形態において、上述したものと同様の過程を使用して内径、外径に又はその双方にて非円形の断面を有するフィルタを製造する。幾つかの実施の形態において、形成されるフィルタは、内径、外径に又はその双方にてフィルタの長さに沿って不均一な形状を有する。非限定的な例として、上述したものと同様の過程を使用してフィルタの中央部分に星型の外面と、フィルタの端部分に円筒状の形状の外面とを有するフィルタを製造する。これは、例えば、中央部分に星型の内部と、端部分に円筒状の内部とを有する形成管を使用することにより実現することができる。フィルタの内面は、同様に、コアロッドの相応する形状に基づいて不均一な形状を有するようにしてもよい。
【0048】
[0057] 本明細書にて説明したフィルタは、繊維フィルタが望まれる多様な用途にて有用である。例えば、当該技術の当業者により理解されるように、特定の実施の形態によるフィルタは、ハウジング内にて提供され又はシステム内に組み込むべくフランジ又は取り付け部のようなその他の金具に固定され、このシステムは、例えば、圧縮した気体供給管のような、半導体加工及び生物医薬品業にて使用される過程のための気体を提供する。
【0049】
[0058] 次の非限定的な実施例は、特定の実施の形態を示す。
実施例1
【0050】
[0059] 米国特許第7,045,219号(ベルギー、N.V.ベカルト(Bekaert)S.A.−ベキノックス(Bekinox)SF 1.5μm/316LV Z60)に記載されたような金属繊維を使用して円筒状のフィルタエレメントを製造した。繊維は、直径約1.5μm、及び名目長さ約75から約100μmの316Lステンレススチールとした。22gの金属繊維をガラスビーカ内に計り分けした。1000mLの脱イオン水をプラスチックトリポアビーカ内に計り分けし、また、200mLの脱イオン水を別個のプラスチックトリポアビーカ内に計り分けした。22gの繊維を1000mLの脱イオン水内に混合させ、完全に混合する迄、ガラス撹拌ロッドにより撹拌した。繊維/水の混合体は、図5A、Bの装置の作用に関して上記に詳細に説明したように、振動テーブル及び真空圧を使用して、図5A、Bに示した形成装置内注型し且つ該形成装置により圧縮した。圧縮する前、200mLの追加の脱イオン水を使用して残りの繊維を完全に成型装置内に入れた。圧縮の結果、長さ約81.28mm(3.2インチ)の未加工の繊維管が得られた。繊維管を形成装置から除去し、2つのリングの間にて焼結トレーに載せた。管は、少なくとも3.5時間、加熱炉内にて75゜Cで乾燥させ、次に、60分間、1037.8℃(1900゜F)にて真空加熱炉内にて焼結した。形成される管の外径は27.9mm(1.10インチ)、内径は10.4mm(0.41インチ)であった。次に、フィルタエレメントは、71.1mm(2.8インチ)の長さに切断し、端部はローラ研磨して各端部にて20.3mmから25.4mm(0.80インチから1.00インチ)の外径を有する、図9A、Bに示した湾曲外形の形状体を実現した。
実施例2
【0051】
[0060] 次に、実施例1従って形成したフィルタエレメントは、溶接し且つ組み立てて図6及び図8A、Bに示したようなフィルタを実現した。このフィルタは、その後、試験して図10及び図11にそれぞれ示した圧力降下データ及び粒子の収集効率データを得た。
【0052】
[0061] 実施例1に従って形成したフィルタにてフィルタの粒子装填試験を行った。空気の流量は100SLM、粒子寸法は、最透過性の粒子寸法を表わすものと決定した0.07μmであり、目標濃度は立方センチメートル当たり20,000粒子とし、当初LRVは7.3とした。この試験用の全体的な粒子目標は、5兆粒子であり、最終LRVは9以上とした。当初の圧力降下は約12.41kPa(1.8psid)であり、最終圧力降下はや宇14.48kPa(2.1psid)であり、この値は、約2.069kPa(0.3psid)すなわち16%増大したことを表わす。これらの値は、フィルタが高度に(すなわち、半導体業界にて見られる値に比して大きい値)装填されたとき、フィルタの圧力降下の増加は僅かな程度に過ぎないことを実証する。
実施例3
【0053】
[0062] 米国特許第7,045,219号(ベルギー、N.V.ベッカエルト(Bekaert)S.A.−ベキノックス(Bekinox)SF 1.5μm/316LV Z60)に記載されたような金属繊維を使用して円筒状のフィルタエレメントを製造した。繊維は、直径約1.5μm、及び名目長さ約75から約100μmの316Lステンレススチールとした。44gの金属繊維をガラスビーカ内に計り分けした。1500mLの脱イオン水をプラスチックトリポアビーカ内に計り分けし、また、200mLの脱イオン水を別個のプラスチックトリポアビーカ内に計り分けした。44gの繊維を1500mLの脱イオン水内に混合させ、完全に混合する迄、ガラス撹拌ロッドにより撹拌した。繊維/水の混合体は、図5A、Bの装置の作用に関して上記に詳細に説明したように、真空圧を使用して、図5A、Bに示した形成装置内に注型し且つ該形成装置により圧縮した。圧縮する前、200mLの追加の脱イオン水を使用して残りの繊維を完全に成型装置内に入れた。圧縮の結果、長さ約81.3mm(3.2インチ)の未加工の繊維管が得られた。
【0054】
[0063]繊維管を形成装置から除去し、2つのリングの間にて焼結トレーに載せた。管は、少なくとも3.5時間、加熱炉内にて75゜Cで乾燥させ、次に、60分間、1037.8℃(1900゜F)にて真空加熱炉内にて焼結した。形成される管の外径は27.9mm(1.10インチ)、内径は10.4mm(0.41インチ)であった。次に、フィルタエレメントは、71.1mm(2.8インチ)の長さに切断し、端部はローラ研磨して各端部にて20.3mmから25.4mm(0.80インチから1.00インチ)の外径を有する、図9A、Bに示した湾曲外形の形状体を実現し、その後、溶接し且つ組み立てて図6、図8A、Bに示したフィルタを実現した。
【0055】
[0064] 圧力降下及び効率の試験は、フィルタエレメントの長さ35.6mm(1.40インチ)の非湾曲外形の部分にて行った。加圧した気体は、窒素とし、フィルタ出口で雰囲気気体状態にて圧力降下及び効率の双方を測定した。粒子寸法は、0.07μmとし、この値は、最透過性の粒子寸法を表すものと決定した。このフィルタエレメントは、150SLMの気体流量及び約90.32kPa(13.1psid)の圧力降下にて9LRV以上の粒子の保持レベルを生じさせる。175SLMの気体流量及び約102.7kPa(14.9psid)の圧力降下のときにも粒子の保持レベルは、9LRV以上であった。250SLMの気体流量及び約132.4kPa(19.2psid)の圧力降下のときでも粒子の保持レベルは、9LRV以上であった。50、100、150及び200SLMの気体流量のときの圧力降下レベルは、それぞれ約35.16、63.43、88.95及び112.4kPa(5.1、9.2、12.9及び16.3psid)であった。
【0056】
[0065]圧力降下及び効率の試験は、フィルタエレメントの長さ25.4mm(1.00インチ)の非湾曲外形の部分にても行った。加圧した気体は、窒素とし、フィルタ出口で雰囲気気体状態にて圧力降下及び効率の双方を測定した。粒子寸法は、0.07μmとし、この値は、最透過性の粒子寸法を表すものと決定した。このフィルタエレメントは、250SLMの気体流量及び約172.4kPa(25.0psid)の圧力降下のとき9LRV以上の粒子の保持レベルを生じさせる。50、100、150及び200SLMの気体流量のとき圧力降下は、それぞれ約49.00、85.50、117.2及び147.6kPa(7.1、12.4、17.0及び21.4psid)であった。
実施例4
【0057】
[0066] 米国特許第7,045,219号(ベルギー、N.V.ベカルト(Bekaert)S.A.−ベキノックス(Bekinox)SF 1.5μm/316LV Z60)に記載されたような金属繊維を使用して円筒状のフィルタエレメントを製造した。繊維は、直径約1.5μm、及び名目長さ約75から約100μmの316Lステンレススチールとした。11gの金属繊維をガラスビーカ内に計り分けした。500mLの脱イオン水をプラスチックトリポアビーカ内に計り分けし、また、100mLの脱イオン水を別個のプラスチックトリポアビーカ内に計り分けした。11gの繊維を500mLの脱イオン水内に混合させ、完全に混合する迄、ガラス撹拌ロッドにより撹拌した。繊維/水の混合体は、図5A、Bの装置の作用に関して上記に詳細に説明したように、真空圧を使用して、図5A、Bに示した形成装置内に注型し且つ該形成装置により圧縮した。圧縮する前、100mLの追加の脱イオン水を使用して残りの繊維を完全に成型装置内に入れた。圧縮の結果、長さ約81.3mm(3.2インチ)の未加工の繊維管が得られた。
【0058】
[0067] 繊維管を形成装置から除去し、2つのリングの間にて焼結トレーに載せた。管は、少なくとも3.5時間、加熱炉内にて75℃で乾燥させ、次に、60分間、1037.8℃(1900゜F)にて真空加熱炉内にて焼結した。形成された管の外径は21.97mm(0.865インチ)、内径は13.97mm(0.550インチ)であり、また、6から7.2%の範囲の密度範囲であった。次に、フィルタエレメントは、71.1mm(2.8インチ)の長さに切断し、端部はローラ研磨して各端部にて20.3mmから15.2mm(0.80インチから0.60インチ)の範囲の外径を有する、図9A、Bに示した湾曲した外形の形状体を実現した。このフィルタエレメントは、50SLMの気体流量及び約3.654kPa(0.53psid)の圧力降下のとき6.6LRVの粒子の保持レベルを生じさせる。5、10、20及び30SLMの気体流量のとき圧力降下レベルは、それぞれ約0.621、1.103、1.586及び2.275kPa(0.09、0.16、0.23、及び0.33psid)であった。試験気体は、加圧した窒素とし、フィルタ出口で雰囲気気体状態にて圧力降下及び効率の双方を測定した。粒子寸法は、0.07μmとし、この値は、最透過性の粒子寸法を表すものと決定した。
【0059】
[0068] 本明細書を読むことにより当該技術の当業者に明らかになるように、本発明は、上記に特に開示したもの以外の形態にて具体化することが可能である。このため、上述した特定の実施の形態は、説明のためであり、限定的なものではないとみなすべきである。本発明の範囲は、上記の説明に含めた実施例にのみ限定されることなく、特許請求の範囲に記載されている。
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001] 本出願は、その内容を参照して引用し本明細書に含める、2007年10月24日付けで出願した米国仮特許出願第60/982,328号による優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
[0002] 本発明は、焼結金属フィルタに関し、また、該フィルタを製造する方法並びにフィルタにおける高いろ過効率及び(又は)低い圧力降下を要求する用途を含む用途にて該フィルタを使用して流体をろ過する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 例えば、金属粉末又は金属繊維にて出来た、多孔性金属フィルタは、多様な用途にて広く使用されている。例えば、半導体製造過程及びその他の工業的過程にて、高感度の製品を製造するため極めて清浄な環境が必要とされることが多い。例えば、エレクトロニクス業において、半導体の製造過程への微粒子物質の混入量を少なくし、これにより電子製品の汚染を減少するため、かかる微粒子物質を流体からろ過すべくインラインフィルタが使用されることが多い。流体は、気体及び(又は)液体を含むであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7,045,219号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0004] エレクトロニクス業における幾つかの用途は、定格流量にて最透過性の粒子寸法で測定したとき、99.9999999%という高効率の除去率、すなわち9対数減少値(9LRV)を実現することのできるインラインフィルタを使用する。9LRV定格値を評価する試験方法は、環境科学協会(Institute of Environmental Sciences)の第37回年次技術会議の報告書の834−840頁(1991)におけるルーボウ(Rubow)、K.L.及びデービス(Davis)、C.B.による、「高純度気体ろ過のための多孔性金属フィルタ媒質の粒子透過特性(Particle Penetration Characteristics of Porous Metal Filter Media For High Purity Gas Filtration)」、環境科学協会の第43回年次技術会議の報告書(1997)におけるルーボウ、K.L.、D.S.プラウス(Prause)及びM.R.アイゼンマン(Eisenmann)による「超高純度気体システム用の低圧力降下の焼結金属フィルタ(A Low Pressure Drop Sintered Metal Filter for Ultra−High Purity Gas Systems)」、半導体装置及び材料の国際(SEMI)試験方法SEMI F38−0699の「使用現所における気体フィルタの効率の品質認定の試験方法(Test Method for Efficiency Qualification of Point−of−Use Gas Filters)」に記載されており、これらは全て参照して引用し本明細書に含めるものとする。
【0006】
[0005] エレクトロニクス業にとって重要であろう別の特徴は、インラインフィルタの圧力降下である。圧力降下は、フィルタを通る流体の流量及び液体の圧力レベルと共に変化するが、この業界にて一般に低圧力降下であることが好まれる。その理由は、液体源の蒸発により生成された気体のような一部のプロセス流体は、気体システムを加圧する能力に限界があり、このため、圧力降下の大きいフィルタは、プロセス流体の流量を望ましくないように減少させる(絞る)可能性があるからである。更に、典型的な高純度の流体供給システムにて、構成要素の各々がシステムにおける全体的な圧力降下の因子となる。流体フィルタは、典型的に、全体的なシステムの圧力降下の最も顕著な因子となる。構成要素の各々又は任意の構成要素における圧力降下を小さくすることは、システムにおける全体的な圧力降下を減少させることになる。このことは、システムの供給圧力の必要量を少なくすることにより、有益な稼動経済性を可能にする点にてシステムのオペレータにとって望ましいことである。例えば、圧縮気体円筒体により供給された流体を有するシステムにおいて、システムにおける圧力降下を小さくすることによりウェハの加工のため、より大きい気体の容積にアクセスすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0006] 本明細書には、焼結繊維フィルタが記載されている。特定の実施の形態において、該フィルタは、作動中、粒子を高効率に除去し且つ(又は)圧力降下を小さくし、また、半導体の加工のような用途にて有用である。フィルタを構成する個別の繊維(例えば、金属繊維)の少なくとも一部分の形状は、三次元的アスペクトを有し、このことは、低い充填密度及び高多孔性のろ過媒質を許容する。かかる低密度/高多孔性は、該媒質から形成されたフィルタにおける圧力降下を小さくすることを促進する。フィルタの成形中、圧縮程度を変化させ且つ(又は)繊維の量を変化させることは、ろ過の定格値、すなわち得られるフィルタの粒の捕集効率及び圧力差を制御することを許容する。特定の実施の形態において、フィルタは、円筒状又は管状の形状をしており、場合によっては、例えば、金属エンドキャップ及び(又は)フィルタ組立体への溶接を許容する高密度のテーパー付き端部を有している。例えば、加圧成形法を使用する、かかるフィルタを製造する方法もここに開示されている。
【0008】
[0007] 1つの特徴は、焼結繊維の金属媒質を含むフィルタエレメントを提供する。フィルタエレメントは、円筒状本体を有している。幾つかの場合、円筒状本体は、エレメントの中央部分からエレメントの一端部分に向けて減少する外径を有し、また、繊維媒質は、エレメントの中央部分からエレメントの一端部分に向けて増大する密度を有している。少なくとも幾つかの実施の形態において、エレメントの中央部分における媒質の密度は、約15%以下である。特定の実施の形態において、エレメントは、フィルタの出口における窒素の流量及び雰囲気状態にて最透過性の粒子寸法で測定したとき、幾つかの実施の形態において、33SLM(リットル毎分)/平方インチの流束、また、場合によっては、37SLM/平方インチの流束、また、場合によっては、37.9SLM/平方インチの流束にて少なくとも5対数減少値(LRV、log reduction value)のろ過効率(粒子除去率)を提供する。幾つかの実施の形態において、フィルタエレメントは、6SLM/平方インチの流束又は7SLM/平方インチの流束又は7.6SLM/平方インチの流束又は106SLM/平方インチの流束にて少なくとも9LRVのろ過効率を有している。幾つかの実施の形態において、フィルタエレメントは、金属製ハウジング内に保持されている。その他の実施の形態において、フィルタエレメントは、金属製ハウジング内に保持されず、各端部にて金具に固定されている。かかる金具の非限定的な例は、フランジ、管及び取り付け部を含む。特定の実施の形態において、エレメントの中央部分における媒質の密度は、約12%以下、例えば、約6%以下である。本明細書にて全体として「フィルタエレメント」と称する開示されたエレメントは、ろ過以外の他の用途にて使用することもできる。例えば、かかるエレメントは、流れディフューザ、スパージャー、減衰器、ウィック、デミスタ、消音器、ストレイトナ又はその他の関連したエレメントとして使用することができる。
【0009】
[0008] 幾つかの実施の形態において、円筒状本体は、フィルタの中心にて、約2.54mmから約50.8mm(約0.1インチから約2.0インチ)、例えば、約10.2mmから約20.3mm(約0.4インチから約0.8インチ)の範囲の内径を有している。幾つかの実施の形態において、円筒状本体は、フィルタエレメントの中心にて、約2.54mmから約38.1mm(約0.1インチから約1.5インチ)の範囲の肉厚を有している。特定の実施の形態において、フィルタエレメントは、エレメントの中心にて約5.08mmから約7.62mm(約0.2インチから約0.3インチ)の厚さ、及びエレメントの端部にて約2.54mm(0.1インチ)の厚さを有している。幾つかの実施の形態において、フィルタエレメントの長さは、約12.7mmから約381mm(約0.5インチから約15インチ)、例えば、約25.4mmから約127mm(約1インチから約5インチ)、又は約50.8mmから約76.2mm(約2インチから約3インチ)である。
【0010】
[0009] 幾つかの実施の形態において、フィルタエレメントは、流体をろ過するため使用される。ろ過すべき流体がフィルタエレメントと接触する。特定の実施の形態において、流体は気体である。特定の実施の形態において、フィルタは、窒素の流れ及び雰囲気出口状態にて6.8から42SLM/平方インチの流束で約13.79kPa(約2psi)から約68.95kPa(約10psi)の範囲の圧力降下を提供する。幾つかの実施の形態において、フィルタエレメントは、0.8から42SLM/平方インチの流束にて約0.69kPa(約0.1psi)から約34.47kPa(約5psi)の範囲の圧力降下を提供する。その他の実施の形態において、フィルタエレメントは、15から106SLM/平方インチの流束にて約34.47kPa(約5psi)から約172.37kPa(約25psi)の範囲の圧力降下を提供する。更にその他の実施の形態において、フィルタエレメントは、1.6から8SLM/平方インチの流束にて約0.69kPa(約0.1psi)から約3.447kPa(約0.5psi)の範囲の圧力降下を提供する。特定の実施の形態において、フィルタエレメントは、7から37SLM/平方インチの流束にて約1から約75.85kPa−1(約11psid−1)の範囲の単位圧力降下当たりの効率(LRV)を提供し、又は別の実施の形態において、単位圧力降下当たりのLRVは、106SLM/平方インチ以内の流束にて約2.758kPa−1(0.4psid−1)のように小さくすることができる。
【0011】
[0010] 別の特徴は、焼結金属繊維フィルタエレメントを製造する方法を提供する。該方法は、円筒状キャビティを有し、また、該円筒状キャビティの一端の端部蓋と、円筒状キャビティの他端の充填キャップとを有する鋳型を提供する工程を含む。充填キャップは、除去して開放した端部を提供することができ、また、コアロッドは端部蓋にて可動に封止され且つキャビティ内にて同軸状に延びている。鋳型は、開放した端部が上方に配設された状態にて垂直に向き決めされ、また、金属繊維及び液体は、コアロッドの回りにて実質的に半径方向および周方向に均一に開放した端部を通ってキャビティ内に導入される。鋳型内にて圧力差が形成され、液体を鋳型から追い出す。圧力が鋳型に、これによりキャビティ内の金属繊維に付加され、このため、金属繊維は、凝集して実質的に管状の構造体を形成する。該実質的に管状の形状体は、鋳型から除去され且つ焼結して多孔性の管状の焼結金属フィルタエレメントが得られる。幾つかの実施の形態において、鋳型は振動させる。その他の実施の形態において、真空圧により圧力差が形成される。幾つかの実施の形態において、充填キャップに圧力を付加することにより圧力差が形成される。幾つかの実施の形態において、例えば、フィルタエレメントの端部にローラ研磨器ツールを当てがいつつ、フィルタエレメントを回転させることにより多孔性の管状の焼結金属フィルタエレメントの端部は高密度化される。別の特徴において、流体をろ過する方法が提供され、この場合、流体は焼結繊維媒質から成るフィルタエレメントにてろ過され、フィルタエレメントは、中央部分から一端部分に向けて減少する外径を有する円筒状本体を備え、繊維媒質の密度は中央部分から一端部分まで増大し、中央部分における媒質の密度は約15%以下であり、フィルタエレメントは、窒素の流れ及びフィルタ出口における雰囲気状態下にて最透過性の粒子寸法のとき37.9SLM/平方インチの流束で少なくとも5LRVのろ過効率を提供する。
【0012】
[0011] 幾つかの実施の形態において、鋳型の端部蓋は除去可能である。特定の実施の形態において、真空圧供給管は、鋳型に装着され、また、金属繊維及び液体をキャビティに導入する間、開放している。幾つかの実施の形態において、管状の構造体は焼結前に乾燥させる。特定の実施の形態において、多孔性の管状の焼結金属フィルタエレメントの一端は端部キャップ及び(又は)フィルタハウジングに溶接される。
【0013】
[0012] 次の図面は、単に図示するためにのみ提供され、限定的であることを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】特定の実施の形態にて使用される、焼結後の金属繊維媒質を2000倍の倍 率にて示す顕微鏡写真である。
【図2】特定の実施の形態にて使用される、焼結後の金属繊維媒質を5000倍の倍 率にて示す顕微鏡写真を写真である。
【図3】ろ過した微粒子物質の負荷を受けた、焼結され且つろ過のために使用した後 の、特定の実施の形態による金属繊維媒質を3500倍の倍率にて示す顕微鏡写真で ある。
【図4】ろ過した微粒子物質の負荷を受けた、焼結され且つろ過のために使用した後 の、特定の実施の形態による金属繊維媒質を7500倍の倍率にて示す顕微鏡写真で ある。
【図5A】特定の実施の形態に従ったフィルタを製造するときに使用される形成装置を示す。
【図5B】特定の実施の形態に従ったフィルタを製造するときに使用される形成装置を示す。
【図6】特定の実施の形態に従ったフィルタ組立体の側面図であって、中央部分よりもフィルタエレメントの端部にて小さい外径を有するよう端部が高密度化されており、フィルタエレメントの右端部は、端部キャップに溶接され、フィルタエレメントの右端部はハウジング出口に溶接されている。
【図7】特定の実施の形態に従ったフィルタの側面図である。
【図8A】特定の実施の形態に従ったフィルタの頂面図である。
【図8B】本発明に従ったフィルタエレメントの長手方向断面図である。
【図9A】特定の実施の形態に従ったフィルタの頂面図である。
【図9B】本発明に従ったフィルタエレメントの長手方向断面図である。
【図10】特定の実施の形態に従ったフィルタにおける圧力差対異なる圧力にてフィ ルタを通る流量のグラフ図である。
【図11】特定の実施の形態に従ったフィルタにおける最透過性の粒子寸法の除去効 率対流量のグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0024] 少なくとも幾つかの実施の形態において、例えば、半導体加工にて流体をろ過するため、作動中、高効率及び(又は)小さい圧力降下を実現する焼結繊維フィルタが提供される。特定の実施の形態において、該フィルタは、円筒状又は管状の形状を有している。
【0016】
[0025] 本明細書にて説明したフィルタエレメントは、金属、金属酸化物又はセラミック材料にて出来ている。少なくとも幾つかの実施の形態において、フィルタエレメントは、金属繊維媒質にて出来ており、媒質を形成する個別の金属繊維の少なくとも一部分は、低充填密度及び高多孔性のろ過媒質を許容する幾分かの三元性を備える形状をしている。例えば、注入したとき、繊維は、約2−3%という低い充填密度を有することができる。金属繊維の形状に関して本明細書にて使用した「三次元的形態」又は「三元性」という語は、理論上の真直ぐな繊維と比較して繊維の主軸線のランダムな方向への変化を意味し、例えば、湾曲し、曲がり、折れ曲り、絡みあったもの、コルクねじ、緩い曲線部、Z−形状、90゜の曲がり又は弁髪状の形状となるものを意味する。幾分かの三元性を有する形状を持つ繊維が付設され又は注入されたとき、これらの繊維は、相互係止する傾向となり、その結果、個別の繊維の間にてかなりの量の開放した空間を有する羽毛状のテキスチャを有する媒質となる。特定の実施の形態において、個別の金属繊維の少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約75%又は少なくとも約90%は、三元的形態の形状をしている。多少の三元性の形状の媒質中の繊維の比率は、例えば、顕微鏡にて繊維の数を検査することにより測定する。
【0017】
[0026] 幾つかの実施の形態において、繊維は、湾曲した繊維及び絡まった繊維を含む短い金属繊維である。かかる繊維は、商業的に入手可能である(例えば、ベルギーのN.V.ベカルト(Bekaert)S.A.から)。かかる繊維の一例及びそれらの製造方法は、その内容を参考として引用し本明細書に含めた、米国特許第7,045,219号明細書(ロスフェルド(Losfeld)及びその他の者)に記載されている。簡単な概要として、米国特許第7,045,219号明細書には、例えば、1から150μmの範囲の等価直径を有する「絡まった」繊維及び「湾曲した」繊維を含む1組みの短い金属繊維が開示されている。絡まった繊維は、繊維の5から35%を占め、また、湾曲した繊維の平均長さの少なくとも5倍の平均長さを有している。湾曲した繊維は、10から2000μmの範囲の平均長さを有し、また、湾曲した繊維の一部分は、少なくとも90゜の角度にわたって変化する主軸線を有することができる。1組みの繊維の長さ/直径の比は、5以上とすることができる。絡まった繊維は、それ自体にて又は互いに絡み合い、また、その絡まった繊維の各々の主軸線は、しばしば且つ予見不能に変化する。繊維の幾つかは、弁髪のように見えるカオスな形状を有し又は爪に類似した形状にて存在する。注型したとき、繊維は、10から40%の範囲の見掛け密度を有することができる。短い金属繊維は、粉砕機械を使用して、カーディング工程中に金属繊維を個別化し、繊維を裁断し又は絡ませ且つふるいにかけることにより得ることができる。
【0018】
[0027] それらの形状の結果として、本発明の色々な実施の形態に従って採用した繊維は、低い充填密度を有する傾向となる。このため、所定の量の繊維の場合、その容積のかなりの部分は空又は雰囲気空間となる、すなわち高い多孔性となる傾向にある。この低い充填密度/高い多孔性は、流体がフィルタを通って流れるとき、かかる繊維にて出来たフィルタの圧力降下が小さいことを許容する。繊維の低い充填密度は、焼結された後、特定の実施の形態にて使用した繊維を大きい倍率にて示す図1及び図2に見ることができる。図1は、2000倍の倍率にて繊維を示し、また、図2は、5000倍の倍率にて繊維を示す。図3及び図4は、焼結し且つろ過のため使用した後、ろ過した微粒子物質が装填された、特定の実施の形態による金属繊維媒質を示す。図3は、3500倍の倍率にて示し、また、図4は、7500倍の倍率にて示す。
【0019】
[0028] 幾つかの実施の形態の繊維を形成するのに有用な材料は、316Lステンレススチールを含むステンレススチール、ニッケル、タリウム、チタン、アルミニウム、タングステン、銅、金属酸化物、セラミック材料及びハステロイ(Hastelloys)、青銅、Cu−合金及びFe−Cr−Al合金のような合金の1つ以上を含むが、これらにのみ限定されるものではない。
【0020】
[0029] 色々な実施の形態に従って使用される繊維の一例としての寸法は、約1μmから約150μm、例えば、約1μmから約75μm、約1μmから約50μm、約1μmから約35μm、又は、約1μmから約10μmの繊維の等価直径を含み、また、約10μmから約2000μm、例えば、約10μmから約1000μm、約10μmから約200μm、又は約10μmから約100μmの繊維長さを含む。繊維の「等価的」直径とは、その主軸線に対して垂直に切った繊維と同一の断面積を有する円の直径を意味する。繊維長さとは、繊維が真直ぐにされたとき、繊維の主軸線にて何ら変化しない、その主軸線に沿った距離を意味する。
【0021】
[0030] 特定の実施の形態において、かかる繊維からフィルタ又はフィルタ媒質を製造する方法が開示されている。かかる方法の非限定的な例は、繊維金属媒質を例えば、円筒状又は管状のフィルタのような、所望の形状体に成形する工程を含む。少なくとも幾つかの場合、この成形は、加圧成形法によって行われる。成形は、例えば、静水圧プレス成形のようなその他のプレス成形法によって行うこともできる。特定の実施の形態において、繊維材料を計り分けし且つ液体と混合させて混合体を形成し、この混合体は、形成装置を使用して成形される。繊維材料と混合させることのできる液体の非限定的な例は、水、水系溶液、アルコール、アルコール系溶液、グリセリン及びそれらの混合体を含む。幾つかの実施の形態において、混合体はバインダを含まない。これと代替的に、繊維は、例えば空気分級によりドライ成形することができる。所望の密度を実現するための色々な圧密化方法は周知である。
【0022】
[0031] 本明細書にて説明したフィルタエレメントを形成する適当な形成装置の非限定的な例は、加圧成形法用の円筒状組立体を含む。図5A及び図5Bに示したかかる1つの組立体において、形成装置500は、形成管501、2つの端部キャップ502、503、1つの高多孔性の座金504、2つの低多孔性の座金505、及び2つの押し管506を含む。例えば、形成管501は、例えば、中空のコアを有するステンレススチールのような金属製の円筒体である。図示した実施の形態において、形成管501の下端付近には、例えば、Oリングのような、ガスケット508が装着された管の外表面の切欠き507がある。図示した実施の形態において、非限定的な例として、形成管501は、長さ279mm(11インチ)、外径約40.6mm(1.6インチ)及び内径約30.5mm(1.2インチ)である。形成ツールの寸法は、異なる寸法及び密度の繊維管を製造することができるように調節される。
【0023】
[0032] 形成管501は、各端部に対して1つずつ例えば、プラスチックで出来た、2つの端部キャップ502、503と合わさる。特定の実施の形態において、形成管501の下端と合わせることのできる下端キャップ502は、真空圧供給管を装着することのできる弁509を有している。少なくとも幾つかのかかる実施の形態において、上端キャップ503は、コアロッド511が貫通して延びることのできる、キャップの中間を貫通するロッド穴510と、繊維及び液体の混合体が流れることのできるロッド穴510の回りの追加的な流れ穴512と、流れ穴512を通って流れる前に、繊維及び液体の混合体を注型することのできるリザーバ頂部513とを有する充填キャップである。双方の端部キャップ502、503は、形成管501の上方に嵌まる設計とされている。従って、双方の端部キャップ502、503は、形成管501の外径と実質的に等しい直径を有する中空の内側切欠き部分を有している。
【0024】
[0033] 例えば、ステンレススチールにて出来たコアロッド511が形成管501内にて使用される。特定の実施の形態において、コアロッド511は、直径が小さく(例えば、図示した実施の形態にて、約12.7mm(0.5インチ)の直径)、また、形成管501の内部よりも僅かに長く、従って、形成管501の下端が下端キャップ502と合わさったとき、形成管501は、コアロッド511の回りに配置され且つ下端キャップ502内に挿入され、また、充填キャップ503は、形成管501の上端に装着され、コアロッド511の上端は充填キャップ503のロッド穴510の頂部と実質的に面一となる。
【0025】
[0034] 小さい多孔性座金505は、コアロッド511の直径に実質的に等しい内径と、形成管501の内径に実質的に等しい外径とを有している。大きい多孔性座金504は、また、コアロッド511の直径に実質的に等しい内径を有するが、形成管501の外径に実質的に等しい外径を有している。2つの押し管506は、形成管501の内径よりも小さい外径と、コアロッド511の直径よりも大きい内径とを有している。幾つかの実施の形態において、押し管506はステンレススチールである。非限定的な例として、図示した実施の形態において、押し管506は、各々、長さ178mm(7インチ)である。成形装置の寸法は、異なる寸法及び密度の繊維管を製造することができるように調節される。
【0026】
[0035] 形成装置500を組み立てるため、下端キャップ502を表面に配置し大きい多孔性座金504を端部キャップ502内に配置する。次に、形成管501の下端を下端キャップ502内に配置し、ガスケット508が端部キャップ502に対するシールを形成するようにする。形成管501を下端キャップ502内に押し込み、形成管の底部が下端キャップ502内にて大きい座金504上に着くようにする。次に、コアロッド511を形成管501及び大きい座金504を通して配置し、コアロッド511の底部が下端キャップ502に着くようにする。次に、小さい座金505をコアロッド511上に配置し、且つ形成管501内に挿入する。小さい座金505は、コアロッド511に沿った全経路を摺動し、大きい座金504の頂部にて休止するようにする。次に、充填キャップ503をコアロッド511上に且つ形成管501の上端に配置する。充填キャップ503は、形成管501の上端にきちっと嵌まり、繊維及び液体の混合体が充填キャップ503内に注型されたときの漏出を防止する。
【0027】
[0036] 本明細書にて説明した、フィルタを製造する方法の1つの非限定的な例において、組み立てた形成装置500は、例えば、No.200超ヘビィーデューティ振動機(No.200 Extra−Heavy Duty Vibrator)(ニューヨーク州、サヤセットのバッファローデンタルマニュファクチュアリング(Buffalo Dental Manufacturing)Co.)のような振動テーブル上に配置する。次に、真空圧供給管を下端キャップ502上にて弁509に装着し、少なくとも幾つかの場合、真空圧を最初に、低い真空設定圧にする。次に、振動テーブルを作動させる。繊維及び液体の混合体を十分に混合させ、少量を充填キャップ503内に注型し、その後、真空圧供給管を完全に開く。繊維及び液体の混合体は、典型的に、充填キャップ503内に注型されたとき、連結的に混合し、コアロッド511の回りの空間内に且つ形成管501の内壁に流れる。繊維及び液体の混合体の全部が充填キャップ503を通して形成管501内に注型された後、追加の液体を充填キャップ503内に注型し、充填端部503を通って形成管501内に流れなかった残りの繊維材料を完全に除去する。幾つかの代替的な実施の形態において、振動テーブルは採用されない。幾つかの代替的な実施の形態において、真空圧を採用する代わりに、加圧した気体を鋳型の充填端部キャップに付加することにより液体を鋳型から除去するため圧力差が形成される。
【0028】
[0037] 液位が形成管501内まで低下したとき、充填キャップ503を形成管501から除去する。次に、第二の小さい多孔性座金505をコアロッド511上に且つ形成管501内に配置する。次に、第一の押し管506を形成管501の内部にてコアロッド511の回りに且つ第二の小さい座金505の頂部に配置する。第一の押し管506の重力が第二の小さい座金505を管内に下方にゆっくりと押す。第一の押し管506が形成管501に沿って下方に動くのを停止したとき、振動テーブルの作動を停止させ、真空圧の供給を遮断する。真空圧を放出し、次に、真空圧供給管を下端キャップ502上の弁509から除去する。
【0029】
[0038] 次に、形成管501を横に配置し、下端キャップ502及び大きい座金504を形成管501から除去する。第二の押し管506を形成管501の下端を通して形成管501内に挿入し、該第二の押し管が小さい座金505に隣接するようにする。次に、第二の管を例えば、約76.2mm(3インチ)だけ形成管501内に挿入する。次に、形成管501と、コアロッド511と、2つの押し管506とを含む形成装置500を取り上げ、下端を下にして任意の硬い面の上に立たせる。頂部押し管506に下方への圧力を加えて、形成装置500を更に圧縮する。非限定的な例として、図示した実施の形態において、形成装置を圧縮して、形成管501から延びる双方の押し管506を含む装置500の全長が約432mm(17インチ)となり、長さ約81.3mm(3.2インチ)の未加工の繊維管となるようにする。成形装置の寸法は、異なる寸法及び密座の繊維管を製造することができるように調節される。
【0030】
[0039] 次に、テーブル上にて下端が上方で、上端が下方となる状態にて形成装置500を、テーブル上に立たせる。このとき、形成管501の頂部にある押し管506を除去し、形成管501を下方に押し、該形成管の底部がテーブルの頂部に着くようにする。次に、除去した押し管506をこのとき形成管501の底部にある押し管506の下方に置き、押し管506が隣接するようにする。これらが隣接したとき、コアロッド511が安定的に保持されている間、形成管501を下方にテーブルまで押す。このことは、形成した繊維管を形成管501から押し出すことになる。次に、2つの小さい座金505をコアロッド511から除去し、形成した繊維管もコアロッド511から除去する。
【0031】
[0040] 次に、形成した繊維管を乾燥させ且つ焼結してフィルタエレメントを形成する。特定の実施の形態において、形成した繊維管は2つの固定したリングの間にて焼結トレー上に配置する。固定したリングは、形成した繊維管が乾燥するとき膨張するのを防止する。形成した繊維管は、約70℃から約200℃、例えば、約75℃の温度にて加熱炉内で約2時間から約12時間、例えば、約3.5時間、乾燥させる。次に、乾燥した形成後の繊維管を例えば、コンベアベルト上で、窒素又は水素にて約982.22℃(1800°F)から約1148.9℃(2100°F)、例えば、約1037.9℃(1900°F)にて約30から120分、例えば、約60分、加熱炉、例えば、真空加熱炉内にて又は雰囲気状態にて焼結する。
【0032】
[0041] 冷却後、焼結した繊維管はろ過可能である。しかし、特定の実施の形態において、焼結した繊維管は、フィルタハウジング又はその他の金具内に溶接する。かかる幾つかの実施の形態において、繊維管の端部は高密度化して、溶接を容易にすることができ、かかる溶接は、充填密度が低い繊維管の場合に困難であろう。特定の実施の形態において、外径が端部付近にて徐々に減少するような管の両端の形状とすることにより、そのろ過特性を保持しつつ、焼結した繊維管の端部を高密度化する。非限定的な例として、幾つかの実施の形態において、このことは、焼結したフィルタ管を旋盤にて旋回させ且つその旋回する焼結したフィルタ管が外部ホイールと接触するようにすることにより、焼結したフィルタ管の端部を徐々に圧縮することによって実現される。高密度化は、例えば、約1.5から約3.5、また、幾つかの場合には、約2.5倍だけ管の端部を圧縮する。例えば、幾つかの実施の形態において、焼結したフィルタ管は、高密度化される前、その全長に沿って、約6.35mmから約7.62mm(約0.25インチから約0.30インチ)の肉厚を有している。かかる幾つかの実施の形態において、高密度化された後、焼結したフィルタ管は、その端部にて約1.52mmから約2.54mm(約0.06インチから約0.10インチ)の範囲の肉厚を有している。幾つかの代替的な実施の形態において、管は高密度化せず、例えば、全体にわたってほぼ均一な密度及び肉厚を有するようにする。
【0033】
[0042] 図5A、図5Bに関して説明したようなもののような加圧成形法は、予期せずに有利な効果をもたらすことが分かった。しかし、静水圧プレス成形、又はアイソプレス成形のような、繊維金属を加圧成形するするその他の典型的な方法とすることも考えられる。静水圧プレス成形は、例えば繊維混合体を圧力容器内に配置し、繊維混合体がこの圧力容器内にて半径方向内方に圧密化されるようにして行うこともできる。
【0034】
[0043] 本明細書にて説明した幾つかの実施の形態におけるように、例えば、円筒体の軸線に沿って加圧するような加圧成形法によって適当な繊維管が製造できることは予想できなかった。その理由は、加圧成形法は、従来、加圧した円筒体の長さにわたって密度勾配を生じさせる不均一な力の分配状態を伴い、このため密度はその長さに沿って軸方向中心に向けて減少するからである。しかし、例えば、図5A、図5Bに関して示し且つ説明したように、本明細書にて説明した加圧成形法は、フィルタの性能を実質的に妨げないレベルまでこの勾配を減少させることが分かった。理論により拘束されるものではないが、繊維及び液体の混合体が鋳型内に注型されたとき、円筒体の繊維部分の長さにわたって密度勾配が形成され、加圧成形法はこの勾配を減少させる傾向となると考えられる。この勾配の減少は、一部分、液体の存在は繊維の管状要素の全体にわたって圧密力(従って、圧力)をより均一に分配するのを助け、また、成形壁に対する繊維の抗力を減少させる潤滑性を助けるために生じる。しかし、繊維の乾燥加圧法とすることも考えられる。加圧成形法は、フィルタ管に対して実質的に均一な内径及び外径を提供する点にて有益である。当該技術の当業者により理解されるように、フィルタ管の肉厚及び長さ、振動レベル、繊維及び液体の混合体の充填量及び均質性、及び圧密量のようなパラメータを制御することにより、密度の勾配を特定の程度まで制御することができる。
【0035】
[0044] 特定の実施の形態において、高密度化されたとき、焼結した繊維管は、高密度化した端部にて溶接される。例えば、管の一端には金属端部キャップが溶接され、この端部キャップは、管の該端部を通って流体が流れるのを防止し、また、管の他端には、流体が通って流れることのできるハウジング出口が溶接されている。図6は、特定の実施の形態による高密度化し且つ焼結したフィルタ管600を示し、このフィルタ管には、右側に端部キャップ602が溶接され、左側にハウジング装着部604が溶接されている。典型的に、溶接を容易にするようにフィルタエレメントの端部を高密度化することは、焼結した繊維管に亀裂を生じさせ又は構造体にその他の損傷を生じさせる可能性がある。しかし、例えば、図6に示したように、少なくとも幾つかの実施の形態において、これらの問題点は、焼結したフィルタ管608の中央部分から管606の端部分まで密度が徐々に増大するように、高密度化に勾配を付けることにより軽減される。管600は、中央部分608から端部606までテーパーを付け又は湾曲させて、この密度勾配を反映する。フィルタ管の端部に向けて徐々に増大する密度勾配を形成することは、密度又は高密度化過程における急激な変化に起因するであろう繊維構造体における欠陥を防止するのを助けることになる。例えば、本明細書にて説明したように、焼結したフィルタエレメントの高密度化の過程中、ローラ研磨器ツールにて研磨仕上げすることにより密度勾配は形成される。
【0036】
[0045] 図7は、図6に示したもののようなフィルタの回りにて構成されたフィルタハウジング700の非限定的な例を示し、完成したインラインの多孔性金属フィルタを形成する。ハウジング700は、典型的に、例えば、316Lステンレススチールのようなステンレススチールの如き金属である。特定の実施の形態において、かかるハウジングは、本明細書にて説明したようにフィルタ管と組み合わせて、例えば、幾つかの実施の形態にて、約450℃以内の高い温度の裕度を提供する。色々な実施の形態において、現場にて使用される標準型のフィルタハウジングを含む代替的なハウジングが採用される。
【0037】
[0046] 図8A−Bは、フィルタハウジング700内に保持された、端部キャップ602と、フィルタハウジングの装着部604とを有する、特定の実施の形態によるフィルタ管600を示す。ハウジングの装着部604は、フィルタ管600をハウジング700に装着するのに適した部分の非限定的な例を提供する。アダプタ604は、フィルタエレメント600の端部を固定する内部のリング部分802と、作動中、流体の供給源にインライン装着するためのねじ部分804とを含む。
【0038】
[0047] 図8Bを参照すると、フィルタは、流体の流れ中にインライにて配置される。流体は、作動中、一方の端からフィルタハウジング中に且つハウジングを通って流れることができる。例えば、幾つかの場合、流体は、図面の右側からハウジング700の右側の開口部701を通って流れる。流体は、フィルタ部材600の右側にて端部キャップ602を透過することができず、このため流体は、端部キャップ602の回りにて且つフィルタエレメント600の回りにて流れる。流れの圧力は、流体をフィルタエレメント600を通して強制的に供給し、このため極めて大きい比率にて流体中の微粒子物質をろ過する。流体は、フィルタエレメント600を透過し、フィルタエレメント600によりろ過され、フィルタハウジング600及びハウジング700から、図面の左側部の開口部702を通って流れる。
【0039】
[0048] 図9A−Bは、特定の実施の形態による円筒状のフィルタエレメント600を示す。幾つかの場合、フィルタ600の内径は、約2.54mmから約50.8mm(約0.1インチから約2インチ)の範囲、例えば、約7.62mmから約25.4mm(約0.3インチから約1インチ)、約10.2mmから約20.3mm(約0.4インチから約0.8インチ)、又は約15.2mm(0.6インチ)とする。幾つかの場合、フィルタエレメント600の中央部分の肉厚は、約2.54mmから約38.1mm(約0.1インチから約1.5インチ)の範囲、例えば、約6.35mmから約25.4mm(約0.25インチから約1インチ)の範囲又は約12.7mm(0.5インチ)とする。図9A、Bに示したように、特定の実施の形態において、外径は、フィルタエレメント600の中央部分608からフィルタエレメント600の一端部分606に向けてテーパーが付けられ、フィルタエレメント600の端部606の高密度化を反映する。例えば、特定の実施の形態において、円筒体は、ろ過エレメントの中央部分にて約5.08mmから約7.62mm(約0.2インチから約0.3インチ)厚さと、ろ過エレメントの端部にて約2.54mm(0.1インチ)の厚さとを有している。幾つかの場合、円筒状フィルタ600の長さは、約12.7mmから約381mm(約0.5インチから約15インチ)の範囲、約25.4mmから約101.6mm(約1インチから約4インチ)の範囲、又は約50.8mmから約76.2mm(約2インチから約3インチ)の範囲、例えば、約71.1mm(2.8インチ)である。
【0040】
[0049] 採用される繊維の三元的形状体又は曲率のため、本明細書に記載したフィルタエレメントは、少なくとも幾つかの実施の形態にて低い密度/高多孔性を示す。少なくとも幾つかの場合、焼結した繊維フィルタエレメントの密度は、約2%から約30%の範囲、例えば、約5%から約18%、約5%から約13%、約4%から約8%の範囲又は約10%から約14%の範囲とする。幾つかの場合、フィルタの密度は、約6%、約12%又は約17%から約18%とする。密度は、例えば、フィルタの製造にて採用した繊維の圧密化の程度及び(又は)繊維量に基づいて調節することができる。より高密度は、繊維の圧密度を大きくし且つ(又は)より多量の繊維を使用することで実現される。幾つかの場合、より高い捕集効率を促進するためより高密度が採用される。幾つかの場合、フィ
ルタにおける小さい圧力降下を促進するようにより低密度が採用される。
【0041】
[0050] 一部分、低密度に起因して、少なくとも幾つかの実施の形態において、本明細書にて説明したフィルタは、作動中、小さい圧力降下を提供する。非限定的な例において、ろ過される気体の圧力が6894.76kPa(1000psi)を越えるであろう高圧の圧縮気体供給管にて、本明細書にて説明した幾つかのフィルタは、約13.79kPa(約2psi)から約68.95kPa(約10psi)の範囲の圧力降下を提供する。低圧の環境内にて使用するため、幾つかの実施の形態によるフィルタは、約0.69kPa(約0.1psi)から約34.47kPa(約5psi)の範囲、例えば、約1.38kPa(約0.2psi)から約6.89kPa(約1psi)の範囲の圧力降下を提供する。
【0042】
[0051] 図10は、各種の圧力にてフィルタにおける圧力差対フィルタを通る流量を示すグラフ図である。図10の圧力降下データは、以下に説明する実施例1及び2に従って形成されたフィルタに対する4組みのデータを示す。全ての場合、流体は、高圧の超高純度窒素である。気体の流量は、フィルタ及び背圧制御弁(使用されるとき)の下流に配置された重量流量計にて測定した。1組みのデータに対して、フィルタの出口の圧力は、雰囲気状態にあり(名目的に1大気圧及び21.11℃(70°F))、また、フィルタにおける関係した流量及び圧力差が得られるよう上流圧力は上昇させた。その他の3組みの場合、入口圧力は約206.9、413.7又は620.6kPa(30、60、又は90psig)の何れかにて一定に保ち、また、フィルタにおける圧力降下を監視する一方、フィルタの下流に配置された弁を使用してフィルタの出口における気体の流量及び背圧の双方を制御した。
【0043】
[0052] 少なくとも幾つかの実施の形態におけるフィルタは、高い捕集効率を提供する。幾つかの実施の形態において、最透過性の粒子寸法にて測定した99.9999999%以上の効率、すなわち9対数減少値(9LRV)が提供される。その他の実施の形態において、例えば、極めて高い効率が要求されない場合、又は特に圧力降下が小さいことが望まれる場合、5LRV以上のような低い効率が採用される。図11は、実施例1及び2にて説明したように形成されたフィルタにおけるフィルタ効率とフィルタを通る流量との関係を最透過性の粒子寸法にて測定したときの値を示すグラフ図である。ミネソタ州、ミネアポリスのミネソタ大学、機械工学部のph.D.Thesis(1981)におけるルーボウ、K.L.による「膜フィルタのサブミクロンエローゾルろ過特性(Submicron Aerosol Filtration Characteristics of Membrane Filters)」に記載された、ルーボウらにより開発された繊維状媒質に対する粒子の収集理論を用いて理論曲線が得られた。
【0044】
[0053] 幾つかの実施の形態のフィルタの低い充填密度は、単位粒子捕集レベル当たり、より小さい圧力降下を許容する。別言すれば、幾つかの実施の形態のフィルタは、単位圧力降下当たり高レベルの微粒子の捕集率を許容する。この比較は、任意の特定の粒子寸法にて行うことができるが、最透過性の粒子寸法にて測定した粒子の捕集効率を使用すれば、捕集が最も困難な粒子寸法、すなわち、最低の捕集効率すなわち最低のLRVを有する粒子寸法を表わすことができる。別段の表示がない限り、本明細書にて明示した全てのLRV値は、最透過性の粒子寸法にて測定したものである。更に、所定の流量におけるLRV対圧力降下の比は、例えば、図10に示した4つの異なる圧力降下曲線について示したように、任意のシステム圧力にて計算することもできる。一貫性をもたせるため、この比は、フィルタの出口における圧力が雰囲気状態(名目的に1大気圧及び21.11℃(70゜F))の場合について計算したものであり、気体は、超高純度の窒素であり、上流の圧力は、図10に示したように、フィルタにて関係した流量及び圧力差が得られるよう上昇させた。この比は、また、フィルタの単位有効表面積当たりの流量である気体の流束(速度)にも依存する。円筒体の場合、有効面積は、肉厚の中間点の直径(端部を高密度化する前に管について計算した)に基づいて計算する。実施例1、2に従って作成したフィルタの場合、有効直径は19.05mm(0.75インチ)であり、形成される有効面積は42.581平方センチメートル(6.6平方インチ)である。50、75、及び250SLMの流量のとき、形成される流束は7.6、11.4及び37.9SLM平方インチである。これらの3つの流束におけるLRV対圧力降下の比は、それぞれ約69.64、39.30及び6.895kPa(10.1、5.7及び1.0psid−1)である。
【0045】
[0054] 次の手順を使用して粒子の保持試験を行った。フィルタの各々は、ポリ分散NaCl粒子にてその最大の定格流量で試験した。粒子の平均寸法は、最透過性の粒子寸法付近にある0.07μmとした。試験フィルタは、雰囲気温度にて圧縮し、ろ過した超高純度窒素ガスでパージした。粒子のバックグラウンドカウント値は、試験の粒子試験部分を開始する前、零に保った。試験フィルタの上流及び下流の粒子濃度は、2つの凝結粒子カウンタ(CPC)にて同時に測定した。粒子の保持値は、対数減少値(LRV)として表記されている。LRVは、フィルタの上流の粒子濃度とフィルタの下流の粒子濃度との比である。高LRV値を評価するための試験方法は、環境科学協会の第43回年次技術会議の報告書、834−840頁(1991)におけるルーボウ、その他の者による「超高純粋気体システム用の低圧力降下の焼結金属フィルタ」及び環境科学協会の第43回年次技術会議の報告書(1997)におけるルーボウ、K.L.、D.S.プラウス及びM.R.アイゼンマンによる「超高純度気体システム用の低圧力降下の焼結金属フィルタ」に記載されており、これらの内容は参考として引用し本明細書に含めてある。
【0046】
[0055] 例えば、実施例1及び2に従って作成した円筒状フィルタは、50SLM以下の流量にて9LRV以上の効率及び250SLM以下の流量にて5LRV以上の効率のとき、最透過性の粒子寸法における除去定格値が得られるように測定した。
【0047】
[0056] 幾つかの代替的な実施の形態において、上述したものと同様の過程を使用して星型又はひだ付き形状体のような異なる形状を有するフィルタを製造する。これらの形状体は、外部造作部の外形に相応し、円筒状及び(又は)これらの何らかの組み合わせである内部造作部を有することができる。これらの異なる形状体は、形成される形状体に相応するダイ又は鋳型を使用することにより形成される。幾つかの実施の形態において、上述したものと同様の過程を使用して内径、外径に又はその双方にて非円形の断面を有するフィルタを製造する。幾つかの実施の形態において、形成されるフィルタは、内径、外径に又はその双方にてフィルタの長さに沿って不均一な形状を有する。非限定的な例として、上述したものと同様の過程を使用してフィルタの中央部分に星型の外面と、フィルタの端部分に円筒状の形状の外面とを有するフィルタを製造する。これは、例えば、中央部分に星型の内部と、端部分に円筒状の内部とを有する形成管を使用することにより実現することができる。フィルタの内面は、同様に、コアロッドの相応する形状に基づいて不均一な形状を有するようにしてもよい。
【0048】
[0057] 本明細書にて説明したフィルタは、繊維フィルタが望まれる多様な用途にて有用である。例えば、当該技術の当業者により理解されるように、特定の実施の形態によるフィルタは、ハウジング内にて提供され又はシステム内に組み込むべくフランジ又は取り付け部のようなその他の金具に固定され、このシステムは、例えば、圧縮した気体供給管のような、半導体加工及び生物医薬品業にて使用される過程のための気体を提供する。
【0049】
[0058] 次の非限定的な実施例は、特定の実施の形態を示す。
実施例1
【0050】
[0059] 米国特許第7,045,219号(ベルギー、N.V.ベカルト(Bekaert)S.A.−ベキノックス(Bekinox)SF 1.5μm/316LV Z60)に記載されたような金属繊維を使用して円筒状のフィルタエレメントを製造した。繊維は、直径約1.5μm、及び名目長さ約75から約100μmの316Lステンレススチールとした。22gの金属繊維をガラスビーカ内に計り分けした。1000mLの脱イオン水をプラスチックトリポアビーカ内に計り分けし、また、200mLの脱イオン水を別個のプラスチックトリポアビーカ内に計り分けした。22gの繊維を1000mLの脱イオン水内に混合させ、完全に混合する迄、ガラス撹拌ロッドにより撹拌した。繊維/水の混合体は、図5A、Bの装置の作用に関して上記に詳細に説明したように、振動テーブル及び真空圧を使用して、図5A、Bに示した形成装置内注型し且つ該形成装置により圧縮した。圧縮する前、200mLの追加の脱イオン水を使用して残りの繊維を完全に成型装置内に入れた。圧縮の結果、長さ約81.28mm(3.2インチ)の未加工の繊維管が得られた。繊維管を形成装置から除去し、2つのリングの間にて焼結トレーに載せた。管は、少なくとも3.5時間、加熱炉内にて75゜Cで乾燥させ、次に、60分間、1037.8℃(1900゜F)にて真空加熱炉内にて焼結した。形成される管の外径は27.9mm(1.10インチ)、内径は10.4mm(0.41インチ)であった。次に、フィルタエレメントは、71.1mm(2.8インチ)の長さに切断し、端部はローラ研磨して各端部にて20.3mmから25.4mm(0.80インチから1.00インチ)の外径を有する、図9A、Bに示した湾曲外形の形状体を実現した。
実施例2
【0051】
[0060] 次に、実施例1従って形成したフィルタエレメントは、溶接し且つ組み立てて図6及び図8A、Bに示したようなフィルタを実現した。このフィルタは、その後、試験して図10及び図11にそれぞれ示した圧力降下データ及び粒子の収集効率データを得た。
【0052】
[0061] 実施例1に従って形成したフィルタにてフィルタの粒子装填試験を行った。空気の流量は100SLM、粒子寸法は、最透過性の粒子寸法を表わすものと決定した0.07μmであり、目標濃度は立方センチメートル当たり20,000粒子とし、当初LRVは7.3とした。この試験用の全体的な粒子目標は、5兆粒子であり、最終LRVは9以上とした。当初の圧力降下は約12.41kPa(1.8psid)であり、最終圧力降下はや宇14.48kPa(2.1psid)であり、この値は、約2.069kPa(0.3psid)すなわち16%増大したことを表わす。これらの値は、フィルタが高度に(すなわち、半導体業界にて見られる値に比して大きい値)装填されたとき、フィルタの圧力降下の増加は僅かな程度に過ぎないことを実証する。
実施例3
【0053】
[0062] 米国特許第7,045,219号(ベルギー、N.V.ベッカエルト(Bekaert)S.A.−ベキノックス(Bekinox)SF 1.5μm/316LV Z60)に記載されたような金属繊維を使用して円筒状のフィルタエレメントを製造した。繊維は、直径約1.5μm、及び名目長さ約75から約100μmの316Lステンレススチールとした。44gの金属繊維をガラスビーカ内に計り分けした。1500mLの脱イオン水をプラスチックトリポアビーカ内に計り分けし、また、200mLの脱イオン水を別個のプラスチックトリポアビーカ内に計り分けした。44gの繊維を1500mLの脱イオン水内に混合させ、完全に混合する迄、ガラス撹拌ロッドにより撹拌した。繊維/水の混合体は、図5A、Bの装置の作用に関して上記に詳細に説明したように、真空圧を使用して、図5A、Bに示した形成装置内に注型し且つ該形成装置により圧縮した。圧縮する前、200mLの追加の脱イオン水を使用して残りの繊維を完全に成型装置内に入れた。圧縮の結果、長さ約81.3mm(3.2インチ)の未加工の繊維管が得られた。
【0054】
[0063]繊維管を形成装置から除去し、2つのリングの間にて焼結トレーに載せた。管は、少なくとも3.5時間、加熱炉内にて75゜Cで乾燥させ、次に、60分間、1037.8℃(1900゜F)にて真空加熱炉内にて焼結した。形成される管の外径は27.9mm(1.10インチ)、内径は10.4mm(0.41インチ)であった。次に、フィルタエレメントは、71.1mm(2.8インチ)の長さに切断し、端部はローラ研磨して各端部にて20.3mmから25.4mm(0.80インチから1.00インチ)の外径を有する、図9A、Bに示した湾曲外形の形状体を実現し、その後、溶接し且つ組み立てて図6、図8A、Bに示したフィルタを実現した。
【0055】
[0064] 圧力降下及び効率の試験は、フィルタエレメントの長さ35.6mm(1.40インチ)の非湾曲外形の部分にて行った。加圧した気体は、窒素とし、フィルタ出口で雰囲気気体状態にて圧力降下及び効率の双方を測定した。粒子寸法は、0.07μmとし、この値は、最透過性の粒子寸法を表すものと決定した。このフィルタエレメントは、150SLMの気体流量及び約90.32kPa(13.1psid)の圧力降下にて9LRV以上の粒子の保持レベルを生じさせる。175SLMの気体流量及び約102.7kPa(14.9psid)の圧力降下のときにも粒子の保持レベルは、9LRV以上であった。250SLMの気体流量及び約132.4kPa(19.2psid)の圧力降下のときでも粒子の保持レベルは、9LRV以上であった。50、100、150及び200SLMの気体流量のときの圧力降下レベルは、それぞれ約35.16、63.43、88.95及び112.4kPa(5.1、9.2、12.9及び16.3psid)であった。
【0056】
[0065]圧力降下及び効率の試験は、フィルタエレメントの長さ25.4mm(1.00インチ)の非湾曲外形の部分にても行った。加圧した気体は、窒素とし、フィルタ出口で雰囲気気体状態にて圧力降下及び効率の双方を測定した。粒子寸法は、0.07μmとし、この値は、最透過性の粒子寸法を表すものと決定した。このフィルタエレメントは、250SLMの気体流量及び約172.4kPa(25.0psid)の圧力降下のとき9LRV以上の粒子の保持レベルを生じさせる。50、100、150及び200SLMの気体流量のとき圧力降下は、それぞれ約49.00、85.50、117.2及び147.6kPa(7.1、12.4、17.0及び21.4psid)であった。
実施例4
【0057】
[0066] 米国特許第7,045,219号(ベルギー、N.V.ベカルト(Bekaert)S.A.−ベキノックス(Bekinox)SF 1.5μm/316LV Z60)に記載されたような金属繊維を使用して円筒状のフィルタエレメントを製造した。繊維は、直径約1.5μm、及び名目長さ約75から約100μmの316Lステンレススチールとした。11gの金属繊維をガラスビーカ内に計り分けした。500mLの脱イオン水をプラスチックトリポアビーカ内に計り分けし、また、100mLの脱イオン水を別個のプラスチックトリポアビーカ内に計り分けした。11gの繊維を500mLの脱イオン水内に混合させ、完全に混合する迄、ガラス撹拌ロッドにより撹拌した。繊維/水の混合体は、図5A、Bの装置の作用に関して上記に詳細に説明したように、真空圧を使用して、図5A、Bに示した形成装置内に注型し且つ該形成装置により圧縮した。圧縮する前、100mLの追加の脱イオン水を使用して残りの繊維を完全に成型装置内に入れた。圧縮の結果、長さ約81.3mm(3.2インチ)の未加工の繊維管が得られた。
【0058】
[0067] 繊維管を形成装置から除去し、2つのリングの間にて焼結トレーに載せた。管は、少なくとも3.5時間、加熱炉内にて75℃で乾燥させ、次に、60分間、1037.8℃(1900゜F)にて真空加熱炉内にて焼結した。形成された管の外径は21.97mm(0.865インチ)、内径は13.97mm(0.550インチ)であり、また、6から7.2%の範囲の密度範囲であった。次に、フィルタエレメントは、71.1mm(2.8インチ)の長さに切断し、端部はローラ研磨して各端部にて20.3mmから15.2mm(0.80インチから0.60インチ)の範囲の外径を有する、図9A、Bに示した湾曲した外形の形状体を実現した。このフィルタエレメントは、50SLMの気体流量及び約3.654kPa(0.53psid)の圧力降下のとき6.6LRVの粒子の保持レベルを生じさせる。5、10、20及び30SLMの気体流量のとき圧力降下レベルは、それぞれ約0.621、1.103、1.586及び2.275kPa(0.09、0.16、0.23、及び0.33psid)であった。試験気体は、加圧した窒素とし、フィルタ出口で雰囲気気体状態にて圧力降下及び効率の双方を測定した。粒子寸法は、0.07μmとし、この値は、最透過性の粒子寸法を表すものと決定した。
【0059】
[0068] 本明細書を読むことにより当該技術の当業者に明らかになるように、本発明は、上記に特に開示したもの以外の形態にて具体化することが可能である。このため、上述した特定の実施の形態は、説明のためであり、限定的なものではないとみなすべきである。本発明の範囲は、上記の説明に含めた実施例にのみ限定されることなく、特許請求の範囲に記載されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼結繊維媒質を備えるフィルタエレメントにおいて、
前記フィルタエレメントは、該エレメントの中央部分から該エレメントの一端部分に向けて減少する外径を有する円筒状本体を備え、
前記繊維媒質は、前記エレメントの中央部分から前記エレメントの一端部分に向けて増大する密度を有し、前記エレメントの中央部分における媒質の密度は、約15%以下であり、
前記エレメントは、フィルタの出口における窒素の流量及び雰囲気状態にて最透過性の粒子寸法のとき、33SLM/平方インチの流束にて、少なくとも5対数減少値のろ過効率を提供する、フィルタエレメント。
【請求項2】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、前記繊維媒質は、金属繊維を含む、フィルタエレメント。
【請求項3】
請求項2に記載のフィルタエレメントにおいて、前記金属はステンレススチールを含む、フィルタエレメント。
【請求項4】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、金属製ハウジング内に保持される、フィルタエレメント。
【請求項5】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、前記エレメントの中央部分における前記媒質の密度は約12%以下である、フィルタエレメント。
【請求項6】
請求項5に記載のフィルタエレメントにおいて、前記エレメントの中央部分における前記媒質の密度は約6%以下である、フィルタエレメント。
【請求項7】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、フィルタ出口における窒素流れ及び雰囲気状態下で最透過性の粒子寸法のとき6SLM/平方インチの流束にて少なくとも9対数減少値のろ過効率を有する、フィルタエレメント。
【請求項8】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、該フィルタエレメントの中央にて約2.5mmから約38.1mm(約0.1インチから約1.5インチ)の肉厚を有する、フィルタエレメント。
【請求項9】
請求項8に記載のフィルタエレメントにおいて、該フィルタエレメントの中央にて約5.1mmから約7.6mm(約0.2インチから約0.3インチ)の肉厚を有する、フィル
タエレメント。
【請求項10】
請求項9に記載のフィルタエレメントにおいて、該フィルタエレメントの端部にて約2.5mm(約0.1インチ)の肉厚を有する、フィルタエレメント。
【請求項11】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、前記円筒状本体は、前記フィルタエレメントの中央にて約2.5mmから約50.8mm(約0.1インチから約2インチ)の範囲の内径を有する、フィルタエレメント。
【請求項12】
請求項11に記載のフィルタエレメントにおいて、前記円筒状本体は、前記フィルタエレメントの中央にて約10.2mmから約20.3mm(約0.4インチから約0.8インチ)の範囲の内径を有する、フィルタエレメント。
【請求項13】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、該フィルタエレメントの長さは、約12.7mmから約381.0mm(約0.5インチから約15インチ)である、フィルタエレメント。
【請求項14】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、該フィルタエレメントの長さは、約25.4mmから約127.0mm(約1インチから約5インチ)である、フィルタエレメント。
【請求項15】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、前記フィルタは、窒素流れ及び雰囲気の出口状態下で約6SLM/平方インチから約42SLM/平方インチの流束のとき約6.89kPa(約1psi)から約89.63kPa(約13psi)の範囲の圧力降下を提供する、フィルタエレメント。
【請求項16】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、窒素流れ及び雰囲気の出口状態下で約0.8SLM/平方インチから約42SLM/平方インチの流束のとき約0.69kPa(約0.1psi)から約89.63kPa(約13psi)の範囲の圧力降下を提供する、フィルタエレメント。
【請求項17】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、前記フィルタは、窒素流れ及び雰囲気の出口状態下で約6SLM/平方インチから約105SLM/平方インチの流束のとき、約2.758kPa−1(約0.4psid−1)から約172.4kPa−1(約25psid−1)の範囲の単位圧力降下当たりのLRVを提供する、フィルタエレメント。
【請求項18】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、各端部にて金具に固体される、フィルタエレメント。
【請求項19】
請求項18に記載のフィルタエレメントにおいて、前記金具はフランジである、フィルタエレメント。
【請求項20】
請求項2に記載のフィルタエレメントにおいて、前記金属は、ニッケル、タリウム、チタン、アルミニウム、タングステン、銅、金属酸化物、セラミック材料及びハステロイ、青銅、Cu−合金及びFe−Cr−Al合金の1つ以上を含む、フィルタエレメント。
【請求項21】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、前記繊維媒質は、約1μmから約10μmの繊維の等価直径を有する繊維にて出来ている、フィルタエレメント。
【請求項22】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、前記繊維媒質は、約10μmから約2000μmの繊維長さを有する繊維にて出来ている、フィルタエレメント。
【請求項23】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、前記繊維媒質は、三元的アスペクトを有する繊維にて出来ている、フィルタエレメント。
【請求項24】
焼結した繊維フィルタエレメントを製造する方法において、
a)円筒状キャビティと、該円筒状キャビティの一端における端部蓋と、該円筒状キャビティの他端における充填キャップとを有する鋳型であって、前記充填キャップは、除去されることにより開放した端部を提供することができ、さらに、前記端部蓋内にて可動状態で封止され且つ前記キャビティ内を該キャビティと同軸状に延びるコアロッドを有する前記鋳型を提供する工程と、
b)前記鋳型を、前記開放した端部が上方になるようにして垂直に向き決めする工程と、
c)繊維及び液体を、前記開放した端部を通って前記キャビティ内に導入し、繊維及び液体が前記コアロッドの回りにて半径方向に実質的に均一になるようにする工程と、
d)前記鋳型内にて圧力差を形成し、液体を前記鋳型から追い出す工程と、
e)圧力を前記鋳型に、ひいては前記キャビティ内の前記繊維に付加し、これにより、前記繊維が凝集して実質的に管状の構造体を形成するようにする工程と、
f)該実質的に管状の構造体を、前記鋳型から取り外す工程と、
g)前記実質的に管状の構造体を焼結して、多孔性の管状の焼結フィルタエレメントを得る工程と、を備える、焼結した繊維フィルタエレメントを製造する方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法において、前記多孔性の管状の焼結したフィルタエレメントの端部を高密度化する工程を更に備える、方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法において、前記多孔性の管状の焼結金属フィルタエレメントの端部を高密度化する工程は、前記フィルタエレメントの端部にローラ研磨器ツールを当てがいつつ、該フィルタエレメントを回転させる工程を含む、方法。
【請求項27】
請求項25に記載の方法において、前記多孔性の管状の焼結したフィルタエレメントの端部を高密度化する工程は、ツールを前記フィルタエレメントの少なくとも一端にあてがいつつ、前記フィルタエレメントを回転させる工程を含み、前記ツールは、前記フィルタエレメントの中央部分から前記フィルタエレメントの一端まで漸進的な形状遷移部を提供する設計とされる、方法。
【請求項28】
請求項24に記載の方法において、前記繊維は金属繊維を含む、方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法において、前記金属はステンレススチールを含む、方法。
【請求項30】
請求項24に記載の方法において、前記液体は水を含む、方法。
【請求項31】
請求項24に記載の方法において、前記端部蓋は取り外し可能である、方法。
【請求項32】
請求項24に記載の方法において、真空圧管を前記鋳型に装着する工程と、繊維及び液体を前記キャビティに導入する間に前記真空圧管を開放する工程とを更に備える、方法。
【請求項33】
請求項24に記載の方法において、前記管状の構造体を焼結する前、該管状の構造体を乾燥させる工程を更に備える、方法。
【請求項34】
請求項24に記載の方法において、前記多孔性の管状の焼結したフィルタエレメントの一端を端部キャップに溶接する工程を更に備える、方法。
【請求項35】
請求項24に記載の方法において、前記多孔性の管状の焼結したフィルタエレメントの一端をフィルタの端部接続具又はハウジングに溶接する工程を更に備える、方法。
【請求項36】
請求項24に記載の方法において、h)前記構造体の密度、形状又は長さを制御すべく前記焼結した管状の構造体に圧力を付加する工程を更に備える、方法。
【請求項37】
請求項24に記載の方法において、前記鋳型を振動させる工程を更に備える、方法。
【請求項38】
請求項24に記載の方法において、液体を前記鋳型から追い出すため前記鋳型内にて圧力差を生じさせる工程は、真空圧を前記鋳型に付加する工程を備えている、方法。
【請求項39】
請求項24に記載の方法において、液体を前記鋳型から追い出すため前記鋳型内にて圧力差を生じさせる工程は、加圧した気体を前記キャビティの開放した端部に供給する工程を備えている、方法。
【請求項40】
流体をろ過する方法において、ろ過すべき流体が前記フィルタエレメントに接触するようにする工程を備え、前記フィルタエレメントは焼結繊維媒質を備え、
前記フィルタエレメントは、該エレメントの中央部分から該エレメントの一端部分に向けて減少する外径を有する円筒状本体を備え、
前記繊維媒質は、前記エレメントの中央部分から前記エレメントの一端部分に向けて増大する密度を有し、前記エレメントの中央部分における媒質の密度は、約15%以下であり、
前記エレメントは、フィルタの出口における窒素の流量及び雰囲気状態にて最透過性の粒子寸法に対して、33SLM/平方インチの流束の場合、少なくとも5対数減少値のろ過効率を提供する、流体をろ過する方法。
【請求項41】
請求項40に記載の方法において、前記流体は気体である、方法。
【請求項42】
請求項40に記載の方法において、前記フィルタエレメントは、フィルタ出口にて窒素流れ及び雰囲気状態下で最透過性の粒子寸法に対して、33SLM/平方インチの流束の場合、流体中の微粒子の少なくとも約99.999%を除去する、方法。
【請求項43】
請求項40に記載の方法において、前記フィルタエレメントは、フィルタ出口にて窒素流れ及び雰囲気状態下で最透過性の粒子寸法に対して、6SLM/平方インチの流束の場合、流体中の微粒子の少なくとも約99.9999999%を除去する、方法。
【請求項1】
焼結繊維媒質を備えるフィルタエレメントにおいて、
前記フィルタエレメントは、該エレメントの中央部分から該エレメントの一端部分に向けて減少する外径を有する円筒状本体を備え、
前記繊維媒質は、前記エレメントの中央部分から前記エレメントの一端部分に向けて増大する密度を有し、前記エレメントの中央部分における媒質の密度は、約15%以下であり、
前記エレメントは、フィルタの出口における窒素の流量及び雰囲気状態にて最透過性の粒子寸法のとき、33SLM/平方インチの流束にて、少なくとも5対数減少値のろ過効率を提供する、フィルタエレメント。
【請求項2】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、前記繊維媒質は、金属繊維を含む、フィルタエレメント。
【請求項3】
請求項2に記載のフィルタエレメントにおいて、前記金属はステンレススチールを含む、フィルタエレメント。
【請求項4】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、金属製ハウジング内に保持される、フィルタエレメント。
【請求項5】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、前記エレメントの中央部分における前記媒質の密度は約12%以下である、フィルタエレメント。
【請求項6】
請求項5に記載のフィルタエレメントにおいて、前記エレメントの中央部分における前記媒質の密度は約6%以下である、フィルタエレメント。
【請求項7】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、フィルタ出口における窒素流れ及び雰囲気状態下で最透過性の粒子寸法のとき6SLM/平方インチの流束にて少なくとも9対数減少値のろ過効率を有する、フィルタエレメント。
【請求項8】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、該フィルタエレメントの中央にて約2.5mmから約38.1mm(約0.1インチから約1.5インチ)の肉厚を有する、フィルタエレメント。
【請求項9】
請求項8に記載のフィルタエレメントにおいて、該フィルタエレメントの中央にて約5.1mmから約7.6mm(約0.2インチから約0.3インチ)の肉厚を有する、フィル
タエレメント。
【請求項10】
請求項9に記載のフィルタエレメントにおいて、該フィルタエレメントの端部にて約2.5mm(約0.1インチ)の肉厚を有する、フィルタエレメント。
【請求項11】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、前記円筒状本体は、前記フィルタエレメントの中央にて約2.5mmから約50.8mm(約0.1インチから約2インチ)の範囲の内径を有する、フィルタエレメント。
【請求項12】
請求項11に記載のフィルタエレメントにおいて、前記円筒状本体は、前記フィルタエレメントの中央にて約10.2mmから約20.3mm(約0.4インチから約0.8インチ)の範囲の内径を有する、フィルタエレメント。
【請求項13】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、該フィルタエレメントの長さは、約12.7mmから約381.0mm(約0.5インチから約15インチ)である、フィルタエレメント。
【請求項14】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、該フィルタエレメントの長さは、約25.4mmから約127.0mm(約1インチから約5インチ)である、フィルタエレメント。
【請求項15】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、前記フィルタは、窒素流れ及び雰囲気の出口状態下で約6SLM/平方インチから約42SLM/平方インチの流束のとき約6.89kPa(約1psi)から約89.63kPa(約13psi)の範囲の圧力降下を提供する、フィルタエレメント。
【請求項16】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、窒素流れ及び雰囲気の出口状態下で約0.8SLM/平方インチから約42SLM/平方インチの流束のとき約0.69kPa(約0.1psi)から約89.63kPa(約13psi)の範囲の圧力降下を提供する、フィルタエレメント。
【請求項17】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、前記フィルタは、窒素流れ及び雰囲気の出口状態下で約6SLM/平方インチから約105SLM/平方インチの流束のとき、約2.758kPa−1(約0.4psid−1)から約172.4kPa−1(約25psid−1)の範囲の単位圧力降下当たりのLRVを提供する、フィルタエレメント。
【請求項18】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、各端部にて金具に固体される、フィルタエレメント。
【請求項19】
請求項18に記載のフィルタエレメントにおいて、前記金具はフランジである、フィルタエレメント。
【請求項20】
請求項2に記載のフィルタエレメントにおいて、前記金属は、ニッケル、タリウム、チタン、アルミニウム、タングステン、銅、金属酸化物、セラミック材料及びハステロイ、青銅、Cu−合金及びFe−Cr−Al合金の1つ以上を含む、フィルタエレメント。
【請求項21】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、前記繊維媒質は、約1μmから約10μmの繊維の等価直径を有する繊維にて出来ている、フィルタエレメント。
【請求項22】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、前記繊維媒質は、約10μmから約2000μmの繊維長さを有する繊維にて出来ている、フィルタエレメント。
【請求項23】
請求項1に記載のフィルタエレメントにおいて、前記繊維媒質は、三元的アスペクトを有する繊維にて出来ている、フィルタエレメント。
【請求項24】
焼結した繊維フィルタエレメントを製造する方法において、
a)円筒状キャビティと、該円筒状キャビティの一端における端部蓋と、該円筒状キャビティの他端における充填キャップとを有する鋳型であって、前記充填キャップは、除去されることにより開放した端部を提供することができ、さらに、前記端部蓋内にて可動状態で封止され且つ前記キャビティ内を該キャビティと同軸状に延びるコアロッドを有する前記鋳型を提供する工程と、
b)前記鋳型を、前記開放した端部が上方になるようにして垂直に向き決めする工程と、
c)繊維及び液体を、前記開放した端部を通って前記キャビティ内に導入し、繊維及び液体が前記コアロッドの回りにて半径方向に実質的に均一になるようにする工程と、
d)前記鋳型内にて圧力差を形成し、液体を前記鋳型から追い出す工程と、
e)圧力を前記鋳型に、ひいては前記キャビティ内の前記繊維に付加し、これにより、前記繊維が凝集して実質的に管状の構造体を形成するようにする工程と、
f)該実質的に管状の構造体を、前記鋳型から取り外す工程と、
g)前記実質的に管状の構造体を焼結して、多孔性の管状の焼結フィルタエレメントを得る工程と、を備える、焼結した繊維フィルタエレメントを製造する方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法において、前記多孔性の管状の焼結したフィルタエレメントの端部を高密度化する工程を更に備える、方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法において、前記多孔性の管状の焼結金属フィルタエレメントの端部を高密度化する工程は、前記フィルタエレメントの端部にローラ研磨器ツールを当てがいつつ、該フィルタエレメントを回転させる工程を含む、方法。
【請求項27】
請求項25に記載の方法において、前記多孔性の管状の焼結したフィルタエレメントの端部を高密度化する工程は、ツールを前記フィルタエレメントの少なくとも一端にあてがいつつ、前記フィルタエレメントを回転させる工程を含み、前記ツールは、前記フィルタエレメントの中央部分から前記フィルタエレメントの一端まで漸進的な形状遷移部を提供する設計とされる、方法。
【請求項28】
請求項24に記載の方法において、前記繊維は金属繊維を含む、方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法において、前記金属はステンレススチールを含む、方法。
【請求項30】
請求項24に記載の方法において、前記液体は水を含む、方法。
【請求項31】
請求項24に記載の方法において、前記端部蓋は取り外し可能である、方法。
【請求項32】
請求項24に記載の方法において、真空圧管を前記鋳型に装着する工程と、繊維及び液体を前記キャビティに導入する間に前記真空圧管を開放する工程とを更に備える、方法。
【請求項33】
請求項24に記載の方法において、前記管状の構造体を焼結する前、該管状の構造体を乾燥させる工程を更に備える、方法。
【請求項34】
請求項24に記載の方法において、前記多孔性の管状の焼結したフィルタエレメントの一端を端部キャップに溶接する工程を更に備える、方法。
【請求項35】
請求項24に記載の方法において、前記多孔性の管状の焼結したフィルタエレメントの一端をフィルタの端部接続具又はハウジングに溶接する工程を更に備える、方法。
【請求項36】
請求項24に記載の方法において、h)前記構造体の密度、形状又は長さを制御すべく前記焼結した管状の構造体に圧力を付加する工程を更に備える、方法。
【請求項37】
請求項24に記載の方法において、前記鋳型を振動させる工程を更に備える、方法。
【請求項38】
請求項24に記載の方法において、液体を前記鋳型から追い出すため前記鋳型内にて圧力差を生じさせる工程は、真空圧を前記鋳型に付加する工程を備えている、方法。
【請求項39】
請求項24に記載の方法において、液体を前記鋳型から追い出すため前記鋳型内にて圧力差を生じさせる工程は、加圧した気体を前記キャビティの開放した端部に供給する工程を備えている、方法。
【請求項40】
流体をろ過する方法において、ろ過すべき流体が前記フィルタエレメントに接触するようにする工程を備え、前記フィルタエレメントは焼結繊維媒質を備え、
前記フィルタエレメントは、該エレメントの中央部分から該エレメントの一端部分に向けて減少する外径を有する円筒状本体を備え、
前記繊維媒質は、前記エレメントの中央部分から前記エレメントの一端部分に向けて増大する密度を有し、前記エレメントの中央部分における媒質の密度は、約15%以下であり、
前記エレメントは、フィルタの出口における窒素の流量及び雰囲気状態にて最透過性の粒子寸法に対して、33SLM/平方インチの流束の場合、少なくとも5対数減少値のろ過効率を提供する、流体をろ過する方法。
【請求項41】
請求項40に記載の方法において、前記流体は気体である、方法。
【請求項42】
請求項40に記載の方法において、前記フィルタエレメントは、フィルタ出口にて窒素流れ及び雰囲気状態下で最透過性の粒子寸法に対して、33SLM/平方インチの流束の場合、流体中の微粒子の少なくとも約99.999%を除去する、方法。
【請求項43】
請求項40に記載の方法において、前記フィルタエレメントは、フィルタ出口にて窒素流れ及び雰囲気状態下で最透過性の粒子寸法に対して、6SLM/平方インチの流束の場合、流体中の微粒子の少なくとも約99.9999999%を除去する、方法。
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2013−78764(P2013−78764A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−279486(P2012−279486)
【出願日】平成24年12月21日(2012.12.21)
【分割の表示】特願2010−531202(P2010−531202)の分割
【原出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(500013898)モット・コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−279486(P2012−279486)
【出願日】平成24年12月21日(2012.12.21)
【分割の表示】特願2010−531202(P2010−531202)の分割
【原出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(500013898)モット・コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】
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