説明

焼結高分子材料およびその用途

本発明は、さまざまな用途に有用な焼結高分子材料およびその製造方法および使用方法を提供する。一つの実施例では、本発明は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結高分子材料を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して焼結高分子材料およびその製造方法および使用方法に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本出願はここに35U.S.C.§119(e)に基づき、2006年8月18日に出願の米国仮特許出願60/838,571号、2006年8月18日に出願の米国仮特許出願60/838,572号、2006年12月22日に出願の米国仮特許出願番号60/876,739、および2007年2月12日に出願の米国仮特許出願60/900,817号に対して優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
一般に、ハイライター、ペン、化粧用アプリケータ、および薬剤アプリケータなどのアプリケータに使用されるチップまたはペン先は、フェルトまたはナイロン、アクリル、およびポリエステル繊維などの熱可塑性の繊維性材料で構成されている。これらの材料で構成されるチップまたはペン先は良好な機械的強度を持ち、その破砕に対する抵抗を増強する。さらに、前述のチップまたはペン先は、様々な液体の良好な流動性、および柔軟性を示し、マーキング、筆記、および他の用途での使用に適する。
【0004】
しかし、フェルトおよび繊維性ペン先にはいくつかの欠点がある。一つの欠点は、さまざまな用途のために比較的複雑な形状を持つフェルトおよび繊維性ペン先を製造する際に直面する困難さである。関連する欠点は、フェルトおよび繊維性ペン先は一つのステップで製造することができないことである。複数ステップでの製造はコストを増加させ、フェルトおよび繊維性ペン先で考えられるさまざまなデザインに制限を加える。また別の欠点は、フェルトおよび繊維性ペン先の使用時に実感することになる。フェルトおよび繊維性材料は、ペン先の寿命の前に磨耗し解離することがある。同様に、繊維はインクの溶媒に溶けてペン先を弱らせ、さらにほころびを助長する可能性がある。
【0005】
さらに、フェルトおよび繊維性ペン先を含むアプリケータの性能特性は、フェルトおよび繊維性材料の劣化とともに低下する。磨耗および他の解離性プロセスは、アプリケータの精密さに大幅に影響し、その使用を困難かつ苛立たしくする可能性がある。その上、インク溶媒への繊維の溶解は、過剰なインクの損失およびにじみにつながり、問題をさらに複雑にすることがある。
【0006】
前述の問題および欠点を考慮すると、アプリケータとして使用可能で、機械的および化学的特性が有効な材料を提供することが望ましい。
【0007】
さらに、多孔質高分子材料は、数多くの分野で応用され重要な役割を果たす。多孔質高分子材料は、ろ過および流体バリア用途に広く使用されてきている。現在のろ過装置は、筺体を貫く流体の通路に高分子ろ過媒体が配された筐体を含むことが多い。流体が筐体に入ると、ろ過媒体を通過し、流体から組成物が除去される。本明細書に記載される流体とは、気体、液体、またはその組み合わせを示す。ろ過装置の有効性は、ろ過媒体が筐体と十分な密閉性を維持し流体がろ過媒を迂回するのを防ぐといった濾過媒体の性能を含むいくつかの要因に依存する。
【0008】
ろ過媒体を迂回する流体は、特にろ過媒体も水溶性溶液などの選択流体へのバリアとして働く場合に大きな問題を生じる。ろ過媒体を迂回する流体は、下流の装置およびプロセスを汚染し、不便さ、腐食および機器の高額な修理につながることがある。ピペット装置はしばしば、例えば、気体などの流体は通過させるが、ピペットを汚染する可能性のある
液体の通過は防止するろ過またはバリア媒体を含む。ろ過またはバリア媒体を迂回またはバイパスする流体によるピペットの汚染は、他の溶液のその後の汚染の可能性のために、しばしばピペットの廃棄または汚染除去を必要とする。
【0009】
現在の多孔質高分子ろ過およびバリア媒体の欠点の一つは、その硬い性質のために、筐体との十分な密閉性を形成するのが困難なことである。これは、筐体とろ過媒体のどちらかまたは両方が、製造工程または組み立て工程に起因する欠陥を持つ場合に特に当てはまる。そのため、ろ過媒体が筐体に配されたフィルターの製造において、精密な許容範囲を維持しなければならない。ろ過媒体が筐体から逸脱したり、筐体中の誤った場所に移動する可能性に加え、精密な許容範囲の必要性により、しばしば相当量の製品が廃棄される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述の問題を考慮すると、筐体と十分な密閉性を形成し、現在のろ過装置に必要とされる精密な許容範囲に従う必要なしに流体のバイパスを防止するのに使用可能なろ過またはバリア媒体を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
概要
焼結高分子材料
本発明は、焼結高分子材料およびその製造方法および使用方法を提供する。本発明の焼結高分子材料は、溶媒への抵抗性や高い柔軟性などの有効な化学的および機械的特性を示すことが可能で、それによりアプリケータおよびろ過およびバリア媒体での使用を含むさまざまな分野でこれらの材料の適用を促進する。
【0012】
本発明の一つの実施例では、少なくとも一つのエラストマーを含む焼結高分子材料を含む組成物を提供する。本発明の別の実施形態では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結高分子材料を含む組成物を提供する。また別の実施形態では、柔軟領域および硬質領域を含む連続焼結高分子材料を提供し、該柔軟領域は第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、該硬質領域は第二のプラスチックを含む。
【0013】
別の態様において、本発明は高分子材料の製造方法を提供する。一つの実施例では、高分子材料の製造方法は、少なくとも一つのプラスチック粒子と、少なくとも一つのエラストマー粒子とを提供し、該プラスチック粒子および該エラストマー粒子を焼結することを含む。別の実施形態では、高分子材料の製造方法は、第一のプラスチック粒子を少なくとも一つのエラストマー粒子と混合したものを型の第一の部分に配し、第二のプラスチック粒子を型の第一の部分に隣接する型の第二の部分に配し、第一のプラスチック粒子、第二のプラスチック粒子およびエラストマー粒子を焼結することを含む。
【0014】
アプリケータ
本発明はさらに、焼結高分子材料を含むアプリケータに加えて、アプリケータの製造方法および使用方法を提供する。本発明の焼結高分子材料を含むアプリケータは、複雑な形状にすることが可能で、フェルトおよび繊維性アプリケータによく起こる磨耗および他の解離的プロセスに抵抗性がある。
【0015】
一つの実施例では、本発明は、焼結高分子材料を含むアプリケータを提供し、該焼結高分子材料は少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む。また別の実施形態では、本発明は、柔軟領域および硬質領域を含む連続焼結高分子材料を含むアプリケータを提供し、該柔軟領域は第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエ
ラストマーを含み、該硬質領域は第二のプラスチックを含む。
【0016】
別の態様において本発明は、焼結多孔質高分子部品および、該焼結多孔質高分子部品と結合した繊維性部品を含むアプリケータを提供する。幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子部品は少なくとも一つのプラスチックを含む。別の実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、複数個のプラスチックを含む。また別の実施形態では、焼結多孔質高分子部品はさらに少なくとも一つのエラストマーを含む。幾つかの実施形態では、アプリケータはさらに繊維性部品と結合した貯留槽を含む。別の実施形態では、繊維性部品は貯留槽としての役目を果たす。
【0017】
別の態様において、本発明は、柔軟領域および硬質領域を含む連続焼結多孔質高分子材料を含むアプリケータを提供し、該柔軟領域は、第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、該硬質領域は、第二のプラスチックを含む。繊維性部品は、連続焼結多孔質高分子部品と結合される。幾つかの実施形態では、貯留槽は繊維性部品と結合される。別の実施形態では、繊維性部品は貯留槽としての役目を果たす。
【0018】
幾つかの実施形態では、アプリケータの焼結高分子材料は、さらに少なくとも一つの変色指示薬を含む。本発明の実施例によると、変色指示薬は、水溶液および/または有機溶媒または組成物に接触した時、焼結高分子材料の色を少なくとも部分的に変色させるために使用できる。幾つかの実施形態では、変色指示薬は、水溶液および/または有機性溶媒または組成物と接触した時、アプリケータの焼結多孔質材料を第一の色から第二の色に変える。別の実施形態では、変色指示薬は、焼結高分子材料を無色または白色から有色に変える。本発明の実施例によると、焼結高分子材料の変色は、選択した変色指示薬の固有性に依存する。連続する組成物の表面へ塗布され、色が変化することによって、アプリケータが組成物に接触したことの指標を使用者に提供する。幾つかの実施形態では、変色指示薬は、限定はされないが、食用色素などの有機色素を含む色素を含む。
【0019】
幾つかの実施形態では、本発明のアプリケータは筆記、化粧品、ヘルスケア、および/または工業用用途に使用可能である。
【0020】
アプリケータの製造方法
本発明はさらに、焼結多孔質材料を含むアプリケータの製造方法を提供する。一つの実施例では、アプリケータの製造方法は、少なくとも一つのプラスチック粒子と、少なくとも一つのエラストマー粒子とを提供し、該プラスチック粒子および該エラストマー粒子を焼結することを含む。別の実施形態では、アプリケータの製造方法は、焼結多孔質高分子部品と、繊維性部品とを提供し、該繊維性部品を焼結多孔質高分子部品に結合することを含む。幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む。幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む少なくとも一つのプラスチック粒子と、少なくとも一つのエラストマー粒子とを提供し、該プラスチック粒子とエラストマー粒子を焼結することを含む。幾つかの実施形態では、少なくとも一つの変色指示薬をプラスチックおよびエラストマー粒子に加え、該プラスチックおよびエラストマー粒子と共に焼結される。
【0021】
さらに、幾つかの実施形態では、繊維性部品の焼結多孔質高分子部品との結合は、繊維性部品を焼結多孔質高分子部品に挿入することを含む。別の実施形態では、繊維性部品と焼結多孔質高分子部品との結合は、焼結多孔質高分子部品を繊維性部品に挿入することを含む。幾つかの実施形態では、アプリケータの製造方法はさらに貯留槽を繊維性部品と結合することを含む。
【0022】
別の実施形態では、アプリケータの製造方法は、柔軟領域および硬質領域を含む連続焼結多孔質高分子部品と、繊維性部品とを提供し、該繊維性部品を連続焼結多孔質高分子部品に結合することを含む。幾つかの実施形態では、連続焼結多孔質高分子部品の該柔軟領域は、第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、該硬質領域は第二のプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、柔軟領域および硬質領域を含む連続多孔質高分子部品は、第一のプラスチック粒子を少なくとも一つのエラストマー粒子と混合し提供し、型の第一の部分に配し、第二のプラスチック粒子を型の第一の部分に隣接する型の第二の部分に配し、第一のプラスチック粒子、第二のプラスチック粒子およびエラストマー粒子を焼結することを含む。幾つかの実施形態では、少なくとも一つの変色指示薬を第一のプラスチック粒子、第二のプラスチック、および/またはエラストマー粒子に添加し、焼結する。
【0023】
幾つかの実施形態では、繊維性部品の連続焼結多孔質高分子部品との結合は、繊維性部品を連続焼結多孔質高分子部品に挿入することを含む。幾つかの実施形態では、繊維性部品の連続焼結多孔質高分子部品との結合は、連続焼結多孔質高分子部品を繊維性部品に挿入することを含む。幾つかの実施形態では、アプリケータの製造方法はさらに貯留槽を繊維性部品と結合することを含む。
【0024】
組成物の表面への塗布方法
また別の態様において、本発明は組成物を表面に塗布する方法を提供する。一つの実施例では、組成物を表面に塗布する方法は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質材料を含むアプリケータを提供し、組成物の少なくとも一部分をアプリケータに配し、表面をアプリケータ上の組成物と接触させることを含む。
【0025】
別の実施形態では、組成物を表面に塗布する方法は、焼結多孔質高分子部品および該焼結多孔質高分子部品と結合する繊維性部品を含むアプリケータを提供し、アプリケータ上に組成物の少なくとも一部分を配し、表面をアプリケータ上の組成物と接触させることを含む。幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む。別の実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、硬質領域に連続する柔軟領域を含み、該柔軟領域は第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、該硬質領域は第二のプラスチックを含む。
【0026】
幾つかの実施形態では、表面へ組成物を塗布し、組成物の少なくとも一部分を該アプリケータへ配し、組成物は繊維性部品を通過して焼結多孔質高分子部品の外部表面へ到達することを含む。
【0027】
幾つかの実施形態では、組成物は、インク、塗料、化粧品、または医薬組成物から成ってもよい。別の実施形態では、組成物は防食材料、UV保護剤、および工業的用途に使用される他の化学薬品でもよい。
【0028】
ろ過媒体およびバリア媒体
本発明はさらに、本発明の焼結多孔質高分子材料を含むろ過およびバリアの媒体および該製造方法および使用方法を提供する。本発明の実施例によると、ろ過媒体は、汚染物質または、液体または気体中の所望する他の物質をろ過するために液体および気体を通すために使用可能である。液体または気体が本発明のろ過媒体を通して流れる時、汚染物質または目標分子または基質などの所望する他の物質は、ろ過媒体に取り込まれ液体または気体から除去される。
【0029】
しかし本発明の一部の実施例によると、バリア媒体は気体の通過は可能にするが、媒体
を通しての液流は阻害および/または防止する。気体の通過を可能にし、有機溶媒および/または水性液体を含む液体の通過を阻害および/または防止することにより、本発明のバリア媒体は、好ましくない流体との接触による汚染から下流の機器とプロセスを保護することができる。例えば、本発明のバリア媒体は、パイプまたは管の中のインラインバリア媒体としての役目を果たしてパイプまたは管を通しての液流を防止することができる。別の実施形態では、バリア媒体はピペットチップに設置されてピペットチップフィルターとしての役割を果たし、ピペットで取った流体がピペッターを汚染するのを防止できる。
【0030】
本発明の焼結高分子材料を含むろ過およびバリア媒体は、筐体と十分な密閉性を形成し、しばしばろ過装置に必要とされる精密な許容範囲に従うことなく、流体が媒体を迂回するのを防止できる。本発明の焼結多孔質高分子材料を含むろ過およびバリア媒体は柔軟特性を示し、媒体が筐体の表面の変化および不整合性に適合することを可能にし、筐体との密閉性を促進し、流体バイパスが原因の不良品および製品の廃棄を低減することができる。さらに、本発明のろ過およびバリア媒体の該柔軟特性により、媒体の気孔率をさまざまな用途に応じて調整することが可能となる。
【0031】
一つの実施例では、本発明は焼結多孔質高分子材料を含むろ過媒体を提供し、該焼結多孔質高分子材料は少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む。別の実施形態では、本発明は焼結多孔質高分子材料を含むろ過媒体を提供し、該焼結多孔質高分子材料は少なくとも一つのプラスチック、少なくとも一つのエラストマー、および少なくとも一つの変色指示薬を含む。
【0032】
別の実施形態では、本発明は、柔軟領域および硬質領域を含む連続焼結多孔質高分子材料を含むろ過媒体を提供する。幾つかの実施形態では、連続焼結多孔質高分子材料の該柔軟領域は、第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、該硬質領域は第二のプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、該柔軟領域は、第一のプラスチック、少なくとも一つのエラストマー、および第一の変色指示薬を含み、該硬質領域は第二のプラスチックおよび第二の変色指示薬を含む。別の実施形態では、変色指示薬は、該柔軟領域または該硬質領域のどちらかに存在してもよい。
【0033】
別の実施形態では、本発明は焼結多孔質高分子材料を含むバリア媒体を提供し、該焼結多孔質高分子材料は少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む。幾つかの実施形態では、液体バリア媒体は、本明細書に記載される柔軟領域および硬質領域を含む連続焼結多孔質高分子材料を含む。
【0034】
幾つかの実施形態では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子材料を含むバリア媒体はさらに、少なくとも一つの超吸収性材料を含む。本発明の実施例によると、超吸収性材料はバリア媒体での使用に適しており、水または他の水性溶液などの溶液と接触すると急速に膨張するが、溶液には溶解しない。幾つかの実施形態では、超吸収性材料の膨張によりバリア媒体を密閉することができ、バリア媒体を通しての流体のさらなる流れを防止する。別の実施形態では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子材料を含むバリア媒体は、超吸収性材料を含まない。
【0035】
また別の実施形態では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子材料を含むバリア媒体はさらに、米国特許第6,638,610号および米国特許第6,358,569号に記載されるフッ素化分子コーティングなどの疎水性コーティングを含む。一つの実施例では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子材料を含む液体バリア媒体はさらに、少なくとも一つの変色指示薬を含む。
【0036】
また別の実施形態では、本発明は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子材料を含む吸収性媒体を提供し、該吸収性媒体は、液体を再取り込みまたは吸収し、その後圧縮された時には液体を放出するために使用可能である。前述の実施例では、吸収性媒体はスポンジとしての役割を果たしてもよい。
【0037】
ろ過媒体および/またはバリア媒体を含むフィルターおよび装置
別の実施形態では、本発明は、筐体および少なくとも一つのろ過媒体を含むフィルターを提供し、少なくとも一つの該ろ過媒体は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子材料を含む。幾つかの実施形態では、ろ過媒体はさらに少なくとも一つの変色指示薬を含む。別のフィルターの実施例では、少なくとも一つのろ過媒体は、柔軟領域および硬質領域を含む連続焼結多孔質高分子材料を含む。幾つかの実施形態では、連続焼結多孔質高分子材料の該柔軟領域は、第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、該硬質領域は第二のプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、柔軟および/または硬質領域はさらに、少なくとも一つの変色指示薬を含む。一つの実施例では、筐体は、真空ろ過筐体、クロマトグラフィーカラム、ロート、管、シリンジ、カテーテル、ダクト、またはピペットチップを含む。
【0038】
別の実施形態では、本発明は、筐体および少なくとも一つのバリア媒体を含む装置を提供し、少なくとも一つの該バリア媒体は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子材料を含む。幾つかの実施形態では、少なくとも一つのバリア媒体は、柔軟領域および硬質領域を含む連続焼結多孔質高分子材料を含む。幾つかの実施形態では、連続焼結多孔質高分子材料の該柔軟領域は、第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、該硬質領域は第二のプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、柔軟および/または硬質領域はさらに、少なくとも一つの変色指示薬を含む。さらに、幾つかの実施形態では、装置はフィルター、ピペッター、またはカテーテルを含む。
【0039】
幾つかの実施形態では、バリア媒体はさらに、限定はされないが、フッ素化高分子コーティングなどの疎水性コーティングを含む。幾つかの実施形態では、バリア媒体はさらに、少なくとも一つの超吸収性材料を含む。さらに、幾つかの実施形態では、筐体は、真空ろ過筐体、ロート、管、ダクト、シリンジ、カテーテル、またはピペットチップを含む。
【0040】
ろ過媒体およびバリア媒体の製造方法
別の態様において、本発明は、焼結多孔質高分子材料を含むろ過媒体の製造方法を提供する。一つの実施例では、焼結多孔質高分子材料を含むろ過媒体の製造方法は、少なくとも一つのエラストマー粒子と、少なくとも一つのプラスチック粒子を提供し、該プラスチック粒子およびエラストマー粒子を焼結することを含む。幾つかの実施形態では、少なくとも一つの変色指示薬を少なくとも一つの該エラストマーおよび/または少なくとも一つのプラスチック粒子に添加し、少なくとも一つの該エラストマーおよび少なくとも一つのプラスチック粒子と共に焼結される。
【0041】
別の実施形態では、焼結多孔質高分子材料を含むろ過媒体の製造方法は、第一のプラスチック粒子を少なくとも一つのエラストマー粒子と混合したものを型の第一の部分に配し、第二のプラスチック粒子を型の第一の部分に隣接する型の第二の部分に配し、第一のプラスチック粒子、エラストマー粒子および第二のプラスチック粒子を焼結することを含む。幾つかの実施形態では、焼結前に、少なくとも一つの変色指示薬粒子を第一のプラスチック粒子およびエラストマー粒子の混合物に添加することができる。別の実施形態では、焼結前に、少なくとも一つの変色指示薬を第二のプラスチック粒子に添加することができる。
【0042】
別の態様において、本発明は、焼結多孔質高分子材料を含むバリア媒体の製造方法を提供する。一つの実施例では、バリア媒体の製造方法は、少なくとも一つのエラストマー粒子と、少なくとも一つのプラスチック粒子とを提供し、該プラスチック粒子およびエラストマー粒子を焼結することを含む。幾つかの実施形態では、少なくとも一つの超吸収性材料および/または変色指示薬を少なくとも一つの該エラストマーおよび少なくとも一つのプラスチック粒子に添加し、少なくとも一つの該エラストマーおよび少なくとも一つのプラスチック粒子と共に焼結される。また別の実施形態では、焼結多孔質高分子材料を含むバリア媒体の製造方法はさらに、焼結多孔質高分子材料を疎水性コーティングでコーティングすることを含む。
【0043】
別の実施形態では、焼結多孔質高分子材料を含むバリア媒体の製造方法は、第一のプラスチック粒子を少なくとも一つのエラストマー粒子と混合したものを型の第一の部分に配し、第二のプラスチック粒子を型の第一の部分に隣接する型の第二の部分に配し、第一のプラスチック粒子、エラストマー粒子および第二のプラスチック粒子を焼結することを含む。幾つかの実施形態では、少なくとも一つの超吸収性材料および/または変色指示薬を第一のプラスチック粒子およびエラストマー粒子の混合物に添加することができる。別の実施形態では、少なくとも一つの超吸収性材料および/または変色指示薬を第二のプラスチック粒子に添加することができる。また別の実施形態では、焼結多孔質高分子材料を含むバリア媒体の製造方法はさらに、焼結多孔質高分子材料を疎水性コーティングでコーティングすることを含む。
【0044】
別の態様において、本発明はフィルターの製造方法を提供する。一つの実施例において、フィルターの製造方法は、焼結多孔質高分子材料を含むろ過媒体と、筐体とを提供し、ろ過媒体を筐体に配置することを含み、該焼結多孔質高分子材料は少なくとも一つのエラストマーおよび少なくとも一つのプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子材料はさらに少なくとも一つの変色指示薬を含む。
【0045】
別の実施形態では、フィルターの製造方法は、該柔軟領域および硬質領域を含む連続焼結多孔質高分子材料を含むろ過媒体と、筐体とを提供し、該ろ過媒体を筐体に配置することを含む。幾つかの実施形態では、該柔軟領域は、第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、該硬質領域は第二のプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、該柔軟領域および/または硬質領域はさらに、少なくとも一つの変色指示薬から成ってもよい。幾つかの実施形態では、ろ過媒体の該柔軟領域は筐体の表面に適合し、ろ過媒体と筐体の間に密閉性を形成する。該柔軟領域の柔軟性により、ろ過媒体が筐体表面の任意の変化または不整合性に適合することが可能となり、流体バイパスに抵抗性のある密封性を促進する。
【0046】
流体のろ過方法
別の態様において、本発明は流体から組成物を除去するための流体のろ過方法を提供する。一つの実施例では、流体のろ過方法は、焼結多孔質高分子材料を含む少なくとも一つのろ過媒体を提供し、流体をその少なくとも一つのろ過媒体に通すことを含み、該焼結多孔質高分子材料は少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む。幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子材料はさらに少なくとも一つの変色指示薬を含む。
【0047】
別の実施形態では、流体のろ過方法は、柔軟領域および硬質領域を含む連続焼結多孔質高分子材料を含む少なくとも一つのろ過媒体を提供し、流体をその少なくとも一つのろ過媒体に通すことを含み、該柔軟領域は第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、該硬質領域は第二のプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、柔軟領
域および/または硬質領域はさらに、少なくとも一つの変色指示薬から成ってもよい。
【0048】
また別の実施形態では、流体のろ過方法は、焼結多孔質高分子材料を含む少なくとも一つのろ過媒体を提供し、その少なくとも一つのろ過媒体の気孔率を調節し、流体をその少なくとも一つのろ過媒体に通すことを含み、該焼結多孔質高分子材料は少なくとも一つのエラストマーおよび少なくとも一つのプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、ろ過媒体の気孔率の調整は、ろ過媒体に張力または圧縮をかけることを含む。ろ過媒体に張力または圧縮をかけることにより、ろ過媒体の細孔径および/または細孔構造を変化させることができ、その結果ろ過媒体の気孔率が変化する。
【0049】
別の実施形態では、気体のろ過方法は、焼結多孔質高分子材料を含む少なくとも一つの液体バリア媒体を提供し、その少なくとも一つの液体バリア媒体の気孔率を調整し、液体が液体バリア媒体を通過するのを阻害および/または防止しながら液体バリア媒体に気体を通すことを含み、該焼結多孔質高分子材料は少なくとも一つのエラストマーおよび少なくとも一つのプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、液体バリア媒体の気孔率の調整は、液体バリア媒体に張力または圧縮をかけることを含む。
【0050】
また別の態様において、本発明はろ過媒体の洗浄方法を提供する。一つの実施例では、ろ過媒体の洗浄方法は、ろ過媒体の細孔径を調整して細孔にある組成物を放出することを含み、該ろ過媒体は少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む。幾つかの実施形態では、細孔径の調整は、ろ過媒体に張力または圧縮をかけることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施例に従ったさまざまなアプリケータの図解。
【図2】本発明の実施例に従ったさまざまなアプリケータの図解。
【図3】本発明の一つの実施例に従ったアプリケータの図解。
【図4】本発明の一つの実施例に従った、焼結他硬質高分子部品と結合する繊維性部品の図解。
【図5】本発明の一つの実施例に従ったアプリケータの図解。
【図6】本発明の一つの実施例による柔軟領域および硬質領域を含む連続多孔質高分子材料を含むろ過媒体の水平断面図の図解。
【図7】本発明の一つの実施例による柔軟領域および硬質領域を含む連続多孔質高分子材料を含むろ過媒体の垂直断面図の図解。
【図8】本発明の一つの実施例によったピペットチップに配されたバリア媒体の図解。
【発明を実施するための形態】
【0052】
これらおよび別の実施例は、以下にさらに詳細に説明される。
【0053】
詳細な説明
本発明は、焼結高分子材料およびその製造方法および使用方法を提供する。本発明の焼結高分子材料は、溶媒への抵抗性や高い柔軟性などの有効な化学的および機械的特性を示す可能性があり、それによりアプリケータおよびろ過およびバリア媒体での使用を含むさまざまな分野でこれらの材料の適用を促進する。
【0054】
焼結高分子材料
エラストマーを含む焼結高分子材料
一つの態様において、本発明は、焼結高分子材料およびその製造方法および使用方法を提供する。本発明の焼結高分子材料は、溶媒への抵抗性や高い柔軟性などの有効な化学的お
よび機械的特性を示すことが可能で、それによりアプリケータおよびろ過およびバリア媒体を含むさまざまな分野でこれらの材料の適用を促進する。
【0055】
一つの実施例では、焼結高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む。一部の実施例によると、焼結高分子材料は少なくとも一つのプラスチックおよび複数個のエラストマーを含む。別の実施形態では、焼結高分子材料は、複数個のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む。また別の実施形態では、焼結高分子材料は、複数個のプラスチックおよび複数個のエラストマーを含む。
【0056】
本発明の焼結高分子材料に含有可能な部品に移ると、幾つかの実施形態では、本発明の焼結高分子材料は少なくとも一つのプラスチックを含む。
【0057】
プラスチック
幾つかの実施形態では、本発明の焼結高分子材料は複数個のプラスチックを含む。本明細書で使用されるプラスチックは、軟質プラスチックおよび硬質プラスチックを含む。幾つかの実施形態では、軟質プラスチックは、ポリマーを含み、その弾性係数約15,000N/cm2から約350,000N/cm2および/または引っ張り強さ約1500N/cm2から約7000N/cm2の範囲である。一部の実施例によると、硬質プラスチックは、弾性係数約70,000N/cm2から約350,000N/cm2および引っ張り強さ約3000N/cm2から約8500N/cm2のポリマーを含む。
【0058】
幾つかの実施形態では、本発明の焼結高分子材料への使用に適するプラスチックは、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、硬質ポリウレタン、ポリアクリルニトリル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、およびその組み合わせと共重合体を含む。
【0059】
幾つかの実施形態では、ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、および/またはその共重合体を含む。一つの実施例では、ポリエチレンは高密度ポリエチレン(HDPE)を含む。本明細書で使用される高密度ポリエチレンは、約0.92g/cm3から約0.97g/cm3の範囲の密度であるポリエチレンを指す。幾つかの実施形態では、高密度ポリエチレンは、約50から約90の範囲の結晶化度(密度からの%)を有する。別の実施形態では、ポリエチレンは超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)を含む。本発明で使用される超高分子量ポリエチレンは、1,000,000より大きな分子量であるポリエチレンを指す。
【0060】
エラストマー
少なくとも一つのプラスチックに加えて、本発明の焼結高分子材料は、少なくとも一つのエラストマーを含む。幾つかの実施形態では、本発明の焼結高分子材料は、複数のエラストマーを含む。一部の実施例によると、本発明の焼結高分子材料への使用に適するエラストマーは、熱可塑性エラストマー(TPE)を含む。幾つかの実施形態では、熱可塑性エラストマーはポリウレタンおよび熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含む。幾つかの実施形態では、熱可塑性ポリウレタンは、ポリウレタンおよびポリエステルまたはポリエーテルを含むマルチブロック共重合体を含む。
【0061】
別の実施形態では、本発明の焼結他硬質高分子材料への使用に適するエラストマーは、ポリイソブチレン、ポリブテン、ブチルゴム、またはその組み合わせを含む。別の実施形態では、エラストマーは、エチレンの共重合体およびEPMと呼ばれるポリエチレン-プロピレン共重合体、エチレン-ブテン共重合体、ポリエチレンン-オクテン共重合体、およびポリエチレン-ヘキセン共重合体などの他のポリマーを含む。また別の実施形態では、エラストマーは、塩素化ポリエチレンまたはクロロスルホン化ポリエチレンを含む。
【0062】
幾つかの実施形態では、本発明の焼結高分子材料での使用に適するエラストマーは、1,3-ジエンおよびその誘導体を含む。1,3-ジエンには、スチレン-1,3-ブタジエン(SBR)、不飽和カルボン酸とのスチレン-1,3-ブタジエンターポリマー(カルボキシル化SBR)、アクリロニトリル-1,3-ブタジエン(NBRまたはニトリルゴム)、イソブチレン-イソプレン、シス-1,4-ポリイソプレン、1,4-ポリ(1,3-ブタジエン)、ポリクロロプレン、およびスチレン-ブタジエン-エチレン-ブタジエン-スチレン(SEBS)などのスチレンとイソプレンまたは1,3-ブタジエンとのブロック共重合体を含む。別の実施形態では、エラストマーはポリアルケン酸化物ポリマー、アクリル、またはポリシロキサン(シリコン)またはその組み合わせを含む。
【0063】
また別の実施形態では、本発明の焼結高分子材料での使用に適するエラストマーは、幾つかの実施形態では、FORPRENE(登録商標)、LAPRENE(登録商標)、SKYPEL(登録商標)、SKYTHANE(登録商標)、SYNPRENE(登録商標)、RIMFLEX(登録商標)、Elexar、FLEXALLOY(登録商標)、TEKRON(登録商標)、DEXFLEX(登録商標)、Typlax、Uceflex、ENGAGE(登録商標)、HERCUPRENE(登録商標)、Hi-fax、Novalene、Kraton、Muti-Flex、EVOPRENE(登録商標)、HYTREL(登録商標)、NORDEL(登録商標)、VITON(登録商標)、Vector、SILASTIC(登録商標)、Santoprene、Elasmax、Affinity、ATTANE(登録商標)、SARLINK(登録商標)などを含む。
【0064】
エラストマーを含む焼結高分子材料の特性
焼結高分子材料は、本発明の一部の実施例によると、約10重量パーセントから約90重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つのエラストマーを含む。別の実施形態では、焼結高分子材料は、約20重量パーセントから約80重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つのエラストマーを含む。別の実施形態では、焼結高分子材料は、約30重量パーセントから約70重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つのエラストマーを含む。また別の実施形態では、焼結高分子材料は、約40重量パーセントから約60重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つのエラストマーを含む。
【0065】
本発明の一部の実施例によると、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結高分子材料は多孔質である。一つの実施例では、例えば、焼結高分子材料は約10%から約90%の範囲の気孔率を有する。別の実施形態では、焼結高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み気孔率は、約20%から約80%または約30%から約70%の範囲である。また別の実施形態では、焼結高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、気孔率は、約40%から約60%の範囲である。
【0066】
本発明の一部の実施例によると、多孔質焼結高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、平均細孔径は、約1μmから約200μmの範囲である。別の実施形態では、多孔質焼結高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、平均細孔径は、約2μmから約150μm、約5μmから約100μm、または約10μmから約50μmの範囲である。別の実施形態では、多孔質焼結高分子材料は約1μm未満の平均細孔径である。一つの実施例では、多孔質焼結高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、平均細孔径は、約0.1μmから約1μmの範囲である。また別の実施形態では、多孔質焼結高分子材料は約200μmより大きな平均細孔径である。一つの実施例では、多孔質焼結高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、平均細孔径は、約200μmから約500μmまたは約500μmから約1mmの範囲である。
【0067】
一部の実施例によると、焼結高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少な
くとも一つのエラストマーを含み、密度は、約0.1g/cm3から約1g/cm3の範囲である。別の実施形態では、本発明の焼結高分子材料は、約0.2g/cm3から約0.8g/cm3または約0.4g/cm3から約0.6g/cm3の範囲の密度である。また別の実施形態では、焼結高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、密度は、約1g/cm3より大きい。一つの実施例では、焼結高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、密度は、約0.1g/cm3未満である。
【0068】
幾つかの実施形態では、焼結高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、約15ポンド未満のASTMD747に準拠する剛性である。ASTMD747は、片持ち梁を用いたプラスチックの見掛けの曲げ係数に対する標準試験法と題され、広範囲にわたる材料の相対的柔軟性を測定するのによく適している。別の実施形態では、焼結高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、約10ポンド未満のASTMD747に準拠する剛性である。また別の実施形態では、結高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み約5ポンド未満のASTMD747に準拠する剛性である。別の実施形態では、焼結高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、約1ポンド未満のASTMD747準拠の剛性である。
【0069】
さらに、幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、ASTMD638に準拠する引っ張り強さは、約10psiから約5,000psiの範囲である。幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、ASTMD638に準拠する引っ張り強さは、約50psiから約3000psiまたは約100psiから1000psiの範囲である。幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、伸張度は、10%から500%の範囲である。
【0070】
焼結高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、ブロック、管、円錐、円筒、シート、またはフィルムなど任意の所望する形状または構造であってよい。例えば、一つの実施例では、焼結高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、筆記用具に使用されるペン先などのペン先の形状を持つ。
【0071】
柔軟領域および硬質領域を含む連続焼結高分子材料
別の実施形態では、本発明は、硬質領域に連続する柔軟領域を含む焼結高分子材料を提供し、該柔軟領域は第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、該硬質領域は第二のプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、第一および第二のプラスチックは同一のプラスチックを含む。別の実施形態では、第一および第二のプラスチックは異なるプラスチックを含む。
【0072】
幾つかの実施形態では、焼結高分子材料は、硬質領域に連続する柔軟領域を含み、第一および第二のプラスチックに加えてさらに追加のプラスチックを包含する。例えば、一つの実施例では、焼結高分子材料の該柔軟領域は、第一のプラスチックに加えて一つ以上のプラスチックを含む。さらに、幾つかの実施形態では、該硬質領域は第二のプラスチックに加えて一つ以上のプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、本発明の連続焼結高分子材料への使用に適するプラスチックは、本明細書に記載される任意のプラスチックに一致する。
【0073】
幾つかの実施形態では、本発明の連続焼結高分子材料での使用に適するエラストマーは、本明細書に記載されたものと一致するエラストマーを含む。
【0074】
連続焼結高分子材料の特性
幾つかの実施形態では、連続焼結高分子材料の該柔軟領域は、少なくとも一つのエラストマーを含み、その量は、約10重量パーセントから約90重量パーセントの範囲である。別の実施形態では、該柔軟領域は、少なくとも一つのエラストマーを含み、その量は、約20重量パーセントから約80重量パーセントの範囲である。別の実施形態では、該柔軟領域は、少なくとも一つのエラストマーを含み、その量は、約30重量パーセントから約70重量パーセントの範囲の量である。また別の実施形態では、該柔軟領域は、少なくとも一つのエラストマーを含み、その量は、約40重量パーセントから約60重量パーセントの範囲である。
【0075】
一部の実施例によると、連続焼結高分子材料の柔軟領域は、多孔質である。一つの実施例では、該柔軟領域は、第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、気孔率は、約10%から約90%の範囲である。別の実施形態では、該柔軟領域の気孔率は、約20%から約80%または約30%から約70%の範囲である。また別の実施形態では、該柔軟領域の気孔率は、約40%から約60%の範囲である。
【0076】
幾つかの実施形態では、連続多孔質焼結高分子材料の柔軟領域は、約1μmから約200μmの範囲の平均細孔径である。別の実施形態では、柔軟領域は、約2μmから約150μm、約5μmから約100μm、または約10μmから約50μmの範囲の平均細孔径である。別の実施形態では、柔軟領域は約1μm未満の平均細孔径である。一つの実施例では、該柔軟領域は、約0.1μmから約1μmの範囲の平均細孔径である。また別の実施形態では、該柔軟領域は約200μmより大きな平均細孔径である。一つの実施例では、柔軟領域の平均細孔径は、約200μmから約500μm、または約500μmから約1mmの範囲である。
【0077】
一部の実施例によると、連続焼結高分子材料の該柔軟領域の密度は、約0.1g/cm3から約1g/cm3の範囲である。別の実施形態では、該柔軟領域の密度は、約0.2g/cm3から約0.8g/cm3または約0.4g/cm3から約0.6g/cm3の範囲である。また別の実施形態では、該柔軟領域の密度は、約1g/cm3より大きい。一つの実施例では、該柔軟領域の密度は、約0.1g/cm3未満である。
【0078】
幾つかの実施形態では、連続焼結高分子材料の該柔軟領域は、約15ポンド未満のASTMD747に準拠する剛性である。別の実施形態では、焼結高分子材料の該柔軟領域は、約10ポンド未満のASTMD747に準拠する剛性である。別の実施形態では、焼結高分子材料の該柔軟領域は、約5ポンド未満のASTMD747に準拠する剛性である。別の実施形態では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結高分子材料は、約1ポンド未満のASTMD747に準拠する剛性である。
【0079】
本発明の実施例に準拠すると、連続焼結高分子材料の該硬質領域は第二のプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、該硬質領域は、第二のプラスチックの他にいかなるエラストマー材料も包含しない。別の実施形態では、該硬質領域は、約20重量パーセント未満のエラストマーを含む。別の実施形態では、該硬質領域は、約10重量パーセント未満のエラストマーを含む。また別の実施形態では、該硬質領域は、約5重量パーセント未満のエラストマーを含む。
【0080】
幾つかの実施形態では、該硬質領域は、約10%から約90%の範囲の気孔率である。別の実施形態では、該硬質領域は約20%から約80%または約30%から約70%の範囲の気孔率である。別の実施形態では、該硬質領域は約40%から約60%の範囲の気孔率である。
【0081】
幾つかの実施形態では、連続焼結高分子材料の硬質領域は、約1μmから約200μmの範囲の平均細孔径である。別の実施形態では、硬質領域は、約2μmから約150μm、約5μmから約100μm、または約10μmから約50μmの範囲の平均細孔径である。別の実施形態では、硬
質領域は約1μm未満の平均細孔径である。一つの実施例では、硬質領域は、約0.1μmから約1μmの範囲の平均細孔径である。また別の実施形態では、硬質領域は約200μmより大きな平均細孔径である。一つの実施例では、硬質領域は、約200μmから約500μm、または約500μmから約1mmの範囲の平均細孔径である。
【0082】
一部の実施例によると、連続焼結高分子材料の該硬質領域は、約0.1g/cm3から約1g/cm3の範囲の密度である。別の実施形態では、該硬質領域は、約0.2g/cm3から約0.8g/cm3または約0.4g/cm3から約0.6g/cm3の範囲の密度である。また別の実施形態では、該硬質領域は約1g/cm3より大きな密度である。一つの実施例では、該硬質領域は約0.1g/cm3未満の密度である。
【0083】
幾つかの実施形態では、焼結高分子材料の該硬質領域は、約15ポンド未満のASTMD747に準拠する剛性である。別の実施形態では、焼結高分子材料の該硬質領域は、約10ポンドより大きなASTMD747に準拠する剛性である。別の実施形態では、焼結高分子材料の該硬質領域は、約5ポンドより大きなASTMD747に準拠する剛性である。
【0084】
焼結高分子材料は、硬質領域に連続する柔軟領域を含み、該柔軟領域は第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、該硬質領域は第二のプラスチックを含みブロック、管、円錐、円筒、シート、またはフィルムなどの任意の所望する形状または構造であってよい。一つの実施例では、焼結高分子材料は、硬質領域に連続する柔軟領域を含み、筆記用具または他のアプリケータで使用されるペン先のようなペン先の形状を持つ。
【0085】
焼結高分子材料を含むアプリケータ
別の態様において、本発明は焼結高分子材料を含むアプリケータを提供し、該焼結高分子材料は本明細書に記載されるように少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む。また別の実施形態では、本発明は、柔軟領域および硬質領域を含む連続焼結高分子材料を含むアプリケータを提供し、本明細書に記載されるように該柔軟領域は第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、該硬質領域は第二のプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、本発明のアプリケータの焼結高分子材料は、さらに少なくとも一つの変色指示薬を含む。
【0086】
本発明の焼結高分子材料を含むアプリケータは、任意の所望の形状を持ってよい。図1は、本発明の実施例による複数のアプリケータを図解する。図1に図解されるアプリケータは、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結高分子材料を含む。図2は、本発明の実施例によるアプリケータをさらに図解する。図2に図解されるアプリケータ(200)は、それぞれ、柔軟領域(202)および硬質領域(204)を含み、該柔軟領域(202)は、第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、該硬質領域(204)は、第二のプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、アプリケータ(200)の該柔軟領域(202)は、組成物を表面に塗布するためのチップである。さらに、幾つかの実施形態では、該硬質領域(204)は、アプリケータを筐体に装着するための接続点の役割を果たすことができる。
【0087】
幾つかの実施形態では、本発明の焼結高分子材料を含むアプリケータはさらに、中空縦軸を含む。該中空縦軸は、筆記用具などの装置へのアプリケータの装着を容易にすることができる。例えば一つの実施例では、アプリケータの中空縦軸は、筆記用具のシャフトを支えるために使用可能で、該シャフトはインクを包含する。アプリケータをインクシャフトへ装着することにより、筆記用面にインクを塗布するためにインクがアプリケータに流れ込むことを可能にする。
【0088】
図3は、本発明の一つの実施例により、本発明の焼結高分子材料を含む中空縦軸を持つアプリケータを図解する。アプリケータ(300)は、固体チップ(302)および中空縦軸(304)を含む。固体チップ(302)は、第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む柔軟焼結高分子材料を含み、一方、中空縦軸の輪郭を示す円筒領域(306)は硬質の第二のプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、円筒領域(306)は、第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーから成ってもよい。
【0089】
別の態様において本発明は、焼結多孔質高分子部品および、該焼結多孔質高分子部品と結合する繊維性部品を含むアプリケータを提供する。幾つかの実施形態では、アプリケータはさらに繊維性部品と結合する貯留槽を含む。別の実施形態では、繊維性部品は貯留槽としての役目を果たす。
【0090】
焼結多孔質高分子部品
幾つかの実施形態では、アプリケータの焼結多孔質高分子部品は少なくとも一つのプラスチックを含む。別の実施形態では、焼結多孔質高分子部品は複数のプラスチックを含む。焼結多孔質高分子部品および繊維性部品を含むアプリケータでの使用に適するプラスチックは、本明細書に記載される任意のプラスチックと一致する。一つの実施例では、少なくとも一つのプラスチックを含む焼結多孔質高分子部品はエラストマーを包含しない。
【0091】
幾つかの実施形態では、焼結高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックを含み、気孔率は、約10%から約90%の範囲である。別の実施形態では、焼結多孔質高分子部品の気孔率は、約20%から約80%または約30%から約70%の範囲である。別の実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、少なくとも一つのプラスチックを含み、約40%から約60%の範囲である。
【0092】
幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、少なくとも一つのプラスチックを含み、平均細孔径は、約1μmから約200μmの範囲である。別の実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、約2μmから約150μm、約5μmから約100μm、または約10μmから約50μmの範囲の平均細孔径である。別の実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、少なくとも一つのプラスチックを含み平均細孔径は、約0.1μmから約1μmの範囲である。また別の実施形態では、焼結多孔質高分子部品は約200μmより大きな平均細孔径である。一つの実施例では、焼結多孔質高分子部品は、約200μmから約500μm、約500μmから約1mmの範囲の平均細孔径である。
【0093】
一部の実施例によると、焼結多孔質高分子部品は、少なくとも一つのプラスチックを含み、密度は、約0.1g/cm3から約1g/cm3の範囲である。別の実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、約0.2g/cm3から約0.8g/cm3または約0.4g/cm3から約0.6g/cm3の範囲の密度である。また別の実施形態では、焼結多孔質高分子部品は約1g/cm3より大きな密度である。一つの実施例では、焼結多孔質高分子部品は約0.1g/cm3未満の密度である。
【0094】
幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、少なくとも一つのプラスチックを含み、約15ポンドより大きなASTMD747に準拠する剛性である。別の実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、約10ポンドより大きなASTMD747準拠の剛性である。また別の実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、約5ポンドより大きなASTMD747準拠の剛性である。
【0095】
幾つかの実施形態では、少なくとも一つのプラスチックを含む焼結多孔質高分子部品は、さらに少なくとも一つの変色指示薬を含む。幾つかの実施形態では、変色指示薬は、食品用色素を含む有機または無機色素を含む。食品用色素を含む変色指示薬は、本発明の実施例によると、食品色素の無毒性のために生体試料と共に使用してよい。
【0096】
幾つかの実施形態では、変色指示薬は連邦食品医薬品化粧品青色1号、連邦食品医薬品
化粧品青色2号、連邦食品医薬品化粧品緑色3号、連邦食品医薬品化粧品赤色40号、連邦食品医薬品化粧品赤色3号、連邦食品医薬品化粧品黄色5号、連邦食品医薬品化粧品黄色6号、溶媒赤色24号、溶媒赤色26号、溶媒赤色164号、溶媒黄色124号、溶媒青色35号、またはその組み合わせを含む。
【0097】
一部の実施例によると、変色指示薬は生成される色に対するpH依存を示す。結果として幾つかの実施形態では、変色指示薬は、アプリケータの焼結多孔質高分子材料との液体接触だけでなく、接触液体の相対的pHも示す。幾つかの実施形態では、pH依存性を示す変色指示薬は、メチルバイオレット、エオシンイエロー、マラカイトグリーン、チモールブルー、メチルイエロー、ブロモフェノールブルー、コンゴレッド、メチルオレンジ、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、リトマス、ブロモクレゾールパープル、ブロモフェノールレッド、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、ニュートラルレッド、ナフトールフタレイン、クレゾールレッド、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、アルカリブルー、アリザリンイエローR、インジゴカルミン、イプシロンブルー、またはその組み合わせを含む。
【0098】
幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、約0.001重量パーセントから約2重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの変色指示薬を含む。別の実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、約0.01重量パーセントから約1重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの変色指示薬を含む。また別の実施形態では、焼結多孔質部品は、約0.05重量パーセントから約0.5重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの変色指示薬を含む。
【0099】
少なくとも一つのプラスチックを含む焼結多孔質高分子部品は、本発明の一部の実施例によると、ブロック、管、円錐および円筒など任意の所望の形状または構造を持ってよい。例えば幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、筆記用具に使用されているようなさまざまなペン先の形状を呈すことができる。
【0100】
別の態様において、アプリケータの焼結多孔質高分子部品は、幾つかの実施形態では少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む。幾つかの実施形態では、焼結高分子部品への使用に適するプラスチックおよびエラストマーは、本明細書に記載される任意のものと一致する。
【0101】
少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子部品は、本発明の一部の実施例によると、約10重量パーセントから約90重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つのエラストマーを含む。別の実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、約20重量パーセントから約80重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つのエラストマーを含む。別の実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、約30重量パーセントから約70重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つのエラストマーを含む。また別の実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、約40重量パーセントから約60重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つのエラストマーを含む。
【0102】
一つの実施例では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子部品は、約10%から約90%の範囲の気孔率である。別の実施形態では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子部品は、約20%から約80%または約30%から約70%の範囲の気孔率である。また別の実施形態では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子部品は、約40%から約60%の範囲の気孔率である。
【0103】
本発明の一部の実施例によると、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子部品は、約1μmから約200μmの範囲の平均細孔径
である。別の実施形態では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子部品は、約2μmから約150μm、約5μmから約100μm、または約10μmから約50μmの範囲の平均細孔径である。別の実施形態では、焼結多孔質高分子部品は約1μm未満の平均細孔径である。一つの実施例では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子部品は、約0.1μmから約1μmの範囲の平均細孔径である。また別の実施形態では、本発明の焼結多孔質高分子材料は約200μmより大きな平均細孔径である。一つの実施例では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子部品は、約200μmから約500μmまたは約500μmから約1mmの範囲の平均細孔径である。
【0104】
一部の実施例によると、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子部品は、約0.1g/cm3から約1g/cm3の範囲の密度である。別の実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、約0.2g/cm3から約0.8g/cm3または約0.4g/cm3から約0.6g/cm3の範囲の密度である。また別の実施形態では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子材料は、約1g/cm3より大きな密度である。一つの実施例では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子部品は、約0.1g/cm3未満の密度である。
【0105】
幾つかの実施形態では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子部品は、約15ポンド未満のASTMD747準拠の剛性である。別の実施形態では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子部品は、約10ポンド未満のASTMD747準拠の剛性である。また別の実施形態では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子部品は、約5ポンド未満のASTMD747準拠の剛性である。別の実施形態では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子部品は、約1ポンド未満のASTMD747準拠の剛性である。
【0106】
さらに、幾つかの実施形態では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子部品は、ASTMD638に準拠し測定した約10から約5,000psiの範囲の引っ張り強さである。幾つかの実施形態では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子部品は、ASTMD638に準拠し測定した約50psiから約3000psiまたは約100psiから1000psiの範囲の引っ張り強さである。幾つかの実施形態では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子部品は、10%から500%の範囲の伸びである。
【0107】
幾つかの実施形態では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子部品は、さらに少なくとも一つの変色指示薬を含む。幾つかの実施形態では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子部品での使用に適する変色指示薬は、本明細書に記載される任意のものと一致する。
【0108】
幾つかの実施形態では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子部品は、約0.001重量パーセントから約2重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの変色指示薬を含む。別の実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、約0.01重量パーセントから約1重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの変色指示薬を含む。また別の実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、約0.05重量パーセントから約0.5重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの変色指示薬を含む。
【0109】
少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子部品は、本発明の一部の実施例によると、ブロック、管、円錐および円筒など任意
の所望の形状または構造を持つことができる。例えば幾つかの実施形態では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子部品は、筆記用具に使用されているようなさまざまなペン先の形状を呈すことができる。
【0110】
別の態様において、幾つかの実施形態では、アプリケータの焼結多孔質高分子部品は、硬質領域に連続する柔軟領域を含み、該柔軟領域は第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、該硬質領域は第二のプラスチックを含む。
【0111】
幾つかの実施形態では、第一および第二のプラスチックは同一のプラスチックを含む。別の実施形態では、第一および第二のプラスチックは異なるプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、硬質領域に連続する柔軟領域を含む焼結多孔質高分子部品は、第一および第二のプラスチックに加えてさらにプラスチックを包含する。例えば一つの実施例では、該柔軟領域は、第一のプラスチックに加えて一つ以上のプラスチックを含む。さらに、幾つかの実施形態では、該硬質領域は第二のプラスチックに加えて一つ以上のプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、硬質領域に連続する該柔軟領域を含む焼結高分子材料での使用に適するプラスチックは、本明細書に記載される任意のプラスチックに一致する。
【0112】
幾つかの実施形態では、硬質領域に連続する該柔軟領域を含む焼結多孔質高分子材料での使用に適するエラストマーは、本明細書に記載されるものと一致するエラストマーを含む。
【0113】
幾つかの実施形態では、該柔軟領域は、少なくとも一つのエラストマーを含み、その量は、約10重量パーセントから約90重量パーセントの範囲である。別の実施形態では、該柔軟領域は、少なくとも一つのエラストマーを含み、その量は、約20重量パーセントから約80重量パーセントの範囲である。別の実施形態では、該柔軟領域は、少なくとも一つのエラストマーを含み、その量は、約30重量パーセントから約70重量パーセントの範囲である。また別の実施形態では、該柔軟領域は、少なくとも一つのエラストマーを含み、その量は、約40重量パーセントから約60重量パーセントの範囲である。
【0114】
幾つかの実施形態では、該柔軟領域は、第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、約10%から約90%の範囲の気孔率である。別の実施形態では、該柔軟領域は約20%から約80%または約30%から約70%の範囲の気孔率である。また別の実施形態では、該柔軟領域は約40%から約60%の範囲の気孔率である。
【0115】
幾つかの実施形態では、該柔軟領域は、約1μmから約200μmの範囲の平均細孔径である。別の実施形態では、該柔軟領域は、約2μmから約150μm、約5μmから約100μm、または約10μmから約50μmの範囲の平均細孔径である。別の実施形態では、該柔軟領域は約1μm未満の平均細孔径である。一つの実施例では、該柔軟領域は、約0.1μmから約1μmの範囲の平均細孔径である。また別の実施形態では、該柔軟領域は約200μmより大きな平均細孔径である。一つの実施例では、該柔軟領域は、約200μmから約500μm、または約500μmから約1mmの範囲の平均細孔径である。
【0116】
一部の実施例によると、連続焼結多孔質高分子部品の該柔軟領域の密度は、約0.1g/cm3から約1g/cm3の範囲である。別の実施形態では、該柔軟領域の密度は、約0.2g/cm3から約0.8g/cm3または約0.4g/cm3から約0.6g/cm3の範囲である。また別の実施形態では、該柔軟領域の密度は、約1g/cm3より大きい。一つの実施例では、該柔軟領域の密度は、約0.1g/cm3未満である。
【0117】
幾つかの実施形態では、該柔軟領域の剛性は、ASTMD747に準拠し、約15ポンド未満であ
る。別の実施形態では、該柔軟領域の剛性は、ASTMD747に準拠し約10ポンド未満である。別の実施形態では、該柔軟領域の剛性は、ASTMD747に準拠し、約5ポンド未満である。また別の実施形態では、該柔軟領域の剛性は、ASTMD747に準拠し、約1ポンド未満である。
【0118】
本発明の実施例によると、焼結多孔質高分子部品の該柔軟領域に連続する硬質領域は第二のプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、該硬質領域は、第二のプラスチックの他にいかなるエラストマー材料も包含しない。別の実施形態では、該硬質領域は約20重量パーセント未満のエラストマーを含む。また別の実施形態では、該硬質領域は約10重量パーセント未満のエラストマーを含む。さらに、また別の実施形態では、該硬質領域は約5重量パーセント未満のエラストマーを含む。
【0119】
幾つかの実施形態では、該硬質領域は約10%から約90%の範囲の気孔率である。別の実施形態では、該硬質領域は約20%から約80%または約30%から約70%の範囲の気孔率である。別の実施形態では、該硬質領域は約40%から約60%の範囲の気孔率である。
【0120】
幾つかの実施形態では、該硬質領域は、約1μmから約200μmの範囲の平均細孔径である。別の実施形態では、該硬質領域は、約2μmから約150μm、約5μmから約100μm、または約10μmから約50μmの範囲の平均細孔径である。別の実施形態では、該硬質領域は約1μm未満の平均細孔径である。一つの実施例では、該硬質領域は、約0.1μmから約1μmの範囲の平均細孔径である。また別の実施形態では、該硬質領域は約200μmより大きな平均細孔径である。一つの実施例では、該硬質領域は、約200μmから約500μm、または約500μmから約1mmの範囲の平均細孔径である。
【0121】
一部の実施例によると、焼結多孔質高分子部品の該硬質領域は、約0.1g/cm3から約1g/cm3の範囲の密度である。別の実施形態では、該硬質領域は、約0.2g/cm3から約0.8g/cm3または約0.4g/cm3から約0.6g/cm3の範囲の密度である。さらなる実施例では、該硬質領域は約1g/cm3より大きな密度である。一つの実施例では、該硬質領域は約0.1g/cm3未満の密度である。
【0122】
幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子部品の該硬質領域は、約15ポンドより大きなASTMD747に準拠する剛性である。別の実施形態では、硬質領域は、約10ポンドより大きなASTMD747に準拠する剛性である。別の実施形態では、該硬質領域は、約5ポンドより大きなASTMD747に準拠する剛性である。
【0123】
幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子部品の柔軟領域および/または剛体領域はさらに、少なくとも一つの変色指示薬を含む。幾つかの実施形態では、該柔軟領域は第一の変色指示薬を含み、該硬質領域は第二の変色指示薬から成ってもよい。幾つかの実施形態では、第一および第二の変色指示薬は同一である。別の実施形態では、第一および第二の変色指示薬は異なる。幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子部品の柔軟および硬質領域への使用に適する変色指示薬は、本明細書に記載される任意の変色指示薬と一致する。
【0124】
幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子部品の柔軟および/または硬質領域は、少なくとも一つの変色指示薬を含み、その量は、約0.001重量パーセントから約2重量パーセントの範囲である。別の実施形態では、焼結多孔質高分子部品の柔軟および/または硬質領域は、少なくとも一つの変色指示薬を含み、その量は、約0.01重量パーセントから約1重量パーセントの範囲である。また別の実施形態では、焼結多孔質高分子部品の柔軟および/または硬質領域は、少なくとも一つの変色指示薬を含み、は、その量は、約0.05重量パーセントから約0.5重量パーセントの範囲である。
【0125】
硬質領域に連続する柔軟領域を含む焼結多孔質高分子部品は、本発明の一部の実施例に
よると、ブロック、管、円錐および円筒など任意の所望の形状または構造でよい。例えば幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、マーカーや筆記用具に使用されているようなさまざまなペン先の形状を呈してよい。
【0126】
繊維性部品
さまざまな焼結多孔質高分子部品に加えて、本発明のアプリケータは繊維性部品を含む。幾つかの実施形態では、繊維性部品は、複数個のポリエステル繊維、ポリアクリル繊維、またはその組み合わせを含む。幾つかの実施形態では、繊維性部品は複数個の複合繊維を含む。複合繊維は、幾つかの実施形態では、以下のポリマーの組で構成される繊維を含む。ポリプロピレン/ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン/PET、ポリプロピレン/ナイロン-6、ナイロン-6/PET、共重合ポリエステル/PET、共重合ポリエステル/ナイロン-6、共重合ポリエステル/ナイロン-6,6、ポリ-4-メチル-1-ペンテン/PET、ポリ-4-メチル-1-ペンテン/ナイロン-6、ポリ-4-メチル-1-ペンテン/ナイロン-6,6、PET/ポリエチレンナフタレート(PEN)、ナイロン-6,6/ポリ-1,4-シクロヘキサンジメチル-l(PCT)、ポリプロピレン/ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ナイロン-6/コポリアミド、ポリ乳酸/ポリスチレン、ポリウレタン/アセタール、および可溶性コポリエステル/ポリエチレン。
【0127】
別の実施形態では、繊維性部品は、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリスチレン繊維、ナイロン-6繊維、ナイロン-6,6繊維、ナイロン-12繊維、コポリアミド繊維、PET繊維、PBT繊維、CoPET繊維、およびその組み合わせを含む複数個の単部品繊維を含む。また別の実施形態では、繊維性部品は、筆記用具およびマーカー、化粧用アプリケータ、および薬剤アプリケータなどのアプリケータに有用で当業者に知られている任意の繊維のタイプまたは組み合わせから成ってもよい。
【0128】
幾つかの実施形態では、繊維性部品は、約0.1g/cm3から約1g/cm3の範囲の密度である。別の実施形態では、本発明の繊維性部品の密度は、約0.2g/cm3から約0.8g/cm3または約0.4g/cm3から約0.6g/cm3の範囲である。また別の実施形態では、繊維性部品の密度は、約1g/cm3より大きい。一つの実施例では、繊維性部品の密度は、約0.1g/cm3未満である。
【0129】
本発明の実施例によると、繊維性部品は任意の所望する形状または構造を持つことができる。幾つかの実施形態では、繊維性部品は円筒またはシャフトを含む。一つの実施例では、繊維性部品は中空円筒またはシャフトを含む。別の実施形態では、繊維性部品は固体円柱またはシャフトを含む。
【0130】
幾つかの実施形態では、繊維性部品はさらに、熱可塑性および/または熱硬化性樹脂などの樹脂を含む。本発明の繊維性部品への使用に適する樹脂は、一つの実施例では、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、またはその組み合わせを含む。幾つかの実施形態では、繊維性部品は一つ以上の樹脂を含浸している。
【0131】
本発明の実施例によると、繊維性部品は、繊維性部品に沿う、およびそれを貫通する組成物の流れに対して有効な密度、気孔率、およびウィッキング特性を示すことができる。幾つかの実施形態では、繊維性部品は親水性組成物の有効な流動特性を示す。別の実施形態では、繊維性部品は疎水性組成物の有効な流動特性を示す。一つの実施例では例えば、繊維性部品はインクおよび/または色素組成物の有効な流動特性を示す。
【0132】
本発明の実施例では、繊維性部品は焼結多孔質高分子部品に結合している。幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、繊維性部品を支えるために使用可能な中空の縦部分または内部の溝を含む。別の実施形態では、繊維性部品は、焼結多孔質高分子部品を支えるために使用可能な中空の縦部分または内部の溝を含む。
【0133】
図4では、焼結多孔質高分子部品と結合する繊維性部品を、本発明の一つの実施例に従って図解する。図4で図解されるように、焼結多孔質高分子部品(402)は繊維性部品(404)の内部の溝(406)に配される。
【0134】
幾つかの実施形態では、繊維性部品と焼結多孔質高分子部品とを結合することにより焼結多孔質高分子部品への付加的支持が提供され、長さが約3cmより大きく、直径が約5mmより大きい焼結多孔質高分子部品の使用が可能となる。さらに、幾つかの実施形態では、繊維性部品により提供される付加的支持は、焼結多孔質高分子部品の耐久性を増加させ、その結果焼結多孔質高分子部品の破損および他の分解経路を制限する。
【0135】
貯留槽
幾つかの実施形態では、本発明のアプリケータはさらに貯留槽を含む。本発明の実施例によると、貯留槽は、表面への塗布のために焼結多孔質高分子部品へ供給される組成物を貯蔵または内蔵する。幾つかの実施形態では、貯留槽は、インク、色素、顔料、塗料、および/または他のコーティング組成物を内蔵または貯蔵する。別の実施形態では、貯留槽は化粧品組成物を内蔵または貯蔵する。また別の実施形態では、貯留槽は薬剤および/または医薬組成物を内蔵または貯蔵する。
【0136】
幾つかの実施形態では、貯留槽は、表面への塗布のために焼結多孔質高分子部品へ供給される組成物を含有するための開放容積または中空領域を持つ構造を含む。一つの実施例では、例えば、貯留槽は中空の円筒または円錐を含む。本発明の実施例によると、開放容積を持つ貯留槽は、任意の所望の容積を持つことができる。幾つかの実施形態では、貯留槽は、少なくとも約1mlの容積である。別の実施形態では、貯留槽は、少なくとも約5mlまたは少なくとも約10mlの容積である。また別の実施形態では、貯留槽は、約1ml未満の容積である。
【0137】
本発明の幾つかの実施形態では、貯留槽は、繊維および関連材料を含む。別の実施形態では、貯留槽は、ポリウレタンフォームなどの高分子発泡体を含む。
【0138】
幾つかの実施形態では、貯留槽は、繊維性部品と結合される。別の実施形態では、貯留槽は、焼結多孔質高分子部品と直接結合される。幾つかの実施形態では、貯留槽が焼結多孔質高分子部品と直接結合し、該貯留槽は繊維性部品である。別の実施形態では、貯留槽が焼結多孔質高分子部品と直接結合し、アプリケータは繊維性部品を包含しない。
【0139】
図5は、本発明の一つの実施例によるアプリケータを図解する。図5で図解されるように、アプリケータ(500)は繊維性部品(504)に結合された焼結多孔質高分子部品(502)を含む。焼結多孔質高分子部品(502)は、繊維性部品(504)の中空縦部分または内部の溝の中に配される。貯留槽(506)は、繊維性部品(504)に結合される。
【0140】
アプリケータ筐体
幾つかの実施形態では、本発明のアプリケータはさらに、該焼結多孔質高分子部品、繊維性部品、および/または貯留槽が完全または部分的に廃棄可能な筐体を含む。本発明の実施例によると、筐体は、円筒、円錐およびブロックを含む任意の所望する形状から成ってもよい。幾つかの実施形態では、筐体は複数の部分品を含む。一つの実施例では、例えば、筐体は、繊維性部品および貯留槽が配された第一の円筒、焼結多孔質高分子材料が配された第二の円筒を含み、第一および第二の円筒は相互にはめ込むために使用可能である。表面に組成物を塗布するために、第二の円筒を第一の円筒から取り外して焼結多孔質高分子材料を露出することができる。幾つかの実施形態では、第一および第二の円筒は摩擦かみ合いにより相互にはめ込む。別の実施形態では、第一および第二の円筒はねじ切り構
造により相互にはめ込む。
【0141】
幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子部品、繊維性部品、および/または貯留槽の密度、細孔径、および/または気孔率は、表面に供給される組成物の有利な流動特性を促進するために変化させることができる。幾つかの実施形態では、連続焼結多孔質高分子部品への組成物の流れを増すために、アプリケータの部品に沿って密度勾配を設けることができる。一つの実施例では例えば、繊維性部品は第一の密度を含み、焼結多孔質高分子材料の該硬質領域は、第二の密度を含み、焼結多孔質高分子材料の該柔軟領域は、第三の密度を含み、第一の密度は第二の密度より大きく、第二の密度は第三の密度より大きい。本発明の実施例は、アプリケータを通した組成物の流れを増加または阻害するために、本明細書に記載されるアプリケータの個別の部品の密度、細孔径、および気孔率の任意の変化を意図する。
【0142】
幾つかの実施形態では、本発明のアプリケータはペンやハイライトマーカーなどの筆記用具に使用することができる。別の実施形態では、本発明のアプリケータは、限定はされないが、筆、書道ペン、およびマーカーを含む美術用具に使用できる。本発明のアプリケータは、幾つかの実施形態では、インクおよび他の筆記媒体の望ましい流動特性を示す一方、柔軟性および耐久性を改善できる。別の実施形態では、本発明の焼結高分子材料を含むアプリケータは、化粧品をつけるために使用できる。また別の実施形態では、本発明のアプリケータは、薬剤および他の医薬種を生体表面などの表面に塗布するための医療分野に使用できる。一つの実施例では、本発明のアプリケータは、コーティングを工業的表面に塗布するために使用できる。
【0143】
焼結高分子材料およびそれを含むアプリケータの製造方法
焼結高分子材料の製造方法
別の態様において、本発明は高分子材料の製造方法を提供する。一つの実施例では、高分子材料の製造方法は、少なくとも一つのプラスチック粒子と、少なくとも一つのエラストマー粒子とを準備し、該プラスチック粒子およびエラストマー粒子を焼結することを含む。
【0144】
幾つかの実施形態では、少なくとも一つのプラスチック粒子および少なくとも一つのエラストマー粒子を所望の比率(重量パーセント)で混合し、実質的に均一な混合物を製造する。プラスチックおよびエラストマーの均一混合物は、型に配され焼結される。型の形状は、任意の所望の形状として良く、本発明の実施例による筆記用具のペン先などのアプリケータの容易で単一段階の製造ができる。
【0145】
幾つかの実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子の平均粒径は、約1μmから約1mmの範囲である。別の実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子の平均粒径は、約10μmから約900μm、約50μmから約500μm、または約100μmから約400μmの範囲である。また別の実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子の平均粒径は、約200μmから約300μmの範囲である。幾つかの実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子の平均粒径は、約1μm未満、または約1mmより大きい。
【0146】
幾つかの実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子の粒径は個々に選択される。例えば一つの実施例では、プラスチック粒子の平均粒径は、エラストマー粒子より大きい。別の実施形態では、プラスチック粒子の平均粒径は、エラストマー粒子より小さい。また別の実施形態では、プラスチック粒子およびエラストマー粒子の平均粒径は、ほぼ等しい。
【0147】
幾つかの実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子は約200oFから約700oFの
範囲の温度で焼結される。幾つかの実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子は約300oFから約500oFの範囲の温度で焼結される。本発明の実施例によると、焼結温度は、プラスチックおよびエラストマー粒子の固有性に依存し、それにより選択される。
【0148】
幾つかの実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子は約30秒から30分の範囲の時間枠で、焼結される。別の実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子は約1分から約15分、または約5分から約10分の範囲の時間枠で焼結される。幾つかの実施形態では、焼結工程は過熱、浸漬、および/または焙焼サイクルを含む。さらに、幾つかの実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子は、環境気圧(1気圧)下で焼結される。幾つかの実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子は、環境気圧より高い気圧下で焼結される。
【0149】
別の実施形態では、高分子材料の製造方法は、第一のプラスチック粒子を少なくとも一つのエラストマー粒子と混合したものを型の第一の部分に配し、第二のプラスチック粒子を型の第一の部分に隣接する型の第二の部分に配し、第一のプラスチック粒子、第二のプラスチック粒子およびエラストマー粒子を焼結することを含む。
【0150】
一つの実施例では例えば、第一のプラスチック粒子を少なくとも一つのエラストマー粒子と所望の比率(重量パーセント)で混合し、実質的に均一な混合物を製造する。混合物は型の下半分に配される。第二のプラスチック粒子を、第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマー粒子の混合物に隣接する型の上半分に配置する。第一のプラスチック、第二のプラスチック粒子およびエラストマー粒子はその後焼結されて、本発明の高分子材料を生成する。
【0151】
別の実施形態では、第二のプラスチック粒子は型の下半分に配される。エラストマーおよび第一のプラスチック粒子の混合物を、第二のプラスチック粒子隣接する型の上半分に配置する。第一のプラスチック、第二のプラスチック粒子およびエラストマー粒子はその後焼結されて、本発明の高分子材料を生成する。
【0152】
幾つかの実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子の平均粒径は、約1μmから約1mmの範囲である。別の実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチックおよびエラストマー粒子の平均粒径は、約10μmから約900μm、約50μmから約500μm、または約100μmから約400μmの範囲である。また別の実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチックおよびエラストマー粒子の平均粒径は、約200μmから約300μmの範囲である。幾つかの実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子の平均粒径は約1μm未満、または約1mmより大きい。幾つかの実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子の粒径は個々に選択される。
【0153】
幾つかの実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子は約200oFから約700oFの範囲の温度で焼結される。幾つかの実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子は約300oFから約500oFの範囲の温度で焼結される。本発明の実施例によると、焼結温度は、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子の固有性に依存し、それにより選択される。
【0154】
幾つかの実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子は約30秒から30分の範囲の時間枠で、焼結される。別の実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子は約1分から約15分、または約5分から約10分の範囲の時間枠で焼結される。幾つかの実施形態では、焼結工程は過熱、浸漬、および/または焙焼サイクルを含む。さらに、幾つかの実施形態では、第一のプラス
チック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子は、環境気圧(1気圧)下で焼結される。幾つかの実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子は、環境気圧より高い気圧下で焼結される。
【0155】
本発明の実施例では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、および少なくとも一つのエラストマー粒子の焼結により製造される高分子材料は、硬質領域に連続する柔軟領域を包含することができ、該柔軟領域は第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、該硬質領域は第二のプラスチックを含む。型の形状は、任意の所望の形状として良く、筆記用具のペン先などのアプリケータの容易で単一段階の製造ができる。
【0156】
アプリケータの製造方法
一つの実施例では、アプリケータの製造方法は、少なくとも一つのプラスチック粒子と、少なくとも一つのエラストマー粒子とを提供し、該プラスチック粒子およびエラストマー粒子を焼結することを含む。
【0157】
別の態様において、アプリケータの製造方法は、焼結多孔質高分子部品と、繊維性部品とを提供し、該繊維性部品を焼結多孔質高分子部品に結合することを含む。焼結多孔質高分子部品の提供は、一部の実施例によると、少なくとも一つのプラスチックを提供し該プラスチック粒子を焼結することを含む。別の実施形態では、焼結多孔質高分子部品の提供は、複数個のプラスチックを提供し該プラスチック粒子を焼結することを含む。
【0158】
幾つかの実施形態では、プラスチック粒子の平均粒径は、約1μmから約1mmの範囲である。別の実施形態では、プラスチック粒子の平均粒径は、約10μmから約900μm、約50μmから約500μm、または約100μmから約400μmの範囲である。また別の実施形態では、プラスチック粒子の平均粒径は、約200μmから約300μmの範囲である。幾つかの実施形態では、プラスチック粒子の平均粒径は、約1μm未満、または約1mmより大きい。
【0159】
幾つかの実施形態では、プラスチック粒子は約200oFから約700oFの範囲の温度で焼結される。幾つかの実施形態では、プラスチック粒子は約300oFから約500oFの範囲の温度で焼結される。本発明の実施例によると、焼結温度は、プラスチック粒子の固有性に依存し、それにより選択される。
【0160】
幾つかの実施形態では、プラスチック粒子は約30秒から30分の範囲の時間枠で焼結される。別の実施形態では、プラスチック粒子は約1分から約15分、または約5分から約10分の範囲の時間枠で焼結される。幾つかの実施形態では、焼結工程は、過熱、浸漬、および/または焙焼サイクルを含む。さらに、幾つかの実施形態では、プラスチック粒子は、環境気圧(1気圧)下で焼結される。別の実施形態では、プラスチック粒子は、環境気圧より高い気圧下で焼結される。
【0161】
幾つかの実施形態では、少なくとも一つの変色指示薬粒子は、プラスチック粒子と所望の重量比(重量パーセント)で混合される。一部の実施例によると、変色指示薬の平均粒径は、約1μmから約500μmまたは約10μmから約400μmの範囲である。別の実施例によると、変色指示薬の平均粒径は、約50μmから約300μmの範囲である。また別の実施形態では、変色指示薬の平均粒径は、約100μmから約200μmの範囲である。幾つかの実施形態では、変色指示薬の平均粒径は、約1μm未満、または約500μmより大きい。混合後、プラスチックおよび変色指示薬粒子は、本明細書に記載される温度および時間枠に従って焼結される。
【0162】
幾つかの実施形態では、繊維性部品の焼結多孔質高分子部品との結合は、繊維性部品を焼結多孔質高分子部品に挿入することを含む。幾つかの実施形態では、繊維性部品は、焼
結多孔質高分子部品の中空の縦部分または内部の溝に挿入される。別の実施形態では、繊維性部品と焼結多孔質高分子部品との結合は、焼結多孔質高分子部品を繊維性部品に挿入することを含む。幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、繊維性部品の中空の縦部分または内部の溝に挿入される。
【0163】
別の実施形態では、アプリケータの製造方法は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結高分子部品と繊維性部品とを提供し、該繊維性部品を該焼結多孔質高分子部品に結合することを含む。幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子部品の提供は、少なくとも一つのプラスチック粒子と少なくとも一つのエラストマー粒子を提供し、該プラスチック粒子と該エラストマー粒子を焼結することを含む。
【0164】
幾つかの実施形態では、少なくとも一つのプラスチック粒子と少なくとも一つのエラストマー粒子を所望の比率(重量パーセント)で混合し、実質的に均一な混合物を製造する。プラスチックおよびエラストマーの均一混合物は、型に配され焼結される。型の形状は、円盤、管、円錐、および/または円錐台形のようなテーパー形状など、任意の所望の形状であって良く、該焼結多孔質高分子部品が容易に単一段階で製造できる。
【0165】
幾つかの実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子の平均粒径は、約1μmから約1mmの範囲である。別の実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子の平均粒径は、約10μmから約900μm、約50μmから約500μm、または約100μmから約400μmの範囲である。また別の実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子の平均粒径は、約200μmから約300μmの範囲である。幾つかの実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子の平均粒径は、約1μm未満、または約1mmより大きい。
【0166】
幾つかの実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子の粒径は個々に選択される。例えば一つの実施例では、プラスチック粒子の平均粒径は、エラストマー粒子より大きい。別の実施形態では、プラスチック粒子の平均粒径は、エラストマー粒子より小さい。また別の実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子の平均粒径は、ほぼ等しい。
【0167】
幾つかの実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子は、約200oFから約700oFの範囲の温度で焼結される。幾つかの実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子は、約300oFから約500oFの範囲の温度で焼結される。本発明の実施例によると、焼結温度は、プラスチックおよびエラストマー粒子の固有性に依存し、それにより選択される。
【0168】
幾つかの実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子は約30秒から30分の範囲の時間枠で、焼結される。別の実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子は約1分から約15分、または約5分から約10分の範囲の時間枠で焼結される。幾つかの実施形態では、焼結工程は過熱、浸漬、および/または焙焼サイクルを含む。さらに、幾つかの実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子は、環境気圧(1気圧)下で焼結される。幾つかの実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子は、環境気圧より高い気圧下で焼結される。
【0169】
幾つかの実施形態では、少なくとも一つの変色指示薬粒子は、プラスチックおよびエラストマー粒子と所望の重量比(重量パーセント)で混合される。一部の実施例によると、変色指示薬粒子の平均粒径は、約1μmから約500μmまたは約10μmから約400μmの範囲である。別の実施例によると、変色指示薬粒子の平均粒径は、約50μmから約300μmの範囲である。また別の実施形態では、変色指示薬粒子の平均粒径は、約100μmから約200μmの範囲である。幾つかの実施形態では、変色指示薬粒子の平均粒径は、約1μm未満、または約500μmより大きい。混合後、プラスチック、エラストマー、および変色指示薬粒子は、
本明細書に記載される温度および時間枠に従って焼結される。
【0170】
幾つかの実施形態では、繊維性部品を少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子部品へ結合させることは、繊維性部品を焼結多孔質高分子部品に挿入することを含む。幾つかの実施形態では、繊維性部品は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子部品の中空の縦部分または内部の溝に挿入される。別の実施形態では、繊維性部品の焼結多孔質高分子部品への結合は、焼結多孔質高分子部品を繊維性部品に挿入することを含む。幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、繊維性部品の中空の縦部分または内部の溝に挿入される。
【0171】
別の実施形態では、アプリケータの製造方法は、硬質領域に連続する柔軟領域を含む焼結多孔質高分子部品と、繊維性部品とを提供し、該繊維性部品を該焼結多孔質高分子部品に結合することを含む。幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子部品の柔軟領域は、第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、硬質領域は第二のプラスチックを含む。
【0172】
幾つかの実施形態では、硬質領域に連続する柔軟領域を含む連続多孔質高分子部品は、第一のプラスチック粒子を少なくとも一つのエラストマー粒子と混合し提供し、型の第一の部分に配し、第二のプラスチック粒子を型の第一の部分に隣接する型の第二の部分に配し、第一のプラスチック粒子、第二のプラスチック粒子およびエラストマー粒子を焼結することを含む。
【0173】
一つの実施例では、第一のプラスチックの粒子を少なくとも一つのエラストマーの粒子と所望の比率(重量パーセント)で混合し、実質的に均一な混合物を製造する。混合物は型の第一の部分に配される。第二のプラスチックの粒子を、第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマー粒子の混合物に隣接する型の第二の部分に配置する。第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子はその後焼結されて、本発明の焼結多孔性の高分子材料を生成する。
【0174】
幾つかの実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子の平均粒径は、約1μmから約1mmの範囲である。別の実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチックおよびエラストマー粒子の平均粒径は、約10μmから約900μm、約50μmから約500μm、または約100μmから約400μmの範囲である。また別の実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチックおよびエラストマー粒子の平均粒径は、約200μmから約300μmの範囲である。幾つかの実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子の平均粒径は約1μm未満、または約1mmより大きい。幾つかの実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子の粒径は個々に選択される。
【0175】
幾つかの実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子は約200oFから約700oFの範囲の温度で焼結される。幾つかの実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子は約300oFから約500oFの範囲の温度で焼結される。本発明の実施例によると、焼結温度は、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子の固有性に依存し、それにより選択される。
【0176】
幾つかの実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子は約30秒から30分の範囲の時間枠で、焼結される。他の実施例では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子は約1分から約15分、または約5分から約10分の範囲の時間枠で焼結される。幾つかの実施形態では、焼結工程は過熱、浸漬
、および/または焙焼サイクルを含む。さらに、幾つかの実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子の焼結は環境気圧(1気圧)下で行なわれる。幾つかの実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子の焼結は環境気圧より高い気圧下で行なわれる。
【0177】
幾つかの実施形態では、少なくとも一つの変色指示薬の粒子が、第一のプラスチック、第二のプラスチック、および/またはエラストマー粒子に所望の重量比(重量パーセント)で添加される。一部の実施例によると、変色指示薬粒子の平均粒径は、約1μmから約500μmまたは約10μmから約400μmの範囲である。別の実施例によると、変色指示薬粒子の平均粒径は、約50μmから約300μmの範囲である。また別の実施形態では、変色指示薬粒子の平均粒径は、約100μmから約200μmの範囲である。幾つかの実施形態では、変色指示薬粒子の平均粒径は、約1μm未満、または約500μmより大きい。混合後、第一のプラスチック、第二のプラスチック、エラストマーおよび変色指示薬粒子は、本明細書に記載される温度および時間枠に従って焼結される。
【0178】
幾つかの実施形態では、繊維性部品の焼結多孔質高分子部品への結合は、繊維性部品を連続焼結多孔質高分子部品に挿入することを含む。幾つかの実施形態では、繊維性部品は、焼結多孔質高分子部品の中空の縦部分または内部の溝に挿入される。幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子部品の硬質領域は、中空の縦部分または内部の溝を含む。
【0179】
別の実施形態では、繊維性部品の焼結多孔質高分子部品への結合は、焼結多孔質高分子部品を繊維性部品に挿入することを含む。幾つかの実施形態では、連続焼結多孔質高分子部品は、繊維性部品の中空の縦部分または内部の溝に挿入される。幾つかの実施形態では、連続焼結多孔質高分子材料の硬質領域は、繊維性部品の中空の縦部分または内部の溝に挿入される。
【0180】
組成物を表面に塗布する方法
さらに別の態様において、本発明は組成物を表面に塗布する方法を提供する。一つの実施例では、組成物を表面に塗布する方法は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質材料を含むアプリケータを提供し、組成物の少なくとも一部分をアプリケータに配し、表面をアプリケータ上の組成物と接触させることを含む。他の実施例では、組成物を表面に塗布する方法は、硬質領域に続く柔軟領域を含む焼結多孔質材料を含むアプリケータを提供し、該柔軟領域は、第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、該硬質領域は第二のプラスチックを含み、組成物の少なくとも一部分をアプリケータに配し、表面をアプリケータ上の組成物と接触させることを含む。
【0181】
別の実施形態では、組成物を表面に塗布する方法は、焼結多孔質高分子部品およびその焼結多孔質高分子部品と結合した繊維性部品を含むアプリケータを提供し、アプリケータ上に組成物の少なくとも一部分を配し、表面をアプリケータ上の組成物と接触させることを含む。幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む。別の実施形態では、焼結多孔質高分子部品は、柔軟領域および硬質領域を含み、該柔軟領域は第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、該硬質領域は第二のプラスチックを含む。
【0182】
幾つかの実施形態では、表面へ組成物を塗布し、組成物の少なくとも一部分を該アプリケータへ配し、組成物は繊維性部品を通過して焼結多孔質高分子部品の外部表面へ到達させることを含む。
【0183】
幾つかの実施形態では、表面は、紙、羊皮紙、およびキャンバスなどの筆記またはペイ
ント表面を含む。別の実施形態では、表面は、皮膚または髪または裂傷のような外傷部位などの生体表面を含む。さらに別の実施形態では、表面は、罹患皮膚部位などの局所疾患または状態の部位を含む。
【0184】
幾つかの実施形態では、アプリケータの焼結高分子材料は変色指示薬を含み、焼結高分子材料表面へ組成物を塗布する方法の焼結高分子材料の色は、表面への塗布のために組成物が配されると変化してよい。焼結高分子材料の色の変化により、組成物がアプリケータ上に存在し、その後の表面への塗布のための準備ができていることをユーザーに示すことができる。
【0185】
多孔質焼結高分子材料を含むろ過媒体およびバリア媒体
本発明はさらに、本発明の焼結多孔質高分子材料を含むろ過およびバリアの媒体およびその製造方法および使用方法を提供する。本発明の焼結高分子材料を含むろ過およびバリア媒体は、筐体と十分な密閉性を形成し、しばしばろ過装置に必要とされる精密な許容範囲に従うことなく、流体が材料を迂回するのを防止する。本発明の焼結多孔質高分子材料を含むろ過およびバリア媒体は柔軟特性を示し、媒体が筐体の表面の変化および不整合性に適合することを可能にし、それにより筐体との密閉性を促進し、流体バイパスが原因の不良品および廃棄を低減させることができる。さらに、本発明のろ過およびバリア媒体の柔軟特性により、媒体の気孔率をさまざまな用途に応じて調整することが可能となる。
【0186】
本発明の実施例によると、ろ過媒体は、汚染物質または、液体または気体中の所望する他の物質をろ過するために液体および気体を通すために使用可能である。液体または気体が本発明のろ過媒体を通して流れる時、汚染物質または目標分子または物質などの所望する他の物質は、ろ過媒体に取り込まれ液体または気体から除去される。幾つかの実施形態では、液体および気体の両方をろ過する働きをすることにおいて、本発明のろ過媒体は、吸収性が全くまたは実質的にない材料または超吸収性材料を含む。
【0187】
しかし本発明の一部の実施例によると、バリア媒体は気体の通過は可能にするが、焼結多孔質高分子材料を通しての液流は阻害および/または防止する。気体の通過を可能にし、液体の通過を阻害および/または防止することにより、本発明のバリア媒体は、好ましくない流体との接触がもたらす汚染から下流の機器とプロセスを保護することができる。例えば、本発明のバリア媒体は、パイプまたは管の中のインラインバリア媒体としての役目を果たしてパイプまたは管を通しての液体の流れを防止することができる。別の実施形態では、バリア媒体はピペットチップに設置されてピペットチップフィルターとしての役割を果たし、ピペットで取った流体がピペッターを汚染するのを防止できる。
【0188】
ろ過媒体およびバリア媒体
一つの実施例では、本発明は焼結多孔質高分子材料を含むろ過媒体を提供し、該焼結多孔質高分子材料は少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む。幾つかの実施形態では、ろ過媒体の焼結多孔質高分子材料はさらに少なくとも一つの変色指示薬を含む。
【0189】
別の実施形態では、本発明は、硬質領域に続く柔軟領域を含む焼結多孔質高分子材料を含むろ過媒体を提供する。幾つかの実施形態では、連続焼結多孔質高分子材料の該柔軟領域は、第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、該硬質領域は第二のプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、柔軟領域は、第一のプラスチック、少なくとも一つのエラストマー、および第一の変色指示薬を含み、硬質領域は第二のプラスチックおよび第二の変色指示薬を含む。他の実施例では、変色指示薬は、柔軟および硬質領域の一つのみに含まれる。
【0190】
別の実施形態では、本発明は焼結多孔質高分子材料を含むバリア媒体を提供し、その該焼結多孔質高分子材料は少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む。幾つかの実施形態では、液体バリア媒体は、本明細書に記載される硬質領域に続く柔軟領域を含む焼結多孔質高分子材料を含む。
【0191】
幾つかの実施形態では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子材料を含む液体バリア媒体はさらに、少なくとも一つの超吸収性材料を含む。本発明の実施例によると、バリア媒体での使用に適する超吸収性材料は、水または他の水性溶液などの溶液と接触すると急速に膨張するが、水または溶液には溶解しない。幾つかの実施形態では、超吸収性材料の膨張によりバリア媒体を密閉することができ、ろ過媒体を通過する流体のさらなる流れを防止する。
【0192】
他の実施例では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子材料を含む液体バリア媒体は、超吸収性材料を含まない。さらなる実施例では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子材料を含むバリア媒体はさらに、米国特許第6,638,610号および米国特許第6,358,569号に記載されるフッ素化分子コーティングなどの疎水性コーティングを含む。一つの実施例では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子材料を含む液体バリア媒体は、さらに、少なくとも一つの変色指示薬を含む。
【0193】
幾つかの実施形態では、ろ過およびバリア媒体の焼結多孔質高分子材料への使用に適する変色指示薬は、本明細書に記載される任意の変色指示薬と一致する。
【0194】
本発明の実施例によると、変色指示薬は、水溶性および/または有機性液体に接触する時、焼結高分子材料の色を少なくとも部分的に変色させるために使用できる。幾つかの実施形態では、変色指示薬は、水性および/または有機性液体と接触する時、焼結多孔質材料を第一の色から第二の色に変える。別の実施形態では、変色指示薬は、焼結多孔質高分子材料を無色または白色から有色に変える。本発明の実施例によると、ろ過またはバリア媒体の焼結多孔質高分子材料の変色は、選択した変色指示薬の固有性に依存する。色の変化は、ろ過またはバリア媒体が液体と接触したことの指標を使用者に提供する。
【0195】
ろ過媒体およびバリア媒体の焼結高分子材料
ろ過およびバリア媒体の焼結高分子材料は、本発明の幾つかの実施形態では、約10重量パーセントから約90重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つのエラストマーを含む。別の実施形態では、焼結高分子材料は、約20重量パーセントから約80重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つのエラストマーを含む。別の実施形態では、焼結高分子材料は、約30重量パーセントから約70重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つのエラストマーを含む。また別の実施形態では、焼結高分子材料は、約40重量パーセントから約60重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つのエラストマーを含む。
【0196】
幾つかの実施形態では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子材料は、約10%から約90%の範囲の気孔率である。別の実施形態では、焼結多孔性高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み気孔率は、約20%から約80%または約30%から約70%の範囲である。また別の実施形態では、焼結高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、気孔率は、約40%から約60%の範囲である。
【0197】
本発明の一部の実施例によると、焼結多孔質高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、平均細孔径は、約1μmから約200μmの
範囲である。別の実施形態では、焼結多孔質高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、平均細孔径は、約2mから約150μm、約5μmから約100μm、または約10μmから約50μmの範囲である。別の実施形態では、焼結多孔質高分子材料は約1m未満の平均細孔径である。一つの実施例では、焼結多孔質高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、平均細孔径は、約0.1μmから約1μmの範囲である。また別の実施形態では、焼結多孔質高分子材料は約200μmより大きな平均細孔径である。一つの実施例では、焼結多孔質高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、平均細孔径は、約200μmから約500μmまたは約500μmから約1mmの範囲である。
【0198】
一部の実施例によると、焼結多孔質高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、密度は、約0.1g/cm3から約1g/cm3の範囲である。別の実施形態では、本発明の焼結高分子材料は、約0.2g/cm3から約0.8g/cm3または約0.4g/cm3から約0.6g/cm3の範囲の密度である。また別の実施形態では、焼結多孔質高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、密度は、約1g/cm3より大きい。一つの実施例では、焼結多孔質高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、密度は、約0.1g/cm3未満である。
【0199】
幾つかの実施形態では、ろ過またはバリア媒体の焼結多孔質高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、約15ポンド未満のASTMD747に準拠する剛性である。ASTMD747は、片持ち梁を用いたプラスチックの見掛けの曲げ係数に対する標準試験法と題され、広い範囲にわたって材料の相対的柔軟性を測定するのによく適している。別の実施形態では、焼結多孔質高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、約10ポンド未満のASTMD747に準拠する剛性である。また別の実施形態では、結高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み約5ポンド未満のASTMD747に準拠する剛性である。別の実施形態では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子材料は、約1ポンド未満のASTMD747に準拠する剛性である。
【0200】
さらに、幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、ASTMD638に準拠する引っ張り強さは、約10psiから約5,000psiの範囲である。幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、ASTMD638に準拠する引っ張り強さは、約50psiから約3000psiまたは約100psiから1000psiの範囲である。幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、伸張度は、10%から500%の範囲である。
【0201】
幾つかの実施形態では、バリア媒体の焼結高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、さらに少なくとも一つの超吸収性材料を含む。幾つかの実施形態では、超吸収性材料は、加水分解デンプン・アクリロニトリル・グラフト共重合体、中和デンプン-アクリル酸グラフト共重合体、鹸化アクリル酸エステル-酢酸ビニル共重合体、加水分解アクリロニトリル共重合体、アクリルアミド共重合体、変性架橋ポリビニルアルコール、中和自己架橋ポリアクリル酸、架橋ポリアクリル酸塩、中和架橋イソブチレン-無水マレイン酸共重合体、およびその塩および混合物を含む。幾つかの実施形態では、超吸収性材料は、米国特許第5,998,032号、米国特許第5,939,086号、米国特許第5,836,929号、米国特許第5,824,328号、米国特許第5,797,347号、米国特許第5,750,585号、米国特許第5,175,046号、米国特許第4,820,577号、米国特許第4,724,114号、および米国特許第4,443,515号に開示のものを含む。市販の超吸収性材料の例は、
アラバマ州タスカルーサのStockhousenから入手可能なAP80HS、およびニュージャージー州バッドレイクのBASFから入手可能なHYSORB(登録商標)P7200を含む。
【0202】
幾つかの実施形態では、超吸収性材料は、粒子、繊維、またはその混合物を含む。幾つかの実施形態では、超吸収性材料の粒子は、約1μmから約1mmの範囲の平均粒径である。別の実施形態では、超吸収性粒子の平均粒径は、約10μmから約900μm、約50μmから約500μm、または約100μmから約300μmの範囲である。さらなる実施例では、超吸収性粒子の平均粒径は、約1μm未満、または約1mmより大きい。
【0203】
さらに、幾つかの実施形態では、超吸収性繊維の平均直径は、約1μmから約1mm、約10μmから約750μmの範囲である。別の実施形態では、超吸収性繊維の平均直径は、約50μmから約500μm、約100μmから約400μm、または約200μmから約300μmの範囲である。幾つかの実施形態では、超吸収性繊維の長さは、約100μmから約2.5cm、約250μmから約1cmの範囲である。別の実施形態では、超吸収性繊維の長さは、約500μmから約1.5mm、約750μmから約1mmの範囲である。
【0204】
幾つかの実施形態では、バリア媒体の焼結多孔質高分子材料は、約10重量パーセントから約90重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの超吸収性材料を含む。他の実施例では、バリア媒体の焼結多孔質高分子材料は、約20重量パーセントから約80重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの超吸収性材料を含む。別の実施形態では、バリア媒体の焼結多孔質高分子材料は、約30重量パーセントから約70重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの超吸収性材料を含む。さらなる実施例では、バリア媒体の焼結多孔質高分子材料は、約40重量パーセントから約60重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの超吸収性材料を含む。
【0205】
幾つかの実施形態では、バリア媒体の超吸収性材料は、高分子材料の焼結多孔質基質に組み込まれる。他の実施例では、超吸収性材料は、バリア媒体の焼結多孔質高分子材料の細孔中に位置する。一つの実施例では、超吸収性材料は、バリア媒体の焼結多孔質高分子材料の大部分の細孔中に存在する。別の実施形態では、超吸収性材料は、バリア媒体の焼結多孔質高分子材料の少数の細孔中に存在する。さらなる実施例では、超吸収性材料は、焼結多孔質基質およびバリア媒体の焼結多孔質高分子材料の細孔中の両方に位置する。
【0206】
別の実施形態では、ろ過およびバリア媒体の焼結多孔質高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、さらに少なくとも一つの変色指示薬を含む。幾つかの実施形態では、ろ過およびバリア媒体の焼結高分子材料への使用に適する変色指示薬は、本明細書に記載される任意の変色指示薬と一致する。
【0207】
幾つかの実施形態では、ろ過およびバリア媒体の焼結多孔質高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、約0.001重量パーセントから約2重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの変色指示薬を含む。別の実施形態では、焼結多孔質高分子材料は、約0.01重量パーセントから約1重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの変色指示薬を含む。また別の実施形態では、焼結多孔質高分子材料は、約0.05重量パーセントから約0.5重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの変色指示薬を含む。
【0208】
本発明の幾つかの実施形態では、バリア媒体の焼結多孔質高分子材料はさらに疎水性コーティングを含む。幾つかの実施形態では、疎水性コーティングは、フッ素化疎水性コーティングを含む。一つの実施例では、フッ素化疎水性コーティングは、一つ以上のフッ素化ポリマーを含む。一部の実施例に準拠すると、フッ素化ポリマーはパーフルオロモノマー、部分的フッ素化モノマー、またはその組み合わせの重合により製造される。本発明の
バリア媒体のコーティングでの使用に適するフッ素化高分子材料は、フッ素化メタクリレートなどのフッ素化アクリレートを含む。幾つかの実施形態では、フッ素化メタクリレートはパーフルオロヘキシル・メタクリレート、パーフルオロヘプチル・メタクリレート、パーフルオロオクチル・メタクリレート、パーフルオロノニル・メタクリレート、パーフルオロデシル・メタクリレート、パーフルオロウンデシル・メタクリレート、パーフルオロドデシル・メタクリレート、またはその混合物を含む。別の実施形態では、フッ素化高分子材料はフッ素化アクリルエステルを含む。
【0209】
ろ過またはバリア媒体は、少なくとも一つのエラストマーおよび少なくとも一つのプラスチックを含み、円盤、管、ブロック、円錐、円柱、シート、またはフィルムなど任意の所望する形状または構造であってよい。
【0210】
さらに、ろ過またはバリア媒体の柔軟特性は、少なくとも一つのエラストマーおよび少なくとも一つのプラスチックを含み、該ろ過またはバリア媒体の筐体への配置を容易にしうる。幾つかの実施形態では、柔軟特性により、本発明のろ過またはバリア媒体がろ過筐体に適合し、筐体の不整合性または欠陥に対応し、それにより筐体との密閉性を増強することができる。結果として、ろ過またはバリア媒体を、従来のろ過媒体に付随する厳しい公差に制限されることなく正しくかつ確実に筐体に配置することができる。本発明のろ過またはバリア媒体の筐体への確実な配置により、流体がろ過媒体を迂回する問題を減少させ、筐体不整合性および変化に準拠する不良品および損失の問題も低減できる。
【0211】
他の実施形態では、本発明のろ過およびバリア媒体の焼結多孔質高分子材料は、硬質領域に連続した柔軟領域を含み、該柔軟領域は第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、該硬質領域は第二のプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、第一および第二のプラスチックは同一のプラスチックを含む。別の実施形態では、第一および第二のプラスチックは異なるプラスチックを含む。
【0212】
幾つかの実施形態では、柔軟領域および硬質領域を含む連続焼結多孔質高分子材料はさらに、第一および第二のプラスチックに加えてプラスチックを包含する。例えば、一つの実施例では、連続焼結高分子材料の柔軟領域は、第一のプラスチックに加えて一つ以上のプラスチックを含む。さらに、幾つかの実施形態では、硬質領域は第二のプラスチックに加えて一つ以上のプラスチックを含む。
【0213】
幾つかの実施形態では、ろ過およびバリア媒体の連続焼結多孔質高分子材料の柔軟領域は、少なくとも一つのエラストマーを含み、その量は、約10重量パーセントから約90重量パーセントの範囲である。別の実施形態では、該柔軟領域は、少なくとも一つのエラストマーを含み、その量は、約20重量パーセントから約80重量パーセントの範囲である。別の実施形態では、該柔軟領域は、少なくとも一つのエラストマーを含み、その量は、約30重量パーセントから約70重量パーセントの範囲である。また別の実施形態では、該柔軟領域は、少なくとも一つのエラストマーを含み、その量は、約40重量パーセントから約60重量パーセントの範囲である。
【0214】
幾つかの実施形態では、該柔軟領域は、第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、約10%から約90%の範囲の気孔率である。別の実施形態では、該柔軟領域は約20%から約80%または約30%から約70%の範囲の気孔率である。また別の実施形態では、該柔軟領域は約40%から約60%の範囲の気孔率である。
【0215】
幾つかの実施形態では、ろ過またはバリア媒体の連続焼結多孔質高分子材料の柔軟領域は、約1μmから約200μmの範囲の平均細孔径である。別の実施形態では、該柔軟領域は、約2μmから約150μm、約5μmから約100μm、または約10μmから約50μmの範囲の平均細孔
径である。別の実施形態では、該柔軟領域は約1μm未満の平均細孔径である。一つの実施例では、該柔軟領域は、約0.1μmから約1μmの範囲の平均細孔径である。また別の実施形態では、該柔軟領域は約200μmより大きな平均細孔径である。一つの実施例では、該柔軟領域は、約200μmから約500μm、または約500μmから約1mmの範囲の平均細孔径である。
【0216】
一部の実施例によると、連続焼結多孔質高分子材料の該柔軟領域の密度は、約0.1g/cm3から約1g/cm3の範囲である。別の実施形態では、該柔軟領域の密度は、約0.2g/cm3から約0.8g/cm3または約0.4g/cm3から約0.6g/cm3の範囲である。また別の実施形態では、該柔軟領域の密度は、約1g/cm3より大きい。一つの実施例では、該柔軟領域の密度は、約0.1g/cm3未満である。
【0217】
幾つかの実施形態では、連続焼結高分子材料の該柔軟領域は、約15ポンド未満のASTMD747に準拠する剛性である。別の実施形態では、焼結多孔質高分子材料の柔軟領域は、約10ポンド未満のASTMD747に準拠する剛性である。別の実施形態では、連続焼結高分子材料の柔軟領域は、約5ポンド未満のASTMD747に準拠する剛性である。また別の実施形態では、焼結多孔質高分子材料は、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み約1ポンド未満のASTMD747に準拠する剛性である。
【0218】
本発明の実施例に準拠すると、ろ過またはバリア媒体の連続焼結多孔質高分子材料の硬質領域は、第二のプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、該硬質領域は、第二のプラスチックに加えてエラストマー材料を包含しないか、実質的にエラストマー材料を包含しない。別の実施形態では、該硬質領域は、約20重量パーセント未満のエラストマーを含む。別の実施形態では、該硬質領域は、約10重量パーセント未満のエラストマーを含む。また別の実施形態では、該硬質領域は、約5重量パーセント未満のエラストマーを含む。
【0219】
幾つかの実施形態では、該硬質領域は約10%から約90%の範囲の気孔率である。別の実施形態では、該硬質領域は約20%から約80%または約30%から約70%の範囲の気孔率である。別の実施形態では、該硬質領域は約40%から約60%の範囲の気孔率である。
【0220】
幾つかの実施形態では、ろ過またはバリア媒体の連続焼結多孔質高分子材料の硬質領域は、約1μmから約200μmの範囲の平均細孔径である。別の実施形態では、該硬質領域は、約2μmから約150μm、約5μmから約100μm、または約10μmから約50μmの範囲の平均細孔径である。別の実施形態では、該硬質領域は約1μm未満の平均細孔径である。一つの実施例では、該硬質領域は、約0.1μmから約1μmの範囲の平均細孔径である。また別の実施形態では、該硬質領域は約200μmより大きな平均細孔径である。一つの実施例では、該硬質領域は、約200μmから約500μm、または約500μmから約1mmの範囲の平均細孔径である。
【0221】
一部の実施例に準拠すると、連続焼結多孔質高分子材料の硬質領域は、約0.1g/cm3から約1g/cm3の範囲の密度である。別の実施形態では、該硬質領域は、約0.2g/cm3から約0.8g/cm3または約0.4g/cm3から約0.6g/cm3の範囲の密度である。さらなる実施例では、該硬質領域は約1g/cm3より大きな密度である。一つの実施例では、該硬質領域は約0.1g/cm3未満の密度である。
【0222】
幾つかの実施形態では、連続焼結多孔質高分子材料の硬質領域は、約15ポンドより大きなASTMD747に準拠する剛性である。別の実施形態では、焼結高分子材料の該硬質領域は、約10ポンドより大きなASTMD747に準拠する剛性である。別の実施形態では、連続焼結高分子材料の該硬質領域は、約5ポンドより大きなASTMD747に準拠する剛性である。
【0223】
幾つかの実施形態では、バリア媒体の焼結多孔質高分子材料の柔軟領域は、さらに第一の超吸収性材料を含む。幾つかの実施形態では、連続焼結多孔質高分子材料の柔軟領域へ
の使用に適する超吸収性材料は、本明細書に記載されるものと一致する。
【0224】
幾つかの実施形態では、バリア媒体の連続焼結多孔質高分子材料の柔軟領域は、第一の超吸収性物質を含み、その量は、約10重量パーセントから約90重量パーセントの範囲である。別の実施形態では、バリア媒体の連続焼結多孔質高分子材料の柔軟領域は、約20重量パーセントから約80重量パーセントの範囲の量の第一の超吸収性材料を含む。別の実施形態では、バリア媒体の連続焼結多孔質高分子材料の柔軟領域は、約30重量パーセントから約70重量パーセントの範囲の量の第一の超吸収性材料を含む。さらなる実施例では、バリア媒体の連続焼結多孔質高分子材料の柔軟領域は、約40重量パーセントから約60重量パーセントの範囲の量の第一の超吸収性材料を含む。
【0225】
幾つかの実施形態では、バリア媒体の焼結多孔質高分子材料の硬質領域は、さらに第二の超吸収性材料を含む。幾つかの実施形態では、連続焼結多孔質高分子材料の硬質領域への使用に適する超吸収性材料は、本明細書に記載されるものと一致する。幾つかの実施形態では、第二の超吸収性材料は、柔軟領域の第一の超吸収性材料と同一である。別の実施形態では、該硬質領域の第二の超吸収性材料は、該柔軟領域の第一の超吸収性材料とは異なる。
【0226】
幾つかの実施形態では、バリア媒体の連続焼結多孔質高分子材料の硬質領域は、第ニの超吸収性物質を含み、その量は、約10重量パーセントから約90重量パーセントの範囲である。別の実施形態では、バリア媒体の連続焼結多孔質高分子材料の硬質領域は、第ニの超吸収性物質を含み、その量は、約20重量パーセントから約80重量パーセントの範囲である。別の実施形態では、バリア媒体の連続焼結多孔質高分子材料の硬質領域は、第ニの超吸収性物質を含み、その量は、約30重量パーセントから約70重量パーセントの範囲である。さらなる実施例では、バリア媒体の連続焼結多孔質高分子材料の硬質領域は、約40重量パーセントから約60重量パーセントの範囲の量の第二の超吸収性材料を含む。
【0227】
幾つかの実施形態では、連続焼結多孔質高分子材料の柔軟領域はさらに少なくとも一つの変色指示薬を含む。幾つかの実施形態では、連続焼結多孔質高分子材料の柔軟領域への使用に適する変色指示薬は、本明細書に記載されるものと一致する。
【0228】
幾つかの実施形態では、連続焼結高分子材料の柔軟領域は、少なくとも一つの変色指示薬を含み、その量は、約0.001重量パーセントから約2重量パーセントの範囲である。また別の実施形態では、柔軟領域は、約0.01重量パーセントから約1重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの変色指示薬を含む。また別の実施形態では、該柔軟領域は、約0.05重量パーセントから約0.5重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの変色指示薬を含む。
【0229】
幾つかの実施形態では、連続焼結多孔質高分子材料の硬質領域は、さらに少なくとも一つの変色指示薬を含む。幾つかの実施形態では、連続焼結多孔質高分子材料の硬質領域への使用に適する変色指示薬は、本明細書に記載されるものと一致する。
【0230】
幾つかの実施形態では、連続焼結高分子材料の硬質領域は、約0.001重量パーセントから約2重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの変色指示薬を含む。別の実施形態では、硬質領域は、約0.01重量パーセントから約1重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの変色指示薬を含む。さらなる実施例では、硬質領域は、約0.05重量パーセントから約0.5重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの変色指示薬を含む。
【0231】
図6は、本発明の一つの実施例による柔軟領域および硬質領域を含む連続焼結多孔質高分子材料を含むろ過媒体を図解する。図6に示されるろ過媒体(600)は、円盤の形状を持
ち、柔軟領域(602)が硬質領域(604)を取り囲む。円盤の周囲に沿った柔軟領域(602)は、ろ過媒体(600)の筐体への配置を容易にする。本明細書に記載されるように、柔軟領域(602)の柔軟特性により、柔軟領域がろ過筐体に適合し、筐体の不整合性または欠陥に対応し、そのため筐体との密閉性を増強することができる。結果として、ろ過媒体(600)を、従来のろ過媒体に付随する厳しい公差に制限されることなく正しくかつ確実に筐体に配置することができる。ろ過媒体(600)の確実な配置は、流体がろ過媒体(600)をバイパスする事象を減少させることにつながりうる。
【0232】
図7は、本発明の一つの実施例による柔軟領域および硬質領域を含む連続焼結多孔質高分子材料を含むろ過媒体を図解する。図7に図解されるろ過媒体(700)は、少なくとも一つのエラストマーおよび少なくとも一つのプラスチックを含む柔軟領域(702)、および第二のプラスチックを含む硬質領域(704)を含む。
【0233】
ろ過媒体および/またはバリア媒体を含むフィルターおよび装置
別の実施形態では、本発明は、筐体およびその筐体に配された少なくとも一つのろ過媒体を含むフィルターを提供し、そのろ過媒体は、本明細書に記載されるように少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結高分子材料を含む。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるように、ろ過媒体はさらに少なくとも一つの変色指示薬を含む。
【0234】
別の実施形態では、フィルターのろ過媒体は、柔軟領域および硬質領域を含む連続焼結多孔質高分子材料を含み、本明細書に記載されるように、その柔軟領域は、第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む。硬質部分は、幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるように第二のプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、柔軟および/または硬質領域はさらに、少なくとも一つの変色指示薬を含む。
【0235】
別の実施形態では、本発明は、筐体およびその筐体に配された少なくとも一つのバリア媒体を含む装置を提供し、そのバリア媒体は、本書の記述のように少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結高分子材料を含む。幾つかの実施形態では、バリア媒体はさらに、少なくとも一つの超吸収性材料を含む。別の実施形態では、バリア媒体はさらに、フッ素化コーティングなどの疎水性コーティングを含む。一つの実施例では、フッ素化コーティングはフッ素化高分子コーティングを含む。
【0236】
本発明の幾つかの実施形態では、筐体は、ピペットチップ、液体クロマトグラフィーなどに使用されるようなクロマトグラフィーカラム、真空ろ過筐体、ロート、管、カテーテル、ダクト、またはその組み合わせを含む。幾つかの実施形態では、ピペットチップを含む筐体は、任意のタイプまたはブランドのピペッターに適合するようにさまざまな形状およびサイズで供給してよい。一つの実施例では、筐体は、米国特許第5,259,956号に開示されるような管状筐体を含む。幾つかの実施形態では、筐体は管を含み、ろ過媒体が流体をろ過する働きをするインラインフィルターとしての役割を果たす。一つの実施例では、本発明のバリア媒体はろ過媒体の上流および/または下流に配され、望ましくない流体の通過を防止する。別の実施形態では、筐体は、PCT出願公開番号WO87/00439に開示されるような吸引キャニスタなどの流体流動制御装置を含む。別の実施形態では、筐体は、米国特許第5,620,427号に開示されるように、医療および実験室用途にしばしば使用されるルアーロック装置を含む。
【0237】
図8は、本発明の一つの実施例によってピペットチップ筐体に配されたバリア媒体を図解する。当業者には当然のように、ピペットチップに配された場合、バリア媒体はピペットチップフィルターとしての役割を果たしうる。ピペットチップ(800)は、ガラスまたはプラスチックなどの不活性材料で構成される先細の中空管状部材(802)を含み、第一
の末端(804)および第二の末端(806)で開口し、第一(804)および第二(806)の末端は反対を向いている。焼結多孔質高分子材料を含むバリア媒体(808)は、少なくとも一つのエラストマー、少なくとも一つのプラスチック、および任意に少なくとも一つの超吸収性材料を含み、管状部材(802)に配され、バリア媒体(808)と第二の末端(806)の間の液体試料チャンバー(810)を定義する。バリア媒体(808)はさらに管状部材(802)の第一の末端(804)から間隔をあけて、バリア媒体(808)と第一の末端(804)の間のチャンバー(811)を定義する。
【0238】
管状部材(802)の第一の末端(804)は、開放可能なように当業者に知られた適切な吸引装置(812)に固定される。所定容量の液体をチャンバー(810)にくみ上げるためには、容量測定ピペッター、吸引ポンプ、弾性球、ブロアーなどの任意の適切な吸引装置を使用することができる。幾つかの実施形態では、バリア媒体(808)は、しっかりと固定され摩擦によって管状部材(802)の内壁に密着するように、十分な圧力下で管状部材(802)に押し付けるか、またはしっかりと圧着されるが、内部壁にはいかなる接着剤または他の付加的材料によって付着されない。バリア媒体(808)の柔軟特性により、管状部材(802)の壁との確実な密閉性が可能となり、ろ過媒体(808)と接触する管状部材(802)の内部表面に沿った不整合性または欠陥に対応することができる。
【0239】
幾つかの実施形態では、ろ過またはバリア媒体の柔軟領域は、媒体を筐体に配置する時に圧縮または変形される。柔軟領域の圧縮または変形により、ろ過またはバリア媒体が異なる寸法のさまざまな筐体に適合することが可能となり、それにより特定の筐体用の特定のろ過またはバリア媒体を設計および製造する必要性がなくなる。さらに、柔軟領域の圧縮により、ろ過またはバリア媒体の硬質領域の変形を排除または阻止することができる。幾つかの実施形態では、硬質領域の変形の防止により、硬質領域が均一な細孔構造および気孔率を示すことができる。例えば、図6のろ過媒体は、硬質領域(604)を取り囲む柔軟領域(602)を含む。幾つかの実施形態では、該柔軟領域(602)は、筐体に配される時に圧着されるが、該硬質領域(604)は非摂動状態に保たれる。一つの実施例では、ろ過またはバリア媒体の該柔軟領域は、筐体密閉部品としての役割を果たし、該硬質領域はろ過またはバリア部品としての役割を果たす。
【0240】
ろ過およびバリア媒体の製造方法
別の実施形態では、本発明は、焼結多孔質高分子材料を含むろ過またはバリア媒体の製造方法を提供する。一つの実施例では、焼結多孔質高分子材料を含むろ過またはバリア媒体の製造方法は、少なくとも一つのエラストマーの粒子を準備し、少なくとも一つのプラスチックの粒子を準備し、該プラスチック粒子およびエラストマー粒子を焼結することを含む。幾つかの実施形態では、バリア媒体のためには、少なくとも一つの超吸収性材料を、少なくとも一つのエラストマーおよび少なくとも一つのプラスチックの粒子に添加し、少なくとも一つの該エラストマーおよび少なくとも一つの該プラスチックの粒子と共に焼結される。幾つかの実施形態では、少なくとも一つの超吸収性材料が粒子として添加される。別の実施形態では、超吸収性材料は繊維として添加される。
【0241】
幾つかの実施形態では、少なくとも一つのプラスチックの粒子および少なくとも一つのエラストマーの粒子を所望の比率(重量パーセント)で混合し、実質的に均一な混合物を製造する。プラスチックおよびエラストマーの均一混合物は、型に配され焼結される。型の形状は、円盤、管、円錐、および/または円錐台形のようなテーパー形状など、任意の所望の形状であってよく、ろ過またはバリア媒体の容易な単一ステップでの製造が可能となる。
【0242】
幾つかの実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子の平均粒径は、約1μmから約1mmの範囲である。別の実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子の平均
粒径は、約10μmから約900μm、約50μmから約500μm、または約100μmから約400μmの範囲である。また別の実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子の平均粒径は、約200μmから約300μmの範囲である。幾つかの実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子の平均粒径は、約1μm未満、または約1mmより大きい。
【0243】
幾つかの実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子の粒径は個々に選択される。例えば一つの実施例では、プラスチック粒子の平均粒径は、エラストマー粒子より大きい。別の実施形態では、プラスチック粒子の平均粒径は、エラストマー粒子より小さい。また別の実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子の平均粒径は、ほぼ等しい。
【0244】
幾つかの実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子は、約200oFから約700oFの範囲の温度で焼結される。幾つかの実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子は、約300oFから約500oFの範囲の温度で焼結される。本発明の実施例によると、焼結温度は、プラスチックおよびエラストマー粒子の固有性に依存し、それにより選択される。
【0245】
幾つかの実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子は約30秒から30分の範囲の時間枠、または焼結多孔質高分子材料を製造するのに十分な時間で焼結される。別の実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子は約1分から約15分、または約5分から約10分の範囲の時間枠で焼結される。幾つかの実施形態では、焼結工程は過熱、浸漬、および/または焙焼サイクルを含む。さらに、幾つかの実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子は、環境気圧(1気圧)下で焼結される。幾つかの実施形態では、プラスチックおよびエラストマー粒子は、環境気圧より高い気圧下で焼結される。
【0246】
ろ過およびバリア媒体製造の幾つかの実施形態では、少なくとも一つの変色指示薬を少なくとも一つの該エラストマーおよび/または少なくとも一つのプラスチック粒子に添加し、少なくとも一つの該エラストマーおよび少なくとも一つのプラスチック粒子と共に本明細書に規定される温度と時間に従って焼結される。一部の実施例によると、変色指示薬粒子の平均粒径は、約1μmから約500μmまたは約10μmから約400μmの範囲である。別の実施例によると、変色指示薬粒子の平均粒径は、約50μmから約300μmの範囲である。また別の実施形態では、変色指示薬粒子の平均粒径は、約100μmから約200μmの範囲である。幾つかの実施形態では、変色指示薬粒子の平均粒径は、約1μm未満、または約500μmより大きい。
【0247】
別の実施形態では、焼結多孔質高分子材料を含むろ過またはバリア媒体の製造方法は、第一のプラスチックの粒子を少なくとも一つのエラストマー粒子と混合したものを型の第一の部分に配し、第二のプラスチックの粒子を型の第一の部分に隣接する型の第二の部分に配し、第一のプラスチック粒子、第二のプラスチック粒子およびエラストマー粒子を焼結することを含む。幾つかの実施形態では、バリア媒体のためには、少なくとも一つの超吸収性材料を、少なくとも一つのエラストマー、第一のプラスチック、および第二のプラスチックの粒子に添加し、少なくとも一つの該エラストマー、該第一のプラスチック、および該第二のプラスチック粒子と共に焼結される。幾つかの実施形態では、少なくとも一つの超吸収性材料が粒子として添加される。別の実施形態では、超吸収性材料は繊維として添加される。
【0248】
一つの実施例では例えば、第一のプラスチック粒子を少なくとも一つのエラストマー粒子と所望の比率(重量パーセント)で混合し、実質的に均一な混合物を製造する。混合物は型の第一の部分に配される。第二のプラスチックの粒子を、第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマー粒子の混合物に隣接する型の第二の部分に配置する。第一のプラスチック、第二のプラスチックの粒子およびエラストマー粒子はその後焼結されて
、本発明の高分子材料を生成する。幾つかの実施形態では、型の第一の部分は型の下半分を含む。さらに、幾つかの実施形態では、型の第二の部分は型の上半分を含む。
【0249】
別の実施形態では、第二のプラスチックの粒子は型の第一の部分に配される。エラストマーおよび第一のプラスチックの粒子の混合物を、第二のプラスチック粒子に隣接する型の第二の部分に配置する。第一のプラスチック、第二のプラスチックの粒子およびエラストマー粒子はその後焼結されて、本発明の高分子材料を生成する。
【0250】
幾つかの実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子は約1μmから約1mmの範囲の平均粒径である。別の実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチックおよびエラストマー粒子の平均粒径は、約10μmから約900μm、約50μmから約500μm、または約100μmから約400μmの範囲である。また別の実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチックおよびエラストマー粒子の平均粒径は、約200μmから約300μmの範囲である。幾つかの実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子の平均粒径は約1μm未満、または約1mmより大きい。幾つかの実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子の粒径は個々に選択される。
【0251】
幾つかの実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子は約200oFから約700oFの範囲の温度で焼結される。幾つかの実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子は約300oFから約500oFの範囲の温度で焼結される。本発明の実施例によると、焼結温度は、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子の固有性に依存し、それにより選択される。
【0252】
幾つかの実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子は約30秒から30分の範囲の時間枠で、焼結される。他の実施例では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子は約1分から約15分、または約5分から約10分の範囲の時間枠で焼結される。幾つかの実施形態では、焼結工程は過熱、浸漬、および/または焙焼サイクルを含む。さらに、幾つかの実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子の焼結は環境気圧(1気圧)下で行なわれる。幾つかの実施形態では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、およびエラストマー粒子の焼結は環境気圧より高い気圧下で行なわれる。
【0253】
ろ過およびバリア媒体製造の幾つかの実施形態では、少なくとも一つの変色指示薬を第一のプラスチック、第二のプラスチック、および少なくとも一つのエラストマーの粒子に添加し、第一のプラスチック、第二のプラスチック、および少なくとも一つの該エラストマーの粒子と共に本明細書に規定される温度と時間に従って焼結される。一部の実施例によると、変色指示薬粒子の平均粒径は、約1μmから約500μmまたは約10μmから約400μmの範囲である。別の実施例によると、変色指示薬粒子の平均粒径は、約50μmから約300μmの範囲である。また別の実施形態では、変色指示薬粒子の平均粒径は、約100μmから約200μmの範囲である。幾つかの実施形態では、変色指示薬粒子の平均粒径は、約1μm未満、または約500μmより大きい。
【0254】
本発明の実施例では、第一のプラスチック、第二のプラスチック、および少なくとも一つのエラストマーの粒子の焼結により製造される高分子材料は、柔軟領域および硬質領域を含み、該柔軟領域は第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、該硬質領域は第二のプラスチックを含む。型の形状は、円盤、管、または円錐などの任意の所望の形状であってよく、ろ過またはバリア媒体の容易で単一段階の製造が可能となる。型の形状は、円盤、管、円錐、および/または円錐台形のようなテーパー形状など、任意の所望の形状であってよく、ろ過またはバリア媒体の容易で単一段階の製造が可能とな
る。
【0255】
一つの実施例では、バリア媒体の製造方法はさらに、バリア媒体の焼結多孔質高分子材料を疎水性コーティングでコーティングすることを含む。幾つかの実施形態では、疎水性コーティングはフッ素化疎水性コーティングを含む。一つの実施例では、フッ素化疎水性コーティングは、一つ以上のフッ素化ポリマーを含む。一部の実施例に準拠すると、フッ素化ポリマーはパーフルオロモノマー、部分的フッ素化モノマー、またはその組み合わせの重合により製造される。本発明のバリア媒体のコーティングでの使用に適したフッ素化高分子材料は、フッ素化メタクリレートなどのフッ素化アクリレートを含む。幾つかの実施形態では、フッ素化メタクリレートはパーフルオロヘキシル・メタクリレート、パーフルオロヘプチル・メタクリレート、パーフルオロオクチル・メタクリレート、パーフルオロノニル・メタクリレート、パーフルオロデシル・メタクリレート、パーフルオロウンデシル・メタクリレート、パーフルオロドデシル・メタクリレート、またはその混合物を含む。別の実施形態では、フッ素化高分子材料はフッ素化アクリルエステルを含む。
【0256】
幾つかの実施形態では、フッ素化コーティングは、フッ素化ポリマーなどのフッ素化分子を溶媒中に可溶化し、その結果得られる溶液をバリア媒体の表面に塗布することにより、本発明のバリア媒体に塗布される。
【0257】
フィルターの製造方法
別の態様において、本発明はフィルターの製造方法を提供する。一つの実施例において、フィルターの製造方法は、焼結多孔質高分子材料を含むろ過媒体と、筐体とを提供し、ろ過媒体を筐体に配置することを含み、該焼結多孔質高分子材料は少なくとも一つのエラストマーおよび少なくとも一つのプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子材料はさらに少なくとも一つの変色指示薬を含む。幾つかの実施形態では、筐体とろ過媒体の表面に密閉性が形成され、その密閉性は流体バイパスを阻止または防止する働きをする。
【0258】
別の実施形態では、フィルターの製造方法は、該柔軟領域および硬質領域を含む連続焼結多孔質高分子材料を含むろ過媒体と、筐体とを提供し、該ろ過媒体を筐体に配置することを含む。幾つかの実施形態では、該柔軟領域は、第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、該硬質領域は第二のプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、柔軟領域および/または硬質領域はさらに、少なくとも一つの変色指示薬を含んでもよい。幾つかの実施形態では、フィルターの製造方法はさらに、ろ過媒体の柔軟領域と筐体の表面の間に密閉性を形成することを含む。
【0259】
流体のろ過方法
別の態様において、本発明は流体のろ過方法を提供する。一つの実施例では、流体のろ過方法は、焼結多孔質高分子材料を含む少なくとも一つのろ過媒体を準備し、流体をその少なくとも一つのろ過媒体に通すことを含み、その焼結多孔質高分子材料は少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む。幾つかの実施形態では、焼結多孔質高分子材料はさらに少なくとも一つの変色指示薬を含む。
【0260】
別の実施形態では、流体のろ過方法は、柔軟領域および硬質領域を含む連続焼結多孔質高分子材料を含む少なくとも一つのろ過媒体を提供し、流体をその少なくとも一つのろ過媒体に通すことを含み、該柔軟領域は第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、該硬質領域は第二のプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、柔軟領域および/または硬質領域はさらに、少なくとも一つの変色指示薬を含みうる。
【0261】
また別の実施形態では、流体のろ過方法は、焼結多孔質高分子材料を含む少なくとも一
つのろ過媒体を提供し、その少なくとも一つのろ過媒体の気孔率を調節し、流体をその少なくとも一つのろ過媒体に通すことを含み、該焼結多孔質高分子材料は少なくとも一つのエラストマーおよび少なくとも一つのプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、ろ過媒体の気孔率の調整は、ろ過媒体に張力または圧縮をかけることを含む。
【0262】
少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子材料を含む本発明のろ過媒体の柔軟特性により、ろ過媒体に張力または圧力をかけることによってろ過媒体の気孔率を変化させることが可能となる。幾つかの実施形態では、張力をかけることにより、ろ過媒体の細孔はサイズが大きくなる。細孔径の増大に付随して、ろ過媒体の気孔率は増大する。逆に、幾つかの実施形態では、圧縮することにより、ろ過媒体の細孔はサイズが小さくなる。細孔径の減少は、ろ過媒体の気孔率の減少をもたらす。結果として、本発明のろ過媒体の細孔径および気孔率は、特定のろ過およびバリア用途のために調整することができる。
【0263】
別の実施形態では、気体のろ過方法は、焼結多孔質高分子材料を含む少なくとも一つの液体バリア媒体を提供し、その少なくとも一つのバリア媒体の気孔率を調整し、液体が液体バリア媒体を通過するのを阻害および/または防止しながら液体バリア媒体に気体を通すことを含み、該焼結多孔質高分子材料は少なくとも一つのエラストマーおよび少なくとも一つのプラスチックを含む。幾つかの実施形態では、液体バリア媒体の気孔率の調整は、液体バリア媒体に張力または圧縮をかけることを含む。
【0264】
また別の実施形態では、本発明はろ過媒体またはバリア媒体の洗浄方法を提供する。一つの実施例では、ろ過またはバリア媒体の洗浄方法は、ろ過またはバリア媒体の細孔径を調整して細孔にある組成物を放出することを含み、該ろ過媒体または該バリア媒体は少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む。幾つかの実施形態では、細孔径の調整は、ろ過またはバリア媒体に張力または圧縮をかけることを含む。
【0265】
本明細書に記載されるように、幾つかの実施形態では、本発明のろ過またはバリア媒体に張力または圧縮をかけると、媒体の細孔径および気孔率の変化をもたらす。一部の実施例によると、細孔径および気孔率の変化は、本発明のろ過またはバリア媒体の洗浄に使用される。例えば、少なくともひとつのエラストマーおよび少なくとも一つのプラスチックを含む焼結多孔質高分子材料を含むろ過またはバリア媒体に張力をかけると、細孔径の拡大をもたらす。幾つかの実施形態では、細孔径の拡大により、細孔内にある組成物が放出され、それによりろ過またはバリア媒体を洗浄する。
【0266】
別の実施形態では、本発明のろ過またはバリア媒体を圧縮すると、ろ過媒体の細孔径を減少させる。幾つかの実施形態では、細孔径の減少により、細孔内にある組成物が押出され、それによりろ過またはバリア媒体を洗浄する。
【0267】
幾つかの実施形態では、本発明のろ過またはバリア媒体は、洗浄中に張力および圧縮が繰り返される。例えば、ろ過またはバリア媒体に張力をかけた後圧縮することも可能であり、これは反対であってもよい。本発明のろ過またはバリア媒体の柔軟特性により、張力および圧縮力によるろ過媒体の失敗の可能性が減少される。
【0268】
本発明の実施例をさらに以下に図解するが、これには限られない。
【実施例】
【0269】
実施例1
焼結多孔質エラストマー材料
KratonPolymersUS,LLCのKRATON(登録商標)エラストマー(スチレン-エチレン-ブタジ
エン・スチレン)を低温ですりつぶして粉末とし、その粉末の平均細孔径は約200μmとした。入手したエラストマー粒子をアルミニウム型のキャビティに充填し、400°Fまで5分間加熱し、その後5分間で室温まで冷却した。入手した焼結多孔質エラストマー材料を、型から外した。焼結多孔質エラストマー材料は、平均細孔径約55μmおよび気孔率約50%の開気孔構造を持っていた。
【0270】
実施例2
セルフシール焼結多孔質エラストマー材料
KratonPolymersUS,LLCのKRATON(登録商標)エラストマー(スチレン-エチレン-ブタジエン・スチレン)を低温ですりつぶして粉末とし、その粉末の平均細孔径は約200μmであった。平均粒径約200μmのカルボキシメチルセルロース(CMC)(Sigma-Aldrich)を結果得られたエラストマー粒子と混合して、約15重量%のCMCである混合物を製造した。該混合物をアルミニウム型のキャビティに充てんし、400°Fまで5分間加熱し、その後5分間で室温まで冷却した。入手した焼結多孔質エラストマー材料を、型から外した。焼結多孔質エラストマー材料には、焼結多孔質基質全体にわたってCMCが分散され、平均細孔径約55μmおよび気孔率50%の開気孔構造を示した。
【0271】
実施例3
プラスチックおよびエラストマーを含む焼結多孔質高分子材料
KratonPolymersUS,LLCのKRATON(登録商標)エラストマー(スチレン-エチレン-ブタジエン・スチレン)を低温ですりつぶして粉末とし、その粉末の平均細孔径は約150μmであった。30重量%のエラストマー粉末を、約150μmの平均粒径である70重量%のUHMWPE粉末(Ticona)と混合した。該混合物をアルミニウム型のキャビティに充てんし、360°Fまで5分間加熱し、その後5分間で室温まで冷却した。結果得られた焼結多孔質高分子材料を、型から外した。エラストマーおよびUHMWPEを含む焼結多孔質高分子材料は、平均細孔径約45μmおよび気孔率45%の開気孔構造を示した。
【0272】
実施例4
プラスチックおよびエラストマーを含む焼結多孔質高分子材料
KratonPolymersUS,LLCのKRATON(登録商標)エラストマー(スチレン-エチレン-ブタジエン・スチレン)を低温ですりつぶして粉末とし、その粉末の平均細孔径は約200μmであった。30重量%のエラストマー粉末を、約150μmの平均粒径である70重量%のUHMWPE粉末(Ticona)と混合した。結果得られた該混合物をアルミニウム型のキャビティに充てんした。型の容量はその後、初期容量の80%に圧縮された。該圧縮エラストマー/UHMWPE混合物を360°Fまで5分間加熱し、その後5分間で室温まで冷却した。結果得られた焼結多孔質高分子材料を、型から外した。エラストマーおよびUHMWPEを含む焼結多孔質高分子材料は、平均細孔径約30μmおよび気孔率35%の開気孔構造を示した。
【0273】
実施例5
超吸収剤を含むバリア媒体
85重量%の例3に記述のエラストマー/UHMWPE混合物を15重量%のカルボキシメチルセルロース(CMC)粉末と混合する。入手した混合物をアルミニウム型のキャビティに充填し、360°Fまで5分間加熱し、その後5分間で室温まで冷却した。入手したエラストマー、UHMWPE、およびCMCを含む焼結多孔質高分子材料は、平均細孔径約45μmおよび気孔率40%の開気孔構造を示した。
【0274】
実施例6
変色指示薬を含むバリア媒体
99.95重量%の例5のエラストマー/UHMWPE/CMC混合物を0.05重量%の食用色素エリオグロシン(erioglaucine)と混合した。入手した混合物をアルミニウム型のキャビティに充
填し、360°Fまで5分間加熱し、その後5分間で室温まで冷却した。入手したエラストマー、UHMWPE、CMC、および食用色素を含む焼結多孔質高分子材料は、平均細孔径約45μmおよび気孔率約40%の開気孔構造を示した。
【0275】
実施例7
焼結多孔質高分子材料を含むアプリケータ
KratonPolymersUS,LLCのKRATON(登録商標)エラストマー(スチレン-エチレン-ブタジエン・スチレン)を低温ですりつぶして粉末とし、その粉末の平均細孔径は約150μmであった。30重量%のエラストマー粉末を、約150μmの平均粒径である70重量%のUHMWPE粉末(Ticona)と混合した。入手した混合物をペン先アプリケータの形状であるアルミニウム型のキャビティに充てんし、360°Fまで5分間加熱し、その後5分間で室温まで冷却した。入手した焼結多孔質高分子材料を含むペン先アプリケータを、型から外した。エラストマーおよびUHMWPEを含む焼結多孔質高分子材料を含むペン先アプリケータは、平均細孔径約45μmおよび気孔率約45%の開気孔構造を示した。
【0276】
実施例8
柔軟領域および硬質領域を含むアプリケータ
型の下半分に、例7のエラストマー/UHMWPE粉末混合物を充填した。型の上半分には、平均粒子径150μmのUHMWPE(Ticona)を充填した。それに続いてシャンク付きのペン先アプリケータの形状を持つ型を、360°Fまで3分間加熱し、その後3分で室温まで冷却した。入手した焼結多孔質高分子材料を含むアプリケータは、アプリケータの先端に相当する柔軟領域およびアプリケータのシャンクに相当する硬質領域を呈した。柔軟領域は、平均細孔径約45μmおよび気孔率約45%の開気孔構造を示し、硬質領域は約40μmの平均細孔径および約45%の気孔率を示した。
【0277】
実施例9
焼結多孔質高分子部品および繊維性部品を含むアプリケータ
KratonPolymersUS,LLCのKRATON(登録商標)エラストマー(スチレン-エチレン-ブタジエン・スチレン)を低温ですりつぶして平均粒径約150μmの粉末状態とした。30重量%のエラストマー粉末を、約150μmの平均粒径である70重量%のUHMWPE粉末(Ticona)と混合した。入手した混合物を中空ペン先構造の形状である型のキャビティに充填し、360°Fまで3分間加熱し、その後3分間で室温まで冷却した。焼結多孔質高分子材料を含むアプリケータペン先は、平均細孔径約45μmおよび気孔率約45%の中空構造を呈した。複合繊維を焼結するかまたは繊維に熱硬化性樹脂を含浸して製造した繊維棒を含む繊維性部品を、弾性多孔質ペン先の中空構造に挿入した。複合繊維を、米国特許出願通し番号10/464,443に開示の方法に従って焼結した。
【0278】
実施例10
焼結多孔質高分子部品および繊維性部品を含むアプリケータ
型の下部に、例7のエラストマー/UHMWPE粉末混合物を充填した。型の上部には、平均粒子径150μmのUHMWPE(Ticona)を充填した。型の上部は、アプリケータペン先に中空構造を作るためのピンを含んでいた。型を360°Fまで3分間加熱し、その後3分で室温まで冷却した。アプリケータペン先を型から取り外した。入手したアプリケータペン先は、アプリケータの先端を含む柔軟領域およびシャンクを含む中空硬質領域を呈した。エラストマー/UHMWPEを含む柔軟領域は、平均細孔径約45μmおよび気孔率約45%の開気孔構造を示し、硬質領域は約40μmの平均細孔径および約45%の気孔率を示した。例9に従って製造されたものを含む繊維性部品を、アプリケータペン先のシャンクの中空構造に挿入した。
【0279】
実施例11
焼結多孔質高分子材料を含むろ過媒体
KratonPolymersUS,LLCのKRATON(登録商標)エラストマー(スチレン-エチレン-ブタジエン・スチレン)を低温ですりつぶして粉末とし、その粉末の平均細孔径は約100μmであった。30重量%のエラストマー粉末を、約80μmの平均粒径である70重量%のUHMWPE粉末(Ticona)と混合した。結果得られた混合物を、複数個のアルミニウム型の円筒形のキャビティ(直径5mmおよび深さ4mm)に充填した。型を360°Fまで3分間加熱し、その後3分で室温まで冷却した。焼結多孔質高分子材料を含むろ過媒体を、型から外した。ろ過媒体は、平均細孔径約18μmおよび気孔率約40%の開気孔構造であった。
【0280】
実施例3〜11の粒子状KRATON(登録商標)エラストマーは、類似の材料を得るために、低温ですりつぶしたDowChemicalのENGAGE(登録商標)TPO(エチレン-ブテン共重合体)で代用することができる。ENGAGE(登録商標)をエラストマー材料として使用した場合、型は約320oFの温度まで加熱される。
【0281】
実施例12
インク組成物の表面への塗布
実施例7のアプリケータに、紙への塗布のためにインク組成物を装填した。アプリケータの少なくとも一部分をインクに浸すことによって、アプリケータにインクを装填した。インクを包含するアプリケータを、その後紙と接触させた。アプリケータは、にじみやあふれがなく、均一かつ制御された方法で紙にインクを塗布した。
【0282】
実施例13
バリア媒体を含むピペットチップ
ピペッターを支える働きをするピペットチップの末端を通してバリア媒体を挿入することにより、実施例6のバリア媒体をピペットチップに配した。挿入の間、十分な圧力をバリア媒体に加え、バリア媒体がピペットチップの内部表面と密閉性を形成するのを確実にした。バリア媒体のピペットチップへの挿入後、ピペットチップをピペッターに取り付けた。ピペットチップを水溶液の中に入れ、水溶液がピペットチップの試料採集チャンバーに引き込まれた。水溶液が試料採集チャンバーに引き込まれたら、吸引をもたらす水溶液からピペットチップを取り出し、それにより、水溶液をバリア媒体と接触させた。水溶液と接触すると、バリア媒体のCMCは膨張しバリア媒体を密閉して、水溶液がピペッターに到達するのを防止した。バリア媒体はさらに、変色してバリア媒体が水溶液と接触したことを示した。さらに、水溶液はまったくバリア媒体を迂回しなかった。
【0283】
上記に引用されるすべての特許、出版物および抄録は、その全体を参照することにより本明細書に記載する。本発明のさまざまな実施例は、本発明のさまざまな目的を達成するために記述されている。これらの実施例は、本発明の原理の実例にすぎないことを認識するべきである。当業者には、その多くの変更および適応が、本発明の精神と範囲から逸脱することなく容易に自明である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結高分子材料を含む組成物。
【請求項2】
少なくとも一つのエラストマーが、約10重量パーセントから約90重量パーセントの範囲で含まれる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
焼結高分子材料が多孔質である請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
焼結多孔質高分子材料が約1μmから約200μmの範囲の平均細孔径を有する、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
焼結高分子材料がアプリケータ、ろ過媒体、またはバリア媒体である請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
バリア媒体がさらに少なくとも一つの超吸収性材料を含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
柔軟領域および硬質領域を含む連続焼結高分子材料であって、
該柔軟領域が第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、
該硬質領域が第二のプラスチックを含む、連続焼結高分子材料
を含む組成物
【請求項8】
焼結高分子材料がアプリケータ、ろ過媒体、またはバリア媒体である請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
焼結多孔質高分子部品、および焼結多孔質高分子部品と結合された繊維性部品を含むアプリケータ。
【請求項10】
焼結多孔質高分子部品が少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む、請求項9に記載のアプリケータ。
【請求項11】
焼結多孔質高分子部品がさらに少なくとも一つの変色指示薬を含む、請求項9に記載のアプリケータ。
【請求項12】
焼結多孔質高分子部品は、硬質領域に連続する柔軟領域を含み、
該柔軟領域は第一のプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含み、
該硬質領域は第二のプラスチックを含む請求項9に記載のアプリケータ。
【請求項13】
さらに貯留槽を含む請求項9に記載のアプリケータ。
【請求項14】
貯留槽が繊維性部品である請求項13に記載のアプリケータ。
【請求項15】
筐体、および
少なくとも一つのろ過媒体または少なくとも一つのバリア媒体を含む装置であって、
該少なくとも一つのろ過媒体および該少なくとも一つのバリア媒体が請求項1に記載の組成物を含む、装置。
【請求項16】
筐体が真空ろ過筐体、クロマトグラフィーカラム、ロート、シリンジ、カテーテル、管、ダクト、またはピペットチップを含む請求項15に記載の装置。
【請求項17】
少なくとも一つのろ過媒体および少なくとも一つのバリア媒体がさらに少なくとも一つの変色指示薬を含む請求項15に記載の装置。
【請求項18】
装置がフィルター、ピペッター、またはカテーテルである請求項15に記載の装置。
【請求項19】
少なくとも一つのエラストマー粒子を準備する工程、
少なくとも一つのプラスチック粒子を準備する工程、及び
該プラスチック粒子およびエラストマー粒子を焼結する工程を含む、
請求項1に記載の高分子材料の製造方法。
【請求項20】
高分子材料がアプリケータ、ろ過媒体、またはバリア媒体である請求項19に記載の方法。
【請求項21】
第一のプラスチック粒子と少なくとも一つのエラストマー粒子を混合したものを型の第一の部分に配置する工程、
第二のプラスチック粒子を、型の第一の部分に隣接する型の第二の部分に配置する工程、第一のプラスチック粒子、エラストマー粒子、および第二のプラスチック粒子を焼結する工程、
を含む高分子材料を製造する方法。
【請求項22】
高分子材料が柔軟領域および硬質領域を含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
焼結多孔質高分子部品を準備する工程、
繊維性部品を準備する工程、
繊維性部品を焼結多孔質高分子部品と結合する工程
を含む請求項9に記載のアプリケータの製造方法。
【請求項24】
焼結多孔質高分子部品を準備する工程が、少なくとも一つのプラスチックの粒子と、少なくとも一つのエラストマーの粒子とを準備し、該プラスチック粒子と該エラストマー粒子を焼結することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
焼結多孔質高分子部品を準備する工程が、第一のプラスチックの粒子を少なくとも一つのエラストマー粒子と混合したものを型の第一の部分に配置し、第二のプラスチックの粒子を型の第一の部分に隣接した型の第二の部分に配置し、第一のプラスチック粒子、第二のプラスチック粒子およびエラストマー粒子を焼結することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
さらに貯留槽を提供し、その貯留槽を繊維性部品に結合することを含む請求項23に記載の方法。
【請求項27】
少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つのエラストマーを含む焼結多孔質高分子材料を含むアプリケータを準備する工程、
アプリケータ上に組成物の少なくとも一部分を配置する工程、および、
アプリケータ上の組成物と表面を接触させる工程を含む組成物の表面への塗布方法。
【請求項28】
請求項9のアプリケータを準備する工程、
アプリケータ上に組成物の少なくとも一部分を配置する工程、および、
アプリケータ上の組成物と表面を接触させる工程を含む組成物の表面への塗布方法。
【請求項29】
請求項1の組成物を含むろ過媒体またはバリア媒体を準備する工程、
筐体を準備する工程、および、
筐体にろ過媒体またはバリア媒体を配置する工程を含む装置の製造方法。
【請求項30】
請求項7の組成物を含むろ過媒体またはバリア媒体を準備する工程、
筐体を準備する工程、および、
筐体にろ過媒体またはバリア媒体を配置する工程を含む装置の製造方法。
【請求項31】
さらに、柔軟領域と筐体との間に密閉性を形成することを含む請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記筐体がピペットチップを含む請求項30に記載の方法。
【請求項33】
少なくとも一つのエラストマーが熱可塑性ポリウレタン、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリエチレン-プロピレン共重合体、ポリエチレン-ブテン共重合体、ポリエチレン-オクテン共重合体、ポリエチレン-ヘキセン共重合体、塩素化ポリエチレン、クロロ-スルホン化ポリエチレン、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレン、若しくは1,3-ジエンまたはそれらの組み合わせを含む請求項1〜32のいずれかに記載の、少なくとも一つのエラストマー。
【請求項34】
1,3-ジエンが、スチレン-1,3-ブタジエン、カルボキシル化スチレン-1,3-ブタジエン、アクリロニトリル-1,3-ブタジエン、またはイソブチレン-イソプレンまたはその組み合わせを含む、請求項2または請求項27に記載の1,3-ジエン。
【請求項35】
少なくとも一つのプラスチックがポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、硬質ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、またはポリスルホンまたはその組み合わせを含む、請求項1〜34のいずれかに記載の、少なくとも一つのプラスチック。
【請求項36】
ポリオレフィンがポリエチレンまたはポリプロピレンまたはその組み合わせを含む、請求項1〜35のいずれかに記載のポリオレフィン。
【請求項37】
さらに超吸収性材料を含む、請求項1〜36のいずれかに記載のバリア媒体。
【請求項38】
ポリエチレンが高密度ポリエチレンを含む、請求項1〜37のいずれかに記載のポリエチレン。
【請求項39】
少なくとも一つのプラスチックが高密度ポリエチレンを含む、請求項1〜38のいずれかに記載の少なくとも一つのプラスチック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−501664(P2010−501664A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525582(P2009−525582)
【出願日】平成19年8月20日(2007.8.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/018355
【国際公開番号】WO2008/021539
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(505440686)ポーレックス コーポレイション (9)
【Fターム(参考)】