説明

煙を解毒するための組成物及び方法

【課題】ヒトにおいて煙を解毒するためのウコン含有組成物の提供。
【解決手段】組成物は、有効量のウコンの超臨界抽出物及び水アルコール抽出物を含むことができ、又、組成物は有効量の(A)ショウガの超臨界抽出物及び水アルコール抽出物、(B)ローズマリー、パセリの種子、ペパーミント及びクローブの超臨界抽出物、(C)ローズマリー、パセリの葉、ペパーミント及びクローブの水アルコール抽出物、並びに(D)緑茶の水抽出物を含んでいてもよい。本組成物は、例えば、超臨界抽出/水アルコール抽出の2重のプロセスで調製されるウコン抽出物を含み改善された煙解毒性を示す。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本願は、2001年2月9日に提出された米国仮出願第60/267,428号に基づ
く利益を主張する。
発明の属する技術分野
本発明は一般に煙を解毒することに関する。とりわけ、本発明は煙を解毒するためのウコン含有組成物に関する。
【0002】
発明の背景
タバコのくすぶり又は能動喫煙者の呼気に由来するタバコの煙は、ヒトの変異誘発物質及び発癌物質への曝露源である。研究は、タバコの煙への曝露と呼吸器疾患及び心肺疾患並びに肺がんのような健康被害との間の密接な相関関係が、喫煙者及び非喫煙者において同様に存在することを示す。能動及び受動喫煙者は共に尿中に多量のタバコに由来する変異誘発物質を排泄することが知られている。さらに、研究からヒトのがんとよく調理された肉(例えば、グリルで調理した肉)との間の関連が証明されている(Burros, M., Tea?
Turmeric? The Quest for Safer Barbecue, The New York Times on the Web, July 5, 2000(以後「Burrosの論文」と呼ぶ)を参照されたい)。高温では、筋肉中のクレアチンがアミノ酸と反応し、がんを引き起こす複素環式アミンと呼ばれる化合物を形成する。しかしながら、これらの複素環式アミンを減少させるためにマリネ漬けが使用されてきた。科学者は、ニンニク、タマネギ、チャイブ、ウコン、タイム、ローズマリー及びオレガノ並びにビタミンC及びEのような酸化防止剤がそのようなアミンの減少を促進すると考えている。しかしながら、マリネ漬けは、例えば脂肪が火の上に落ちて煙となる場合に生じる、他の発癌物質のレベルは低下させない(Burrosの論文を参照されたい)。
【0003】
ウコンは喫煙者において尿中変異誘発物質の形成及び排泄の阻害に有効であることが見出されている。(P. Kalpagam, T. C. Raghuram, T. P. Krishna and K. Krishnaswamy, "Effect of Turmeric on Urinary Mutagens in Smokers ", Mutagenesis, vol.7, no.2, pp.107-109 (1992)を参照されたい(タバコの変異誘発物質は有効成分クルクミンにより
解毒されると述べている))。また、ウコンは効果的な抗変異誘発物質であることが見いだされており、化学的予防に有用であるかもしれない。ウコン及び/又はクルクミンについて記載された論文には以下のものが挙げられる:Krishnaswamy, K., and Raghuramulu,
N., Bioactive Phytochemicals with Emphasis on Dietary Practices, Indian J Med Res 108, November 1998, pp.167-181; Deshpande, S. S., Ingle, A. D., and Maru, G. B., Inhibitory Effects of Curcumin-Free Aqueous Turmeric Extract on Benzo [alpha] pyrene-Induced Forestomach Papillomas in Mice, Cancer Letters, 118 (1997) 79-85; Srimal R. C., Turmeric: A Brief Review of Medicinal Properties, Fitoterapia, Vol.LXVIII, No.6, 1997, pp.483-493; Arbiser, J. L., Klauber, N., Rohan, R., van Leeuwen, R., Huang, M. T., Fisher, C., Flynn, E., Byers, H. R., Curcumin is an In Vivo Inhibitor of Angiogenesis, Mol Med (June 1998), 4 (6): 376-83; Plummer, S. M., Holloway, K. A., Manson. M. M., Munks, R. J., Kaptein, A., Farrow, S., and
Howells, L., Inhibition of Cyclo-Oxygenase 2 Expression in Colon Cells by the Chemopreventive Agent Curcumin Involves Inhibition of NF-kappaB activation Via the NIK/IKK Signaling Complex, Oncogene (Oct 28,1999), 18 (44): 6013-20; Singhal, S. S., Awasthi, S., Pandya, U., Piper, J. T., Saini, M. K., Cheng, J. Z., and Awasthi, Y. C., The Effects of Curcumin on Glutathione-Linked Enzymes in K562 Human Leukemia Cells, Toxicol Lett, Sept. 20, 1999, 109 (1-2): 87-95; Kang, B. Y., Song, Y. J., Kim, K. M., Choe, Y. K., Hwang, S. Y., Kim, T. S., Curcumin Inhibits
Th1 Cytokine Profile in CD4+ T Cells By Suppressing Interleukin-12 Production i
n Macrophages, Br J Pharmacol, Sept. 1999, 128 (2): 380-4。
【0004】
さらに、ウコンは著しく上昇したフィブリノーゲンレベルを低下させるために使用することができる(Ramirez-Bosca A., Soler A., Carrion-Gutierrez, M. A., Mira D. P. Zapata J. P., Diaz-Alperi J., Bernd A., Almagro E. Q. and Miquel, J., A Hydroalcoholic Extract of Curcuma Longa Lowers the Apo B/Apo A Ratio Implications for Atherogenesis Prevention, Mechanisms of Ageing and Development 114 (2000) 207-210を参照されたい)。ウコンそれ自体は、煙に曝されたヒトの心血管系に有益であると考えられる。
【0005】
クローブ、カルダモンなどのような多くのスパイスに含まれている化合物であるオイゲノールは、タバコの煙に対して抗変異誘発性を示すことが報告されている(Sukumaran K.
and Ramadasan K., Inhibition of Tobacco-Induced Mutagenesis by Eugenol and Plant Extracts, Mutation Research 343 (1995) 25-30を参照されたい)。さらに、オイゲノールは抗過酸化活性を示すと考えられている。(Krishnaswamy, K., and Raghuramulu, N., Bioactive Phytochemicals with Emphasis on Dietary Practices, Indian J Med Res
108, November 1998, pp.167-181を参照されたい)。
【0006】
報告によると、緑茶は、ヒトにおいて紙巻きタバコの煙が誘発する突然変異に対し化学的予防作用を有する(Lee I. P., Kim Y. H., Kang M. H., Roberts C., Shim J. S., and Roh J. K., Chemopreventive Effects of Green Tea (Camellia sinensis) Against Cigarette Smoke-Induced Mutations (SCE) in Humans, Journal of Cellular Biochemistry Supplement 27: 68-75 (1997)を参照されたい)。紙巻きタバコの喫煙により誘発され
る酸化的損傷に対する緑茶摂取の作用の説明には、例えば、Klaunig J. E., Xu Y., Han C., Kamendulis L. M., Chen J., Heiser C., Gordon M. S., and Mohler III E. R., The Effect of Tea Consumption on Oxidative Stress in Smokers and Nonsmokers, Antioxidant Effects of Tea, pp.249-254を参照されたい。環境中のタバコの煙に対する緑茶
の水抽出物の抗染色体異常誘発活性の説明には、例えば、Renqing Z., Zhou Y., Chen D., Shenben L., and Haug A., Effects of Soaking Temperature and Soaking Time During Preparation of Water Extract of Tea on Anticlastogenicity Against Environmental Tobacco Smoke in Sister-Chromatid Exchange Assay, Toxicology Letters 115 (2000) 23-32を参照されたい。さらに、緑茶はがんの化学的予防作用を示すことが報告されて
いる(Katiyar K. S., Agarwal R., Zaim M. T., and Mukhtar H., Protection Against N-nitrosodiethylamine and Benzo [alpha] pyrene-induced Forestomach and Lung Tumorigenesis in A/J Mice by Green Tea, Carcinogenesis, vol.14, no.5, pp.849-855 (1993); Suganuma M., Okabe S., Kai Y., Sueoka N., Sueoka E., and Fujiki, H., Synergistic Effects of (-)-Epigallocatechin Gallate with (-)-Epicatechin, Sulindac, or
Tamoxifen on Cancer-Preventive Activity in the Human Lung Cancer Cell Line PC-9, Cancer Research 59, 44-47, January 1, 1999を参照されたい)。
【0007】
ローズマリー抽出物の特定のガレヌス製剤を含む紙巻きタバコフィルターは、煙に含まれるフリーラジカルの減少に有効であると報告されている(I. Emani, C. Rolando, M. Rojas, K. Alexandrov, H. Scherf, and H. Bartsch: A Rosemary Cigarette Filter May Reduce Tobacco-Linked Cancer, Biosyntech Chemopreventive Filter-Coresta, pp.3-10, October 2000を参照されたい)。
【0008】
パセリの葉オイルの揮発性芳香成分であるミリスチシンは、可能性のあるがんの化学的予防作用剤であると報告されている(Zheng G., Kenney P. M., Zhang J., and Lam L. K. T., Inhibition of Benzo [alpha] pyrene-induced Tumorigenesis by Myristicin, a Volatile Aroma Constituent of Parsley Leaf Oil, Carcinogenesis, Vol.13, no.10, p
p.1921-1923 (1992)を参照されたい)。
【0009】
したがって、ヒトにおいて煙の解毒に天然の成分を使用することは公知である。しかしながら、天然成分の組成物を使用した煙の解毒活性を改善する必要性がある。
発明の概要
本発明の1態様は、有効量のウコンの超臨界抽出物及び水アルコール抽出物から調製される組成物を使用することにより、ヒトにおいて煙を解毒する方法を提供するものである。
【0010】
発明の詳細な説明
本発明の1態様は、ヒトにおいて煙を解毒する組成物を提供するものである。組成物は、有効量のウコンの超臨界抽出物及び水アルコール抽出物を含むことができる。また、組成物は有効量の(A)ショウガの超臨界抽出物及び水アルコール抽出物、(B)ローズマリー、パセリの種子、ペパーミント及びクローブの超臨界抽出物、(C)ローズマリー、パセリの葉、ペパーミント及びクローブの水アルコール抽出物、並びに(D)緑茶の水抽出物を含んでいてもよい。本発明の組成物は、例えば、超臨界抽出/水アルコール抽出の2重のプロセスで調製されるウコン抽出物を含むため、公知の組成物に比べて、改善された煙解毒性を示すことができる。一方、公知の組成物は、単に超臨界抽出プロセス又は水アルコール抽出プロセスのうち1つだけで調製されたウコン抽出物を含むにすぎない。
【0011】
他の態様は、例えば、タバコ又は他の不完全燃焼した炭化水素源に由来する煙の形状に関連した毒素に(直接的又は間接的に)曝露されたヒトに、有効量の組成物を治療的に有効な期間、(経口的に)投与することを含む、ヒトにおいて煙を解毒するための方法を提供する。組成物それ自体は、ヒトにおいて煙を解毒するために十分な期間投与してもよい。
【0012】
(ハーブ)組成物(不活性成分を除く)は、少なくとも約350mg、又は375〜2000mgの1日投与量で経口的に投与することができる。組成物が不活性成分を含む場合、組成物の活性成分(例えば、ハーブ抽出物)は、経口投与される組成物に従来使用される量を含むことができる。組成物は1日を基準にして、例えば、少なくとも4週間投与することができる。経口投与は、組成物を例えば水と共に摂取することにより行ってもよい。経口投与される組成物は、例えば、(硬及び/又は軟)カプセル剤、錠剤、エリキシル剤、粉末剤、顆粒剤、水性もしくは非水性媒体中の懸濁剤、小袋(sachet)などを含む従来の形状であってもよい。また、経口投与される組成物は、1つ以上の軟ゲルカプセル剤の形状であってもよい。
【0013】
「煙の解毒」という用語の意味は、ヒトにおいて上昇した変異誘発物質及びフィブリノーゲンのレベルの低下を含む。そのような物質の上昇したレベルは、例えばタバコ、炭化水素燃焼、焦げた肉などに由来する煙にヒトが直接的又は間接的に曝露されることにより生じ得る。
【0014】
ウコン抽出物は、「全範囲」のハーブ抽出物であってもよく、その結果、抽出物がクルクミン、並びにオイル及び改善された煙解毒活性を提供する他の成分を含んでいてもよい。ウコン抽出物それ自体は、活性クルクミノイド画分だけでなく、天然に存在するタンパク質抗酸化因子及びツルメロンのような有益な精油成分を含んでいてもよい。しかしながら、従来のウコン抽出物は溶媒抽出(例えば、アセトン又はメチレンクロリドを使用して)により、1成分、特に1種以上のクルクミノイドをただ単離することにより調製される。
【0015】
また、ウコン抽出物は植物の親油性画分の超臨界抽出物及び植物の親水性画分の水アル
コール抽出物を含んでいてもよい。従来の抽出では、抽出プロセスにおいて親油性成分が溶媒、酸素及び/又は熱ストレスにより分解されるが、超臨界抽出を使用すると分解が妨げられる。したがって親油性成分を最も純粋で最も濃縮された形状において使用することができる。ウコン抽出物それ自体は、消費者が最も完全な形状でウコンの治癒性及び解毒性を経験する機会を与える。
【0016】
ウコン抽出物は独特の捕捉能及び調節能を有し、それはとりわけ緑茶の水抽出物と組み合わせると相乗作用を示すことができる。緑茶の水抽出物自体は、公知の変異誘発物質に関して有意な保護活性を示す。ペパーミント及びクローブの抽出物も紙巻きタバコ及び他の煙の変異誘発性の阻害剤である。ローズマリー及びパセリの葉の抽出物は、(第2相)解毒活性を促進し、組成物の効力を高める。ショウガ抽出物はベンゾピレン及びトリプトファン熱分解生成物の両方に対して活性を有し、組成物の生物学的利用能を高める。
【0017】
ウコンの超臨界抽出物及び超臨界抽出後の水アルコール抽出物は以下のように調製することができる。ウコンの根は熱感受性成分を保護するために低温で粉砕してもよく、超臨界抽出をして以下のものを得てもよい:(i)分解しやすい親油性(例えば、油溶性/非極性)成分を含むオイル抽出物(以後、「超臨界ウコン抽出物」と呼ぶ)及び(ii)オイルフリー残渣。超臨界ウコン抽出物を得るために使用することができる好適な超臨界抽出プロセスは、例えば、本明細書に援用されるE. Stahl, K. W. Quirin, D. Gerard: Dense Gases for Extraction and Refining, Springer Verlag 1988に開示されている。
【0018】
約25〜33キログラムの粗ウコンは1キログラムのオイル抽出物を産生できることが見いだされている。オイルフリー残渣はその後、60〜80部のアルコール及び40〜20部の水で構成される水/アルコール(例えば水/エタノール)混合物で抽出してもよい。水/アルコール混合物中でオイルフリー残渣を抽出すると、水溶性成分及びクルクミノイド(例えば、全範囲のクルクミノイド)を含む、広範囲の極性成分を生じる。水/アルコール液をその後留去して、粉末抽出物残渣としてもよい(以後、「(超臨界抽出後)水アルコールウコン抽出物」と呼ぶ)。約6キログラムのオイルフリーウコン残渣は約1キログラムの超臨界抽出後水アルコールウコン抽出物を産生できることが見いだされている。超臨界抽出後水アルコール抽出物は、約3.0〜6.0部の超臨界抽出後水アルコール抽出物対1部の超臨界ウコン抽出物の重量比で、超臨界ウコン抽出物と合わせるか又は混合してもよい。超臨界抽出後水アルコール抽出物及び超臨界抽出物は、約5.3部の超臨界抽出後水アルコール抽出物対1部の超臨界ウコン抽出物の重量比で合わせてもよい。得られた組成物が好適な重量比の超臨界ウコン抽出物及び超臨界抽出後水アルコールウコン抽出物を含む限り、超臨界ウコン抽出物及び超臨界抽出後水アルコールウコン抽出物を他の抽出物に別々に添加し、それらと合わせてもよい。
【0019】
ショウガの超臨界抽出物及び超臨界抽出後水アルコール抽出物は、ウコンの超臨界抽出物及び超臨界抽出後水アルコール抽出物を調製するための手順を使用して調製することができる。超臨界ショウガ抽出物及び超臨界抽出後水アルコールショウガ抽出物を合わせ、その後他のハーブ抽出物に添加してもよい。得られた組成物は超臨界抽出後水アルコールショウガ抽出物及び超臨界ショウガ抽出物を含んでいてもよく、それらの両方を約4.4部の超臨界抽出後水アルコール抽出物対1部の超臨界抽出物の重量比で合わせてもよい。
【0020】
さらに、クローブ、ペパーミント、パセリの種子及びローズマリーの超臨界抽出物は、ウコン及びショウガの超臨界抽出物を調製するための手順を使用して製造してもよい。クローブ、ペパーミント、パセリの葉及びローズマリーの各水アルコール抽出物は、60〜80部のアルコール及び40〜20部の水で構成される水/アルコール(例えば水/エタノール)混合物中で植物の部分を抽出することにより調製することができる。水/アルコール液をその後留去して、粉末抽出物残渣としてもよい。クローブ、ペパーミント、パセ
リ及びローズマリーのそれぞれに関して、超臨界抽出物及び水アルコール抽出物を合わせ、その後他のハーブ抽出物に添加してもよく、又は超臨界抽出物及び水アルコール抽出物を別々に添加して、組成物中で使用される他のハーブ抽出物と混ぜてもよい。
【0021】
組成物は:(i)水アルコールローズマリー抽出物と超臨界ローズマリー抽出物を重量比約1.75:1〜約2.25:1又は約2:1で;(ii)水アルコールパセリ葉抽出物と超臨界パセリ種子抽出物を重量比約1.75:1〜約2.25:1又は約2:1で;(iii)超臨界抽出後水アルコールショウガ抽出物と超臨界ショウガ抽出物を重量比約4:1〜約6:1又は約4.4:1で;(iv)水アルコールペパーミント抽出物と超臨界ペパーミント抽出物を重量比約1.75:1〜約2.25:1又は約2:1で;及び/又は(v)水アルコールクローブ抽出物と超臨界クローブ抽出物を重量比約1.75:1〜約2.25:1又は約2:1で含んでいてもよい。上記のように、超臨界抽出後水アルコールウコン抽出物及び超臨界ウコン抽出物は、約3〜6部の超臨界抽出後水アルコールウコン抽出物対1部の超臨界抽出物、又は約5.3部の超臨界抽出後水アルコール抽出物対1部の超臨界抽出物の重量比で合わせてもよい。
【0022】
緑茶の水抽出物は(i)約10〜60分間、例えば80℃以下の温度で乾燥した緑茶の葉を水に浸漬し、(ii)浸漬した葉を濾過して水抽出物を得、そして(iii)抽出物を乾燥して(乾燥した)固体材料を得ることにより調製してもよい。そのような抽出プロセスは、例えば、本明細書に援用されるR. Zhou et al., Toxicology Letters 115 (2000) 23-32に記載されている。緑茶の水抽出物を得るための他の好適なプロセスは、例えば
、本明細書に援用されるS. K. Katiyar et al., Carcinogenesis, vol.14, no.5, pp.849-855 (1993)に記載されている。
【0023】
組成物は、(i)ウコン、ローズマリー、パセリ、ショウガ、ペパーミント及びクローブの抽出物と(ii)緑茶の抽出物を、約1:1〜約2:1又は約1.5:1の重量比で含んでいてもよい。
【0024】
また、組成物は、上記各抽出物の有効量(例えば、煙解毒性を示す組成物を生じる一定量)を含んでいてもよい。組成物は、例えば、(i)約45〜55重量%又は約50重量%の超臨界抽出後水アルコールウコン抽出物及び超臨界ウコン抽出物(ここで、超臨界抽出後水アルコールウコン抽出物及び超臨界ウコン抽出物は、互いに適切な重量比で存在することができる)(上記参照);(ii)約1.5〜2.5重量%又は約2.0重量%の超臨界ローズマリー抽出物及び水アルコールローズマリー抽出物;(iii)約1.5〜2.5重量%又は約2.0重量%の超臨界パセリ種子抽出物及び水アルコールパセリ葉抽出物;(iv)約1.5〜2.5重量%又は約2.0重量%の超臨界抽出後水アルコールショウガ抽出物及び超臨界ショウガ抽出物(ここで、超臨界抽出後水アルコールショウガ抽出物及び超臨界ショウガ抽出物は、互いに適切な重量比で存在することができる)(上記参照);(v)約1.5〜2.5重量%又は約2.0重量%の超臨界ペパーミント抽出物及び水アルコールペパーミント抽出物;(vi)約1.5〜2.5重量%又は約2.0重量%の超臨界クローブ抽出物及び水アルコールクローブ抽出物;並びに(vii)約35〜45重量%又は約40重量%の緑茶の水抽出物を含んでいてもよい。
【0025】
さらに、ウコンの超臨界抽出物は、約43〜47%又は約45%のツルメロンを含んでいてもよい。ウコンの超臨界抽出後水アルコール抽出物は、最低約11%又は約11〜15%のクルクミノイドを含んでいてもよい。ショウガの超臨界抽出物は、約28〜32%の辛味化合物及び約6〜10%のジンギベレン、又は約30%の辛味化合物及び約8%のジンギベレンを含んでいてもよい。ショウガの超臨界抽出後水アルコール抽出物は、約1〜5%又は約3%の辛味化合物を含んでいてもよい。緑茶の水抽出物は、約43〜47%又は約45%のポリフェノールを含んでいてもよい。クローブの超臨界抽出物は、約63
〜67%又は約65%のオイゲノールを含んでいてもよい。パセリの種子の超臨界抽出物は、約23〜27%又は約25%のミリスチシンを含んでいてもよい。ペパーミントの超臨界抽出物は、約33〜37%又は約35%のメントールを含んでいてもよい。ローズマリーの超臨界抽出物は、約21〜25%又は約23%のフェノール系酸化防止剤を含んでいてもよい。ローズマリーの水アルコール抽出物は、約21〜25%又は約23%のフェノール系酸化防止剤を含んでいてもよい。
【0026】
組成物は、例えば、1種以上の医薬的に許容できる:不活性賦形剤、担体、希釈剤、潤滑剤、アジュバント及び潤滑剤のような、医薬的に許容できる担体を含んでいてもよい。例えば、不活性賦形剤、担体、希釈剤、潤滑剤及びアジュバントは以下のものを含んでいてもよい:セルロース、置換セルロース、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、デンプン、乳糖、変性食品デンプン、グルコース、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、グリセリン、植物油、ポリソルベート、レシチン、二酸化ケイ素、食品光沢剤、タルク、クロスカルメロースナトリウム、ポビドン、水及びゼラチン。(活性成分)組成物は、例えば、本明細書に(関連部分のみ)援用されるHandbook of Food Additives(CRC Press)に開示されるような、付加的な不活性賦形剤、担
体、希釈剤、潤滑剤及びアジュバントを含んでいてもよい。医薬的に許容できる担体は、例えば、経口投与用組成物に従来使用される量を含むことができる。
【0027】
以下の表は代表的な組成物であり(不活性成分を除く)、かかる組成物は例えばヒトに経口投与することができる。表に示した量は、記載された成分の1日投与量を表す。
【0028】
【表1】

【0029】
表に示す組成物は、例えばオリーブ油(エキストラバージン)、マルトデキストリン及び黄色ミツロウのような不活性成分を含んでいてもよい。カプセル状組成物は、さらにゼラチン、植物グリセリン、精製水及びイナゴマメを含んでいてもよい。上の表に示した組成物は1つの軟ゲルカプセルの形状であってもよく、記載された量は組成物の単回服用量又は単位服用量を構成する。カプセルは、8オンスの水又は他の液体を使用して投与することができる。さらに、例えば(より)高レベルの煙に曝された場合、2種以上のカプセルの組成物を毎日摂取してもよい。
【0030】
上記態様は当業者が本発明を調製又は使用できるように提供される。これらの態様は種々の改変が可能であり、本明細書に提示された一般的な原則は他の態様にも同様に適用することができる。本発明それ自体は、上記態様及び/又は特定形態の構造又は組成物に限
定されることを意図するものではなく、むしろ本明細書において任意の様式で開示された原則及び新規特徴と一致した、もっとも広い範囲を容認するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウコンの超臨界抽出物及び水アルコール抽出物を含む、ヒトにおいて煙を解毒するための組成物。
【請求項2】
水アルコール抽出物対超臨界抽出物の重量比が、水アルコール抽出物約3.0〜6.0部に対して、超臨界抽出物1部の割合である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
クルクミノイド、酸化防止剤及びツルメロンのうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
ウコンの超臨界抽出物が約43〜47%のツルメロンを含み、ウコンの水アルコール抽出物が約11〜15%のクルクミノイドを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
緑茶の水抽出物をさらに含む組成物であって、ウコンの超臨界抽出物及び水アルコール抽出物のうち少なくとも1つが、緑茶の水抽出物との組み合わせにおいて相乗的に作用する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
煙の毒素に曝されたヒトに有効量の組成物を治療的に有効な期間経口投与する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
煙の毒素に曝されたヒトにおいて、変異誘発物質及びフィブリノーゲンの上昇したレベルを低下させるために使用される、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
ウコン及びショウガの超臨界抽出物及び水アルコール抽出物;
ローズマリー、パセリの種子、ペパーミント及びクローブの超臨界抽出物;
ローズマリー、パセリの葉、ペパーミント及びクローブの水アルコール抽出物;並びに
緑茶の水抽出物、
を含む、ヒトにおいて煙を解毒するための組成物。
【請求項9】
ウコンの水アルコール抽出物とウコンの超臨界抽出物の重量比が、水アルコール抽出物約3.0〜6.0部に対して超臨界抽出物1部の割合である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
ショウガの水アルコール抽出物とショウガの超臨界抽出物の重量比が、水アルコール抽出物約4.4部に対して超臨界抽出物1部の割合である、請求項8に記載の組成物。
【請求項11】
(i)ローズマリーの水アルコール抽出物とローズマリーの超臨界抽出物の重量比が約1.75:1〜2.25:1;(ii)パセリの葉の水アルコール抽出物とパセリの種子の超臨界抽出物の重量比が約1.75:1〜2.25:1;(iii)ショウガの水アルコール抽出物とショウガの超臨界抽出物の重量比が約4:1〜6:1;(iv)ペパーミントの水アルコール抽出物とペパーミントの超臨界抽出物の重量比が約1.75:1〜2.25:1(v)クローブの水アルコール抽出物とクローブの超臨界抽出物の重量比が約1.75:1〜2.25:1、並びに(vi)ウコン、ローズマリー、パセリ、ショウガ、ペパーミント及びクローブの抽出物と緑茶の抽出物の重量比が約1:1〜2:1である、請求項8に記載の組成物。
【請求項12】
(i)約45〜55重量%のウコンの水アルコール抽出物及び超臨界抽出物;(ii)約1.5〜2.5重量%のローズマリーの超臨界抽出物及び水アルコール抽出物;(iii)約1.5〜2.5重量%のパセリの種子の超臨界抽出物及びパセリの葉の水アルコール抽出物;(iv)約1.5〜2.5重量%のショウガの水アルコール抽出物及び超臨界抽出物;(v)約1.5〜2.5重量%のペパーミントの超臨界抽出物及び水アルコール抽出物;(vi)約1.5〜2.5重量%のクローブの超臨界抽出物及び水アルコール抽出物;並びに(vii)約35〜45重量%の緑茶の水抽出物を含む、請求項8に記載の組成物。

【公開番号】特開2010−47593(P2010−47593A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−240487(P2009−240487)
【出願日】平成21年10月19日(2009.10.19)
【分割の表示】特願2002−563787(P2002−563787)の分割
【原出願日】平成14年1月30日(2002.1.30)
【出願人】(503289425)ニュー・チャプター・インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】