説明

照光ユニット、コネクタおよびインジケータパネル並びに車両

【課題】簡単な回路構成であると共に電源電圧の相違によって輝度が変化することのない異なる電圧で動作が可能な照光ユニットを提供すること。
【解決手段】発光ダイオード30のカソード側に接続される端子11と、発光ダイオード30のアノード側に一端が接続される抵抗器31と、抵抗器31の他端に接続される端子12と、抵抗器31の他端および端子12に一端が接続される抵抗器32と、抵抗器32の他端に接続される端子13と、を有する照光ユニット10を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照光ユニット、コネクタおよびインジケータパネル並びに車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の運転室には、様々なインジケータ類またはスイッチ類が備えられている。これらのインジケータ類またはスイッチ類は、夜間でも視認性が良いように、内部に光源が設けられた照光ユニットとして構成されている。
【0003】
一方、自動車のバッテリは、乗用車では、一般的に、DC12V(直流12ボルト)であり、トラックやバスなどの商用車では、一般的に、DC24V(直流24ボルト)である。そこで、乗用車と商用車とで同一の照光ユニットを共用する場合、DC12VおよびDC24Vの双方で動作可能であることが要求される。この要求を満たすために、たとえば特許文献1では、電源電圧に応じて2つのランプの直列接続と並列接続とを切り換えられるようになっている。
【0004】
この特許文献1では、電源電圧がDC12Vのときには、2つのランプを並列接続し、電源電圧がDC24Vのときには、2つのランプを直列接続する。これにより電源電圧がDC12Vのときには、照光ユニットはランプ1個分の抵抗値を呈するのに対し、電源電圧がDC24Vのときには、照光ユニットはランプ2個分の抵抗値を呈することになるので、異なる電源電圧に対応することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−299181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1の照光ユニットでは、電源電圧の検出回路および2つのランプの直列接続と並列接続との切り換え回路など、複雑な回路構成を必要とする。さらに、2つのランプの直列接続と並列接続とを切り換える方式では、直列接続の際にランプに流れる電流値と並列接続の際にランプに流れる電流値とでは電流値が異なり、ランプの明るさに差異が生じる。これによれば設計者は、同じ照光ユニットでありながら電源電圧に応じて輝度の計算を変更する必要があり、設計に手間を要すると共に、設計の誤りを生じ易くなる。
【0007】
本発明は、このような背景の下に行われたものであって、簡単な回路構成であり電源電圧の相違によって輝度が変化することのない異なる電圧で動作が可能な照光ユニットを提供することを目的とし、さらに、この照光ユニットに係るコネクタおよびインジケータパネル並びに車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの観点は、照光ユニットとしての観点である。本発明の照光ユニットは、車両の運転室に備えられたインジケータパネル上に配置され、スイッチの種別を表す文字または数字または記号または図形が配置された夜間照光部と、夜間照光部の表示を照光する夜間照光用発光素子と、を有する照光ユニットにおいて、夜間照光用発光素子の一方の電極に接続される第一の端子と、夜間照光用発光素子の他方の電極に一端が接続される第一の抵抗器と、第一の抵抗器の他端に接続される第二の端子と、第一の抵抗器の他端および第二の端子に一端が接続される第二の抵抗器と、第二の抵抗器の他端に接続される第三の端子と、を有するものである。
【0009】
本発明の別の照光ユニットは、車両の運転室に備えられたインジケータパネル上に配置され、スイッチと、スイッチの種別を表す文字または数字または記号または図形が配置された夜間照光部と、夜間照光部の表示を照光する夜間照光用発光素子と、スイッチの開閉の状態を表示するインジケータ部と、インジケータ部の表示を照光するインジケータ用発光素子と、を有する照光ユニットにおいて、夜間照光用発光素子の一方の電極に接続される第一の端子と、夜間照光用発光素子の他方の電極に一端が接続される第一の抵抗器と、第一の抵抗器の他端に接続される第二の端子と、第一の抵抗器の他端および第二の端子に一端が接続される第二の抵抗器と、第二の抵抗器の他端に接続される第三の端子と、を有し、スイッチの一方の端子にはインジケータ用発光素子の一方の電極が接続され、インジケータ用発光素子の他方の電極に一端が接続される第三の抵抗器と、第三の抵抗器の他端に接続される第四の端子と、第三の抵抗器の他端および第四の端子に一端が接続される第四の抵抗器と、スイッチの他方の端子に接続される第五の端子と、第四の抵抗器の他端に接続される第六の端子と、を有するものである。
【0010】
本発明のさらに別の照光ユニットは、車両の運転室に備えられたインジケータパネル上に配置され、スイッチと、スイッチの開閉の状態を表示するインジケータ部と、インジケータ部の表示を照光するインジケータ用発光素子と、を有する照光ユニットにおいて、スイッチの一方の端子にはインジケータ用発光素子の一方の電極が接続され、インジケータ用発光素子の他方の電極に一端が接続される第三の抵抗器と、第三の抵抗器の他端に接続される第四の端子と、第三の抵抗器の他端および第四の端子に一端が接続される第四の抵抗器と、スイッチの他方の端子に接続される第五の端子と、第四の抵抗器の他端に接続される第六の端子と、を有するものである。
【0011】
本発明のさらに別の照光ユニットは、車両の運転室に備えられたインジケータパネル上に配置され、スイッチの種別を表す文字または数字または記号または図形が配置された夜間照光部と、夜間照光部の表示を照光する夜間照光用発光素子と、を有する照光ユニットにおいて、夜間照光用発光素子の一方の電極に接続される第一の端子と、夜間照光用発光素子の他方の電極に一端が接続される第五の抵抗器と、第五の抵抗器の他端に接続される第二の端子と、夜間照光用発光素子の他方の電極および第五の抵抗器の一端に一端が接続される第六の抵抗器と、第六の抵抗器の他端に接続される第三の端子と、を有するものである。
【0012】
本発明のさらに別の照光ユニットは、車両の運転室に備えられたインジケータパネル上に配置され、スイッチと、スイッチの種別を表す文字または数字または記号または図形が配置された夜間照光部と、夜間照光部の表示を照光する夜間照光用発光素子と、スイッチの開閉の状態を表示するインジケータ部と、インジケータ部の表示を照光するインジケータ用発光素子と、を有する照光ユニットにおいて、夜間照光用発光素子の一方の電極に接続される第一の端子と、夜間照光用発光素子の他方の電極に一端が接続される第五の抵抗器と、第五の抵抗器の他端に接続される第二の端子と、夜間照光用発光素子の他方の電極および第五の抵抗器の一端に一端が接続される第六の抵抗器と、第六の抵抗器の他端に接続される第三の端子と、を有し、スイッチの一方の端子にはインジケータ用発光素子の一方の電極が接続され、インジケータ用発光素子の他方の電極に一端が接続される第七の抵抗器と、第七の抵抗器の他端に接続される第四の端子と、インジケータ用発光素子の他方の電極および第七の抵抗器の一端に一端が接続される第八の抵抗器と、スイッチの他方の端子に接続される第五の端子と、第八の抵抗器の他端に接続される第六の端子と、を有するものである。
【0013】
本発明のさらに別の照光ユニットは、車両の運転室に備えられたインジケータパネル上に配置され、スイッチと、スイッチの開閉の状態を表示するインジケータ部と、インジケータ部の表示を照光するインジケータ用発光素子と、を有する照光ユニットにおいて、スイッチの一方の端子にはインジケータ用発光素子の一方の電極が接続され、インジケータ用発光素子の他方の電極に一端が接続される第七の抵抗器と、第七の抵抗器の他端に接続される第四の端子と、インジケータ用発光素子の他方の電極および第七の抵抗器の一端に一端が接続される第八の抵抗器と、スイッチの他方の端子に接続される第五の端子と、第八の抵抗器の他端に接続される第六の端子と、を有するものである。
【0014】
また、本発明のこれらの照光ユニットでは、夜間照光用発光素子またはインジケータ用発光素子は、並列に接続された複数の発光ダイオードを有することもできる。
【0015】
本発明の他の観点は、コネクタとしての観点である。本発明のコネクタは、車両の運転室に備えられたインジケータパネル上に配置され、スイッチと、スイッチの種別を表す文字または数字または記号または図形が配置された夜間照光部と、夜間照光部の表示を照光する夜間照光用発光素子と、を有する照光ユニットに電源を供給するコネクタにおいて、電源の電圧が第一の電圧値であるときには、第一および第二の端子と着脱自在の接触子が構成され、電源の電圧が第二の電圧値であるときには、第一および第三の端子と着脱自在の接触子が構成されるものである。
【0016】
本発明の別のコネクタは、車両の運転室に備えられたインジケータパネル上に配置され、スイッチと、スイッチの種別を表す文字または数字または記号または図形が配置された夜間照光部と、夜間照光部の表示を照光する夜間照光用発光素子と、スイッチの開閉の状態を表示するインジケータ部と、インジケータ部の表示を照光するインジケータ用発光素子と、を有する照光ユニットに電源を供給するコネクタにおいて、電源の電圧が第一の電圧値であるときには、第一の端子、第二の端子、第四の端子、および第五の端子と着脱自在の接触子が構成され、電源の電圧が第二の電圧値であるときには、第一の端子、第三の端子、第五の端子、および第六の端子と着脱自在の接触子が構成されるものである。
【0017】
本発明の別のコネクタは、車両の運転室に備えられたインジケータパネル上に配置され、スイッチと、スイッチの開閉の状態を表示するインジケータ部と、インジケータ部の表示を照光するインジケータ用発光素子と、を有する照光ユニットに電源を供給するコネクタにおいて、電源の電圧が第一の電圧値であるときには、第四の端子、および第五の端子と着脱自在の接触子が構成され、電源の電圧が第二の電圧値であるときには、第五の端子、および第六の端子と着脱自在の接触子が構成されるものである。
【0018】
本発明のさらに他の観点は、インジケータパネルとしての観点である。本発明のインジケータパネルは、本発明の照光ユニットと、照光ユニットが嵌め込まれる開口部と、開口部に照光ユニットが嵌め込まれた状態で照光ユニットの端子に接触子が接触するように配設される本発明のコネクタと、を有するものである。
【0019】
本発明のさらに他の観点は、車両としての観点である。本発明の車両は、本発明のインジケータパネルを有するものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、簡単な回路構成であり電源電圧の相違によって輝度が変化することのない異なる電圧で動作が可能な照光ユニットを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態のインジケータパネルを正面から見た図である。
【図2】図1のインジケータパネルを側面から見た図である。
【図3】DC12Vで使用する際の本発明の第一の実施の形態の照光ユニットを側面から見た状態を示す図である。
【図4】DC24Vで使用する際の本発明の第一の実施の形態の照光ユニットを側面から見た状態を示す図である。
【図5】本発明の第一の実施の形態の照光ユニットの内部構成および内部結線状態を示す図である。
【図6】DC12Vで使用する際の本発明の第一の実施の形態のコネクタを側面から見た状態を示す図である。
【図7】DC24Vで使用する際の本発明の第一の実施の形態のコネクタを側面から見た状態を示す図である。
【図8】DC12Vで使用する際の本発明の第二の実施の形態の照光ユニットを側面から見た状態を示す図である。
【図9】DC24Vで使用する際の本発明の第二の実施の形態の照光ユニットを側面から見た状態を示す図である。
【図10】本発明の第二の実施の形態の照光ユニットの内部構成および内部結線状態を示す図である。
【図11】DC12Vで使用する際の本発明の第二の実施の形態のコネクタを側面から見た状態を示す図である。
【図12】DC24Vで使用する際の本発明の第二の実施の形態のコネクタを側面から見た状態を示す図である。
【図13】本発明の第三の実施の形態の照光ユニットの内部構成および内部結線状態を示す図である。
【図14】本発明の第四の実施の形態の照光ユニットの内部構成および内部結線状態を示す図である。
【図15】本発明の第五の実施の形態の照光ユニットの内部構成および内部結線状態を示す図である。
【図16】本発明の第六の実施の形態の照光ユニットの内部構成および内部結線状態を示す図である。
【図17】本発明のその他の実施の形態のインジケータ部およびスイッチを有さない照光ユニットの内部構成および内部結線状態を示す図である。
【図18】本発明のその他の実施の形態の発光ユニットの内部構成および内部結線状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(概要)
本発明の実施の形態のインジケータパネル1およびこれを構成する照光ユニット10,10A,10B,10C,10D,10Eおよびコネクタ20,20A,20B,20Cの概要について、図1および図2を参照しながら説明する。ここで、照光ユニット10およびコネクタ20,20Aは、後述する第一の実施の形態に適用され、照光ユニット10Aおよびコネクタ20B,20Cは、後述する第二の実施の形態に適用され、照光ユニット10Bおよびコネクタ20,20Aは、後述する第三の実施の形態に適用され、照光ユニット10Cおよびコネクタ20B,20Cは、後述する第四の実施の形態に適用され、照光ユニット10Dは、後述する第五の実施の形態に適用され、照光ユニット10Eは、後述する第六の実施の形態に適用される。
【0023】
インジケータパネル1は、図1および図2に示すように、パネル2、照光ユニット10,10A,10B,10C,10D,10E、コネクタ20,20A,20B,20Cから構成される。パネル2には、照光ユニット10,10A,10B,10C,10D,10Eが嵌め込まれる開口部5が設けられている。コネクタ20,20A,20B,20Cは、開口部5に照光ユニット10,10A,10B,10C,10D,10Eが嵌め込まれると、後述する照光ユニット10,10A,10B,10C,10D,10Eの端子11〜16とコネクタ20,20A,20B,20Cの接触子21〜26とが接触する位置に固定的に配設されている。
【0024】
照光ユニット10,10A,10B,10C,10D,10Eは、車両(不図示)の運転室内などに設置され、運転者が操作するスイッチとして用いられる。照光ユニット10,10A,10B,10Cは、スイッチの種別を表す文字または数字または記号または図形の表示を照光する夜間照光部4を有する。また、照光ユニット10A,10Cは、夜間照光部4の機能に加え、スイッチの開閉の状態を表示するインジケータ部3をさらに有する。照光ユニット10D,10Eは、インジケータ部3のみを有する。
【0025】
図1の右側の照光ユニット10A,10Cは、窓の曇りを除去するデフォッガのスイッチとして用いられている。この場合、照光ユニット10A,10Cの表示面にはデフォッガを表す図形が描かれている。この図形は、夜間照光部4によって照光される位置に描かれており、たとえば運転者が車両のライトを点灯または消灯させることによって夜間照光部4の位置に描かれている図形も照光または消光する。また、運転者がこの図形が描かれている面を指などで押圧するとデフォッガがON状態になる。デフォッガがON状態のときに、インジケータ部3が照光される。再度、運転者が、図形が描かれている面を指などで押圧するとデフォッガがOFF状態になり、インジケータ部3も消光する。
【0026】
また、図1の中央の照光ユニット10,10Bは、ハザードランプのスイッチとして用いられている。この場合、照光ユニット10,10Bの表示面にはハザードを表す図形が描かれている。この図形は、夜間照光部4によって照光される位置に描かれており、運転者が車両のライトを点灯または消灯させることによって夜間照光部4の位置に描かれている図形も照光または消光する。運転者がこの図形が描かれている面を指などで押圧するとハザードランプが点滅を開始する。再度、運転者が、図形が描かれている面を指などで押圧するとハザードランプが点滅を終了する。なお、ハザードランプの点滅の状態は、方向指示器の表示ランプ(不図示)などによって確認できるので、照光ユニット10,10B自体にはインジケータ部3を必要としない。このように、照光ユニット10,10Bは、インジケータ部3を必要としない用途に適用される。
【0027】
図1の左側の照光ユニット10D,10Eは、DPR(ディーゼル・パティキュレート・リダクション)のスイッチとして用いられている。DPRとは、排気ガスに含まれるパティキュレートを除去するためのフィルタを再生処理することであり、DPRのスイッチをON状態にするとエンジンを高負荷で運転させてフィルタ内部の温度を上昇させるなどの制御が実施される。この場合、照光ユニット10D,10Eの表示面にはDPRの文字が描かれている。DPRのスイッチは、他のスイッチに比べると使用頻度はきわめて低いので、DPRの文字を夜間照光する必要性は低く、DPRの文字は夜間照光されない。
【0028】
たとえば不図示のECU(Electric Control Unit)などがDPRの処理が必要であることを判断した際に、インジケータ部3がECUなどからの外部の信号により点滅し、運転者にDPRの処理の作動を促すウォーニングとし、運転者がこの文字が描かれている面を指などで押圧するとDPRがON状態になる。ECUは、DPRがON状態のときには、インジケータ部3が照光されるように、照光ユニット10D,10Eに電源を供給する。やがて、DPRの処理が完了すると、DPRがOFF状態になり、ECUは、照光ユニット10D,10Eへの電源の供給を停止させ、インジケータ部3は消光する。このように、照光ユニット10D,10Eは、インジケータ部3のみを必要とし、夜間照光部4を必要としない用途に適用される。
【0029】
(本発明の第一の実施の形態の照光ユニット10について)
本発明の第一の実施の形態の照光ユニット10について図3〜図7を参照して説明する。照光ユニット10は、図3および図4の側面図に示すように、後端部(図面の右側)に5つの端子11,12,13,14,および15を有し、内部に発光ダイオード30およびスイッチ40を有する。なお、発光ダイオード30およびスイッチ40の周辺回路の詳細な構成については図3および図4では記載を省略してある。これら5つの端子11,12,13,14,15のうちで端子11,12,13は、発光ダイオード30に係わるものであり、端子14,15は、スイッチ40に係わるものである。
【0030】
また、図3に示すように、照光ユニット10には、電源電圧としてDC12Vを照光ユニット10に供給するコネクタ20が接続されている。コネクタ20は、4つの接触子21,22,24,および25とハウジング29(破線部分)とを有する。これら4つの接触子21,22,24,25のうちで接触子21,22は、照光ユニット10の内部の発光ダイオード30に係わるものであり、接触子24,25は、照光ユニット10の内部のスイッチ40に係わるものである。なお、以下の説明において、端子に印加される電圧の極性の説明は省略するが、発光ダイオードのアノードに接続されている端子には、プラスの極性の電圧が印加され、発光ダイオードのカソードに接続されている端子には、マイナスの極性の電圧が印加される。
【0031】
また、図4に示すように、照光ユニット10には、電源電圧としてDC24Vを供給するコネクタ20Aが接続されている。コネクタ20Aは、4つの接触子21,23,24,および25とハウジング29とを有する。これら4つの接触子21,23,24,25のうちで接触子21,23は、照光ユニット10の内部の発光ダイオード30に係わるものであり、接触子24,25は、照光ユニット10の内部のスイッチ40に係わるものである。
【0032】
照光ユニット10は、図5の内部構成に示すように、発光ダイオード30、抵抗器31(請求項でいう第一の抵抗器)、抵抗器32(請求項でいう第二の抵抗器)、およびスイッチ(請求項でいうスイッチ)40を有する。
【0033】
発光ダイオード30は、たとえばDC5Vで発光する発光素子である。発光ダイオード30のカソード側には、端子11が接続され、発光ダイオード30のアノード側には、抵抗器31が接続される。
【0034】
抵抗器31は、その一端が発光ダイオード30のアノード側に接続されると共に、その他端が端子12および抵抗器32の一端に接続される。
【0035】
抵抗器32は、その一端が抵抗器31の他端に接続されると共に、その他端が端子13に接続される。
【0036】
スイッチ40は、その一端が端子14に接続されると共に、その他端が端子15に接続される。なお、スイッチ40は、照光ユニット10の筐体の一部に設けられた操作部(図1の図形または文字が描かれている部分)によって押圧されることにより、接点間が閉結されて端子14と端子15との間が導通する構造である。なお、上記の操作部とスイッチ40との連動機構についてはどのような構成でもよく図示および説明を省略する。
【0037】
また、スイッチ40は、操作部の押圧を解除するとスイッチ40の接点間の導通状態もほぼ同時に開放される方式(モーメンタリ形)としてもよいし、あるいは操作部の押圧を解除してもスイッチ40の接点間の導通状態は継続されたままであり、再度、操作部を押圧するとスイッチ40の接点間の導通状態が解除される方式(オルタネイト形またはロック式)としてもよい。さらに、図4の例では、スイッチ40が押圧されると接点間が閉結されるメーク形接点を図示したが、非押圧時に接点間が閉結されており押圧時に接点間が開放されるブレーク形接点であってもよい。なお、スイッチ40については以下の全ての実施の形態においても同様である。
【0038】
電源電圧がDC12Vの場合、図3に示すように、コネクタ20の接触子21,22によって、照光ユニット10の端子11,12にDC12Vが供給される。照光ユニット10の端子11,12に供給された電源電圧(DC12V)は、図5に示すように、抵抗器31を介して発光ダイオード30に供給される。このとき、抵抗器31による電圧降下によって端子11,12に印加されたDC12Vの電圧が発光ダイオード30の最適な動作電圧(たとえばDC5V)になるように抵抗器31の抵抗値が設定されている。これにより、発光ダイオード30は、照光ユニット10に供給されたDC12Vの電圧から降圧された最適な動作電圧により動作することができる。
【0039】
また、電源電圧がDC24Vの場合、図4に示すように、コネクタ20Aの接触子21,23によって、照光ユニット10の端子11,13にDC24Vが供給される。照光ユニット10の端子11,13に供給された電源電圧(DC24V)は、図5に示すように、直列に接続されている抵抗器31および抵抗器32を介して発光ダイオード30に供給される。このとき、直列に接続されている抵抗器31の抵抗値とよび抵抗器32の抵抗値との和による電圧降下によって端子11,13に印加されたDC24Vの電圧が発光ダイオード30の最適な動作電圧になるように抵抗器31の抵抗値と抵抗器32の抵抗値とが設定されている。これにより、発光ダイオード30は、照光ユニット10に供給されたDC24Vの電圧から降圧された最適な動作電圧により動作することができる。
【0040】
次に、コネクタ20の構成を図6に示し、コネクタ20Aの構成を図7に示す。コネクタ20には接触子23(破線で図示)が無く、コネクタ20Aには接触子22(破線で図示)が無い。ハウジング29は、コネクタ20,20Aの双方で共通であり、接触子21,22,23,24,25を挿入するための5つの挿入孔(不図示)が設けられている。照光ユニット10に、DC12Vを供給するコネクタ20であれば、ハウジング29における接触子23を挿入するための挿入孔を不使用とし、照光ユニット10に、DC24Vを供給するコネクタ20Aであれば、ハウジング29における接触子22を挿入するための挿入孔を不使用とする。
【0041】
(効果について)
以上説明したように、照光ユニット10は、発光ダイオード30および2つの抵抗器31,32による簡単な回路構成とし、組み立て工数またはコストを低く抑えることができる。また、照光ユニット10は、抵抗器31,32の抵抗値を適切に設定することによって、電源電圧が異なっても発光ダイオード30に印加される電圧値を一定に保つことができる。これにより照光ユニット10は、電源電圧の相違によって輝度が変化することがない。これによれば設計者は、電源電圧の相違による輝度の相違などを考慮する必要が無く、設計上の利便性を向上させることができる。
【0042】
さらに、電源電圧の相違に対応した2種類のコネクタ20,20Aを用いるので、電源電圧の相違によって、予めコネクタ20またはコネクタ20Aのいずれか一方のみを用意しておくことができる。たとえばインジケータパネル1をDC12Vのバッテリを搭載している乗用車で用いる場合、パネル2の背後に、コネクタ20を配設しておき、インジケータパネル1をDC24Vのバッテリを搭載している商用車で用いる場合、パネル2の背後に、コネクタ20Aを配設しておく。このようにすることによって、パネル2に照光ユニット10を嵌め込む工程において、作業者が電源電圧の相違を考慮して配線を異なる配線とするなどの作業が必要なく、誤接続を回避することができる。
【0043】
また、照光ユニット10をDC12VまたはDC24Vの2種類の電圧値で用いる場合、抵抗器31の抵抗値と抵抗器32の抵抗値との和は、抵抗器31の抵抗値の2倍になるので、抵抗器31の抵抗値と抵抗器32の抵抗値とを同じ値にすることができる。これにより、抵抗器31,32のための部品点数を1種類にすることができ、部品の管理を容易にすることができる。
【0044】
また、2種類のコネクタ20,20Aを用いるとはいえ、ハウジング29および接触子21〜25は、コネクタ20,20Aで共通であり、2種類分の部品点数を必要とはしないので、これらの部品の管理を容易にすることができる。すなわちDC12VとDC24Vでコネクタ20,20Aは異なるが、コネクタ20,20Aが異なっても、単に、ハウジング29に対する接触子21〜25のアッセンブリーが異なるだけであり、部品点数が増加することは無い。
【0045】
(本発明の第二の実施の形態の照光ユニット10Aについて)
本発明の第二の実施の形態の照光ユニット10Aについて図8〜図12を参照して説明する。照光ユニット10Aは、図8および図9に示すように、照光ユニット10に対し、さらにインジケータ部3が追加されたものである。このためインジケータ部3のための発光ダイオード30−1と夜間照光部4のための発光ダイオード30−2を有する。さらに、照光ユニット10の2つの端子14,15に代えて、照光ユニット10Aでは、3つの端子16,17,18を有する。同様に、コネクタ20B,20Cについても、コネクタ20,20Aの2つの接触子24,25が挿入可能であるのに代えて、コネクタ20B,20Cでは、3つの接触子26,27,28が挿入可能である。
【0046】
すなわち、図8に示すように、照光ユニット10Aには、電源電圧としてDC12Vを照光ユニット10Aに供給するコネクタ20Bが接続されている。コネクタ20Bは、4つの接触子21,22,26,および27とハウジング29A(破線部分)とを有する。これら4つの接触子21,22,26,27のうちで接触子21,22は、照光ユニット10Aの夜間照光部4の発光ダイオード30−2に係わるものであり、接触子26,27は、照光ユニット10Aのスイッチ40およびインジケータ部3の発光ダイオード30−1に係わるものである。
【0047】
また、図9に示すように、照光ユニット10Aには、電源電圧としてDC24Vを供給するコネクタ20Cが接続されている。コネクタ20Cは、4つの接触子21,23,27,および28とハウジング29Aとを有する。これら4つの接触子21,23,27,28のうちで接触子21,23は、照光ユニット10Aの夜間照光部4の発光ダイオード30−2に係わるものであり、接触子27,28は、照光ユニット10Aのスイッチ40およびインジケータ部3の発光ダイオード30−1に係わるものである。
【0048】
照光ユニット10Aは、図10の内部構成図に示すように、発光ダイオード30−1(請求項でいうインジケータ用発光素子)、発光ダイオード30−2(請求項でいう夜間照光用発光素子)、抵抗器31−1(請求項でいう第三の抵抗器)、抵抗器32−1(請求項でいう第四の抵抗器)、およびスイッチ(請求項でいうスイッチ)40を有する。
【0049】
発光ダイオード30-1,30−2は、たとえばDC5Vで発光する発光素子である。なお、発光ダイオード30−2、抵抗器31−2,32−2、端子11,12,13に関する説明は、第一の実施の形態の発光ダイオード30、抵抗器31,32に関する説明と同じなので説明を省略し、以下では、主に、発光ダイオード30−1、抵抗器31−1,32−1、端子16,17,18に関する説明を行う。
【0050】
図10に示すように、照光スイッチ10Aは、スイッチ40の一方の端子には発光ダイオード30−1のカソード側が接続され、発光素子30−1のアノード側に一端が接続される抵抗器31−1と、抵抗器31−1の他端に接続される端子16と、抵抗器31−1の他端および端子16に一端が接続される抵抗器32−1と、スイッチ40の他方の端子に接続される端子17と、抵抗器32−1の他端に接続される端子18と、を有する。
【0051】
電源電圧がDC12Vの場合、図8に示すように、コネクタ20Bの接触子21,22,26,27によって、照光ユニット10Aの端子11,12,16,17にDC12Vが供給される。照光ユニット10Aのスイッチ40が閉結されている状態(ON状態)では、端子16,17に供給された電源電圧(DC12V)は、図10に示すように、抵抗器31−1を介して発光ダイオード30−1に供給される。このとき、抵抗器31−1による電圧降下によって端子16,17に印加されたDC12Vの電圧が発光ダイオード30−1の最適な動作電圧(たとえばDC5V)になるように抵抗器31−1の抵抗値が設定されている。これにより、発光ダイオード30−1は、照光ユニット10Aに供給されたDC12Vの電圧から降圧された最適な動作電圧により動作することができる。また、スイッチ40が開放されている状態(OFF状態)では、端子16と端子17との間は、電気的に非導通状態であり、発光ダイオード30−1は動作しない。
【0052】
また、電源電圧がDC24Vの場合、図9に示すように、コネクタ20Cの接触子21,23,27,28によって、照光ユニット10Aの端子11,13,17,18にDC24Vが供給される。照光ユニット10Aのスイッチ40が閉結されている状態(ON状態)では、端子17,18に供給された電源電圧(DC24V)は、図10に示すように、抵抗器31−1,32−1を介して発光ダイオード30−1に供給される。このとき、抵抗器31−1,32−1による電圧降下によって端子17,18に印加されたDC24Vの電圧が発光ダイオード30−1の最適な動作電圧(たとえばDC5V)になるように抵抗器31−1,32−1の抵抗値が設定されている。これにより、発光ダイオード30−1は、照光ユニット10Aに供給されたDC24Vの電圧から降圧された最適な動作電圧により動作することができる。また、スイッチ40が開放されている状態(OFF状態)では、端子17と端子18との間は、電気的に非導通状態であり、発光ダイオード30−1は動作しない。
【0053】
次に、コネクタ20Bの構成を図11に示し、コネクタ20Cの構成を図12に示す。コネクタ20Bには接触子23,28(破線で図示)が無く、コネクタ20Cには接触子22,26(破線で図示)が無い。ハウジング29Aは、コネクタ20B,20Cの双方で共通であり、接触子21,22,23,26,27,28を挿入するための6つの挿入孔(不図示)が設けられている。照光ユニット10Aに、DC12Vを供給するコネクタ20Bであれば、ハウジング29Aにおける接触子23,28を挿入するための挿入孔を不使用とし、照光ユニット10Aに、DC24Vを供給するコネクタ20Cであれば、ハウジング29Aにおける接触子22,26を挿入するための挿入孔を不使用とする。
【0054】
(効果について)
以上説明したように、照光ユニット10Aは、発光ダイオード30−1,30−2および4つの抵抗器31−1,31−2,32−1,32−2による簡単な回路構成とし、組み立て工数またはコストを低く抑えることができる。また、照光ユニット10Aは、抵抗器31−1,31−2,32-1,32−2の抵抗値を適切に設定することによって、電源電圧が異なっても発光ダイオード30-1,30−2に印加される電圧値を一定に保つことができる。これにより照光ユニット10Aは、電源電圧の相違によって輝度が変化することがない。これによれば設計者は、電源電圧の相違による輝度の相違などを考慮する必要が無く、設計上の利便性を向上させることができる。
【0055】
さらに、電源電圧の相違に対応した2種類のコネクタ20B,20Cを用いるので、電源電圧の相違によって、予めコネクタ20Bまたはコネクタ20Cのいずれか一方のみを用意しておくことができる。たとえばインジケータパネル1をDC12Vのバッテリを搭載している乗用車で用いる場合、パネル2の背後に、コネクタ20Bを配設しておき、インジケータパネル1をDC24Vのバッテリを搭載している商用車で用いる場合、パネル2の背後に、コネクタ20Cを配設しておく。このようにすることによって、パネル2に照光ユニット10Aを嵌め込む工程において、作業者が電源電圧の相違を考慮して配線を異なる配線とするなどの作業が必要なく、誤接続を回避することができる。
【0056】
また、照光ユニット10AをDC12VまたはDC24Vの2種類の電圧値で用いる場合、第一の実施の形態でも説明したように、抵抗器31-1,32-1,31−2,32−2の抵抗値を全て同じ値にすることができる。これにより、抵抗器31-1,32-1,31−2,32−2のための部品点数を1種類にすることができ、部品の管理を容易にすることができる。
【0057】
また、2種類のコネクタ20B,20Cを用いるとはいえ、ハウジング29Aおよび接触子21〜23,26〜28は、コネクタ20B,20Cで共通であり、2種類分の部品点数を必要とはしないので、これらの部品の管理を容易にすることができる。
【0058】
(本発明の第三の実施の形態の照光ユニット10Bについて)
本発明の第三の実施の形態の照光ユニット10Bについて図13を参照して説明する。照光ユニット10Bでは、照光ユニット10と同じく2つの抵抗器33,34を用いるが、その結線方法および抵抗値が照光ユニット10とは異なる。
【0059】
照光ユニット10Bでは、発光ダイオード30のアノード側に2つの抵抗器33,34の一端が共に接続される。さらに、発光ダイオード30のカソード側が端子11に接続され、抵抗器33の他端が端子12に接続され、発光ダイオード30のアノード側が抵抗器33,34の一端に接続され、抵抗器34の他端が端子13に接続される。
【0060】
これにより、図3に示すように、端子11,12にDC12Vが供給される場合、抵抗器33を介して発光ダイオード30に電圧が印加される。このとき、抵抗器33による電圧降下によって端子11,12に印加されたDC12Vの電圧が発光ダイオード30の最適な動作電圧になるように抵抗器33の抵抗値が設定されており、発光ダイオード30は最適な動作電圧により動作することができる。
【0061】
また、図4に示すように、端子11,13にDC24Vが供給される場合、抵抗器34を介して発光ダイオード30に電圧が印加される。このとき、抵抗器34による電圧降下によって端子11,13に印加されたDC24Vの電圧が発光ダイオード30の最適な動作電圧になるように抵抗器34の抵抗値が設定されており、発光ダイオード30は最適な動作電圧により動作することができる。
【0062】
すなわち照光ユニット10における抵抗器31の抵抗値と、照光ユニット10Bにおける抵抗器33の抵抗値とは同じ抵抗値とし、照光ユニット10における抵抗器31の抵抗値と抵抗器32の抵抗値との和を、照光ユニット10Bにおける1つの抵抗器34の抵抗値とすればよい。
【0063】
(効果について)
照光ユニット10Bは、DC12V用の抵抗器33とDC24V用の抵抗器34とを個別に用いる。よって、端子11〜13のレイアウトの変更に対して柔軟に対応することができる。たとえば上述の実施の形態では、DC12Vでは端子11,12を用い、DC24Vでは端子11,13を用いるレイアウトであるが、これを変更し、DC24Vでは端子11,12を用い、DC12Vでは端子11,13を用いるようにレイアウトを変更する場合、組み立て工程における抵抗器33,34の取り付け位置を変更するだけで容易に変更できる。一方、照光ユニット10では、端子11〜13のレイアウトを変更する場合、抵抗器31,32と端子12,13との接続関係を変更する必要が生じ、たとえばプリント配線基板を用いて配線が行われている場合には、プリント配線基板の設計変更などを伴い、容易に変更ができない。
【0064】
(本発明の第四の実施の形態の照光ユニット10Cについて)
本発明の第四の実施の形態の照光ユニット10Cについて図14を参照して説明する。照光ユニット10Cでは、照光ユニット10Aと同じく4つの抵抗器33-1,33−2,34-1,34−2を用いるが、その結線方法および抵抗値が照光ユニット10Aとは異なる。
【0065】
照光ユニット10Cは、発光ダイオード30-1のアノード側にそれぞれ2つの抵抗器33−1,34−1の一端が共に接続され、発光ダイオード30−2のアノード側にそれぞれ2つの抵抗器33−2,34−2の一端が共に接続される。さらに、発光ダイオード30−2のカソード側が端子11に接続され、抵抗器33−2の他端が端子12に接続され、抵抗器34−2の他端が端子13に接続され、発光ダイオード30−1のカソード側がスイッチ40の一端の端子に接続され、抵抗器33−1の他端が端子16に接続され、スイッチ40の他端の端子が端子17に接続され、抵抗器34−1の他端が端子18に接続される。
【0066】
これにより、図8に示すように、端子11,12,16,17にDC12Vが供給される場合、抵抗器33−2を介して発光ダイオード30−2に電圧が印加され、さらにスイッチ40が閉結されていれば、抵抗器33-1を介して発光ダイオード30−1に電圧が印加される。このとき、抵抗器33-1,33−2による電圧降下によって端子11,12,16,17に印加されたDC12Vの電圧が発光ダイオード30-1,30−2の最適な動作電圧になるように抵抗器33-1,33−2の抵抗値が設定されており、発光ダイオード30-1,30−2は最適な動作電圧により動作することができる。
【0067】
また、図9に示すように、端子11,13,17,18にDC24Vが供給される場合、抵抗器34−2を介して発光ダイオード30−2に電圧が印加され、さらにスイッチ40が閉結されていれば、抵抗器34-1を介して発光ダイオード30−1に電圧が印加される。このとき、抵抗器34-1,34−2による電圧降下によって端子11,13,17,18に印加されたDC24Vの電圧が発光ダイオード30-1,30−2の最適な動作電圧になるように抵抗器34-1,34−2の抵抗値が設定されており、発光ダイオード30-1,30−2は最適な動作電圧により動作することができる。
【0068】
すなわち照光ユニット10Aにおける抵抗器31-1,31−2の抵抗値と、照光ユニット10Cにおける抵抗器33-1,33−2の抵抗値とは同じ抵抗値とし、照光ユニット10Aにおける抵抗器31-1の抵抗値と抵抗器32-1の抵抗値との和、および抵抗器31−2の抵抗値と抵抗器32−2の抵抗値との和を、照光ユニット10Cにおける抵抗器34-1の抵抗値、および抵抗器34−2の抵抗値とすればよい。
【0069】
(効果について)
照光ユニット10Cは、DC12V用の抵抗器33−1,33−2とDC24V用の抵抗器34−1,34−2とをそれぞれ個別に用いる。よって、端子11〜13,16〜18のレイアウトの変更に対して柔軟に対応することができる。たとえば上述の実施の形態では、DC12Vでは端子11,12,16,17を用い、DC24Vでは端子11,13,17,18を用いるレイアウトであるが、これを変更し、DC24Vでは端子11,12,16,17を用い、DC12Vでは端子11,13,17,18を用いるようにレイアウトを変更する場合、組み立て工程における抵抗器33−1,33−2,34−1,34−2の取り付け位置を変更するだけで容易に変更できる。一方、照光ユニット10Aでは、端子11〜13,16〜18のレイアウトを変更する場合、抵抗器31−1,31−2,32−1,32−2と端子12,13,16,18との接続関係を変更する必要が生じ、たとえばプリント配線基板を用いて配線が行われている場合には、プリント配線基板の設計変更などを伴い、容易に変更ができない。
【0070】
(本発明の第五の実施の形態の照光ユニット10Dについて)
本発明の第五の実施の形態の照光ユニット10Dについて図15を参照して説明する。照光ユニット10Dは、図15に示すように、インジケータ部3のみを有する構成である。照光ユニット10Dは、図1でDPRのスイッチとして例示したものであり、使用頻度が低いスイッチなど、夜間照光の必要性が低いスイッチとして利用できる。なお、照光ユニット10Dは、コネクタ20B,20Cを適用し、接触子26,27,28を使用すればよい。
【0071】
さらに、発光ダイオード30−1のカソードと接続されている破線で図示した端子50を追加し、端子50と端子16との間(DC12V用)、または端子50と端子18との間(DC24V用)に、電源を供給することにより、スイッチ40が開状態であっても発光ダイオード30−1を発光させることができる。これによれば、照光ユニット10Dの外部からECUなどの制御によって、運転者にDPRの処理の作動を促す際のウォーニングなどに、発光ダイオード30−1を点滅させることができる。
【0072】
(効果について)
照光ユニット10Dは、照光ユニット10Aの夜間照光部4を省略した構成であるので、照光ユニット10Aが有する効果を有する。その他に、照光ユニット10Dによれば夜間照光部4に相当する部品点数を減らすことができる。また、照光スイッチ10Dによれば夜間照光のための電力消費を節減することができる。
【0073】
(本発明の第六の実施の形態の照光ユニット10Eについて)
本発明の第六の実施の形態の照光ユニット10Eについて図16を参照して説明する。照光ユニット10Eは、図16に示すように、インジケータ部3のみを有する構成である。照光ユニット10Eは照光ユニット10Dと同様に、図1でDPRのスイッチとして例示したものであり、使用頻度が低いスイッチなど、夜間照光の必要性が低いスイッチとして利用できる。なお、照光ユニット10Eは、コネクタ20B,20Cを適用し、接触子26,27,28を使用すればよい。
【0074】
さらに、発光ダイオード30−1のカソードと接続されている破線で図示した端子50を追加し、端子50と端子16との間(DC12V用)、または端子50と端子18との間(DC24V用)に、電源を供給することにより、スイッチ40が開状態であっても発光ダイオード30−1を発光させることができる。これによれば、照光ユニット10Eの外部からECUなどの制御によって、運転者にDPRの処理の作動を促す際のウォーニングなどに、発光ダイオード30−1を点滅させることができる。
【0075】
(効果について)
照光ユニット10Eは、照光ユニット10Cの夜間照光部4を省略した構成であるので、照光ユニット10Cが有する効果を有する。その他に、照光ユニット10Eによれば夜間照光部4に相当する部品点数を減らすことができる。また、照光スイッチ10Eによれば夜間照光のための電力消費を節減することができる。
【0076】
(インジケータパネル1およびインジケータパネル1を有する車両について)
以上説明した照光ユニット10,10A,10B,10C,10D,10Eによりインジケータパネル1を構成することによって、部品点数を削減することができ、部品管理を容易にし、安価で短時間にインジケータパネル1を組み立てることができる。また、DC12VまたはDC24Vの双方に適用でき、乗用車にもトラックやバスなどにも適用可能な汎用性の高いインジケータパネル1を提供することができる。また、このようなインジケータパネル1を車両に搭載することにより、部品点数を削減することができ、部品管理を容易にし、安価で短時間に組み立てることができる車両を提供することができる。
【0077】
(その他の実施の形態について)
本発明の実施の形態は、その要旨を逸脱しない限り様々に変更が可能である。たとえば、図17に示すように、スイッチ40を有さずに、夜間照光部4のみの機能を有する照光ユニット10Fを構成してもよい。照光ユニット10Fによれば、別に設置されているスイッチの開閉状態の表示、あるいは車両の機能の稼動状態の表示などを行うことができる。なお、照光ユニット10Fは、コネクタ20,20Aを適用し、接触子21,22,23を使用すればよい。なお、図17では、内部の構成を図5に示す構成(すなわち発光ダイオード30、抵抗器31、32からなる構成)の一部を転用した構成として図示したが、内部構成を図13に示す構成(すなわち発光ダイオード30、抵抗器33,34からなる構成)の一部を転用した構成としてもよい。
【0078】
さらに、上述した実施の形態におけるスイッチ40を、照光ユニット10〜10Eの外部に設置されているスイッチ、またはECUによって制御されるスイッチング素子などに置き換えても上述した実施の形態で説明した発光ダイオード30,30−1,30−2の制御を行うことができる。
【0079】
また、DPRの処理の作動を促すウォーニングを行う構成として、1つの照光ユニット内に、ウォーニング専用のインジケータ部を、上述したインジケータ部3の他に有する構成としてもよい。この場合、ウォーニング専用のインジケータ部の発光色は、赤などの目立つ色とし、通常のインジケータ部3は、青や緑などの目に優しい色にするなどとして発光色を変えてもよい。
【0080】
また、上述の実施の形態では、単一の発光素子からなる発光ダイオード30,30−1,30−2を例示したが、図18に示すように、複数の発光ダイオード301,302,303を並列に接続して1つの発光ユニット30Aを構成してもよい。発光ユニット30Aは、上述の実施の形態における発光ダイオード30,30−1,30−2と置き換えることができる。
【0081】
また、上述の実施の形態では、説明を分かり易くするために、照光ユニット10,10Bでは5つの接触子21〜25が挿入可能なハウジング29を使用し、照光ユニット10A、10Cでは6つの接触子21〜23、26〜28が挿入可能なハウジング29Aを使用するとして説明した。これに対し、照光ユニット10,10A,10B,10Cに共通に使用可能な1種類のハウジングを用いてもよい。この場合、このハウジングは、必要に応じて接触子の挿入数および挿入位置が変更できるように、予め接触子の挿入孔が6つ設けられているものである。また、照光ユニット10,10A,10B,10Cの本体についてもこのハウジングと共通に嵌合し、端子位置が接触子位置と一致するような形状にする。これにより、コネクタの部品管理をさらに容易にすることができる。
【0082】
また、これとは反対に、ハウジング29および29Aは、コネクタ20,20Aおよびコネクタ20B,20Cで共通であるとして説明したが、コネクタ20,20A,20B,20C毎に異なる構造のハウジングを用いてもよい。たとえばコネクタ20用のハウジングとして当初から接触子23の挿入孔が塞がれている、あるいは設けられていない構造とし、コネクタ20A用のハウジングとして当初から接触子22の挿入孔が塞がれている、あるいは設けられていない構造とする。これによればコネクタ20,20Aに接触子21,22,23,24,25を挿入する工程において、接触子22または23の誤挿入を防ぐことができる。
【0083】
また、上述の実施の形態では、パネル2の開口部5に照光ユニット10,10A,10B,10C,10D,10E,10Fが嵌め込まれると、コネクタ20,20A,20B,20Cの接触子21〜28がちょうど照光ユニット10,10A,10B,10C,10D,10E,10Fの端子11〜18と接触するようにコネクタ20,20A,20B,20Cが固定的に配設されているとして説明した。これに対し、コネクタ20,20A,20B,20Cは、固定されておらず、作業者が開口部5からコネクタ20,20A,20B,20Cを引き出して照光ユニット10,10A,10B,10C,10D,10E,10Fに嵌め込み、照光ユニット10,10A、10B,10C,10D,10E,10Fにコネクタ20,20A,20B,20Cが嵌め込まれた状態で照光ユニット10,10A、10B,10C,10D,10E,10Fを開口部5に嵌め込むようにしてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1…インジケータパネル、2…パネル、3…インジケータ部、4…夜間照光部、10,10A,10B,10C,10D,10E,10F…照光ユニット、11(第一の端子),12(第二の端子),13(第三の端子),14(第四の端子),15(第五の端子),16(第六の端子),17(第七の端子),18(第八の端子)…端子、20,20A,20C,20D…コネクタ、21〜28…接触子、29,29A…ハウジング、30,30−1,30−2,301〜303…発光ダイオード(インジケータ用発光素子、夜間照光用発光素子)、30A…発光ユニット(発光素子)、31(第一の抵抗器),32(第二の抵抗器),33(第三の抵抗器),34(第四の抵抗器),31−1(第五の抵抗器),32−1(第六の抵抗器),31−2(第七の抵抗器),32−2(第八の抵抗器)…抵抗器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転室に備えられたインジケータパネル上に配置され、スイッチの種別を表す文字または数字または記号または図形が配置された夜間照光部と、前記夜間照光部の表示を照光する夜間照光用発光素子と、を有する照光ユニットにおいて、
前記夜間照光用発光素子の一方の電極に接続される第一の端子と、
前記夜間照光用発光素子の他方の電極に一端が接続される第一の抵抗器と、
前記第一の抵抗器の他端に接続される第二の端子と、
前記第一の抵抗器の他端および前記第二の端子に一端が接続される第二の抵抗器と、
前記第二の抵抗器の他端に接続される第三の端子と、
を有する、
ことを特徴とする照光ユニット。
【請求項2】
車両の運転室に備えられたインジケータパネル上に配置され、スイッチと、前記スイッチの種別を表す文字または数字または記号または図形が配置された夜間照光部と、前記夜間照光部の表示を照光する夜間照光用発光素子と、前記スイッチの開閉の状態を表示するインジケータ部と、前記インジケータ部の表示を照光するインジケータ用発光素子と、を有する照光ユニットにおいて、
前記夜間照光用発光素子の一方の電極に接続される第一の端子と、
前記夜間照光用発光素子の他方の電極に一端が接続される第一の抵抗器と、
前記第一の抵抗器の他端に接続される第二の端子と、
前記第一の抵抗器の他端および前記第二の端子に一端が接続される第二の抵抗器と、
前記第二の抵抗器の他端に接続される第三の端子と、
を有し、
前記スイッチの一方の端子には前記インジケータ用発光素子の一方の電極が接続され、
前記インジケータ用発光素子の他方の電極に一端が接続される第三の抵抗器と、
前記第三の抵抗器の他端に接続される第四の端子と、
前記第三の抵抗器の他端および前記第四の端子に一端が接続される第四の抵抗器と、
前記スイッチの他方の端子に接続される第五の端子と、
前記第四の抵抗器の他端に接続される第六の端子と、
を有する、
ことを特徴とする照光ユニット。
【請求項3】
車両の運転室に備えられたインジケータパネル上に配置され、スイッチと、前記スイッチの開閉の状態を表示するインジケータ部と、前記インジケータ部の表示を照光するインジケータ用発光素子と、を有する照光ユニットにおいて、
前記スイッチの一方の端子には前記インジケータ用発光素子の一方の電極が接続され、
前記インジケータ用発光素子の他方の電極に一端が接続される第三の抵抗器と、
前記第三の抵抗器の他端に接続される第四の端子と、
前記第三の抵抗器の他端および前記第四の端子に一端が接続される第四の抵抗器と、
前記スイッチの他方の端子に接続される第五の端子と、
前記第四の抵抗器の他端に接続される第六の端子と、
を有する、
ことを特徴とする照光ユニット。
【請求項4】
車両の運転室に備えられたインジケータパネル上に配置され、スイッチの種別を表す文字または数字または記号または図形が配置された夜間照光部と、前記夜間照光部の表示を照光する夜間照光用発光素子と、を有する照光ユニットにおいて、
前記夜間照光用発光素子の一方の電極に接続される第一の端子と、
前記夜間照光用発光素子の他方の電極に一端が接続される第五の抵抗器と、
前記第五の抵抗器の他端に接続される第二の端子と、
前記夜間照光用発光素子の他方の電極および前記第五の抵抗器の一端に一端が接続される第六の抵抗器と、
前記第六の抵抗器の他端に接続される第三の端子と、
を有する、
ことを特徴とする照光ユニット。
【請求項5】
車両の運転室に備えられたインジケータパネル上に配置され、スイッチと、前記スイッチの種別を表す文字または数字または記号または図形が配置された夜間照光部と、前記夜間照光部の表示を照光する夜間照光用発光素子と、前記スイッチの開閉の状態を表示するインジケータ部と、前記インジケータ部の表示を照光するインジケータ用発光素子と、を有する照光ユニットにおいて、
前記夜間照光用発光素子の一方の電極に接続される第一の端子と、
前記夜間照光用発光素子の他方の電極に一端が接続される第五の抵抗器と、
前記第五の抵抗器の他端に接続される第二の端子と、
前記夜間照光用発光素子の他方の電極および前記第五の抵抗器の一端に一端が接続される第六の抵抗器と、
前記第六の抵抗器の他端に接続される第三の端子と、
を有し、
前記スイッチの一方の端子には前記インジケータ用発光素子の一方の電極が接続され、
前記インジケータ用発光素子の他方の電極に一端が接続される第七の抵抗器と、
前記第七の抵抗器の他端に接続される第四の端子と、
前記インジケータ用発光素子の他方の電極および前記第七の抵抗器の一端に一端が接続される第八の抵抗器と、
前記スイッチの他方の端子に接続される第五の端子と、
前記第八の抵抗器の他端に接続される第六の端子と、
を有する、
ことを特徴とする照光ユニット。
【請求項6】
車両の運転室に備えられたインジケータパネル上に配置され、スイッチと、前記スイッチの開閉の状態を表示するインジケータ部と、前記インジケータ部の表示を照光するインジケータ用発光素子と、を有する照光ユニットにおいて、
前記スイッチの一方の端子には前記インジケータ用発光素子の一方の電極が接続され、
前記インジケータ用発光素子の他方の電極に一端が接続される第七の抵抗器と、
前記第七の抵抗器の他端に接続される第四の端子と、
前記インジケータ用発光素子の他方の電極および前記第七の抵抗器の一端に一端が接続される第八の抵抗器と、
前記スイッチの他方の端子に接続される第五の端子と、
前記第八の抵抗器の他端に接続される第六の端子と、
を有する、
ことを特徴とする照光ユニット。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項記載の照光ユニットであって、
前記夜間照光用発光素子または前記インジケータ用発光素子は、並列に接続された複数の発光ダイオードを有する、
ことを特徴とする照光ユニット。
【請求項8】
請求項1または4記載の照光ユニットに電源を供給するコネクタにおいて、
前記電源の電圧が第一の電圧値であるときには、前記第一および第二の端子と着脱自在の接触子が構成され、
前記電源の電圧が第二の電圧値であるときには、前記第一および第三の端子と着脱自在の接触子が構成される、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項9】
請求項2または5記載の照光ユニットに電源を供給するコネクタにおいて、
前記電源の電圧が第一の電圧値であるときには、前記第一の端子、前記第二の端子、前記第四の端子、および前記第五の端子と着脱自在の接触子が構成され、
前記電源の電圧が第二の電圧値であるときには、前記第一の端子、前記第三の端子、前記第五の端子、および前記第六の端子と着脱自在の接触子が構成される、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項10】
請求項3または6記載の照光ユニットに電源を供給するコネクタにおいて、
前記電源の電圧が第一の電圧値であるときには、前記第四の端子、および前記第五の端子と着脱自在の接触子が構成され、
前記電源の電圧が第二の電圧値であるときには、前記第五の端子、および前記第六の端子と着脱自在の接触子が構成される、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項11】
請求項1から7のいずれか1項記載の照光ユニットと、
前記照光ユニットが嵌め込まれる開口部と、
前記開口部に前記照光ユニットが嵌め込まれた状態で前記照光ユニットの端子に接触子が接触するように配設される請求項8から10のいずれか1項記載のコネクタと、
を有する、
ことを特徴とするインジケータパネル。
【請求項12】
請求項11記載のインジケータパネルを有することを特徴とする車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−185284(P2012−185284A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−47634(P2011−47634)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(000005463)日野自動車株式会社 (1,484)
【Fターム(参考)】