説明

照射硬化性コーティング

照射硬化性コーティングおよびこのようなコーティングを利用するための方法が提供される。包括的実施形態において、本開示は、約15%〜約80重量%の1種以上の照射硬化性化合物(例えば、ポリカーボネートアクリレートオリゴマー、ポリウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、シリコーンベースのアクリレートオリゴマー、もしくはこれらの組み合わせ)、および約10%〜約80重量%の1種以上のアクリレートモノマーを含むコーティング組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
本開示は、コーティング技術に関する。より具体的には、本開示は、上記コーティングが適用される表面の摩擦を軽減する照射硬化性コーティングに関する。
【0002】
シリンジ管は、代表的には、薬物もしくは医薬を貯蔵および注射するための剛性構造を提供する、剛性物質(例えば、ガラス、ポリプロピレン、コポリエステル、もしくは環式オレフィンコポリマー(「COC」))から作製される。上記シリンジ管と関連づけられているプランジャーは、一般に、上記シリンジの注射末端に位置したニードルを介して、上記薬物、希釈剤もしくは医薬を押し出すゴム製末端を有する。上記プランジャーのゴム製末端が、上記シリンジ管の内部表面と接触するとき、強い摩擦が生じ、このことは、上記プランジャーを、上記シリンジ管を介して押し出すことを困難にする。
【0003】
潤滑剤は、上記ゴム製プランジャーと上記シリンジ管との間の摩擦を軽減するために使用され得る。例えば、シリコン流体(silicon fluid)は、上記シリンジ管の内部表面および/もしくは上記プランジャーの上記ゴム製末端をコーティングするために使用され得る。しかし、上記シリコン流体は、上記シリンジで注射されるべき上記薬物もしくは医薬を吸収し得、それによって、それらの有効性および効力を低下し得る。上記シリコン流体はまた、これが適用される上記表面と長期間接触している間に失われ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要旨)
本開示は、照射硬化性コーティングおよび上記コーティングを利用するための方法を提供する。包括的実施形態において、本開示は、約15%〜約80重量%の1種以上の照射硬化性化合物(例えば、ポリカーボネートアクリレートオリゴマー、ポリウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、シリコーンベースのアクリレートオリゴマー、もしくは組み合わせ)、および約10%〜約80重量%の1種以上のアクリレートモノマーを含むコーティング組成物を提供する。上記コーティング組成物は、種々の基材上にコーティングされる溶液であり得る。
【0005】
一実施形態において、上記コーティング組成物は、約0.1%〜約20重量%の少なくとも1種のビニル反応性物質をさらに含む。代替の実施形態において、上記コーティング組成物は、約0.1%〜約10重量%の少なくとも1種のチオール化合物をさらに含む。
【0006】
一実施形態において、上記コーティング組成物は、紫外線照射によって硬化可能であり、約0.5%〜約15%の光開始剤を含む。上記コーティング組成物は、1種以上の成分(例えば、安定化剤、鎖転移剤、可塑剤、光安定化剤、紫外線遮蔽化合物、レベリング剤、湿潤剤、保存剤、もしくはこれらの組み合わせ)をさらに含み得る。
【0007】
上記コーティング組成物はまた、1種以上の接着促進剤を含み得る。上記接着促進剤は、酸官能性化合物であり得る。上記酸官能性化合物は、リン酸アクリレートもしくはリン酸メタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、またはこれらの組み合わせであり得る。
【0008】
別の実施形態において、本開示は、ゴム基材を含むコーティングされたゴム製品を提供し、このゴム基材は、このゴム基材の少なくとも一部を取り囲む硬化されたコーティングを有する。上記ゴム基材は、例えば、シリンジプランジャーであり得る。上記硬化されたコーティングは、1)ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステルアクリレート、シリコーンベースのアクリレートオリゴマー、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、約15%〜約80重量%の少なくとも1種の照射硬化性化合物、ならびに2)約10%〜約80重量%の少なくとも1種のアクリレートモノマーを含む。
【0009】
上記硬化されたコーティングは、約2.5μm〜約500μmの間の厚みを有し得る。上記硬化されたコーティングは、上記ゴム基材上で照射硬化され得る。上記硬化されたコーティングは、約122℃の蒸気曝露の後に接着を維持し得る。
【0010】
上記硬化されたコーティングは、約0.2%〜約5重量%の顔料、染料、もしくはこれらの組み合わせをさらに含み得る。上記硬化されたコーティングは、約0.1%〜約20%の予備重合した充填剤(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチレート、もしくはこれらの組み合わせ)をさらに含み得る。
【0011】
代替の実施形態において、本開示は、シリンジ管、およびゴム製プランジャーを含むシリンジを提供し、このゴム製プランジャーは、このゴム製プランジャーの少なくとも一部を取り囲む硬化されたコーティングを有する。上記硬化されたコーティングは、1)ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステルアクリレート、シリコーンベースのアクリレートオリゴマー、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、約15%〜約80重量%の少なくとも1種の照射硬化性化合物;ならびに2)約10%〜約80重量%の少なくとも1種のアクリレートモノマーを含む。
【0012】
代替の実施形態において、本開示は、コーティングされたゴム製品を作製するための方法を提供する。上記方法は、ゴム基材を提供する工程、および上記ゴム基材を、1)約15%〜約80重量%の少なくとも1種の照射硬化性化合物(例えば、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステルアクリレート、シリコーンベースのアクリレートオリゴマー、もしくはこれらの組み合わせ);ならびに2)約10%〜約80重量%の少なくとも1種のアクリレートモノマーを含む溶液でコーティングする工程を包含する。
【0013】
上記方法は、上記コーティングを、照射処理で硬化させる工程をさらに包含し得る。例えば、上記照射処理は、紫外線、電子ビーム照射、ガンマ線照射、プラズマ、もしくはこれらの組み合わせであり得る。
【0014】
本開示の利点は、改善されたコーティング組成物を提供することである。
【0015】
本開示の別の利点は、ゴム基材への良好な接着特性を有するゴム基材のための改善されたコーティングを提供することである。
【0016】
本開示のさらに別の利点は、ゴム基材と剛性プラスチックとの間の摩擦を軽減するコーティングを提供することである。
【0017】
本開示のなお別の利点は、照射硬化性コーティングを作製するための改善された方法を提供することである。
【0018】
さらなる特徴および利点は、本明細書に記載され、以下の詳細な説明および図面から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、ゴム製プランジャーと、コーティングされていないゴム製プランジャーを使用するCOCバレル(barrel)との間の摺動力(sliding force)およびシリコン潤滑ゴム製プランジャーと、本開示の一実施形態におけるゴム製プランジャー上の照射硬化性コーティングとに起因する、軽減した摺動力を例示するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(詳細な説明)
本明細書で使用される場合、重量%もしくは重量%の範囲が「1種以上の」物質について示されているとき、上記重量%もしくは範囲は、上記組成物に存在する全ての列挙された物質の総重量%に言及する。
【0021】
基材に対する照射硬化性コーティングおよびこれを作製するための方法が、提供される。上記硬化性コーティングおよびコーティングプロセスは、例えば、製造されたシリンジにおける摩擦を軽減するために使用されるシリコーン潤滑剤の代わりに用いるために、使用され得る。初期粘着性(静止摩擦)は、上記硬化性コーティングを、ゴム製プランジャーに適用することによって、上記ゴム製プランジャーと、COCシリンジ管との間で軽減され得る。本開示の照射硬化性コーティングはまた、上記ゴム基材の機械的性能もしくはバリア性能(barrier performance)に影響を及ぼすことなく、ゴム基材にある範囲の機械的特性改変および表面特性改変を提供し得る。
【0022】
包括的実施形態において、本開示は、約15%〜約80重量%の1種以上の照射硬化性化合物(例えば、ポリカーボネートアクリレートオリゴマー、ポリウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、シリコーンベースのアクリレートオリゴマー、もしくは組み合わせ)、および約10%〜約80重量%の1種以上のアクリレートモノマーを含むコーティング組成物を提供する。上記コーティング組成物は、種々の基材上にコーティングされる溶液であり得る。上記アクリレートモノマーは、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、ジシクロペンタジエニルアクリレート、ジシクロペンタジエニルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、ジメチルアクリルアミド、もしくはこれらの組み合わせであり得る。
【0023】
一実施形態において、上記コーティング組成物は、約0.1%〜約20重量%の少なくとも1種のビニル反応性物質をさらに含み得る。代替の実施形態において、上記コーティング組成物は、約0.1%〜約10重量%の少なくとも1種のチオール化合物をさらに含む。
【0024】
上記コーティング組成物は、1種以上の成分(例えば、光開始剤、安定化剤、鎖転移剤、可塑剤、光安定化剤、紫外線遮蔽化合物、レベリング剤、湿潤剤、保存剤、もしくはこれらの組み合わせ)をさらに含み得る。上記光開始剤は、メルカプトベンゾチアゾールの誘導体、メルカプトベンゾオキサゾールの誘導体、ベンゾフェノンの誘導体、アセトフェノンの誘導体、ベンゾインアルキルエーテルの誘導体、ベンジルケタールの誘導体、モノアシルホスフィンオキシドの誘導体、ビスアシルホスフィンオキシドの誘導体、もしくはこれらの組み合わせであり得る。光開始剤が使用される場合、これは、約0.5%〜約15重量%の量で存在する。
【0025】
上記コーティング組成物はまた、1種以上の接着促進剤を含み得る。例えば、上記接着促進剤は、酸官能性化合物であり得る。上記酸官能性化合物は、リン酸アクリレート、メタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、もしくはこれらの組み合わせであり得る。
【0026】
別の実施形態において、本開示は、ゴム基材を含むコーティングされたゴム製品を提供し、このゴム基材は、このゴム基材の少なくとも一部を取り囲む硬化されたコーティングを有する。上記硬化されたコーティングは、1)ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステルアクリレート、シリコーンベースのアクリレートオリゴマー、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、約15%〜約80重量%の少なくとも1種の照射硬化性化合物;ならびに2)約10%〜約80重量%の少なくとも1種のアクリレートモノマーを含む。
【0027】
上記ゴム基材は、ゴム(例えば、ポリ(イソプレン)、ポリ(クロロブチル)、ポリ(ブタジエン)など)から作製される生成物であり得る。一実施形態において、上記ゴム基材は、シリンジプランジャーである。
【0028】
上記硬化されたコーティングは、上記コーティングの厚みが、約2.5μm〜約500μmの間であるように、上記ゴム基材に適用され得る。上記硬化されたコーティングは、任意の適切な照射技術を使用して、上記ゴム基材上で照射硬化され得る。上記硬化されたコーティングは、約122℃の蒸気曝露後に、上記ゴム基材上に維持された接着を有し得る。
【0029】
上記硬化されたコーティングはまた、約0.2%〜約5重量%の顔料、染料、もしくはこれらの組み合わせを含み得る。上記硬化されたコーティングは、約0.1%〜約20%の予備重合した充填剤(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチレート、もしくはこれらの組み合わせ)をさらに含み得る。
【0030】
代替の実施形態において、本開示は、コーティングされたゴム製品を作製するための方法を提供する。上記方法は、ゴム基材を提供する工程、および上記ゴム基材を、1)約15%〜約80重量%の少なくとも1種の照射硬化性化合物(例えば、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステルアクリレート、シリコーンベースのアクリレートオリゴマー、もしくはこれらの組み合わせ);および2)約10%〜約80重量%の少なくとも1種のアクリレートモノマーを含むコーティング溶液でコーティングする工程を包含する。
【0031】
上記ゴム基材は、任意の適切なコーティング技術を使用して、上記溶液でコーティングされ得る。例えば、上記コーティングは、上記コーティング溶液を、上記ゴム基材上にスプレーするかもしくは刷毛で塗布する(brushing)すること、および上記コーティングされたゴム基材を、照射処理に供することによって、適用され得る。上記コーティングはまた、上記ゴム基材の一部もしくは全てを、上記コーティング溶液の中に浸漬することによって、適用され得る。
【0032】
上記方法は、上記コーティングを、適切な照射処理で硬化させる工程をさらに包含し得る。例えば、上記照射処理は、紫外線、電子ビーム照射、ガンマ線照射、プラズマ、もしくはこれらの組み合わせであり得る。
【0033】
上記ゴム基材は、上記硬化する工程の前に、コロナ放電、酸素イオンプラズマ、もしくはアルゴンイオンプラズマによって、予備処理され得る。このことは、上記ゴム基材に対する上記コーティングの接着をさらに改善し得る。
【実施例】
【0034】
例示であって、限定ではなく、以下の実施例は、本開示の種々の実施形態を例示する。パーセンテージは、別段示されなければ、総重量の%として表される。
【0035】
(実施例1)
ゴム基材についての保護および表面改変コーティングを提供する照射硬化性樹脂を開発し、試験した。5種類のコーティング処方物を研究した。これを表1に列挙する。上記コーティング処方物を、ポリ(クロロブチル)ゴム基材上に溶液として適用し、UV硬化させた。硬化後、上記コーティングはまた、ゴムに対して良好な接着(すなわち、接着を分離するのが困難)、20〜100%の範囲に及ぶ破断時伸長(elongation at break)、ならびに>10Paの弾性率を示した。摩擦研究の間に、COC表面摩擦係数に対する上記コーティングされたゴムは、200gの適用された負荷重量において約1.2以下に低下した(表2を参照のこと)。
【0036】
最大の摺動力を、COC表面に対する上記コーティングされたゴムとの間で経時的に測定した。これを、図1に示す。図1は、シリコン潤滑化ゴム製プランジャーおよび上記ゴム製プランジャー上の照射硬化性コーティング(処方物#1−F35)に起因する、低下した摺動力と比較した、コーティングされていないゴム製プランジャーを使用するゴム製プランジャーと、COCバレルとの間の摺動力を図示する。上記結果は、上記硬化性コーティングされたゴムが、上記シリコン潤滑剤と同様に、上記ゴム製プランジャーとCOCバレルとの間の摺動力を低下させることを示す。さらに、上記硬化性コーティングされたゴム製プランジャーは、4週間の期間にわたって、その低下した摩擦特性を維持する。
【0037】
【表1】

【0038】
【表2】

(結論)
高伸長、クロロブチルゴムに対する高い接着、およびCOC物質に対する低い摩擦を有する一連の照射硬化性コーティングを開発し、ゴム基材に対して試験した。上記硬化性コーティングは、約3週間で、低摩擦(<6lb)および25℃において失われる検出可能な水がないこと、40% 相対湿度(RH)を示した。上記照射硬化性コーティングは、クロロブチルゴム製プランジャーとともに現在利用されている液体シリコーンベースの潤滑剤の必要性を排除するために、シリンジにおいて使用され得ることは明らかである。
【0039】
本明細書に記載される現在好ましい実施形態に対する種々の変更および改変が、当業者に明らかであることは、理解されるべきである。このような変更および改変は、本発明の事項の趣旨および範囲から逸脱することなく、かつその意図された利点を減らすことなく、行われ得る。従って、このような変更および改変が、添付の特許請求の範囲によって網羅されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティング組成物であって、
ポリカーボネートアクリレートオリゴマー、ポリウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、シリコーンベースのアクリレートオリゴマー、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、約15%〜約80重量%の少なくとも1種の照射硬化性化合物;ならびに
約10%〜約80重量%の少なくとも1種のアクリレートモノマー
を含む、コーティング組成物。
【請求項2】
約0.1%〜約20重量%の少なくとも1種のビニル反応性物質をさらに含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項3】
約0.1%〜約10重量%の少なくとも1種のチオール化合物をさらに含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項4】
前記アクリレートモノマーは、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、ジシクロペンタジエニルアクリレート、ジシクロペンタジエニルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、ジメチルアクリルアミドおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項5】
安定化剤、鎖転移剤、可塑剤、光安定化剤、紫外線遮蔽化合物、レベリング剤、湿潤剤、保存剤、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1種の成分をさらに含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項6】
約0.5%〜約15%の光開始剤をさらに含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項7】
前記光開始剤は、メルカプトベンゾチアゾールの誘導体、メルカプトベンゾオキサゾールの誘導体、ベンゾフェノンの誘導体、アセトフェノンの誘導体、ベンゾインアルキルエーテルの誘導体、ベンジルケタールの誘導体、モノアシルホスフィンオキシドの誘導体、ビスアシルホスフィンオキシドの誘導体、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項6に記載のコーティング組成物。
【請求項8】
接着促進剤をさらに含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項9】
前記接着促進剤は、酸官能性化合物である、請求項8に記載のコーティング組成物。
【請求項10】
前記酸官能性化合物は、リン酸アクリレート、リン酸メタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項9に記載のコーティング組成物。
【請求項11】
コーティングされたゴム製品であって、該コーティングされたゴム製品は、
ゴム基材;
該ゴム基材の少なくとも一部を囲む硬化されたコーティングであって、該硬化されたコーティングは、1)ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステルアクリレート、シリコーンベースのアクリレートオリゴマー、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、約15%〜約80重量%の少なくとも1種の照射硬化性化合物、ならびに2) 約10%〜約80重量%の少なくとも1種のアクリレートモノマーを含む、硬化されたコーティング
を含む、コーティングされたゴム製品。
【請求項12】
前記硬化されたコーティングは、約2.5μm〜約500μmの間の厚みを有する、請求項11に記載のコーティングされたゴム製品。
【請求項13】
前記硬化されたコーティングは、照射硬化されている、請求項11に記載のコーティングされたゴム製品。
【請求項14】
前記硬化されたコーティングは、顔料、染料、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、約0.2%〜約5重量%の成分をさらに含む、請求項11に記載のコーティングされたゴム製品。
【請求項15】
前記硬化されたコーティングは、約122℃の蒸気曝露後に接着を維持している、請求項11に記載のコーティングされたゴム製品。
【請求項16】
前記硬化されたコーティングは、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチレート、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、約0.1%〜約20%の予備重合した充填剤をさらに含む、請求項11に記載のコーティングされたゴム製品。
【請求項17】
前記硬化されたコーティングは、約0.1%〜約20重量%の少なくとも1種のビニル反応性物質を含む、請求項11に記載のコーティングされたゴム製品。
【請求項18】
前記硬化されたコーティングは、約0.1%〜約10重量%の少なくとも1種のチオール化合物を含む、請求項11に記載のコーティングされたゴム製品。
【請求項19】
前記アクリレートモノマーは、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、ジシクロペンタジエニルアクリレート、ジシクロペンタジエニルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、ジメチルアクリルアミド、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項11に記載のコーティングされたゴム製品。
【請求項20】
前記硬化されたコーティングは、安定化剤、鎖転移剤、可塑剤、光安定化剤、紫外線遮蔽化合物、レベリング剤、湿潤剤、保存剤、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1種の成分を含む、請求項11に記載のコーティングされたゴム製品。
【請求項21】
約0.5%〜約15%の光開始剤をさらに含む、請求項11に記載のコーティングされたゴム製品。
【請求項22】
前記硬化されたコーティングは、接着促進剤を含む、請求項11に記載のコーティングされたゴム製品。
【請求項23】
前記ゴム基材は、シリンジプランジャーである、請求項11に記載のコーティングされたゴム製品。
【請求項24】
シリンジであって、該シリンジは、
シリンジ管;ならびに
ゴム製プランジャーであって、該ゴム製プランジャーは、該ゴム製プランジャーの少なくとも一部を取り囲む硬化されたコーティングを含み、該硬化されたコーティングは、1)ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステルアクリレート、シリコーンベースのアクリレートオリゴマー、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、約15%〜約80重量%の、少なくとも1種の照射硬化性化合物、ならびに2)約10%〜約80重量%の少なくとも1種のアクリレートモノマーを含む、ゴム製プランジャー、
を含む、シリンジ。
【請求項25】
コーティングされたゴム製品を作製するための方法であって、該方法は、
ゴム基材を提供する工程;ならびに
該ゴム基材を、1)ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステルアクリレート、シリコーンベースのアクリレートオリゴマー、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、約15%〜約80重量%の少なくとも1種の照射硬化性化合物、ならびに2)約10%〜約80重量%の少なくとも1種のアクリレートモノマーを含む溶液でコーティングする工程、
を包含する、方法。
【請求項26】
前記コーティングを、照射処理で硬化させる工程をさらに包含する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記照射処理は、紫外線、電子ビーム照射、ガンマ線照射、プラズマ、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記溶液は、約0.1%〜約20重量%の少なくとも1種のビニル反応性物質をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記溶液は、約0.1%〜約10重量%の少なくとも1種のチオール化合物をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記アクリレートモノマーは、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、ジシクロペンタジエニルアクリレート、ジシクロペンタジエニルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、ジメチルアクリルアミド、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記溶液は、光開始剤、安定化剤、鎖転移剤、可塑剤、光安定化剤、紫外線遮蔽化合物、レベリング剤、湿潤剤、保存剤、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、少なくとも1種の成分をさらに含む、請求項25に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2011−508064(P2011−508064A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−540842(P2010−540842)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/088013
【国際公開番号】WO2009/086301
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【Fターム(参考)】