説明

照明システム

【課題】照明システムにおいて、照明方向を任意の位置方向に容易に向けることができ、容易に狙い通りの配光設定を行なうことができるようにする。
【解決手段】照明システム1は、可視光を出射するポインタ21を有したリモコン2と、照明方向を変える照明部4と、リモコン2からの指示に基づいて照明部4を制御するコントローラ3とを有している。リモコン2は、リモコン2から天井面S1、前壁面S2、及び側壁面S3までの距離を検知する距離センサ22と、リモコン2の水平方位を検知する方位センサ23と、勾配を検知する勾配センサ24とを有している。コントローラ3は、リモコン2から天井面S1、前壁面S2、及び側壁面S3までの距離と、リモコン2の水平方位と勾配と照明されるオブジェTの空間座標とからリモコン2による可視光の照射位置を算出し、その照射位置に照明部4の照明方向を向けるので、容易に狙い通りの配光設定を行なうことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明方向が可変な照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、照明方向が可変な照明システムがある。しかしながら、このような照明システムを住宅の天井面に取り付けた場合、天井面が高いと照明方向を任意の方向に向けようとしても容易に方向を変えることができない。また、店舗や展示場において、商品の内容や展示位置が変わる場合に商品を演出する照明器具の照射方向が変えられるが、その都度、照明器具に直接触れて向きを変える必要があり、作業が煩わしく、且つ狙い通りに照射方向を変えることができない。
【0003】
また、会議室等のプレゼンテーションの場において、歩きながら説明するプレゼンタの位置に合わせて照明したり、商品などのプレゼンテーション対象物の位置に合わせて照明するときに、狙い通りに照明方向を容易に変えることができない。また、植栽の成長や葉、花のつき具合の変化によって、植栽への照明による演出を変える場合に照明器具が地中に埋設されていると、照明器具のカバーを外して光源の向きを変える必要があり、作業が煩わしく、且つ操作者の狙い通りに照射方向を変えることができない。
【0004】
また、リモコンから可視光による制御信号を照明器具に照射し、光源の点灯や調光を制御する照明システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このような照明システムにおいても、光源の照明方向は手動によって変えなければならず、手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−205917公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題を解消するものであり、操作者がリモコンで可視光を照射するだけで、照明部による照明方向を任意の位置方向に向けることができ、容易に狙い通りの配光設定を行なうことができる照明システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、照明方向を可変な照明システムにおいて、可視光を出射するポインタ機能を持つリモコンと、前記リモコンから出射される可視光が照射される被照明体上の照射位置を取得する位置取得手段と、照明方向を変えるための駆動部を有した照明部と、前記照明部による照明方向が前記位置取得手段により取得された照射位置に向くように前記駆動部を制御する制御部と、を備えたものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の照明システムにおいて、前記位置取得手段は、前記被照明体の空間座標を記憶した記憶部と、前記リモコンが在る空間座標位置を検知する位置検知手段と、前記リモコンの水平方位を検知する方位検知手段と、前記リモコンの勾配を検知する勾配検知手段と、前記被照明体の空間座標、リモコンの空間座標位置、リモコンの水平方位、及びリモコンの勾配から可視光照射位置を算出する処理部と、を有したものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1に記載の照明システムにおいて、前記位置取得手段は、前記リモコンが在る空間座標位置を検知する位置検知手段と、前記リモコンの水平方位を検知する方位検知手段と、前記リモコンの勾配を検知する勾配検知手段と、前記被照明体までの距離を検知する距離検知手段と、前記リモコンの空間座標位置、リモコンの水平方位、リモコンの勾配、及び被照明体までの検知距離から可視光照射位置を算出する処理部と、を有したものである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1に記載の照明システムにおいて、前記位置取得手段は、前記被照明体の空間座標を記憶した記憶部と、前記リモコンによる可視光の出射位置の画像を撮影する画像センサと、前記被照明体の空間座標及び前記撮像画像から可視光照射位置を算出する処理部と、を有したものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、操作者がリモコンを操作して所望の被照明体に向けて可視光を照射すると、位置取得手段が被照明体上の照射位置を取得し、制御部は照明部を当該照射位置に向くように駆動制御する。これにより、操作者がリモコンを操作するだけで照明光の照明方向を指定でき、容易に狙い通りの配光設定を行なうことができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、可視光照射位置が、被照明体の空間座標、リモコンの空間座標位置、リモコンの水平方位、及びリモコンの勾配から算出されるので、容易に狙い通りの配光設定を行なうことができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、可視光照射位置が、リモコンの空間座標位置、リモコンの水平方位、リモコンの勾配、及び被照明体までの検知距離から算出されるので、容易に狙い通りの配光設定を行なうことができる。
【0014】
請求項4の発明によれば、可視光照射位置が、被照明体の空間座標と画像センサによる撮像画像とから算出されるので、容易に狙い通りの配光設定を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る照明システムの斜視図。
【図2】同照明システムの構成図。
【図3】(a)乃至(c)は、同照明システムの動作を時系列に示す図。
【図4】同照明システムにおける第1の変形例の構成図。
【図5】同照明システムにおける第2の変形例の構成図。
【図6】同照明システムにおける第3の変形例の構成図。
【図7】(a)乃至(c)は、同照明システムの動作を時系列に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態に係る照明システムの実施形態について図1及び図2を参照して説明する。照明システム1は、住宅の屋内に設置されており、リモコン2による可視光によって指示された位置に照明部4の照明方向を変えるものである。照明システム1は、操作者の操作により可視光を出射するポインタ21を有したリモコン2と、リモコン2からの指示に基づいて照明を制御するコントローラ3と、光源41を有する複数の照明部4とを有している。また、照明システム1は、操作者の操作により所望の被照明体であるオブジェTに向けてリモコン2から出射された可視光のオブジェT上の照射位置(以下、可視光照射位置と記す)を取得する位置取得部(位置取得手段)5(図2)を、有している。
【0017】
位置取得部5は、リモコン2による可視光照射位置を取得するために、リモコン2の室内での空間位置座標を算出するための構成を有する。その構成要素として、リモコン2は、リモコン2から屋内の天井面S1、前壁面S2、及び側壁面S3までの距離L1、L2、L3をそれぞれ検知する距離センサ(空間座標上の位置検知手段)22a、22b、22c(これらを総称して距離センサ22と記す)を有し、また、リモコン2の水平方位を検知する方位センサ(方位検知手段)23と、リモコン2の勾配を検知する勾配センサ(勾配検知手段)24とを有している。検知されるリモコン2の方位と勾配が、可視光の方位と勾配と同一になるようにポインタ21が設けられているので、リモコン2の水平方位と勾配を検知することにより、ポインタ21から出射される可視光の水平方位と勾配を検知することができ、可視光照射位置を算出することができる。ポインタ21は、例えばレーザポインタであり、指向性の高い可視光を出射する。指向性の高い可視光を出射することにより、照明光の照明方向を明確に指し示すことができる。
【0018】
距離センサ22は、例えば超音波センサ、赤外線パルスセンサ、レーザセンサ等を用いることができ、天井面S1等に超音波等を発信し、反射して戻ってくる超音波等を受信して発信から受信までの時間によって距離を検知する。ポインタ21がレーザポインタであれば、それを距離センサとして兼用可能な構成としてもよい。距離を検知するときは、距離センサ22a、22b、及び22cをそれぞれ天井面S1、前壁面S2、側壁面S3に向けて検知する。方位センサ23は、例えば地磁気センサであり、例えば前壁面S2に垂直な方位を基準にして、可視光の出射方位を検知する。送信部25からコントローラ3へのデータの通信方法は、例えば、可視光通信、赤外線通信、無線通信等であり、特に何れかの通信方法に限定されるものではない。
【0019】
リモコン2は、検知した各データをコントローラ3に送信する送信部25と、操作者によって照明部4の動作を指示される操作部26とを有している。操作部26には動作を制御する光源41を選択する選択スイッチ(図示なし)と、照明部4の光源41をオンオフする点灯スイッチ(図示なし)と、調光レベルを調整する調光ボタン(図示なし)と、リモコン2の可視光をオンオフする可視光スイッチ(図示なし)と、リモコン2の可視光によって指示する位置を決定する決定スイッチ(図示なし)と、リモコン2が在る空間座標位置の検知を距離センサ22によって行なう位置スイッチ(図示なし)等が設けられている。
【0020】
位置取得部5は、コントローラ3に、送信部25から送信されたデータを受信する受信部31と、照明部4により照明されるオブジェT(被照明体)等の空間座標を記憶した記憶部32と、可視光照射位置を算出する処理部33と、照明部4の照明方向を制御する制御部34とを有している。記憶部32は、オブジェTの空間座標に加えて照明システム1が設置された室内の天井面S1、前壁面S2、側壁面S3、及び光源41の空間座標を記憶する。
【0021】
処理部33は、天井面S1、前壁面S2、及び側壁面S3の空間座標と、リモコン2から天井面S1、前壁面S2、及び側壁面S3までの距離L1、L2、L3とからリモコン2が在る空間座標位置を算出する。また、処理部33は算出されたリモコン2の在る空間座標位置と、リモコン2の水平方位と、リモコン2の勾配と、オブジェTの空間座標とから、可視光照射位置を算出する。処理部33は、算出した可視光照射位置を制御部34に伝達する。制御部34は、可視光照射位置に照明部4の照明方向が向くように、光源41を水平方向及び垂直方向に駆動させる。
【0022】
制御部34によって制御される照明部4は、光源41と、光源41を点灯させる点灯回路42と、光源41の照明方向を変える駆動部43とを有している。光源41は、例えば、白熱灯、蛍光灯、HID(High Intensity Discharge)、LED、有機EL、無機EL等であり、特に何れかの光源に限定されるものではない。駆動部43は、モータドライバ(図示なし)、駆動モータ(図示なし)、及びギアユニット(図示なし)等を有している。モータドライバは、制御部34からの制御指示に応じた駆動信号を出力し駆動モータを制御する。駆動モ−タは、例えば、電磁モータ、静電モータ、超音波モータ、球面モータ、リニアモータ等であり、特に何れかのモータに限定されるものではない。
【0023】
上記構成の照明システム1の点灯及び調光動作について図3(a)を参照して説明する。操作部26の選択スイッチによって、点灯を制御される照明部4が選択される。図3(a)の例では3台の照明部4全てが選択されている。リモコン2の点灯スイッチがオンにされると、送信部25は点灯信号を受信部31に送信し、受信した受信部31は点灯信号を制御部34へ伝達する。制御部34は、点灯回路42を介して光源41を点灯させる。リモコン2の調光ボタンによって調光レベルが調整されると、調光レベルの信号が点灯信号と同様に制御部34へ伝達され、制御部34は、点灯回路42を介して光源41を調光する。
【0024】
次に、照明システム1の照明方向を変える動作について図3(b)及び(c)を参照して説明する。操作部26の選択スイッチによって、動作を制御される照明部4が選択される。図3(b)の例では3台の照明部4の内、中央の照明部4が選択されている。最初に、操作部26の位置スイッチが押され、距離センサ22によってリモコン2から天井面S1、前壁面S2、及び側壁面S3までの距離L1、L2、及びL3が検知される。続いて、可視光スイッチが押され、リモコン2から可視光が出射される。リモコン2からの可視光によって、照明部4によって照明する位置が示される。
【0025】
続いて、図3(c)に示すように、決定スイッチが押されると、そのときのリモコン2の水平方位が方位センサ23によって検知され、リモコン2の勾配が勾配センサ24によって検知される。そして、各センサによって検知されたリモコン2から天井面S1、前壁面S2、及び側壁面S3までの距離、リモコン2の水平方位、及びリモコン2の勾配のデータが送信部25からコントローラ3へ送信される。コントローラ3の受信部31は、送信部25から送信されたデータを受信し、処理部33へ伝達する。
【0026】
処理部33は、可視光照射位置を算出し、算出した可視光照射位置を制御部34に伝達する。伝達された制御部34は、可視光照射位置に、光源41の照明方向が向くように駆動部43を駆動する。
【0027】
このように本実施形態によれば、可視光照射位置が位置取得部5により取得され、その照射位置方向に照明部4による照明方向が駆動制御されるので、容易に狙い通りの配光設定を行なうことができる。
【0028】
なお、照明システム1は、上記の構成に代え、光源41からの照明光がレンズを透過したり、反射板に反射して照明するような構成にし、レンズや反射板の向きを変えることによって、照明方向が変るようにしてもよい。また、照明システム1は住宅の屋内での使用だけでなく、店舗内の商品、展示場の展示物、及び会議室での会議資料の照明等にも使用することができる。また、リモコン2をコントローラ3に着脱可能としてもよい。リモコン2を不使用のときにはコントローラ3に装着することでリモコン2の紛失を防ぐことができ、使用時にのみコントローラ3からリモコン2を取り外し、必要な操作を行うことができる。更に、リモコン2の電源を充電可能なバッテリにし、コントローラ3に充電器を備えてもよい。リモコン2をコントローラ3に装着するときに、リモコン2の充電をすることができ、リモコン2のバッテリ切れを未然に防ぐことができる。
【0029】
(第1の変形例)
次に、本実施形態の第1の変形例について図4を参照して説明する。本変形例の照明システム1は、上記実施形態とはリモコン2が在る空間座標位置の検知方法が異なり、空間座標位置の検知がGPS(Global Positioning System)によって行なわれる。リモコン2は、距離センサ22に代えてGPSセンサ(位置検知手段)27を有しており、操作部26にはGPSセンサ27の動作を行なわせるGPSスイッチ(図示なし)が配されている。GPSスイッチが押されると、GPSセンサ27はGPS衛星からの信号を受信し、処理部33によって、リモコン2が在る空間座標位置が検知される。他の動作については、上記実施形態と同様に行なわれる。GPS衛星からの信号が弱い場合には、中継アンテナを設けてGPS衛星からの信号を受信する。
【0030】
このように、本変形例においては、GPSを使用するので、天井面等の空間座標を入力したり、距離センサ22によって天井面等までの距離を検知する必要がなく、容易にリモコン2が在る空間座標位置を検知することができる。
【0031】
(第2の変形例)
次に、本実施形態の第2の変形例について図5を参照して説明する。本変形例の照明システム1は、上記実施形態とは可視光照射位置の検知方法が異なる。リモコン2は、上記実施形態における構成に加えて、更にリモコン2からオブジェTまでの距離を測定するオブジェ距離センサ(距離検知手段)28を有している。オブジェ距離センサ28は、例えばレーザー距離センサであり、ポインタ21から出射される可視光と同一箇所にレーザーが照射され、反射されたレーザーが検知されてオブジェTまでの距離が検知される。また、記憶部32は、上記実施形態と異なり、オブジェTの空間座標を記憶する必要がない。
【0032】
この照明システム1の照明方向を変える動作について説明する。上記実施形態と同様にして、リモコン2の空間座標位置が検知された後、可視光スイッチが押されると、リモコン2から可視光が出射される。続いて、決定スイッチが押されると、上記実施形態と同様にリモコン2の水平方位と、リモコン2の勾配とが検知されると共に、オブジェ距離センサ28によってリモコン2からオブジェTまでの距離が検知される。そして、それぞれのデータが、送信部25からコントローラ3へ送信される。コントローラ3の受信部31は、送信部25から送信されたデータを受信し、処理部33へ伝達する。処理部33は、上記実施形態と同様にしてリモコン2が在る空間座標位置を算出する。続いて、処理部33は算出したリモコン2が在る空間座標位置と、受信部31から伝達されたリモコン2の水平方位と、リモコン2の勾配と、リモコン2からオブジェTまでの距離とから、可視光照射位置を算出する。
【0033】
本変形例の照明システム1によれば、可視光照射位置が、リモコンが在る空間座標位置、リモコン2の水平方位、リモコン2の勾配、及びオブジェTまでの検知距離から算出されるので、その照射位置方向に照明部4による照明方向が駆動制御され、容易に狙い通りの配光設定を行なうことができる。また、オブジェTの空間座標が要らないので、例えば、プレゼンテーションの場において移動するプレゼンタにリモコン2による可視光を照射し、プレゼンタに照明方向を向けることができる。また、読書をするときにおいても、本にリモコン2による可視光を照射することにより、本に照明方向を向けることができる。
【0034】
(第3の変形例)
次に、本実施形態の第3の変形例について図6を参照して説明する。本変形例の照明システム1は、可視光照射位置を画像センサによって検知するものであり、リモコン2、コントローラ3、照明部4に加えて画像センサ6を備えている。画像センサ6は、例えば、天井面に設けられて、リモコン2による可視光の照射位置の画像を撮像する。画像センサ6は、例えばCCDセンサであり、レンズには広角レンズや魚眼レンズ等を用いてもよい。リモコン2による可視光を赤色レーザ光とした場合には、赤外線CCDセンサを用いればよい。また、リモコン2による可視光を青色LEDによる青色とした場合には、青色の波長のみを透過させるフィルタをCCDセンサに取り付ければよい。
【0035】
CCDセンサは、指定の空間内の撮像が可能な光学系を有しており、光学系は視野から入力される光線に応じて電気信号を生成する。CCDセンサは、光学系による結像位置における各画素に対応して配列された多数のフォトダイオードを有し、各フォトダイオードに入力された光線の電気エネルギ−に応じた電気信号を生成する。そして、画素毎に生成した電気信号を一時的に記憶し、各画素について電気信号が連続する撮像信号を生成する。画像センサ6は、CMOSセンサ等でもよい。リモコン2は、ポインタ21と送信部25と操作部26を有しており、上記実施形態と異なり、距離センサ、方位センサ、勾配センサを有していない。
【0036】
この照明システム1の動作について図7(a)乃至(c)を参照して説明する。図7(a)に示すように、操作部26の選択スイッチによって3台の照明部4全てが選択されて点灯している。続いて、図7(b)に示すように、操作部26の選択スイッチによって、動作を制御する照明部4が選択され、可視光スイッチが押されるとリモコン2から可視光が出射され、送信部25から受信部31へ可視光の出射が開始されたことを示す開始信号が送信される。図7(b)の例では3台の照明部4の内、中央の照明部4が選択されている。受信部31は開始信号を受信すると、その信号を処理部33へ伝達し、処理部33は画像センサ6に撮像を開始させ、所定時間毎に撮像させる。操作者は、リモコン2の可視光によって照射位置を示した状態で、決定スイッチを押して照射位置が決定したことを示す決定信号を送信部25から受信部31に送信させ、更にリモコン2を少し振り、決定した照射位置を中心にして可視光の照射位置を変動させる。
【0037】
続いて、図7(c)に示すように、決定信号を受信した処理部33は、画像センサ6からの撮像信号の処理を開始し、時間毎の画像の映像信号の変化から照射位置の変動が撮像されているか否かを判断する。可視光の変動が撮像されていると判断した場合、処理部33は撮像された画像とオブジェTの空間座標とから、可視光照射位置を算出し、算出した可視光照射位置を制御部34に伝達する。伝達された制御部34は、可視光照射位置の方向に、光源41の照明方向が向くように駆動部43を駆動する。
【0038】
なお、画像センサ6は、複数台設けて広範囲にわたって可視光を検知できるようにしてもよい。また360度全方位を撮像できる全方位撮像センサを用いてもよい。また、リモコン2の可視光で示された位置に常に光源41の照射方向を移動させるようにしてもよい。
【0039】
本変形例の照明システム1によれば、可視光照射位置が、オブジェTの空間座標と画像センサ6による画像とから算出されるので、その照射位置方向に照明部4による照明方向が駆動制御され、容易に狙い通りの配光設定を行なうことができる。
【0040】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、リモコンの水平方位や勾配を検知するのにジャイロセンサや加速度センサ等を用いてもよい。また、第1の変形例における照明システム1の構成において、GPS衛星を使用せずに室内等に複数の超音波発信機を設置し、それぞれの超音波発信機から個別の超音波を発信させ、その超音波をリモコンで受信して、リモコンが在る空間座標位置を検知してもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 照明システム
21 ポインタ
22、22a、22b、22c 距離センサ(位置検知手段、位置取得手段)
23 方位センサ(方位検知手段、位置取得手段)
24 勾配センサ(勾配検知手段、位置取得手段)
27 GPSセンサ(位置検知手段、位置取得手段)
28 オブジェ距離センサ(距離検知手段、位置取得手段)
32 記憶部(位置取得手段)
33 処理部(位置取得手段)
34 制御部
4 照明部
43 駆動部
5 位置取得部(位置取得手段)
6 画像センサ(位置取得手段)
T オブジェ(被照明体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明方向を可変な照明システムにおいて、
可視光を出射するポインタ機能を持つリモコンと、
前記リモコンから出射される可視光が照射される被照明体上の照射位置を取得する位置取得手段と、
照明方向を変えるための駆動部を有した照明部と、
前記照明部による照明方向が前記位置取得手段により取得された照射位置に向くように前記駆動部を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする照明システム。
【請求項2】
前記位置取得手段は、
前記被照明体の空間座標を記憶した記憶部と、
前記リモコンが在る空間座標位置を検知する位置検知手段と、
前記リモコンの水平方位を検知する方位検知手段と、
前記リモコンの勾配を検知する勾配検知手段と、
前記被照明体の空間座標、リモコンの空間座標位置、リモコンの水平方位、及びリモコンの勾配から可視光照射位置を算出する処理部と、を有したことを特徴とする請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記位置取得手段は、
前記リモコンが在る空間座標位置を検知する位置検知手段と、
前記リモコンの水平方位を検知する方位検知手段と、
前記リモコンの勾配を検知する勾配検知手段と、
前記被照明体までの距離を検知する距離検知手段と、
前記リモコンの空間座標位置、リモコンの水平方位、リモコンの勾配、及び被照明体までの検知距離から可視光照射位置を算出する処理部と、を有したことを特徴とする請求項1に記載の照明システム。
【請求項4】
前記位置取得手段は、
前記被照明体の空間座標を記憶した記憶部と、
前記リモコンによる可視光の出射位置の画像を撮影する画像センサと、
前記被照明体の空間座標及び前記撮像画像から可視光照射位置を算出する処理部と、を有したことを特徴とする請求項1に記載の照明システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−257742(P2010−257742A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−106325(P2009−106325)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】