説明

照明デバイス、照明器具およびディスプレイデバイス

【課題】作動していないときに、視認性のよい照明デバイスを特定する。
【解決手段】照明デバイス1は、光を発生する機能層配列23と有機発光素子2により発せられた光を照明デバイス1から取り出し、かつ周辺光を照明デバイス1に取り込む光通過領域7と、光通過領域7を通って取り込まれた周辺光の少なくとも一部を反射して、光通過領域7に戻す光再帰反射器5と、を含む有機発光素子2を有する。有機発光素子2は、少なくとも一部が光透過性とされる。有機発光素子2の機能層配列23は、光通過領域7と再帰反射器5との間に配置される。さらに照明器具およびディスプレイデバイスが特定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、照明デバイス、照明器具およびディスプレイデバイスに関する。
【0002】
本特許出願は、ドイツ特許出願102007046723.2と102007054037.1の優先権を主張する。これらの出願の開示内容は、本願に参照により援用される。
【背景技術】
【0003】
種々の照明手段を含む様々な照明デバイスが多数知られている。照明手段の例には、白熱灯や、蛍光灯や、発光ダイオードなどがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願の目的は、作動していないときに、視認性のよい照明デバイスを特定することである。
【0005】
前記目的は、添付の特許請求の範囲に記載の照明デバイス、照明器具、ディスプレイデバイスの手段によって達成される。好ましい構成や態様は、それぞれ従属請求項にて特定される。特許請求の範囲の開示内容は、参照により明細書に明確に援用される。
【0006】
ある照明デバイスを特定する。照明デバイスは有機発光素子を含む。さらに、照明デバイスは光通過領域(light passage area)を有し、光通過領域は、有機発光素子によって発せられた光を照明デバイスから取り出し、周辺光(ambient light)を照明デバイスに取り込む。さらに、照明デバイスは、有機発光素子により発せられた光を照明デバイスから取り出し、かつ周辺光を照明デバイス内に取り込む光通過領域を有する。
【0007】
さらに、照明デバイスは再帰反射器を有し、再帰反射器は、光通過領域を通って取り込まれた周辺光の少なくとも一部を反射して、光通過領域に戻す。再帰反射器により反射された少なくとも一部の周辺光は、好ましくは発光デバイスから光通過領域を通って取り出される。
【0008】
本出願書面において「周辺光」は、照明デバイス外の外部発光源により生じた可視電磁放射線を意味するものと理解される。一例として、ヘッドライト(例えば、車両のヘッドライト)、街路照明または屋内照明、および/または太陽が、外部発光源として好ましい。
【0009】
再帰反射器は、光通過領域から再帰反射器に入射した周辺光を反射して、幅広い入射角度において、実質的に入射方向と同じ方向に戻す。別の言い方をすると、再帰反射器に入射する光線の一部と、再帰反射器で反射された光線の一部が、実質的に平行する。この場合に、入射角度とは、光線の入射部分(incident part)と、再帰反射器のメインの伸展面(extension plane)の領域に対する法線との交差角度である。具体的には、入射部分と反射部分とが、15°以下の交差角度を形成し、好ましくは、10°以下の交差角度を形成し、より好ましくは5°以下の交差角度を形成する。入射角度の上限は、例えば45°以上であり、好ましくは60°以上であり、より好ましくは75°以上である。
【0010】
一の態様では、再帰反射器はわずかな散乱を有する。別の言い方をすると、光線の入射部分が反射されて、狭い発散ビームコーン(narrow, divergent beam cone)内に戻される。ビームコーンは、光線の入射部分に実質的に平行な重心軸を有する。つまり、重心軸は、光線の入射部分と、例えば15°以下、好ましくは10°以下、より好ましくは5°以下の交差角度を形成する。
【0011】
ビームコーンの開口角度は、好ましくは15°以下、より好ましくは10°以下であり;0.5°以上、より好ましくは2°以上である。ここで開口角度とは、重心軸とビームコーンのエンベロープ表面(envelope surface)との交差角度である。エンベロープ表面は、具体的には、電磁放射線の強度が、重心軸での強度の1/eとなるように選択された、重心軸から隔てられた全ての点の組合せである。
【0012】
狭い発散ビームコーン内へ再帰反射させることは、例えば外部光源からの入射光線(例えば、自動車のヘッドライト)が反射されて直接外部光源に戻されることを目的としておらず、むしろ、例えば、外部光源の周辺にいる観察者(例えば、自動車のドライバー)に認識されることを目的としている場合に有利である。
【0013】
有機発光素子は、少なくとも一部は光透過性を有し、好ましくは透明である。有機発光素子、または少なくともその機能層配列(functional layer sequence)は、光通過領域と再帰反射器との間に配置される。別の言い方をすると、照明デバイスの後方から前方に向かって、再帰反射鏡、機能層配列、光通過領域が、この順に連続している。これにより、光通過領域を通って照明デバイス内に取り込まれた周辺光の少なくとも一部が、有機発光素子または少なくとも機能層配列を通って導かれ、再帰反射器にまで侵入する。したがって好ましくは、特に、再帰反射器により反射され、照明デバイスから光通過領域を通って取り出される周辺光の少なくとも一部も、光透過性の有機発光素子を通過する。
【0014】
再帰反射器により、所定の入射角度で光通過領域に当たった周辺光は、照明デバイス内に取り込まれ、再帰反射器により反射されて光通過領域に戻され、光通過領域に対する一定の出射角度で照明デバイスから取り出される。前記出射角度は、前記入射角度と実質的に同一である。ここで、入射角度または出射角度とは、光通過領域の平面に対する法線との角度である。一例として、入射角度の上限値は45°以上であり、好ましくは60°位所であり、さらに好ましくは75°以上である。
【0015】
再帰反射器から反射されて光通過領域に戻ってきた周辺光により、作動していないとき(例えば、有機発光素子の電源が入っていないときや、有機発光素子の不良のように機能的損傷が生じた場合)でも、照明デバイスの視認性が高まる。周辺光が十分でない場合には、有機発光素子により照明デバイスの視認性を高める。
【0016】
有機発光素子は機能層配列を有する。機能層配列は光透過性であり、好ましくは透明または半透明である。機能層配列の少なくとも一層は、有機物質を含む。一例として、有機物質はポリマーおよび/または小分子物質である。有機物質は、特に、電磁放射線を発するために用いられる。有機発光素子は、特に、有機発光ダイオード(OLED)を構成する。作動中に機能層配列により、再帰反射器の方向に発せられた電磁放射線の少なくとも一部は、好ましくは反射されて再帰反射器から光通過領域の方向に戻され、光通過領域を通って照明デバイスから取り出される。
【0017】
機能層配列は、少なくとも一部が光透過性であるように具現化された、そして好ましくは透明または半透明となるように具現化された2つの電極(それ自身が機能層でもある)の間に配置される。適切な電極は、例えば金属膜を含み、その厚さは、機能層配列により発せられた光の少なくとも一部が透過するように小さく選択される。代替的に、または付加的に、インジウムスズ酸化物などの透明導電性酸化物(TCO)が、一方または両方の電極として用いられうる。電極を含む機能層積層体は、好ましくは光透過基板、特に透明基板上に配置される。基板は、例えばガラス板、ガラスシート、または樹脂フィルムを含むか、またはそれらの少なくとも一つからなる。
【0018】
一の態様では、再帰反射器は波長選択的な形式に具現化される。一例として、再帰反射器はカラーフィルター層を含む。カラーフィルター層は、可視電磁放射線スペクトラムの第1スペクトル領域を伝達し、かつ可視電磁放射線スペクトラムの他のスペクトル領域を吸収する。カラーフィルターの代替として、再帰反射器が、周辺光を反射するための波長選択的反射層を有していてもよく、波長選択的反射層は第1領域を反射し、第2領域を吸収および/または伝達する。
【0019】
好ましくは、第1スペクトル領域の一部または全部が、作動中の照明デバイスの有機発光素子により発せられた光のスペクトル分布と重なる。一の態様では、有機発光素子により発せられた最大強度の光は、可視スペクトラムの第1スペクトル領域にある波長を有する。一例として、波長選択的形式に具現化された再帰反射器は、有機発光素子の発光極大波長を有する電磁放射線を反射する。
【0020】
再帰反射器から反射されて光通過領域に戻され、照明デバイスから取り出された一部の周辺光は、好ましくは、有機発光素子により発せられる光と、実質的に同じ色印象を実現する。好ましくは、照明デバイスは、自立的に、有機発光素子が稼動している状態のときと同じ色印象を実現する。
【0021】
再帰反射器に含まれるカラーフィルター層は、具体的には、照明デバイスの有機発光素子と、光通過領域から遠い側(つまり、後側)との間に配置される。他の態様では、照明デバイスは、光通過領域と有機発光素子との間の少なくとも何箇所かに(at least in places)配置されたカラーフィルター層を有する。光通過領域の平面において、カラーフィルター層が有機発光素子と再帰反射層の一部、またはこの構成における領域全体を覆う。一つの応用形態では、カラーフィルター層は有機発光素子を封入する封入体として具現化される。一例として、封入体はカラーフィルター層を形成するために少なくとも一の着色剤を含有する。
【0022】
カラーフィルター層が光通過領域と有機発光素子との間の一部に配置される一つの応用形態では、有機発光素子により発せられた光の第1スペクトル領域がカラーフィルター層により伝達され、かつ有機発光素子により発せられた光の第2スペクトル領域がカラーフィルター層に吸収される。
【0023】
一例として、有機発光素子は白色光を発する。カラーフィルター層は、短波長、可視スペクトル領域の第2スペクトル領域を吸収する。一例として、カラーフィルター層は青および緑のスペクトル領域を吸収し、第1スペクトル領域である赤色光を伝達する。このように、光通過領域の平面をカラーフィルター層で覆われていない有機発光素子を配置することにより、有機発光素子により引き起こされたスペクトラル分布に対応する色印象が発現される。カラーフィルター層で覆われた部分領域は、カラーフィルター層によって伝達される第1のスペクトル領域に対応する色になる。情報(例えば、パターンおよび/または少なくとも一つの記号)の表示は、このように、個々の有機発光素子により得られることが好ましい。1もしくは複数の記号は、例えば、1または複数の文字、1または複数の数字、および/または1または複数の絵文字である。
【0024】
他の態様では、複数の有機発光素子が、光通過領域の平面に互いに横方向に並んで配置されている。この態様の一の応用形態では、異なる種類のカラーフィルターが、横方向に互いに並んで配置された少なくとも2つの有機発光層に配置される。一例として、それぞれのカラーフィルターが、光通過領域の平面の一部または全部に配置されて、有機発光素子を覆う。特に、各有機発光素子により発せられた最大強度の光が、その素子に配置されたカラーフィルター層の第1スペクトル領域にある波長を有する。
【0025】
さらなる態様では、照明デバイスは、機能層配列が横方向に(laterally)重なる複数の発光素子を有する。別の言い方をすると、複数の有機発光素子は、照明デバイスの前方から後方に向かって、次々に連続して配置されている。別の言い方をすれば、複数の有機発光素子は、重なり合って積層されている。一例として、有機発光素子の積層は、白色光を発するために好ましい。
【0026】
横方向に互いに並んで配置された複数の有機発光素子および/または機能層配列が横方向に重なる複数の有機発光素子は、一つの発展形態において、個々にまたは小グループで駆動されうる。作動中に、色印象および/または表示する情報が変化する照明デバイスが、この方法によって得られる。
【0027】
一の態様では、複数のビーム成形部材を有する再帰反射器は反射層を有する。ビーム成形部材は、好ましくは単層に配置される。反射層は、好ましくは、少なくとも部分的に反射性である表面を有する。一例として、反射層の、光通過領域に対向している主領域は、反射性である。反射層は、具体的には金属素材である。一例として、反射性金属膜である。代替として、反射層の表面の反射性は、特に、反射層の光通過領域から遠い側の主面での全反射によっても達成される。光通過領域から遠い側の主面で(全)反射させる反射層は、少なくとも部分的に光透過性である物質、特に透明物質または半透明物質を含有することが好ましい。このような反射層は、カラーフィルター層と一体的に具現化されていてもよい。
【0028】
一の態様では、少なくとも一つのビーム整形部材は、反射層の表面の凹みを有するか、またはその凹みからなる。一例として、凹みはプリズム形状、円錐状、円錐台状、角錐台状を有する。凹みは、例えば、反射層にエンボス加工をすることにより形成される。ミラー層が、キャリア(carrier)上の反射性金属フィルムを有する場合には、その反射性金属膜を形成する前に、キャリアにエンボス加工して凹みを形成することが好ましい。
【0029】
更なる態様では、少なくとも一つのビーム整形部材は、レンズ部材を有するか、またはレンズ部材からなる。レンズ部材は、例えば、ガラスビーズ、高屈折率を有する無機粒子、および/またはガラス破片である。再帰反射器の一つの発展形態では、レンズ部材は、反射層の凹みに配置され、特にその凹みの開口部から突出している。
【0030】
代替として、再帰反射器は複数のビーム整形部材を含むキャリア層を有していてもよく、キャリア層は部分的に光透過性、半透明または透明であり、ビーム整形部材は部分的に反射性を有する。例えば、部分的に金属化されたガラスビーズは、部分的に反射性を有するようにされたビーム整形部材として適切である。ビーム整形部材は、好ましくはキャリア層にある単層に含まれる。反射性は、光通過領域から遠い部分に付与することが好ましい。
【0031】
一つの態様では、ビーム整形部材は微小化されている。一例として、それらの最大長さは1mm以下であり、一つの発展形態では250μm以下であり、例えば100μm以下である。
【0032】
さらに別の態様では、照明デバイスはフレキシブルに具現化される。フレキシブルに具現化された照明デバイスは、特に多様性をもって好ましく用いられる。
【0033】
一の態様では、照明デバイスは照明器具に含まれるか、または照明器具を構成する。照明器具とは、具体的に、輸送手段のための照明器具、または街路照明のための照明器具である。一例として、照明器具は、車両(例えば、自動車や自転車)の位置照明器具(position luminaire)である。この態様では、例えば自動車に設けられた反射器(具体的には再帰反射器)は、照明器具(例えば、自動車のリアライト)に一体化されていることが好ましい。これにより、照明器具と反射器に必要なスペースが、特に好ましく小さくなる。
【0034】
他の態様では、照明デバイスはディスプレイデバイスに含まれる。ディスプレイデバイスは、具体的に情報を表示するように提供される。情報とは例えば、少なくとも一つの記号、少なくとも一つの幾何学的形状(円形、三角形、矩形など)、および/または少なくとも一つの画像情報項目(図または写真など)でありうる。一例として、ディスプレイデバイスは、ディスプレイパネル、例えば方向を指し示す標識(例えば交通標識)、警告パネル、道路標識またはナンバープレートである。その情報は、発光素子の電源が入っていなかったり、発光素子に生涯があったりする場合であっても、特に視認性がよい。
【0035】
さらに別の一態様では、照明デバイスおよび/またはディスプレイデバイスを有する衣服または手荷物が提供される。衣服とは、例えば上着や靴である。手荷物とは、例えば学生かばん、リュックサック、バッグ(旅行かばんやスポーツバッグなど)、またはスーツケースである。
【0036】
一つの好ましい応用形態では、照明デバイスおよび/またはディスプレイデバイスは、フレキシブルに、つまり具体的には、柔軟におよび/または形状自在(shapeable)に具現化される。他の応用形態では、電源ユニットが衣服または手荷物に組み込まれ、作動中の照明デバイスおよび/またはディスプレイデバイスに電力を供給する。
【0037】
本発明の照明デバイスのさらなる利点および好ましい態様や応用形態が、図1A〜図13参照して以下に説明される典型的な態様から、明らかになるであろう。
【0038】
典型的な態様および図面において、同様のまたは同様に作用する構成部材は、同一の参照記号を付されている。図面、または図面に記載の構成要素間の大きさの関係は、原則として、実際の尺度としてみなされるべきではない。むしろ、各構成要素(層など)は、誇張された大きさ(特に、誇張された厚さ)で示されている場合もある。より表現しやすいため、および/またはよりよい理解のためである。
【0039】
図1Aは、第1の典型的な態様による照明デバイス1の概略断面を示す。照明デバイス1は、基板21と基板21に貼り付けられた第1の電極22とを含む有機発光素子2を有する。有機物質(高分子物質および/または小分子)をベースとする機能層配列23は、第1の電極22の基板21から遠い側に貼り付けられる。第2の電極24は、機能層配列23の第1の電極22から遠い側に配置される。封入体25(この場合には、ふた)は、機能層配列23を、物理的損傷、汚染および/または水分から保護する。ふた25は、例えばガラスのふた、またはポリカーボネートなどを含有するプラスチックのふたである。
【0040】
有機発光素子2を電気的に接続するために、第1の電極および第2の電極は、好ましくは封入体25から外部スペースに導出されている。第1の電極22および第2の電極24によって機能層配列23に動作電流が印加されると、機能層配列の活性領域が励起され、電磁放射線を発する。
【0041】
照明デバイスは、前方側3から電磁放射線を発するように提供される。本典型的態様では、前方側3は、有機発光素子2の基板21から遠い側である。前方側3に、照明デバイス1は光通過領域を有する。この場合には、封入体25の機能層積層体23から遠い領域である主領域251が、光通過領域を構成する。
【0042】
前方側3の反対にある後方側4に、照明デバイス1は再帰反射器5を有する。第1の典型的な態様では、再帰反射器5は反射層として金属板を有する。前方側3に対向する反射層の主領域は、少なくとも、有機発光素子2によって覆われた領域にビーム整形部材50を有する。この場合には、ビーム整形部材50は、反射金属板51にエンボス加工された角錐状の凹みである。凹み50により、再帰反射器5は、光通過領域7から再帰反射器5に侵入した周辺光を反射して、再帰反射器5に侵入してきた方向と同じ実質的に方向に戻す。
【0043】
角錐状の凹み50は、好ましくは三面鏡を構成する。別の言い方をすると、凹みのそれぞれは、好ましくは精密に3つの側面を有する。一つの応用形態では、本例のように、3つの側面が互いに約90°(例えば85°〜95°であり、限界値を含む)の角度を形成する。
【0044】
有機発光素子2は、少なくとも部分的に光透過性となるように具現化され、好ましくは透明に具現化される。特に、各基板21、第1の電極22および第2の電極24、ならびに機能層積層体23は、部分的に光透過性であり、好ましくは透明または半透明である。
【0045】
一例として、基板21はガラス板、ガラスシートまたは高分子フィルムである。透明な導電性酸化物(ITOなど)および/または半透明金属層が、第1の電極22および第2の電極24の材質として好適である。これにより、光通過領域7を通って照明デバイス1に取り込まれた周辺光の少なくとも一部は、有機発光素子2を通って導かれ、再帰反射器5に侵入する。周辺光の少なくとも一部は反射されて、再帰反射器から、具体的には有機発光素子2を通って、光通過領域7に戻される。これにより、照明デバイス1に取り込まれた周辺光の少なくとも一部が、再び、照明デバイス1から取り出される。ここで入射角度と出射角度(entrance and exit angles)とは実質的に同一であり、つまり、具体的には15°以下だけ、好ましくは10°以下だけ、さらに好ましくは5°以下だけ異なる。
【0046】
さらに、照明デバイスの作動中に、後方側4に向かって機能層配列23により発せられた電磁放射線の少なくとも一部は、再帰反射器5によって反射されて、前方側3に戻されて、光通過領域7を通って取り出される。
【0047】
カラーフィルター層6は、光通過領域7と機能層配列23との間に配置される。この場合にカラーフィルター層6は、キャップ25の、機能層配列23に対向する内面に貼り付けられる。カラーフィルター層6は、可視波長スペクトラムの第1のスペクトル領域に対して高透過率を有し、かつ可視波長スペクトラムの第2のスペクトル領域に対する高吸収率を有する。作動中の照明デバイスの機能層配列23により発せられた最大強度の電磁放射線は、カラーフィルター層6により伝達される第1のスペクトル領域内にある。
【0048】
図1Bは、第1の典型的な態様の変形態による照明デバイス1の概略断面を示す。
【0049】
図1Aに示される第1の典型的な態様とは対象的に、この場合には、再帰反射器5は、有機発光素子2の基板21から遠い側に配置される。この態様では、照明デバイス1の後方側4から前方側3に向かって、再帰反射器5、機能層配列23および基板21が、この順に連続している。一方、図1Aの態様では、後方側4から前方側3に向かって、機能層配列23が基板21の後に続いている。
【0050】
図1Bに示された第1の典型的な態様の変形態様では、例えば、具体的に封入フレーム25と一体化されている再帰反射器5は、機能層配列23の封入体または封入体の一部を構成する。封入フレーム25は、例えばスペーサーリングであり、例えばプラスチックまたはガラスを材質とする。代替的に、封入フレーム25は接着性のビーズであってもよく、それにより再帰反射器5は、有機発光素子の基板21に固定される。
【0051】
図1Bに示される照明デバイスは、さらにカラーフィルター6を有する。この場合に、カラーフィルター6は、基板21の、機能層配列から遠い側の主面に貼り付けられている。代替的に、基板21がカラーフィルター層6を構成していてもよく、一例として、基板21は目的とする着色剤を含有する。
【0052】
図1Bに示される第1の典型的な態様の変形態様では、再帰反射器5は、反射層51と、複数のレンズ部材50と、少なくとも部分的に光透過性であり、好ましくは透明であるカバー層52とを含む反射フィルムである。レンズ部材は例えばガラスビーズであり、例えば、100μm以下、特に50μm以下の直径を有する。ガラスビーズ50は、部分的に反射層51に埋め込まれており、反射層51はガラスビーズ50が配置されるための凹みを有し、かつ反射層51からガラスビーズ50は突出している。カバー層52は特に、汚染または物理的損傷からビーム整形部材を保護する。波長選択的な再帰反射器である場合には、カバー層はカラーフィルター層を構成し、例えば着色剤を含有する。
【0053】
前方側3からレンズ部材50に侵入した光は、レンズ部材50に入るときに屈折し、反射層51で反射し、レンズ部材50から出るときに再度屈折する。このように反射される光は、具体的には、レンズ部材に侵入したときの方向と実質的に同じ方向に反射されて戻される。
【0054】
図2は、第2の典型的な態様による照明デバイス1の概略断面を示す。第2の典型的な態様による照明デバイスは、第1の典型的な態様とは対照的にカラーフィルターを有さない。
【0055】
再帰反射器5は、無機物質粒子により形成される。粒子は、例えばガラスまたはガラスセラミック粒子でありうる。粒子は、例えば多角形の外形を有する(例えば、ガラス破片が含まれる)。また粒子は、丸みのある形状(例えば、実質的に球形または楕円形)を有しうる。粒子は、中実粒子であっても、中空粒子であってもよい。この場合には、ビーム整形部材50は、100μm以下、好ましくは50μm以下の直径を有するガラスビーズである。この場合に、粒子の表面は部分的にミラーコーティングされている。ガラスビーズ50の表面のミラーコーティングされた部分は、照明デバイス1の後方側4に対向する側であり、光通過領域7から遠い側である。表面を部分的にミラーコーティングされた粒子の代わりに、全反射するミラーコーティングされていない粒子を用いてもよい。
【0056】
ビーム整形部材50は、再帰反射器5に単層に含有されており、透明キャリア層52に埋め込まれ、透明キャリア層52は、例えば高分子物質を含む。キャリア層52の材質は、特に、ビーム整形部材50の屈折率よりも小さい屈折率を有する。一つの態様では、ビーム整形部材50の屈折率は、キャリア層52の屈折率の1,5〜2.5倍(限界値を含む)である。波長選択的な再帰反射器5の場合には、例えばカラーフィルター層が、キャリア層52と一体的に形成される。一例として、キャリア層52は目的とする着色剤を含む。
【0057】
第1の典型的な態様との更なる相違点は、図2に示された照明デバイスが、後方側4から前方側3に向かって、互いに積層されている2つの有機発光素子2Aと2Bを有することである。この場合に、2つの有機発光素子2Aと2Bは、共通の封入体25の内部に配置される。
【0058】
照明デバイス1は、この場合には、フレキシブルに具現化される。有機発光素子2Aと2Bの基板21Aと21Bは、例えば高分子フィルムである。この典型的な態様では、封入体は、少なくとも一層の誘電体層(例えば、SiO層、Si層および/または窒化酸化物層)を有する透明な薄膜の封入体25である。好ましくは、薄膜封入体は、誘電体層と高分子層との交互積層体を含む。このような薄膜封入体25は、他の態様の照明デバイスにも好適である。
【0059】
図3は、第1の典型的な態様の第2の変形態様であり、2つの照明デバイス1Aと1Bを有する照明器具10の概略断面を示す。2つの照明デバイス1Aと1Bは、それらの後方側4Aと4B、具体的にはそれらの再帰反射器5Aと5Bが互いに向かい合うように配置される。2つの照明デバイス1Aと1Bの後方側4Aと4Bは、好ましくは互いに固定されている。これにより、照明デバイス1Aと1Bの前方側3Aと3Bは、互いに反対側に位置し、光通過領域7Aと7Bは互いに離れている。したがって、照明器具10は、大きい立体角範囲(solid angle range)を照明し、かつ/又は大きい立体角範囲からの周辺光の再帰反射器にとって好ましい。
【0060】
第1の照明デバイス1Aに基づいて説明された以下の特徴は、照明器具10の第2の照明デバイス1Bにも準用される。
【0061】
この典型的な態様では、再帰反射器5は、照明デバイス1Aの基板21Aと一体化されている。基板21Aの後方の主面は、凹み50Aで構築されている。
【0062】
図1Aに示される第1の典型的な態様の再帰反射器5とは対象的に、不透明物質を含む反射性の反射層51の、前方側3に対向する領域で、反射は実質的に生じない。さらにこの場合には、凹み50Aの側面での全反射により反射が実現される。この場合に基板21Aは、透明マトリックス物質と;マトリックス物質に分散され、可視スペクトラムの第1のスペクトル領域を伝達し、かつ可視スペクトラムの第2のスペクトル領域を吸収する着色剤とを含有する。これにより再帰反射器5Aは、実質的に、第1のスペクトル領域内の波長を有する周辺光だけを反射して、光通過領域7Aに戻す。作動中の機能層配列23Aにより発せられた最大強度の放射線は、同様に第1のスペクトル領域にある波長を有することが好ましい。
【0063】
この場合には、基板21Aはカラーフィルター層6Aを構成する。代替として、基板21Aは、同様の目的で着色マトリクス材を含んでいてもよい。再帰反射器の波長選択性が望ましくない場合には、基板21Aは透明に具現化される。この典型的な態様に具現化された再帰反射器5Aは、他の照明の構成にも適する。
【0064】
カラーフィルター層6Aは、この典型的な態様における基板21Aと一体化されて具現化されており、後方側4Aに向かって機能層配列23Aの後に続いている。これにより、機能層配列23Aによって、前方の光通過領域7Aに向かって発せられた光が、カラーフィルター層6Aに吸収されるというリスクが低減される。
【0065】
図4は、自転車の概略側面を示す。示された自転車は、図1Aの第1の典型的な態様による、後方発光する照明デバイス1を有する。一例として、後方発光の発光素子2は赤色光を発し、カラーフォルター層2は赤色印象を引き起こす。
【0066】
代替的にまたは付加的に、自転車は例えば、図2に示された第2の典型的な態様による照明デバイスを含むフロントライト1’を有する。
【0067】
一例として、フロントライト1’の場合には、黄色光を発する第1の有機発光素子2Aと、青色光を発する第2の有機発光素子2Bが、互いに積層される。これにより、フロントライト1’は、作動中に白色光を発する。代替として、フロントライトは、単一の機能層配列23により白色光を発する有機発光素子2を含んでいてもよい。更なる代替として、例えば赤、グリーン、青の光を発する、3つの発光素子の積層体もありうる。
【0068】
更なる代替として、または付加的に、自転車は、車輪のスポークに反射器を有していてもよく、この場合の反射器は図3に示された典型的な態様の照明器具を含む。照明器具10は、例えば、電池または充電式電池などの電源装置(図3には示されていない)を含む。リアライト1および/またはフロントライト1’は、電力供給のため、同様に電池または充電式電池を含み、かつ/又は発電機などの外部電源装置により動作電流を供給される。
【0069】
図5は、自動車の概略後方面を示す。例えば、図3に示された照明器具10の照明デバイス1Aと同様に具現化された照明デバイス1は、自動車のテールランプとして用いられる。
【0070】
さらに、ディスプレイパネル、つまりライセンスプレート100は、自動車100に固定されており、前述の典型的な態様の一つ、例えば第2の典型的な態様による照明デバイスを同様に含む。ナンバープレートに含まれる情報、具体的には、文字および/または数字などの記号110を表示するために、例えば、光通過領域7は吸収層(例えば、カラー層)を一部に有する。その吸収層は、記号110の領域において、周辺光の取り込みや、反射光または有機発光素子により発せられた光の取り出しを低減したり、抑制したりする。
【0071】
図6に示される衣服は、(この場合には、ストリップ形状の)警告マークを有し、警告マークは照明デバイス1で構成されるか、または照明デバイス1を含む。照明デバイスは、例えば前述の典型的な態様の一つにより具現化されるが、好ましくはフレキシブルに具現化される。
【0072】
図6に示される典型的な態様による衣服9はさらに、前述の典型的な態様の一つによる照明デバイス1を有し、フレキシブルにされたディスプレイパネル100を有していてもよい。複数の記号110が、例えば吸収層により、ディスプレイパネル100に示される。一例として、記号は一の単語または複数の単語を構成する。好ましい態様では、衣服9は、照明デバイス1および/またはディスプレイパネル100に電力を供給する電源装置(電池など)を有する。
【0073】
図7は、手荷物9(ここでは、学生かばん)の概略斜視図を示す。図6に示された典型的な態様による衣服と同様に、学生かばん9は、例えば、ストリップ(strip)の形態にされた警告マークを有する。警告マークは、照明デバイス1により構成されるか、または照明デバイス1を含む。
【0074】
さらにこの場合に、手荷物9の2つの締結部材10(例えば、留め金やロック)は、それぞれに照明デバイスを含む照明器具とされる。照明デバイスは、例えば第1の典型的な態様またはその変形態様の一つとされる。
【0075】
電力は、例えば、手荷物9に組み込まれた少なくとも一つの電池により提供される。一例として、締結部材10のそれぞれが電池を有しうる。一の態様では、警告マーク1は、手荷物9に組み込まれた少なくともさらにもう一つの電池により動作電流を提供される。
【0076】
図8は、第4の典型的な態様による照明デバイス1の概略断面を示す。照明デバイス1は、複数の発光素子(この場合には、2つの発光素子2Aと2B)を含み、それらは互いに横方向に(laterally)隣接している。別の言い方をすると、それらは、光通過領域7の平面において、互いに並んで配置されている。この場合に、有機発光素子2Aと2Bは共通の基板21上に配置されている。
【0077】
この場合に、素子2Aと2Bはそれぞれ、異なるカラーフィルター層6Aと6Bを提供される。これにより、照明デバイス1は、第2の有機発光素子2Bの領域での色印象とは異なる色印象を、第1の有機発光層2Aの領域で生成する。一例として、異なるカラーフィルター層6Aと6Bにより、パターンが形成される。少なくとも一つの記号が表現され、かつ/または画像情報項目(例えば、図や写真)が再生される。
【0078】
図8は、2つの有機発光素子2Aと2Bに関連して、2つのカラーフィルター層6Aと6Bそれぞれの配置に関する更なる2つの典型的な例を示す。左側の領域にある第1の有機発光素子2Aの場合に、カラーフィルター層6Aは、有機発光素子2Aの封入体25Aと一体化されている。この場合に、機能層配列23Aを封入するキャップ25に着色剤が含有される。
【0079】
第2の有機発光素子の場合に、カラーフィルター層6Bは接着促進層として具現化される。接着促進層は、例えば接着層であり、キャップ25Bを第2の電極24Bの実質的に全面に接続する。
【0080】
有機発光素子2Aと2Bのうちの少なくとも一方は、例えば図2における照明デバイスのように、カラーフィルター層6Aと6Bを有さないことも考えられる。
【0081】
図9は、照明デバイスの概略平面を示す。照明デバイス1において、第1の有機発光素子2Aと、第2の有機発光素子2Bまたは有機発光素子の積層体は、パターンを構成している。パターンは、例えば、光通過領域7の平面においてストリップ状である。
【0082】
第1の有機発光素子2Aは、例えばカラーフィルター層6Aを有し、カラーフィルター層6Aは、例えば赤い着色剤を含有する。第2の有機発光素子2Bまたは素子の積層体は、一の態様において白色光を発し、その場合にカラーフィルター層6によってカバーされていない。
【0083】
代替として、パターンは、例えば、白色光を発し、かつ一部に着色剤層6を有する有機発光素子2によって形成されてもよい。
【0084】
図10は、図9に示された典型的な態様による2つの照明デバイス1を有する貨物自動車の概略斜視図である。この典型的な態様では、照明デバイス1は警告マーク、例えば昇降荷台の警告マークを構成する。
【0085】
さらに、この典型的な態様における貨物自動車は、貨物自動車の荷台の縁に沿って配置された照明デバイス1’を有している。これらの照明デバイス1’は、輪郭マークを構成する。
【0086】
図11は、ディスプレイパネル100の、照明デバイス1の光通過領域に関する概略平面を示す。一例として、ディスプレイパネル100の情報として絵文字が表示される。この場合には、情報を表示するために、照明デバイス1の光通過領域7の実質全体を照らす有機発光素子2は、カラーフィルター層6で一部覆われている。
【0087】
図12は、ディスプレイパネル100の第2の典型的な態様を示す。図12に示されるディスプレイパネルは、交通標識である。光通過領域の一部は、標識記号(この場合には、数字の8と0)の形状の吸収層で覆われている。白色光を発する有機発光素子2は、この場合の光通過領域7の平面におけるエッジ領域が、例えば、カラーフィルター6で覆われている。
【0088】
この場合に、カラーフィルター層6は、標識記号110の周囲に環状に配置されている。照明デバイスの基板形状は円形である。このように、カラーフィルター層6と照明デバイスの形状により、さらなる情報が表示される。つまりこの場合の道路標識100は、禁止標識となる。
【0089】
図13は、第3の典型的な態様による2つのディスプレイパネル100を、光通過領域7の平面で概略的に示す。示されたディスプレイパネル100は、方向指示標識(例えば交通標識)である。
【0090】
左方向を指示する標識100は、標識記号110がカラーフィルター層6を切り抜くことにより示される構成の例として示される。一例として、カラーフィルター層6は、有機発光素子に、特にその封入体25および/または基板21に接着接合されている。
【0091】
右側に例示されたディスプレイパネル100は、横方向に互いに隣り合う複数の有機発光素子2A、2B,2Cおよび2C’を有する。一例として、第2の有機発光素子2Bおよび/または第3の有機発光素子2Cと2C’は、第1の有機発光素子2Aの開口部に配置されている。特に、有機発光素子2A,2B,2C,2C’は、実質的に連続的な発光領域を形成する。それらは、例えば、それぞれ取り出された光の色印象が異なる。
【0092】
標識記号110は、第2および第3の有機発光素子2B,2C,2C’を示す。一例として標識記号は、有機発光素子2Bや2Cの場合のように吸収層により示さるか、または有機発光素子2C’の場合のように一部に貼り付けられたカラーフィルター層により示される。
【0093】
本発明は、本願明細書に前述された典型的な態様に基づく、典型的な態様に限定されない。むしろ、たとえ、典型的な態様および/または特許請求の範囲に明確に特定されていないとしても、本発明は新しい特徴や、特徴の組合せを包含する。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1A】図1Aは、第1の典型的な態様による照明デバイスの概略断面を示す。
【図1B】図1Bは、第1の典型的な態様の変形態様による照明デバイスの概略断面を示す。
【図2】図2は、第2の典型的な態様による照明デバイスの概略断面を示す。
【図3】図3は、第1の典型的な態様の第2の変形態様による照明デバイスを2つ有する照明器具の概略断面を示す。
【図4】図4は、複数の照明デバイスを有する自転車の概略側面を示す。
【図5】図5は、複数の照明デバイスを有する自動車の概略背面を示す。
【図6】図6は、複数の照明デバイスを有する衣服の概略イラストを示す。
【図7】図7は、複数の照明デバイスを有する手荷物の概略イラストを示す。
【図8】図8は、第3の典型的な態様による照明デバイスの概略断面を示す。
【図9】図9は、第3の典型的な態様による照明デバイスを有する警告マークの概略平面を示す。
【図10】図10は、複数の照明デバイスを有する貨物自動車の斜視図である。
【図11】図11は、第1の典型的な態様によるディスプレイデバイスの概略平面を示す。
【図12】図12は、第2の典型的な態様によるディスプレイデバイスの概略平面を示す。
【図13】図13は、第3の典型的な態様によるディスプレイデバイスの概略イラストを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明デバイス(1,1A,1B)であって、
光を生成する機能層配列(23,23A)を含む有機発光素子(2,2A,2B、2C,2C’)、
前記有機発光素子(2,2A,2B、2C,2C’)により発せられた光を、前記照明デバイス(1,1A,1B)から取り出し、かつ周辺光を前記照明デバイス(1,1A,1B)に取り込む光通過領域(7,7A,7B)、
前記光通過領域(7,7A,7B)を通って取り込まれた周辺光の少なくとも一部を反射して、前記光通過領域(7,7A,7B)に戻す再帰反射器(5,5A,5B)を含み、
前記有機発光素子(2,2A,2B、2C,2C’)は、少なくとも一部が光透過性であり、前記機能層配列(23,23A)が前記光透過性領域(7,7A,7B)と前記再帰反射器(5,5A,5B)との間に配置されている、照明デバイス(1,1A,1B)。
【請求項2】
前記光通過領域(7,7A,7B)に、一定の入射角度で当たる周辺光が、前記照明デバイス(1,1A,1B)に取り込まれ、かつ前記再帰反射器(5,5A,5B)により反射されて前記光通過領域(7,7A,7B)に戻され、前記照明デバイス(1,1A,1B)から、前記光通過領域(7,7A,7B)に対する一定の出射角度で取り出され、
前記出射角度は、前記入射角度と実質的に同一である、請求項1に記載の照明デバイス(1,1A,1B)。
【請求項3】
前記再帰反射器(5,5A,5B)は波長選択的である、請求項1または2に記載の照明デバイス(1,1A,1B)。
【請求項4】
前記光通過領域(7)と前記機能層配列(23)との間の少なくとも一部に配置されたカラーフィルター層(6)を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の照明デバイス(1)。
【請求項5】
互いに横方向に並んで配置された複数の有機発光素子(2,2A,2B、2C,2C’)を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の照明デバイス(1,1A,1B)。
【請求項6】
異なる種類のカラーフィルター層(6,6A,6B)が、前記互いに横方向に並んで配置された少なくとも2つの有機発光素子(2,2A,2B、2C,2C’)に配置されている、請求項5に記載の照明デバイス(1,1A,1B)。
【請求項7】
複数の有機発光素子(2A,2B)を含み、それらの機能層配列(23)は互いに重なっている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の照明デバイス(1)。
【請求項8】
前記再帰反射器(5,5A,5B)は、複数のビーム整形部材(50)を含む反射層(51)を有し、
少なくとも一つの前記ビーム整形部材(50)は、前記反射層(51)の表面の凹みを有するか、もしくは凹みからなり、かつ/または
前記少なくとも一つの前記ビーム整形部材(50)は、レンズ部材を有するか、もしくはレンズ部材からなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の照明デバイス(1,1A,1B)。
【請求項9】
前記再帰反射器(5)は、複数のビーム整形部材(50)を含む反射層(51)を有し、
少なくとも一つのビーム整形部材(50)は、前記反射層(51)の表面の凹み、およびレンズ部材を有し、かつ
前記レンズ部材は、部分的に凹みの内部に配置され、かつ凹みから光通過領域(7)に向かって突出している、請求項1〜8のいずれか一項に記載の照明デバイス(1)。
【請求項10】
前記再帰反射器(5)は、光透過性のキャリア層(52)の少なくとも一部に配置され、一部が反射性である複数のビーム整形部材(50)を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の照明デバイス(1)。
【請求項11】
フレキシブルである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の照明デバイス(1,1A,1B)。
【請求項12】
警告マークまたは反射器である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の照明デバイス(1,1A,1B)。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の照明デバイス(1,1A,1B)を含む、輸送手段のための照明器具(10)。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の照明デバイス(1,1A,1B)を含む、ディスプレイデバイス(100)。
【請求項15】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の照明デバイス(1,1A,1B)および/または請求項14に記載のディスプレイデバイス(100)を有する衣服(9)または手荷物。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−87938(P2009−87938A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−248872(P2008−248872)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(599133716)オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (586)
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D−93055 Regensburg, Germany
【Fターム(参考)】