説明

照明ユニット

【課題】交換が容易な照明ユニットを提供する。
【解決手段】 雄型コネクタ17として、コネクタ本体17Bから雄型端子17Aが延び出た状態と雄型端子17Aがコネクタ本体17B内に収納された状態とを選択できる内部構造を有するものを用いる。雄型コネクタ17は、雄型端子17Aが固定されたベース17Cがコネクタ本体17B内をスライドする構造を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードを用いた照明ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2009−99363号公報[特許文献1]には、基板となるベース上に複数のLED発光素子を実装した複数のLED照明ユニットを雄型コネクタと雌型コネクタとを用いて連結する技術が開示されている。また特開2008−108728号公報[特許文献2]には、LEDランプを実装した棒状の複数のLED照明ユニットを雄型接続部材を介して接続する技術が開示されている。
【0003】
また特許第4211029号公報[特許文献3]の図5(d)には、複数の発光ダイオードから放射された光を内部に導入し前面から放射する導光板及び導光板の背面に固定された放熱板を有する導光板ユニットと、回路基板が装着される基板装着部及び導光板ユニットに対して取り付けられる取付部を有する基板ホルダとを備えてなる照明ユニットの一例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−99363号公報
【特許文献2】特開2008−108728号公報
【特許文献3】特許第4211029号公報の図5(d)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び2の照明ユニットのように、雄型コネクタや雄型接続部材を用いると、複数の照明ユニットを接続して壁や天井等に実装した後に、使用しているLED発光素子が壊れて照明ユニットを交換しようとする場合には、端に位置する照明ユニットから順番に外して交換が必要な照明ユニットを交換しなければならない。そのため1つの照明ユニットの交換のために、面倒で時間のかかる交換作業が必要になる問題がある。
【0006】
本発明の目的は、交換が容易な照明ユニットを提供することにある。
【0007】
上記目的に加えて、本発明の他の目的は、組立が容易な照明ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の照明ユニットは、表面に複数の発光ダイオードが実装された回路パターンを有する長尺状の回路基板と、回路パターンに電気的に接続された給電線と、回路基板が装着される基板装着部を有する基板ホルダとを備えている。基板ホルダは、給電線を回路基板に沿うように収納する給電線収納通路を備えている。そして給電線収納通路の一方の端部に、給電線の一端に電気的に接続された雄型端子を有する雄型コネクタが配置される。また給電線収納通路の他方の端部に、給電線の他端に電気的に接続された雌型端子を有する雌型コネクタが配置される。雄型端子及び雌型端子の少なくとも一方と回路パターンとの間に、給電線と回路パターンとを電気的に接続する接続手段が配置される。そして雄型コネクタは、雄型端子が給電線収納通路の外に位置する第1の状態と雄型端子が給電線収納通路の外に位置しない第2の状態のいずれか一方の状態を選択できる内部構造または取付構造を有している。
【0009】
このような雄型コネクタを用いると、ある照明ユニットの交換が必要な場合に、上記雄型ユニットの内部構造または取付構造を採用したことにより、雄型端子を第1の状態から第2の状態に変位させて、隣接する他の照明ユニットの雌型コネクタから雄型端子を抜くことができる。そのため交換が必要な照明ユニットだけを取付位置から簡単に取り外すことができる。
【0010】
本発明は、複数の発光ダイオードから放射された光を内部に導入し前面から放射する導光板及び導光板の背面に固定された放熱板を有する導光板ユニットを備えた面発光の照明ユニットにも適用することができる。この場合には、基板ホルダとしては、回路基板が装着される基板装着部及び導光板ユニットに対して取り付けられる取付部を有するものを用いればよい。
【0011】
雄型コネクタとしてコネクタ本体から雄型端子が延び出た構造を有する場合には、取付構造は、雄型コネクタを給電線収納通路内でスライドさせて第1の状態と第2の状態を作ることができるようになっていればよい。このような取付構造を用いれば、雄型コネクタを全体的にスライドさせるだけで、雄型端子を雌型端子から抜くことができる。そのため雄型コネクタとして既製品を使用することができ、照明ユニットの価格を安価なものとすることができる。
【0012】
また雄型コネクタとして、コネクタ本体から雄型端子が延び出た状態と雄型端子がコネクタ本体内に収納された状態とを選択できる内部構造を有するものを用いても良い。このような内部構造を有する雄型コネクタを用いれば、雄型コネクタのコネクタ本体を固定した状態で、雄型端子を雌型端子から抜くことができる。そのため雄型端子の接続及び引き抜き作業が容易になる利点が得られる。
【0013】
雌型コネクタは、隣接する他の照明ユニットの雄型コネクタが第1の状態にあるときに、他の照明ユニットの雄型コネクタのコネクタ本体が給電線収納通路の他方の端部内に嵌合されることを許容する位置に固定されるようにすることが好ましい。このように構成すると、雄型コネクタのコネクタ本体と隣接する他の照明ユニットの雌型コネクタとの当接面は、給電線収納通路内に位置することになる。そのため、隣接する二つの基板ホルダ同士の当接面と、雄型コネクタと雌型コネクタとの当接面とが、同一仮想面状に位置しなくなる。その結果、隣接する二つの基板ホルダの当接面と雄型コネクタと雌型コネクタとの当接面との間の距離が長くなる分、照明ユニットの水密性を高めることができる。
【0014】
取付部は、導光板の前面と対向する前方壁部と、放熱板の背面と接触する後方壁部とを備えたものとすることができる。この場合には、前方壁部に嵌合部を設ける。そして、前方壁部の嵌合部と嵌合する被嵌合部を導光板に設ける。このように構成すると、導光板ユニットを基板ホルダの取付部に嵌合構造により取り付けることができるので、導光板ユニットが基板ホルダから簡単に外れてしまうことがない。また、嵌合部と被嵌合部との嵌合により、導光板を照明ユニットに対して簡単に位置決めできるので、照明ユニットの組立を容易に行うことができる。基板ホルダの取付部の前方壁部に設ける嵌合部及び導光板に設ける被嵌合部の構造としては、任意の構造を採用することができる。例えば嵌合部を回路基板に沿って延びる嵌合用凸部とすることができる。この場合には、被嵌合部を嵌合用突起が嵌合する嵌合用凹部とする。このように構成すると、簡単な構造で、導光板ユニットを回路基板に沿って基板ホルダの取付部にしっかりと取り付けることができる。
【0015】
基板ホルダの構造は任意であるが、仕切壁部によって仕切られた第1の収納室と第2の収納室とを有しているものを用いることができる。このような基板ホルダを用いる場合には、回路基板を第1の収納室に収納された状態で仕切壁部に熱伝達可能に装着し、第2の収納室により給電線収納通路を構成することができる。このようにすると回路基板と雄型コネクタ及び雌型コネクタとの位置関係を簡単に定めることができて、照明ユニットの組立が容易になる。
【0016】
なおこの場合には、仕切壁部に接続手段が貫通する1以上の貫通孔を形成する。このようにすると回路基板への給電構造を簡単なものとすることができる。
【0017】
また複数の給電線と雄型コネクタ及び雌型コネクタとを、一つの給電ユニットとして構成することができる。この場合には、給電ユニットを間に介して回路基板を基板ホルダに装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(A)は本発明の第1の実施の形態の照明ユニットを備えた面発光照明装置の斜視図であり、(B)は面発光照明装置の分解斜視図である。
【図2】照明ユニットの発光部を拡大して示した斜視図である。
【図3】(A)は照明ユニットの概略分解側面図であり、(B)は照明ユニットの概略側面図である。
【図4】(A)及び(B)は、雄型コネクタの内部構造を説明するために用いる図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の照明ユニットを備えた面発光照明装置の要部の断面図である。
【図6】第2の実施の形態の発光部の構造を示す断面図である。
【図7】(A)乃至(C)は雌型コネクタと雄型コネクタの接続構造の変形例を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態の照明ユニットを備えた面発光照明装置の要部の断面図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態の照明ユニットを備えた面発光照明装置の要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下図面を参照して本発明の照明ユニットの第1の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1(A)は、本発明の実施の形態の照明ユニット1を備えた面発光照明装置3の斜視図であり、図1(B)は面発光照明装置3の分解斜視図である。図2は、それ自体で照明ユニットとなる照明ユニット1の発光部1′を拡大して示した斜視図であり、図3(A)は照明ユニット1の概略分解側面図であり、図3(B)は、照明ユニット1の概略側面図である。この面発光照明装置3は、3つの照明ユニット1が直列に接続されて構成されている。符号5で示した部材は、図示しない電源から直流電力または交流電力を供給するために面発光照明装置3に接続された給電用コネクタである。
【0020】
照明ユニット1は、図3に示すように複数の発光ダイオードLEDから放射された光を内部に導入し前面から放射する導光板11及び導光板11の背面に固定された放熱板12を有する導光板ユニット13を備えている。発光部1′は、表面に複数の発光ダイオードLEDが実装された回路パターン(図示せず)を有する長尺状の回路基板14と、回路基板14がインサートモールド成形によりインサート成形された給電ユニット15と、基板ホルダ16とを備えている。図示しない回路パターンは、複数の発光ダイオードLEDにそれぞれ直流電圧または交流電圧を印加できるように構成されている。交流電圧が発光ダイオードLEDに印加される場合には、回路パターンに設けた整流回路によりLEDが使用できる程度に電圧の変動幅を小さくして発光ダイオードLEDを発光させている。回路パターンに電力を供給するための給電線(図示せず)は、給電ユニット15内に配置されている。給電ユニット15は、図示しない接続手段を介して回路基板14の回路パターンに給電線から電力を給電する。なお、図3においては理解を容易にするために、回路基板14の厚み寸法を誇張して示してある。
【0021】
給電ユニット15は、複数本(本実施の形態では4本)の雄型端子17Aを備えた雄型コネクタ17と、明確には図示していない複数(本実施の形態では2本)の雌型端子を備えた雌型コネクタ18と、図示しない給電線とを内部に備え、且つ発光ダイオードLEDが設けられた面を露出するように回路基板14がインサートモールドされたモールド製品として構成されている。なお、雄型コネクタ17の雄型端子は、2本とすることもできる。基板ホルダ16は、断面形状が略コの字形をなすアルミニウムまたはアルミニウム合金(例えばJIS A−6063)製の一体成形品であり、内部に複数の給電線を備えた給電ユニット15が回路基板14に沿うように収納される給電線収納通路16Aを備えている。その結果、給電線収納通路16Aの一方の端部に、複数の給電線の一端に電気的に接続された前述の複数の雄型端子17Aを有する雄型コネクタ17が配置され、給電線収納通路16Aの他方の端部に、複数の給電線の他端に電気的に接続された複数の雌型端子を有する雌型コネクタ18が配置されることになる。この基板ホルダ16は、回路基板14が装着される基板装着部16Bと導光板ユニット13に対して取り付けられる取付部16Cとを有している。取付部16Cは、導光板ユニット13の放熱板12の背面と接触して、給電ユニット15(特に発光ダイオードLED)から発生する熱を、放熱板12に伝達する。なお本実施の形態では、導光板ユニット13の上側端部を基板ホルダ16の取付部16Cで夾み込むように基板ホルダ16の形状が定められている。
【0022】
図4に概略的に示すように、本実施の形態では、雄型コネクタ17として、コネクタ本体17Bから複数の雄型端子17Aが延び出た状態と複数の雄型端子17Aがコネクタ本体17B内に収納された状態とを選択できる内部構造を有するものを用いている。この雄型コネクタ17は、雄型端子17Aが固定されたベース17Cがコネクタ本体17B内をスライドする構造を有している。ベース17Cにはノブ17Dが一体に設けられている。この雄型コネクタ17は、ベース17Cがコネクタ本体17B内をスライドするだけの構造で、複数の雄型端子17Aが外部に延び出た状態と、内部に引き込まれた状態を実現する。このような構造であっても、雌型端子の保持力をある程度強いものとしておけば、雄型端子17Aと雌型端子との接続が解除されることはない。ノブ17Dは、基板ホルダ16に形成されたスライド孔16Dから外部に出ている。ノブ17Dをスライドさせることによってベース17Cが移動することにより、複数の雄型端子17Aがコネクタ本体17B内に収納された状態になる。なお図示しない給電線と複数の雄型端子17Aとの電気的な接続構造については、図示を省略してある。このような雄型コネクタ17を用いれば、雄型コネクタ17のベース17Cを全体的にスライドさせるだけで、雄型端子17Aを隣り合う他の照明ユニット1の雌型端子から抜くことができる。そのため1台の照明ユニット1を設置場所から取り外す際には、雄型コネクタ17のノブ17Dをスライドさせて雄型端子17Aを隣接する照明ユニット1の雌型コネクタの雌型端子から引き抜く作業を行うことにより、隣り合う二つの照明ユニットの機械的な接続を解除して、1台の照明ニット1だけを単独で取り外すことが可能になる。ちなみに図1に示された面発光照明装置3において、中央の照明ユニット1を取り外す際には、中央の照明ユニット1のノブ17Dと左隣りの照明ユニット1のノブ17Dを左にスライドさせることにより、中央の照明ユニット1を外すことが可能になる。なお雄型コネクタ17の構造はこの例に限定されるものではない。
【0023】
上記実施の形態では、基板ホルダ16の天板部にノブ17Dを出すためのスライド孔16Dを設けているが、基板ホルダ16の側壁部にノブ17Dを出すためのスライド孔を設けて、基板ホルダ16の側方からノブ17Dを操作できるようにしてもよい。
【0024】
図5及び図6は、本発明の照明ユニット101の第2の実施の形態の部分断面図及び発光部101′の構造を概略的に示す図である。なお図5では、雄型コネクタ117は断面にして示していない。また図5及び図6においては、理解を容易にするために一部の寸法を誇張して示している。本実施の形態の照明ユニット101は、基板取付部を構成する仕切壁部116Bによって仕切られた給電線収納通路(第2の収納室)116Aと基板収納通路(第1の収納室)116Dとを有している。本実施の形態では、仕切壁部116Bが基板装着部を構成している。図6に示すように、仕切壁部116Bには、接続手段を構成する2本の導電性端子120が貫通する貫通孔116Fが形成されている。2本の導電性端子120は雌型コネクタ118から延び出ており、2本の給電線Lに電気的に接続されている。2本の導電性端子120は、回路基板114に設けられた2つのスルーホール114Aを貫通して、回路基板114の表面に突出し、図示しない回路パターンに半田付け接続されている。この導電性端子120の回路パターンへの接続によって、複数の発光ダイオードLEDへの電力の供給が実現される。
【0025】
基板ホルダ116に設けられた給電線収納通路116Aは、2本の給電線Lを回路基板114に沿うように収納している。給電線収納通路116Aの一方の端部に、給電線Lの一端に電気的に接続され2本の雄型端子117Aを有する雄型コネクタ117が配置される。また給電線収納通路116Aの他方の端部に、2本の給電線Lの他端に電気的に接続された2つの雌型端子(図示せず)を有する雌型コネクタ118が配置されている。雄型コネクタ117は、雄型端子117Aが給電線収納通路116Aの外に位置する第1の状態と雄型端子117Aが給電線収納通路116Aの外に位置しない第2の状態のいずれか一方の状態を選択できる取付構造を有している。本実施の形態の取付構造は、雄型コネクタ117を給電線収納通路116A内でスライドさせて第1の状態と第2の状態を作ることができるようになっている。
【0026】
具体的には、基板ホルダ116の壁部に形成した、基板ホルダ116の長手方向に延びる長孔116Gにネジ部材119を挿入し、ネジ部材119の先端部を雄型コネクタ117の本体にねじ込むことにより、雄型コネクタ117を固定している。なおネジ部材119を少し緩めて外して、ネジ部材119の先端を雄型コネクタ117の本体に係止させた状態でネジ部材119を細孔116G内でスライドさせることにより雄型コネクタ117を図示の矢印方向にスライドさせる。このスライドにより雄型コネクタ117を第1の状態から第2の状態へと移動させることができる。なお給電線Lは可撓性を有しているため、給電線Lが雄型コネクタ117のスライドの障害になることはない。また仕切壁部116Bに設けられた貫通孔116Fには、雌型コネクタ118を装着する際に導電性端子120が挿入される長溝116Iが形成されている。雌型コネクタ118は接着剤を用いて基板ホルダ116に固定されている。このような取付構造を用いれば、雄型コネクタ117を全体的にスライドさせるだけで、雄型端子117Aを隣り合う他の照明ユニットの雌型端子から抜くことができる。そのため雄型コネクタ117として既製品を使用することができ、照明ユニットの価格を安価なものとすることができる。
【0027】
基板ホルダ116には、図5に示すように、導光板ユニット113の端部と当接するリブ116Jが一体に設けられている。なお図5においては、各部材の位置関係の理解を容易にするために、リブ116Jと発光ダイオードLEDかとの間隔を空けて示しているが、実際にはリブ116Jは、発光ダイオードLEDに近接した位置に設けられている。そのため、導光板ユニット113は発光ダイオードLEDに近接した位置に配置されている。本実施の形態では、基板ホルダ116として、アルミニウムまたはアルミニウム合金(例えばJIS A−6063)を押し出し成形により押し出して、一体成形したものを用いている。
【0028】
なお基板ホルダ116と導光板ユニット113の端部とは、修理点検を容易にするためには強嵌合で結合するのが好ましい。しかし両者の結合をしっかりとするためには、さらに両面接着テープや粘着剤を用いてもよいのは勿論である。
【0029】
上記実施の形態では、基板ホルダ116の天板部にネジ部材119を挿入する細孔116Gを設けているが、基板ホルダ116の側壁部にネジ部材119を出すための細孔116Gを設けて、基板ホルダ116の側方からネジ部材119を操作できるようにしてもよい。
【0030】
図7(A)乃至(C)は、雌型コネクタと雄型コネクタの接続構造の変形例を示す図である。なお図7(A)乃至(C)では、図を簡略化するために、雄型コネクタ117をスライドさせるためのネジ部材及び長孔は示していない。図7(A)は、雄型コネクタ117が第1の状態にある状態を示しており、図7(B)は雌型コネクタ118のコネクタ本体118Aの位置を示している。なお、図7(A)及び(B)では、理解を容易にするために、隣接する照明ユニット101同士の間隔を開けた状態で示している。図7(C)は、図7(A)及び(B)に示した雄型コネクタ117と雌型コネクタ118とを接続した状態を示している。図7(A)に示すように、この変形例の雄型コネクタ117は、第1の状態にあるときに、コネクタ本体117Aの一部が雄型端子117Aとともに基板ホルダ116から突出する。また図7(B)に示すように、雌型コネクタ118は、隣接する他の照明ユニット101の基板ホルダ116から突出する雄型コネクタ117のコネクタ本体117Bの一部と、給電線収納通路116A内で嵌合できるように、基板ホルダ116の端面よりも内側の電線収納通路116A内に配置されている。従って、雄型コネクタ117のコネクタ本体117Bは、給電線収納通路116A内で隣接する他の照明ユニット101の雌型コネクタ117と嵌合することができる。このように構成すると、図7(C)に示すように、雄型コネクタ117のコネクタ本体117Bと隣接する照明ユニット101の雌型コネクタ118との当接面S1は、給電線収納通路116A内に位置することになる。そのため、照明ユニット101の基板ホルダ116同士の当接面S2と、雄型コネクタ117と雌型コネクタ118との当接面S1とが、同一仮想面上に位置しなくなる。その結果、照明ユニット101の基板ホルダ116同士の当接面S2と、雄型コネクタ117と雌型コネクタ118との当接面S1との間の距離が長くなり、基板ホルダ116同士の当接面S2に水が入った場合であっても、雄型コネクタ117と雌型コネクタ118との当接面S1に直ちに水が到達することを防止することができ、照明ユニットの水密性を高めることができる。
【0031】
図8は、本発明の第3の実施の形態の照明ユニットを備えた面発光照明装置の要部の断面図である。なお図5に示した第2の実施の形態と同様の部材には、図5に付した符号に100の数を加えた数の符号を付して詳細な説明を省略する。第3の実施の形態では、第2の実施の形態に設けられていたリブは設けられていない。本実施の形態の照明ユニット201では、取付部216が前方壁部216Kと後方壁部216Lとを有している。前方壁部216Kは、導光板211の前面と対向している。後方壁部216Lは、放熱板212の背面と接触している。前方壁部216Kの仕切壁部216Bとは反対側の端部に、導光板211の前面に向かって突出する細長い嵌合用凸部216Mが設けられている。この嵌合用凸部216Mは、回路基板214に沿って延びている。また導光板211には、基板ホルダ216に取り付けられたときに嵌合用凸部216Mと対向する位置に、嵌合用凸部216Mが嵌合する嵌合用凹部211Aが設けられている。本実施の形態では、基板ホルダ216に導光板211を取り付けたときに、嵌合用凸部216Mが嵌合用凹部211Aに嵌合するので、導光板ユニット213を基板ホルダ216にしっかりと取り付けることができる。よって導光板ユニット213が基板ホルダ216から簡単に外れてしまうことがない。
【0032】
図9は、本発明の第4の実施の形態の照明ユニットを備えた面発光照明装置の要部の断面図である。なお第8図に示した第3の実施の形態と同様の部材には、第8図に付した符号に100の数を加えた数の符号を付して詳細な説明を省略する。第4の実施の形態は、第2の実施の形態で設けられていたリブ116Jに相当するリブ316Jが設けられている点が第3の実施の形態と異なる。なお、図8及び図9においても、各部材の位置関係の理解を容易にするために、導光板ユニットと発光ダイオードLEDとの間隔を空けて示しているが、実際には導光板ユニットは発光ダイオードLEDに近接する位置に配置されている。
【0033】
また上記の実施の形態では、照明が導光板ユニットを備えた構造を有しているが、本発明は、導光板ユニットを備えていない照明ユニットにも適用することができるのは勿論である。
【0034】
また上記実施の形態では、雄型端子及び雌型端子はそれぞれ複数本用いられているが、1本の接続端子を用いる回路構成を採用してもよいのは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明によれば、照明ユニットの交換が必要な場合に、雄型ユニットの雄型端子を第1の状態から第2の状態に変位させて、隣接する他の照明ユニットの雌型コネクタから雄型端子を抜くことができるので、交換が必要な照明ユニットだけを取付位置から簡単に取り外すことができる利点が得られる。
【符号の説明】
【0036】
1 照明ユニット
3 面発光照明装置
5 給電用コネクタ
11 導光板
12 放熱板
13 導光板ユニット
14 回路基板
15 給電ユニット
16 基板ホルダ
16A 給電線収納通路
16B 基板装着部
16C 取付部
16D スライド孔
17 雄型コネクタ
17A 雄型端子
17B コネクタ本体
17C ベース
17D ノブ
18 雌型コネクタ
101 照明ユニット
113 導光板ユニット
114 回路基板
114A スルーホール
116 基板ホルダ
116A 給電線収納通路
116B 仕切壁部
116F 貫通孔
116G 長孔
116I 長溝
116J リブ
117 雄型コネクタ
117A 雄型端子
118 雌型コネクタ
119 ネジ部材
120 導電性端子
LED 発光ダイオード
L 給電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に複数の発光ダイオードが実装された回路パターンを有する長尺状の回路基板と、
前記回路パターンに電気的に接続された給電線と、
前記複数の発光ダイオードから放射された光を内部に導入し前面から放射する導光板及び前記導光板の背面に固定された放熱板を有する導光板ユニットと、
前記回路基板が装着される基板装着部及び前記導光板ユニットに対して取り付けられる取付部を有する基板ホルダとを備えてなる照明ユニットであって、
前記基板ホルダは、前記給電線を前記回路基板に沿うように収納する給電線収納通路を備えており、
前記給電線収納通路の一方の端部に、前記給電線の一端に電気的に接続され雄型端子を有する雄型コネクタが配置され、
前記給電線収納通路の他方の端部に、前記給電線の他端に電気的に接続された雌型端子を有する雌型コネクタが配置され、
前記雄型端子及び前記雌型端子の少なくとも一方と前記回路パターンとの間に、前記給電線と前記回路パターンとを電気的に接続する接続手段が配置され、
前記雄型コネクタは、前記雄型端子が前記給電線収納通路の外に位置する第1の状態と前記雄型端子が前記給電線収納通路の外に位置しない第2の状態のいずれか一方の状態を選択できる内部構造または取付構造を有しており、
前記雄型コネクタはコネクタ本体から前記雄型端子が延び出た構造を有し、
前記取付構造は、前記雄型コネクタを前記給電線収納通路内でスライドさせて前記第1の状態と前記第2の状態を作ることができるようになっており、
前記雄型コネクタはコネクタ本体から前記雄型端子が延び出た状態と前記雄型端子が前記コネクタ本体内に収納された状態とを選択できる前記内部構造を有しており、
前記雄型コネクタは、前記第1の状態にあるときに、前記コネクタ本体の前記雄型端子が延び出る端面が前記給電線収納通路の外に位置しており、
前記雌型コネクタは、隣接する他の照明ユニットの雄型コネクタが前記第1の状態にあるときに、前記他の照明ユニットの雄型コネクタのコネクタ本体が前記給電線収納通路の前記他方の端部内に嵌合されることを許容する位置に固定されており、
前記基板ホルダは、仕切壁部によって仕切られた第1の収納室と第2の収納室とを有しており、
前記回路基板が前記第1の収納室に収納された状態で前記仕切壁部に熱伝達可能に装着され、
前記第2の収納室が前記給電線収納通路を構成しており、
前記仕切壁部には前記接続手段が貫通する1以上の貫通孔が形成されており、
前記給電線と前記雄型コネクタ及び前記雌型コネクタとが、一つの給電ユニットとして構成され、
前記給電ユニットを間に介して前記回路基板が、前記基板ホルダに装着されていることを特徴とする照明ユニット。
【請求項2】
前記取付部は、前記導光板の前記前面と対向する前方壁部と、前記放熱板の背面と接触する後方壁部とを備えており、
前記前方壁部には嵌合部が設けられており、前記導光板には、前記嵌合部と嵌合する被嵌合部が設けられており、
前記嵌合部は前記回路基板に沿って延びる嵌合用凸部であり、前記被嵌合部は前記嵌合用凸部が嵌合する嵌合用凹部でることを特徴とする請求項1に記載の照明ユニット。
【請求項3】
表面に複数の発光ダイオードが実装された回路パターンを有する長尺状の回路基板と、
前記回路パターンに電気的に接続された給電線と、
前記回路基板が装着される基板装着部を有する基板ホルダとを備えてなる照明ユニットであって、
前記基板ホルダは、前記給電線を前記回路基板に沿うように収納する給電線収納通路を備えており、
前記給電線収納通路の一方の端部に、前記給電線の一端に電気的に接続され雄型端子を有する雄型コネクタが配置され、
前記給電線収納通路の他方の端部に、前記給電線の他端に電気的に接続された雌型端子を有する雌型コネクタが配置され、
前記雄型端子及び前記雌型端子の少なくとも一方と前記回路パターンとの間に、前記給電線と前記回路パターンとを電気的に接続する接続手段が配置され、
前記雄型コネクタは、前記雄型端子が前記給電線収納通路の外に位置する第1の状態と前記雄型端子が前記給電線収納通路の外に位置しない第2の状態のいずれか一方の状態を選択できる内部構造または取付構造を有していることを特徴とする照明ユニット。
【請求項4】
前記複数の発光ダイオードから放射された光を内部に導入し前面から放射する導光板及び前記導光板の背面に固定された放熱板を有する導光板ユニットをさらに備え、
前記基板ホルダは、前記導光板ユニットに対して取り付けられる取付部を有する請求項3に記載の照明ユニット。
【請求項5】
前記雄型コネクタはコネクタ本体から前記雄型端子が延び出た構造を有し、
前記取付構造は、前記雄型コネクタを前記給電線収納通路内でスライドさせて前記第1の状態と前記第2の状態を作ることができるようになっていることを特徴とする請求項3または4に記載の照明ユニット。
【請求項6】
前記雄型コネクタはコネクタ本体から前記雄型端子が延び出た状態と前記雄型端子が前記コネクタ本体内に収納された状態とを選択できる前記内部構造を有している請求項3または4に記載の照明ユニット。
【請求項7】
前記雌型コネクタは、隣接する他の照明ユニットの雄型コネクタが前記第1の状態にあるときに、前記他の照明ユニットの雄型コネクタのコネクタ本体が前記給電線収納通路の前記他方の端部内に嵌合されることを許容する位置に固定されている請求項5に記載の照明ユニット。
【請求項8】
前記取付部は、前記導光板の前記前面と対向する前方壁部と、前記放熱板の背面と接触する後方壁部とを備えており、
前記前方壁部には嵌合部が設けられており、前記導光板には、前記嵌合部と嵌合する被嵌合部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の照明ユニット。
【請求項9】
前記嵌合部は前記回路基板に沿って延びる嵌合用凸部であり、前記被嵌合部は前記嵌合用突起が嵌合する凹部であることを特徴とする請求項8に記載の照明ユニット。
【請求項10】
前記基板ホルダは、仕切壁部によって仕切られた第1の収納室と第2の収納室とを有しており、
前記回路基板が前記第1の収納室に収納された状態で前記仕切壁部に熱伝達可能に装着され、
前記第2の収納室が前記給電線収納通路を構成しており、
前記仕切壁部には前記接続手段が貫通する1以上の貫通孔が形成されている請求項3、4、8または9に記載の照明ユニット。
【請求項11】
前記給電線と前記雄型コネクタ及び前記雌型コネクタとが、一つの給電ユニットとして構成され、
前記給電ユニットを間に介して前記回路基板が、前記基板ホルダに装着されている請求項3または4に記載の照明ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−59695(P2012−59695A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163361(P2011−163361)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000110251)トピー工業株式会社 (255)
【Fターム(参考)】