説明

照明付きシステム歯ブラシ

【課題】 家庭での歯みがき時における口腔内の観察を容易にし、口腔内の健康管理に役立ち、さらに、需要者の経済面と地球環境に貢献することが出来る照明付システム歯ブラシを提供する。
【解決手段】 内部にLED光源120及び電池130を収納し、LED光源120のオンオフを行うスイッチ140を有するやや扁平な形の把持部100と、把持部100の両側先端に互換性を持って着脱可能に連結されるアタッチメント部200より構成され、前記アタッチメント部200として少なくともミラー部210、歯ブラシ部220を有し、他に補助歯ブラシ部230等を追加可能とし、また、アタッチメント部200を収納するために形成された収納差し込み孔161及び162を有し、把持部200のほぼ中央にボタン型の電池130を横置きに2個重ねて配列して収納し、把持部100片側先端付近にLED光源120配置し、アタッチメント部200に向けて光が照射される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭での口腔内の健康管理に使用する照明付き歯科用ミラーと歯ブラシのシステム化に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般家庭での口腔内の健康管理の目的で、歯科用ミラーや歯ブラシに関して、さまざまな工夫がなされてきた。
【0003】
例えば特許公開平8−275826号には、歯ブラシの柄の端にミラーを設置したミラー付き歯ブラシが開示されている。すなわち、歯垢の除去具合をミラーで点検しながら歯磨きすることを可能とするものである。
【0004】
また、登録実用新案第3066246号には、照明装置を付加した歯科用ミラーが開示されている。すなわち、乾電池と発光体を収納した把持部に歯科用ミラーの柄部を固定して、歯科用ミラーの鏡面に向けて光を照射させることにより、口腔内を観察し易くしている。
【0005】
登録実用新案第3039611号には、歯ブラシのブラシ部を交換可能にしたブラシ部交換式歯ブラシが開示されている。
【0006】
特許公表2001−517479号には、歯ブラシの植毛を通して口腔内に光が照射され、明るい口腔内環境での歯磨きを可能とした照明付き歯ブラシが開示されている。
【特許文献1】特許公開平8−275826号 公報
【特許文献2】登録実用新案第3066246号 公報
【特許文献3】登録実用新案第3039611号 公報
【特許文献4】特許公表2001−517479号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
むし歯や歯周病などの口腔内の疾患を予防するためには、歯磨きによる歯垢除去が大切であるが、歯垢の磨き残しが多いことが歯科医師等の医療関係者の間で知られており、その解決策として、普段の歯磨き後に歯垢染色剤等で歯垢を染色させ、再度染色した歯垢を歯磨きで除去する方法が従来から行なわれているが、口腔内は暗く、奥歯や歯の裏側などは直視しづらいため、歯垢を確実に除去することは困難である。また、口腔内の疾患は、気づくのが遅れて重症化してしまうことが多い。歯垢を確実に除去し、疾患を早期に発見して重症化を防ぐためには、家庭での照明付き歯科用ミラーによるセルフチェックが大切である。しかしながら、一般家庭において、照明付き歯科用ミラーは普及していない。
【0008】
従来のもの、例えば、登録実用新案第3066246号に開示された歯科用ミラーでは、一般の乾電池を把持部に収納しているため把持部が太く、且つ、重くなってしまっている。このため、操作性や収納性などの問題で、日常の歯磨き時の使用に適しているとはいえなかった。
【0009】
また、特開平8−275826号に開示されたミラー付き歯ブラシでは、照明装置が付加されていないため、口腔内の観察がしづらく、また、ミラーと歯ブラシ植毛頭部は、共に把持部と一体構造であり、交換が出来ないため経済面及び環境面に問題があった。
【0010】
また、従来の一般的な歯ブラシでは、把持部と植毛頭部とが一体構造となっており、植毛頭部のみの交換が出来ないため、経済面及び環境面に問題があった。
【0011】
また幼児のむし歯を予防するためには、保護者による歯の清掃が大切であり、歯科医療関係者の間では寝かせ磨き、もしくは、仕上げ磨きと称している清掃法がある。これは、保護者の膝のあいだに幼児を仰向けに寝かせて、口の中をのぞきこみ、仕上げ磨き用歯ブラシを用いて歯を磨く方法であるが、口の中が暗いため磨きづらい問題があった。
【0012】
また、むし歯や歯周病を防ぐためには、一般的な歯ブラシの他に歯間部などの清掃のために補助的に用いる歯ブラシが必要とされることがあり、この場合、2種類の柄付き歯ブラシを購入して使用しなくてはならず面倒であった。また、環境面、経済面に問題があった。
【0013】
本発明の目的は、このような家庭での口腔内の健康管理における従来の複数の問題を解決しようとするものを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上記の目的を達成するために、内部にLED光源及び電池を収納する把持部と、把持部の両先端に着脱可能に連結されるアタッチメント部より構成される照明付きシステム歯ブラシを提供するものである。
【0015】
上記発明によれば、前記把持部の両先端に取り付ける前記アタッチメント部には少なくとも、ミラー部、歯ブラシ部を有し、さらに補助歯ブラシ部等を追加可能としている。また、把持部両先端には同一の形状の差し込み孔が形成され、アタッチメント部に形成された差し込み軸と弾性的に勘合させることで、ミラー部、歯ブラシ部、補助歯ブラシ部等を相互に交換することが出来、自由な組み合わせでの使用を可能とする。
【0016】
また、前記把持部中央に1個当たり電圧3ボルトの薄型のリチウムボタン電池を横置きに2個重ねて配列させて収納することにより、把持部の形状を薄く、且つ軽量化することを可能とし、このことにより、使用時の操作性と共に収納性を改善することを可能とする。
【0017】
また前記把持部の両先端のうち片側には、前記LED光源を配置しており、前記電池との組み合わせにより、把持部LED光源配置側先端に取り付けられたアタッチメント部に必要な光を供給することを可能としている。すなわち、アタッチメント部の内、ミラー部を取り付けた場合において、該ミラー鏡面中央に光が照射されるよう、また、歯ブラシ植毛頭部、補助歯ブラシ植毛頭部を取り付けた場合において、これら両歯ブラシ植毛頭部毛先付近に光が照射されるように前記LED光源が配置されている。また、把持部先端にLED光源を配置させたことは、把持部両先端の内、LED光源配置側先端にアタッチメント部である歯ブラシ植毛頭部または補助歯ブラシ植毛頭部を取り付けて歯を磨く場合、歯みがき操作を妨げず、また、前記LED光源から照射された光が遮られることなく、充分な光を口腔内に供給することを可能としている。
【0018】
また、前記把持部と前記アタッチメント部の組み合わせとしては、例えば、前記把持部の両先端のうちLED光源配置側先端にミラー部を装着すれば照明付き歯科用ミラーとして、また、前記把持部の両先端のうちLED光源配置側先端に歯ブラシ部を装着すれば、照明付き歯ブラシとして使用することが出来る。さらに前記照明付き歯科用ミラーとしての構成体の把持部先端に歯ブラシ部を追加装着した場合、日常の歯磨き時に、器具の交換なしで、いつでも思った時に照明付き歯科用ミラーで口腔内を観察できるため、今までの歯磨き習慣の流れの中で使用でき、無理なく口腔内のセルフチェックが習慣化されることが期待出来る。
【0019】
このように、必要なアタッチメント部を追加購入して、把持部両先端に異なったアタッチメント部を装着して継続的に使用できるため、把持部を有する照明付き歯科用ミラー、把持部を有する一般歯ブラシ、把持部を有する補助歯ブラシ等を別々に購入して使用する必要がなくなるため、日常の歯磨き時の器具交換の煩わしさを改善し、需要者の経済面を改善し、また、環境面を改善することが出来る。
【0020】
また前記把持部の両先端の内側に前記アタッチメント部収納に用いるために形成された収納差し込み孔を有する。この収納差し込み孔は、把持部先端から取り外したミラー部や歯ブラシ部を挿入して収納できるようになっている。このことは、把持部両先端の内、片側のアタッチメント部を外して反対側の収納差し込み孔に収納することで、把持部を歯ブラシ立てに収納することを可能としている。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明の照明付きシステム歯ブラシは、家庭での歯磨き時に、照明付き歯科用ミラーを使用して口腔内の観察が容易に行なることで、日常生活においての口腔内のセルフチェックが習慣化されることが期待出来る。このことは、歯磨きの能率を向上させ、口腔内疾患の予防と早期発見に貢献する。また、本発明の照明付きシステム歯ブラシはアタッチメント部が交換可能であるため、需要者の経済的負担を軽減すると共に環境面の問題を改善することが出来る。
【0022】
また、製造面においても、照明付き歯科用ミラー、ミラー付き歯ブラシ、照明付歯ブラシ等をそれぞれ別々に製造することと比較して、開発、製造におけるコストの削減をもたらす。
【発明の実施のための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。
【0024】
図1〜図3には、本発明の照明付きシステム歯ブラシの1実施形態が示されている。図1は同照明付きシステム歯ブラシの外観を示す斜視図、図2は同照明付きシステム歯ブラシの側面における断面図、図3は同照明付きシステム歯ブラシのアタッチメント部の外観を示す斜視図である。
【0025】
本発明の照明付きシステム歯ブラシは、把持部100と図3で示すように、アタッチメント部200とから構成され、アタッチメント部200には少なくともミラー部210と歯ブラシ植毛頭部220を有しており、さらに補助歯ブラシ頭部230等を追加可能としている。図1は、把持部100先端にアタッチメント部200として、ミラー部210及び歯ブラシ部220を装着した状態を示している。把持部100はポリプロピレン等合成樹脂で成形されている把持部本体110と把持部本体110に収納される電池130及びLED光源120、スライド式スイッチ140より構成されている。
【0026】
また、把持部100両先端には、アタッチメント部200に形成された差し込み支軸213及び223、233と弾性的に嵌合する同一の形状の差し込み孔151及び152が図2に示すように形成されている。また、前記差し込み支軸213及び223、233は図3に示すように先端に向かって幅を徐々に狭くし、また、その断面は長方形状をなしており、前記差込孔151及び152に対して挿入を容易にすると共に、挿入方向を規制し、回転を防止することに寄与する。
【0027】
LED光源120は、把持部本体110の先端付近に配置されている。LED光源120から発した光は、アタッチメント部200の内、ミラー部210を取り付けた場合においては、該ミラー鏡面211のほぼ中央に照射されるように、また、一般歯ブラシ部220、補助歯ブラシ部230を取り付けた場合においては、これら両歯ブラシ植毛部221、231の毛先付近に光が照射されるようにLED光源120の配置がされている。
【0028】
また、前記電池130は、把持部本体110のほぼ中央に収納されており、図2に示すように、前期電池130として1個当たり3ボルトの電圧を有するマンガンリチウム電池を横置きに2個重ねて配列してある。前記電池130としては、例えば直径16ミリメートル、厚み1.6ミリメートルを有するCR1616(日立マクセル株式会社)などが適している。また、この電池130に隣接してスライド式スイッチ140が配置してあり、このスイッチを電池側にスライドさせることにより、LED光源が発光するようになっている。また、前記電池130が収納してある把持部本体110裏面には、電池交換のために、電池蓋180が設置されている。この電池蓋180及びスライド式スイッチ140は、使用環境を考慮して防水加工が施されることが望ましい。
【0029】
また、前記把持部100両先端の内側には、アタッチメント部200を収納するために収納差し込み孔161及び162が図2に示すように形成されており、この収納差し込み孔161及び162とアタッチメント部200に形成された差し込み支軸213及び223、233とは弾性的に嵌合し安定して固定されるようになっている。
【0030】
また、図3に示すように、アタッチメント部200の内、歯ブラシ部220の歯ブラシネック部222は歯ブラシ差し込み支軸223に比較して幅が狭く、また、軸方向に長く(約35mm)形成されている。このため、歯みがき時に歯ブラシ植毛頭部221に過度の力が加えられた場合、歯ブラシネック部222が弾性変形を起こして、差し込み支軸223を通して前記差し込孔151または152周囲の前記把持部本体110に作用する応力を緩和して、前記把持部本体110の破損を防止する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】 本発明の1実施形態における照明付きシステム歯ブラシの外観を示す斜視図である。
【図2】 同照明付きシステム歯ブラシの側面における断面図である。
【図3】 同照明付きシステム歯ブラシのアタッチメント部の外観を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0032】
100 把持部
110 把持部本体
120 LED光源
130 電池
140 スライドスイッチ
151、152 差し込み孔
161、162 収納差し込み孔
180 電池蓋
200 アタッチメント部
210 ミラー部
211 ミラー鏡面部
220 歯ブラシ部
221 歯ブラシ植毛頭部
222 歯ブラシネック部
223 歯ブラシ差込み支軸
230 補助歯ブラシ部
231 補助歯ブラシ植毛頭部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にLED光源120及び電池130を収納し、前記LED光源120のオンオフを行うスイッチを有する把持部100と、前記把持部100の両側先端に互換性を持って着脱可能に連結されるアタッチメント部200より構成され、前記アタッチメント部200として少なくともミラー部210、歯ブラシ部220を有し、他に補助歯ブラシ部230等を追加可能とし、前記LED光源120から発した光が前記把持部100先端に前記ミラー部210を取り付けた場合において、ミラー鏡面部211のほぼ中央に照射されるように、また、前記把持部100先端に前記歯ブラシ部220を取り付けた場合において、歯ブラシ植毛頭部221毛先付近に照射されるように前記LED光源120の配置がされていることを特徴とする照明付きシステム歯ブラシ。
【請求項2】
前記把持部100片側先端付近に前記LED光源120を配置し、前記把持部100のほぼ中央にボタン型の電池130を横置きに2個重ねて配列して収納し、やや扁平な形の把持部100を有することを特徴とする請求項1に記載の照明付きシステム歯ブラシ。
【請求項3】
前記把持部100の両側先端内側に互換性を持って前記アタッチメント部200を収納するために形成された収納差し込み孔161、162を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の照明付きシステム歯ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−295994(P2008−295994A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−171183(P2007−171183)
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【特許番号】特許第4075004号(P4075004)
【特許公報発行日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(507217567)
【Fターム(参考)】