説明

照明制御システム

【課題】照明空間内の人に対して目的のエリアへの視線誘導効果を付与しつつ、消費電力を抑えることができる照明制御システムを提供する。
【解決手段】点灯制御部は、判定部が人の移動方向Iと目的方向Mとが異なる方向と判定した場合には、目的エリアTAに対応する照明装置10dの光源部を消灯するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の有無に応じて光源部を制御する照明制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、センサを用いて光源部を有する照明装置を制御する照明制御システムが知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1の照明制御システムでは、カメラで撮影された人の動きを動線データとして計測し、照明装置の光が届く照明空間を複数のエリアに区分して動線データに基づいて各エリアでの人の分布を判定する。そして、この判定結果を用いて、特定のエリアの照明を周囲より明るく点灯したり、光色を変化させたりする照明条件とすることにより、照明による演出が可能となる。この照明装置の演出により客の視線誘導効果を狙って、例えば、人に見せたい(アピールしたい)部分に人を誘導することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−178129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような照明制御システムでは、照明空間(室内空間)の特定のエリアを周囲よりも明るく点灯させることで人を誘導することができるようになっている。しかしながら、入室した人の意思に関わらず点灯させるため、必要以上に消費電力の増大が懸念される。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、照明空間内の人に対して目的のエリアへの視線誘導効果を付与しつつ、消費電力を抑えることができる照明制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の照明制御システムは、照明空間の画像データを得るセンサ部と、該センサ部の出力結果に基づき複数のエリアに分割された照明空間において各々のエリアでの人の存在分布を判定する判定部と、前記判定部によって判定される人の存在エリア分布に基づいて各々のエリアの照明条件を変更して各々のエリアに対応した光源部を制御する点灯制御部とを有する照明制御システムであって、複数のエリアに分割されたそれぞれのエリアの中で、予め設定したエリアを目的エリアとして記憶する目的エリア記憶部と、人の存在エリアから目的エリアまでのそれぞれのエリアの順序をルートエリアとして判定するルートエリア判定部と、人の存在エリアの時系列変化に基づき存在エリアにおける人の移動方向を判定処理する移動方向判定部と、前記ルートエリア判定部による判定結果に基づき人の存在エリアと該存在エリアの次の順序となるエリアとから目的方向を判定する目的方向判定部と、人の移動方向と目的方向とを比較して比較結果が予め設定した閾値の範囲内では人の移動方向と目的方向とが同一方向であると判定するとともに、前記比較結果が予め設定した閾値の範囲外では人の移動方向と目的方向とが異なる方向であると判定する方向比較判定部とを備え、前記点灯制御部は、前記方向比較判定部が異なる方向と判定した場合には、前記目的エリアに対応する光源部を、前記方向比較判定部が同一方向と判定した場合と比較して減光又は消灯となるように制御すること特徴とする。
【0007】
上記構成において、点灯制御部は、前記方向比較判定部が同一方向と判定した場合には、前記存在エリアから前記目的エリアまでのルートエリアの光源部を、それ以外のエリアの光源部と比較して光出力又は光色が異なるように制御することが好ましい。
【0008】
上記構成において、目的エリア記憶部は、前記目的エリアを変更可能に構成されることが好ましい。
上記構成において、光源部の光軸を変更する光軸駆動手段を備え、前記光軸駆動手段は、対応する前記光源部を前記目的エリアまで駆動させることが好ましい。
【0009】
上記構成において、光軸駆動手段は、前記ルートエリアに沿って、対応する光源部を前記目的エリアまで駆動させることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、照明空間内の人に対して目的のエリアへの視線誘導効果を付与しつつ、消費電力を抑えることができる照明制御システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態における照明制御システム並びに照明装置の設置態様ついて説明するための説明図である。
【図2】同上における照明制御システム並びに照明装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図3】同上における照明装置の制御例について説明するためのフローチャートである。
【図4】同上における照明装置の制御例について説明するためのフローチャートである。
【図5】同上における照明装置の第1動作例について説明するための説明図である。
【図6】同上における照明装置の第1動作例について説明するための説明図である。
【図7】同上における照明装置の第1動作例について説明するための説明図である。
【図8】同上における照明装置の第1動作例について説明するための説明図である。
【図9】同上における照明装置の第1動作例について説明するための説明図である。
【図10】同上における照明装置の第1動作例について説明するための説明図である。
【図11】同上における照明装置の第1動作例について説明するための説明図である。
【図12】同上における照明装置の第1動作例について説明するための説明図である。
【図13】同上における照明装置の第2動作例について説明するための説明図である。
【図14】同上における照明装置の第2動作例について説明するための説明図である。
【図15】同上における照明装置の第2動作例について説明するための説明図である。
【図16】同上における照明装置の第2動作例について説明するための説明図である。
【図17】同上における照明装置の第2動作例について説明するための説明図である。
【図18】別例における照明システム並びに照明装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図19】(a)(b)は、別例における光源部の光軸の向きを変更する駆動機構の概略構成図である。
【図20】同上における駆動機構を備えた照明制御システムの電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図21】同上における駆動機構を用いた光軸の向きの変更例について説明するための説明図である。
【図22】別例における照明空間のエリアについて説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
本実施形態の照明制御システムは、図1及び図2に示すように、室内K(照明空間)の例えば天井Rに複数の照明装置10a〜10fと、各照明装置10a〜10fを制御する制御部CPと、熱画像センサからなるセンサ部Sとを備える。
【0013】
各照明装置10a〜10fは、図2に示すようにそれぞれ複数の第1光源部LS1〜第6光源部LS6と、各光源部LS1〜LS6への電力供給を制御する第1電源回路PSC1〜第6電源回路PSC6とを備える。
【0014】
各照明装置10a〜10fに備えられる各光源部LS1〜LS6は、図1に示すように照明空間(室内K)を6つのエリアA1〜A6に分割した場合に、それぞれの光源部LS1〜LS6の光軸が対応するエリアA1〜A6のほぼ中心位置となるように設けられる。また、各光源部LS1〜LS6は、例えばLED(Light Emitting Diode)素子を備えて構成される。
【0015】
各照明装置10a〜10fに備えられる第1電源回路PSC1〜第6電源回路PSC6は、各光源部LS1〜LS6のそれぞれに対応して計6つ設けられ、これら電源回路PSC1〜PSC6は制御部CPの点灯制御部CP1にて独立した制御が可能とされている。なお、各エリアA1〜A6まで順に、第1光源部LS1及び第1電源回路PSC1を備えた照明装置10aから順に、第6光源部LS6及び第6電源回路PSC6を備えた照明装置10fが対応するように構成されている。
【0016】
センサ部Sは、物体(本実施形態の場合、人)の温度を計測する熱画像センサにて構成され、この温度変化にて人の有無を計測可能とされる。このセンサ部Sは、制御部CPの判定部CP2と電気的に接続されるようになっている。
【0017】
なお、本実施形態の照明制御システム(照明装置10a〜10f)が設置される室内Kにおいては、対向位置に開閉可能な2つのドアD1,D2が設けられ、各ドアD1,D2にて室内Kへの出入りが可能とされている。
【0018】
次に、本実施形態の照明装置10a〜10fを備えた照明制御システムの一制御例について説明する。
先ず、照明装置10a〜10f(照明制御システム)が駆動可能とされた状態において、制御部CPの判定部CP2は、予め設定した各エリアA1〜A6の人数を「0」とする(ステップS10)。なお、本実施形態では、室内K(照明空間)を6つのエリアA1〜A6に区画したものとして説明する。なお、このエリア数や各エリアA1〜A6の隣接関係は使用者が操作可能な設定入力部(図示略)を用いて入力することができるようになっており、隣接関係の情報が制御部CP(判定部CP2)内のメモリ又は外部メモリに記憶されている。
【0019】
次いで、制御部CPの点灯制御部CP1は、この判定部CP2によって判定された人が不在状態であるという条件を基に前記照明装置10a〜10fを消灯状態として制御する(ステップS11)。具体的には、制御部CPの点灯制御部CP1は、照明装置10a〜10fが点灯状態であれば、照明装置10a〜10fに対しての電力供給を非供給状態として照明装置10a〜10fを消灯させる消灯状態に移行させる。また、制御部CPの点灯制御部CP1は予め照明装置10a〜10fが消灯状態であれば、照明装置10a〜10fに対する電力供給を非供給状態のままで継続する。つまり、照明装置10a〜10fが室内に設置されて初期設定の状態では、人が不在であるものとして動作を開始するようになっている。
【0020】
そして、制御部CPの判定部CP2は、熱画像センサからなるセンサ部Sから室内Kの天井R側から見て床側の画像Iを取得(更新)して、自身の内蔵メモリ又は外部接続された外部メモリに保存する(ステップS12)。
【0021】
その後、制御部CPの判定部CP2は、改めて熱画像センサからなるセンサ部Sからの時刻tにおける出力画像I(t)を取得する(ステップS13)。
そして、制御部CPは、室内Kにおける全エリアA1〜A6での人数が「0」であるか否かを判定する(ステップS14)。
【0022】
そして室内Kにおける全エリアA1〜A6での人数が「0」であれば(ステップS14:YES)、制御部CPはステップS12及びステップS13にて取得した背景画像I及び画像I(t)の差分をとって差分画像I(t)を算出する(ステップS15)。ちなみに、差分画像I(t)とは、背景画像I及び画像I(t)での同一座標の画素同士の差分の値を全ての画素について算出し、必要に応じてその値に正規化等の変換を行い、その値を各画素の画素値とした画像である。
【0023】
次いで、制御部CPの判定部CP2は、入室検知処理の種々の処理を実施する(ステップS16)。具体的には制御部CPの判定部CP2は、前記差分画像I(t)を予め設定した閾値で2値化を行う。つまり、差分画像I(t)の画素毎で閾値以上であれば例えば白の画素に置き換え、閾値未満であれば黒の画素に置き換えることで、背景と異なる部分(人が存在する部分)の画素を抽出することが可能となる。この結果、白の画素が得られればセンサ部Sにて背景画像I時とは異なる状態、つまり人が入室したとして、その結果である2値画像データIb(t)を生成する。なお、差分画像I(t)の画素毎で閾値未満の結果しか得られなければ前記2値画像データIb(t)は生成しないような構成とされる。
【0024】
次いで、制御部CPの判定部CP2は、前記2値画像データIb(t)が生成されたか否かで人が入室したか否かを判定する(ステップS17)。
前記2値画像データIb(t)が生成されていなければ(ステップS17:NO)、判定部CP2並びに制御部CPは、前記ステップS10から処理を繰り返すようになっている。
【0025】
一方、前記2値画像データIb(t)が生成されると(ステップS17:YES)、判定部CP2は人が入室した旨の信号を点灯制御部CP1に出力する。そして人が入室した状態の照明条件にて点灯制御部CP1は、各エリアA1〜A6に対応する各光源部LS1〜LS6を制御する(ステップS18)。本実施形態の場合、点灯制御部CP1自身又は外部の記憶部に予め記憶された図9に示すようなデータテーブルのシーン番号に応じて各エリアA1〜A6の光源部LS1〜LS6を制御する。
【0026】
次いで、制御部CPの点灯制御部CP1は、少なくとも1つのエリア(任意のエリア)の人数を1として(ステップS19)、ステップS13からの処理を繰り返すようになっている。
【0027】
一方、図4に示すように、全てのエリアA1〜A6での人数が「0」でなければ(ステップS14:NO)、判定部CP2にて人がどのエリアにいるのか判定する(ステップS20)。
【0028】
具体的には、判定部CP2は、センサ部Sにて、とある時刻tのセンサ部Sの出力画像I(t)を取得する。判定部CP2は、出力画像I(t)と前述のステップS12にて取得した背景画像Iから差分画像I(t)を算出する。そして、前述のステップS16で実施したように、判定部CP2は前記差分画像I(t)を予め設定した閾値で2値化を行う。つまり、差分画像I(t)の画素毎で閾値以上であれば例えば白の画素に置き換え、閾値未満であれば黒の画素に置き換える。この結果、白の画素が得られればセンサ部Sにて背景画像I時とは異なる状態、つまり人が入室したとして、その結果である2値画像データIb(t)を生成する。なお、差分画像I(t)の画素毎で閾値未満の結果しか得られなければ前記2値画像データIb(t)は生成しないような構成とされる。そして、判定部CP2は、前記2値画像データIb(t)での白の画素が座標データを基に例えば人が室内KのどのエリアA1〜A6に該当するか算出する。
【0029】
その後、判定部CP2は、前記ステップS20において人が存在する各エリアA1〜A6に何人存在するか算出する(ステップS21)。具体的には、2値画像データIb(t)において独立した白画素の塊が各々の存在エリアA1〜A6毎にいくつ存在するのか算出し、その算出結果を各エリアA1〜A6毎の人数として判定する。ちなみに白画素の塊の算出等の閾値処理はいずれも画像処理のラベリング手法によって実現する。なお、センサ部Sの配置や人の大きさなどの知見をもとに、背景画素と異なる画素の面積が規定値以下の塊やこの規定値とは異なる規定値以上の塊は人数としてカウントしないようにしてもよい。
【0030】
次いで、判定部CP2は、全てのエリアA1〜A6での人数が0か否かを判定する(ステップS22)。
全てのエリアA1〜A6での人数が0であれば(ステップS22:YES)、判定部CP2は、前記ステップS10から処理を繰り返すようになっている。
【0031】
一方、前記全てのエリアA1〜A6での人数が1人以上であれば(ステップS22:NO)、判定部CP2は人の存在有無や、人が存在するエリアの番号並びに人数等を算出する。
【0032】
次いで、判定部CP2は、人の存在エリアから目的エリアまでのそれぞれのエリアの順序であるルートエリアを算出する(ステップS23)。具体的には、制御部CP(判定部CP2)内のメモリ又は外部メモリから各エリアA1〜A6の隣接関係情報や各エリアA1〜A6の中心位置座標から隣接するエリアまでの距離情報を基に例えばダイクストラ法を用いて判定部CP2はルートエリアを算出する。その一例として、例えば存在エリアを図7に示すようにエリアA1として目的エリアTAをエリアA4とすれば、最短ルートとなるエリアの順序は、エリアA1→エリアA2→エリアA3→エリアA4となる。
【0033】
次いで、判定部CP2は、人の移動方向Iを算出する(ステップS24)。具体的には、存在エリア判定処理結果で導出された存在エリアの履歴に基づいて判定部CP2は、人の移動方向Iを算出する。また、同判定部CP2は、同エリア内に居た場合であっても同エリア内での人の動きから移動方向Iを演算することができるようになっている。前者においては、例えばエリアA1からエリアA2から人が移動することで各エリアA1,A2の中心座標からベクトルを算出して移動方向Iと設定する。後者においては、センサ部Sによる同エリア内の画像の時系列変化から同エリア内における移動方向Iを算出することができる。
【0034】
次いで、前記ルート判定処理(ステップS23)で導出された人の存在エリアから目的エリアまでのルートエリアの中で、現時点の存在エリアと存在エリアの次のエリアとの位置関係から判定部CP2は目的方向を決定する(ステップS25)。例えば現時点の存在エリアが図7に示すようにエリアA1で、目的エリアTAがエリアA4である場合には、エリアA1の中心座標と、このエリアA1から見て目的エリアTA側である隣接するエリアA2の中心座標とからベクトルを算出する。このベクトルが目的方向Mとなる。
【0035】
次いで、前述の処理に算出された人の移動方向Iと目的方向Mとを比較して、目的方向Mと移動方向Iが一致するか判定部CP2にて判定する(ステップS26)。ここで、判定部CP2は、人の移動方向I及び目的方向Mをベクトルとして得ることで、2つのベクトルのなす角度を算出する。そして、判定部CP2は、この算出した角度が予め設定した閾値(例えば0度〜45度)の範囲内である場合には、移動方向Iと目的方向Mとが同一方向であると判断する。また、判定部CP2は、前記算出した角度が前記閾値の範囲外である場合には、移動方向Iと目的方向Mとが異なる方向であると判断する。
【0036】
そして、移動方向Iと目的方向Mとが同一である場合(ステップS26:YES)、点灯制御部CP1は、判定部CP2から得られる人の存在エリアと人数に基づいた照明条件にて対応する光源部LS1〜LS6を制御する。一例として、
一方、移動方向Iと目的方向Mとが異なる場合(ステップS26:NO)、点灯制御部CP1は、目的エリアTAの光源部(本実施形態の場合第4光源部LS4)を消灯させる(ステップS28)。このステップS28においては、更に、点灯制御部CP1は、判定部CP2から得られる人の存在エリアと人数に基づいた照明条件にて目的エリアTA以外の対応する光源部LS1〜LS6を制御する。
【0037】
前記ステップS27又はステップS28の後、判定部CP2並びに点灯制御部CP1は、前記ステップS13から繰り返し処理を実施するようになっている。
(第1動作例)
次に、上記のような構成並びに制御が実施される照明装置10a〜10fを備えた照明制御システムの第1動作例について主に図5〜図12を用いて説明する。
【0038】
また、前記各エリアA1〜A6の内の任意のエリア(本実施形態では室内Kにおいて目標物Tが配置されたエリアA4)を目的エリアTAとして制御部CP(判定部CP2)内のメモリ又は外部メモリに記憶されている。
【0039】
図5に示すように、室内K(照明空間)の全エリアA1〜A6にも人が不在の場合には、点灯制御部CP1は、人が不在状態の照明条件にて各エリアA1〜A6の各光源部LS1〜LS6を消灯状態(発光出力0%)となるように制御する。
【0040】
図6に示すように、出入口であるドアD1から人H1が入室した場合、点灯制御部CP1は出入口として対応付けられたエリアA1,A6に対応する照明装置10a,10fの光源部LS1,LS6を発光出力0%→30%に変更して点灯する。このとき、点灯制御部CP1は、他のエリアA2〜A5に対応する照明装置10b〜10eを消灯状態(発光出力0%)のまま維持する。
【0041】
そして、前記判定部CP2にてエリアA1に存在する人H1の移動方向Iと目的方向Mとが一致と判断されると、点灯制御部CP1は図7に示すようにエリアA1の照明装置10aの光源部LS1の発光出力30%→100%に変更して点灯する。このとき、更に目的エリアTAであるエリアA4の照明装置10dの光源部LS4の発光出力0%→100%に変更して点灯する。これに加えて、点灯制御部CP1は、エリアA6に対応する照明装置10fの光源部LS6を発光出力30%→0%に変更して消灯させる。
【0042】
図8に示すように、人H1がエリアA1から隣接するエリアA2に移動すると、判定部CP2は人H1の移動方向Iと目的方向Mが同一であると判定する。この結果を受けて点灯制御部CP1は、エリアA2に対応する照明装置10bの光源部LS2の発光出力0%→100%に変更して点灯するとともに、目的エリアTAであるエリアA4の照明装置10dの光源部LS4の発光出力は100%を維持する。これに加えて、点灯制御部CP1は、人H1が不在となったエリアA1に対応する照明装置10aの光源部LS1の発光出力100%→0%に変更して消灯させる。
【0043】
図9に示すように、人H1がエリアA2から隣接するエリアA3に移動すると、判定部CP2は人H1の移動方向Iと目的方向Mが同一であると判定する。この結果を受けて点灯制御部CP1は、エリアA3に対応する照明装置10cの光源部LS3の発光出力0%→100%に変更して点灯するとともに、目的エリアTAであるエリアA4の照明装置10dの光源部LS4の発光出力は100%を維持する。これに加えて、点灯制御部CP1は、人H1が不在となったエリアA2に対応する照明装置10bの光源部LS2の発光出力100%→0%に変更して消灯させる。
【0044】
図10に示すように、人H1がエリアA3から目的エリアTAから遠ざかるエリアA2に移動すると判定部CP2は人H1の移動方向Iと目的方向Mとが異なるものと判定する。この結果を受けて点灯制御部CP1は、エリアA2に対応する照明装置10bの光源部LS2の発光出力0%→100%に変更して点灯し、目的エリアTAであるエリアA4の照明装置10dの光源部LS4の発光出力100%→0%に変更して消灯させる。これに加えて、点灯制御部CP1は、人H1が不在となったエリアA3に対応する照明装置10cの光源部LS3の発光出力100%→0%に変更して消灯させる。このように、移動方向Iと目的方向Mとが異なる場合には、人H1が見ないと判断されて該当するエリアA4(目的エリアTA)の光源部LS4が消灯されて省電力を図ることができるようになっている。
【0045】
図11に示すように、人H1がエリアA2から目的エリアTAから遠ざかるエリアA1に移動すると、判定部CP2は人H1の移動方向Iと目的方向Mとが異なるものと判定する。この結果を受けて点灯制御部CP1は、エリアA1に対応する照明装置10aの光源部LS1の発光出力0%→100%に変更して点灯し、目的エリアTAであるエリアA4の照明装置10dの光源部LS4の発光出力を0%に維持して消灯させる。これに加えて、点灯制御部CP1は、人H1が不在となったエリアA2に対応する照明装置10bの光源部LS2の発光出力100%→0%に変更して消灯させる。
【0046】
図12に示すように、人H1がエリアA1からドアD1を通って退室すると、判定部CP2は、室内K(照明空間)の全エリアA1〜A6に人が不在であると判定される。この結果を受けて点灯制御部CP1は、人が不在状態の照明条件にて各エリアA1〜A6の各光源部LS1〜LS6を消灯状態(発光出力0%)となるように制御する。
【0047】
(第2動作例)
次に、照明装置10a〜10fを備えた照明制御システムの第2動作例について主に図13〜図17を用いて説明する。上記第1動作例と比較して人の人数が異なる点が相違する。
【0048】
図13に示すように、エリアA1に存在する人H1に加えて、エリアA6側のドアD2から人H2が入室すると、センサ部S及び判定部CP2によって入室が検知される。この結果を受けて、点灯制御部CP1は、先ずエリアA1に存在する人H1を考慮してエリアA1に対応する光源部LS1の発光出力は100%のまま維持し、エリアA6に対応する照明装置10fの光源部LS6を発光出力100%で点灯させる。その後、例えば判定部CP2がエリアA6に存在する人H2のエリアA6内での移動方向Iと目的方向Mとが同一方向と判断すると、点灯制御部CP1は目的エリアTAの照明装置10dの光源部LS4を100%で点灯させる。また、このとき、人H1側の移動方向Iは特に考慮しなくても、他のエリアに居る人の移動方向Iと目的方向Mとが一致することで、目的エリアTAの照明装置10dの光源部LS4が点灯されるようになっている。
【0049】
図14に示すように、エリアA6に居た人H2が目的エリアTAに近づく方向であるエリアA5に移動すると、判定部CP2は人H2の移動方向Iと目的方向Mとが同じと判断する。この結果を受けて、点灯制御部CP1は、エリアA5に対応する照明装置10eの光源部LS5の発光出力0%→100%に変更して点灯するとともに、目的エリアTAであるエリアA4の照明装置10dの光源部LS4の発光出力は100%を維持する。これに加えて、点灯制御部CP1は、人H2が不在となったエリアA6に対応する照明装置10fの光源部LS6の発光出力100%→0%に変更して消灯させる。
【0050】
図15に示すように、2つのエリアA1,A5に人H1,H2が居る場合に、エリアA6側のドアD2から人H3が入室すると、センサ部S及び判定部CP2によって入室が検知される。この結果を受けて点灯制御部CP1は、エリアA1,A5の人H1,H2を考慮して対応する光源部LS1,LS5の発光出力を100%のまま維持し、エリアA6に対応する照明装置10fの光源部LS6を発光出力0%→100%で点灯させる。その後、例えば判定部CP2がエリアA6に存在する人H3のエリアA6内での移動方向Iと目的方向Mとが同一方向と判断すると、点灯制御部CP1は目的エリアTAの照明装置10dの光源部LS4を100%で点灯させる。また、このとき、人H1,H2の移動方向Iは特に考慮しなくても、他のエリアに居る人の移動方向Iと目的方向Mとが一致することで、目的エリアTAの照明装置10dの光源部LS4が点灯されるようになっている。
【0051】
図16に示すように、エリアA5に居た人H2が人H3の居るエリアA6に移動すると、判定部CP2は人H2の移動方向Iと目的方向Mとが異なると判断する。この結果を受けて、点灯制御部CP1は、室内Kに居る他の人H1,H2でも移動方向Iと目的方向Mとが異なる場合、目的エリアTA(エリアA4)に対応する照明装置10dの光源部LS4の光出力を100%→0%に変更して消灯されるように制御する。これに加えて、点灯制御部CP1は、人H2が不在となったエリアA5に対応する照明装置10eの光源部LS5の発光出力100%→0%に変更して消灯させる。
【0052】
図17に示すように、人H1がエリアA1からドアD1を通って退室すると、判定部CP2は、室内K(照明空間)の全エリアA1〜A6に人が不在であると判定される。この結果を受けて点灯制御部CP1は、人が不在状態の照明条件にて各エリアA1〜A6の各光源部LS1〜LS6を消灯状態(発光出力0%)となるように制御する。
【0053】
次に、本実施形態の照明制御システムの作用について説明する。
本実施形態の照明装置10a〜10fを備えた照明制御システムでは、人の移動方向Iと、人の存在エリアから見て目的エリア側である目的方向Mを考慮し、移動方向Iと目的方向Mとが異なれば目的エリアに対応する照明装置の光源部が消灯される。
【0054】
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)判定部CP2は複数のエリアに分割されたそれぞれのエリアA1〜A6の中で、予め設定したエリアA4を目的エリアTAとして記憶するとともに、人の存在エリアから目的エリアTAまでのそれぞれのエリアの順序をルートエリアとして判定する。更に判定部CP2は、人の存在エリアの時系列変化に基づき存在エリアにおける人の移動方向Iを判定するとともに、人の存在エリアと該存在エリアの次の順序となるエリアとから目的方向Mを判定する。判定部CP2は、人の移動方向Iと目的方向Mとを比較して比較結果が予め設定した閾値の範囲内では人の移動方向Iと目的方向Mとが同一方向であると判定する。更に判定部CP2は前記比較結果が予め設定した閾値の範囲外では人の移動方向Iと目的方向Mとが異なる方向であると判定する。点灯制御部CP1は、判定部CP2が異なる方向と判定した場合には、目的エリアに対応する光源部LS4を消灯するように制御する。このように、人の移動方向Iが目的エリア側となる目的方向Mでない場合には、目的エリアの対応する光源部LS4を消灯させるため、無駄な電力消費を抑えて省電力化に寄与することができる。
【0055】
(2)人の熱を感知する熱画像センサによりセンサ部Sが構成される。これにより例えば照明制御システムによって制御される照明装置10a〜10fが設置される室内Kが暗所であってもより確実に人の有無を検知することができる。
【0056】
なお、本発明の上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、特に言及していないが、判定部CP2が同一方向と判定した場合(上記ステップS26:YES)には、存在エリアから目的エリアTAまでのルートエリアの光源部を、それ以外のエリアの光源部と比較して光出力又は光色が異なるように制御してもよい。このような構成とすることで、ルートエリアにおける光源部を他のエリアの光源部と比較して目立たせることができるため、人を目的エリアTAまで誘導する効果と視線誘導効果を高めることができる。
【0057】
・上記実施形態では、特に言及していないが、例えば使用者が操作可能なリモコンやタッチパネルを用いて目的エリアTAを変更するためのトリガー信号を電気的に接続される判定部CP2に出力して、目的エリアTAを変更可能な構成としてもよい。このような構成とすることで、使用者の所望のエリアを目的エリアと設定することができる。
【0058】
また、例えば時間帯・曜日・季節ごとで例えば目的となる目標物T(照射対象物)の位置(エリア)が変わる場合には、予めそれに合わせた設定とすることで時間帯、曜日や季節などで自動的に変更される構成としてもよい。
【0059】
また、照明制御システムをバーコードやICタグ等で個人を特定する構成として、個々に目的エリアTAを設定して、個人毎に目的エリアTAに変更する構成としてもよい。
・上記実施形態では、人の移動方向Iと目的方向Mとが異なると目的エリアTA(エリアA4)に対応する光源部LS4を消灯させる構成としたが、これに限らず、目的方向Mと移動方向Iとが同じである場合の光源部LS4の光出力よりも低い構成としてもよい。例えば、目的方向Mと移動方向Iとが同じである場合の光源部LS4の光出力を100%とした場合には目的方向Mと移動方向Iとが異なる場合の光源部LS4の光出力を100%未満とすることで省電力化を図ることができる。なお、目的方向Mと移動方向Iとが同じである場合の光源部LS4の光出力は、使用環境によって使用者の所望の光出力に変更する構成としてもよい。
【0060】
・上記実施形態では、人の有無や人数を検知するセンサ部Sとして熱画像センサを使用する構成としたが、これに限らない。例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の画像センサを検知部として用いる構成を採用してもよい。
【0061】
・上記実施形態では、特に言及していないが、各光源部LS1〜LS6の発光色を統一してもよい。また、各光源部LS1〜LS6毎で発光色を異なるような構成としてもよい。
【0062】
・上記実施形態並びに上記構成では、照明装置10a〜10fの制御例について図3及び図4を用いて説明したが、本発明の範疇であれば上記制御例に限らない。要は、使用者の移動方向Iと現在のエリアから見た目的エリア側の方向である目的方向Mとが異なる場合に、目的エリアの照明装置(光源部)を消灯又は減光させる構成であればよい。
【0063】
・上記実施形態では、照明装置10a〜10fを分割するエリアA1〜A6毎に設けたが、これに限らず、エリアA1〜A6の数よりも照明装置の数を増やしたり減らしたりしてもよい。
【0064】
また、照明装置の数がエリア数よりも下回る場合は、図19(a)(b)に示すように照明装置の光軸OAの向きを変更する駆動機構21を設けて、駆動機構21により人の存在エリアが点灯されるように光源部22の光軸OAを変更する構成が望ましい。
【0065】
ここで、駆動機構21の一例について説明する。図19(a)(b)に示すように駆動機構21の略円盤状のベース部31が天井Rに設置される。ベース部31には、このベース部31対して回転可能に略円盤状の回転板32が設けられる。回転板32の前記ベース部31側とは反対側の面には、光源部22を傾動可能な状態で支持する2つの支持部材33が設けられる。そして、この駆動機構21には図示しない駆動源(例えばモータ)が図20に示す制御部CPの駆動制御部CP3にて制御されることで、回転板32がベース部31に対して回転され、光源部22が支持部材33に対して傾動されるようになっている。なお、前記駆動機構は、図19に示すような駆動機構21に限らず照明装置の光源部の光軸の位置(向き)をアクチュエータにて変更可能な構成であれば特に問わない。
【0066】
上記の駆動機構21により、判定部CP2によって算出された、図21に示す人の存在エリアから目的エリアTAまで駆動させる。この場合、例えば、判定部CP2によって算出された例えば図21に示すようなルートエリアR1〜R3に沿って移動させることで、使用者が所望のエリアを通って目的エリアまで誘導することが可能となる。
【0067】
・上記実施形態では特に言及していないが、各光源部に、光学部材または反射板を設ける構成を採用してもよい。またこれら光学部材または反射板を可動させることにより、光源部の光軸を変更する構成を採用してもよい。このような構成とすることで、多様な照明条件(シーン)を演出することが可能となる。なお、光学部材としては、例えば各種レンズ、プリズム、光拡散フィルタ、集光フィルタ、偏光フィルタ、波長カットフィルタ、波長変換フィルタ、ルーバーなどを用いることが可能である。また、反射板としては、例えばアルマイト反射板、アルミ蒸着反射板、銀蒸着反射板、樹脂反射板、コールドミラーなどを用いることが可能である。
【0068】
・上記実施形態では、照明装置10a〜10fを室内Kに対して6個設ける構成としたが、その個数は任意に変更してもよい。例えば、照明空間(室内空間)を区分けするエリア数に応じて適宜変更してもよい。
【0069】
・上記実施形態では、複数の照明装置10a〜10fのそれぞれに1つの光源部を設ける構成としたが、各照明装置10a〜10fの少なくとも1つ又は複数又は全部において複数の光源部を設ける構成を採用してもよい。
【0070】
・上記実施形態では、複数の照明装置10a〜10fを室内Kの天井Rに設ける構成としたが、例えば室内Kの側壁や床等に設けてもよい。
・上記実施形態では、室内Kにセンサ部Sを1つ設ける構成としたが、複数のセンサ部によって個別又は各センサ部の情報を総括して人の有無や人数を検出する構成を採用してもよい。
【0071】
また、センサ部Sを複数設ける場合には、例えば各エリアA1〜A6毎にそれぞれ設ける構成を採用してもよい。このような構成とすることで、より確実に各エリアA1〜A6の人の存在の有無や人数を検出することが可能となる。
【0072】
・上記実施形態では、特に言及していないが、図18に示すように、センサ部Sと制御部CPを複数の照明装置(光源部)と分離した構成としてもよい。この場合、センサ部Sと制御部CP間はそれぞれに通信部C1,C2が設けられてこの通信部C1,C2にて各種の通信信号が送受信されるようになっている。また、制御部CPと照明装置10a間はそれぞれに、通信部C3,C4が設けられてこの通信部C3,C4にて各種の通信信号が送受信されるようになっている。また、制御部CPと照明装置10b間はそれぞれに、通信部C3,C5が設けられてこの通信部C3,C5にて各種のプロトコルに沿った通信信号が送受信されるようになっている。なお、通信信号としては、DALI(Digital Addressable Lighting Interface)、可視光通信、赤外線データ通信の規格(IrDA:Infrared Data Association)、RF(Radio Frequency)、Zigbee、Bluetooth(登録商標)、無線LANの規格(IEEE802.11)などがあり、特に限定されるものではない。
【0073】
・上記実施形態では、一方向に各エリアA1〜A6が隣接する、つまり各エリアA1〜A6が1つ若しくは2つのエリアと隣接する構成の室内K(照明空間)において本発明を適用したが、これに限らない。例えば或る1つのエリアが3つ以上のエリアと隣接する構成の室内K(照明空間)において本発明を適用してもよい。その一例として、図22に示すようなT字状にエリアを区分けした構成が考えられる。なお、これに限らずL字状、H字状や十字状にエリアを区分けした構成としてもよい。
【0074】
例えば、図22に示すように、エリアA1〜A6は、上記実施形態同様に、一方向に各エリアA1〜A6が隣接するように区分けされる。そして、例えばエリアA4では、エリアA3及びエリアA5と隣接することに加えて、エリアA7と隣接するように区分けされる。このエリアA7は、前記エリアA4とは反対側においてエリアA8と隣接するように区分けされる。このような各エリアの隣接情報やエリア間の距離などは例えば制御部CP(判定部CP2)自身の内部メモリ又はこの制御部CPと電気的に接続される外部メモリと電気的に接続され、適宜参照可能に構成される。
【0075】
そして、例えば、図22に示すようにエリアA8を目的エリアTAと設定すると、例えば人がドアD1に対応するエリアA1に居る場合には、エリアA1から目的エリアTAまでのルートエリアが前記判定部CP2にて算出される。今回の場合、ダイクストラ法を用いて判定部CP2は、エリアA1→エリアA2→エリアA3→エリアA4→エリアA7→エリアA8がルートエリアと判定(算出)する。
【0076】
・上記実施形態では、各光源部LS1〜LS6は、LED素子にて構成したが、これに限らない。例えば、有機EL(Electro-Luminescence)素子、無機EL(Electro-Luminescence)素子、HID(High Intensity Discharge)ランプ、白熱灯などを用いてもよい。
【0077】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ) 請求項1〜6のいずれか一項に記載の照明制御システムにおいて、前記センサ部は、熱画像センサで構成されたことを特徴とする照明制御システム。
【0078】
このように、人の熱を感知する熱画像センサで人の有無を検知することが可能となるため、例えば照明制御システムによって制御される照明装置が設置される室内が暗所であってもより確実に人の有無を検知することができる。
【符号の説明】
【0079】
10a〜10f…照明装置、21…駆動機構(光軸駆動手段)、22,LS1〜LS6…光源部、CP1…点灯制御部、CP2…目的エリア記憶部及びルートエリア判定部及び移動方向判定部及び目的方向判定部及び方向比較判定部としての判定部、S…センサ部、A1〜A8…エリア(存在エリア)、H1〜H3…人、I…移動方向、K…室内(照明空間)、M…目的方向、OA…光軸、R1〜R3…ルートエリア、TA…目的エリア。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明空間の画像データを得るセンサ部と、該センサ部の出力結果に基づき複数のエリアに分割された照明空間において各々のエリアでの人の存在分布を判定する判定部と、前記判定部によって判定される人の存在エリア分布に基づいて各々のエリアの照明条件を変更して各々のエリアに対応した光源部を制御する点灯制御部とを有する照明制御システムであって、
複数のエリアに分割されたそれぞれのエリアの中で、予め設定したエリアを目的エリアとして記憶する目的エリア記憶部と、人の存在エリアから目的エリアまでのそれぞれのエリアの順序をルートエリアとして判定するルートエリア判定部と、人の存在エリアの時系列変化に基づき存在エリアにおける人の移動方向を判定処理する移動方向判定部と、前記ルートエリア判定部による判定結果に基づき人の存在エリアと該存在エリアの次の順序となるエリアとから目的方向を判定する目的方向判定部と、人の移動方向と目的方向とを比較して比較結果が予め設定した閾値の範囲内では人の移動方向と目的方向とが同一方向であると判定するとともに、前記比較結果が予め設定した閾値の範囲外では人の移動方向と目的方向とが異なる方向であると判定する方向比較判定部とを備え、
前記点灯制御部は、前記方向比較判定部が異なる方向と判定した場合には、前記目的エリアに対応する光源部を、前記方向比較判定部が同一方向と判定した場合と比較して減光又は消灯となるように制御することを特徴とする照明制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の照明制御システムにおいて、
前記点灯制御部は、前記方向比較判定部が同一方向と判定した場合には、前記存在エリアから前記目的エリアまでのルートエリアの光源部を、それ以外のエリアの光源部と比較して光出力又は光色が異なるように制御することを特徴とする照明制御システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の照明制御システムにおいて、
前記目的エリア記憶部は、前記目的エリアを変更可能に構成されたことを特徴とする照明制御システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の照明制御システムにおいて、
前記光源部の光軸を変更する光軸駆動手段を備え、
前記光軸駆動手段は、対応する前記光源部を前記目的エリアまで駆動させることを特徴とする照明制御システム。
【請求項5】
請求項4に記載の照明制御システムにおいて、
前記光軸駆動手段は、前記ルートエリアに沿って、対応する光源部を前記目的エリアまで駆動させることを特徴とする照明制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−216355(P2012−216355A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79832(P2011−79832)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】