説明

照明制御装置

【課題】 信号線の引き回しが容易な照明制御装置を提供する。
【解決手段】 照明制御装置1は、ハウジング4と、ハウジング4の平坦な後面に固定されて信号線が接続される端子台6とを備える。端子台6は、ハウジング4の後面に固定されたベース61と、ベース61に対して固定され信号線が接触導通する端子板62と、信号線を端子板62に接触した状態に保持する接触保持手段としての端子ねじ63とを備える。ベース61において前後方向から見て端子板62から突出する部位には、端子板62から離れるほどハウジング4からの突出寸法を小さくする方向に傾斜した傾斜面610が設けられている。傾斜面610が設けられない場合に比べ、スイッチボックスの内面とベース61との間の空間が大きくなるから、スイッチボックス内での信号線の引き回しが容易となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、スイッチボックスを用いて壁面等の施工面に埋込配設され、複数個の照明器具の制御に用いられる照明制御装置が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種の照明制御装置は、一端が照明器具に接続された信号線の他端が接続される複数個の端子を有する。上記の信号線は、スイッチボックスの内面に設けられた貫通穴を通じて、施工面内(厳密には、施工面を構成する壁材等と造営材との間に設けられた配線用の空間内)に引き出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2992383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
照明制御装置の外形によっては、照明制御装置の外面とスイッチボックスの内面との間の隙間が小さくなり、信号線の引き回しが困難となる可能性がある。
【0006】
本発明は、上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、信号線の引き回しが容易な照明制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の照明制御装置は、スイッチボックスを用いて埋込配設されるとともに信号線を介して照明器具に接続される照明制御装置であって、ハウジングと、前記ハウジングの外面において前記スイッチボックスの内面に向けられる平坦な部位に固定されて前記信号線が接続される端子台とを備え、前記端子台は、前記ハウジングに固定されたベースと、前記ベースに対して固定され信号線が接触導通する端子板と、前記信号線を前記端子板に接触した状態に保持する接触保持手段とを有し、前記ベースにおいて前記平坦な部位に直交する方向から見て前記端子板から突出する部位には、前記端子板から離れるほど前記ハウジングからの突出寸法を小さくする方向に傾斜した傾斜面が設けられていることを特徴とする。
【0008】
上記の照明制御装置において、前記傾斜面は平面であって、前記ハウジングは、前記傾斜面が延長された平面から突出しない形状とされていることが望ましい。
【0009】
また、上記の照明制御装置において、前記ベースにおいて前記傾斜面に連続する端面は、前記ハウジングの前記平坦な部位に直交する平面とされていることが望ましい。
【0010】
さらに、上記の照明制御装置において、前記ハウジングにおいて前記端子台から離れた位置には、外部装置への接続に用いられるレセプタクルが保持されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、傾斜面が設けられない場合に比べ、スイッチボックスの内面とベースとの間の空間が大きくなるから、スイッチボックス内での信号線の引き回しが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の要部を示す断面図である。
【図2】同上の使用形態の一例を示す説明図である。
【図3】同上を示すブロック図である。
【図4】同上を示す分解斜視図である。
【図5】同上を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図である。
【図6】同上の要部を示す後面図である。
【図7】同上がスイッチボックスに取り付けられた状態を示す断面図である。
【図8】同上の変更例の要部を示す後面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
図2に示すように、本実施形態の照明制御装置1は、複数個の照明器具21に、それぞれ信号線22を介して接続して用いられる。
【0015】
各照明器具21は、信号線22を介して入力された制御信号に応じた光出力で電気的な光源(図示せず)を点灯させるものであり、接続された信号線22毎に制御される。上記のような照明器具21は周知技術で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。
【0016】
また、照明制御装置1は、信号線22を介してリレー23に接続されることで、リレー23を制御することも可能となっている。上記のリレー23は、電源ACから負荷Z(例えば看板灯)への給電路に挿入され、信号線22を介して入力された駆動信号に応じて負荷Zへの給電をオンオフする、いわゆる電磁リレーである。上記のようなリレー23は周知技術で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。
【0017】
照明制御装置1は、図3に示すように、信号線22を介して各照明器具21(図3では1個のみ図示)に接続される照明接続部11と、信号線22を介してリレー23に接続されるリレー接続部12と、照明接続部11とリレー接続部12とをそれぞれ制御する制御部13とを備える。
【0018】
照明接続部11は、例えば制御部13の制御に従って制御信号を生成する電子回路である。制御信号は例えば指示する光出力に応じたオンデューティの矩形波(いわゆるPWM信号)である。また、リレー接続部12は、例えば制御部13の制御に従って駆動信号を生成する電子回路である。上記のような照明接続部11やリレー接続部12は周知技術で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。また、制御部13は例えばマイコンと適宜のメモリとで実現することができる。
【0019】
さらに、照明制御装置1は、操作入力を受け付ける操作部14と、各種の表示を行う表示部15とを備える。操作部14は例えば複数個の押釦スイッチを用いて実現することができ、表示部15は例えば液晶パネルや発光ダイオードを用いて実現することができる。制御部13は、操作部14に受け付けられた操作入力や、予め記憶されたプログラムに応じて、照明制御部11やリレー接続部12や表示部15を制御する。
【0020】
また、照明制御装置1は、LANケーブル24を介して上位端末25に接続される端末接続部16を有し、制御部13は、上位端末25からの入力に応じて照明器具21等の制御や上記のプログラムの変更等が可能となっている。上記のような端末接続部16としては例えば周知のネットワークカードと同様の電子回路を用いることができる。
【0021】
次に、機械的な構造について説明する。照明制御装置1は、図4に示すように、壁面31に設けられた埋込穴30に、スイッチボックス32を用いて埋込配設される。
【0022】
照明制御装置1は、スイッチボックス32内に挿入される直方体形状の本体部41と、本体部41においてスイッチボックス32外に露出する面(以下、「前面」と呼ぶ。)に沿って本体部41の全周に突出しスイッチボックス32の前端にねじ止めされる鍔部42とを有するハウジング4を備える。図3に示した各部はハウジング4の本体部41に収納および保持される。照明制御装置1に接続された信号線22等は、スイッチボックス32の側面に設けられた引出穴320を通じて引き出され、壁面31を構成する壁材と造営材(図示せず)との間に設けられた配線スペース内に引き回される。
【0023】
また、ハウジング4には、図5に示すように前方から見て鍔部42を覆って見栄えを改善するカバー5が被着される。カバー5をハウジング4に結合させる手段としては、嵌合や凹凸係合といった周知の手段を用いることができる。以下、上下左右は図5(a)を基準として説明する。すなわち、ハウジング4の前面の長手方向を左右方向と呼ぶ。
【0024】
さらに、ハウジング4の本体部41においてスイッチボックス32の内面に向けられる面である後面の上端に設けられた平坦な部位には、2個の端子台6が固定されている。
【0025】
各端子台6は、それぞれ、ハウジング4に固定されたベース61と、ベース61に対して固定され信号線22が接触導通する端子板62と、信号線22を端子板62の後面に接触した状態に保持する接触保持手段としての端子ねじ63とを有する、いわゆるねじ端子である。端子板62と端子ねじ63との組は端子台6毎に左右に並べて複数組(図では8組)ずつ設けられている。ベース61をハウジング4に固定する方向としては、例えばねじ止めを用いることができる。
【0026】
ベース61は例えば合成樹脂のような絶縁材料からなり、端子板62間を仕切る仕切り壁611を有する。
【0027】
一方(例えば右側)の端子台6において各端子板62はそれぞれ照明接続部11に電気的に接続され、他方(例えば左側)の端子台6において各端子板62はそれぞれリレー接続部12に電気的に接続されている。
【0028】
ここで、図1に示すように、ベース61において後方から見て端子板62から上方に突出する部位には、端子板62から離れるほどハウジング4からの突出寸法を小さくする方向に傾斜した傾斜面610が設けられている。
【0029】
上記の傾斜面610は平面であって、ハウジング4は、図1に破線60で示すように傾斜面610が延長された平面から外側には突出しない形状とされている。
【0030】
また、ベース61において、傾斜面610の端であってハウジング4の後面からの突出寸法が最も小さい側の端に連続する端面(上端面)612は、ハウジング4の後面に直交する平面とされている。
【0031】
さらに、ハウジング4の後面の右端部には、例えば圧着端子からなり接地線が接続される接地端子43が設けられている。さらに、接地端子43の下側には、図6に示すようにレセプタクル44が保持されている。レセプタクル44は、一端が外部装置としての上位端末25に接続されたLANケーブル24の他端に設けられたプラグ(図示せず)が挿入接続されるものであり、端末接続部16に電気的に接続されている。つまり、レセプタクル44は、上記のプラグとともに周知のLANコネクタを構成するものであり、ジャックとも呼ばれる。信号線22とLANケーブル24との間での輻射ノイズの出入りを抑えるためには、レセプタクル44はなるべく端子台6から離して配置されることが望ましい。
【0032】
上記構成によれば、傾斜面610が設けられない場合に比べ、スイッチボックス32の内面とベース61との間の空間が大きくなるから、スイッチボックス32内での信号線22の引き回しが容易となる。
【0033】
また、本実施形態では、端子板62において信号線22が接触する面である後面と傾斜面610とが鈍角をなし、且つ、ベース61の端面612も傾斜面610との間に鈍角をなす。これにより、ベース61において信号線22が引き出される方向の端に直角や鋭角の角が形成される場合に比べ、図7に示すように傾斜面610に沿って引き出される信号線22に対して機械的なストレスを与えにくいから、信号線22の断線が発生しにくい。
【0034】
さらに、端子台6の個数は2個に限られず、例えば、図8に示すように、左端(後方から見て右端)に端子台6を追加してもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 照明制御装置
4 ハウジング
21 照明器具
22 信号線
25 上位端末(外部装置)
32 スイッチボックス
44 レセプタクル
61 ベース
62 端子板
63 端子ねじ
610 傾斜面
612 端面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチボックスを用いて埋込配設されるとともに信号線を介して照明器具に接続される照明制御装置であって、
ハウジングと、前記ハウジングの外面において前記スイッチボックスの内面に向けられる平坦な部位に固定されて前記信号線が接続される端子台とを備え、
前記端子台は、前記ハウジングに固定されたベースと、前記ベースに対して固定され信号線が接触導通する端子板と、前記信号線を前記端子板に接触した状態に保持する接触保持手段とを有し、
前記ベースにおいて前記平坦な部位に直交する方向から見て前記端子板から突出する部位には、前記端子板から離れるほど前記ハウジングからの突出寸法を小さくする方向に傾斜した傾斜面が設けられていることを特徴とする照明制御装置。
【請求項2】
前記傾斜面は平面であって、前記ハウジングは、前記傾斜面が延長された平面から突出しない形状とされていることを特徴とする請求項1記載の照明制御装置。
【請求項3】
前記ベースにおいて前記傾斜面に連続する端面は、前記ハウジングの前記平坦な部位に直交する平面とされていることを特徴とする請求項1記載の照明制御装置。
【請求項4】
前記ハウジングにおいて前記端子台から離れた位置には、外部装置への接続に用いられるレセプタクルが保持されていることを特徴とする請求項1記載の照明制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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