説明

照明器具及び照明装置

【課題】直管形LEDランプの保持力を向上させた照明器具及び照明装置の提供である。
【解決手段】当該照明器具との嵌合を可能とした嵌合部材を具備した直管形LEDランプを挟持するように配設され、少なくとも一端から給電可能とした直管形LEDランプ押さえ部材を具備した照明器具において、直管形LEDランプ押さえ部材は、給電可能な一端若しくは他端内部に、嵌合部材を係止する係止部と、嵌合部材の着脱を抑制する形状を有した係止蓋と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外郭カバー内に光源を有し、当該ランプ外部に設けられた電源回路からコネクタを介して給電する方式の直管形LEDランプ用の照明器具及び照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、直管形LEDランプの保持方法としては直管形LEDランプ端部に構成されたピンやL字の金具によって構成された嵌合部材をLED照明器具のランプ保持部材(ソケット)の孔への挿入や回転係止によって行われるものがあった。
【0003】
また、上述の直管形LEDランプ端部の構成や器具によっては、直管形LEDランプを固定した後に器具内部に構成される点灯装置(電源装置)からリード線を配線したコネクタを直管形LEDランプ外郭に接続して給電を行っているものがあった(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−272377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の直管形LEDランプの保持方法は蛍光灯タイプとの共用や同様の形状及び構成をとっており、直管形蛍光ランプに比べ重量の重い直管形LEDランプにとって直管形LEDランプの保持力が十分に足りていない恐れがあった。
【0006】
本発明の目的は、直管形LEDランプの保持力を向上させた照明器具及び照明装置の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明において、上記課題を解決するために、当該照明器具との嵌合を可能とした嵌合部材を具備した直管形LEDランプを挟持するように配設され、少なくとも一端から給電可能とした直管形LEDランプ押さえ部材を具備した照明器具において、直管形LEDランプ押さえ部材は、給電可能な一端若しくは他端内部に、嵌合部材を係止する係止部と、嵌合部材の着脱を抑制する形状を有した係止蓋と、を有することを特徴とする。
【0008】
または、上記課題を解決するために、当該照明器具との嵌合を可能とした嵌合部材を具備した直管形LEDランプを挟持するように配設され、少なくとも一端から給電可能とした直管形LEDランプ押さえ部材を具備した照明器具において、直管形LEDランプ押さえ部材は、給電可能な一端若しくは他端内部に、嵌合部材を係止する係止部と、係止蓋と、を有し、係止部は嵌合部材の着脱自在とする係止突起を設けたことを特徴とする。
【0009】
または、上記課題を解決するために、電源回路と、直管形LEDランプを保持する直管形LEDランプ押さえ部材と、電源回路と接続しているケーブルと、を有する照明器具において、直管形LEDランプは、一端または両端に蓋部材および嵌合部材を有し、電源回路からケーブルを介してLEDに給電し、LEDランプ押さえ部材は、嵌合部材を係止する係止部と、係止部と接続し嵌合部材から蓋部材までを覆うことができる係止蓋とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
当該照明器具との嵌合を可能とした嵌合部材を具備した直管形LEDランプを挟持するように配設され、少なくとも一端から給電可能とした直管形LEDランプ押さえ部材を具備した照明器具において、直管形LEDランプ押さえ部材は、給電可能な一端若しくは他端内部に、嵌合部材を係止する係止部と、嵌合部材の着脱を抑制する形状を有した係止蓋と、を有することにより、直管形LEDランプの保持力を向上させた照明器具を提供することができる。
【0011】
または、当該照明器具との嵌合を可能とした嵌合部材を具備した直管形LEDランプを挟持するように配設され、少なくとも一端から給電可能とした直管形LEDランプ押さえ部材を具備した照明器具において、直管形LEDランプ押さえ部材は、給電可能な一端若しくは他端内部に、嵌合部材を係止する係止部と、係止蓋と、を有し、係止部は嵌合部材の着脱自在とする係止突起を設けたことにより、直管形LEDランプの保持力を向上させた照明器具を提供することができる。
【0012】
または、上記課題を解決するために、電源回路と、直管形LEDランプを保持する直管形LEDランプ押さえ部材と、電源回路と接続しているケーブルと、を有する照明器具において、直管形LEDランプは、一端または両端に蓋部材および嵌合部材を有し、電源回路からケーブルを介してLEDに給電し、LEDランプ押さえ部材は、嵌合部材を係止する係止部と、係止部と接続し嵌合部材から蓋部材までを覆うことができる係止蓋とを有することを特徴とすることにより、直管形LEDランプの保持力を向上させた照明器具を提供することができる。
【0013】
また、前記照明器具と、複数のLEDとLEDが実装された基板と、LEDから発する熱を放熱する放熱部材とLEDの光を拡散させるカバー部材とカバー部材を塞ぐように配設した蓋部材と、蓋部材から略垂直方向に伸びる当該照明器具との嵌合を可能とし且つ嵌合部材を具備した直管形LEDランプとを有することにより、直管形LEDランプの保持力を向上させた照明装置を提供することができる。
【0014】
また、前記照明器具と、複数のLEDとLEDが実装された基板と、LEDから発する熱を放熱する放熱部材とLEDの光を拡散させるカバー部材とカバー部材を塞ぐように配設した蓋部材と、蓋部材から略垂直方向に伸びる当該照明器具との嵌合を可能とし且つ嵌合部材を具備した直管形LEDランプと、を有する照明装置において、直管形LEDランプは、コネクタと電気的接続を可能とした受けコネクタを有しており、直管形LEDランプを照明器具に取り付けた際に、受けコネクタの開口は照明器具と反対方向を向いており、コネクタと電気的接続を可能としたことにより、直管形LEDランプの保持力と、直管形LEDランプを照明器具に取り付ける際の取り付け性(作業性)を向上させた照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施例に係るLED照明装置の斜視図である。
【図2】図1の直管形LEDランプ100が照明器具から外された状態の斜視図である。
【図3】本発明の一実施例に係るLED照明装置の長手方向断面図である。
【図4】(a)直管形LEDランプ100が取り付けられた状態の直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)300(a)の断面図である。(b)図4(a)の別実施例の断面図である。
【図5】(a)直管形LEDランプ100が取り付けられる前の状態における本実施例の照明装置の長手方向断面図である。(b)図5(a)のA−A断面図である。
【図6】(a)嵌合部材108がソケットベース303に取り付けられた状態における本実施例の照明装置の長手方向断面図である。(b)図6(a)のB−B断面図である。
【図7】(a)直管形LEDランプ100を取り付けた後の状態における本実施例の照明装置の長手方向断面図である。(b)は図7(a)のA−A断面図である。
【図8】(a)直管形LEDランプ100が取り付けられた状態の係止部304と嵌合部材108の位置関係を示す図である。(b)直管形LEDランプ100を取り外す際の、係止部304と嵌合部材108の位置関係を示す図である。
【図9】第3の実施の形態を示す図である。
【図10】器具ベース200に取り付けられた直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)300(a)と直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)300(a)に取り付けられた、直管形LEDランプ100の給電側中央断面図の拡大図である。
【図11】(a)〜(c)ソケットベース303に内設した係止部304を覆うようにソケットカバー301が着脱自在にソケットベース303に嵌合された断面図。
【図12】ソケットベース303に内設する係止部304の形状を示す図である。
【図13】直管形LEDランプ100の短手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、複数のLEDと前記LEDが実装された基板と、前記LEDから発する熱を放熱する放熱部材と前記LEDの光を拡散させるカバー部材と前記カバー部材を塞ぐように配設した蓋部材と、前記蓋部材から略垂直方向に伸びる器具との嵌合を可能とする嵌合部材を具備した直管形LEDランプと、前記直管形LEDランプを挟持するように配設され、少なくとも一端から給電可能とした直管形LEDランプ押さえ部材を具備したLED器具において、前記直管形LEDランプ押さえ部材は、給電可能な一端若しくは他端内部に、前記蓋部材から略垂直方向に伸びた嵌合部材を係止する係止部を有し、前記係止部は前記嵌合部材の着脱を抑制する形状を有した係止蓋を構成する。
【0017】
本発明の第一の実施例について、図を引用して説明する。
【0018】
図1は本発明の一実施例に係るLED照明装置の斜視図である。
【0019】
図1において、100は直管形LEDランプであり、200は器具ベースであり、300(a)は直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)であり、300(b)は直管形LEDランプ押さえ部材(固定側)であり、400は器具カバーである。本実施例における照明装置は直管形LEDランプ100と器具ベース200と直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)300(a)と直管形LEDランプ押さえ部材(固定側)300(b)と器具カバー400とからなる。照明器具は器具ベース200と直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)300(a)と直管形LEDランプ押さえ部材(固定側)300(b)と器具カバー400とからなる。ここで、直管形LEDランプ100を照明器具に取り付けた際のLED照明装置において直管形LEDランプ100のある方向を上方向、器具ベースのある方向を下方向とし、直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)300(a)と直管形LEDランプ押さえ部材(固定側)300(b)を結ぶ線の方向を長手方向とし、上下方向に垂直かつ長手方向に垂直となる方向を短手方向とする。これ以降、照明器具から直管形LEDランプ100が外されたときも同様の方向とする。
【0020】
直管形LEDランプ100は直管蛍光灯と同様に口金と円柱形状の管とを有している。
口金は管の両端に設けられている。器具ベース200は一面が開口した略直方体形状をしている。器具ベース200は建物の天井等に設置される。器具ベース200の開口した一面は天井等に取り付けられる面の反対面である。器具カバー400は器具ベース200の開口した一面を覆うように設けられている。本実施例における器具カバー400は、器具ベース200に沿うように設けられているため板状だが、これに限るものではない。直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)300(a)と直管形LEDランプ押さえ部材300(固定側)(b)は器具ベース200に固定される。直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)300(a)と直管形LEDランプ押さえ部材(固定側)300(b)(固定側)は器具カバー400から凸となり、かつ直管形LEDランプ100の長さ分離れて設けられる。
【0021】
図2は図1の直管形LEDランプ100が照明器具から外された状態の斜視図である。
器具ベース200内部には点灯装置(電源装置)500が取り付けられている。102は蓋部材(給電側)であり、直管形LEDランプ100の一方の口金に設けられている。301はソケットカバーであり、直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)300(a)の器具ベース200とは反対側の部分と蓋部材(給電側)102とを覆うような形状をしている。108は嵌合部材であり直管形LEDランプ100の蓋部材から直管形LEDランプ100の長さ方向に突出するように設けられている。蓋部材は直管形LEDランプの両端に設けられており、本実施例において嵌合部材108はそれぞれの蓋部材から2本出ている。
【0022】
本実施例において、リード線501は、点灯装置500から器具ベース200内部と直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)300(a)の内部を通って、ソケットカバー301に内設したコネクタ(オス)321に配線されている。ソケットカバーと蓋部材(給電側)102が接続されたとき、蓋部材(給電側)102に内設したコネクタ(メス)103とコネクタ(オス)321とを介して点灯装置500から直管形LEDランプ100へ電力が供給される。
【0023】
直管形LEDランプ100を照明器具に取り付ける際には、以下の手順を取る。蓋部材(給電側)102がない側の嵌合部材108を直管形LEDランプ押さえ部材(固定側)300(b)に挿入取り付けする。続いて蓋部材(給電側)のある側の嵌合部材108を直管形LEDランプ押さえ部(給電側)300(a)の開口側に挿入固定する。その後、ソケットカバー301をLED押さえ部材(給電側)300(a)と蓋部材(給電側)102とを同時に覆うことによって、直管形LEDランプ100を照明器具に固定保持し、また直管形LEDランプ100と照明器具の電気的接続を可能としている。
【0024】
図3は本発明の一実施例に係るLED照明装置の長手方向断面図である。図13は直管形LEDランプ100の短手方向断面図である。長手方向断面図とは、長手方向と上下方向に渡るように切断したときの断面図である。短手方向断面図とは短手方向と上下方向に渡るように切断したときの断面図である。図3と図13により、直管形LEDランプ100の内部構造等を示している。直管形LEDランプ100は、器具ベース200に固定された直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)300(a)と直管形LEDランプ押さえ部材(固定側)300(b)で両端側を挟持されている。直管形LEDランプ100内部には、剛性及び放熱性に優れたキバン保持部材104が蓋部材(給電側)102及び蓋部材(固定側)109にねじ107及び接着又は嵌合若しくは相当するような固定手段(図示せず)で固定されている。キバン保持部材104には複数のLED106を搭載したLEDキバン105が嵌合又は接着,板ばね固定,ねじ固定若しくはそれに相当するような固定手段(図示せず)で固定されている。また、キバン保持部材104,LEDキバン105,LED106を覆うようにランプカバー101が端部に余裕度を持たせたすき間110をもって構成されている。ランプカバー101は、LED106からの光を透過・拡散させる性質を持ち、これによってLED106の光からの透過性及び拡散性を調整する役割をする。また、ランプカバー101の材質は、拡散剤及びそれに相当するものを、添加,含浸,塗布したものを使用し、樹脂自体がそのような性質をもつものを使用しても同様の効果が得られるものが良い。また、すき間110には、外力により追従自在の部材、例えばシリコンゴム,スポンジ,粘性液体,ばね等の弾性体及び弾性構造(図示せず)を構成し、環境及び温度により膨張するランプカバー101の寸法変化に対応できる構成とする。単なる空間でも可能とする。
【0025】
また、LEDキバン105の端部には電源供給のための電極(図示せず)が出ており電極から配線されたリード線501がコネクタ(メス)103を介して点灯装置(電源装置)500へ接続され、電力が供給される。
【0026】
図4(a),(b)は本発明の一実施例に係る直管形LEDランプ押さえ部材の横断面図である。
【0027】
図4(a)は、直管形LEDランプ100が取り付けられた状態の直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)300(a)の断面図である。器具ベース200に直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)300(a)の外郭となるソケットベース303が取り付けられており、ソケットベース303に内置するように、係止部304が一体若しくは別体にて配置されている。通常ソケットカバー301を外した状態で、直管形LEDランプ100の嵌合部材108を直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)300(a)の開口側から係止ガイド307に誘導されながら押し込むことで、嵌合部材108を所定の位置に配設することができる。ソケットベース303には器具ベース200と取り付けられるのと反対側に、ソケットベース303の内側に凹む凹み部(載置部)が設けられている。凹み部と係止部304とにより、嵌合部材108が直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)300(a)に係止される。係止部304は可撓性を持った材料により構成されるが、直管形LEDランプ100が外れる方向(略重力方向)に力が掛かった状態では楔構造などにより撓まない構造となっている。更にはソケットカバー301には一体若しくは別体に突起を設け、このソケットカバー突起306をソケットベース303に内設された係止部304の近傍に挿入又は配置されることによって、係止部304の可撓性若しくは動作を抑制する作用をもつことで、係止部304から嵌合部材108が外れ直管形LEDランプ100が落下することをより確実に防止することができる。これにより、多少の衝撃や振動,ゆれなどにより直管形LEDランプ100が照明器具から外れる恐れを少なくすることができ、直管形LEDランプの保持力を向上させた照明器具及び照明装置を実現することができる。更に、直管形LEDランプ100をソケットベース303に取り付けた後にソケットカバー301を取り付けコネクタ同士の接続を可能とするため、従来のコネクタ同士の接続を行ってから直管形LEDランプを照明器具に取り付けるものと比べて直管形LEDランプ100の取り付け作業性を向上させることができる。
【0028】
また、図4(b)は図4(a)の別実施例の断面図である。図4(b)に示すように、係止部304の形態は、嵌合部材108を直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)300(a)の開口側から係止ガイド307に誘導されながら押し込む際に、嵌合部材108を外側から抱え込む形状とすることでも同様の効果が得られる。同様に係止部304は可撓性を持った材料により構成され、直管形LEDランプ100が外れる方向(略重力方向)に力が掛かった状態では楔構造などにより撓まない構造となっている。また、ソケットカバー301には一体若しくは別体に突起を設け、このソケットカバー突起306をソケットベース303に内設された係止部304の近傍に挿入又は配置されることによって、係止部304の可撓性若しくは動作を抑制する作用をもつ。これにより係止部304から嵌合部材108が外れ直管形LEDランプ100が落下することをより同様に確実に防止することができる。
【0029】
次に本発明における第2の実施の形態を図を用いて説明する。
【0030】
図5から図7は直管形LEDランプ100を直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)300(a)と直管形LEDランプ押さえ部材(固定側)(b)に取り付ける動作を示したものである。まず、図5(a)は直管形LEDランプ100が照明器具に取り付けられる前の照明装置の長手方向断面図である。また、図5(b)は図5(a)のA−A断面図である。嵌合部材108を直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)300(a)の開口側から係止ガイド307に誘導されながら下方向に押し込むことで、嵌合部材108を簡単に係止部304に配設することができる。係止部304は可撓性を持った材料により構成され、直管形LEDランプ100が外れる方向(略重力方向・上方向)に力が掛かった状態では楔構造などにより撓まない構造となっている。図5(a),(b)の状態から上記動作を行うことで図6(a),(b)に示す状態となる。図6(a)は嵌合部材108がソケットベース303に取り付けられた状態の照明装置の長手方向断面図である。図6(b)は図6(a)のB−B断面図である。ソケットカバー301には一体若しくは別体設けられたソケットカバー突起306をソケットベース303に内設された係止部304の近傍に挿入又は配置されることによって、係止部304の可撓性若しくは動作を抑制する作用をもつことで、係止部304から嵌合部材108が外れ、直管形LEDランプ100が落下することをより確実に防止することができる。図6(a),(b)の状態から上記動作を行うことで図7(a),(b)に示す状態となる。図7(a)は直管形LEDランプ100を照明器具に取り付けた場合の照明装置の長手方向断面図である。また、図7(b)は図7(a)のA−A断面図である。図7の状態となることで多少の衝撃や振動,ゆれなど直管形LEDランプ100が外れる要因とから保護することができ、直管形LEDランプ100の取り付け作業性を改善しつつ、直管形LEDランプ100の保持力を向上させることができる。また、この状態においては、点灯装置(電源装置)500から直管形LEDランプ100への給電が可能な状態であり、点灯装置(電源装置)500からの給電により直管形LEDランプ100を点灯させることができる。
【0031】
図8(a),(b)は直管形LEDランプ100を取り外す際の、係止部304と嵌合部材108の位置関係及び動作を示したものである。ソケットカバー301を照明器具から取り外したのちに係止部304の先端付近の係止突起305へ図8(a)に示すP1及びP2方向に両側から作業者が指でつまむなど荷重をかけて、図8(b)のように係止部304が荷重方向へ撓む若しくは移動させることによって、直管形LEDランプ100の端面に配設された蓋部材(給電側)102に構成された嵌合部材108が開放され、ソケットベース303の開口側に直管形LEDランプ100を簡単に取り外すことができる。
言い換えると、a寸法を嵌合部材108間の最短距離(接線最短距離)、b寸法を係止部304の最大寸法とした時に、a<b(荷重P1,P2をかける前の状態)となっている寸法が、a≧b(荷重P1,P2をかけた後の状態)となることによって、直管形LEDランプ100の端面に配設された蓋部材(給電側)102に構成された嵌合部材108が開放され、ソケットベース303の開口側に直管形LEDランプ100を簡単に取り外すことができる。
【0032】
このとき、ソケットベース303の開口側が略重力方向である場合には、係止突起305の両側からP1,P2のように荷重をかけることのみによって、直管形LEDランプ100を自重により簡単に照明器具から取り外すことが可能となる。
【0033】
これらにより、直管形LEDランプ100の取り付けも取り外しも簡単なLED器具を提供することができる。
【0034】
次に本発明における第3の実施の形態を図9(a),(b)を用いて説明する。
【0035】
図9は器具ベース200に取り付けられた直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)300(a)と直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)300(a)に取り付けられた、直管形LEDランプ100の長手方向断面図の拡大図である。ランプカバー101の給電側端部に配置された、蓋部材(給電側)102が複数のLEDを配設したLEDキバンを搭載したLEDキバン保持部材104の端面で、嵌合又はねじ若しくは接着により固定されている。蓋部材(給電側)102内部にはコネクタ(メス)103を外周開口に垂直方向に、リブ固定(図示せず)若しくは、ねじ,圧入,接着及び溶着などそれに相当する固定方法で固定されており、外周側に向かってコネクタ(メス)嵌合部141側を位置させ、反対にランプカバー101内側に向かっては、コネクタ(メス)端子部140を構成させている。これにより、蓋部材(給電側)102に設けられたキバン側開口部130を介して、コネクタ(メス)端子部140に接続されたリード線142によって、LEDキバン105とコネクタ(メス)103の電気的接続が可能となる。また、ソケットカバー301内に一体若しくは別体に配置されたコネクタ(オス)321はコネクタオサエ302により挟持され、コネクタ(オス)端子部320から出されたリード線501はソケットベース303内部を通って、器具ベース200内の点灯装置(電源装置)500に接続される。コネクタ(メス)103若しくはコネクタ(オス)321を蓋部材(給電側)102内部に配置することにより、美観を損ねることなく、また電力を給電するリード線を器具内部を配線することにより作業性も向上させることができる。
【0036】
また、場合によっては図9(b)のように、ソケットカバー301に一体若しくは別体にコネクタ(オス)380及びコネクタ(オス)381に内設し、直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)300(a)内部に点灯装置(電源装置)500にリード線501によって給電可能な状態で接続されたコネクタ(メス)382及び蓋部材(給電側)102内部にLEDキバン105に電気的接続がなされたコネクタ(メス)103に挿入することにより、ソケットカバー301を外した際に器具ベース200からリード線が垂れ下がることなく、且つソケットカバー突起306により嵌合を保持することができ作業性を向上させることができる。
【0037】
次に本発明における第4の実施の形態を図10を用いて説明する。
【0038】
図10は、器具ベース200に取り付けられた直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)300(a)と直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)300(a)に取り付けられた、直管形LEDランプ100の給電側中央断面図の拡大図であり、ランプカバー101の給電側端部に配置された、蓋部材(給電側)102が複数のLEDを配設したLEDキバンを搭載したキバン保持部材104の端面で、嵌合又はねじ若しくは接着により固定されており、蓋部材(給電側)102内部にはコネクタ(メス)103を外周開口に垂直方向に、リブ固定(図示せず)若しくは、ねじ,圧入,接着及び溶着などそれに相当する固定方法で固定されており、外周側に向かってコネクタ(メス)嵌合部141側を位置させ、反対にランプカバー101内側に向かっては、コネクタ(メス)端子部140を構成させており、蓋部材(給電側)102に設けられたキバン側開口部130を介して、コネクタ(メス)端子部140に接続されたリード線142によって、LEDキバン105とコネクタ(メス)103の電気的接続が可能となる。コネクタ(メス)103の外周側開口は器具ベース200へ直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)300(a)と直管形LEDランプ押さえ部材(固定側)(b)を介して直管形LEDランプ100は蓋部材(給電側)102から略垂直方向に伸びた嵌合部材108を挿入固定することによって、重力方向G1に対して固定するが蓋部材(給電側)102の内部に配置するコネクタ(メス)103を直管形LEDランプ100の器具ベース200に接続固定した際に、開口側が略重力方向にあることによって、コネクタ(メス)嵌合部141側が略重力方向を示し、給電を行う際にコネクタオサエ302により挟持され、ソケットカバー301内に一体若しくは別体に配置されたコネクタ(オス)321は略重力側からコネクタ(メス)嵌合部141側に接続され、コネクタ(オス)端子部320から出されたリード線501は略反重力方向に向かって配線され、ソケットベース303内部を通って、器具ベース200内の点灯装置(電源装置)500に接続される。このため、生産上の不具合,取り付け作業上,経年劣化等何らかの不具合により直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)300(a)と直管形LEDランプ押さえ部材(固定側)300(b)から嵌合部材108が外れたとしても、器具ベース200内に配線されたリード線501によって、直管形LEDランプ100の完全落下を防止することできる。これにより直管形LEDランプ100の落下を事前に防ぐことができると共に、作業不良等不具合に対して安全に気づくことができる(リード線が撓んだ状態で直管形LEDランプが固定されている状態を目視にて確認でき、対処することができる)。
【0039】
次に本発明における第5の実施の形態を図11を用いて説明する。
【0040】
図11(a)から(c)は、ソケットベース303に内設した係止部304を覆うようにソケットカバー301が着脱自在にソケットベース303に嵌合された断面図である。
ソケットベース303の端部に少なくとも1つの嵌合突起350を持ちそれと嵌合するようにソケットカバー301の端部には蓋嵌合突起351が構成され、嵌合突起350と蓋嵌合突起351が嵌合することによって、ソケットカバー301を保持し、係止部304の間に挿入及び配置された、ソケットカバー突起306が位置することにより、係止部304が撓まず、嵌合部材108が外れることがなくなり、直管形LEDランプ100の落下を防止することができる。係止部304撓む方向の荷重とは、別の方向に働く力のため直管形LEDランプ100が外れる方向に力が掛かったとしても、(係止部304が撓む方向にかかる力に対して)ソケットカバー301が外れることはないため、直管形LEDランプ100の落下を防止することができる。また、直管形LEDランプ100を外す際には、直接ソケットカバー301の嵌合部に力をかけることにより、軽い力で外すことができいったんソケットカバー突起306を内置したソケットカバー301を外してしまえば、簡単な操作と軽い力で直管形LEDランプ100を外すことが可能となる。
【0041】
次に本発明における第6の実施の形態を図12を用いて説明する。
【0042】
図12はソケットベース303に内設する係止部304の形状を示したもので、図12(a)から(c)には、係止部304のとり得る形状の一例を示したものであり、この限りではない。また、材質においても樹脂,金属,ゴム等のバネを持つ弾性体であるならば十分に係止部304の役目を果たすことができ、一体での構成でも良いし、弾性体との組合せによっての構成でもよい。これにより、直管形LEDランプ100の着脱の作業性を大幅に向上させることができ、また直管形LEDランプ100の保持性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0043】
100 直管形LEDランプ
101 ランプカバー
102 蓋部材(給電側)
103,382 コネクタ(メス)
104 キバン保持部材
105 LEDキバン
106 LED
107 ねじ
108 嵌合部材
109 蓋部材(固定側)
110 すき間
130 キバン側開口部
140 コネクタ(メス)端子部
141 コネクタ(メス)嵌合部
142,501 リード線
200 器具ベース
300(a) 直管形LEDランプ押さえ部材(給電側)
300(b) 直管形LEDランプ押さえ部材(固定側)
301 ソケットカバー
302 コネクタオサエ
303 ソケットベース
304 係止部
305 係止突起
306 ソケットカバー突起
307 係止ガイド
320 コネクタ(オス)端子部
321,380,381 コネクタ(オス)
350 嵌合突起
351 蓋嵌合突起
400 器具カバー
500 点灯装置(電源装置)
G1 重力方向
P1,P2 荷重

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該照明器具との嵌合を可能とした嵌合部材と蓋部材とを具備した直管形LEDランプを挟持するように配設され、少なくとも一端から給電可能とした直管形LEDランプ押さえ部材を具備した照明器具において、
前記直管形LEDランプ押さえ部材は、給電可能な一端若しくは他端内部に、前記嵌合部材を係止する係止部と、前記嵌合部材の着脱を抑制する形状を有した係止蓋と、を有することを特徴とする照明器具。
【請求項2】
当該照明器具との嵌合を可能とした嵌合部材と蓋部材とを具備した直管形LEDランプを挟持するように配設され、少なくとも一端から給電可能とした直管形LEDランプ押さえ部材を具備した照明器具において、
前記直管形LEDランプ押さえ部材は、給電可能な一端若しくは他端内部に、前記嵌合部材を係止する係止部と、係止蓋と、を有し、
前記係止部は前記嵌合部材の着脱自在とする係止突起を設けたことを特徴とする照明器具。
【請求項3】
電源回路と、直管形LEDランプを保持する直管形LEDランプ押さえ部材と、前記電源回路と接続しているケーブルと、を有する照明器具において、
前記直管形LEDランプは、一端または両端に蓋部材および嵌合部材を有し、前記電源回路から前記ケーブルを介してLEDに給電し、
前記LEDランプ押さえ部材は、前記嵌合部材を係止する係止部と、前記係止部と接続し前記嵌合部材から前記蓋部材までを覆うことができる係止蓋とを有することを特徴とする照明器具。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載の照明器具において、
前記係止蓋は少なくとも1つの嵌合部を有し、前記蓋部材若しくは前記直管形LEDランプ押さえ部材と嵌合することを特徴とする照明器具。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載の照明器具において、
前記係止部はばね性を有する弾性体であることを特徴とする照明器具。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかに記載の照明器具において、
給電可能な一端側の前記係止蓋内部には前記係止蓋と一体又別体に給電可能なコネクタを配設したことを特徴とする照明器具。
【請求項7】
複数のLEDと前記LEDが実装された基板と、前記LEDから発する熱を放熱する放熱部材と前記LEDの光を拡散させるカバー部材と前記カバー部材を塞ぐように配設した蓋部材と、前記蓋部材から略垂直方向に伸びる当該照明器具との嵌合を可能とし且つ嵌合部材を具備した直管形LEDランプと、請求項1乃至6の何れかに記載の照明器具とを有することを特徴とする照明装置。
【請求項8】
複数のLEDと前記LEDが実装された基板と、前記LEDから発する熱を放熱する放熱部材と前記LEDの光を拡散させるカバー部材と前記カバー部材を塞ぐように配設した蓋部材と、前記蓋部材から略垂直方向に伸びる当該照明器具との嵌合を可能とし且つ嵌合部材を具備した直管形LEDランプと、請求項6に記載の照明器具とを有する照明装置において、
前記直管形LEDランプは、前記コネクタと電気的接続を可能とした受けコネクタを有しており、
前記直管形LEDランプを前記照明器具に取り付けた際に、前記受けコネクタの開口は前記照明器具と反対方向を向いており、前記コネクタと電気的接続を可能としたことを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−185950(P2012−185950A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−47078(P2011−47078)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】