説明

照明器具

【課題】グローブのパッキングと器具本体との間から光漏れが生じないようにした照明器具を提供することである。
【解決手段】器具本体11は前面に開口を有し、細長で前面開口部に直管形蛍光灯が取り付けられる。グローブ12は、器具本体11の前面開口部に位置する直管形蛍光灯を覆うように器具本体11に蝶番13及びラッチ14により開閉可能に取り付けられる。そして、グローブ12を閉じた状態で器具本体11と接触する内周部に枠18を有している。パッキング17は、グローブ12が閉じた状態でグローブ12と器具本体11との接触部から直管形蛍光灯の光漏れが発生しないようにグローブ12の枠18に取り付けられる。また、補助金具19は、グローブ12の長辺方向の枠18の位置ずれを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直管形蛍光灯をグローブで覆って照明する照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、バスや鉄道車両等の車両用の照明器具においては、直管形蛍光灯をグローブで覆って照明する照明器具が用いられている。このような照明器具では、水や虫等が器具本体に侵入するのを防ぐためにパッキングを介装してグローブを器具本体に取り付けるようにしている。また、パッキングは、グローブと器具本体との接合部からの光漏れ防止の役目もしている。パッキングは、グローブの内周面に設けられた枠で保持され、グローブを閉じた状態で器具本体との接合部で接触する。
【0003】
ここで、グローブを有した車両用蛍光灯器具として、本体ケースにパッキングを取り付ける際に、係止部材にパッキングを係止させて取り付け、パッキングが係止された本体ケースを介在してグローブを取り付け、パッキングを本体ケースに対して簡単に、かつ確実に取り付けることができるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】実開平5−22186号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、パッキングはグローブの内周部に配置された枠で保持されているが、直管形蛍光灯を装着した器具本体が細長であり、またパッキング形状の断面が四角形状であるため、器具本体が平面的に配置された状態でないと、グローブのパッキングが器具本体に密着して取り付けできないときがある。すなわち、枠は細長の器具本体の両端だけで保持されているため、その保持方法や強度によっては、均一な枠幅寸法を保持できないことがあり、枠幅寸法が不均一であると枠に取り付けたパッキングが本体から離れる可能性がある。
【0005】
また、パッキングは断面が四角形状であり、枠全周に配置されているため、パッキングの接圧が強くないと、器具本体とグローブのパッキングとの間に隙間が発生し、隙間が発生するとその隙間から光漏れが発生する。パッキングの接圧を強くすると、グローブを閉じる際に大きな力を必要とするので、グローブを閉じることが困難な作業となる。
【0006】
本発明の目的は、グローブのパッキングと器具本体との間から光漏れが生じないようにした照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に係わる照明器具は、前面に開口を有し細長で前記前面開口部に直管形蛍光灯が取り付けられる器具本体と;前記器具本体の前面開口部に位置する前記直管形蛍光灯を覆うように前記器具本体に蝶番及びラッチにより開閉可能に取り付けられ閉じた状態で前記器具本体と接触する内周部に枠を有したグローブと;前記グローブの枠に取り付けられ前記グローブが閉じた状態で前記グローブの枠及び前記器具本体に密着するパッキングと;前記グローブの長辺方向の前記枠の位置ずれを防止するための補助金具と;を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明および以下の発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は以下による。
【0009】
器具本体は、直管形蛍光灯を収納可能の大きさの細長に形成される。器具本体の前面開口部とは、直管形蛍光灯が器具本体に装着されたときに直管形蛍光灯からの光を外部に照射するように開口された部分をいう。
【0010】
グローブとは、器具本体の前面開口部に位置する直管形蛍光灯を覆い直管形蛍光灯からの光を透過させる部材をいう。蝶番とはグローブを器具本体に開閉自在に取り付ける部材をいい、ラッチとはグローブが閉じた状態でグローブを器具本体に着脱可能に固定する部材をいう。枠とはパッキングを装着するために、グローブが閉じた状態で器具本体と接触する内周部に形成された部材をいう。
【0011】
パッキングとはグローブの内周部の枠に取り付けられる部材をいい、グローブが閉じた状態でグローブの枠及び器具本体に密着し、グローブと器具本体との接触部から直管形蛍光灯の光漏れが発生しないようにするためのものである。パッキングは弾力性を有した部材であり、例えばゴムなどである。
【0012】
補助金具は、グローブの内周部のうち長辺方向の枠の位置ずれを防止するための部材であり、例えば、枠の両端に略コ字型に折り曲げ形成され、枠の倒れや位置ずれを防止する部材である。
【0013】
請求項2の発明に係わる照明器具は、請求項1の発明において、パッキングは、筒状に形成され内部に中空部を有し、前記グローブが閉じた状態で弾性変形し、前記グローブの枠及び前記器具本体に密着することを特徴とする。
【0014】
筒状とは、外殻部の内部に中空部を有した形状をいう。筒状のパッキングは、器具本体の接触面で接触したときには、外殻部だけでの接圧となるので、外殻部及び中空部が容易に変形し全体としてより大きな弾性力を有する。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、補助金具によりグローブの長辺方向の枠の位置ずれを防止するので、枠に取り付けられるパッキングの位置ずれを防止でき、器具本体とグローブとの間の光漏れを防止できる。器具本体が平面的に配置された状態でないと枠自体も位置ずれを生じるが、補助金具により枠の多少の平衡度を吸収できるので光漏れを防止できる。
【0016】
請求項2の発明によれば、パッキングの接圧が弱くても、パッキングが弾性変形するので、確実に器具本体と枠部に取り付けたパッキングとが接触でき、器具本体とグローブとの間の光漏れを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は本発明の実施の形態に係わる照明器具の一部切り欠き側面断面図である。器具本体11とグローブ12とは蝶番13で開閉自在に取り付けられ、グローブ12を閉じた状態で器具本体11に固定するためのラッチ14が設けられている。器具本体11は前面に開口部を有し、この前面開口部の両端部に直管形蛍光灯を装着するためのランプソケット15が取り付けられ、このランプソケット15に直管形蛍光灯が装着される。ランプソケット15に装着された直管形蛍光ランプは点灯装置16から点灯電源が供給され点灯制御される。
【0018】
グローブ12には、長辺方向のパッキング17aが長辺方向の枠18aにより保持され、短辺方向についても、短辺方向のパッキング17bが短辺方向の枠18bにより保持されている。また、グローブ12の長辺方向の枠18aは、グローブ12の両端で補助金具19で保持されている。
【0019】
図2は本発明の実施の形態に係わる照明器具の正面図、図3は本発明の実施の形態に係わる照明器具のグローブの内部平面図である。器具本体12は、図2に示すように細長に形成され、グローブ12は器具本体11の前面開口部に位置する直管形蛍光灯を覆うように、器具本体11に開閉自在に取り付けられる。また、図3に示すように、グローブ12の内周部にはパッキング17a、17bを保持するための枠18a、18bが設けられ、この枠18a、18bにパッキング17a、17bが取り付けられる。グローブ12の枠18a、18bに取り付けられたパッキング17a、17bは、グローブ12が閉じた状態でグローブ12と器具本体11との接触部から直管形蛍光灯からの光漏れが発生しないように、グローブ12と器具本体11との接触部を密着させるものである。
【0020】
また、グローブ12の長辺方向の枠18aの両端には補助金具19が設けられている。補助金具19は、例えば、長辺方向の枠18aの両端に略コ字型に折り曲げ形成され、長辺方向の枠18aの倒れや位置ずれを防止する。グローブ12の外枠に補助金具19にて長辺方向の枠18aを取り付けるので、長辺方向の枠18aの両端の幅寸法を適正な寸法に維持することが可能となる。これにより、長辺方向の枠18aの中央部分の幅寸法も適正な寸法に維持でき、長辺方向の枠18aの幅方向の位置ずれを防止できる。従って、グローブ12を閉じた状態のときに、確実にパッキング17a、17bを器具本体11に接触させることができる。
【0021】
次に、パッキング17について説明する。図4は本発明の実施の形態に係わるパッキングの説明図である。パッキング17は、器具本体11が平面的に配置された状態では、断面形状が四角形状のパッキングでも確実に器具本体11と接触可能である。一方、照明器具が取り付けられる部材の平衡度(歪み)がある場合には、その歪みにより隙間が発生することがある。そこで、その影響を考慮し、本発明の実施の形態では、パッキング17を図4に示すように形成する。
【0022】
図4(a)に示すように、パッキング17の断面は高さ寸法を従来の断面形状が四角形状のパッキングより高くし、中央部をやや膨らませた筒状に形成する。つまり、パッキング17の中心部に貫通孔を形成して、外殻部20の内部に中空部21を有した形状とする。グローブ12が閉じた状態で、器具本体11の接触面で接触したときには、外殻部20だけでの接圧となるので、外殻部20及び中空部21が容易に変形し全体としてより大きな弾性力を有することになる。これにより、器具本体11との接触面でグローブ12と器具本体11との接触部から直管形蛍光灯の光漏れが発生しないようにすることができる。
【0023】
また、図4(b)に示すように、パッキング17の断面は高さ寸法を従来の断面形状が四角形状のパッキングより高くし、断面が略くの字の幅狭の圧縮変形部22を突出して設けるようにしてもよい。
【0024】
グローブ12が閉じた状態で、器具本体11の接触面で接触したときには、略くの字形状の幅狭の圧縮変形部22が変形して圧縮され、器具本体11の接触面に密着する。この場合、圧縮変形部22は、断面が略くの字形状で幅狭であるので器具本体11との接圧を低減できる。これにより、確実にパッキング17と器具本体11との光漏れを防止できる。
【0025】
本発明の実施の形態によれば、長辺方向のグローブ12の枠18aを両端で保持する補助金具19を設けたので、長辺方向の枠18aの内倒れや位置ずれを防止でき、長辺方向の枠18aの幅寸法を適正に保持できる。従って、長辺方向の枠18aへ取り付けたパッキング17aと器具本体11とは、光漏れが発生しないように接触させることができる。
【0026】
また、パッキング17の断面形状を従来の断面が四角形状のパッキングの高さ寸法より高くし、弾力性を持たせたパッキング17としたので、器具本体11との接圧を低減して密着させることができる。従って、グローブ12が閉じた際に、グローブ12の枠18と器具本体11との間の光漏れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態に係わる照明器具の一部切り欠き側面断面図。
【図2】本発明の実施の形態に係わる照明器具の正面図。
【図3】本発明の実施の形態に係わる照明器具のグローブの内部平面図。
【図4】本発明の実施の形態におけるパッキングの側面図。
【符号の説明】
【0028】
11…器具本体、12…グローブ、13…蝶番、14…ラッチ、15…ランプソケット、16…点灯装置、17…パッキング、18…枠、19…補助金具、20…外殻部、21…中空部、22…圧縮変形部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に開口を有し細長で前記前面開口部に直管形蛍光灯が取り付けられる器具本体と;
前記器具本体の前面開口部に位置する前記直管形蛍光灯を覆うように前記器具本体に蝶番及びラッチにより開閉可能に取り付けられ閉じた状態で前記器具本体と接触する内周部に枠を有したグローブと;
前記グローブの枠に取り付けられ前記グローブが閉じた状態で前記グローブの枠及び前記器具本体に密着するパッキングと;
前記グローブの長辺方向の前記枠の位置ずれを防止するための補助金具と;
を備えたことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記パッキングは、筒状に形成され内部に中空部を有し、前記グローブが閉じた状態で弾性変形し、前記グローブの枠及び前記器具本体に密着することを特徴とする請求項1記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−296774(P2008−296774A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−145859(P2007−145859)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】