説明

照明器具

【課題】 複数の光源を制御する制御パターンにより部屋の雰囲気を変更できる照明器具を提供する。
【解決手段】 制御部62は、ロアーユニット40およびアッパーユニット30を制御して、光量一定で光色を変化させる第1のモードと、光色一定で光量を変化させる第2のモードと、光量および光色を同時に変化させる第3のモードと、を選択可能である。さらに、制御部は、アッパーユニット30の光量およびロアーユニット40の光量を出力比にて個別に調整可能である。このため、制御部62は、第1のモードから第3のモードを選択することにより,部屋の演出や雰囲気を容易に変更することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED(発光ダイオード)を光源として用い、主に天井面に取り付けられて下方空間側を照明する照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、LEDを光源として用い、天井面に取り付けられて下方空間側を照明する照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図27に示すように、特許文献1に記載の照明器具100は、天井面101から電線102を介して吊り下げ支持される器具本体103を有する。器具本体103の底面には、それぞれ光を下方空間側に照射する複数個のLED104が実装されている。器具本体103は、上方から見て八角形状に形成されており、各辺には、例えばアクリル樹脂のような透光材料からなり、光源としてのLED104が光学的に結合した導光体105が取り付けられている。
【0003】
各導光体105はそれぞれ台形の平板形状に形成されており、一面に例えば銀めっきからなり光を反射する反射層(図示せず)が設けられることにより、他面側へLED104の光が出射されるように構成されている。また、器具本体103の下側には、器具本体103に設けられたLED104の光を拡散させる拡散板106が設けられている。
これにより、導光体105の向きを変更することによって、容易に配光を変更することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許4363387号公報(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来より、LEDを用いたシーリングライトにおいては、光量や光色を変更することが行われている。
しかしながら、光量や光色の設定は部屋全体の配光に対して行われており、部屋全体の雰囲気や、天井面、壁面、床面等の部屋の部位に対する照らし分けは行われていないという問題があった。
【0006】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、複数の光源を制御する制御パターンにより部屋の雰囲気を変更できる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の照明器具は、被取付面側に設けられ、主に上方空間側を照射する複数のアッパー側LED光源を有する複数のアッパーユニットと、前記アッパーユニットの下方空間側に設けられ、主に前記下方空間側を照射する複数のロアー側LED光源を有する複数のロアーユニットと、前記複数のアッパーユニットおよび前記複数のロアーユニットを制御する制御部と、を有し、前記制御部が、光量一定で光色を変化させる第1のモードと、光色一定で光量を変化させる第2のモードと、光量および光色を同時に変化させる第3のモードと、を選択可能であるとともに、前記アッパーユニットの光量および前記ロアーユニットの光量を出力比にて個別に調整可能である。
【0008】
また、本発明の照明器具は、前記制御部が、テレビを視聴するのに適する第4のモードを選択可能であるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、制御部が第1のモードから第3のモードを選択することにより,部屋の演出や雰囲気を容易に変更することができるという効果を有する照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る第1実施形態の照明器具を下方から見た全体斜視図
【図2】本発明に係る第1実施形態の照明器具を下方から見た分解斜視図
【図3】本発明に係る第1実施形態の照明器具の中心を通る断面図
【図4】本発明に係る第1実施形態の器具本体の概略断面図
【図5】ロアーユニットの分解斜視図
【図6】レンズカバーを介して照射されるロアーユニットの光の方向を示す説明図
【図7】器具本体と反射板の分解斜視図
【図8】(A)は反射板を下方から見た底面図であり、(B)は(A)中B方向から見た側面図であり、(C)は(A)中C方向から見た側面図
【図9】図8(A)中IX−IX位置の断面形状を示す模式拡大図
【図10】図8(A)中X−X位置の断面形状を示す模式拡大図
【図11】照明器具を上方から見た平面図
【図12】アッパーユニットの分解斜視図
【図13】アッパーユニットの光の照射方向を示す説明図
【図14】器具本体、反射部材および上枠の取付部を示す断面図
【図15】(A)は上枠の上面が天井面に対して平行な場合を示す断面図であり、(B)は角度を有する場合を示す断面図
【図16】(A)はパネルを下方から見た底面図であり、(B)ないし(D)は孔の例を示す拡大図
【図17】(A)はパネルカバーの別の例でありパネルカバーがパネルの幅に比して小さい場合を示すパネルの底面図、(B)はパネルの4辺に沿ってパネルカバーを設ける場合を示す底面図、(C)は円形のパネルにパネルカバーを設ける場合の底面図
【図18】照明する部屋の例を示す説明図
【図19】(A)は第1のモードにおける部屋の配光状態を示す説明図であり、(B)は照明光の光色および光量を示す表
【図20】(A)は第2のモードにおける部屋の配光状態を示す説明図であり、(B)は照明光の光色および光量を示す表
【図21】(A)は第2のモードにおける部屋の別の配光状態を示す説明図であり、(B)は照明光の光色および光量を示す表
【図22】(A)は第3のモードにおける部屋の配光状態を示す説明図であり、(B)は照明光の光色および光量を示す表
【図23】(A)は第3のモードにおける部屋の別の配光状態を示す説明図であり、(B)は照明光の光色および光量を示す表
【図24】(A)は第4のモードにおける部屋の配光状態を示す説明図であり、(B)は照明光の光色および光量を示す表
【図25】本発明に係る第2実施形態の照明器具を下方から見た分解斜視図
【図26】本発明に係る第2実施形態の照明器具で用いられる反射板およびロアーユニットの配置を示す底面図
【図27】従来の照明器具の断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る第1実施形態の照明器具について、図面を用いて説明する。
なお、以下の説明においては、照明器具を被取付面に取り付けて下方空間側を照明する場合について説明する。
従って、特に示す場合を除き、上(上方空間側、上側等)は天井面側を意味し、下(下方空間側、下側等)は床面側を意味する。
【0012】
図1に示すように、本発明に係る第1実施形態の照明器具10は、被取付面である天井面11等に取り付けられて主に下方空間側を照明するのに適する。
図2および図3に示すように、照明器具10は、天井面11に取り付けられている引っ掛けシーリング12に取り付けるための取付金具21を中央に有する例えば正方形の板状の器具本体20を有する。
器具本体20の上側(すなわち、天井面11側)には、アッパーユニット30、上枠32および上パネル31が設けられている。また、器具本体20の下側(すなわち、照明方向側)には、LEDユニットであるロアーユニット40、反射部材である反射板60が設けられており、反射板60の下方空間側には、受けた光を拡散する透光性のパネル50が取り付けられる。
【0013】
図4に示すように、器具本体20は、一枚物の板金から形成されており、中央に取付状態で天井面11と平行な上段201を有し、上段201の外側に下段202を有する。また、上段201と下段202との間の上縦壁203と、下段202から下方空間側へ向かう下縦壁204を有する。
なお、ここで一枚物の板金とは、1枚の金属板から折り曲げ加工により形成するものに限らず、溶接、接続部材(ねじ等)によって連結されているものも含まれる。
【0014】
天井面11側の上段201は平面視で例えば正方形状をしており、上縦壁203は四辺から下方空間側へ設けられる。同様に、下縦壁204は、下段202の四辺から下方空間側へ設けられる。
対向する一対の上縦壁203の外面には、光源としてのアッパー側LED光源33を有するアッパーユニット30が、外向きに照射するように取り付けられる。ここでは、各上縦壁203に、例えば1個のアッパーユニット30がそれぞれ設けられている(図11参照)が、数は限定するものではない。
器具本体20におけるアッパー側LED光源33の照射方向前方である下段202の上面は、反射率の高い塗装、例えば白塗装もしくは鏡面仕上げを施すのが望ましい。
【0015】
また、対向する一対の下縦壁204の内面には、光源としてのロアー側LED光源42を有するロアーユニット40が、器具本体20の内側向きに照射するように取り付けられる。ここでは、各下縦壁204に、例えば2個のロアーユニット40がそれぞれ設けられている(図11参照)が、数は限定するものではない。
従って、アッパー側LED光源33およびロアー側LED光源42の全ての光源が、1枚の板金からなる器具本体20に取り付けられることになる。
これにより、アッパーユニット30に対する放熱領域R1およびロアーユニット40に対する放熱領域R2が形成される。
なお、器具本体20を、熱伝導率が0.1W/mK以上の放熱性を有するポリカやアクリルで形成することも可能である。
【0016】
図7に示すように、器具本体20の中央部下面には、器具本体20を天井面11の引っ掛けシーリング12に取り付けるための取付金具21が貫通して設けられている。この取付金具21の周囲には、全周に亘って取付金具21を囲う金具ケース24が、器具本体20の下面から下方空間側へ突設されている。金具ケース24には、蓋61が着脱可能に取り付けられる。また、器具本体20の下面には、照明器具10の点灯を制御する制御部62が設けられる。
なお、蓋61の下面611および制御部62の下面621は、後述するように、反射板60の一部を構成する。
また、器具本体20には、ロアーユニット40が設けられていない一対の対向する辺に沿って、各々一対の取付用開口部25が設けられている。
【0017】
図5に示すように、ロアーユニット40は、全体細長い長方形状をしており、最下層に長方形の本体43を有する。本体43は、放熱性を向上させるため、アクリルにより形成されており、ロアーユニット40を器具本体20に取り付けるための一対のブラケット431が設けられている。
これにより、ロアー側LED光源42が発した熱を効率的に放熱できるので、ロアーユニット40の寿命を大幅に延ばすことができる。
【0018】
本体43の上には、複数のロアー側LED光源42を実装したLED基板44が取り付けられる。例えば、ロアー側LED光源42は、LED基板44上に1列の直線上に配列されている。
【0019】
本体43の上には、ロアー側LED光源42およびレンズとしてLED基板44を覆う難燃性の樹脂で形成された透光性のレンズカバー45が配設される。
これにより、ユーザ等が直接ロアー側LED光源42に触ることがないようにするとともに、ロアー側LED光源42が発した光の集光を可能にしている。
【0020】
また、図6に示すように、ロアー側LED光源42から発せられる光は、レンズカバー45を通過することにより、天井面11に対して平行から角度θ1だけ被取付面側に照射される。このときの集光角度は2・θ2となる。例えば、角度θ1を5度、角度θ2を10度に設定することができる。
なお、レンズカバー45によってロアーユニット40による照射方向を角度θ1だけ被取付面側に設定する代わりに、あらかじめロアー側LED光源42の向きを角度θ1だけ被取付面側に設定することもできる。
【0021】
図3および図7に示すように、器具本体20の下方空間側(図3において下方)には、器具本体20より一回り小さい全体矩形状の反射板60が、取り付けられている(図2参照)。
すなわち、反射板60は、器具本体20の外縁部に取り付けられているロアーユニット40の内側に取り付けられており、下面は、光を反射するように、白色塗装あるいは鏡面仕上げが施されている。ロアーユニット40は、反射板60の下面に向かって光を照射する。
なお、説明の都合上、図8ないし図10においては、使用状態における下側を上にして図示する。
【0022】
図7および図8に示すように、反射板60は全体矩形状をしており、下方空間側(図8ないし図10において上方)に尖った略四角錐形状を呈している。反射板60の4辺からなる外周辺601は一平面状にあり、ロアーユニット40が設けられていない一対の対向する辺に沿って、各々一対の取付用開口部66が設けられている。
外周辺601の内側は、取付金具21を避けた傾斜面として、対向する外周辺601の中心点602同士を結んだ線により分割される4個の領域631(図11中ハッチングで表示)、632,633,634を有する。
なお、以下の説明において各領域を総称する場合には、「領域63」で示す。
【0023】
各領域63は、平面視で矩形状をしており、直交する2本の外周辺601、601と、隣接する領域63との境界である2本の交線L1、L1とを有する。各領域63は、反射板60の頂点P1に向かって傾斜しており、頂点P1が下方空間側へ最も高くなっている。
各領域63は、2つの中心点602、602を結んだ区画線L2により、角点P2側と頂点P1側に区画される。さらに、頂点P1側は、頂点P1の近傍で、略区画線L2と平行な区画線L3と、交線L1の近傍において、頂点P1側から外周辺601に向かって拡幅する区画線L4とを有する。
【0024】
図9に基づいて、各領域63において、頂点P1と角点P2とを結ぶ線(図8(A)中二点鎖線で表示)に沿った断面の構成を説明する。なお、図9においては、鉛直方向の寸法を誇張して示してある。
角点P2と、区画線L2との交点P3との間は、上方(図において下方)に凸の半径R1の円(以後、「円R1」で表示)で構成される。また、交点P3と、区画線L3との交点P4との間は、上方(図において下方)に凸の半径R2の円(「円R2」で表示)で構成される。交点P3において、円R1の接線と円R2の接線は一致しており、円R1と円R2との間はなめらかに接続されていて明確な境界は無い。
なお、両円R1、R2の半径は、R1>R2となっている。
【0025】
交点P4と頂点P1との間は、下方空間側(図において上方)に凸の半径R3の円(以後、「円R3」で表示)で構成される。交点P4において、円R2の接線と円R3の接線は一致しており、両円R2、R3はなめらかに接続されていて明確な境界は無い。また、頂点P1において、円R3の接線は,水平になっている。
【0026】
次に、図10に基づいて,隣接する領域63との関係について説明する。なお、図10においては、鉛直方向の寸法を誇張して示してある。
図10に示すように、隣接する領域63の交線L1を挟んだ区画線L4,L4の間は、下方空間側(図において上方)に凸の半径R4の円(「円R4」で表示)で構成される。円R4の接線は、交線L1上において水平となる。
なお、図8(A)に示すように、区画線L4、L4は、頂点P1に向かうに従って幅が狭まり、区画線L3において交わって消滅する。このため、円R4も、区画線L3で消滅する。
【0027】
円R4の外側は、前述した上方空間側に凸の円R2が連続する。区画線L4上における円R4の接線と、円R2の接線は一致しており、円R4と円R2との間はなめらかに接続されていて明確な境界は無い。なお、円R1および円R2は、図9で示した断面における半径が各々R1およびR2であり、図10に示す断面においては半径が異なるので、図中円R1の半径をR1Bで示し、円R2の半径をR2Bで示す。
【0028】
図7および図8(A)に示すように、反射板60の中央部には器具本体20に設けられている金具ケース24に対応して取付金具用開口部64が設けられており、取付金具用開口部64には、蓋61が着脱可能に取り付けられる。
これにより、取付金具21の引っ掛けシーリング12への着脱を可能にしている。
なお、蓋61の下面611は前述した形状に形成されるとともに、反射板60と同様に光を反射するようになっている。
【0029】
また、反射板60の所定位置には、器具本体20に取り付けられる制御部62用の開口部65が設けられており、制御部62の下面621が開口部65から反射板60の表面に露出している。これにより、反射板60の薄型化を図っている。ここでは、例えば交線L1および一対の区画線L4、L4に跨がって配設されており、制御部62の下面621は、前述した形状に形成されるとともに、反射板60と同様に光を反射するようになっている。
従って、蓋61および制御部62を取り付けた状態で、反射板60は前述した形状に形成される。
【0030】
従って、ロアーユニット40から発せられた光は、反射板60に向かって照射されて下方空間側へ反射される。このとき、反射板60の形状が、所定の半径を有する円弧面の組合せで形成され、各円の境界における接線が共通になるように構成されているので、均一に反射して、パネル50に入射する。
これにより、図7に示すように、所定間隔で2個のロアーユニット40が配設されている場合でも、両ロアーユニット40の間に対応する領域にも光を照射することができるので、暗部の発生を防止できる。
【0031】
図14に示すように、器具本体20の上側には上枠32配設され、器具本体20の下側には反射板60が配設されている。上枠32には係止突起322が下方空間側へ突設されており、器具本体20の上側から、器具本体20の取付用開口部25および反射板60の取付用開口部66を貫通して、反射板60の下面を係止している。
これにより、ねじ23で反射板60と器具本体20とを接続するとともに、反射板60および器具本体20および上枠32を一体的に接続している。
【0032】
図11に示すように、アッパーユニット30は、器具本体20に設けられている取付金具21の周囲を囲うように設けられている器具本体20の上縦壁203の外面に取り付けられ、外向きに光を照射する。
また、アッパーユニット30は、平面視において、器具本体20におけるロアーユニット40(図11中破線で表示)の内側に配設されている。
【0033】
なお、アッパーユニット30の平面配置は、取付金具21に近い位置すなわち器具本体20の中央側でもよく、あるいは、器具本体20の外縁側でもよい。
取付金具21に近い場合には、天井面11への間接光をより広い面積で照射可能であり、照明器具10が浮遊した感じになって薄さ感を出すことができる。
また、器具本体20の外縁側に設けた場合には、アッパーユニット30とロアーユニット40が近くなるので、電力供給用の配線を短くしたり、長期使用時における照明器具10上面に溜まるほこり等を少なくすることができる。
【0034】
図12に示すように、アッパーユニット30は、全体細長い長方形状をしており、最下層に長方形の本体34を有する。本体34は、放熱性を向上させるため、アクリルにより形成されており、アッパーユニット30を器具本体20に取り付けるための一対のブラケット341が設けられている。
これにより、アッパー側LED光源33が発した熱を効率的に放熱できるので、アッパーユニット30の寿命を大幅に延ばすことができる。
【0035】
本体34の上には、複数のアッパー側LED光源33を実装したLED基板35が取り付けられる。例えば、アッパー側LED光源33は、LED基板35上に1列の直線上に配列されている。
【0036】
本体34の上には、アッパー側LED光源33およびLED基板35を覆う難燃性の樹脂で形成された透光性のレンズカバー36が配設される。
これにより、ユーザ等が直接アッパー側LED光源33に触ることがないようにするとともに、アッパー側LED光源33が発した光の集光を可能にしている。
【0037】
図13に示すように、アッパー側LED光源33から発せられる光は、レンズカバー36を通過することにより、水平よりも天井面11側(被取付面側)に照射されるのが望ましい。あるいは、レンズカバー36によってアッパーユニット30による照射方向を被取付面側に設定する代わりに、あらかじめアッパー側LED光源33の向きを被取付面側に設定することもできる。
【0038】
なお、アッパーユニット30の高さは、器具本体20に取り付けられている取付金具21の高さより大きくするのが望ましい。
また、ロアーユニット40の光量を、アッパーユニット30の光量以上とするのが望ましい。
【0039】
図14に示すように、器具本体20の上方空間側(天井面11側)には、上枠32が配設されており、上枠32の下面には係止突起322が下方空間側に向けて突設されている。係止突起322は、器具本体20の開口25および反射板60の取付用開口部66を貫通して、上枠32と、器具本体20と、反射板60とを一体的に取り付けている。
一方、反射板60は、ねじ23により器具本体20に取り付けられており(図2参照)、薄板からなる反射板60を薄板の器具本体20に取り付けるため、ねじ23の先端が突出する場合がある。
このため、上枠32の高さH1を、器具本体20の上面から突出するねじ23の突出量H2よりも大きく設定して、ねじ23の先端が上枠32から突出しないようにする。
【0040】
図3および図11に示すように、上枠32は、ロアーユニット40と、ロアーユニット40よりも平面視で器具本体20の中心側に配設したアッパーユニット30との上下方向における間に位置する。
図15(A)には、上枠32の上面321が天井面11に対して平行な場合が示されている。上面321は、光不透過であり,白色塗装あるいは鏡面仕上げを施すのが望ましい。
この場合は、上面321で反射した光が、照明器具10が取り付けられている近くの天井面11側へ照射されるので、天井面11や壁面W(図18参照)への照射範囲を比較的狭くしたい場合に適する。
【0041】
一方、図15(B)には、上枠32の上面322が天井面11に対して角度を有する場合が示されている。上面322は、光不透過であり,白色塗装あるいは鏡面仕上げを施すのが望ましい。
この場合は、上面322の傾斜角度を調整することにより、上面322で反射した光が遠くまで達するので、天井面11や壁面W(図18参照)への照射範囲を比較的広くしたい場合に適する。
なお、上枠32の上面を、天井面11に対して平行な面と角度を有する面とを組み合わせて形成することも可能である。
【0042】
図2および図3に示したように、ロアーユニット40の下方空間側には、パネル50が着脱可能に取り付けられる。パネル50は、照射された光を拡散するものであり、複数箇所に、光透過率が低いパネルカバー51を設けられている。
図16に示すように、パネルカバー51は、パネル50において器具本体20の中心に対して対称な端部付近の対向する2辺に沿って設けられている。また、パネルカバー51は、ロアーユニット40が設けられている位置(図16(A)において破線で表示)に対応して設けられている。
【0043】
また、パネルカバー51は、少なくとも第1の孔52を有し、第1の孔52の内側には、明るさセンサ、人感センサ、熱センサ、信号送信装置からの信号を受信するための受信センサのうちの少なくとも一つが配設されている。
さらに、パネルカバー51は、少なくとも第2の孔53を有し、第2の孔53の内側には、照明器具10の動作状態を示すための信号を発する発信手段が配設されている。
【0044】
第1の孔52および第2の孔53は、複数個のロアーユニット40が長手方向に直線状に並んで設けられている場合には、ロアーユニット40の間に設けるのが望ましい(図16(A)参照)。
例えば、2個のロアーユニット40が長手方向に並んで設けられている場合には、図16(A)に示すように、第1の孔52および第2の孔53をパネルカバー51の略中央に設けることができる。
なお、孔52,53は、図16(B)に示すように、2個に限るものではない。図16(C)に示すように、3個の孔52,53,54を設けたり、図16(D)に示すように、4個の孔52,53,54、55を設けることもできる。
また、孔52,53,54、55の形状も、丸孔に限るものではない。
さらに、孔52,53,54、55を設ける場所は、1個のパネルカバー51に限らず、複数個のパネルカバー51に設けることもできる。
【0045】
図17(A)ないし(C)には、パネルカバー51の別の例が示されている。
図17(A)では、パネルカバー511の長さをパネル50の幅に比して小さくして、光の不透過部分を狭くした場合を示す。
図17(B)では、パネルカバー512を、パネル50の4辺に沿って設けた場合を示す。
さらに、図17(C)では、円形のパネル50Bに2個のパネルカバー513を対称な位置に設けた場合を示す。パネルカバー513は、パネル50Bの形状に対応して、部分円弧状となっている。
【0046】
次に、制御部62によるロアーユニット40およびアッパーユニット30の制御について説明する。
制御部62は、ロアーユニット40のロアー側LED光源42およびアッパーユニット30のアッパー側LED光源33を制御して、以下のモードを選択できる。
すなわち、制御部62は、光量一定で光色を変化させる第1のモード、光色一定で光量を変化させる第2のモード、光量および光色を同時に変化させる第3のモード、およびテレビを視聴するのに適する第4のモードが選択可能である。
【0047】
図18に示すように、照明器具10により照明する部屋Rは、平面視で矩形状をしており、4つの壁面W1、W2、W3、W4を有する。壁面W1の下方空間側には、テレビTVが置かれており、部屋Rの中央にはテーブルTが置かれている。また、壁面W4は壁面W2に対向して設けられており、W2と同様に制御されるものとする。
【0048】
図19には、光量一定で光色を変化させる第1のモードが示されている。この場合、制御部62は、ロアー側LED光源42およびアッパー側LED光源33を制御して、出力を一定に維持して、光色を変化させる。なお、光色の変化は、ロアーユニット40やアッパーユニット30に,光色が異なるロアー側LED光源42やアッパー側LED光源33を設けておいて、各色の出力の割合を変えることにより調整することができる。あるいは、各ロアー側LED光源42および各アッパー側LED光源33の光色を変化させることにより調整することもできる。
すなわち、図19(A)に示すように、照明器具10は、部屋R全体を一定の出力で明るく照明している。そして、図19(B)に示すように、一定の出力(ここでは、例えば100%の出力)で、白色から電球色の間で,光色を変化させる。
【0049】
なお、図19(B)の表中、白色と電球色の割合を、白色/電球色で示している。割合は、白色(100/0)から電球色(0/100)まで、連続的に変化できる。
また、ここでは、出力100%の場合を例示したが、パネルカバー51の第1の孔52の内側に照度センサ(図示省略)を設けて、所定の照度において光色を変化させるようにしてもよい。
また、制御部62は、アッパーユニット30とロアーユニット40の光量や光色を各々別個に制御することができ、アッパーユニット30の光量およびロアーユニット40の光量を出力比にて個別に調整可能である。
【0050】
図20には、光色一定で光量を変化させる第2のモードが示されている。
図20(A)に示すように、照明器具10は、部屋R全体を照明するとともに、特にテーブルTを明るく照明している。このため、制御部62は、テーブルTを照明するロアーユニット40の出力を、壁面Wを照明するアッパーユニット30の出力よりも上げて、テーブルTを明るく照明するように制御する。例えば、ロアーユニット40のうちテーブルTを照明するロアー側LED光源42の出力を100%とし、その他のロアー側LED光源42およびアッパー側LED光源33の出力を下げる。
【0051】
その際、図20(B)に示すように、一定の光色(ここでは、100%の白色)で、ロアーユニット40およびアッパーユニット30の出力を例えば100%から10%の間で連続的に変化させることができる。
なお、特殊な場合として、照明器具10を次第に消灯する場合(すなわち、出力を0%に変化させる場合)も含むことができる。
【0052】
図21には、光色一定で光量を変化させる第2のモードの別の例が示されている。
図21(A)に示すように、照明器具10は、主に部屋Rの天井面11および壁面Wを照明する。すなわち、制御部62は、天井面11および壁面Wを照明するアッパーユニット30の出力を,床面側を照明するロアーユニット40の出力よりも上げて、天井11および壁面Wを明るく照明するように制御する。
その際、図21(B)に示すように、一定の光色(ここでは、100%の電球色)で、アッパーユニット30の出力を例えば100%から10%の間で連続的に変化させることができる。
【0053】
図22には、光色および光量を変化させる第3のモードが示されている。
図22(A)に示すように、照明器具10は、部屋R全体を照明する。
その際、制御部62は、図22(B)に示すように、アッパーユニット30およびロアーユニット40の光量および光色を同時に制御して、所望の光量で、所望の光色の照明光を得る。
【0054】
なお、図23に示すような常夜灯のみ点灯させるような場合には、制御部62は、図22に示した第3のモードにおいて、ロアーユニット40およびアッパーユニット30の光量を落とすことにより、常夜灯として点灯させることも可能である。また、同時に、制御部62は、常夜灯の光色を調整することもできる。
例えば、図23(B)に示すように、制御部62は、常夜灯としての出力(光量)の上限を10%に制限して、白色と電球色との間で光色を調整することができる。
【0055】
図24には、テレビを視聴するのに適する配光状態とする第4のモードが示されている。
図24(A)に示すように、テレビを視聴するのに適する配光状態としては、照明器具10がテレビTV側の壁面W1の上部のみを照明し、部屋Rの他の部分は照明しない場合が例示できる。
この場合、制御部62は、アッパーユニット30のうちの、テレビTV側のアッパーユニット30のみを点灯させる。制御部62は、テレビTV側のアッパーユニット30を、例えば、出力100%の光量の電球色で点灯させて、壁面W1の上部を照明する。
なお、この際に、制御部62は、アッパーユニット30Aの光量や光色を変化させることも可能である。
【0056】
以上、説明した本発明に係る第1実施形態の照明器具10は、天井面11側に設けられ、主に壁面Wを照明する複数のアッパーユニット30と、アッパーユニット30の下方空間側に設けられ、主に床面を照明する複数のロアーユニット40とを有する。また、照明器具10は、アッパーユニット30およびロアーユニット40を制御する制御部62を有する。
制御部62は、光量一定で光色を変化させる第1のモードと、光色一定で光量を変化させる第2のモードと、光量および光色を同時に変化させる第3のモードと、を選択可能である。さらに、制御部62は、アッパーユニット30の光量およびロアーユニット40の光量を出力比にて個別に調整可能である。
このため、制御部62は、第1のモードから第3のモードを選択することにより,部屋Rの演出や雰囲気を容易に変更することができる。
【0057】
また、制御部62は、テレビTVを視聴するのに適する第4のモードを選択可能であるので、テレビTVを視聴する際の部屋Rの雰囲気を作ることができる。
【0058】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の照明器具について、図面を用いて説明する。
なお、前述した第1実施形態に係る照明器具10と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
【0059】
図25および図26に示すように、第2実施形態の照明器具10Bにおける反射板60Bは、中央に向かって下方空間側へ傾斜する傾斜面67を有し、全体下方空間側へ尖った山型形状を呈する。反射板60Bの下面は、光を反射するように、白色塗装あるいは鏡面仕上げが施されている。
反射部材60Bにおいて器具本体20の一対の下縦壁204(図4参照)に対向する両端部は、切り欠かれて開口部671がそれぞれ設けられている。一対の下縦壁204に設けられたロアーユニット40は、開口部671から反射部材60Bの下方空間側に突出している。また、中央部672は、器具本体20の中心に設けられている取付金具21と干渉しないように、高くなっている。
【0060】
従って、ロアーユニット40から発せられた光は、パネル50におけるロアーユニット40から最も遠い部分R,すなわち反射板60の中央部672に照射される。そして、傾斜面67および中央部672において下方空間側へ反射して、パネル50に入射する。
なお、図6において前述したように、ロアー側LED光源42から発せられる光は、レンズカバー45を通過させて角度θ1だけ被取付面側に照射することにより、確実に反射板60Bで反射させて、パネル50に入射させて発光させることができる。
【0061】
また、第1実施形態の反射板60で示したように、反射板60Bの中央に取付金具用開口部(64)を設けて蓋(61)を着脱可能に取り付けることもできる。
さらに、反射板60Bに制御部62用の開口部(65)を設け、制御部62の下面621が反射板60Bの一部を構成するようにすることもできる。
【0062】
なお、本発明の照明器具は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
例えば、パネル50のパネルカバー51に設けられている第1の孔52の内側に人感センサを設け、制御部62が人感センサからの信号に基づいて、光量を調整することも可能である。
【符号の説明】
【0063】
10 照明器具
11 天井面(被取付面)
30 アッパーユニット
33 アッパー側LED光源
40 ロアーユニット
42 ロアー側LED光源
62 制御部
TV テレビ
W,W1 壁面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付面側に設けられ、主に上方空間側を照射する複数のアッパー側LED光源を有する複数のアッパーユニットと、
前記アッパーユニットの下方空間側に設けられ、主に前記下方空間側を照射する複数のロアー側LED光源を有する複数のロアーユニットと、
前記複数のアッパーユニットおよび前記複数のロアーユニットを制御する制御部と、を有し、
前記制御部が、
光量一定で光色を変化させる第1のモードと、
光色一定で光量を変化させる第2のモードと、
光量および光色を同時に変化させる第3のモードと、を選択可能であるとともに、
前記アッパーユニットの光量および前記ロアーユニットの光量を出力比にて個別に調整可能である照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記制御部が、テレビを視聴するのに適する第4のモードを選択可能である照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2012−155938(P2012−155938A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12827(P2011−12827)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】