説明

照明器具

【課題】直管ランプに対して位置合わせした所定位置において保持できる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具10は、反射板18に設けられた取付孔25と、取付孔25に取付部材24により取り付けられる取付部31と、取付部31に支持されて直管ランプを握着するばね部32と、取付部31に設けられ、取付孔25に共締めされる挿通部34とを備え、挿通部34が、反射板18における直管ランプの長手方向および径方向のうちの一方に沿った複数箇所を選択可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直管ランプを装備する照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、直管ランプを弾性的に保持するランプホルダをランプホルダ台に固定し、ランプホルダ台をねじにより反射板と共締め固定した照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1は、省資源、リサイクル等の環境性に配慮し、安全性および信頼性の向上を低コストで実現できる。
また、従来により、ランプを抱持するランプホルダをランプ補助体とともにねじにより器具本体に取り付けた照明器具が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2は、従来のランプホルダにランプ補助体を取り付けることにより耐久性と保持力を向上できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−158403号公報(図1、請求項1)
【特許文献2】実開平4−5015号公報(図1、請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1は、ランプホルダ台がねじにより反射板に共締め固定されているものの、ランプホルダを任意な位置に位置合わせできない。
一方、特許文献2は、ランプホルダがランプ補助体とともにねじにより器具本体に取り付けられているものの、ランプホルダを任意な位置に位置合わせできない。
従って、特許文献1および特許文献2は、例えば、既存の反射板に反射板を新たに取り付けるリニューアルタイプとして使用する場合、位置合わせした所定位置において直管ランプを保持できない。
【0005】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、直管ランプに対して位置合わせした所定位置において保持できる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明器具は、反射板と、前記反射板に設けられて直管ランプを支持する一対のソケットと、前記反射板に設けられた取付孔と、前記取付孔に取付部材により取り付けられる取付部と、前記取付部に支持されて前記直管ランプを握着するばね部と、前記取付部に設けられ、前記取付孔に共締めされる挿通部とを備え、前記挿通部が、前記反射板における前記直管ランプの長手方向および径方向のうちの一方に沿った複数箇所を選択可能である。
【0007】
本発明に係る照明器具は、前記取付部における前記反射板に向かう面に突起が設けられている。
【0008】
本発明に係る照明器具は、前記取付部が前記ばね部を複数、かつ、前記直管ランプの長手方向に沿って支持している。
【0009】
本発明に係る照明器具は、前記直管ランプを複数、かつ、並行に有し、前記取付部が前記ばね部を複数、かつ、前記直管ランプの径方向に沿って支持している。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る照明器具によれば、直管ランプに対して位置合わせした所定位置において保持できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る第1実施形態の照明器具の分解斜視図
【図2】本発明に係る第1実施形態の照明器具のランプ落下防止部材の取付時の斜め下方から視た外観斜視図
【図3】本発明に係る第1実施形態の照明器具のランプ落下防止部材の斜め下方から視た外観斜視図
【図4】本発明に係る第1実施形態の照明器具のランプ落下防止部材の変形例の取付前の斜め下方から視た外観斜視図
【図5】本発明に係る第1実施形態の照明器具のランプ落下防止部材の変形例の取付後の斜め下方から視た外観斜視図
【図6】本発明に係る第2実施形態の照明器具のランプ落下防止部材の斜め下方から視た外観斜視図
【図7】本発明に係る第3実施形態の照明器具のランプ落下防止部材の取付時の斜め下方から視た外観斜視図
【図8】本発明に係る第4実施形態の照明器具のランプ落下防止部材の取付時の斜め下方から視た外観斜視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る複数の実施形態の照明器具について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明に係る第1実施形態の照明器具10は、天井面1に既に設置されている既存反射板11の一端部にソケット台12を介して取り付けられている一対の給電側のソケット13を備える。
また、照明器具10は、既存反射板11の他端部にソケット台14を介して取り付けられている一対の接地側のソケット15と、既存反射板11に取り付けられている電源ユニット16と、電源ユニット16の近傍に配置されている電源端子台17とを備える。
電源端子台17には、天井面1から引き込まれる電源線5が電気的に接続されるとともに電源ユニット16が電気的に接続され、電源ユニット16に給電側のソケット13および接地側のソケット15が電気的に接続される。
【0013】
そして、照明器具10は、既存反射板11に下方から被される反射板18と、一対の給電側のソケット13および一対の接地側のソケット15に機械的および電気的に接続される一対の直管型LEDランプ19とを備える。
さらに、照明器具10は、反射板18に取り付けられる複数のランプ落下防止部材20を備える。
照明器具10は、既存反射板11に反射板18を新たに取り付けて使用するリニューアルタイプである。
【0014】
既存反射板11は、天井面1から下方に向けて突出されている取付ボルト2にボルト孔21が挿通された後に座金3を介してナット4がねじ込まれることにより、天井面1にあらかじめ設置されている。
反射板18は、厚みの薄い板部材により成形されており、床面側に反射面22を有し、既存反射板11内に収容される。
反射板18は、給電側のソケット13および接地側のソケット15を挿通させるための切欠き状の二対のソケット挿通孔23を有し、取付部材24によりランプ落下防止部材20を共締めするための取付孔25を有する。
取付孔25は、通常、取付部材24を使って反射板18を不図示の器具本体等に取り付けるために用いられるものであり、ランプ落下防止部材20を反射板18に共締めにより取り付けるために併用される。
【0015】
直管型LEDランプ19は、断面がほぼ円形のガラス管26の一端部の口金27に、給電側のソケット13に電気的に接続される給電側の口金ピン28を有する。
直管型LEDランプ19は、ガラス管26の他端部の口金29に、接地側のソケット15に電気的に接続される接地側の口金ピン30を有する。
直管型LEDランプ19は、ガラス管26内に、複数の不図示のLEDを長手方向に封止させた不図示のLED基板を有する不図示のLEDユニットを内蔵している。
【0016】
直管型LEDランプ19は、給電側のソケット13から給電された直流電流が給電側の口金ピン28から接地側の口金ピン30を通じて接地側のソケット15に流れる。
そして、直管型LEDランプ19は、LED基板に有する不図示のプリント回路に直流電流が供給されてLEDが発光される。
直管型LEDランプ19は、被照射対象に向けた照射範囲が全周に対して1/2ないし2/3である。
【0017】
図2に示すように、ランプ落下防止部材20は、反射板18の取付孔25に取付部材24により取り付けられる取付部31と、取付部31に支持されて直管型LEDランプ19を握着するばね部32とを備える。
ランプ落下防止部材20は、取付部31およびばね部32の直管型LEDランプ19側の面に高反射塗装が施されている。
そのため、ランプ落下防止部材20は、反射板18の反射面22とともに高い反射機能を有する。
取付部材24は、ねじ込みボルトやスタッドボルトが適用される。
図3に示すように、取付部31は、ばね部32が支持される底板33と挿通部34が形成される天板35とがZ字形状に接続されている。
挿通部34は、反射板18における直管型LEDランプ19の長手方向に沿った複数個所を選択できる長孔に形成されている。
なお、挿通孔34は、反射板18における直管型LEDランプ19の長手方向および径方向のうちの一方に沿った複数箇所を選択可能に形成されてもよい。
【0018】
次に、ランプ落下防止部材20の取付手順について説明する。
図1に戻り、まず、既存反射板11の給電側のソケット13および接地側のソケット15に反射板18のソケット挿通孔23を外挿させながら、既存反射板11に反射板18を組み入れていく。
次に、反射板18の取付孔25に、ランプ落下防止部材20の天板35の挿通部34を合わせ、ランプ落下防止部材20のばね部32が直管型LEDランプ19の周面に一致するように、挿通部34を微調整して位置決めする。
挿通部34が位置決めされた後に、挿通部34に取付部材24が挿通され、取付部材24が反射板18の取付孔25を通じて既存反射板11に共締めによりねじ止めされる。
これにより、ランプ落下防止部材20が、直管型LEDランプ19の所定位置に位置合わせされた後に固定されることになる。
【0019】
次に、ランプ落下防止部材20の変形例について説明する。
図4に示すように、変形例のランプ落下防止部材20は、天板35に、反射板18に設けられているラッチ部材36を挿通させるため挿通孔34が形成される。
図5に示すように、変形例のランプ落下防止部材20は、反射板18への取り付けにあたり、反射板18の取付孔25に、ランプ落下防止部材20の天板35の挿通部34を合わせ、ランプ落下防止部材20のばね部32が直管型LEDランプ19の周面に一致するように、挿通部34を位置決めする。
挿通部34が位置決めされた後に、挿通部34がラッチ部材36に挿通され、ラッチ部材36がほぼ90度回動されることにより、ラッチ部材36が取付部31に係止されて固定される。
【0020】
以上、説明した本発明に係る第1実施形態の照明器具10によれば、ランプ落下防止部材20の挿通部34が、反射板18における直管型LEDランプ19の長手方向に沿った複数箇所を選択可能である。
従って、照明器具10によれば、直管型LEDランプ19に対して位置合わせした所定位置において保持できる。
【0021】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の照明器具について説明する。
なお、以下の各実施形態において、前述した第1実施形態と重複する構成要素や機能的に同様な構成要素については、図中に同一符号あるいは相当符号を付することによって説明を簡略化あるいは省略する。
【0022】
図6に示すように、本発明に係る第2実施形態の照明器具40は、回止部42を有するランプ落下防止部材41を備える。
ランプ落下防止部材41は、回止部42が、取付部31の対向する外縁部において反射板18側に突出する複数の係止突起43である。
なお、回止部42としては、係止突起43に代えて、取付部31の反射板18側に設けられる凹凸面等を適用することもできる。
【0023】
ランプ落下防止部材41は、反射板18への取り付けにあたり、反射板18の取付孔25に、天板35の挿通部34を合わせる。
次に、ランプ落下防止部材41のばね部32が直管型LEDランプ19の周面に一致するように、挿通部34を位置合わせして位置決めされる。
そして、挿通部34が位置決めされた後に、挿通部34に取付部材24が挿通され、取付部材24が反射板18の取付孔25を通じて既存反射板11に共締めによりねじ止めされる。
これにより、ランプ落下防止部材41は、取付部材24のねじ込みに伴い、係止突起43が反射板18に食い込んで回り止めされて、直管型LEDランプ19の所定位置に位置合わせされた後に固定される。
【0024】
第2実施形態の照明器具40によれば、回止部42の係止突起43が反射板18に食い込むことにより、ランプ落下防止部材41を直管型LEDランプ19の所定位置に回り止めして固定できる。
【0025】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態の照明器具について説明する。
図7に示すように、本発明に係る第3実施形態の照明器具50は、複数のばね部32を直管型LEDランプ19の長手方向に沿って支持している取付部52を有するランプ落下防止部材51を備える。
ランプ落下防止部材51は、取付部52が、直管型LEDランプ19の径方向に沿った複数個所を選択できる長孔の挿通部53を有する。
【0026】
照明器具50は、ランプ落下防止部材51の取り付けにあたり、反射板18の取付孔25に、ランプ落下防止部材51の取付部52の挿通部53を合わせる。
次に、ランプ落下防止部材51のばね部32が直管型LEDランプ19の周面に一致するように、挿通部53を微調整して位置決めされる。
挿通部53が位置決めされた後に、挿通部53に取付部材24が挿通され、取付部材24が反射板18の取付孔25を通じて既存反射板11に共締めによりねじ止めされる。
【0027】
第3実施形態の照明器具50によれば、複数のばね部32を直管型LEDランプ19の周面に一致するように、挿通部53を位置合わせして位置決めできるために、直管型LEDランプ19に対する保持力を増大できる。
【0028】
(第4実施形態)
次に、本発明に係る第4実施形態の照明器具について説明する。
図8に示すように、本発明に係る第4実施形態の照明器具60は、複数の直管型LEDランプ19を並行に配列している。
そして、照明器具60は、並列の直管型LEDランプ19を径方向にそれぞれ保持する複数のばね部32を支持するために直管型LEDランプ19の径方向に長さを有する取付部62を有するランプ落下防止部材61を備える。
【0029】
照明器具60は、ランプ落下防止部材61の取り付けにあたり、反射板18の取付孔25に、ランプ落下防止部材61の取付部62の挿通部34を合わせる。
次に、ランプ落下防止部材61のばね部32が並列の直管型LEDランプ19の周面に一致するように、挿通部34を位置合わせして位置決めされる。
挿通部34が位置決めされた後に、挿通部34に取付部材24が挿通され、取付部材24が反射板18の取付孔25を通じて既存反射板11に共締めによりねじ止めされる。
【0030】
第4実施形態の照明器具60によれば、複数のばね部32が並列の直管型LEDランプ19の周面に一致するように挿通部34を微調整してランプ落下防止部材61が位置決めされるために、並列タイプの照明器具60に簡単に適用できる。
【0031】
なお、本発明の照明器具においてソケット台,電源ユニット,電源端子台,直管型LEDランプ等は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形や改良等が可能である。
【符号の説明】
【0032】
10,40,50,60 照明器具
13 給電側ソケット(ソケット)
15 接地側ソケット(ソケット)
18 反射板
19 直管型LEDランプ(直管ランプ)
24 取付部材
25 取付孔
31,52,62 取付部
32 ばね部
34,53 挿通部
43 係止突起(突起)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射板と、
前記反射板に設けられて直管ランプを支持する一対のソケットと、
前記反射板に設けられた取付孔と、
前記取付孔に取付部材により取り付けられる取付部と、
前記取付部に支持されて前記直管ランプを握着するばね部と、
前記取付部に設けられ、前記取付孔に共締めされる挿通部とを備え、
前記挿通部が、前記反射板における前記直管ランプの長手方向および径方向のうちの一方に沿った複数箇所を選択可能である照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記取付部における前記反射板に向かう面に突起が設けられている照明器具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の照明器具において、
前記取付部が前記ばね部を複数、かつ、前記直管ランプの長手方向に沿って支持している照明器具。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の照明器具において、
前記直管ランプを複数、かつ、並行に有し、
前記取付部が前記ばね部を複数、かつ、前記直管ランプの径方向に沿って支持している照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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